説明

燃焼圧センサ及びセンサ付き内燃機関

【目的】 燃焼圧の検出性能が高く、かつ、安価にできる燃焼圧センサ、及び、このような燃焼圧センサを備えるセンサ付き内燃機関を提供すること。
【構成】 燃焼圧センサ100は、有底孔221を有する内燃機関210において、有底孔221内に自身の先端側を挿入して、燃焼圧の変化を計測するものである。燃焼圧センサ100は、有底孔221の底面221bに固定され、有底孔221の軸線BX方向についての底面221bの変位に従動する中軸130と、有底孔221の開口縁221c近傍に固定される固定部115と、燃焼圧の変化に伴って生じる中軸130の固定部115に対する、軸線BX方向についての相対変位を検知可能に構成されたセンサ部150とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用エンジン等の内燃機関における燃焼圧の変化を計測するための燃焼圧センサ、及び、このような燃焼圧センサが内燃機関に取り付けられたセンサ付き内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内燃機関の燃焼圧を計測する燃焼圧センサが知られている。例えば特許文献1や特許文献2にこのような燃焼圧センサが開示されている。従来の燃焼圧センサは、エンジンブロックやエンジンヘッドに燃焼室に通じる貫通孔を設け、この貫通孔に挿入して使用される。例えば、特許文献1の燃焼圧センサでは、その受圧面(感圧部)を、内燃機関に設けた貫通孔を通して燃焼室内に配置し、燃焼圧の変化をこの受圧面で直接受け取り、燃焼圧を計測する(特許文献1の段落(0010)や図1等を参照)。概略同様に、特許文献2の燃焼圧センサでは、棒状の圧力伝達部材(感圧部)を、エンジンブロックに設けた貫通孔内に挿入し、燃焼圧の変化をこの圧力伝達部材で直接受け取り、燃焼圧を計測する(特許文献2の図1等を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−332872号公報
【特許文献2】特開2004−286617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の燃焼圧センサは、燃焼室に通じる貫通孔に挿入して使用するため、その感圧部が燃焼室内に晒される。このため、耐熱性や耐圧性、耐食性などを十分に確保しなければならないので、高性能ではあるが、どうしてもコスト高になることが避けられない。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、燃焼圧の検出性能が高く、かつ、安価にできる燃焼圧センサ、及び、このような燃焼圧センサを備えるセンサ付き内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その解決手段は、自身の開口縁よりも底部を燃焼室に近づけた形態の有底孔を有する内燃機関において、前記有底孔内に自身の先端側を挿入して、燃焼圧の変化を計測する燃焼圧センサであって、前記有底孔内の固定部位に直接または間接的に固定され、この固定部位における、前記有底孔の軸線方向についての変位に従動するように構成されてなる第1部と、前記内燃機関のうち、前記固定部位よりも前記軸線方向の前記開口縁側の部位に固定されるように構成されてなる第2部と、前記燃焼圧の変化に伴って生じる前記第1部の前記第2部に対する、前記軸線方向についての相対変位を検知可能に構成されてなるセンサ部と、を備える燃焼圧センサである。
【0007】
燃焼室を形成するエンジンヘッドなどは、燃焼圧の変化に伴って歪む。より具体的には、エンジンヘッドなどのうち、燃焼室に晒される内面側は燃焼圧の変化に伴って大きく歪む。一方、外部に露出する外面側は燃焼圧が変化しても内面側ほど大きくは歪まない。特にエンジンヘッドは、自身の内部に空洞部が多く形成されているため、内面側と外面側とで歪みの差が大きくなる。このような知見を得たことで、本発明者らは、エンジンヘッドなどの内面側と外面側の歪みの差を検知することで、燃焼圧の変化を計測できると考え、本発明を考案するに至った。
【0008】
上記のように本発明の燃焼圧センサは、内燃機関に設けられた有底孔内の固定部位に固定され、この固定部位における、軸線方向についての変位に従動するように構成された第1部を有する。また、この燃焼圧センサは、内燃機関のうち、上記固定部位よりも軸線方向の開口縁側の部位に固定されるように構成された第2部を有する。燃焼室を形成するエンジンヘッドなどのうち、燃焼室に近い部分は、燃焼圧の変化により大きく歪むが、燃焼室から遠い部分は、燃焼圧が変化しても比較的小さな歪みしか生じない。このため、燃焼圧の変化に伴って、第1部は大きく変位するが、第2部は小さくしか変位しない。
また、この燃焼圧センサは、第1部の第2部に対する軸線方向についての相対変位を検知可能に構成されてなるセンサ部を有する。このため、この相対変位に基づいて、燃焼圧の変化を検知できることになる。このように、本発明の燃焼圧センサは、従来の燃焼圧センサと同様に、燃焼圧を精度良く検出可能である。
【0009】
しかも、この燃焼圧センサは、内燃機関の有底孔に挿入して使用するため、その先端部が燃焼室内に晒されない。このため、耐熱性や耐圧性、耐食性などを大幅に低減できる。従って、燃焼圧センサの低コスト化が可能で、安価な燃焼圧センサを提供できる。また、内燃機関に燃焼室に通じる貫通孔をあける必要がないため、内燃機関の性能を損なわずに燃焼圧を測定できる利点もある。
【0010】
ここで、「有底孔」は、開口縁よりも底部を燃焼室に近づけた形態であればよく、その形状や大きさは適宜変更できる。また、その形成場所も適宜選択すればよく、例えば、エンジンヘッドやエンジンブロックに形成できる。前述したように、エンジンヘッドは、自身の内部に空洞部が多く形成され、内面側と外面側とで歪みの差が大きくなるため、燃焼圧の変化を検知しやすい。このため、エンジンヘッドに有底孔を設けるのが好ましい。
【0011】
「第1部」は、前記のように有底孔内の固定部位に固定できればよく、例えば、有底孔の底部に固定してもよいし、有底孔の軸線方向中央部などに固定してもよい。なお、「底部」とは、有底孔の底面や、有底孔の側面(内周面)のうち底面の近傍部分などを含む。また、この「固定」は、第1部と有底孔内の固定部位とが相対的に変位しない状態にされていればよく、両者を溶接や接着剤などで固着して固定してもよいし、両者を当接させたり嵌合させたり螺合させるなどして固定してもよい。
【0012】
「第2部」は、前記のように内燃機関のうち上記固定部位よりも開口縁側の部位に固定できればよく、例えば、有底孔の開口縁近傍に固定してもよいし、有底孔の軸線方向中央部などに固定してもよい。なお、「開口縁近傍」とは、内燃機関のうち有底孔の開口縁近くの部位を言い、有底孔の側面(内周面)のうち開口縁近くの部分や、有底孔の開口縁の周囲部分(例えば、エンジンヘッドの外表面のうち、有底孔の開口縁の周囲部分)などを含む。また、この「固定」も、上記と同様に、第2部とこれを固定する内燃機関の部位とが相対的に変位しない状態にされていればよく、その固定形態は適宜選択できる。
【0013】
「センサ部」は、前記の要件を満たすものであればよく、その構成形態や燃焼圧センサにおける形成場所は適宜選択できる。「センサ部」は、例えば、後述するように圧電素子やピエゾ抵抗型素子を用いて構成することができる。また、「センサ部」は、使用時に有底孔内に配置される部位に形成してもよいし、有底孔の外側に配置される部位に形成してもよいが、後者の方が耐熱性などの点で好適である。
【0014】
更に、上記の燃焼圧センサであって、前記第1部は、前記有底孔の底部に固定可能に構成されてなり、前記第2部は、前記有底孔の開口縁近傍に固定可能に構成されてなる燃焼圧センサとすると良い。
【0015】
本発明の燃焼圧センサは、第1部が有底孔の底部に固定可能に構成され、第2部が有底孔の開口縁近傍に固定可能に構成されている。この燃焼圧センサは、他の場合に比して、第1部の固定部位から第2部までの距離が特に大きくとれるので、この燃焼圧センサを内燃機関に取り付けると、燃焼圧の変化に伴う第1部の第2部に対する相対変位も大きく現れる。従って、燃焼圧の変化を特に精度良く検出できる。
【0016】
更に、上記のいずれかに記載の燃焼圧センサであって、前記第2部を含むハウジングであって、前記第1部のうち、少なくとも前記第2部よりも先端側を覆ってなるハウジングを備える燃焼圧センサとすると良い。
【0017】
第1部のうち、第2部よりも先端側は、内燃機関の有底孔内に挿入されるため、有底孔外部に比して高温に晒される。これに対し、本発明では、第1部のうち第2部よりも先端側がハウジングで覆われているため、このようなハウジングがない場合に比して、第1部が高温に晒されるのを抑制できる。
なお、ハウジングは、第1部のうち、少なくとも第2部よりも先端側を覆っていればよく、第2部よりも先端側のみ覆う形態としてもよいし、第1部全体を覆う形態としてもよい。また、ハウジングは、センサ部をも覆う形態としてもよい。
【0018】
更に、上記のいずれかに記載の燃焼圧センサであって、前記センサ部は、圧電素子を含み、前記相対変位に応じてこの圧電素子に加わる荷重を変化させ、この荷重の変化に応じた電荷を発生させる構成とされてなる燃焼圧センサとすると良い。
【0019】
このように圧電素子を用いて、第1部の第2部に対する相対変位に応じた電荷を発生させることで、センサ部は、容易かつ正確に燃焼圧の変化を検知できる。従って、このような燃焼圧センサは、容易にかつ正確に燃焼圧の変化を計測できる。
なお、「圧電素子」は、上記のように、第1部の第2部に対する相対変位に応じて、自身に加わる荷重が変化し、その変化に応じて電荷を発生するように構成されていればよい。従って、上記相対変位が大きくなるほど圧電素子に掛かる荷重が大きくなる構成としてもよいし、上記相対変位が大きくなるほど圧電素子に掛かる荷重が小さくなる構成としてもよい。
また、圧電素子は、積層するなどにより複数用いることもできる。この場合、全ての圧電素子について、上記相対変位が大きくなるほど圧電素子に掛かる荷重が大きくなる(或いは小さくなる)構成とすることができる。或いは、一部の圧電素子については、上記相対変位が大きくなるほど圧電素子に掛かる荷重が大きくなる構成とする一方、他の圧電素子については、上記相対変位が大きくなるほど圧電素子に掛かる荷重が小さくなる構成としてもよい。
【0020】
或いは、前記のいずれかに記載の燃焼圧センサであって、前記センサ部は、ピエゾ抵抗型素子を含み、前記相対変位に応じてこのピエゾ抵抗型素子に歪みを発生させ、この歪みの変化に応じた信号を発生させる構成とされてなる燃焼圧センサとすると良い。
【0021】
このようにピエゾ抵抗型素子を用いて、第1部の第2部に対する相対変位に応じた信号を発生させることでも、センサ部は、容易かつ正確に燃焼圧の変化を検知できる。従って、このような燃焼圧センサも、容易にかつ正確に燃焼圧の変化を計測できる。
【0022】
また、他の解決手段は、内燃機関にその燃焼圧の変化を計測する燃焼圧センサを取り付けてなるセンサ付き内燃機関であって、前記内燃機関は、自身の開口縁よりも底部を燃焼室に近づけた形態の有底孔を有し、前記燃焼圧センサは、自身の先端側が前記有底孔内に挿入されてなり、前記有底孔内の固定部位に直接または間接的に固定されてなり、この固定部位における、前記有底孔の軸線方向についての変位に従動するように構成されてなる第1部と、前記内燃機関のうち、前記固定部位よりも前記軸線方向の前記開口縁側の部位に固定されてなる第2部と、前記燃焼圧の変化に伴って生じる前記第1部の前記第2部に対する、前記軸線方向についての相対変位を検知可能に構成されてなるセンサ部と、を備えるセンサ付き内燃機関である。
【0023】
このセンサ付き内燃機関は、前述した燃焼圧センサを備えているので、第1部の第2部に対する相対変位に基づいて、燃焼圧の変化を精度良く検知できる。また、燃焼圧センサの先端部が燃焼室内に晒されないため、燃焼圧センサに要求される耐熱性や耐圧性、耐食性などを大幅に低減できる。従って、燃焼圧センサの低コスト化が可能で、安価な燃焼圧センサを提供でき、ひいては、安価なセンサ付き内燃機関を提供できる。更に、内燃機関に燃焼室に通じる貫通孔をあける必要がないため、内燃機関の性能を損なわずに適切に燃焼圧を測定できる。
【0024】
更に、上記のセンサ付き内燃機関であって、前記第1部は、前記有底孔の底部に固定されてなり、前記第2部は、前記有底孔の開口縁近傍に固定されてなるセンサ付き内燃機関とすると良い。
【0025】
本発明のセンサ付き内燃機関では、燃焼圧センサのうち、第1部が有底孔の底部に固定され、第2部が有底孔の開口縁近傍に固定されている。このため、第1部の固定部位から第2部までの距離が特に大きくとれるので、燃焼圧の変化に伴う第1部の第2部に対する相対変位も大きく現れる。従って、燃焼圧の変化を特に精度良く検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態1の燃焼圧センサ100及びこの燃焼圧センサ100が内燃機関210に取り付けられたセンサ付き内燃機関200の一部を示す。燃焼圧センサ100は、内燃機関210の燃焼圧の変化を計測するものである。なお、燃焼圧センサ100は、図中下方が先端側、図中上方が基端側である。
【0027】
燃焼圧センサ100は、軸線AXに沿う方向(軸線AX方向)に延びる筒状のハウジング110と、このハウジング110の内側に挿通された棒状の中軸(第1部)130と、ハウジング110の基端側に配置されたセンサ部150とを備える。
このうち、ハウジング110は、炭素鋼から形成されている。このハウジング110は、先端部111と挿入部113と固定部(第2部)115と六角係合部117とからなり、一体成形されている。
【0028】
先端部111は、ハウジング110の最も先端側に位置し、後述する中軸130の先端部131と溶接されている。この先端部111は、内燃機関210に取り付けられたときに、その有底孔221の底面(底部,固定部位)221bに当接されて固定される。
挿入部113は、先端部111の基端側に位置し、中軸130のうち先端側を内挿している。この挿入部113は、内燃機関210に取り付けられたときに、その有底孔221の側面(内周面)221dと所定の間隙を介して、有底孔221内に挿入される。
【0029】
固定部115は、挿入部113の基端側に位置し、中軸130を内挿している。この固定部115は、内燃機関210に取り付けられたときに、有底孔221の側面221dのうち開口縁221c近傍の部分に固定される。具体的には、固定部115の径方向外側には、雄ネジ部115fが形成され、一方、有底孔221の側面221dのうち開口縁221c近傍には、雌ネジ部221gが形成されており、両者が螺合することにより、固定部115が有底孔221の側面221dのうち開口縁221c近傍に固定される。なお、側面221dのうち開口縁221c近傍の雌ネジ部221gが、本発明における第2部が固定される部位に相当する。
【0030】
六角係合部117は、固定部115の基端側に位置し、中軸130を内挿している。この六角係合部117は、六角柱形状をなし、燃焼圧センサ100を内燃機関210に取り付ける際(ネジ止めの際)に、レンチなどの工具を係合させるのに利用される。この六角係合部117は、上述した先端部111、挿入部113及び固定部115とは異なり、内燃機関210に取り付けられた状態で、内燃機関210の外部に配置される。
【0031】
次に、中軸130について説明する。中軸130は、概略細長い円柱形状(棒状)をなし、炭素鋼から形成されている。中軸130の先端側は、上記ハウジング110に内挿され、基端側の一部がハウジング110の六角係合部117から基端側に突出している。中軸130の先端部131は、円柱の先端に円板が溶接された断面T字形状をなし、この円板の周縁部分にハウジング110の筒状をなす先端部131が当接した状態で、中軸130とハウジング110とが溶接されている。このような中軸130の先端部131は、内燃機関210に取り付けられたときに、内燃機関210の有底孔221の底面221bに直接当接して固定される。また、この中軸130は、ハウジング110に対し、軸線AX方向について相対的に変位できるように、ハウジング110内に遊挿されている。このため、中軸130は、内燃機関210の有底孔221の底面221bが軸線BX(AX)方向について変位すると、底面221bに従動して変位する。
【0032】
次に、センサ部150について説明する。図2にセンサ部150を示す。このセンサ部150は、円形状の先端面151及び基端面152を有する略円柱形状をなす。センサ部150は、その外形を形成する金属ケース154を有する。そして、この金属ケース154内には、基端側金属板パッキン155、圧電素子156、金属電極板157、セラミック絶縁板158及び先端側金属板パッキン159が、基端側から先端側の順に積層されている。また、これらの径方向内側には、樹脂チューブ160が配置されている。また、センサ部150は、リード線153を有する。
【0033】
このうち、圧電素子156は、チタン酸ジルコン酸鉛から形成され、軸線AX方向に分極されており、軸線AX方向の圧縮応力の変化に基づいて、両端面にプラスあるいはマイナスの電荷を発生する。具体的には、圧電素子156は、軸線AX方向の圧縮応力が減少すると、その先端側面(図2中、上面)にプラス電荷を発生し、一方、基端側面(図2中、下面)にマイナス電荷を発生するように配置されている。この圧電素子156で発生した電荷(出力信号)は、その先端側に配置された金属電極板157、及びリード線153を介して、燃焼圧センサ100の外部に取り出される。なお、圧電素子156の基端側に配置された基端側金属板パッキン155や、金属ケース154等がグランドとなる。
【0034】
なお、基端側金属板パッキン155及び先端側金属板パッキン159は、金属ケース154を軸線AX方向に加締める際の緩衝部材である。また、セラミック絶縁板158は、金属電極板157と先端側金属板パッキン159とを絶縁するために、これらの間に配置されている。また、樹脂チューブ160は、金属ケース154と圧電素子156や金属電極板157とを絶縁するために配設されている。
【0035】
センサ部150は、その先端面151がハウジング110の六角係合部117の基端面118に当接するように配置されている(図1参照)。一方、センサ部150の基端面152には、スペーサ175を介して、ナット170が配置されている。このナット170は、中軸130の基端側と螺合して中軸130に固定されている。そして、センサ部150は、ハウジング110の六角係合部117の基端面118とスペーサ175との間に、軸線AX方向に圧縮荷重が掛かった状態で狭持されている。
【0036】
このため、中軸130がハウジング110の固定部115に対して軸線AX方向に相対的に変位すると、六角係合部117の基端面118とスペーサ175との距離が変位する。そうすると、センサ部150に掛かる圧縮荷重が変化するため、その変化に応じて、センサ部150の圧電素子156において電荷(出力信号)が発生し、金属電極板157及びリード線153を介して、燃焼圧センサ100の外部に取り出される。そして、図示しないチャージアンプなどを経由してECUなどの制御機器に入力され、燃焼圧の変化が検知される。
【0037】
このような燃焼圧センサ100は、次のようにして製造する。即ち、ハウジング110に中軸130を挿入し、中軸130の先端部131のうち円板の周縁部分にハウジング110の筒状をなす先端部131を当接させてこの部分を溶接する。また、ハウジング110の基端側にセンサ部150を配置する。その後更に、スペーサ175を配置し、その上からナット170によりネジ止めすれば、燃焼圧センサ100が完成する。
【0038】
次いで、この燃焼圧センサ100が内燃機関210に取り付けられたセンサ付き内燃機関200について説明する(図1参照)。
この内燃機関210は、自動車用エンジンであり、燃焼室NSを形成するエンジンヘッド211を有する。また、その他の図示外の部分は、公知の構造をなす。このエンジンヘッド211には、上記燃焼圧センサ100を取り付けるための有底孔221が形成されている。この有底孔221は、その開口縁221cよりも底面221bを燃焼室NSに近づけた形態をなす。具体的には、有底孔221は、その軸線BX方向に沿って、エンジンヘッド211の外面213側から内面212側に向かうように設けられている。有底孔221の側面221dのうち開口縁211c近傍には、上記燃焼圧センサ100をネジ止めするための雌ネジ部221gが形成されている。また、エンジンヘッド211の内部には、ウォータージャケットなどの複数の空洞部215が形成されている。
【0039】
このような内燃機関210に燃焼圧センサ100を取り付けたセンサ付き内燃機関200では、燃焼圧センサ100が、その軸線AXと内燃機関210の有底孔221の軸線BXが一致するようにして、有底孔221に挿入されている。具体的には、燃焼圧センサ100の中軸130の先端部131が、有底孔221の底面221bに当接するようにして、燃焼圧センサ100が有底孔221にネジ止めされている。この状態で、燃焼圧センサ100の中軸130の先端部131は、有底孔221の底面221bに固定されている。また、ハウジング110の固定部115は、有底孔221の側面221dのうち開口縁221c近傍の雌ネジ部221gに固定されている。
【0040】
次いで、センサ付き内燃機関200の燃焼時の状態について、図3を参照しつつ説明する。図中下方に矢印で示すように燃焼圧が上昇すると、エンジンヘッド211に歪みが生じる。具体的には、エンジンヘッド211のうち、内面212に近い部位ほど燃焼圧の影響を強く受けるため、図中に示すように内面212に近い部位ほど大きく歪む。そうすると、内面212に近い有底孔221の底面221bが大きく軸線BX方向に外面213側に向けて変位する。一方、エンジンヘッド211の外面213に近い部位は、内面212側の部位ほど燃焼圧の影響を受けないため、内面212側の部位に比して生じる歪みが小さい。このため、底面221bに比して、外面213近くに位置する有底孔221の開口縁221cに生じる軸線BX方向の変位は小さい。
【0041】
燃焼圧センサ100のうち中軸130の先端部131は、有底孔221の底面221bに直接固定されているため、この底面221bが軸線BX方向に大きく変位すると、中軸130もこれに従動して軸線AX(BX)方向について基端側(図中、上方)に大きく変位する。すると、中軸130の基端側に固定されたナット170も中軸130と共に軸線AX(BX)方向基端側に大きく変位する。
【0042】
一方、燃焼圧センサ100のうち、ハウジング110の固定部115は、有底孔221の開口縁221c近傍の雌ネジ部221gに固定されている。有底孔221の開口縁221c付近では、燃焼圧の上昇によって生じる歪みが小さいので、雌ネジ部221gに固定されたハウジング110の固定部115も小さくしか変位しない。その結果、ハウジング110の挿入部113が、先端部111と固定部115との間で圧縮されて、図中に示すように変形する。
【0043】
また、ハウジング110の固定部115に生じる変位が小さいため、固定部115の基端側に位置する六角係合部117に生じる変位も小さい。前述したように、中軸130に固定されたナット170は軸線AX(BX)方向基端側に大きく変位するため、六角係合部117と、スペーサ175を介してナット170との間に狭持されたセンサ部150は、軸線AX(BX)方向に伸ばされる。つまり、中軸130の固定部115に対する相対変位に応じて、センサ部150が軸線AX(BX)方向に伸ばされることになる。そうすると、センサ部150に掛かる圧縮応力が減少するため、センサ部150から出力信号が発生する。そして、この出力信号は、図示しないチャージアンプなどを経由して制御機器に入力され、燃焼圧の変化が検知される。
【0044】
このように本実施形態1では、内燃機関210の燃焼圧の変化を精度良く検出できる。特に、中軸130が有底孔221の底面221bに固定され、ハウジング110の固定部115が有底孔221の開口縁221c近傍(雌ネジ部221g)に固定されているため、中軸130の固定部位(底面221b)とハウジング110の固定部115の固定部位(雌ネジ部221g)との距離が特に大きくなっている。このため、燃焼圧の変化に伴う中軸130とハウジング110の固定部115との相対変位も大きく現れる。従って、燃焼圧の変化を特に精度良く検出できる。
【0045】
また、燃焼圧センサ100が、内燃機関210の有底孔221に挿入して使用されるため、ハウジング110の先端部111及び中軸130の先端部131が燃焼室NS内に晒されない。このため、燃焼圧センサ100に要求される耐熱性や耐圧性、耐食性などを従来よりも大幅に低減できる。従って、燃焼圧センサ100の低コスト化が可能で、安価で、しかも耐久性の良く信頼性が高い燃焼圧センサ100を提供できる。また、内燃機関210に燃焼室NSに通じる貫通孔をあける必要がないため、内燃機関210の性能を損なわずに燃焼圧を測定できる利点もある。
【0046】
更に、ハウジング110の挿入部113の剛性(材料、厚み)を変えることで、燃焼圧センサ100の出力値を調整することができる。
また、本実施形態1では、圧電素子156を含むセンサ部150を用いて燃焼圧センサ100を構成しているので、容易にかつ正確に燃焼圧の変化を計測できる。
【0047】
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図4に本実施形態2の燃焼圧センサ300及びこの燃焼圧センサ300が内燃機関210に取り付けられたセンサ付き内燃機関400の一部を示す。なお、この燃焼圧センサ300でも、図中下方が先端側、図中上方が基端側である。本実施形態2では、燃焼圧センサ300のうち先端及び基端側の構造が、上記実施形態1の燃焼圧センサ100と異なる。それ以外は、上記実施形態1と概略同様である。
【0048】
燃焼圧センサ300は、軸線AX方向に延びる有底筒状のハウジング310と、このハウジング310の内側に挿通された棒状の中軸(第1部)330と、ハウジング310の基端側に配置されたセンサ部350とを備える。
このうち、ハウジング310は、先端部311と挿入部313と固定部(第2部)315と六角係合部317とからなる。このハウジング310は、有底筒状をなすため、先端部311の形状が上記実施形態1のハウジング110の先端部111と異なるが、それ以外の部分は、上記実施形態1と同様の構造をなす。
【0049】
また、中軸330は、上記実施形態1の中軸130と概略同様な細長い円柱形状(棒状)をなす。但し、この中軸330の先端部331は、上記実施形態1とは異なり、円柱形状をなす。そして、この先端部331は、有底筒状をなすハウジング310の底部に当接した状態でハウジング310内に収容されている。一方、基端側の一部は、上記実施形態1と同様に、ハウジング310の六角係合部317から基端側に突出し、センサ部350内に挿入されている。この中軸330も、ハウジング310に対し、軸線AX方向について相対的に変位できるように、ハウジング310内に遊挿されている。中軸330の先端部331は、ハウジング310の先端部311に内側から当接している。このため、内燃機関210に取り付けられたときに、中軸330の先端部331は、ハウジング310の先端部311を介して、間接的に内燃機関210の有底孔221の底面(底部,固定部位)221bに当接して固定される。一方、中軸330の基端部333は、後述するセンサ部350の素子支持部材355に当接している。また、中軸330はハウジング310に対し相対的に変位できるように遊挿されているため、中軸330は内燃機関210の有底孔221の底面221bにおける軸線BX(AX)方向についての変位に従動して変位する。
【0050】
次に、センサ部350について説明する。このセンサ部350は、外形が略円柱形状をなす。このセンサ部350は、その先端面351がハウジング310の六角係合部317の基端面318に固定されている。センサ部350は、その先端側に位置する素子支持部材355と、この素子支持部材355の基端側に固定された回路支持部材357と、一対のリード線353とを有する。これら素子支持部材355及び回路支持部材357は、断面コ字状をなし、先端側に開口している。
【0051】
素子支持部材355の開口355k内には、中軸330の基端部333が挿入され、開口底部355bに先端側から当接している。一方、開口底部355bの基端側で、回路支持部材357の開口357k内には、ピエゾ抵抗素子361が配置されている。また、この開口357kのうち開口底部357bの先端側には、ピエゾ抵抗素子361を駆動する回路363が配置されている。
【0052】
このようなセンサ部350は、中軸330の基端部333が軸線AX方向基端側に変位して、素子支持部材355の開口底部355bに歪みが生じ、更にその上に配置されたピエゾ抵抗型素子361に歪みが生じたときに、その抵抗値が変化し、回路363の出力が変化する。そして、この出力は、一対のリード線353,353を介して、燃焼圧センサ300の外部に取り出され、ECUなどの制御機器に入力され、燃焼圧の変化が検知される。
【0053】
このような燃焼圧センサ300は、次のようにして製造する。即ち、ハウジング310に中軸330を挿入する。その後、ハウジング310の基端側にセンサ部350を配置して固定すれば、燃焼圧センサ300が完成する。
【0054】
次いで、このような燃焼圧センサ300が内燃機関210に取り付けられたセンサ付き内燃機関400について説明する(図4参照)。
この内燃機関210は、上記実施形態1と同様である。内燃機関210に燃焼圧センサ300を取り付けたセンサ付き内燃機関400では、燃焼圧センサ300が、その軸線AXと内燃機関210の有底孔221の軸線BXが一致するようにして、有底孔221に挿入されている。具体的には、燃焼圧センサ300のハウジング310の先端部311が、有底孔221の底面221bに当接するようにして、燃焼圧センサ300が有底孔221にネジ止めされている。この状態で、燃焼圧センサ300の中軸330の先端部331は、ハウジング310の先端部311を介して、有底孔221の底面221bに固定されている。また、ハウジング310の固定部315は、有底孔221の側面221dのうち開口縁221c近傍の雌ネジ部221gに固定されている。
【0055】
次いで、センサ付き内燃機関400の燃焼時の状態について、図5を参照しつつ説明する。図中下方に矢印で示すように燃焼圧が上昇すると、上記実施形態1で説明したように、エンジンヘッド211に歪みが生じる。
燃焼圧センサ300のうち中軸330の先端部331は、有底孔221の底面221bに間接的に固定されているため、この底面221bが軸線BX方向に変位すると、中軸330がこれに従動して軸線AX(BX)方向について基端側に大きく変位する。すると、中軸330の基端部333がセンサ部350の素子支持部材355の開口底部355bを基端側に押圧する。
【0056】
一方、燃焼圧センサ300のうち、ハウジング310の固定部315は、有底孔221の開口縁221c近傍に固定されている。有底孔221の開口縁221c付近では、燃焼圧の上昇によって生じる歪みが小さいので、この近傍に固定されたハウジング310の固定部315も小さくしか変位しない。その結果、ハウジング310の挿入部313が、先端部311と固定部315との間で圧縮されて、図中に示すように変形する。
【0057】
また、ハウジング310の固定部315に生じる変位が小さいため、固定部315の基端側に位置する六角係合部317の変位も小さい。このため、この六角固定部317の基端側に固定されたセンサ部350の変位も小さい。
一方、前述したように、中軸330の基端部331は基端側に大きく変位するため、素子支持部材355の開口底部355bに大きな歪むが生じる。つまり、中軸330の固定部315に対する相対変位に応じて、素子支持部材355の開口底部355bに歪みが生じる。そうすると、ピエゾ抵抗素子361にもそれに応じた歪みが生じ、その歪みに応じて抵抗値が変化し、回路363の出力が変化する。そして、この出力は、制御機器に入力され、燃焼圧の変化が計測される。
【0058】
このように本実施形態2のセンサ付き内燃機関400でも、内燃機関210の燃焼圧の変化を精度良く検出できる。特に、中軸330が有底孔221の底面221bに固定され、ハウジング310の固定部315が有底孔221の開口縁221c近傍(雌ネジ部221g)に固定されているため、中軸330の固定部位(底面221b)とハウジング310の固定部315の固定部位(雌ネジ部221g)との距離が特に大きくなっている。このため、燃焼圧の変化に伴う中軸330とハウジング310の固定部315との相対変位も大きく現れる。従って、燃焼圧の変化を特に精度良く検出できる。
【0059】
また、燃焼圧センサ300が、内燃機関210の有底孔221に挿入して使用されるため、その先端部211が燃焼室NS内に晒されない。このため、耐熱性や耐圧性、耐食性などを従来よりも大幅に低減できる。従って、燃焼圧センサ300の低コスト化が可能で、安価で、しかも耐久性の良く信頼性が高い燃焼圧センサ300を提供できる。また、内燃機関210に燃焼室NSに通じる貫通孔をあける必要がないため、内燃機関210の性能を損なわずに燃焼圧を測定できる利点もある。
【0060】
更に、本実施形態2では、中軸330のうちハウジング310の固定部315よりも先端側全体が、ハウジング310により覆われている。このため、ハウジング310がない場合に比して、中軸330が高温に晒されるのを抑制できる。
また、ハウジング310の挿入部313の剛性(材料、厚み)を変えることで、燃焼圧センサ300の出力値を調整することができる。
また、本実施形態2では、ピエゾ抵抗素子361を含むセンサ部350を用いて燃焼圧センサ300を構成しているので、容易にかつ正確に燃焼圧の変化を計測できる。
その他、上記実施形態1と同様な部分は、同様な作用効果を奏する。
【0061】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の各実施形態1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態1では、中軸130の先端部131が直接、有底孔221の底面221bに当接している場合を示したが、上記実施形態2のように、中軸130の先端部131が間接的に有底孔221の底面221bに当接する形態とすることもできる。
また逆に、上記実施形態2では、中軸330の先端部331が間接的に有底孔221の底面221bに当接している場合を示したが、上記実施形態1のように、中軸330の先端部331が直接、有底孔221の底面221bに当接する形態とすることもできる。
【0062】
また、上記実施形態1,2では、中軸130,330の先端側の全体或いは大部分がハウジング110,310に覆われてなる場合を示したが、中軸130,330の先端側がハウジング110,330から突出した形態とすることもできる。即ち、例えば、上記実施形態1,2のハウジング110,310から、その先端部111,311及び挿入部113,313を無くし、ハウジング110,310の固定部115,315から中軸130,330の先端側が突出した形態等とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施形態1に係る燃焼圧センサ及びセンサ付き内燃機関を示す説明図である。
【図2】実施形態1に係る燃焼圧センサのうち、センサ部を示す説明図である。
【図3】実施形態1に係り、燃焼時における燃焼圧センサ及び内燃機関の様子を示す説明図である。
【図4】実施形態2に係る燃焼圧センサ及びセンサ付き内燃機関を示す説明図である。
【図5】実施形態2に係り、燃焼時における燃焼圧センサ及び内燃機関の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
100,300 燃焼圧センサ
110,310 ハウジング
115,315 固定部(第2部)
130,330 中軸(第1部)
150,350 センサ部
156 圧電素子
170 ナット
200,400 センサ付き内燃機関
210 内燃機関
211 エンジンヘッド
221 有底孔
221b 底面(底部,固定部位)
221c 開口縁
361 ピエゾ抵抗型素子
AX (燃焼圧センサの)軸線
BX (有底孔の)軸線
NS 燃焼室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の開口縁よりも底部を燃焼室に近づけた形態の有底孔を有する内燃機関において、前記有底孔内に自身の先端側を挿入して、燃焼圧の変化を計測する燃焼圧センサであって、
前記有底孔内の固定部位に直接または間接的に固定され、この固定部位における、前記有底孔の軸線方向についての変位に従動するように構成されてなる第1部と、
前記内燃機関のうち、前記固定部位よりも前記軸線方向の前記開口縁側の部位に固定されるように構成されてなる第2部と、
前記燃焼圧の変化に伴って生じる前記第1部の前記第2部に対する、前記軸線方向についての相対変位を検知可能に構成されてなるセンサ部と、
を備える燃焼圧センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼圧センサであって、
前記第1部は、前記有底孔の底部に固定可能に構成されてなり、
前記第2部は、前記有底孔の開口縁近傍に固定可能に構成されてなる
燃焼圧センサ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃焼圧センサであって、
前記第2部を含むハウジングであって、前記第1部のうち、少なくとも前記第2部よりも先端側を覆ってなるハウジングを備える
燃焼圧センサ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3に記載の燃焼圧センサであって、
前記センサ部は、
圧電素子を含み、
前記相対変位に応じてこの圧電素子に加わる荷重を変化させ、この荷重の変化に応じた電荷を発生させる構成とされてなる
燃焼圧センサ。
【請求項5】
請求項1〜請求項3に記載の燃焼圧センサであって、
前記センサ部は、
ピエゾ抵抗型素子を含み、
前記相対変位に応じてこのピエゾ抵抗型素子に歪みを発生させ、この歪みの変化に応じた信号を発生させる構成とされてなる
燃焼圧センサ。
【請求項6】
内燃機関にその燃焼圧の変化を計測する燃焼圧センサを取り付けてなるセンサ付き内燃機関であって、
前記内燃機関は、
自身の開口縁よりも底部を燃焼室に近づけた形態の有底孔を有し、
前記燃焼圧センサは、
自身の先端側が前記有底孔内に挿入されてなり、
前記有底孔内の固定部位に直接または間接的に固定されてなり、この固定部位における、前記有底孔の軸線方向についての変位に従動するように構成されてなる第1部と、
前記内燃機関のうち、前記固定部位よりも前記軸線方向の前記開口縁側の部位に固定されてなる第2部と、
前記燃焼圧の変化に伴って生じる前記第1部の前記第2部に対する、前記軸線方向についての相対変位を検知可能に構成されてなるセンサ部と、を備える
センサ付き内燃機関。
【請求項7】
請求項6に記載のセンサ付き内燃機関であって、
前記第1部は、前記有底孔の底部に固定されてなり、
前記第2部は、前記有底孔の開口縁近傍に固定されてなる
センサ付き内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−198169(P2007−198169A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−15102(P2006−15102)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】