説明

燃焼装置

【課題】 気化室内で液体燃料を気化し、この気化ガスを燃焼部に送って燃焼させる形式の燃焼装置を改良するものであり、点火直後に消火しても白煙が生じない燃焼装置の開発を課題とする。
【解決手段】 補助加熱ヒータ30は、4本のネジ22によって炎孔ベース36に取り付けられる。導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68に補助加熱ヒータ30が接触しており、これらの部位が点火する前に昇温されている。燃焼ガスの一部は、導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68と衝突するが、導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68についても補助加熱ヒータ30によって昇温されているので、燃料ガスは、抵抗柱67,68に熱を奪われることもない。導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68の部位を重点的に昇温することとしたので、例え当該部位で燃料ガスが淀んでも、再液化することはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯油等の液体燃料を使用する燃焼装置に関するものである。本発明の燃焼装置は、暖房機器や給湯器に採用する燃焼装置として特に好適である。
【背景技術】
【0002】
暖房機器や給湯器に採用する燃焼装置として、気化室内で液体燃料を気化し、この気化ガスを燃焼部に送って燃焼させる形式のものが特許文献1等に開示されている。
図30は、従来技術の燃焼装置の構成を示すものであり、(a)は、従来技術の燃焼装置の平面図、(b)は正面断面図、(c)は底面図である。
なお、本出願の実施例の説明及び特許文献1では炎孔部を下面にして使用した例が示されているが、従来技術の説明においては、説明を容易にするために炎孔部を上に向けた例を説明する。
従来技術の燃焼装置は、コップの様な形状をした気化室100と、平板状の炎孔ベース101によって構成されている。前記した気化室100にはヒータ102が内蔵されている。また気化室100の内部は空洞であり、この中にロータ103が配置されている。
【0003】
炎孔ベース101は中央に開口105があり、この開口105の中央に空気供給筒106が取り付けられている。なお空気供給筒106と炎孔ベース101の本体との間には隙間107がある。
炎孔ベース101の表面側には炎孔108が設けられ、裏面側には燃料ガス流路109が形成されている。また前記した気化室100は、前記した開口105を覆うような位置関係にあり、炎孔ベース101の表面側に取り付けられている。
【0004】
また炎孔ベースには導線導入筒部117,118が設けられている。導線導入筒部117,118は、炎孔ベースの表裏を貫通する孔を形成させるための筒部である。気化室100に内蔵されたヒータ102やセンサー(図示せず)等の導線は、前記した導線導入筒部を挿通され、炎孔ベース101の下面側(流路形成面側)に引き出される。
【0005】
従来技術の燃焼装置では、ヒータ102によって気化室100内を加熱し、気化室100に配されたロータ103に灯油等の液体燃料を供給する。また気化室100には空気供給筒から一次空気が供給される。
ロータに供給された灯油はロータ103によって飛散し、気化室100の内壁と衝突して気化する。そして気化した燃料ガスは、空気供給筒106から供給される一次空気と混合され、空気供給筒106と炎孔ベース101の本体との間の隙間107を通過して炎孔ベース101の裏面側に流れ込む。そして炎孔ベース101の裏面側に設けられた燃料ガス流路109を流れて炎孔108から噴射される。
【特許文献1】特開2002−327905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した燃焼装置は、炎孔108が面状に配置されているが、炎孔108の位置によって火炎の大きさがばらつくという問題があった。この原因の一つとして、導線導入筒部117,118が影響を及ぼしていることが判った。
即ち導線導入筒部117,118は、気化部(気化室)のヒータ102に給電する導線等が配置されるものであるから、当然に気化部の近傍にある。そのため気化部を出た燃料ガスが、導線導入筒部117,118に衝突し、燃料ガスの均一な広がりが妨げられていた。
そこで本発明者らは、導線導入筒部117,118と対称の位置に抵抗柱を設ける構成を発明した。抵抗柱は、導線導入筒部117,118と同様の流路抵抗を生じさせるものである。抵抗柱を設けることにより、抵抗柱の近傍や下流側への燃料ガスの流れが導線導入筒部117,118の下流側等と同等に妨げられ、結果的に燃料ガスの分布が均一なものとなった。
【0007】
しかしながら、抵抗柱を設けた燃焼装置は、燃焼装置に点火した直後に消火すると、白煙が発生する場合があることが判った。この原因を検討したところ次の通りであった。
即ち燃焼装置に点火し、燃焼が開始されると自己の火炎によって炎孔ベースが加熱され、炎孔ベースが昇温するので、気化器を出て炎孔ベースの裏面側を流れる燃料ガスは、高温状態を維持する。従って通常の使用状態の後に消火しても白煙は出ない。
しかしながら、点火直後に消火すると、炎孔ベースの温度が低い状態の時に消火されることとなるため、気化器を出た燃料ガスが再液化し、白煙となる場合がある。ここで炎孔ベースに抵抗柱を設けると、抵抗柱の熱容量が大きいために燃料ガスの温度低下が著しく、点火直後に消火すると、抵抗柱の周囲にあった燃料ガスが再液化して白煙を生じさせる。また抵抗柱の近傍は入り組んだ構造となるため、燃料ガスが滞留しやすい。そのため他の部位にあった燃料ガスに比べて抵抗柱の近傍にあった燃料ガスは排出が遅れる傾向にある。そのため点火直後に消火すると、抵抗柱の周囲にあった燃料ガスが時間と共に再液化して白煙を生じさせる。
【0008】
そこで本発明は、従来技術の上記した不具合に注目し、点火直後に消火しても白煙が生じず、また組み立ても容易な燃焼装置の開発を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、気化室を備え、当該気化室内で液体燃料を気化して燃料ガス化する気化部と、炎孔ベースとを備え、炎孔ベースは面状であってその表面側に燃料ガスを噴射する炎孔を平面的に分布させ、炎孔ベースの裏面側には燃料ガスを流通させる燃料ガス流路があり、気化部は炎孔ベースの表面側に取り付けられ、前記気化部で生成した燃料ガスは、炎孔ベースの裏面側に流れ、さらに燃料ガス流路を通って炎孔から噴射される燃焼装置において、炎孔ベースの裏面側であって気化部の近傍の位置に導線が挿入される導線導入筒部が設けられ、さらに炎孔ベースの裏面側であって気化部の近傍の位置に燃料ガスの分布を均一にする機能を果たす抵抗部材があり、前記抵抗部材を加熱する加熱ヒータを有することを特徴とする燃焼装置である。
【0010】
本発明の燃焼装置では、加熱ヒータによって抵抗部材が加熱される。そのため燃料ガスが抵抗部材によって冷却されることが無い。また抵抗部材の近傍に滞留する燃料ガスも相当の温度を保っているので、再液化しにくい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、気化室を備え、当該気化室内で液体燃料を気化して燃料ガス化する気化部と、気化室の近傍にあって気化室に空気を供給する空気供給筒と、炎孔ベースとを備え、炎孔ベースは面状であってその表面側に燃料ガスを噴射する炎孔を平面的に分布させ、炎孔ベースの裏面側には燃料ガスを流通させる燃料ガス流路があり、気化部は炎孔ベースの表面側に取り付けられ、前記気化部で生成した燃料ガスは、炎孔ベースの裏面側に流れ、さらに燃料ガス流路を通って炎孔から噴射される燃焼装置において、炎孔ベースの裏面側であって気化部の近傍の位置に導線が挿入される導線導入筒部が設けられ、さらに炎孔ベースの裏面側であって気化部の近傍の位置に燃料ガスの分布を均一にする機能を果たす抵抗部材があり、前記空気供給筒と抵抗部材とを加熱する加熱ヒータを有することを特徴とする燃焼装置である。
【0012】
本発明の燃焼装置についても、加熱ヒータによって抵抗部材が加熱される。そのため燃料ガスが抵抗部材によって冷却されることが無い。また抵抗部材の近傍に滞留する燃料ガスも相当の温度を保っているので、再液化しにくい。
【0013】
請求項3に記載の発明は、空気供給筒は炎孔ベースに一体的に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置である。
【0014】
本発明では、空気供給筒は炎孔ベースに一体的に設けられているので、空気供給筒を加熱することにより炎孔ベースも加熱される。
【0015】
請求項4に記載の発明は、炎孔ベースはベース本体部と空気供給筒部によって構成され、ベース本体部には開口が設けられ、空気供給筒部は前記開口内に位置してベース本体部から延設された支持部によって支持されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0016】
本発明の燃焼装置では、空気供給筒部が開口内に位置してベース本体部から延設された支持部によって支持されているので、空気供給筒部と開口端との間に燃料ガスの流路を形成することができる。そのため燃料ガスの流れが円滑である。
【0017】
請求項5に記載の発明は、 支持部は炎孔ベースの厚さ方向に略平行なリブ部と、リブ部の加熱ヒータの端面側に設けられた帯状部によって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の燃焼装置である。
【0018】
本発明の燃焼装置では、支持部に帯状部が設けられている。帯状部は加熱ヒータの端面側に設けられているので、加熱ヒータからの受熱面積が大きく、支持部が効率良く加熱される。そのため支持部の周辺に滞留する燃料ガスが保温され、再液化が阻止される。
【0019】
請求項6に記載の発明は、加熱ヒータの炎孔ベース又は空気供給筒に接する部位の一部又は全部が切削又は研削加工されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0020】
本発明の燃焼装置では、加熱ヒータの炎孔ベース等と接する面が切削又は研削されており、平滑である。そのため加熱ヒータから炎孔ベース等への熱伝導が効率良く行われる。また本発明の構成によると、加熱ヒータと炎孔ベース等との間に燃料ガスが侵入することが阻止される。
【0021】
請求項7に記載の発明は、加熱ヒータは導線導入筒部とも接していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0022】
本発明の燃焼装置では、導線導入筒部とも接している。そのため導線導入筒部の近傍に滞留する燃料ガスについても保温することができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、加熱ヒータは、炎孔ベースの抵抗部材に締結要素で締結されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0024】
本発明の燃焼装置では、加熱ヒータがネジ等の締結要素によって、炎孔ベースの抵抗部材に締結されているので、加熱ヒータは炎孔ベース側に押しつけられる。そのため加熱ヒータから抵抗部材への熱伝導が効率良く行われる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の燃焼装置は、抵抗部材が設けられているので各炎孔に均一に燃料ガスが供給される。また本発明の燃焼装置では、加熱ヒータによって抵抗部材が重点的に加熱されるので点火直後に消火しても白煙が生じないという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。なお以下の説明において上下の関係は、燃焼装置を給湯器等に設置した状態を基準とする。
【0027】
図1は、本発明の燃焼装置を内蔵する給湯器の断面図である。図2は、本発明の実施形態の燃焼装置の正面図である。図3は、本発明の実施形態の燃焼装置の断面図である。図4は、本発明の実施形態の燃焼装置の全体の分解斜視図である。図5は、図2の燃焼装置の流路形成部材周辺の分解斜視図である。図6は、図2の燃焼装置の燃焼部近傍を上から見た斜視図である。
【0028】
図1〜4において、1は、本発明の実施形態の燃焼装置を示す。本実施形態の燃焼装置1は、図の様に炎孔を下に向けて給湯器21に内蔵されるものであり、上から送風機2、駆動機械部3、空気量調節部5、混合部6及び燃焼部7が順次積み重ねられて作られたものである。また混合部6及び燃焼部7の近傍に気化部8が設けられている。さらに空気量調節部5と気化部8の間は、流路形成部材10によって接続されている。
【0029】
上部側から順次説明すると、送風機2は、ハウジング9の中にファン11が回転可能に配されたものである。
【0030】
駆動機械部3は、箱体13を有し、その天板15の中央にモータ16が取り付けられている。モータ16は、両端部から回転軸17,18が突出しており、回転軸17,18は、燃焼装置1の略全長を貫通している。モータ16の上方側の回転軸17は、ファン11に接続され、下方側の回転軸18は、気化部8のロータリーカップ63に接続されている。
【0031】
空気量調節部5は、図4の様に移動側板状部材23と固定側板状部材24によって構成され両者にそれぞれ開口が設けられている。そして移動側板状部材23を回転し、重なり合う開口の面積を増減して空気量を調節するものである。
【0032】
流路形成部材10は、図2,4,5の様に円盤形をしており、上部は全面が開放されている。一方、下部側はその中央部分にだけ開口19が設けられている。
【0033】
混合部6、燃焼部7及び気化部8は、炎孔ベース36を中心として構成され、これに二つの分流部材35,39、断熱パッキン25、気化室60、炎孔部材26,網状部材27,保炎部材28及び補助加熱ヒータ(加熱ヒータ)30が設けられて作られている。
そしてこれらの構成部品がハウジング31内に収納されたものである。
【0034】
図7は、図2の燃焼装置で採用する第1分流部材の正面図である。
即ち第1分流部材35は、ステンレススチールで作られたものであり、図7に示すように、長方形をした板状の部材であり、中央に大きな開口37が設けられている。開口37は、後記する補助加熱ヒータ30の平面形状と同一の形状をしている。第1分流部材35の周部には、小さな開口40が多数設けられている。また多数の長孔41が複数列に渡って形成されている。
第1分流部材35の面積は、後記する炎孔ベース36や断熱パッキン25、第2分流部材39の面積よりも大きい。
【0035】
図8は、図2の燃焼装置で採用する断熱パッキンの正面図である。
断熱パッキン25は、アルミナやシリカ等を素材とするセラミックであり、炎孔ベース36よりも熱伝達率が低い部材で作られている。
【0036】
断熱パッキン25としては、例えばセラミック系の断熱パッキンの場合には厚さ2mm〜3mm程度のものが使用される。
【0037】
断熱パッキン25は、板状のセラミック素材を打ち抜いて前記した第1分流部材35の内側のエリアと同一の開口を設けたものである。即ち断熱パッキン25は長方形をした板状の部材であり、中央に大きな開口45が設けられている。開口45は、補助加熱ヒータ30の平面形状と同一の形状をしている。また開口45の周部には、多数の長孔44が形成されている。断熱パッキン25の長孔44の位置及び形状は、第1分流部材35の長孔41と同一である。
【0038】
次に第2分流部材39について説明する。
図9は、図2の燃焼装置で採用する第2分流部材の正面図である。
第2分流部材39は、前記した第1分流部材35と同様にステンレススチールで作られたものであり、図9に示すように、長方形をした板状の部材である。ただし第2分流部材39は第1分流部材35よりも小さく、第1分流部材35の外側のエリアは第2分流部材39からはみ出す。
【0039】
第2分流部材39にも図9の様に多くの開口46,47,48,50,51,52等が設けられている。これらの開口46,47,48,50,51,52の多くは、前記した第1分流部材35の内側のエリアに設けられた開口に対応した位置にある。
具体的に説明すると、第2分流部材39には中央に大きな開口46が設けられている。第2分流部材39の開口46の位置は、前記した第1分流部材35の中央の開口37と同一の位置にある。ただし第2分流部材39に設けられた開口46は丸孔であり形状は第1分流部材35の開口37とは形状が異なる。
【0040】
第2分流部材39では、中央の開口46の脇に4個の長孔状開口47,48,50,51が設けられている。この内、対向する二つの長孔状開口47,48は、電気ヒータ64やセンサー(図示せず)の導線(導線124、信号線123)を引き出すための開口であり、後記する炎孔ベース36の導線導入筒部に相当する位置にある。他の二つの対向する開口50,51は、後記する抵抗部に相当する位置にある。
【0041】
次に補助加熱ヒータについて説明する。
図10は、補助加熱ヒータを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は裏面図である。
補助加熱ヒータ30は、図10の様にリング状の本体部53を有し、その内部に円弧状の電気ヒータ54が鋳込まれている。補助加熱ヒータ30に内蔵される電気ヒータ54は、「Ω」状であり、円弧部分は180°を越える。円弧部分は、270°以上あることが望ましく、本実施形態では、約300°の円弧部分を持つ。
【0042】
本体部53には取付け用の延設部55,56,57,58が4箇所設けられ、当該延設部にはネジ取付け用の孔59が設けられている。
ここで4個の延設部55,56,57,58の内、対向する二個の延設部55,57には、長孔61が設けられている。当該延設部は、後記する導線導入筒部65,66と接する部位である。また残る二つの延設部56,58は、後記する抵抗柱(抵抗部材)67,68と接する。
【0043】
補助加熱ヒータ30は、後記する様に炎孔ベース36の一次空気供給筒(空気供給筒)88の周辺と接するが、炎孔ベース36と接する部位は、図10(c)の網かけ部分である。即ち補助加熱ヒータ30の本体部53の内周寄りの部位62と、延設部55,57のネジ取付け用の孔59周辺部74、及び延設部56,58の略全面である。
これらの炎孔ベース36と接する部位は、いずれも切削加工或いは研削加工がなされ、平滑に仕上げられている。これらの部位の面粗度Ra(中心線平均粗さ)は、10μm以下であり、より望ましくは、6.5μm以下である。本実施形態では、面粗度Raが6.3μm程度に仕上げられている。
【0044】
次に炎孔ベース36について説明する。
図11は、図2の燃焼装置で採用する炎孔ベースの上面側(気体流路側)の図面である。図12は、図11の炎孔ベースの断面図である。図13は、図11の炎孔ベースの下面側(炎孔側)の図面である。図14は、本発明の実施形態の燃焼装置の炎孔ベース周辺を第1分流部材側から見た平面図である。図15は、図14のA−A断面図である。図16は、本発明の実施形態の燃焼装置を炎孔側から観察した正面図である。
【0045】
炎孔ベース36は、アルミダイカストによって作られたものであり、図11の様に長方形をし、内部に一次空気供給筒88や導線導入筒部65,66、抵抗柱67,68及び内壁42,43等が一体成形されている。そして炎孔ベース36には、複雑な枠組と開口及び溝が設けられている。炎孔ベース36の上面側は、主として燃料ガス及び二次空気の流路構成面として機能し、下面側は炎孔取付け面として機能する。
【0046】
炎孔ベース36には、図6,11,13の様に、多数の垂直仕切り壁32によって仕切られて設けられた溝33が設けられている。
そして溝33を構成する垂直仕切り壁32は、図6,13の様に二組ずつがループを構成していて、島状の部位75を形成している。即ち炎孔ベース36には、ループ状に閉塞された垂直仕切り壁32の組によって構成される閉塞された溝33aと、それ以外の開放された溝33bを持つ。そして島状の部位75は、図6,13の様に長手方向に部分的に切れており、当該切れ目34の部分で島状以外の部位の溝33b同士が連通している。
【0047】
また図6,11の様に、炎孔ベース36の上面側(燃料ガス流路構成面側)には、中央部と、島状の部位75の切れ目部分を除いて天井壁(封鎖壁)38が設けられている。但し、前記した垂直仕切り壁32で構成された島状の部位75の溝33aの上部については、天井壁(封鎖壁)38に開口69が設けられている。
垂直仕切り壁32同士の島を構成しない部位の溝33bの上部には開口はない。
また各溝33は、いずれも炎孔ベース36の下面側(炎孔取付け面側)に連通している。
従って島によって囲まれた溝33aは、図27の様に上部の天井壁(封鎖壁)38に開口69が設けられていると共に下面側(炎孔取付け面側)にも開放されているから、炎孔ベース36を上下方向(厚さ方向)に貫通する。
一方、島を構成しない溝33bは、図26の様に上部側が天井壁(封鎖壁)38によって閉塞され、下面側(炎孔取付け面側)にのみ連通する。
【0048】
炎孔ベース36の中央部には、開口82が設けられている。
そして開口82の内部には、8本のリブ状支持部29が設けられ、中央に一次空気供給筒88が支持されている。
【0049】
本実施形態においては、一次空気供給筒88は内径が一定の筒体である。
また本実施形態においては、一次空気供給筒88の上流側の端部に図5,6に示すようにフランジ70が設けられている。
【0050】
また中央部の開口82の近傍に二つの導線導入筒部65,66が開口し、さらに抵抗柱(抵抗部材)67,68が設けられている。以下、これらの構成について説明する。
図18は、本実施形態で採用する炎孔ベースの抵抗柱部の詳細斜視図である。図19は、図18のA方向断面図である。
【0051】
導線導入筒部65,66は、隔壁を楕円形状に巡らしたものであり、長方形の炎孔ベース36の略対角線上にある。導線導入筒部65,66は、いずれも炎孔ベース36の表裏面を連通するものである。
導線導入筒部65,66は、気化室60に設けられた電気ヒータ64や、センサーの導線(導線124、信号線123)を空気量調節部5に引き出すために設けられた孔である。
【0052】
また中央部の開口82の近傍には二つの抵抗柱(抵抗部材)67,68が設けられている。抵抗柱(抵抗部材)67,68は、円柱状である。抵抗柱67,68は、燃料ガスの分布を均一にする機能を果たすものである。即ち前記した導線導入筒部65,66は、電気ヒータ等の導線124、123を引き出す為に必須であり、構造上これを省略することができない。しかしながら導線導入筒部65,66は、気化部60の近傍にあり、気化部60から出た燃料ガスの流れを妨げる。そのため炎孔ベース36の上面側(燃料ガス等の流路構成面)において、燃料ガスの分布が歪なものとなってしまう。そこで導線導入筒部65,66と同様に対角線上の位置に抵抗部材を設け、燃料ガスの分布を平滑化したものである。
本実施形態では、抵抗柱67,68は、柱状であるが、筒状であってもよく、壁状であってもよい。また抵抗柱67,68の位置は、本実施形態では、炎孔ベース36の略対角線上に設けたが、抵抗柱67,68の形状や大きさに応じて適宜変更される。
【0053】
前述した様に炎孔ベース36の中央部には、開口82があり、その中央に一次空気供給筒88が8本のリブ状支持部29によって支持されているが、8本のリブ状支持部29の内の4本が延長され、図12,17,18,25に示すように導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68と接続されている。
前記した8本のリブ状支持部29の内、抵抗柱67,68と接続されるリブ状支持部29は、いずれも断面形状が「T」字状である。即ちリブ状支持部29は、図19に示すように炎孔ベースの厚さ方向に略平行に設けられたリブ本体部(リブ部)71とこの端部にあってこれに対して垂直方向に設けられた帯状部72によって構成されている。リブ本体部71は、燃焼装置1が設置された状態においては縦方向のリブであり、帯状部72は水平方向に位置するものである。帯状部72は、後記する様に補助加熱ヒータ部材30と接する。
なおリブ状支持部29の断面形状は、「L」形等であってもよい。
【0054】
また炎孔ベース36の下面側(炎孔取付け面側)であって、開口82の近傍には、炎孔ベース36の長手方向にのびる内壁43が設けられている。内壁43の高さは、前記した一次空気供給筒88の高さと等しい。内壁43は、図13の様に平板状をしている。
【0055】
さらに炎孔ベース36の下面側(炎孔取付け面側)であって、気化室60が取り付けられる部位の近傍には、炎孔ベース36の短手方向に延びる内壁42が設けられている。短手方向に延びる内壁42は、図6,13の様にブロック状をしていて凹凸がある。即ち内壁42は、略四角形の突出部材が一列に並んで壁状を構成している。
これらの内壁43,42は、燃焼部7から熱を受けて炎孔ベース36を保温し、燃料の再液化を防ぐものである。
【0056】
炎孔部材26は、図4,6、29の様に、網状部材27を及び保炎部材28と共に炎孔ベース36の下面に配され、図示しないネジによって炎孔ベース36の下面に取り付けられている。
【0057】
そして炎孔部材26の空気孔列は、炎孔ベース36の垂直仕切り壁32によって構成される島状の部位75によって構成される溝33aの真下に位置し、外部と連通する。
【0058】
一方、島状を構成していない組み合わせの垂直仕切り壁32によって挟まれた溝33bの真下には、炎孔部材26の炎孔列が位置する。
炎孔部材26の炎孔列と島状を構成していない組み合わせの垂直仕切り壁32によって挟まれた溝33bの間には網状部材27が介在される。
そのため島状を構成していない組み合わせの部位は、網状部材27の網目、炎孔部材26を経て外部と連通する。
【0059】
炎孔ベース36の上面側(燃料ガス流路構成面側)には、図4の様に第1分流部材35、断熱パッキン25及び第2分流部材39が装着されている。即ち炎孔ベース36の上面側(燃料ガス構成面側)は、第1分流部材35、断熱パッキン25、第2分流部材39、炎孔ベース36の順に積み重ねられ、炎孔ベース36には第2分流部材39が接し、さらに断熱パッキン25を挟んで第1分流部材35が装着されている。
【0060】
なお、第1分流部材35の面積は、前記した様に炎孔ベース36や断熱パッキン25及び第2分流部材39よりも大きく、第1分流部材35は、図4の様に炎孔ベース36からはみ出す。炎孔ベース36の上面側(燃料ガス構成面側)には、天井壁38が設けられているので、第1分流部材35は当該天井壁38と接する。また炎孔ベース36に一体成形された一次空気供給筒88は、その上流側の端部が天井壁38の高さにあるから、第1分流部材35は一次空気供給筒88の端部と接し、第1分流部材35の中央の大きな開口37が炎孔ベース36の中央に設けられた一次空気供給筒88と連通する。
【0061】
また第1分流部材35の開口37と断熱パッキン25の開口45によって構成される凹部に図14に示すように補助加熱ヒータ30が装着されている。従って補助加熱ヒータ30の一面側の一部は炎孔ベース36に直接的に接触し、他の部位は第2分流部材39と接している。
補助加熱ヒータ30は、図17に示すように、4本のネジ24によって炎孔ベース36に取り付けられる。即ち補助加熱ヒータ30のネジ取付け用の孔59にネジ24が挿通され、炎孔ベース36に設けられたネジ孔20にネジ24(図17)を締結することによって補助加熱ヒータ30が固定される。
なお図17は、補助加熱ヒータと炎孔ベースとの位置関係を示す斜視図である。
【0062】
第2分流部材39の中央には円形の開口46が設けられており、補助加熱ヒータ30の本体部53の内周寄りの部位が当該開口46に嵌まり込む。また当該開口46の位置には炎孔ベース36側の一次空気供給筒88のフランジ70がある。従って補助加熱ヒータ30の本体部53の内周寄りの部位62は、一次空気供給筒88の端部に設けられたフランジ70と直接的に接している。そのため補助加熱ヒータ30の本体部53によって一次空気供給筒88の端部が加熱される。
【0063】
また補助加熱ヒータ30の取付け用の4個の延設部55,56,57,58についても、炎孔ベース36に直接的に接触している。即ち第2分流部材39の中央の開口46の周囲には4個の長孔状開口47,48,50,51が設けられている。そしてこの内、対向する二つの長孔状開口47,48は、炎孔ベース36の導線導入筒部65,66に相当する位置にある。従って炎孔ベース36の導線導入筒部65,66は露出した状態であり、補助加熱ヒータ30の延設部55,57の一部が長孔状開口47,48に嵌まり込み、延設部55,57の一部が直接的に導線導入筒部65,66と接する。より具体的には延設部55,57であって、ネジ取付用の孔59の周囲が導線導入筒部65,66と接する。また補助加熱ヒータ30は、ネジ24をネジ取付用の孔59に挿通し、当該ネジ24を炎孔ベース36に締め込むことによって取り付けられるので、前記したネジ取付用の孔59の周囲は、炎孔ベース36の導線導入筒部65,66に強く押圧される。
【0064】
同様に、残る延設部56,58は、抵抗柱67,68に直接的に接触している。即ち第2分流部材39の開口50,51は炎孔ベース36の抵抗柱67,68に相当する位置にある。従って補助加熱ヒータ30の延設部56,58の一部が長孔状開口50,51に嵌まり込み、延設部56,58の一部が直接的に抵抗柱67,68及びリブ状支持部29と接する。より具体的には延設部56,58であって、ネジ取付用の孔59の周囲及び孔59から補助加熱ヒータ30の中心に向かう帯状の領域が、抵抗柱67,68及びリブ状支持部29と接する。ここでリブ状支持部29は、断面形状が「T」字状であり、帯状部72が設けられている。そのため補助加熱ヒータ30は、比較的大きな接触面積をもってリブ状支持部29と接する。
前記した様に、補助加熱ヒータ30は、ネジ24をネジ取付用の孔59に挿通し、当該ネジを炎孔ベース36に締め込むことによって取り付けられるので、延設部56,58は、炎孔ベース36の抵抗柱67,68及びリブ状支持部29に強く押圧される。
【0065】
炎孔ベース36の上面側(燃料ガス形成側)では、前記したように垂直仕切り壁32は、図6、13の様に二組ずつがループを構成していて、島状の部位75を形成し、さらに垂直仕切り壁32の突端部分に第2分流部材39が当接しているので、島状の部位75によって形成される溝33aは他の部位から隔離されている。即ち、島状の部位75の溝33aと他の部位との間に通気性はない。従って、前記した様に島状の部位75以外の部位は気化した燃料ガスと空気との混合を促進しつつ炎孔部材26に燃料ガスを送る燃料ガス流路として機能する。また当該部位は、混合部6としても機能する。島状の部位75によって囲まれた溝33aは、二次空気流路として機能する。
【0066】
補助加熱ヒータ30の中央の開口80及び第1分流部材35の中央の大きな開口37は、炎孔ベース36の中央に設けられた一次空気供給筒88と連通する。
また第1分流部材35のその他の開口40,41の内、列となって設けられている長孔41は、炎孔ベース36の島状を構成する組み合わせの垂直仕切り壁32同士の間の部位に位置する。即ち第1分流部材35の小さな開口40は、二次空気流路たる島状の部位75によって囲まれた溝33aに開口し、さらに二次空気孔96に連通する。
ここで前記した様に、第1分流部材35の長孔41及び断熱パッキン25の長孔44は、いずれも第2分流部材39の小さな開口52に相当する位置にあるから、島状の部位75によって囲まれた溝33aは二次空気孔96を経て外部と連通する。
【0067】
一方、炎孔ベース36に設けられた島状を構成していない組み合わせの垂直仕切り壁同士の間には、第1分流部材35の開口は無い。即ち混合部6には第1分流部材35の開口は無い。
【0068】
炎孔ベース36と第1分流部材35は、上記した状態に組み合わされ、ハウジング内に配置されている。
【0069】
次に気化部8について説明する。
図20は、気化室の斜視図及び炎孔ベースの一部を示す斜視図である。図21は、図20の気化室を90°回転した方向から観察した斜視図である。図22(a)は、気化室の部分斜視図であり、同(b)は気化室のリブ部分の拡大斜視図であり、同(c)は気化室のリブ部分の断面図である。図23は、気化室を閉塞側から観察した斜視図である。図24は、気化部周辺の断面図である。
気化部8は、気化室60と、ロータリーカップ63及び前記した一次空気供給筒88によって構成されている。
また気化室60は、図3,4,6の様に底部91と周部92を持つ円筒体であり、底部91は閉塞し、上部は開口している。即ち気化室60は窪んだ形状をしており、凹部83を有し、底部91及び周部92は閉塞していて気密・水密性を持ち、上部は開放されている。
【0070】
本実施形態で採用する気化室60は、特有の形状をしている。
即ち気化室60の開口端の座面111には、4個の凸部112〜115が設けられている。凸部112〜115はいずれも気化室60を炎孔ベース36に固定するためのネジ挿入孔を形成するために設けられたものであり、それぞれの凸部112〜115にネジ挿入孔125が設けられている。
また4個の凸部112〜115の内、一つの凸部112からは電気ヒータ64の導線124が延出されている。また上記した凸部112に対向する凸部114からは温度センサー122の信号線(導線)123が延出されている。
前記した二つの凸部112,114の裏面側、即ち気化室60の本体側は、畝状となって気化室60の他端側に至っている。
即ち気化室60の外形は、前記した様にコップの様な形状をしているが、先端側(図面下側)に電気ヒータ64が内蔵されているので、気化室60の先端は、あたかも鉢巻きをした様に環状に盛り上がっている。
そして気化室60の側面には、畝部120があり、この畝部120の中に電気ヒータ64が内蔵され、導線124が凸部112から突出している。
【0071】
また前記した畝部120と対向する位置にもう一列の畝部121があり、この畝部121の中に温度センサー122が内蔵されている。温度センサー122の信号線123は、凸部114から突出している。
【0072】
前記した様に、4個の凸部112〜115の内、二つの凸部112,114からは導線123,124が突出し、凸部112,114の裏面側には畝部120,121が延びているのに対し、残る二つの凸部113,115は、取付部としてのみ機能する。
【0073】
また凸部113,115の裏面側には、凸部113,115を補強するためのリブ116,117が設けられている。リブ116,117は、二列平行に設けられているが、その形状は、略三角形であり、図22の様に中途で途切れており、気化室60の他端側には至っていない。
言い換えると、リブ116,117は、電気ヒータ64の内蔵部分の近傍が削り取られた形状をしている。
凸部112〜115の表面側に目を移すと、各凸部112〜115の表面に、円柱状の突起132〜135が設けられている。
【0074】
気化室60は、前記した様に底部91及び周部92を持ち、あたかもコップの様な形状をしていて、図3,4,6,24の様に、炎孔ベース36の中央の開口82部分に取り付けられている。
【0075】
ここで本実施形態の燃焼装置では、気化室60は、断熱パッキン(パッキン部材)140を介して炎孔ベース36に取り付けられている。断熱パッキン140の材質はアルミナやシリカ等を素材とするセラミックであり、炎孔ベース36よりも熱伝達率が低い部材で作られている。
断熱パッキン140の形状は、図20の様に略長方形であり、中央に大きな開口141が設けられている。また対角の位置に電気ヒータ64の導線124と、温度センサー122の信号線123を挿通させる長孔145,146が設けられている。また4隅にネジを挿通させるための孔147が設けられている。
さらに本実施形態で採用する断熱パッキン140は、図20に示すように4隅に切欠部148が設けられ、角の部分が切り欠かれている。この切欠部148は、気化室60の突起132〜135をかわすために設けられたものであるが、切り欠きに代わって孔を設けてもよい。
【0076】
気化室60は、図24に示すようにネジ150によって炎孔ベース36に取り付けられ、気化室60と炎孔ベース36との間に断熱パッキン140が挟み込まれる。
また本実施形態では、気化室60の開口端の座部に円柱状の突起132〜135が設けられており、当該突起132〜135の位置は断熱パッキン140の切欠部148の位置に相当する。そのため本実施形態では、図24に示すように気化室60の座部111に設けられた突起132〜135が直接的に炎孔ベース36と接触する。
また気化室60の取り付けに際しては、突起132〜135が炎孔ベース36に接することにより、気化室60と炎孔ベース36の距離が定まるので、断熱パッキン140を過度に押圧することはない。また逆に断熱パッキン140の押圧が不十分となることもない。
【0077】
気化室60の位置は、炎孔ベース36の内壁43に囲まれた部位であって炎孔ベース36の中央にあり、炎孔(小孔73)に囲まれていて燃焼部7に近接して位置する。また気化室60の大部分は、燃焼部7側に露出する。
また気化室60の開口端面126は、断熱パッキン140を介して図6,24の様に炎孔ベース36の平面部分と接する。
【0078】
ここで気化室60と、炎孔ベース36の中央の開口82との関係について説明する。本実施形態の燃焼装置1では、図6に示すように気化室60の内面158は、炎孔ベース36の開口82よりも内側に位置する。即ち本実施形態では、気化室60の開口部77の内径は、炎孔ベース36の開口82の内径よりも小さい。
【0079】
また前記した気化室60の底部91内には、電気ヒータ64が内蔵されている。即ち気化室60の底部91は加熱機能を持つ。電気ヒータ64に通電することにより、底部91が発熱し、さらにこの熱が気化室60の壁を伝導し、気化室60の内壁が全体的に加熱される。
また気化室60には、温度センサー122が埋め込まれている。
【0080】
ロータリーカップ63は、底部と周部を持つ有底の円筒形をしている。ロータリーカップ63には回転軸18が取り付けられる。
【0081】
そしてロータリーカップ63には、一次空気供給筒88が挿入されている。
即ち前記した様に、炎孔ベース36の中央部には、開口82が設けられ、8本のリブ状支持部29を介して一次空気供給筒88が一体的に設けられている。そして気化室60は、コップ状であって炎孔ベース36の中央の開口82部分に取り付けられるので、一次空気供給筒88は気化室60の開口部77から気化室60の内部に挿入される。またこのとき一次空気供給筒88は、気化室60と同心状に位置する。従って一次空気供給筒88と気化室60の内壁との間には、燃料ガス排出空隙78が形成される。
【0082】
一次空気供給筒88の最先端(下側)の開口部の位置は、気化室60の内部に位置する。
一次空気供給筒88の内部には、流路形成部材10から垂下された燃料パイプ79が挿入され、燃料パイプ79は図3,4の様にロータリーカップ63内に至っている。
【0083】
次に本実施形態の燃焼装置1の機能について説明する。
図25は、炎孔ベースに設けられた燃料ガス流路の気化部周辺の様子を示す説明図である。図26は、燃料ガスの流れを説明する説明図である。図27は、二次空気の流れを説明する説明図である。
本実施形態の燃焼装置1では、モータ16を起動してファン11とロータリーカップ63を回転させる。また気化室60の周部92に内蔵された電気ヒータ64に通電して発熱させ、気化室60の内壁全体を昇温させる。さらに補助加熱ヒータ30に通電し、一次空気供給筒88及び炎孔ベース36の一部を加熱する。
ファン11の回転により、図3の矢印の様に送風機2のハウジング9の中央部に設けられた開口12から空気が吸い込まれ、空気は駆動機械部3に入る。そして空気は、駆動機械部3から上部の空気量調節部5を経て混合部6側に流れるが、本実施形態の燃焼装置1では、空気量調節部5によって流量調整される。
【0084】
空気量調節部5を通過した空気は、二つの方向に別れて下流側に流れる。即ち中心部のエリアを通過した空気は、直接的に円盤状の流路形成部材10に捕捉され、これと連通する一次空気供給筒88から気化室60の中に送風される。
本実施形態では、一次空気供給筒88の下端部に補助加熱ヒータ30が設けられているので、気化部8に送られる空気が昇温される。
また本実施形態では、補助加熱ヒータ30は、一次空気供給筒88だけでなく、炎孔ベース36の導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68とも接触しているから、これらの部位についても昇温される。
【0085】
送風の他の一部は、第1分流部材35に列状に設けられた多数の小口径の開口40の多くから、炎孔ベース36の島状のループを構成する組み合わせの垂直仕切り壁32同士の間の溝33aに流れる。即ち第1分流部材35に設けられた開口40及び溝33aを経て、燃焼部7に二次空気が供給される。
【0086】
そして送風機2の送風により、上記した様に気化部8内に一次空気が導入され、気化室60を通風雰囲気とする。
【0087】
この状態において、燃料パイプ79から灯油をロータリーカップ63内に滴下する。
滴下された灯油は、ロータリーカップ63から遠心力を受けて飛散する。そして飛散した灯油は、ロータリーカップ63の周囲に配された気化室60の内面に接触し、熱を受けて気化する。
【0088】
こうして発生した燃料ガス空気との混合ガス(以下単に燃料ガス)は、図6、25の矢印の様に、ロータリーカップ63の外壁と気化室60の周壁92によって形成される空隙94を流れて下流に向かう。
【0089】
即ち燃料ガスは、気化室60の円筒状の周壁92に沿って一旦上方に流れ、さらに一次空気供給筒88に沿って流れる。ここで本実施形態の燃焼装置1では、補助加熱ヒータ30が設けられ、一次空気供給筒88が加熱・保温されている。そのため燃料ガスは、一次空気供給筒88と接しても熱を奪われることはない。
特に本実施形態で採用する補助加熱ヒータ30は、一次空気供給筒88との接触面が切削加工されており、平滑であるから、一次空気供給筒88と密に接し、一次空気供給筒88が効率よく加熱されている。そのため一次空気供給筒88は高温に保温され、燃料ガスが接触しても燃料ガスは再液化しない。
また前記した様に、補助加熱ヒータ30の一次空気供給筒88との接触面が切削加工されているから、両者の接触が密であり、両者の間に燃料ガスが入り込むことがない。
【0090】
こうして流路形成部材10から一次空気供給筒88を介して気化室60の内部に供給された空気は、凹部83内で飛散した燃料と混合され、高温状態となって気化室60の上部の開口部77から排出される。気化室60を出た燃料ガスは、一旦炎孔ベース36の上部側の通路に流れ込む。
ここで本実施形態では、気化室60の座面に突起132〜135が設けられており、この突起132〜135が直接的に炎孔ベース36と接触しているので、気化室60の熱が突起132〜135を経由して炎孔ベース36に流れる。そのため炎孔ベース36の開口82の周辺が昇温されている。そのため気化室60の上部の開口部77から排出された燃料ガスは高温状態を維持することができる。
【0091】
また燃焼ガスの一部は、導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68と衝突するが、導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68についても補助加熱ヒータ30によって昇温されているので、燃料ガスは、抵抗柱67,68に熱を奪われることもない。
補助加熱ヒータ30は、導線導入筒部65,66や抵抗柱67,68との接触面についても切削加工されているから、導線導入筒部65,66等は効率よく加熱されている。また補助加熱ヒータ30と導線導入筒部65,66等との接触が密であり、両者の間に燃料ガスが入り込むことがない。
【0092】
続いて燃料ガスは、図6の様に島状のループを構成していない組み合わせの垂直仕切り壁32同士の間の溝33bに流れ込む。
ここで本実施形態の燃焼装置では、垂直仕切り壁32同士の間の溝33b、即ち炎孔に相当する部位の裏面側に一体的に天井壁(封鎖壁)38が設けられており、垂直仕切り壁32同士の間の溝33bは、隣接する溝33aと隔離されている。そのため燃料ガスが空気流路側に流れ込むことはない。
そして前記した様に燃料ガスは、下部に設けられた炎孔(小孔73)から放出される。
【0093】
一方、他の部位から下流側に流れた空気は、燃料と混合されることなく、直接燃焼部7側に流れ込み、二次空気として燃焼に寄与する。即ち二次空気は、第1分流部材35に設けられた多数の開口40から、炎孔ベース36のループを構成する組み合わせの垂直仕切り壁32同士の間の溝33aに流れ、二次空気孔96から炎孔(小孔73)の側面部に供給される。
【0094】
そして図示しない点火線の火花によって燃料ガスに点火されると、炎孔(小孔73)から下向きの火炎が発生する。
【0095】
上記した一連の動作によって燃料が気化され、さらに点火されて燃焼が開始されるが、本実施形態の燃焼装置1では、気化室(気化室60)の昇温をより速くするための工夫がなされている。即ち本実施形態の燃焼装置1では、気化室60に電気ヒータ64が内蔵されており、気化室60内を昇温して燃料を気化させる。そして気化室60は、炎孔ベース36に取り付けられているが、本実施形態の燃焼装置1では、気化室60と炎孔ベース36の間が概ね断熱されている。より具体的に説明すると、本実施形態では、気化室60と炎孔ベース36の間に断熱パッキン140が介在されている。そのため前記した突起132〜135を除いて気化室60と炎孔ベース36は非接触であり、気化室60の熱が過度に炎孔ベース36側に逃げることがない。
【0096】
加えて本実施形態では、気化室60の外周部に設けられた凸部113,115を補強するためのリブ116,117を持つが、この形状が特殊であるから、気化室60の温度バランスが良く、昇温が早い。即ち本実施形態で採用する気化室60では、凸部113,115を補強するためのリブ116,117が二列平行に設けられているが、その形状は、略3角形であり、図29の様に中途で途切れており、気化室60の他端側には至っていない。
そのため電気ヒータ64の近傍にはリブ116,117が無く、リブ116,117に熱を奪われることがない。そのため気化室60がバランス良く昇温し、従来に比べて全体の昇温時間が早い。
【0097】
また本実施形態の燃焼装置1では、点火直後に消火した場合でも白煙が生じ難い。
即ち本実施形態の燃焼装置では、点火する前に、気化部8の電気ヒータ64及び補助加熱ヒータ30によって炎孔ベース36が昇温されている。具体的には、前述した様に気化室60の座面に設けられた突起132〜135が炎孔ベース36と接触しており、炎孔ベース36の開口82の周辺が点火前に昇温されている。そのため点火直後に消火した場合でも開口82の周辺に残留する燃料ガスは再液化することなく炎孔から排出される。従って燃料ガスは排出されるが白煙状態ではない。また残留した燃料ガスがタール化するといった不具合もない。
【0098】
また本実施形態の燃焼装置では、導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68に補助加熱ヒータ30が接触しており、これらの部位が点火する前に昇温されている。ここで導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68の部位は、リブ状支持部29によって流路が区切られ、構造上に袋小路状態とならざるを得ない部位である。そのため導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68の近傍は、燃料ガスが淀みやすく、排出に時間がかかる場合がある。そのため従来技術の燃焼装置では、導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68の部位は、リブ状支持部29に淀んでいた燃料ガスが再液化し、白煙を生じる場合があった。
これに対して本実施形態では、導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68に補助加熱ヒータ30を直接接触させ、抵抗柱67,68に至るリブ状支持部29にも補助加熱ヒータ30を直接接触させた。さらに抵抗柱67,68に至るリブ状支持部29には、帯状部72を設け、補助加熱ヒータ30との接触面積を増大させた。
この様に本実施形態では、導線導入筒部65,66及び抵抗柱67,68の部位を重点的に昇温することとしたので、例え当該部位で燃料ガスが淀んでも、再液化することはない。また淀んでいた燃料ガスがタール化するといった不具合もない。
【0099】
さらに本実施形態では、補助加熱ヒータ30の炎孔ベース36に対する接触面を切削加工し、平滑度を高めているので、補助加熱ヒータ30と炎孔ベース36との間に燃料ガスが侵入しない。そのため消火後に補助加熱ヒータ30と炎孔ベース36の間に閉じ込められた燃料ガスが再液化したり、タール化するといった不具合もない。
【0100】
また燃焼装置の構造によっては、燃焼時に気化室が過度に昇温されることを防止するために気化室近傍の炎孔を故意に塞ぐ構成を採用する場合がある。本実施形態の燃焼装置1においても、この理由から一部の炎孔を故意に塞いでいる。具体的には図16の中で気化室の近傍に記載された長方形の部位151〜154の箇所には炎孔はない。従って炎孔ベース36の流路形成面側においては、当該部位に燃料ガスの出口がなく、燃料ガスが淀む。しかしながら本実施形態では、気化部8の電気ヒータ64及び補助加熱ヒータ30によって炎孔ベース36が昇温されているので、点火直後に消火した場合でもここの部位に溜まった燃料ガスは再液化することなく、他の部位に設けられた炎孔から排出され、白煙は生じない。
なおこの様に炎孔を故意に塞いだ構造を採用する場合には、当該部位に至る燃料流路を封鎖したり、成形の際に金属で埋めてしまうことも考えられる。
【0101】
以上説明した実施形態では、気化室60の座面に突起を設け、この突起を炎孔ベース36に接触させる構成を採用したが、逆に炎孔ベースの表面に突起を設け、この突起を気化室の座面に接触させてもよい。
また先の実施形態で例示した気化室60のリブは、二等辺三角形に近い形状であったが、図28(a)の様な不等辺三角形でもよいし、同(b)の様な扇形や、同(c)の様なアステロイド形であってもよい。また同(d)の様に四角形であって、ヒータ部に至っていないものであってもよい。あるいは同(e)の様に台形であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の燃焼装置を内蔵する給湯器の断面図である。
【図2】本発明の実施形態の燃焼装置の正面図である。
【図3】本発明の実施形態の燃焼装置の断面図である。
【図4】本発明の実施形態の燃焼装置の全体の分解斜視図である。
【図5】図2の燃焼装置の流路形成部材周辺の分解斜視図である。
【図6】図2の燃焼装置の燃焼部近傍を上から見た斜視図である。
【図7】図2の燃焼装置で採用する第1分流部材の正面図である。
【図8】図2の燃焼装置で採用する断熱パッキンの正面図である。
【図9】図2の燃焼装置で採用する第2分流部材の正面図である。
【図10】補助加熱ヒータを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は裏面図である。
【図11】図2の燃焼装置で採用する炎孔ベースの上面側(気体流路側)の図面である。
【図12】図11の炎孔ベースの断面図である。
【図13】図11の炎孔ベースの下面側(炎孔側)の図面である。
【図14】本発明の実施形態の燃焼装置の炎孔ベース周辺を第1分流部材側から見た平面図である。
【図15】図14のA−A断面図である。
【図16】本発明の実施形態の燃焼装置を炎孔側から観察した正面図である。
【図17】補助加熱ヒータと炎孔ベースとの位置関係を示す斜視図である。
【図18】図17に示す炎孔ベースの抵抗柱部の詳細斜視図である。
【図19】図18のA方向断面図である。
【図20】本実施形態で採用する気化室の斜視図及び炎孔ベースの一部を示す斜視図である。
【図21】図20の気化室を90°回転した方向から観察した斜視図である。
【図22】(a)は、図20の気化室の部分斜視図であり、同(b)は気化室のリブ部分の拡大斜視図であり、同(c)は気化室のリブ部分の断面図である。
【図23】図20の気化室を閉塞側から観察した斜視図である。
【図24】本実施形態の燃焼装置の気化部周辺の断面図である。
【図25】本実施形態の燃焼装置の炎孔ベースに設けられた燃料ガス流路の気化部周辺の様子を示す説明図である。
【図26】本実施形態の燃焼装置における燃料ガスの流れを説明する説明図である。
【図27】本実施形態の燃焼装置における二次空気の流れを説明する説明図である。
【図28】気化室の変形例を示す断面図である。
【図29】炎孔ベース及び炎孔ベースの表面側に設けられる部材の斜視図である。
【図30】従来技術の燃焼装置の構成を示すものであり、(a)は、従来技術の燃焼装置の平面図、(b)は正面断面図、(c)は底面図である。
【符号の説明】
【0103】
1 燃焼装置
8 気化部
22 ネジ
29 リブ状支持部(支持部)
30 補助加熱ヒータ(加熱ヒータ)
36 炎孔ベース
37 開口
60 気化室
64 電気ヒータ
65,66 導線導入筒部
67,68 抵抗柱(抵抗部材)
71 リブ本体部(リブ部)
72 帯状部
73 炎孔
88 一次空気供給筒(空気供給筒)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化室を備え、当該気化室内で液体燃料を気化して燃料ガス化する気化部と、炎孔ベースとを備え、炎孔ベースは面状であってその表面側に燃料ガスを噴射する炎孔を平面的に分布させ、炎孔ベースの裏面側には燃料ガスを流通させる燃料ガス流路があり、気化部は炎孔ベースの表面側に取り付けられ、前記気化部で生成した燃料ガスは、炎孔ベースの裏面側に流れ、さらに燃料ガス流路を通って炎孔から噴射される燃焼装置において、炎孔ベースの裏面側であって気化部の近傍の位置に導線が挿入される導線導入筒部が設けられ、さらに炎孔ベースの裏面側であって気化部の近傍の位置に燃料ガスの分布を均一にする機能を果たす抵抗部材があり、前記抵抗部材を加熱する加熱ヒータを有することを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
気化室を備え、当該気化室内で液体燃料を気化して燃料ガス化する気化部と、気化室の近傍にあって気化室に空気を供給する空気供給筒と、炎孔ベースとを備え、炎孔ベースは面状であってその表面側に燃料ガスを噴射する炎孔を平面的に分布させ、炎孔ベースの裏面側には燃料ガスを流通させる燃料ガス流路があり、気化部は炎孔ベースの表面側に取り付けられ、前記気化部で生成した燃料ガスは、炎孔ベースの裏面側に流れ、さらに燃料ガス流路を通って炎孔から噴射される燃焼装置において、炎孔ベースの裏面側であって気化部の近傍の位置に導線が挿入される導線導入筒部が設けられ、さらに炎孔ベースの裏面側であって気化部の近傍の位置に燃料ガスの分布を均一にする機能を果たす抵抗部材があり、前記空気供給筒と抵抗部材とを加熱する加熱ヒータを有することを特徴とする燃焼装置。
【請求項3】
空気供給筒は炎孔ベースに一体的に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
炎孔ベースはベース本体部と空気供給筒部によって構成され、ベース本体部には開口が設けられ、空気供給筒部は前記開口内に位置してベース本体部から延設された支持部によって支持されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項5】
支持部は炎孔ベースの厚さ方向に略平行なリブ部と、リブ部の加熱ヒータの端面側に設けられた帯状部によって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の燃焼装置。
【請求項6】
加熱ヒータの炎孔ベース又は空気供給筒に接する部位の一部又は全部が切削又は研削加工されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項7】
加熱ヒータは導線導入筒部とも接していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項8】
加熱ヒータは、炎孔ベースの抵抗部材に締結要素で締結されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2007−85596(P2007−85596A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272930(P2005−272930)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】