燃焼装置
【課題】 燃料ガス供給停止後もガス供給経路内に残留していた燃料ガスが、空気との比重差によってガス噴射口から漏れ出ることが続き、残火によって振動燃焼が発生するという現象を防止する。
【解決手段】 燃料供給経路４を通して供給した燃料ガスを、下向きに形成しているバーナ３のガス噴射口５より噴射することで、ガス噴射口５の下方側に火炎を形成する燃焼装置であって、燃料供給経路４途中にガス圧調整弁７を設けておき、燃焼時にはガス圧調整弁７を開くことで圧力を持った燃料ガスを供給し、燃焼停止時にはガス圧調整弁７を閉じることで燃料ガスの供給を停止するようにしている燃焼装置において、燃料供給経路４のガス圧調整弁７より下流側であって、バーナ３の直前にあたる部分に、ガス配管を上向きに立ち上げた後で下向きに降ろす逆Ｕ字形の湾曲経路１を設ける。
【解決手段】 燃料供給経路４を通して供給した燃料ガスを、下向きに形成しているバーナ３のガス噴射口５より噴射することで、ガス噴射口５の下方側に火炎を形成する燃焼装置であって、燃料供給経路４途中にガス圧調整弁７を設けておき、燃焼時にはガス圧調整弁７を開くことで圧力を持った燃料ガスを供給し、燃焼停止時にはガス圧調整弁７を閉じることで燃料ガスの供給を停止するようにしている燃焼装置において、燃料供給経路４のガス圧調整弁７より下流側であって、バーナ３の直前にあたる部分に、ガス配管を上向きに立ち上げた後で下向きに降ろす逆Ｕ字形の湾曲経路１を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はガス供給経路を通して供給した燃料ガスを、ガス噴射口より噴射することで、ガス噴射口の先側に火炎を形成する燃焼装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
燃料供給経路を通して供給した燃料ガスを、ガス噴射口より噴射することで、ガス噴射口の先側に火炎を形成する燃焼装置が広く普及している。火炎を下向きに発生させる燃焼装置では、例えば特開２００１−２４８８３１号公報に記載しているように、横引きの配管を通ってバーナ部まで達した燃料ガスを下向きの流れに変更し、バーナ下方のガス噴射口から下方へ向けて燃料ガスを噴射する。
【０００３】
ガス式の燃焼装置に使用する燃料ガスは加圧した状態で供給されるが、供給圧力は変動することがあるため、燃料ガスを燃焼装置のバーナ部へ導く燃料供給経路の途中にガス圧調整弁を設けておき、ガス圧調整弁で圧力を調節した燃料ガスを供給する。ガス圧調整弁は、二次側の圧力を検出しておき、二次側圧力が設定値よりも低いとガス圧調整弁の開度を大きくし、逆に二次側圧力が設定値よりも高いとガス圧調整弁の開度を小さくする制御を行うことで、バーナへ供給する燃料ガスの圧力を調節する。近年の燃焼装置は、ＮＯxやＣＯなどの有害物発生を抑制するために構造が複雑化しており、非常にシビアな制御が必要となっている。そのため、燃料ガスと空気の混合状態が所定の状態から外れた場合などには、燃焼が不安定となって振動燃焼が発生するなどの問題があり、ガス圧調整弁での圧力調節は必須となっている。
【０００４】
ガス圧調整弁は二次側における圧力を正確に検出する必要があるが、ガス圧調整弁と二次側の圧力検出部の間が狭いと、燃料ガスの正確な圧力を検出することができない。そのため、ガス圧調整弁と二次側圧力検出部の間は一定長さ以上の間隔を設けておく必要があり、その分だけガス圧調整弁とバーナの間隔は長くなる。ガス圧調整弁を閉じると、ガス圧調整弁よりも下流側の燃料供給経路内では圧力がなくなるため、ガス噴射口からの燃料ガスの噴射は止まる。しかし、液化石油ガスなど比重が空気より重い燃料ガスを使用し、且つ、ガス噴射口を下向きとしている場合、ガス供給遮断弁を閉じることで燃料ガスの供給を停止したとしても、ガス供給経路内の燃料ガスは、燃料ガス自身の重さによってガス噴射口から漏れ出ることが続き、燃焼停止後も漏れ出た燃料ガスによる燃焼が継続する現象（残火）が発生することがある。
【０００５】
通常の燃焼時、燃料ガスと空気には圧力が掛けられた状態で噴射して混合するため、両者は十分に混合し、安定した燃焼が得られる。しかし、漏れ出た燃料ガスによる残火が発生した場合、燃料ガスと空気は勢いがない状態で混合して燃焼するため、燃焼は非常に不安定となる。また、燃焼を行った場合、燃焼ガスの発生によってバーナなどには圧力がかかるが、安定した燃焼を継続している場合、バーナなどに加わる圧力は一定であるため、振動燃焼が発生することはない。しかし、まだらな混合状態で不安定な燃焼が行われると、燃焼によって圧力が加わっている状態と圧力がなくなる状態の変化が繰り返し行われることになる。そのため、残火が発生することで振動燃焼が発生する。振動燃焼が発生すると、大きな燃焼音が発生し、また不安定な燃焼による圧力変動によってバーナ部分を損傷させたり、燃焼の圧力が燃料供給経路内を逆流して圧力検出部を破壊する、といった問題が発生することがあった。
【０００６】
この場合、振動燃焼はガス供給経路内に残留した燃料ガスが比重差によって漏れ出て残火が発生することが原因である。そのため、燃焼を停止する際に、ガス供給経路内に残留している燃料ガスを空気でパージすると残火は発生しなくなる。しかし、ガス供給経路内の残留燃料ガスを空気でパージするためには燃料供給経路内パージ用の空気供給設備が必要となり、コストが増大する。また、空気をガス供給経路内へ導入すると、ガス供給経路内で燃料ガスと空気が混合することでガス供給経路内では燃焼が可能な状態となり、ガス供給経路内で逆火が発生する可能性もあった。
【特許文献１】特開２００１−２４８８３１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明が解決しようとする課題は、燃料ガス供給停止後もガス供給経路内に残留していた燃料ガスが、空気との比重差によってガス噴射口から漏れ出ることが続き、残火によって振動燃焼が発生するという現象を防止することのできる燃焼装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
燃料供給経路を通して供給した燃料ガスを、下向きに形成しているバーナ部のガス噴射口より噴射することで、ガス噴射口の下方側に火炎を形成する燃焼装置であって、燃料供給経路途中にガス圧調整弁を設けておき、燃焼時にはガス圧調整弁を開くことで圧力を持った燃料ガスを供給し、燃焼停止時にはガス圧調整弁を閉じることで燃料ガスの供給を停止するようにしている燃焼装置において、燃料供給経路のガス圧調整弁より下流側であって、バーナ部の直前にあたる部分に、ガス配管を上向きに立ち上げた後で下向きに降ろす逆Ｕ字形の湾曲経路を設ける。
【０００９】
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。ガス圧調整弁を閉じた後にガス噴射口から燃料ガスが漏れ出るのは、燃料ガスの比重が空気より重く、ガス噴射口は燃料供給経路より下方にある場合、燃料供給経路内には燃料ガスの流れを遮るものがないと、燃料ガスは自重によってガス噴射口へ落下するためである。燃料供給経路に、上下方向に湾曲させた湾曲経路を設けた場合には、燃料ガスに供給圧力が掛かっていない状態では、比重の重い燃料ガスは湾曲部を登ることができない。この場合、湾曲部では燃料ガス自体で栓がされることなるため、燃焼停止時に燃料供給経路内に残留していた燃料ガスがガス噴射口から漏れ出るということがなくなる。
【発明の効果】
【００１０】
上述したように本発明のガス供給経路を持った燃焼装置は、ガス圧調整弁を閉じた後に燃料ガスがガス噴射口から漏れ出て残火が発生するということがなくなるため、残火による振動燃焼の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図１は本発明を実施した燃焼装置のフロー図であり、ボイラ２の上部に下向きのバーナ３を設けている。燃焼装置はガスによって燃焼を行うものであり、バーナ３には燃料ガスを供給する燃料供給経路４を接続している。燃料供給経路４の途中には、ガス圧調整弁７を設けており、ガス圧調整弁７の開度を調節することで燃料ガスの供給量を制御する。ガス圧調整弁７は二次側圧力検出部１０にて二次側の圧力を検出しており、二次側圧力が設定圧力より低いと開度を大きくすることで燃料ガス圧力を高め、二次側圧力が設定圧力より高いと開度を小さくすることで燃料ガス圧力低くする。
【００１２】
燃料供給経路４は、ガス圧調整弁７の設置部から二次側圧力検出部１０の部分までは横引きの直管で構成されているが、バーナ３との接続部分には逆Ｕ字形の湾曲経路１を設けている。湾曲経路１は、３連のエルボ９によって構成されている。一つ目のエルボ９は水平方向の経路を上向きに変え、二つ目のエルボ９で再び水平方向に変更し、三つ目のエルボ９で水平方向の経路を下向きに変えている。
【００１３】
また、燃焼用空気を供給するために送風機６を設けており、送風機６からの空気もバーナ３の部分へ供給するようにしている。バーナ３は下方の先端部にガス噴射口５を設けており、ボイラ２の中央部に設けている燃焼室８で燃焼を行う。バーナ３による燃焼を行う場合、ガス噴射口５から噴射する燃料ガスと、送風機６から供給する燃焼用空気を燃焼室８内で混合して燃焼する。この場合、燃料ガスと燃焼用空気の混合状態は非常の重要であり、混合のバランスが崩れると燃焼は不安定となる。燃焼用空気の供給は送風機６によって行うため、燃焼用空気の供給圧力は所定の圧力に維持することができる。しかし、燃料ガスの供給圧力は必ずしも一定の圧力とはならず、燃料ガスの供給圧力が変動した場合には、燃焼用空気と燃料ガスの混合状態にばらつきが生じ、燃焼が不安定になる。そのため、ガス圧調整弁７を設けておき、ガス圧力の調節を行うことが必要である。
【００１４】
ガス圧調整弁７の二次側圧力検出部１０は、ガス圧調整弁７からある程度以上離す必要があるため、その分はガス圧調整弁７をバーナ３から離れた位置に設置する。そのため、ガス圧調整弁７を閉じてもガス圧調整弁７とバーナ３の間にはある程度の燃料ガスが残留することになる。図２に記載の従来例では、ガス圧調整弁１７とバーナ１３の間に残留している燃料ガスは、流れを遮るものがない。この場合、燃料ガスの比重が空気より重いと、残留燃料ガスは自重によってバーナ１３の先端へ落下していく。残留燃料ガスはガス噴射口１５から燃焼室１８へ出ていくと、燃料ガスは燃焼するために燃料供給停止後も火炎の燃焼が続く残火が発生する。この時、燃料ガスと空気との混合にはばらつきが生じるため、燃焼が不安定となり、振動燃焼を発生することになっていた。
【００１５】
しかし、本発明のようにバーナ３の手前部分に湾曲経路１を設けると、燃料ガスに圧力が掛かっていない状態では、空気よりも重い燃料ガスは湾曲経路１を登ることができない。そのため、ガス圧調整弁７よりも下流の燃料供給経路４内に燃料ガスが残留していても、燃料供給経路４内の残留燃料ガスが自重によってガス噴射口５から漏れ出ることはなくなる。燃焼停止後にガス噴射口５から燃料ガスが漏れ出ることを防ぐことで、残火は発生しなくなるため、振動燃焼が発生することもなくなる。
【００１６】
また、湾曲経路１はガス配管を上向きに立ち上げる部分があればよいため、配管部品としてごくありふれたエルボを連結する構成でも十分な効果が得られる。エルボを連結するようにした場合、製造コストは低く抑えることができ、手間もあまりかけることなく、残留ガスの流動を防止する構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明を実施した燃焼装置のフロー図
【図２】従来例における燃焼装置のフロー図
【符号の説明】
【００１８】
１ 湾曲経路
２ ボイラ
３ バーナ
４ 燃料供給経路
５ ガス噴射口
６ 送風機
７ ガス圧調整弁
８ 燃焼室
９ エルボ
１０ 二次側圧力検出部
【技術分野】
【０００１】
本発明はガス供給経路を通して供給した燃料ガスを、ガス噴射口より噴射することで、ガス噴射口の先側に火炎を形成する燃焼装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
燃料供給経路を通して供給した燃料ガスを、ガス噴射口より噴射することで、ガス噴射口の先側に火炎を形成する燃焼装置が広く普及している。火炎を下向きに発生させる燃焼装置では、例えば特開２００１−２４８８３１号公報に記載しているように、横引きの配管を通ってバーナ部まで達した燃料ガスを下向きの流れに変更し、バーナ下方のガス噴射口から下方へ向けて燃料ガスを噴射する。
【０００３】
ガス式の燃焼装置に使用する燃料ガスは加圧した状態で供給されるが、供給圧力は変動することがあるため、燃料ガスを燃焼装置のバーナ部へ導く燃料供給経路の途中にガス圧調整弁を設けておき、ガス圧調整弁で圧力を調節した燃料ガスを供給する。ガス圧調整弁は、二次側の圧力を検出しておき、二次側圧力が設定値よりも低いとガス圧調整弁の開度を大きくし、逆に二次側圧力が設定値よりも高いとガス圧調整弁の開度を小さくする制御を行うことで、バーナへ供給する燃料ガスの圧力を調節する。近年の燃焼装置は、ＮＯxやＣＯなどの有害物発生を抑制するために構造が複雑化しており、非常にシビアな制御が必要となっている。そのため、燃料ガスと空気の混合状態が所定の状態から外れた場合などには、燃焼が不安定となって振動燃焼が発生するなどの問題があり、ガス圧調整弁での圧力調節は必須となっている。
【０００４】
ガス圧調整弁は二次側における圧力を正確に検出する必要があるが、ガス圧調整弁と二次側の圧力検出部の間が狭いと、燃料ガスの正確な圧力を検出することができない。そのため、ガス圧調整弁と二次側圧力検出部の間は一定長さ以上の間隔を設けておく必要があり、その分だけガス圧調整弁とバーナの間隔は長くなる。ガス圧調整弁を閉じると、ガス圧調整弁よりも下流側の燃料供給経路内では圧力がなくなるため、ガス噴射口からの燃料ガスの噴射は止まる。しかし、液化石油ガスなど比重が空気より重い燃料ガスを使用し、且つ、ガス噴射口を下向きとしている場合、ガス供給遮断弁を閉じることで燃料ガスの供給を停止したとしても、ガス供給経路内の燃料ガスは、燃料ガス自身の重さによってガス噴射口から漏れ出ることが続き、燃焼停止後も漏れ出た燃料ガスによる燃焼が継続する現象（残火）が発生することがある。
【０００５】
通常の燃焼時、燃料ガスと空気には圧力が掛けられた状態で噴射して混合するため、両者は十分に混合し、安定した燃焼が得られる。しかし、漏れ出た燃料ガスによる残火が発生した場合、燃料ガスと空気は勢いがない状態で混合して燃焼するため、燃焼は非常に不安定となる。また、燃焼を行った場合、燃焼ガスの発生によってバーナなどには圧力がかかるが、安定した燃焼を継続している場合、バーナなどに加わる圧力は一定であるため、振動燃焼が発生することはない。しかし、まだらな混合状態で不安定な燃焼が行われると、燃焼によって圧力が加わっている状態と圧力がなくなる状態の変化が繰り返し行われることになる。そのため、残火が発生することで振動燃焼が発生する。振動燃焼が発生すると、大きな燃焼音が発生し、また不安定な燃焼による圧力変動によってバーナ部分を損傷させたり、燃焼の圧力が燃料供給経路内を逆流して圧力検出部を破壊する、といった問題が発生することがあった。
【０００６】
この場合、振動燃焼はガス供給経路内に残留した燃料ガスが比重差によって漏れ出て残火が発生することが原因である。そのため、燃焼を停止する際に、ガス供給経路内に残留している燃料ガスを空気でパージすると残火は発生しなくなる。しかし、ガス供給経路内の残留燃料ガスを空気でパージするためには燃料供給経路内パージ用の空気供給設備が必要となり、コストが増大する。また、空気をガス供給経路内へ導入すると、ガス供給経路内で燃料ガスと空気が混合することでガス供給経路内では燃焼が可能な状態となり、ガス供給経路内で逆火が発生する可能性もあった。
【特許文献１】特開２００１−２４８８３１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明が解決しようとする課題は、燃料ガス供給停止後もガス供給経路内に残留していた燃料ガスが、空気との比重差によってガス噴射口から漏れ出ることが続き、残火によって振動燃焼が発生するという現象を防止することのできる燃焼装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
燃料供給経路を通して供給した燃料ガスを、下向きに形成しているバーナ部のガス噴射口より噴射することで、ガス噴射口の下方側に火炎を形成する燃焼装置であって、燃料供給経路途中にガス圧調整弁を設けておき、燃焼時にはガス圧調整弁を開くことで圧力を持った燃料ガスを供給し、燃焼停止時にはガス圧調整弁を閉じることで燃料ガスの供給を停止するようにしている燃焼装置において、燃料供給経路のガス圧調整弁より下流側であって、バーナ部の直前にあたる部分に、ガス配管を上向きに立ち上げた後で下向きに降ろす逆Ｕ字形の湾曲経路を設ける。
【０００９】
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。ガス圧調整弁を閉じた後にガス噴射口から燃料ガスが漏れ出るのは、燃料ガスの比重が空気より重く、ガス噴射口は燃料供給経路より下方にある場合、燃料供給経路内には燃料ガスの流れを遮るものがないと、燃料ガスは自重によってガス噴射口へ落下するためである。燃料供給経路に、上下方向に湾曲させた湾曲経路を設けた場合には、燃料ガスに供給圧力が掛かっていない状態では、比重の重い燃料ガスは湾曲部を登ることができない。この場合、湾曲部では燃料ガス自体で栓がされることなるため、燃焼停止時に燃料供給経路内に残留していた燃料ガスがガス噴射口から漏れ出るということがなくなる。
【発明の効果】
【００１０】
上述したように本発明のガス供給経路を持った燃焼装置は、ガス圧調整弁を閉じた後に燃料ガスがガス噴射口から漏れ出て残火が発生するということがなくなるため、残火による振動燃焼の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図１は本発明を実施した燃焼装置のフロー図であり、ボイラ２の上部に下向きのバーナ３を設けている。燃焼装置はガスによって燃焼を行うものであり、バーナ３には燃料ガスを供給する燃料供給経路４を接続している。燃料供給経路４の途中には、ガス圧調整弁７を設けており、ガス圧調整弁７の開度を調節することで燃料ガスの供給量を制御する。ガス圧調整弁７は二次側圧力検出部１０にて二次側の圧力を検出しており、二次側圧力が設定圧力より低いと開度を大きくすることで燃料ガス圧力を高め、二次側圧力が設定圧力より高いと開度を小さくすることで燃料ガス圧力低くする。
【００１２】
燃料供給経路４は、ガス圧調整弁７の設置部から二次側圧力検出部１０の部分までは横引きの直管で構成されているが、バーナ３との接続部分には逆Ｕ字形の湾曲経路１を設けている。湾曲経路１は、３連のエルボ９によって構成されている。一つ目のエルボ９は水平方向の経路を上向きに変え、二つ目のエルボ９で再び水平方向に変更し、三つ目のエルボ９で水平方向の経路を下向きに変えている。
【００１３】
また、燃焼用空気を供給するために送風機６を設けており、送風機６からの空気もバーナ３の部分へ供給するようにしている。バーナ３は下方の先端部にガス噴射口５を設けており、ボイラ２の中央部に設けている燃焼室８で燃焼を行う。バーナ３による燃焼を行う場合、ガス噴射口５から噴射する燃料ガスと、送風機６から供給する燃焼用空気を燃焼室８内で混合して燃焼する。この場合、燃料ガスと燃焼用空気の混合状態は非常の重要であり、混合のバランスが崩れると燃焼は不安定となる。燃焼用空気の供給は送風機６によって行うため、燃焼用空気の供給圧力は所定の圧力に維持することができる。しかし、燃料ガスの供給圧力は必ずしも一定の圧力とはならず、燃料ガスの供給圧力が変動した場合には、燃焼用空気と燃料ガスの混合状態にばらつきが生じ、燃焼が不安定になる。そのため、ガス圧調整弁７を設けておき、ガス圧力の調節を行うことが必要である。
【００１４】
ガス圧調整弁７の二次側圧力検出部１０は、ガス圧調整弁７からある程度以上離す必要があるため、その分はガス圧調整弁７をバーナ３から離れた位置に設置する。そのため、ガス圧調整弁７を閉じてもガス圧調整弁７とバーナ３の間にはある程度の燃料ガスが残留することになる。図２に記載の従来例では、ガス圧調整弁１７とバーナ１３の間に残留している燃料ガスは、流れを遮るものがない。この場合、燃料ガスの比重が空気より重いと、残留燃料ガスは自重によってバーナ１３の先端へ落下していく。残留燃料ガスはガス噴射口１５から燃焼室１８へ出ていくと、燃料ガスは燃焼するために燃料供給停止後も火炎の燃焼が続く残火が発生する。この時、燃料ガスと空気との混合にはばらつきが生じるため、燃焼が不安定となり、振動燃焼を発生することになっていた。
【００１５】
しかし、本発明のようにバーナ３の手前部分に湾曲経路１を設けると、燃料ガスに圧力が掛かっていない状態では、空気よりも重い燃料ガスは湾曲経路１を登ることができない。そのため、ガス圧調整弁７よりも下流の燃料供給経路４内に燃料ガスが残留していても、燃料供給経路４内の残留燃料ガスが自重によってガス噴射口５から漏れ出ることはなくなる。燃焼停止後にガス噴射口５から燃料ガスが漏れ出ることを防ぐことで、残火は発生しなくなるため、振動燃焼が発生することもなくなる。
【００１６】
また、湾曲経路１はガス配管を上向きに立ち上げる部分があればよいため、配管部品としてごくありふれたエルボを連結する構成でも十分な効果が得られる。エルボを連結するようにした場合、製造コストは低く抑えることができ、手間もあまりかけることなく、残留ガスの流動を防止する構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明を実施した燃焼装置のフロー図
【図２】従来例における燃焼装置のフロー図
【符号の説明】
【００１８】
１ 湾曲経路
２ ボイラ
３ バーナ
４ 燃料供給経路
５ ガス噴射口
６ 送風機
７ ガス圧調整弁
８ 燃焼室
９ エルボ
１０ 二次側圧力検出部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
燃料供給経路を通して供給した燃料ガスを、下向きに形成しているバーナ部のガス噴射口より噴射することで、ガス噴射口の下方側に火炎を形成する燃焼装置であって、燃料供給経路途中にガス圧調整弁を設けておき、燃焼時にはガス圧調整弁を開くことで圧力を持った燃料ガスを供給し、燃焼停止時にはガス圧調整弁を閉じることで燃料ガスの供給を停止するようにしている燃焼装置において、燃料供給経路のガス圧調整弁より下流側であって、バーナ部の直前にあたる部分に、ガス配管を上向きに立ち上げた後で下向きに降ろす逆Ｕ字形の湾曲経路を設けたことを特徴とする燃焼装置。
【請求項２】
請求項１に記載の燃焼装置において、湾曲経路は横引き配管の先側に３個のエルボを連結することによって逆Ｕ字形の湾曲経路を形成していることを特徴とする燃焼装置。
【請求項１】
燃料供給経路を通して供給した燃料ガスを、下向きに形成しているバーナ部のガス噴射口より噴射することで、ガス噴射口の下方側に火炎を形成する燃焼装置であって、燃料供給経路途中にガス圧調整弁を設けておき、燃焼時にはガス圧調整弁を開くことで圧力を持った燃料ガスを供給し、燃焼停止時にはガス圧調整弁を閉じることで燃料ガスの供給を停止するようにしている燃焼装置において、燃料供給経路のガス圧調整弁より下流側であって、バーナ部の直前にあたる部分に、ガス配管を上向きに立ち上げた後で下向きに降ろす逆Ｕ字形の湾曲経路を設けたことを特徴とする燃焼装置。
【請求項２】
請求項１に記載の燃焼装置において、湾曲経路は横引き配管の先側に３個のエルボを連結することによって逆Ｕ字形の湾曲経路を形成していることを特徴とする燃焼装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００８−１１６１８１（Ｐ２００８−１１６１８１Ａ）
【公開日】平成２０年５月２２日（２００８．５．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３０１９９３（Ｐ２００６−３０１９９３）
【出願日】平成１８年１１月７日（２００６．１１．７）
【出願人】（０００１３０６５１）株式会社サムソン (164)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年５月２２日（２００８．５．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１１月７日（２００６．１１．７）
【出願人】（０００１３０６５１）株式会社サムソン (164)
【Ｆターム（参考）】
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