説明

燐光発光体

フェニルピリジンとフェニルベンゾイミダゾールとを有するヘテロレプティック化合物を提供する。この化合物は有機発光デバイス、特に有機発光デバイスの発光層中の発光ドーパントとして用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年11月11日に出願した米国仮出願番号No.61/113,257号に対する優先権を主張し、その出願の開示はその全体を参照により本明細書に明らかに援用する。
【0002】
この特許請求の範囲に記載した発明は、共同の大学・企業研究契約に関わる1つ以上の以下の団体:ミシガン大学評議員会、プリンストン大学、サザン・カリフォルニア大学、及びユニバーサルディスプレイコーポレーションにより、1つ以上の団体によって、1つ以上の団体のために、及び/又は1つ以上の団体と関係して行われた。上記契約は、特許請求の範囲に記載された発明がなされた日及びそれ以前に発効しており、特許請求の範囲に記載された発明は、前記契約の範囲内で行われた活動の結果としてなされた。
【0003】
本発明は、新規なヘテロレプティック錯体に関する。特に、このヘテロレプティック化合物はフェニルピリジンとフェニルベンゾイミダゾールとを含む。この化合物は有機発光デバイス(OLED)において有用でありうる。
【背景技術】
【0004】
有機物質を用いるオプトエレクトロニクスデバイスは、多くの理由によりますます望ましいものとなってきている。そのようなデバイスを作るために用いられる多くの物質はかなり安価であり、そのため有機オプトエレクトロニクスデバイスは、無機デバイスに対してコスト上の優位性について潜在力をもっている。加えて、有機物質固有の特性、例えばそれらの柔軟性は、それらを柔軟な基材上への製作などの特定用途に非常に適したものにしうる。有機オプトエレクトロニクスデバイスの例には、有機発光デバイス(OLED)、有機光トランジスタ、有機光電池、及び有機光検出器が含まれる。OLEDについては、有機物質は、従来の物質に対して性能上優位性をもちうる。例えば、有機発光層が発光する波長は、一般に、適切なドーパントで容易に調節することができる。
【0005】
OLEDは、そのデバイスを横切って電圧を印加した場合に光を発する薄い有機膜(有機フィルム)を用いる。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明、及びバックライトなどの用途で用いるためのますます興味ある技術となってきている。いくつかのOLEDの物質と構成が、米国特許第5,844,363号明細書、同6,303,238号明細書、及び同5,707,745号明細書に記載されており、これらの明細書はその全体を参照により本明細書に援用する。
【0006】
燐光発光分子の一つの用途はフルカラーディスプレイである。そのようなディスプレイのための工業規格は、「飽和」色といわれる特定の色を発光するように適合された画素(ピクセル)を要求している。特に、これらの規格は、飽和の赤、緑、及び青の画素を必要としている。色はCIE座標を用いて測定でき、CIE座標は当分野で周知である。
【0007】
緑色発光分子の一例は、Ir(ppy)で表されるトリス(2-フェニルピリジン)イリジウムであり、これは以下の式Iの構造を有する。
【化1】

【0008】
この式及び本明細書の後の図で、窒素から金属(ここではIr)への供与結合は直線で表す。
【0009】
本明細書で用いるように、「有機」の用語は、有機オプトエレクトロニクスデバイスを製作するために用いることができるポリマー物質並びに小分子有機物質を包含する。「小分子(small molecule)」とは、ポリマーではない任意の有機物質をいい、「小分子」は、実際は非常に大きくてもよい。小分子はいくつかの状況では繰り返し単位を含んでもよい。例えば、置換基として長鎖アルキル基を用いることは、分子を「小分子」の群から排除しない。小分子は、例えばポリマー主鎖上のペンダント基として、あるいは主鎖の一部として、ポリマー中に組み込まれてもよい。小分子は、コア残基上に作り上げられた一連の化学的殻からなるデンドリマーのコア残基として働くこともできる。デンドリマーのコア残基は、蛍光性又は燐光性小分子発光体であることができる。デンドリマーは「小分子」であることができ、OLEDの分野で現在用いられている全てのデンドリマーは小分子であると考えられる。
【0010】
本明細書で用いるように「トップ」は、基材から最も遠くを意味する一方で、「ボトム」は基材に最も近いことを意味する。第一の層が第二の層の「上に配置される」と記載した場合は、第一の層は基材から、より遠くに配置される。第一の層が第二の層と「接触している」と特定されていない限り、第一の層と第二の層との間に別な層があってよい。例えば、カソードとアノードとの間に様々な有機層があったとしても、カソードはアノードの「上に配置される」と記載できる。
【0011】
本明細書で用いるように、「溶液処理(加工)可能」とは、溶液もしくは懸濁液の形態で、液体媒体中に溶解され、分散され、又は液体媒体中で輸送され、及び/又は液体媒体から堆積されうることを意味する。
【0012】
配位子が発光物質の光活性特性に直接寄与していると考えられる場合は、その配位子は「光活性」ということができる。配位子が発光物質の光活性特性に寄与していないと考えられる場合は、配位子は「補助」ということができるが、補助配位子は光活性配位子の特性を変えうる。1種よりも多い「光活性」配位子が錯体中に存在してもよい。異なる光活性配位子がそれぞれ発光物質の特性に寄与することができる。
【0013】
本明細書で用いるように、かつ当業者によって一般に理解されているように、第一の「最高被占分子軌道」(HOMO)又は「最低空分子軌道」(LUMO)のエネルギー準位は、その第一のエネルギー準位が真空のエネルギー準位により近い場合には、第二のHOMO又はLUMOよりも「大きい」あるいは「高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は真空準位に対して負のエネルギーとして測定されるので、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さな絶対値をもつIPに対応する(より小さな負のIP)。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さな絶対値をもつ電子親和力(EA)に対応する(より小さな負のEA)。上(トップ)に真空準位をもつ従来のエネルギー準位図の上では、物質のLUMOエネルギー準位はその同じ物質のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMO又はLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMO又はLUMOエネルギー準位よりも、そのような図のトップの近くに現れる。
【0014】
本明細書で用いるように、また当業者によって一般に理解されるように、第一の仕事関数は、その第一の仕事関数がより高い絶対値を有する場合には、第二の仕事関数よりも「大きい」あるいは「高い」。仕事関数は通常、真空準位に対して負の値として測定されるので、このことは「より高い」仕事関数は、より負であることを意味する。上(トップ)に真空準位をもつ従来のエネルギー準位図の上では、「より高い」仕事関数は真空準位から下向きの方向へさらに離れて図示される。したがって、HOMO及びLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣例に従う。
【0015】
OLEDについてのさらなる詳細及び上述した定義は、米国特許第7,279,704号明細書に見ることができ、その全体を参照により本明細書に援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5,844,363号明細書
【特許文献2】米国特許第6,303,238号明細書
【特許文献3】米国特許第5,707,745号明細書
【特許文献4】米国特許第7,279,704号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Baldoら,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998
【非特許文献2】Baldoら,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
[本発明のまとめ]
ヘテロレプティック化合物Ir(L1)(L2)3−nを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このヘテロレプティック化合物は下記式を有する。
【化2】

式中、n=1又は2であり、
【化3】

がL1であり、
【化4】

がL2である。
【0020】
、R、R、R、及びRは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換基を表すことができ、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択される。好ましくは、nは1である。一つの側面では、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、置換アリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、RはL1と共役系を形成しない。好ましくは、Rは、
【化5】

であり、X及びXは独立してC及びNから選択される。Yは水素ではない。Yはそのアリール環上のその他の置換基と結合していてもよい。このヘテロレプティック化合物は、対応するホモレプティック化合物よりも発光の狭い半値全幅(FWHM)及び/又は低い昇華温度を有しうる。
【0021】
具体的なL1及びL2配位子を有するヘテロレプティック化合物の具体例を提供する。好ましくは、このヘテロレプティック化合物は、以下のものからなる群から選択される。
【化6】

【化7】

【0022】
別の側面では、好ましくは、ヘテロレプティック化合物は以下のものからなる群から選択される。
【化8】

【化9】

【0023】
有機発光デバイスも提供する。このデバイスは、アノード、カソード、そのアノード及びカソードの間に配置された有機層を含む。この有機層はさらに、上述したヘテロレプティック化合物Ir(L1)(L2)3−nを含む。好ましくは、有機相は、ホスト及び発光ドーパントを有する発光層であり、上記ヘテロレプティック化合物がその発光ドーパントである。
【0024】
消費者製品も提供する。この製品はデバイスを含み、そのデバイスは、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードの間に配置された発光層を含み、さらにこの有機層は上述したヘテロレプティック化合物Ir(L1)(L2)3−nを含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は有機発光デバイスを示す。
【図2】図2は、別個の電子輸送層をもたない倒置型有機発光デバイスを示す。
【図3】図3は、ホモレプティック及びヘテロレプティック化合物の溶液フォトルミネッセンススペクトルを示す。
【図4】図4は、燐光有機発光デバイスの構造を示す。
【図5】図5は、本発明の化合物を含む燐光有機発光デバイスを示す。
【図6】図6は、ヘテロレプティック化合物を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[詳細な説明]
一般に、OLEDは、アノードとカソードとの間に配置され且つそれらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が流された場合、有機層(1又は複数)にアノードは正孔を注入し、カソードは電子を注入する。注入された正孔と電子はそれぞれ反対に帯電した電極に向かって移動する。電子と正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在化された電子−正孔対である「励起子」が形成される。励起子が発光機構によって緩和するときに光が発せられる。いくつかの場合には、励起子はエキシマー又はエキシプレックス上に局在化されうる。非放射機構、例えば、熱緩和も起こりうるが、通常は好ましくないと考えられる。
【0027】
初期のOLEDは、一重項状態から光を発する(「蛍光」)発光性分子を用いており、例えば、米国特許第4,769,292号明細書(この全体を参照により援用する)に記載されているとおりである。蛍光発光は、一般に、10ナノ秒よりも短いタイムフレームで起こる。
【0028】
より最近、三重項状態から光を発する(「燐光」)発光物質を有するOLEDが実証されている。Baldoら,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998 (“Baldo-I”);
及び、Baldoら,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999) (“Baldo-II”)、これらを参照により全体を援用する。燐光は、米国特許第7,279,704号明細書の第5〜6欄に、より詳細に記載されており、これを参照により援用する。
【0029】
図1は有機発光デバイス100を示している。この図は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子阻止層130、発光層135、正孔阻止層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、およびカソード160を含み得る。カソード160は、第一導電層162および第二導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、記載した層を順次、堆積させることによって作製できる。これらの様々な層の特性及び機能、並びに例示物質は、米国特許第7,279,704号明細書の第6〜10欄により詳細に記載されており、これを参照により援用する。
【0030】
これらの層のそれぞれについてのより多くの例が得られている。例えば、可撓性且つ透明な基材−アノードの組み合わせが米国特許第5,844,363号明細書に開示されており、参照により全体を援用する。p型ドープ正孔輸送層の例は、50:1のモル比で、F−TCNQでドープしたm−MTDATAであり、これは米国特許出願公開第2003/0230980号公報に開示されているとおりであり、その全体を参照により援用する。発光物質及びホスト物質の例は、Thompsonらの米国特許第6,303,238号明細書に開示されており、その全体を参照により援用する。n型ドープ電子輸送層の例は、1:1のモル比でLiでドープされたBPhenであり、これは米国特許出願公開第2003/0230980号公報に開示されているとおりであり、その全体を参照により援用する。米国特許第5,703,436号明細書及び同5,707,745号明細書(これらはその全体を参照により援用する)は、上に重ねられた透明な電気導電性のスパッタリングによって堆積されたITO層を有するMg:Agなどの金属の薄層を有する複合カソードを含めたカソードの例を開示している。阻止層の理論と使用は、米国特許第6,097,147号明細書及び米国特許出願公開第2003/0230980号公報に、より詳細に記載されており、その全体を参照により援用する。注入層の例は、米国特許出願公開第2004/0174116号公報に提供されており、その全体を参照により援用する。保護層の記載は米国特許出願公開第2004/0174116号公報にみられ、その全体を参照により援用する。
【0031】
図2は倒置型(inverted)OLED200を示している。このデバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225、およびアノード230を含む。デバイス200は記載した層を順に堆積させることによって製造できる。最も一般的なOLEDの構成はアノードの上方に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下方に配置されたカソード215を有するので、デバイス200を「倒置型」OLEDとよぶことができる。デバイス100に関して記載したものと同様の物質を、デバイス200の対応する層に使用できる。図2は、デバイス100の構造からどのようにいくつかの層を省けるかの1つの例を提供している。
【0032】
図1および2に例示されている簡単な層状構造は非限定的な例として与えられており、本発明の実施形態は多様なその他の構造と関連して使用できることが理解される。記載されている具体的な物質および構造は事実上例示であり、その他の物質および構造も使用できる。設計、性能、およびコスト要因に基づいて、実用的なOLEDは様々なやり方で上記の記載された様々な層を組み合わせることによって実現でき、あるいは、いくつかの層は完全に省くことができる。具体的に記載されていない他の層を含むこともできる。具体的に記載したもの以外の物質を用いてもよい。本明細書に記載されている例の多くは単一の物質を含むものとして様々な層を記載しているが、物質の組合せ(例えばホストおよびドーパントの混合物、または、より一般的には混合物)を用いてもよいことが理解される。また、層は様々な副層(sublayer)を有してもよい。本明細書において様々な層に与えられている名称は、厳格に限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し且つ発光層220に正孔を注入するので、正孔輸送層として、あるいは正孔注入層として説明されうる。一実施形態において、OLEDは、カソードとアノードとの間に配置された「有機層」を有するものとして説明できる。この有機層は単一の層を含むか、または、例えば図1および2に関連して記載したように様々な有機物質の複数の層をさらに含むことができる。
【0033】
具体的に記載されていない構造および物質、例えばFriendらの米国特許第5,247,190号(これはその全体を参照により援用する)に開示されているようなポリマー物質で構成されるOLED(PLED)、も使用することができる。さらなる例として、単一の有機層を有するOLEDを使用できる。OLEDは、例えば、Forrestらの米国特許第5,707,745号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているように積み重ねられてもよい。OLEDの構造は、図1および2に示されている簡単な層状構造から逸脱していてもよい。例えば、基板は、光取出し(out-coupling)を向上させるために、Forrestらの米国特許第6,091,195号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているメサ構造、および/またはBulovicらの米国特許第5,834,893号(これはその全体を参照により援用する)に記載されているピット構造などの、角度の付いた反射表面を含みうる。
【0034】
特に断らないかぎり、様々な実施形態の層のいずれも、何らかの適切な方法によって堆積されうる。有機層については、好ましい方法には、熱蒸着(thermal evaporation)、インクジェット(例えば、米国特許第6,013,982号および米国特許第6,087,196号(これらはその全体を参照により援用する)に記載されている)、有機気相成長(organic vapor phase deposition、OVPD)(例えば、Forrestらの米国特許第6,337,102号(その全体を参照により援用する)に記載されている)、ならびに有機気相ジェットプリンティング(organic vapor jet printing、OVJP)による堆積(例えば、米国特許出願第10/233,470号(これはその全体を参照により援用する)に記載されている)が含まれる。他の適切な堆積方法には、スピンコーティングおよびその他の溶液に基づく方法が含まれる。溶液に基づく方法は、好ましくは、窒素または不活性雰囲気中で実施される。その他の層については、好ましい方法には熱蒸着が含まれる。好ましいパターニング方法には、マスクを通しての蒸着、圧接(cold welding)(例えば、米国特許第6,294,398号および米国特許第6,468,819号(これらはその全体を参照により援用する)に記載されている)、ならびにインクジェットおよびOVJDなどの堆積方法のいくつかに関連するパターニングが含まれる。その他の方法も用いることができる。堆積される物質は、それらを特定の堆積方法に適合させるために改変されてもよい。例えば、分枝した又は分枝していない、好ましくは少なくとも3個の炭素を含むアルキルおよびアリール基などの置換基が、溶液加工性を高めるために、小分子に用いることができる。20個又はそれより多い炭素を有する置換基を用いてもよく、3〜20炭素が好ましい範囲である。非対称構造を有する物質は対称構造を有するものよりも良好な溶液加工性を有しうるが、これは、非対称物質はより小さな再結晶化傾向を有しうるからである。デンドリマー置換基は、小分子が溶液加工を受ける能力を高めるために用いることができる。
【0035】
本発明の実施形態により製造されたデバイスは多様な消費者製品に組み込むことができ、これらの製品には、フラットパネルディスプレイ、コンピュータのモニタ、テレビ、広告板、室内もしくは屋外の照明灯および/または信号灯、ヘッドアップディスプレイ、完全に透明な(fully transparent)ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンタ、電話機、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、乗り物、大面積壁面(large area wall)、映画館またはスタジアムのスクリーン、あるいは標識が含まれる。パッシブマトリクスおよびアクティブマトリクスを含めて、様々な制御機構を用いて、本発明にしたがって製造されたデバイスを制御できる。デバイスの多くは、18℃から30℃、より好ましくは室温(20〜25℃)などの、人にとって快適な温度範囲において使用することが意図されている。
【0036】
本明細書に記載した物質及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有しうる。例えば、その他のオプトエレクトロニクスデバイス、例えば、有機太陽電池及び有機光検出器は、これらの物質及び構造を用いることができる。より一般には、有機デバイス、例えば、有機トランジスタは、これらの物質及び構造を用いることができる。
【0037】
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル(アリールキル)、ヘテロ環基、アリール、芳香族基、及びヘテロアリールの用語は、当分野で公知であり、米国特許第7,279,704号明細書の第31〜32欄で定義されており、これを参照により援用する。
【0038】
2−フェニルベンゾイミダゾール(ここでは「フェニルベンゾイミダゾール」という)及びフェニルピリジンを有する物質を提供し、これらは高い効率、高い安定性、長い作動寿命、及び改善された色をもたらす燐光有機発光デバイスに用いることができる。これらの物質は、緑色デバイスにおいて燐光発光ドーパントとして用いてもよい。
【0039】
フェニルピリジン及びフェニルベンゾイミダゾールを有するヘテロレプティック化合物を提供する。ヘテロレプティック化合物は高度に波長可変の燐光発光物質をもたらし、したがってこれらの化合物は、広範囲の色と高い飽和度の色を達成するために望ましい。この金属錯体の発光は、様々な配位子の三重項エネルギーとHOMO/LUMO準位とに応じて、様々な配位子を注意深く選択することによって調節できる。フェニルベンゾイミダゾールが良好な寿命性能をもつデバイスをもたらす一方で、それらは一般に高い昇華温度を有し、振電発光スペクトルを有しうる(図3を参照されたい)。フェニルベンゾイミダゾール配位子とフェニルピリジン配位子の両方を有するヘテロレプティック錯体は、より低い昇華温度をもたらしうるとともに、フェニルベンゾイミダゾールの有利な特性(すなわち、長寿命及び高い安定性)を保ちうる。
【0040】
錯体の昇華温度はその錯体の分子構造によって定まりうることは一般的に受け入れられている。高い分子量は、通常は、より高い昇華温度をもたらす。そのため、ヘテロレプティック化合物は、対応するホモレプティック化合物の昇華温度の間の昇華温度を有することが予想され、なぜならそのヘテロレプティック化合物の分子量は、対応するそれぞれのホモレプティック化合物の分子量の間にあるからである。しかし、フェニルピリジン及びフェニルベンゾイミダゾールを有するいくつかのヘテロレプティック化合物は、本明細書で開示しているように、対応するホモレプティック化合物の両方(すなわち、フェニルピリジンホモレプティック化合物及びフェニルベンゾイミダゾールホモレプティック化合物)よりも低い昇華温度を有する。このヘテロレプティック錯体の昇華温度の低下は、向上したデバイス生産をもたらしうる。
【0041】
さらに、これらのヘテロレプティック化合物はまた、一層狭い発光スペクトルをもたらしうる。理論に縛られないが、両方の配位子(すなわち、フェニルピリジンとフェニルベンゾイミダゾール)は、エネルギー準位が近い緑色発光体であり、したがって、両方の配位子ともこの化合物の発光に直接寄与しうる。本明細書に開示したヘテロレプティック化合物の観察された発光スペクトルは、予期しなかったほど狭い(図3を参照されたい)。この化合物の発光スペクトルはフェニルベンゾイミダゾールに近いことが予測され、なぜなら、ベンゾイミダゾールの電子化学的ギャップはフェニルピリジンよりも小さいからである(すなわち、ベンゾイミダゾールは、フェニルピリジンよりも浅いHOMOと、より深いLUMOを有する)。しかし、このヘテロレプティック化合物の観察された発光は、ベンゾイミダゾールよりもフェニルピリジンの発光プロファイルにより近い(例えば、振電構造がない)。この化合物の観察された発光スペクトルは、両方の配位子が同じ錯体中に含まれた場合の、フェニルピリジン配位子とフェニルベンゾイミダゾール配位子との間の予期せぬ相互作用の結果でありうると考えられる。したがって、フェニルピリジン及びフェニルベンゾイミダゾール配位子を含む錯体は、長寿命、高い安定性、及び向上した生産性、並びに向上した色彩を有するPHOLED(燐光発光有機ELデバイス)のための発光物質として有利に用いることができる。
【0042】
OLED(有機発光デバイス)に有利に用いることができるヘテロレプティック化合物Ir(L1)(L2)3−nを提供し、それは下記式を有する。
【化10】

式中、n=1又は2であり、
【化11】

がL1であり、
【化12】

がL2である。
、R、R、R、及びRのそれぞれは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換基を表すことができる。R、R、R、R、及びRのそれぞれは独立に、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択される。好ましくは、nは1である。
【0043】
一つの側面では、この化合物は下記式を有する。
【化13】

式中、Rは水素又はメチルである。
【0044】
別の側面では、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、ここでRはL1と共役系を形成しない。フェニルベンゾイミダゾール部分は、これらのヘテロレプティック化合物の有利な特性を達成するために重要である。したがって、有利な特性を保つために、R置換基は、最小限の共役しかもたない化学基である。さらに、L1のフェニル部分とベンゾイミダゾール部分との間の共役は、低下したLUMO準位と飽和緑色発光の喪失をもたらすおそれがある。したがって、置換基(例えば、R及びR)は延長された共役系を形成するようには縮合していない。
【0045】
好ましくは、R置換基は、分岐したアルキル又はねじれた(ツイスト)アリール(例えば、イソプロピル及びイソブチル)である。本明細書で用いるように「ねじれたアリール」とは下記式を有する構造をいう。
【化14】

式中、X及びXは独立にC及びNから選択され、Yは水素ではなく、且つYはそのアリール環上の他の置換基と結合されていてもよい。分岐したアルキル及びねじれたアリール置換基は、固体状態での低減されたパッキングと、より低い昇華温度をもたらすことができる。
【0046】
さらに好ましくは、Rは、
【化15】

(式中、X及びXは、独立にC及びNから選択される。Yは水素ではない。Yはそのアリール環上の他の置換基と結合されていてもよい。)
である。非平面の立体配座がこの化合物の有利な特性に寄与していることが考えられる。例えば、このR置換基を有するヘテロレプティック化合物はより良い色とより低い昇華温度を有することができる。加えて、このR置換基は、この化合物の三重項エネルギーを低下させる傾向はあまりないであろう。
【0047】
別の側面では、R、R、及びRのそれぞれは水素である。
【0048】
ヘテロレプティック化合物の具体例には、以下のものからなる群から選択されるL1を有する化合物が含まれる。
【化16】

【化17】

【0049】
ヘテロレプティック化合物のさらなる具体例には、以下のものからなる群から選択されるL2を有する化合物が含まれる。
【化18】

【化19】

【0050】
一つの側面では、ヘテロレプティック化合物は、上に示した基から選択されるL1とL2の両方を有する。
【0051】
具体的なヘテロレプティック化合物のさらなる例には、以下のものからなる群から選択されるL1を有する化合物が含まれる。
【化20】

【化21】

【化22】

【0052】
ヘテロレプティック化合物の追加の具体例には、以下のものからなる群から選択されるL2を有する化合物が含まれる。
【化23】

【化24】

【0053】
別の側面では、ヘテロレプティック化合物は、すぐ上に示した2種の基からのL1とL2の両方を含む。
【0054】
ヘテロレプティック化合物は以下のものからなる群から選択されることが好ましい。
【化25】

【化26】

【0055】
ヘテロレプティック化合物は、化合物1、3、及び5〜8から選択されることがさらに好ましい。
【0056】
別の側面では、ヘテロレプティック化合物は以下のものからなる群から選択されることが好ましい。
【化27】

【化28】

【0057】
一つの側面では、ヘテロレプティック化合物は、以下の:
【化29】

のいずれかよりも狭い半値全幅(FWHM)をもつ発光スペクトルを有する。
【0058】
別の側面では、ヘテロレプティック化合物は、以下の:
【化30】

のいずれかよりも低い昇華温度を有することができる。
【0059】
さらに、有機発光デバイスも提供する。このデバイスは、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードとの間に配置された有機層を含む。さらにこの有機層は、上述したヘテロレプティック化合物Ir(L1)(L2)3−nを含む。有機層が、化合物1〜化合物8からなる群から選択されるヘテロレプティック化合物を含むことが好ましい。有機層が、化合物1、3、及び5〜8からなる群から選択されるヘテロレプティック化合物を含むことがさらに好ましい。
【0060】
さらには、アノード、カソード、及びそのアノードとカソードとの間に配置された有機層を含み、さらにその有機層それ自体が化合物1〜化合物9からなる群から選択されるヘテロレプティック化合物を含む有機発光デバイスも提供する。
【0061】
このデバイスの有機層はヘテロレプティック化合物を含み、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され、且つRはL1と共役系を形成しない。
好ましくは、Rは、
【化31】

であり、X及びXは独立にC及びNから選択される。Yは水素ではない。Yはアリール環上の他の置換基と結合していてもよい。
【0062】
一つの側面では、発光層はさらにホストを含む。ホストは下記式:
【化32】

(式中、R及びRは独立に、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールキル(arylkyl)、アリール、及びヘテロアリールから選択されるモノ、ジ、トリ、又はテトラ置換基を表すか、あるいは非置換を表し、且つR及びRのうち少なくとも1つはトリフェニレン基を含む。)
を有することが好ましい。
【0063】
別の側面では、ホストは下記式:
【化33】

を有する。この式中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素、又は1つ以上のメタ位置換基を有する非縮合ヘテロアリール基もしくは非縮合アリール基であり、R、R、及びRのうち少なくとも1つは水素ではない。各メタ位置換基は、非縮合アリール基、非縮合ヘテロアリール基、及びアルキル基からなる群から選択されるさらなる置換基で任意選択によって置換されていてもよい非縮合アリール又は非縮合ヘテロアリール基である。
【0064】
有機発光デバイス中の特定の層に有用として本明細書に記載した物質は、デバイス中に存在する広範な他の物質と組み合わせて用いることもできる。例えば、本明細書に開示した発光ドーパントは、広範な、ホスト、輸送層、阻止層、注入層、電極、及び存在しうるその他の層と組み合わせて用いることができる。以下に記載し、参照する物質は、本明細書に開示した化合物と組み合わせて有用でありうる物質の非限定例であり、当業者は組み合わせて有用でありうる他の物質を特定するための文献に容易に閲覧することができる。
【0065】
デバイスを含む消費者製品も提供し、さらにこのデバイスは、アノード、カソード、及び有機層を含む。さらに、有機層は、記載したフェニルピリジン及びフェニルベンゾイミダゾールを有する錯体を含む。
【0066】
特に、デバイスの有機層が化合物1〜9からなる群から選択されるヘテロレプティック化合物を含むデバイスを含む消費者製品を提供する。
【0067】
本明細書に開示した物質に加えて及び/又はそれと組み合わせて、多くの正孔注入物質、正孔輸送物質、ホスト物質、ドーパント物質、励起子/正孔阻止層物質、電子輸送及び電子注入物質を、OLEDに用いることができる。本明細書に開示した物質と組み合わせてOLED中で用いることができる物質の非限定的な例を、以下の表1に挙げている。表1は非限定的な物質群、各群についての非限定的な化合物例、及びその物質を開示している参考文献を示している。
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
【表3】

【0071】
【表4】

【0072】
【表5】

【0073】
【表6】

【0074】
【表7】

【0075】
【表8】

【0076】
【表9】

【0077】
【表10】

【0078】
【表11】

【0079】
【表12】

【0080】
【表13】

【0081】
【表14】

【0082】
【表15】

【0083】
【表16】

【0084】
【表17】

【0085】
【表18】

【0086】
【表19】

【0087】
【表20】

【0088】
【表21】

【0089】
【表22】

【0090】
【表23】

【実施例】
【0091】
[化合物例]
【0092】
【化34】

[化合物1の合成]
【0093】
化合物1の合成
中間体1(1.4g, 1.96 mmol)及び1−ネオペンチル−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(1.6 g, 5.9 mmol)を三ツ口フラスコ中、窒素下で30mLのエタノールと混ぜた。この混合物を24時間加熱し還流させた。室温に冷却後、沈殿物を濾過によって集めた。生成物は、溶離液として1:2のジクロロメタン及びヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.3gの所望の生成物が、精製後に得られた。
【0094】
[化合物2の合成]
【化35】

【0095】
1,2−ジフェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールの合成
−フェニルベンゼン−1,2−ジアミン(4.15 g, 22 mmol)とベンズアルデヒド(2.1 g, 20 mmol)を三ツ口フラスコ中でメトキシエタノール(60 ml)と混ぜた。この混合物を48時間加熱して還流させた。室温に冷却後、溶媒を蒸発させた。残留物を、溶離液としてジクロロメタンからジクロロメタン中5%酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。2gの所望の生成物が得られた。
【0096】
【化36】

【0097】
化合物2の合成
中間体1(1.32 g, 1.86 mmol)と1,2−ジフェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(1.5 g, 5.5 mmol)を三ツ口フラスコ中、窒素下で、40mLのエタノールと混合した。この混合物を24時間加熱し還流させた。室温に冷却後、沈殿物を濾過によって集めた。生成物を、溶離液として1:2のジクロロメタン及びヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.3gの所望の生成物が精製後に得られた。
【0098】
[化合物3の合成]
【化37】

【0099】
2−イソプロピル−N−(2−ニトロフェニル)アニリンの合成
2−イソプロピルアニリン(27 g, 200 mmol)、2−フルオロニトロベンゼン(14 g, 100 mmol)、及びフッ化カリウム(8.6 g, 150 mmol)を一口フラスコ中で混ぜた。この混合物を窒素下で48時間、180℃に加熱した。室温に冷やした後、水(200 mL)を添加した。この混合物を次に3回ジクロロメタン(200 mL)で抽出した。溶媒を蒸発させ、残留物を、ヘキサン中20%ジクロロメタンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。22.5gの所望の生成物が得られた。
【0100】
【化38】

【0101】
−(2−イソプロピルフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミンの合成
2−イソプロピル−N−(2−ニトロフェニル)アニリン(22.7 g, 89 mmol)及び10%パラジウムカーボン(0.6 g)を、プラスチックで被覆した水素化容器中、窒素下で150mLのエタノールと混ぜた。この混合物をパーハイドロジェネーターに取り付け、40psiの水素下で、圧力低下がなくなるまで反応させた。触媒を、セライト床を通して濾過して除いた。溶媒を蒸発させた。生成物はさらに精製することなく次のステップに用いた。20gの所望の生成物が得られた。
【0102】
【化39】

【0103】
1−(2−イソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールの合成
−(2−イソプロピルフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン(20 g, 88 mmol)及びベンズアルデヒド(8.5 g, 80 mmol)をアセトニトリル(100 mL)中、還流下で3時間反応させた。この反応混合物を室温に冷やした。塩化第二鉄(0.13 g, 0.8 mmol)を添加した。反応混合物を再度加熱して夜通し還流させた。還流中、反応物を通して空気をバブリングさせた。溶媒を蒸発させた。残留物をジクロロメタン(200 mL)に溶かし、短いシリカゲル栓を通過させた。粗生成物を、ジクロロメタンからジクロロメタン中3%酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。粗生成物を、エタノールからの再結晶によってさらに精製した。8gの所望の生成物が得られた。
【0104】
【化40】

【0105】
化合物3の合成
中間体1(1.5 g, 2.1 mmol)及び1−(2−イソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(2 g, 6.4 mmol)を三ツ口フラスコ中、窒素下で、30mLのエタノールと混ぜた。混合物を24時間加熱して還流させた。室温に冷やした後、沈殿物を濾過によって集めた。生成物を、溶離液として1:2のジクロロメタン及びヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.7gの所望の生成物が精製後に得られた。
【0106】
[化合物4の合成]
【化41】

【0107】
化合物4の合成
中間体2(7.4 g, 10 mmol)及び1,2−ジフェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(8.11 g, 30 mmol)を三ツ口フラスコ中、窒素下で、200mLのエタノールと混ぜた。混合物を24時間、加熱し還流させた。室温に冷やした後、沈殿物を濾過によって集めた。生成物を、溶離液として1:2のジクロロメタン及びヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。1.4gの所望する生成物を精製後に得た。
【0108】
[化合物5の合成]
【化42】

【0109】
2,6−ジイソプロピル−N−(2−ニトロフェニル)アニリンの合成
2,6−ジイソプロピルアニリン(25 g, 141 mmol)、2−フルオロニトロベンゼン(10 g, 70 mmol)、及びフッ化カリウム(6.2 g, 106 mmol)を一口フラスコ中で混ぜた。この混合物を窒素下で48時間、180℃に加熱した。室温に冷やした後、水(200 mL)を添加した。混合物を、次に3回ジクロロメタン(200 mL)で抽出した。溶媒を蒸発させ、残留物を、ヘキサン中20%ジクロロメタンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。10gの所望の生成物を得た。
【0110】
【化43】

【0111】
−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミンの合成
2,6−ジイソプロピル−N−(2−ニトロフェニル)アニリン(9.5 g, 32 mmol)と10%パラジウムカーボン(0.4 g)を、プラスチック被覆した水素化容器中、窒素下で150mLのエタノールと混ぜた。この混合物をパーハイドロジェネーターに取り付け、40psiの水素下で、圧力低下がなくなるまで反応させた。セライト床を通して触媒を濾過して除いた。溶媒を蒸発させた。生成物はさらなる精製なしに次のステップで用いた。8.5gの所望の生成物が得られた。
【0112】
【化44】

【0113】
1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールの合成
−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン(8.5 g, 32 mmol)及びベンズアルデヒド(3 g, 28.8 mmol)を、アセトニトリル(100 mL)中で、還流下で3時間反応させた。反応混合物を室温に冷やした。塩化第二鉄(0.05 g, 0.28 mmol)を添加した。反応混合物を再度加熱し、夜通し還流させた。還流の間、反応物を通して空気をバブリングさせた。溶媒を蒸発させた。残留物をジクロロメタン(200 mL)に溶かし、短いシリカゲル栓を通過させた。粗生成物を、ジクロロメタンからジクロロメタン中3%酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。3.4gの所望の生成物が得られた。
【0114】
【化45】

【0115】
化合物5の合成
中間体1(2.1 g, 2.9 mmol)及び1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(3.1 g, 8.7 mmol)を三ツ口フラスコ中、窒素下で、60mLのエタノールと混ぜた。この混合物を24時間加熱し還流させた。室温に冷やした後、沈殿物を濾過によって集めた。生成物を、溶離液として1:2のジクロロメタン及びヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。1.1gの所望の生成物が精製後に得られた。
【0116】
[化合物6の合成]
【0117】
【化46】

【0118】
中間体3の合成
1−(2−イソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(3 g, 9.6 mmol)及び塩化イリジウム(1.5 g, 4.36 mmol)を、三ツ口フラスコ中、窒素下で、60mLの2−エトキシエタノール及び20mLの水と混ぜた。この混合物を24時間加熱し還流させた。室温に冷やした後、沈殿物を濾過によって集めた。この固体をメタノール及びヘキサンで徹底的に洗い、次に真空下で乾燥させた。3.5gの生成物が得られた。
【0119】
【化47】

【0120】
中間体4の合成
中間体3(3.5 g, 2.06 mmol)及び銀トリフレート(1.06 g, 4.12 mmol)を300mLのジクロロメタン及び30mLのメタノールと混ぜた。この混合物を室温で24時間撹拌した。固体を濾過した。乾燥するまで濾液を蒸発させた。4.2gの生成物が得られた。
【0121】
【化48】

【0122】
化合物6の合成
中間体4(2.0 g, 1.95 mmol)及び2,5−ジフェニルピリジン(1.4 g, 5.83 mmol)を三ツ口フラスコ中、窒素下で、50mLのエタノールと混ぜた。この混合物を24時間加熱し還流させた。室温に冷やした後、沈殿物を濾過によって集めた。生成物を、溶離液として1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.5gの所望の生成物が精製後に得られた。
【0123】
[化合物7及び8の合成]
【化49】

【0124】
化合物7及び8の合成
中間体4(2.0 g, 1.95 mmol)及び2−(ビフェニル−3−イル)ピリジン(1.5 g, 5.8 mmol)を、三ツ口フラスコ中、窒素下で、60mLのエタノールと混ぜた。この混合物を24時間加熱し還流させた。室温に冷やした後、沈殿物を濾過によって集めた。生成物を、溶離液として1:1のジクロロメタン及びヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。1.4gの化合物7及び0.4gの化合物8を集めた。
【0125】
[化合物9の合成]
【化50】

【0126】
N−(2−ニトロフェニル)ビフェニル−2−アミンの合成
1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(13.06 g, 92.6 mmol)、2−アミノビフェニル(31.3 g, 185.2 mmol)、及びフッ化カリウム(8.1 g, 138.9 mmol)の混合物を、100mLの丸底フラスコ中で調製した。このフラスコを脱気し、窒素で置換した。この混合物を200℃に夜通し加熱した。反応混合物を冷やし、酢酸エチル及び水を添加した。層を分離させ、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をセライトに予め吸収させ、0、2、及び5%酢酸エチル/ヘキサンで溶離させるカラムクロマトグラフィーによって精製した。24.5g(91%)の生成物が得られた。
【0127】
【化51】

【0128】
−(ビフェニル−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミンの合成
N−(2−ニトロフェニル)ビフェニル−2−アミン(19.69 g, 67.8 mmol)、10%パラジウムカーボン(0.29 g, 0.27 mmol)、及び150mLのエタノールをパーハイドロジェネーター瓶に入れた。この混合物をパーハイドロジェネーターで、もはや水素が溶液によって吸収されなくなるまで水素化した。この溶液を、セライトを通して濾過して触媒を除去した。セライトをジクロロメタンで洗い、濾液を蒸発させて褐色オイル14.8g(84%)を得た。生成物はさらなる精製なしに次のステップに用いた。
【0129】
【化52】

【0130】
1−(ビフェニル−2−イル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールの合成
N’−(ビフェニル−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン(14.8 g, 56.85 mmol)、ベンズアルデヒド(5.2 mL, 51.68 mmol)、及び200mLのアセトニトリルを、500mLの三ツ口フラスコに入れた。この混合物を窒素下で夜通し加熱し還流させた。80mg(0.49 mmol)の塩化鉄(III)を添加し、冷やした溶液中に直接入れた空気で混合物をバブリングした。3時間後、溶媒を蒸発させ、残留物をジクロロメタンに溶かし、その溶液を、0〜10%酢酸エチル/ジクロロメタンで溶出させて、シリカゲル栓を通過させた。6.56g(37%)の生成物が得られた。
【0131】
【化53】

【0132】
化合物9の合成
上記トリフラート錯体(2.06 g, 2.89 mmol)、1−(ビフェニル−2−イル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(4 g, 11.55 mmol)、及び100mLのエタノールを250mLの丸底フラスコに入れた。この混合物を夜通し窒素下で加熱し還流させた。沈殿物を濾過によって集め、次にカラムで精製した。0.75gの生成物が得られた。
【0133】
[デバイス例]
【0134】
全ての例示デバイスは、高真空(<10−7Torr)熱蒸着によって作製した。アノード電極は、ガラス上の約800Å、1200Å、又は2000Åのインジウム錫オキシド(ITO)、又は800Åのサファイア/IZOである。カソードは10ÅのLiFとそれに続く1000ÅのAlからなる。全てのデバイスは作製後直ちに窒素グローブボックス(<1ppmのHO及びO)中で、エポキシ樹脂で封止したガラス蓋で封じ、水分吸収剤(モイスチャーゲッター)をそのパッケージ内に組み込んだ。
【0135】
デバイス例1〜10の有機積層は、ITO(1200Å)表面から順に、正孔注入層(HIL)として100Åの化合物C、正孔輸送層(HTL)として300Åの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、発光層(EML)として7〜10%のドーパント発光体(本発明の化合物1〜3)でドーピングした300Åのホスト1又はホスト2、阻止層(BL)として50Å又は100Åのホスト1又はホスト2、及びETLとして400Å又は450Åのトリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq)からなる。
【0136】
化合物B又は化合物Cを発光ドーパントとして用いたことを除いて上記デバイス例と同様に比較例1〜4を作製した。
【0137】
ここで用いたものとして、以下の化合物は以下の構造を有する。
【化54】

【0138】
OLEDの発光層のための具体的な発光ドーパントを提供し、これは特に良好な特性を有するデバイスをもたらすことができる。デバイス例1〜10の発光層のための物質、及びBL及びETLのための物質及び厚さを表2に示す。これらのデバイスの試験をして、測定した結果を表3に示す。発光ドーパントとして化合物1〜3を用いる発光層を有するデバイスは、向上したデバイス効率と寿命、並びにより飽和した色を示しており、これはこれらのヘテロレプティック化合物が有利でありうることを示している。
【0139】
【表24】

【0140】
【表25】

【0141】
デバイス例1〜10より、緑色燐光OLEDにおける発光ドーパントとしての本発明の化合物は、高いデバイス効率、長い作動寿命、及びより飽和した色をもたらすことがわかる。化合物1及び2は、化合物Cよりも、より良い効率、より飽和した色、及びより長い寿命を示し、このことはデバイス例1〜4及び比較例3から分かるとおりである。デバイス例5及び6並びに比較例1及び2から分かるように、化合物3は化合物Bよりも長い寿命と、より高い効率を有する。特に、発光ドーパントとして化合物3を含むデバイスは、比較例4に示されているように化合物Cよりもさらに飽和した色及びより狭い発光スペクトルをも示した。
【0142】
これらのデータは、フェニルピリジン及びフェニルベンゾイミダゾールを含むヘテロレプティック化合物が、より良い色、より長い寿命、及びより高い効率をもたらす燐光OLEDのための優れた発光ドーパントであることを示している。
【0143】
OLEDの発光層で用いるための具体的な発光ドーパントを提供する。これらのドーパントは特に良好な特性を有するデバイスをもたらしうる。デバイス例1〜16の発光層のための物質、並びにBL及びETLのための物質及び厚さを表4に示している。これらのデバイスを試験し、測定した結果を表5に示している。発光ドーパントとして化合物1〜6、8、及び9を用いる発光層を有するデバイスは、向上したデバイス効率と寿命、並びに、より飽和した色を示し、このことはこれらのヘテロレプティック化合物が有利であることを示している。
【0144】
【表26】

【0145】
【表27】

【0146】
デバイス例1〜16から、発光ドーパントとして本発明の化合物を含む緑色OLEDが優れた特性をもたらすことがわかる。化合物6、8、及び9は、化合物B及びCよりも飽和した色、より良好な効率、及びより長い寿命を示しており、このことはデバイス例11〜14及び比較例1〜4からわかる。化合物6を含むデバイスは、化合物B又は化合物Cを用いたデバイスと比較して向上した寿命を示した。化合物8又は化合物9を用いたデバイスは、化合物B又は化合物Cを用いたデバイスよりも飽和した色、向上した効率、及びより長い寿命を示した。
【0147】
このデータは、フェニルピリジン及びフェニルベンゾイミダゾールを有するヘテロレプティック化合物が、燐光OLEDのためのすばらしい発光ドーパントであることを示している。これらの化合物は、向上した効率、改善した色、及びより長い寿命を有するデバイスをもたらす。
【0148】
図3は、化合物3、化合物A、及び化合物Bの溶液のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示している。ホモレプティック錯体化合物Aは、振電構造を示した。ヘテロレプティック化合物である化合物3は化合物Bと似た形を有する。しかし、化合物3の発光は化合物Bよりも狭く、このことは両方の配位子が発光に寄与しうることを示している。さらに、化合物3は高真空下にて220℃未満で蒸発でき、これは化合物Bより約20℃、化合物Aよりも約60℃低い。
【0149】
図4は、一般的な燐光有機発光デバイスを示す。
【0150】
図5は、発光ドーパントとして本発明の化合物を含む発光層を有する燐光有機発光デバイスを示す。図5のデバイスは、化合物Cの100Åの厚さの正孔注入層、NPDの300Åの厚さの正孔輸送層、X%の本発明の化合物でドーピングしたホスト物質の300Åの厚さの発光層、ホスト1又はホスト2の50Å又は100Åの厚さの阻止層、及びAlqの400Å又は450Åの厚さの電子輸送層、並びにLiF/Alカソードを含む。Xは7%又は10%のいずれかである。
【0151】
図6は、フェニルピリジン及びフェニルベンゾイミダゾールを有するヘテロレプティック化合物を示す。
【0152】
本明細書に記載した様々な態様は例示のみを目的としたものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。例えば、本明細書に記載した物質及び構造の多くは、本発明の精神から離れることなく別の物質及び構造と置き換えることができる。特許請求の範囲に記載した本発明は、当業者には明らかなとおり、本明細書に記載した具体例及び好ましい態様からの変形を含むことができる。なぜ本発明が機能するかについての様々な理論は限定することを意図していないことが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】

(式中、n=1又は2であり;
【化2】

がL1であり;
【化3】

がL2であり;
、R、R、R、及びRは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換基を表すことができ;且つ、
、R、R、R、及びRのそれぞれは独立に、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択される。)
を有するヘテロレプティックイリジウム化合物Ir(L1)(L2)3−n
【請求項2】
n=1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が下記式:
【化4】

(式中、Rは水素又はメチルである。)
を有する請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択され;
はL1と共役系を形成していない、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
が、
【化5】

であり;
式中、X及びXは、独立にC及びNから選択され;
は水素ではなく;且つ
は式のアリール環上の他の置換基と結合されていてもよい、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
、R、及びRのそれぞれが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
L1が下記のものからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化6】

【化7】

【請求項8】
L2が下記のものからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化8】

【化9】

【請求項9】
L2が下記のものからなる群から選択される、請求項7に記載の化合物。
【化10】

【化11】

【請求項10】
L1が下記のものからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化12】

【化13】

【請求項11】
L2が下記のものからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化14】

【請求項12】
L2が下記のものからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物。
【化15】

【請求項13】
下記のものから選択される、請求項1に記載の化合物。
【化16】

【化17】

【請求項14】
下記のものから選択される、請求項1に記載の化合物。
【化18】

【化19】

【請求項15】
下記のものからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化20】

【化21】

【請求項16】
【化22】

のいずれかよりも狭い半値全幅を有する請求項1記載の化合物。
【請求項17】
【化23】

のいずれかよりも低い昇華温度を有する請求項1記載の化合物。
【請求項18】
緑色発光ドーパントである請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
アノード;
カソード;及び
前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層、を含む有機発光デバイスであって、さらに前記有機層が下記式:
【化24】

(式中、n=1又は2であり;
【化25】

がL1であり;
【化26】

がL2であり;
、R、R、R、及びRは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換基を表すことができ;且つ、
、R、R、R、及びRのそれぞれは独立に、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択される。)
を有するヘテロレプティックイリジウム化合物Ir(L1)(L2)3−nを含む、有機発光デバイス。
【請求項20】
前記有機層が発光層であり、且つ下記式:
【化27】

を有する前記化合物が発光化合物である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
が、
【化28】

であり;
式中、X及びXは独立にC及びNから選択され;
は水素ではなく;且つ
は式のアリール環上の他の置換基と結合されていてもよい、
請求項19に記載のデバイス。
【請求項22】
前記化合物が下記のものからなる群から選択される、請求項19に記載のデバイス。
【化29】

【化30】

【請求項23】
前記化合物が下記のものからなる群から選択される、請求項19に記載のデバイス。
【化31】

【化32】

【請求項24】
前記化合物が下記のものからなる群から選択される、請求項19に記載のデバイス。
【化33】

【化34】

【請求項25】
前記発光層がさらにホストを含んでいる、請求項19に記載のデバイス。
【請求項26】
前記ホストが下記式:
【化35】

(式中、R及びRは独立に、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールキル(arylkyl)、アリール、及びヘテロアリールから選択されるモノ、ジ、トリ、又はテトラ置換基を表すか、あるいは非置換を表し;且つ
及びRのうち少なくとも1つはトリフェニレン基を含む)
を有する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記ホストが下記式:
【化36】

(式中、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素、又は1つ以上のメタ位置換基を有する非縮合ヘテロアリール基もしくは非縮合アリール基であり、R、R、及びRのうち少なくとも1つは水素ではなく;且つ
各メタ位置換基は、非縮合アリール基、非縮合ヘテロアリール基、及びアルキル基からなる群から選択されるさらなる置換基で任意選択によって置換されていてもよい非縮合アリール又は非縮合ヘテロアリール基である。)
を有する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
アノード;
カソード;及び
前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層を含み、さらに前記有機層が下記式:
【化37】

(式中、n=1又は2であり;
【化38】

がL1であり;
【化39】

がL2であり;
、R、R、R、及びRは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換基を表すことができ;且つ、
、R、R、R、及びRのそれぞれは独立に、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールからなる群から選択される。)
を有するヘテロレプティックイリジウム化合物Ir(L1)(L2)3−nを含む有機発光デバイスを含む消費者製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−508258(P2012−508258A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535762(P2011−535762)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/063873
【国際公開番号】WO2010/056669
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(503055897)ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション (61)
【Fターム(参考)】