説明

物体の力量測定装置

【課題】本発明は、様々な有形物の力量測定に対応でき、測定者の測定バラツキを軽減し、誰でもが同じ精度で測定できる上、操作が簡単で安価な力量測定装置を提供することである。
【解決手段】本発明は、メカシリンダ2とフォースゲージ1とを一対に組み合わせ、前記フォースゲージ1の感知部1aに被検体物3の力量を伝えることで、力量値の変動を読み取るプログラムを有する情報処理装置4を備え、前記情報処理装置4には前記メカシリンダ2の動作速度と加速度を設定する速度設定モードと、前記メカシリンダの移動する位置を設定する移動動作設定モードを備え、前記速度設定と移動動作設定の組み合わせにより力量測定ができる力量測定装置Aである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有形物の様々な力量を測ることができる力量測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波モータを回転させてボルダを下動し、該ボルダに取着したフォースゲージを、基台上に載置した卵に押しつけて卵殻の強度を計測し、フォースゲージが卵殻の強度を計測すると同時に制御部が超音波モータを停止させる卵殻強度計が特許文献1に記載されている。
【0003】
また、端子問電圧検出部の結果に応じ、フォースモータ制御部とのフィードバックループを開放して、被検スイッチに一定の試験荷重を印加するスイッチ耐久試験装置が特許文献2に記載されている。
【0004】
更に、フォースゲージの測定軸にかかった荷重を検出するロードセルと検出信号に基づいて剥離力を算出するマイクロコンピュータを有し、フォースゲージの測定軸に板バネを介して試料ホルダーを固定し、第1粘着性試料を第2粘着性試料に圧着した際の板バネの変形により試料ホルダーを測定軸が延在する方向にのみ可動可能にした粘着力測定装置が特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−62325号公報
【特許文献2】特開2003−172674号公報
【特許文献3】特開2005−77363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、有形物の硬度や軟度、粘着力や弾力などの力量や、有形物を繰り返し押圧した時の耐久性や破壊強度などを測定する場合、特許文献1の卵殻強度計や特許文献2のスイッチ耐久試験装置並びに、特許文献3の粘着力測定装置などのように対象となる有形物が限定された中で開発された専用の力を測る測定装置が使用されている。これは、一般的に販売されている計測スタンドへデジタルフォースゲージを取り付けた力量測定装置を使用した場合、個々の有形物が保有する特性が異なる上、測定したい力の範囲が有形物によって異なることから適正な数値を読み取って把握することは、熟練とそれに見合う注意深さ、それ相当の測定作業時間が必要となり測定者の測定数値のバラツキが常に課題としてあがっていた。そこで、測定者のバラツキを軽減し、誰でもが同じ精度で測定できる力量測定装置として、測るための有形物の限定を行った、特許文献1の卵殻強度計や特許文献2のスイッチ耐久試験装置並びに、特許文献3の粘着力測定装置など、有形物を限定することで測定精度と測定者による測定バラツキを軽減できる様々な力量測定装置が発明されている。
【0007】
しかし、前途にあげた有形物を限定して開発された様々な力量測定装置は、測定できる有形物が限定されるので、異なる有形物を精度よく測定することができない欠点がある。また、測定者の測定バラツキを軽減し、誰でもが同じ精度で測定できるようにするためには、専用の力量測定装置を使用する必要があり、測定したい有形物が多くなると、有形物ごとに専用の力量測定装置をそろえなればといけず、コストアップとなる課題がある。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決し、様々な有形物の力量測定に対応でき、測定者の測定バラツキを軽減し、誰でもが同じ精度で測定できる上、操作が簡単で安価な力量測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
入力される移動指令に基づき上下に可動するメカシリンダと、力量を感知し数値で表示するフォースゲージとを一対に組み合わせ、前記メカシリンダによる押力または引力から前記フォースゲージの感知部に被検体物の力量を伝えることで、力量値の変動を読み取る プログラムを有する情報処理装置に接続可能な力量測定装置であって、前記情報処理装置には前記メカシリンダの動作速度の範囲を0.01mm/秒から125mm/秒の間で設定できる設定画面と、加速度の範囲を0.001Gから0.5Gの間で設定できる設定画面と、前記メカシリンダの移動位置を多数設定できる設定画面を移動動作設定モードに備え、速度と加速度と移動位置の組み合わせにより力量測定ができる力量測定装置である。
【0010】
前記移動動作設定モードに動作を繰り返すための繰返し回数が設定できる力量測定装置である。
【0011】
解析開始位置と解析終了位置の設定範囲内での最大ピーク値を表示する解析モードが備えた力量測定装置である。
【0012】
前記最大応力値に到達する手前の山ピーク値や谷ピーク値を表示する解析モードが備えた力量測定装置である。
【0013】
前記解析開始位置から解析終了位置の設定範囲内で測定したデータ値をグラフとして表示する機能を備えるとともに、前記グラフ上に解析モード名とピーク値を表示させる力量測定装置である。
【0014】
力量設定値の範囲を超えると動作が停止する安全停止モードが備えられた力量測定装置である。
【0015】
最大ピーク値や山ピーク値、谷ピーク値以外の解析モードを自在に組み込めるようにプログラム追加登録機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の力量測定装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、入力される移動指令に基づき上下に可動するメカシリンダと、力量を感知し数値で表示するフォースゲージとを一対に組み合わせ、前記メカシリンダによる押力または引力から前記フォースゲージの感知部に被検体物の力量を伝えることで、力量値の変動を読み取る プログラムを有する情報処理装置に接続可能な力量測定装置であって、前記情報処理装置には前記メカシリンダの動作速度の範囲を0.01mm/秒から125mm/秒の間で設定できる設定画面と、加速度の範囲を0.001Gから0.5Gの間で設定できる設定画面と、前記メカシリンダの移動位置を多数設定できる設定画面を移動動作設定モードに備え、速度と加速度と移動位置の組み合わせにより力量測定ができる力量測定装置であるので、様々な有形物の力量測定に対応でき、測定者の測定バラツキを軽減し、誰でもが同じ精度で測定でき、操作が簡単で安価な力量測定装置を提供することである。
【0017】
また、前記移動動作設定モードに動作を繰り返すための繰返し回数が設定できる力量測定装置であるので、押しボタン式のスイッチやキーボードなどのキーのようなものの耐久性や押す力の変化を把握したい時などに活用出来る機能を備えた力量測定装置を提供することである。
【0018】
解析開始位置と解析終了位置の設定範囲内での最大ピーク値を表示する解析モードが備えた力量測定装置であるので、前記最大ピーク値をコンピュータが認識し数値で表示する機能を有する力量測定装置を提供することである。
【0019】
前記最大応力値に到達する手前の山ピーク値や谷ピーク値を表示する解析モードが備えた力量測定装置であるので、どのような変化が表れたのかを数値の変化で読み取り解析することができる力量測定装置を提供することである。
【0020】
前記解析開始位置から解析終了位置の設定範囲内で測定したデータ値をグラフとして表示する機能を備えるとともに、前記グラフ上に解析モード名とピーク値を表示させる力量測定装置であるので、表示されたグラフを確認するだけで、どのような変動が表れているのかをグラフをみただけで、誰でもが把握し解析することができる力量測定装置を提供することである。
【0021】
力量設定値の範囲を超えると動作が停止する安全停止モードが備えられた力量測定装置であるので、破壊したくない被検体物や謝って手指を挟み込んだ場合でも、安全に使用できる力量測定装置を提供することである。
【0022】
最大ピーク値や山ピーク値、谷ピーク値以外の解析モードを自在に組み込めるようにプログラム追加登録機能を備えた力量測定装置であるので、嵌合強度や破壊強度、剥離強度や耐久性強度、弾性力強度などの一般的に考えられる測定以外の有形物を対象とした特殊な力量測定であっても、プログラム追加登録機能を設けているので、独自にプログラムを追加登録することで、様々な力量を解析することが可能となる力量測定装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】図1を動作した状態を示す概略構成図である。
【図3】モニタの画面に表示される移動動作設定と解析設定を示すイメージ図である。
【図4】モニタの画面に表示される測定解析結果を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1及び図2において、本発明の力量測定装置Aは、ステッピングモーターにより駆動するメカシリンダ2と前記メカシリンダ2による押力または引力から力量を感知部1aで感知し数値で表示するデジタルフォースゲージ1と動作を制御し力量値の変動を読み取るプログラムを有する情報処理装置4からなる力量測定装置Aである。前記メカシリンダ2とデジタルフォースゲージ1は、一軸の動きで被検体物3の力量の測定ができるようにするため、図1に示すように、一軸のライン上に、メカシリンダ2とデジタルフォースゲージ1を一対に組み合わせて設置し、コンピュータなどの情報処理装置4からの指令により、上下または、左右に押力したり引力したりする装置となる。デジタルフォースゲージ1は、USBケーブルなどの接続部材によりコンピュータなどの情報処理装置4へ接続される。また、メカシリンダ2は、シリアル接続により直接コンピュータなどの情報処理装置4へ接続してもよく、また、USB−シリアル変換器を利用してUSBケーブルなどの接続部材によりコンピュータなどの情報処理装置4へ接続を行ってもよい。前記コンピュータなどの情報処理装置4には、メカシリンダ2へ移動指令を伝えるためにキーボードやゲームパット6、マウスなどが接続されている。
【0025】
図1及び図3に示すように、動作を制御し力量値の変動を読み取り解析するプログラムが前記情報処理装置4内に組み込まれている。前記プログラムには、メカシリンダ2をどのような速度や加速度で、どのようなタイミングで、どれぐらい可動させるのかなどを、前もって指定したり選択することができる移動動作設定モード7aする設定画面7をモニタ5へ表示し設定することができる。図3に示すように、モニタ5内に写し出された前記移動動作設定モード7aを利用して予め決められた条件を指定したり選択することで、誰もが同じ条件のもと同じ精度で力量測定を、ボタン1つをプッシュするなどの簡単操作で実施することができる。
【0026】
例えば、図3に示す設定画面7の中に、前記メカシリンダ2の動作速度を0.01mm/秒から125mm/秒の間で速度を入力または選択できる移動速度項目が、移動動作設定モード7a内に備えられている。また、0.001Gから0.5Gの間の加速度を入力または選択できる加速度項目が移動動作設定モード7a内に備えられている。更に、前記情報処理装置4から移動速度と加速度をメカシリンダ2に指令することで、メカシリンダ2が指令の内容に従い可動を行うことができる。更に、メカシリンダ2が動作を開始する前の待機位置の設定をする場合、図3に示すように、画面の中の名称に待機位置と入力し、動作開始前にメカシリンダ2をどの位置で停止させておくか、適正な待機位置を画面の中の移動先項目に直接数値を入力することも可能であるが、直接数値を入力せずゲームパット6などの十字キーで上昇または下降させることにより設定することもできる。加速度については基本値の0.5Gが入力されているが、数値を変更することも可能である。
【0027】
次に、図3に示すように、メカシリンダ2の次の動作の設定を2行目へ行う。例えば、容器と蓋の嵌合値を測りたい場合は、名称に嵌合と入力し、先程のメカシリンダ2の待機位置からどの範囲まで、メカシリンダ2を上昇または下降をさせることで嵌合されるのかその位置を移動先の距離、移動速度、加速度などを入れる。2行目で設定した動作の次にどのような動作を実施させるのか、3行目へ設定を実施する。例えば、3行目の動作設定例として、2行目で嵌合値の測定動作を実施したので、測定終了後の位置から待機位置まで戻る時の設定を行う。この場合、戻るだけでの動作になるので、移動速度と加速度は最高値の移動速度125mm/秒、加速度0.5Gに設定しておくと、測定時間の短縮ができる。4行目以上の動作設定を移動動作設定モード7aへ登録する場合は、各行に設けられた行の挿入項目の中の挿入ボタンをゲームパット6などの決定ボタンでプッシュすることで、選択した行の下へ新しい未入力のものが挿入されることになる。不要であれば、各行に設けられた行の削除項目の中の削除ボタンで不要な行を削除することも可能である。
【0028】
以上のように、本発明の力量測定装置Aは、前記メカシリンダ2の移動位置毎に移動先を多数設定できる設定画面7が移動動作設定モード7aの移動先項目として備えている。前記移動先項目には、直接移動する位置を数値やゲームパット6などの十字キーで指定位置まで移動させることで、移動位置が設定できるところと、一度登録した移動位置を再度指定したい時に、例えば一つ目の動作位置、二つ目の動作位置、三つ目の動作位置から再び、二つ目の動作位置に戻りたい場合などに、2と数値を選択することで、指定した動作を実行することができる。
【0029】
よって、移動速度と加速度と移動先の組み合わせにより膨大なバリエーションの動作組み合わせ可能となり、様々な要求にそえることができる力量測定装置Aとなる。例えば、破壊強度や引張力強度、粘着力や弾性力、果物の熟し具合や、食パンやゼリーなどの柔らかさなど様々な被検体物3の力量測定に対応できる力量測定装置Aとして提供することができる。また、被検体物3専用に開発された高額な装置を数台保有せずとも、本発明の力量測定装置1台で様々な有形物の力量測定に対応できるのであるので設備コストの削減ができ、更に、測定者の測定バラツキをなくし、誰でもが同じ精度で測定でき、操作が簡単で安価な力量測定装置Aを提供することが可能である。
【0030】
本発明の力量測定装置Aには、図3に示すように、前記移動動作設定モード7aに動作を繰り返すための繰返し回数を入力または選択できる繰返し回数項目が備えられている。例えば、押しボタン式のスイッチやキーボードなどのキーのようなものの耐久性などを把握したい時に繰返し回数項目に繰返す回数を数値で入力したり、予め登録されている数値から繰返し回数を選択して選ぶことにより、前記移動動作設定モード7a内に登録した条件を繰返し動作させる機能を備えた力量測定装置Aである。
【0031】
また、本発明の力量測定装置Aには、図3に示すように、前記移動動作設定モード7aに測定動作直前にデジタルフォースゲージ1を0にリセットするゼロリセット項目を備えている。例えば、押しボタン式のスイッチやキーボードなどのキーのようなものの耐久性などを把握したい時などに1回目の測定が終わったあと1回目のピーク値は表示されたままとなるが、2回目の測定に入る前などに、デジタルフォースゲージ1を自動で0にリセットする機能を備えることで、繰返し正確な数値を自動で取得していくことが可能になる。また、ゼロリセット機能は、ゲームパット6などのボタンキーに予め割り当てることにより、手動で操作する場合にボタンキーをワンプッシュする操作のみで、誰でも簡単にフォースゲージの値を0にすることも可能である。
【0032】
更に、本発明の力量測定装置Aには、図3に示すように、前記移動動作設定モード7aに前記移動動作前の待ち時間をタイマー設定するか、しないかを選択できるタイマー使用項目とタイマー使用する場合にタイマーの待ち時間を設定する、待ち時間項目が備えられている。例えば、容器などにキャップを嵌め込む作業をするようなオートメーション化された工程内でタイマー使用をすることで、容器とキャップのセット作業をしながら、同時に嵌合値を測ることが可能な力量測定装置Aを提供することができる。
【0033】
また、本発明の力量測定装置Aには、設定画面7の中に、図3に示すように解析設定モード7bが設けられている。前記解析設定モード7bには、予め3つの解析モードが解析モード7b3項目の中で選択できるように備えられている。1つ目は、図3及び図4のグラフ内に示すように、最大ピーク値k1を表示する解析モード7bである。前記解析設定モード7bの位置A項目には解析開始位置を入力し、前記解析設定モード7bの位置B項目には解析終了位置を入力することで、前記解析開始位置と前記解析終了位置の設定範囲内での最大ピーク値k1を表示する解析モード7bが備えられている。よって、最大ピーク値k1を選択すれば、解析範囲内での最大応力値をコンピュータが認識して表示を行うため、例えば、被検体物のき裂先端の応力値を読み取ることも可能であり、破壊強度や材料の曲げ強度などの力量測定に使用できる力量測定装置Aである。
【0034】
更に、前記解析モード7b3には、図3及び図4のグラフ内に示すように前記最大応力値に到達する手前の山ピーク値k2や谷ピーク値k3を表示する解析モード7b3が備えられている。例えば、容器にキャップを嵌める場合、容器とキャップが嵌合しようとするためにアンダーカットとなる凸部を乗り越えようとした時にもっとも力量がかかる応力値を山ピーク値k2として読み取ることができるものである。また、容器とキャップがアンダーカットとなる凸部を乗り越えて、容器とキャップがあたってお互いに嵌め合いが進まなくなる手前であって、力量がいったん落ち、そこから再び立ち上がり力量が増していくところの、力量が落ちた谷部分となるところを谷ピーク値k3として読み取ることができる。1つの被検体物に対して、複数箇所のピーク値を測定したい場合は、1度の測定で複数の解析モード7b3を設定することも可能で、例えば、解析設定モード7bの1行目に山ピーク値k2、2行目に谷ピーク値k3、3行目に最大モードを登録しておくことで、各々のピーク値を取得することができるものである。これによって、破壊強度や嵌合強度が同時に測定できたり、弾性力強度や粘着力などの力量測定に使用できる力量測定装置Aである。
【0035】
また、前記解析設定モード7bには、図3に示すように閾値を設定できる判定値モード項目が備えられてする。閾値とは、ユーザーの使い方や好み、動作環境により大きく異なり、プログラムを制御するために一意に決めることが難しい動作条件を与えるための情報であるパラメータに対して使用する値である。コンピュータに的確な指示をするためには、ユーザーの使い方や好み、動作環境などにより大きく異なってしまう場合などにその値を境にして上にまたは下に越えることで、動作や応答が変わるような場合に、測定者自身が閾値を決めて入力する場所を前記解析設定モード7bの判定値モード項目として設けている。閾値となる判定値モードの決め方の参考例としては、測定者が想定するピークを判定できる解析モードを測定して取得した数値や力量の変化を表したグラフなどから読み取り判断することで、測定者自身が閾値となる判定値を決定することができる。
【0036】
更に、前記解析開始位置から解析終了位置の設定範囲内で測定した力量変化を取得したデータ値をグラフ表示8aする機能を図4に示す解析結果表示画面8に備えている。また、前記グラフ表示8a内に解析モード名とピーク値を表示させることができるので、前記グラフ表示8aを確認するだけで、どのような力量変動が表れているのかを把握し解析することができる力量測定装置Aである。
【0037】
更に、図4に示す解析結果表示画面8のデータ項目には、図3に示す解析モード7b3で選択した解析結果を数値で表示する解析結果ピーク値表示8bが備えられている。また、解析結果表示画面8の中でも、図3に示した解析設定モード7bで設定した内容を確認することが可能な移動動作設定モード表示8cが表示される。前記移動動作設定モード表示8cは、表示されているだけでなく、解析結果表示画面8上で設定条件を変更することが可能になるように設定されている。
【0038】
また、図3に示すように、解析設定モード7bの判定値モード項目には、判定値が結果判定値内になった場合測定を中止する機能が備えられている。結果判定値から数値がはずれた時点で測定が中止されるので、測定動作が停止し安全停止モードとして機能する効果を備えている。よって、破壊したくない被検体物や誤って手指を挟み込んでしまうような被検体物を測定する場合でも、前もって、判定値モードに測定中止を選択しておけば、結果判定値から数値がはずれた時点で測定が中止されるので、誰でもが安全に使用できる力量測定装置Aを提供することができる。更に、本発明の力量測定装置Aの装置本体自体にも、安全停止ボタンが備えられているので、安心である。
【0039】
また、本発明の力量測定装置Aの装置本体は、図1及び図2に示すようにパソコンなどの前記情報処理装置4内にUSB接続することができ、測定して取得したデータ値を測定名称毎にフォルダーを作成し、前記フォルダー内にCAV形式で保存することができる機能を備えた力量測定装置Aである。よって、CAV形式で読み取れるソフトウェアを使用することで、取得したデータを外部へ書き出して活用することができる。
【0040】
更に、最大ピーク値k1や山ピーク値k2、谷ピーク値k3以外の解析モード7b3を自在に組み込めるようにプログラム追加登録機能を図3に示す解析設定モード7bの解析モード7b3に備えている。前記解析モード7b3の中にあるその他のピーク値を選択することで、新規の解析モード7b3のプログラムを登録できる画面が表示される。これを利用することにより、最大ピーク値k1や山ピーク値k2、谷ピーク値k3以外の解析モード7b3を自在に組み込めるようにできるものである。よって、嵌合強度や破壊強度、剥離強度や耐久性強度、弾性力強度などの一般的に考えられる測定以外の有形物を対象とした特殊な力量測定であっても、プログラム追加登録機能を設けているので、独自にプログラムを追加登録することで、様々な力量を解析モード7b3へ登録することが可能となり、使い勝手の良い力量測定装置Aを提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 デジタルフォースゲージ
1a 感知部
2 メカシリンダ
3 被検体物
4 情報処理装置
5 モニタ
6 ゲームパット
6a 十字キー
6b ボタンキー
7 設定画面
7a 移動動作設定モード
7b 解析設定モード
7b1 解析開始位置
7b2 解析終了位置
7b3 解析モード
8 解析結果表示画面
8a 解析結果グラフ表示
8b 解析結果ピーク値表示
8c 移動動作設定モード表示
A 力量測定装置
a USBハブ
b USB−シリアル変換器
k−1 最大ピーク値
k−2 山ピーク値
k−3 谷ピーク値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される移動指令に基づき上下に可動するメカシリンダと、力量を感知し数値で表示するフォースゲージとを一対に組み合わせ、前記メカシリンダによる押力または引力から前記フォースゲージの感知部に被検体物の力量を伝えることで、力量値の変動を読み取る プログラムを有する情報処理装置に接続可能な力量測定装置であって、前記情報処理装置には前記メカシリンダの動作速度の範囲を0.01mm/秒から125mm/秒の間で設定できる設定画面と、加速度の範囲を0.001Gから0.5Gの間で設定できる設定画面と、前記メカシリンダの移動位置を多数設定できる設定画面を移動動作設定モードに備え、速度と加速度と移動位置の組み合わせにより力量測定ができることを特徴とする力量測定装置。
【請求項2】
前記移動動作設定モードに動作を繰り返すための繰返し回数が設定できることを特徴とする請求項1記載の力量測定装置。
【請求項3】
解析開始位置と解析終了位置の設定範囲内での最大ピーク値を表示する解析モードが備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の力量測定装置。
【請求項4】
前記最大応力値に到達する手前の山ピーク値や谷ピーク値を表示する解析モードが備えたことを特徴とする請求項1または請求項3のいずれか1項に記載の力量測定装置。
【請求項5】
前記解析開始位置から解析終了位置の設定範囲内で測定したデータ値をグラフとして表示する機能を備えるとともに、前記グラフ上に解析モード名とピーク値を表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の力量測定装置。
【請求項6】
力量設定値の範囲を超えると動作が停止する安全停止モードが備えられたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の力量測定装置。
【請求項7】
最大ピーク値や山ピーク値、谷ピーク値以外の解析モードを自在に組み込めるようにプログラム追加登録機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の力量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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