説明

物体検出手段の試験装置、及び試験方法

【課題】物体検出手段の試験コストを低く抑えつつ、試験精度を向上させることが可能な物体検出手段の試験装置、及び試験方法を提供する。
【解決手段】車両に搭載された物体検出手段を試験する試験装置10であって、物体検出手段から照射される電磁波を反射する反射部材22と、反射部材22よりも先に車両に接触する位置に設置された接触部材24と、車両の走行路上の試験位置と、車両との衝突を回避する回避位置との間で、反射部材22及び接触部材24を一体移動可能に支持する支持手段26と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体検出手段の試験装置、及び試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の衝突を試験する装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この装置では、撮影ピット上の走行路に沿ってテスト車両を走行させ、衝突の様子を側方から撮影している。
【特許文献1】特開2003−50179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、車両の衝突を解析するのであれば、実際に車両同士を衝突させる必要がある。しかしながら、車両に搭載されたレーダなどの物体検出手段を試験するのであれば、車両同士が衝突するまでの情報が重要であり、実際に衝突するときの検出結果は不要である。従って、このような物体検出手段の試験においては、実際に車両同士を衝突させたのでは、費用の無駄が生じてしまう。
【0004】
一方で、物体検出手段の試験においては、実際に車両同士を衝突させるのではなく、テストドライバーによる運転で衝突直前にターゲットを回避するようにして試験することもできる。しかしながら、ターゲットを回避する必要性から、データ取得に限界があって試験精度の向上にも限界があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、物体検出手段の試験コストを低く抑えつつ、試験精度を向上させることが可能な物体検出手段の試験装置、及び試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物体検出手段の試験装置は、車両に搭載された物体検出手段を試験する試験装置であって、物体検出手段から照射される電磁波を反射する反射部材と、反射部材よりも先に車両に接触する位置に設置された接触部材と、車両の走行路上の試験位置と、車両との衝突を回避する回避位置との間で、反射部材及び接触部材を一体移動可能に支持する支持手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この試験装置では、試験位置から回避位置に反射部材及び接触部材を一体移動させることができるため、衝突まで試験データを取得してから回避位置に移動させることで、試験精度を向上させつつ車両へのダメージを軽減することができる。また、反射部材には直接車両が衝突しないため、反射部材へのダメージを軽減することができる。このように車両及び反射部材へのダメージを軽減することで、試験コストを低く抑えることが可能となる。
【0008】
反射部材は金属材から形成されており、接触部材は緩衝材から形成されていることを特徴としてもよい。このようにすれば、金属材により電磁波の反射が良好になると共に、緩衝材により車両及び反射部材へのダメージを軽減することができる。
【0009】
支持手段は、反射部材及び接触部材を支持する支持軸を有し、支持軸は、基端部において回動可能に軸支されていることを特徴としてもよい。このようにすれば、支持軸を基端部を中心として回動させることで、試験位置から回避位置へ反射部材及び接触部材を容易に移動させることができる。
【0010】
反射部材及び接触部材は、車両と接触部材との接触により伝達される車両の運動エネルギーにより一体移動することを特徴としてもよい。このようにすれば、別途特別な動力源を必要とすることなく反射部材及び接触部材を回避位置に移動させることができる。
【0011】
試験位置から回避位置に向かう方向に、反射部材及び接触部材を付勢する付勢手段を備えることを特徴としてもよい。このようにすれば、付勢手段の付勢力を利用してより早く且つ確実に、反射部材及び接触部材を回避位置に移動させることができる。
【0012】
付勢手段は、反射部材及び接触部材を付勢するための位置エネルギーを蓄積可能であり、反射部材及び接触部材は、車両と接触部材との接触により開放される位置エネルギーにより一体移動することを特徴としてもよい。このようにすれば、別途特別な動力源を必要とすることなく、より早く且つ確実に、反射部材及び接触部材を回避位置に移動させることができる。
【0013】
エア入口とエア出口とを有し、エア入口からエア出口への送風により膨張して、車両の走行路上を横切るように広がる袋体と、エア入口から袋体にエアを送風する送風手段と、を備えることを特徴としてもよい。このようにすれば、袋体を利用して撮像手段の試験も可能になる。このとき、車両と袋体とが衝突してもエア出口からエアを排出できるため、車両へのダメージを軽減することができる。
【0014】
車両の接近を検知する車両検知手段を備え、送風手段は、車両の接近を検知したとき、送風量を減少させることを特徴としてもよい。このようにすれば、車両へのダメージをより軽減することができる。
【0015】
本発明に係る物体検出手段の試験方法は、車両に搭載された物体検出手段を試験する試験方法であって、物体検出手段から照射される電磁波を反射する反射部材と、反射部材よりも先に車両に接触する位置に設置された接触部材とを、車両の走行路上の試験位置に位置させる工程と、接触部材に車両を接触させて、車両との衝突を回避する回避位置に反射部材及び接触部材を一体移動させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
この試験方法では、試験位置において衝突まで試験データを取得してから、回避位置に反射部材及び接触部材を移動させることで、試験精度を向上させつつ車両へのダメージを軽減することができる。また、反射部材には直接車両が衝突しないため、反射部材へのダメージを軽減することができる。このように車両及び反射部材へのダメージを軽減することで、試験コストを低く抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、物体検出手段の試験コストを低く抑えつつ、試験精度を向上させることが可能な物体検出手段の試験装置、及び試験方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る物体検出手段の試験装置(以下、単に試験装置ともいう。)を模式的に示す背面図であり、図2は、図1の試験装置が備えるレーダ試験装置の側面図であり、図3は、図2のレーダ試験装置が回避位置に位置する状態を示す側面図であり、図4は、図1の試験装置が備えるカメラ試験装置を示す図である。
【0020】
図1に示すように、試験装置10は、物体検出手段として相手車両に搭載されたミリ波レーダなどの電磁波レーダを試験するレーダ試験装置20と、相手車両に搭載されたステレオカメラを試験するカメラ試験装置40とを備えている。
【0021】
レーダ試験装置20は、反射板(反射部材)22、緩衝材(接触部材)24、及びこれらを支持する支持軸(支持手段)26を備えている。反射板22は、相手車両に搭載されたレーダから照射される電磁波を反射する。この反射板22は、アルミ板などの金属板から形成されており、外形が略円盤状をなす。
【0022】
緩衝材24は、反射板22よりも先に相手車両に接触する位置に設置されている。本実施形態では、緩衝材24は反射板22の反射面22a側でその外縁を取り巻くように環状に、反射板22の法線方向に突出して反射板22と一体に設けられている。なお、緩衝材24は、必ずしも環状に設ける必要はなく、反射板22による電磁波の反射を妨げないようであれば、その配置の仕方は限定されるものではない。緩衝材24としては、車両との衝突による衝撃エネルギーを吸収できるものであれば特に限定されず、例えばゴム製や発泡樹脂製など公知の緩衝材を使用することができ、これを風船などの袋に詰め込んで設置することができる。
【0023】
支持軸26は、くの字状に屈曲しており、先端部26aが反射板22の裏面に固定され、基端部26bが水平軸周りに回動可能に軸支されている。この支持軸26は、通常状態で重力により下方に垂れ下がり、反射板22及び緩衝材24を試験位置に位置させる。この試験位置は、相手車両の走行路上にあって、およそ相手車両のフロントグリルの高さ位置に位置する。そして、支持軸26は、基端部26bを中心として回動することで、上方に跳ね上げられて相手車両との衝突を回避する回避位置に反射板22及び緩衝材24を位置させる。この回避位置は、相手車両の高さよりも高い位置に位置する。
【0024】
レーダ試験装置20は、取付板28を介してシャフト60に取り付けられている。取付板28は、支持軸26を回動可能に軸支するためのピン30を有し、このピン30に支持軸26の基端部26bに設けられた筒材32が挿通されている。そして、筒材32とピン30との間には、一方向(図2では反時計回り)への回動のみを許容する図示しないラチェット機構が設けられている。なお、レーダ試験装置20は、筒材32の挿通方向を変えることで、反射板22の向きを前後の二方向(図2の左右方向)に切り替えられるようになっている。
【0025】
シャフト60は、図1及び図2に示すように、自車両Mに搭載された立体状の支持枠62により基端部で支持されている。シャフト60の先端部は、自車両Mから側方に突出しており、この先端部に上記したレーダ試験装置20とカメラ試験装置40とが垂下されている。従って、これらレーダ試験装置20とカメラ試験装置40とは、自車両Mから側方に離間して設けられている。
【0026】
またレーダ試験装置20は、図2に示すように、試験位置から回避位置に向かう方向に、反射板22及び緩衝材24を付勢するゴムひも(付勢手段)34を有している。ゴムひも34の一端は、支持棒26の裏側の屈曲部に連結されており、支持棒26を引っ張り上げることで、反射板22及び緩衝材24を試験位置から回避位置に移動させる。特に本実施形態では、ゴムひも34の他端は図示しない所定位置に固定されており、ゴムひも34の途中には係止玉36が固定されている。そして、支持軸26の基端部に設けられた筒材32の外周面には、この係止玉36を係止するフォーク状の係止爪38が設けられている。従って、試験位置においてゴムひも34の上側部分はピンと張られて係止玉36が係止爪38に係止され、位置エネルギーを蓄積している。そして、図3に示すように、相手車両Rが緩衝材24に衝突して支持軸26が振り上げられると、係止爪38から係止玉36が外れ、ゴムひも34が上方に巻き取られることで、反射板22及び緩衝材24の移動を補助し、より早く且つ確実に、反射板22及び緩衝材24を回避位置に移動させるようになっている。
【0027】
カメラ試験装置40は、図1及び図4に示すように、袋体42と送風手段50とを有している。袋体42は、独立した複数の袋体セグメント44を有している。袋体セグメント44は、膨張時において略円柱状の外形を有する。この袋体セグメント44は、エア入口44aとエア出口44bとを有し、エア入口44aからエア出口44bへの送風により膨張する。袋体セグメント44は、エア入口44a及びエア出口44bをそれぞれ上側及び下側にして、鉛直方向に延びている。各袋体セグメント44は、水平方向に隣接して設けられ、膨張時に相手車両Rの走行路上を横切るように広がる。本実施形態では、レーダ試験装置20を挟んで両側に3個づつで合計6個の袋体セグメント44が設けられている。これら袋体セグメント44は、シャフト60に設けられたレール70から吊り下げられている。袋体セグメント44の表面には、カメラテスト用の模様が描かれている。そして、袋体セグメント44は、レール70によりシャフト60の軸方向に移動可能であると共に、自身の軸を中心に回転させることで、カメラテスト用の模様を前後の二方向に切り替えられるようになっている。
【0028】
送風手段50は、エアを供給するコンプレッサ51と、コンプレッサ51からのエアを搬送するメインチューブ52と、メインチューブ52上に設けられたエア量を調整する調整弁53と、エアを分配する分配器54と、分配されたエアを各袋体セグメント44に搬送する分配チューブ55と、を有している。分配チューブ55は、各袋体セグメント44のエア入口44aに接続されており、これにより袋体44にエアが供給される。調整弁53は、エア量を手動で切り替えるための切替レバー56と、エア量を自動で切り替える切替装置57とに接続されている。従って、相手車両Rが本試験装置10に接近したとき、切替レバー56を操作してエア供給量を減少(供給停止を含む)させることができる。或いは、自車両Mに取り付けられたセンサ(車両検知手段)80からの相手車両Rの検知信号に基づいて、切替装置57の制御信号によりエア供給量を減少(供給停止を含む)させることができる。
【0029】
次に、上記した試験装置10を用いた物体検出手段の試験方法について説明する。ここでは、対先行車の試験を行う場合について説明する。
【0030】
まず、試験装置10をセッティングする。セッティングにおいては、図2に示すように、反射板22の反射面22aが自車両Mを基準として後方に向くように、支持軸26をシャフト60の取付板28のピン30に取り付ける。次に、ゴムひも34の付勢力に抗して支持軸26を下方に下ろし、反射板22及び緩衝材24を試験位置に位置させる。そして、ゴムひも34に固定された係止玉36を係止爪38に係止する。この状態では、ゴムひも34の上側部分はピンと張られて、位置エネルギーを蓄積した状態にある。
【0031】
一方で、図4に示すように、袋体セグメント44の模様が自車両Mを基準に後方に向くように、袋体セグメント44の回転角度位置を調整する。そして、コンプレッサ51からメインチューブ52及び分配チューブ55を通して、袋体セグメント44にエアを供給する。
【0032】
このようにしてセッティングが完了した後、自車両Mを前進走行させると共に、試験装置10を追いかけるように相手車両Rを前進走行させながら、相手車両Rに搭載されたレーダ100及びステレオカメラ102を作動させてデータを取得する。そして、相手車両Rをレーダ試験装置20の緩衝材24に衝突させる。これにより、反射板22及び緩衝材24は、相手車両Rと緩衝材24との接触により伝達される運動エネルギーにより、上方に振り上げられて回避位置に向かって一体移動する。また、相手車両Rが緩衝材24に衝突して支持軸26が振り上げられると、係止爪38から係止玉36が外れ、ゴムひも34の位置エネルギーが開放されて上方に巻き取られることで、反射板22及び緩衝材24の移動が補助される。これにより、図3に示すように、反射板22及び緩衝材24が相手車両Rとの衝突を避ける回避位置に移動される。
【0033】
一方で、相手車両Rの接近を自車両Mに設けられたセンサ80により検知し、衝突寸前に袋体42へのエアの供給を停止する。
【0034】
このように、本実施形態に係る試験装置10では、試験位置から回避位置に反射板22及び緩衝材24を一体移動させることができるため、衝突まで試験データを取得してから回避位置に移動させることで、試験精度を向上させつつ相手車両Rへのダメージを軽減することができる。また、反射板22には直接相手車両Rが衝突しないため、反射板22へのダメージを軽減することができる。このように相手車両R及び反射板22へのダメージを軽減することで、試験コストを低く抑えることが可能となる。
【0035】
また、緩衝材24に相手車両Rを衝突させるため、相手車両R及び反射板22へのダメージをより軽減することができ、特に相手車両Rのライトの光軸がずれるおそれを低減することができる。また、支持軸26を基端部26bを中心として回動させるため、試験位置から回避位置へ反射板22及び緩衝材24を容易に移動させることができる。特に、ラチェット機構を設けて支持軸26の回動を試験位置から回避位置への一方向に規制しているため、反射板22及び緩衝材24を回避位置に確実に回避させることで、相手車両R及び反射板22へのダメージをより軽減することができる。
【0036】
また、相手車両Rと緩衝材24との接触により伝達される相手車両Rの運動エネルギーを利用しているため、別途特別な動力源を必要とすることなく反射板22及び緩衝材24を回避位置に移動させることができる。
【0037】
また、試験位置から回避位置に向かう方向に、反射板22及び緩衝材24をゴムひも34で付勢しているため、より早く且つ確実に、反射板22及び緩衝材24を回避位置に移動させることができる。また、ゴムひも34に蓄積され、相手車両Rと緩衝材24との接触により開放される位置エネルギーを利用しているため、別途特別な動力源を必要とすることなく、より早く且つ確実に、反射板22及び緩衝材24を回避位置に移動させることができる。
【0038】
また、袋体42を利用することで、相手車両Rに搭載されたステレオカメラ102の試験も可能になる。このとき、相手車両Rと袋体42とが衝突してもエア出口44bからエアを排出できるため、相手車両Rへのダメージを軽減することができる。
【0039】
特に、相手車両Rの接近をセンサ80により検知し、送風量を減少させるため、相手車両Rへのダメージをより軽減することができる。また、袋体42は複数の袋体セグメント44から構成されているため、本数を調整することで、ステレオカメラ102を試験するためのターゲットとしての幅を自由に変えることができる。
【0040】
本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態においては、図3に示すように、支持軸26を上方に回動させていたが、回動の方向はこれに限定されず、例えば回動の軸を鉛直方向に取り、支持軸26を水平方向に回動させてもよい。
【0041】
また上記実施形態では、センサ80が相手車両Rを検出したときに自動的にエアの供給を減少させていたが、操作者のレバー操作によりエアの供給を減少させてもよい。
【0042】
また、相手車両Rと自車両Mとを前進走行させて対先行車の試験を行うだけでなく、反射板22及び袋体42の向きを変え、相手車両Rと自車両Mとを前進走行させて対対向車の試験を行ってもよい。このとき、相手車両R及び自車両Mの一方は停止させてもよい。
【0043】
また、試験装置10は自車両Mに搭載することなく所定位置に設置して使用してもよい。また、ゴムひも34に蓄えられる位置エネルギーを利用して反射板22及び緩衝材24を付勢していたが、単なるワイヤを図示しない巻取り装置により巻き取ることで付勢してもよい。
【0044】
また、袋体42を6個の袋体セグメント44で構成した場合について説明したが、袋体42を構成するセグメントの個数は任意に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態に係る物体検出手段の試験装置を示す背面図である。
【図2】図1の試験装置が備えるレーダ試験装置の側面図である。
【図3】図2のレーダ試験装置が回避位置に位置する状態を示す側面図である。
【図4】図1の試験装置が備えるカメラ試験装置を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10…物体検出手段の試験装置、20…レーダ試験装置、22…反射板(反射部材)、24…緩衝材(接触部材)、26…支持軸(支持手段)、34…ゴムひも(付勢手段)、36…係止玉、38…係止爪、40…カメラ試験装置、42…袋体、44…袋体セグメント、44a…エア入口、44b…エア出口、50…送風手段、51…コンプレッサ、52…メインチューブ、53…調整弁、54…分配器、55…分配チューブ、56…切替レバー、57…切替装置、80…センサ、100…レーダ、102…ステレオカメラ、M…自車両、R…相手車両。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された物体検出手段を試験する試験装置であって、
前記物体検出手段から照射される電磁波を反射する反射部材と、
前記反射部材よりも先に前記車両に接触する位置に設置された接触部材と、
前記車両の走行路上の試験位置と、前記車両との衝突を回避する回避位置との間で、前記反射部材及び前記接触部材を一体移動可能に支持する支持手段と、
を備えることを特徴とする物体検出手段の試験装置。
【請求項2】
前記反射部材は金属材から形成されており、前記接触部材は緩衝材から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の物体検出手段の試験装置。
【請求項3】
前記支持手段は、
前記反射部材及び前記接触部材を支持する支持軸を有し、
前記支持軸は、基端部において回動可能に軸支されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物体検出手段の試験装置。
【請求項4】
前記反射部材及び前記接触部材は、前記車両と前記接触部材との接触により伝達される運動エネルギーにより一体移動することを特徴とする請求項3に記載の物体検出手段の試験装置。
【請求項5】
前記試験位置から前記回避位置に向かう方向に、前記反射部材及び前記接触部材を付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の物体検出手段の試験装置。
【請求項6】
前記付勢手段は、前記反射部材及び前記接触部材を付勢するための位置エネルギーを蓄積可能であり、
前記反射部材及び前記接触部材は、前記車両と前記接触部材との接触により開放される前記位置エネルギーにより一体移動することを特徴とする請求項5に記載の物体検出手段の試験装置。
【請求項7】
エア入口とエア出口とを有し、該エア入口から該エア出口への送風により膨張して、前記車両の走行路上を横切るように広がる袋体と、
前記エア入口から前記袋体にエアを送風する送風手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の物体検出手段の試験装置。
【請求項8】
前記車両の接近を検知する車両検知手段を備え、
前記送風手段は、前記車両の接近を検知したとき、送風量を減少させることを特徴とする請求項7に記載の物体検出手段の試験装置。
【請求項9】
車両に搭載された物体検出手段を試験する試験方法であって、
前記物体検出手段から照射される電磁波を反射する反射部材と、前記反射部材よりも先に前記車両に接触する位置に設置された接触部材とを、前記車両の走行路上の試験位置に位置させる工程と、
前記接触部材に前記車両を接触させて、該車両との衝突を回避する回避位置に前記反射部材及び前記接触部材を一体移動させる工程と、
を備えることを特徴とする物体検出手段の試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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