説明

物品の処理装置

【課題】 処理速度を高くした場合であっても、安定した動作状態を確実に得ることができて付属品の容器に対する貼着処理を正確に行うことができ、しかも、高いメンテナンス性を得ることのできる物品の処理装置を提供すること。
【解決手段】 この物品の処理装置は、円弧状の搬送路に沿って順次に搬送される物品の各々に、当該物品に係る付属品を貼着する付属品貼着装置を備えた構成のものであって、付属品貼着装置においては、付属品が、前記搬送路における貼着処理位置において物品の移動方向と互いに同一方向に移動されるよう、円弧状の搬送路に沿って搬送され、物品と同期がとられた状態で前記貼着処理位置に供給されて物品に貼着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、清涼飲料水などの飲料が合成樹脂容器、紙容器、金属容器またはガラス容器などの包装容器内に充填されてなる物品に対して、ストローなどの付属品を取付けるための付属品貼着装置を備えた物品の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば清涼飲料水などの飲料などが合成樹脂容器、紙容器、金属容器またはガラス容器などの包装容器内に充填されてなる物品に対して、例えばストローなどの付属品を貼着する貼着処理を行うための装置として、種々の構成のものが提案されているが(例えば特許文献1参照)、これらの付属品貼着装置においては、付属品を保持するアーム部材を、容器の搬送と同期をとった状態で、容器の外周面に対して実質的に直線間欠移動させることにより、付属品を容器に押し付け、これにより、付属品を容器に貼着する方法が採用されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−302110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような付属品貼着装置においては、一層の処理効率の向上が求められており、このような要請に対して、容器の搬送速度およびアーム部材の駆動速度を速くするなどの措置を講ずることが考えられるが、安定した動作を得ることが困難となり、容器の糊吹き付け部にストローが貼り付かなかったり、ストローが斜めに貼り付いたりするなど、付属品を容器に正確に貼着することができなくなるという問題が生ずる。
また、処理速度の向上に伴って駆動機構を構成する構成部品が早期に消耗したり、振動等に起因して調整状態にズレが発生したりするなどの問題もあった。
以上のように、従来の多くの付属品貼着装置においては、付属品を搬送するアーム部材の実用的な駆動速度等の構造上の制約から、物品の搬送速度は、毎分200個程度の処理速度にしか調整することができないのが実情であった。
【0005】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、処理速度を高くした場合であっても、安定した動作状態を確実に得ることができて付属品の容器に対する貼着処理を正確に行うことができ、しかも、高いメンテナンス性を得ることのできる物品の処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の物品の処理装置は、円弧状の搬送路に沿って順次に搬送される物品の各々に、当該物品に係る付属品を貼着する付属品貼着装置を備えた物品の処理装置であって、
前記付属品貼着装置においては、付属品が、前記搬送路における貼着処理位置において物品の移動方向と互いに同一方向に移動されるよう、円弧状の搬送路に沿って搬送され、物品と同期がとられた状態で前記貼着処理位置に供給されて物品に貼着されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の物品の処理装置は、一定速度で回転駆動されることにより複数のカップ状の容器を円弧状の搬送路に沿って順次に搬送する容器保持テーブルと、当該容器に接着剤を吹き付ける接着剤吹き付け装置と、容器にストローを貼着するストロー貼着装置とを備えた物品の処理装置であって、
ストロー貼着装置は、回転駆動されることにより複数のストローを円弧状の搬送路に沿って順次に搬送するストロー保持テーブルと、ストロー保持テーブルにより搬送されるストローの各々を前記容器の搬送路における貼着処理位置に移送するストロー移送機構とを具えてなり、
前記ストロー移送機構は、先端部にストロー保持部を有する移送アームを備え、当該移送アームが、ストロー保持部の中心が円状の軌跡を描くよう、容器保持テーブルと同期がとられた状態で、貼着処理位置において容器の移動方向と互いに同一方向に移動されるよう駆動されることを特徴とする。
【0008】
本発明の物品の処理装置においては、ストロー保持テーブルの回転中心軸に垂直な断面において、移送アームの先端部の描く軌跡に沿った形態のガイド面を有するガイド部材が、ストロー保持テーブルから貼着処理位置に至る円弧状のストロー移送路に沿って配置された構成とされていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の物品の処理装置においては、移送アームは、ガイド部材を挟んでストロー保持テーブルの回転中心軸方向に離間した位置において互いに平行に対向状態で配置された、一体的に駆動される上側アーム部材および下側アーム部材により構成されており、
ストローが上側アーム部材および下側アーム部材とガイド部材とによって支持されて保持された状態で、ストロー移送路に沿って搬送される構成とされていることが好ましい。
【0010】
さらにまた、本発明の物品の処理装置においては、移送アームは、容器保持テーブルおよびストロー保持テーブルと同一の駆動源により駆動される構成とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る物品の処理装置によれば、付属品が円弧状の搬送路に沿って搬送される物品の動きに追従しながら物品に対して接近するよう搬送されて貼着処理が行われるので、付属品を正確に貼着することができる。
【0012】
請求項2に係る物品の処理装置によれば、先端部が円状の軌跡を描くよう駆動される移送アームによって、付属品であるストローが円弧状の搬送路に沿って搬送されるカップ状の容器の動きに追従しながら容器に対して接近するよう搬送されて貼着処理が行われるので、ストローを正確に貼着することができると共に、ストロー貼着後においては、移送アームが容器の動きに追従しながら離間するよう退避されるため、移送アームが貼着後のストローに干渉することによってズレが生ずるなどの不具合が生ずることを確実に防止することができる。
しかも、移送アームは、容器保持テーブルの回転速度に応じた一定速度で駆動されるので、高速運転時においても、処理装置全体に生ずる振動を小さく抑制することができて安定した動作を確実に得ることができると共に、駆動される構成部材の消耗の程度を抑制することができてメンテナンス頻度を大幅に削減することができる。
【0013】
請求項3に係る物品の処理装置によれば、ストローを容器の搬送路における貼着処理位置の直前の位置まで適正な姿勢が維持された状態で保持しながら搬送することができるので、ストローが脱落することを防止することができて所期のストロー貼着処理を確実に行うことができる。
【0014】
請求項4に係る物品の処理装置によれば、ストローが上側アーム部材および下側アーム部材と、ガイド部材とによって支持されて保持されることにより、付属品を貼着処理位置に移送する過程において、付属品を、物品に対して適正な姿勢に調整された状態で確実に保持することができる。
【0015】
請求項5に係る物品の処理装置によれば、移送アームが容器保持テーブルおよびストロー保持テーブルと同一の駆動源によって駆動されることにより、移送アームを、容器保持テーブルおよびストロー保持テーブルと同期がとられた状態を容易にかつ確実に得ることができ、しかも、装置の小型化を図ることができるという付随的な効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の処理装置の一例における要部の構成の概略を示す説明用平面図、図2は、図1に示す処理装置におけるストロー貼着装置の要部の構成の概略を示す説明用平面図、図3は、図2に示すストロー貼着装置の構成の概略を示す部分断面図である。
この処理装置によって処理される物品は、各々、その外径が上方に向かうに従って次第に大きくなる円錐台形の、いわゆるカップ状の容器Wであって、例えば、所定の方向(図1において右方向)に移動するベルトコンベアー10によって順次に搬送される容器Wの方向制御を行った状態において、当該容器Wに係る付属品である例えばストロー72の容器Wに対する貼着処理を含む付加的処理を行う構成のものであって、回転駆動される容器保持テーブル20を具えてなり、ベルトコンベアー10上においてスクリューコンベアー11によって等ピッチ間隔で並ぶよう調整された容器Wが入側スターホイル12によって容器保持テーブル20に順次に供給され、この容器保持テーブル20の回転によって容器Wが円弧状の搬送路Rに沿って搬送される過程において、容器Wの方向制御が行われた後、付加的処理装置30による付加的処理が行われ、その後、出側スターホイル13によってベルトコンベアー10上に排出される。
【0017】
容器保持テーブル20は、各々回転中心軸C1と平行に伸びる搬送台回転軸22を自転自在に保持する複数の軸受部23が外周縁部分において等角度間隔毎に並んだ位置に設けられた回転円板21を具えており、各々の搬送台回転軸22の上端には、1個の容器Wが載置される搬送台25が固定されている。
また、回転円板21の上面には、搬送台25の各々に対応して、当該搬送台25に載置された容器Wのマーク(図示せず)を検出するセンサー15が、搬送台25の中心位置と回転円板21の中心位置とを結ぶ直線上に位置するよう配置されている(図1参照)。
【0018】
入側スターホイル12および出側スターホイル13は、いずれも容器保持テーブル20とは互いに異なる方向(入側スターホイル12および出側スターホイル13の回転方向は互いに同方向)に容器保持テーブル20に対応する一定速度で回転駆動され、物品保持部12Aのピッチおよび出側スターホイル13の物品保持部13Aのピッチは、容器保持テーブル20における搬送台25のピッチと一致する状態とされている。
【0019】
付加的処理装置30は、容器Wの搬送路Rにおける方向制御領域αの下流側の位置に配設されており、例えば、冷却されて凝固する接着剤を物品の所定の個所に噴射するホットメルト噴射装置31および容器Wにおける接着剤が付着する個所に、付属品であるストロー72を貼着するストロー貼着装置(付属品貼着装置)32を含む。
【0020】
ストロー貼着装置32は、回転駆動されるストロー保持テーブル40と、多数本のストロー72が互いに並行に等間隔毎に並んだ状態でシート状のフィルム材71によって包装されてなるストロー包装体70をストロー保持テーブル40に供給するストロー供給機構36と、ストロー供給機構36より供給されるストロー包装体70を個々のストロー72に分断するカッター装置34と、ストロー保持テーブル40上のストロー72の各々を容器Wに対する貼着処理位置βに移送するストロー移送機構50と、ストロー72を貼着処理位置βに移送する過程においてストロー72の脱落を防止する板状(片状)のガイド部材39とを具えている。符号33は、ストロー保持テーブル40の外周縁に沿った形態の内周面を有し、ストロー保持テーブル40の周面の一部を囲うよう設けられた支持枠部材、37は、ロール状に巻回されたストロー包装体70がセットされる供給ドラム、38Aおよび38Bは、ストロー包装体70を張架した状態で支持する支持ドラムである。
【0021】
ストロー保持テーブル40は、水平な面方向に伸びる支持板18に固定された軸受部材46によって自転自在に保持された、容器保持テーブル20の回転中心軸C1と平行に伸びる回転駆動軸45と、この回転駆動軸45に固定されたストロードラム41と、回転駆動軸45に固定された、ストロー72をその下面側から支持する支持台47とを具えており、容器保持テーブル20とは互いに異なる方向に回転駆動される。
【0022】
ストロードラム41は、軸部41Aとこの軸部41Aの両端の各々に形成された略円板状の上側フランジ部41Bおよび下側フランジ部41Cとにより構成されている(図5(B)参照)。
上側フランジ部41Bおよび下側フランジ部41Cには、外周縁部分における等角度間隔毎に並んだ位置にストロー72に適合する形状の複数の溝42Aが形成され、これにより、ストロー保持部42が形成されていると共に、隣接するストロー保持部42間の位置に外周面から径方向内方に向かって伸びる、カッター装置34におけるフィルム切断用の刃35が挿入されるカッター溝43が形成されている。上側フランジ部41Bおよび下側フランジ部41Cにおけるストロー保持部42およびカッター溝43は互いに対向する状態とされている。
そして、ストロー72が保持された状態においては、ストロー72の中心軸がストロードラム41の回転中心軸C2と平行に伸びる姿勢とされると共に、ストロー72と軸部41Aとの間に、後述する移送アーム51の先端部を進入させてストロー72をストロードラム41から移送させるための隙間Sが形成された状態とされる(図5(B)参照)。
【0023】
カッター装置34は、例えばジュラルミンよりなるフィルム切断用の刃35が例えばエアシリンダにおけるピストンロッドの先端に固定されて構成されており、エアシリンダを駆動してピストンロッドをストロー保持テーブル40の径方向に対して往復動させることにより個々のストロー72毎に分断するようフィルム材71を切断する。
このカッター装置34においては、フィルム切断用の刃35がストロー保持テーブル40に対して間欠直線運動されるものであるが、例えばステンレス鋼などに比して軽量化されたものであるので、刃35のストローク端の衝撃が小さく低減されて、高速運転時においても安定した動作状態を得ることができる。
【0024】
ストロー移送機構50は、容器保持テーブル20と平行な平面内において駆動される移送アーム51と、当該移送アーム51を駆動させる移送アーム駆動機構55とを具えている。
【0025】
移送アーム51は、互いに同一形状を有する一対の板状(片状)の上側アーム部材51Aおよび下側アーム部材51Bにより構成されており、各々、先端部に容器保持テーブルが位置される方向に開口する、ストローの断面形状に適合する形状を有する溝が形成されており、これにより、ストロー保持部52が構成されている。
上側アーム部材51Aおよび下側アーム部材51Bは、ガイド部材39を挟んで上下に並んだ位置において当該ガイド部材39と平行に伸びるよう互いに対向状態で位置されており、移送アーム駆動機構55によって、一体的に駆動される。
【0026】
移送アーム駆動機構55は、移送アーム51の先端部、具体的には、ストロー保持部52の中心が、貼着処理位置βにおいてストロー72を容器Wの周面に対して押圧状態で対接させる状態が得られるような円状の軌跡を描くと共に、貼着処理位置βにおいて容器保持テーブル20と互いに同方向に移動されるよう、移送アーム51全体を駆動させる構成とされている。
【0027】
移送アーム駆動機構55の構成について具体的に説明すると、各々、ストロー保持テーブル40と同一の支持板18上において離間した位置に固定された軸受部材57A,57Bによって自転自在に保持された、容器保持テーブル20の回転中心軸C1と平行に伸びる一対の回転駆動軸56A,56Bと、各々の回転駆動軸56A,56Bにおける軸受部材57A,57Bの上端面より突出する部分に固定された円板状の回転部材58A,58Bと、上側アーム部材51Aおよび下側アーム部材51Bが一端部に固定されると共に他端部および屈曲部が各々の回転部材58A,58B上における回転中心軸C3,C4より径方向外方側に変位した位置に固定された平面形状がL字型の連結部材59と、各々の回転駆動軸56A,56Bにおける軸受部材57A,57Bの下端面より突出する部分に固定された従動ギア60,60と、2つの軸受部材57A,57Bの間の位置において支持板18に固定された固定軸61に回転自在に設けられた、各々の従動ギア60,60に噛合する駆動ギア62およびタイミングベルト63を含む動力伝達機構65とにより構成されている。
一対の回転部材58A,58Bは、ストロー72が容器Wと同期がとられた状態で貼着処理位置βに移送されるよう調整された回転速度で回転駆動される。
【0028】
ガイド部材39は、図4に示すように、ストロー保持テーブル40の回転中心軸C2に垂直な断面において、移送アーム51におけるストロー保持部52の中心の描く軌跡に沿った円弧状の形態のガイド面39Aを有する、板状(片状)のものにより構成されており、ストロー保持テーブル40から貼着処理位置βに至る円弧状のストロー移送路Kに沿って配置されている。
【0029】
この物品の処理装置においては、スクリューコンベアー11、入側スターホイル12、出側スターホイル13、容器保持テーブル20、ストロー保持テーブル40および移送アーム駆動機構における一対の回転部材58A,58Bは、同一の(共通の)駆動モータ(図示せず)によって駆動される。
ここに、容器保持テーブル20の回転速度は、16ヘッドの場合、例えば0〜40rpmの範囲内で調整することができ、一対の回転部材58A,58Bの回転速度(移送アーム51の駆動速度)は、容器保持テーブル20の回転に同期されている。
【0030】
以下、上記の処理装置の動作について説明する。
駆動モータが作動されることにより、スクリューコンベアー11、入側スターホイル12、出側スターホイル13および容器保持テーブル20が駆動され、ベルトコンベアー10によって順次に搬送される容器Wの各々が、スクリューコンベアー11によって入側スターホイル12の物品保持部12Aのピッチに適合する等ピッチに調整された後、入側スターホイル12によって、一定速度で回転する容器保持テーブル20の順次の搬送台25に供給される。
そして、搬送台25は容器Wが載置された状態で、回転円板21の回転に伴って回転中心軸C1の周りを公転されることにより搬送路Rに沿って搬送されるが、方向調整領域α内において、クラッチ24の動作制御がセンサー15からのマーク検出信号に基づいて行われることにより各々の搬送台25が適正な回転角度で自転され、これにより、容器Wの正面方向の調整が行われる。
【0031】
次いで、接着剤がホットメルト噴射装置31によって、容器Wの外周面における所定の個所に噴射された後、当該容器Wに係る付属品であるストロー72を回転円板21の径方向外方より貼着するストロー貼着処理が行われる。すなわち、ストロー貼着装置32は、容器保持テーブル20等と同一の駆動モータに連結されていることから、駆動モータの作動に伴ってストロー保持テーブル40が回転駆動されると共にストロー移送機構50が駆動され、ストロー保持テーブル40の回転によってストロー供給機構36より供給されるストロー包装体70が、ストロー保持テーブル40における各々のストロー保持部42に対して1本のストロー72が保持された状態で、搬送され、カッター装置34によってフィルム材71が切断されることにより個々のストロー72毎に分断される。
一方、固定軸61に回転自在に設けられた駆動ギア62が動力伝達機構65によって回転駆動されることにより一対の回転駆動軸56A,56Bが同時に回転駆動され、これにより、図4に示すように、移送アーム51がその先端部が円状の軌跡を描くよう駆動され、ストロー保持テーブル40によって順次に搬送される各々のストロー72が、移送アーム51とガイド部材39とによって保持された状態でガイド面39Aに沿って移送され、容器Wの搬送路Rにおける所定の貼着処理位置βにおいて、ストロー72が容器Wの外周面における接着剤吹き付け部に押圧状態で対接されることにより貼着される。
【0032】
ストロー72の貼着処理(ストロー72の貼着処理位置βへの移送)について具体的に説明すると、先ず、ストロー保持テーブル40上のストロー保持部42から貼着処理位置βに至る円弧状のストロー移送路Kに導入される直前の時点(図4における状態(イ))においては、図5に示すように、移送アーム51がストロー72とストロードラム41の軸部41Aとの間の空間Sに進入し、ストロー72がその中心軸が上下方向に伸びる姿勢が維持された状態において、下側アーム部材51Bにおけるストロー保持部52のみがストロー72に当接され、上側アーム部材51Aにおけるストロー保持部52とストロー72との間には若干の隙間が形成された状態とされている。
そして、移送アーム51の駆動によってストロー72がストロー移送路Kに導入されると(図4における状態(ロ))、図6に示すように、上側アーム部材51Aのストロー保持部52および下側アーム部材51Bのストロー保持部52と、ガイド部材39とによってストロー72が3点で支持されて保持され、これにより、ストロー72が容器Wの外周面(断面における稜線)に沿った姿勢(例えば先端部が径方向内方側に傾倒した姿勢)で保持された状態で、ストロー移送路Kに沿って移送されることにより、ストロー72が容器保持テーブル20の回転による容器Wの移動に追従しながら容器Wに接近される。
そして、ストロー72が容器Wと同期がとられた状態で貼着処理位置βまで移送されてガイド部材39におけるガイド面39Aによる抗力から開放されると(図4における状態(ハ))、図7に示すように、ストロー72が移送アーム51によって容器Wの外周面に対して押圧状態で当接され、これにより、ストロー72が容器Wに貼着される。
【0033】
その後、移送アーム51は、容器Wの移動に追従しながら容器Wから離間するよう退避され、後続する容器に対するストローの移送に供される一方で、ストローが貼着された容器Wは出側スターホイル13の物品保持部13Aにより受け取られてベルトコンベアー10上に排出される。
【0034】
而して、上記の物品の処理装置によれば、ストロー保持部52の中心が円状の軌跡を描くよう駆動される移送アーム51によって、ストロー72がストロー保持テーブル40上のストロー72が円弧状の搬送路Rに沿って搬送される容器Wの動きに追従しながら容器Wに対して接近するよう搬送されてストロー貼着処理が行われるので、ストロー72を所定の位置に正確に貼着することができると共に、ストロー72の貼着後においては、移送アーム51が容器Wの動きに追従しながら離間するよう退避されるため、移送アーム51が貼着後のストロー72に干渉することによってズレが生ずるなどの不具合が生ずることを確実に防止することができる。
しかも、移送アーム51は、一定速度、すなわち加速・減速のない状態で駆動されるので、高速運転時においても、処理装置全体に生ずる振動を小さく抑制することができて安定した動作を確実に得ることができると共に、駆動される構成部材の消耗の程度を抑制することができてメンテナンス頻度を大幅に削減することができる。
また、基本的に、容器Wに対するストロー72の貼着処理が、容器Wの方向制御がなされた状態で、行われることにより、物品の外観等を損なうことがない。
【0035】
さらにまた、ストロー72を容器Wの搬送路Rにおける貼着処理位置βの直前の位置まで適正な姿勢が維持された状態で保持しながら搬送することができるので、ストロー72が脱落することを防止することができて所期のストロー貼着処理を確実に行うことができる。
【0036】
さらにまた、ストロー72が上側アーム部材51Aおよび下側アーム部材51Bと、ガイド部材39とによって支持されて保持されることにより、ストロー72を貼着処理位置βに移送する過程において、ストロー72を、容器Wに対して適正な姿勢に調整された状態で確実に保持することができる。
【0037】
さらにまた、移送アーム51が容器保持テーブル20およびストロー保持テーブル40と同一の駆動モータによって駆動されることにより、移送アーム51を、容器保持テーブル20およびストロー保持テーブル40と同期がとられた状態を容易にかつ確実に得ることができ、しかも、装置の小型化を図ることができるという付随的な効果を得ることができる。
【0038】
以上のように、上記の物品の処理装置によれば、移送アームの動きと容器保持テーブルの動きとがいわば完全一致した状態を確実に得ることができるので、従来の処理装置であれば困難であった動作条件、例えば、容器保持テーブル20の回転速度を約19rpm(毎分300個程度の処理速度)に設定した場合であっても、所期のストロー貼着処理を確実に行うことができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、移送アーム駆動機構は、移送アームにおける付属品保持部の中心が円状の軌跡を描くよう駆動される構成とされていれば、上記実施例のものに限定されるものではない。
また、実際の装置において、各部分の具体的な構成、例えば、容器保持テーブルやストロー保持テーブルなど回転駆動される構成部材の大きさおよび回転速度、あるいは、各稼動部に係る動力伝達機構を構成するギアのギア比などは特に限定されるものではなく、処理すべき物品の種類や大きさ、その他の条件により、あるいは目的に応じて適宜選定することができる。
さらに、本発明の処理装置が対象とする物品および付属品は、特に限定されるものではなく、どのような形状を有するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の物品の処理装置の一例における要部の構成の概略を示す説明用平面図である。
【図2】図1に示す物品の処理装置におけるストロー貼着装置の要部の構成の概略を示す説明用平面図である。
【図3】図2に示すストロー貼着装置の構成の概略を示す部分断面図である。
【図4】ストロー移送機構によるストローの移送動作を説明するための説明図である。
【図5】ストローがストロー移送路に導入される時点におけるストローおよび移送アームの状態を示す(A)平面図、(B)断面図である。
【図6】ストローがストロー移送路に沿って搬送されている時点におけるストローおよび移送アームの状態を示す(A)平面図、(B)断面図である。
【図7】ストローが貼着処理位置に供給された時点におけるストローおよび移送アームの状態を示す(A)平面図、(B)断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 ベルトコンベアー
11 スクリューコンベアー
12 入側スターホイル
12A 物品保持部
13 出側スターホイル
13A 物品保持部
15 センサー
18 支持板
20 容器保持テーブル
21 回転円板
22 搬送台回転軸
23 軸受部
24 クラッチ
25 搬送台
30 付加的処理装置
31 ホットメルト噴射装置
32 ストロー貼着装置(付属品貼着装置)
33 支持枠部材
34 カッター装置
35 フィルム切断用の刃
36 ストロー供給機構
37 供給ドラム
38A,38B 支持ドラム
39 ガイド部材
39A ガイド面
40 ストロー保持テーブル
41 ストロードラム
41A 軸部
41B 上側フランジ部
41C 下側フランジ部
42 ストロー保持部
42A 溝
43 カッター溝
45 回転駆動軸
46 軸受部材
47 支持台
50 ストロー移送機構
51 移送アーム
51A 上側アーム部材
51B 下側アーム部材
52 ストロー保持部
55 移送アーム駆動機構
56A,56B 一対の回転駆動軸
57A,57B 軸受部材
58A,58B 回転部材(一対の回転部材)
59 連結部材
60 従動ギア
61 固定軸
62 駆動ギア
63 タイミングベルト
65 動力伝達機構
70 ストロー包装体
71 フィルム材
72 ストロー
W 容器(物品)
R 搬送路
α 方向制御領域
β 貼着処理位置
C1 回転中心軸
C2 回転中心軸
C3 回転中心軸
C4 回転中心軸
S 隙間
K ストロー移送路(ストロー保持部の中心が描く軌跡)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状の搬送路に沿って順次に搬送される物品の各々に、当該物品に係る付属品を貼着する付属品貼着装置を備えた物品の処理装置であって、
前記付属品貼着装置においては、付属品が、前記搬送路における貼着処理位置において物品の移動方向と互いに同一方向に移動されるよう、円弧状の搬送路に沿って搬送され、物品と同期がとられた状態で前記貼着処理位置に供給されて物品に貼着されることを特徴とする物品の処理装置。
【請求項2】
一定速度で回転駆動されることにより複数のカップ状の容器を円弧状の搬送路に沿って順次に搬送する容器保持テーブルと、当該容器に接着剤を吹き付ける接着剤吹き付け装置と、容器にストローを貼着するストロー貼着装置とを備えた物品の処理装置であって、
ストロー貼着装置は、回転駆動されることにより複数のストローを円弧状の搬送路に沿って順次に搬送するストロー保持テーブルと、ストロー保持テーブルにより搬送されるストローの各々を前記容器の搬送路における貼着処理位置に移送するストロー移送機構とを具えてなり、
前記ストロー移送機構は、先端部にストロー保持部を有する移送アームを備え、当該移送アームが、ストロー保持部の中心が円状の軌跡を描くよう、容器保持テーブルと同期がとられた状態で、貼着処理位置において容器の移動方向と互いに同一方向に移動されるよう駆動されることを特徴とする物品の処理装置。
【請求項3】
ストロー保持テーブルの回転中心軸に垂直な断面において、移送アームの先端部の描く軌跡に沿った形態のガイド面を有するガイド部材が、ストロー保持テーブルから貼着処理位置に至る円弧状のストロー移送路に沿って配置されていることを特徴とする請求項2に記載の物品の処理装置。
【請求項4】
移送アームは、ガイド部材を挟んでストロー保持テーブルの回転中心軸方向に離間した位置において互いに平行に対向状態で配置された、一体的に駆動される上側アーム部材および下側アーム部材により構成されており、
ストローが上側アーム部材および下側アーム部材とガイド部材とによって支持されて保持された状態で、ストロー移送路に沿って搬送されることを特徴とする請求項3に記載の物品の処理装置。
【請求項5】
移送アームは、容器保持テーブルおよびストロー保持テーブルと同一の駆動源により駆動されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の物品の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−132333(P2010−132333A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311844(P2008−311844)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(591017559)株式会社コオエイ (7)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】