説明

物品をパッケージングするための複合材料およびその製造方法

複合材料構造体は、繊維含有層(例:天然資源および/または合成資源からの繊維を有する板紙層または他の層と、繊維含有層を被覆する鉱物含有層と、を備える。鉱物含有層は繊維含有層の表面に沿って繊維含有層に実質的に連続的に接合され、印刷面を提供する。繊維含有層および鉱物含有層は、それらから形成される複合材料構造体が保管物品を形成するために機械加工され得るように、成形され、サイズ調節され、製造され得る。複合材料構造体は、所望の保管物品形態(例:ボックス、カートン、および他の形態)に容易に機械加工され得る引張強度および他の特性をさらに有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常、小売、ディスプレイ、および/または、配送商品の包装のような保管物品を製造するために用いられる複合材料構造体、より具体的には、重要な鉱物および繊維含有物を有する複合材料構造体に関連し、それは天然繊維を含んでもよく、非常に魅力的であり、製造効率が良く、環境にやさしい。
【背景技術】
【0002】
製品の小売および配送の目的のための包装および包装材料は、概して、十分な耐久性を有するように設計されており、そのような材料の信頼度の高い使用を可能にする。そのような包装および材料の開発において考慮された検討事項は、熱、火、裂け、しわ、すり減り、および湿気に対するそれらの耐性を含み、同様に、齧歯動物および他の有害な小動物の侵入に対する耐性を含んでおり、および盗難を抑止する包装および材料の性能を含む。それらの引張強度および引裂強度もまた考慮される。包装および包装材料はまた、望ましくは比較的製造に費用があまりかからず、製品のイメージまたは連想を高めるのと同様に、製品の使用を促す外観、印刷品質、感触、および手触りにおいて消費者にとって十分に魅力的であることが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、小売および配送での使用の要求を満たすように十分な耐久性も有しつつ、消費者にとって魅力的であり、かつ、製造費用が安価である包装製品を開発することは困難であり得る。たとえば、保護構造における最小の外層のため、より低いコストの包装の選択肢の中には、盗難を防止するには不十分に構成されるものもある。盗難抑止力があまり大きくならないかもしれない包装の例は、一般的なブリスター包装、カートンおよびボックスを折る消費者スタイル、および収縮包装または軟質フィルムスタイルの包装である。クラムシェルスタイルの包装は、概して内部に高いスペックの材料が用いられるため盗難に対してより耐性がある包装の例である一方、その包装はより高価な材料の使用によって概してより高価なものともなる。
【0004】
従来の包装製品に存在するさらなる課題は、特に値頃感をもたらす低いコストレベルにおいては、これらの製品が環境にやさしい材料および構造を取り入れることができないかもしれないことである。環境にやさしい材料は、生分解性、堆肥化可能性、リサイクル品の多い含有物、リサイクル能力などの所望の特性を有し得て、また、従来の材料よりも、製造時のエネルギー消費、汚染、および温室効果ガスの生成が少なくなり得る。そのような環境にやさしい材料は消費者および小売業者からの需要がますます増えており、材料の環境に与える悪影響を低減することにより、製造業者にとって利益のあるものとなり得る。
【0005】
本明細書においては、上述に加え、「環境にやさしい」とは、環境への悪影響を可能な限り少なくするように考慮された商品をさす。それらはまた、「グリーン」または「エコフレンドリー」または「自然にやさしい」等とも言われ得る。
【0006】
環境にやさしい地中の物質の例は、タルク、珪藻土、鉱物含有層、雲母、シリカ、ガラス、粘土、ゼオライト、および粘板岩であり、それらの全てが、結合剤と結びついて、平らなロールおよびシートを形成し得る材料である。これらのような鉱物を多く含有する材料は、台湾台北市のTaiwan Long Mengによる商品名Viastone、および他の製造業者による他の鉱物含有材料とともに利用可能である。鉱物ベースの材料は数ある中でも石灰岩などの天然資源から作ることが可能であり、生分解性があり、光分解性があり、堆肥可能であり、繊維ベースの材料よりも、製造する際に、エネルギー消費が少なく、水を消費せず、化学物質の使用量が少なくて済み得る。
【0007】
配送および/または小売の包装のためにしばしば用いられる構造体は、空間効率が良く、耐久性があり、盗難耐性のあるカートンまたはボックスの形状である。カートンまたはボックスの包装は、クラフトボード、ボール紙、段ボールなどの板紙材料で形成され、これらの材料は、たとえば、自動的な折り目付け、折りたたみ、曲げ、打ち抜き、さらには箱詰めによって、耐久性があり、かつ、機械加工が容易で、所望のボックスの形状を形成する。残念なことに、そのような包装を形成するために用いられるコスト面で魅力的な多くの板紙材料は高品質印刷に適した表面を有することがあまりなく、その結果、板紙のボックスおよびカートンは、しばしば、消費者にとって魅力的ではないかもしれない、洗練されていない、工業製品的な外観を有する。また、より品質の高いカートン用板紙のなかには、かなりの量の漂白剤および化学薬品の使用を必要とする未使用繊維を含んでいるものもある。さらに、板紙のボックスおよびカートンは、熱、火、裂け、しわ、およびすり減りに対しては、ほとんどまたは全く耐性がない。結局、板紙やボール紙を製造する際に、大量のエネルギーおよび水の使用が必要とされる。
【0008】
カートンおよび板紙と比べて、鉱物含有材料は、もっとも具体的には1トンあたりのコストの区分において大きな効果をもたらし、それらはまた容易に印刷可能である形態で供給され得る。これらの材料およびそれらを包含する製品は概して非常に高密度でありつつ、歩留まりが低く、剛性不足であり、MD/CD繊維構造および強度を有している。それゆえに、それらは製品の適切な変形および機械加工のために必要な引張強度および他の特性が不足しているので、それらは容易には機械加工できない。これらの欠点のため、鉱物は実質的な構造上の長所を有しないとしばしばされ、包装用には適切な選択肢ではない。
【0009】
それゆえに、外観および手触りに関しても消費者にとって魅力的でありつつ、耐久性があり、かつ、費用効率の高い小売および/または配送用の包装について、従来技術ではニーズが残っている。環境にやさしい材料を包含し、かつ、盗難に対する耐性がありつつ、耐久性があり、かつ、魅力的である小売および/または配送用の包装に対するニーズもある。製造段階(例:折り目付け、折りたたみ、打ち抜き、熱または真空成形)もしくは配送段階(例:箱詰めおよび接着)のどちらかにおいて容易に機械加工できる、魅力的な小売および/または配送用の製品を形成する材料に対するニーズもさらにある。良好な印刷面を有し、そのために、より魅力的な、製品およびマーケッティング情報およびラベルが包装上に形成され得る包装を提供するというニーズもある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、具体的には、当該技術分野における上記に特定された不備に対処し、軽減するものである。この点において、本発明は、保管物品を少なくとも部分的にそれから加工するのに好適な、環境にやさしい複合材に関する(例:小売および/または配送の包装)。複合材料構造体は、板紙層または他の層のような単一または複数の繊維含有層と、それぞれの繊維含有層を被覆する濃縮された鉱物含有層と、を含み、鉱物含有層は、それら層の間の界面において、繊維含有層の表面に沿って、実質的に連続して繊維含有層と接合されている。繊維含有層と鉱物含有層とは、そこから形成される複合材料構造体が保管物品の少なくとも一部を形成するように成形可能なように、成形され、サイズ調整され、および製造され得る。驚くべきことに、繊維含有層および鉱物含有層から形成される複合材料構造体は、繊維含有層または鉱物含有層単独の柔軟性(pliability)および柔軟性(flexibility)よりも増加した高度な柔軟性(pliability)および柔軟性(flexibility)を有する。複合材料構造体は、柔軟性に加えて、消費者にとって魅力的なものとなる、明るく、かつ、魅力的な印刷面のような高められた特性も有する。良好な耐湿性および生分解性と同様に、高い耐久性をも有する保管ボックスおよびカートンのような、所望の保管物品形態への容易な機械加工を可能にする、質量、剛性、引張強度、および他の特性を、複合材料構造体はさらに有する。本発明に係る他の態様においては、繊維含有層は、天然繊維のみを備えてもよい。
【0011】
本発明に係る他の態様においては、複合材料構造体は、複合材料を形成するために選択された条件の下で繊維含有層に鉱物含有層を接合することによって形成される。たとえば、層に接着剤を塗布することによって、および、高温または低温の接着(gluing)または固着(adhesion)処理において層を互いに接合することによって、鉱物層は繊維含有層に固着され得る。
【0012】
本発明に係るさらなる態様においては、保管物品を形成するのに好適な鉱物の構造体が提供され得る。その構造体は、メルトブローされた鉱物を、ポリプロピレンを含むポリマーの混合体を備える結合剤とともに備える。鉱物含有構造体は、複合材料構造体の層を形成するように成形可能なように、サイズ調整され、製造される。結合剤はまた、付加的な耐熱性のためのいくぶんかの量のポリプロピレンをも含み得る。この特徴は、オーブンおよび電子レンジ調理機器における耐熱性を高める。
【0013】
本発明に係るより詳細な態様においては、複合材料構造体は、小売、および/または、配送目的用のボックスまたはカートンの形状に形成される。複合材料構造体はまた、容器袋(container liner)、段ボール原紙(corrugated medium)、段ボールライナー(corrugated liners)、配送封筒、ディスプレイまたは陳列トレイ、間紙または切り取りペーパー、パレットカバー、波形構造、および内部保護包装構成要素、および他の小売および/または配送構成要素の形状に形成されてもよい。本構造体はまた、層として、織られた、および、不織の補強用平型ウェブ材料を含み得る。本層は、大きな破裂強度および引裂耐性をもたらす。当該技術分野におけるこのウェブ層の共通用語は「スクリム(scrim)」である。
【0014】
さらなる他の詳細な態様においては、結合フィルムを必要とせず、実質的には、非合成物の、混合され(blended)、混合され(mixed)、半透明な、剥離した、または熱可塑性の、構造体を備える、少なくとも二層の複合材料構造体が提供される。複合材料構造体は、重量で25%未満の重合体(たとえば、共重合体、単一重合体、単量体、または、ポリ乳酸および他の酸、およびそれらの組み合わせ)と、少なくとも5%の天然鉱物含有物とを含み、フィルムの伸びを必要とせずに、鉱物含有層に適用される、約2ミル(mil)〜1000ミルの間のカリパーにおける非含浸のロール状の、または、シート状の、天然繊維の層(例えば、パルプ、セルロース繊維、綿、米、布、バガス、または応用される紙繊維)を備え、全ての層は、ソリッド(solid)であり、カレンダリング加工を必要としてもよいし、必要としなくてもよい対向する平坦な面を有し、繊維含有層は、約1.5ミル〜約1000ミルの厚さを有することを特徴とする。さらに、繊維層は、約10〜約128ポンド/1000平方フィート(lbs/1000 sq.ft.)および20〜約1500g/mの坪量、および約20〜約1200MDおよび約25〜約1500CDの引張強度を有し得る。結合剤とともに、熱せられていない、非金属の、または非含浸の材料の繊維層は鉱物含有層と接合される。鉱物含有層は、複合材料内部において混合されていないロール状およびシート状の形状で、約30〜約500ポンド/1000平方フィートおよび約35〜約1500g/mの坪量を備える。鉱物含有層は、複合材料構造体全体の少なくとも10重量パーセントの重さと、0.3〜1.50g/mの鉱物含有層の密度と、1.3ミルと50.0ミルとの間のカリパーとを備え、有機鉱物(たとえば、珪藻土、重質炭酸カルシウム、雲母、シリカ、ガラス、粘土、ゼオライト、粘板岩等、およびそれらの組み合わせ)を含む。鉱物含有層は、伸縮性を必要とせずに、繊維含有層の接触面全体にわたって実質的に連続して接合されている。
【0015】
さらなるより詳細な態様において、本発明は、熱成形、加圧成形または真空成形によって保管物品の形状を形成するのに十分な所定量の熱成形結合剤および非加熱成形結合剤を鉱物含有層内に含む、柔軟性を有する複合材料構造体を提供する。複合材料結合剤はまた、熱可塑性重合体も備え得る。繊維複合材料構造体は、実質的な耐湿性または防湿バリアを提供するように処理され得る。鉱物含有層および繊維含有層は、生分解性含有物を有し得る。複合材料構造体は、堆肥化可能な含有物を有し得る。複合材料構造体は、光分解可能な含有物を有し得る。複合材料構造体は、リサイクルされた、および、リサイクル可能な含有物を有し得る。繊維構造体はまた、耐湿性のためにポリコーティングされ得る。複合材料構造体は、一つ以上の面が、水性または溶剤性の熱融着コーティングによって被覆されることを特徴とする。他の態様においては、一つ以上の側面が、エンボス加工された箔または金属化フィルムスタンピングを有し得る。さらなる態様においては、一つ以上の層が波形にされ得る。
【0016】
本発明は、添付の例としての図面に関連してなされる以下の好ましい実施形態の詳細な説明を参照することによって深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の態様に係る、繊維含有層、および、繊維含有層と直接接合され、かつ、繊維含有層を被覆する鉱物含有層を有する複合材料構造体の断面側面図であり、複合材料構造体の外面をもたらす鉱物含有層の表面には印刷が形成され得る、図である。
【図2】本発明の態様に係る、図1と同様の複合材料構造体の断面側面図であるが、対向側に位置する第一および第二の鉱物含有層を有し、それぞれの鉱物含有層は繊維含有層の表面と直接接合され、かつ、繊維含有層の表面を被覆し、複合材料構造体の第一および第二の外面となるそれぞれの鉱物含有層の表面には印刷が形成され得て、第一または第二の外面のどちらも他の材料によって被覆されていない、図である。
【図3】配送容器として用いられ得る図1または図2のどちらかに示される複合材料構造体で形成された保管ボックスの斜視図である。
【図4】小売ボックスとして使用され得る、保管容器を閉じるための折り曲げ可能なふたを有する、図1または図2のどちらかに示される複合材料構造体から形成される、図3の斜視図とは異なる保管ボックスの斜視図である。
【図5】文書または他の品目の配送に使用できる、図1または図2のどちらかの複合材料構造体から形成される配送封筒の前面図である。
【図6A】曲げ部、切断部、および印刷部を含む、図1または図2のどちらかの複合材料構造体から形成される小売ディスプレイおよび陳列トレイの実施形態の斜視図である。
【図6B】曲げ部、切断部、および印刷部を含む、図1または図2のどちらかの複合材料構造体から形成される小売ディスプレイおよび陳列トレイの実施形態の斜視図である。
【図6C】曲げ部、切断部、および印刷部を含む、図1または図2のどちらかの複合材料構造体から形成される小売ディスプレイおよび陳列トレイの実施形態の斜視図である。
【図6D】曲げ部、切断部、および印刷部を含む、図1または図2のどちらかの複合材料構造体から形成される小売ディスプレイおよび陳列トレイの実施形態の斜視図である。
【図6E】曲げ部、切断部、および印刷部を含む、図1または図2のどちらかの複合材料構造体から形成される小売ディスプレイおよび陳列トレイの実施形態の斜視図である。
【図6F】曲げ部、切断部、および印刷部を含む、図1または図2のどちらかの複合材料構造体から形成される小売ディスプレイおよび陳列トレイの実施形態の斜視図である。
【図6G】曲げ部、切断部、および印刷部を含む、図1または図2のどちらかの複合材料構造体から形成される小売ディスプレイおよび陳列トレイの実施形態の斜視図である。
【図7】図1または図2のどちらかの複合材料構造体からその一部が形成される波形構造体の断面側面図である。
【図8】図7に示される波形構造体の斜視切り欠き図である。
【図9】パレットカバーとして選択的に用いられ得る、図1または図2のどちらかに示される複合材料構造体から形成される、切り取りページまたは間紙の上部斜視図である。
【図10】衝撃吸収材に形成された図1および図2の複合材料構造体を有する内部保護包装構成要素の断面側面図である。
【図11】複合材料構造体を保管物品の形状に成形するために好適な真空形成装置の斜視分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
共通の参照符号が同様の要素を示すために図面および詳細な説明の全体にわたって用いられる。
【0019】
以下に記載される詳細な説明は、現在の本発明の好ましい態様の記載を意図するものであり、本発明が構成され、または用いられ得る態様のみを表すことを意図したものではない。本説明は、本発明を構成し、および機能させる工程の機能および順序を説明する。しかしながら、同一または同等の機能および順序が異なる態様によっても達成され得ることと、それらが請求項の範疇の外側でなければ、それらもまた本発明によって包含されることが意図されていることが理解される。
【0020】
たとえば図3および図4に示されるような小売および/または配送の包装のような、環境にやさしく魅力的な保管物品20は、図1に示される複合材料構造体22から少なくとも一部が構成され得ることがわかっている。その態様においては、複合材料は、繊維含有層24と、繊維含有層24を被覆する鉱物含有層26とから形成される。本態様において、鉱物含有層26は、繊維含有層と直接接合されている。また、2つの層24、26の間の界面である繊維含有層24の表面25に沿って、鉱物含有層が実質的に連続的に繊維含有層24と接合されていることによって、単一の複合材料構造体を形成する。形状、サイズ、および繊維含有層24および鉱物含有層26の製造を含む複合材料構造体22の製造は制御され、そこから形成される複合材料構造体22が心地よく魅力的な柔軟性を有するだけでなく、保管物品20の製造を可能にするのに好適な、引張強度および他の加工に関連する特性をも有する(図3および図4)。複合材料構造体22の柔軟性によって、従前の製品よりも実質的に改良された物品20の魅力的な手触りが可能となる。他の成型技術を用いることによってのみならず、たとえば、柔軟な複合材料構造体22の折り目付け、折りたたみ(folding)、折り目をつける(creasing)、および打ち抜きのうちの少なくとも一つによって、複合材料構造体22を機械加工することによって、複合材料構造体22もまた容易に変形されて、所望の保管物品構成要素33となり得る(図3および図4)。
【0021】
ある態様においては、繊維含有層24が複合材料構造体22とは別に単独で用いられた場合よりも大きな柔軟性を複合材料構造体22は有している。すなわち、複合材料構造体22の形成は、構造体を形成するために用いられる繊維含有層24自体の柔軟性よりも大きな柔軟性を有する構造体を提供する。たとえば、ASTM D228−02、#10およびASTM D6125−97(2002)を含む、当業者に既知の曲げ性および柔軟性の標準によって測定されるように、複合材料構造体22の柔軟性は、繊維含有層24単独の柔軟性よりも少なくとも約20%大きく、少なくとも約50%大きいことさえある。両方の標準はともに、その全体が参照によって本明細書に取り込まれる。
【0022】
当業者に知られているように、「複合」材料は2つ以上の物質または異なる物理的特性を有する複数の層を備える材料であり、それぞれの物質または層は、所望の特性を全体に寄与しつつ、その独自性を保持する。「複合材料(composite)」という用語は、特に、一方がない場合のそれぞれの物質の添加的な寄与よりも大きな所望の特性を、それぞれの物質が全体に対して寄与する物質をさしてもよく、実際、個々の単なる部分の合計よりも大きな特性を有する材料を実質的に生み出す。たとえば、塗膜および薄膜、加熱され、かつ引っ張りが印加された薄膜を伴い、とりわけ多くの方法で性能、環境的または構造的な特性を実質的に変化させない、防湿バリアおよび印刷適性および印刷品質の改良にむけて主に設計された従来の紙繊維や天然繊維は、これとは対照的である。
【0023】
特に本発明に係る柔軟性のある複合材料構造体22は、特定の坪量の規定物質、組成、および構造的な特性を包含する。その構造体は、たとえば基層24の表面25の全体に沿って実質的に連続し、単一の複合材料構造体を形成するような、層24、26の間の界面全体に実質的に沿って直接的に接合される。その結果生じる構造体は、非常に異なる性能目標を有し、他の包装技術を上回る性能を有する。また、組み合わせられる複合材料構造体22がどちらかの材料単独の性能を超えて、かつ、従来技術の製品によっては達成されていない柔軟性および機械加工性を含む特性を有するように、層24、26および複合材料構造体22の特性および製造が選択される。
【0024】
複合材料構造体の製造プロセスだけでなく、鉱物含有層26および繊維含有層24のサイズ、形状、および製造を制御することによって、複合材料構造体22が形成され得る。たとえば、所望の耐久性および機械加工性だけでなく、所望の柔軟性および美観特性を有する改良された複合材料構造体22を実現するように制御され得るパラメータは、層24および26の、厚さ、坪量、密度、引張強度、および化学物質含有量のうち少なくとも一つを含み得る。
【0025】
ある態様においては、鉱物層26の化学組成は、所望の特性を有する複合材料構造体22を提供するように変えられ得る。好適な鉱物含有層26は、最大85重量%のさまざまな種類および組成の鉱物を備え得る。鉱物含有層26は、層26内部で鉱物成分を結合させる媒質をもたらす、鉱物成分と混合される結合剤をさらに備える。ある態様においては、容易に機械加工可能でありつつ、所望の水準の柔軟性を有する複合材料構造体22を提供するのに十分な鉱物含有層26に、あるタイプの規定量の結合剤が添加され得る。
【0026】
繊維含有層24の組成もまた、構造体22の所望の柔軟性、剛性、質量、カリパー(caliper)、永久折り目、および機械加工性のような所望の特性を有する複合材料構造体22をもたらすように制御され得る。繊維含有層24は多くの天然繊維のうち少なくとも一つを備え、図3および図4の保管物品20を形成するために用いられる層を機械加工工程に好適にする所望の引張強度および他の特性を有する。たとえば、繊維含有層24は、さまざまな異なる種類の、当該技術分野において既知の板紙ロール材およびシート材のうちの一つのような、繊維板層、さらには板紙層の形態であってもよい。好適な繊維板および/または板紙の材料の例としては、被覆再生ボード(coated recycled boards:CRB)および被覆されていない再生ボード(uncoated recycled boards:URB)、クレーコート薄色黒板(clay coated light black boards:CCLB)、および、二重および三重の板紙と同様に、たとえば、再生折りたたみ式ボール紙(recycled folding boxboards:RFB)、漂白クラフトボード、C1SおよびC2Sの硬い漂白硫酸塩ボード(solid bleached sulfate boards:SBS)のような非漂白クラフトボードが含まれる。
【0027】
繊維含有層24に用いられる繊維板および/または板紙は、一般的には主としてセルロースおよび/または木材パルプベースの繊維を含む。ただし、それらはまた、所望の構造に合う他のタイプの天然繊維含有物を有してもよい。繊維含有層24も、望ましくは、比較的高い水準のリサイクルおよび/または使用済みのリサイクル繊維含有物を含む。また、木を用いていない繊維は、魅力的な環境の代替物をもたらす。たとえば、再生折りたたみ式ボール紙、および、被覆再生ボードおよび被覆されていない再生ボードは、100%の再生された含有物を含むことができ、その中で最大35重量%は使用済みの再生された含有物である。二重および三重の板紙は、高い含有量の使用済み再生繊維を有する被覆再生ボードであり、それぞれ、最大100%の再生された含有物や、90%または95%を超える使用済みの再生された含有物を含み得る。
【0028】
ある態様においては、繊維含有層は天然繊維だけからなる。他の態様においては、繊維含有層は合成繊維を含んでもよい。
【0029】
一つ以上の層26および24の厚さは、結果として生じる複合材料構造体22にいくぶんかの柔軟性および機械加工性を提供するようにも制御され得る。層24および26の厚さは、それらから形成される複合材料22が容易に機械加工可能となるようにも選択される。さらに、層26および24の厚さは、所望の耐久性要求に関しても選択され、非常に薄い層に関する他の態様において、層が厚くなることでより大きな耐久性を提供する。複合材料構造体22の耐久性および機械加工性と同様に良好な柔軟性を提供する鉱物含有層26の好適な厚さは、たとえば約1.5〜約30ミル(0.038〜約0.762mm)であってもよい。本明細書において、1「ミル」は、1インチの1000分の1である。繊維含有層24の好適な厚さは、使用されるタイプの板紙の密度、剛性および引張強度によって変化し得る。たとえば、C1SおよびC2SのSBSボール紙、再生折りたたみ式ボール紙、漂白クラフトボードおよび未漂白クラフトボード、被覆再生ボードおよび被覆されていない再生ボード、ならびに、折りたたみ式ボール紙のような板紙の種類に対しての層の厚さは、約4ミル〜約28ミル(0.1〜約0.711mm)までであってもよく、三重および二重の板紙のような板紙のタイプに対しての層の厚さは、約12ミル〜約23ミル(0.31〜約0.58mm)までであってもよい。
【0030】
鉱物含有層26および繊維含有層24の坪量および密度は、所望の特性を有する複合材料構造体22を提供するためにも選択される。繊維含有層24および鉱物含有層26の坪量および密度は、最終的な複合材料構造体22の容易な機械加工性が可能になるように選択され、軽すぎたり重すぎたりする完成した複合材料構造体22は、たとえば、折り目付け、折りたたみ、打ち抜き、接着および箱詰めの機械のような、普通紙や板紙用の機械による操作に好適ではないこともある。鉱物含有層26の好適な坪量は、たとえば、約15ポンド/1000平方フィート(15lbs/1000ft)〜約240ポンド/1000平方フィートまでであってもよく、好適な重量は、約40g/m〜約900g/mであってもよい。繊維含有層24の好適な坪量は、約26ポンド/1000平方フィート〜約130ポンド/1000平方フィートであってもよく、あるいは、約210g/m〜約900g/mであってもよい。たとえば、C1SおよびC2SのSBSボード、再生折りたたみ式ボール紙、無漂白クラフトボード、被覆再生ボード、被覆されてない再生ボードおよび折りたたみ式ボール紙に対しては、好適な坪量は、約53ポンド/1000平方フィート〜約128ポンド/1000平方フィートであってもよく、また、約210g/m〜約900g/mであってもよい。三重および二重の板紙を含む繊維含有層24に対しては、好適な坪量は、約41ポンド/1000平方フィート〜約110ポンド/1000平方フィートであってもよく、同様に、約225g/m〜約450g/mであってもよく、厚さは、約4ミルから1000ミルであってもよい。性能および物質の特性が所定の範囲に入るならば、他の天然繊維、たとえば、バガス、綿、パルプ、布などが用いられ得る。
【0031】
繊維含有層24はまた、容易に機械加工され得る複合材料構造体22の形成に至る引張強度特性を有するように選択される。所望の引張強度特性は、縦方向(「MD」)または横方向(「CD」)において測定される板紙層24の引裂抵抗を含み得る。横方向(CD)は、概して板紙のウェブ全体の方向として定義され、すなわち、繊維板層24の繊維の目に対して90°の方向である。縦方向(MD)は、概して、繊維板層24の繊維の目と平行に流れる方向として定義される。板紙材料のMDおよびCD引張強度は、ASTM D5342−97標準(テーバータイプ(Taber−Type)試験標準とも呼ばれる)に従って測定され得て、当業者に既知のように、本明細書において参照によってその全体が取り込まれる。「ASTM」とは、米国材料試験協会をさしており、一般にはASTM Internationalもさしている。
【0032】
指定された範囲内の引張強度を有する材料は、最終的な保管物品の形状をもたらすために、板紙機械加工設備、たとえば、自動折り目付け機、折りたたみ機、型抜き機および成型機によって処理され得る。対照的に、適当な引張強度特性が不足している材料は、標準的な板紙の機械加工工程で機械加工されるには、もろすぎるか、固すぎるかもしれず、あるいは弾性がありすぎるかもしれない。ある態様においては、好適な板紙層24(たとえば、前述のボール紙、クラフトボードおよび再生ボード)は、約125〜約900MDおよび約55〜約400CDの、ASTM D5342−97標準(テーバータイプ標準)によって測定された引張強度を有する。他の態様においては、好適な板紙層24(たとえば、三重または二重の板紙層24)は、約144〜約685MDの、ASTM D5342−97標準によって測定された引張強度を有する。
【0033】
板紙に対して用いられる同様の標準によって測定可能なCDまたはMDの引裂強度の数値を鉱物含有層26は実質的に有しておらず、CDまたはMDの剛性、永久折り目性能、もしくは引張強度に関して、鉱物含有層26は通常は選択されないことが述べられるべきである。鉱物含有層における同程度の引張強度の不足は、板紙材や他の材料を成形および形成して、完成された保管物品にするために通常用いられる標準的な機械加工工程に対しては、単独の鉱物含有層26が不適になるという一つの特性である。共押し出し法、多層積層法および引き伸ばし法を用いた高含有量ポリマー材料および合成化合物が考えられる。しかしながら、押出インフレーションフィルムポリマーのコストおよび歩留まりは、結合剤で保持されている地中の鉱物のコストと比較して費用の点で不利である。規定の鉱物や繊維の仕様を用いることによって、規定の分野の仕様は固有であり、完成した複合材料をコストや性能に対して最大化/最適化する。
【0034】
連続的に接合される鉱物含有層および板紙層から形成される複合材料構造体22は、機械加工性および柔軟性を含む、保管物品20(図3および図4)の形成に用いるのに好適である材料特性を有する。ある態様においては、複合材料構造体22は、板紙層の一つ以上の表面25および27上で鉱物含有層26と直接的に接合された板紙層24を備えており、たとえば、保管箱またはカートン用に好適な二層または三層のどちらかの複合材料を形成する。図2は、板紙層24の上面25および下面27に直接接合される第一および第二の鉱物含有層26aおよび26bを有する三層の複合材料構造体の例を示している。図1および図2は二層および三層の複合材料構造体の例を示しているが、より多くの層が用いられてもよい。そのような二層または複数層の複合材料構造体22は、約40ポンド/1000平方フィート〜約175ポンド/1000平方フィートの坪量、約80g/m〜約900g/mの坪量、ASTM D5342−97標準によって測定された約125〜約900MDおよび約55〜約400CDの引張強度、および、約4ミル〜約100ミル(0.2〜約2.45mm)の厚さ、を有し得る。
【0035】
さらなる別の態様においては、複合材料構造体22は、図9に例示されている間紙または切り取りページ44の形成のように、鉱物含有層26と接合された板紙層24からなる複数のシートを備える。そのような複数層の複合材料構造体22は、約198ポンド/1000平方フィート〜約525ポンド/1000平方フィートまでの坪量、約648g/mから約2640g/mまでの密度、ASTM D5342−97標準によって測定された約375〜2700MDおよび約165〜約1200CDの引張強度、および、約45ミル〜約100ミルまで(1.14〜約2.45mm)の厚さ、を有し得る。比較的重い間紙および切り取りページ44を構成する複数層の複合材料構造体22は、より軽量の複合材料構造体と同程度には容易に機械加工できないかもしれないが、それでもなお、美観に訴えるようにする改善された柔軟性を有し、その機能に好適なようにする十分な板紙特性を保持している。複合材料構造体はまた、高度な垂直積み重ね強度および盗難防止性能を必要とする多彩な消費者用包装アプリケーションにおいても用いられ得る。
【0036】
図1および図2の複合材料構造体22は、種々の異なる製造技術を用いて製造され得る。たとえば、複合材料構造体22を形成する方法は、板紙が所望の特性や厚さを有するシートに形成されるフライス加工(milling)の工程を含んでもよく、得られたシートはロール上に集められる。製造方法はまた、鉱物含有層の材料を所望の特性および厚さを有するシートへ押出成形または押出積層する工程を含み、得られたシートをロールへ集めてもよい。製造方法は、改良された複合材料構造体22を形成するために、鉱物含有層26に板紙層24を直接接合する工程をさらに含み得る。板紙層24は、層24の一つ以上の表面(たとえば、図1に示すように上面25および下面27、または一つの表面のみ)の少なくとも一部が鉱物含有層26で被覆されていてもよい。
【0037】
板紙層24は、たとえば、層24および26を形成する一つ以上の材料に加圧することによって、あるいは、層24と26との間に接着剤を適宜塗布することによって、層24と26とをお互いに固着することで鉱物含有層26に接合され得る。ある態様においては、柔軟な複合材料構造体22は、層24と26との間に追加の接着剤を用いることなく形成される。さらに別の態様においては、板紙層24の上面25のような、一つ以上の層24および26の表面に接着剤が塗布され、層24と26とが互いに固着される。本態様においては、表面25の全体にわたって層24と26との接合を確実にするために、板紙層24と鉱物含有層26との間の界面19において、接着剤が実質的に表面25全体に塗布されてもよい。層24と26との接合が行われる条件は、表面25の全長および全幅にわたって延在する層24と26との間の実質的に連続的な接合と同様に、層24と26との間のお互いにとっての最適な接着をもたらすように選択され得る。たとえば、層24と26とを接合するための好適な熱塗布処理においては、約660cP〜約1480cPの粘性を有する接着剤が、約300°F(148.9℃)〜約385°F(196.1℃)の高温において、一つ以上の層24および26に塗布される。層24、26を接合するための好適な冷温塗布処理の実施例においては、約1000cPから約2100cPまでの粘性を有する接着剤が、約27.5℃から約30℃の温度で塗布される。
【0038】
最終的な複合材料構造体22は、以下の表1に示すような、改良された特性を有する。表から理解され得るように、複合材料構造体22を形成する効果は、所望の引張強度、および、板紙または他の天然繊維層24の機械加工プロセスに関連する特性が維持されることによって、標準的な板紙機械加工処理によって機械加工され得る耐久性のある複合材料構造体を提供しつつ、美観に訴え、かつ、板紙材料単独の場合よりも大きな、複合材料構造体22の柔軟性をも達成する。
【0039】
【表1】

【0040】
複合材料構造体22は、包装および保管物品20のために用いられる非複合板紙材料よりも優れた他の利点も有する。たとえば、複合材料構造体22は、鉱物含有層において使用される結合剤によって、典型的な板紙材料よりも改良された防湿バリアを提供する。そのような剤は、高密度のポリエチレン、バイオポリマー、ポリマーまたはポリ乳酸を含んでもよい。結合剤は、鉱物とともに、引火点をかなり上げることによって、複合材料構造体22の改良された耐火性や耐熱性をも提供する。高密度ポリエチレン(HDPE)のようなポリマーは、通常は一つ以上の添加剤の導入により、通常は押し出し成形の間、生分解性があり、光分解性があり、かつ堆肥化可能であり得て、そのような添加剤は、たとえば、ポリマーの切断を生じさせうる紫外線に影響されるケトン基であり、あるいは、ポリマーの光酸化を開始させ得、結果としてポリマーの切断も引き起こす他の感光添加剤である。繊維含有層または板紙含有層の繊維が全て天然の場合、複合材料構造体の生分解性は大きく増加する。さらに、鉱物含有層の増加した密度は、層を破る際における増加した困難さのため、齧歯動物や他の有害な小動物に対する改善された防備をもたらす。
【0041】
さらに、本明細書において開示されている鉱物含有層および繊維含有層を有する複合材料構造体の増加された密度は、従来技術の材料のコストの増加なしに、大きな盗難抑止力をもたらす。本発明に係る複合材料構造体の増加された密度は、その組成によって、より大きなしわ抵抗、および静電気耐性をも提供する。
【0042】
複合材料構造体22は、鉱物含有層26の効果によって高品質な印刷面21をも有する。さらに、複合材料構造体22は、層26を含む鉱物含有層が製造時に実質的には水の使用を必要としないため、類似の板紙材料よりも、製造に用いられる水の必要量が25%から65%少ないと推定される。また、複合材料構造体22は、生分解性がないある板紙を、たとえば、C1SおよびC2SのSBS板紙、非漂白クラフトボードならびに折りたたみ式ボール紙のように、生分解性を有し、堆肥可能にする。鉱物はしばしば環境にやさしい物質であるので、鉱物および天然繊維を有する複合材料構造体22は完全にリサイクル可能であり、約35%から約75%までの再生繊維含有量または使用済再生繊維含有量を有することができ、また、標準的な板紙材料よりも、推定で、排気、ホルムアルデヒド、および漂白剤の使用も20%から65%低減する。
【0043】
鉱物含有層26および板紙層24から形成される複合材料構造体22を、所望の保管物品の形状に成形するために、様々な機械加工の工程が実行され得る。機械加工工程は、所望の形状に形成するための切断工程および接着工程だけでなく、複合材料構造体22を折りたたむ、曲げる、折り目を付ける、そうでなければ、成形または加圧する工程を含み得る。機械加工工程は、製造段階および配送段階のうち一つ以上において実行され得る。たとえば、機械加工工程は、物品20の配送および/または保管に好適であり得る所望の形状に、複合材料構造体22を、切断する、折り目付けする、および折りたたむという製造段階において実行され得る。保管物品20の流通の段階においては、最終的な保管物品の形状を得るために、たとえば、カートンまたはボックスの製造の場合の箱詰め工程のような、接着工程および成形工程が実行され得る。
【0044】
さらなる態様においては、個々の材料および/または柔軟な複合材料構造体22は、圧力、熱または真空の下での成形によって、保管物品20用の所望の形状に形成される。たとえば、真空形成工程および加圧形成工程においては、複合材料構造体は、真空力または圧力の下で型に圧入され、場合によっては、材料または複合材料は型に合った形状が採用される。別の実施例としては、熱成形工程において、所望の形状となるまで材料を変形するように型に対して押圧されながら、材料および/または複合材料が加熱される。そのような成形によって、柔軟な複合材料構造体22が、丸いまたは湾曲してさえいる形状を含む所望の形状をとり得る。真空成形プレス60の例が図11に示されており、図11は、上面プレス板62aおよび下面プレス板62b、および型64を示しており、そこにおいて、柔軟な複合材料構造体22は、プレス板62a、62bおよび型64の間に置かれ、そしてプレス板62aと62bとの間の真空を利用することによって真空が型に加えられる。構造体22の柔軟性はまた、加熱または真空の利用を必要とすることなく、最終的な構成部品の形状20を形成するために種々の折りたたみや折り目付けの工程が実行されることを許容し得る。様々な成形(molding)および/または成形(shaping)工程の組み合わせもまた、様々な切断および成形工程、および、追加的な装飾的または機能的な部品を固着するための工程と同様に、最終的な保管物品20を形成するために実行されてもよい。また、一つ以上の複合材料構造体22は、所望の保管物品構成要素33を形成するために、お互いに積み重ねられ得る、または、お互いに固着され得る。
【0045】
ある態様においては、保管物品20(たとえば、部分的に形成された印刷を有する、図4に示される小売包装20および図5に示される配送包装20のうち少なくとも一つ)を形成するために用いられる複合材料構造体22では、たとえば、その中に含まれる製品についての広告または情報が印刷されている。たとえば、保管物品20は、鉱物含有層26(図1および図2)の一方または両方の面への印刷を有し得る(たとえば、印刷面21、および/または、二つの鉱物含有層26がある図2の場合のような板紙層24の一方または両方の面のいずれか)。印刷は、既知の印刷技術(たとえば、フレキソ印刷およびリソグラフィ印刷)によって行われ得る。鉱物含有層26を伴う複合材料構造体22を有する保管物品20は、消費者に製品および内容に関する重要な情報を伝達するのと同様に、製品の消費需要を増やすために魅力的かつ明るく印刷され得る。本態様においては、印刷工程は、プリンタを通してベース材料または鉱物含有材料を供給する工程を含む。プリンタは材料の一つまたは複数の表面に印刷することができ、同じ材料がまた、同一あるいは次のプリンタを通して送られ得る。
【0046】
図1および図2に示すように、鉱物含有層26の各層は、それぞれ高品質の印刷表面21(図1)および23(図2)を有する。これらの図における表面は、要望通りにテキストまたはグラフィックスのためのインクに対応するように用いられ得る。本態様においては、印刷面21および23は、複合材料構造体22の外面を備えており、他のいかなるタイプの層によっても被覆されていない。しかしながら、それらは、エンボス加工された箔、または、金属化フィルムスタンピング、または他のそのような材料に対応してもよい。
【0047】
ある態様においては、複合材料構造体22は、たとえば図3および図4に示されているような、小売および配送のうちの少なくとも一つのためのボックス28を備える構成要素33の形状に形成される。ボックス28は、立方体、長方形または他のボックス形状(小売または配送製品を収容できる大きさである)の形状であってもよい。ある態様においては、ボックス28は、柔軟性のあるシートの形態で複合材料構造体22を準備することによって形成される。たとえば、前述のフライス加工工程および他の処理工程のように、構造体を切断し所望の形状にする工程、そして、シートを折りたたむ、および/またはシートに折り目を付ける工程が、手動または自動箱詰め処理のような機械のどちらかによって実行されることによって、最終的な三次元のボックス形状を形成する。図4に示される態様においては、複合材料構造体22は、折り重なっている蓋部39cだけでなく、底壁および側壁39a、39bを含むボックスの壁39を形成する。高い柔軟性を有する複合材料構造体22から形成されるボックス28は、魅力的、かつ、さわると気持ちのよい、滑らかで柔軟な感触を有しつつ、店の棚およびディスプレイにおける小売での使用をできるのに十分に頑丈で耐久性もある。
【0048】
ある態様においては、ボックス28の柔軟性が、ボックス形状28を容易に折りたたむことができ、および、ボックス形状28に展開できるほどであることによって、ユーザーは、ボックス28を展開した状態で保管することができ、その上、使用のために必要とされる時にはすばやくボックスを形状に折ることができる。製品の配送または保管用のパレットなどにおいて、ボックス28は、ボックス28の他のボックスとの垂直方向あるいは他の方向の積み重ねに対して十分耐えられるほど頑丈でもあり、実質的な盗難抑止力も提供し得る。ある態様においては、重質炭酸カルシウム含有材料によって高められたボックスの光沢および輝きと同様に、ボックス28の魅力的な感触によって、ボックス28は、香水、化粧品および宝石の小売におけるような全体的な小売包装の訴求が重要である、ハイエンドで贅沢な製品の小売に対してとりわけ好適になる。
【0049】
さらなる別の態様においては、複合材料構造体22は、図5で示されるように、UPS、FEDEX、USPSなどによって文書や他の物を配送するために用いられる封筒のような、配送封筒34の一部を形成する。複合材料構造体22は、開いている封筒を配送のために封止する接着剤や取り付け用無頭釘のような封止部を除いて、封筒構造の一部または全部をも形成するように用いられ得る。そして、複合材料構造体22は、一連の、折りたたみ工程、折り目を付ける工程、および接着工程を用いることによって組み立てられ、所望の封筒形状を作成し得る。複合材料構造体22は、望ましくは、文書や他の物が容易に封筒34内に収容され得るように十分な柔軟性を有するとともに、配送封筒34の裂け、引っかき、破れに耐えるのに十分な耐久性もある。複合材料構造体22から形成される配送封筒34は、改良された複合材料構造体22を有しない従来の封筒34よりも非常に多くの利点をもたらす。たとえば、複合材料構造体を有する配送封筒34は、上述のように向上した耐湿性を与えるとともに、包装への非常に魅力的な印刷をも可能にするため、内容に関する説明、配送の指示、または広告が封筒に印刷され得る。これは、たとえば紙封筒のような従来の封筒とは対照的である。従来の紙封筒は、概して、耐水性または印刷容易性のいずれか一方を有するように作られているが、耐湿性があり、丈夫でもある、非常に魅力的で容易な印刷が可能な表面を、鉱物含有複合層26(図1)を有する封筒の場合のようには、通常は有していない。
【0050】
複合材料構造体22を有する保管物品20の他の態様は、図6A〜図6Gに示されるように、陳列トレイ36および他の販売ディスプレイ38を含む。たとえば、図6Aおよび図6Fに示される態様においては、複合材料構造体22は、小売のために製品を入れて陳列することが可能な陳列トレイ36の形状となるように、切断され、形成され、折られる。トレイ36は、所望の数の物を入れるために壁や基部の大きさが設定されてもよく、図6Aに示されるように切り抜きを含んでもよく、もしくは、トレイ36に物を入れる他の陳列配置を含んでもよい。図6B〜図6Eおよび図6Gは、鉱物含有材料を有する複合材料構造体22から形成されるか、または、鉱物含有材料を有する複合材料構造体22を含む、ディスプレイ38の態様を示す。たとえば、図6B〜図6Dに示される態様においては、複合材料構造体22はディスプレイ38の一部を形成するように、形成され、あるいは、成形される。複合材料構造体22は、熱成形または真空成形によるのと同様に、曲げ、または、折ることによって、ディスプレイ38の所望の部分を形成するように成形され得る。
【0051】
図6B、図6Dおよび図6Eに示される態様は、印刷され、折られ、接着された複合材料構造体22の一部から形成され、選択的に従来型のリソグラフされたパーツを伴う、陳列ケースを示す。図6Cに示される態様は、複合材料構造体22で形成されたディスプレイの正面および背面の半分を真空成形によって所望の形状に成形されているディスプレイ38を示す。複合材料構造体22は、図6Cの態様に示されているような丸い部分40を形成するために、真空成形技術または熱成形技術によって成形され得るように、望ましくは十分な柔軟性を有し、他の製品におけるのと同様に、魅力的なディスプレイ38にとって特に望ましくなり得る。図6Gは、陳列トレイ36を有するディスプレイ38を形成するために複合材料構造体22が用いられている態様を示す。複合材料構造体22から構成され、そうでなければ、複合材料構造体22を含むディスプレイ38および陳列トレイ36は、非常に魅力的かつ耐湿性のあるディスプレイおよびトレイを提供し、それらは小売や広告の目的のために明るく魅力的に印刷され得て、かつ、高い耐傷性がある。複合材料構造体22は、たとえば構造体22を折る、または成形する、または他の機械加工をすることによって、所望の小売の形態に有利に成形可能であり、そのため、非常に適応性が高い材料を、改良された小売ディスプレイにおける使用に提供する。
【0052】
複合材料構造体22の他の用途は、波形構造体42を形成するための用途を含み、それらの態様は図7および図8に示されており、同様に、間紙、または、切り取りページ、または、保護用トップパレットカバー44の形成においては、その態様は図9に示されており、内部保護包装構成要素48としては、その態様は図10に示されており、また、成形された内部保護包装構成要素48としては、その態様は図11に示されるプレス機60の使用によって形成され得る。図7および図8に示される態様においては、波形溝50は、上部シート52aと下部シート52bとの間に挟まれており、波形箱および他の類似の適用品の形成に好適な波形構造体42を形成する。一つ以上の溝50およびシート52aおよび52bは複合材料構造体22で構成され得て、前述のように、耐湿性および有害な小動物への耐性と同様、高められた柔軟性を有する波形構造体42を形成する。加えて、および/または、代わりに、複合材料構造体22は、溝50のような波状の部分の上にある板紙層24を被覆する鉱物含有層26(図1)を含んでもよい。たとえば、図7に示されるように、複合材料構造体22は、溝50を含有する波形の材料の一部である内部上部シート51aおよび内部下部シート51bのうちの少なくとも一つに対応する板紙層を備え得るとともに、これらの板紙層51aおよび51bは、鉱物含有層を備える上部シート52aおよび下部シート52bのうちの少なくとも一つによって被覆され得る。
【0053】
図9に示される態様において、複合材料構造体22は、保管製品または配送製品用に間紙または切り取りページ44に形成され、切り取りページ44はまた、保護用トップパレットカバーとしての使用のために切り目を入れられ得る、または、折られ得る。図9においても示されるように、複数の複合材料シート44は互いに接着され得て、多層構造体68(たとえば、多層切り取りページ44)を形成し得る。
【0054】
図10に示される態様においては、内部保護包装構成要素48は複合材料構造体22を備える。複合材料構造体22は、配送包装の内部の物に合う、そうでなければ、配送包装の内部の物を保持して保護するために好適な形状に成形される。あるいは、複合材料構造体22は、包装内の隙間を満たし、配送の間、壊れやすいものを安定化させ、かつ保護するために好適な形状に成形される。複合材料構造体22は所望の形状に成形され、そして、たとえば上述したいずれかのような衝撃吸収材料56の上に配置され得る。これらの態様において使用される複合材料構造体22は、構造体の外観や手触りを改良するのと同様に、所望の構造体の形成を可能にする高められた柔軟性を含む、上述のようなそれらの効果をもたらす。構造体22は、改良された耐湿性、耐盗難性、および有害な小動物への耐性をも有するとともに、上述のように、良好な耐火性および耐熱性をも維持する。構造体22によって、取扱説明または広告を製品に印刷できるように、その上への高品質な印刷がさらに可能となる。
【0055】
複合材料構造体22(図1)は、保管物品の形成に好適となるような柔軟性および引張強度のような特性を有しており、他と同様に、本明細書において記載され、示されるいかなるそれらの保管物品をも含む。複合材料構造体22は、それが柔軟であり、かつ、多数のタイプの保管物品を形成するように成形可能なように、成形され、サイズ調整され、機械加工され得る。
【0056】
本明細書において、非鉱物天然繊維は、ウールやシルクのような動物繊維、および、綿やセルロースのような植物繊維を含むものとする。
【0057】
本発明において複合材料がもたらされるという点で、本発明は従来技術のコーティングとは異なる。本明細書において、コーティングとは、他の材料に適用される材料であり、コーティングが適用される材料にコーティングが順応するようなものである。複合材料の層は、複合材料における他の材料の表面の大きさや形状と同じではない。それ自身の固有の形状および形態を有する層として、一つ以上の他の層と組み合わされる複合材料の層は、改良され、または、大きく変えられた、構造上および強度上の特性を伴う新しい複合材料の材料を形成する。
【0058】
本発明のさらなる変形および改良もまた当業者にとって明白であろう。そのため、本明細書において説明され、例示される構成要素および工程の特定の組み合わせは、本発明のある態様を単に表すことを意図しているにすぎず、本発明の精神および範囲の範疇における択一的な装置および方法の限定とされることを意図していない。この線に沿って、柔軟性のある複合材料構造体22を有する保管物品20は、既知または当該技術分野においてその後に開発された任意の様々な形態を採用できると理解されるべきであり、さらには、新たに形成された小売および/または配送包装のような、既存または新規に形成された保管物品20も本発明の範疇に含むことを意図していることを期待していると理解されるべきである。また、板紙層24および鉱物含有層26が、様々な異なる材料(たとえば、特に記載されているそれら以外の他の包装材料および結合剤)を備え得ることが理解されるべきである。
【0059】
(関連出願の相互参照)
本出願は2008年1月11日に出願された米国特許出願第12/013,077号の一部継続出願である2008年8月18日に出願された米国特許出願第12/193,633号の一部継続出願である。また、この米国特許出願は、2007年8月18日に出願された米国特許仮出願第60/956,690号の優先権を主張する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約2〜1000ミル(0.051mm〜25.4mm)の厚さを有する印刷可能かつ機械加工可能な複合材料構造体であって、
前記構造体は、約525ポンド/1000平方フィート(22.15kg/m)以下の坪量を有し、25%未満のポリマーを含有し、天然の鉱物含有物を含み、
約1.3ミル〜900ミル(0.033〜22.86mm)の厚さの天然繊維から形成される繊維含有層と、
鉱物含有層を形成するポリマー結合剤とともに鉱物から形成される有機鉱物含有層と、
を備え、
前記繊維含有層が、硬く(solid)、かつ、対向する平坦な接触面を有し、前記繊維含有層が、約20〜800g/mの坪量と、約20〜約1200MDおよび約25〜1500CDの引張強度と、を有することを特徴とし、
鉱物含有層が、約15〜500ポンド/1000平方フィート(0.63〜21.08g/m)の坪量を備えることを特徴とし、
前記鉱物含有層が、伸縮を必要とせずに、前記繊維含有層の接触面全体にわたって、実質的に連続的に接合されることを特徴とし、
前記鉱物含有層の少なくとも1つの外向面が前記層の約15重量%超過の結合剤含有物を備えることを特徴とし、
前記複合材料構造体が少なくとも1つの表面層に有機鉱物含有物を含むことを特徴とし、
前記複合材料構造体は、少なくとも15重量%の結合剤を伴う、1つの外向きの鉱物含有層を備え、前記結合剤は、重合体、共重合体、単一重合体、および単量体の選択枝を備え、ASTM D228−02 #10およびASTM D6125−97(2002)によれば、複合材料が、100%天然繊維の構造体よりも大きな柔軟性を有する表面を有する、ことを特徴とし、
前記複合材料構造体は、少なくとも15重量%の結合剤を伴う、1つの外向きの鉱物含有層を備え、前記結合剤は、重合体、共重合体、単一重合体、および単量体の選択枝を備え、複合材料が、100%天然繊維の構造体よりも大きな耐水性を有する表面を有する、ことを特徴とし、
前記複合材料構造体は、一般的な印刷技術を用いて印刷可能である、少なくとも1つの外向きの鉱物含有層を備えることを特徴とし、
前記複合材料構造体は、少なくとも40%の天然繊維を備えることを特徴とし、
少なくとも1つの表面を向いた鉱物含有層が、前記複合材料の重量の少なくとも1%または約1%を備えることを特徴とする、
複合材料構造体。
【請求項2】
前記複合材料構造体が、1つ以上の層として、「スクリム」のような、織られた、および、不織のウェブ補強材をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合材料構造体。
【請求項3】
熱成形、加圧成形または真空成形によって前記鉱物含有層を含む保管物品が選択された形状に形成され得るように、前記鉱物含有層が、一定量の熱成形結合剤を含む柔軟性のある鉱物複合材料を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の複合材料構造体。
【請求項4】
前記繊維含有層がポリコーティングされる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合材料構造体。
【請求項5】
1つ以上の表面がクレーコーティングされる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合材料構造体。
【請求項6】
1つ以上の表面が、水性または溶剤性の熱融着コーティングによって被覆される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合材料構造体。
【請求項7】
1つ以上の層が波形形状に形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の複合材料構造体。
【請求項8】
前記鉱物含有層が、でんぷん、小麦、とうもろこし、などのような、生体高分子からなる群のうち少なくとも1つの持続可能なポリマー含有物を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の複合材料構造体。
【請求項9】
前記繊維含有層が、漂白クラフトボード、未漂白クラフトボード、再生折りたたみ式ボール紙、折りたたみ式ボール紙、被覆再生ボード、および被覆されていない再生ボードからなる群のうち少なくとも1つを備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の複合材料構造体。
【請求項10】
前記繊維含有層が、約5〜約800ポンド/1000平方フィート(0.42〜約33.7kg/m)の坪量と、約4.0ミル〜約45ミル(0.10〜約1.14mm)の厚さと、約75〜約1200MDおよび約25〜約900CDの引張強度と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の複合材料構造体。
【請求項11】
約648〜約2640g/mの坪量と、約45ミル〜約80ミル(1.14〜2.03mm)の厚さと、約375〜約2700MDおよび約648〜約2640CDの引張強度と、を備える、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の複合材料構造体。
【請求項12】
質量で25%未満のポリマーと、少なくとも5%の天然鉱物含有物とを含む請求項1乃至11のいずれか1項に記載の複合材料構造体であって、
約1.5ミル〜990ミル(0.04〜25.15mm)のカリパーを有する天然繊維から形成された繊維含有層と、
散在または非散在のポリマー結合剤を含有する鉱物含有層と、
を備え、
前記繊維含有層は、ソリッド(solid)または準ソリッドであり、カレンダリング加工が必要であっても、必要でなくてもよい、対向する平坦な接触面を有し、前記繊維含有層は、約10〜約610ポンド/1000平方フィート(lbs/1000ft)(0.46〜約28.1kg/m)の坪量と、約20〜約1200MDおよび約25〜約1500CDの引張強度と、を有することを特徴とし、
前記鉱物含有層は、約35g/m〜約1500g/mの坪量を備え、前記複合材料内部において混合され、もしくは、混合されず、前記鉱物含有層は、前記複合材料構造体全体の少なくとも2重量パーセント以上の重さを備え、約0.30g/cm〜1.5g/cmの密度と、1.3ミル〜50.0ミル(0.033mm〜1.27mm)のカリパーと、を備え、有機鉱物を含み、
前記鉱物含有層が、伸縮を必要とし、もしくは必要とせずに、前記繊維含有層の前記接触面の全体にわたって、実質的に連続して接合される、
ことを特徴とする複合材料構造体。
【請求項13】
ポリマーと天然鉱物含有物とを含有する請求項1乃至12のいずれか1項に記載の複合材料構造体であって、
約1.5ミル〜990ミル(0.038〜25.15mm)のカリパーを有する天然繊維から形成された繊維含有層と、
散在または非散在のポリマー結合剤を含有する鉱物含有層と、
を備え、
前記繊維含有層は、ソリッド(solid)または準ソリッドであり、カレンダリング加工が必要であっても、必要でなくてもよい、対向する平坦な接触面を有し、前記繊維含有層は、約20〜1500g/mの坪量と、約20〜約1200MDおよび約25〜約1500CDの引張強度と、を有することを特徴とし、
前記鉱物含有層は、約5ポンド/1000平方フィート〜約915ポンド/1000平方フィート(0.21〜約39kg/m)の坪量を備え、前記複合材料内部において混合されもしくは混合されず、前記鉱物含有層は、前記複合材料構造体全体の少なくとも1重量パーセント以上の重さを備え、約0.30g/cm〜1.5g/mの密度と、1.3ミル〜50.0ミル(0.033〜1.27mm)のカリパーと、を備え、有機鉱物を含み、
前記鉱物含有層が、前記繊維含有層の前記表面に固着される、
ことを特徴とする複合材料構造体。
【請求項14】
通常のフレキソおよびオフセット印刷技術を用いて印刷可能な少なくとも1層のポリマー含有層を有する再生紙を含有する複合材料構造体であって、
前記複合材料は、70%未満のポリマーを含有し、少なくとも約0.203mmのカリパーと、3700未満のMD引張強度とを有し、
再生含有物を有する繊維含有層と、
約30g/m〜約1500g/mの坪量と、約0.30g/cm〜約1.5g/mの密度と、0.033mm〜約1.27mmのカリパーと、を備えるポリマー含有層と、
を備え、
前記繊維含有層は、約0.0381mm〜約25.146mmの間のカリパーにおいて形成され、前記繊維含有層は対向する平坦な接触面を有し、前記繊維含有層は、約20g/m〜1500g/mの坪量と、約20CD〜約1200MDおよび約25MD〜約1500CDの引張強度と、を有することを特徴とし、
前記ポリマー含有層は、前記複合材料構造体全体の少なくとも2重量パーセント以上の重さを備え、
前記ポリマー含有層が、前記繊維含有層の接触面全体にわたって固着されるように適合されることを特徴とし、
前記複合材料構造体が、通常のフレキソおよびオフセット印刷技術を用いて印刷可能な少なくとも1層のポリマー含有層を有し、前記複合材料構造体が70%未満のポリマーを含むことを特徴とする、
複合材料構造体。
【請求項15】
25重量%未満のポリマーを含み、少なくとも1層のポリマー含有表面層を含む、印刷可能かつ機械加工可能な複合材料構造体であって、
25.146mm未満の厚さを有する天然繊維から形成される少なくとも1層の繊維含有層と、
約0.40g/cm以上の最小密度を有する少なくとも1層のポリマー含有層と、
を備え、
前記繊維含有層が対向面を有し、
前記繊維含有層が約40g/m〜1500g/mの坪量を有することを特徴とし、
前記ポリマー含有層が、前記複合材料構造体全体の約2重量%以上の重さを備え、
ポリマー含有層が少なくとも1層の繊維含有層の接触面にわたって固着されることを特徴とし、
前記ポリマー含有層が少なくとも2%の天然鉱物を備えることを特徴とし、
前記複合材料構造体が40重量%以上の繊維を含有することを特徴とし、
前記複合材料構造体が少なくとも1層の外部繊維層を含むことを特徴とする、
複合材料構造体。
【請求項16】
通常の印刷技術を用いて印刷可能な少なくとも1層の繊維含有層を有する、機械加工可能かつ印刷可能な再生繊維を含有する複合材料構造体であって、
前記複合材料構造体が、25重量%未満のポリマーと、少なくとも40重量%の繊維とを含有し、
対向する平坦な接触面を有する繊維含有層と、
約0.40g/cmの最小密度を有するポリマー含有層と、
を備え、
前記繊維含有層が、約40g/m〜1500g/mの坪量を有することを特徴とし、
前記ポリマー含有層が、前記複合材料構造体全体の少なくとも2重量%または約2重量%以上の重さを備え、
前記ポリマー含有層が、少なくとも1層の繊維含有層の前記接触面の全体にわたって固着されるように適合されることを特徴とし、
少なくとも1層の繊維含有層が、50%以上または約50%以上の再生含有物を備え、複合材料全体の少なくとも25重量%の重さを備えることを特徴とし、
前記複合材料構造体が、通常の印刷技術を用いて印刷可能なように適合された少なくとも1層の繊維含有層を有し、前記ポリマー含有層が少なくとも1層の繊維含有層との面接触をもたらすことを特徴とする、
複合材料構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−517360(P2012−517360A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549341(P2011−549341)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/023671
【国際公開番号】WO2010/091427
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(511193606)スマート プラネット テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】