説明

物品情報に対するアクセス方法(物品情報に対するアクセスを伴う媒体筺体)

【課題】コンピュータ読み出し可能な媒体上に記憶されたデジタル・コンテンツを、当該媒体を含む筺体を開封することなく評価することを可能にするための方法および装置を提供する。
【解決手段】第1のデジタル・コンテンツを含む記憶媒体は、好ましくは第1のデジタル・コンテンツに関連した第2のデジタル・コンテンツを含む不揮発性メモリ・ハードウェアとともに筺体内に配置される。筺体は、第1のデジタル・コンテンツに対するアクセスを防止するために密閉されている。しかしながら、不揮発性メモリ・ハードウェアは、通信ポートを通じてまたは無線送信を介してといったように、筺体の密閉を破ることなく、外部装置と通信してもよい。したがって、消費者は、第2のデジタル・コンテンツを、筺体またはパッケージを開封する前に第1のデジタル・コンテンツのプレビューとしてアクセスしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有形媒体に記憶されたデジタル・コンテンツを有する物品のパッケージングに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽、映画、ソフトウェア、および他の媒体物品の販売は、世界中でかなりの規模の市場となっている。消費者は、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、オーディオおよびビデオ・テープなどの媒体上に記憶された様々なデジタル物品を購入している。再生の容易さと海賊行為に対する業界の懸念とにより、ほとんどの媒体物品は、いったん開封すると返却できない場合が多い。現在、不正変更行為に強い物品販売用の筺体(enclosure)は、開封されたかどうかを判断するための様々な手段を有しているので、物品の交換または返金など、もしくは払い戻しのために返却することができない。
【0003】
手頃な記憶媒体の容量が増加するにつれて、より大量のコンテンツが単一の媒体に記憶されることがある。音楽アーティストの全レコーディング、いくつかの映画の集合体、または複雑なソフトウェアおよびバンドルなど、かなりの量のコンテンツをパッケージ化するという可能性がある。このような物品は、消費者にとって、単一のアルバムCDまたは単一のDVD映画などのような現在提供されているものより遥かに高いコストが必要になることがある。このようにコストが高い手段は、消費者が購入前に物品を評価するのにさらに時間をかけることを意味する。また、残念なことに、コストが高くなると、コンテンツを盗みたくなる人もあるだろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、このような物品を評価するためのいくつかの方法があるが、効率が悪い。例えば、消費者は、アルバムの歌の導入部分をキオスク(kiosk)で聴くことがある。消費者は、全く同じ映画のコピーを購入する前に、映画を借りて観ることもある。さらに、消費者は、購入前に評価するために、ソフトウェアの「ストリップダウン(最低限の機能を備えた)」バージョンをダウンロードできる場合がある。このようなオプションは、評価の手法および方法を要求することが多く、また、消費者に対して、営業時間中に物品評価のタスクのための時間をとっておくことを要求するものである。
【0005】
消費者が物品を評価するために利用可能な方法は、その性質上非常に多様であって、完全な評価には不適切なことが多い。パッケージングされるコンテンツ量が増加するにつれて、その結果、価格も上昇し、消費者による徹底的な評価の手段の必要が増すであろう。供給業者の立場からすると、コンテンツが海賊行為またはコピーを受けずに物品交換または返金などのために返却されたことを確実にすることがさらに重要になってくるので、物品開封後の返却を認めることは、実行可能なオプションではない。
【0006】
物品の総合的な評価を可能にする方法または装置は、物品の価値を高め、販売量の増加とより高い顧客満足度という結果をもたらすだろう。したがって、物品が評価できるように、元のパッケージングを破らずに物品評価の目的のために物品コンテンツまたは他の情報にアクセスできることが望ましいだろう。消費者が購入前に店舗で、または購入後にそれぞれの家または仕事場で物品コンテンツの評価ができ、かつ、物品が物品交換または返金などのために店舗に返却するのに適切な状態であれば、さらに望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パッケージングを開封しないデジタル・コンテンツの評価を可能にするための方法を提供することによって、上述の必要性に対処している。第1のデジタル・コンテンツが、記憶媒体に記憶され、その後、記憶媒体は、密閉された筺体内に配置される。第2のデジタル・コンテンツを含む不揮発性メモリ・ハードウェアも、密閉された筺体内に配置されており、筺体の密閉を破ることなく第2のデジタル・コンテンツを外部装置に対して通信してもよい。
【0008】
不揮発性メモリ・ハードウェアは、記憶媒体上のデジタル・コンテンツについての情報を提供するデジタル・コンテンツを含む。不揮発性メモリ・ハードウェアは、構成可能な時間、記憶または転送データ量、または通信数などの様々な制約の下で外部装置と通信を行う。そして、不揮発性メモリ・ハードウェアは、再利用のために回収(recover)されるか、または密閉された筺体内で2次物品として販売されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、第1のデジタル・コンテンツを記憶するコンピュータ読み出し可能な記憶媒体と、第2のデジタル・コンテンツを記憶する不揮発性メモリ・ハードウェアとを含む、密閉された筺体またはパッケージングを提供する。記憶媒体およびハードウェアは、筺体を開封しないでは取り出すことができない。しかしながら、不揮発性メモリ・ハードウェアは、ポートまたは無線送信を通じるなどして、外部装置と通信が可能である。好ましくは、第2のデジタル・コンテンツは、消費者が第2のデジタル・コンテンツを第1のデジタル・コンテンツの「プレビュー」としてアクセスすることができるという具合に第1のデジタル・コンテンツと関連している。したがって、第2のデジタル・コンテンツは、アクセス可能期間、コンテンツの範囲、アクセス・セッション数、所定の機能の利用可能性、およびそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の特性において、第1のデジタル・コンテンツに対して制限を有していてもよい。
【0010】
第1のデジタル・コンテンツは、記憶媒体上に記憶される。このコンテンツは、音声コンテンツ、映像コンテンツ、ソフトウェア・コンテンツ、またはそれらの組み合わせであってもよい。そのようなコンテンツの最も典型的な例は、音楽アーティスト、映画、またはソフトウェア・アプリケーション・プログラムの記録であってもよい。記憶媒体は、この目的のために典型的に使用される任意の媒体であってもよく、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、カセット・テープ、有線記録、写真フィルムなどであってもよい。CDという例の場合、装置は、オーディオ・プレーヤ、ビデオ・プレーヤ、コンピュータなどであってもよい。最も典型的には、記憶媒体上に記憶されるデジタル・コンテンツは、製造者が販売したい物品であってもよい。
【0011】
そして、第2のデジタル・コンテンツは、不揮発性メモリ・ハードウェア上に記憶される。不揮発性メモリ・ハードウェアは、供給される電力がない場合でも情報を記憶可能なハードウェアである。不揮発性メモリ・ハードウェアの一般的な例は、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、およびコンピュータ・ハード・ディスク・ドライブである。
【0012】
不揮発性メモリ・ハードウェア上に記憶された第2のデジタル・コンテンツは、好ましくは、購買が見込まれる者に対して第1のデジタル・コンテンツまたは補足的な物品を通知するために選ばれる。例えば、第1のデジタル・コンテンツが音楽アルバムである場合に、第2のデジタル・コンテンツは、各歌の20秒のクリップか、または同じアーティストによる他のアルバムのリストであってもよい。第2のデジタル・コンテンツは、第1のデジタル・コンテンツの形式またはフォーマットと同一である必要はない。不揮発性メモリ・ハードウェアは、記憶媒体上に記憶されたデジタル・コンテンツの一部、広告または物品情報を含む文書、インターネットを介した情報の取得する方法についての指示、ログイン名およびパスワードを含んでもよく、またはファイル転送プロトコル(FTP)サイトに対する命令を行ってもよい。
【0013】
記憶媒体および不揮発性メモリ・ハードウェアは共に、密閉された筺体内に配置される。不揮発性メモリ・ハードウェアと外部装置との間の通信は、密閉された筺体を開封せずに可能である。例えば、CDケースは、ケースを開けるためには破らなければならない小さな銀色のシールを有することが多い。この場合に、CDケースは、不揮発性メモリ・ハードウェアにケーブルが結合可能な孔またはポートを有してもよい。このようにして、外部装置は、シールを破らずに、またはCDケースを開けずに、不揮発性メモリ・ハードウェアとの通信を行うことができよう。
【0014】
不揮発性メモリ・ハードウェアと通信する外部装置は、記憶媒体が対象としているのと同一の装置である必要はない。外部装置は、不揮発性メモリ・ハードウェア上に記憶された形式の情報にアクセス可能な任意の装置であってもよい。使用される最も典型的な外部装置は、コンピュータであろう。例えば、記憶媒体は、オーディオ・プレーヤと共に使用することが意図されているCDであってもよい。しかしながら、不揮発性メモリ・ハードウェアは、コンピュータと共に使用することが意図されているフラッシュ・メモリであってもよい。
【0015】
不揮発性メモリ・ハードウェアの電力の受け取りは、密閉された筺体内の小さな電池から、密閉された筺体外の電池から、電気コンセントに差し込むことによって、または通信している装置から行われてもよい。好ましい方法は、通信している装置から不揮発性メモリ・ハードウェアが電力を受けるというものである。この典型的な例は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ドライブである。コンピュータに差し込まれると、USBドライブは、接続自体を通じて、通信用の電力を受け取る。
【0016】
不揮発性メモリ・ハードウェアは、様々な外部装置と通信するためのいくつかの情報フォーマットを含んでもよい。例えば、携帯型マルチメディア・プレーヤ上での再生用の音声ストリーム、テレビまたはコンピュータ画面上での閲覧用の映像コンテンツ、プログラム・コンテンツのサンプル・プログラムまたはスクリーン・ショット、コンピュータ上での印刷または閲覧用のテキスト文書、または任意の他の適切な情報を含んでもよい。
【0017】
また、不揮発性メモリ・ハードウェアは、通信している外部装置の種類と、当該特定の外部装置と以前に通信したことがあるかどうかとを識別する手段を有していてもよい。不揮発性メモリ・ハードウェアは、さらに、構成可能な時間、転送データの構成可能量、構成可能な通信数、または任意の他の限定の分だけ特定の外部装置と通信するように構成されてもよい。不揮発性メモリ・ハードウェアと外部装置との間の通信の種類と長さを制御することによって、ユーザに提供される評価コンテンツの種類、期間、および範囲を、所望するならば制御および制限してもよい。また、外部装置の種類が識別されると不揮発性メモリ・ハードウェアによって通信されるデータ型が選択されてもよい。不揮発性メモリ・ハードウェアが通信中の相手を判断すると、適切なフォーマットのコンテンツが外部装置に提示されてもよい。代わりに、外部装置は、不揮発性メモリ・ハードウェア上の適合するファイル型を識別して、記憶されたすべてのコンテンツではなく、そのファイル型のみにアクセスできるようにしてもよい。これにより、同一の第2のデジタル・コンテンツを有する不揮発性メモリ・ハードウェアの複数のユニットが、要求に応じて1つ以上の互いに異なる種類の外部装置と通信することができる。
【0018】
記憶媒体上のデジタル・コンテンツを購入すると、不揮発性メモリ・ハードウェアは、再使用のために回収されてもよい。回収は、商品交換または返金など、もしくは消費者がハードウェアを返却する動機となるような他のものを提供することによって達成されてもよい。代わりに、不揮発性メモリ・ハードウェアは、個人的な再使用のための2次物品として、消費者が保存してもよい。これが特に適しているのは、例えば不揮発性メモリ・ハードウェアがUSBドライブの形式を取る場合である。再使用のために回収されると、不揮発性メモリ・ハードウェアは、同一の物品に対して使用する必要がない。不揮発性メモリ・ハードウェアは、他の物品製品についてのコンテンツまたは他のデジタル・コンテンツについての情報で再プログラミングされてもよい。
【0019】
図1は、デジタル記憶媒体12と不揮発性メモリ・ハードウェアとを含む筺体10の概略図である。デジタル・コンテンツは、音声コンテンツ、映像コンテンツ、またはソフトウェア・コンテンツなどの、媒体上に典型的に記憶される任意のコンテンツであってもよい。記憶媒体は、CDまたはDVDなどの、装置によって典型的に読み出される任意の媒体であってもよい。筺体10は、筺体10を意図しないで開封することを防止するシール11を実装する。シール11は、筺体10が開封されたことを示すための任意の種類のものであってもよい。除去および再取り付けができないような銀色の貼付剤の小片を、数多くのCDケースが使用している。このシール11を除去することによって、筺体が開封されたことが明らかになる。収縮包装などの他の密閉方法を単独または様々な組み合わせで使用してもよい。
【0020】
アクセス・ポート16が筺体上に設けられる。アクセス・ポートは、外部装置が不揮発性メモリ・ハードウェア14と通信できるようにするための任の種類のものであってもよい。このポートのいくつかの例として、USBポート、IEEE‐1394(Firewire)ポート、COM接続ポート、赤外線ポート、または無線ポートが挙げられてもよい。
【0021】
不揮発性メモリ・ハードウェア14が筺体10内に位置し、アクセス・ポート16を通じてアクセスされてもよい。不揮発性メモリ・ハードウェアの典型的な例は、フラッシュ・メモリ・ドライブである。不揮発性メモリ・ハードウェア14と別個の装置20との間の接続は、ケーブル18、無線接続、または任意の一般的に使用される接続手段によってもよい。
【0022】
アクセス・ポート16は、シール11を破ることなく使用されてもよい。不揮発性メモリ・ハードウェア14がアクセス・ポート16を通じてアクセスされる一方で、記憶媒体12は、シール11を破らずにを除去されたり、さもなければアクセスされることがないのは明らかであろう。
【0023】
外部装置20は、不揮発性メモリ・ハードウェアの部分から情報を取り出す。当該装置は、テレビ、パーソナル・コンピュータ、mp3プレーヤ、ビデオ・カメラ、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assitant)などの、不揮発性メモリ・ハードウェアと通信可能な任意のものであってもよい。
【0024】
図2(A)および図2(B)は、本発明の一実施形態を実施する媒体ケースの斜視図である。図2(A)において、媒体ケース30は、光学ディスクを受領および固定するための窪み37を有する。ディスクは、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、または適切な任意の他の記憶媒体であってもよい。記憶媒体を所定の位置に保持するためのラッチ35がある。媒体ケース30の上部35は、記憶媒体に対するアクセスを提供するためにケースが開いたり閉じたりすることができるようにするヒンジ31を有する。また、媒体ケース30は、ケース30を開封することなく外部装置が不揮発性メモリ・ハードウェア34と通信または電気的アクセスすることができるようにするためのスロット34を有する。不揮発性メモリ・ハードウェア34の典型的な例は、USB接続ポートを有するフラッシュ・メモリ・ドライブである。不揮発性メモリ・ハードウェア34は、不揮発性メモリ・ハードウェア34を所定の位置に保持する窪み36に配置される。不揮発性メモリ・ハードウェア34を所定の位置に保持するためのクリップ38があってもよい。
【0025】
図2(B)は、上部33が閉じた状態の媒体ケース30を示す。ケースは、シール39を実装またはシール39と共に使用されてもよい。スロット32によって、シール39を除去せずに不揮発性メモリ・ハードウェア(図示せず)に対する電子的アクセスまたは他のモードの通信が可能となる。不揮発性メモリ・ハードウェア(図示せず)は、媒体ケース30の他のコンテンツに対するアクセスを取得することなくアクセスされてもよい。
【0026】
図3は、様々な典型的な入力および出力装置を有するコンピュータ・システムである。コンピュータ・システム40は、表示装置42(モニタなど)と、表示画面44と、キャビネット46(CPU、RAM、ROM、ビデオ・カード、ハード・ドライブ、サウンド・カード、シリアル・ポートなどの、コンピュータにおいて典型的に見受けられる構成要素を密封している)と、キーボード48と、マウス43と、モデム45とを含む。マウス43は、ボタン41などの1つ以上のボタンを有してもよい。コンピュータは、コンピュータ・システム40がインターネットと接続されることができるようにするモデム45などの何らかの種類の通信装置を必要とする。他の可能な通信装置としては、イーサネット(登録商標)・ネットワーク・カードまたは無線ネットワーク・カードが含まれる。図1に示すような不揮発性メモリ・ハードウェア上に記憶された情報をアクセスするためにコンピュータが使用されてもよい。
【0027】
図3に示す上記の例は、構成上の制限を意味するものではない。例えば、ハンドヘルド装置、マイクロプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースまたはプログラム可能な民生電子機器、ネットワーク・パーソナル・コンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータなどといった、他のコンピュータ・システム構成において本発明が実施されてもよいことを当業者は理解するだろう。また、本発明は、通信ネットワークを介してリンクされる遠隔処理装置によってタスクが行われる、分散型コンピューティング環境において実施されてもよい。分散型コンピューティング環境において、プログラム・モジュールは、ローカルまたはリモートのメモリ記憶装置の両方に設置されてもよい。
【0028】
図4は、ケース30(図1、図2(A)、および図2(B)を参照)内の不揮発性メモリ・ハードウェア34と通信することが可能なコンピュータ・システム50の概略図である。システム50は、従来のパーソナル・コンピュータ50の形式の汎用コンピューティング装置であってもよい。一般的に、パーソナル・コンピュータ50は、処理ユニット51と、システム・メモリ52と、システム・バス53とを含む。システム・バス53は、システム・メモリ52から処理ユニット51までを含む様々なシステム構成要素を結合している。システム・バス53は、様々なバス・アーキテクチャのうちの任意のものを使用する、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、およびローカル・バスを含むいくつかの種類のバス構造のいずれであってもよい。システム・メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)54と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)55とを含む。基本入出力システム(BIOS)56がROM54に記憶されており、BIOS56は、スタートアップ中などにパーソナル・コンピュータ50内の要素間の情報転送を助ける基本ルーチンを含んでいる。
【0029】
コンピュータ50は、磁気ディスクからの読み出しおよびそこへの書き込みのためのハード・ディスク・ドライブ57と、着脱可能な磁気ディスからの読み出しおよびそこへの書き込みのための磁気ディスク・ドライブ58と、CD‐ROMまたは他の光学媒体などの着脱可能な光学ディスク61からの読み出しおよびそこへの書き込みのための光学ディスクドライブ60とを含む。ハード・ディスク・ドライブ57、磁気ディスク・ドライブ58、および光学ディスク・ドライブ60は、ハード・ディスク・ドライブ・インターフェース62、磁気ディスク・ドライブ・インターフェース63、および光学ディスク・ドライブ・インターフェース64によって、それぞれシステム・バス53に接続されている。本明細書に記載された環境例はハード・ディスク57と、着脱可能な磁気ディスク59と、着脱可能な光学ディスク61とを使用しているが、磁気カセット、フラッシュ・メモリ・カード、デジタル・ビデオ・ディスク、ベルヌーイ・カートリッジ、RAM、ROMなどの、コンピュータによってアクセス可能なデータを記憶できる、他の種類のコンピュータ読み出し可能な媒体がオペレーティング環境例において使用されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。ドライブおよびそれに関連するコンピュータ読み出し可能な媒体によって、コンピュータ実行可能な命令、データ構造、プログラム・モジュール、およびコンピュータ50に対する他のデータを不揮発的に記憶することができる。例えば、オペレーティング・システム65と、ウェブ・ブラウザ66またはマルチメディア・アプリケーション67などのアプリケーション・プログラムとは、コンピュータ50のRAM55またはハード・ディスク57もしくはその両方に記憶されてもよい。
【0030】
ユーザは、コマンドおよび情報を、キーボード70などの入力装置およびマウス71などのポインティング・デバイスを通じてパーソナル・コンピュータ50に入力する。他の入力装置(図示せず)としては、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星放送用アンテナ、スキャナなどが含まれてもよい。これらおよび他の入力装置は、システム・バス53に結合されるシリアル・ポート・インターフェース68を通じて処理ユニット51に接続されることが多いが、入力装置は、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)などの他のインターフェースによって接続されてもよい。また、表示装置(モニタ)72が、ビデオ・アダプタ69などのインターフェースを介してシステム・バス53に接続してもよい。モニタに加えて、パーソナル・コンピュータは、典型的には、スピーカおよびプリンタなどの他の周辺出力装置(図示せず)を含む。
【0031】
コンピュータ50は、1つ以上の遠隔コンピュータ74に対する論理接続を使用する、ネットワーク化された環境において動作してもよい。遠隔コンピュータ74は、他のパーソナル・コンピュータ、サーバ、クライアント、ルータ、ネットワークPC、ピア(peer)装置、メインフレーム、携帯情報端末、インターネットに接続された携帯電話、または他の一般的なネットワーク・ノードであってもよい。遠隔コンピュータ74は、典型的には、コンピュータ50に対する上述の構成要素の多くまたはすべてを含むが、メモリ記憶装置75だけが図示されている。図示の論理接続は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)76と、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)77とを含む。そのようなネットワーキング環境は、職場、企業全般に渡るコンピュータ・ネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0032】
LANネットワーキング環境において使用される場合には、コンピュータ50は、ネットワーク・インターフェースまたはアダプタ78を通じてローカル・エリア・ネットワーク76に接続されることが多い。WANネットワーキング環境において使用される場合には、コンピュータ50は、典型的には、モデム79、またはインターネットなどのWAN77上の高速通信を確立するための他の手段を含む。モデム79は、内部または外部にあってもよいが、シリアル・ポート・インターフェース68を介してシステム・バス53に接続される。ネットワーク化された環境において、パーソナル・コンピュータ50に対して示されるプログラム・モジュールまたはその部分は、遠隔メモリ記憶装置75に記憶されてもよい。図示のネットワーク接続は一例であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段を使用してもよいことが理解されるだろう。数多くのプログラム・モジュールが、ハード・ディスク57、磁気ディスク58、光学ディスク61、ROM54、またはRAM55上に記憶されてもよく、RAM55は、オペレーティング・システム65と、ブラウザ66と、マルチメディア・アプリケーション67とを含む。マルチメディア・アプリケーション67は、Microsoft Windows(登録商標) Media Playerなどのビデオおよびオーディオ・プレーヤであってもよい。また、マルチメディア・アプリケーション67は、Microsoft Word(R)などのワード処理プログラム、Microsoft PowerPoint(R)などのプレゼンテーション・プログラム、Microsoft Windows(登録商標) Picture and Fax Viewer(R)などのピクチャ・ビューワ、またはコンテンツをユーザに表示するような任意の他のプログラムであってもよい。
【0033】
本願の請求項および明細書において使用されるような「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、明記されていない他の要素を含みうるような開かれた群を示すものとみなされる。単数形の用語は、同用語の複数形を含むものとされ、何かが1つまたはそれ以上提供されることを意味している。「1つ(one)」または「単一(single)」という用語は、何かがたった1つであることが意図されていることを示すために使用される場合がある。同様に、「2つ(two)」などの他の特定の整数値は、何かが特定の数であることが意図されている場合に使用されている場合がある。「好ましくは(preferably)」、「好ましい(preferred)」、「好ましい(prefer)」、「〜の場合がある、〜であってもよい(may)」、および同様の用語は、言及されている項目、条件、またはステップが本発明のオプションの(必須ではない)特徴であることを示すために使用されている。
【0034】
本発明を限られた数の実施形態に関して説明してきたが、本会時の利益を有する当業者は、本明細書に開示されるような発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を考案可能であることを理解するだろう。したがって、本発明は、添付の請求項によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】デジタル記憶媒体と不揮発性メモリ・ハードウェアとを含む密閉された筺体の概略表現である。
【図2】本発明の一実施形態を実施する媒体ケースの斜視図である。(A)は開いた状態、(B)は閉じた状態を示す。
【図3】様々な典型的な入力および出力装置を有するコンピュータ・システムである。
【図4】ブラウザとネットワーク・アクセスとを有するコンピュータ・システムの概略図である。
【符号の説明】
【0036】
10 筺体
11 シール
12 デジタル記憶媒体
14 不揮発性メモリ・ハードウェア
16 アクセス・ポート
18 ケーブル
20 外部装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品のコンテンツまたは情報に対する制御されたアクセスを可能にする方法であって、
第1のデジタル・コンテンツをコンピュータ読み出し可能な記憶媒体上に記憶するステップと、
第2のデジタル・コンテンツを不揮発性メモリ・ハードウェア上に記憶するステップと、
前記記憶媒体と前記不揮発性メモリ・ハードウェアとを密閉された筺体内に配置するステップと、
前記密閉された筺体を開けずに、前記第1のデジタル・コンテンツに対してアクセスすることを防止するステップと、
前記密閉された筺体を開けずに、前記不揮発性メモリ・ハードウェアから前記第2のデジタル・コンテンツを読み出し可能な外部装置への前記第2のデジタル・コンテンツの通信を可能にするステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のデジタル・コンテンツは、音声コンテンツ、映像コンテンツ、ソフトウェア・コンテンツ、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
USB、IEEE−1394(Firewire)、COM接続、赤外線、無線、任意の登録されたジャック、RCAジャック、光ファイバ、イーサネット(登録商標)・ポート、イーサネット(登録商標)・ケーブル、または電話ジャックという群から選ばれる一般的に使用される通信接続を介して、前記不揮発性メモリ・ハードウェアをアクセスするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記不揮発性メモリ・ハードウェア上の物品情報および物品コンテンツは、前記外部装置へ読み出される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記不揮発性メモリ・ハードウェアは、ウェブサイト・アドレス、ログイン名、パスワード、インターネット上の物品コンテンツまたは物品情報をアクセスするための命令、ファイル転送プロトコル(FTP)アドレス、物品コンテンツまたは物品情報をダウンロードするための命令、物品についてのプレゼンテーション、物品についての文書、広告資料、前記物品コンテンツの一部、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる情報を記憶する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記不揮発性メモリ・ハードウェアは、電池、電気コンセント、または前記不揮発性メモリ・ハードウェアが通信している前記外部装置に対する接続からなる群から選ばれる供給源から電力を受ける、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記密閉された筺体を開けた後で前記不揮発性メモリ・ハードウェアを回収するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
他の密閉された筺体内の前記不揮発性メモリ・ハードウェアを再プログラミングおよび再使用するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記不揮発性メモリ・ハードウェアによって行われる、
前記不揮発性メモリ・ハードウェアと通信する前記外部装置を識別するステップと、
前記不揮発性メモリ・ハードウェアと通信した前記外部装置の記録を保持するステップと、
構成可能な時間、転送データの構成可能量、または当初のアクセス後の構成可能な通信数の分だけ外部装置と通信を行うステップと、
前記不揮発性メモリ・ハードウェア上に記憶された情報を、前記不揮発性メモリ・ハードウェアと以前に通信したことのない新規の外部装置との通信用に保持するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記不揮発性メモリ・ハードウェア上に様々な形式のコンテンツを記憶するステップであって、互いに異なる形式は、互いに異なる種類の外部装置によってアクセスされる、ステップと、
前記不揮発性メモリ・ハードウェアによって識別される外部装置の種類に基づいて、適切にフォーマット化されたコンテンツを提示するステップと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−159239(P2008−159239A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300456(P2007−300456)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】