説明

物品搬送設備

【課題】コストを抑えながら物品を移載するときに物品の平面視の姿勢が崩れることを防止できる物品搬送設備を提供する。
【解決手段】物品Wを搬送姿勢で搬送方向に沿って載置搬送する搬送コンベヤ3と、搬送コンベヤ3の移載箇所Aと自己との間で物品Wを移載する移載装置4と、搬送コンベヤ3における移載箇所Aの搬送方向の上流側又は下流側のいずれか一方側に、搬送コンベヤ3にて搬送される物品Wを移載箇所にて受け止める受け止め体18とを備え、移載箇所Aに位置する物品Wを受け止め体18が位置する側に載置搬送するように搬送コンベヤ3を搬送作動させた状態で、移載装置4にて物品Wを移載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送姿勢で搬送方向に沿って載置搬送する搬送コンベヤと、前記搬送姿勢における物品の搬送方向の中間部に位置する被作用部に作用して、前記搬送方向と交差する移載方向に物品を押し操作又は引き操作することで、前記搬送コンベヤの移載箇所と自己との間で物品を移載する移載装置と、前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御する制御手段とを備えて構成されている物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備は、搬送コンベヤにて物品を移載箇所に載置搬送し、その移載箇所に搬送された物品を移載装置に移載する、又は、移載装置から搬送コンベヤの移載箇所に物品を移載し、その移載箇所に移載された物品を搬送コンベヤにて載置搬送するときに用いられるものである。
そして、このような物品搬送設備において、従来では、物品を搬送コンベヤの移載箇所から移載装置に移載する場合では、物品の搬送方向の中央部に位置する被作用部を移載装置にて引き操作して、当該物品を移載装置に移載している。また、物品を移載装置から搬送コンベヤの移載箇所に移載する場合では、物品の搬送方向の中央部に位置する被作用部を移載装置にて押し操作して、当該物品を搬送コンベヤの移載箇所に移載している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−29207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の物品搬送設備では、搬送姿勢における物品の搬送方向の中央部に位置する被作用部に作用して押し操作又は引き操作しているため、物品の重心が搬送方向の一方側に偏っている場合では、物品の平面視での姿勢が回転してしまって適切に移載できない場合があった。
具体的には、図6に示すように、物品の重心が搬送方向の一方側に偏っている場合では、移載装置4にて物品Wを押し操作して移載装置4から搬送コンベヤ3の移載箇所Aに移載するときに、物品Wが回転して物品Wの姿勢が搬送姿勢から傾くために搬送コンベヤ3のフレームに引っ掛かる可能性があり、また、移載装置4にて物品Wを引き操作して搬送コンベヤ3の移載個所Aから移載装置4に移載するときに、物品Wが回転して物品Wの姿勢が搬送姿勢から傾くことで移載箇所Aまで物品Wを押し込めない可能性がある。
【0005】
そこで、移載装置にて押し引き操作して物品を移載するときに物品が回転しないように、移載箇所の移載方向の一方側と他方側との一対の案内体を設けて、物品を移載するときに一対の案内体にて物品の両横側部を案内することで物品の姿勢が崩れることを防止することが考えられるが、受け止め体を一対設ける必要があるため、物品搬送設備のコストが高くなってしまう。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、コストを抑えながら物品を移載するときに物品の平面視の姿勢が崩れることを防止できる物品搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる物品搬送設備は、物品を搬送姿勢で搬送方向に沿って載置搬送する搬送コンベヤと、前記搬送姿勢における物品の搬送方向の中間部に位置する被作用部に作用して、前記搬送方向と交差する移載方向に物品を押し操作又は引き操作することで、前記搬送コンベヤの移載箇所と自己との間で物品を移載する移載装置と、前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御する制御手段とを備えて構成されているものであって、その第1特徴構成は、
前記搬送コンベヤにおける前記移載箇所の搬送方向の上流側又は下流側のいずれか一方側に、前記搬送コンベヤにて搬送される物品を前記移載箇所にて受け止める受け止め体が備えられ、前記制御手段が、前記移載箇所に位置する物品を前記受け止め体が位置する側に載置搬送するように前記搬送コンベヤを搬送作動させた状態で、前記移載装置にて物品を移載するべく、前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0008】
すなわち、移載箇所に位置する物品を受け止め体が位置する側に載置搬送するように搬送コンベヤを搬送作動させた状態で、移載装置にて物品を移載している。つまり、搬送コンベヤの搬送作動により物品が受け止め体に押し付けられるため、物品の平面視姿勢を搬送姿勢に維持させ易く、物品の平面視姿勢を搬送姿勢から崩れることを防止できる。このように移載対象の物品が受け止め体に押し付けられた状態で移載装置にて物品を移載することで、物品の平面視姿勢の崩れを防止した状態で物品を適切に移載することができる。
そして、受け止め体は、移載箇所の搬送方向の上流側又は下流側のいずれか一方のみでよく、また、搬送コンベヤの搬送機能は物品を載置搬送するために予め備えられている機能であり、別途新たな装置を設けることなく物品を受け止め体に押し付けることができるため、受け止め体を移載箇所の両側に設けた場合や物品を受け止め体に押し付ける装置を別途設ける場合に比べて、物品の姿勢が搬送姿勢から崩れることを低コストで防止することができる。
従って、コストを抑えながら物品を移載するときに物品の平面視の姿勢が崩れることを防止できるに至った。
【0009】
本発明にかかる物品搬送設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記搬送コンベヤが、その搬送方向の上流側端部に前記移載箇所が設定され、且つ、正方向に搬送作動することで物品を搬送方向の上流側から下流側に向けて載置搬送するように構成され、前記受け止め体が、前記移載箇所の上流側に位置固定状態で備えられ、前記制御手段が、前記移載箇所に位置する物品を上流側に載置搬送するように前記搬送コンベヤを逆方向に搬送作動させた状態で、前記移載装置から前記移載箇所に物品を移載し、その後、前記移載箇所に位置する物品を下流側に載置搬送するように前記搬送コンベヤを正方向に搬送作動させるべく、前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0010】
すなわち、移載装置にて移載箇所に移載された物品は、搬送コンベヤを正方向に搬送作動させることで、物品を上流側に設けられた移載箇所から下流側に搬送することができる。移載装置から搬送コンベヤの移載箇所に物品を移載するときは、搬送コンベヤを通常の搬送方向とは逆方向に搬送作動させた状態とすることで、移載対象の物品が移載箇所の上流側に備えられた受け止め体に押し付けられ、このように移載対象の物品が移載箇所の上流側に備えられた受け止め体に押し付けられた状態で移載装置にて物品を移載することで、物品の姿勢の崩れを防止した状態で物品を適切に移載することができる。
そして、受け止め体は、移載箇所の搬送方向の上流側に設けられるために、搬送コンベヤにて物品を移載箇所からその下流側に搬送するときに受け止め体が邪魔にならず、例えば、物品の搬送経路から退避させるために受け止め体を移動自在に設ける必要がないため、受け止め体を低コストで設けることができる。
【0011】
本発明にかかる物品搬送設備の第3特徴構成は、第1特徴構成において、前記搬送コンベヤにおける搬送方向の下流側端部に前記移載箇所が設定され、且つ、正方向に搬送作動することで物品を搬送方向の上流側から下流側に向けて載置搬送するように構成され、前記受け止め体が、前記移載箇所の下流側に位置固定状態で備えられ、前記制御手段が、前記移載箇所に位置する物品を下流側に載置搬送するように前記搬送コンベヤを正方向に搬送作動させた状態で、前記移載箇所から前記移載装置に物品を移載するべく、前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0012】
すなわち、移載装置にて移載箇所に移載された物品は、搬送コンベヤを正方向に搬送作動させることで、物品を上流側から移載箇所が設定された下流側に搬送することができる。移載装置から搬送コンベヤの移載箇所に物品を移載するときは、搬送コンベヤを通常の搬送方向と同様に正方向に搬送作動させた状態とすることで、移載対象の物品が移載箇所の下流側に備えられた受け止め体に押し付けられ、このように移載対象の物品が移載箇所の下流側に備えられた受け止め体に押し付けられた状態で移載装置にて物品を移載することで、物品の姿勢の崩れを防止した状態で物品を適切に移載することができる。
そして、受け止め体は、移載箇所の搬送方向の下流側に設けられるために、搬送コンベヤにて物品を上流側から移載箇所に搬送するときに受け止め体が邪魔にならず、例えば、物品の搬送経路から退避させるために受け止め体を移動自在に設ける必要がないため、受け止め体を低コストで設けることができる。
【0013】
本発明にかかる物品搬送設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記移載箇所の物品及び前記移載装置にて移載されている物品の姿勢が前記搬送姿勢から崩れているか否かを検出する姿勢検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記姿勢検出手段にて物品の姿勢が崩れていることが検出されている状態では、前記搬送コンベヤを搬送作動させた状態で前記移載装置にて物品を移載し、前記姿勢検出手段にて物品の姿勢が崩れていることが検出されていない状態では、前記搬送コンベヤの搬送作動を停止させた状態で前記移載装置にて物品を移載するように、前記姿勢検出手段の検出情報に基づいて、前記搬送コンベヤ及び移載装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0014】
すなわち、姿勢検出手段にて物品の姿勢が崩れていることが検出されている状態では、搬送コンベヤを搬送作動させた状態で移載装置にて物品を移載するため、搬送コンベヤの搬送作動により物品の姿勢を搬送姿勢に正した状態で当該物品を移載装置にて適切に移載することができる。また、姿勢検出手段にて物品の姿勢が崩れていることが検出されていない状態では、搬送コンベヤの搬送作動を停止させた状態で移載装置にて物品を移載するため、常に搬送コンベヤを搬送作動させた状態で移載装置にて物品を移載する場合に比べて、物品の底面の摩耗を抑えることやランニングコストを抑えることができる。
【0015】
本発明にかかる物品搬送設備の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれか1つにおいて、前記移載装置が、自動倉庫に設置されたスタッカークレーンの昇降台に載置支持され、前記搬送コンベヤが、前記自動倉庫から物品を出庫する出庫用搬送コンベヤ又は前記自動倉庫に物品を入庫する入庫用搬送コンベヤとして設けられている点にある。
【0016】
すなわち、入庫用搬送コンベヤから昇降台に載置支持された移載装置への物品の移載、又は、昇降台に載置支持された移載装置から出庫用搬送コンベヤへの物品の移載を適確に行うことができながら、入庫用搬送コンベヤ又は出庫用搬送コンベヤの構成の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】物品搬送設備の平面図
【図2】移載箇所から移載装置への物品移載作用図
【図3】移載装置から移載箇所への物品移載作用図
【図4】物品の姿勢が崩れた場合の移載箇所から移載装置への物品移載作用図
【図5】物品の姿勢が崩れた場合の移載装置から移載箇所への物品移載作用図
【図6】制御ブロック図
【図7】入庫制御のフローチャート
【図8】出庫制御のフローチャート
【図9】従来の物品移載作用図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、物品Wを収納する収納部1を縦横に備えた物品収納棚2と、物品Wを搬送姿勢で搬送方向に沿って載置搬送する搬送コンベヤ3と、搬送姿勢における物品Wの搬送方向の中間部に位置する被作用部7に作用して、搬送方向と直交する移載方向に物品Wを押し操作又は引き操作することで、搬送コンベヤ3と自己との間及び収納部1と自己との間で物品Wを移載する移載装置4を備えたスタッカークレーン5と、搬送コンベヤ3及びスタッカークレーン5(移載装置4)の作動を制御する制御手段H(図6参照)とを備えて構成されている。ちなみに、物品収納棚2とスタッカークレーン5とで自動倉庫6が構成されている。
【0019】
物品Wは、搬送姿勢において搬送方向に沿う辺が短辺となり、搬送方向と直交する辺が長辺となる平面視矩形状に形成されており、このような平面視矩形状に形成されたトレーTと、それに載置支持される荷Nとで構成されている。ちなみに、トレーTは複数個の荷Nを載置支持可能に構成されている。
【0020】
また、トレーTにおける搬送方向の中間部で且つ移載方向の両端部が、移載装置4が作用する被作用部7として構成されている。説明を加えると、トレーTにおける搬送方向の中間部で且つ移載方向の両端部には、移載装置4の係合爪12が下方から係合可能な係合孔7aが形成されており、移載方向の両端面が、移載装置4に係合爪12にて押し操作可能な鉛直な操作面7bに形成されている。ちなみに、係合孔7aの搬送方向の幅は、係合爪12の搬送方向の幅より大きく、また、係合孔7aの移載方向の幅は、係合爪12の移載方向の幅より大きく形成されており、係合爪12が係合孔7aに対して係脱し易くなっている。
【0021】
自動倉庫6に設置されたスタッカークレーン5は、搬送コンベヤ3の搬送方向に沿って走行自在に設けられており、そのスタッカークレーン5には、支柱9に沿って上下方向に沿って昇降自在な昇降台10が設けられている。移載装置4は、スタッカークレーン5の昇降台10に載置支持されている。
【0022】
移載装置4には、上下方向及び移載方向に移動自在な係合爪12と、物品Wを移載方向に沿って案内する案内体13とが設けられている。
係合爪12は、上下方向及び搬送方向に沿う薄板状に形成されており、係合爪12として、移載方向の一方側に位置する収納部1及び搬送コンベヤ3との間で物品Wを移載するための第1係合爪12aと、移載方向の他方側に位置する収納部1及び搬送コンベヤ3との間で物品Wを移載するための第2係合爪12bとが備えられている。
そして、第1係合爪12aと第2係合爪12bとは、連結部14にて互いに連結されて一体形成されており、昇降用電動モータの作動により昇降台10に対して一体的に上下方向に昇降移動し、出退用電動モータの作動により昇降台10に対して一体的に移載方向に出退移動するように構成されている。
【0023】
係合爪12の移動についての詳細な説明は省略するが、係合爪12の上端が移載箇所Aに位置する物品Wの下面より下方に位置する退避高さと、係合爪12の上端が移載箇所Aに位置する物品Wの下面より上方に位置して被作用部7に作用可能な作用高さとに昇降移動可能に構成されており、また、退避高さ及び作用高さのいずれの高さにおいても、移載方向に沿って係合爪12を出退移動可能に構成されている。
【0024】
そして、図2に示すように、物品Wを搬送コンベヤ3の移載箇所Aから移載装置4に移載する場合は、対応する係合爪12を物品Wの係合孔7aに係合させるべく作用高さに上昇移動させた状態で移載装置4側に引退移動させて、物品Wを引き操作している。
また、図3に示すように、物品Wを移載装置4から搬送コンベヤ3の移載箇所Aに移載する場合は、対応する係合爪12を作用高さに上昇移動させた状態で移載箇所A側に突出移動させて、物品Wの操作面7bを押し操作している。
【0025】
搬送コンベヤ3は、回転ローラ16が搬送方向に複数並設されたローラ式のコンベヤに構成されており、搬送される物品Wの両側に回転ローラ16の搬送面より上方に突出する状態で一対のガイド体17が設けられており、この一対のガイド体17にて物品Wを搬送方向に沿って案内するように構成されている。
【0026】
そして、搬送コンベヤ3における移載箇所Aの搬送方向の上流側又は下流側のいずれか一方側に、搬送コンベヤ3にて搬送される物品Wを移載箇所Aにて受け止める受け止め体18が備えられている。また、搬送コンベヤ3には、移載箇所Aの物品W及び移載装置4にて移載されている物品Wの姿勢が搬送姿勢から崩れているか否かを検出する姿勢検出手段としての物品存否検出センサ19が設けられている。
受け止め体18は、物品Wを搬送姿勢で受け止めるように移載箇所A側の面が上下方向及び移載方向に沿う平坦な面に形成されている。
また、物品存否検出センサ19は、投光器と受光器とで構成されており、投光器から投光された検出光が、搬送姿勢から崩れることで移載箇所Aから突出した物品Wにより遮断されて検出光を受光器にて受光できなくなることにより、物品Wが存在していることを検出するように構成されている。
【0027】
搬送コンベヤ3の移載箇所Aの回転ローラ16の一部は、物品Wを移載するべく移動する係合爪12と干渉しないように短く形成されている。また、搬送コンベヤ3の移載箇所Aにおいては、物品Wを移載方向に沿って移載可能なように移載装置4が位置する側にはガイド体17が設けられていない。
【0028】
搬送コンベヤ3として、移載装置4に対して移載方向の一方側に設けられて自動倉庫6に物品Wを入庫する入庫用搬送コンベヤ3aと、移載装置4に対して移載方向の他方側に設けられて自動倉庫6から物品Wを出庫する出庫用搬送コンベヤ3bとが設けられている。
【0029】
入庫用搬送コンベヤ3aは、その搬送方向の下流側端部に移載箇所Aが設定され、且つ、正方向に搬送作動することで物品Wを搬送方向の上流側から下流側に位置する移載箇所Aに向けて載置搬送するように構成されている。そして、入庫用搬送コンベヤ3aに備えられる受け止め体18が、移載箇所Aの下流側に位置固定状態で備えられており、入庫用搬送コンベヤ3aに備えられる物品存否検出センサ19が、移載箇所Aの上流側に位置固定状態で備えられている。
入庫用搬送コンベヤ3aの受け止め体18は、物品Wが移載箇所Aより下流側に搬送されることを規制し、入庫用搬送コンベヤ3aの物品存否検出センサ19は、搬送姿勢から崩れることで物品Wが移載箇所Aより上流側に突出したことを検出するように設けられている。
【0030】
また、出庫用搬送コンベヤ3bは、その搬送方向の上流側端部に移載箇所Aが設定され、且つ、正方向に搬送作動することで物品Wを搬送方向の上流側に位置する移載箇所Aから下流側に向けて載置搬送するように構成されている。そして、この出庫用搬送コンベヤ3bに備えられる受け止め体18が、移載箇所Aの上流側に位置固定状態で備えられており、出庫用搬送コンベヤ3bに備えられる物品存否検出センサ19が、移載箇所Aの下流側に位置固定状態で備えられている。
出庫用搬送コンベヤ3bの受け止め体18は、物品Wが移載箇所Aより上流側に搬送されることを規制し、出庫用搬送コンベヤ3bの物品存否検出センサ19は、搬送姿勢から崩れることで物品Wが移載箇所Aより下流側に突出したことを検出するように設けられている。
【0031】
物品Wを自動倉庫6に入庫する場合、制御手段Hは、入庫用搬送コンベヤ3aを正方向に搬送作動させて物品Wを移載箇所Aまで搬送し、その後、物品存否検出センサ19にて物品Wの姿勢の崩れていることが検出されていない状態では、入庫用搬送コンベヤ3aの搬送作動を停止させた状態で移載箇所Aから移載装置4に物品Wを移載し、物品存否検出センサ19にて物品Wの姿勢が崩れていることが検出されている状態では、入庫用搬送コンベヤ3aを正方向に搬送作動させた状態で移載箇所Aから移載装置4に物品Wを移載するべく、入庫用搬送コンベヤ3a及び移載装置4の作動を制御するように構成されている。
ちなみに、入庫用搬送コンベヤ3aを移載箇所Aに位置する物品Wを下流側に載置搬送するように搬送作動させた状態を、入庫用搬送コンベヤ3aを正方向に搬送作動させた状態と称している。
【0032】
また、物品Wを自動倉庫6から出庫する場合、制御手段Hは、物品存否検出センサ19にて物品Wの姿勢の崩れていることが検出されていない状態では、出庫用搬送コンベヤ3bの搬送作動を停止させた状態で移載装置4から移載箇所Aに物品Wを移載し、物品存否検出センサ19にて物品Wの姿勢が崩れていることが検出されている状態では、出庫用搬送コンベヤ3bを逆方向に搬送作動させた状態で、移載装置4から移載箇所Aに物品Wを移載し、その後、出庫用搬送コンベヤ3bを正方向に搬送作動させて物品Wを移載箇所Aから搬送するべく、出庫用搬送コンベヤ3b及び移載装置4の作動を制御するように構成されている。
ちなみに、出庫用搬送コンベヤ3bを移載箇所Aに位置する物品Wを下流側に載置搬送するように搬送作動させた状態を、出庫用搬送コンベヤ3bを正方向に搬送作動させた状態と称し、出庫用搬送コンベヤ3bを移載箇所Aに位置する物品Wを上流側に載置搬送するように搬送作動させた状態を、出庫用搬送コンベヤ3bを逆方向に搬送作動させた状態と称している。
【0033】
このように制御手段Hは、物品存否検出センサ19にて物品Wの姿勢が崩れていることが検出されている状態では、移載箇所Aに位置する物品Wを受け止め体18が位置する側に載置搬送するように搬送コンベヤ3を搬送作動させた状態で移載装置4にて物品Wを移載し、物品存否検出センサ19にて物品Wの姿勢が崩れていることが検出されていない状態では、搬送コンベヤ3の搬送作動を停止させた状態で移載装置4にて物品Wを移載するように、物品存否検出センサ19の検出情報に基づいて、搬送コンベヤ3及び移載装置4の作動を制御するように構成されている。
【0034】
物品Wを自動倉庫6に入庫するときに制御手段Hが実行する入庫制御について、図7のフローチャートに基づいて説明する。
入庫制御では、まず、入庫用搬送コンベヤ3aを正方向に搬送作動させて、物品存否検出センサ19にて物品Wの存在が検出された後、物品Wが入庫用搬送コンベヤ3aの移載箇所Aまで載置搬送されるのに要する時間として設定された設定時間が経過するまで、入庫用搬送コンベヤ3aの搬送作動が継続する。(ステップ1,2)
そして、設定時間が経過したときに、物品存否検出センサ19にて物品Wの存在が検出されない場合は、入庫用搬送コンベヤ3aの作動を停止し、物品Wを入庫用搬送コンベヤ3aの移載箇所Aから移載装置4に物品Wを移載するべく移載装置4による移載作動が開始される。(ステップ3,4,5)
設定時間が経過したときに、物品存否検出センサ19にて物品Wの存在が検出されている場合は、入庫用搬送コンベヤ3aによる搬送に不具合が生じているとして、入庫用搬送コンベヤ3aの作動を停止させて警報を作動させる等のエラー処理を実行する。(ステップ10)
【0035】
図4(a)に示すように、移載装置4にて物品Wを移載している途中に、物品存否検出センサ19にて物品Wの存在が検出されると、物品Wの姿勢が崩れたとして、図4(b)に示すように、入庫用搬送コンベヤ3aを正方向に搬送作動を開始させる。(ステップ6,7)
移載装置4による移載が完了すると、移載装置4の作動を停止させ、入庫用搬送コンベヤ3aを作動させていた場合はその作動を停止させて、入庫制御を終了する。(ステップ8,9)
【0036】
次に、物品Wを自動倉庫6から出庫するときに制御手段Hが実行する出庫制御について、図8のフローチャートに基づいて説明する。
出庫制御では、まず、物品Wを移載装置4から出庫用搬送コンベヤ3bの移載箇所Aに移載するべく移載装置4の移載作動が開始される。(ステップ11)
図5(a)に示すように、移載装置4にて物品Wを移載している途中に、物品存否検出センサ19にて物品Wの存在が検出されると、物品Wの姿勢が崩れたとして、図5(b)に示すように、出庫用搬送コンベヤ3bを逆方向の搬送作動を開始させる。(ステップ12,13)
移載装置4による移載が完了すると、移載装置4の作動を停止させ、出庫用搬送コンベヤ3bを正方向に搬送作動を開始し、物品Wを所定位置まで搬送した後に出庫用搬送コンベヤ3bの作動を停止させて、出庫制御を終了する。(ステップ14〜16)
【0037】
このように移載箇所Aに位置する物品Wが受け止め体18側に搬送されるように搬送コンベヤ3を搬送作動させながら移載装置4にて物品Wを移載することで、移載装置4と搬送コンベヤ3の移載箇所Aとの間で物品Wを移載するときに物品Wの姿勢を搬送姿勢に維持させ易く、物品Wの移載を適確に行うことができる。また、搬送コンベヤ3を搬送作動させることで、移載箇所Aに対して搬送方向の一方側のみに受け止め体18を設けるだけでよいので、搬送コンベヤ3の構成の簡素化、ひいては、物品搬送設備の構成の簡素化を図ることができる。
【0038】
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、物品存否検出センサ19にて物品Wの姿勢が崩れていることが検出されている状態では、搬送コンベヤ3を搬送作動させた状態で移載装置4にて物品Wを移載し、物品存否検出センサ19にて物品Wの姿勢が崩れていることが検出されていない状態では、搬送コンベヤ3の搬送作動を停止させた状態で移載装置4にて物品Wを移載したが、移載装置にて物品を移載する間、常に搬送コンベヤ3を搬送作動させた状態で移載装置4にて物品Wを移載するようにしてもよい。
【0039】
(2) 上記実施形態では、搬送コンベヤ3における搬送方向の端部に移載箇所Aを設定したが、搬送コンベヤ3における搬送方向の中間部に移載箇所Aを設定してもよい。
この場合、搬送コンベヤ3にて搬送される物品Wを受け止める作用位置と、搬送コンベヤ3による物品Wの搬送を許容する退避位置とに移動自在な可動式の受け止め体18を、搬送コンベヤ3における移載箇所Aの搬送方向の上流側又は下流側のいずれか一方に設ける。そして、受け止め体18を移載箇所Aの搬送方向の下流側に設けた場合は、搬送コンベヤ3を正方向に搬送作動させて物品Wを受け止め体18に押し付け、受け止め体18を移載箇所Aの搬送方向の上流側に設けた場合は、搬送コンベヤ3を逆方向に搬送作動させて物品Wを受け止め体18に押し付ける。
【0040】
(3) 上記実施形態では、入庫用搬送コンベヤ3aと出庫用搬送コンベヤ3bとの両方に受け止め体18を備えたが、入庫用搬送コンベヤ3a又は出庫用搬送コンベヤ3bのいずれか一方の搬送コンベヤ3のみに受け止め体18を備えてもよい。
【0041】
(4) 上記実施形態では、入庫用搬送コンベヤ3aと出庫用搬送コンベヤ3bとを別々に設けたが、搬送方向を正方向に搬送作動させた状態と逆方向に搬送させた状態とに切り換えることで、1台の搬送コンベヤ3を入庫用搬送コンベヤ3aと出庫用搬送コンベヤ3bとに兼用してもよい。
【0042】
(5) 上記実施形態では、物品Wを、搬送方向に沿う辺が短辺となり、搬送方向と直交する辺が長辺となる姿勢を搬送姿勢としたが、物品Wを、搬送方向に沿う辺が長辺となり、搬送姿勢と直交する辺が短辺となる姿勢を搬送姿勢としてもよい。また、荷Nを載置支持したトレーTを物品Wとしたが、荷を載置支持したパレットや荷を収納したカートンケース、又は、荷そのものを物品Wとしてもよい。
また、上記実施形態では、搬送方向での幅が同じサイズの物品Wを搬送したが、搬送方向での幅が異なる複数サイズの物品Wを搬送してもよい。
【符号の説明】
【0043】
3 搬送コンベヤ
3a 入庫用搬送コンベヤ
3b 出庫用搬送コンベヤ
5 スタッカークレーン
6 自動倉庫
7 被作用部
10 昇降台
18 受け止め体
19 姿勢検出手段
A 移載箇所
H 制御手段
W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送姿勢で搬送方向に沿って載置搬送する搬送コンベヤと、
前記搬送姿勢における物品の搬送方向の中間部に位置する被作用部に作用して、前記搬送方向と交差する移載方向に物品を押し操作又は引き操作することで、前記搬送コンベヤの移載箇所と自己との間で物品を移載する移載装置と、
前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御する制御手段とを備えて構成されている物品搬送設備であって、
前記搬送コンベヤにおける前記移載箇所の搬送方向の上流側又は下流側のいずれか一方側に、前記搬送コンベヤにて搬送される物品を前記移載箇所にて受け止める受け止め体が備えられ、
前記制御手段が、前記移載箇所に位置する物品を前記受け止め体が位置する側に載置搬送するように前記搬送コンベヤを搬送作動させた状態で、前記移載装置にて物品を移載するべく、前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御するように構成されている物品搬送設備。
【請求項2】
前記搬送コンベヤが、その搬送方向の上流側端部に前記移載箇所が設定され、且つ、正方向に搬送作動することで物品を搬送方向の上流側から下流側に向けて載置搬送するように構成され、
前記受け止め体が、前記移載箇所の上流側に位置固定状態で備えられ、
前記制御手段が、前記移載箇所に位置する物品を上流側に載置搬送するように前記搬送コンベヤを逆方向に搬送作動させた状態で、前記移載装置から前記移載箇所に物品を移載し、その後、前記移載箇所に位置する物品を下流側に載置搬送するように前記搬送コンベヤを正方向に搬送作動させるべく、前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御するように構成されている請求項1記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記搬送コンベヤにおける搬送方向の下流側端部に前記移載箇所が設定され、且つ、正方向に搬送作動することで物品を搬送方向の上流側から下流側に向けて載置搬送するように構成され、
前記受け止め体が、前記移載箇所の下流側に位置固定状態で備えられ、
前記制御手段が、前記移載箇所に位置する物品を下流側に載置搬送するように前記搬送コンベヤを正方向に搬送作動させた状態で、前記移載箇所から前記移載装置に物品を移載するべく、前記搬送コンベヤ及び前記移載装置の作動を制御するように構成されている請求項1記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記移載箇所の物品及び前記移載装置にて移載されている物品の姿勢が前記搬送姿勢から崩れているか否かを検出する姿勢検出手段が設けられ、
前記制御手段が、前記姿勢検出手段にて物品の姿勢が崩れていることが検出されている状態では、前記搬送コンベヤを搬送作動させた状態で前記移載装置にて物品を移載し、前記姿勢検出手段にて物品の姿勢が崩れていることが検出されていない状態では、前記搬送コンベヤの搬送作動を停止させた状態で前記移載装置にて物品を移載するように、前記姿勢検出手段の検出情報に基づいて、前記搬送コンベヤ及び移載装置の作動を制御するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記移載装置が、自動倉庫に設置されたスタッカークレーンの昇降台に載置支持され、
前記搬送コンベヤが、前記自動倉庫から物品を出庫する出庫用搬送コンベヤ又は前記自動倉庫に物品を入庫する入庫用搬送コンベヤとして設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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