物品移送装置
【課題】本発明の目的は、生産効率の低下を防止することができる物品移送装置を提供することである。
【解決手段】本発明に係る物品加速装置400においては、筒部430が下方向に延設され、第1筒部431と直筒部415とにより形成された環状間隙が該筒部430の上部に設けられ、筒部430に沿った方向に送風し、第4筒部434と直筒部425とにより形成された環状間隙が送風部に対応した下方において送風部からの送風を吸引する。そして、送風部と外案内部とによって層流の気体FSを発生させる。
【解決手段】本発明に係る物品加速装置400においては、筒部430が下方向に延設され、第1筒部431と直筒部415とにより形成された環状間隙が該筒部430の上部に設けられ、筒部430に沿った方向に送風し、第4筒部434と直筒部425とにより形成された環状間隙が送風部に対応した下方において送風部からの送風を吸引する。そして、送風部と外案内部とによって層流の気体FSを発生させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上方から落下させた物品を下方に移送させ、下流に配置した包装装置に充填させる物品移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下流に配置した包装装置に充填させる物品移送装置に関して、日々研究および開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には,製袋に際しての袋形成時の内在空気の引き抜きに伴うシール部分に対する充填商品の噛み込み等の問題点を解決すべき技術課題とし、確実に袋内の空気を製袋時に引き抜くことが出来、しかも、商品の充填も充分に設計通りに行いながら微細な商品の破片等がシール部分に噛み込みを生じないようにする製袋充填包装装置について開示されている。
【0004】
特許文献1記載の製袋充填包装装置は、断面リング状の間隙を有した複重筒がその内筒上部に充填ホッパを有し、外筒の所定部位にフォーマを有すると共に、該フォーマの下部外側に縦シーラを、そして該縦シーラの下部にカッタを有する横シーラを有しており而して外筒に吸気口が設けられてブロワーに接続されている製袋充填包装装置において、上記複重筒が充填ホッパに接続された内筒と吸気ダクトを有する外筒と両者間の中筒の三重筒から成り、該中筒と内筒間の底部は閉塞され、上部は上記ブロワーに送気口を介して接続され、内筒には複数の噴気口が内側に連通して開口されていることを特徴とするものである。
【0005】
また、特許文献2には、製袋包装装置におけるフォーマについて開示されている。特許文献2の図1および図2(FIG.1 and FIG.2)に示すように、漏斗状シュートと筒部との間に環状ノズルが設けられ、当該環状ノズルから噴出された気体が垂直に設けられた筒部の下端部まで移動するよう2重筒が延在して設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4−118304号公報
【特許文献2】米国特許6179015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、特許文献1記載の製袋充填包装装置においては、製袋に際しての袋形成時の内在空気の引き抜きに伴うシール部分に対する充填商品の噛み込みを解決することができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1記載の製袋充填包装装置においては、商品の破砕片または粉末等を排出循環することが目的とされており、前工程において計量された商品(複数の所定量の物品)から破砕片または粉末を除去するため、現実に製袋された商品の量を保証することができないという問題が生じる。
【0009】
また、特許文献2記載の製袋包装装置においては、環状ノズルから送られた気体が、垂直な筒部(フォーマ)の下端部まで送られる。当然ながら、筒部(フォーマ)の下端部には、既に袋が形成されており、当該袋は、開口部を有する閉空間からなる。その結果、環状ノズルから送られた気体が、当該筒部の下端における袋の容量を左右することとなり、袋を所定容量に調整することができないという問題が生じる。
【0010】
さらに、近年の製袋業界においては、袋サイズを小さくし、袋を形成するフィルムの使用量を削減することが求められている。その結果、フォーマの径を小さくする必要がある。
一般に、袋詰めされる物品は、前工程の組合せ計量機で所定量に計量され、当該製袋包装装置により袋詰めされる。物品が組合せ計量機から排出される際には、物品は、直径φ500mmから直径φ2500mm程度の広い入口径を有する漏斗状シュートから最終的に直径φ80mmから直径φ200mm程度のフォーマに投入される。
【0011】
したがって、物品の性状または袋投入量、物品単体の大きさ等との関係により、袋内に投入されるべき物品が互いに噛み合い、漏斗状シュートからフォーマへ移動される間に詰まったり、フォーマ内において内壁に衝突し、物品が欠けたり物品の落下スピードが落ちたりするという問題が生じている。これらの具体的な現象として、物品が投入されていない空袋が製袋されたり、シール部への物品の噛み込みが生じた不良品が発生したりしている。その結果、生産効率の低下が生じている。
【0012】
本発明の目的は、生産効率の低下を防止することができる物品移送装置を提供することである。
本発明の他の目的は、物品の移動速度低下および物品の詰りを防止し、生産効率の低下を防止することができる物品移送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)
本発明に係る物品移送装置は、上方の漏斗から落下させた物品を下方に移送させ、下流に配置した包装装置に当該物品を充填させる物品移送装置であって、下方向に延設された筒部と、筒部の上部に設けられ、筒部内に層流を形成する送風部と、筒部の下部に設けられ、層流を筒部外へ導く外案内部とを含むものである。
【0014】
本発明に係る物品移送装置においては、筒部が下方向に延設され、送風部が該筒部上部に設けられ、筒部に沿った方向に送風し、外案内部が送風部に対応した下方において送風部からの層流を筒部外へ導き、送風部と外案内部とによって層流を発生させる。
【0015】
この場合、筒部の側壁に沿った層流を発生させて、落下中の物品とその物品の周りの空気を共に加速させることで、物品を下方に加速させることができる。また、層流を形成することで、物品の方向を揃えることができ、漏斗からフォーマ下端部における詰りを防止することができる。
さらに物品の落下方向を阻害する方向に気体の流れを発生させないため、物品の落下方向を変更または、物品群の場合に一塊となった物品群をバラバラにすることがない。そのため、さらに下方で包装する場合に物品の充填時の高さ(嵩高さ)を抑制することができる。例えば、筒部外に気体を排出しない場合には、下方の閉鎖された空間に気体が滞留するので、物品の充填時の高さ(嵩高さ)の抑制をすることが困難となる。
以上のように、物品の移動速度低下および物品の詰りを防止し、生産効率の低下を防止することができる
【0016】
(2)
物品移送装置において、筒部は、側壁と、該側壁の下部に延設され、側壁の外周方向に傾斜した傾斜部とからなる。
【0017】
この場合、筒部の下部において層流の方向を外周方向に変更させることができる。この層流の方向を変更させることで、層流内に重力加速度と異なった方向の遠心力を発生させることができる。その結果、遠心力により層流と物品とを確実に分離させることができる。また、下流に設けられた製袋包装装置の物品の充填位置に送風を行わないため、物品の確実な製袋包装を実現することができる。
【0018】
(3)
物品移送装置において、外案内部は、傾斜部の下端部外周側に設けられ、かつ、筒部外へ導かれた層流を略水平方向から略鉛直上方向に変化させる起立部を含む。
【0019】
この場合、上方から下方に向けて流れる層流が、下端部外周側に設けられた外案内部の起立部により略水平方向から略鉛直上方向に流される。さらに吸引部によりコアンダ効果が発生され、略鉛直上方向に吸引される。したがって、鋭角に層流の流れを変更させることができる。その結果、層流の流れが鋭角に変化することにより、遠心力を働かせるとともに、物品の重力加速度の方向と、引きはなされるため、層流と物品とを確実に分離させることができる。また、下方の物品の充填位置に送風されないため、確実な包装が可能となる。また、層流の流れとともに従属流の流れも変化させることができる。
【0020】
(4)
物品移送装置において、物品は個々の物品が塊となった物品群であって、筒部の側壁は断面円筒形であり、送風部および外案内部は側壁の円筒全周に設けられる。
【0021】
この場合、物品群の外周全体に対して均等に加速度を与えるため、物品群の塊状態および物品群の落下姿勢を変更させることがない。そのため下方で包装する場合に充填時の高さを抑制することができ、包装時のシール噛みを防止することができる。
【0022】
(5)
物品移送装置において、外案内部からの吸引量は送風量以上である。
【0023】
この場合、吸引量と送風量とが等しい場合、吸引されなかった層流が下方の閉塞された袋へ送られることがない。また、送風量よりも吸引量を多くすることにより、層流に伴う周りの空気である従属流をも吸引することができるため、余分な空気の流れを下方の包装へ送ることを防止し、かつ従属流による物品群の落下速度を速くすることができる。
【0024】
物品移送装置において送風部は、送風案内部を有し、送風案内部は下方向に沿って、または下方向から筒部の周方向に沿って傾斜して設けられる。
【0025】
この場合、筒部の側壁に沿った層流を有効的に発生させるため、物品落下姿勢や塊の状態を乱すことがない。そのため下流に設けられた包装装置、例えば製袋包装装置において包装される場合に物品の充填時の高さを抑制することができ、さらに包装する場合のシール噛みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る物品加速装置を備えた縦型製袋包装機の一例を示す模式的外観図である。
【図2】縦型製袋包装機の一部の内部構造を示す模式図である。
【図3】物品加速装置の側面図である。
【図4】物品加速装置の一部断面斜視図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図5に示した物品加速装置の一部拡大図である。
【図7】縦型製袋包装機における物品加速装置の寸法を示す図である。
【図8】物品加速装置の寸法の一例を示す寸法図である。
【図9】物品加速装置を使用した場合と、物品加速装置を使用しない場合の結果を示す図である。
【図10】物品加速装置を使用しない場合の物品Cの詰りの一例を模式的に表した模式図である。
【図11】第4筒部の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る物品加速装置400について図面を参照しながら説明を行う。本実施の形態に係る物品加速装置400の使用状態の一例として、物品加速装置400を縦型製袋包装機100の一部の構成として使用した状態について説明を行う。
【0028】
図1は、本発明に係る物品加速装置400を備えた縦型製袋包装機100の一例を示す模式的外観図であり、図2は、縦型製袋包装機100の一部の内部構造を示す模式図である。
【0029】
図1に示すように、縦型製袋包装機100は、組合せ計量装置120、フィルム供給ユニット107、操作スイッチ類108および製袋包装ユニット200を主として備える。製袋包装ユニット200は、物品の袋詰めを行う部分である。
【0030】
また、図1および図2に示すように、製袋包装ユニット200は、漏斗209、下流チューブ213、フォーマ222、プルダウンベルト223、縦シール装置224、横シール装置225、物品加速装置400を備える。
【0031】
まず、図1に示すように、組合せ計量装置120は計量ホッパにおいて所定重量ずつ物品の計量を行った後、計量結果に応じて合計重量になるように物品を組み合わせて、該組合された物品を同時に排出する。当該繰り返しにより連続して所定重量の物品を排出することができる。
【0032】
また、フィルム供給ユニット107は、製袋包装ユニット200のフォーマ222にシート状の長尺フィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット200に隣接して設けられている。
具体的にフィルム供給ユニット107には長尺フィルムFが巻回された交換可能なフィルムロールがセットされ、当該フィルムロールから長尺フィルムFが繰出される。
【0033】
製袋包装ユニット200は、長尺フィルムFにより組合せ計量装置120からの所定合計重量の物品の袋詰めを行う。また、図1に示すように、製袋包装ユニット200の前面には操作スイッチ類108が配設されており、作業者が容易に操作できるよう配置されている。
【0034】
次に、図2に示すように、組合せ計量装置120の下方に、間隙を開けて漏斗(シュート)209が配される。また、漏斗(シュート)209の下側に物品加速装置400が配され、物品加速装置400の下方に下流チューブ213が配される。物品加速装置400の詳細については後述する。
【0035】
また、下流チューブ213の下方にフォーマ222が設けられ、フォーマ222は、下流チューブ213の下端部近傍を取り囲むように形成されている。プルダウンベルト223は下流チューブ213を両側から挟むように設けられている。当該プルダウンベルト223は、バキュームポンプによるエアを利用した吸着機能を有するベルトおよびローラ223a,223bからなる。縦シール装置224は、製袋されるフィルムFの縦方向の重なり部分を内蔵されたヒータにより加熱および加圧しつつ、シールできる位置に設けられる。
【0036】
縦シール装置224の下方には、横シール装置225が設けられる。横シール装置225には、ヒータを内蔵する一対のシールジョ225a,225bからなり、製袋されるフィルムFの横方向をシールすることができる。
【0037】
続いて、図2を用いて縦型製袋包装機100における動作について説明を行う。図2に示すように、縦型製袋包装機100では、フィルム供給ユニット107(図1参照)によりフィルムFが供給され、フォーマ222により筒状フィルムFに成形される。そして、筒状フィルムFは、下流チューブ213の周囲で垂下し、プルダウンベルト223でさらに下方に搬送されながら、重なり合った縁部が縦シール装置224で加熱溶着されて縦にシールされる。その後、筒状フィルムFは、一対のシールジョ225a,225bからなる横シール装置225により加熱溶着されて横にシールされることによって袋Bが製造される。
【0038】
また、袋Bの下端部が横シールされた後に、組合せ計量装置120により計量された所定合計重量の物品Cが、漏斗209を介して、物品加速装置400に投入され、物品加速装置400内、および下流チューブ213を通過して袋Bに投入され充填される。
【0039】
(物品加速装置)
次いで、本実施の形態に係る物品加速装置400の構造の一例について説明を行う。図3は、物品加速装置400の側面図であり、図4は物品加速装置400の一部断面斜視図であり、図5は図4のA−A線断面図であり、図6は図5に示した物品加速装置400の一部拡大図である。
【0040】
まず、図3および図4に示すように、物品加速装置400は、給気機構410、排気機構420および筒部430からなる。
【0041】
給気機構410および排気機構420は、略円筒形状の略閉塞空間からなる。給気機構410は、漏斗209の下方に設けられる。また、給気機構410の中央部に筒部430の一端側が嵌合され、筒部430の他端側に排気機構420の中央部が嵌合される。
【0042】
図3および図4に示すように、給気機構410は、水平面に沿って均等放射状に3個の給気口411,412,413を有する。また、同様に排気機構420は、水平面に沿って均等放射状に3個の排気口421,422,423を有する。
【0043】
図4に示すように、給気口411,412,413から給気された気体FIは、排気口421,422,423から気体FOの方向に排気される。本実施の形態において、排気される気体FOは、給気される気体FIと同等以上である。
【0044】
続いて、図5に示すように、筒部430は、上方から下方にかけて順に第1筒部431、第2筒部432、第3筒部433および第4筒部434からなる。第1筒部431は直筒状からなり、第2筒部432は切頭逆円錐状からなり、第3筒部433は第1筒部431よりも小さい直径の直筒状からなり、第4筒部434は切頭円錐状からなる。第1筒部431、第2筒部432、第3筒部433および第4筒部434により連続した側壁が形成される。
【0045】
第1筒部431の内側には、給気機構410の直筒部415が設けられている。また、第1筒部431には、複数のフィン431aが設けられている。
また、第3筒部433および第4筒部434の外側には、排気機構420の直筒部425が設けられている。
【0046】
ここで、図5に示すように、給気機構410の給気口412から給気された気体FIは、第1筒部431と直筒部415とにより形成された送風部(環状間隙)から下方に流れる。この場合、複数のフィン431aにより給気口412から給気された気体FIが整流される。そして、気体FIは、第2筒部432の傾斜に接触し、層流の気体FSの状態で、第2筒部432の内周面を下方に流れる。
【0047】
次いで、上方から下方へ向けて層流の状態で流れた気体FSが、第3筒部433および第4筒部434を通過し、第3筒部433および第4筒部434と、直筒部425とにより形成された環状間隙から鋭角に曲げられて排気され、上方に向けて流れた後、水平方向に流れて排気口422から気体FOの方向に排出される。また、第4筒部434は、鉛直下方向から45度筒外部に向かって傾斜しつつ湾曲して設けられている。また、当該湾曲された第4筒部434は、湾曲に近似した形状からなる。当該形状の詳細については、後述する。
【0048】
ここで、図6を用いて、本実施の形態における物品加速装置400の効果について説明を行う。
図6に示すように、層流の気体FSを形成することにより層流の気体FSの内側に存在する気体が従属流FJとなり、従属流FJが物品Cの落下速度を加速させる。すなわち、物品加速装置400内部における気体全部が下方に移動しているので、物品Cの落下速度Fに従属流FJの速度が追加され、物品Cは、重力加速度のみによる速度Fよりも速い速度(F+FJ)で落下される。
【0049】
その結果、製袋された袋の底(密封された底)に向けて速度を重力加速度よりも速い速度で落下され、物品Cが製袋された袋の底に叩きつけられるので、袋内における物品Cのかさ高さを低減することができる。
【0050】
また、第2筒部433が切頭逆円錐状、すなわち絞り形状を有するので、物品Cの筒部430の下方における速度をさらに高めることができる。
【0051】
さらに、第4筒部434が切頭円錐状からなっているので、層流の気体FSが第4筒部434に沿って流れることにより、コアンダ効果が生じる。すなわち、コアンダ効果により、層流の気体FSのみならず、従属流FJが第4筒部434の傾斜により外周方向へ引き寄せられる。また、第4筒部434の外周側に環状間隙からなる排気口を形成しているので、気体FSおよび従属流FJの流れの方向が鋭角に変化する。その結果、物品Cの鉛直下方向の勢い(F+FJ)と、層流の気体FSの遠心力とが生じて、層流の気体FSおよび従属流FJと、物品Cとを確実に分離させることができる。
なお、遠心力は、基本的に質量mと、気体FSの速度の二乗との積算を半径で除算することにより求められる。本実施の形態においては、速度Fが速度25.1m/sであり、半径は、第4筒部434の湾曲半径の7.5mmである。したがって、気体FSと物品Cとの密度差(質量)により、遠心力を発生させ、気体FSと物品Cとを確実に分離することができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、排気機構420の排気口422の外周側に外案内部426を設けているので、従属流FJを、排気機構420の下面である外案内部426に沿って外部に排出させることができる。
【0053】
また、物品加速装置400においては、給気機構410の直筒部415の開口直径(φ107.4mm)および第3筒部433の上方開口部(φ115mm)のいずれもが、漏斗209の下端開口直径(φ104mm)よりも0.5mm程度から2mm程度大きいため、物品Cが物品加速装置400の内周壁に接触することを防止することができる。
【0054】
(実験結果)
次に、物品加速装置400を用いて効果の確認実験を行った。図7は、縦型製袋包装機100における物品加速装置400の寸法を示す図であり、図8は、物品加速装置400の寸法の一例を示す寸法図であり、図9は、物品加速装置400を使用した場合と、物品加速装置400を使用しない場合の結果を示す図であり、図10は、物品加速装置400を使用しない場合の物品Cの詰りの一例を模式的に表した模式図である。
【0055】
まず、図7に示すように、漏斗209の下方に設けられた物品加速装置400の高さL1は、190mmであり、下流チューブ213の高さL2は、1000mmであり、下流チューブ213の内径φ2は、80mm(従来は内径90mm〜100mm)である。
【0056】
また、図8に示すように、物品加速装置400の第1筒部431の内径φd1は、115mmであり、直筒部415の内径φd2は、110mmであり、第3筒部433の内径φd3は80mmである。また、物品加速装置400の代表長さD1は、150mmである。
【0057】
この物品加速装置400において、層流の気体FSを発生させる条件について考慮する。層流の気体FSを発生させるための条件は、下記式のように、レイノズル数Reが臨界レイノズル数Rec以下であることである。
【0058】
(数1)
Re<Rec ・・・(1)
また、レイノズル数Reは、流速U、代表長さD、動粘性係数Vmを用いて以下の式であらわすことができる。
【0059】
(数2)
Re=U×D/Vm ・・・(2)
続いて、式(1)および式(2)から、以下の式が導き出せる。
【0060】
(数3)
Re=U×D/Vm<Rec ・・・(3)
ここで、式(3)の流速Uを最大流速Umaxとすると、以下の式が導き出せる。
【0061】
(数4)
Umax<Rec×Vm/D ・・・(4)
ここで、臨海レイノルズ数は、320000を当てはめ、代表長さDは150mmを当てはめ、動粘性係数Vmは、空気の値(15.6mm^2/s)を当てはめることにより、最大流速Umaxが算出される。その結果、物品加速装置400において、層流状態を発生させる最大流速Umaxは、33.28m/sとなる。
また、層流状態を発生させるための最小流速Uminは、理論上0m/s以上となるが、本実施の形態に係る物品加速装置400での下部まで層流が発生する最小流速としては、5m/s以上であった。上記最大流速33.3m/sの場合に風量は2.7m^3/sであり、最小流速5m/sの場合の風量0.4m^3/sである。
【0062】
本実験例においては、最大流速Umax33.3m/s以下の流速となるように、流速Uを25.1m/sとして風量を決定した。この場合の風量としては2m^3/sである。風量は、断面積×流速Uにより決定される。断面積は、物品加速装置400の第1筒部431の内径φd1が115mmであり、直筒部415の内径φd2が107.4mmであるので、1327.5mm^2と算出できる。その結果、流速Uは、25.1m/sとなる。
また、湾曲した部分の代表長さ(理想的な円形断面の直径)は、15mmであり、鉛直方向への長さは、7.5mmである。本実施の形態においては、第4筒部434を流れにおかれた円柱として仮定し、円柱のレイノルズ数Rec1.5〜4×10^5の範囲内で、動粘性係数Vmは空気の値(15.6mm^2/s)をあてはめることにより、流速U=25.1m/sに基づいて、第4筒部434における鉛直方向の長さ(代表長さ)15mmを決定した。
また、上記条件にて、第4筒部434上の層流状態を維持したまま空気を流すことができるが、半径が小さくコアンダ効果だけでは流れの方向を変えられないので、吸引して補助した。
【0063】
以上の条件下において、3個の給気口411,412,413から流入する給気口の流速U、すなわち図8における流速INFSを25.1m/sとして、物品Cを一個あたりの大きさ40mm×52mmで単重量1.9gのスナック菓子を約30枚集めて、合計値57.0gを袋Bに投入する実験を行った。
【0064】
図9(a)は、図7および図8に示す物品加速装置400において流速INFSの流速を0とした場合の結果であり、図9(b)は、図7および図8に示す物品加速装置400において流速INFSの流速を25.1m/sとした場合の結果である。
【0065】
図9(a),(b)においては、多数の実験を実施したため、それらの実験における平均値を算出した。また、図9(a)における実験においては、図10に示すように、物品加速装置400において、物品Cの詰りが発生したが、当該詰り状態の実験は、計測不能となるため当該平均値から除外して算出した。
【0066】
なお、図9における重量は、袋B内に投入された物品Cの重量を示し、チャージ高さは、透明の袋Bを使用し、袋内に投入された物品Cのかさ高さを示し、速度は、フォーマ下端部から飛び出す物品Cの速度を高速カメラにおいて撮像し、その移動速度を算出したものであり、チャージレングスは、フォーマ下端部から飛び出す最初の物品Cと最後の物品Cとの時間差を示す。
【0067】
図9(a)に示すように、物品加速装置400をOFFにした場合における物品Cの重量は、56.9gであり、チャージ高さは204mmであり、速度4.7m/sであり、チャージレングスは330msecであった。
一方、図9(b)に示すように、物品加速装置400をONにした場合における物品Cの重量は、56.9gであり、チャージ高さは187mmであり、速度5.3m/sであり、チャージレングスは314.8msecであった。
【0068】
以上のように、物品加速装置400を使用した場合、物品Cの落下速度を、約10%程度あげることができ、チャージレングスも10%程度短くすることができることがわかった。また、袋B内における物品Cのかさ高さ(チャージ高さ)が10%以上短くすることができ、シール不良を防止することができることがわかった。
さらに、物品加速装置400を使用することで、図10に示した物品Cの詰り状態を防止できることがわかった。
【0069】
<他の例>
なお、上記実施の形態で説明した物品加速装置400においては、複数のフィン413aを鉛直方向に沿って延在させることとしているが、これに限定されず、下方向へ筒部430の周方向に傾斜して設けることにより、層流の気体FSを筒部430内において層流の旋回流状態を発生させるように構成する場合もある。
【0070】
なお、図6に示すように、第4筒部434は、湾曲する筒部に限られるものではなく、図11(a)に示すように、第4筒部434は、外側へ傾斜した直筒状からなる場合もある。
本実験においては第4筒部434の傾斜角度は30度から60度の範囲内であれば層流の流れを外側に変化させることができることが確認できた。なお、本実験においては、層流の流れを確実に流すために、30度から60度の範囲内の中央値である45度を選択して実施した。
【0071】
また、上記実施の形態においては、3個の給気口411,412,413および排気口421,422,423を設けることとしているが、これに限定されず、他の任意の給気口および排気口を設けても良い。なお、給気口の数に関しては、数が多ければ多いほど、筒部430の外周部に対して均等に層流を発生させることができる。本実施形態では3個の給気口を設けたのは、均一な層流発生と製作費用の低減とのバランスを考慮して3個としている。上記実施の形態においては、第2筒部433が切頭逆円錐状からなることとしているが、これに限定されず、直筒状からなる場合もある。
【0072】
(本実施形態に係る効果)
以上のように、本実施の形態に係る物品加速装置400においては、筒部430の側壁に沿った気体FSの層流を有効的に発生させることで落下中の物品Cとその物品Cの周りの空気(従属流FJ)を共に加速させることができる。そして、物品Cの外周全体に対して均等に加速度を与えるため、物品Cを重力加速度F以上の速度(F+FJ)で下方に加速させることができる。
また、気体FSの層流を形成することで、物品Cの落下姿勢を安定させることができ、詰りを防止することができる。
【0073】
さらに物品Cに当接する方向に気体FSの流れを発生させないため、物品Cの落下方向を変更または、一塊となった物品群(複数の物品C)の落下姿勢をバラバラにする(変化させる)ことがない。その結果、下流のフォーマ222、プルダウンベルト223、縦シール装置224、横シール装置225等において包装する場合に充填時の物品群の高さを抑制することができる。さらに塊を袋の底に速度(F+FJ)で当てて袋内でのかさ高さも抑制して、包装する場合のシール噛みを防止することができる。
【0074】
また、物品加速装置400においては、筒部430の第4筒部434の下端部において気体FSの層流の方向を外周方向に変更させることができる。特に第4筒部434が略水平面で形成され、起立した直筒部425とにより形成された環状間隙の角度が水平面から鉛直方向に設けられているので、第4筒部434と直筒部425とにより形成された環状間隙から確実に層流を吸引することができる。
【0075】
したがって、鋭角に気体FSの層流の方向を変更させることで、重力加速度と異なった方向の遠心力を発生させることができる。その結果、遠心力により気体FSの層流(従属流FJを含む)と物品Cとを分離させることができる。そのため、下流に設けられた製袋包装の充填位置に送風を行わないため、物品Cの確実な製袋包装を実現することができる。
【0076】
また、気体FSの層流によって生じる従属流FJは、外案内部426により、外周側方に確実に流すことができる。さらに、筒部430の下方の口径が小さくなるよう設計されているため、下方へ行くほど気体FSの層流が速くなり、物品群の落下速度を加速することができる。また、筒部430の口径が略均一の場合であれば、落下する物品Cが側壁に接触することを、より確実に防止できるため、落下速度の低下を防止することができる。
【0077】
物品加速装置400において、吸引量(排気量)は送風量(給気量)以上であるので、等しい場合には気体FSの層流が下方の包装物へ流れることがない。さらに吸引量(排気量)が多くなると気体FSの層流に伴う周りの空気である従属流FJも吸引することができるため、余分な空気の流れを下方の包装へ送ることを防止し、かつ従属流FJによる物品群の落下速度を速くすることができる。
【0078】
本実施の形態においては、物品Cが物品、物品群に相当し、フォーマ222、プルダウンベルト223、縦シール装置224、横シール装置225等が包装装置に相当し、物品加速装置400が物品移送装置に相当し、筒部430が筒部に相当し、複数のフィン413aが送風案内部に相当し、直筒部425が起立部に相当し、第1筒部431と直筒部415とにより形成された環状間隙が送風部に相当し、第4筒部434と直筒部425とにより形成された環状間隙または、外案内部426が外案内部に相当し、気体FSの層流が層流に相当し、第4筒部434が傾斜部に相当し、従属流FJが従属流に相当する。
【0079】
さらに、本発明の好ましい実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の主旨と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0080】
222 フォーマ
223 プルダウンベルト
224 縦シール装置
225 横シール装置
400 物品加速装置
415,425 直筒部
426 外案内部
430 筒部
431 第1筒部
434 第4筒部
C 物品
FS 気体
FJ 従属流
【技術分野】
【0001】
本発明は、上方から落下させた物品を下方に移送させ、下流に配置した包装装置に充填させる物品移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下流に配置した包装装置に充填させる物品移送装置に関して、日々研究および開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には,製袋に際しての袋形成時の内在空気の引き抜きに伴うシール部分に対する充填商品の噛み込み等の問題点を解決すべき技術課題とし、確実に袋内の空気を製袋時に引き抜くことが出来、しかも、商品の充填も充分に設計通りに行いながら微細な商品の破片等がシール部分に噛み込みを生じないようにする製袋充填包装装置について開示されている。
【0004】
特許文献1記載の製袋充填包装装置は、断面リング状の間隙を有した複重筒がその内筒上部に充填ホッパを有し、外筒の所定部位にフォーマを有すると共に、該フォーマの下部外側に縦シーラを、そして該縦シーラの下部にカッタを有する横シーラを有しており而して外筒に吸気口が設けられてブロワーに接続されている製袋充填包装装置において、上記複重筒が充填ホッパに接続された内筒と吸気ダクトを有する外筒と両者間の中筒の三重筒から成り、該中筒と内筒間の底部は閉塞され、上部は上記ブロワーに送気口を介して接続され、内筒には複数の噴気口が内側に連通して開口されていることを特徴とするものである。
【0005】
また、特許文献2には、製袋包装装置におけるフォーマについて開示されている。特許文献2の図1および図2(FIG.1 and FIG.2)に示すように、漏斗状シュートと筒部との間に環状ノズルが設けられ、当該環状ノズルから噴出された気体が垂直に設けられた筒部の下端部まで移動するよう2重筒が延在して設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4−118304号公報
【特許文献2】米国特許6179015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、特許文献1記載の製袋充填包装装置においては、製袋に際しての袋形成時の内在空気の引き抜きに伴うシール部分に対する充填商品の噛み込みを解決することができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1記載の製袋充填包装装置においては、商品の破砕片または粉末等を排出循環することが目的とされており、前工程において計量された商品(複数の所定量の物品)から破砕片または粉末を除去するため、現実に製袋された商品の量を保証することができないという問題が生じる。
【0009】
また、特許文献2記載の製袋包装装置においては、環状ノズルから送られた気体が、垂直な筒部(フォーマ)の下端部まで送られる。当然ながら、筒部(フォーマ)の下端部には、既に袋が形成されており、当該袋は、開口部を有する閉空間からなる。その結果、環状ノズルから送られた気体が、当該筒部の下端における袋の容量を左右することとなり、袋を所定容量に調整することができないという問題が生じる。
【0010】
さらに、近年の製袋業界においては、袋サイズを小さくし、袋を形成するフィルムの使用量を削減することが求められている。その結果、フォーマの径を小さくする必要がある。
一般に、袋詰めされる物品は、前工程の組合せ計量機で所定量に計量され、当該製袋包装装置により袋詰めされる。物品が組合せ計量機から排出される際には、物品は、直径φ500mmから直径φ2500mm程度の広い入口径を有する漏斗状シュートから最終的に直径φ80mmから直径φ200mm程度のフォーマに投入される。
【0011】
したがって、物品の性状または袋投入量、物品単体の大きさ等との関係により、袋内に投入されるべき物品が互いに噛み合い、漏斗状シュートからフォーマへ移動される間に詰まったり、フォーマ内において内壁に衝突し、物品が欠けたり物品の落下スピードが落ちたりするという問題が生じている。これらの具体的な現象として、物品が投入されていない空袋が製袋されたり、シール部への物品の噛み込みが生じた不良品が発生したりしている。その結果、生産効率の低下が生じている。
【0012】
本発明の目的は、生産効率の低下を防止することができる物品移送装置を提供することである。
本発明の他の目的は、物品の移動速度低下および物品の詰りを防止し、生産効率の低下を防止することができる物品移送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)
本発明に係る物品移送装置は、上方の漏斗から落下させた物品を下方に移送させ、下流に配置した包装装置に当該物品を充填させる物品移送装置であって、下方向に延設された筒部と、筒部の上部に設けられ、筒部内に層流を形成する送風部と、筒部の下部に設けられ、層流を筒部外へ導く外案内部とを含むものである。
【0014】
本発明に係る物品移送装置においては、筒部が下方向に延設され、送風部が該筒部上部に設けられ、筒部に沿った方向に送風し、外案内部が送風部に対応した下方において送風部からの層流を筒部外へ導き、送風部と外案内部とによって層流を発生させる。
【0015】
この場合、筒部の側壁に沿った層流を発生させて、落下中の物品とその物品の周りの空気を共に加速させることで、物品を下方に加速させることができる。また、層流を形成することで、物品の方向を揃えることができ、漏斗からフォーマ下端部における詰りを防止することができる。
さらに物品の落下方向を阻害する方向に気体の流れを発生させないため、物品の落下方向を変更または、物品群の場合に一塊となった物品群をバラバラにすることがない。そのため、さらに下方で包装する場合に物品の充填時の高さ(嵩高さ)を抑制することができる。例えば、筒部外に気体を排出しない場合には、下方の閉鎖された空間に気体が滞留するので、物品の充填時の高さ(嵩高さ)の抑制をすることが困難となる。
以上のように、物品の移動速度低下および物品の詰りを防止し、生産効率の低下を防止することができる
【0016】
(2)
物品移送装置において、筒部は、側壁と、該側壁の下部に延設され、側壁の外周方向に傾斜した傾斜部とからなる。
【0017】
この場合、筒部の下部において層流の方向を外周方向に変更させることができる。この層流の方向を変更させることで、層流内に重力加速度と異なった方向の遠心力を発生させることができる。その結果、遠心力により層流と物品とを確実に分離させることができる。また、下流に設けられた製袋包装装置の物品の充填位置に送風を行わないため、物品の確実な製袋包装を実現することができる。
【0018】
(3)
物品移送装置において、外案内部は、傾斜部の下端部外周側に設けられ、かつ、筒部外へ導かれた層流を略水平方向から略鉛直上方向に変化させる起立部を含む。
【0019】
この場合、上方から下方に向けて流れる層流が、下端部外周側に設けられた外案内部の起立部により略水平方向から略鉛直上方向に流される。さらに吸引部によりコアンダ効果が発生され、略鉛直上方向に吸引される。したがって、鋭角に層流の流れを変更させることができる。その結果、層流の流れが鋭角に変化することにより、遠心力を働かせるとともに、物品の重力加速度の方向と、引きはなされるため、層流と物品とを確実に分離させることができる。また、下方の物品の充填位置に送風されないため、確実な包装が可能となる。また、層流の流れとともに従属流の流れも変化させることができる。
【0020】
(4)
物品移送装置において、物品は個々の物品が塊となった物品群であって、筒部の側壁は断面円筒形であり、送風部および外案内部は側壁の円筒全周に設けられる。
【0021】
この場合、物品群の外周全体に対して均等に加速度を与えるため、物品群の塊状態および物品群の落下姿勢を変更させることがない。そのため下方で包装する場合に充填時の高さを抑制することができ、包装時のシール噛みを防止することができる。
【0022】
(5)
物品移送装置において、外案内部からの吸引量は送風量以上である。
【0023】
この場合、吸引量と送風量とが等しい場合、吸引されなかった層流が下方の閉塞された袋へ送られることがない。また、送風量よりも吸引量を多くすることにより、層流に伴う周りの空気である従属流をも吸引することができるため、余分な空気の流れを下方の包装へ送ることを防止し、かつ従属流による物品群の落下速度を速くすることができる。
【0024】
物品移送装置において送風部は、送風案内部を有し、送風案内部は下方向に沿って、または下方向から筒部の周方向に沿って傾斜して設けられる。
【0025】
この場合、筒部の側壁に沿った層流を有効的に発生させるため、物品落下姿勢や塊の状態を乱すことがない。そのため下流に設けられた包装装置、例えば製袋包装装置において包装される場合に物品の充填時の高さを抑制することができ、さらに包装する場合のシール噛みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る物品加速装置を備えた縦型製袋包装機の一例を示す模式的外観図である。
【図2】縦型製袋包装機の一部の内部構造を示す模式図である。
【図3】物品加速装置の側面図である。
【図4】物品加速装置の一部断面斜視図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図5に示した物品加速装置の一部拡大図である。
【図7】縦型製袋包装機における物品加速装置の寸法を示す図である。
【図8】物品加速装置の寸法の一例を示す寸法図である。
【図9】物品加速装置を使用した場合と、物品加速装置を使用しない場合の結果を示す図である。
【図10】物品加速装置を使用しない場合の物品Cの詰りの一例を模式的に表した模式図である。
【図11】第4筒部の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る物品加速装置400について図面を参照しながら説明を行う。本実施の形態に係る物品加速装置400の使用状態の一例として、物品加速装置400を縦型製袋包装機100の一部の構成として使用した状態について説明を行う。
【0028】
図1は、本発明に係る物品加速装置400を備えた縦型製袋包装機100の一例を示す模式的外観図であり、図2は、縦型製袋包装機100の一部の内部構造を示す模式図である。
【0029】
図1に示すように、縦型製袋包装機100は、組合せ計量装置120、フィルム供給ユニット107、操作スイッチ類108および製袋包装ユニット200を主として備える。製袋包装ユニット200は、物品の袋詰めを行う部分である。
【0030】
また、図1および図2に示すように、製袋包装ユニット200は、漏斗209、下流チューブ213、フォーマ222、プルダウンベルト223、縦シール装置224、横シール装置225、物品加速装置400を備える。
【0031】
まず、図1に示すように、組合せ計量装置120は計量ホッパにおいて所定重量ずつ物品の計量を行った後、計量結果に応じて合計重量になるように物品を組み合わせて、該組合された物品を同時に排出する。当該繰り返しにより連続して所定重量の物品を排出することができる。
【0032】
また、フィルム供給ユニット107は、製袋包装ユニット200のフォーマ222にシート状の長尺フィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット200に隣接して設けられている。
具体的にフィルム供給ユニット107には長尺フィルムFが巻回された交換可能なフィルムロールがセットされ、当該フィルムロールから長尺フィルムFが繰出される。
【0033】
製袋包装ユニット200は、長尺フィルムFにより組合せ計量装置120からの所定合計重量の物品の袋詰めを行う。また、図1に示すように、製袋包装ユニット200の前面には操作スイッチ類108が配設されており、作業者が容易に操作できるよう配置されている。
【0034】
次に、図2に示すように、組合せ計量装置120の下方に、間隙を開けて漏斗(シュート)209が配される。また、漏斗(シュート)209の下側に物品加速装置400が配され、物品加速装置400の下方に下流チューブ213が配される。物品加速装置400の詳細については後述する。
【0035】
また、下流チューブ213の下方にフォーマ222が設けられ、フォーマ222は、下流チューブ213の下端部近傍を取り囲むように形成されている。プルダウンベルト223は下流チューブ213を両側から挟むように設けられている。当該プルダウンベルト223は、バキュームポンプによるエアを利用した吸着機能を有するベルトおよびローラ223a,223bからなる。縦シール装置224は、製袋されるフィルムFの縦方向の重なり部分を内蔵されたヒータにより加熱および加圧しつつ、シールできる位置に設けられる。
【0036】
縦シール装置224の下方には、横シール装置225が設けられる。横シール装置225には、ヒータを内蔵する一対のシールジョ225a,225bからなり、製袋されるフィルムFの横方向をシールすることができる。
【0037】
続いて、図2を用いて縦型製袋包装機100における動作について説明を行う。図2に示すように、縦型製袋包装機100では、フィルム供給ユニット107(図1参照)によりフィルムFが供給され、フォーマ222により筒状フィルムFに成形される。そして、筒状フィルムFは、下流チューブ213の周囲で垂下し、プルダウンベルト223でさらに下方に搬送されながら、重なり合った縁部が縦シール装置224で加熱溶着されて縦にシールされる。その後、筒状フィルムFは、一対のシールジョ225a,225bからなる横シール装置225により加熱溶着されて横にシールされることによって袋Bが製造される。
【0038】
また、袋Bの下端部が横シールされた後に、組合せ計量装置120により計量された所定合計重量の物品Cが、漏斗209を介して、物品加速装置400に投入され、物品加速装置400内、および下流チューブ213を通過して袋Bに投入され充填される。
【0039】
(物品加速装置)
次いで、本実施の形態に係る物品加速装置400の構造の一例について説明を行う。図3は、物品加速装置400の側面図であり、図4は物品加速装置400の一部断面斜視図であり、図5は図4のA−A線断面図であり、図6は図5に示した物品加速装置400の一部拡大図である。
【0040】
まず、図3および図4に示すように、物品加速装置400は、給気機構410、排気機構420および筒部430からなる。
【0041】
給気機構410および排気機構420は、略円筒形状の略閉塞空間からなる。給気機構410は、漏斗209の下方に設けられる。また、給気機構410の中央部に筒部430の一端側が嵌合され、筒部430の他端側に排気機構420の中央部が嵌合される。
【0042】
図3および図4に示すように、給気機構410は、水平面に沿って均等放射状に3個の給気口411,412,413を有する。また、同様に排気機構420は、水平面に沿って均等放射状に3個の排気口421,422,423を有する。
【0043】
図4に示すように、給気口411,412,413から給気された気体FIは、排気口421,422,423から気体FOの方向に排気される。本実施の形態において、排気される気体FOは、給気される気体FIと同等以上である。
【0044】
続いて、図5に示すように、筒部430は、上方から下方にかけて順に第1筒部431、第2筒部432、第3筒部433および第4筒部434からなる。第1筒部431は直筒状からなり、第2筒部432は切頭逆円錐状からなり、第3筒部433は第1筒部431よりも小さい直径の直筒状からなり、第4筒部434は切頭円錐状からなる。第1筒部431、第2筒部432、第3筒部433および第4筒部434により連続した側壁が形成される。
【0045】
第1筒部431の内側には、給気機構410の直筒部415が設けられている。また、第1筒部431には、複数のフィン431aが設けられている。
また、第3筒部433および第4筒部434の外側には、排気機構420の直筒部425が設けられている。
【0046】
ここで、図5に示すように、給気機構410の給気口412から給気された気体FIは、第1筒部431と直筒部415とにより形成された送風部(環状間隙)から下方に流れる。この場合、複数のフィン431aにより給気口412から給気された気体FIが整流される。そして、気体FIは、第2筒部432の傾斜に接触し、層流の気体FSの状態で、第2筒部432の内周面を下方に流れる。
【0047】
次いで、上方から下方へ向けて層流の状態で流れた気体FSが、第3筒部433および第4筒部434を通過し、第3筒部433および第4筒部434と、直筒部425とにより形成された環状間隙から鋭角に曲げられて排気され、上方に向けて流れた後、水平方向に流れて排気口422から気体FOの方向に排出される。また、第4筒部434は、鉛直下方向から45度筒外部に向かって傾斜しつつ湾曲して設けられている。また、当該湾曲された第4筒部434は、湾曲に近似した形状からなる。当該形状の詳細については、後述する。
【0048】
ここで、図6を用いて、本実施の形態における物品加速装置400の効果について説明を行う。
図6に示すように、層流の気体FSを形成することにより層流の気体FSの内側に存在する気体が従属流FJとなり、従属流FJが物品Cの落下速度を加速させる。すなわち、物品加速装置400内部における気体全部が下方に移動しているので、物品Cの落下速度Fに従属流FJの速度が追加され、物品Cは、重力加速度のみによる速度Fよりも速い速度(F+FJ)で落下される。
【0049】
その結果、製袋された袋の底(密封された底)に向けて速度を重力加速度よりも速い速度で落下され、物品Cが製袋された袋の底に叩きつけられるので、袋内における物品Cのかさ高さを低減することができる。
【0050】
また、第2筒部433が切頭逆円錐状、すなわち絞り形状を有するので、物品Cの筒部430の下方における速度をさらに高めることができる。
【0051】
さらに、第4筒部434が切頭円錐状からなっているので、層流の気体FSが第4筒部434に沿って流れることにより、コアンダ効果が生じる。すなわち、コアンダ効果により、層流の気体FSのみならず、従属流FJが第4筒部434の傾斜により外周方向へ引き寄せられる。また、第4筒部434の外周側に環状間隙からなる排気口を形成しているので、気体FSおよび従属流FJの流れの方向が鋭角に変化する。その結果、物品Cの鉛直下方向の勢い(F+FJ)と、層流の気体FSの遠心力とが生じて、層流の気体FSおよび従属流FJと、物品Cとを確実に分離させることができる。
なお、遠心力は、基本的に質量mと、気体FSの速度の二乗との積算を半径で除算することにより求められる。本実施の形態においては、速度Fが速度25.1m/sであり、半径は、第4筒部434の湾曲半径の7.5mmである。したがって、気体FSと物品Cとの密度差(質量)により、遠心力を発生させ、気体FSと物品Cとを確実に分離することができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、排気機構420の排気口422の外周側に外案内部426を設けているので、従属流FJを、排気機構420の下面である外案内部426に沿って外部に排出させることができる。
【0053】
また、物品加速装置400においては、給気機構410の直筒部415の開口直径(φ107.4mm)および第3筒部433の上方開口部(φ115mm)のいずれもが、漏斗209の下端開口直径(φ104mm)よりも0.5mm程度から2mm程度大きいため、物品Cが物品加速装置400の内周壁に接触することを防止することができる。
【0054】
(実験結果)
次に、物品加速装置400を用いて効果の確認実験を行った。図7は、縦型製袋包装機100における物品加速装置400の寸法を示す図であり、図8は、物品加速装置400の寸法の一例を示す寸法図であり、図9は、物品加速装置400を使用した場合と、物品加速装置400を使用しない場合の結果を示す図であり、図10は、物品加速装置400を使用しない場合の物品Cの詰りの一例を模式的に表した模式図である。
【0055】
まず、図7に示すように、漏斗209の下方に設けられた物品加速装置400の高さL1は、190mmであり、下流チューブ213の高さL2は、1000mmであり、下流チューブ213の内径φ2は、80mm(従来は内径90mm〜100mm)である。
【0056】
また、図8に示すように、物品加速装置400の第1筒部431の内径φd1は、115mmであり、直筒部415の内径φd2は、110mmであり、第3筒部433の内径φd3は80mmである。また、物品加速装置400の代表長さD1は、150mmである。
【0057】
この物品加速装置400において、層流の気体FSを発生させる条件について考慮する。層流の気体FSを発生させるための条件は、下記式のように、レイノズル数Reが臨界レイノズル数Rec以下であることである。
【0058】
(数1)
Re<Rec ・・・(1)
また、レイノズル数Reは、流速U、代表長さD、動粘性係数Vmを用いて以下の式であらわすことができる。
【0059】
(数2)
Re=U×D/Vm ・・・(2)
続いて、式(1)および式(2)から、以下の式が導き出せる。
【0060】
(数3)
Re=U×D/Vm<Rec ・・・(3)
ここで、式(3)の流速Uを最大流速Umaxとすると、以下の式が導き出せる。
【0061】
(数4)
Umax<Rec×Vm/D ・・・(4)
ここで、臨海レイノルズ数は、320000を当てはめ、代表長さDは150mmを当てはめ、動粘性係数Vmは、空気の値(15.6mm^2/s)を当てはめることにより、最大流速Umaxが算出される。その結果、物品加速装置400において、層流状態を発生させる最大流速Umaxは、33.28m/sとなる。
また、層流状態を発生させるための最小流速Uminは、理論上0m/s以上となるが、本実施の形態に係る物品加速装置400での下部まで層流が発生する最小流速としては、5m/s以上であった。上記最大流速33.3m/sの場合に風量は2.7m^3/sであり、最小流速5m/sの場合の風量0.4m^3/sである。
【0062】
本実験例においては、最大流速Umax33.3m/s以下の流速となるように、流速Uを25.1m/sとして風量を決定した。この場合の風量としては2m^3/sである。風量は、断面積×流速Uにより決定される。断面積は、物品加速装置400の第1筒部431の内径φd1が115mmであり、直筒部415の内径φd2が107.4mmであるので、1327.5mm^2と算出できる。その結果、流速Uは、25.1m/sとなる。
また、湾曲した部分の代表長さ(理想的な円形断面の直径)は、15mmであり、鉛直方向への長さは、7.5mmである。本実施の形態においては、第4筒部434を流れにおかれた円柱として仮定し、円柱のレイノルズ数Rec1.5〜4×10^5の範囲内で、動粘性係数Vmは空気の値(15.6mm^2/s)をあてはめることにより、流速U=25.1m/sに基づいて、第4筒部434における鉛直方向の長さ(代表長さ)15mmを決定した。
また、上記条件にて、第4筒部434上の層流状態を維持したまま空気を流すことができるが、半径が小さくコアンダ効果だけでは流れの方向を変えられないので、吸引して補助した。
【0063】
以上の条件下において、3個の給気口411,412,413から流入する給気口の流速U、すなわち図8における流速INFSを25.1m/sとして、物品Cを一個あたりの大きさ40mm×52mmで単重量1.9gのスナック菓子を約30枚集めて、合計値57.0gを袋Bに投入する実験を行った。
【0064】
図9(a)は、図7および図8に示す物品加速装置400において流速INFSの流速を0とした場合の結果であり、図9(b)は、図7および図8に示す物品加速装置400において流速INFSの流速を25.1m/sとした場合の結果である。
【0065】
図9(a),(b)においては、多数の実験を実施したため、それらの実験における平均値を算出した。また、図9(a)における実験においては、図10に示すように、物品加速装置400において、物品Cの詰りが発生したが、当該詰り状態の実験は、計測不能となるため当該平均値から除外して算出した。
【0066】
なお、図9における重量は、袋B内に投入された物品Cの重量を示し、チャージ高さは、透明の袋Bを使用し、袋内に投入された物品Cのかさ高さを示し、速度は、フォーマ下端部から飛び出す物品Cの速度を高速カメラにおいて撮像し、その移動速度を算出したものであり、チャージレングスは、フォーマ下端部から飛び出す最初の物品Cと最後の物品Cとの時間差を示す。
【0067】
図9(a)に示すように、物品加速装置400をOFFにした場合における物品Cの重量は、56.9gであり、チャージ高さは204mmであり、速度4.7m/sであり、チャージレングスは330msecであった。
一方、図9(b)に示すように、物品加速装置400をONにした場合における物品Cの重量は、56.9gであり、チャージ高さは187mmであり、速度5.3m/sであり、チャージレングスは314.8msecであった。
【0068】
以上のように、物品加速装置400を使用した場合、物品Cの落下速度を、約10%程度あげることができ、チャージレングスも10%程度短くすることができることがわかった。また、袋B内における物品Cのかさ高さ(チャージ高さ)が10%以上短くすることができ、シール不良を防止することができることがわかった。
さらに、物品加速装置400を使用することで、図10に示した物品Cの詰り状態を防止できることがわかった。
【0069】
<他の例>
なお、上記実施の形態で説明した物品加速装置400においては、複数のフィン413aを鉛直方向に沿って延在させることとしているが、これに限定されず、下方向へ筒部430の周方向に傾斜して設けることにより、層流の気体FSを筒部430内において層流の旋回流状態を発生させるように構成する場合もある。
【0070】
なお、図6に示すように、第4筒部434は、湾曲する筒部に限られるものではなく、図11(a)に示すように、第4筒部434は、外側へ傾斜した直筒状からなる場合もある。
本実験においては第4筒部434の傾斜角度は30度から60度の範囲内であれば層流の流れを外側に変化させることができることが確認できた。なお、本実験においては、層流の流れを確実に流すために、30度から60度の範囲内の中央値である45度を選択して実施した。
【0071】
また、上記実施の形態においては、3個の給気口411,412,413および排気口421,422,423を設けることとしているが、これに限定されず、他の任意の給気口および排気口を設けても良い。なお、給気口の数に関しては、数が多ければ多いほど、筒部430の外周部に対して均等に層流を発生させることができる。本実施形態では3個の給気口を設けたのは、均一な層流発生と製作費用の低減とのバランスを考慮して3個としている。上記実施の形態においては、第2筒部433が切頭逆円錐状からなることとしているが、これに限定されず、直筒状からなる場合もある。
【0072】
(本実施形態に係る効果)
以上のように、本実施の形態に係る物品加速装置400においては、筒部430の側壁に沿った気体FSの層流を有効的に発生させることで落下中の物品Cとその物品Cの周りの空気(従属流FJ)を共に加速させることができる。そして、物品Cの外周全体に対して均等に加速度を与えるため、物品Cを重力加速度F以上の速度(F+FJ)で下方に加速させることができる。
また、気体FSの層流を形成することで、物品Cの落下姿勢を安定させることができ、詰りを防止することができる。
【0073】
さらに物品Cに当接する方向に気体FSの流れを発生させないため、物品Cの落下方向を変更または、一塊となった物品群(複数の物品C)の落下姿勢をバラバラにする(変化させる)ことがない。その結果、下流のフォーマ222、プルダウンベルト223、縦シール装置224、横シール装置225等において包装する場合に充填時の物品群の高さを抑制することができる。さらに塊を袋の底に速度(F+FJ)で当てて袋内でのかさ高さも抑制して、包装する場合のシール噛みを防止することができる。
【0074】
また、物品加速装置400においては、筒部430の第4筒部434の下端部において気体FSの層流の方向を外周方向に変更させることができる。特に第4筒部434が略水平面で形成され、起立した直筒部425とにより形成された環状間隙の角度が水平面から鉛直方向に設けられているので、第4筒部434と直筒部425とにより形成された環状間隙から確実に層流を吸引することができる。
【0075】
したがって、鋭角に気体FSの層流の方向を変更させることで、重力加速度と異なった方向の遠心力を発生させることができる。その結果、遠心力により気体FSの層流(従属流FJを含む)と物品Cとを分離させることができる。そのため、下流に設けられた製袋包装の充填位置に送風を行わないため、物品Cの確実な製袋包装を実現することができる。
【0076】
また、気体FSの層流によって生じる従属流FJは、外案内部426により、外周側方に確実に流すことができる。さらに、筒部430の下方の口径が小さくなるよう設計されているため、下方へ行くほど気体FSの層流が速くなり、物品群の落下速度を加速することができる。また、筒部430の口径が略均一の場合であれば、落下する物品Cが側壁に接触することを、より確実に防止できるため、落下速度の低下を防止することができる。
【0077】
物品加速装置400において、吸引量(排気量)は送風量(給気量)以上であるので、等しい場合には気体FSの層流が下方の包装物へ流れることがない。さらに吸引量(排気量)が多くなると気体FSの層流に伴う周りの空気である従属流FJも吸引することができるため、余分な空気の流れを下方の包装へ送ることを防止し、かつ従属流FJによる物品群の落下速度を速くすることができる。
【0078】
本実施の形態においては、物品Cが物品、物品群に相当し、フォーマ222、プルダウンベルト223、縦シール装置224、横シール装置225等が包装装置に相当し、物品加速装置400が物品移送装置に相当し、筒部430が筒部に相当し、複数のフィン413aが送風案内部に相当し、直筒部425が起立部に相当し、第1筒部431と直筒部415とにより形成された環状間隙が送風部に相当し、第4筒部434と直筒部425とにより形成された環状間隙または、外案内部426が外案内部に相当し、気体FSの層流が層流に相当し、第4筒部434が傾斜部に相当し、従属流FJが従属流に相当する。
【0079】
さらに、本発明の好ましい実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の主旨と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0080】
222 フォーマ
223 プルダウンベルト
224 縦シール装置
225 横シール装置
400 物品加速装置
415,425 直筒部
426 外案内部
430 筒部
431 第1筒部
434 第4筒部
C 物品
FS 気体
FJ 従属流
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方の漏斗から落下させた物品を下方に移送させ、下流に配置した包装装置に当該物品を充填させる物品移送装置であって、
下方向に延設された筒部と、
前記筒部の上部に設けられ、前記筒部内に層流を形成する送風部と、
前記筒部の下部に設けられ、前記層流を前記筒部外へ導く外案内部とを含むことを特徴とする物品移送装置。
【請求項2】
前記筒部は、側壁と、該側壁の下部に延設され、前記側壁の外周方向に傾斜した傾斜部と、からなることを特徴とする請求項1記載の物品移送装置。
【請求項3】
前記外案内部は、前記傾斜部の下端部外周側に設けられ、かつ、前記筒部外へ導かれた層流を略水平方向から略鉛直上方向に変化させる起立部を含むことを特徴とする請求項2記載の物品移送装置。
【請求項4】
前記物品は個々の物品が塊となった物品群であって、
前記筒部の側壁は断面円筒形であり、
前記送風部および前記外案内部は、前記側壁の円筒全周に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の物品移送装置。
【請求項5】
前記外案内部からの吸引量は前記送風部の送風量以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の物品移送装置。
【請求項1】
上方の漏斗から落下させた物品を下方に移送させ、下流に配置した包装装置に当該物品を充填させる物品移送装置であって、
下方向に延設された筒部と、
前記筒部の上部に設けられ、前記筒部内に層流を形成する送風部と、
前記筒部の下部に設けられ、前記層流を前記筒部外へ導く外案内部とを含むことを特徴とする物品移送装置。
【請求項2】
前記筒部は、側壁と、該側壁の下部に延設され、前記側壁の外周方向に傾斜した傾斜部と、からなることを特徴とする請求項1記載の物品移送装置。
【請求項3】
前記外案内部は、前記傾斜部の下端部外周側に設けられ、かつ、前記筒部外へ導かれた層流を略水平方向から略鉛直上方向に変化させる起立部を含むことを特徴とする請求項2記載の物品移送装置。
【請求項4】
前記物品は個々の物品が塊となった物品群であって、
前記筒部の側壁は断面円筒形であり、
前記送風部および前記外案内部は、前記側壁の円筒全周に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の物品移送装置。
【請求項5】
前記外案内部からの吸引量は前記送風部の送風量以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の物品移送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−1275(P2012−1275A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266404(P2010−266404)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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