説明

物置兼用型簡易トイレ

【課題】 通常の物置として使用することができる一方で、非常時には個室型のトイレとして簡単且つ迅速に機能させることができ、しかも、大人数、あるいは長期間のトイレ使用に対応することができる物置兼用の簡易トイレを得る。
【解決手段】 物置構造体1Aの床部2Aには蓋4Aによって開閉自由に閉塞される便の落し口3Aを開設する一方、前記床部2Aの下に形成される床下空間5Aには便受容器6を格納すると共に、該便受容器6を前記床下空間5Aを囲む側壁部7に開設した取出口8を通して出し入れ自由とした構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平時には物置として使用される一方、災害時にはトイレとして使用することができる物置を兼用する簡易トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば地震等の大規模な災害の発生時においては、建築構造物の倒壊の懸念から一般の家屋や集合住宅の住民は避難を余儀なくされる場合が多いが、このような大規模災害時に深刻な問題の一つに避難場所でのトイレの問題が挙げられる。特に、大規模災害の場合は広範囲な停電や断水が発生する場合が多く、電気や水道の使用を前提とした一般家屋や公共施設のトイレは使用不能となる可能性がきわめて高い。
【0003】
上述のような大規模災害時のトイレ設備の提供に関しては、例えば特許文献1に記載の発明のように、地中に便槽を埋設して、平常時はこの便槽内に個室形成用の覆い幕を収容しておき、トイレとして使用する際には該便槽に収容しておいた覆い幕を張って便器を取り付けることによりトイレ空間とするものが存在する。しかしながら、この特許文献1のものは、使用時に覆い幕を張って個室を形成する作業を行わなければならず、トイレ設置作業が非常に面倒であり、また、設置に時間がかかると共に幕自体の不安定さいう問題がある。
一方、特許文献2に記載の発明のように、便槽を所定の場所に埋設し、埋設場所の地面の開口部を反転した和式便器と該便器の開口部を覆う上蓋とで覆う構成のものも存在するが、この特許文献2のものは、基本的に非常時に初めて機能し得るものであって、平常時においては全く活用することができず、また個室を確保するのに既存のトイレ設備を必要とするものであった。
【0004】
しかも、上記特許文献1,2のものは、便槽がいっぱいになると汲み取らなければならないため、便槽が満杯になると同時に使用不能となってしまう。特に大規模災害初期においては、バキュームカー等の汲み取り手段を確保することも難しく、また大人数が避難した場所では早期に便槽がいっぱいになる可能性が高い。さらに避難が長期間化した場合、設備がありながら使用できない事態が発生し、再びトイレの問題が発生することが予想される。
【特許文献1】特開平9−296618号公報
【特許文献2】特開平9−140627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、平常時は通常の物置として使用することができる一方で、非常時には物置をそのまま個室型のトイレとして簡単且つ迅速に利用することができ、しかも、便槽の汲み取り手段がなくても大人数、あるいは長期間のトイレ使用に対応することができる物置兼用型簡易トイレを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の物置兼用型簡易トイレは、物置構造体の床部には蓋によって開閉自由に閉塞される便の落し口を開設する一方、前記床部の下に形成される床下空間には便受容器を格納すると共に、該便受容器を前記床下空間を囲む側壁部に開設する取出口を通して出し入れ自由にしたことを特徴とする。
【0007】
本発明においては、上記床下空間の側壁部に開設する取出口には開閉扉が設けられているものを含む。
また、本発明においては、上記床下空間の底部には、便受容器を載置すると共に該便受容器を取出口に向けて誘導する載置誘導台を付設することができ、この場合、上記載置誘導台は床下空間内から取出口に向けて付設されるレールであること、またその他の場合には、前記載置誘導台は床下空間内から取出口に向けて並行状に列設配置される多数本の回転ローラからなることもある。
【0008】
さらに、本発明においては、上記便受容器は、箱形の容器本体と、この容器本体の開口部を着脱自在に被覆する蓋体とから構成し、蓋体には床部の便の落し口に対応した位置に便の受入れ口を開設すると共に、該便の受入れ口に不使用時に閉塞する着脱自由なキャップを装着可能にしてなるものを含む。
また、本発明においては、上記便受容器には便を受ける取出し補助容器を収めてなるものとすることもある。
【0009】
さらに、本発明においては好ましくは、上記床部に開設する便の落し口には便器を着脱自由に装着するものとすることであり、この場合には、便の落し口に装着する便器は不使用時に物置構造体の床下空間に格納するものとする。
【0010】
一方、本発明においては、物置構造体の床部は物置構造体の床設置位置に対して着脱自由に架設するものとすることを含み、さらに、床部の下面には便の落し口を囲んで便器を取付けることもある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、物置構造体の床部には蓋によって開閉自在に閉塞される便の落し口を開設したことにより、平常時は便の落し口を蓋によって閉塞して物置構造体を通常の物置として使用することができる。その一方で、非常時には蓋を取外して便の落し口を開放させることにより簡単且つ迅速に物置を個室型の簡易トイレとして使用することができる。しかも、前記床部の下に形成される床下空間に便受容器を格納する一方で、該便受容器を床下空間を囲む側壁部に開設した取出口を通して自由に出し入れできるようにしているため、便受容器が便で満たされた場合にはその便受容器の交換を行うことができるため、汲み取り手段がなくても大人数、あるいは長期間のトイレ使用に十分対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1から図11は、本発明に係る物置兼用型簡易トイレの第1実施例を示すもので、この第1実施例の物置兼用型簡易トイレは、内部に物を収容する物置構造体1Aと、該物置構造体1Aの床部2Aに開設された便の落し口3A、及び該便の落し口3Aを開閉自由に閉塞する蓋4Aと、上記床部2Aの下に形成された床下空間5Aに格納された便受容器6,6と、その床下空間5Aを囲む側壁部7に開設されて該便受容器6,6を物置構造体1Aの外部から床下空間5A内に出し入れするための取出口8と、上記床部2Aに着脱自在に取付けられる和式便器9とを備えている。
なお、この第1実施例では、図示するように、2つの物置空間を左右に連設した構造のものについて示してあり、以下の説明では、基本的にこの連設した構造につき説明する。また、図1及び図2の右半部は平常時の物置として使用する状態を、左半部は非常時にトイレとして使用する状態をそれぞれ示している。
【0013】
上記物置構造体1Aは、設置対象位置に設置された基礎部10と、該基礎部10の上に配設されて物置空間を形成する収容部11とを有している。
上記収容部11は、左右と背面の三方を囲む壁部11aと、該収容部11の前面側に開設した開口部(出入口)11bを閉ざす使用者出入用扉12と、上記壁11aで囲まれた空間の天井を兼ねる屋根13と、この収容部11の中央部を仕切って2つの空間14,14に分離する仕切壁11cと、上記壁部11及び該仕切壁11cの各下端に沿う上記基礎部10上に据付けられる土台15とを備えている。
そして、各収容部11ごとに床部2Aが設けられ、各床部2Aの便の落し口3Aに上記蓋4Aがそれぞれ開閉自由に載置被覆されている。
【0014】
上記土台15は、中空の鉄骨材を上記壁部11a、開口部11b及び仕切壁11cの下縁に合わせて矩形に配置し、連結して形成したもので、この土台15には、内方向に沿って断面コ字形の長尺な鉄骨材で形成されて内方向きに突出する床受部16を四方に巡らせてあり、該床受部16の上端面部分で上記床部2Aにおける後述の床本体17を水平に支持するように構成している。
また、上記基礎部10は、物置構造体の設置対象位置の地盤上に載置される立壁と、立壁で囲まれた領域の地面を覆うように設けられた底部とで構成されて、2つの箱状の空間を形成しており、これらの空間によって各個室に対応した上記床下空間5A,5Aを構成する。
【0015】
上記床部2Aは、物置構造体の床の大部分を占める板状の床本体17と、該床本体17のほぼ中央に設けられた上記便の落し口3Aと、床本体17の下面に取付けられて両端部が上記床受部16に固定される一対の補強材18,18とを備えている。
上記床本体17は、上記物置構造体の収容部11の平面視形状とほぼ同形の外形を有していて、上記床受部16と当接する周縁近傍の面において、該床受部16にねじ止めや接着剤等によって位置不動に固定されている。
上記一対の補強材18は、角状の金属製の型材により形成されたもので、上記床本体部17の手前側から奥側に向け、上記便の落し口3Aを挟むように並設されていて、トイレとして使用する際に最も荷重が作用する便の落し口3A近傍における床本体17の撓みや捩れ等の変形を防止するようにしている。これらの補強材18は根太であって、上記床受部16における手前側と奥側とに間に架け渡されるように配設される一方、各補強材18の両端側の上面が切欠かれ、その切欠かれた部分を上記床受部16に当接させた上で、その当接部分を溶接によって該床受部16に固定されている。
【0016】
また、床本体17の下面には、上記便の落し口3Aの手前側と奥側とを挟み、且つ上記一対の補強材18,18間を架け渡すように配設された並行する一対の補助補強材19,19が設けられている。各補助補強材19は、上記補強材18の断面形状とほぼ同じ金属製の型材により形成されていて、その両端部が上記補強材18,18に溶接によって連結され、床本体17における便の落し口3A周りの補強として機能している。
さらに、上記便の落し口3A周りにおける補強材18及び補助補強材19で囲まれた周面には、便の落し口3Aの周縁に設けられた後述の受枠21を安定的に支持する受桟20が巡らされていて、該受桟20はこれらの補強材18及び補助補強材19に位置不動に固定されている。
【0017】
一方、上記便の落し口3Aは、床本体17の手前側から奥側の方向に長い平面視略矩形状に開設されたもので、この便の落し口3Aの周縁には、上記蓋4Aを載置させて便の落し口3Aを閉塞させるための金属製の受枠21が取付けられている。
上記受枠21は、図3及び図4に示すように、断面略Z形のもので、便の落し口3Aの外方側に突出した上端片21aが床本体17の上面に引っかかり、中間部21bと共に該便の落し口3Aの周縁を被覆する一方で、便の落し口3Aの内方に突出した下端片21cが上記蓋4Aの外周縁近傍の下面側に当接して該蓋4Aを支持するようになっている。また、この受枠21は上記下端片21cが上述の受桟20に支持された状態で固定されており、蓋4Aを安定的に載置できるようにしている。
【0018】
上記蓋4Aは、平常時に上記便の落し口3Aを閉塞して物置構造体1Aの床部の一部として機能するもので、全体として上記便の落し口3Aの平面視形状とほぼ同じ外形の平面視略矩形状に形成されている。
なお、上記蓋4Aの周縁には、断面略L字状の金属枠22が取付けられていて、該蓋4Aの補強として機能している。また、この蓋4Aの上面側には、該蓋4Aを取外す際に使用する収納自在の持ち手23が配設されている。
【0019】
上記床下空間5Aは、物置構造体の正面側以外の三方の側壁部7が、該床下空間の横幅及び奥行を便受容器の大きさに適合する大きさに調整する飾り板7aで囲まれている一方で、底部には、横方向に等間隔で敷設された複数の矩形状の底部型材24が、相互に平行且つ水平となるように並設されている。
また、この床下空間5Aを囲む側壁部7のうち、物置構造体1Aの正面側にあたる側壁部には、略横長矩形状の上記取出口8が開設されていて、この取出口8を通して便受容器6を出し入れ自由となっている。
【0020】
上記取出口8には、図5〜図9に示されるように、該取出口8を開閉する開閉扉25が取り付けられている。この開閉扉25は、その下端部が取出口8の下部横枠部分8aに、一対の蝶番26,26を介して開閉自在に取り付けられていて、手前側に引き倒すことにより開くことができるようになっている。なお、この開閉扉25には鍵25aが取り付けられていて、開閉扉25が不必要に開かれるのを防止して取出口8の開放が制限されるようになっている。
【0021】
また、図5及び図9に示すように、上記開閉扉25と取出口8の周縁とは、一対のアーム27,27により相互に連結されていて、開閉扉25の可動域を制限して、該開閉扉25が水平に倒れた状態を維持しながら取出口8を開放できるようになっている。
上記一対のアーム27,27は、一端が上記取出口8の左右の縦枠の上端側に、他端側が開閉扉25の左右両側縁近傍の上端側にそれぞれ回動可能に取り付けられていて、開閉扉25を閉じた際には、各アーム27は中間部で二つ折れ曲がって折り畳まれ(図4参照)、開いた際には直線状に伸びるように構成されている(図9参照)。なお、この第1実施例においては、上記各アーム27は、2本の棒状部材27a,27aを軸部材27bで回動可能に相互に連結した構成のものが用いられている。
【0022】
さらに、上記床下空間5Aには、上記便受容器6を載置すると共に、該便受容器6を床下空間5A内から上記取出口8に向けて出し入れ誘導する載置誘導台28が付設されている。
具体的に、この載置誘導台28は、図9に示したように、ここでは上記床下空間5A内から取出口8に向けて付設された一対のレール29,29である。各レール29は、床下空間5A内から取出口8に向けて多数本のローラ29aを並行状に列設配置させたコンベヤ状に形成されたものである。即ち、上記便受容器6の後述する案内溝31b,31bの溝底に接触する上記ローラ29aと、これらの各ローラ29aを床下空間5Aの前後方向に回動自在に支持する軸部材29bと、各ローラ29aの上部側だけ突出させた状態で該軸部材29bの両端を保持する軸受枠29cとでそれぞれ構成されている。そして、各レール29は、床下空間5Aにおける奥側から取出口側のほぼ全長にわたり、他方のレールと相互に平行となるように、上記軸受枠29cが該床下空間5Aの底部の上記底部型材24上に固定された状態で敷設されている。したがって、床下空間5Aに対して便受容器6を出し入れする際には各レール29のローラ29aが回動しながら誘導するため、便受容器6を動かすのが非常に容易であり、特に、便によって便受容器6が重くなっている場合であっても簡単に引き出すことができるため、便受容器6の交換作業をスムーズに行うことができる。
【0023】
また、上記開閉扉25における閉じた状態での床下空間側の面、即ち、開いた状態での上面側にあたる面には、図5及び図9に示すように、上記取出口8から出し入れされる便受容器6をさらに出し入れ誘導する一対の補助レール30,30が配設されている。これらの一対の補助レールは30,30、多数本の複数の補助用ローラ30aを並行にならべて列設配置したコンベヤ状のもので、長さ以外は上記レール29と実質的に同じ構成である。
即ち、上記便受容器5の案内溝の溝底に接触する複数の補助用ローラ30aと、これらの各補助用ローラ30aを前後方向に回動自在に支持する軸部材30bと、各補助用ローラ30aの上部側だけ突出させた状態で該軸部材30bの両端を保持する軸受枠30cとでそれぞれ構成されている。
上記一対の補助レール30,30は、開閉扉25が開いた状態において上記一対のレール29,29の延長上に位置するように配設されていて、床下空間5Aに出し入れされる便受容器6の案内溝31b,31bとスムーズに係合して、便受容器6の出し入れを一層簡単に行えるようにしている。
【0024】
ところで、上記便受容器6は、図10に示すように、上部が略矩形状に開口し、底部側に行くに従って次第に先細る横長箱形に形成された容器本体31と、該容器本体31の開口部を着脱自在に被覆する蓋体32とから成り、該蓋体32に開設されて上記便の落し口3Aからの便を受け入れる便の受入れ口33と、該便の受入れ口33に不使用時に閉塞する着脱自由なキャップ34とを備えている。上記容器本体31内には不使用の便器9を格納しておくことができる一方で、容器本体31に蓋体32を固定した上で上記便の受入れ口33をキャップ34で閉塞した場合には該便受容器内部を密封できる構成となっている。
この第1実施例の便受容器6は、図4及び図5に示したように、上記各床下空間5A内に、該便受容器6の長手の面を正面とした状態で該床下空間5Aの奥側と手前側に1個づつ、合計2個並べた状態で収容可能な大きさに形成されている。
【0025】
上記容器本体31の開口縁には、該開口縁に沿って外方に張り出すと共に、先端が直角に垂下する略L字形のフランジ部31aが一体に形成されていて、上記蓋体32の固定に供される一方で、垂下した部分が容器本体31の補強及び床下空間5Aからこの容器本体31あるいは便受容器6全体を引き出す際の引き手として機能するように構成されている。
さらに、上記容器本体31の底面には、上記一対のレール29,29に係合する一対の案内溝31b,31bが設けられている。これらの一対の案内溝31b,31bは、上記一対のレール29,29の配設位置に対応する位置に、相互に平行に且つ容器本体31の短手方向に延びるように設けられている。各案内溝31bは、上記レール29の軸受枠29cの上端側の一部が収容される程度の深さと幅となっており、案内溝内31bとレール29とが係合することによって便受容器6を確実に取出口方向に案内できるようにしている。
【0026】
一方、上記蓋体32は、上記容器本体31の開口の形状に対応した略矩形状のもので、上記便の受入れ口33が設けられた板状の蓋基体部32aと、該蓋基部32aの周縁に段状に立ち上がるように設けられ、下方に開口して上記容器本体のフランジ部が嵌入される嵌入溝32bを有する周縁部32cとを一体に備えている。
なお、上記蓋基体部32aには、図4に示すように、上記容器本体31の一対の案内溝31b,31bに対応する位置に、下向きに開口する一対の補助溝36,36が形成されていて、後述する図12に示すように、蓋体32上に容器本体31を載置した状態でも上記載置誘導台28に載置して取出口8を通して出し入れ誘導できるようにしている。
【0027】
また、上記蓋体32における蓋基体部32aと上記周縁部32cとの連結部分には複数のリブ35が立設されていて、蓋体32を補強すると共に、図11に示すように、このリブ35の上に別の便受容器を載置できるようにしている。これにより、複数の便受容器を上下に積み重ねることができるため、便受容器の保管にあまり場所を取らないですむという利点がある。さらに、この第1実施例においては、上記各リブ35には切欠き35aが切設されて、リブ35全体としては略L字形状に形成されたものとしており、この切欠いた部分に他の便受容器の容器本体を載置させることにより、該他の便受容器を大きく位置ずれすることなく安定的且つ安全に蓋体32上に載置できるようにしている。
【0028】
上記便の受入れ口33は、円形状に形成されたもので、上記蓋基体部37のほぼ中央に開設されている。また、この便の受入れ口17の周縁には、上方に立ち上がる筒部37が該便の受入れ口33を囲むように上記蓋基体部32aと一体に設けられていて、該筒部37の外周面には、上記キャップ34に設けられた後述のねじ山と螺合するねじ山37aが配設されている。
【0029】
上記キャップ34は、平面視略円形状のもので、操作用のハンドル38aが設けられた本体部38と、該本体部38の下面側に円筒状に形成されて上記便の受入れ口33の筒部37が嵌入される嵌合溝39とを備えている。該嵌合溝39内における外側に位置する溝壁には、図3に示したように、上記筒部37のねじ山37bと螺合するねじ山39aが設けられていて、上記ハンドル38aを操作してキャップ34全体を回転させることにより嵌合溝39内に上記筒部37が螺挿されてキャップ34が便の受入れ口33を閉塞する一方、逆方向に回転させることにより、該キャップ34を便の受入れ口33から取外すことができるようになっている。なお、上記嵌合溝39の溝底には、図示しないゴム製のOリングが取り付けられていて、キャップ34で便の受入れ口33を気密に閉塞することができるようにしている。
【0030】
ここで、上記蓋体32と上記容器本体31とは、パッキン部材40を介して相互に固定できるようになっている。具体的には、図10に示すように、上記容器本体31のフランジ部31aの上面と上記蓋体32の嵌入溝32bの溝底との間に、矩形枠状の上記パッキン部材40を配設すると共に、容器本体31及びパッキン部材40並びに蓋体32にそれぞれ形成した固定用穴31c,40a,32dにリベット等のいわゆる工業用ファスナーを嵌入することにより、上記フランジ部31aと嵌入溝32bの溝底との間が気密状態に固定される。したがって、上記キャップ34による便の受入れ口33閉塞時の気密性と合わせて、便受容器6内を気密に保つことができ、使用済みの便受容器の衛生的な保管を図ることができ、また匂いも抑えることが可能である。
なお、この蓋体32の容器本体31への固定は、使用時(非常時)に行えばよく、未使用時(通常時)は、固定する必要はない。
【0031】
上記和式便器9は、上記便の落し口3Aに通じる排便用開口部41aと、該排便用開口部41aに向かって下り勾配の尿誘導用溝部41bと、これら排便用開口部41aと尿誘導用溝部41bを囲むよう設けられた枠部材41cと、該枠部材41c上における上記排便用開口部41aとは反対側に位置する端部に設けられた突出部材41dとを備えた便器本体部41、及び該便器本体41における枠部材41cの外周に外方向け突設されて上記便の落し口3A内において受枠21に支持される鍔状の支持部42を一体に備えている。上記支持部42は、平面視の外形が上記蓋の外形とほぼ同じになるように形成されていて、和式便器9全体として上記便の落し口3Aにぴったり嵌まるように形成されている。
【0032】
上記構成を有する物置兼用型簡易トイレは、平常時は、図1及び図2の右半部に示すように、蓋4Aによって床部2Aの便の落し口3Aを閉塞した状態で、物置構造体1Aの収容部11の空間内に任意の物、例えば予備の便受容器等を入れて使用し、また、床下空間5Aに格納した便受容器6内には和式便器9等を入れておく。便の落し口3Aが塞がれた床部2Aは、蓋4Aも含めて全体として物置構造体1Aの床として機能するため、該物置構造体1Aは一般の物置としてなんら遜色なく使用することができる。
【0033】
一方、大規模災害時等の非常時においてトイレが必要な場合には、物置構造体内1Aの物を外部に搬出した後に蓋4Aを取外して上記便の落し口3Aを開放させると共に、開閉扉25を開けて便受容器6を取出口8を通じて引出し、該便受容器6内の和式便器9を取り出した上で、図1及び図2の左半部に示すように、和式便器9を便の落し口3A内に嵌め込む。そして、便受容器6の蓋体32を便の受入れ口33を開放させた状態で容器本体31に固定し、該便の受入れ口33が上記和式便器9の排便用開口部41aの真下に位置するように便受容器6の位置を調整した後、開閉扉25を閉めることにより床下空間に便槽としての便受容器6を備えた汲み取り式の個室型トイレが完成し、使用に供することができる。このとき、上記蓋4Aを取外して和式便器9を取付けるという比較的容易な作業によって物置構造体1Aを個室型の簡易トイレとすることができ、災害時等の必要な時に簡単且つ迅速にトイレを供給することがきる。
【0034】
また、便受容器6が便で満たされた場合には、図7及び図8に示すように、開閉扉25を開けて取出口8を開放し、該便受容器6を床下空間5Aから水平方向に引き出すと共に、その便受容器6の便の受入れ口33をキャップ34によって閉塞した上で他の場所へ運び出す一方、別の新しい便受容器6を載置誘導台28上に載せ、上記取出口8から床下空間5A内に押し込んで格納させる。
このとき、使用済みの上記便受容器6は、その保管場所に順次積み重ねることができるため保管に場所を取ることなく、しかも該便受容器6の内部は密閉された状態であることから衛生的且つ安全に保管することができる。また、その一方で、便受容器6が便で満たされても、順次新しい別の便受容器6に容易に交換することができるため、多人数、あるいは長期間の使用にも十分対応することができ、従来のもののように、便槽がいっぱいになることによってトイレの使用できなくという問題が発生することはない。
【0035】
図12から図14は本発明の物置兼用型簡易トイレの第2実施例を示すもので、上記第1実施例が床部に和式便器を取付けたものであるのに対し、この第2実施例は、床部に洋式便器を着脱自在に取付けたものとなっている。
即ち、この第2実施例の物置兼用型簡易トイレは、物置構造体1Bの床部2Bの奥側寄りの部分に平面視略正方形状に形成された便の落し口3Bが形成されていると共に、この便の落し口3Bを囲むように上記洋式便器43が着脱自在に取付けられるようになっている。また、上記便の落し口3Bには、この便の落し口3Bの平面視形状とほぼ同形の正方形状に形成された蓋4Bが着脱自在に取付けられるようになっている。
なお、図12の右半部は、平常時に物置として使用する状態を、左半部は、非常時にトイレとして使用する状態を示している。
【0036】
上記洋式便器43は、複数(ここでは2つ)に分割された便器用筒部を上下に重ね合わせることにより組立て可能に構成されたもので、平常時は、図12の右半部に示すように、床下空間5B内に格納された便受容器6内に分割された状態で保管されていて、使用時は、図12及び図13の左半部に示すように、組み立てられた状態で上記床部2B上に取付けられる。
具体的に、この洋式便器43は、図12及び図14に示すように、上記床部2Bの上面に取付けられる下段側筒部44と、該下段側筒部44の上端面に取付けられる上段側筒部45と、該上段側筒部45の上端面に開閉自在に取り付けられる便座46及び蓋部47を備えている。そして、各筒部44,45の中空部44a,45aを相互に連通して便の通り道とすると共に、下段側筒部44の下端周縁に外方に張り出すように設けられた固定用フランジ部44bを、ボルト等によって床部2Bに固定することにより、下段側筒部44が上記便の落し口3B全体を覆った状態で取付けることができるようになっている。
また、下段側筒部44の中空部44aの下端には、円筒状の筒体48が取付けられていて、これにより床下空間5B内の便受容器6の便の受入れ口33近傍まで上記中空部44aを延長させて、便を便受容器6内へより確実に落とし込めるようにしている。
【0037】
ちなみに、この第2実施例においては、図12に示すように、床下空間5B内において未使用の洋式便器43の一部(図12の場合は下段側筒部44)を格納した上記便受容器6は、蓋体32上に容器本体31を置いた状態で上記載置誘導台上に載置する一方で、補助溝36,36をレール29,29に係合させ、その状態で取出口8を通して出し入れ誘導できるようにしている。これにより、床下空間5B内に格納する未使用状態の便受容器6内に便器その他の収容対象物を収納する際に、収納対象物が大きくて便受容器6内に収まりきれず蓋体32をしっかり閉められない場合でも、容器本体31とそれに対応する蓋体とがばらばらになることなく一括して管理できる。
【0038】
なお、この第2実施例において、上記床部2Aの便の落し口3Bの位置・形状、及び蓋4Bの形状、並びに洋式便器43以外の構成は基本的に上記第1実施例と同じであるため、同じ構成部分に第1実施例と同じ符号を付してその説明は省略する。
【0039】
図15から図24は、本発明の第3実施例を示すもので、上記第1実施例及び第2実施例では、床部は、床本体が床受部に位置不動に固定され、蓋のみを着脱自由とした構成となっているが、この第3実施例においては、床部全体が着脱可能な構成としている。
さらに、上記第1及び第2実施例は便受容器そのものが便を溜め込む便槽として機能するものであったのに対し、この第3実施例の物置兼用型簡易トイレは、便受容器の中に、実質的な便槽となる取出し補助容器を該便受容器とは別に配設した構成としている。
【0040】
即ち、この第3実施例の床部2Cは、物置構造体1Cの床設置位置に対して着脱自在に架設され、便の落し口3Cが開設されたトイレ床ユニット49と、該トイレ床ユニット49の上面に取外し自由に載置された物置構造体1Cの床板を兼ねる蓋4Cとで構成されている。
上記トイレ床ユニット49は、平常時には物置として上記蓋4Cを支持し、非常時にトイレとして使用する際にはトイレの床となるもので、上記便の落し口3Cが開設されて上面に便器が着脱自由に取付けられる板状の床主体部49aと、該床主体部49aの縁部に沿って下向きに垂設された周壁部49bと、該周壁部49bの下端側の周縁に外向きに設けられて上記物置構造体1Cの床受部16に支持されるフランジ部49cとを一体に備え、全体として箱形に形成されている。このトイレ床ユニット49は、平常時に物置として上記蓋4Cが載置される場合には、図15及び図16の各右半部に示すように、上記床主体部49aが下となるように上下面を反転させた状態で上記床受部16に支持させ、トイレとして使用する時には、図15及び図16の左半部に示すように、床主体部49aが上となるように床受部16に支持させる。
【0041】
上記トイレ床ユニット49の床主体部49aには、図21に示すように、便の落し口3Cが該床主体部49aの前側寄りの部分に形成されると共に、この床主体部49aの上面側のほぼ中央に、該便の落し口3Cに向かって下り勾配の尿誘導用溝部50が一体に形成されており、これら便の落し口3及び便誘導用溝部50の床主体部49a上面にあらわれた縁部分を囲むように後述の和式便器53が取付けられるようになっている。
また、図15及び図20に示すように、上記周壁部49bに囲まれた上記床主体部49aの下面側には、該床主体部49aを補強する一対の補強材51,51が、上記便の落し口3Cを挟むように設けられ、さらに、これらの補強材51,51の間には、上記トイレ床ユニット49の上下面の反転作業に供する握持用の取手52が架設されている。
【0042】
また、上記蓋4Cは、床主体部49aが下に向いた状態で床受部16に支持された上記トイレ床ユニット49の上面側全体を被覆することにより便の落し口3Cを閉塞するものであり、上記トイレ床ユニット49の平面視形状とほぼ同形・同大に形成されている。
【0043】
さらに、上述した和式便器は、上記尿誘導用溝部50及び便の落し口3Cの縁部分に沿うように上記床主体部49a上に取付けられる枠部材53aと、該枠部材53a上における上記便の落し口3Cとは反対側に位置する端部に設けられた突出部材53bとを一体に備えたものである。上記枠部材53aの前後両端部には、上記床主体部49aへの取付けに使用する取付孔53c,53cが設けられていて、図21に示すように、リベット等の工業用ファスナー54をこれらの各取付孔53c,53cを通して床主体部49aに設けた嵌入孔49d,49dに嵌入することにより、和式便器53をトイレ床ユニット49に取付けることができるようになっている。
【0044】
一方、上記便受容器55は、上方が開口する略直方体状の箱形のもので、床下空間5Cの大きさに適合した大きさに形成され、該床下空間5C内に単体で格納されている。
また、この便受容器55の4面の側壁部分には、人間の手を挿入することができる程度の大きさの長穴55aが複数設けられていて、便受容器55を床下空間5Cから引き出す際に利用される。
【0045】
上記取出し補助容器56は、上記便受容器55内の空間に取出し自由に収められるもので、全体として上部が開口する箱形であって、該便受容器55の内部に載置できる程度の大きさに形成されている。
上記取出し補助容器56としては、市販されている折り畳み式の合成樹脂性の箱を用いることができるが、これ以外であっても、箱状の合成樹脂や金属、あるいは耐水性のある紙等各種素材で形成された容器を流用することができる。
【0046】
この第3実施例においては、図23に示すように、この取出し補助容器56内にビニール袋57をその開口が上向きになった状態で収容させると共に、このビニール袋57の開口57aが上記便の落し口3の真下にくるように上記便受容器55内に載置することにより、このビニール袋57内に便を溜め込ませ、いっぱいになったらビニール袋57、あるいは取出し補助容器56ごとを交換するように構成している。
また、この第3実施例においては、図24に示すように、合成樹脂や硬質の紙等で矩形に形成されて中央に丸穴58aが穿設された型板58を使用して、丸穴58a内にビニール袋57を通した上で該ビニール袋57の開口縁を該型板の周縁に巻き付け、ビニール袋の開口57aを円形状に常時広げたようにすることにより、便の落し口3Cからの便をビニール袋内に確実に受け入れられるようにしている。
【0047】
なお、この第3実施例において、床部2Cの構成、及び上記便受容器55、取出し補助容器56に係る構成以外は、基本的に上記第1実施例の構成と同じであるため、同じ構成部分に第1実施例と同じ符号を付してその説明は省略する。
【0048】
上記構成を有する第3実施例の物置兼用型簡易トイレは、平常時は物置として、非常時はトイレとして使用することができることはもちろんであるが、トイレとして使用する場合には、たとえビニール袋が便でいっぱいになっても、床下空間5Cから便受容器55を引出して取出し補助容器56を取り出し、該取出し補助容器56内のビニール袋57のみ、あるいは取り出し補助容器56ごと別の取出し補助容器に順次交換することができるため、大人数、あるいは長期間の使用にも対応することができる。
また、物置からトイレへの転換する際にトイレ床ユニットを上下反転させるという作業を行う必要があるものの、床部であるトイレ床ユニット49および蓋4Cは着脱自由であるため、トイレへの転換の際に便受容器55を床下空間5Cから物置構造体1Cの外部に引き出さなくても便器53を取り出すことができるという利点がある。
【0049】
上記第3実施例では、上記取出し補助容器56にはビニール袋57を設置しているが、例えばビニール袋を確保できない場合には、この取出し補助容器そのものを交換可能な便槽としてそのまま使用するようにしてもよい。この場合、取出し補助容器の内部に予め防水加工を施しておくことが肝要である。
さらに、上記取出し補助容器としては、この第3実施例のようにビニール袋に便を溜め込ませる場合には、ある程度の強度を有するダンボール等、任意のものを利用することができる。
【0050】
また、上記第3実施例では、トイレ床ユニット49に和式便器55を取付けた構成としているが、これに限らず、洋式便器を取りつけた構成としてもよい。この場合、トイレ床ユニットには、尿誘導用溝部を設ける必要はなく、さらに、便の落し口は、上記第2実施例のように、床部(トイレ床ユニット)の奥側に設けることが肝要である。また、上記トイレ床ユニットに取付ける洋式便器は、上記第2実施例と同様の構成のものを用いるのが好ましい。
【0051】
上記第1〜第3実施例では、物置構造体内の各個室に洋式便器のみ、あるいは和式便器のみを設置した場合を示しているが、一方の個室に洋式便器を、他方の個室に和式便器を各々設置するようにしても良い。また、第1〜第3実施例では、物置構造体内に2つの個室が形成されたものとしているが、床下空間を確保でき、且つ該床下空間に便受容器を出し入れ自由にできるのであれば、個室の数は物置構造体の大きさに応じた数であってもよく、また、各個室の大きさも適当に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る物置兼用型簡易トイレの第1実施例を示す断面図である。
【図2】図1のA−A拡大断面図である。
【図3】図2のC−C拡大断面図である。
【図4】図2のD−D拡大断面図である。
【図5】図1のB−B断面図である。ただし、開閉扉が開いているものを示す。
【図6】開閉扉が閉じた状態を示す斜視図である。
【図7】開閉扉を開いた状態を示す斜視図である。
【図8】便受容器を引き出した状態を示す斜視図である。
【図9】開閉扉が開いた状態における床下空間の構成を示す斜視図である。ただし、便槽容器は省略している。
【図10】便受容器の分解斜視図である。
【図11】便受容器を重ねて載置した状態を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る物置兼用型簡易トイレの第2実施例を示す断面図である。
【図13】図12のE−E拡大断面図である。
【図14】図12のF−F断面図である。ただし、開閉扉が開いている状態を示す。
【図15】本発明に係る物置兼用型簡易トイレの第3実施例を示す断面図である。
【図16】図15のG−G拡大断面図である。
【図17】図15のH−H拡大図である。
【図18】図15のI部の要部拡大図である。
【図19】図15のJ部の要部拡大図である。
【図20】本発明の第3実施例に係るトイレ床ユニット及び床板を示す斜視図である。ただし、トイレ床ユニットは上下面を反転させた状態を示す。
【図21】トイレ床ユニット上に和式便器を取付ける状態を示す分解斜視図である。
【図22】開閉扉を開いて便受容器を引き出している状態を示す斜視図である。
【図23】便受容器を引き出して取出し補助容器を露出させた状態を示す斜視図である。
【図24】本発明の第3実施例の取出し補助容器を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1A,1B,1C 物置構造体
2A,2B,2C 床部
3A,3B,3C 便の落し口
4A,4B,4C 蓋
5A,5B,5C 床下空間
6,55 便受容器
7 側壁部
8 取出口
9,43,53 便器
25 開閉扉
28 載置誘導台
29 レール
29a ローラ
31 容器本体
32 蓋体
33 便の受入れ口
34 キャップ
56 取出し補助容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物置構造体の床部には蓋によって開閉自由に閉塞される便の落し口を開設する一方、前記床部の下に形成される床下空間には便受容器を格納すると共に、該便受容器を前記床下空間を囲む側壁部に開設する取出口を通して出し入れ自由にしたことを特徴とする物置兼用型簡易トイレ。
【請求項2】
床下空間の側壁部に開設する取出口には開閉扉が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項3】
床下空間の底部には、便受容器を載置すると共に該便受容器を取出口に向けて誘導する載置誘導台を付設することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項4】
載置誘導台は床下空間内から取出口に向けて付設されるレールであることを特徴とする請求項3に記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項5】
載置誘導台は床下空間内から取出口に向けて並行状に列設配置される多数本の回転ローラからなることを特徴とする請求項4に記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項6】
便受容器は、箱形の容器本体と、この容器本体の開口部を着脱自在に被覆する蓋体とから構成し、蓋体には床部の便の落し口に対応した位置に便の受入れ口を開設すると共に、該便の受入れ口に不使用時に閉塞する着脱自由なキャップを装着可能にしてなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項7】
便受容器には便を受ける取出し補助容器を収めてなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項8】
床部に開設する便の落し口には便器を着脱自由に装着することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項9】
便の落し口に装着する便器は不使用時に物置構造体の床下空間に格納することを特徴とする請求項8に記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項10】
物置構造体の床部は物置構造体の床設置位置に対して着脱自由に架設することを特徴とする請求項1に記載の物置兼用型簡易トイレ。
【請求項11】
床部の下面には便の落し口を囲んで便器を取付けることを特徴とする請求項10に記載の物置兼用型簡易トイレ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−144374(P2009−144374A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321431(P2007−321431)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(507407847)
【出願人】(506218343)
【Fターム(参考)】