特典付与支援システム
【課題】来店回数や来店1回当りの利用金額の増加につながる特典付与支援システムを提供する。
【解決手段】携帯電話機1とリーダライタ2とを用い、リーダライタ2は、購入金額データとリーダライタIDとを含む購入データを、携帯電話機1に送信する購入データ送信手段を備え、携帯電話機1は、特典付与用リーダライタIDを記憶するリーダライタID記憶手段と、リーダライタ2から購入データを受信して、購入データ内のリーダライタIDと特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、購入回数情報と購入金額情報とを記憶する購入情報記憶手段と、購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するアベレージ表示手段と、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、を備える特典付与支援システムS。
【解決手段】携帯電話機1とリーダライタ2とを用い、リーダライタ2は、購入金額データとリーダライタIDとを含む購入データを、携帯電話機1に送信する購入データ送信手段を備え、携帯電話機1は、特典付与用リーダライタIDを記憶するリーダライタID記憶手段と、リーダライタ2から購入データを受信して、購入データ内のリーダライタIDと特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、購入回数情報と購入金額情報とを記憶する購入情報記憶手段と、購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するアベレージ表示手段と、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、を備える特典付与支援システムS。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やパーソナル・コンピュータ(以下、「パソコン」と言う。)を用いて、物品、サービス、ディジタル・コンテンツ等の購入をした場合に購入金額に応じた特典を購入者に付与するための特典付与支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子マネー機能を有する携帯電話機が利用されるようになってきている。かかる携帯電話機は、下記特許文献1に記載されているように、非接触型ICカード機能を有し、予め電子マネーをチャージしておいて、店頭等で端末に接続されたICカードリーダライタとの間で通信を行うことにより、決済を行うものである。
【0003】
端末に記憶された利用金額等の情報は、通信回線を通じて、或いは、オフライン処理により、電子マネー発行体に送られる(特許文献1の図1参照)。そこで、従来、この情報を電子マネー発行体から販売管理サーバが取得して、利用金額に応じたポイントを発行することとし、利用者が携帯電話機からインターネットを介して販売管理サーバにアクセスすることにより、自分のポイントを知ることができる特典付与支援システムがある。
【特許文献1】特開2002−109427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の特典付与支援システムは、単に利用金額に応じたポイントが表示されるのみであり、興趣に乏しいため、来店回数や客単価すなわち来店1回当りの利用金額の増加につながり難いという問題があった。
【0005】
この発明は、上述した問題を解決するものであり、来店回数や来店1回当りの利用金額の増加につながる特典付与支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特典付与支援システムは、電子マネー又はクレジット機能を有するとともに記憶部と表示部とを備えた携帯電話機と、前記携帯電話機と交信可能なリーダライタとを用いた特典付与支援システムであって、前記リーダライタは、購入金額データと前記リーダライタのリーダライタ識別情報(以下、「リーダライタID」と言う。)とを含む購入データを、前記携帯電話機に送信する購入データ送信手段を備え、前記携帯電話機は、特典付与用リーダライタIDを、受信、入力、又は、記録媒体からの読取りにより取得して、前記記憶部に記憶するリーダライタID記憶手段と、前記リーダライタから前記購入データを受信して、前記購入データ内のリーダライタIDと、前記特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、前記購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを前記記憶部に記憶する購入情報記憶手段と、前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを前記表示部に表示するアベレージ表示手段と、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の特典付与支援プログラムは、電子マネー又はクレジット機能を有するとともに記憶部と表示部とを備えた携帯電話機に、前記携帯電話機と交信可能なリーダライタから購入金額データと該リーダライタのリーダライタIDとを含む購入データを受信したときに、前記購入データ内のリーダライタIDと、前記記憶部に記憶されている特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、前記購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを前記記憶部に記憶するステップと、前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを前記表示部に表示するステップと、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている購入回数情報をリセットするステップと、を実行させることを特徴とする。
【0008】
本発明の特典付与支援サーバは、インターネットに接続され記憶部を備えた特典付与支援サーバであって、表示部を有するクライアント装置から、又は、前記クライアント装置と交信した販売管理サーバから、インターネットを介して、ユーザ識別情報と購入金額とを含む購入データを受信する購入データ受信手段と、受信した前記購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に前記記憶部に記憶する購入情報記憶手段と、前記クライアント装置からのユーザ識別情報を伴う所定の要求に応じて、前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、前記クライアント装置に送信するアベレージ画面送信手段と、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている該清算処理の対象となったユーザの購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、購入回数に応じた所定のマークが画面に表示されるので、画面があたかもスタンプカードのように見え、スタンプを集めようという購入者の意欲を喚起して、来店(購入)回数の増加につながるとともに、平均購入金額が表示されるので、その平均購入金額に応じた特典を付与することとすれば、来店(購入)1回当りの購入金額(利用金額)の増加につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
〈特典付与支援システムの一実施形態についての説明〉
まず、本発明の特典付与支援システムの一実施形態である特典付与支援システムSについて説明する。特典付与支援システムSは、購入者の購入金額の平均(アベレージ)に応じた特典を付与するためのシステムである。
【0011】
図1に示すように、特典付与支援システムSは、非接触型ICカード機能を利用した電子マネー機能(例えば、ビットワレット社のEdy(登録商標)機能)を有する携帯電話機1と、携帯電話機1と交信可能な非接触型ICカードのリーダライタ2とから構成されている。携帯電話機1は、インターネット接続機能を有し、インターネットを介して、アプリケーションサービスプロバイダ(以下、「ASP」と表記する。)が有するサーバ4と交信可能である。リーダライタ2は、端末装置3に接続され、端末装置3と共に店舗に設置されている。なお、リーダライタ2が端末装置3に組み込まれている構成、すなわち、リーダライタ2と端末装置3とが一体となった構成であってもよい。
【0012】
携帯電話機1は、図2に示すように、CPU等からなる制御部11と、液晶表示装置等からなる表示部12と、番号ボタンや決定ボタン等の各種のボタン(キー)等からなる操作部13と、電話用の送受信回路等からなる通信部14と、電話用のアンテナ15と、半導体メモリ等からなる記憶部16と、非接触型ICカード部(以下、「ICカード部」と略す。)17とを備えている。記憶部16には、電子マネーを利用するときの識別情報となる電子マネーID(例えば、Edy番号)が記憶されている。電子マネーIDは、携帯電話機1毎に異なっている。
【0013】
ICカード部17は、例えばFeliCa(ソニー株式会社の登録商標)等の方式を用いた非接触型ICカード機能を有する部分であり、CPU等からなる制御部171と、非接触型ICカード機能用の送受信回路等からなる通信部172と、非接触型ICカード機能用のアンテナ173と、半導体メモリ等からなる記憶部174とを備えている。
【0014】
リーダライタ2は、図3に示すように、CPU等からなる制御部21と、非接触型ICカード用の送受信回路等からなる通信部22と、非接触型ICカード用のアンテナ23と、半導体メモリ等からなる記憶部24と、端末装置3と接続するためのインターフェース部25とを備えている。記憶部24には、リーダライタ2のリーダライタIDが記憶されている。リーダライタIDは、リーダライタ2毎に異なっている。
【0015】
端末装置3は、図4に示すように、CPU等からなる制御部31と、液晶表示装置等からなる表示部32と、テンキーやバーコード読取装置等からなる入力部33と、半導体メモリ等からなる記憶部34と、リーダライタ2や電子マネー処理サーバ5等と接続するためのインターフェース部35と、レシート等を印刷出力する印刷部36とを備えている。
【0016】
そして、端末装置3は、レジスタ(金銭登録機)機能を有するとともに、インターフェース部35を介してリーダライタ2に命令やデータを送信し、その結果をリーダライタ2からインターフェース部35を介して受信可能に構成されている。
【0017】
詳しくは、電子マネーによる決済を行う場合は、店員等が端末装置3において電子マネーによる決済の選択操作を行い購入金額を入力する。これに応じて、端末装置3は、リーダライタ2に対して、非接触型ICカードの読取り命令及び購入金額データを送信する。すると、リーダライタ2は、近づけられた携帯電話機1のICカード部17とアンテナ173、23を介して交信し、携帯電話機1に購入金額データを送信して電子マネーによる決済を要求する。このとき、リーダライタ2は、購入日時データ、及び、リーダライタ2のリーダライタIDも、携帯電話機1に送信する。すなわち、リーダライタ2は、購入金額データとリーダライタ2のリーダライタIDとを含む購入データを、携帯電話機1に送信する購入データ送信手段を有する。なお、本実施形態では、購入データには購入日時データも含まれる。
【0018】
電子マネーによる決済要求に応じて、ICカード部17は、記憶部174に記憶している電子マネーの金額を表すデータ(単に「電子マネー」とも言う。)から、購入金額データで示される購入金額を差し引く処理を行い、電子マネーの残高と携帯電話機1の電子マネーIDとを、リーダライタ2に送信する。リーダライタ2は、差し引き処理が完了した購入金額データと携帯電話機1の電子マネーIDとを、端末装置3に送信する。端末装置3は、購入金額データと電子マネーIDとを記憶部34に記憶する。これらのデータは端末装置3においてコンパクト・ディスク等の持ち運び可能な記録媒体に記録されて、電子マネー会社(電子マネー発行体)に送付され、電子マネー会社が有する電子マネー処理サーバ5で処理される。なお、端末装置3を電子マネー処理サーバ5とインターネットあるいは専用回線等の通信回線で接続して、端末装置3に記憶されたデータをその通信回線を介して電子マネー処理サーバ5に送信することとしてもよい。
【0019】
電子マネー処理サーバ5は、一般的なサーバ・コンピュータであり、インターネットを介してサーバ4と交信可能である。
【0020】
サーバ4は、一般的なサーバ・コンピュータであり、図5に示すように、CPU等からなる制御部41と、表示装置や印刷装置等からなる出力部42と、キーボードやマウス等からなる入力部43と、半導体メモリ、ハードディスク装置、フレキシブル・ディスク装置、コンパクト・ディスク装置等からなる記憶部44と、インターネットと接続するためのインターフェース部45とを備えている。
【0021】
後述するように、携帯電話機1には、ユーザの操作に応じて、サーバ4から特典付与支援用アプリケーションプログラム(以下、「ポイントアプリ」と言う。)がダウンロードされる。このポイントアプリは、店舗毎、あるいは、共通のポイントサービスを行う店舗グループ毎に用意されている。
【0022】
このポイントアプリには、特典付与に用いられるリーダライタ2のリーダライタID、すなわち、特典付与用リーダライタIDがデータとして含まれており、携帯電話機1は、ダウンロード時に、この特典付与用リーダライタIDを記憶部16に記憶することになる。すなわち、携帯電話機1は、特典付与用リーダライタIDを取得して記憶部16に記憶するリーダライタID記憶手段を有する。なお、特典付与用リーダライタIDの取得方法は、ダウンロード等通信回線を介した受信に限らず、操作部13を用いた手入力や、2次元コード等記録媒体からの読取り等であってもよい。また、特典付与用リーダライタIDは単数とは限らず、複数でもよい。例えば、複数のチェーン店で共通のポイントサービスを行う場合には、各チェーン店に設置されたリーダライタ2のリーダライタIDを特典付与用リーダライタIDとして記憶部16に記憶させる必要があるので、特典付与用リーダライタIDは複数となる。
【0023】
また、このポイントアプリは、携帯電話機1に、リーダライタ2から購入データを受信したときに、その購入データ内のリーダライタIDと、記憶部16に記憶されている特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、受信した購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを記憶部16に記憶するステップと、記憶部16内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、その平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを表示部12に表示するステップと、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部16に記憶されている購入回数情報をリセットする(本実施形態では、0にする、すなわち、ゼロクリアする)ステップと、を実行させるプログラムである。このリセットの際には、購入金額情報等もリセットされる。なお、「記憶する」とは、記憶し直す、すなわち、更新する場合も含む意である。
【0024】
このようにポイントアプリが構成されていることから、購入データがリーダライタ2から送信されたとき、携帯電話機1は、購入データ内のリーダライタIDと、記憶部16内の特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを記憶部16に記憶する。すなわち、携帯電話機1は、リーダライタ2から購入データを受信して、購入データ内のリーダライタIDと、特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを記憶部16に記憶する購入情報記憶手段を有する。
【0025】
また、携帯電話機1は、ユーザの所定の操作に応じてポイントアプリが起動されたとき、記憶部16内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、その平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを表示部12に表示する。すなわち、携帯電話機1は、記憶部16内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、その平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを表示部12に表示するアベレージ表示手段を有する。
【0026】
さらに、携帯電話機1は、所定の清算処理が行われたと判断した場合には、記憶部16内の購入回数情報等をリセット(本実施形態では、ゼロクリア)する。すなわち、携帯電話機1は、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部16内の購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段を有する。
【0027】
図6に、記憶部16に記憶されている購入回数情報と購入金額情報とを示す。本実施形態では、購入回数情報として購入回数データ(単に「購入回数」とも言う。)、購入金額情報として各回の購入金額データ(単に「購入金額」とも言う。)が記憶される。なお、各回の購入日時データ(単に「購入日時」とも言う。)も購入金額に対応付けて記憶される。また、有効期限も、初回(リセット後の初回も含む。)の購入日時に、ポイントアプリによって定められている所定の期間を加算することにより演算されて、記憶される。なお、購入回数を直接記憶しなくてもよく、記憶されている購入金額のデータ数を購入回数としてもよい。また、各回の購入金額を記憶する代りに、購入回数と平均購入金額とを記憶したり、購入回数と購入金額の総額を記憶したりしてもよい。すなわち、購入回数情報は、購入回数を直接又は間接的に示す情報であればよく、購入金額情報は、各回の購入金額、平均購入金額、又は、購入金額の総額等、購入回数情報と併用することにより平均購入金額を算出可能な金額の情報であればよい。
【0028】
次に、上記のように構成された特典付与支援システムSの動作について、図7に基づいて説明する。図7において、ステップS07、S08、S10、S11、S16の処理は、携帯電話機1がポイントアプリに従って行う処理である。
【0029】
まず、ユーザ(購入者)は、携帯電話機1で、例えば店舗のチラシ等に掲載された2次元コードを読取って表示されたURLにアクセスすることにより、サーバ4にその店舗用のポイントアプリのダウンロードを要求する(ステップS01)。この要求を受信したサーバ4は、携帯電話機1にポイントアプリを送信する(S02、S03)。携帯電話機1は、ポイントアプリを記憶部16に格納(記憶)する(S04)。このとき、ポイントアプリに含まれている特典付与用リーダライタIDも記憶部16に格納される。
【0030】
次に、ユーザが、店舗において物品やサービスの購入を行い、電子マネーによる決済を選択した場合、上述したように、店員等の操作により、端末装置3からリーダライタ2に読取り命令及び購入金額データが送信され、リーダライタ2は、電子マネー決済処理として、携帯電話機1との間で決済のためのデータ通信を行う(S05)。このとき、上述したように、携帯電話機1には、リーダライタ2から、購入金額データ、購入日時データ、及び、リーダライタ2のリーダライタIDを含む購入データが送信され、携帯電話機1は購入データを受信する(S06)。
【0031】
携帯電話機1は、購入データ内のリーダライタIDと、記憶部16内の特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、購入データ中の購入金額データを購入金額情報として記憶部16に記憶するとともに、購入データ中の購入日時データを記憶部16に記憶し、購入回数情報である購入回数をカウントアップする(1増やす)(S08)。購入回数の初期値は0である。なお、購入回数が、その回数に達すれば特典付与を受けられるという所定の回数(本実施形態では5回)に既に達している場合には、購入日時及び購入金額の記憶、及び、購入回数のカウントアップは行わない。
【0032】
一方、携帯電話機1は、購入データ内のリーダライタIDと、記憶部16内の特典付与用リーダライタIDとが一致しない場合には、かかる購入回数・金額・日時の保存は行わない。
【0033】
次に、ユーザは、自分のポイントに当たる平均購入金額を知りたいときには、携帯電話機1において所定の操作を行って、ポイントアプリを起動させる(S09)。すると、携帯電話機1は、記憶部16内に記憶されている有効期限と、携帯電話機1自身が保持している現在の日付けとから、有効期限切れか否かを判断する。
【0034】
そして、携帯電話機1は、有効期限切れでないと判断したときは、記憶部16内の購入回数と購入金額とに基づいて平均購入金額を演算する。本実施形態では、購入金額の合計を購入回数で除算することにより、平均購入金額を算出する。なお、割り切れない場合には、切捨て、切り上げ、四捨五入等、所定のルールで調整する。本実施形態では、小数点以下切捨てとする。そして、携帯電話機1は、算出した平均購入金額と、購入回数に応じた数の所定のマークとを、例えば図8に示すような画面で、表示部12に表示する(S10)。
【0035】
一方、携帯電話機1は、有効期限切れとであると判断したときは、記憶部16内の購入金額、購入回数、購入日時、及び、有効期限をゼロクリアし、有効期限切れである旨を表示部12に表示する。
【0036】
図8(a)〜(c)は、平均購入金額と所定のマークとが表示されるアベレージ画面の例であり、(a)は購入1回目、(b)は3回目、(c)は5回目を示す。図8の例では、画面下部のアベレージ欄51に平均購入金額が表示され、画面中央部に、所定のマークとして、購入金額が中に表示された円形のマークMが、購入回数に応じた数だけ購入日時順に並べて表示される。そして、それらのマークMの上には、購入金額をグラフ化したグラフが表示される。また、有効期限(図8の例では2007年10月31日)が表示されるとともに、現在の日付からその有効期限までの残り日数が表示される。残り日数は、携帯電話機1が保持している現在の日付と、有効期限とから算出される。図8の例では、有効期限内に5つのマークMを集めれば、平均購入金額に応じた特典が付与されるものとする。
【0037】
図8(c)のようにマークMが所定数集まった場合、ユーザは、ポイントを清算して特典付与の要求を行うことができる。この要求は、携帯電話機1において行える。例えば、マークMが所定数集まったとき、携帯電話機1は、ポイントアプリに従って動作することにより、画面にポイント清算要求のためのボタン(図示せず。)を表示する。ユーザが、そのボタンを選択操作すると、携帯電話機1はポイント清算要求をサーバ4に送信し(S11)、その要求を受信したサーバ4は、ポイント清算処理を行う(S12、S13)。
【0038】
本実施形態では、ポイント清算処理として、平均購入金額に応じた電子マネーを付与することとし、サーバ4は、平均購入金額分の電子マネーを携帯電話機1に送信する。なお、サーバ4は、付与した電子マネーに関するデータ(ポイント清算要求の際に携帯電話機1から送信された電子マネーID及び付与金額等)を電子マネー処理サーバ5に送信して処理させる。
【0039】
携帯電話機1は、電子マネーを受け取って、記憶部16に格納する(S14)。また、サーバ4は、ポイント清算処理後にリセット指示を携帯電話機1に送信し(S15)、このリセット指示を受信すると、携帯電話機1は、所定の清算処理が行われたと判断して、記憶部16内の購入回数、購入金額、購入日時、及び、有効期限をゼロクリアする(S16)。
【0040】
以上のように、特典付与支援システムSによれば、購入回数に応じた所定のマークMが画面に表示されるので、画面があたかもスタンプカードのように見え、スタンプを集めようという購入者の意欲を喚起して、来店回数(購入回数)の増加につながるとともに、平均購入金額が表示されるので、例えば平均購入金額分の電子マネーの付与等、平均購入金額に応じた特典を付与することとすれば、来店(購入)1回当りの購入金額の増加につながる。
【0041】
また、携帯電話機1にダウンロードされたアプリにより、購入金額等が携帯電話機1側に記憶され、平均購入金額が携帯電話機1側で演算されて、購入回数に応じたマークMと共に表示されるので、平均購入金額や購入回数の確認のために携帯電話機1からサーバ4等のサーバにアクセスする必要がない。このため、携帯電話機1側にとっては、通信料の負担軽減となり、サーバ4側にとっては、ユーザ情報を保存しなくてよいため、個人情報漏洩防止のための管理負担が軽減される。
【0042】
なお、ポイントの清算方法としては、電子マネーの付与に限らず、例えば、所定のポイント清算画面を店員等に見せることにより、平均購入金額相当分の値引きを受ける、平均購入金額相当分のクーポン券の付与を受ける等、種々の方法を採れる。ポイント清算画面は、例えば、購入回数が特典付与を受けられる所定回数に達したことにより携帯電話機1に表示可能とされ、ユーザがその画面の表示を終了したときに、携帯電話機1は、所定の清算処理が行われたと判断して、購入回数情報等のリセットを行なうこととすればよい。
【0043】
また、本実施形態は、非接触型ICカード機能を利用した電子マネー機能を有する携帯電話機1と、非接触型ICカードのリーダライタ2とを用いたが、非接触型ICカードを利用したものに限らず、電子マネーの金額や電子マネーID等電子マネー用のデータを記憶可能な携帯電話機1と、携帯電話機1と交信可能であって携帯電話機1に対して電子マネー用のデータの書換えや読出しを命じることができるリーダライタ2であればよい。
【0044】
さらに、携帯電話機1は、電子マネー機能ではなく、クレジット機能を有するものであってもよい。すなわち、先に電子マネーをチャージしておいて後で使うプリペイド型に限らず、ポストペイ型であってもよい。ポストペイ型とは、クレジットカードのように携帯電話機1を使うものであって、店舗等での支払いの際には、リーダライタ2から携帯電話機1に、購入金額データとリーダライタIDとを含む購入データが送信され、携帯電話機1からリーダライタ2には、携帯電話機1が保持しているクレジット番号等のクレジットデータ(通常のクレジットカードに記録されているものと同様のデータ)が送信される。クレジットデータは、リーダライタ2から端末装置3に送信され、端末装置3は、クレジットデータと購入金額データとを、クレジット用のサーバに送信して処理させる。この結果、購入者の銀行口座等から購入金額分が引き落とされることとなる。このように、携帯電話機1は、電子マネー又はクレジット機能を有するものであればよく、リーダライタ2は携帯電話機1と交信可能なものであればよい。
【0045】
〈特典付与支援サーバの一実施形態についての説明〉
次に、本発明の特典付与支援サーバの一実施形態である特典付与支援サーバ7(以下、「サーバ7」と略す。)について説明する。図9は、サーバ7を含むシステム全体の概略構成を示す。サーバ7は、インターネットを介して、ユーザが有するクライアント装置8、及び、販売者が有する販売管理サーバ9と交信可能である。販売管理サーバ9は、物品、サービス、デジタル・コンテンツ等の販売を管理するサーバであり、ショップ・サーバ、ショッピングカート・サーバ、コンテンツ・サーバ等と称されるものであってもよい。
【0046】
サーバ7は、一般的なサーバ・コンピュータであり、図10に示すように、CPU等からなる制御部71と、表示装置や印刷装置等からなる出力部72と、キーボードやマウス等からなる入力部73と、半導体メモリ、ハードディスク装置、フレキシブル・ディスク装置、コンパクト・ディスク装置等からなる記憶部74と、インターネットと接続するためのインターフェース部75とを備えている。
【0047】
クライアント装置8は、一般的なパソコンであり、図11に示すように、CPU等からなる制御部81と、液晶表示装置又はCRT表示装置等からなる表示部82と、キーボードやマウス等からなる入力部83と、半導体メモリ、ハードディスク装置、フレキシブル・ディスク装置、コンパクト・ディスク装置等からなる記憶部84と、インターネットと接続するためのインターフェース部85とを備えている。
【0048】
販売管理サーバ9は、一般的なサーバ・コンピュータであり、図12に示すように、CPU等からなる制御部91と、表示装置や印刷装置等からなる出力部92と、キーボードやマウス等からなる入力部93と、半導体メモリ、ハードディスク装置、フレキシブル・ディスク装置、コンパクト・ディスク装置等からなる記憶部94と、インターネットと接続するためのインターフェース部95とを備えている。
【0049】
販売管理サーバ9は、クライアント装置8から受信したユーザ識別情報(以下、「ユーザID」と言う。)、及び、購入金額を含む購入データを、オペレータの操作に従って、インターフェース部95を介してサーバ7に送信し、サーバ7は、インターフェース部75を介してそれらを受信する。すなわち、サーバ7は、ユーザ(購入者)のクライアント装置8と交信した販売管理サーバ9から、インターネットを介して、ユーザIDと購入金額とを含む購入データを受信する購入データ受信手段を有する。ユーザIDは、ユーザ毎に異なっている。
【0050】
サーバ7には、サーバ用の特典付与支援用アプリケーションプログラム(以下、「ポイントプログラム」と言う。)がインストールされている。このポイントプログラムは、サーバ7に、販売管理サーバ9から購入データを受信したときに、その購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に記憶部74に記憶する購入情報ステップと、クライアント装置8からのユーザIDを伴う所定の要求に応じて、記憶部74内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、その平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、クライアント装置に送信するアベレージ画面送信ステップと、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部74に記憶されている清算処理の対象となったユーザの購入回数情報等をリセットする購入情報リセットステップと、を実行させるプログラムである。
【0051】
このようにポイントプログラムが構成されていることから、購入データがリーダライタ2から送信されたとき、サーバ7は、受信した購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に記憶部74に記憶する。すなわち、サーバ7は、受信した購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に記憶部74に記憶する購入情報記憶手段を有する。
【0052】
また、サーバ7は、クライアント装置8からのユーザIDを伴う所定の要求があったとき、その要求に応じて、記憶部74内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、その平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、クライアント装置8に送信する。すなわち、サーバ7は、クライアント装置8からのユーザIDを伴う所定の要求に応じて、記憶部74内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、その平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、クライアント装置8に送信するアベレージ画面送信手段を有する。
【0053】
さらに、サーバ7は、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部74に記憶されている清算処理の対象となったユーザの購入回数情報と購入金額情報等とをリセット(本実施形態では、ゼロクリア)する。すなわち、サーバ7は、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部74に記憶されている清算処理の対象となったユーザの購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段を有する。
【0054】
図13に、記憶部74に記憶されている購入回数情報と購入金額情報とを示す。本実施形態では、ユーザIDに対応させて、購入回数情報として購入回数、購入金額情報として各回の購入金額が記憶される。なお、各回の購入日時も購入金額に対応付けて記憶される。また、有効期限も、初回(リセット後の初回も含む。)の購入日時に、ポイントプログラムによって定められている所定の期間を加算することにより演算されて、記憶される。なお、購入回数情報は、購入回数を直接又は間接的に示す情報であればよく、購入金額情報は、平均購入金額を算出可能な金額の情報であればよいことは、前述の特典付与支援システムSの場合と同様である。
【0055】
また、記憶部74には、ユーザIDに対応させて、特典付与を受けた回数に応じて定められるステータスの情報も記憶されている。
【0056】
次に、上記のように構成されたサーバ7の動作について、図14に基づいて説明する。
【0057】
まず、ユーザ(購入者)は、クライアント装置8において、販売管理サーバ9にアクセスして購入申込画面を表示させ、その画面において、購入したい商品、サービス、デジタル・コンテンツ等を選択し、住所、氏名、及び、メールアドレスを入力する等の購入申込操作を行う(ステップS101)。すると、購入対象の識別情報(例えば、商品名や商品コード等)、購入金額、及び、ユーザの住所、氏名、メールアドレス等を含む購入申込データが、販売管理サーバ9に送信される。なお、通常、購入金額はユーザが入力する必要はなく、購入申込画面において、ユーザが商品等を選択することにより計算され表示されたものが送信される。
【0058】
購入申込データを受信した販売管理サーバ9は、保存しておいたこれまでのユーザの住所、氏名等に基づいて、新規のユーザか否かを判断し、新規のユーザであればユーザID及び仮のパスワードを発行する。そして、購入完了通知をクライアント装置8に送信し(S102、S103)、クライアント装置8は購入完了通知を受信して表示する(S104)。なお、新規のユーザへの購入完了通知には、発行されたユーザID及びパスワードが含まれている。
【0059】
購入完了通知をクライアント装置8に送信した販売管理サーバ9は、ユーザIDと購入金額と購入日時とを含む購入データを、サーバ7に送信する(S105)。なお、仮のパスワードを発行したときは、そのパスワードもサーバ7に送信する。サーバ7は購入データを受信して(S106)、初めて受信したユーザIDであればそのユーザID及びパスワードを記憶するとともに、ユーザID毎に、すなわち、ユーザ別に、購入データ中の購入金額と購入日時とを記憶部74に記憶し、購入回数をカウントアップする(S107)。購入回数の初期値は0である。なお、購入回数が、その回数に達すれば特典付与を受けられるという所定の回数(本実施形態では5回)に達している場合には、購入日時及び購入金額の記憶、及び、購入回数のカウントアップは行わない。
【0060】
次に、ユーザは、自分のポイントに当たる平均購入金額を知りたいときには、クライアント装置8において、ユーザID及びパスワードを入力して、サーバ7にログインするための所定の操作を行う(S108)。すると、クライアント装置8は、ユーザID及びパスワードを含む所定の要求データをサーバ7に送信し、これに応じて、サーバ7は、ユーザID及びパスワードの照合等のログイン処理を行う。なお、パスワードは、ログイン後にユーザが所定の変更操作を行うことにより変更可能である。
【0061】
サーバ7は、ユーザID等が正しければ、そのユーザIDに対応付けられて記憶部74内に記憶されている有効期限と、サーバ7自身が保持している現在の日付けとから、有効期限切れか否かを判断し、有効期限切れでないと判断したときは、そのユーザIDに対応付けられて記憶部74内に記憶されている購入回数と購入金額とに基づいて、平均購入金額を演算する(S109)。
【0062】
本実施形態では、サーバ7は、購入金額の合計を購入回数で除算することにより、平均購入金額を算出する。なお、割り切れない場合には、所定のルールで調整する。本実施形態では、小数点以下切捨てとする。そして、サーバ7は、算出した平均購入金額と、購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、クライアント装置8に送信する(S110)。この画面データにより、クライアント装置8には、例えば図15に示すような画面が表示される(S111)。
【0063】
一方、サーバ7は、有効期限切れとであると判断したときは、記憶部74内の購入金額、購入回数、購入日時をゼロクリアし、その旨を表示するための画面データを、クライアント装置8に送信する。
【0064】
図15(a)〜(c)は、平均購入金額と所定のマークとが表示されるアベレージ画面の例であり、(a)は購入1回目、(b)は3回目、(c)は5回目を示す。図15の例では、図8の例と同様に、画面下部に平均購入金額が表示され、画面中央部に、所定のマークとして、購入金額が中に表示された円形のマークMが、購入回数に応じた数だけ購入日時順に並べて表示される。そして、それらのマークMの上には、購入金額をグラフ化したグラフが表示される。また、有効期限が表示されるとともに、現在の日付からその有効期限までの残り日数が表示される。有効期限及び残り日数は、サーバ7側で算出されたものが画面データに含められることにより、表示される。図15の例でも、有効期限内に5つのマークMを集めれば、平均購入金額に応じた特典が付与されるものとする。
【0065】
マークMが所定数集まった場合、すなわち、清算対象の場合、ユーザは、クライアント装置8において、ポイント清算方法を指示して特典付与の要求を行うことができる(S112)。例えば、図15(c)のようにマークMが所定数集まったときに表示される画面に、ポイント清算の要求のためのボタン(図示せず)が表示され、ユーザがそのボタン選択操作すると、ポイント清算方法を指示するための画面(図示せず)がクライアント装置8に表示されるものとする。ユーザがその画面において、自社ポイント引換えか、電子マネーギフトか、値引きかを選択すると、クライアント装置8からサーバ7に、選択された清算方法を示すデータが送信される。
【0066】
清算方法を示すデータを受け取ったサーバ7は、清算処理として、清算指示とステータスアップとを行う(S113)。すなわち、サーバ7は、清算を要求したユーザのユーザIDをクライアント装置8から取得して、そのユーザIDと、平均購入金額と、選択された清算方法を示すデータとを、販売管理サーバ9に送信して、清算を指示する。そして、サーバ7は、そのユーザIDで示されるユーザのステータスをアップする。例えばステータスが特典付与を受けた回数で表されている場合には、ステータスを1増やす。このステータスに応じて、例えば、次回からはマークMが4つ集まれば特典付与(ポイントの清算)を要求できるようにしたり、より高額のクーポン券を付与したりする等、サーバ7又は販売管理サーバ9は、ユーザに有利な処理を行う。
【0067】
販売管理サーバ9は、指示された清算方法に従って清算処理を行なう(S114)。サーバ7は、清算指示送信及びステータスアップが終了すると、清算処理が終わったと判断して、そのユーザIDに対応付けられた記憶部74内の購入回数、購入金額、購入日時、及び、有効期限をリセット(本実施形態では、ゼロクリア)する(S115)。なお、販売管理サーバ9が清算処理後にサーバ7にリセット指示を送信し、これに応じて、サーバ7が購入回数等のリセットを行うこととしてもよい。
【0068】
以上のように、特典付与支援サーバであるサーバ7によれば、購入回数に応じた所定のマークMを表示する画面データをクライアント装置8に送信するので、クライアント装置8にあたかもスタンプカードのように見える画面が表示され、スタンプを集めようという購入者の意欲を喚起して、購入回数の増加につながるとともに、平均購入金額が表示されるので、例えば平均購入金額分の電子マネーの付与等、平均購入金額に応じた特典を付与することとすれば、購入1回当りの購入金額の増加につながる。
【0069】
なお、クライアント装置8は、インターネット接続機能を備えた携帯電話機や携帯情報端末(例えば、PDA)等であってもよい。
【0070】
また、クライアント装置8として、インターネット接続機能と上述したような電子マネー機能とを備えた携帯電話機を用い、購入の際に電子マネーにより決済することとしてもよい。
【0071】
また、販売管理サーバ9は、サーバ7に購入データを送信するものであればよく、必ずしも、クライアント装置8との間で購入申込や購入完了通知の送受信が行われるものでなくてもよい。図14のS114に示すポイントの清算処理も、販売管理サーバ9とは別のサーバで行ってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、サーバ7は、購入データを販売管理サーバ9から受信するものとしたが、クライアント装置8から受信するようにしてもよい。
【0073】
また、サーバ7が販売管理サーバ9を兼ねることとしてもよい。かかる場合には、サーバ7は、クライアント装置8から購入データを受信することとなる。
【0074】
また、上記いずれの実施形態でも、購入回数が所定回数に既に達している場合には、購入日時及び購入金額の記憶、及び、購入回数のカウントアップは行わないこととしたが、かかる場合であっても、購入日時及び購入金額の記憶、及び、購入回数のカウントアップを行うこととして、平均購入金額の演算を行うときは、最初の5回分の購入金額を用い、清算処理が行われたと判断した場合には、最初の5回分の購入金額を削除して、購入回数を5減らすこととしてもよい。すなわち、リセットとは、ゼロクリアのみならず削除や減算等により、清算された分を除く意である。このようにすれば、購入したのにそれがカウントされないというユーザにとっての不利益を防止できる。
【0075】
また、上記各実施形態では、所定の清算処理が行われたと判断したときに、購入回数情報のみならず、購入金額情報等もリセットしたが、少なくとも購入回数情報をリセットすればよい。購入回数情報が0を示していれば、他の情報がリセットされずに残っていても、それは前の情報であることが分かるからである。また、例えば購入回数情報が2を示しているときは、購入金額情報の最初から2つ分のデータを用いて平均購入金額を演算すればよい等、購入回数情報によって、どの情報を用いればよいかが分かるからである。
【0076】
また、上記各実施形態では、有効期限を初回の購入日時から計算したが、有効期限を予め定められた日までとしてもよいし、有効期限がないこととしてもよい。また、購入日時を記憶しないこととしてもよい。
【0077】
すなわち、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、本発明は種々の構成を採り得る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係るシステムの概略システム構成図である。
【図2】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係る携帯電話機の概略構成ブロック図である。
【図3】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係るリーダライタの概略構成ブロック図である。
【図4】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係る端末装置の概略構成ブロック図である。
【図5】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係るサーバの概略構成ブロック図である。
【図6】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係る携帯電話機に記憶されている情報を示す図である。
【図7】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係るアベレージ画面の例である。
【図9】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るサーバを含む概略システム構成図である。
【図10】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るサーバの概略構成ブロック図である。
【図11】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るクライアント装置の概略構成ブロック図である。
【図12】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係る販売管理サーバの概略構成ブロック図である。
【図13】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るサーバに記憶されている情報を示す図である。
【図14】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】(a)〜(c)は、本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るアベレージ画面の例である。
【符号の説明】
【0079】
1…携帯電話機
2…リーダライタ
7…特典付与支援サーバ
8…クライアント装置
9…販売管理サーバ
12…表示部
16…記憶部
74…記憶部
82…表示部
S…特典付与支援システム
M…マーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やパーソナル・コンピュータ(以下、「パソコン」と言う。)を用いて、物品、サービス、ディジタル・コンテンツ等の購入をした場合に購入金額に応じた特典を購入者に付与するための特典付与支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子マネー機能を有する携帯電話機が利用されるようになってきている。かかる携帯電話機は、下記特許文献1に記載されているように、非接触型ICカード機能を有し、予め電子マネーをチャージしておいて、店頭等で端末に接続されたICカードリーダライタとの間で通信を行うことにより、決済を行うものである。
【0003】
端末に記憶された利用金額等の情報は、通信回線を通じて、或いは、オフライン処理により、電子マネー発行体に送られる(特許文献1の図1参照)。そこで、従来、この情報を電子マネー発行体から販売管理サーバが取得して、利用金額に応じたポイントを発行することとし、利用者が携帯電話機からインターネットを介して販売管理サーバにアクセスすることにより、自分のポイントを知ることができる特典付与支援システムがある。
【特許文献1】特開2002−109427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の特典付与支援システムは、単に利用金額に応じたポイントが表示されるのみであり、興趣に乏しいため、来店回数や客単価すなわち来店1回当りの利用金額の増加につながり難いという問題があった。
【0005】
この発明は、上述した問題を解決するものであり、来店回数や来店1回当りの利用金額の増加につながる特典付与支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特典付与支援システムは、電子マネー又はクレジット機能を有するとともに記憶部と表示部とを備えた携帯電話機と、前記携帯電話機と交信可能なリーダライタとを用いた特典付与支援システムであって、前記リーダライタは、購入金額データと前記リーダライタのリーダライタ識別情報(以下、「リーダライタID」と言う。)とを含む購入データを、前記携帯電話機に送信する購入データ送信手段を備え、前記携帯電話機は、特典付与用リーダライタIDを、受信、入力、又は、記録媒体からの読取りにより取得して、前記記憶部に記憶するリーダライタID記憶手段と、前記リーダライタから前記購入データを受信して、前記購入データ内のリーダライタIDと、前記特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、前記購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを前記記憶部に記憶する購入情報記憶手段と、前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを前記表示部に表示するアベレージ表示手段と、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の特典付与支援プログラムは、電子マネー又はクレジット機能を有するとともに記憶部と表示部とを備えた携帯電話機に、前記携帯電話機と交信可能なリーダライタから購入金額データと該リーダライタのリーダライタIDとを含む購入データを受信したときに、前記購入データ内のリーダライタIDと、前記記憶部に記憶されている特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、前記購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを前記記憶部に記憶するステップと、前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを前記表示部に表示するステップと、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている購入回数情報をリセットするステップと、を実行させることを特徴とする。
【0008】
本発明の特典付与支援サーバは、インターネットに接続され記憶部を備えた特典付与支援サーバであって、表示部を有するクライアント装置から、又は、前記クライアント装置と交信した販売管理サーバから、インターネットを介して、ユーザ識別情報と購入金額とを含む購入データを受信する購入データ受信手段と、受信した前記購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に前記記憶部に記憶する購入情報記憶手段と、前記クライアント装置からのユーザ識別情報を伴う所定の要求に応じて、前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、前記クライアント装置に送信するアベレージ画面送信手段と、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている該清算処理の対象となったユーザの購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、購入回数に応じた所定のマークが画面に表示されるので、画面があたかもスタンプカードのように見え、スタンプを集めようという購入者の意欲を喚起して、来店(購入)回数の増加につながるとともに、平均購入金額が表示されるので、その平均購入金額に応じた特典を付与することとすれば、来店(購入)1回当りの購入金額(利用金額)の増加につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
〈特典付与支援システムの一実施形態についての説明〉
まず、本発明の特典付与支援システムの一実施形態である特典付与支援システムSについて説明する。特典付与支援システムSは、購入者の購入金額の平均(アベレージ)に応じた特典を付与するためのシステムである。
【0011】
図1に示すように、特典付与支援システムSは、非接触型ICカード機能を利用した電子マネー機能(例えば、ビットワレット社のEdy(登録商標)機能)を有する携帯電話機1と、携帯電話機1と交信可能な非接触型ICカードのリーダライタ2とから構成されている。携帯電話機1は、インターネット接続機能を有し、インターネットを介して、アプリケーションサービスプロバイダ(以下、「ASP」と表記する。)が有するサーバ4と交信可能である。リーダライタ2は、端末装置3に接続され、端末装置3と共に店舗に設置されている。なお、リーダライタ2が端末装置3に組み込まれている構成、すなわち、リーダライタ2と端末装置3とが一体となった構成であってもよい。
【0012】
携帯電話機1は、図2に示すように、CPU等からなる制御部11と、液晶表示装置等からなる表示部12と、番号ボタンや決定ボタン等の各種のボタン(キー)等からなる操作部13と、電話用の送受信回路等からなる通信部14と、電話用のアンテナ15と、半導体メモリ等からなる記憶部16と、非接触型ICカード部(以下、「ICカード部」と略す。)17とを備えている。記憶部16には、電子マネーを利用するときの識別情報となる電子マネーID(例えば、Edy番号)が記憶されている。電子マネーIDは、携帯電話機1毎に異なっている。
【0013】
ICカード部17は、例えばFeliCa(ソニー株式会社の登録商標)等の方式を用いた非接触型ICカード機能を有する部分であり、CPU等からなる制御部171と、非接触型ICカード機能用の送受信回路等からなる通信部172と、非接触型ICカード機能用のアンテナ173と、半導体メモリ等からなる記憶部174とを備えている。
【0014】
リーダライタ2は、図3に示すように、CPU等からなる制御部21と、非接触型ICカード用の送受信回路等からなる通信部22と、非接触型ICカード用のアンテナ23と、半導体メモリ等からなる記憶部24と、端末装置3と接続するためのインターフェース部25とを備えている。記憶部24には、リーダライタ2のリーダライタIDが記憶されている。リーダライタIDは、リーダライタ2毎に異なっている。
【0015】
端末装置3は、図4に示すように、CPU等からなる制御部31と、液晶表示装置等からなる表示部32と、テンキーやバーコード読取装置等からなる入力部33と、半導体メモリ等からなる記憶部34と、リーダライタ2や電子マネー処理サーバ5等と接続するためのインターフェース部35と、レシート等を印刷出力する印刷部36とを備えている。
【0016】
そして、端末装置3は、レジスタ(金銭登録機)機能を有するとともに、インターフェース部35を介してリーダライタ2に命令やデータを送信し、その結果をリーダライタ2からインターフェース部35を介して受信可能に構成されている。
【0017】
詳しくは、電子マネーによる決済を行う場合は、店員等が端末装置3において電子マネーによる決済の選択操作を行い購入金額を入力する。これに応じて、端末装置3は、リーダライタ2に対して、非接触型ICカードの読取り命令及び購入金額データを送信する。すると、リーダライタ2は、近づけられた携帯電話機1のICカード部17とアンテナ173、23を介して交信し、携帯電話機1に購入金額データを送信して電子マネーによる決済を要求する。このとき、リーダライタ2は、購入日時データ、及び、リーダライタ2のリーダライタIDも、携帯電話機1に送信する。すなわち、リーダライタ2は、購入金額データとリーダライタ2のリーダライタIDとを含む購入データを、携帯電話機1に送信する購入データ送信手段を有する。なお、本実施形態では、購入データには購入日時データも含まれる。
【0018】
電子マネーによる決済要求に応じて、ICカード部17は、記憶部174に記憶している電子マネーの金額を表すデータ(単に「電子マネー」とも言う。)から、購入金額データで示される購入金額を差し引く処理を行い、電子マネーの残高と携帯電話機1の電子マネーIDとを、リーダライタ2に送信する。リーダライタ2は、差し引き処理が完了した購入金額データと携帯電話機1の電子マネーIDとを、端末装置3に送信する。端末装置3は、購入金額データと電子マネーIDとを記憶部34に記憶する。これらのデータは端末装置3においてコンパクト・ディスク等の持ち運び可能な記録媒体に記録されて、電子マネー会社(電子マネー発行体)に送付され、電子マネー会社が有する電子マネー処理サーバ5で処理される。なお、端末装置3を電子マネー処理サーバ5とインターネットあるいは専用回線等の通信回線で接続して、端末装置3に記憶されたデータをその通信回線を介して電子マネー処理サーバ5に送信することとしてもよい。
【0019】
電子マネー処理サーバ5は、一般的なサーバ・コンピュータであり、インターネットを介してサーバ4と交信可能である。
【0020】
サーバ4は、一般的なサーバ・コンピュータであり、図5に示すように、CPU等からなる制御部41と、表示装置や印刷装置等からなる出力部42と、キーボードやマウス等からなる入力部43と、半導体メモリ、ハードディスク装置、フレキシブル・ディスク装置、コンパクト・ディスク装置等からなる記憶部44と、インターネットと接続するためのインターフェース部45とを備えている。
【0021】
後述するように、携帯電話機1には、ユーザの操作に応じて、サーバ4から特典付与支援用アプリケーションプログラム(以下、「ポイントアプリ」と言う。)がダウンロードされる。このポイントアプリは、店舗毎、あるいは、共通のポイントサービスを行う店舗グループ毎に用意されている。
【0022】
このポイントアプリには、特典付与に用いられるリーダライタ2のリーダライタID、すなわち、特典付与用リーダライタIDがデータとして含まれており、携帯電話機1は、ダウンロード時に、この特典付与用リーダライタIDを記憶部16に記憶することになる。すなわち、携帯電話機1は、特典付与用リーダライタIDを取得して記憶部16に記憶するリーダライタID記憶手段を有する。なお、特典付与用リーダライタIDの取得方法は、ダウンロード等通信回線を介した受信に限らず、操作部13を用いた手入力や、2次元コード等記録媒体からの読取り等であってもよい。また、特典付与用リーダライタIDは単数とは限らず、複数でもよい。例えば、複数のチェーン店で共通のポイントサービスを行う場合には、各チェーン店に設置されたリーダライタ2のリーダライタIDを特典付与用リーダライタIDとして記憶部16に記憶させる必要があるので、特典付与用リーダライタIDは複数となる。
【0023】
また、このポイントアプリは、携帯電話機1に、リーダライタ2から購入データを受信したときに、その購入データ内のリーダライタIDと、記憶部16に記憶されている特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、受信した購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを記憶部16に記憶するステップと、記憶部16内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、その平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを表示部12に表示するステップと、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部16に記憶されている購入回数情報をリセットする(本実施形態では、0にする、すなわち、ゼロクリアする)ステップと、を実行させるプログラムである。このリセットの際には、購入金額情報等もリセットされる。なお、「記憶する」とは、記憶し直す、すなわち、更新する場合も含む意である。
【0024】
このようにポイントアプリが構成されていることから、購入データがリーダライタ2から送信されたとき、携帯電話機1は、購入データ内のリーダライタIDと、記憶部16内の特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを記憶部16に記憶する。すなわち、携帯電話機1は、リーダライタ2から購入データを受信して、購入データ内のリーダライタIDと、特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを記憶部16に記憶する購入情報記憶手段を有する。
【0025】
また、携帯電話機1は、ユーザの所定の操作に応じてポイントアプリが起動されたとき、記憶部16内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、その平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを表示部12に表示する。すなわち、携帯電話機1は、記憶部16内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、その平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを表示部12に表示するアベレージ表示手段を有する。
【0026】
さらに、携帯電話機1は、所定の清算処理が行われたと判断した場合には、記憶部16内の購入回数情報等をリセット(本実施形態では、ゼロクリア)する。すなわち、携帯電話機1は、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部16内の購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段を有する。
【0027】
図6に、記憶部16に記憶されている購入回数情報と購入金額情報とを示す。本実施形態では、購入回数情報として購入回数データ(単に「購入回数」とも言う。)、購入金額情報として各回の購入金額データ(単に「購入金額」とも言う。)が記憶される。なお、各回の購入日時データ(単に「購入日時」とも言う。)も購入金額に対応付けて記憶される。また、有効期限も、初回(リセット後の初回も含む。)の購入日時に、ポイントアプリによって定められている所定の期間を加算することにより演算されて、記憶される。なお、購入回数を直接記憶しなくてもよく、記憶されている購入金額のデータ数を購入回数としてもよい。また、各回の購入金額を記憶する代りに、購入回数と平均購入金額とを記憶したり、購入回数と購入金額の総額を記憶したりしてもよい。すなわち、購入回数情報は、購入回数を直接又は間接的に示す情報であればよく、購入金額情報は、各回の購入金額、平均購入金額、又は、購入金額の総額等、購入回数情報と併用することにより平均購入金額を算出可能な金額の情報であればよい。
【0028】
次に、上記のように構成された特典付与支援システムSの動作について、図7に基づいて説明する。図7において、ステップS07、S08、S10、S11、S16の処理は、携帯電話機1がポイントアプリに従って行う処理である。
【0029】
まず、ユーザ(購入者)は、携帯電話機1で、例えば店舗のチラシ等に掲載された2次元コードを読取って表示されたURLにアクセスすることにより、サーバ4にその店舗用のポイントアプリのダウンロードを要求する(ステップS01)。この要求を受信したサーバ4は、携帯電話機1にポイントアプリを送信する(S02、S03)。携帯電話機1は、ポイントアプリを記憶部16に格納(記憶)する(S04)。このとき、ポイントアプリに含まれている特典付与用リーダライタIDも記憶部16に格納される。
【0030】
次に、ユーザが、店舗において物品やサービスの購入を行い、電子マネーによる決済を選択した場合、上述したように、店員等の操作により、端末装置3からリーダライタ2に読取り命令及び購入金額データが送信され、リーダライタ2は、電子マネー決済処理として、携帯電話機1との間で決済のためのデータ通信を行う(S05)。このとき、上述したように、携帯電話機1には、リーダライタ2から、購入金額データ、購入日時データ、及び、リーダライタ2のリーダライタIDを含む購入データが送信され、携帯電話機1は購入データを受信する(S06)。
【0031】
携帯電話機1は、購入データ内のリーダライタIDと、記憶部16内の特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、購入データ中の購入金額データを購入金額情報として記憶部16に記憶するとともに、購入データ中の購入日時データを記憶部16に記憶し、購入回数情報である購入回数をカウントアップする(1増やす)(S08)。購入回数の初期値は0である。なお、購入回数が、その回数に達すれば特典付与を受けられるという所定の回数(本実施形態では5回)に既に達している場合には、購入日時及び購入金額の記憶、及び、購入回数のカウントアップは行わない。
【0032】
一方、携帯電話機1は、購入データ内のリーダライタIDと、記憶部16内の特典付与用リーダライタIDとが一致しない場合には、かかる購入回数・金額・日時の保存は行わない。
【0033】
次に、ユーザは、自分のポイントに当たる平均購入金額を知りたいときには、携帯電話機1において所定の操作を行って、ポイントアプリを起動させる(S09)。すると、携帯電話機1は、記憶部16内に記憶されている有効期限と、携帯電話機1自身が保持している現在の日付けとから、有効期限切れか否かを判断する。
【0034】
そして、携帯電話機1は、有効期限切れでないと判断したときは、記憶部16内の購入回数と購入金額とに基づいて平均購入金額を演算する。本実施形態では、購入金額の合計を購入回数で除算することにより、平均購入金額を算出する。なお、割り切れない場合には、切捨て、切り上げ、四捨五入等、所定のルールで調整する。本実施形態では、小数点以下切捨てとする。そして、携帯電話機1は、算出した平均購入金額と、購入回数に応じた数の所定のマークとを、例えば図8に示すような画面で、表示部12に表示する(S10)。
【0035】
一方、携帯電話機1は、有効期限切れとであると判断したときは、記憶部16内の購入金額、購入回数、購入日時、及び、有効期限をゼロクリアし、有効期限切れである旨を表示部12に表示する。
【0036】
図8(a)〜(c)は、平均購入金額と所定のマークとが表示されるアベレージ画面の例であり、(a)は購入1回目、(b)は3回目、(c)は5回目を示す。図8の例では、画面下部のアベレージ欄51に平均購入金額が表示され、画面中央部に、所定のマークとして、購入金額が中に表示された円形のマークMが、購入回数に応じた数だけ購入日時順に並べて表示される。そして、それらのマークMの上には、購入金額をグラフ化したグラフが表示される。また、有効期限(図8の例では2007年10月31日)が表示されるとともに、現在の日付からその有効期限までの残り日数が表示される。残り日数は、携帯電話機1が保持している現在の日付と、有効期限とから算出される。図8の例では、有効期限内に5つのマークMを集めれば、平均購入金額に応じた特典が付与されるものとする。
【0037】
図8(c)のようにマークMが所定数集まった場合、ユーザは、ポイントを清算して特典付与の要求を行うことができる。この要求は、携帯電話機1において行える。例えば、マークMが所定数集まったとき、携帯電話機1は、ポイントアプリに従って動作することにより、画面にポイント清算要求のためのボタン(図示せず。)を表示する。ユーザが、そのボタンを選択操作すると、携帯電話機1はポイント清算要求をサーバ4に送信し(S11)、その要求を受信したサーバ4は、ポイント清算処理を行う(S12、S13)。
【0038】
本実施形態では、ポイント清算処理として、平均購入金額に応じた電子マネーを付与することとし、サーバ4は、平均購入金額分の電子マネーを携帯電話機1に送信する。なお、サーバ4は、付与した電子マネーに関するデータ(ポイント清算要求の際に携帯電話機1から送信された電子マネーID及び付与金額等)を電子マネー処理サーバ5に送信して処理させる。
【0039】
携帯電話機1は、電子マネーを受け取って、記憶部16に格納する(S14)。また、サーバ4は、ポイント清算処理後にリセット指示を携帯電話機1に送信し(S15)、このリセット指示を受信すると、携帯電話機1は、所定の清算処理が行われたと判断して、記憶部16内の購入回数、購入金額、購入日時、及び、有効期限をゼロクリアする(S16)。
【0040】
以上のように、特典付与支援システムSによれば、購入回数に応じた所定のマークMが画面に表示されるので、画面があたかもスタンプカードのように見え、スタンプを集めようという購入者の意欲を喚起して、来店回数(購入回数)の増加につながるとともに、平均購入金額が表示されるので、例えば平均購入金額分の電子マネーの付与等、平均購入金額に応じた特典を付与することとすれば、来店(購入)1回当りの購入金額の増加につながる。
【0041】
また、携帯電話機1にダウンロードされたアプリにより、購入金額等が携帯電話機1側に記憶され、平均購入金額が携帯電話機1側で演算されて、購入回数に応じたマークMと共に表示されるので、平均購入金額や購入回数の確認のために携帯電話機1からサーバ4等のサーバにアクセスする必要がない。このため、携帯電話機1側にとっては、通信料の負担軽減となり、サーバ4側にとっては、ユーザ情報を保存しなくてよいため、個人情報漏洩防止のための管理負担が軽減される。
【0042】
なお、ポイントの清算方法としては、電子マネーの付与に限らず、例えば、所定のポイント清算画面を店員等に見せることにより、平均購入金額相当分の値引きを受ける、平均購入金額相当分のクーポン券の付与を受ける等、種々の方法を採れる。ポイント清算画面は、例えば、購入回数が特典付与を受けられる所定回数に達したことにより携帯電話機1に表示可能とされ、ユーザがその画面の表示を終了したときに、携帯電話機1は、所定の清算処理が行われたと判断して、購入回数情報等のリセットを行なうこととすればよい。
【0043】
また、本実施形態は、非接触型ICカード機能を利用した電子マネー機能を有する携帯電話機1と、非接触型ICカードのリーダライタ2とを用いたが、非接触型ICカードを利用したものに限らず、電子マネーの金額や電子マネーID等電子マネー用のデータを記憶可能な携帯電話機1と、携帯電話機1と交信可能であって携帯電話機1に対して電子マネー用のデータの書換えや読出しを命じることができるリーダライタ2であればよい。
【0044】
さらに、携帯電話機1は、電子マネー機能ではなく、クレジット機能を有するものであってもよい。すなわち、先に電子マネーをチャージしておいて後で使うプリペイド型に限らず、ポストペイ型であってもよい。ポストペイ型とは、クレジットカードのように携帯電話機1を使うものであって、店舗等での支払いの際には、リーダライタ2から携帯電話機1に、購入金額データとリーダライタIDとを含む購入データが送信され、携帯電話機1からリーダライタ2には、携帯電話機1が保持しているクレジット番号等のクレジットデータ(通常のクレジットカードに記録されているものと同様のデータ)が送信される。クレジットデータは、リーダライタ2から端末装置3に送信され、端末装置3は、クレジットデータと購入金額データとを、クレジット用のサーバに送信して処理させる。この結果、購入者の銀行口座等から購入金額分が引き落とされることとなる。このように、携帯電話機1は、電子マネー又はクレジット機能を有するものであればよく、リーダライタ2は携帯電話機1と交信可能なものであればよい。
【0045】
〈特典付与支援サーバの一実施形態についての説明〉
次に、本発明の特典付与支援サーバの一実施形態である特典付与支援サーバ7(以下、「サーバ7」と略す。)について説明する。図9は、サーバ7を含むシステム全体の概略構成を示す。サーバ7は、インターネットを介して、ユーザが有するクライアント装置8、及び、販売者が有する販売管理サーバ9と交信可能である。販売管理サーバ9は、物品、サービス、デジタル・コンテンツ等の販売を管理するサーバであり、ショップ・サーバ、ショッピングカート・サーバ、コンテンツ・サーバ等と称されるものであってもよい。
【0046】
サーバ7は、一般的なサーバ・コンピュータであり、図10に示すように、CPU等からなる制御部71と、表示装置や印刷装置等からなる出力部72と、キーボードやマウス等からなる入力部73と、半導体メモリ、ハードディスク装置、フレキシブル・ディスク装置、コンパクト・ディスク装置等からなる記憶部74と、インターネットと接続するためのインターフェース部75とを備えている。
【0047】
クライアント装置8は、一般的なパソコンであり、図11に示すように、CPU等からなる制御部81と、液晶表示装置又はCRT表示装置等からなる表示部82と、キーボードやマウス等からなる入力部83と、半導体メモリ、ハードディスク装置、フレキシブル・ディスク装置、コンパクト・ディスク装置等からなる記憶部84と、インターネットと接続するためのインターフェース部85とを備えている。
【0048】
販売管理サーバ9は、一般的なサーバ・コンピュータであり、図12に示すように、CPU等からなる制御部91と、表示装置や印刷装置等からなる出力部92と、キーボードやマウス等からなる入力部93と、半導体メモリ、ハードディスク装置、フレキシブル・ディスク装置、コンパクト・ディスク装置等からなる記憶部94と、インターネットと接続するためのインターフェース部95とを備えている。
【0049】
販売管理サーバ9は、クライアント装置8から受信したユーザ識別情報(以下、「ユーザID」と言う。)、及び、購入金額を含む購入データを、オペレータの操作に従って、インターフェース部95を介してサーバ7に送信し、サーバ7は、インターフェース部75を介してそれらを受信する。すなわち、サーバ7は、ユーザ(購入者)のクライアント装置8と交信した販売管理サーバ9から、インターネットを介して、ユーザIDと購入金額とを含む購入データを受信する購入データ受信手段を有する。ユーザIDは、ユーザ毎に異なっている。
【0050】
サーバ7には、サーバ用の特典付与支援用アプリケーションプログラム(以下、「ポイントプログラム」と言う。)がインストールされている。このポイントプログラムは、サーバ7に、販売管理サーバ9から購入データを受信したときに、その購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に記憶部74に記憶する購入情報ステップと、クライアント装置8からのユーザIDを伴う所定の要求に応じて、記憶部74内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、その平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、クライアント装置に送信するアベレージ画面送信ステップと、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部74に記憶されている清算処理の対象となったユーザの購入回数情報等をリセットする購入情報リセットステップと、を実行させるプログラムである。
【0051】
このようにポイントプログラムが構成されていることから、購入データがリーダライタ2から送信されたとき、サーバ7は、受信した購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に記憶部74に記憶する。すなわち、サーバ7は、受信した購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に記憶部74に記憶する購入情報記憶手段を有する。
【0052】
また、サーバ7は、クライアント装置8からのユーザIDを伴う所定の要求があったとき、その要求に応じて、記憶部74内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、その平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、クライアント装置8に送信する。すなわち、サーバ7は、クライアント装置8からのユーザIDを伴う所定の要求に応じて、記憶部74内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、その平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、クライアント装置8に送信するアベレージ画面送信手段を有する。
【0053】
さらに、サーバ7は、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部74に記憶されている清算処理の対象となったユーザの購入回数情報と購入金額情報等とをリセット(本実施形態では、ゼロクリア)する。すなわち、サーバ7は、所定の清算処理が行われたと判断した場合に、記憶部74に記憶されている清算処理の対象となったユーザの購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段を有する。
【0054】
図13に、記憶部74に記憶されている購入回数情報と購入金額情報とを示す。本実施形態では、ユーザIDに対応させて、購入回数情報として購入回数、購入金額情報として各回の購入金額が記憶される。なお、各回の購入日時も購入金額に対応付けて記憶される。また、有効期限も、初回(リセット後の初回も含む。)の購入日時に、ポイントプログラムによって定められている所定の期間を加算することにより演算されて、記憶される。なお、購入回数情報は、購入回数を直接又は間接的に示す情報であればよく、購入金額情報は、平均購入金額を算出可能な金額の情報であればよいことは、前述の特典付与支援システムSの場合と同様である。
【0055】
また、記憶部74には、ユーザIDに対応させて、特典付与を受けた回数に応じて定められるステータスの情報も記憶されている。
【0056】
次に、上記のように構成されたサーバ7の動作について、図14に基づいて説明する。
【0057】
まず、ユーザ(購入者)は、クライアント装置8において、販売管理サーバ9にアクセスして購入申込画面を表示させ、その画面において、購入したい商品、サービス、デジタル・コンテンツ等を選択し、住所、氏名、及び、メールアドレスを入力する等の購入申込操作を行う(ステップS101)。すると、購入対象の識別情報(例えば、商品名や商品コード等)、購入金額、及び、ユーザの住所、氏名、メールアドレス等を含む購入申込データが、販売管理サーバ9に送信される。なお、通常、購入金額はユーザが入力する必要はなく、購入申込画面において、ユーザが商品等を選択することにより計算され表示されたものが送信される。
【0058】
購入申込データを受信した販売管理サーバ9は、保存しておいたこれまでのユーザの住所、氏名等に基づいて、新規のユーザか否かを判断し、新規のユーザであればユーザID及び仮のパスワードを発行する。そして、購入完了通知をクライアント装置8に送信し(S102、S103)、クライアント装置8は購入完了通知を受信して表示する(S104)。なお、新規のユーザへの購入完了通知には、発行されたユーザID及びパスワードが含まれている。
【0059】
購入完了通知をクライアント装置8に送信した販売管理サーバ9は、ユーザIDと購入金額と購入日時とを含む購入データを、サーバ7に送信する(S105)。なお、仮のパスワードを発行したときは、そのパスワードもサーバ7に送信する。サーバ7は購入データを受信して(S106)、初めて受信したユーザIDであればそのユーザID及びパスワードを記憶するとともに、ユーザID毎に、すなわち、ユーザ別に、購入データ中の購入金額と購入日時とを記憶部74に記憶し、購入回数をカウントアップする(S107)。購入回数の初期値は0である。なお、購入回数が、その回数に達すれば特典付与を受けられるという所定の回数(本実施形態では5回)に達している場合には、購入日時及び購入金額の記憶、及び、購入回数のカウントアップは行わない。
【0060】
次に、ユーザは、自分のポイントに当たる平均購入金額を知りたいときには、クライアント装置8において、ユーザID及びパスワードを入力して、サーバ7にログインするための所定の操作を行う(S108)。すると、クライアント装置8は、ユーザID及びパスワードを含む所定の要求データをサーバ7に送信し、これに応じて、サーバ7は、ユーザID及びパスワードの照合等のログイン処理を行う。なお、パスワードは、ログイン後にユーザが所定の変更操作を行うことにより変更可能である。
【0061】
サーバ7は、ユーザID等が正しければ、そのユーザIDに対応付けられて記憶部74内に記憶されている有効期限と、サーバ7自身が保持している現在の日付けとから、有効期限切れか否かを判断し、有効期限切れでないと判断したときは、そのユーザIDに対応付けられて記憶部74内に記憶されている購入回数と購入金額とに基づいて、平均購入金額を演算する(S109)。
【0062】
本実施形態では、サーバ7は、購入金額の合計を購入回数で除算することにより、平均購入金額を算出する。なお、割り切れない場合には、所定のルールで調整する。本実施形態では、小数点以下切捨てとする。そして、サーバ7は、算出した平均購入金額と、購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、クライアント装置8に送信する(S110)。この画面データにより、クライアント装置8には、例えば図15に示すような画面が表示される(S111)。
【0063】
一方、サーバ7は、有効期限切れとであると判断したときは、記憶部74内の購入金額、購入回数、購入日時をゼロクリアし、その旨を表示するための画面データを、クライアント装置8に送信する。
【0064】
図15(a)〜(c)は、平均購入金額と所定のマークとが表示されるアベレージ画面の例であり、(a)は購入1回目、(b)は3回目、(c)は5回目を示す。図15の例では、図8の例と同様に、画面下部に平均購入金額が表示され、画面中央部に、所定のマークとして、購入金額が中に表示された円形のマークMが、購入回数に応じた数だけ購入日時順に並べて表示される。そして、それらのマークMの上には、購入金額をグラフ化したグラフが表示される。また、有効期限が表示されるとともに、現在の日付からその有効期限までの残り日数が表示される。有効期限及び残り日数は、サーバ7側で算出されたものが画面データに含められることにより、表示される。図15の例でも、有効期限内に5つのマークMを集めれば、平均購入金額に応じた特典が付与されるものとする。
【0065】
マークMが所定数集まった場合、すなわち、清算対象の場合、ユーザは、クライアント装置8において、ポイント清算方法を指示して特典付与の要求を行うことができる(S112)。例えば、図15(c)のようにマークMが所定数集まったときに表示される画面に、ポイント清算の要求のためのボタン(図示せず)が表示され、ユーザがそのボタン選択操作すると、ポイント清算方法を指示するための画面(図示せず)がクライアント装置8に表示されるものとする。ユーザがその画面において、自社ポイント引換えか、電子マネーギフトか、値引きかを選択すると、クライアント装置8からサーバ7に、選択された清算方法を示すデータが送信される。
【0066】
清算方法を示すデータを受け取ったサーバ7は、清算処理として、清算指示とステータスアップとを行う(S113)。すなわち、サーバ7は、清算を要求したユーザのユーザIDをクライアント装置8から取得して、そのユーザIDと、平均購入金額と、選択された清算方法を示すデータとを、販売管理サーバ9に送信して、清算を指示する。そして、サーバ7は、そのユーザIDで示されるユーザのステータスをアップする。例えばステータスが特典付与を受けた回数で表されている場合には、ステータスを1増やす。このステータスに応じて、例えば、次回からはマークMが4つ集まれば特典付与(ポイントの清算)を要求できるようにしたり、より高額のクーポン券を付与したりする等、サーバ7又は販売管理サーバ9は、ユーザに有利な処理を行う。
【0067】
販売管理サーバ9は、指示された清算方法に従って清算処理を行なう(S114)。サーバ7は、清算指示送信及びステータスアップが終了すると、清算処理が終わったと判断して、そのユーザIDに対応付けられた記憶部74内の購入回数、購入金額、購入日時、及び、有効期限をリセット(本実施形態では、ゼロクリア)する(S115)。なお、販売管理サーバ9が清算処理後にサーバ7にリセット指示を送信し、これに応じて、サーバ7が購入回数等のリセットを行うこととしてもよい。
【0068】
以上のように、特典付与支援サーバであるサーバ7によれば、購入回数に応じた所定のマークMを表示する画面データをクライアント装置8に送信するので、クライアント装置8にあたかもスタンプカードのように見える画面が表示され、スタンプを集めようという購入者の意欲を喚起して、購入回数の増加につながるとともに、平均購入金額が表示されるので、例えば平均購入金額分の電子マネーの付与等、平均購入金額に応じた特典を付与することとすれば、購入1回当りの購入金額の増加につながる。
【0069】
なお、クライアント装置8は、インターネット接続機能を備えた携帯電話機や携帯情報端末(例えば、PDA)等であってもよい。
【0070】
また、クライアント装置8として、インターネット接続機能と上述したような電子マネー機能とを備えた携帯電話機を用い、購入の際に電子マネーにより決済することとしてもよい。
【0071】
また、販売管理サーバ9は、サーバ7に購入データを送信するものであればよく、必ずしも、クライアント装置8との間で購入申込や購入完了通知の送受信が行われるものでなくてもよい。図14のS114に示すポイントの清算処理も、販売管理サーバ9とは別のサーバで行ってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、サーバ7は、購入データを販売管理サーバ9から受信するものとしたが、クライアント装置8から受信するようにしてもよい。
【0073】
また、サーバ7が販売管理サーバ9を兼ねることとしてもよい。かかる場合には、サーバ7は、クライアント装置8から購入データを受信することとなる。
【0074】
また、上記いずれの実施形態でも、購入回数が所定回数に既に達している場合には、購入日時及び購入金額の記憶、及び、購入回数のカウントアップは行わないこととしたが、かかる場合であっても、購入日時及び購入金額の記憶、及び、購入回数のカウントアップを行うこととして、平均購入金額の演算を行うときは、最初の5回分の購入金額を用い、清算処理が行われたと判断した場合には、最初の5回分の購入金額を削除して、購入回数を5減らすこととしてもよい。すなわち、リセットとは、ゼロクリアのみならず削除や減算等により、清算された分を除く意である。このようにすれば、購入したのにそれがカウントされないというユーザにとっての不利益を防止できる。
【0075】
また、上記各実施形態では、所定の清算処理が行われたと判断したときに、購入回数情報のみならず、購入金額情報等もリセットしたが、少なくとも購入回数情報をリセットすればよい。購入回数情報が0を示していれば、他の情報がリセットされずに残っていても、それは前の情報であることが分かるからである。また、例えば購入回数情報が2を示しているときは、購入金額情報の最初から2つ分のデータを用いて平均購入金額を演算すればよい等、購入回数情報によって、どの情報を用いればよいかが分かるからである。
【0076】
また、上記各実施形態では、有効期限を初回の購入日時から計算したが、有効期限を予め定められた日までとしてもよいし、有効期限がないこととしてもよい。また、購入日時を記憶しないこととしてもよい。
【0077】
すなわち、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、本発明は種々の構成を採り得る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係るシステムの概略システム構成図である。
【図2】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係る携帯電話機の概略構成ブロック図である。
【図3】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係るリーダライタの概略構成ブロック図である。
【図4】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係る端末装置の概略構成ブロック図である。
【図5】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係るサーバの概略構成ブロック図である。
【図6】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係る携帯電話機に記憶されている情報を示す図である。
【図7】本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の特典付与支援システムの一実施形態に係るアベレージ画面の例である。
【図9】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るサーバを含む概略システム構成図である。
【図10】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るサーバの概略構成ブロック図である。
【図11】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るクライアント装置の概略構成ブロック図である。
【図12】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係る販売管理サーバの概略構成ブロック図である。
【図13】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るサーバに記憶されている情報を示す図である。
【図14】本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】(a)〜(c)は、本発明の特典付与支援サーバの一実施形態に係るアベレージ画面の例である。
【符号の説明】
【0079】
1…携帯電話機
2…リーダライタ
7…特典付与支援サーバ
8…クライアント装置
9…販売管理サーバ
12…表示部
16…記憶部
74…記憶部
82…表示部
S…特典付与支援システム
M…マーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネー又はクレジット機能を有するとともに記憶部と表示部とを備えた携帯電話機と、前記携帯電話機と交信可能なリーダライタとを用いた特典付与支援システムであって、
前記リーダライタは、
購入金額データと前記リーダライタのリーダライタ識別情報(以下、「リーダライタID」と言う。)とを含む購入データを、前記携帯電話機に送信する購入データ送信手段
を備え、
前記携帯電話機は、
特典付与用リーダライタIDを、受信、入力、又は、記録媒体からの読取りにより取得して、前記記憶部に記憶するリーダライタID記憶手段と、
前記リーダライタから前記購入データを受信して、前記購入データ内のリーダライタIDと、前記特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、前記購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを前記記憶部に記憶する購入情報記憶手段と、
前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを前記表示部に表示するアベレージ表示手段と、
所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、
を備える
ことを特徴とする特典付与支援システム。
【請求項2】
電子マネー又はクレジット機能を有するとともに記憶部と表示部とを備えた携帯電話機に、
前記携帯電話機と交信可能なリーダライタから購入金額データと該リーダライタのリーダライタIDとを含む購入データを受信したときに、前記購入データ内のリーダライタIDと、前記記憶部に記憶されている特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、前記購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを前記記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを前記表示部に表示するステップと、
所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている購入回数情報をリセットするステップと、
を実行させることを特徴とする特典付与支援プログラム。
【請求項3】
インターネットに接続され記憶部を備えた特典付与支援サーバであって、
表示部を有するクライアント装置から、又は、前記クライアント装置と交信した販売管理サーバから、インターネットを介して、ユーザ識別情報と購入金額とを含む購入データを受信する購入データ受信手段と、
受信した前記購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に前記記憶部に記憶する購入情報記憶手段と、
前記クライアント装置からのユーザ識別情報を伴う所定の要求に応じて、前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、前記クライアント装置に送信するアベレージ画面送信手段と、
所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている該清算処理の対象となったユーザの購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、
を備えることを特徴とする特典付与支援サーバ。
【請求項1】
電子マネー又はクレジット機能を有するとともに記憶部と表示部とを備えた携帯電話機と、前記携帯電話機と交信可能なリーダライタとを用いた特典付与支援システムであって、
前記リーダライタは、
購入金額データと前記リーダライタのリーダライタ識別情報(以下、「リーダライタID」と言う。)とを含む購入データを、前記携帯電話機に送信する購入データ送信手段
を備え、
前記携帯電話機は、
特典付与用リーダライタIDを、受信、入力、又は、記録媒体からの読取りにより取得して、前記記憶部に記憶するリーダライタID記憶手段と、
前記リーダライタから前記購入データを受信して、前記購入データ内のリーダライタIDと、前記特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、前記購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを前記記憶部に記憶する購入情報記憶手段と、
前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを前記表示部に表示するアベレージ表示手段と、
所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、
を備える
ことを特徴とする特典付与支援システム。
【請求項2】
電子マネー又はクレジット機能を有するとともに記憶部と表示部とを備えた携帯電話機に、
前記携帯電話機と交信可能なリーダライタから購入金額データと該リーダライタのリーダライタIDとを含む購入データを受信したときに、前記購入データ内のリーダライタIDと、前記記憶部に記憶されている特典付与用リーダライタIDとを照合し、一致した場合に、前記購入データに基づいて購入回数情報と購入金額情報とを前記記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と購入回数に応じた数の所定のマークとを前記表示部に表示するステップと、
所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている購入回数情報をリセットするステップと、
を実行させることを特徴とする特典付与支援プログラム。
【請求項3】
インターネットに接続され記憶部を備えた特典付与支援サーバであって、
表示部を有するクライアント装置から、又は、前記クライアント装置と交信した販売管理サーバから、インターネットを介して、ユーザ識別情報と購入金額とを含む購入データを受信する購入データ受信手段と、
受信した前記購入データに基づいて、購入回数情報と購入金額情報とをユーザ別に前記記憶部に記憶する購入情報記憶手段と、
前記クライアント装置からのユーザ識別情報を伴う所定の要求に応じて、前記記憶部内の購入回数情報と購入金額情報とに基づいて、該当するユーザの平均購入金額を演算し、前記平均購入金額と該当するユーザの購入回数に応じた数の所定のマークとを表示するための画面データを、前記クライアント装置に送信するアベレージ画面送信手段と、
所定の清算処理が行われたと判断した場合に、前記記憶部に記憶されている該清算処理の対象となったユーザの購入回数情報をリセットする購入情報リセット手段と、
を備えることを特徴とする特典付与支援サーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図4】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−90594(P2008−90594A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270686(P2006−270686)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(506007817)ジャパンエリアコードTV株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(506007817)ジャパンエリアコードTV株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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