特徴量取得装置及び変換装置
【課題】検査装置に用いられる検査基準を得るためのティーチングデータをより精度高く生成すべく、ノイズを抑えて特定部分に関する特徴量の取得を可能とする技術を提供すること。
【解決手段】入力された各教師画像について、ユーザによって、教師画像の一部の領域であって検出対象となる部分の画像を含む注目領域が特定され、さらに注目領域に関する情報である注目領域情報が入力され、取得手段は、このようにユーザによって入力された注目領域から特徴量を取得し、記憶手段は、注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の注目領域情報、及び特徴量を記憶する。
【解決手段】入力された各教師画像について、ユーザによって、教師画像の一部の領域であって検出対象となる部分の画像を含む注目領域が特定され、さらに注目領域に関する情報である注目領域情報が入力され、取得手段は、このようにユーザによって入力された注目領域から特徴量を取得し、記憶手段は、注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の注目領域情報、及び特徴量を記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像から対象物を認識する画像認識装置や、画像認識装置のティーチング装置に対してティーチングデータを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラで撮像した画像から特徴量を抽出することにより対象物の認識を行う技術が知られている。このような画像認識技術は、例えば工業製品の検査装置やロボットの視覚装置をはじめとする種々の態様で応用されている。
【0003】
対象物について画像認識をするためには、その対象物の特徴をコンピュータに事前に教示しておく必要がある。この作業は、一般的にはティーチングと呼ばれる。例えば、基板検査装置におけるティーチングは以下のように行われる。まず、良品と不良品のそれぞれのサンプルが用意される。次に、良品と不良品それぞれのサンプルを撮像して得られる画像(以下、「教師画像」と呼ぶ)から、良品に関する特徴量や不良品に関する特徴量がそれぞれ取得される。そして、これらの取得された特徴量に基づいて、検査対象物の良否判定を行うための判定基準値(検査基準:ティーチングデータ)が決定される。このとき、ティーチングデータの精度を向上させるため、ティーチングを繰り返し実行することや、手作業でティーチングデータを調整すること等が行われていた。ところが、このような作業は、高度なスキルとノウハウを有する熟練作業者が多大な労力と時間をかけて行う必要があり、改善が望まれていた。このような要望に対し、少数の教師画像から簡単に正確なティーチングデータの生成を可能とする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−362400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、物体の特定部分を画像認識するためのティーチングデータを生成する場合には、特徴量の取得対象となる領域(以下、「特徴量取得領域」と呼ぶ)には、その特定部分以外の部分が可能な限り含まれないことが望ましい。なぜならば、その特定部分以外の部分を含む領域から取得される特徴量はノイズとなり、最終的に得られるティーチングデータの精度の低下を招くためである。
【0005】
このため、ある特定部分に関するティーチングデータを高い精度で生成するためには、各教師画像における特定部分のみを特徴量取得領域として指定する必要がある。このような指定は、上記した特定の部分が、教師画像中の同じ場所に常に存在し得る場合には自動で行うことに特に問題は生じない。しかしながら、特徴量の取得が望まれる特定部分が、各々の教師画像によって異なる場所に存在する場合には、教師画像毎に固有の特徴量取得領域を自動で指定することが困難である。このため、精度の高いティーチングデータ生成のための特徴量を自動で取得する装置の実現には、障害が生じていた。
【0006】
以下、基板について検査を行う基板検査装置を具体例に挙げて説明する。基板検査装置では、基板(検査対象物に相当)に生じた欠陥部分の有無を判断する必要がある。このため、上述したように、良品が撮像された画像や欠陥部分を含む不良品が撮像された画像が教師画像(検査対象物が撮像された画像に相当)として用いられる。そして、特定部分として、欠陥部分の特徴量が取得される。しかし、例えば同じ「浮き不良」という欠陥が生じた基板であっても、その具体的な欠陥部分は基板によって大きく異なる。図12は、浮き不良が生じた基板における欠陥部分の例を示す図である。斜線で示される矩形は、基板に配置される部品を示す。また、破線で示される矩形はランドの位置を示す。また、太線
で示される領域は、欠陥の特徴が現れている領域を示す。図12に示されるように、同じ浮き不良が生じた基板であっても、ランド中央に欠陥の特徴が現れている場合(a)や、ランド先端に欠陥の特徴が現れている場合(b)や、ランドの右(c)や左(d)に欠陥の特徴が現れている場合などがある。このため、ノイズを抑えた特徴量を自動で取得することは困難であり、精度の高いティーチングデータを生成することができなかった。
【0007】
そこで本発明は、より精度の高いティーチングデータを生成すべく、ノイズを抑えて特定部分に関する特徴量の取得を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するため、本発明は以下のような構成をとる。本発明は、検査を行う際に使用される検査基準を得るための特徴量を画像から取得する特徴量取得装置であって、画像入力手段、表示手段、領域特定手段、情報入力手段、取得手段、及び記憶手段を含む。画像入力手段は、特徴量取得装置に、検査対象物が撮像された画像を入力する。表示手段は、入力された画像を表示する。領域特定手段は、表示手段に表示された画像において、画像の一部の領域である注目領域をユーザが特定することを可能とする。情報入力手段は、注目領域に関する情報である注目領域情報をユーザが入力することを可能とする。なお、領域特定手段と情報入力手段は、可能であれば一体に構成されても良い。取得手段は、注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目について注目領域から特徴量を取得する。記憶手段は、注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の注目領域情報、及び特徴量を記憶する。
【0009】
このように構成された本発明では、画像入力手段を介して特徴量取得装置に入力された画像から特徴量を取得する際に、特徴量を取得する領域がユーザによって画像毎に特定される。このため、特徴量を取得すべき注目領域の位置が画像毎に異なる場合であっても、ユーザによる個別の特定により、的確な注目領域から特徴量を取得することが可能となる。従って、ノイズが軽減された特徴量の取得が可能となり、結果としてより精度の高いティーチングデータを生成することができる。
【0010】
本発明では、さらに、ユーザによって入力された注目領域情報に基づいて、取得手段によって取得される特徴量の項目が選択される。このように構成された本発明では、専門家や熟練者などによって注目領域情報が入力された場合には、専門家や熟練者が有するノウハウに基づいて、必要と認められる特徴量を取得することが可能となる。言い換えれば、注目領域情報に基づき、必要と認められない特徴量(ノイズとなる可能性のある特徴量)を取得しないことにより、ノイズが軽減された特徴量の取得が可能となる。このため、結果としてより精度の高いティーチングデータを生成することが可能となる。また、記憶手段に記憶される特徴量の項目の数が減少するため、記憶手段に記憶されるデータ量が削減される。このため、特徴量取得装置を構築する際のコストを抑えることが可能となる。また、取得手段が、選択された項目の特徴量のみを取得するように構成された場合には、取得手段の処理に要する時間を削減することも可能となる。
【0011】
本発明における領域特定手段は、同一画像において複数の注目領域をユーザが特定することを可能とするように構成されても良い。この場合、情報入力手段は、特定された複数の注目領域それぞれについての注目領域情報をユーザが入力することを可能とするように構成される。また、この場合、取得手段は、特定された複数の注目領域それぞれについて、対応する注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目について注目領域から特徴量を取得する。また、この場合、記憶手段は、同一画像において特定された複数の注目領域について、各注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の注目領域情報、及び特徴量を記憶する。
【0012】
本発明における特徴量取得装置は、注目領域情報毎に対応づけられた複数の前記項目を記憶する項目記憶手段をさらに含むように構成されても良い。この場合、取得手段は、注目領域情報に対応する特徴量の項目を、項目記憶手段に記憶される内容に従って選択するように構成される。
【0013】
このように構成された本発明によっても、上述した特徴量取得装置と同様に、記憶手段に記憶される特徴量の項目の数が減少するため、記憶手段に要する記憶容量を削減することができ、特徴量取得装置を構築する際のコストを抑える事が可能となる。取得手段の処理に要する時間を削減することができることも同様である。
【0014】
本発明における特徴量取得装置は、注目領域を特定した根拠を前記注目領域情報として入力することをユーザに対して促す誘導手段をさらに含むように構成されても良い。このように構成された本発明によれば、注目領域を特定した根拠がユーザによって注目領域情報として入力される。そして、注目領域の範囲情報とこの注目領域情報とが対応づけて記憶手段に記憶される。このため、他のユーザが記憶手段に記憶された情報を参照することにより、なぜそのような注目領域が特定されたのかについて学ぶことが可能となる。
【0015】
本発明における特徴量取得装置は、複数の注目領域に共通する領域の範囲を示す共通範囲情報と、複数の注目領域に対応する複数の注目領域情報に共通する情報を示す共通注目領域情報と、複数の注目領域に共通する領域から取得された特徴量とを対応づけて記憶する共通情報記憶手段をさらに含むように構成されても良い。
【0016】
ユーザによって複数の画像に対し入力された各々の範囲情報や注目領域情報には、ユーザによる判断のゆらぎが生じる場合があり、精度の低下の要因となる可能性がある。このような問題に対し、本発明によれば、複数の画像についてユーザによって入力された範囲情報や注目領域情報について、共通する領域や内容がそれぞれ共通範囲情報や共通注目領域情報として取得される。このため、ゆらぎの発生を抑止し、より精度の高い特徴量を取得することが可能となる。
【0017】
本発明は、画像を、画像の特徴をテキストで表現するコンテキストデータに変換する変換装置として構成されても良い。本発明による変換装置は、表示手段、領域特定手段、情報入力手段、取得手段、及び記憶手段を備える。表示手段は、画像を表示する。領域特定手段は、表示画像中の特徴的部分を注目領域としてユーザに指定させる。情報入力手段は、指定された注目領域に現れている特徴を注目領域情報としてユーザに入力させる。取得手段は、注目領域から、注目領域情報に関連性のある特徴量を抽出する。記憶手段は、注目領域の座標、注目領域情報、及び、抽出された特徴量の値から構成されたコンテキストデータを記憶する。
【0018】
このように構成された変換装置によれば、画像中の注目すべき箇所、注目すべき特徴、及びその特徴の定量的な値が含まれるコンテキストデータが生成される。つまり、それ自体で意味のあるデータが生成される。このため、単に画像のデータが保持されている場合に比べて、コンテキストデータを保持することにより、ティーチングデータの生成などへの利用性、その他の用途への流用性が向上する。
【0019】
また、このように構成された変換装置によれば、画像がコンテキストデータに変換される。一般的に、画像のデータに比べて、テキストデータによって構成されるコンテキストデータはデータ量が格段に小さい。このため、画像のデータを記憶する場合に比べて、記憶手段に要する記憶容量を削減することが可能となる。なお、コンテキストデータは、変換元の画像の一部を含むように構成されても良い。
【0020】
本発明は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されても良い。即ち、本発明は、上述した各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録した記録媒体として特定することができる。また、本発明は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ノイズを抑えて特定部分に関する特徴量の取得が可能となる。このため、このように取得された特徴量を用いることにより、より精度の高いティーチングデータを生成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第一実施形態]
〔システム構成〕
まず、第一実施形態として特徴量取得装置1aについて説明する。特徴量取得装置1aは、ハードウェア的には、バスを介して接続されたCPU(中央演算処理装置),主記憶装置(RAM),補助記憶装置などを備える。補助記憶装置は、不揮発性記憶装置を用いて構成される。ここで言う不揮発性記憶装置とは、いわゆるROM(Read-Only Memory:EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory),EEPROM(Electrically
Erasable Programmable Read-Only Memory),マスクROM等を含む),FRAM(Ferroelectric RAM),ハードディスク等を指す。
【0023】
図1は、特徴量取得装置1aの機能ブロックを示す図である。特徴量取得装置1aは、補助記憶装置に記憶された各種のプログラム(OS,アプリケーション等)が主記憶装置にロードされCPUにより実行されることによって、画像入力部2,入力部3,一時記憶部4,取得部5a,記憶部6,及び表示部7等を含む装置として機能する。取得部5aは、プログラムがCPUによって実行されることにより実現される。また、取得部5aは専用のチップとして構成されても良い。次に、特徴量取得装置1aが含む各機能部について説明する。
【0024】
〈画像入力部〉
画像入力部2は、ティーチングデータを生成するための教師画像のデータを特徴量取得装置1aへ入力するためのインタフェースとして機能する。画像入力部2によって、教師画像のデータが特徴量取得装置1aへ入力される。画像入力部2は、特徴量取得装置1aへ教師画像のデータを入力するためのどのような既存技術を用いて構成されても良い。
【0025】
例えば、ネットワーク(例えばローカル・エリア・ネットワークやインターネット)を介して教師画像のデータが特徴量取得装置1aへ入力されても良い。この場合、画像入力部2はネットワークインタフェースを用いて構成される。また、デジタルカメラやスキャナやパーソナルコンピュータや記録装置(例えばハードディスクドライブ)等から教師画像のデータが特徴量取得装置1aへ入力されても良い。この場合、画像入力部2は、デジタルカメラやパーソナルコンピュータや記録装置などと特徴量取得装置1aとをデータ通信可能に接続する規格(例えばUSB(Universal Serial Bus)やSCSI(Small Computer System Interface)等の有線接続やbluetooth(登録商標)等の無線接続
の規格)に応じて構成される。また、記録媒体(例えば各種フラッシュメモリやフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc、Digital Video Disc))に記録された教師画像のデータが特徴量取得装置1aへ入力されても良い。この場合、画像入力部2は、記録媒体からデータを読み出す装置(例えばフラッシュメモリリーダやフロッピーディスクドライブやCDドライブやDVDドライブ)を用いて構成される。
【0026】
また、画像入力部2が教師画像の撮像を行うように構成されても良い。この場合、画像入力部2は、CCD(Charge-Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサ等を用いて構成されても良い。また、画像入力部2は上述した
複数の場合に応じることが可能となるように構成されても良い。画像入力部2を介して入力された教師画像のデータは一時記憶部4に記憶される。
【0027】
〈入力部〉
入力部3は、入力装置を用いて構成される。入力部3には、既存のどのような入力装置が適用されても良い。入力部3は、例えばキーボードやポインティングデバイス(マウス,トラックボール,タブレットなど)や、ダイヤル式入力装置や、タッチパネルや、テンキーや、各種ボタンや、音声入力装置などを用いて構成される。入力部3は、ユーザが特徴量取得装置1aに対して、画像の領域を特定するための入力操作や、注目領域情報を入力するための入力操作を行うことが可能であれば、その他どのような入力装置を用いて構成されても良い。
【0028】
例えば、ポインティングデバイスやタッチパネルとして入力部3が構成された場合、ユーザは表示部7に表示される教師画像の画像上において注目領域を特定できる。この場合、ユーザは表示部7に表示される選択肢を選ぶことにより注目領域情報を入力することもできる。また、キーボードやテンキー等、数字を入力することができる装置として入力部3が構成された場合、ユーザは座標を指定することにより、注目領域を特定できる。この場合、ユーザは文字や数字等を打ち込むことにより注目領域情報を入力することができる。ユーザによるこのような操作により、注目領域の範囲を示す範囲情報が特徴量取得装置1aに入力される。
【0029】
範囲情報は、例えば注目領域が多角形で示される場合は各座標値をもって示される。範囲情報は、画像上の特定の領域を示すことが可能な情報であれば、その他どのような情報によって表現されても良い。注目領域情報は、注目領域に関するユーザの主観的な知識や客観的な知識が文字や数字などによって示された情報である。例えば、ユーザがその領域を注目領域として特定した根拠となる着眼点が主観的な知識として入力されても良い。また、例えば、その注目領域に生じている不良の種類が客観的な知識として入力されても良い。
【0030】
このようにして入力された各データ(範囲情報,注目領域情報)は、一時記憶部4に記憶される。
【0031】
〈一時記憶部〉
一時記憶部4は、記憶装置を用いて構成される。一時記憶部4に用いられる記憶装置には、揮発性記憶装置や不揮発性記憶装置など、どのような具体的技術が適用されても良い。ここで言う揮発性記憶装置とは、いわゆるRAM(Random Access Memory:DRAM(Dynamic RAM),SDRAM(Synchronous DRAM),DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)等)を指す。
【0032】
一時記憶部4は、画像入力部2を介して入力された教師画像のデータや、入力部3を介して入力された範囲情報及び注目領域情報のデータを記憶する。一時記憶部4に記憶されたデータは、取得部5aによって読み出される。一時記憶部4は、少なくとも取得部5aによる処理が完了するまでは、その処理の対象となっているデータを保持する。
【0033】
〈取得部〉
取得部5aは、ユーザによって特定された注目領域における特徴量を取得する。具体的
には、取得部5aは、まず一時記憶部4から範囲情報を読み出し、この範囲情報によって示される注目領域の教師画像のデータを一時記憶部4から読み出す。そして、取得部5aは、読み出された注目領域の教師画像のデータから、所定の特徴量を取得する。所定の特徴量とは、予め設計者やユーザによって定められる特徴量である。特徴量は、例えば明度値やRGB各値の最小値及び最大値や平均値などの統計値であっても良いし、数値の範囲を示すデータであっても良い。また、明暗のパターンや周波数成分によって表される値などでも良い。
【0034】
取得部5aは、注目領域から取得された特徴量を、この注目領域を示す範囲情報や、この注目領域に関する注目領域情報と対応づけて、記憶部6に記憶させる。
【0035】
〈記憶部〉
記憶部6は、いわゆる不揮発性記憶装置を用いて構成される。記憶部6は、取得部5aからの指示に従い、注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の注目領域情報、及びこの注目領域から取得された特徴量を記憶する。
【0036】
〈表示部〉
表示部7は、表示装置を用いて構成される。表示部7は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、液晶ディスプレイや、PDP(Plasma Display Panel)や、有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等、既存のどのような表示装置を用いて構成されて
も良い。
【0037】
表示部7が画像入力部2を介して入力された教師画像を表示する。ユーザは、表示部7に表示された教師画像を参照しながら注目領域の範囲情報を特定することができる。
【0038】
〔動作例〕
図2は、特徴量取得装置1aの動作例を示すフローチャートである。図2を用いて特徴量取得装置1aの動作例について説明する。まず、画像入力部2を介して教師画像のデータが入力される(S01)。次に、表示部7が、一時記憶部4から教師画像のデータを読み出すことにより、S01において入力された教師画像を表示する(S02)。ユーザは、表示された教師画像を参照し注目領域の範囲情報を特定する。そして、入力部3を介して範囲情報及び注目領域情報が入力される(S03)。
【0039】
次に、取得部5aは、一時記憶部4から範囲情報と教師画像のデータを読み出すことにより、注目領域の特徴量を取得する(S04)。取得部5aは、注目領域の範囲情報と、この注目領域から取得された特徴量と、この注目領域における注目領域情報とを対応づけて記憶するように記憶部4に指示する。そして、記憶部4は、この指示に従って、範囲情報、特徴量、注目領域情報を対応づけて記憶する(S05)。
【0040】
〔作用/効果〕
特徴量取得装置1aでは、入力された教師画像について、ユーザによって特定された注目領域における特徴量が取得される。このため、特徴量を取得すべき注目領域が教師画像毎に異なる場合にも、その都度ユーザによって注目領域が特定されるため、ノイズが抑制された特徴量を取得することができる。そして、このような特徴量を用いることにより、より精度の高いティーチングデータを生成することが可能となる。
【0041】
また、表示部7に教師画像が表示されるため、ユーザは表示された教師画像を参照することにより容易に注目領域を特定することが可能となる。
【0042】
また、特徴量取得装置1aでは、記憶部4に教師画像のデータが記憶されない。即ち、
教師画像に現れている欠陥の特徴がコンテキストデータとして表されることにより、画像のデータがテキストデータに変換される。このため、特徴量を記憶する記憶部4の記憶容量を削減することが可能となる。また、注目領域に関する特徴量が取得されて記憶されるため、単に教師画像のデータが記憶される場合に比べて、記憶される情報の有用性が向上する。
【0043】
〔変形例〕
例えば入力部3を介して注目領域の範囲情報が特定された場合には、表示部7はこの領域を視認可能に表示しても良い。例えば、表示部7は、特定された注目領域を太枠で囲むことにより表示しても良いし、ユーザによって指定された態様に応じて表示しても良い。ユーザにより指定される態様の具体例としては、所定の色で塗りつぶす態様や、所定の透明度の色で塗りつぶす態様や、所定の色や太さの線で囲む態様などがある。
【0044】
また、表示部7は、ユーザによって入力された注目領域情報をさらに表示するように構成されても良い。また、表示部7は、取得部5aによって取得された特徴量をさらに表示するように構成されても良い。
【0045】
図3は、上述した変形例のように構成された表示部7による表示例を示す図である。図3の例では、教師画像はウィンドウの右側に表示される。また、教師画像に重ね合わせる形で、注目領域を示す太枠の多角形が表示される。また、注目領域情報が“コンテキスト詳細”という項目名で左側上段に表示される。この場合、注目領域情報の具体例として、教師画像において生じている不良の種類や、ユーザが注目領域を特定した際の着目点(明度及びRGB)が表示されている。また、ユーザが注目領域を特定するために使用される描画シェイプが左側下段に表示される。ユーザは入力部3を操作して描画シェイプを利用することにより、表示された教師画像における注目領域を特定することができる。また、教師画像の一部を拡大表示させるためのボタンや、縮小表示させるためのボタンも、描画シェイプの脇に並んで表示される。その他にも、描画シェイプを用いて特定された注目領域の特定をクリアするためのボタンである“着目点クリア”ボタンや、教師画像の色を反転表示させるためのラジオボタンである“反転表示”ボタンが表示される。さらに、注目領域の特定を最終的に決定するためのボタンである“OK”ボタンや、前画面に戻るためのボタンである“キャンセル”ボタンが表示される。
【0046】
また、表示部7は、注目領域を特定した根拠を注目領域情報として入力することをユーザに対して促す内容の表示を行うように構成されても良い。このように構成された表示部7は、誘導手段として機能する。例えば、表示部7は、“注目領域をこのように特定した根拠を入力してください”という直接的な表示を行うように構成されても良い。また、表示部7は、テキスト入力枠の手前に、ユーザに入力されることが望まれる項目を記載することにより、暗黙的にユーザを促す表示を行うように構成されても良い。具体的には、空欄のテキスト入力枠の手前に“明度”や“RGB”等と表示することにより、明度が高いことに注目したのか、明度が低いことに注目したのか、又はRGBのどの値に注目したのかを入力させるように構成されても良い。テキスト入力枠に代えて、選択肢を付したラジオボタンなどによって同様の表示が行われても良い。このように構成された場合、他のユーザが記憶部4に記憶された注目領域情報及び範囲情報を参照することにより、なぜそのような注目領域が特定されたのかについて学ぶことが可能となる。
【0047】
また、特徴量取得装置1aは、ユーザが入力部3を操作することにより同一の教師画像について複数の注目領域を特定できるように構成されても良い。この場合、特徴量取得装置1aは、ユーザがさらに入力部3を操作することにより複数の注目領域それぞれについて注目領域情報を入力することができるように構成される。またこの場合、取得部5aは、同一の教師画像において特定された複数の注目領域それぞれについて特徴量を取得する
ように構成される。そして、記憶部6は、これらのデータを対応づけて記憶する。
【0048】
[第二実施形態]
〔システム構成〕
次に、第二実施形態として特徴量取得装置1bについて説明する。特徴量取得装置1bは、説明上の便宜のため、特徴量取得装置1aと同じ図面である図1にその機能ブロック例を示す。特徴量取得装置1bは、取得部5aに代えて取得部5bを含む点で特徴量取得装置1aと異なる。以下、特徴量取得装置1bについて、特徴量取得装置1aと異なる点について説明する。
【0049】
〈取得部〉
取得部5bは、注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目の特徴量を取得する点で取得部5aと異なる。例えば、取得部5bは、注目領域情報に含まれる内容に一致する項目のみを選択するように構成されても良い。具体的には、取得部5bは、注目領域情報に明度に関する記載が含まれる場合には、特徴量の項目として明度を選択しても良い。また、取得部5bは、注目領域情報にRGBの内の赤(R)と緑(G)に関する記載が含まれる場合には、特徴量の項目としてRGBのうち赤と緑とを特徴量の項目として選択しても良い。この場合は、取得部5bは、RGBのうち青(B)についての特徴量は取得しない。取得部5bは、上述した具体例の他の記載が注目領域情報に含まれる場合についても同様に、その記載に基づいて特徴量の項目を選択するように構成されても良い。
【0050】
図4は、取得される特徴量の例を示す図である。図4(a)は、第一実施形態における取得部5aによって取得される特徴量の例を示す図である。また、図4(b)は、第二実施形態における取得部5bによって取得される特徴量の例を示す図である。図4(a)に示す例では、取得部5aによってコンテキスト詳細(注目領域情報)の内容に関わらず特徴量が取得されるため、明度(L)及びRGBの各値が特徴量として取得されている。図4(b)に示す例では、取得部5bによってコンテキスト詳細の内容に従って特徴量の項目が選択されるため、コンテキスト詳細に記載されている項目である明度及びRGBの内の赤と緑とについて特徴量が取得されている。なお、図4(c)については後述する。
【0051】
〔動作例〕
図5は、特徴量取得装置1bの動作例を示すフローチャートである。図5のフローチャートでは、図2に示される特徴量取得装置1aのフローチャートと同様の処理については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
ユーザによって範囲情報及び注目領域情報が入力されると(S03)、取得部5bは、入力された注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択する(S06)。次に、取得部5bは、選択された項目の特徴量を教師画像の注目領域から取得する(S07)。そして、記憶部4が範囲情報、特徴量、注目領域情報を対応づけて記憶する(S05)。
【0053】
〔作用/効果〕
特徴量取得装置1bでは、取得部5bによって注目領域情報に基づいて特徴量の項目が選択される。そして、取得部5bにより、選択された項目の特徴量が取得される。このため、予め設定された全ての項目の特徴量が取得される場合に比べて、記憶部4に記憶される特徴量のデータ量が削減される。このため、容量の小さい記憶装置を用いて特徴量取得装置1bを構築することが可能となり、コストを削減することができる。
【0054】
また、特徴量の項目の選択処理に要する処理時間が、除外された項目の特徴量の取得に要する時間よりも少ない場合は、特徴量の取得に要する時間を削減することができる。
【0055】
また、特徴量取得装置1bに入力される注目領域情報とは、ユーザが注目領域内の画像に現れている特徴を示唆した情報である。このため、このような注目領域情報に基づいて、取得する特徴量を選択することにより、有益な特徴量を取得することが可能となる。
【0056】
〔変形例〕
取得部5bは予め設定された全ての特徴量を取得し、取得された特徴量の中から、選択された項目の特徴量のみを記憶部4が記憶するように構成されても良い。このとき、特徴量の項目の選択は、取得部5bによって実現されても良いし、記憶部4によって実現されても良い。この場合、特徴量の取得に要する時間を削減することはできないが、特徴量のデータ量を削減することは依然として可能である。
【0057】
また、特徴量取得装置1bは、特徴量取得装置1aの変形例と同様に変形して構成されても良い。また、特徴量取得装置1bが、同一画像において複数の注目領域を特定可能なように構成された場合、取得部5bは、それぞれの注目領域について入力されたコンテキスト詳細の内容に基づいて、それぞれの注目領域における特徴量の項目を選択する。そして、取得部5bは、それぞれの注目領域において選択された特徴量の項目に従い、それぞれの注目領域における特徴量を取得する。
【0058】
[第三実施形態]
〔システム構成〕
次に、第三実施形態として特徴量取得装置1cについて説明する。図6は、特徴量取得装置1cの機能ブロック例を示す図である。特徴量取得装置1cは、取得部5aに代えて取得部5cを含む点、及び項目記憶部8をさらに含む点で特徴量取得装置1aと異なる。以下、特徴量取得装置1cについて、特徴量取得装置1aと異なる点について説明する。
【0059】
〈項目記憶部〉
項目記憶部8は、いわゆる不揮発性記憶装置を用いて構成される。項目記憶部8は、項目テーブル81を記憶する。項目テーブル81は、注目領域情報に記載される内容と、特徴量の項目とを対応づけたテーブルである。図7は、項目テーブル81の例を示す図である。図7に示される項目テーブル81は、注目領域情報の具体例として不良種類を有する。即ち、図7に示される項目テーブル81は、不良種類と特徴量の項目とを対応づけたテーブルである。テーブル81には、予め設計者などによって、不良種類に応じて注目すべき特徴量の項目が設定されていることが望ましい。例えば、浮き不良という不良項目がしょうじている場合は、明度と赤の値に注目する必要があると判明している場合には、項目テーブル81に“浮き不良”と“L(明度),R(赤)”とが対応づけられる。項目テーブル81には、このような不良種類と特徴量の項目との対応付けが複数なされていても良い。
【0060】
〈取得部〉
取得部5cは、項目記憶部8に記憶される項目テーブルの内容に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目の特徴量を取得する点で取得部5aと異なる。取得部5cは、ユーザによって入力された注目領域情報の内容に対応する特徴量の項目を、項目テーブル81から読み出す。そして、取得部5cは、この項目の特徴量を注目領域において取得する。
【0061】
以下、項目記憶部8に記憶される項目テーブルが図7に示される内容を有する場合を例にとって説明する。ユーザにより入力された注目領域情報に、不良種類が浮き不良である旨の記載が含まれる場合には、取得部5cは、特徴量の項目としてL(明度)及びR(赤)を項目記憶部8から読み出す。そして、取得部5cは、この二つの項目の特徴量を、教
師画像の注目領域から取得する。図4(c)は、このような取得部5cによって取得される特徴量の例を示す。
【0062】
〔動作例〕
図8は、特徴量取得装置1cの動作例を示すフローチャートである。図8のフローチャートでは、図2に示される特徴量取得装置1aのフローチャートと同様の処理については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
ユーザによって範囲情報及び注目領域情報が入力されると(S03)、取得部5cは、入力された注目領域情報の内容と項目テーブル81の内容とに基づいて特徴量の項目を選択する(S08)。次に、取得部5cは、選択された項目の特徴量を教師画像の注目領域から取得する(S09)。そして、記憶部4が範囲情報、特徴量、注目領域情報を対応づけて記憶する(S05)。
【0064】
〔作用/効果〕
特徴量取得装置1cでは、取得部5cによって、注目領域情報及び項目テーブル81の内容に基づいて特徴量の項目が選択される。そして、取得部5cにより、選択された項目の特徴量が取得される。このため、異なる手法で特徴量取得装置1bと同様の効果を得ることができる。即ち、予め設定された全ての項目の特徴量が取得される場合に比べて、記憶部4に記憶される特徴量のデータ量が削減される。また、特徴量の項目の選択処理に要する処理時間が、除外された項目の特徴量の取得に要する時間よりも少ない場合は、特徴量の取得に要する時間を削減することができる。
【0065】
また、図7のように項目テーブル81が構成された場合は、ユーザが注目すべき特徴量の項目を知らない場合も、不良種類さえユーザが判断できれば、取得部5cによって注目すべき特徴量の項目が判断される。このように、特徴量取得装置1cによれば、注目すべき特徴量の項目に関する知識に欠けるユーザによって使用された場合にも、項目テーブル81に含まれる注目領域情報さえユーザが判断可能であれば、取得部5cによって適切な特徴量の項目が選択される。
【0066】
〔変形例〕
特徴量取得装置1cは、特徴量取得装置1aや特徴量取得装置1bの変形例と同様に変形して構成されても良い。
【0067】
[第四実施形態]
〔システム構成〕
次に、第四実施形態として特徴量取得装置1dについて説明する。図9は、特徴量取得装置1dの機能ブロック例を示す図である。特徴量取得装置1dは、取得部5aに代えて取得部5dを含む点、及び共通情報記憶部9をさらに含む点で特徴量取得装置1aと異なる。以下、特徴量取得装置1dについて、特徴量取得装置1aと異なる点について説明する。
【0068】
〈取得部〉
取得部5dは、以下の複数の点で取得部5aと異なる。取得部5dは、複数の教師画像における注目領域に共通する領域の範囲を示す共通範囲情報を取得する。また、取得部5dは、複数の注目領域に対応する複数の注目領域情報に共通する情報を示す共通注目領域情報を取得する。また、取得部5dは、共通範囲情報によって示される領域について、各教師画像から特徴量を取得する。そして、取得部5dは、共通範囲情報と共通注目領域情報と、各教師画像から取得される複数の特徴量とを対応づけて、共通情報記憶部9に記憶させる。
【0069】
図10は、共通範囲情報及び共通注目領域情報の具体例を示す図である。図10(a)及び図10(b)は、それぞれ異なる教師画像における注目領域や注目領域情報を示す。図10において、太枠は注目領域を示し、明度及びRGBは注目領域情報の具体例を示す。このような二つの教師画像における注目領域及び注目領域情報の共通部分が、図10(c)に示される情報である。この場合、破線の枠に対する相対的な太枠の領域の共通部分が、共通範囲情報として取得部5dにより取得される。また、注目領域情報の共通部分として、RGBの赤という情報が取得される。
【0070】
〈共通情報記憶部〉
共通情報記憶部9は、いわゆる不揮発性記憶装置を用いて構成される。共通情報記憶部9は、取得部5dからの指示に従い、共通範囲情報毎に対応づけられた複数の共通注目領域情報、及び複数の教師画像においてこの共通注目領域から取得された特徴量を記憶する。
【0071】
〔動作例〕
図11は、特徴量取得装置1dの動作例を示すフローチャートである。図11のフローチャートでは、図2に示される特徴量取得装置1aのフローチャートと同様の処理については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
記憶部4が範囲情報、特徴量、及び注目領域情報を対応づけて記憶すると(S05)、取得部5dは、記憶部4に記憶された情報に基づいて共通範囲情報、共通注目領域情報、及び共通範囲情報に基づいて複数の特徴量を取得する(S10)。取得部5dは、これらの情報を対応づけて記憶することを共通情報記憶部9に指示する。そして、このような指示を受けた共通情報記憶部9は、これらの情報を対応づけて記憶する(S11)。
【0073】
〔作用/効果〕
もともと、特徴量取得装置1dに入力される範囲情報や注目領域情報はユーザによって教師画像毎に独立して特定された情報であるためノイズは軽減されている。しかし、ユーザの判断のゆらぎなどにより、各教師画像における範囲情報や注目領域情報の精度には限界があり、ノイズが含まれてしまう場合もある。このような問題に対し、特徴量取得装置1dでは、取得部5dによって、複数の教師画像について特定された範囲情報や注目領域情報の共通部分が共通範囲情報や共通注目領域情報として取得される。このため、共通範囲情報や共通注目領域情報では、範囲情報や注目領域情報に比べて一層ノイズが軽減されることが期待できる。従って、このように取得された共通範囲情報や共通注目領域情報を用いることにより、より精度の高いティーチングデータを生成することが可能となる。
【0074】
また、一般に自動検査では検査対象毎に検査領域や検査内容(特徴量)を変更することは困難である。このような問題に対し、特徴量取得装置1dは、教師画像の共通特徴を予め取得しておくため、自動検査の実現が容易となる。
【0075】
〔変形例〕
ユーザが入力部3を操作することにより、取得部5dが共通範囲情報や共通注目領域情報を取得する際に使用される複数の教師画像が選択されても良い。この場合、取得部5dは、ユーザによって選択された複数の教師画像に基づいて共通範囲情報及び共通注目領域情報を取得する。
【0076】
また、特徴量取得装置1dは、特徴量取得装置1aや特徴量取得装置1bの変形例と同様に変形して構成されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第一実施形態の機能ブロック例を示す図である。
【図2】第一実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図3】表示部の表示例を示す図である。
【図4】取得部によって取得される特徴量の例を示す図である。
【図5】第二実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図6】第三実施形態の機能ブロック例を示す図である。
【図7】項目記憶部が記憶する項目テーブルの例を示す図である。
【図8】第三実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図9】第四実施形態の機能ブロック例を示す図である。
【図10】共通情報の例を示す図である。
【図11】第四実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図12】従来の問題点の例を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1a,1b,1c,1d 特徴量取得装置
2 画像入力部
3 入力部
4 一時記憶部
5a,5b,5c,5d 取得部
6 記憶部
7 表示部
8 項目記憶部
81 項目テーブル
9 共通情報記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像から対象物を認識する画像認識装置や、画像認識装置のティーチング装置に対してティーチングデータを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラで撮像した画像から特徴量を抽出することにより対象物の認識を行う技術が知られている。このような画像認識技術は、例えば工業製品の検査装置やロボットの視覚装置をはじめとする種々の態様で応用されている。
【0003】
対象物について画像認識をするためには、その対象物の特徴をコンピュータに事前に教示しておく必要がある。この作業は、一般的にはティーチングと呼ばれる。例えば、基板検査装置におけるティーチングは以下のように行われる。まず、良品と不良品のそれぞれのサンプルが用意される。次に、良品と不良品それぞれのサンプルを撮像して得られる画像(以下、「教師画像」と呼ぶ)から、良品に関する特徴量や不良品に関する特徴量がそれぞれ取得される。そして、これらの取得された特徴量に基づいて、検査対象物の良否判定を行うための判定基準値(検査基準:ティーチングデータ)が決定される。このとき、ティーチングデータの精度を向上させるため、ティーチングを繰り返し実行することや、手作業でティーチングデータを調整すること等が行われていた。ところが、このような作業は、高度なスキルとノウハウを有する熟練作業者が多大な労力と時間をかけて行う必要があり、改善が望まれていた。このような要望に対し、少数の教師画像から簡単に正確なティーチングデータの生成を可能とする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−362400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、物体の特定部分を画像認識するためのティーチングデータを生成する場合には、特徴量の取得対象となる領域(以下、「特徴量取得領域」と呼ぶ)には、その特定部分以外の部分が可能な限り含まれないことが望ましい。なぜならば、その特定部分以外の部分を含む領域から取得される特徴量はノイズとなり、最終的に得られるティーチングデータの精度の低下を招くためである。
【0005】
このため、ある特定部分に関するティーチングデータを高い精度で生成するためには、各教師画像における特定部分のみを特徴量取得領域として指定する必要がある。このような指定は、上記した特定の部分が、教師画像中の同じ場所に常に存在し得る場合には自動で行うことに特に問題は生じない。しかしながら、特徴量の取得が望まれる特定部分が、各々の教師画像によって異なる場所に存在する場合には、教師画像毎に固有の特徴量取得領域を自動で指定することが困難である。このため、精度の高いティーチングデータ生成のための特徴量を自動で取得する装置の実現には、障害が生じていた。
【0006】
以下、基板について検査を行う基板検査装置を具体例に挙げて説明する。基板検査装置では、基板(検査対象物に相当)に生じた欠陥部分の有無を判断する必要がある。このため、上述したように、良品が撮像された画像や欠陥部分を含む不良品が撮像された画像が教師画像(検査対象物が撮像された画像に相当)として用いられる。そして、特定部分として、欠陥部分の特徴量が取得される。しかし、例えば同じ「浮き不良」という欠陥が生じた基板であっても、その具体的な欠陥部分は基板によって大きく異なる。図12は、浮き不良が生じた基板における欠陥部分の例を示す図である。斜線で示される矩形は、基板に配置される部品を示す。また、破線で示される矩形はランドの位置を示す。また、太線
で示される領域は、欠陥の特徴が現れている領域を示す。図12に示されるように、同じ浮き不良が生じた基板であっても、ランド中央に欠陥の特徴が現れている場合(a)や、ランド先端に欠陥の特徴が現れている場合(b)や、ランドの右(c)や左(d)に欠陥の特徴が現れている場合などがある。このため、ノイズを抑えた特徴量を自動で取得することは困難であり、精度の高いティーチングデータを生成することができなかった。
【0007】
そこで本発明は、より精度の高いティーチングデータを生成すべく、ノイズを抑えて特定部分に関する特徴量の取得を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するため、本発明は以下のような構成をとる。本発明は、検査を行う際に使用される検査基準を得るための特徴量を画像から取得する特徴量取得装置であって、画像入力手段、表示手段、領域特定手段、情報入力手段、取得手段、及び記憶手段を含む。画像入力手段は、特徴量取得装置に、検査対象物が撮像された画像を入力する。表示手段は、入力された画像を表示する。領域特定手段は、表示手段に表示された画像において、画像の一部の領域である注目領域をユーザが特定することを可能とする。情報入力手段は、注目領域に関する情報である注目領域情報をユーザが入力することを可能とする。なお、領域特定手段と情報入力手段は、可能であれば一体に構成されても良い。取得手段は、注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目について注目領域から特徴量を取得する。記憶手段は、注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の注目領域情報、及び特徴量を記憶する。
【0009】
このように構成された本発明では、画像入力手段を介して特徴量取得装置に入力された画像から特徴量を取得する際に、特徴量を取得する領域がユーザによって画像毎に特定される。このため、特徴量を取得すべき注目領域の位置が画像毎に異なる場合であっても、ユーザによる個別の特定により、的確な注目領域から特徴量を取得することが可能となる。従って、ノイズが軽減された特徴量の取得が可能となり、結果としてより精度の高いティーチングデータを生成することができる。
【0010】
本発明では、さらに、ユーザによって入力された注目領域情報に基づいて、取得手段によって取得される特徴量の項目が選択される。このように構成された本発明では、専門家や熟練者などによって注目領域情報が入力された場合には、専門家や熟練者が有するノウハウに基づいて、必要と認められる特徴量を取得することが可能となる。言い換えれば、注目領域情報に基づき、必要と認められない特徴量(ノイズとなる可能性のある特徴量)を取得しないことにより、ノイズが軽減された特徴量の取得が可能となる。このため、結果としてより精度の高いティーチングデータを生成することが可能となる。また、記憶手段に記憶される特徴量の項目の数が減少するため、記憶手段に記憶されるデータ量が削減される。このため、特徴量取得装置を構築する際のコストを抑えることが可能となる。また、取得手段が、選択された項目の特徴量のみを取得するように構成された場合には、取得手段の処理に要する時間を削減することも可能となる。
【0011】
本発明における領域特定手段は、同一画像において複数の注目領域をユーザが特定することを可能とするように構成されても良い。この場合、情報入力手段は、特定された複数の注目領域それぞれについての注目領域情報をユーザが入力することを可能とするように構成される。また、この場合、取得手段は、特定された複数の注目領域それぞれについて、対応する注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目について注目領域から特徴量を取得する。また、この場合、記憶手段は、同一画像において特定された複数の注目領域について、各注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の注目領域情報、及び特徴量を記憶する。
【0012】
本発明における特徴量取得装置は、注目領域情報毎に対応づけられた複数の前記項目を記憶する項目記憶手段をさらに含むように構成されても良い。この場合、取得手段は、注目領域情報に対応する特徴量の項目を、項目記憶手段に記憶される内容に従って選択するように構成される。
【0013】
このように構成された本発明によっても、上述した特徴量取得装置と同様に、記憶手段に記憶される特徴量の項目の数が減少するため、記憶手段に要する記憶容量を削減することができ、特徴量取得装置を構築する際のコストを抑える事が可能となる。取得手段の処理に要する時間を削減することができることも同様である。
【0014】
本発明における特徴量取得装置は、注目領域を特定した根拠を前記注目領域情報として入力することをユーザに対して促す誘導手段をさらに含むように構成されても良い。このように構成された本発明によれば、注目領域を特定した根拠がユーザによって注目領域情報として入力される。そして、注目領域の範囲情報とこの注目領域情報とが対応づけて記憶手段に記憶される。このため、他のユーザが記憶手段に記憶された情報を参照することにより、なぜそのような注目領域が特定されたのかについて学ぶことが可能となる。
【0015】
本発明における特徴量取得装置は、複数の注目領域に共通する領域の範囲を示す共通範囲情報と、複数の注目領域に対応する複数の注目領域情報に共通する情報を示す共通注目領域情報と、複数の注目領域に共通する領域から取得された特徴量とを対応づけて記憶する共通情報記憶手段をさらに含むように構成されても良い。
【0016】
ユーザによって複数の画像に対し入力された各々の範囲情報や注目領域情報には、ユーザによる判断のゆらぎが生じる場合があり、精度の低下の要因となる可能性がある。このような問題に対し、本発明によれば、複数の画像についてユーザによって入力された範囲情報や注目領域情報について、共通する領域や内容がそれぞれ共通範囲情報や共通注目領域情報として取得される。このため、ゆらぎの発生を抑止し、より精度の高い特徴量を取得することが可能となる。
【0017】
本発明は、画像を、画像の特徴をテキストで表現するコンテキストデータに変換する変換装置として構成されても良い。本発明による変換装置は、表示手段、領域特定手段、情報入力手段、取得手段、及び記憶手段を備える。表示手段は、画像を表示する。領域特定手段は、表示画像中の特徴的部分を注目領域としてユーザに指定させる。情報入力手段は、指定された注目領域に現れている特徴を注目領域情報としてユーザに入力させる。取得手段は、注目領域から、注目領域情報に関連性のある特徴量を抽出する。記憶手段は、注目領域の座標、注目領域情報、及び、抽出された特徴量の値から構成されたコンテキストデータを記憶する。
【0018】
このように構成された変換装置によれば、画像中の注目すべき箇所、注目すべき特徴、及びその特徴の定量的な値が含まれるコンテキストデータが生成される。つまり、それ自体で意味のあるデータが生成される。このため、単に画像のデータが保持されている場合に比べて、コンテキストデータを保持することにより、ティーチングデータの生成などへの利用性、その他の用途への流用性が向上する。
【0019】
また、このように構成された変換装置によれば、画像がコンテキストデータに変換される。一般的に、画像のデータに比べて、テキストデータによって構成されるコンテキストデータはデータ量が格段に小さい。このため、画像のデータを記憶する場合に比べて、記憶手段に要する記憶容量を削減することが可能となる。なお、コンテキストデータは、変換元の画像の一部を含むように構成されても良い。
【0020】
本発明は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されても良い。即ち、本発明は、上述した各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録した記録媒体として特定することができる。また、本発明は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ノイズを抑えて特定部分に関する特徴量の取得が可能となる。このため、このように取得された特徴量を用いることにより、より精度の高いティーチングデータを生成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第一実施形態]
〔システム構成〕
まず、第一実施形態として特徴量取得装置1aについて説明する。特徴量取得装置1aは、ハードウェア的には、バスを介して接続されたCPU(中央演算処理装置),主記憶装置(RAM),補助記憶装置などを備える。補助記憶装置は、不揮発性記憶装置を用いて構成される。ここで言う不揮発性記憶装置とは、いわゆるROM(Read-Only Memory:EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory),EEPROM(Electrically
Erasable Programmable Read-Only Memory),マスクROM等を含む),FRAM(Ferroelectric RAM),ハードディスク等を指す。
【0023】
図1は、特徴量取得装置1aの機能ブロックを示す図である。特徴量取得装置1aは、補助記憶装置に記憶された各種のプログラム(OS,アプリケーション等)が主記憶装置にロードされCPUにより実行されることによって、画像入力部2,入力部3,一時記憶部4,取得部5a,記憶部6,及び表示部7等を含む装置として機能する。取得部5aは、プログラムがCPUによって実行されることにより実現される。また、取得部5aは専用のチップとして構成されても良い。次に、特徴量取得装置1aが含む各機能部について説明する。
【0024】
〈画像入力部〉
画像入力部2は、ティーチングデータを生成するための教師画像のデータを特徴量取得装置1aへ入力するためのインタフェースとして機能する。画像入力部2によって、教師画像のデータが特徴量取得装置1aへ入力される。画像入力部2は、特徴量取得装置1aへ教師画像のデータを入力するためのどのような既存技術を用いて構成されても良い。
【0025】
例えば、ネットワーク(例えばローカル・エリア・ネットワークやインターネット)を介して教師画像のデータが特徴量取得装置1aへ入力されても良い。この場合、画像入力部2はネットワークインタフェースを用いて構成される。また、デジタルカメラやスキャナやパーソナルコンピュータや記録装置(例えばハードディスクドライブ)等から教師画像のデータが特徴量取得装置1aへ入力されても良い。この場合、画像入力部2は、デジタルカメラやパーソナルコンピュータや記録装置などと特徴量取得装置1aとをデータ通信可能に接続する規格(例えばUSB(Universal Serial Bus)やSCSI(Small Computer System Interface)等の有線接続やbluetooth(登録商標)等の無線接続
の規格)に応じて構成される。また、記録媒体(例えば各種フラッシュメモリやフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc、Digital Video Disc))に記録された教師画像のデータが特徴量取得装置1aへ入力されても良い。この場合、画像入力部2は、記録媒体からデータを読み出す装置(例えばフラッシュメモリリーダやフロッピーディスクドライブやCDドライブやDVDドライブ)を用いて構成される。
【0026】
また、画像入力部2が教師画像の撮像を行うように構成されても良い。この場合、画像入力部2は、CCD(Charge-Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサ等を用いて構成されても良い。また、画像入力部2は上述した
複数の場合に応じることが可能となるように構成されても良い。画像入力部2を介して入力された教師画像のデータは一時記憶部4に記憶される。
【0027】
〈入力部〉
入力部3は、入力装置を用いて構成される。入力部3には、既存のどのような入力装置が適用されても良い。入力部3は、例えばキーボードやポインティングデバイス(マウス,トラックボール,タブレットなど)や、ダイヤル式入力装置や、タッチパネルや、テンキーや、各種ボタンや、音声入力装置などを用いて構成される。入力部3は、ユーザが特徴量取得装置1aに対して、画像の領域を特定するための入力操作や、注目領域情報を入力するための入力操作を行うことが可能であれば、その他どのような入力装置を用いて構成されても良い。
【0028】
例えば、ポインティングデバイスやタッチパネルとして入力部3が構成された場合、ユーザは表示部7に表示される教師画像の画像上において注目領域を特定できる。この場合、ユーザは表示部7に表示される選択肢を選ぶことにより注目領域情報を入力することもできる。また、キーボードやテンキー等、数字を入力することができる装置として入力部3が構成された場合、ユーザは座標を指定することにより、注目領域を特定できる。この場合、ユーザは文字や数字等を打ち込むことにより注目領域情報を入力することができる。ユーザによるこのような操作により、注目領域の範囲を示す範囲情報が特徴量取得装置1aに入力される。
【0029】
範囲情報は、例えば注目領域が多角形で示される場合は各座標値をもって示される。範囲情報は、画像上の特定の領域を示すことが可能な情報であれば、その他どのような情報によって表現されても良い。注目領域情報は、注目領域に関するユーザの主観的な知識や客観的な知識が文字や数字などによって示された情報である。例えば、ユーザがその領域を注目領域として特定した根拠となる着眼点が主観的な知識として入力されても良い。また、例えば、その注目領域に生じている不良の種類が客観的な知識として入力されても良い。
【0030】
このようにして入力された各データ(範囲情報,注目領域情報)は、一時記憶部4に記憶される。
【0031】
〈一時記憶部〉
一時記憶部4は、記憶装置を用いて構成される。一時記憶部4に用いられる記憶装置には、揮発性記憶装置や不揮発性記憶装置など、どのような具体的技術が適用されても良い。ここで言う揮発性記憶装置とは、いわゆるRAM(Random Access Memory:DRAM(Dynamic RAM),SDRAM(Synchronous DRAM),DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)等)を指す。
【0032】
一時記憶部4は、画像入力部2を介して入力された教師画像のデータや、入力部3を介して入力された範囲情報及び注目領域情報のデータを記憶する。一時記憶部4に記憶されたデータは、取得部5aによって読み出される。一時記憶部4は、少なくとも取得部5aによる処理が完了するまでは、その処理の対象となっているデータを保持する。
【0033】
〈取得部〉
取得部5aは、ユーザによって特定された注目領域における特徴量を取得する。具体的
には、取得部5aは、まず一時記憶部4から範囲情報を読み出し、この範囲情報によって示される注目領域の教師画像のデータを一時記憶部4から読み出す。そして、取得部5aは、読み出された注目領域の教師画像のデータから、所定の特徴量を取得する。所定の特徴量とは、予め設計者やユーザによって定められる特徴量である。特徴量は、例えば明度値やRGB各値の最小値及び最大値や平均値などの統計値であっても良いし、数値の範囲を示すデータであっても良い。また、明暗のパターンや周波数成分によって表される値などでも良い。
【0034】
取得部5aは、注目領域から取得された特徴量を、この注目領域を示す範囲情報や、この注目領域に関する注目領域情報と対応づけて、記憶部6に記憶させる。
【0035】
〈記憶部〉
記憶部6は、いわゆる不揮発性記憶装置を用いて構成される。記憶部6は、取得部5aからの指示に従い、注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の注目領域情報、及びこの注目領域から取得された特徴量を記憶する。
【0036】
〈表示部〉
表示部7は、表示装置を用いて構成される。表示部7は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、液晶ディスプレイや、PDP(Plasma Display Panel)や、有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等、既存のどのような表示装置を用いて構成されて
も良い。
【0037】
表示部7が画像入力部2を介して入力された教師画像を表示する。ユーザは、表示部7に表示された教師画像を参照しながら注目領域の範囲情報を特定することができる。
【0038】
〔動作例〕
図2は、特徴量取得装置1aの動作例を示すフローチャートである。図2を用いて特徴量取得装置1aの動作例について説明する。まず、画像入力部2を介して教師画像のデータが入力される(S01)。次に、表示部7が、一時記憶部4から教師画像のデータを読み出すことにより、S01において入力された教師画像を表示する(S02)。ユーザは、表示された教師画像を参照し注目領域の範囲情報を特定する。そして、入力部3を介して範囲情報及び注目領域情報が入力される(S03)。
【0039】
次に、取得部5aは、一時記憶部4から範囲情報と教師画像のデータを読み出すことにより、注目領域の特徴量を取得する(S04)。取得部5aは、注目領域の範囲情報と、この注目領域から取得された特徴量と、この注目領域における注目領域情報とを対応づけて記憶するように記憶部4に指示する。そして、記憶部4は、この指示に従って、範囲情報、特徴量、注目領域情報を対応づけて記憶する(S05)。
【0040】
〔作用/効果〕
特徴量取得装置1aでは、入力された教師画像について、ユーザによって特定された注目領域における特徴量が取得される。このため、特徴量を取得すべき注目領域が教師画像毎に異なる場合にも、その都度ユーザによって注目領域が特定されるため、ノイズが抑制された特徴量を取得することができる。そして、このような特徴量を用いることにより、より精度の高いティーチングデータを生成することが可能となる。
【0041】
また、表示部7に教師画像が表示されるため、ユーザは表示された教師画像を参照することにより容易に注目領域を特定することが可能となる。
【0042】
また、特徴量取得装置1aでは、記憶部4に教師画像のデータが記憶されない。即ち、
教師画像に現れている欠陥の特徴がコンテキストデータとして表されることにより、画像のデータがテキストデータに変換される。このため、特徴量を記憶する記憶部4の記憶容量を削減することが可能となる。また、注目領域に関する特徴量が取得されて記憶されるため、単に教師画像のデータが記憶される場合に比べて、記憶される情報の有用性が向上する。
【0043】
〔変形例〕
例えば入力部3を介して注目領域の範囲情報が特定された場合には、表示部7はこの領域を視認可能に表示しても良い。例えば、表示部7は、特定された注目領域を太枠で囲むことにより表示しても良いし、ユーザによって指定された態様に応じて表示しても良い。ユーザにより指定される態様の具体例としては、所定の色で塗りつぶす態様や、所定の透明度の色で塗りつぶす態様や、所定の色や太さの線で囲む態様などがある。
【0044】
また、表示部7は、ユーザによって入力された注目領域情報をさらに表示するように構成されても良い。また、表示部7は、取得部5aによって取得された特徴量をさらに表示するように構成されても良い。
【0045】
図3は、上述した変形例のように構成された表示部7による表示例を示す図である。図3の例では、教師画像はウィンドウの右側に表示される。また、教師画像に重ね合わせる形で、注目領域を示す太枠の多角形が表示される。また、注目領域情報が“コンテキスト詳細”という項目名で左側上段に表示される。この場合、注目領域情報の具体例として、教師画像において生じている不良の種類や、ユーザが注目領域を特定した際の着目点(明度及びRGB)が表示されている。また、ユーザが注目領域を特定するために使用される描画シェイプが左側下段に表示される。ユーザは入力部3を操作して描画シェイプを利用することにより、表示された教師画像における注目領域を特定することができる。また、教師画像の一部を拡大表示させるためのボタンや、縮小表示させるためのボタンも、描画シェイプの脇に並んで表示される。その他にも、描画シェイプを用いて特定された注目領域の特定をクリアするためのボタンである“着目点クリア”ボタンや、教師画像の色を反転表示させるためのラジオボタンである“反転表示”ボタンが表示される。さらに、注目領域の特定を最終的に決定するためのボタンである“OK”ボタンや、前画面に戻るためのボタンである“キャンセル”ボタンが表示される。
【0046】
また、表示部7は、注目領域を特定した根拠を注目領域情報として入力することをユーザに対して促す内容の表示を行うように構成されても良い。このように構成された表示部7は、誘導手段として機能する。例えば、表示部7は、“注目領域をこのように特定した根拠を入力してください”という直接的な表示を行うように構成されても良い。また、表示部7は、テキスト入力枠の手前に、ユーザに入力されることが望まれる項目を記載することにより、暗黙的にユーザを促す表示を行うように構成されても良い。具体的には、空欄のテキスト入力枠の手前に“明度”や“RGB”等と表示することにより、明度が高いことに注目したのか、明度が低いことに注目したのか、又はRGBのどの値に注目したのかを入力させるように構成されても良い。テキスト入力枠に代えて、選択肢を付したラジオボタンなどによって同様の表示が行われても良い。このように構成された場合、他のユーザが記憶部4に記憶された注目領域情報及び範囲情報を参照することにより、なぜそのような注目領域が特定されたのかについて学ぶことが可能となる。
【0047】
また、特徴量取得装置1aは、ユーザが入力部3を操作することにより同一の教師画像について複数の注目領域を特定できるように構成されても良い。この場合、特徴量取得装置1aは、ユーザがさらに入力部3を操作することにより複数の注目領域それぞれについて注目領域情報を入力することができるように構成される。またこの場合、取得部5aは、同一の教師画像において特定された複数の注目領域それぞれについて特徴量を取得する
ように構成される。そして、記憶部6は、これらのデータを対応づけて記憶する。
【0048】
[第二実施形態]
〔システム構成〕
次に、第二実施形態として特徴量取得装置1bについて説明する。特徴量取得装置1bは、説明上の便宜のため、特徴量取得装置1aと同じ図面である図1にその機能ブロック例を示す。特徴量取得装置1bは、取得部5aに代えて取得部5bを含む点で特徴量取得装置1aと異なる。以下、特徴量取得装置1bについて、特徴量取得装置1aと異なる点について説明する。
【0049】
〈取得部〉
取得部5bは、注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目の特徴量を取得する点で取得部5aと異なる。例えば、取得部5bは、注目領域情報に含まれる内容に一致する項目のみを選択するように構成されても良い。具体的には、取得部5bは、注目領域情報に明度に関する記載が含まれる場合には、特徴量の項目として明度を選択しても良い。また、取得部5bは、注目領域情報にRGBの内の赤(R)と緑(G)に関する記載が含まれる場合には、特徴量の項目としてRGBのうち赤と緑とを特徴量の項目として選択しても良い。この場合は、取得部5bは、RGBのうち青(B)についての特徴量は取得しない。取得部5bは、上述した具体例の他の記載が注目領域情報に含まれる場合についても同様に、その記載に基づいて特徴量の項目を選択するように構成されても良い。
【0050】
図4は、取得される特徴量の例を示す図である。図4(a)は、第一実施形態における取得部5aによって取得される特徴量の例を示す図である。また、図4(b)は、第二実施形態における取得部5bによって取得される特徴量の例を示す図である。図4(a)に示す例では、取得部5aによってコンテキスト詳細(注目領域情報)の内容に関わらず特徴量が取得されるため、明度(L)及びRGBの各値が特徴量として取得されている。図4(b)に示す例では、取得部5bによってコンテキスト詳細の内容に従って特徴量の項目が選択されるため、コンテキスト詳細に記載されている項目である明度及びRGBの内の赤と緑とについて特徴量が取得されている。なお、図4(c)については後述する。
【0051】
〔動作例〕
図5は、特徴量取得装置1bの動作例を示すフローチャートである。図5のフローチャートでは、図2に示される特徴量取得装置1aのフローチャートと同様の処理については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
ユーザによって範囲情報及び注目領域情報が入力されると(S03)、取得部5bは、入力された注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択する(S06)。次に、取得部5bは、選択された項目の特徴量を教師画像の注目領域から取得する(S07)。そして、記憶部4が範囲情報、特徴量、注目領域情報を対応づけて記憶する(S05)。
【0053】
〔作用/効果〕
特徴量取得装置1bでは、取得部5bによって注目領域情報に基づいて特徴量の項目が選択される。そして、取得部5bにより、選択された項目の特徴量が取得される。このため、予め設定された全ての項目の特徴量が取得される場合に比べて、記憶部4に記憶される特徴量のデータ量が削減される。このため、容量の小さい記憶装置を用いて特徴量取得装置1bを構築することが可能となり、コストを削減することができる。
【0054】
また、特徴量の項目の選択処理に要する処理時間が、除外された項目の特徴量の取得に要する時間よりも少ない場合は、特徴量の取得に要する時間を削減することができる。
【0055】
また、特徴量取得装置1bに入力される注目領域情報とは、ユーザが注目領域内の画像に現れている特徴を示唆した情報である。このため、このような注目領域情報に基づいて、取得する特徴量を選択することにより、有益な特徴量を取得することが可能となる。
【0056】
〔変形例〕
取得部5bは予め設定された全ての特徴量を取得し、取得された特徴量の中から、選択された項目の特徴量のみを記憶部4が記憶するように構成されても良い。このとき、特徴量の項目の選択は、取得部5bによって実現されても良いし、記憶部4によって実現されても良い。この場合、特徴量の取得に要する時間を削減することはできないが、特徴量のデータ量を削減することは依然として可能である。
【0057】
また、特徴量取得装置1bは、特徴量取得装置1aの変形例と同様に変形して構成されても良い。また、特徴量取得装置1bが、同一画像において複数の注目領域を特定可能なように構成された場合、取得部5bは、それぞれの注目領域について入力されたコンテキスト詳細の内容に基づいて、それぞれの注目領域における特徴量の項目を選択する。そして、取得部5bは、それぞれの注目領域において選択された特徴量の項目に従い、それぞれの注目領域における特徴量を取得する。
【0058】
[第三実施形態]
〔システム構成〕
次に、第三実施形態として特徴量取得装置1cについて説明する。図6は、特徴量取得装置1cの機能ブロック例を示す図である。特徴量取得装置1cは、取得部5aに代えて取得部5cを含む点、及び項目記憶部8をさらに含む点で特徴量取得装置1aと異なる。以下、特徴量取得装置1cについて、特徴量取得装置1aと異なる点について説明する。
【0059】
〈項目記憶部〉
項目記憶部8は、いわゆる不揮発性記憶装置を用いて構成される。項目記憶部8は、項目テーブル81を記憶する。項目テーブル81は、注目領域情報に記載される内容と、特徴量の項目とを対応づけたテーブルである。図7は、項目テーブル81の例を示す図である。図7に示される項目テーブル81は、注目領域情報の具体例として不良種類を有する。即ち、図7に示される項目テーブル81は、不良種類と特徴量の項目とを対応づけたテーブルである。テーブル81には、予め設計者などによって、不良種類に応じて注目すべき特徴量の項目が設定されていることが望ましい。例えば、浮き不良という不良項目がしょうじている場合は、明度と赤の値に注目する必要があると判明している場合には、項目テーブル81に“浮き不良”と“L(明度),R(赤)”とが対応づけられる。項目テーブル81には、このような不良種類と特徴量の項目との対応付けが複数なされていても良い。
【0060】
〈取得部〉
取得部5cは、項目記憶部8に記憶される項目テーブルの内容に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目の特徴量を取得する点で取得部5aと異なる。取得部5cは、ユーザによって入力された注目領域情報の内容に対応する特徴量の項目を、項目テーブル81から読み出す。そして、取得部5cは、この項目の特徴量を注目領域において取得する。
【0061】
以下、項目記憶部8に記憶される項目テーブルが図7に示される内容を有する場合を例にとって説明する。ユーザにより入力された注目領域情報に、不良種類が浮き不良である旨の記載が含まれる場合には、取得部5cは、特徴量の項目としてL(明度)及びR(赤)を項目記憶部8から読み出す。そして、取得部5cは、この二つの項目の特徴量を、教
師画像の注目領域から取得する。図4(c)は、このような取得部5cによって取得される特徴量の例を示す。
【0062】
〔動作例〕
図8は、特徴量取得装置1cの動作例を示すフローチャートである。図8のフローチャートでは、図2に示される特徴量取得装置1aのフローチャートと同様の処理については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
ユーザによって範囲情報及び注目領域情報が入力されると(S03)、取得部5cは、入力された注目領域情報の内容と項目テーブル81の内容とに基づいて特徴量の項目を選択する(S08)。次に、取得部5cは、選択された項目の特徴量を教師画像の注目領域から取得する(S09)。そして、記憶部4が範囲情報、特徴量、注目領域情報を対応づけて記憶する(S05)。
【0064】
〔作用/効果〕
特徴量取得装置1cでは、取得部5cによって、注目領域情報及び項目テーブル81の内容に基づいて特徴量の項目が選択される。そして、取得部5cにより、選択された項目の特徴量が取得される。このため、異なる手法で特徴量取得装置1bと同様の効果を得ることができる。即ち、予め設定された全ての項目の特徴量が取得される場合に比べて、記憶部4に記憶される特徴量のデータ量が削減される。また、特徴量の項目の選択処理に要する処理時間が、除外された項目の特徴量の取得に要する時間よりも少ない場合は、特徴量の取得に要する時間を削減することができる。
【0065】
また、図7のように項目テーブル81が構成された場合は、ユーザが注目すべき特徴量の項目を知らない場合も、不良種類さえユーザが判断できれば、取得部5cによって注目すべき特徴量の項目が判断される。このように、特徴量取得装置1cによれば、注目すべき特徴量の項目に関する知識に欠けるユーザによって使用された場合にも、項目テーブル81に含まれる注目領域情報さえユーザが判断可能であれば、取得部5cによって適切な特徴量の項目が選択される。
【0066】
〔変形例〕
特徴量取得装置1cは、特徴量取得装置1aや特徴量取得装置1bの変形例と同様に変形して構成されても良い。
【0067】
[第四実施形態]
〔システム構成〕
次に、第四実施形態として特徴量取得装置1dについて説明する。図9は、特徴量取得装置1dの機能ブロック例を示す図である。特徴量取得装置1dは、取得部5aに代えて取得部5dを含む点、及び共通情報記憶部9をさらに含む点で特徴量取得装置1aと異なる。以下、特徴量取得装置1dについて、特徴量取得装置1aと異なる点について説明する。
【0068】
〈取得部〉
取得部5dは、以下の複数の点で取得部5aと異なる。取得部5dは、複数の教師画像における注目領域に共通する領域の範囲を示す共通範囲情報を取得する。また、取得部5dは、複数の注目領域に対応する複数の注目領域情報に共通する情報を示す共通注目領域情報を取得する。また、取得部5dは、共通範囲情報によって示される領域について、各教師画像から特徴量を取得する。そして、取得部5dは、共通範囲情報と共通注目領域情報と、各教師画像から取得される複数の特徴量とを対応づけて、共通情報記憶部9に記憶させる。
【0069】
図10は、共通範囲情報及び共通注目領域情報の具体例を示す図である。図10(a)及び図10(b)は、それぞれ異なる教師画像における注目領域や注目領域情報を示す。図10において、太枠は注目領域を示し、明度及びRGBは注目領域情報の具体例を示す。このような二つの教師画像における注目領域及び注目領域情報の共通部分が、図10(c)に示される情報である。この場合、破線の枠に対する相対的な太枠の領域の共通部分が、共通範囲情報として取得部5dにより取得される。また、注目領域情報の共通部分として、RGBの赤という情報が取得される。
【0070】
〈共通情報記憶部〉
共通情報記憶部9は、いわゆる不揮発性記憶装置を用いて構成される。共通情報記憶部9は、取得部5dからの指示に従い、共通範囲情報毎に対応づけられた複数の共通注目領域情報、及び複数の教師画像においてこの共通注目領域から取得された特徴量を記憶する。
【0071】
〔動作例〕
図11は、特徴量取得装置1dの動作例を示すフローチャートである。図11のフローチャートでは、図2に示される特徴量取得装置1aのフローチャートと同様の処理については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
記憶部4が範囲情報、特徴量、及び注目領域情報を対応づけて記憶すると(S05)、取得部5dは、記憶部4に記憶された情報に基づいて共通範囲情報、共通注目領域情報、及び共通範囲情報に基づいて複数の特徴量を取得する(S10)。取得部5dは、これらの情報を対応づけて記憶することを共通情報記憶部9に指示する。そして、このような指示を受けた共通情報記憶部9は、これらの情報を対応づけて記憶する(S11)。
【0073】
〔作用/効果〕
もともと、特徴量取得装置1dに入力される範囲情報や注目領域情報はユーザによって教師画像毎に独立して特定された情報であるためノイズは軽減されている。しかし、ユーザの判断のゆらぎなどにより、各教師画像における範囲情報や注目領域情報の精度には限界があり、ノイズが含まれてしまう場合もある。このような問題に対し、特徴量取得装置1dでは、取得部5dによって、複数の教師画像について特定された範囲情報や注目領域情報の共通部分が共通範囲情報や共通注目領域情報として取得される。このため、共通範囲情報や共通注目領域情報では、範囲情報や注目領域情報に比べて一層ノイズが軽減されることが期待できる。従って、このように取得された共通範囲情報や共通注目領域情報を用いることにより、より精度の高いティーチングデータを生成することが可能となる。
【0074】
また、一般に自動検査では検査対象毎に検査領域や検査内容(特徴量)を変更することは困難である。このような問題に対し、特徴量取得装置1dは、教師画像の共通特徴を予め取得しておくため、自動検査の実現が容易となる。
【0075】
〔変形例〕
ユーザが入力部3を操作することにより、取得部5dが共通範囲情報や共通注目領域情報を取得する際に使用される複数の教師画像が選択されても良い。この場合、取得部5dは、ユーザによって選択された複数の教師画像に基づいて共通範囲情報及び共通注目領域情報を取得する。
【0076】
また、特徴量取得装置1dは、特徴量取得装置1aや特徴量取得装置1bの変形例と同様に変形して構成されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第一実施形態の機能ブロック例を示す図である。
【図2】第一実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図3】表示部の表示例を示す図である。
【図4】取得部によって取得される特徴量の例を示す図である。
【図5】第二実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図6】第三実施形態の機能ブロック例を示す図である。
【図7】項目記憶部が記憶する項目テーブルの例を示す図である。
【図8】第三実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図9】第四実施形態の機能ブロック例を示す図である。
【図10】共通情報の例を示す図である。
【図11】第四実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図12】従来の問題点の例を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1a,1b,1c,1d 特徴量取得装置
2 画像入力部
3 入力部
4 一時記憶部
5a,5b,5c,5d 取得部
6 記憶部
7 表示部
8 項目記憶部
81 項目テーブル
9 共通情報記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査を行う際に使用される検査基準を得るための特徴量を画像から取得する特徴量取得装置であって、
検査対象物が撮像された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された画像において、前記画像の一部の領域である注目領域をユーザが特定することを可能とする領域特定手段と、
前記注目領域に関する情報である注目領域情報をユーザが入力することを可能とする情報入力手段と、
前記注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目について前記注目領域から特徴量を取得する取得手段と、
前記注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の前記注目領域情報、及び前記特徴量を記憶する記憶手段と、
を含む特徴量取得装置。
【請求項2】
前記注目領域情報毎に対応づけられた複数の前記項目を記憶する項目記憶手段をさらに含み、
前記取得手段は、前記注目領域情報に対応する特徴量の項目を、前記項目記憶手段に記憶される内容に従って選択する、
請求項1に記載の特徴量取得装置。
【請求項3】
前記注目領域を特定した根拠を前記注目領域情報として入力することをユーザに対して促す誘導手段をさらに含む請求項1又は2に記載の特徴量取得装置。
【請求項4】
入力された複数の画像における注目領域に共通する領域の範囲を示す共通範囲情報と、前記複数の注目領域に対応する複数の注目領域情報に共通する情報を示す共通注目領域情報と、前記複数の注目領域に共通する領域から取得された特徴量とを対応づけて記憶する共通情報記憶手段をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の特徴量取得装置。
【請求項5】
画像を、画像の特徴をテキストで表現するコンテキストデータに変換する変換装置であって、
画像を表示する表示手段と、
表示画像中の特徴的部分を注目領域としてユーザに指定させる領域特定手段と、
指定された注目領域に現れている特徴を注目領域情報としてユーザに入力させる情報入力手段と、
前記注目領域から、前記注目領域情報に関連性のある特徴量を抽出する取得手段と、
前記注目領域の座標、前記注目領域情報、及び、抽出された特徴量の値から構成されたコンテキストデータを記憶する記憶手段と、
を備える変換装置。
【請求項6】
検査を行う際に使用される検査基準を得るための特徴量を画像から取得する特徴量取得方法であって、
画像を入力する画像入力手段と、画像を表示する表示手段と、ユーザによるデータの入力を可能とする領域特定手段及び情報入力手段と、データを記憶する記憶手段を備える情報処理装置が、検査対象物が撮像された画像の入力を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記画像を表示するステップと、
前記情報処理装置が、前記領域特定手段を介して、表示された画像において前記画像の一部の領域である注目領域を特定するための情報の入力を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記情報入力手段を介して、前記注目領域に関する情報である注
目領域情報の入力を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択するステップと、
前記情報処理装置が、選択された項目について前記注目領域から特徴量を取得するステップと、
前記情報処理装置が、前記注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の前記注目領域情報、及び前記特徴量を前記記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
を含む特徴量取得方法。
【請求項7】
画像を表示する表示手段と、ユーザにデータを入力させる領域特定手段及び情報入力手段と、データを記憶する記憶手段とを備える情報処理装置が、画像を、画像の特徴をテキストで表現するコンテキストデータに変換する変換方法であって、
前記情報処理装置が、画像を表示するステップと、
前記情報処理装置が、表示画像中の特徴的部分を注目領域としてユーザに指定させるステップと、
前記情報処理装置が、指定された注目領域に現れている特徴を注目領域情報としてユーザに入力させるステップと、
前記情報処理装置が、前記注目領域から、前記注目領域情報に関連性のある特徴量を抽出するステップと、
前記情報処理装置が、前記注目領域の座標、前記注目領域情報、及び、抽出された特徴量の値から構成されたコンテキストデータを記憶するステップと、
を含む変換方法。
【請求項8】
検査を行う際に使用される検査基準を得るための特徴量を画像から取得するためのプログラムであって、
画像を入力する画像入力手段と、画像を表示する表示手段と、ユーザによるデータの入力を可能とする領域特定手段及び情報入力手段と、データを記憶する記憶手段を備える情報処理装置に対し、
検査対象物が撮像された画像の入力を受け付けるステップと、
前記画像を表示するステップと、
前記領域特定手段を介して、表示された画像において前記画像の一部の領域である注目領域を特定するための情報の入力を受け付けるステップと、
前記情報入力手段を介して、前記注目領域に関する情報である注目領域情報の入力を受け付けるステップと、
前記注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択するステップと、
選択された項目について前記注目領域から特徴量を取得するステップと、
前記注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の前記注目領域情報、及び前記特徴量を前記記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
画像を表示する表示手段と、ユーザにデータを入力させる領域特定手段及び情報入力手段と、データを記憶する記憶手段とを備える情報処理装置に対し、画像を、画像の特徴をテキストで表現するコンテキストデータに変換する処理を実行させるためのプログラムであって、
画像を表示するステップと、
表示画像中の特徴的部分を注目領域としてユーザに指定させるステップと、
指定された注目領域に現れている特徴を注目領域情報としてユーザに入力させるステップと、
前記注目領域から、前記注目領域情報に関連性のある特徴量を抽出するステップと、
前記注目領域の座標、前記注目領域情報、及び、抽出された特徴量の値から構成されたコンテキストデータを記憶するステップと、
を前記情報処理装置に対し実行させるためのプログラム。
【請求項1】
検査を行う際に使用される検査基準を得るための特徴量を画像から取得する特徴量取得装置であって、
検査対象物が撮像された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された画像において、前記画像の一部の領域である注目領域をユーザが特定することを可能とする領域特定手段と、
前記注目領域に関する情報である注目領域情報をユーザが入力することを可能とする情報入力手段と、
前記注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択し、選択された項目について前記注目領域から特徴量を取得する取得手段と、
前記注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の前記注目領域情報、及び前記特徴量を記憶する記憶手段と、
を含む特徴量取得装置。
【請求項2】
前記注目領域情報毎に対応づけられた複数の前記項目を記憶する項目記憶手段をさらに含み、
前記取得手段は、前記注目領域情報に対応する特徴量の項目を、前記項目記憶手段に記憶される内容に従って選択する、
請求項1に記載の特徴量取得装置。
【請求項3】
前記注目領域を特定した根拠を前記注目領域情報として入力することをユーザに対して促す誘導手段をさらに含む請求項1又は2に記載の特徴量取得装置。
【請求項4】
入力された複数の画像における注目領域に共通する領域の範囲を示す共通範囲情報と、前記複数の注目領域に対応する複数の注目領域情報に共通する情報を示す共通注目領域情報と、前記複数の注目領域に共通する領域から取得された特徴量とを対応づけて記憶する共通情報記憶手段をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の特徴量取得装置。
【請求項5】
画像を、画像の特徴をテキストで表現するコンテキストデータに変換する変換装置であって、
画像を表示する表示手段と、
表示画像中の特徴的部分を注目領域としてユーザに指定させる領域特定手段と、
指定された注目領域に現れている特徴を注目領域情報としてユーザに入力させる情報入力手段と、
前記注目領域から、前記注目領域情報に関連性のある特徴量を抽出する取得手段と、
前記注目領域の座標、前記注目領域情報、及び、抽出された特徴量の値から構成されたコンテキストデータを記憶する記憶手段と、
を備える変換装置。
【請求項6】
検査を行う際に使用される検査基準を得るための特徴量を画像から取得する特徴量取得方法であって、
画像を入力する画像入力手段と、画像を表示する表示手段と、ユーザによるデータの入力を可能とする領域特定手段及び情報入力手段と、データを記憶する記憶手段を備える情報処理装置が、検査対象物が撮像された画像の入力を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記画像を表示するステップと、
前記情報処理装置が、前記領域特定手段を介して、表示された画像において前記画像の一部の領域である注目領域を特定するための情報の入力を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記情報入力手段を介して、前記注目領域に関する情報である注
目領域情報の入力を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択するステップと、
前記情報処理装置が、選択された項目について前記注目領域から特徴量を取得するステップと、
前記情報処理装置が、前記注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の前記注目領域情報、及び前記特徴量を前記記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
を含む特徴量取得方法。
【請求項7】
画像を表示する表示手段と、ユーザにデータを入力させる領域特定手段及び情報入力手段と、データを記憶する記憶手段とを備える情報処理装置が、画像を、画像の特徴をテキストで表現するコンテキストデータに変換する変換方法であって、
前記情報処理装置が、画像を表示するステップと、
前記情報処理装置が、表示画像中の特徴的部分を注目領域としてユーザに指定させるステップと、
前記情報処理装置が、指定された注目領域に現れている特徴を注目領域情報としてユーザに入力させるステップと、
前記情報処理装置が、前記注目領域から、前記注目領域情報に関連性のある特徴量を抽出するステップと、
前記情報処理装置が、前記注目領域の座標、前記注目領域情報、及び、抽出された特徴量の値から構成されたコンテキストデータを記憶するステップと、
を含む変換方法。
【請求項8】
検査を行う際に使用される検査基準を得るための特徴量を画像から取得するためのプログラムであって、
画像を入力する画像入力手段と、画像を表示する表示手段と、ユーザによるデータの入力を可能とする領域特定手段及び情報入力手段と、データを記憶する記憶手段を備える情報処理装置に対し、
検査対象物が撮像された画像の入力を受け付けるステップと、
前記画像を表示するステップと、
前記領域特定手段を介して、表示された画像において前記画像の一部の領域である注目領域を特定するための情報の入力を受け付けるステップと、
前記情報入力手段を介して、前記注目領域に関する情報である注目領域情報の入力を受け付けるステップと、
前記注目領域情報に基づいて特徴量の項目を選択するステップと、
選択された項目について前記注目領域から特徴量を取得するステップと、
前記注目領域の範囲を示す範囲情報毎に対応づけられた複数の前記注目領域情報、及び前記特徴量を前記記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
画像を表示する表示手段と、ユーザにデータを入力させる領域特定手段及び情報入力手段と、データを記憶する記憶手段とを備える情報処理装置に対し、画像を、画像の特徴をテキストで表現するコンテキストデータに変換する処理を実行させるためのプログラムであって、
画像を表示するステップと、
表示画像中の特徴的部分を注目領域としてユーザに指定させるステップと、
指定された注目領域に現れている特徴を注目領域情報としてユーザに入力させるステップと、
前記注目領域から、前記注目領域情報に関連性のある特徴量を抽出するステップと、
前記注目領域の座標、前記注目領域情報、及び、抽出された特徴量の値から構成されたコンテキストデータを記憶するステップと、
を前記情報処理装置に対し実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−318214(P2006−318214A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140094(P2005−140094)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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