状態通知装置、状態通知プログラム、記録媒体
【課題】用いる情報を最小限にして、対象人物の状態を通知することができる。
【解決手段】心拍数検知装置により検知された対象人物の心拍数が入力される入力部と、 予め定められた閾値に基づいて、前記心拍数から対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する生成部と、を有する状態通知装置を提供する。更に、前記心拍数と前記現在環境情報に基づいて前記対象人物の現在の状態値を算出する第1算出部と、を有しても良い。この場合には、前記生成部は、予め定められた第1閾値に基づいて、前記現在の状態値から前記対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する
【解決手段】心拍数検知装置により検知された対象人物の心拍数が入力される入力部と、 予め定められた閾値に基づいて、前記心拍数から対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する生成部と、を有する状態通知装置を提供する。更に、前記心拍数と前記現在環境情報に基づいて前記対象人物の現在の状態値を算出する第1算出部と、を有しても良い。この場合には、前記生成部は、予め定められた第1閾値に基づいて、前記現在の状態値から前記対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象人物の状態を通知する状態通知装置、プログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な通信手段が発達している。例えば、同期的に連絡できる携帯電話、非同期的に連絡できる電子メール、チャットなどがある。一方、オフィス内などで、例えば、仕事に集中している人物Aに携帯電話などで連絡すると、人物Aの仕事が中断され、その人物Aの仕事の能率が下がる場合がある。
【0003】
そこで、人物Aの状態を検知することで、その人物Aに連絡するのに最適か否かを判断する技術が提案されている(例えば、特許文献1または2参照)。
【0004】
この技術では、人物Aの顔の表情などを検知して、人物Aに連絡するのに最適か否かを判断する技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1には、顔の表情の検知後、検知されたデータを用いた、人物Aに連絡するのに最適か否かを判断する具体的な手法が記載されていない。
【0006】
また、特許文献2の技術では、状況に応じて、様々な情報を入力しなければならず、ユーザにとって負担が大きかった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題を鑑みて、用いる情報を最小限にして、対象人物の状態を通知する状態通知装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、心拍数検知装置により検知された対象人物の心拍数と、該対象人物の現在の環境を示す現在環境情報とが入力される入力部と、前記心拍数と前記現在環境情報に基づいて前記対象人物の現在の状態値を算出する第1算出部と、前記現在の状態値に基づいて、前記対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する生成部と、を有する状態通知装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の状態通知装置、プログラム、記録媒体であれば、用いる情報を最小限にして、対象人物の状態を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の状態通知装置の機能構成例を示す図。
【図2】検知手段対応表の一例を示す図。
【図3】表示部に表示される一例を示した図。
【図4】その他の実施形態の状態通知装置の機能構成例を示す図(その1)。
【図5】環境情報対応表の一例を示した図。
【図6】会社のフロアを示した図。
【図7】対象人物のデスクの座標を示した図。
【図8】役職対応表の一例を示した図。
【図9】端末情報の一例を示した図。
【図10】仕事状況表の一例を示した図。
【図11】その他の実施形態の状態通知装置の機能構成例を示す図(その2)。
【図12】仕事状況表のその他の例を示した図。
【図13】表示部に表示されるその他の例を示した図。
【図14】本実施形態の状態通知装置のハードウェア構成例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。なお、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0012】
本実施例1の状態通知装置は、対象人物の現在の状態情報を通知するものである。状態情報とは、対象人物の状態を示す情報をいう。また、携帯電話など、同期的(リアルタイム)に相手と連絡がとれる連絡手段を同期連絡手段という。電子メールなど、非同期的な(リアルタイムではない)連絡手段を非同期連絡手段という。
【0013】
対象人物の状態とは、同期連絡手段で、ユーザが対象人物に連絡するのに適切か否か(適切か不適切)を示す状態をいう。また、対象人物とは、例えば、オフィス内で働く人々であり、ユーザが、同期連絡手段で(頻繁に)連絡をする人物である。
【0014】
また、対象人物が、仕事などで急いでいたり、仕事などのことでストレスや不安を感じていたり、他の人物(上司や顧客)と議論している場合などには、一般的にその対象人物の心拍数は上がる。対象人物の心拍数が上がっているときに、ユーザが該対象人物に同期連絡手段で、連絡をとることは最適ではなく、対象人物Aの心拍数が平常なときに、連絡をとることが好ましい。本実施例1の状態通知装置は、この思想に基づいたものである。
【0015】
図1に、本実施例1の状態通知装置100などの機能構成例を示す。状態通知装置100は入力部12と、生成部18とを含む。生成部18は検知手段記憶部19と接続されている。また、以下の説明では、対象人物は複数存在し、例えば、5人の対象人物A〜Eが存在すると仮定する。
【0016】
対象人物A〜Eには、それぞれ心拍数検知装置2(例えば、心拍数センサ)が装着されており、対象人物の心拍数をリアルタイムで測定できる。この例では、5人の対象人物A〜Eはそれぞれ心拍数検知装置21〜25を装着している。心拍数検知装置2とは例えば、腕時計型の心拍数センサであり、対象人物の腕などに装着させればよい。また、心拍数検知装置21〜25にはそれぞれ検知手段識別情報(ID:identification)α1〜α5が付されている。図2に検知手段記憶部19に記憶されている検知手段対応表の一例を示す。以下の説明では、心拍数検知装置21〜25をまとめて心拍数検知装置2という。
【0017】
図2に示すように、検知手段記憶部19には、検知手段21〜25を装着している対象人物A〜Eと、心拍数検知装置21〜25の検知手段識別情報α1〜α5が対応されて記憶されている。例えば、対象人物Aは、検知手段識別情報α1の心拍数検知装置21を装着しているということである。
【0018】
また、受信装置4は例えば、アンテナであり、状態通知装置100の近傍に配置される。受信装置4は、心拍数検知装置2から、心拍数Gおよび該検知手段2の検知手段識別情報αとが対応付けられて、無線で受信できる。また、対象人物A〜Eの心拍数をそれぞれG1〜G5とする。
【0019】
受信装置4で受信された対象人物全ての(つまり、対象人物A〜Eの)心拍数G1〜G5および検知手段識別情報α1〜α5とが対応付けられて入力部12に入力される。そして、心拍数G1〜G5および検知手段識別情報α1〜α5とが対応付けられては、生成部18に入力される。
【0020】
生成部18は、入力された心拍数Gに基づいて、対象人物の現在の状態情報を生成する。この例では、生成部18は、対象人物ごとに状態情報を生成する。また、生成部18には、検知手段記憶部19に接続されている。図2に示すように、対象人物と検知手段識別情報とが対応付けられている。
【0021】
また、生成部18による、状態情報の生成手法については、入力された心拍数Gと、心拍数閾値Pを比較して求める。心拍数閾値Pとは、正常な心拍数と、上がった心拍数との境界値とすればよく、例えば、P=80bpm(beats per minute)とすればよい。生成部18は、心拍数Gが心拍数閾値P以上か、或いは心拍数閾値P未満かを心拍数検知装置2ごとに比較する。
【0022】
ここで、上述したように、該認識された現在の心拍数Gが、心拍数閾値P以上である場合とは、その心拍数Gの対象人物が、仕事などで急いでいたり、仕事などのことでストレスや不安を感じていたり、他の人物と議論している場合である。心拍数が心拍数閾値P以上である場合は、該心拍数を検知した心拍数検知装置2の検知手段識別情報αと対応する対象人物について、連絡不適切情報を生成する。連絡不適切情報とは、該対象人物と同期連絡手段で連絡をとることは不適切であることを示す状態情報である。
【0023】
また、心拍数が心拍数閾値P未満である場合は、該心拍数を検知した心拍数検知装置2の検知手段識別情報αと対応する対象人物について、連絡適切情報を生成する。連絡適切情報とは、該対象人物に同期連絡手段で連絡をとることは適切であることを示す状態情報である。
【0024】
このようにして、生成部18は、各対応人物ごとに、状態情報(連絡適切情報または連絡不適切情報)を生成する。そして、生成部18は、対応人物名と、連絡適切情報または連絡不適切情報とを対応付けて、表示部20に送信する。
【0025】
表示部20とは例えば、PCのモニターやディスプレイであり、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)から構成される。図3に、表示部20の表示例を示す。図3に示すように、対象人物ごとに連絡適切情報または連絡不適切情報に対応したメッセージを表示させる。
【0026】
以下の例では、連絡適切情報に対応したメッセージを「連絡しない方がよいです」とし、連絡不適切情報に対応したメッセージを「連絡しても良いです。」とする。生成部18で対応人物Aについて連絡不適切情報が生成された場合には、図3の例では、対応人物Aについては、メッセージ「連絡しない方がよいです。」が対応付けられて表示される。また、生成部18で対応人物Bについて連絡適切情報が生成された場合には、図3の例では、対応人物Bについては、メッセージ「連絡しても良いです。」が対応付けられて表示される。図3のように各対応人物について状態情報を表示部20に表示させることで、ユーザは一目で、どの対象人物に連絡をとることが適切か不適切かを判断できる。また、メッセージは文章ではなく、○や×等の記号などを用いてもよい。また、表示部20の表示については、随時(例えば、1秒ごと)、更新させることが好ましい。この場合には、随時、心拍数が入力部12に入力され、生成部18が、状態情報を生成するようにすればよい。
【0027】
この実施例1の状態通知装置100によれば、対象人物の心拍数を用いて、現在が、該対象人物と連絡をとることが最適か否かを判断できる。従って、用いる対象人物の情報は心拍数のみであるので、用いる情報は最小限となり、ユーザにとって負担は小さい。また、対象人物の心拍数を自動的にかつ、リアルタイムに検知できることから、自動的に対象人物の状態情報を更新させることも可能である。従って、ユーザにとって負担は小さい。
【0028】
また、心拍数の測定は既存の心拍数検知装置を用いればよく、測定コストも頗る少なくできる。更に、心拍数が閾値を超えているか否かの判定処理のみで、状態情報を生成できることから、演算コストも頗る少なくできる。
【実施例2】
【0029】
実施例1では、対象人物の心拍数を用いて、該対象人物の状態情報を生成した。実施例2では対象人物の心拍数の他に、現在環境情報を用いて、該対象人物の状態情報を生成する。現在環境情報とは、対象人物の現在の環境をいう。また、後述する現在環境元情報とは、現在環境情報の元となる情報である。
【0030】
図4に、実施例2の状態通知装置200の機能構成例を示す。状態通知装置100と異なる点は、第1変換部13と第2変換部14と第1算出部16とが追加された点である。第1変換部13は、入力部12内に設けられる。
【0031】
また、それぞれの対象人物には、心拍数検知装置2の他に、音声検知装置24や場所検知装置26が装着される。また、心拍数検知装置2、音声検知装置24、場所検知装置26が一体化されていることが好ましい。音声検知装置24は、対象人物が発話している音声を検知して、無線で受信装置4に、発話音声を送信する。また、場所検知装置26は対象人物が存在する領域を検知して、該領域の座標情報を受信装置4に送信する。つまり、受信装置4は、心拍数検知装置2からの心拍数のみではなく、音声検知装置24からの発話音声や、場所検知装置26からの座標情報が入力される。現在環境元情報とは、発話音声や座標情報であり、第1変換部13が、現在環境元情報を現在環境情報に変換する。つまり、実施例2の入力部12には、心拍数と現在環境情報が入力される。以下では、現在環境情報、現在環境元情報の具体例を示しながら、説明する。
[実施形態1]
実施形態1では、現在環境情報が発話情報Hである場合を説明する。発話情報Hとは、対象人物が発話しているか否かを示す情報である。発話情報を用いる理由は、発話している対象人物に対して、同期連絡手段で連絡をとることは最適ではない場合が多いことに基づく。
【0032】
心拍数検知装置2からは受信装置4経由で心拍数が入力部12に入力される。それと共に、音声検知装置24から対象人物の発話音声が、受信装置4経由で入力部12に入力される。入力された心拍数および発話音声は、第1変換部13に入力される。ここで、本実施形態1での現在環境元情報は該発話音声である。
【0033】
第1変換部13は、心拍数Gが、心拍数閾値P以上であれば、第1変換部13は高心拍数情報T2に変換し、第2変換部14に出力する。心拍数Gが、心拍数閾値P未満であれば、第1変換部13は低心拍数情報T1に変換し、第2変換部14に出力する。心拍数閾値Pは、環境元情報記憶部28に予め記憶されている。高心拍数情報T2および低心拍数情報T1をまとめて、心拍数情報Tとする。このように、第1変換部13は入力された心拍数を心拍数情報Tに変換する。
【0034】
また、第1変換部13は、入力された発話音声(環境元情報)の発話音声量を発話音声閾値と比較して、発話音声閾値未満であれば、「発話していない」と判断し、発話していないことを示す発話情報H1に変換する。また、第1変換部13は、入力された発話音声の発話音声量が発話音声閾値以上であれば、「発話している」と判断し、発話していることを示す発話情報H2に変換する。発話音声閾値は、環境元情報記憶部28に予め記憶されている。
【0035】
このように、第1変換部13は、入力された発話音声(環境元情報)を、対象人物が発話しているか否かを示す情報である発話情報(発話情報H1または発話情報H2)に変換する。
【0036】
第1変換部13は、心拍数情報T、および発話情報Hを第2変換部14に出力する。第2変換部14は、環境情報記憶部22と接続されている。第2変換部14は、環境情報記憶部22に記憶されている環境情報対応表を用いて、心拍数情報Tおよび発話情報Hを第1の数または第2の数に変換する。以下の例では、第1の数を「0」とし、第2の数を「1」とする。変換する理由は以後の演算処理コストを削減するためである。図5に環境情報記憶部22に記憶されている環境情報対応表の一例を示す。
【0037】
第2変換部14は、低心拍数情報T1を「0」に変換し、高心拍数情報T2を「1」に変換する。また、第2変換部14は、発話情報H1を「0」に変換し、発話情報H2を「1」に変換する。第2変換部14により変換された心拍数情報Tを第1変換値f1(=0または1)とし、変換された発話情報Hを第2変換値f2(=0または1)とする。
【0038】
そして、f1、f2は、第1算出部16に入力される。第1算出部16は、心拍数情報と現在環境情報(この例では、発話情報H)に基づいて(この例では、f1、f2に基づいて)対象人物ごとに現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0039】
W=Σcifi (1)
ただし、ciは重み計数であり予め定めてもよいし、ユーザによっても変更可能である。また、iは自然数であり、この例では、i=1、2である。つまり、
W=c1f1+c2f2 (2)
により現在の状態値Wは求められる。
【0040】
そして、状態値Wは、生成部18に入力される。生成部18は、予め定められた第1閾値Qを用いて、現在の状態値に基づいて対象人物の現在の状態情報を生成する。生成部18は、状態値Wと第1閾値Qと比較し、状態値Wが第1閾値Q以上である場合には、連絡不適切情報を生成し、表示部20に出力する。また、生成部18は、状態値Wが第1閾値Q未満である場合には、連絡適切情報を生成し、表示部20に出力する。
【0041】
このように、心拍数情報だけでなく、発話情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態2]
実施形態2では、現在環境情報が場所情報Iである場合を説明する。場所情報Iとは、対象人物の場所を示す情報である。場所情報を用いる理由は、対象人物が自分のデスクにいる場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多く、対象人物が会議室にいる場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多いことに基づく。
【0042】
図6に、対象人物A〜Eが所属する会社の簡略図を示す。場所検知装置は対象人物が現在存在する座標情報(x、y、z)を受信装置4に送信する。また該座標情報の原点は、図6の例では、1階の隅とする。なお、図6では、対象人物Aのデスクのみを示し、他の対象人物B〜Eのデスクについては省略する。以下では、対象人物のデスクの領域座標をまとめて(x1〜x2、y1〜y2、z1〜z3)と示す。実施形態2では、環境元情報は、対象人物の座標情報である。
【0043】
また、図7に、対象人物A〜Eと対象人物A〜Eのデスクの座標情報との対応、会議室と会議室の座標情報との対応が示されている位置対応表を示す。この位置対応表は、環境元情報記憶部28に記憶されている。第1変換部13は、位置対応表(図7参照)を用いてして、入力された座標情報(x、y、z)を用いて、対象人物が現在、どの領域に属するかを認識する。
【0044】
対象人物の座標情報(x、y、z)が、その対象人物のデスクの領域情報(x1〜x2、y1〜y2、z1〜z3)に属していれば、第1変換部13は、その対象人物は、自分のデスク120に存在することを認識し、この座標情報をデスク場所情報I1に変換する。座標情報(x、y、z)が、(x3〜x4、y3〜y4、z3〜z4)に属していれば、第1変換部13は、その対象人物は、会議室110に存在することを認識し、会議室場所情報I2に変換する。座標情報(x、y、z)が、(x1〜x2、y1〜y2、z1〜z3)(x3〜x4、y3〜y4、z3〜z4)の両方に属していなければ、第1変換部13は、その対象人物は、自分のデスクおよび会議室110以外の領域に存在することを認識し、他領域場所情報I3に変換する。
【0045】
このようにして、第1変換部13は、入力された座標情報(環境元情報)を場所情報(この例では、デスク場所情報I1または会議室場所情報I2または他領域場所情報I3)に対象人物ごとに変換する。場所情報Iは、第2変換部14に入力される。
【0046】
そして、第2変換部14は、対象人物が存在する領域を認識した後に、環境情報対応表(図5参照)を参照して、場所情報Iを第1の値または第2の値に変換する。この例では、第2変換部14はデスク場所情報I1を第1の値(例えば、「0」)に変換する。また、第2変換部14は会議室場所情報I2を第2の値(例えば、「1」)に変換する。第2変換部14は他領域場所情報I3を例えば「0.5」に変換すればよい(図5には示していない)。
【0047】
変換された場所情報Iを第3変換値f3(=0または1)とする。そして、f1、f3は、第1算出部16に入力される。
【0048】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、場所情報I)に基づいて(この例では、f1、f3に基づいて)対象人物ごとに現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0049】
W=Σcifi (1)
この例では、i=1、3である。つまり、
W=c1f1+c3f3 (3)
により現在の状態値Wは求められる。
【0050】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。
【0051】
このように、心拍数情報だけでなく、場所情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態3]
実施形態3では、現在環境情報に対話者情報Jである場合を説明する。対話者情報Jとは、対象人物が発話している場合の対話者の種別についての情報である。対話者の種別とは、この例では、対話者の役職をいう。対話者情報Jを用いる理由は、対象人物が発話している対話者が、例えば、自分(つまり独り言)や同僚である場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多い。また、対話者が、例えば、自分の上司や顧客である場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多いことに基づく。
【0052】
図8に対象人物A〜Eの役職などの役職対応表を示す。該役職対応表は、環境元情報記憶部28に記憶されている。図8に示すように、役職の他に、対象人物Aが装着している心拍数検知装置21〜25の識別番号(α1〜α5)、音声検知装置241〜245の識別番号(β1〜β5)、場所検知装置261〜265の識別番号(γ1〜γ5)が対応付けられている。この例では、入力部12には、対象人物の発話音声と座標情報とは入力される。実施形態3では、環境元情報は、対象人物の発話音声と座標情報である。
【0053】
次に、対象人物同士が対話しているか否かの判断手法について説明する。第1変換部13が、2つ以上の発話音声が入力したことを認識すると、役職対応表(図8参照)を参照して、該2つ以上の発話音声を発している対象人物の場所情報を確認する。そして、これらの場所情報が近ければ、第1変換部13は、それらの対象人物が対話していることを認識する。場所情報が近いか否かの判断は、お互いの場所情報の差分を計算し、該差分が、予め定められた対話閾値より小さければ、近いと判断し、該差分が、予め定められた対話閾値以上であれば、遠いと判断する。なお、第1変換部13が、2つ以上の発話音声を認識したが、該2つ以上の発話音声を発している対象人物の場所情報が遠いと判断すると、これら2つ以上の発話音声を発している対象人物は対話していないと判断する。
【0054】
第1変換部13による、対話をしている対象人物を認識した後の、対話者情報Jの変換手法について対象人物D(図8参照)を例にして説明する。
【0055】
第1変換部13が、対象人物Dの発話音声を認識したが、対話者がいないと認識した場合には、対象人物Dは独り言を言っていると認識し、発話音声と座標情報を自己対話者情報J1に変換する。また、第1変換部13が、対話者Dの発話音声を認識し、対話者が対象人物E(対象人物Dの同僚)であると認識すると、図8記載の役職対応表を参照して、発話音声と座標情報を同僚対話者情報J3に変換する。また、第1変換部13が、対話者Dの発話音声を認識し、対話者が対象人物AまたはBの何れか(対象人物Dの上司)であると認識すると、図8記載の役職対応表を参照して、発話音声と座標情報を上司対話者情報J4に変換する。また、第1変換部13が、対話者Dの発話音声を認識し、対話者が対象人物C(顧客)であると認識すると、図8記載の役職対応表を参照して、発話音声と座標情報を顧客対話者情報J2に変換する。
【0056】
このようにして、第1変換部13は、入力された発話音声および座標情報(環境元情報)から対話者情報J(この例では、自己対話者情報J1、顧客対話者情報J2、同僚対話者情報J3、上司対話者情報J4)に対象人物ごとに変換する。
【0057】
第2変換部14は、自己対話者情報J1を「0」に変換する。変換部13は、顧客対話者情報J2を「1」に変換する。変換部13は、同僚対話者情報J2を「0.25」に変換する。変換部13は、上司対話者情報J4を「0.75」に変換する。
【0058】
変換された対話者情報Jを第4変換値f4(=0、0.25.0.75、または1)とする。そして、f1、f4は、第1算出部16に入力される。
【0059】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、対話者情報J)に基づいて(この例では、f1、f4に基づいて)対象人物の現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0060】
W=Σcifi (1)
ただし、ciは重み計数であり予め定められる。また、iは自然数であり、この例では、i=1、4である。つまり、
W=c1f1+c4f4 (4)
により現在の状態値Wは求められる。
【0061】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。
【0062】
このように、心拍数情報だけでなく、対話者情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態4]
実施形態4では、現在環境情報が対話者心拍数情報Kである場合を説明する。対話者心拍数情報Kとは、対象人物が発話している場合の対話者の心拍数を示す情報、より詳細には、該対話者の心拍数が高いか低いかを示す情報である。対話者心拍数情報Kを用いる理由は、対象人物が発話している対話者の心拍数が高い場合には、対象人物と対話者の会話が盛り上がっている場合が多く、この場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多いことに基づく。
【0063】
対象人物が会話をしているか否かの判断手法は、[実施形態3]で述べたとおりである。そして、第1変換部13が、対象人物の対話者を認識すると、その対話者の心拍数検知装置識別情報α(図8参照)に対応する心拍数検知装置からの心拍数が、予め定められた対話者心拍数閾値以上か否かを判断する。対話者心拍数閾値は環境元情報記憶部28に予め記憶されている。実施形態4では、環境元情報は、対話者の心拍数である。
【0064】
第1変換部13が、対話者の心拍数が、対話者心拍数閾値未満であると判断すると、対話者の心拍数を低対話者心拍数情報K1に変換する。また、第1変換部13が、対話者の心拍数が、対話者心拍数閾値以上であると判断すると、対話者の心拍数を高対話者心拍数情報K2に変換する。
【0065】
このようにして、第1変換部13は、環境元情報である対話者の心拍数(対話者心拍数情報K(低対話者心拍数情報K1または高対話者心拍数情報K2)に対象人物ごとに変換する。対話者心拍数情報Kは第2変換部14に入力される。
【0066】
第2変換部14は、低対話者心拍数情報K1を0に変換し、高対話者心拍数情報K2を1に変換する。変換された対話者心拍数情報Kを第5変換値f5(=0または1)とする。そして、f1、f5は、第1算出部16に入力される。
【0067】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、対話者心拍数情報K)に基づいて(この例では、f1、f5に基づいて)対象人物の現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0068】
W=Σcifi (1)
ただし、ciは重み計数であり予め定められる。また、iは自然数であり、この例では、i=1、5である。つまり、
W=c1f1+c5f5 (5)
により現在の状態値Wは求められる。
【0069】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。また、対話者心拍数閾値は[実施形態1]で説明した心拍数閾値と同値としてもよいし、異なるようにしても良い。
【0070】
このように、心拍数情報だけでなく、対話者心拍数情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態5]
実施形態5では、現在環境情報が端末情報Lである場合を説明する。端末情報Lとは、対象人物が所持する端末が使用されているか否かを示す情報である。端末情報Lを用いる理由は、対象人物が端末を使用している場合には、該対象人物は仕事で忙しく、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多く、対象人物が端末を使用していない場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多いことに基づく。なお、端末情報Lにおいては、心拍数検知装置2、音声検知装置24、場所検知装置26は使用しない。
【0071】
図9に、対象人物A〜Eが所有する端末(例えば、PC)301〜305などを示す。各端末301〜305は入力部12に接続されている。また、端末301〜305の端末識別情報をそれぞれV1〜V5とする。端末301〜305からはそれぞれ、端末識別情報V1〜V5、アプリケーション作動情報、インプット情報が対応付けられて、随時(リアルタイムで)、第1変換部13に入力される。アプリケーション作動情報とは、端末でアプリケーションが作動しているか否かを示す情報であり、インプット情報とは、端末に文字などのデータを入力しているか否かを示す情報である。実施形態5では、環境元情報とは、アプリケーション作動情報と、インプット情報である。
【0072】
図9の例では、端末のアプリケーションが作動していれば、アプリケーション作動情報は、ONとなり、アプリケーションが作動していなければ、アプリケーション作動情報は、OFFとなる。また、図9の例では、端末にデータが入力されていれば、インプット情報は、ONとなり、端末にデータが入力されていなければ、インプット情報は、OFFとなる。
【0073】
第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報が共にOFFの場合には端末は使用されていないと認識する。図9の例では、対象人物Aの端末は使用されていないと認識する。そして、第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報から端末を使用していないことを示す不使用端末情報L1(図9ではOFFと示す)に変換する。
【0074】
第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報のうち少なくとも一方が、ONであれば、端末は使用されていると認識する。そして、第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報から端末を使用していることを示す使用端末情報L2(図9ではONと示す)に変換する。
【0075】
このようにして、第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報(環境元情報)を端末情報L(不使用端末情報L1または端末情報L2)に対象人物ごとに変換する。
【0076】
第2変換部14は、不使用端末情報L1を0に変換し、使用端末情報L2を1に変換する。変換された端末情報Lを第6変換値f6(=0または1)とする。そして、f1、f6は、第1算出部16に入力される。
【0077】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、端末情報L)に基づいて(この例では、f1、f6に基づいて)対象人物ごとに現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0078】
W=Σcifi (1)
この例では、i=1、6である。つまり、
W=c1f1+c6f6 (6)
により現在の状態値Wは求められる。
【0079】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。
【0080】
このように、心拍数情報だけでなく、端末情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態6]
実施形態6では、現在環境情報が仕事状況情報Mである場合を説明する。仕事状況情報Mは、対象人物の仕事の状況を示すものである。仕事状況情報Mを用いる理由は、対象人物は予定通りに進んでいない仕事を抱えている場合や、納期(締め切り)間近の仕事を担当している場合や、近日中に会議がある場合には、該対象人物は仕事で忙しく、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多いことに基づく。また、全ての仕事が予定通りに進んでいると、対話できる時間もあり、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多いことに基づく。なお、本実施形態6においては、心拍数検知装置2、音声検知装置24、場所検知装置26は使用しない。
【0081】
図10に対象人物の予定表である仕事状況表の一例を示す。図10に示す仕事状況表の項目は、会議があるか、納期間近(例えば、1日前)の仕事を担当しているか、近日中に会議があるか、である。これらはあくまで例示であり、仕事状況情報はこれらに限られず、対象人物の仕事の状況を示す情報であればなんでも良い。
【0082】
図10では、対象人物Aは、会議はなく、かつ、納期間近の仕事も担当せず、仕事の遅れもないことを示す。また、対象人物Bは、会議があり、納期がある仕事も担当しており、仕事の遅れがあることを示す。実施形態6の環境元情報は、仕事状況表中の会議があるか、納期間近の仕事があるか、近日中に会議があるかのうち少なくとも1つである。
【0083】
また、仕事状況表は、仕事状況表記憶部23に記憶される。対象人物は、自分の仕事の状況が変わると、仕事状況表記憶部23中の仕事状況表を更新させる。第1変換部13は、例えば、図10の「あり」がなければ、仕事状況表の情報を、仕事が忙しくない旨を示す仕事状況情報M1に変換する。また、第1変換部13は、例えば、図10の「あり」が少なくとも1つあれば、仕事が忙しい旨を示す仕事状況情報M2に変換する。
【0084】
このようにして第1変換部13は、仕事状況表の各項目(環境元情報)を、仕事状況情報M(仕事状況情報M1または仕事状況情報M2)に対象人物ごとに変換する。仕事状況情報Mは第2変換部14に入力される。
【0085】
第2変換部14は、仕事状況情報M1を0に変換し、仕事状況情報M2を1に変換する。変換された仕事状況情報Mを第7変換値f7(=0または1)とする。そして、f1、f7は、第1算出部16に入力される。
【0086】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、仕事状況情報M)に基づいて(この例では、f1、f6に基づいて)対象人物ごとに現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0087】
W=Σcifi (1)
この例では、i=1、7である。つまり、
W=c1f1+c7f7 (7)
により現在の状態値Wは求められる。
【0088】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。
【0089】
また、第2変換部14は、第7変換値f7として、0または1に変換したが、仕事状況表の「あり」の数に応じた第7変換値f7に変換しても良い。例えば、「あり」の数が1なら0.25と変換し、「あり」の数が2なら0.75と変換し、「あり」の数が3なら1.0と変換する。
【0090】
また、仕事状況表の各項目である「仕事の遅れについて示す情報」「納期間近の仕事を抱えているかを示す情報」「近日中に会議があるか否かを示す情報」をそれぞれ、独立した環境元情報として用いることもできる。
【0091】
また、現在環境情報は、仕事状況表中の、会議があるか否か、納期間近の仕事を担当抱えているか否か、近日中に会議があるか否か、のうち少なくとも1つでよい。
【0092】
このように、心拍数情報だけでなく、仕事状況情報Mのような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
【0093】
また、実施形態2の説明をまとめると、第2変換部14は、心拍数情報および、現在環境情報を所定の数値(上記説明では、第1の数または第2の数)に変換する。また、入力部12には、現在環境情報が入力されることになる。
[そのほかの変形例]
上述では、現在環境情報として、発話情報H、場所情報I、対話者情報J、対話者心拍数情報K、端末情報L、仕事状況情報Mを説明した。これらの情報のうち少なくとも2つを組み合わせて用いると、更に、正確な、対象人物の状態情報を生成できる。例えば、第1算出部16は、上述した式(1)で、状態値Wを算出すればよい。
【0094】
また、これらの情報のうち少なくとも2つを組み合わせて用いる場合には、第1算出部16は正規化を行っても良い。
【0095】
また、現在環境情報はこれらに限られず、対象人物の現在の環境を示すものであれば、他の情報を用いてよい。
【0096】
また、生成部18は、連絡不適切情報または連絡適切情報を生成すると説明した。更に、詳細に連絡してよいか否かを表示するために、現在の状態値Wの値に応じて、連絡不適切情報を複数段階に分けることもできる。例えば、連絡不適切情報を第1連絡不適切情報と第2連絡不適切情報との2段階に分けて、図3の右欄の文言にならって以下に示す。
【0097】
連絡適切情報・・・連絡しても良いです。
【0098】
第1連絡不適切情報・・・大事な要件であれば、連絡しても良いです。
【0099】
第2連絡不適切情報・・・連絡しない方がよいです。
【0100】
このように、連絡不適切情報を複数段階に分けて表示するとユーザは、対象人物に連絡をしても良いかを詳細に把握することができる。また、連絡不適切情報を複数段階に分けて用いる場合には、第1閾値も複数設定する必要がある。
【実施例3】
【0101】
実施例1、2では、対象人物の現在の状態を示す状態情報(以下、「現在状態情報」という。)を生成した。実施例3の状態通知装置300では、対象人物の現在の状態の他に、未来の状態を示す状態情報(「未来状態情報」という。)も生成して、表示部10に表示させる。未来状態情報の表示させることにより、ユーザはどの時間に対象人物に同期的連絡手段で連絡をすればよいかを把握することができる。
【0102】
図11に実施例3の状態通知装置300の機能構成例を示す。状態通知装置300は状態通知装置200と比較して、第2算出部40が追加されている点が異なる。また、入力部12には、対象人物の未来の環境を示す未来環境情報が入力される。また、第2算出部40は、未来環境情報に基づいて、時間帯ごとに、かつ対象人物ごとに未来の状態値Vを算出する。また、生成部18は、予め定められた第2閾値Rに基づいて、未来の状態値Vから対象人物の未来の状態を示す状態情報(以下、「未来状態情報」という。)を時間帯ごとに、生成する。
【0103】
ここで、本実施例の未来環境情報は、実施例2で説明した現在環境情報と対応するものである。対象人物の仕事の状況を示す仕事状況情報(実施形態7で説明)、または、対象人物の心拍数(実施形態8で説明)である。以下、詳細に説明する。
[実施形態7]
実施形態7では、未来環境情報が仕事状況情報である場合を説明する。仕事状況情報は、未来及び現在の対象人物の仕事の状況を示すものである。仕事状況情報を用いる理由について説明すると、対象人物は予定通りに進んでいない仕事を担当している場合や、納期がある仕事を担当している場合や、近日中に会議がある場合には、該対象人物は仕事で忙しく、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多い。また、全ての仕事が予定通りに進んでいると、対話できる時間もあり、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多い。また、同僚と行う会議、上司と行う会議、顧客と行う会議では、それぞれ重要度が異なる。つまり、同僚と行う会議中の対象人物と比較して、顧客と行う会議中である対象人物には、会議の重要度が高く、同期連絡手段で連絡をとることは好ましくない。仕事状況情報を用いる理由はこれらのことに基づく。
【0104】
図12に仕事状況表を示す。図10に示す仕事状況表をまとめて仕事状況情報として用いたが、本実施形態7では、図12に示す仕事状況表の各項目を、独立した仕事状況情報として用いる場合を説明する。図12に示すように、対象人物ごとに、会議情報N、仕事の遅延情報P、納期情報Qが設定されている。会議情報Nとは、会議を行う相手の人物(例えば、同僚または、顧客)および時間帯を示す情報である。仕事の遅延情報Pとは、仕事の遅延があるか否かを示す情報である。納期情報Qは、抱えている仕事の納期が間近か否かを示す情報である。
【0105】
これらはあくまで例示であり、仕事状況表はこれらに限られない。図12に示す仕事状況表は図10に示した仕事状況表の「会議」の欄をより詳細に示したものである。また、図12では、図面簡略化のために、対象人物A、B、Cのみを示し、対象人物D、Eを省略する。
【0106】
図12に示すように、例えば、対象人物Aの会議情報Nは、8時〜10時、13時〜14時、15時〜16時までは、同僚と会議の予定があり、10時〜12時までは、顧客と会議の予定があることを示す。また、対象人物Aの仕事の遅延情報Pは、仕事の遅延はないことを示す。また、対象人物Aの納期情報Pは、仕事の納期が間近ではないことを示す。また、仕事状況表は変更される度に、更新されるようにしておく必要がある。例えば、会議などの予定が変更されると、対象人物自身が更新するようにすれば良い。また、仕事状況表は、仕事状況表記憶部23(図10参照)に記憶されている。
【0107】
仕事状況表記憶部23は、入力部12に接続されている。そして、会議情報N、仕事の遅延情報P、納期情報Qはそれぞれ、入力部12経由で、第2変換部14に入力される。第2変換部14は、会議情報N、仕事の遅延情報P、納期情報Qをそれぞれ、第1の数または第2の数である第8変換値f8、第9変換値f9、第10変換値f10に変換する。この例では、第1の数を「0」とし、第2の数を「1」とする。
【0108】
第2変換部14は、この例の会議情報については、会議の時間ごとに、第1の数または第2の数の他に、第3の数、第4の数に変換する。ここでは、第3の数「2」、第4の数「3」とする。
【0109】
第2変換部14は、同僚と会議の時間帯については、第2の数「1」に変換する。また、上司と会議の時間帯については、第3の数「2」に変換する。また、同僚の会議の時間帯については、第4の数「3」に変換する。
【0110】
例えば、対象人物Aについては、第2変換部14は、第8変換値f8として、8時〜10時、13時〜14時、15時〜16時については、「1」に変換し、10時〜12時については、「3」に変換する。
【0111】
また、第2変換部14は、第9変換値f9として、仕事の遅延情報Pについては、仕事の遅延がない場合については、第1の数「0」に変換し、仕事の遅延がある場合については、全ての時間帯について、第2の数「1」に変換する。第2変換部14は、例えば、対象人物Aの仕事の遅延情報Pについては、全ての時間帯について「0」に変換する。
【0112】
また、第2変換部14は、第10変換値f10として、納期情報については、納期の間近である仕事を抱えてない場合には、全ての時間帯について、第1の数「0」に変換し、納期の間近である仕事を抱えている場合には、全ての時間帯について、第2の数「1」に変換する。
【0113】
そして、第2算出部40は、各時間帯ごとに、第2変換部14により変換された変換値(この例では、第8変換値f8、第9変換値f9、第10変換値f10)に基づいて、対象人物の未来の状態値Vを算出する。
【0114】
例えば、状態値Vは以下の式(8)により求まる。
【0115】
V=Σcifi (8)
この例では、i=8、9、10である。つまり、
V=c8f8+c9f9+c10f10 (9)
により未来の状態値Vは求められる。
【0116】
そして、未来の状態値Vは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、かつ、時間帯ごとに、未来の状態情報を生成する。生成部18は、状態値Wと、予め定められた第2閾値rとを比較し、状態値Wが第2閾値r以上である場合には、連絡不適切情報を生成し、表示部20に出力する。また、生成部18は、状態値Wが第2閾値r未満である場合には、連絡適切情報を生成し、表示部20に出力する。
[実施形態8]
実施形態8では、未来環境情報が心拍数である場合を説明する。心拍数とは、実施例1などで説明したように、対象人物の心拍数である。該心拍数は、心拍数検知装置2(図4参照)により検知される。
【0117】
心拍数を用いる理由について説明する。一般的に、対象人物の心拍数が上がった時から、所定時間t(例えば、30分)以内は、心拍数が上がった状態が継続する。そして該継続している対象人物には、同期的連絡手段で連絡を取ることは好ましくないことに基づく。
【0118】
実施形態8については、図11を用いて説明する。心拍数検知装置2で検知された心拍数Gは、受信装置4を経て、入力部12に入力される。そして、第1変換部13は、心拍数Gが、心拍数閾値P以上であれば、第1変換部13は高心拍数情報T2に変換し、現在の時刻と対応付けて第2変換部14に出力する。第1変換部13は、心拍数Gが、心拍数閾値P未満であれば、第1変換部13は低心拍数情報T1に変換し、現在の時刻と対応付けて第2変換部14に出力する。
【0119】
そして、第2変換部14は、第11変換値f11として、低心拍数情報T1を「0」に変換し、高心拍数情報T2を「1」に変換する。第11変換値f11は現在の時刻と対応付けられて、第2算出部40に入力される。
【0120】
ここで、第2算出部40は、現在の時刻から所定時間t経過時までの時間帯については、入力された第11変換値f11を状態値Vとして出力する。また、第2算出部40は、所定時間t経過後の時間帯については、低心拍数情報T1から変換された第11変換値f11(つまり=0)を状態値Vとして出力する。ここで、所定時間tについては、実験的に求められる値であり、例えば、t=30分とすればよい。所定時間tは、環境元情報記憶部28に予め記憶させておけばよい。
【0121】
生成部18は、状態値Wと、予め定められた第2閾値r(例えば、=1/2)とを比較し、状態値Wが第2閾値r以上である場合には、連絡不適切情報を生成し、表示部20に出力する。また、生成部18は、状態値Wが第2閾値r未満である場合には、連絡適切情報を生成し、表示部20に出力する。
[実施形態9]
実施形態9では、仕事状況情報(実施形態7で説明)および心拍数(実施形態8で説明)を用いて、未来の状態情報を生成する場合を説明する。
【0122】
例えば、第2変換部14には、仕事状況情報(例えば、会議情報N、仕事遅延情報P、納期情報Q)および心拍数情報Tが入力される。そして、第2変換部14は、時間帯ごとに、会議情報N、仕事遅延情報P、納期情報Q、心拍数情報Tをそれぞれ、第8変換値f8、第9変換値f9、第10変換値f10、第11変換値f11に変換する。
【0123】
そして、第1算出部16は、時間帯ごとに、未来の状態値Vを生成する。未来の状態値Vは以下の式(10)により求まる。
【0124】
V=Σcifi (10)
この例では、i=8、9、10、11である。つまり、
V=c8f8+c9f9+c10f10+c11f11 (11)
により、未来の状態値Vは生成される。そして、
具体例として、図13に表示部20に表示される、対象人物Bについての未来の状態情報を示す。対象人物Bの仕事状況情報については、図12を用いるとする。また、現在の時刻を15:30とし、該現在の時刻に対象人物Bの心拍数が上がっているとする。また、実施例2で説明した現在の状態情報については考慮しないものとする。また、未来の状態情報として、連絡適切情報(メッセージ:連絡しても良いです。)、第1連絡不適切情報(メッセージ:大事な要件であれば、連絡しても良いです。)、第2連絡不適切情報(メッセージ:連絡しない方がよいです。)に分けられるとする。生成部18は、V=1の場合、連絡適切情報を生成し、V=2の場合、第1連絡不適切情報を生成し、V=3の場合、第2連絡不適切情報を生成する。また、生成部18は予め定められた第2閾値を用いて、現在の状態情報を生成しても良い。
【0125】
この条件の下、第1算出部16は、式(11)を用いて、時間帯ごとに、以下の状態値Vを算出する。
時間帯 状態値
8:00〜10:00・・・ V=1
10:00〜11:00・・・ V=3
11:00〜15:30・・・ V=1
15:30〜16:00・・・ V=2
16:00〜17:00・・・ V=1
そして、時間帯に対応付けられた状態値Vは生成部18に入力されて、状態情報(連絡適切情報、第1連絡不適切情報、第2連絡不適切情報)を生成する。そして、表示部20に、図13に示す状態情報を表示させる。
【0126】
ユーザは、図13に示す状態情報を視認することにより、16:00〜17:00の間に対象人物Bに同期的連絡手段で連絡をすることが好ましいということが分かる。また、過去の状態情報(つまり、15:30以前の状態情報)は表示させなくてもよい。
【0127】
この実施例3(実施形態7、8)で説明したとおり、ユーザが、対象人物の現在の状態情報のみではなく、対象人物の未来の状態情報も認識できると、該ユーザはいつごろ、該対象人物と同期的連絡手段で連絡をとれるかを、容易に把握できる。
【0128】
図14に、本発明による状態通知装置の主要構成を示すハードウェア構成図である。状態通知装置は、主要な構成として、CPU201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、補助記憶装置204、記憶媒体読取装置205、入力装置206、表示装置207、及び通信装置208を含む構成である。
【0129】
CPU201は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、状態通知装置全体を制御する回路である。また、ROM202は、CPU2で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM203は、CPU201がROM202に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0130】
補助記憶装置204は、汎用のOS(Operating System)、本発明によるプロジェクト管理プログラム、タスク情報などのプロジェクトに関する情報を含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。なお、上記各種情報は、補助記憶装置204以外にも、CD−ROM(Compact Disk - ROM)やDVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体やその他のメディアを記憶されてもよく、これらの記憶媒体に格納された各種情報は、記憶媒体読取装置205などのドライブ装置を介して読み取ることが可能である。よって、必要に応じて記録媒体を記憶媒体読取装置205にセットすることで、各種情報が得られる。
【0131】
入力装置206は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置206は、マウス、キーボード、表示装置207の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。
【0132】
表示部20は、プロジェクト管理に係る各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
【符号の説明】
【0133】
2・・・心拍数検知装置
4・・・受信装置
12・・・入力部
13・・・変換手段
14・・・変換部
16・・・第1算出部
18・・・生成部
20・・・表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/002178号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/256192号明細書
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象人物の状態を通知する状態通知装置、プログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な通信手段が発達している。例えば、同期的に連絡できる携帯電話、非同期的に連絡できる電子メール、チャットなどがある。一方、オフィス内などで、例えば、仕事に集中している人物Aに携帯電話などで連絡すると、人物Aの仕事が中断され、その人物Aの仕事の能率が下がる場合がある。
【0003】
そこで、人物Aの状態を検知することで、その人物Aに連絡するのに最適か否かを判断する技術が提案されている(例えば、特許文献1または2参照)。
【0004】
この技術では、人物Aの顔の表情などを検知して、人物Aに連絡するのに最適か否かを判断する技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1には、顔の表情の検知後、検知されたデータを用いた、人物Aに連絡するのに最適か否かを判断する具体的な手法が記載されていない。
【0006】
また、特許文献2の技術では、状況に応じて、様々な情報を入力しなければならず、ユーザにとって負担が大きかった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題を鑑みて、用いる情報を最小限にして、対象人物の状態を通知する状態通知装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、心拍数検知装置により検知された対象人物の心拍数と、該対象人物の現在の環境を示す現在環境情報とが入力される入力部と、前記心拍数と前記現在環境情報に基づいて前記対象人物の現在の状態値を算出する第1算出部と、前記現在の状態値に基づいて、前記対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する生成部と、を有する状態通知装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の状態通知装置、プログラム、記録媒体であれば、用いる情報を最小限にして、対象人物の状態を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の状態通知装置の機能構成例を示す図。
【図2】検知手段対応表の一例を示す図。
【図3】表示部に表示される一例を示した図。
【図4】その他の実施形態の状態通知装置の機能構成例を示す図(その1)。
【図5】環境情報対応表の一例を示した図。
【図6】会社のフロアを示した図。
【図7】対象人物のデスクの座標を示した図。
【図8】役職対応表の一例を示した図。
【図9】端末情報の一例を示した図。
【図10】仕事状況表の一例を示した図。
【図11】その他の実施形態の状態通知装置の機能構成例を示す図(その2)。
【図12】仕事状況表のその他の例を示した図。
【図13】表示部に表示されるその他の例を示した図。
【図14】本実施形態の状態通知装置のハードウェア構成例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。なお、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0012】
本実施例1の状態通知装置は、対象人物の現在の状態情報を通知するものである。状態情報とは、対象人物の状態を示す情報をいう。また、携帯電話など、同期的(リアルタイム)に相手と連絡がとれる連絡手段を同期連絡手段という。電子メールなど、非同期的な(リアルタイムではない)連絡手段を非同期連絡手段という。
【0013】
対象人物の状態とは、同期連絡手段で、ユーザが対象人物に連絡するのに適切か否か(適切か不適切)を示す状態をいう。また、対象人物とは、例えば、オフィス内で働く人々であり、ユーザが、同期連絡手段で(頻繁に)連絡をする人物である。
【0014】
また、対象人物が、仕事などで急いでいたり、仕事などのことでストレスや不安を感じていたり、他の人物(上司や顧客)と議論している場合などには、一般的にその対象人物の心拍数は上がる。対象人物の心拍数が上がっているときに、ユーザが該対象人物に同期連絡手段で、連絡をとることは最適ではなく、対象人物Aの心拍数が平常なときに、連絡をとることが好ましい。本実施例1の状態通知装置は、この思想に基づいたものである。
【0015】
図1に、本実施例1の状態通知装置100などの機能構成例を示す。状態通知装置100は入力部12と、生成部18とを含む。生成部18は検知手段記憶部19と接続されている。また、以下の説明では、対象人物は複数存在し、例えば、5人の対象人物A〜Eが存在すると仮定する。
【0016】
対象人物A〜Eには、それぞれ心拍数検知装置2(例えば、心拍数センサ)が装着されており、対象人物の心拍数をリアルタイムで測定できる。この例では、5人の対象人物A〜Eはそれぞれ心拍数検知装置21〜25を装着している。心拍数検知装置2とは例えば、腕時計型の心拍数センサであり、対象人物の腕などに装着させればよい。また、心拍数検知装置21〜25にはそれぞれ検知手段識別情報(ID:identification)α1〜α5が付されている。図2に検知手段記憶部19に記憶されている検知手段対応表の一例を示す。以下の説明では、心拍数検知装置21〜25をまとめて心拍数検知装置2という。
【0017】
図2に示すように、検知手段記憶部19には、検知手段21〜25を装着している対象人物A〜Eと、心拍数検知装置21〜25の検知手段識別情報α1〜α5が対応されて記憶されている。例えば、対象人物Aは、検知手段識別情報α1の心拍数検知装置21を装着しているということである。
【0018】
また、受信装置4は例えば、アンテナであり、状態通知装置100の近傍に配置される。受信装置4は、心拍数検知装置2から、心拍数Gおよび該検知手段2の検知手段識別情報αとが対応付けられて、無線で受信できる。また、対象人物A〜Eの心拍数をそれぞれG1〜G5とする。
【0019】
受信装置4で受信された対象人物全ての(つまり、対象人物A〜Eの)心拍数G1〜G5および検知手段識別情報α1〜α5とが対応付けられて入力部12に入力される。そして、心拍数G1〜G5および検知手段識別情報α1〜α5とが対応付けられては、生成部18に入力される。
【0020】
生成部18は、入力された心拍数Gに基づいて、対象人物の現在の状態情報を生成する。この例では、生成部18は、対象人物ごとに状態情報を生成する。また、生成部18には、検知手段記憶部19に接続されている。図2に示すように、対象人物と検知手段識別情報とが対応付けられている。
【0021】
また、生成部18による、状態情報の生成手法については、入力された心拍数Gと、心拍数閾値Pを比較して求める。心拍数閾値Pとは、正常な心拍数と、上がった心拍数との境界値とすればよく、例えば、P=80bpm(beats per minute)とすればよい。生成部18は、心拍数Gが心拍数閾値P以上か、或いは心拍数閾値P未満かを心拍数検知装置2ごとに比較する。
【0022】
ここで、上述したように、該認識された現在の心拍数Gが、心拍数閾値P以上である場合とは、その心拍数Gの対象人物が、仕事などで急いでいたり、仕事などのことでストレスや不安を感じていたり、他の人物と議論している場合である。心拍数が心拍数閾値P以上である場合は、該心拍数を検知した心拍数検知装置2の検知手段識別情報αと対応する対象人物について、連絡不適切情報を生成する。連絡不適切情報とは、該対象人物と同期連絡手段で連絡をとることは不適切であることを示す状態情報である。
【0023】
また、心拍数が心拍数閾値P未満である場合は、該心拍数を検知した心拍数検知装置2の検知手段識別情報αと対応する対象人物について、連絡適切情報を生成する。連絡適切情報とは、該対象人物に同期連絡手段で連絡をとることは適切であることを示す状態情報である。
【0024】
このようにして、生成部18は、各対応人物ごとに、状態情報(連絡適切情報または連絡不適切情報)を生成する。そして、生成部18は、対応人物名と、連絡適切情報または連絡不適切情報とを対応付けて、表示部20に送信する。
【0025】
表示部20とは例えば、PCのモニターやディスプレイであり、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)から構成される。図3に、表示部20の表示例を示す。図3に示すように、対象人物ごとに連絡適切情報または連絡不適切情報に対応したメッセージを表示させる。
【0026】
以下の例では、連絡適切情報に対応したメッセージを「連絡しない方がよいです」とし、連絡不適切情報に対応したメッセージを「連絡しても良いです。」とする。生成部18で対応人物Aについて連絡不適切情報が生成された場合には、図3の例では、対応人物Aについては、メッセージ「連絡しない方がよいです。」が対応付けられて表示される。また、生成部18で対応人物Bについて連絡適切情報が生成された場合には、図3の例では、対応人物Bについては、メッセージ「連絡しても良いです。」が対応付けられて表示される。図3のように各対応人物について状態情報を表示部20に表示させることで、ユーザは一目で、どの対象人物に連絡をとることが適切か不適切かを判断できる。また、メッセージは文章ではなく、○や×等の記号などを用いてもよい。また、表示部20の表示については、随時(例えば、1秒ごと)、更新させることが好ましい。この場合には、随時、心拍数が入力部12に入力され、生成部18が、状態情報を生成するようにすればよい。
【0027】
この実施例1の状態通知装置100によれば、対象人物の心拍数を用いて、現在が、該対象人物と連絡をとることが最適か否かを判断できる。従って、用いる対象人物の情報は心拍数のみであるので、用いる情報は最小限となり、ユーザにとって負担は小さい。また、対象人物の心拍数を自動的にかつ、リアルタイムに検知できることから、自動的に対象人物の状態情報を更新させることも可能である。従って、ユーザにとって負担は小さい。
【0028】
また、心拍数の測定は既存の心拍数検知装置を用いればよく、測定コストも頗る少なくできる。更に、心拍数が閾値を超えているか否かの判定処理のみで、状態情報を生成できることから、演算コストも頗る少なくできる。
【実施例2】
【0029】
実施例1では、対象人物の心拍数を用いて、該対象人物の状態情報を生成した。実施例2では対象人物の心拍数の他に、現在環境情報を用いて、該対象人物の状態情報を生成する。現在環境情報とは、対象人物の現在の環境をいう。また、後述する現在環境元情報とは、現在環境情報の元となる情報である。
【0030】
図4に、実施例2の状態通知装置200の機能構成例を示す。状態通知装置100と異なる点は、第1変換部13と第2変換部14と第1算出部16とが追加された点である。第1変換部13は、入力部12内に設けられる。
【0031】
また、それぞれの対象人物には、心拍数検知装置2の他に、音声検知装置24や場所検知装置26が装着される。また、心拍数検知装置2、音声検知装置24、場所検知装置26が一体化されていることが好ましい。音声検知装置24は、対象人物が発話している音声を検知して、無線で受信装置4に、発話音声を送信する。また、場所検知装置26は対象人物が存在する領域を検知して、該領域の座標情報を受信装置4に送信する。つまり、受信装置4は、心拍数検知装置2からの心拍数のみではなく、音声検知装置24からの発話音声や、場所検知装置26からの座標情報が入力される。現在環境元情報とは、発話音声や座標情報であり、第1変換部13が、現在環境元情報を現在環境情報に変換する。つまり、実施例2の入力部12には、心拍数と現在環境情報が入力される。以下では、現在環境情報、現在環境元情報の具体例を示しながら、説明する。
[実施形態1]
実施形態1では、現在環境情報が発話情報Hである場合を説明する。発話情報Hとは、対象人物が発話しているか否かを示す情報である。発話情報を用いる理由は、発話している対象人物に対して、同期連絡手段で連絡をとることは最適ではない場合が多いことに基づく。
【0032】
心拍数検知装置2からは受信装置4経由で心拍数が入力部12に入力される。それと共に、音声検知装置24から対象人物の発話音声が、受信装置4経由で入力部12に入力される。入力された心拍数および発話音声は、第1変換部13に入力される。ここで、本実施形態1での現在環境元情報は該発話音声である。
【0033】
第1変換部13は、心拍数Gが、心拍数閾値P以上であれば、第1変換部13は高心拍数情報T2に変換し、第2変換部14に出力する。心拍数Gが、心拍数閾値P未満であれば、第1変換部13は低心拍数情報T1に変換し、第2変換部14に出力する。心拍数閾値Pは、環境元情報記憶部28に予め記憶されている。高心拍数情報T2および低心拍数情報T1をまとめて、心拍数情報Tとする。このように、第1変換部13は入力された心拍数を心拍数情報Tに変換する。
【0034】
また、第1変換部13は、入力された発話音声(環境元情報)の発話音声量を発話音声閾値と比較して、発話音声閾値未満であれば、「発話していない」と判断し、発話していないことを示す発話情報H1に変換する。また、第1変換部13は、入力された発話音声の発話音声量が発話音声閾値以上であれば、「発話している」と判断し、発話していることを示す発話情報H2に変換する。発話音声閾値は、環境元情報記憶部28に予め記憶されている。
【0035】
このように、第1変換部13は、入力された発話音声(環境元情報)を、対象人物が発話しているか否かを示す情報である発話情報(発話情報H1または発話情報H2)に変換する。
【0036】
第1変換部13は、心拍数情報T、および発話情報Hを第2変換部14に出力する。第2変換部14は、環境情報記憶部22と接続されている。第2変換部14は、環境情報記憶部22に記憶されている環境情報対応表を用いて、心拍数情報Tおよび発話情報Hを第1の数または第2の数に変換する。以下の例では、第1の数を「0」とし、第2の数を「1」とする。変換する理由は以後の演算処理コストを削減するためである。図5に環境情報記憶部22に記憶されている環境情報対応表の一例を示す。
【0037】
第2変換部14は、低心拍数情報T1を「0」に変換し、高心拍数情報T2を「1」に変換する。また、第2変換部14は、発話情報H1を「0」に変換し、発話情報H2を「1」に変換する。第2変換部14により変換された心拍数情報Tを第1変換値f1(=0または1)とし、変換された発話情報Hを第2変換値f2(=0または1)とする。
【0038】
そして、f1、f2は、第1算出部16に入力される。第1算出部16は、心拍数情報と現在環境情報(この例では、発話情報H)に基づいて(この例では、f1、f2に基づいて)対象人物ごとに現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0039】
W=Σcifi (1)
ただし、ciは重み計数であり予め定めてもよいし、ユーザによっても変更可能である。また、iは自然数であり、この例では、i=1、2である。つまり、
W=c1f1+c2f2 (2)
により現在の状態値Wは求められる。
【0040】
そして、状態値Wは、生成部18に入力される。生成部18は、予め定められた第1閾値Qを用いて、現在の状態値に基づいて対象人物の現在の状態情報を生成する。生成部18は、状態値Wと第1閾値Qと比較し、状態値Wが第1閾値Q以上である場合には、連絡不適切情報を生成し、表示部20に出力する。また、生成部18は、状態値Wが第1閾値Q未満である場合には、連絡適切情報を生成し、表示部20に出力する。
【0041】
このように、心拍数情報だけでなく、発話情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態2]
実施形態2では、現在環境情報が場所情報Iである場合を説明する。場所情報Iとは、対象人物の場所を示す情報である。場所情報を用いる理由は、対象人物が自分のデスクにいる場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多く、対象人物が会議室にいる場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多いことに基づく。
【0042】
図6に、対象人物A〜Eが所属する会社の簡略図を示す。場所検知装置は対象人物が現在存在する座標情報(x、y、z)を受信装置4に送信する。また該座標情報の原点は、図6の例では、1階の隅とする。なお、図6では、対象人物Aのデスクのみを示し、他の対象人物B〜Eのデスクについては省略する。以下では、対象人物のデスクの領域座標をまとめて(x1〜x2、y1〜y2、z1〜z3)と示す。実施形態2では、環境元情報は、対象人物の座標情報である。
【0043】
また、図7に、対象人物A〜Eと対象人物A〜Eのデスクの座標情報との対応、会議室と会議室の座標情報との対応が示されている位置対応表を示す。この位置対応表は、環境元情報記憶部28に記憶されている。第1変換部13は、位置対応表(図7参照)を用いてして、入力された座標情報(x、y、z)を用いて、対象人物が現在、どの領域に属するかを認識する。
【0044】
対象人物の座標情報(x、y、z)が、その対象人物のデスクの領域情報(x1〜x2、y1〜y2、z1〜z3)に属していれば、第1変換部13は、その対象人物は、自分のデスク120に存在することを認識し、この座標情報をデスク場所情報I1に変換する。座標情報(x、y、z)が、(x3〜x4、y3〜y4、z3〜z4)に属していれば、第1変換部13は、その対象人物は、会議室110に存在することを認識し、会議室場所情報I2に変換する。座標情報(x、y、z)が、(x1〜x2、y1〜y2、z1〜z3)(x3〜x4、y3〜y4、z3〜z4)の両方に属していなければ、第1変換部13は、その対象人物は、自分のデスクおよび会議室110以外の領域に存在することを認識し、他領域場所情報I3に変換する。
【0045】
このようにして、第1変換部13は、入力された座標情報(環境元情報)を場所情報(この例では、デスク場所情報I1または会議室場所情報I2または他領域場所情報I3)に対象人物ごとに変換する。場所情報Iは、第2変換部14に入力される。
【0046】
そして、第2変換部14は、対象人物が存在する領域を認識した後に、環境情報対応表(図5参照)を参照して、場所情報Iを第1の値または第2の値に変換する。この例では、第2変換部14はデスク場所情報I1を第1の値(例えば、「0」)に変換する。また、第2変換部14は会議室場所情報I2を第2の値(例えば、「1」)に変換する。第2変換部14は他領域場所情報I3を例えば「0.5」に変換すればよい(図5には示していない)。
【0047】
変換された場所情報Iを第3変換値f3(=0または1)とする。そして、f1、f3は、第1算出部16に入力される。
【0048】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、場所情報I)に基づいて(この例では、f1、f3に基づいて)対象人物ごとに現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0049】
W=Σcifi (1)
この例では、i=1、3である。つまり、
W=c1f1+c3f3 (3)
により現在の状態値Wは求められる。
【0050】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。
【0051】
このように、心拍数情報だけでなく、場所情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態3]
実施形態3では、現在環境情報に対話者情報Jである場合を説明する。対話者情報Jとは、対象人物が発話している場合の対話者の種別についての情報である。対話者の種別とは、この例では、対話者の役職をいう。対話者情報Jを用いる理由は、対象人物が発話している対話者が、例えば、自分(つまり独り言)や同僚である場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多い。また、対話者が、例えば、自分の上司や顧客である場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多いことに基づく。
【0052】
図8に対象人物A〜Eの役職などの役職対応表を示す。該役職対応表は、環境元情報記憶部28に記憶されている。図8に示すように、役職の他に、対象人物Aが装着している心拍数検知装置21〜25の識別番号(α1〜α5)、音声検知装置241〜245の識別番号(β1〜β5)、場所検知装置261〜265の識別番号(γ1〜γ5)が対応付けられている。この例では、入力部12には、対象人物の発話音声と座標情報とは入力される。実施形態3では、環境元情報は、対象人物の発話音声と座標情報である。
【0053】
次に、対象人物同士が対話しているか否かの判断手法について説明する。第1変換部13が、2つ以上の発話音声が入力したことを認識すると、役職対応表(図8参照)を参照して、該2つ以上の発話音声を発している対象人物の場所情報を確認する。そして、これらの場所情報が近ければ、第1変換部13は、それらの対象人物が対話していることを認識する。場所情報が近いか否かの判断は、お互いの場所情報の差分を計算し、該差分が、予め定められた対話閾値より小さければ、近いと判断し、該差分が、予め定められた対話閾値以上であれば、遠いと判断する。なお、第1変換部13が、2つ以上の発話音声を認識したが、該2つ以上の発話音声を発している対象人物の場所情報が遠いと判断すると、これら2つ以上の発話音声を発している対象人物は対話していないと判断する。
【0054】
第1変換部13による、対話をしている対象人物を認識した後の、対話者情報Jの変換手法について対象人物D(図8参照)を例にして説明する。
【0055】
第1変換部13が、対象人物Dの発話音声を認識したが、対話者がいないと認識した場合には、対象人物Dは独り言を言っていると認識し、発話音声と座標情報を自己対話者情報J1に変換する。また、第1変換部13が、対話者Dの発話音声を認識し、対話者が対象人物E(対象人物Dの同僚)であると認識すると、図8記載の役職対応表を参照して、発話音声と座標情報を同僚対話者情報J3に変換する。また、第1変換部13が、対話者Dの発話音声を認識し、対話者が対象人物AまたはBの何れか(対象人物Dの上司)であると認識すると、図8記載の役職対応表を参照して、発話音声と座標情報を上司対話者情報J4に変換する。また、第1変換部13が、対話者Dの発話音声を認識し、対話者が対象人物C(顧客)であると認識すると、図8記載の役職対応表を参照して、発話音声と座標情報を顧客対話者情報J2に変換する。
【0056】
このようにして、第1変換部13は、入力された発話音声および座標情報(環境元情報)から対話者情報J(この例では、自己対話者情報J1、顧客対話者情報J2、同僚対話者情報J3、上司対話者情報J4)に対象人物ごとに変換する。
【0057】
第2変換部14は、自己対話者情報J1を「0」に変換する。変換部13は、顧客対話者情報J2を「1」に変換する。変換部13は、同僚対話者情報J2を「0.25」に変換する。変換部13は、上司対話者情報J4を「0.75」に変換する。
【0058】
変換された対話者情報Jを第4変換値f4(=0、0.25.0.75、または1)とする。そして、f1、f4は、第1算出部16に入力される。
【0059】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、対話者情報J)に基づいて(この例では、f1、f4に基づいて)対象人物の現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0060】
W=Σcifi (1)
ただし、ciは重み計数であり予め定められる。また、iは自然数であり、この例では、i=1、4である。つまり、
W=c1f1+c4f4 (4)
により現在の状態値Wは求められる。
【0061】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。
【0062】
このように、心拍数情報だけでなく、対話者情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態4]
実施形態4では、現在環境情報が対話者心拍数情報Kである場合を説明する。対話者心拍数情報Kとは、対象人物が発話している場合の対話者の心拍数を示す情報、より詳細には、該対話者の心拍数が高いか低いかを示す情報である。対話者心拍数情報Kを用いる理由は、対象人物が発話している対話者の心拍数が高い場合には、対象人物と対話者の会話が盛り上がっている場合が多く、この場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多いことに基づく。
【0063】
対象人物が会話をしているか否かの判断手法は、[実施形態3]で述べたとおりである。そして、第1変換部13が、対象人物の対話者を認識すると、その対話者の心拍数検知装置識別情報α(図8参照)に対応する心拍数検知装置からの心拍数が、予め定められた対話者心拍数閾値以上か否かを判断する。対話者心拍数閾値は環境元情報記憶部28に予め記憶されている。実施形態4では、環境元情報は、対話者の心拍数である。
【0064】
第1変換部13が、対話者の心拍数が、対話者心拍数閾値未満であると判断すると、対話者の心拍数を低対話者心拍数情報K1に変換する。また、第1変換部13が、対話者の心拍数が、対話者心拍数閾値以上であると判断すると、対話者の心拍数を高対話者心拍数情報K2に変換する。
【0065】
このようにして、第1変換部13は、環境元情報である対話者の心拍数(対話者心拍数情報K(低対話者心拍数情報K1または高対話者心拍数情報K2)に対象人物ごとに変換する。対話者心拍数情報Kは第2変換部14に入力される。
【0066】
第2変換部14は、低対話者心拍数情報K1を0に変換し、高対話者心拍数情報K2を1に変換する。変換された対話者心拍数情報Kを第5変換値f5(=0または1)とする。そして、f1、f5は、第1算出部16に入力される。
【0067】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、対話者心拍数情報K)に基づいて(この例では、f1、f5に基づいて)対象人物の現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0068】
W=Σcifi (1)
ただし、ciは重み計数であり予め定められる。また、iは自然数であり、この例では、i=1、5である。つまり、
W=c1f1+c5f5 (5)
により現在の状態値Wは求められる。
【0069】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。また、対話者心拍数閾値は[実施形態1]で説明した心拍数閾値と同値としてもよいし、異なるようにしても良い。
【0070】
このように、心拍数情報だけでなく、対話者心拍数情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態5]
実施形態5では、現在環境情報が端末情報Lである場合を説明する。端末情報Lとは、対象人物が所持する端末が使用されているか否かを示す情報である。端末情報Lを用いる理由は、対象人物が端末を使用している場合には、該対象人物は仕事で忙しく、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多く、対象人物が端末を使用していない場合には、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多いことに基づく。なお、端末情報Lにおいては、心拍数検知装置2、音声検知装置24、場所検知装置26は使用しない。
【0071】
図9に、対象人物A〜Eが所有する端末(例えば、PC)301〜305などを示す。各端末301〜305は入力部12に接続されている。また、端末301〜305の端末識別情報をそれぞれV1〜V5とする。端末301〜305からはそれぞれ、端末識別情報V1〜V5、アプリケーション作動情報、インプット情報が対応付けられて、随時(リアルタイムで)、第1変換部13に入力される。アプリケーション作動情報とは、端末でアプリケーションが作動しているか否かを示す情報であり、インプット情報とは、端末に文字などのデータを入力しているか否かを示す情報である。実施形態5では、環境元情報とは、アプリケーション作動情報と、インプット情報である。
【0072】
図9の例では、端末のアプリケーションが作動していれば、アプリケーション作動情報は、ONとなり、アプリケーションが作動していなければ、アプリケーション作動情報は、OFFとなる。また、図9の例では、端末にデータが入力されていれば、インプット情報は、ONとなり、端末にデータが入力されていなければ、インプット情報は、OFFとなる。
【0073】
第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報が共にOFFの場合には端末は使用されていないと認識する。図9の例では、対象人物Aの端末は使用されていないと認識する。そして、第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報から端末を使用していないことを示す不使用端末情報L1(図9ではOFFと示す)に変換する。
【0074】
第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報のうち少なくとも一方が、ONであれば、端末は使用されていると認識する。そして、第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報から端末を使用していることを示す使用端末情報L2(図9ではONと示す)に変換する。
【0075】
このようにして、第1変換部13は、アプリケーション作動情報およびインプット情報(環境元情報)を端末情報L(不使用端末情報L1または端末情報L2)に対象人物ごとに変換する。
【0076】
第2変換部14は、不使用端末情報L1を0に変換し、使用端末情報L2を1に変換する。変換された端末情報Lを第6変換値f6(=0または1)とする。そして、f1、f6は、第1算出部16に入力される。
【0077】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、端末情報L)に基づいて(この例では、f1、f6に基づいて)対象人物ごとに現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0078】
W=Σcifi (1)
この例では、i=1、6である。つまり、
W=c1f1+c6f6 (6)
により現在の状態値Wは求められる。
【0079】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。
【0080】
このように、心拍数情報だけでなく、端末情報のような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
[実施形態6]
実施形態6では、現在環境情報が仕事状況情報Mである場合を説明する。仕事状況情報Mは、対象人物の仕事の状況を示すものである。仕事状況情報Mを用いる理由は、対象人物は予定通りに進んでいない仕事を抱えている場合や、納期(締め切り)間近の仕事を担当している場合や、近日中に会議がある場合には、該対象人物は仕事で忙しく、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多いことに基づく。また、全ての仕事が予定通りに進んでいると、対話できる時間もあり、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多いことに基づく。なお、本実施形態6においては、心拍数検知装置2、音声検知装置24、場所検知装置26は使用しない。
【0081】
図10に対象人物の予定表である仕事状況表の一例を示す。図10に示す仕事状況表の項目は、会議があるか、納期間近(例えば、1日前)の仕事を担当しているか、近日中に会議があるか、である。これらはあくまで例示であり、仕事状況情報はこれらに限られず、対象人物の仕事の状況を示す情報であればなんでも良い。
【0082】
図10では、対象人物Aは、会議はなく、かつ、納期間近の仕事も担当せず、仕事の遅れもないことを示す。また、対象人物Bは、会議があり、納期がある仕事も担当しており、仕事の遅れがあることを示す。実施形態6の環境元情報は、仕事状況表中の会議があるか、納期間近の仕事があるか、近日中に会議があるかのうち少なくとも1つである。
【0083】
また、仕事状況表は、仕事状況表記憶部23に記憶される。対象人物は、自分の仕事の状況が変わると、仕事状況表記憶部23中の仕事状況表を更新させる。第1変換部13は、例えば、図10の「あり」がなければ、仕事状況表の情報を、仕事が忙しくない旨を示す仕事状況情報M1に変換する。また、第1変換部13は、例えば、図10の「あり」が少なくとも1つあれば、仕事が忙しい旨を示す仕事状況情報M2に変換する。
【0084】
このようにして第1変換部13は、仕事状況表の各項目(環境元情報)を、仕事状況情報M(仕事状況情報M1または仕事状況情報M2)に対象人物ごとに変換する。仕事状況情報Mは第2変換部14に入力される。
【0085】
第2変換部14は、仕事状況情報M1を0に変換し、仕事状況情報M2を1に変換する。変換された仕事状況情報Mを第7変換値f7(=0または1)とする。そして、f1、f7は、第1算出部16に入力される。
【0086】
第1算出部16は、心拍数と現在環境情報(この例では、仕事状況情報M)に基づいて(この例では、f1、f6に基づいて)対象人物ごとに現在の状態値Wを算出する。例えば、状態値Wは以下の式(1)により求まる。
【0087】
W=Σcifi (1)
この例では、i=1、7である。つまり、
W=c1f1+c7f7 (7)
により現在の状態値Wは求められる。
【0088】
そして、状態値Wは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、現在の状態情報を生成する。
【0089】
また、第2変換部14は、第7変換値f7として、0または1に変換したが、仕事状況表の「あり」の数に応じた第7変換値f7に変換しても良い。例えば、「あり」の数が1なら0.25と変換し、「あり」の数が2なら0.75と変換し、「あり」の数が3なら1.0と変換する。
【0090】
また、仕事状況表の各項目である「仕事の遅れについて示す情報」「納期間近の仕事を抱えているかを示す情報」「近日中に会議があるか否かを示す情報」をそれぞれ、独立した環境元情報として用いることもできる。
【0091】
また、現在環境情報は、仕事状況表中の、会議があるか否か、納期間近の仕事を担当抱えているか否か、近日中に会議があるか否か、のうち少なくとも1つでよい。
【0092】
このように、心拍数情報だけでなく、仕事状況情報Mのような現在環境情報を用いると更に正確に、対象人物の状態をユーザは知ることができる。
【0093】
また、実施形態2の説明をまとめると、第2変換部14は、心拍数情報および、現在環境情報を所定の数値(上記説明では、第1の数または第2の数)に変換する。また、入力部12には、現在環境情報が入力されることになる。
[そのほかの変形例]
上述では、現在環境情報として、発話情報H、場所情報I、対話者情報J、対話者心拍数情報K、端末情報L、仕事状況情報Mを説明した。これらの情報のうち少なくとも2つを組み合わせて用いると、更に、正確な、対象人物の状態情報を生成できる。例えば、第1算出部16は、上述した式(1)で、状態値Wを算出すればよい。
【0094】
また、これらの情報のうち少なくとも2つを組み合わせて用いる場合には、第1算出部16は正規化を行っても良い。
【0095】
また、現在環境情報はこれらに限られず、対象人物の現在の環境を示すものであれば、他の情報を用いてよい。
【0096】
また、生成部18は、連絡不適切情報または連絡適切情報を生成すると説明した。更に、詳細に連絡してよいか否かを表示するために、現在の状態値Wの値に応じて、連絡不適切情報を複数段階に分けることもできる。例えば、連絡不適切情報を第1連絡不適切情報と第2連絡不適切情報との2段階に分けて、図3の右欄の文言にならって以下に示す。
【0097】
連絡適切情報・・・連絡しても良いです。
【0098】
第1連絡不適切情報・・・大事な要件であれば、連絡しても良いです。
【0099】
第2連絡不適切情報・・・連絡しない方がよいです。
【0100】
このように、連絡不適切情報を複数段階に分けて表示するとユーザは、対象人物に連絡をしても良いかを詳細に把握することができる。また、連絡不適切情報を複数段階に分けて用いる場合には、第1閾値も複数設定する必要がある。
【実施例3】
【0101】
実施例1、2では、対象人物の現在の状態を示す状態情報(以下、「現在状態情報」という。)を生成した。実施例3の状態通知装置300では、対象人物の現在の状態の他に、未来の状態を示す状態情報(「未来状態情報」という。)も生成して、表示部10に表示させる。未来状態情報の表示させることにより、ユーザはどの時間に対象人物に同期的連絡手段で連絡をすればよいかを把握することができる。
【0102】
図11に実施例3の状態通知装置300の機能構成例を示す。状態通知装置300は状態通知装置200と比較して、第2算出部40が追加されている点が異なる。また、入力部12には、対象人物の未来の環境を示す未来環境情報が入力される。また、第2算出部40は、未来環境情報に基づいて、時間帯ごとに、かつ対象人物ごとに未来の状態値Vを算出する。また、生成部18は、予め定められた第2閾値Rに基づいて、未来の状態値Vから対象人物の未来の状態を示す状態情報(以下、「未来状態情報」という。)を時間帯ごとに、生成する。
【0103】
ここで、本実施例の未来環境情報は、実施例2で説明した現在環境情報と対応するものである。対象人物の仕事の状況を示す仕事状況情報(実施形態7で説明)、または、対象人物の心拍数(実施形態8で説明)である。以下、詳細に説明する。
[実施形態7]
実施形態7では、未来環境情報が仕事状況情報である場合を説明する。仕事状況情報は、未来及び現在の対象人物の仕事の状況を示すものである。仕事状況情報を用いる理由について説明すると、対象人物は予定通りに進んでいない仕事を担当している場合や、納期がある仕事を担当している場合や、近日中に会議がある場合には、該対象人物は仕事で忙しく、同期連絡手段で連絡をとることが最適でない場合が多い。また、全ての仕事が予定通りに進んでいると、対話できる時間もあり、同期連絡手段で連絡をとることが最適である場合が多い。また、同僚と行う会議、上司と行う会議、顧客と行う会議では、それぞれ重要度が異なる。つまり、同僚と行う会議中の対象人物と比較して、顧客と行う会議中である対象人物には、会議の重要度が高く、同期連絡手段で連絡をとることは好ましくない。仕事状況情報を用いる理由はこれらのことに基づく。
【0104】
図12に仕事状況表を示す。図10に示す仕事状況表をまとめて仕事状況情報として用いたが、本実施形態7では、図12に示す仕事状況表の各項目を、独立した仕事状況情報として用いる場合を説明する。図12に示すように、対象人物ごとに、会議情報N、仕事の遅延情報P、納期情報Qが設定されている。会議情報Nとは、会議を行う相手の人物(例えば、同僚または、顧客)および時間帯を示す情報である。仕事の遅延情報Pとは、仕事の遅延があるか否かを示す情報である。納期情報Qは、抱えている仕事の納期が間近か否かを示す情報である。
【0105】
これらはあくまで例示であり、仕事状況表はこれらに限られない。図12に示す仕事状況表は図10に示した仕事状況表の「会議」の欄をより詳細に示したものである。また、図12では、図面簡略化のために、対象人物A、B、Cのみを示し、対象人物D、Eを省略する。
【0106】
図12に示すように、例えば、対象人物Aの会議情報Nは、8時〜10時、13時〜14時、15時〜16時までは、同僚と会議の予定があり、10時〜12時までは、顧客と会議の予定があることを示す。また、対象人物Aの仕事の遅延情報Pは、仕事の遅延はないことを示す。また、対象人物Aの納期情報Pは、仕事の納期が間近ではないことを示す。また、仕事状況表は変更される度に、更新されるようにしておく必要がある。例えば、会議などの予定が変更されると、対象人物自身が更新するようにすれば良い。また、仕事状況表は、仕事状況表記憶部23(図10参照)に記憶されている。
【0107】
仕事状況表記憶部23は、入力部12に接続されている。そして、会議情報N、仕事の遅延情報P、納期情報Qはそれぞれ、入力部12経由で、第2変換部14に入力される。第2変換部14は、会議情報N、仕事の遅延情報P、納期情報Qをそれぞれ、第1の数または第2の数である第8変換値f8、第9変換値f9、第10変換値f10に変換する。この例では、第1の数を「0」とし、第2の数を「1」とする。
【0108】
第2変換部14は、この例の会議情報については、会議の時間ごとに、第1の数または第2の数の他に、第3の数、第4の数に変換する。ここでは、第3の数「2」、第4の数「3」とする。
【0109】
第2変換部14は、同僚と会議の時間帯については、第2の数「1」に変換する。また、上司と会議の時間帯については、第3の数「2」に変換する。また、同僚の会議の時間帯については、第4の数「3」に変換する。
【0110】
例えば、対象人物Aについては、第2変換部14は、第8変換値f8として、8時〜10時、13時〜14時、15時〜16時については、「1」に変換し、10時〜12時については、「3」に変換する。
【0111】
また、第2変換部14は、第9変換値f9として、仕事の遅延情報Pについては、仕事の遅延がない場合については、第1の数「0」に変換し、仕事の遅延がある場合については、全ての時間帯について、第2の数「1」に変換する。第2変換部14は、例えば、対象人物Aの仕事の遅延情報Pについては、全ての時間帯について「0」に変換する。
【0112】
また、第2変換部14は、第10変換値f10として、納期情報については、納期の間近である仕事を抱えてない場合には、全ての時間帯について、第1の数「0」に変換し、納期の間近である仕事を抱えている場合には、全ての時間帯について、第2の数「1」に変換する。
【0113】
そして、第2算出部40は、各時間帯ごとに、第2変換部14により変換された変換値(この例では、第8変換値f8、第9変換値f9、第10変換値f10)に基づいて、対象人物の未来の状態値Vを算出する。
【0114】
例えば、状態値Vは以下の式(8)により求まる。
【0115】
V=Σcifi (8)
この例では、i=8、9、10である。つまり、
V=c8f8+c9f9+c10f10 (9)
により未来の状態値Vは求められる。
【0116】
そして、未来の状態値Vは、生成部18に入力され、生成部18は対象人物ごとに、かつ、時間帯ごとに、未来の状態情報を生成する。生成部18は、状態値Wと、予め定められた第2閾値rとを比較し、状態値Wが第2閾値r以上である場合には、連絡不適切情報を生成し、表示部20に出力する。また、生成部18は、状態値Wが第2閾値r未満である場合には、連絡適切情報を生成し、表示部20に出力する。
[実施形態8]
実施形態8では、未来環境情報が心拍数である場合を説明する。心拍数とは、実施例1などで説明したように、対象人物の心拍数である。該心拍数は、心拍数検知装置2(図4参照)により検知される。
【0117】
心拍数を用いる理由について説明する。一般的に、対象人物の心拍数が上がった時から、所定時間t(例えば、30分)以内は、心拍数が上がった状態が継続する。そして該継続している対象人物には、同期的連絡手段で連絡を取ることは好ましくないことに基づく。
【0118】
実施形態8については、図11を用いて説明する。心拍数検知装置2で検知された心拍数Gは、受信装置4を経て、入力部12に入力される。そして、第1変換部13は、心拍数Gが、心拍数閾値P以上であれば、第1変換部13は高心拍数情報T2に変換し、現在の時刻と対応付けて第2変換部14に出力する。第1変換部13は、心拍数Gが、心拍数閾値P未満であれば、第1変換部13は低心拍数情報T1に変換し、現在の時刻と対応付けて第2変換部14に出力する。
【0119】
そして、第2変換部14は、第11変換値f11として、低心拍数情報T1を「0」に変換し、高心拍数情報T2を「1」に変換する。第11変換値f11は現在の時刻と対応付けられて、第2算出部40に入力される。
【0120】
ここで、第2算出部40は、現在の時刻から所定時間t経過時までの時間帯については、入力された第11変換値f11を状態値Vとして出力する。また、第2算出部40は、所定時間t経過後の時間帯については、低心拍数情報T1から変換された第11変換値f11(つまり=0)を状態値Vとして出力する。ここで、所定時間tについては、実験的に求められる値であり、例えば、t=30分とすればよい。所定時間tは、環境元情報記憶部28に予め記憶させておけばよい。
【0121】
生成部18は、状態値Wと、予め定められた第2閾値r(例えば、=1/2)とを比較し、状態値Wが第2閾値r以上である場合には、連絡不適切情報を生成し、表示部20に出力する。また、生成部18は、状態値Wが第2閾値r未満である場合には、連絡適切情報を生成し、表示部20に出力する。
[実施形態9]
実施形態9では、仕事状況情報(実施形態7で説明)および心拍数(実施形態8で説明)を用いて、未来の状態情報を生成する場合を説明する。
【0122】
例えば、第2変換部14には、仕事状況情報(例えば、会議情報N、仕事遅延情報P、納期情報Q)および心拍数情報Tが入力される。そして、第2変換部14は、時間帯ごとに、会議情報N、仕事遅延情報P、納期情報Q、心拍数情報Tをそれぞれ、第8変換値f8、第9変換値f9、第10変換値f10、第11変換値f11に変換する。
【0123】
そして、第1算出部16は、時間帯ごとに、未来の状態値Vを生成する。未来の状態値Vは以下の式(10)により求まる。
【0124】
V=Σcifi (10)
この例では、i=8、9、10、11である。つまり、
V=c8f8+c9f9+c10f10+c11f11 (11)
により、未来の状態値Vは生成される。そして、
具体例として、図13に表示部20に表示される、対象人物Bについての未来の状態情報を示す。対象人物Bの仕事状況情報については、図12を用いるとする。また、現在の時刻を15:30とし、該現在の時刻に対象人物Bの心拍数が上がっているとする。また、実施例2で説明した現在の状態情報については考慮しないものとする。また、未来の状態情報として、連絡適切情報(メッセージ:連絡しても良いです。)、第1連絡不適切情報(メッセージ:大事な要件であれば、連絡しても良いです。)、第2連絡不適切情報(メッセージ:連絡しない方がよいです。)に分けられるとする。生成部18は、V=1の場合、連絡適切情報を生成し、V=2の場合、第1連絡不適切情報を生成し、V=3の場合、第2連絡不適切情報を生成する。また、生成部18は予め定められた第2閾値を用いて、現在の状態情報を生成しても良い。
【0125】
この条件の下、第1算出部16は、式(11)を用いて、時間帯ごとに、以下の状態値Vを算出する。
時間帯 状態値
8:00〜10:00・・・ V=1
10:00〜11:00・・・ V=3
11:00〜15:30・・・ V=1
15:30〜16:00・・・ V=2
16:00〜17:00・・・ V=1
そして、時間帯に対応付けられた状態値Vは生成部18に入力されて、状態情報(連絡適切情報、第1連絡不適切情報、第2連絡不適切情報)を生成する。そして、表示部20に、図13に示す状態情報を表示させる。
【0126】
ユーザは、図13に示す状態情報を視認することにより、16:00〜17:00の間に対象人物Bに同期的連絡手段で連絡をすることが好ましいということが分かる。また、過去の状態情報(つまり、15:30以前の状態情報)は表示させなくてもよい。
【0127】
この実施例3(実施形態7、8)で説明したとおり、ユーザが、対象人物の現在の状態情報のみではなく、対象人物の未来の状態情報も認識できると、該ユーザはいつごろ、該対象人物と同期的連絡手段で連絡をとれるかを、容易に把握できる。
【0128】
図14に、本発明による状態通知装置の主要構成を示すハードウェア構成図である。状態通知装置は、主要な構成として、CPU201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、補助記憶装置204、記憶媒体読取装置205、入力装置206、表示装置207、及び通信装置208を含む構成である。
【0129】
CPU201は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、状態通知装置全体を制御する回路である。また、ROM202は、CPU2で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM203は、CPU201がROM202に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0130】
補助記憶装置204は、汎用のOS(Operating System)、本発明によるプロジェクト管理プログラム、タスク情報などのプロジェクトに関する情報を含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。なお、上記各種情報は、補助記憶装置204以外にも、CD−ROM(Compact Disk - ROM)やDVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体やその他のメディアを記憶されてもよく、これらの記憶媒体に格納された各種情報は、記憶媒体読取装置205などのドライブ装置を介して読み取ることが可能である。よって、必要に応じて記録媒体を記憶媒体読取装置205にセットすることで、各種情報が得られる。
【0131】
入力装置206は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置206は、マウス、キーボード、表示装置207の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。
【0132】
表示部20は、プロジェクト管理に係る各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
【符号の説明】
【0133】
2・・・心拍数検知装置
4・・・受信装置
12・・・入力部
13・・・変換手段
14・・・変換部
16・・・第1算出部
18・・・生成部
20・・・表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/002178号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/256192号明細書
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心拍数検知装置により検知された対象人物の心拍数と、該対象人物の現在の環境を示す現在環境情報とが入力される入力部と、
前記心拍数と前記現在環境情報に基づいて前記対象人物の現在の状態値を算出する第1算出部と、
前記現在の状態値に基づいて、前記対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する生成部と、を有する状態通知装置。
【請求項2】
前記現在環境情報には、前記対象人物が発話しているか否かを示す発話情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の状態通知装置。
【請求項3】
前記現在環境情報には、前記対象人物の対話者の種別を示す対話者情報が含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の状態通知装置。
【請求項4】
前記現在環境情報には、前記対象人物の対話者の心拍数を示す対話者心拍数情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の状態通知装置。
【請求項5】
前記現在環境情報には、前記対象人物の場所を示す場所情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の状態通知装置。
【請求項6】
前記現在環境情報には、前記対象人物が所持する端末が使用されているか否かを示す端末情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜5何れかに記載の状態通知装置。
【請求項7】
前記現在環境情報には、前記対象人物の仕事の状況を示す仕事状況情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜6何れかに記載の状態通知装置。
【請求項8】
第2算出部を有し、
前記入力部には、前記対象人物の未来の環境を示す未来環境情報が入力され、
前記第2算出部は、前記未来環境情報に基づいて、前記対象人物の未来の状態値を算出し、
前記生成部は、前記未来の状態値に基づいて、前記対象人物の未来の状態を示す状態情報を生成することを特徴とする請求項1〜7何れかに記載の状態通知装置。
【請求項9】
前記未来環境情報には、前記対象人物の仕事の状況を示す仕事状況情報が含まれていることを特徴とする請求項8に記載の状態通知装置。
【請求項10】
前記未来環境情報には、前記対象人物の心拍数が含まれていることを特徴とする請求項8または9に記載の状態通知装置。
【請求項11】
心拍数検知装置により検知された対象人物の心拍数が入力される入力部と、
前記心拍数に基づいて、対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する生成部と、を有する状態通知装置。
【請求項12】
請求項1〜11何れかに記載の状態通知装置をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
心拍数検知装置により検知された対象人物の心拍数と、該対象人物の現在の環境を示す現在環境情報とが入力される入力部と、
前記心拍数と前記現在環境情報に基づいて前記対象人物の現在の状態値を算出する第1算出部と、
前記現在の状態値に基づいて、前記対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する生成部と、を有する状態通知装置。
【請求項2】
前記現在環境情報には、前記対象人物が発話しているか否かを示す発話情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の状態通知装置。
【請求項3】
前記現在環境情報には、前記対象人物の対話者の種別を示す対話者情報が含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の状態通知装置。
【請求項4】
前記現在環境情報には、前記対象人物の対話者の心拍数を示す対話者心拍数情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の状態通知装置。
【請求項5】
前記現在環境情報には、前記対象人物の場所を示す場所情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の状態通知装置。
【請求項6】
前記現在環境情報には、前記対象人物が所持する端末が使用されているか否かを示す端末情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜5何れかに記載の状態通知装置。
【請求項7】
前記現在環境情報には、前記対象人物の仕事の状況を示す仕事状況情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜6何れかに記載の状態通知装置。
【請求項8】
第2算出部を有し、
前記入力部には、前記対象人物の未来の環境を示す未来環境情報が入力され、
前記第2算出部は、前記未来環境情報に基づいて、前記対象人物の未来の状態値を算出し、
前記生成部は、前記未来の状態値に基づいて、前記対象人物の未来の状態を示す状態情報を生成することを特徴とする請求項1〜7何れかに記載の状態通知装置。
【請求項9】
前記未来環境情報には、前記対象人物の仕事の状況を示す仕事状況情報が含まれていることを特徴とする請求項8に記載の状態通知装置。
【請求項10】
前記未来環境情報には、前記対象人物の心拍数が含まれていることを特徴とする請求項8または9に記載の状態通知装置。
【請求項11】
心拍数検知装置により検知された対象人物の心拍数が入力される入力部と、
前記心拍数に基づいて、対象人物の現在の状態を示す状態情報を生成する生成部と、を有する状態通知装置。
【請求項12】
請求項1〜11何れかに記載の状態通知装置をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−115462(P2011−115462A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276744(P2009−276744)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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