説明

独立型クロマトグラフィシステム

独立型クロマトグラフィシステムが提供され且つクロマトグラフィカラムと、キャリアガスを収容しているキャリアガス貯蔵部と、分析物流れ処理装置とを包含しており、その場合にキャリアガス貯蔵部はクロマトグラフィカラムの上流側に配置されており且つ分析物流れ処理装置はクロマトグラフィカラムの下流側に配置されている。独立型クロマトグラフィシステムを実現する方法が提供され、且つクロマトグラフィカラムの上流側に第一システム圧力を及びクロマトグラフィカラムの下流側に第二システム圧力を発生させてキャリアガス貯蔵部と分析物流れ処理装置との間でキャリアガスの流れを発生させることを包含している。本方法は、更に、サンプル物質をキャリアガスと結合させ、その結合されたサンプルをクロマトグラフィカラムへ導入して分析物流れを発生させ、且つ分析物流れ処理装置を介して分析物流れを処理することを包含している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、大略、流体の評価に関するものであって、より詳細には、独立型クロマトグラフィシステムを使用して流体の組成の決定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
炭化水素生成現場は、典型的に、石油と、ガスと、水との混合物からなる地下流体を包含しており、これらの成分間の相関係は該流体の圧力、温度及び組成によって制御される。石油業界にとって市場的に興味にある多様な流体特性、例えば貯蔵部内の流体のタイプ及び品質を決定するためにこれらの流体を分析し且つ評価することが望ましい。このことを達成する1つの態様は、地下地層流体のサンプルを地表へ取り出し且つ該流体を分析して例えばガスクロマトグラフィ等の知られている事実を使用してその組成を決定することである。
【0003】
ガスクロマトグラフィは、材料サンプルの化学的組成を同定するための良く知られた方法であり、且つ抽出されるべき地下流体を構成する化学的組成を同定するためにクロマトグラフィを使用する石油業界等の化合物の同定に依存する多様な業界において適用が見出されている。ガスクロマトグラフィプロセスは、材料サンプルを気化させてクロマトグラフィカラム内へ導入させることが関与し、該材料サンプルは、窒素(N)、水素(H)又はヘリウム(He)等の不活性なガスからなる移動相の流れによって該カラムを介して搬送される。該材料サンプルは該キャリアガスを介して該カラムを介して搬送されるが、該分析物の運動は分析物分子の固定相上への吸着によって抑制される。
【0004】
典型的にガスクロマトグラフィシステムに使用される少なくとも2つの良く知られたタイプがあり、即ち充填カラム及びキャピラリーカラムである。充填カラムは、細かく分割した固体支持材料(例えば、珪素土)を包含しており、それは固定相でコーティングすることが可能であり、その場合に該コーティング物質の性質は強く吸着されるべき物質のタイプに依存する。このことは、充填カラムを別個の特定のタイプの化合物に対して調節することを可能とする。一方、キャピラリーカラムは、非常に小さな内径(十分の数mmの程度)を有しており、且つそのカラムの壁は活性物質でコーティングされている。例えば、殆どのキャピラリーカラムはポリイミドの外側コーティングを有する溶融シリカ、又はステンレススチール、から構成されており、且つ柔軟性がある傾向があり、小さなコイルに巻着させることが可能な非常に長いカラムとすることを可能とする。
【0005】
そうであるから、分子が該カラムに沿って進行するレートは吸着の強度に依存し、それは、更に、分子のタイプ及びカラム物質に依存する。分子の各タイプは異なる進行レートを有しているので、サンプル材料の種々の成分は、該カラムに沿って進行する間に分離され、従って、該カラムの端部に異なる時間において到達する。次いで、検知装置を使用して該カラムからの分析物の出力流れをモニタして該カラムから出る分析物の量及び該分析物が該カラムを通り過ぎるのにかかる時間を決定する。次いで、これらの物質は、通常、それらが該カラムから出て来る順番によって及び該カラム内の該分析物の滞留時間によって同定することが可能である。
【0006】
然しながら、残念なことに、地中貯留部からの地層流体の表面への取り出しは不所望な結果を有している場合がある。例えば、石油流体のサンプルが高温及び高圧にある地中から抽出された後に、それらは地表へ運び、搬送容器へ転送し且つ分析のために離れた研究所へ輸送させねばならない。これらの操作に関連する変化する温度及び圧力は流体における変化をもたらす場合があり、そのうちの幾つかは不可逆的なものである。更に、圧力容器における洩れ及び圧力容器間での転送も流体の組成を変化させる傾向がある。これらの流体特性における顕著且つ不可逆的な変化は地層流体の実際の特性を正確に評価する能力を減少させる。
【0007】
地中貯留部から地表への地層流体の取り出しに関与する別の不所望な結果は、興味のある地層へサンプリングツールを走行させ、地層内の流体のサンプルを取り出し且つ該流体の組成の完全性に影響すること無しに流体サンプルを分析することに関与する時間及びコストを包含している。このことを達成する1つの方法は、種々の装置を使用して地層流体サンプルの圧力を維持することが関与し、例えばMassie et al.の米国特許第5,337,822号(1994)、Mchaels et al.の米国特許第5,303,775号(1994)、Maichaels et al.の米国特許第5,377,755号(1995)、及びReinhardtの米国特許第6,439,307号(2002)を参照すると良く、尚これらはそれらの全体を引用によりここに取り込む。
【0008】
流体組成の完全性を妥協すること無しに地層流体の所望の分析を達成するための1つの方法は、ボアホールクロマトグラフィ技術を使用して地層流体のダウンホール特性が関与し、尚Pilkington et al.の米国特許第4,739,654号(1988)及びStorm及びRichardsonのPCT特許出願番号PCT/US01/40372(2001)を参照すると良い。このことは、井戸穿孔内にダウンホールクロマトグラフを配置させ且つサンプル流体を該クロマトグラフ内に導入させることにより達成することが可能であり、その場合に該クロマトグラフは供給パイプライン(即ち、地表からのワイヤライン)、ダウンホールタービン/オルタネーター電源を介して又はバッテリ装置を介して電力供給することが可能である。次いで、該クロマトグラフは地層流体サンプルの組成を分析し且つその結果を地表へ通信する。然しながら、残念なことに、現在のダウンホールクロマトグラフィ装置及び技術についても幾つかの問題が存在している。例えば、Pilkington et al.の米国特許第4,739,654号(1988)は、主張されているように、ダウンホールクロマトグラフィ技術を開示しているが、そこに開示されている方法及び装置は現場において実現することは不可能なものであり、というのは、厳しい欠点があり、即ちガス取扱い格納部及び廃棄技術が不適切なものである。
【0009】
1つの問題はキャリアガスの取扱いが関与する。従来のガスクロマトグラフィシステムにおいては、キャリアガスは消耗品であり、それは、典型的に、高圧タンクから供給され、カラムを介して流され且つ大気中に排気されるものであり、その場合にカラムを介してのガスの流量は解釈可能なクロマトグラムを発生させるために一定なものでなければならない。研究所及びその他の地表システムにおいて、カラムを介しての一定の流量はカラムに沿っての一定の圧力降下を維持することにより確保され、その場合にカラムの高圧端部におけるフローライン圧力を制御するためにガス調整器が使用され、且つ該カラムの低圧端部は大気圧力に通気されている。残念なことに、このタイプのキャリアガスシステムは幾つかの理由によりボアホール適用例に対しては適切なものではない。
【0010】
第一に、ワイヤライン、穿孔中のロキング(LWD)又は海底ツールにおける消耗品ガスの使用は現在好ましいものではなく、何故ならば、それらはこれらのガスを工場及び貯留所へ搬送することを必要とするからである。更に、ツールが遠隔地、例えば沖合プラットフォームにおける多数の作業に対して必要とされる場合に、物流が更に厄介なものとなる。第二に、大気との接触がない場合には、カラムを一度通り抜けるとキャリアガスの廃棄に対し無限の貯留所は存在しない。第三に、現在のシステム及び方法はクロマトグラフィカラムに沿って一定の圧力勾配を維持することは不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、遠隔位置においてのサンプル分析が可能な独立型クロマトグラフィシステムを提供することが本発明の1つの目的である。本発明の更なる目的は、ダウンホールサンプル分析用の独立型クロマトグラフィシステムを提供することである。本発明の更なる目的は、改良したガス取扱いシステムを具備するクロマトグラフィシステムを提供することである。更に、本発明の更に別の目的とするところは、ガスクロマトグラフィシステムの出口において改良した圧力調整手段を具備するクロマトグラフィ技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
独立型クロマトグラフィシステムが提供され、それは分析されるべき材料サンプルとキャリアガスとを結合する形態とされているクロマトグラフィ装置を包含しており、その場合に、該クロマトグラフィ装置は該材料サンプルと該キャリアガスとの結合を処理して分析物の流れを発生させる。更に、第一システム圧力にあるキャリアガスを収容しているキャリアガス貯蔵部が提供され、その場合に該キャリアガス貯蔵部は該クロマトグラフィ装置の上流側に配置される。分析物流れ処理装置も設けられ、その場合に該分析物流れ処理装置は該クロマトグラフィ装置の下流側に配置されて第二システム圧力にある分析物の流れを受取り且つ処理し、その場合に該第一システム圧力は、該分析物の流れが所望の流量において該クロマトグラフィカラムを介して流れるように第二システム圧力よりも一層高い。
【0013】
独立型クロマトグラフィシステムを実現する方法を記載するが、その場合に、該独立型クロマトグラフィシステムは、クロマトグラフィカラム、キャリアガスを収容しているキャリアガス貯蔵部、分析物流れ処理装置を包含している。該キャリアガス貯蔵部は該クロマトグラフィカラムの上流側に配置され且つ該分析物流れ処理装置は該クロマトグラフィカラムの下流側に配置される。本方法は、更に、該クロマトグラフィカラムの上流側に第一システム圧力を且つ該クロマトグラフィカラムの下流側に第二システム圧力を発生させ、該第一システム圧力と第二システム圧力との間に圧力勾配が存在して該キャリアガスをして該キャリアガス貯蔵部と該分析物流れ処理装置との間において所定の流量で流させる。本方法は、更に、サンプル材料とキャリアガスとを結合させて結合させたサンプルを発生し且つ該結合されたサンプルをクロマトグラフィカラムへ導入して分析物流れを発生させることを包含しており、その場合に該結合されたサンプルは所定の流量で該クロマトグラフィカラムを通り抜ける。本方法は、又、該分析物流れを所定の流量で該分析物流れ処理装置内へ導入させ且つ該分析物流れ処理装置を介して該分析物流れを処理することを包含している。
【0014】
独立型クロマトグラフィシステムを実現する方法も記載するが、その場合に、該独立型クロマトグラフィシステムは、キャリアガスを収容しているキャリアガス貯蔵部を包含しており、且つ該キャリアガス貯蔵部はクロマトグラフィカラムから上流側に配置されている。本方法は、サンプル材料をキャリアガスと結合させて結合されたサンプルを発生し且つ該結合されたサンプルをクロマトグラフィカラムへ導入して分析物流れを発生させることを包含している。本方法は、又、クロマトグラフィカラムから上流側に第一システム圧力及び該クロマトグラフィカラムから下流側に第二システム圧力を発生させることを包含しており、該第一システム圧力と該第二システム圧力との間には圧力勾配が存在しており、該結合されたサンプルをして所定の流量で該クロマトグラフィカラムを通り抜けさせる。更に、本方法は、所定の流量で該分析物流れを該独立型クロマトグラフィシステムを介して流させて処理することを包含している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明によれば、上述した欠点は、GCSカラムを介してのキャリアガスの流れの所望のレートを維持し及び/又はGCSカラムを通り抜けた後に該キャリアガスを適切に取扱うことが可能な遠隔的に動作可能な独立型ガスクロマトグラフィシステム(GCS)を介して対処することが可能である。ここに開示されるように、GCSカラムを介してのキャリアガスの流れの所望のレートを維持することは、圧力調整器、流れポンプ及び/又は「圧力貯留部」、例えば固定温度メタルハイドライド貯留部を使用して多様な方法及び/又は装置を介して達成することが可能である。更に、ここに開示するように、GCSカラムを通り抜けた後のキャリアガスの適切な取扱いは、フィルタ、廃棄物容器、使用済キャリアガスを追い出すためのフローライン及び/又は酸化/電解装置等のキャリアガス浄化装置等の多様な方法及び/装置を使用することにより達成することが可能であることが意図されている。
【0016】
GCSカラムを介してのキャリアガスの流れの所望のレートを維持するために使用することが可能な1つのアプローチは、「圧力貯蔵部」又はメタルハライド物質からなる場合のある等圧(一定圧力)貯留部を使用することが関与する場合があり、その場合に、該貯留部はクロマトグラフィカラムに対して上流側及び/又は下流側に配置させることが可能である。このタイプの貯留部は有用である場合があり、何故ならば、メタルハイドライド物質(それは高密度で水素を格納している)が温度及び/又は圧力等の多様な要因に応答して水素を容易に吸着及び/又は脱着させるからである。メタルハイドライドは、典型的に、遷移及び/又は稀土類金属の合金であり、それはメタルハイドライド物質と接触している水素ガスの温度及び圧力に依存する水素対金属比(H/M)としてしばしば呼称される連続的に変化する水素含有を有している化合物又は化合物の混合物を形成する。
【0017】
これらの吸着/脱着特性は図1を参照して理解することが可能であり、それは3つの固定された温度レベルに対しての異なる量の水素を有する環境内に配置されたメタルハイドライド物質に対する組成線図100を示しており、その場合にこの組成線図100は環境内に配置されているメタルハイドライド物質の水素対金属比(H/M)に関する圧力Pの影響を例示している幾つかの領域を包含している。図示したように、組成線図100は水素対金属比(H/M)に基づいて3つの相領域、即ちα相領域(α+β)相領域及びβ相領域に分割されている。
【0018】
α相領域にある間は、水素対金属比(H/M)は比較的低い。然しながら、貯留部の水素圧力Pが増加すると、メタルハイドライド物質は水素を吸着し、水素対金属比(H/M)を増加させる。同様の態様で、β相領域にある間に、水素ガスが該貯留槽へ付加されると、該貯留槽の水素圧力Pも増加し且つメタルハイドライド物質が水素を吸着して水素対金属比(H/M)を増加させ、且つ水素ガスが該貯留部に継続的に付加される場合には、究極的に水素がメタルハイドライド物質における全ての可能な箇所を占有し、その後に更に水素を吸着することは不可能であり且つ水素対金属比(H/M)が最大となる。
【0019】
一方、(α+β)相領域にある間に、貯留部への水素ガスの付加は水素対金属比(H/M)を増加させるが、メタルハイドライド物質は一定の水素圧力、即ち平坦な圧力を貯留部内において維持し、その場合に、該平坦な圧力の大きさは該貯留部の温度及び使用されているメタルハイドライド物質のタイプに依存する。そうであるから、水素ガスが該貯留部に該付加される場合には、メタルハイドライド物質は、継続的に水素を吸着することにより該貯留部内の一定のガス圧力を継続して維持する。逆に、水素ガスが該貯留部から抜き取られる場合には、メタルハイドライド物質は継続的に水素を脱着することにより該貯留部における一定のガス圧力を維持する。
【0020】
ガスクロマトグラフィシステムの動作は既知の流量を必要とすることは良く知られており、且つこの流量を確保する1つの態様は、ガスクロマトグラフィカラムの上流側及び/又は下流側の圧力を制御することによるものである。流量は時折変化し、所定の又は制御されたプログラムに従って変化するので、これらの圧力も変化する場合がある。メタルハイドライドと接触している水素ガスの圧力を変化させる1つの態様は、貯留部の温度を変化させることによるものである。これが可能である理由は、貯留部温度が増加する場合に、メタルハイドライド相線図の平坦部が図2に示したようにより高い圧力へ移動する。従って、上流側及び/又は下流側ガス貯留部において使用される金属はそれらの温度依存性等圧又は平坦部圧力に従って選択されるべきである。然しながら、ダウンホールツール部品の温度を抵抗ヒーターによって大気温度より高く上昇させることは比較的簡単であるが、ダウンホールツール部品の温度を大気温度より低く低下させることは比較的困難である。従って、最大の予測される大気温度より高い所望の特性を有しているメタルハイドライドは適切な候補と考えられる。例えば、最大で200℃の大気温度において動作せねばならないダウンホールガスクロマトグラフィシステムを考えると、その場合には、クロマトグラフの下流側貯留部は1気圧(0.1MPa)の一定の圧力に維持されるべきである。図2を参照すると、種々のメタルハイドライドに対する組成平坦域の温度及び圧力を示しており、約210℃の温度において0.1MPaにある水素ガスとLaNi3.5Al1.5と平衡状態にあるように見える。そうであるから、上の拘束条件が与えられると、LaNi3.5Al1.5は下流側貯留部に対する候補となる。
【0021】
上の説明に鑑み、固定した温度に対して水素対金属比(H/M)の範囲にわたり一定の圧力を維持するメタルハイドライド物質の特性は、クロマトグラフィカラムから上流側及び/又は下流側において所望の圧力を維持するために使用することが可能な固定温度等圧貯留部を形成するために使用することが可能である。図3を参照すると、クロマトグラフィカラムの上流側及び/又は下流側において一定のキャリアガス圧力を維持する独立型クロマトグラフィシステム200の第一実施例が示されており、且つ第一圧力Pにあるキャリアガス204を収容する第一キャリアガス貯留部202、圧力調節装置206、ガスクロマトグラフィ装置208、第二キャリアガス貯留部210、ポンプ装置212及び濾過装置214を包含しており、その場合に、第一キャリアガス貯留部202は第一キャリアガス貯留部インレット216及び第一キャリアガス貯留部アウトレット218を包含しており、且つ第二キャリアガス貯留部210は第二キャリアガス貯留部インレット220及び第二キャリアガス貯留部アウトレット222を包含している。独立型クロマトグラフィシステム200は、第一キャリアガス貯留部アウトレット218が圧力調節装置206及びガスクロマトグラフィ装置208を介して第二キャリアガス貯留部インレット220と連通しており、且つ第二キャリアガス貯留部アウトレット222がポンプ装置212及び濾過装置214を介して第一キャリアガス貯留部インレット216と連通しているように構成されている。
【0022】
図4を参照すると、ガスクロマトグラフィ装置208は、クロマトグラフィカラム228を介して検知装置226と連通している注入器装置224を包含することが可能である。図示したように、該注入器装置224は、分析されるべきサンプル材料230及び圧力調節装置206を介して第一キャリアガス貯留部アウトレット218からのキャリアガス204を受取る構成とされており、そのことは注入器装置224内に第二圧力Pを形成し、その場合にPとPとの間の圧力勾配がキャリアガス204が制御された状態で注入器装置224内に流入することを可能とするように第一圧力Pは第二圧力Pよりも一層大きい。理解すべきことであるが、圧力調整装置206はオプションの装置である場合があり且つクロマトグラフィカラム228を介しての流量をより良く制御するために設けられる場合がある。次いで、結合させたサンプル物質230及びキャリアガス204をクロマトグラフィカラム228内に導入させることが可能であり、且つクロマトグラフィカラム228からの分析物流れ出力Rは検知装置226によって検知され、それは分析物流れ出力Rに応答してデータを発生する。検知装置226及び/又はクロマトグラフィカラム228は、分析物流れ出力Rを第二キャリアガス貯留部インレット220を介して第二キャリアガス貯留部210内へ導入させる構成とすることが可能である。
【0023】
理解すべきことであるが、第二キャリアガス貯留部210は第三圧力Pを発生するためにメタルハイドライド物質に応答して所定の温度に維持される所定のメタルハイドライド物質を包含しており、その場合に、第三圧力Pは、PとPとの間の圧力勾配が、分析物流れRが制御可能な状態でクロマトグラフィカラム228を介して第二キャリアガス貯留部210内へ流入することを可能とするように、第二圧力Pよりも一層低い。ポンプ装置212は、ポンプ212と第一キャリアガス貯留部202との間に第四圧力Pを発生するために動作させることが可能であり、その場合に、第四圧力Pは、PとPとの間の圧力勾配が、分析物流れRが濾過装置214を介して制御可能な状態で流れることを可能とするように第一圧力Pよりも一層大きく、該濾過装置214は、分析物流れRから何等かの汚染物及び/又は不純物を濾過し且つ維持し、且つ残りのキャリアガスは第一キャリアガス貯留部202内へ流れることを許容する。
【0024】
理解すべきことであるが、第一キャリアガス貯留部202及び第二キャリアガス貯留部210のうちの少なくとも1つは、等圧貯留部とすることが可能であり、それは、少なくとも、部分的には水素等のキャリアガスを制御可能な状態で吸着/脱着するクラスの物質から構成されている。このクラスの物質は、粉末状及び/又は焼結状メタルハイドライド物質のような所望の最終目的に適した何等かの物質及び/又は物質の結合を包含することが可能である。
【0025】
クロマトグラフィカラムを介しての所望のキャリアガスの流量を維持するために使用することが可能な別のアプローチは、クロマトグラフィカラムからの流出物(分析物及び水素等のキャリアガス)を燃焼させることによりクロマトグラフィカラムの下流側端部において低圧力を維持するために酸化セルを使用することが関与する場合がある。例えば、該キャリアガスが水素である場合には、該流出物は、殆ど水素から構成されており且つ燃焼生成物は主に水である。そうであるから、燃焼プロセス期間中に、分析物内の水素と炭素とが酸化されて、夫々、水及び二酸化炭素となる。更に、硫黄及び窒素酸化物がガス相汚染物として残される場合があり且つニッケル及びバナジウム等のトレース金属の酸化物が固体として残される場合がある。該固体は、濾過することが可能であり且つ該水は凝縮器を介してガス相汚染物から分離することが可能であり且つ電解セル内にポンプ入力させることが可能であり、その場合に、小さな体積の汚染ガス及び固体が酸化セル内に残存する場合がある。次いで、該電解セルは該水を水素と酸素とに分解し且つ標準の2アーム(two−arm)電解セルをガス状生成物を別々に回収するために使用することが可能である。該水素はキャリアガスとして再使用することが可能であり且つ該酸素は将来の酸化のために酸化セルへ戻すことが可能である。
【0026】
図5を参照すると、クロマトグラフィカラムの上流側及び/又は下流側において一定のキャリアガス圧力を維持する独立型クロマトグラフィシステム300の第二実施例が示されており、且つキャリアガス貯留部圧力Pにあるキャリアガス304を収容するキャリアガス貯留部302、圧力調節装置306、ガスクロマトグラフィ装置308、酸化/電解装置310及びポンプ装置312を包含しており、その場合に、キャリアガス貯留部302はキャリアガス貯留部インレット314及びキャリアガス貯留部アウトレット316を包含しており、且つ酸化/電解装置310は酸化/電解装置インレット318及び酸化/電解装置アウトレット320を包含している。独立型クロマトグラフィシステム300は、第一キャリアガス貯留部アウトレット316が圧力調節装置306及びクロマトグラフィ装置308を介して酸化/電解装置インレット318と連通しており且つ酸化/電解装置アウトレット320がポンプ装置312を介してキャリアガス貯留部インレット314と連通しているように構成されている。
【0027】
図6を参照すると、ガスクロマトグラフィ装置308は、クロマトグラフィカラム326を介して検知装置324と連通している注入器装置322を包含することが可能である。図示したように、注入器装置322は、分析されるべきサンプル物質328及びキャリアガス304を注入器装置322内に第二圧力Pを形成する圧力調整装置306を介してキャリアガス貯留部アウトレット316から受取る構成とされており、その場合に第一圧力Pは、PとPとの間の圧力勾配が、キャリアガス306が制御可能な状態で圧力調整装置306を介して注入器装置322内に流入することを可能とするように第二圧力Pよりも一層大きい。理解すべきことであるが、圧力調整装置306はオプションの装置とすることが可能であり且つクロマトグラフィカラム326を介しての流量をより良く制御するために設けることが可能である。結合されたサンプル物質328及びキャリアガス304はクロマトグラフィカラム326内へ導入させることが可能であり、且つクロマトグラフ326からの分析物流れ出力Rは検知装置324によって検知され、該検知装置324は分析物流れ出力Rに応答してデータを発生する。検知装置324及び/又はクロマトグラフィカラム236は、酸化/電解装置インレット318を介して分析物流れ出力Rを酸化/電解装置310内に導入させる構成とすることが可能であり、その場合に、酸化/電解装置310は、水ポンプ334を介して且つ酸素帰還経路336を介して電解セル332と連通している酸化セル330を包含することが可能である。
【0028】
第一実施例と同様の態様において、注入器装置322は、分析されるべきサンプル物質328及び圧力調整装置306を介してキャリアガス貯留部アウトレット316からのキャリアガス304とを受取る構成とされている。第三圧力Pがクロマトグラフィカラム326の下流側において発生され、尚Pは、PとPとの間の圧力勾配が、該分析物流れを制御可能な状態でクロマトグラフィカラム326を介して、検知装置324を介して流れることを可能とするように、Pより一層大きい。検知装置324及び/又はクロマトグラフィカラム326は、酸化/電解装置インレット318を介して分析物流れ出力Rを酸化セル330内へ導入させる構成とすることが可能である。
【0029】
分析物流れ出力Rが酸化セル330内へ導入されると、分析物流れRは酸化セル330内に含有されている酸素と相互作用して酸化反応を起こさせ、その結果エネルギを解放させる(即ち、燃焼)。そうであるから、分析物流れR内の水素及び炭素は、夫々、水及び二酸化炭素へ酸化され、一方ニッケル及びバナジウム等の付加的な固体及び硫黄及び窒素酸化物等のガス相汚染物も生成される。該水は酸化セル330内の濾過装置を介して該固定から分離され且つ該ガス相汚染物は、凝縮器等の酸化セル330内の相分離装置を介して分離され、且つ該水は水ポンプ334を介して電解セル332内へ流れるように指向される。小さいな体積の固体及び汚染ガスが酸化セル330の燃焼室内に残存する。次いで、該水は水素と酸素とに分解され且つ標準の2アーム電解セルを使用して該水素と酸素とを別々に回収する。次いで、該酸素は将来の酸化において再使用するために酸素帰還経路336を介して酸化セル330へ戻され且つポンプ装置312を動作させてポンプ装置312とキャリアガス貯蔵部302との間に第四圧力Pを発生させ、その場合に第四圧力Pは、PとPとの間の圧力勾配が、回収された水素が制御可能な状態で電解セル332からキャリガス貯蔵部302内へ流れることを可能とするように第一圧力Pよりも一層大きい。
【0030】
クロマトグラフィカラムを介してのキャリアガスの所望の流量を維持するために使用することが可能な別のアプローチは、クロマトグラフィカラムにわたって圧力勾配を維持し且つクロマトグラフィカラムの下流側においてキャリアガスを取扱うために、ポンプ装置、流れ制御装置及び濾過装置を使用することが関与する場合がある。
【0031】
図7を参照すると、クロマトグラフィカラムの上流側及び/又は下流側において一定のキャリアガス圧力を維持する独立型クロマトグラフィシステム400の第三実施例が「閉」システム形態において示されており、且つキャリアガス貯蔵部プレッシャーPにおいてキャリアガス404を収容するキャリアガス貯蔵部402、圧力調整装置406、ガスクロマトグラフィ装置408、流れ制御器装置410、ポンプ装置412及び濾過装置414を包含しており、その場合にキャリアガス貯蔵部402は、キャリアガス貯蔵部インレット416とキャリアガス貯蔵部アウトレット418とを包含しており且つ流れ制御器装置410は流れ制御器装置インレット420と流れ制御器装置アウトレット422とを包含している。独立型クロマトグラフィシステム400は、キャリアガス貯蔵部アウトレット418が圧力調節装置406及びガスクロマトグラフィ装置408を介して流れ制御器装置インレット420と連通しており且つ流れ制御器装置アウトレット422がポンプ装置412及び濾過装置414を介してキャリアガス貯蔵部インレット416と連通しているように構成されている。
【0032】
図8を参照すると、ガスクロマトグラフィ装置408は、クロマトグラフィカラム428を介して検知装置426と連通している注入器装置424を包含することが可能である。図示したように、注入器装置424は、分析すべきサンプル物質430及び圧力調整装置406を介してキャリアガス貯蔵部アウトレット418からのキャリアガス404とを受取る構成とされており、そのことは注入器装置424内に第二圧力Pを形成し、その場合に第一圧力Pは、PとPとの間の圧力勾配がキャリアガス404を制御可能な状態で圧力調整装置406を介して注入器装置424内へ流入することを可能とするように第二圧力Pよりも一層大きい。注意すべきことであるが、圧力調整装置406は、オプションとしての装置とすることが可能であり且つクロマトグラフィカラム428を介しての流量をより良く制御するために設けることが可能である。結合されたサンプル物質430及びキャリアガス404は、クロマトグラフィカラム428内へ導入させることが可能であり且つ流れ制御器装置410が動作されてクロマトグラフィカラム428の下流側に第三圧力Pを発生させ、その場合にPは、PとPとの間の圧力勾配が、分析物流れが制御可能な状態でクロマトグラフィカラム428を介し、検知装置426を介し流れ制御器装置410内へ流入することを可能とするようにPよりも一層大きい。ポンプ装置412は、第四圧力Pを発生させるべく動作させることが可能であり、その場合に第四圧力Pは、PとPとの間の圧力勾配が分析物流れRが制御可能な状態で濾過装置414を介して流れることを可能とするように第一圧力Pよりも一層大きく、濾過装置414は分析物流れR内の汚染物及び/又は不純物を濾過し且つ維持することによってキャリアガス404を回復させ且つキャリアガス404を再使用のためにキャリアガス貯蔵部402内へ指向させ、その場合に不純物は濾過装置414内に残される。
【0033】
図9を参照すると、理解すべきことであるが、補助貯蔵部460を設け且つダンピング装置として作用させ且つ流量の安定性を改善させるために流れ制御器装置410とポンプ装置412との間に配置させることも可能である。更に、流れ制御器装置410及び/又はクロマトグラフィカラム流量は、流れ制御器装置410の下流側で圧力が変化する場合であっても、クロマトグラフィカラム428を介しての所望の流量が維持されるように、クロマトグラフィカラム428及び/又は検知装置426の構成に応答する態様で選択することが可能である。
【0034】
図10を参照すると、クロマトグラフィカラムの上流側及び/又は下流側において一定のキャリアガス圧力を維持する独立型クロマトグラフィシステム500の第四実施例が「開」システム形態において示されており、且つキャリアガス貯蔵部圧力Pにおいてキャリアガス504を収容するキャリアガス貯蔵部502、圧力調整装置506、ガスクロマトグラフィ装置508、流れ制御器装置510、ポンプ装置512、廃棄物容器514を包含しており、その場合に排気ガスは圧縮させ且つ廃棄物容器514内に格納させるか、又は排気ガスはシステム516の外部へ追い出すことが可能である。キャリアガス貯蔵部502はキャリアガス貯蔵部アウトレット518を包含しており且つ流れ制御器装置510は流れ制御器装置インレット520と流れ制御器装置アウトレット522とを包含している。独立型クロマトグラフィシステム500は、キャリアガス貯蔵部アウトレット518が圧力調整装置506及びガスクロマトグラフィ装置508を介して流れ制御器装置インレット520と連通しており且つ流れ制御器装置アウトレット522は廃棄物容器514及び/又はフローライン516と連通しているように構成されている。
【0035】
図11を参照すると、ガスクロマトグラフィ装置508は、クロマトグラフィカラム528を介して検知装置526と連通している注入器装置524を包含することが可能である。図示したように、注入器装置524は、分析されるべきサンプル物質530及び圧力調整装置506を介してキャリアガス貯蔵部アウトレット518からのキャリアガス504を受取る構成とされており、圧力調整装置506は注入器装置524内に第二圧力Pを形成し、その場合に、第一圧力PはPとPとの間の圧力勾配がキャリアガス504が制御可能な状態で圧力調整装置506を介して注入器装置524内へ流入することが可能であるように第二圧力Pよりも一層大きい。理解すべきことであるが、圧力調整装置506はオプションの装置とすることが可能であり且つクロマトグラフィカラム528を介しての流量をより良く制御するために設けることが可能である。結合されたサンプル物質530及びキャリアガス504はクロマトグラフィカラム528内へ導入させることが可能であり、且つ流れ制御器装置510はクロマトグラフィカラム528の下流側に第三圧力Pを形成すべく動作させることが可能であり、その場合に、Pは、PとPとの間の圧力勾配が、分析物流れが制御可能な状態でクロマトグラフィカラム528から流出し、検知器装置526を介して流れ制御器装置510内へ流入することを可能とするようにPよりも一層大きい。ポンプ装置512は、第四圧力Pを発生させるべく動作させることが可能であり、その場合に、第四圧力Pは、PとPとの間の圧力勾配が、分析物流れRが制御可能な状態で廃棄物容器514及び/又はフローライン516のいずれかに流入することを可能とするように第三圧力Pよりも一層大きい。
【0036】
第一実施例におけるように且つ図12を参照すると、ダンピング装置として作用し且つ流量の安定性を改善させるために流れ制御器装置510と流れポンプ512との間に補助容器560を設け且つ配置させることが可能である。更に、流れ制御器510及び/又はカラム流量は、流れ制御器装置510から下流側において圧力が変化する場合であっても、クロマトグラフィカラム528を介しての所望の流量が維持されるように、クロマトグラフィカラム528及び検知器装置526の構成に応答する態様で選択することが可能である。
【0037】
理解すべきことであるが、独立型クロマトグラフィシステム200又は300は、所望によりポンプ装置212又は312を包含する場合も包含しない場合もあり、その場合にキャリアガスは所望の最終目的にとって適切な任意の方法及び/又は装置を介してキャリアガス貯蔵部202又は302へ指向させることが可能である。例えば、独立型クロマトグラフィシステム200の第一実施例においては、測定期間中に水素は圧力Pにおいて貯蔵部210内に蓄積することが可能である。1つ又はそれ以上の測定が完了した後に、メタルハイドライドの温度が上昇して圧力Pを発生する場合がある。貯蔵部210の温度及び圧力が高められている間にクロマトグラフィカラム228からのガスの逆流を防止するために貯蔵部210の上流側にバルブを配置することが可能である。従って、圧力Pを発生するためにポンプ212は必要ではない。
【0038】
別の例として、独立型クロマトグラフィシステム300の第二実施例においては、ポンプ装置312が省略された場合には、キャリアガスは、圧力Pにある電解セル332を動作させることによりキャリアガス貯蔵部302へ指向させることが可能である。
【0039】
図13を参照すると、独立型クロマトグラフィシステム200,300,400,500を実現するための方法600を例示したブロック図が示されている。独立型クロマトグラフィシステム200,300,400,500はクロマトグラフィカラム228,326,428,528と、キャリアガス204,304,404,504を収容しているキャリアガス貯蔵部202,302,402,502と、分析物流れ処理装置210,310,410,510を包含しており、その場合にキャリアガス貯蔵部202,302,402,502はクロマトグラフィカラム228,326,428,528の上流側に配置されており且つ分析物流れ処理装置210,310,410,510はクロマトグラフィカラム228,326,428,528の下流側に配置されている。方法600は、動作ブロック602に示したように、クロマトグラフィカラム228,326,428,528の上流側において第一システム圧力を及びクロマトグラフィカラム228,326,428,528の下流側において第二システム圧力を発生させることを包含している。第一システム圧力及び第二システム圧力は、第一システム圧力と第二システム圧力との間に圧力勾配が存在してキャリアガス204,304,404,504をキャリアガス貯蔵部202,302,402,502と分析物流れ処理装置210,310,410,510との間において制御可能な且つ所定の流量で流させるようなものである。
【0040】
方法600は、更に、動作ブロック604に示したように、結合されたサンプルを発生させるためにサンプル物質230,328,430,530とキャリアガス204,304,404,504を結合させることを包含している。結合されたサンプルはクロマトグラフィカラム228,326,428,528内へ導入されて、動作ブロック606に示されているように、分析物流れを発生し、その場合に結合されたサンプルは所定の流量でクロマトグラフィカラム228,326,428,528を通り抜ける。次いで、分析物流れは動作ブロック608に示したように分析物流れ処理装置210,310,410,510内へ導入させることが可能であり且つ、動作ブロック610に示したように、分析物流れ処理装置210,310,410,510を介して処理することが可能である。理解すべきことであるが、処理は、該分析物流れの加圧、純化及び/又は廃棄のうちの少なくとも1つを包含することが可能である。
【0041】
本発明を例示的実施例を参照して説明したが、本発明の範囲を逸脱すること無しに種々の変更を行うことが可能であり且つ均等物で置換させることが可能であることは当業者にとって理解されるべきである。更に、本発明の範囲から逸脱することなしに本発明の教示に対し特定の状態又は物質を適用させるために多くの修正を行うことが可能である。従って、本発明は本発明を実施するために意図された最善のモードとして開示された特定の実施例に制限されることを意図したものではなく、本発明は特許請求の範囲内に入る全ての実施例を包含するものである。更に、特別に記載されていない限り、第一、第二等の用語の使用は特定の順番又は重要性を示すものではなく、第一、第二等の用語は1つの要素を別の要素から区別するために使用されているものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】低温メタルハイドライドに対する水素等温線の特性を例示したグラフ図。
【図2】種々のメタルハイドライドに対する温度及び圧力組成プラトー(平坦領域)を例示したグラフ図。
【図3】独立型クロマトグラフィシステムの第一実施例を例示した概略ブロック図。
【図4】図3における独立型クロマトグラフィシステムを例示した概略ブロック図。
【図5】独立型クロマトグラフィシステムの第二実施例を例示した概略ブロック図。
【図6】図5における独立型クロマトグラフィシステムを例示した概略ブロック図。
【図7】独立型クロマトグラフィシステムの第三実施例を例示した概略ブロック図。
【図8】図7の独立側クロマトグラフィシステムを例示した概略ブロック図。
【図9】補助体積を具備する図7の独立型クロマトグラフィシステムを例示した概略ブロック図。
【図10】独立型クロマトグラフィシステムの第四実施例を例示した概略ブロック図。
【図11】図10の独立型クロマトグラフィシステムを例示した概略ブロック図。
【図12】補助体積を具備する図10の独立型クロマトグラフィシステムを例示した概略ブロック図。
【図13】独立型クロマトグラフィシステムを実現するための方法を例示した概略ブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立型クロマトグラフィシステムにおいて、
分析すべき材料サンプルとキャリアガスとを結合させる形態とされているクロマトグラフィ装置であって、前記材料サンプルと前記キャリアガスとの結合を処理して分析物流れを発生させるクロマトグラフィ装置、
前記キャリアガスを第一システム圧力において収容するキャリアガス貯蔵部であって、前記クロマトグラフィ装置の上流側に配置されているキャリアガス貯蔵部、
分析物流れ処理装置であって、第二システム圧力において前記分析物流れを受取り且つ処理するために前記クロマトグラフィ装置の下流側に配置されており前記第一システム圧力は前記分析物流れを所望の流量で前記クロマトグラフィカラムを介して流させるために前記第二システム圧力より一層大きい分析物流れ処理装置、
を有している独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項2】
請求項1において、前記分析物流れ処理装置が少なくとも1個の圧力貯蔵部を包含しており、前記圧力貯蔵部は所定の温度で処置されたメタルハイドライド物質から少なくとも部分的に構成されている独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項3】
請求項1において、前記キャリガスは前記キャリアガス貯蔵部と少なくとも1個の圧力貯蔵部との間の圧力差を介して前記キャリアガス貯蔵部へ戻される独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項4】
請求項1において、更に、前記流量を安定化させるために前記クロマトグラフィシステム内に配置されている補助的貯蔵部を有している独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項5】
請求項1において、更に、前記クロマトグラフィカラムに対して上流側及び下流側位置のうちの少なくとも1つに配置されている少なくとも1個の圧力調節装置を有している独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項6】
請求項1において、更に、前記クロマトグラフィカラムに対して上流側及び下流側位置のうちの少なくとも1つにおいて配置されている少なくとも1個のポンプ装置を有している独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項7】
請求項1において、前記分析物流れ処理装置が廃棄物容器を包含している独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項8】
請求項1において、前記分析物流れ処理が該独立型システムから分析物を追い出す独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項9】
請求項1において、前記分析物流れ処理装置が少なくとも1個の濾過装置を包含している独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項10】
請求項1において、前記分析物流れ処理装置が低い下流側圧力を維持するために連通されている酸化セルを包含している装置。
【請求項11】
請求項1において、前記分析物流れ処理装置が前記キャリアガスを再生させるための電解セルを包含している独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項12】
請求項1において、前記分析物流れ処理装置が、第一ポンプ装置を介して電解セルと連通されている酸化セルを包含しており、前記電解セルは、更に、前記電解セルと前記酸化セルとの間で酸素ガスの転送を可能とするために酸素転送管を介して前記酸化セルと連通されている独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項13】
請求項12において、前記電解セルは、更に、前記電解セルと前記キャリアガス貯蔵部との間での水素ガスの転送を可能とするために第二ポンプ装置を介して前記キャリアガス貯蔵部と連通している独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項14】
請求項12において、前記電解セルは、更に、前記キャリアガス貯蔵部と連通しており、且つ前記キャリアガスは前記キャリアガス貯蔵部と前記電解セルとの間の圧力差を介して前記キャリアガス貯蔵部へ戻される独立型クロマトグラフィシステム。
【請求項15】
独立型クロマトグラフィシステムを実現する方法において、前記独立型クロマトグラフィシステムは、クロマトグラフィカラムと、キャリアガスを収容しているキャリアガス貯蔵部と、分析物流れ処理装置とを包含しており、該キャリアガス貯蔵部は該クロマトグラフィカラムの上流側に配置されており且つ該分析物流れ処理装置は該クロマトグラフィカラムの下流側に配置されており、本方法は、
該クロマトグラフィカラムの上流側に第一システム圧力及び該クロマトグラフィカラムの下流側に第二システム圧力を発生させて前記第一システム圧力と前記第二システム圧力との間に圧力勾配を存在させて該キャリアガスをして所定の流量で該キャリアガス貯蔵部と該分析物流れ処理装置との間で流させ、
サンプル材料を該キャリアガスと結合させて結合されたサンプルを発生させ且つ前記結合されたサンプルを該クロマトグラフィカラムへ導入させて該分析物流れを発生させ、前記結合されたサンプルが前記所定の流量で該クロマトグラフィカラムを通り過ぎ、
該分析物流れを該分析物流れ処理装置内に前記所定の流量で導入させ、且つ
該分析物流れ処理装置を介して該分析物流れを処理する、
ことを包含している方法。
【請求項16】
請求項15において、更に、該クロマトグラフィカラムに対して上流側及び下流側の位置のうちの少なくとも1つにおいて前記流量を調整することを包含している方法。
【請求項17】
請求項15において、前記第一システム圧力及び前記第二圧力のうちの少なくとも1つが少なくとも1個のポンプ装置により発生される方法。
【請求項18】
請求項15において、前記処理することが、少なくとも1個の圧力貯蔵部を使用して前記第一システム圧力及び前記第二システム圧力のうちの少なくとも1つを発生させることを包含しており、前記少なくとも1つの圧力貯蔵部は所定の温度で処置されたメタルハイドライド材料を包含している方法。
【請求項19】
請求項18において、前記所定の温度が前記メタルハイドライド材料の等圧特性に応答する方法。
【請求項20】
請求項15において、前記処理することが、更に、前記分析物流れから該キャリアガスを分離させるために前記分析物流れを処理することを包含している方法。
【請求項21】
請求項15において、前記処理することが、更に、少なくとも1個の濾過装置を使用して前記分析物流れから該キャリアガスを分離させることを包含している方法。
【請求項22】
請求項15において、前記処理することが、更に、前記分析物流れを酸化セル内に導入させることを包含しており、前記分析物流れは酸化を介して燃焼を経験し水を有する酸化された生成物を発生させる方法。
【請求項23】
請求項22において、前記処理することが、更に、前記酸化された生成物から前記水を分離させ且つ前記水を電解セル内に導入させることを包含しており、前記水が電気分解を経験して水素と酸素とを発生させる方法。
【請求項24】
請求項23において、前記処理することが、更に、前記酸素を前記酸化セル内に再導入させ且つ前記水素を該キャリアガス貯蔵部内に再導入させることを包含している方法。
【請求項25】
請求項15において、前記処理することが、更に、前記分析物流れを廃棄物容器内に格納すること及び前記分析物流れを該独立型クロマトグラフィシステムから追い出すことの少なくとも1つを包含している方法。
【請求項26】
独立型クロマトグラフィシステムを実現する方法において、該独立型クロマトグラフィシステムは、キャリアガスを収容しているキャリアガス貯蔵部を包含しており、該キャリアガス貯蔵部はクロマトグラフィカラムから上流側に配置されており、本方法が、
サンプル材料を該キャリアガスと結合させて結合されたサンプルを発生させ且つ前記結合されたサンプルを該クロマトグラフィカラムへ導入させて分析物流れを発生させ、
該クロマトグラフィカラムの上流側に第一システム圧力を及び該クロマトグラフィカラムの下流側に第二システム圧力を発生させて前記第一システム圧力と前記第二システム圧力との間に圧力勾配を存在させて前記結合されたサンプルをして所定の流量で該クロマトグラフィカラムを通り抜けさせ、
前記分析物流れを処理して前記所定の流量で該独立型クロマトグラフィシステムを介して流させる、
ことを包含している方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−518652(P2009−518652A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544605(P2008−544605)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/061144
【国際公開番号】WO2007/076193
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(500017863)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】Schlumberger Holdings Limited
【Fターム(参考)】