説明

玩具パーツ積み重ね玩具及び玩具パーツ排出機構

【課題】簡単な操作で玩具パーツを積重ねて1つの形象物を組み上げる過程を楽しむことができるとともに、組み上げ工程を遊びに反映させることができる玩具パーツ積み重ね玩具及び玩具パーツ排出機構を提供すること
【解決手段】玩具本体1に少なくとも2つ設けた玩具パーツ収容部3から玩具パーツ2をそれぞれ排出し、排出した玩具パーツ2を積み重ねて一つの形象物Fを組み上げる玩具パーツ積み重ね玩具Aであって、玩具本体1には台車装置4が設けられ、この台車装置4は上記玩具パーツ2を排出するための開口部16を設けた玩具パーツ収容部3の前面を移動可能に配置し、上記玩具パーツ収容部3には上記開口部16から収容している玩具パーツ2を一つずつ上記台車装置4に排出する排出機構Bを備え、この排出機構Bは上記台車装置4が上記玩具パーツ収容部3の前面に位置しているときに操作できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具パーツ積み重ね玩具及び玩具パーツ排出機構、詳しくは玩具パーツを手で直接触れることなく積重ねて形象物を組み上げることができる玩具パーツ積み重ね玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子を模して形成されたブロック要素を組み合わせて色々な形態の物体を形成することができるブロック玩具が提案されている(例えば、特許文献1)。このブロック玩具は、各ブロック要素には嵌合凹部と嵌合凸部あるいは嵌合凸部と嵌合凹部とのいずれか一方が形成され、嵌合凸部と嵌合凹部とを嵌合させることにより物体を形成することができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平1−155498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、上述のブロック玩具は、ブロック要素を組み合わせて好みの形象物を組み上げることはできるが、ユーザーが直接ブロック要素を手で摘んで組み上げなければならず、玩具を操作して形象物を作り上げていく過程を楽しみながら形象物を作り上げることはできないものであり、組み上げ工程を楽しむ遊びをすることはできない問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、簡単な操作で玩具パーツを積重ねて1つの形象物を組み上げる過程を楽しむことができるとともに、組み上げ工程を遊びに反映させることができる玩具パーツ積み重ね玩具及び玩具パーツ排出機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係る玩具パーツ積み重ね玩具は、玩具本体に設けた玩具パーツ収容部から玩具パーツを排出し、排出した玩具パーツを積み重ねて一つの形象物を組み上げる、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記玩具本体には上記玩具パーツを収容する玩具パーツ収容部を少なくとも2つ設けたこと
(ロ)上記玩具本体には台車装置が設けられ、該台車装置は上記玩具パーツ収容部前面を移動可能に配置したこと
(ハ)上記玩具パーツ収容部の前面には上記玩具パーツを排出するための開口部を設け、上記玩具パーツ収容部は上記開口部から収容している玩具パーツを一つずつ上記台車装置に排出する排出機構を備えたこと
(ニ)上記排出機構は上記台車装置が上記玩具パーツ収容部の前面に位置しているときに操作可能であること
【0007】
なお、前記台車装置は台車と該台車を移動させる台車移動装置とで構成され、該台車は該台車移動装置に着脱自在に設けられ、上記台車移動装置には前記排出機構を外部から操作可能な駆動機構を設ければよい。
【0008】
そして、前記玩具パーツ収容部に設けた開口部には該開口部を常時閉鎖するシャッターが設けられ、該シャッターは前記台車装置が前記玩具パーツ収容部前面に位置した際には前記台車装置に設けたシャッター開放手段によって開放するようにすればよい。
【0009】
また、前記シャッター開放手段は前記台車装置に設けられた押し上げ部材で構成され、台車装置が前記玩具パーツ収容部前面に位置した時には、シャッターの一側部に設けた軸体が係合し、シャッターが押し上げられて前記開口部を開放するようにすればよい。
【0010】
なお、前記形象物が多段状ケーキであり、前記玩具パーツは多段状ケーキの各段を模したケーキパーツであることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る玩具パーツ排出機構は、玩具本体に設けた玩具パーツ収容部から玩具パーツを排出する、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記玩具本体には台車装置が設けられ、該台車装置は上記玩具パーツ収容部前面を移動可能に配置したこと
(ロ)上記玩具パーツ収容部の前面には上記玩具パーツを排出するための開口部を設け、上記玩具パーツ収容部は上記開口部から収容している玩具パーツを一つずつ上記台車装置に排出する排出機構を備えたこと
(ハ)上記排出機構は上記台車装置が上記玩具パーツ収容部の前面に位置しているときに操作可能であること
(二)上記台車装置には上記排出機構を外部から操作可能な駆動機構を設けたこと
(ホ)上記駆動機構は、操作ノブと該操作ノブの回転操作に連動して前後動するスライド部材とで構成され、該スライド部材の先端部は上記排出機構に係合する係合軸部が形成されていること
(へ)上記排出機構は、上記係合軸部の係合に連係して回動する回動部材と、この回動部材に連動して前後動する押出し装置とで構成され、該押出し装置が前動したときには上記玩具パーツ収容部に収容されている玩具パーツは上記開口部から排出されること
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、台車装置を玩具パーツ収容部の前に移動させたときに排出機構を作動させることができるので、玩具パーツ収容部内の玩具パーツは台車装置が玩具パーツ収容部の前にあるときだけ排出され、順次隣の玩具パーツ収容部に台車装置を移動させて排出機構を作動させれば玩具パーツを積重ねて形象物を組み上げることができ、ユーザーが玩具パーツを指で摘んで形象物を作り上げる従来の玩具では味わうことのできない積重ね遊びを楽しむことができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、台車を台車移動装置に着脱できるようにしたので、異なる外観の台車と自由に取り替えて楽しむことができる。しかも台車移動装置には排出機構を動かす駆動機構を設けたので、1つの駆動機構で複数の排出機構を選択的に作動させることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、玩具パーツ収容部の開口部にはシャッターを配置し、台車装置を玩具パーツ収容部の前に移動させたときにシャッターが開口部を開放するようにしたので、排出機構を作動させて玩具パーツを台車装置に取り込むとき以外は開口部がシャッターで塞がれているので、収容した玩具パーツが開口部から勝手に飛び出すトラブルを防ぐことができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、台車装置を移動させることにより押し上げ部材が軸体を介してシャッターを押し上げることができるので、台車装置に押し上げ部材を設け、シャッターの一側部には軸体を設けるだけの簡単な構造でシャッターの開閉制御を行なうことができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、玩具パーツをケーキを模したケーキパーツで構成することにより、形象物を多段状ケーキに仕上げることができ、ケーキを作る過程を楽しむことができるとともに、ケーキ屋さんがケーキを作ってお客さんにケーキを提供するお店やさん遊びを楽しむことができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、台車装置を玩具パーツ収容部の前に移動させ、操作ノブを回すと台車装置に設けた駆動機構が作動して、玩具パーツ収容部に配置された排出機構を作動させ、玩具パーツを玩具パーツ収容部から排出することができるので、1つの駆動機構で複数の排出機構を個別に作動させることができる玩具パーツ排出機構を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る玩具パーツ積み重ね玩具の斜視図
【図2】(a)(b)は上記玩具パーツ積み重ね玩具の他の状態を説明する正面側斜視図及び背面側斜視図
【図3】(a)〜(c)は台車の構成を説明する斜視図
【図4】移動装置の外観を説明する斜視図
【図5】玩具本体の内部構造を説明する要部正面図
【図6】排出機構と駆動機構の構成を説明する分解斜視図
【図7】押出し部材の構成を説明する分解斜視図
【図8】(a)〜(c)は玩具パーツ積み重ね玩具の使用態様の説明図
【図9】(a)(b)は玩具パーツ積み重ね玩具の使用態様の説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明に係る玩具パーツ積重ね玩具Aの一例を示し、この玩具パーツ積重ね玩具Aは、玩具本体1に玩具パーツ2を収容する玩具パーツ収容部3を複数配置し、台車装置4を玩具パーツ収容部3の前を移動させて玩具パーツ収容部3内の玩具パーツ2を取り込み、取り込んだ玩具パーツ2は段重ねして1つの形象物Fを構成し、この形象物Fを玩具本体1から取り出せるようにしたもので、図2(a)に示すように、蓋5を閉じればバッグ状にして持ち運びができるようにしたものであり、本実施の形態では、玩具パーツ2を円板状のケーキを模して形成したケーキパーツで構成し、玩具パーツ2を段重ねすることにより形象物Fを多段状ケーキに仕上げることができるようにしたものである。
【0020】
なお、図1の状態で、上記蓋5の上に図示しないテーブルやお客さんを模した人形玩具を並べればケーキ屋さんの客席として蓋5を活用することができる。
【0021】
玩具本体1は玩具パーツ2を収容する第1の玩具パーツ収容部3a、第2の玩具パーツ収容部3b、第3の玩具パーツ収容部3cの3つからなる玩具パーツ収容部3が横に並接して配置され、この玩具パーツ収容部(以下、収容部という)3の下部前面には上記台車装置4が移動するステージ6が設けられ、このステージ6の前面にはステージ6内に配置された台車移動装置8を動かす操作ノブ35が配置され、この操作ノブ35を左右方向に移動させて台車移動装置8を左右に移動させれば、台車移動装置8に連動してステージ6上の台車7を左右に移動させることができるようになっており、ステージ6の右端にはエレベータ10が配置されている。このエレベータ10はレバー11を上下させることにより床材12がレバー11と一体で上下動するもので、最上部の前面には窓13がステージ6側には取り込み口14が形成され、最下部の前面には取り出し口15が形成されている。
【0022】
なお、図2(b)に示すように、玩具本体1の背面に開閉可能に設けた裏蓋9を開けると、玩具パーツ(以下、ケーキパーツという)2を収容する収容部3が開放されるので、裏側からケーキパーツ2を収容部3内に供給することができる。
【0023】
上記収容部3は、前面に開口部16(16a、16b、16c)が形成され、この開口部16は、透明なシャッター33で塞がれ、収容したケーキパーツ2が開口部16から飛び出さないようにしている。このシャッター33は上記台車7が開口部16の前面に移動してくると、後述する台車移動装置8に設けた押し上げ部材26に押し上げられて開口部16を開放できるようになっている。
【0024】
なお、この収容部3に配置されたケーキパーツ2は種類の異なる複数(例えば、3種類)のケーキパーツ2a、2b、2cで構成され、大きなケーキパーツ2aが左端の収容部3aに収容され、小さなケーキパーツ2cは右端の収容部3cに収容され、開口部16は収容部3a、3b、3cに対応して、開口部16a、開口部16b、開口部16cの順番にケーキパーツ2の厚さよりも高い位置に配置され、開口部16から押し出された前段のケーキパーツ2の上に後段のケーキパーツ2を載せることができるようになっている。
【0025】
台車装置4は、台車7と台車移動装置8とで構成され、台車7は、図3(a)に示すように、方形の箱状に形成された本体20の後端にはケーキ職人を模して形成されコック帽をかぶった動物玩具21(図1参照)を取り付ける取付板22が形成され、底面には車輪を模した脚部23が突出して形成されるとともに、移動装置8の上面に突出して形成された係合板25(図4参照)に係合する係合穴24が形成されている。この係合穴24は、ステージ6の内部に配置された移動装置8に設けた係合板25はステージ6上に突出するようになっているので、この係合板25を台車7の係合穴24に係合させることにより移動装置8を移動させると台車7はステージ上を移動させることができる。
【0026】
しかも、ステージ6上の台車7とステージ6内の台車移動装置8とは係合板25を介して連係しているだけなので、他の台車と自由に入れ替えることができ、異なる形状や異なる動物玩具21が取り付けられた台車を楽しむことができる。
【0027】
そして、台車7の上面には、図3(b)に示すように、トレイ26を載置する載置板27が配置されている。この載置板27は前部の軸支部28が台車7に形成された支持部30に軸支されて上下に回動可能に配置されるとともに前部には下方に曲折して係合板31が形成され、この係合板31がステージ6の後端部に形成された凸軸17に当接し、後方に押圧されると載置板27は支持部30を中心に後部が上方に回動し、載置板27上に載せたトレイ26が載置板27から台車7の前方に向かって滑り落ちるようになっている。
【0028】
トレイ26は載置したケーキパーツ2がズリ落ちないように周縁が上方に膨出し、裏面には下方に突出して4つの凸部29が形成され、トレイ26を台車7に載せると、載置板27の両側部に凸部29が係合することにより、図3(c)に示すように、載置板27上に安定した状態で載置されることになる。
【0029】
台車移動装置8は、ステージ6の内部に配置され、ステージ6の前面に突出した操作ノブ35を左右に動かすことにより、ステージ6内を左右に移動させることができるようになっており、上方に突出した係合板25は上述した台車7の係合穴24に係合して台車7をステージ6上を台車移動装置8と一体で移動させるようになっている(図4参照)。この台車移動装置8の内部には、後述する排出機構Bを駆動する駆動機構Cが配置されている。
なお、符号32はシャッター開放手段を示し、このシャッター開放手段32は山形状に形成された押し上げ部材で構成され、この押し上げ部材32の斜面32aがシャッター33の一側部(右側)に設けた軸体34の下端に係合し、台車移動装置8の移動とともにこれを上方に押し上げて収容部3の開口部16を開放するためのものである。
【0030】
次に、ケーキパーツ2を排出する排出機構Bについて説明する。この排出機構Bは、、図5に示すように、収容部3の下方にそれぞれ配置されている。この排出機構Bは、図6に示すように、扇歯車45と、扇歯車45に噛み合う駆動歯車46と、駆動歯車46と軸47を介して一体で回動する回動部材(以下、アーム部材という)48と、アーム部材48の回動に連動して前後にスライド移動する押出し装置50とで構成されている。
【0031】
扇歯車45には後述するスライド部材39の係合軸部41の先端に係合する係合部45aが形成され、アーム部材48の先端には押出し装置50の底面に形成された横長の係合枠部54に係合する係合軸48aが上方に突出して形成されている。なお、符号49はアーム部材48を復帰回動させるためのスプリングを示し、スライド部材39による扇歯車45への押圧が解除されると、スプリング49の収縮力で後方に復帰回動するようになっている。
【0032】
押出し装置50は、図7に示すように、下フレーム51と上フレーム52と押出部材53とで構成されたもので、下フレーム51の下面には長手方向に長方形の筒状に膨出してアーム部材48の係合軸48aが係合する係合枠部54が形成され、上面には押出部材53の支軸55を軸支する軸受部56が形成され、一方の軸受部56は上フレーム51を支える支持ブロック57に形成されている。この支持ブロック57には前後に貫通して貫通孔58が形成され、この貫通孔58に挿通したシャフト59に支持されてアーム部材48の回動で前後にスライドさせられるようになっている。
【0033】
押出部材53は両側部には支軸55が形成され、上部には係合板60が上方に突出して形成されている。
【0034】
上フレーム52は中央に上記係合板59をガイドするガイド穴61が形成され、底面には嵌合突部62と底面にネジ孔63を設けた支柱64とが形成され、下フレーム51の支持ブロック57の上面に形成された嵌合凹部65に嵌合突部62を嵌合し、ネジ66を下フレーム51の下からネジ孔63にねじ込むことにより、押出部材53の支軸54が軸受部56で軸支された状態で押し出し装置45が構成される。
【0035】
なお、ガイド穴61は上フレーム52の前面に開口しているので、押出部材53は前方に回動できるが後方にはガイド穴61の後部に係合板60が当って回動が阻止されるようになっている。このことは、押出し装置50が前方に移動するときは係合板60が起立した状態でケーキパーツ2に係合して前に押し出すことができ、押出し装置50が後方に移動する(復帰移動)するときは、係合板60はケーキパーツ2の底に当って前に倒れ、ケーキパーツ2の底面を擦りながら押出し装置がスムースに復帰できるようにしている。
【0036】
一方、排出機構Bを駆動する駆動機構Cは、図6に示すように、操作ノブ35と同軸上のクラウン歯車36と、このクラウン歯車36に噛み合う歯車37と、この歯車37と一体の駆動歯車38と、スライド部材39とで構成され、このスライド部材39は台車移動装置8内を前後にスライド移動できるように配置され、左側の側縁には駆動歯車38に噛み合うラックギヤ40が形成され、後端には後方に突出して係合軸部41が形成されている。
【0037】
操作ノブ35を時計方向に回すと、クラウン歯車36、歯車37、駆動歯車38、ラックギヤ40を介してスライド部材39は後方にスライド移動し、スライド部材39が後方にスライドすると係合軸部41の先端は、台車移動装置8から後方に突出し、排出機構Bの扇歯車45に形成された係合部45aに係合し、これを後方に押圧して扇歯車45を回動させることができるようになっている。
【0038】
なお、符号42はスライド部材39を前方に引き戻すためのスプリングを示し、操作ノブ35から手を離すと、スライド部材39はスプリング42に付勢されて復帰移動し、扇歯車45の係合部45aの押圧を解除するようになっている。
【0039】
次に、上記構成の玩具パーツ積重ね玩具Aの使用態様について説明する。
【0040】
先ず、図2(b)に示すように、玩具本体1の背面側に設けた裏蓋9を開けて収容部3内に、ケーキパーツ2を収容する。次に、トレイ26を台車7に載せて、操作ノブ35を摘んで台車7に付与されたマークm1が第1の収容部3aの前のステージ6に付与されたマークm2に対応する位置まで台車7を移動する。この時点ではシャッター33は押し上げ部材32によって押し上げられて開口部16aは開放され、開口部16aからケーキパーツ2aが排出可能な状態になる。
【0041】
次に、図8(a)に示すように、操作ノブ35を時計方向に回動すると、スライド部材39が後方にスライドし、扇歯車45を時計方向に回動させ、駆動歯車46が反時計方向に回動して、アーム部材48が手前に回動するので、係合軸48aが係合枠部54に係合しているので押出し装置50がシャフト59にガイドされて前方にスライド移動する。押出し装置50移動すると押し出し部材53の係合板60がケーキパーツ2を前方に押出すので、ケーキパーツ2は開口部16aからトレイ26上に押出される。
【0042】
操作ノブ35から指を離すとスライド部材39はスプリング42の収縮力で復帰移動し、アーム部材48もスプリング49の収縮力で復帰回動して押出し装置50は後方に復帰移動することになる。このとき収容部3内の上段のケーキパーツ2が直上に下りてきているので、係合板60はケーキパーツ2が邪魔になるが、上フレーム52のガイド穴61は前面が開口しているので押出し部材53は前方に回動して係合板60の先端はケーキパーツ2の底面を擦りながら初期の位置に戻ることができる。
【0043】
再び、操作ノブ35を摘んで、図8(b)に示すように、台車7のマークm1が第2の収容部3bの前のステージ6に付与されたマークm3に対応する位置まで台車7を移動させ、操作ノブ35を回せば第2の収容部3bに配置された排出機構Bが作動し、ケーキパーツ2bをトレイ26上のケーキパーツ2aの上に排出する。同様に、台車7を第3の収容部3cの前に移動させ操作ノブ35を回せば第3の収容部3cに配置された排出機構Bが作動し、ケーキパーツ2cをトレイ26上のケーキパーツ2bの上に排出し、3段重ねの形象物Fであるケーキができあがる(図8(c)参照)。
【0044】
ケーキパーツ2を3段重ねにしてでき上がった形象物(以下、ケーキという)Fが載った状態で操作ノブ35を摘んで台車7を右に少し移動させると、ステージ6の終端部に設けた凸軸17に台車7の上に配置された載置板27の係合板31が係合し後方に押されるので、載置板27は支持部30を支点として上方に回動し、載置板27上のトレイ26はケーキFを載せた状態でエレベータ10側に滑り落ちて取り込み口14からエレベータ10の床材12上に移動する(図9(a)参照)。ケーキFが載ったトレイ26が床材12上に移動したことを窓13で確認したら、レバー11を押し下げると床材12は下降して取り出し口15の前に移送される(図9(b)参照)。
【0045】
取り出し口15からケーキFが載っているトレイ26を引き出せば、ケーキが厨房で作成され作成されたケーキをお客様に提供することができるケーキのお店やさん遊びをすることができる。
【0046】
なお、本発明では、玩具パーツをケーキパーツで構成し、ケーキパーツを積重ねることにより多段状ケーキができあがるようにしたが、玩具パーツを自動車の車台や、ボディで構成し、でき上がった形象物が自動車玩具になるようにし、玩具本体の装丁を自動車工場の組立てラインのように設定して、女児だけではなく男児も楽しむことができる玩具パーツ積重ね玩具を提供することもでき、組み立てる対象によって様々な玩具パーツ積重ね玩具を実現することが可能になる。
【符号の説明】
【0047】
1 玩具本体
2 玩具パーツ(ケーキパーツ)
3 玩具パーツ収容部(収容部)
4 台車装置
7 台車
8 台車移動装置
16 開口部
32 シャッター開放手段(押し上げ部材)
33 シャッター
A 玩具パーツ積重ね玩具
B 排出機構
C 駆動機構
F 形象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具本体に設けた玩具パーツ収容部から玩具パーツを排出し、排出した玩具パーツを積み重ねて一つの形象物を組み上げる、以下の要件を備えることを特徴とする玩具パーツ積み重ね玩具。
(イ)上記玩具本体には上記玩具パーツを収容する玩具パーツ収容部を少なくとも2つ設けたこと
(ロ)上記玩具本体には台車装置が設けられ、該台車装置は上記玩具パーツ収容部前面を移動可能に配置したこと
(ハ)上記玩具パーツ収容部の前面には上記玩具パーツを排出するための開口部を設け、上記玩具パーツ収容部は上記開口部から収容している玩具パーツを一つずつ上記台車装置に排出する排出機構を備えたこと
(ニ)上記排出機構は上記台車装置が上記玩具パーツ収容部の前面に位置しているときに操作可能であること
【請求項2】
前記台車装置は台車と該台車を移動させる台車移動装置とで構成され、該台車は該台車移動装置に着脱自在に設けられ、上記台車移動装置には前記排出機構を外部から操作可能な駆動機構を設けた、請求項1記載の玩具パーツ積み重ね玩具。
【請求項3】
前記玩具パーツ収容部に設けた開口部には該開口部を常時閉鎖するシャッターが設けられ、該シャッターは前記台車装置が前記玩具パーツ収容部前面に位置した際には前記台車装置に設けたシャッター開放手段によって開放する、請求項1又は2記載の玩具パーツ積み重ね玩具。
【請求項4】
前記シャッター開放手段は前記台車装置に設けられた押し上げ部材で構成され、台車装置が前記玩具パーツ収容部前面に位置した時には、シャッターの一側部に設けた軸体が係合し、シャッターが押し上げられて前記開口部を開放する、請求項3記載の玩具パーツ積み重ね玩具。
【請求項5】
前記形象物が多段状ケーキであり、前記玩具パーツは多段状ケーキの各段を模したケーキパーツである、請求項1記載の玩具パーツ積み重ね玩具。
【請求項6】
玩具本体に設けた玩具パーツ収容部から玩具パーツを排出する、以下の要件を備えることを特徴とする玩具パーツ排出機構。
(イ)上記玩具本体には台車装置が設けられ、該台車装置は上記玩具パーツ収容部前面を移動可能に配置したこと
(ロ)上記玩具パーツ収容部の前面には上記玩具パーツを排出するための開口部を設け、上記玩具パーツ収容部は上記開口部から収容している玩具パーツを一つずつ上記台車装置に排出する排出機構を備えたこと
(ハ)上記排出機構は上記台車装置が上記玩具パーツ収容部の前面に位置しているときに操作可能であること
(二)上記台車装置には上記排出機構を外部から操作可能な駆動機構を設けたこと
(ホ)上記駆動機構は、操作ノブと該操作ノブの回転操作に連動して前後動するスライド部材とで構成され、該スライド部材の先端部は上記排出機構に係合する係合軸部が形成されていること
(へ)上記排出機構は、上記係合軸部の係合に連係して回動する回動部材と、この回動部材に連動して前後動する押出し装置とで構成され、該押出し装置が前動したときには上記玩具パーツ収容部に収容されている玩具パーツは上記開口部から排出されること

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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