現像剤搬送装置および画像形成装置
【課題】開閉部材の閉塞不良を低減すること。
【解決手段】容器(K)が着脱される方向に対して交差する方向に移動して流出口(51a)を開閉する開閉部材(67)を有する容器(K)と、容器(K)が装着される方向に沿って延び且つ開閉部材(67)に支持された被接触部(69)が通過可能な通過部(13)と、容器(K)が装着される方向の下流側に行くに連れて流出口(51a)を開放する位置側に傾斜して被接触部(69)に接触して開閉部材(67)を移動させる傾斜部(14)と、を有する案内部(13〜16)と、通過部(13)に設けられて通過する被接触部(69)に接触して流出口(51a)を閉塞する位置に開閉部材(67)を移動させる接触部(13b)と、を備えた現像剤搬送装置(RT+KS+K)。
【解決手段】容器(K)が着脱される方向に対して交差する方向に移動して流出口(51a)を開閉する開閉部材(67)を有する容器(K)と、容器(K)が装着される方向に沿って延び且つ開閉部材(67)に支持された被接触部(69)が通過可能な通過部(13)と、容器(K)が装着される方向の下流側に行くに連れて流出口(51a)を開放する位置側に傾斜して被接触部(69)に接触して開閉部材(67)を移動させる傾斜部(14)と、を有する案内部(13〜16)と、通過部(13)に設けられて通過する被接触部(69)に接触して流出口(51a)を閉塞する位置に開閉部材(67)を移動させる接触部(13b)と、を備えた現像剤搬送装置(RT+KS+K)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置では、画像形成動作に伴って消費される現像剤を補給するための補給現像剤の収容容器や、画像形成動作時に排出される現像剤が回収される回収現像剤の収容容器等が、着脱、交換可能な構成が広く採用されている。現像剤の収容容器を有する画像形成装置に関し、以下の特許文献1記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2005−134452号公報には、トナーカートリッジ(Ky〜Kk)が着脱される際に、弾性アーム(86)がカートリッジシャッタ(111)を保持、保持解除することで、トナーカートリッジ(Ky〜Kk)を着脱する際の移動に連動して、カートリッジシャッタ(111)が開閉される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−134452号公報(「0087」〜「0101」、図19〜図23)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、開閉部材の閉塞不良を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の現像剤搬送装置は、
内部を現像剤が搬送される搬送部と、前記搬送部に設けられて現像剤が流入可能な流入口と、を有する搬送装置の本体と、
内部に現像剤が収容される収容部と、前記流入口に接続されて前記収容部からの現像剤を流出させる流出口と、前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動可能な開閉部材と、を有し、前記搬送装置の本体に対して着脱可能に支持された現像剤を収容する容器と、
前記現像剤を収容する容器が前記搬送装置の本体に対して着脱される方向に対して交差する方向に、前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間の移動方向が設定された前記開閉部材と、
前記開閉部材に支持された被接触部と、
前記搬送装置の本体に設けられた案内部であって、前記現像剤を収容する容器が装着される方向に沿って延び且つ前記被接触部が通過可能な通過部と、前記容器が装着される方向に対して前記通過部の下流端に接続され且つ前記容器が装着される方向の下流側に行くに連れて前記流出口を開放する位置側に傾斜する形状に形成され前記被接触部に接触して前記開閉部材を前記移動方向に移動させる傾斜部と、を有する前記案内部と、
前記通過部に設けられ且つ前記流出口を閉塞する位置側に延び、前記被接触部が通過する場合に前記被接触部に接触して前記流出口を閉塞する位置に向けて前記開閉部材を移動させる接触部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像剤搬送装置において、
前記接触部に隣接して配置され且つ前記被接触部の外端部を収容可能な外端の収容部、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像剤搬送装置において、
前記収容部の円弧状の外表面に沿って前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動する前記開閉部材と、
前記開閉部材が移動する円弧の径方向に延びる前記被接触部と、
前記被接触部の径方向に延びる被接触面に接触する接触面を有する前記接触部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤搬送装置において、
前記搬送装置の本体に設けられ、且つ、前記被接触部が前記接触部に接触する時期に応じて前記搬送装置の本体から取り外される前記現像剤を収容する容器に接触して、前記現像剤を収容する容器の前記搬送装置の本体に対するガタつきを規制する規制部、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像剤搬送装置において、
前記開閉部材に設けられた被停止部と、
前記容器に設けられ且つ前記流出口を閉塞する位置に移動した前記開閉部材の前記被停止部に対応する位置に配置され、前記被停止部に接触して前記開閉部材の前記流出口を開放する位置への移動を停止させる停止部と、
前記被停止部と前記停止部とが接触、離間する方向に移動可能に支持された前記開閉部材と、
前記被停止部と前記停止部とが接触する方向に前記開閉部材を付勢する付勢部と、
前記容器が前記搬送装置の本体に装着される場合に、前記被接触部に接触して前記開閉部材を前記被停止部と前記停止部とが離間する方向に移動させて、前記被停止部と前記停止部とを離間させる前記傾斜部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤搬送装置において、
前記流出口に支持されて前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動可能な第1の開閉部材と、前記第1の開閉部材の外方に支持され且つ前記第1の開閉部材の外側を開放する位置と前記第1の開閉部材の外側を閉塞する位置との間で移動可能な第2の開閉部材を有する前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着する定着装置と、
前記現像装置に現像剤を搬送する請求項1ないし6のいずれかに記載の現像剤搬送装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、7に記載の発明によれば、接触部を有しない構成に比べて、開閉部材の閉塞不良を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、外端の収容部を有しない場合に比べて、被接触部の外端部の摩耗や摩耗時の騒音を低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、接触部に接触面を有しない場合に比べて、開閉部材を効率的に移動させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、規制部を有しない場合に比べて、開閉部材を確実に閉塞位置に移動させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、停止部と被停止部を有しない場合に比べて、開閉部材が誤って開放位置に移動することを低減できる。
請求項6に記載の発明によれば、第1の開閉部材と第2の開閉部材とを有しない場合に比べて、現像剤の漏出を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明の実施例1の現像剤搬送装置を備えた画像形成装置の説明図である。
【図2】図2は実施例1のリザーブタンクの説明図である。
【図3】図3は実施例1のカートリッジのホルダにトナーカートリッジが装着された状態の斜視図である。
【図4】図4はカートリッジのホルダの説明図であり、図4Aは図3においてトナーカートリッジが取り外された状態の説明図、図4Bは本体シャッタが閉塞位置に移動した状態の要部説明図、図4Cは本体シャッタが開放位置に移動した状態の要部説明図である。
【図5】図5は図4Aの矢印V方向から見た図である。
【図6】図6は実施例1のトナーカートリッジが接触部を移動させる場合の要部断面図である。
【図7】図7は実施例1のカートリッジのシャッタの説明図であり、図7Aは外側のシャッタが外側を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図7Bは外側のシャッタが外側を開放する位置に移動し且つ内側のシャッタが流出口を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図7Cは外側のシャッタおよび内側のシャッタが流出口を開放する位置に移動した状態の説明図である。
【図8】図8は実施例1のシャッタの支持部の断面図であり、図8Aは図7AのVIIIA−VIIIA線断面図、図8Bは図7BのVIIIB−VIIIB線断面図である。
【図9】図9は実施例1の開閉部材の要部説明図であり、図9Aは開閉部材が停止した位置に移動した状態の説明図、図9Bは開閉部材が停止した状態を解除する位置に移動した状態の説明図、図9Cは図9Bに示す状態から開閉部材が外側を開放する位置に向けて移動を開始した状態の説明図である。
【図10】図10は実施例1のカートリッジを後斜め下方から見た状態の説明図である。
【図11】図11は実施例1のカートリッジが装着される場合における本体側のシャッタ、補給口およびシャッタをロックする部材、カートリッジの内側のシャッタ、シャッタの支持部材、カートリッジ側の連動部材の説明図であり、図11Aはカートリッジが本体に対して離れている場合の説明図、図11Bは図11Aに示す状態からカートリッジが挿入されてカートリッジの内側のシャッタがロック用のアームに接触した状態の説明図である。
【図12】図12は図11の続きの説明図であり、図12Aは図11Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の連動部材が本体側の連動部材に接触した状態の説明図、図12Bは図12Aに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の連動部材が本体側の連動部材の内部に収容された状態の説明図である。
【図13】図13は図12の続きの説明図であり、図13Aは図12Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジの挿入が完了した状態の説明図、図13Bは図13Aに示す状態からカートリッジが引き出されて本体キーの変形が記載されている状態の説明図である。
【図14】図14は図13の続きの説明図であり、図13Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されてロックの解除部がロック用のアームに接触した状態の説明図である。
【図15】図15は実施例1の作用説明図であり、図15Aは外側の開閉用の突起が螺旋状のガイド溝から突起の通過部に差し掛かった場合の説明図、図15Bは図15Aに示す状態からカートリッジが引き出されてストッパがガタを規制する凸部に接触した場合の説明図、図15Cは図15Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されて外側の開閉用の突起が押込部に接触した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の実施例1の現像剤搬送装置を備えた画像形成装置の説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、画像形成装置の本体の一例としての複写機本体U1を有する。複写機本体U1は、上面に透明な原稿台の一例であるプラテンガラスPGを有し、前記プラテンガラスPGの上には、追加装置の一例としての原稿搬送装置U2が着脱可能に支持されている。
前記原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿収容部の一例としての原稿トレイTG1を有している。前記原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して、原稿排紙部の一例である原稿排紙トレイTG2に排出される。
【0017】
前記複写機本体U1は、操作者が入力を行う入力部U0と、前記プラテンガラスPGを上面に有する画像読取部の一例としてのスキャナ部U1aと、画像記録部の一例としてのプリンタ部U1bを有する。実施例1のスキャナ部U1aには、画像処理部GSが設けられている。
原稿読取装置の一例としてのスキャナ部U1aは、原稿読取り位置に配置された露光系の位置検出部材の一例としての露光レジセンサSp、および露光光学系Aを有している。
【0018】
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光レジセンサSpの検出信号により制御され、常時は画像読取り位置の一例としてのホーム位置、すなわち、初期位置に停止している。
前記原稿搬送装置U2を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う自動読取動作の場合は、前記露光光学系Aはホーム位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置F1を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う手動読取動作の場合、露光光学系Aは移動しながらプラテンガラスPG上の原稿を露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通って撮像部材の一例としての固体撮像素子CCD上に収束される。前記固体撮像素子CCDは、その撮像面上に収束された原稿反射光を電気信号に変換する。
【0019】
画像処理部GSは、スキャナ部U1aのCCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換してプリンタ部U1bの像書込回路DLに出力する。
前記像書込回路DLは、入力された画像書込信号に応じた潜像形成用の駆動信号を潜像形成装置の一例としての露光装置ROSに出力する。
【0020】
前記露光装置ROSの下方に配置された像保持体の一例としての感光体ドラムPRは、矢印Ya方向に回転する。前記感光体ドラムPRの表面は、帯電領域Q0において帯電器の一例としての帯電ロールCRによりに帯電された後、潜像書込位置Q1において前記露光装置ROSから出力される潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体ドラムPRの表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域Q3を順次通過する。
【0021】
前記現像領域Q2において感光体ドラムPRに対向する現像装置Gは、現像剤保持体の一例としての現像ロールR0により現像剤を現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する静電潜像を可視像の一例としてのトナー像に現像する。
前記現像装置Gの左方には、現像装置Gで消費される現像剤を補給するための現像剤が収容される容器の一例としてのカートリッジKが配置されており、カートリッジKは、容器の装着部材の一例としてのカートリッジのホルダKSに着脱可能に装着される。前記カートリッジKの内部の現像剤は、一時的な貯留部の一例としてのリザーブタンクRTで攪拌されながら搬送され、リザーブタンクRTに連結された搬送系GHにより現像装置Gに搬送される。
【0022】
複写機本体U1の下部には、媒体の収容部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が着脱可能に支持されている。前記給紙トレイTR1〜TR4には、媒体の一例としての記録シートSが収容されている。
前記各トレイTR1〜TR4のシートSは、予め設定された給紙時期に取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出されて、分離部材の一例としてのさばきロールRsで1枚づつ分離されて、媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより送出部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0023】
また、前記カートリッジホルダKSおよびリザーブタンクRTの左方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTRtが設置されており、手差しトレイTRtから給紙されたシートSも、レジロールRrに搬送される。実施例1の手差しトレイTRtは、回転中心TRt0を中心として回転可能に支持されており、図1の実線で示すように手差しトレイTRtが画像形成装置U内部に収容された状態では、手差しトレイTRtの回転中心TRt0側の一部TRt1が、カートリッジホルダKSの下方且つリザーブタンクRTの左方の空間に進入した状態で収容され、複写機U全体が省容量で小型化された状態で手差しトレイTRtが収容される。
【0024】
前記レジロールRrに搬送されたシートSは、感光体ドラムPRの表面のトナー像が転写領域Q3に移動する時期に合わせて、転写前の案内部材の一例としての転写前シートガイドSG1から転写領域Q3に向けて搬送される。
前記転写領域Q3には、前記感光体ドラムPRに対向して、転写装置の一例であって、転写搬送装置の一例としての転写ユニットTUが配置されている。前記転写ユニットTUは、媒体搬送部材の一例として、転写領域Q3に搬送された記録シートSを表面に支持して搬送する転写搬送ベルトTBを有する。前記転写搬送ベルトTBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRdおよび従動部材の一例としての従動ロールRfを有する媒体搬送部材の支持系の一例としてのベルト支持ロールRd+Rfにより回転可能に支持されている。前記転写搬送ベルトTBを挟んで前記感光体ドラムPRに対向する位置には、転写器の一例としての転写ロールTRが配置されている。
【0025】
転写ロールTRには、制御部の一例としてのコントローラCにより制御される電源回路Eから転写電圧が印加され、感光体ドラムPR表面のトナー像Tnが、転写領域Q3を通過する記録シートSに転写される。
転写後、感光体ドラムPR表面は、像保持体の清掃器の一例としての感光体クリーナCLpにより残留トナーが除去され、前記帯電ロールCRにより再帯電される。
【0026】
転写搬送ベルトTBを挟んで駆動ロールRdに対向する位置には、媒体剥離部材の一例としての剥離爪SCが配置されており、転写領域Q3において転写ロールTRによりトナー像が転写された前記シートSは、転写領域Q3の下流側の剥離爪SCにより転写搬送ベルトTB表面から剥離される。
前記剥離爪SCの転写搬送ベルトTBの回転方向下流側には、媒体搬送部材の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されており、記録シートS剥離後の転写搬送ベルトTBの表面に付着した現像剤や紙粉等の付着物を除去する。
【0027】
剥離されたシートSは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpを有する定着装置Fにより、トナー像が加熱定着される。トナー像が定着された記録シートSは、弾性材料製の切換部材の一例としての第1のゲートMGを弾性変形させながら通過して、媒体排出路の一例としてのシート排出路SH2の正逆回転可能な搬送ロールRbに搬送される。
排紙トレイTRhに排出されるシートSは正逆回転可能な搬送ロールRbおよび複数の搬送ロールRaが配置されたシート排出路SH2を搬送される。シート排出路SH2の下流端部には切換部材の一例としての第2のゲートGT1が配置されている。第2のゲートGT1は、複写機Uに図示しない後処理装置が接続されている場合には、搬送されてきたシートSを媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhまたは図示しない後処理装置のいずれかに排出するように切替える。なお、後処理装置が装着されていない状態では、切替ゲートGT1は、シート排出路SH2の下流端部に搬送されたシートSを、排紙トレイTRhに排出する。
【0028】
両面印刷が行われる場合、片面記録済シートが正逆回転可能な搬送ロールRbに搬送されると、片面記録済シートSの後端が搬送ロールRbを通過する前に逆回転を開始する。したがって、片面記録済シートSは、シート排出路SH2側に戻され、いわゆるスイッチバックされる。前記第1のゲートMGは、前記搬送ロールRbによりスイッチバックして来たシートSを、循環路の一例としての循環搬送路SH3に向かわせる。循環搬送路SH3に搬送された片面記録済シートSは、表裏反転した状態で前記転写領域Q3に再送される。前記転写領域Q3に再送された片面記録済シートSは、2面目にトナー像が転写される。
なお、前記符号SH1〜SH3,Rp,Rs,Rr,Ra,Rb,MG等で示す構成要素により、実施例1の媒体搬送装置SHが構成される。
【0029】
(現像剤搬送装置の説明)
図2は実施例1のリザーブタンクの説明図である。
図2において、実施例1のリザーブタンクRTは、搬送部の一例として、前後方向に延びて内部に現像剤が収容されるタンクの本体1を有する。前記タンクの本体1の内部には、搬送部材の一例として、前後方向に延びる補給用のオーガ2が回転可能に支持されている。前記補給用のオーガ2は、後端に支持された回転の伝達部材の一例としてのギア3を有し、ギア3に図示しない駆動源から回転が伝達されることで、タンクの本体1内の現像剤を後方から前方に搬送する。前記タンクの本体1の後端部の側壁には、検知部材の一例として、タンク本体1に流入する現像剤を検知することでカートリッジKが空になったか否かを判別するためのセンサ4が支持されている。
また、タンクの本体1の前端には、補給用のオーガ2で前端まで搬送された現像剤を現像装置Gに搬送する搬送系GHが支持されている。なお、前記搬送系GHは、例えば、特開2008−129357号公報等に記載されており、従来公知であり、種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0030】
図3は実施例1のカートリッジのホルダにトナーカートリッジが装着された状態の斜視図である。
図4はカートリッジのホルダの説明図であり、図4Aは図3においてトナーカートリッジが取り外された状態の説明図、図4Bは本体シャッタが閉塞位置に移動した状態の要部説明図、図4Cは本体シャッタが開放位置に移動した状態の要部説明図である。
図1、図3、図4において、リザーブタンクRTの上方に支持されたカートリッジのホルダKSは、容器支持本体の一例として、前後方向に延びるホルダの本体11を有する。前記ホルダの本体11の内周面は略半円筒状に形成されており、底部には、開閉通過部の一例として、下方に凹み且つ前後方向に延びるシャッタの通過部12が形成されている。
【0031】
図4において、前記シャッタの通過部12の左上方には、接触部の第1の通過部の一例として、カートリッジKの着脱方向である前後方向に延びる段差状の突起の通過部13が形成されている。突起の通過部13の後方には、傾斜部の一例であって、接触部の案内部の一例として、ホルダの本体11の前後方向の中央部から、内周面に沿って左上方向且つ後方に向かう螺旋状の凹部により構成された螺旋状のガイド溝14が形成されている。前記螺旋状のガイド溝14の上端には、第2の通過部の一例として、後方に延びる凹部により構成された後側のガイド溝16が連続して形成されている。
図4において、前記シャッタの通過部12の後部には、ガタの規制部の一例として、後方に行くに連れて上方に傾斜してガタを詰めるための複数のリブ17が形成されている。
【0032】
図5は図4Aの矢印V方向から見た図である。
図6は実施例1のトナーカートリッジが接触部を移動させる場合の要部断面図である。
図4、図5において、前記突起の通過部13の後部には、接触部の一例として、突起の通過部13の側壁13aから右方に突出する庇状の押込部13bが形成されている。図6において、前記押込部13bの右下部には、円筒状のカートリッジKの径方向に沿って延びる接触面13dを有する。図4、図6において、前記側壁13aには、外端の収容部の一例として、前記押込部13bの下方に隣接して、側壁13aを左右方向に貫通する貫通口13cが形成されている。 図5、図6において、前記ホルダ本体11に右側部11aには、ガタの規制部の一例として、前後方向に沿って押込部13bに対応する位置に左方に延びるガタを規制する凸部11bが形成されている。
前記突起の通過部13、螺旋状のガイド溝14、後側のガイド溝16により、案内部の一例としての実施例1の開閉部材の移動機構13〜16が構成されている。
【0033】
(流入口のシャッタのホルダの説明)
前記リブ17の後方には、流入口側の開閉部材を支持する支持部材の一例としての流入口のシャッタのホルダ21が支持されている。前記流入口のシャッタのホルダ21は、下端に配置された底部22を有し、底部22の中央には、ホルダの本体11を上下方向に貫通する流入口23が形成されている。図2において、前記流入口23は、前記リザーブタンクRTの後端部の空を検知するセンサ4に対応する位置の上方に開口している。
流入口のシャッタのホルダ21の左右両端には、本体側の開閉部材の案内部の一例として、前後方向に延びる本体側のシャッタのガイド24が一体的に形成されている。実施例1の本体側のシャッタのガイド24は、底部22の左右両端から上方に延びる左右一対の縦壁26と、縦壁26の上端から内側に延びる上壁27とを有する。
【0034】
前記上壁27の左右方向の内側面には、前端部に、変形を許可する部位の一例として、左右方向の外側に凹んだ形状に形成された凹部28が形成されている。また、凹部28の後側の上壁27の内側面には、変形を規制する部位の一例としての後方に延びる幅の狭い狭部29と、案内部の一例としての狭部29の後端に接続され且つ後方に行くに連れて左右方向外側に傾斜する傾斜部31と、第2の変形を許容する部位の一例として、傾斜面31の後端に接続され且つ後方に延びる幅の広い広部32とが形成されている。
【0035】
また、前記流入口のシャッタのホルダ21は、規制部材の本体の一例として、上壁27から前方に延びる左右一対のロック用のアーム33が一体的に形成されている。各ロック用のアーム33の前端には、接触部の一例として、左右方向内側に突出するロック用の爪34が形成されている。前記ロック用の爪34は、装着時の案内部の一例として、後方に行くに連れて左右方向の内側に傾斜する前端面34aと、前端面34aの内端から左右方向に延びる後端面34bとを有する。
図4において、底部22の上面には、漏出を防止する部材の一例として、板状の本体側のシール36が支持されている。実施例1の本体側のシール36は、弾性材料の一例としてのスポンジにより構成されている。本体側のシール36には、前記流入口23に対応して形成された開口36aが形成されている。
【0036】
(本体シャッタの説明)
図4において、前記本体側のシール36の上面には、流入口の開閉部材の一例としての本体側のシャッタ37が支持されている。図4、図5において、実施例1の本体側のシャッタ37は、開閉部材の本体の一例として、板状のシャッタの本体38を有し、本体側のシール36に下面が接触して現像剤の漏出が低減されている。
シャッタの本体38は、本体側のシャッタのガイド24により前後方向に移動可能に支持されている。したがって、シャッタの本体38は、図4Bに示すように前側に移動して流入口23を閉塞する位置と、図4Cに示すように後側に移動して流入口23が開放される位置と、の間で移動可能になっている。
【0037】
図4、図5において、シャッタの本体38の上面には、本体側の連動部材39が支持されている。本体側の連動部材39は、全体が略U字形状に形成されており、左右方向の中央部である後端部39aでシャッタの本体38に支持されている。本体側の連動部材39は、変形部の一例として、後端部39aから前方に延びて弾性変形が可能な左右一対のアーム部39bを有する。アーム部39bの前端には、規制用の接触部の一例として、左右方向の外側に突出する外側の爪部39cと、連動状態の保持部の一例として、左右方向の内側に突出する内側の爪部39dとを有する。なお、実施例1の外側の爪部39cの外端どうしの幅は、広部32の幅に対応して形成されており、凹部28よりも狭く、狭部29の幅よりも広い幅に設定されている。
【0038】
図3、図4において、ホルダの本体11の後端には、図示しない後端壁に回転軸47が回転可能に支持されており、回転軸47の前端には、回転の伝達部材の一例としてのカップリング48が支持されている。また、回転軸47の後端には、回転の伝達部材の一例としてのカートリッジを駆動するためのギア49が支持されており、ギア49には図示しない駆動源からの回転が伝達可能に構成されている。
前記符号11〜49を付した部材等により、実施例1のカートリッジのホルダKSが構成されており、前記符号1〜49を付した部材、すなわちリザーブタンクRTとカートリッジのホルダKSにより、実施例1の搬送装置の本体RT+KSが構成されている。
【0039】
(カートリッジの説明)
図3において、実施例1のカートリッジKは、現像剤の収容部の一例として、前後方向に延びる筒状に形成され内部に補給用の現像剤が収容されるカートリッジの本体51を有する。カートリッジの本体51の後端には、接続口の一例として、カートリッジの本体51内の現像剤が流出する流出口51aが形成されている。
カートリッジの本体51の前端には、取手部の一例として、作業者が把持するためのハンドル52が支持されている。
【0040】
また、カートリッジの本体51の内部の後端には、回転の伝達部材の一例として、前記カップリング48に噛み合って回転が伝達されるカップリング53が回転可能に支持されている。前記カップリング53には、現像剤の搬送部材の一例としてのアジテータ54の後端が支持されている。実施例1のアジテータ54は、線材が螺旋状に有り曲げられた形状、いわゆるコイルスプリング状に形成されており、カップリング53の回転時に、カートリッジの本体51の内部の現像剤を流出口51aに向けて搬送する。
【0041】
(内側のシャッタおよびそのガイドの説明)
図7は実施例1のカートリッジのシャッタの説明図であり、図7Aは外側のシャッタが外側を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図7Bは外側のシャッタが外側を開放する位置に移動し且つ内側のシャッタが流出口を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図7Cは外側のシャッタおよび内側のシャッタが流出口を開放する位置に移動した状態の説明図である。
図8は実施例1のシャッタの支持部の断面図であり、図8Aは図7AのVIIIA−VIIIA線断面図、図8Bは図7BのVIIIB−VIIIB線断面図である。
図7、図8において、カートリッジの本体51の後端側で前記流出口51aの外表面側には、流出口側の開閉部材の支持部材の一例として、径方向の外方に突出するシャッタの支持部56が形成されている。図8Bにおいて、前記シャッタの支持部56の左右両端部には、案内部の一例として、左右方向の外側に張り出して形成された内側のシャッタのガイド57が形成されている。
【0042】
図7B、図7Cにおいて、シャッタの支持部56の前端、すなわち、カートリッジKの取外方向の下流端には、規制の解除部の一例として、ロックの解除部58が形成されている。実施例1のロックの解除部58は、内側のシャッタのガイド57の前側の延長上に形成されており、ロックの解除部58は内側のシャッタのガイド57の機能も有する。すなわち、実施例1のロックの解除部58は、内側のシャッタのガイド57と一体形成されており、兼用されている。
図7B、図7Cにおいて、前記内側のシャッタのガイド57には、第1の開閉部材の一例であって、流出口の開閉部材の一例としての内側のシャッタ59が前後方向に移動可能に支持されている。前記内側のシャッタ59は、第1の開閉部材の本体の一例として、平板状の内側のシャッタの本体59aを有する。図8Bにおいて、内側のシャッタの本体59aの左右両端には、被案内部の一例として、前後方向に延びて前記内側のシャッタのガイド57に案内される内側の被ガイド部59bが形成されている。したがって、実施例1の内側のシャッタ59は、図7Bに示す流出口51aを閉塞する位置と、図7Cに示す流出口51aを開放する位置との間で移動可能に支持されている。
【0043】
内側のシャッタの本体59aの前端には、避け部の一例として、左右一対のロックの解除部58に対応して、ロックの解除部58の部分を外部に露出させるように切り欠かれた切欠部59cが左右一対形成されている。図7B、図8Aにおいて、前記切欠部59cの間には、第2の開閉部材の案内部の一例として、内側のシャッタ59が閉塞位置に移動した状態において、シャッタの支持部56の前端56aよりも前方に突出する外側のシャッタの延長ガイド59dが形成されている。
実施例1の内側のシャッタ59は、カートリッジKがカートリッジのホルダKSに装着された場合に、ロック用のアーム33の内側に収容されるように構成されている。したがって、内側のシャッタ59の左右方向の幅は、ロック用のアーム33どうしの幅に対応して形成されており、内側のシャッタ59の前後方向の長さは、内側のシャッタ59の後端から切欠部59cの後端までの長さが、本体側のシール36の前端からロック爪34の後端面33bまでの長さに対応して形成されている。さらに、内側のシャッタの本体59aの厚さは、内側のシャッタの本体59aの上面が本体側のシール36の上面と、面一となるように設定されている。
【0044】
図7、図8において、シャッタの支持部56の外表面と内側のシャッタ59との間には、漏出を防止する部材の一例として、弾性材料製のカートリッジ側のシール61が支持されており、内側のシャッタ59とシャッタの支持部56との間の隙間からの現像剤の漏出を防止している。図7Cにおいて、カートリッジ側のシール61は、中央部に流出口51aに対応する開口61aが形成されている。実施例1のカートリッジ側のシール61は、内側のシャッタ59の形状に対応する形状に形成されており、内側のシャッタ59の切欠部59cに対応する部分、すなわち、ロックの解除部58に対応する部分には、カートリッジ側のシール61は設けられていない。
実施例1では、内側のシャッタのガイド57の上面からカートリッジ側のシール61の下面までの高さが、本体側のシャッタのガイド24の下面から本体側のシール36の上面までの高さに対応して形成されている。そして、シャッタの支持部56の左右方向の幅が、流入口のシャッタのホルダ21の狭部29の幅より短く設定されており、内側のシャッタのガイド57の左右方向外端どうしの幅が、本体側のシャッタのガイド24どうしの幅より短く設定されている。したがって、カートリッジKがカートリッジのホルダKSに装着された場合に、内側のシャッタのガイド57が本体側のシャッタのガイド24に案内されてシャッタの支持部56が流入口のシャッタのホルダ21の内部に収容され、流出口51aと流入口23とが接続可能になっている。
【0045】
図7、図8において、シャッタの支持部56の後方に配置されたカートリッジの本体51の外周面には、流入口の開閉部材の移動部材の一例であって容器側の連動部材62が径方向に突出して形成されている。前記容器側の連動部材62は、後方に向かう略U字形状に形成されており、左右方向に延びる前端部62aと、前端部62aの左右両端から後方に延びる進入部62bと、を有する。前記進入部62bは、左右方向の外側面が後方に行くに連れて左右方向の内側に傾斜して形成されている。
実施例1のカートリッジキー62は、本体側の連動部材39の内部に収容可能な大きさに形成されており、前端部62aの左右方向の長さは、アーム部39bどうしの幅よりも小さく且つ内側の爪部39dの内端どうしの幅よりも長く設定されている。また、進入部62bの後端、すなわち、カートリッジKを装着する方向の下流端どうしの幅は、内側の爪部39dの内端どうしの幅よりも短く設定されている。
【0046】
(外側のシャッタおよびそのガイドの説明)
図6、図8において、カートリッジの本体51の外表面には、シャッタの支持部56の右方に、ガタが規制される部位の一例であって第2の開閉部材の停止部の一例として、前後方向に延び且つ外方に突出するリブ状のストッパ63が形成されている。なお、実施例1のストッパ63は、後述する外側のシャッタ67の右側の開口部分を塞ぐ機能も有する。
また、実施例1のストッパ63は、カートリッジKが着脱される際に、ホルダの本体11の右側部11aの内側面、すなわち左側面に沿って案内される。
【0047】
図9は実施例1の開閉部材の要部説明図であり、図9Aは開閉部材が停止した位置に移動した状態の説明図、図9Bは開閉部材が停止した状態を解除する位置に移動した状態の説明図、図9Cは図9Bに示す状態から開閉部材が外側を開放する位置に向けて移動を開始した状態の説明図である。
図7B、図7C、図8Aにおいて、カートリッジの本体51の後端部には、第2の開閉部材の案内部の一例として、カートリッジの本体51に沿って弧状に後方に張り出した形状の外側のシャッタの後側のガイド64が形成されている。図7B、図7C、図10において、前記カートリッジの本体51の後端部には、停止部の一例として、前記後側のガイド64の外表面から径方向に突出するロック用の突起64aが形成されている。
図7Cにおいて、シャッタの支持部56の左方には、第2の開閉部材の案内部の一例として、外側のシャッタのガイドの延長部59dの周方向の延長上に対応する位置に、円弧状に形成された外側のシャッタの前側のガイド66が形成されている。前記前側のガイド66は、内側のシャッタ59の移動を妨げないように、シャッタの支持部56からカートリッジの本体51の周方向に離れた位置に右端66aが形成されている。
【0048】
図10は実施例1のカートリッジを後斜め下方から見た状態の説明図である。
図7〜図10において、前記外側のシャッタのガイド64,66,59dには、第2の開閉部材の一例であって、外側の開閉部材の一例としての外側のシャッタ67が支持されている。前記外側のシャッタ67は、第2の開閉部材の本体の一例として、カートリッジの本体51の外周面に沿った部分的な円筒状の外側のシャッタ本体67aを有する。外側のシャッタの本体67aの前後方向の両端には、被案内部の一例として、前記外側のシャッタのガイド64,66,59dに案内される外側のガイド部67bが形成されている。したがって、外側のシャッタ67は、外側のシャッタのガイド64,66,59dに沿って、カートリッジの本体51の周方向に沿って移動可能に支持されており、図7Aに示す流出口51aおよび内側のシャッタ59を二重に閉塞する位置の一例としての外側を閉塞する位置と、図7Bに示す内側のシャッタ59を露出、開放させる位置の一例としての外側を開放する位置との間で移動する。したがって、実施例1の外側のシャッタ67は、外側を閉塞する位置と外側を開放する位置との間を、円筒状のカートリッジの本体51の周方向に沿って円弧上を移動する。
【0049】
なお、実施例1の外側のシャッタ67は、ガイド64,66,59dに対して、隙間、いわゆるガタを持って支持されており、外側のシャッタ67は、ガタに応じて、図9Aに示す後方の停止した位置と、図9Bに示す前方の停止が解除される位置と、の間でも移動可能に支持されている。
図10において、外側のシャッタ67の後端側に設けられた外側のガイド部67bには、付勢部の一例として、左端の基端部から右方に延びる板バネ状のバネ部68が形成されている。前記バネ部68は、先端がカートリッジの本体51の後面51bに接触して、外側のシャッタ57を後方に付勢している。すなわち、バネ部68は、外側のシャッタ67を、図9Aに示す停止した位置に向けて常時付勢している。
【0050】
図7Aにおいて、外側のシャッタ67の外表面には、被接触部の一例として、外方に突出する外側の開閉用の突起69が形成されている。図6、図7において、前記外側の開閉用の突起69は、円筒状のカートリッジの本体51の径方向に延びる円柱状に形成されており、外側の開閉用の突起69は、被接触面の一例として、径方向に延びる円筒状の外表面69aを有する。すなわち、図6において、実施例1の押込部13bの接触面13cは、外側の開閉用の突起69の外表面69aに対応して、外表面69aに対向、接触可能に構成されている。
前記外側の開閉用の突起69は、シャッタの通過部12に対応して形成されており、各ガイド溝14,16の内側面に接触可能に構成されている。
【0051】
図9において、外側のシャッタ67の内面の左端部には、被停止部の一例として、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に移動した状態でロック用の突起64aに対応する位置に、前方から後方に延びるロック用の爪71が形成されている。実施例1のロック用の爪71は、外側のシャッタ67が前記停止した位置に移動した状態では、図9Aに示すようにロック用の突起64aと接触し、且つ、外側のシャッタ67が停止が解除される位置に移動した状態では、図9Bに示すようにロック用の突起64aから離間する長さに形成されている。
したがって、図9Aにおいて、外側のシャッタ67が前記停止した位置に移動した状態では、ロック用の爪71とロック用の突起64aとの接触により、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に保持、いわゆるロックされ、外側を開放する位置に向けての移動が規制され、停止した状態で保持される。そして、図9Bに示すように、外側のシャッタ67が停止が解除される位置に移動した状態では、ロック用の爪71とロック用の突起64aとが離間して、ロックが解除され、図9Cに示すように、外側のシャッタ67が外側を開放する位置に向けて移動が可能になる。
【0052】
前記符号51〜67を付した部材により、実施例1の現像剤の収容容器の一例としてのカートリッジKが構成されている。また、前記搬送装置の本体RT+KSとカートリッジKとにより、実施例1の現像剤の搬送装置RT+KS+Kが構成されている。
【0053】
(実施例1の作用)
前記構成要件を備えた実施例1の複写機Uでは、感光体PRの表面に形成された潜像は、現像領域Q2において現像装置Gで現像され、現像装置G内の現像剤が消費される。現像装置Gの内部の現像剤が消費されると、消費量に応じて、補給オーガ2や搬送系GHが作動して、カートリッジKから現像剤の補給が行われる。
カートリッジKから補給が行われて、カートリッジKの内部の現像剤が空になったり、カートリッジKが故障等した場合、カートリッジKが複写機本体U1に対して前後方向に挿入、引き出しされて、交換される。
【0054】
(カートリッジの装着動作の説明)
図3、図4、図7Aにおいて、カートリッジKがカートリッジのホルダKSに挿入される場合、前方からカートリッジKが挿入されると、外側のシャッタ67の外側の開閉用の突起69が突起の通過部13に沿って後方に移動し、螺旋状のガイド溝14の下端に接触する。螺旋状のガイド溝14の下端に外側の開閉用の突起69が接触すると、外側のシャッタ67には、螺旋状のガイド溝14からの反力が作用して、前方に向かう力を受ける。したがって、外側のシャッタ67は、図9Aに示す停止した位置から図9Bに示す停止が解除される位置に移動して、外側のシャッタ67のロックが解除され、外側を開放する位置に向けて移動が可能になる。
その状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されると、螺旋状のガイド溝14に沿って外側の開閉用の突起69がガイドされて、外側のシャッタ67は、カートリッジの本体51の周方向に沿って、後方に行くに連れて上方に移動する。したがって、カートリッジKが後方に挿入されると、外側のシャッタ67が周方向に移動して、図7Aに示す外側を閉塞する位置から図7B、図7Cに示す外側を開放する位置に移動して、内側のシャッタ59が露出する。
【0055】
図11は実施例1のカートリッジが装着される場合における本体側のシャッタ、補給口およびシャッタをロックする部材、カートリッジの内側のシャッタ、シャッタの支持部材、カートリッジ側の連動部材の説明図であり、図11Aはカートリッジが本体に対して離れている場合の説明図、図11Bは図11Aに示す状態からカートリッジが挿入されてカートリッジの内側のシャッタがロック用のアームに接触した状態の説明図である。
図11において、内側のシャッタ59が露出した状態で、さらにカートリッジKが挿入されると、図11Aに示す状態から内側のシャッタ59が流入口のシャッタのホルダ21に近づく。そして、ロック爪33の間をカートリッジ側の連動部材62が後方に通過し、内側のシャッタ59の後端、すなわち、カートリッジKの装着方向の下流端が、ロック用のアーム33の前案内面34aに接触する。この状態から、さらにカートリッジKが挿入されると、図11Bに示すように、ロック用のアーム33が弾性変形して互いに外側に開く。したがって、カートリッジKの内側のシャッタ59やシャッタの支持部56が後方に進入可能となる。
【0056】
図12は図11の続きの説明図であり、図12Aは図11Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の連動部材が本体側の連動部材に接触した状態の説明図、図12Bは図12Aに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の連動部材が本体側の連動部材の内部に収容された状態の説明図である。
図11Bに示す状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されると、内側のシャッタ59の底面がガタを詰めるリブ17にガイドされて上方に持ち上げられ、上下方向のガタが低減され、位置決めがされた状態となる。そして、カートリッジ側の連動部材62が本体側の連動部材39に到達すると、カートリッジ側の連動部材62の進入部62bが、内側の爪部39dどうしの間に進入し、アーム部39bを押し広げようとする。このとき、外側の爪部39cは、流入口のシャッタのホルダ21の凹部28の位置に配置されており、左右方向の外側への移動が可能な状態となっている。したがって、図12Aに示すように、アーム部39bが弾性変形して外側に押し広げられる。
【0057】
そして、図12Aに示す状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されてカートリッジ側の連動部材62が本体側の連動部材39の内部に収容されると、図12Bに示すように、アーム部39bが弾性的に復元して、元の状態に戻る。したがって、内側の爪部39dが、カートリッジ側の連動部材62の前端部62aの前面の前側で挟んだ状態となり、カートリッジ側の連動部材62が、本体側のシャッタ37に対して相対的な移動が規制された状態、すなわち、ロックされた状態となる。
図12Bに示す状態から、さらにカートリッジKを後方に挿入すると、カートリッジ側の連動部材62が本体側の連動部材39を押して、本体側のシャッタ37が後方に移動する。すなわち、本体側のシャッタ37が、流入口23を閉塞する位置から流入口23を開放する位置にむけて移動する。また、内側のシャッタ59の後端が、本体側のシール36の前端に接触すると、内側のシャッタ59の移動が停止し、カートリッジKの後方への移動に伴って、シャッタの支持部56のみが後方に向けて移動する。すなわち、内側のシャッタ59が、流出口51aを閉塞する位置から流出口51aを開放する位置に向けて相対的に移動する。
【0058】
図13は図12の続きの説明図であり、図13Aは図12Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジの挿入が完了した状態の説明図、図13Bは図13Aに示す状態からカートリッジが引き出されて本体キーの変形が記載されている状態の説明図である。
図13において、カートリッジKが、図3に示すように一番奥まで挿入されると、各シャッタ37,59が口23,51aを開放する位置に移動し、図13Aに示すように、流出口51aと流入口23とが接続され、カートリッジKからリザーブタンクRTに現像剤の補給が可能な状態となる。
なお、図13Aに示す状態では、カートリッジKのシャッタの支持部56が後方に移動しており、内側のシャッタ59の切欠部59cの位置からロックの解除部58が後方に抜けた状態となっている。したがって、図13Aに示すように、ロック用の爪34とロックの解除部58との接触が解除され、ロック用のアーム33が弾性的に復元して、切欠部59cを外から挟んだ状態となる。したがって、この状態では、ロック用のアーム33は、内側のシャッタ59の前後方向の移動を規制した状態、いわゆる、ロックする。
【0059】
(カートリッジの取り外し動作の説明)
カートリッジKの現像剤が空になった等の理由で、カートリッジKを取り外す場合、カートリッジKが前方に引き出される。図13Aに示す状態からカートリッジKが前方に引き出される場合、内側のシャッタ59がロック用のアーム33のロック用の爪34でロックされて移動不能であり、カートリッジKの前方への移動に伴ってシャッタの支持部56のみが前方に移動する。したがって、ロック用のアーム33が、内側のシャッタ59を相対的に流出口51aを閉塞する位置に向けて移動させる。また、このとき、カートリッジ側の連動部材62も本体側の連動部材39にロックされており、カートリッジKの連動部材62の前方への移動に伴って、本体側の連動部材39も前方に引っ張られ、本体側のシャッタ37が前方、すなわち、流入口23を閉塞する位置に向けて移動する。
【0060】
ここで、本体側のシャッタ37が前方に向けて移動する際に、本体側の連動部材39のアーム部39bが、前方に移動するカートリッジ側の連動部材62から力を受けて外側に広がろうとする。これに対して、実施例1では、外側の爪部39cの幅が広部32の幅に対応して形成されており、アーム部39bが広がろうとしても外側の爪部39cが広部32に接触して、アーム部39bが広がることが規制される。したがって、カートリッジ側の連動部材62が本体側の連動部材39から抜けることが低減されている。
そして、カートリッジKが前方に引き出されると、本体側の連動部材39の外側の爪部39cが傾斜部31や狭部29に接触し、アーム部39bが内側に絞られる力を受け、カートリッジキー61の抜け止めが強固になる。したがって、実施例1では、本体側のシャッタ37が、流入口23を閉塞する位置に戻る前に流入口23を開放する位置や途中で連動部材39,62の連結が外れてしまって停止してしまうことが低減されている。
【0061】
図14は図13の続きの説明図であり、図13Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されてロックの解除部がロック用のアームに接触した状態の説明図である。
図13Bに示す状態から、さらにカートリッジKが前方に移動して、図14に示す状態となると、ロックの解除部58がロック用の爪34の後端面33bに接触する。この状態から、カートリッジKがさらに前方に移動すると、ロックの解除部58に押されて、ロック用の爪34が外側に向かう力を受け、ロック用のアーム33が外側に開くように弾性変形する。したがって、図12Bに示す状態となり、内側のシャッタ59が、流出口51aを閉塞する位置に移動すると共に、内側のシャッタ59のロックが解除される。したがって、カートリッジKの前方への移動に伴って、シャッタの支持部56の流出口51aを閉塞した状態で、シャッタの支持部56と内側のシャッタ59とが一体的に前方に移動可能になる。
【0062】
図12Bに示す状態から、カートリッジKがさらに前方に移動すると、本体側のシャッタ37が流入口23を閉塞する位置に移動し、流入口23が閉塞されると共に、図示しないストッパで本体側のシャッタ37の前方への移動が規制される。この状態では、外側の爪部39cが、凹部28に対応する位置に移動しており、アーム部39bが外側に弾性的に変形可能な状態となっている。したがって、図12Bに示す状態からカートリッジKが前方に移動すると、図12Aに示すように、アーム部39bが押し広げられて、カートリッジ側の連動部材61が本体側の連動部材39から離脱する。
そして、カートリッジKがさらに前方に移動すると、図11B、図11Aの状態を経て、さらに、外側の開閉用の突起69が螺旋状のガイド溝14にガイドされて、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に向けて移動する。
【0063】
図15は実施例1の作用説明図であり、図15Aは外側の開閉用の突起が螺旋状のガイド溝から突起の通過部に差し掛かった場合の説明図、図15Bは図15Aに示す状態からカートリッジが引き出されてストッパがガタを規制する凸部に接触した場合の説明図、図15Cは図15Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されて外側の開閉用の突起が押込部に接触した状態の説明図である。
図15Aにおいて、外側の開閉用の突起69が螺旋状のガイド溝14の前端まで移動すると、外側のシャッタ67には、外側を閉塞する位置に向かう力が作用しなくなる。図15Aに示す状態からカートリッジKが前方に引き出されると、図15Bに示すように、ストッパ63がガタを規制する凸部11bに接触して、カートリッジK全体が左方に押され、カートリッジKとホルダの本体11との間のガタが詰められる。
【0064】
図15Bに示す状態からカートリッジKが前方に引き出されると、図15C、図6に示すように、外側の開閉用の突起67が押込部13bに接触して、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に向けて押され、外側を閉塞する位置に移動する。なお、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に移動すると、外側のシャッタ67には、外側のシャッタ67を前方に押す力が作用していない状態であり、バネ部68の弾性力が作用して、外側のシャッタ67が停止位置に移動して、ロックがかかる。
したがって、カートリッジKの流出口51aが内側のシャッタ59と外側のシャッタ67で二重に閉塞されると共に、流入口23が本体側のシャッタ37で閉塞された状態で、カートリッジKが取り外される。
【0065】
よって、実施例1の複写機Uでは、カートリッジKが引き出される際に、外側の開閉用の突起69が押込部13bに接触して押し込まれる。前記外側のシャッタ67は、カートリッジKとホルダの本体11との間のガタつきや外側のシャッタ67等の部品の製造誤差、組み立て誤差等に伴って、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置まで移動しないことがある。これに対して、実施例1では、押込部13bが外側を開閉する突起69を押し込んで外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に押されており、押込部13bを有しない構成に比べて、外側のシャッタ67の閉塞不良が低減されている。よって、外側のシャッタ67の閉塞が確実におこなれる実施例1のカートリッジKでは、現像剤が外に漏出することが低減される。
【0066】
また、実施例1の押込部13bには、外側の開閉用の突起69の径方向に延びる外表面69aに沿った接触面13cが形成されており、接触面13cが外表面69aに接触して外側のシャッタ67を押し込む。すなわち、接触面13cが外表面69aを押す力の方向は、外側のシャッタ67が移動する周方向に沿っている。接触面13cを有さず、外側の開閉用の突起69を押す力の方向が周方向に対して傾斜する場合は、外側のシャッタ67を移動させる力に対して垂直な方向の成分、すなわち、外側のシャッタ67の移動に貢献しない力が発生し、無駄が発生し、作業者がカートリッジKを操作する抵抗となったり、外側のシャッタ67が閉塞位置に移動しきらなくなる恐れがある。これに対して、実施例1では、径方向に延びる接触面13cが外表面69aを押しており、接触面13cを有しない場合に比べて、力が効率的に伝達され、外側のシャッタ67が効率的に移動される。
【0067】
また、実施例1では、押込部13bは、庇状に形成されており、押込部13bの下方に、外側の開閉用の突起69の先端部が収容される空間が形成され、側壁13aには貫通口13dも形成されている。したがって、押込部13bが外側の開閉用の突起69の先端に接触しにくく、接触面13cが外表面69aに接触しやすくなると共に、外側の開閉用の突起69の製造誤差等があっても、先端が側壁13aに接触することが低減され、摩耗や擦れ、衝突、これらに伴う騒音等の発生が低減される。
さらに、実施例1では、押込部13bが外側のシャッタ67を押し込む前に、ガタを規制する凸部11bがストッパ63に接触して、カートリッジKをホルダの本体11との間のガタが詰められる。ガタを規制する凸部11bを有しない場合、ガタが残っていると、押込部13bが外側のシャッタ67を押し込んでも、ガタで吸収される恐れがある。これに対して、実施例1では、ガタが詰められた後に押込部13bが外側のシャッタ67を押し込んでおり、ガタが詰められない場合に比べて、外側のシャッタ67が確実に外側を閉塞する位置に移動される。
【0068】
また、実施例1では、外側のシャッタ67は、カートリッジKが複写機Uから取り外された状態では、バネ部68の弾性力が作用して、ロック用の爪71とロック用の突起64aとが接触して、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置にロックされた状態で保持される。したがって、外側のシャッタ67をロックする構成を有しない場合に比べて、カートリッジKが取り外された状態で、誤って外側のシャッタ67が外側を開放する位置に移動することが低減され、現像剤が漏れることが低減されている。
【0069】
また、実施例1のカートリッジKでは、特許文献1のような従来技術のように、カートリッジK側のシャッタのロックを解除する場合に、カートリッジKから突出する突起が必要なく、シャッタの支持部56に設けられたロックの解除部58によりロックを解除している。したがって、突起を有する構成では、突起をシャッタから離れた位置に配置しており、全体として構成が大型化し、そのためにカートリッジが大型化する問題があると共に、突起を成型するための型の費用が上昇したり、突起が折れる等の破損の問題があるが、実施例1では、これらの問題が解決されている。特に、実施例1では、ロックの解除部58がシャッタのガイド57と一体化されており、成形や作成が容易になっている。
【0070】
また、実施例1のカートリッジKでは、内側のシャッタ59と外側のシャッタ67の二重のシャッタが採用されており、内側のシャッタ59の部分で現像剤がこぼれても、外側のシャッタ67で漏出を防止することが可能となり、現像剤の漏出や汚れを低減することが可能になっている。また、仮に、特許文献1記載の技術のように突起を設けると、外側のシャッタ67が、突起も覆う構成とする必要があり、外側のシャッタ67が大型化する問題がある。これに対して、実施例1では、シャッタの支持部56に設けたロックの解除部58が採用されており、外側のシャッタ67を小型化することが可能になっている。
さらに、実施例1のカートリッジKでは、内側のシャッタ59にガイドの延長部59dが形成されており、外側のシャッタ67がガイド可能となっている。仮に、ガイドの延長部59dが無い場合には、外側のシャッタ67が前記閉塞する位置に近づくと、前側の案内部が無くなっていまい、動作が不安定になり、外側のシャッタ67が閉まらなかったり、最悪の場合にはカートリッジKから脱落してしまう恐れがある。一方で、カートリッジの本体51に案内部を形成すると、内側のシャッタ59の移動が妨げられる問題がある。したがって、内側のシャッタ59にガイドの延長部59dが形成された実施例1のカートリッジKでは、これらの問題を解消されている。
【0071】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H010)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色の画像形成装置に限定されず、多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H02)前記実施例において、現像剤の収容容器の一例として、現像装置Gに補給される新規の現像剤を収容するカートリッジKを例示したが、これに限定されず、例えば、感光体クリーナCLpやベルトクリーナCLbから回収された現像剤を収容する収容容器の一例としての廃トナーボックスや、内部に現像剤が収容される収容容器の一例としての着脱可能な現像装置G等において、画像形成装置の本体側の搬送装置本体に対して着脱される部分に適用可能である。
【0072】
(H03)前記実施例において、ロックの解除部58をシャッタのガイド57と一体化する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、シャッタのガイドとしての機能を有さず、内側のシャッタ59が外れないような抜け止め、いわゆる、ストッパとしての機能を持たせたり、あるいは、ロックの解除以外の機能を持たせない構成とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、外側のシャッタ67はカートリッジの本体51の外周面に沿って円弧上を移動する構成を例示したが、これに限定されず、弧上ではなく平面状をスライドしながら移動する構成とすることも可能である。なお、移動方向も、内側のシャッタ59の移動方向に直交する方向に外側のシャッタ67が移動する構成を例示したが、これに限定されず、移動方向は任意に変更可能であり、前後方向に対して傾斜する方向とすることも可能である。
【0073】
(H05)前記実施例において、流入口のシャッタのホルダ21や本体側の連動部材39やカートリッジ側の連動部材キー62等の構成は、例示した構成に限定されず、設計や使用等に応じて、任意に変更可能である。例えば、ロック用のアーム33やアーム部39b、進入部62b等は左右一対設ける構成を例示したが、右側か左側のいずれか一方のみとすることも可能である。
(H06)前記実施例において、内側のシャッタ59と外側のシャッタ67の二重シャッタ構造を例示したが、これに限定されず、一重シャッタ構造に適用することも可能である。
(H07)前記実施例において、押込部13bの形状は、右方に突出する山型の突起状且つ庇状の構成を例示したが、これに限定されず、形状は台形状や半円状等任意の形状に変更可能であり、庇状の構成とし、貫通口13dを設けることが望ましいが、下方に空間のない形状とすることも可能である。
【0074】
(H08)前記実施例において、接触面13cの面の広さは、任意に変更可能である。また接触面13cを設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H09)前記実施例において、ガタを規制する凸部11bがストッパ63に接触する構成を例示したが、接触する部位は、ストッパ63に限定されず、ガタを詰めることが可能な任意の部位に適用可能である。また、ガタを規制する凸部11bを設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H010)前記実施例において、ロック用の爪71およびロック用の突起64aとで外側のシャッタ67をロックする構成を例示したが、ロック機構は、実施例に例示した構成に限定されず、従来公知の任意のロック機構を採用可能である。また、ロック機構を設けることが望ましいが、省略することも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…搬送部、
11b…規制部、
13…通過部、
13〜16…案内部、
13b…接触部、
13c…接触面、
13d…外端の収容部、
14…傾斜部、
23…流入口、
51…収容部、
51a…流出口、
59…第1の開閉部材、
64a…停止部、
67…第2の開閉部材,開閉部材、
68…付勢部、
69…被接触部、
69a…被接触面、
71…被停止部、
F…定着装置、
G…現像装置、
K…現像剤を収容する容器、
PR…像保持体、
RT+KS…搬送装置の本体、
RT+KS+K…現像剤搬送装置、
S…媒体、
TU…転写装置、
U…画像形成装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置では、画像形成動作に伴って消費される現像剤を補給するための補給現像剤の収容容器や、画像形成動作時に排出される現像剤が回収される回収現像剤の収容容器等が、着脱、交換可能な構成が広く採用されている。現像剤の収容容器を有する画像形成装置に関し、以下の特許文献1記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2005−134452号公報には、トナーカートリッジ(Ky〜Kk)が着脱される際に、弾性アーム(86)がカートリッジシャッタ(111)を保持、保持解除することで、トナーカートリッジ(Ky〜Kk)を着脱する際の移動に連動して、カートリッジシャッタ(111)が開閉される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−134452号公報(「0087」〜「0101」、図19〜図23)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、開閉部材の閉塞不良を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の現像剤搬送装置は、
内部を現像剤が搬送される搬送部と、前記搬送部に設けられて現像剤が流入可能な流入口と、を有する搬送装置の本体と、
内部に現像剤が収容される収容部と、前記流入口に接続されて前記収容部からの現像剤を流出させる流出口と、前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動可能な開閉部材と、を有し、前記搬送装置の本体に対して着脱可能に支持された現像剤を収容する容器と、
前記現像剤を収容する容器が前記搬送装置の本体に対して着脱される方向に対して交差する方向に、前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間の移動方向が設定された前記開閉部材と、
前記開閉部材に支持された被接触部と、
前記搬送装置の本体に設けられた案内部であって、前記現像剤を収容する容器が装着される方向に沿って延び且つ前記被接触部が通過可能な通過部と、前記容器が装着される方向に対して前記通過部の下流端に接続され且つ前記容器が装着される方向の下流側に行くに連れて前記流出口を開放する位置側に傾斜する形状に形成され前記被接触部に接触して前記開閉部材を前記移動方向に移動させる傾斜部と、を有する前記案内部と、
前記通過部に設けられ且つ前記流出口を閉塞する位置側に延び、前記被接触部が通過する場合に前記被接触部に接触して前記流出口を閉塞する位置に向けて前記開閉部材を移動させる接触部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像剤搬送装置において、
前記接触部に隣接して配置され且つ前記被接触部の外端部を収容可能な外端の収容部、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像剤搬送装置において、
前記収容部の円弧状の外表面に沿って前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動する前記開閉部材と、
前記開閉部材が移動する円弧の径方向に延びる前記被接触部と、
前記被接触部の径方向に延びる被接触面に接触する接触面を有する前記接触部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤搬送装置において、
前記搬送装置の本体に設けられ、且つ、前記被接触部が前記接触部に接触する時期に応じて前記搬送装置の本体から取り外される前記現像剤を収容する容器に接触して、前記現像剤を収容する容器の前記搬送装置の本体に対するガタつきを規制する規制部、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像剤搬送装置において、
前記開閉部材に設けられた被停止部と、
前記容器に設けられ且つ前記流出口を閉塞する位置に移動した前記開閉部材の前記被停止部に対応する位置に配置され、前記被停止部に接触して前記開閉部材の前記流出口を開放する位置への移動を停止させる停止部と、
前記被停止部と前記停止部とが接触、離間する方向に移動可能に支持された前記開閉部材と、
前記被停止部と前記停止部とが接触する方向に前記開閉部材を付勢する付勢部と、
前記容器が前記搬送装置の本体に装着される場合に、前記被接触部に接触して前記開閉部材を前記被停止部と前記停止部とが離間する方向に移動させて、前記被停止部と前記停止部とを離間させる前記傾斜部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤搬送装置において、
前記流出口に支持されて前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動可能な第1の開閉部材と、前記第1の開閉部材の外方に支持され且つ前記第1の開閉部材の外側を開放する位置と前記第1の開閉部材の外側を閉塞する位置との間で移動可能な第2の開閉部材を有する前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着する定着装置と、
前記現像装置に現像剤を搬送する請求項1ないし6のいずれかに記載の現像剤搬送装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、7に記載の発明によれば、接触部を有しない構成に比べて、開閉部材の閉塞不良を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、外端の収容部を有しない場合に比べて、被接触部の外端部の摩耗や摩耗時の騒音を低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、接触部に接触面を有しない場合に比べて、開閉部材を効率的に移動させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、規制部を有しない場合に比べて、開閉部材を確実に閉塞位置に移動させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、停止部と被停止部を有しない場合に比べて、開閉部材が誤って開放位置に移動することを低減できる。
請求項6に記載の発明によれば、第1の開閉部材と第2の開閉部材とを有しない場合に比べて、現像剤の漏出を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明の実施例1の現像剤搬送装置を備えた画像形成装置の説明図である。
【図2】図2は実施例1のリザーブタンクの説明図である。
【図3】図3は実施例1のカートリッジのホルダにトナーカートリッジが装着された状態の斜視図である。
【図4】図4はカートリッジのホルダの説明図であり、図4Aは図3においてトナーカートリッジが取り外された状態の説明図、図4Bは本体シャッタが閉塞位置に移動した状態の要部説明図、図4Cは本体シャッタが開放位置に移動した状態の要部説明図である。
【図5】図5は図4Aの矢印V方向から見た図である。
【図6】図6は実施例1のトナーカートリッジが接触部を移動させる場合の要部断面図である。
【図7】図7は実施例1のカートリッジのシャッタの説明図であり、図7Aは外側のシャッタが外側を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図7Bは外側のシャッタが外側を開放する位置に移動し且つ内側のシャッタが流出口を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図7Cは外側のシャッタおよび内側のシャッタが流出口を開放する位置に移動した状態の説明図である。
【図8】図8は実施例1のシャッタの支持部の断面図であり、図8Aは図7AのVIIIA−VIIIA線断面図、図8Bは図7BのVIIIB−VIIIB線断面図である。
【図9】図9は実施例1の開閉部材の要部説明図であり、図9Aは開閉部材が停止した位置に移動した状態の説明図、図9Bは開閉部材が停止した状態を解除する位置に移動した状態の説明図、図9Cは図9Bに示す状態から開閉部材が外側を開放する位置に向けて移動を開始した状態の説明図である。
【図10】図10は実施例1のカートリッジを後斜め下方から見た状態の説明図である。
【図11】図11は実施例1のカートリッジが装着される場合における本体側のシャッタ、補給口およびシャッタをロックする部材、カートリッジの内側のシャッタ、シャッタの支持部材、カートリッジ側の連動部材の説明図であり、図11Aはカートリッジが本体に対して離れている場合の説明図、図11Bは図11Aに示す状態からカートリッジが挿入されてカートリッジの内側のシャッタがロック用のアームに接触した状態の説明図である。
【図12】図12は図11の続きの説明図であり、図12Aは図11Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の連動部材が本体側の連動部材に接触した状態の説明図、図12Bは図12Aに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の連動部材が本体側の連動部材の内部に収容された状態の説明図である。
【図13】図13は図12の続きの説明図であり、図13Aは図12Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジの挿入が完了した状態の説明図、図13Bは図13Aに示す状態からカートリッジが引き出されて本体キーの変形が記載されている状態の説明図である。
【図14】図14は図13の続きの説明図であり、図13Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されてロックの解除部がロック用のアームに接触した状態の説明図である。
【図15】図15は実施例1の作用説明図であり、図15Aは外側の開閉用の突起が螺旋状のガイド溝から突起の通過部に差し掛かった場合の説明図、図15Bは図15Aに示す状態からカートリッジが引き出されてストッパがガタを規制する凸部に接触した場合の説明図、図15Cは図15Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されて外側の開閉用の突起が押込部に接触した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の実施例1の現像剤搬送装置を備えた画像形成装置の説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、画像形成装置の本体の一例としての複写機本体U1を有する。複写機本体U1は、上面に透明な原稿台の一例であるプラテンガラスPGを有し、前記プラテンガラスPGの上には、追加装置の一例としての原稿搬送装置U2が着脱可能に支持されている。
前記原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿収容部の一例としての原稿トレイTG1を有している。前記原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して、原稿排紙部の一例である原稿排紙トレイTG2に排出される。
【0017】
前記複写機本体U1は、操作者が入力を行う入力部U0と、前記プラテンガラスPGを上面に有する画像読取部の一例としてのスキャナ部U1aと、画像記録部の一例としてのプリンタ部U1bを有する。実施例1のスキャナ部U1aには、画像処理部GSが設けられている。
原稿読取装置の一例としてのスキャナ部U1aは、原稿読取り位置に配置された露光系の位置検出部材の一例としての露光レジセンサSp、および露光光学系Aを有している。
【0018】
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光レジセンサSpの検出信号により制御され、常時は画像読取り位置の一例としてのホーム位置、すなわち、初期位置に停止している。
前記原稿搬送装置U2を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う自動読取動作の場合は、前記露光光学系Aはホーム位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置F1を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う手動読取動作の場合、露光光学系Aは移動しながらプラテンガラスPG上の原稿を露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通って撮像部材の一例としての固体撮像素子CCD上に収束される。前記固体撮像素子CCDは、その撮像面上に収束された原稿反射光を電気信号に変換する。
【0019】
画像処理部GSは、スキャナ部U1aのCCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換してプリンタ部U1bの像書込回路DLに出力する。
前記像書込回路DLは、入力された画像書込信号に応じた潜像形成用の駆動信号を潜像形成装置の一例としての露光装置ROSに出力する。
【0020】
前記露光装置ROSの下方に配置された像保持体の一例としての感光体ドラムPRは、矢印Ya方向に回転する。前記感光体ドラムPRの表面は、帯電領域Q0において帯電器の一例としての帯電ロールCRによりに帯電された後、潜像書込位置Q1において前記露光装置ROSから出力される潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体ドラムPRの表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域Q3を順次通過する。
【0021】
前記現像領域Q2において感光体ドラムPRに対向する現像装置Gは、現像剤保持体の一例としての現像ロールR0により現像剤を現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する静電潜像を可視像の一例としてのトナー像に現像する。
前記現像装置Gの左方には、現像装置Gで消費される現像剤を補給するための現像剤が収容される容器の一例としてのカートリッジKが配置されており、カートリッジKは、容器の装着部材の一例としてのカートリッジのホルダKSに着脱可能に装着される。前記カートリッジKの内部の現像剤は、一時的な貯留部の一例としてのリザーブタンクRTで攪拌されながら搬送され、リザーブタンクRTに連結された搬送系GHにより現像装置Gに搬送される。
【0022】
複写機本体U1の下部には、媒体の収容部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が着脱可能に支持されている。前記給紙トレイTR1〜TR4には、媒体の一例としての記録シートSが収容されている。
前記各トレイTR1〜TR4のシートSは、予め設定された給紙時期に取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出されて、分離部材の一例としてのさばきロールRsで1枚づつ分離されて、媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより送出部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0023】
また、前記カートリッジホルダKSおよびリザーブタンクRTの左方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTRtが設置されており、手差しトレイTRtから給紙されたシートSも、レジロールRrに搬送される。実施例1の手差しトレイTRtは、回転中心TRt0を中心として回転可能に支持されており、図1の実線で示すように手差しトレイTRtが画像形成装置U内部に収容された状態では、手差しトレイTRtの回転中心TRt0側の一部TRt1が、カートリッジホルダKSの下方且つリザーブタンクRTの左方の空間に進入した状態で収容され、複写機U全体が省容量で小型化された状態で手差しトレイTRtが収容される。
【0024】
前記レジロールRrに搬送されたシートSは、感光体ドラムPRの表面のトナー像が転写領域Q3に移動する時期に合わせて、転写前の案内部材の一例としての転写前シートガイドSG1から転写領域Q3に向けて搬送される。
前記転写領域Q3には、前記感光体ドラムPRに対向して、転写装置の一例であって、転写搬送装置の一例としての転写ユニットTUが配置されている。前記転写ユニットTUは、媒体搬送部材の一例として、転写領域Q3に搬送された記録シートSを表面に支持して搬送する転写搬送ベルトTBを有する。前記転写搬送ベルトTBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRdおよび従動部材の一例としての従動ロールRfを有する媒体搬送部材の支持系の一例としてのベルト支持ロールRd+Rfにより回転可能に支持されている。前記転写搬送ベルトTBを挟んで前記感光体ドラムPRに対向する位置には、転写器の一例としての転写ロールTRが配置されている。
【0025】
転写ロールTRには、制御部の一例としてのコントローラCにより制御される電源回路Eから転写電圧が印加され、感光体ドラムPR表面のトナー像Tnが、転写領域Q3を通過する記録シートSに転写される。
転写後、感光体ドラムPR表面は、像保持体の清掃器の一例としての感光体クリーナCLpにより残留トナーが除去され、前記帯電ロールCRにより再帯電される。
【0026】
転写搬送ベルトTBを挟んで駆動ロールRdに対向する位置には、媒体剥離部材の一例としての剥離爪SCが配置されており、転写領域Q3において転写ロールTRによりトナー像が転写された前記シートSは、転写領域Q3の下流側の剥離爪SCにより転写搬送ベルトTB表面から剥離される。
前記剥離爪SCの転写搬送ベルトTBの回転方向下流側には、媒体搬送部材の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されており、記録シートS剥離後の転写搬送ベルトTBの表面に付着した現像剤や紙粉等の付着物を除去する。
【0027】
剥離されたシートSは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpを有する定着装置Fにより、トナー像が加熱定着される。トナー像が定着された記録シートSは、弾性材料製の切換部材の一例としての第1のゲートMGを弾性変形させながら通過して、媒体排出路の一例としてのシート排出路SH2の正逆回転可能な搬送ロールRbに搬送される。
排紙トレイTRhに排出されるシートSは正逆回転可能な搬送ロールRbおよび複数の搬送ロールRaが配置されたシート排出路SH2を搬送される。シート排出路SH2の下流端部には切換部材の一例としての第2のゲートGT1が配置されている。第2のゲートGT1は、複写機Uに図示しない後処理装置が接続されている場合には、搬送されてきたシートSを媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhまたは図示しない後処理装置のいずれかに排出するように切替える。なお、後処理装置が装着されていない状態では、切替ゲートGT1は、シート排出路SH2の下流端部に搬送されたシートSを、排紙トレイTRhに排出する。
【0028】
両面印刷が行われる場合、片面記録済シートが正逆回転可能な搬送ロールRbに搬送されると、片面記録済シートSの後端が搬送ロールRbを通過する前に逆回転を開始する。したがって、片面記録済シートSは、シート排出路SH2側に戻され、いわゆるスイッチバックされる。前記第1のゲートMGは、前記搬送ロールRbによりスイッチバックして来たシートSを、循環路の一例としての循環搬送路SH3に向かわせる。循環搬送路SH3に搬送された片面記録済シートSは、表裏反転した状態で前記転写領域Q3に再送される。前記転写領域Q3に再送された片面記録済シートSは、2面目にトナー像が転写される。
なお、前記符号SH1〜SH3,Rp,Rs,Rr,Ra,Rb,MG等で示す構成要素により、実施例1の媒体搬送装置SHが構成される。
【0029】
(現像剤搬送装置の説明)
図2は実施例1のリザーブタンクの説明図である。
図2において、実施例1のリザーブタンクRTは、搬送部の一例として、前後方向に延びて内部に現像剤が収容されるタンクの本体1を有する。前記タンクの本体1の内部には、搬送部材の一例として、前後方向に延びる補給用のオーガ2が回転可能に支持されている。前記補給用のオーガ2は、後端に支持された回転の伝達部材の一例としてのギア3を有し、ギア3に図示しない駆動源から回転が伝達されることで、タンクの本体1内の現像剤を後方から前方に搬送する。前記タンクの本体1の後端部の側壁には、検知部材の一例として、タンク本体1に流入する現像剤を検知することでカートリッジKが空になったか否かを判別するためのセンサ4が支持されている。
また、タンクの本体1の前端には、補給用のオーガ2で前端まで搬送された現像剤を現像装置Gに搬送する搬送系GHが支持されている。なお、前記搬送系GHは、例えば、特開2008−129357号公報等に記載されており、従来公知であり、種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0030】
図3は実施例1のカートリッジのホルダにトナーカートリッジが装着された状態の斜視図である。
図4はカートリッジのホルダの説明図であり、図4Aは図3においてトナーカートリッジが取り外された状態の説明図、図4Bは本体シャッタが閉塞位置に移動した状態の要部説明図、図4Cは本体シャッタが開放位置に移動した状態の要部説明図である。
図1、図3、図4において、リザーブタンクRTの上方に支持されたカートリッジのホルダKSは、容器支持本体の一例として、前後方向に延びるホルダの本体11を有する。前記ホルダの本体11の内周面は略半円筒状に形成されており、底部には、開閉通過部の一例として、下方に凹み且つ前後方向に延びるシャッタの通過部12が形成されている。
【0031】
図4において、前記シャッタの通過部12の左上方には、接触部の第1の通過部の一例として、カートリッジKの着脱方向である前後方向に延びる段差状の突起の通過部13が形成されている。突起の通過部13の後方には、傾斜部の一例であって、接触部の案内部の一例として、ホルダの本体11の前後方向の中央部から、内周面に沿って左上方向且つ後方に向かう螺旋状の凹部により構成された螺旋状のガイド溝14が形成されている。前記螺旋状のガイド溝14の上端には、第2の通過部の一例として、後方に延びる凹部により構成された後側のガイド溝16が連続して形成されている。
図4において、前記シャッタの通過部12の後部には、ガタの規制部の一例として、後方に行くに連れて上方に傾斜してガタを詰めるための複数のリブ17が形成されている。
【0032】
図5は図4Aの矢印V方向から見た図である。
図6は実施例1のトナーカートリッジが接触部を移動させる場合の要部断面図である。
図4、図5において、前記突起の通過部13の後部には、接触部の一例として、突起の通過部13の側壁13aから右方に突出する庇状の押込部13bが形成されている。図6において、前記押込部13bの右下部には、円筒状のカートリッジKの径方向に沿って延びる接触面13dを有する。図4、図6において、前記側壁13aには、外端の収容部の一例として、前記押込部13bの下方に隣接して、側壁13aを左右方向に貫通する貫通口13cが形成されている。 図5、図6において、前記ホルダ本体11に右側部11aには、ガタの規制部の一例として、前後方向に沿って押込部13bに対応する位置に左方に延びるガタを規制する凸部11bが形成されている。
前記突起の通過部13、螺旋状のガイド溝14、後側のガイド溝16により、案内部の一例としての実施例1の開閉部材の移動機構13〜16が構成されている。
【0033】
(流入口のシャッタのホルダの説明)
前記リブ17の後方には、流入口側の開閉部材を支持する支持部材の一例としての流入口のシャッタのホルダ21が支持されている。前記流入口のシャッタのホルダ21は、下端に配置された底部22を有し、底部22の中央には、ホルダの本体11を上下方向に貫通する流入口23が形成されている。図2において、前記流入口23は、前記リザーブタンクRTの後端部の空を検知するセンサ4に対応する位置の上方に開口している。
流入口のシャッタのホルダ21の左右両端には、本体側の開閉部材の案内部の一例として、前後方向に延びる本体側のシャッタのガイド24が一体的に形成されている。実施例1の本体側のシャッタのガイド24は、底部22の左右両端から上方に延びる左右一対の縦壁26と、縦壁26の上端から内側に延びる上壁27とを有する。
【0034】
前記上壁27の左右方向の内側面には、前端部に、変形を許可する部位の一例として、左右方向の外側に凹んだ形状に形成された凹部28が形成されている。また、凹部28の後側の上壁27の内側面には、変形を規制する部位の一例としての後方に延びる幅の狭い狭部29と、案内部の一例としての狭部29の後端に接続され且つ後方に行くに連れて左右方向外側に傾斜する傾斜部31と、第2の変形を許容する部位の一例として、傾斜面31の後端に接続され且つ後方に延びる幅の広い広部32とが形成されている。
【0035】
また、前記流入口のシャッタのホルダ21は、規制部材の本体の一例として、上壁27から前方に延びる左右一対のロック用のアーム33が一体的に形成されている。各ロック用のアーム33の前端には、接触部の一例として、左右方向内側に突出するロック用の爪34が形成されている。前記ロック用の爪34は、装着時の案内部の一例として、後方に行くに連れて左右方向の内側に傾斜する前端面34aと、前端面34aの内端から左右方向に延びる後端面34bとを有する。
図4において、底部22の上面には、漏出を防止する部材の一例として、板状の本体側のシール36が支持されている。実施例1の本体側のシール36は、弾性材料の一例としてのスポンジにより構成されている。本体側のシール36には、前記流入口23に対応して形成された開口36aが形成されている。
【0036】
(本体シャッタの説明)
図4において、前記本体側のシール36の上面には、流入口の開閉部材の一例としての本体側のシャッタ37が支持されている。図4、図5において、実施例1の本体側のシャッタ37は、開閉部材の本体の一例として、板状のシャッタの本体38を有し、本体側のシール36に下面が接触して現像剤の漏出が低減されている。
シャッタの本体38は、本体側のシャッタのガイド24により前後方向に移動可能に支持されている。したがって、シャッタの本体38は、図4Bに示すように前側に移動して流入口23を閉塞する位置と、図4Cに示すように後側に移動して流入口23が開放される位置と、の間で移動可能になっている。
【0037】
図4、図5において、シャッタの本体38の上面には、本体側の連動部材39が支持されている。本体側の連動部材39は、全体が略U字形状に形成されており、左右方向の中央部である後端部39aでシャッタの本体38に支持されている。本体側の連動部材39は、変形部の一例として、後端部39aから前方に延びて弾性変形が可能な左右一対のアーム部39bを有する。アーム部39bの前端には、規制用の接触部の一例として、左右方向の外側に突出する外側の爪部39cと、連動状態の保持部の一例として、左右方向の内側に突出する内側の爪部39dとを有する。なお、実施例1の外側の爪部39cの外端どうしの幅は、広部32の幅に対応して形成されており、凹部28よりも狭く、狭部29の幅よりも広い幅に設定されている。
【0038】
図3、図4において、ホルダの本体11の後端には、図示しない後端壁に回転軸47が回転可能に支持されており、回転軸47の前端には、回転の伝達部材の一例としてのカップリング48が支持されている。また、回転軸47の後端には、回転の伝達部材の一例としてのカートリッジを駆動するためのギア49が支持されており、ギア49には図示しない駆動源からの回転が伝達可能に構成されている。
前記符号11〜49を付した部材等により、実施例1のカートリッジのホルダKSが構成されており、前記符号1〜49を付した部材、すなわちリザーブタンクRTとカートリッジのホルダKSにより、実施例1の搬送装置の本体RT+KSが構成されている。
【0039】
(カートリッジの説明)
図3において、実施例1のカートリッジKは、現像剤の収容部の一例として、前後方向に延びる筒状に形成され内部に補給用の現像剤が収容されるカートリッジの本体51を有する。カートリッジの本体51の後端には、接続口の一例として、カートリッジの本体51内の現像剤が流出する流出口51aが形成されている。
カートリッジの本体51の前端には、取手部の一例として、作業者が把持するためのハンドル52が支持されている。
【0040】
また、カートリッジの本体51の内部の後端には、回転の伝達部材の一例として、前記カップリング48に噛み合って回転が伝達されるカップリング53が回転可能に支持されている。前記カップリング53には、現像剤の搬送部材の一例としてのアジテータ54の後端が支持されている。実施例1のアジテータ54は、線材が螺旋状に有り曲げられた形状、いわゆるコイルスプリング状に形成されており、カップリング53の回転時に、カートリッジの本体51の内部の現像剤を流出口51aに向けて搬送する。
【0041】
(内側のシャッタおよびそのガイドの説明)
図7は実施例1のカートリッジのシャッタの説明図であり、図7Aは外側のシャッタが外側を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図7Bは外側のシャッタが外側を開放する位置に移動し且つ内側のシャッタが流出口を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図7Cは外側のシャッタおよび内側のシャッタが流出口を開放する位置に移動した状態の説明図である。
図8は実施例1のシャッタの支持部の断面図であり、図8Aは図7AのVIIIA−VIIIA線断面図、図8Bは図7BのVIIIB−VIIIB線断面図である。
図7、図8において、カートリッジの本体51の後端側で前記流出口51aの外表面側には、流出口側の開閉部材の支持部材の一例として、径方向の外方に突出するシャッタの支持部56が形成されている。図8Bにおいて、前記シャッタの支持部56の左右両端部には、案内部の一例として、左右方向の外側に張り出して形成された内側のシャッタのガイド57が形成されている。
【0042】
図7B、図7Cにおいて、シャッタの支持部56の前端、すなわち、カートリッジKの取外方向の下流端には、規制の解除部の一例として、ロックの解除部58が形成されている。実施例1のロックの解除部58は、内側のシャッタのガイド57の前側の延長上に形成されており、ロックの解除部58は内側のシャッタのガイド57の機能も有する。すなわち、実施例1のロックの解除部58は、内側のシャッタのガイド57と一体形成されており、兼用されている。
図7B、図7Cにおいて、前記内側のシャッタのガイド57には、第1の開閉部材の一例であって、流出口の開閉部材の一例としての内側のシャッタ59が前後方向に移動可能に支持されている。前記内側のシャッタ59は、第1の開閉部材の本体の一例として、平板状の内側のシャッタの本体59aを有する。図8Bにおいて、内側のシャッタの本体59aの左右両端には、被案内部の一例として、前後方向に延びて前記内側のシャッタのガイド57に案内される内側の被ガイド部59bが形成されている。したがって、実施例1の内側のシャッタ59は、図7Bに示す流出口51aを閉塞する位置と、図7Cに示す流出口51aを開放する位置との間で移動可能に支持されている。
【0043】
内側のシャッタの本体59aの前端には、避け部の一例として、左右一対のロックの解除部58に対応して、ロックの解除部58の部分を外部に露出させるように切り欠かれた切欠部59cが左右一対形成されている。図7B、図8Aにおいて、前記切欠部59cの間には、第2の開閉部材の案内部の一例として、内側のシャッタ59が閉塞位置に移動した状態において、シャッタの支持部56の前端56aよりも前方に突出する外側のシャッタの延長ガイド59dが形成されている。
実施例1の内側のシャッタ59は、カートリッジKがカートリッジのホルダKSに装着された場合に、ロック用のアーム33の内側に収容されるように構成されている。したがって、内側のシャッタ59の左右方向の幅は、ロック用のアーム33どうしの幅に対応して形成されており、内側のシャッタ59の前後方向の長さは、内側のシャッタ59の後端から切欠部59cの後端までの長さが、本体側のシール36の前端からロック爪34の後端面33bまでの長さに対応して形成されている。さらに、内側のシャッタの本体59aの厚さは、内側のシャッタの本体59aの上面が本体側のシール36の上面と、面一となるように設定されている。
【0044】
図7、図8において、シャッタの支持部56の外表面と内側のシャッタ59との間には、漏出を防止する部材の一例として、弾性材料製のカートリッジ側のシール61が支持されており、内側のシャッタ59とシャッタの支持部56との間の隙間からの現像剤の漏出を防止している。図7Cにおいて、カートリッジ側のシール61は、中央部に流出口51aに対応する開口61aが形成されている。実施例1のカートリッジ側のシール61は、内側のシャッタ59の形状に対応する形状に形成されており、内側のシャッタ59の切欠部59cに対応する部分、すなわち、ロックの解除部58に対応する部分には、カートリッジ側のシール61は設けられていない。
実施例1では、内側のシャッタのガイド57の上面からカートリッジ側のシール61の下面までの高さが、本体側のシャッタのガイド24の下面から本体側のシール36の上面までの高さに対応して形成されている。そして、シャッタの支持部56の左右方向の幅が、流入口のシャッタのホルダ21の狭部29の幅より短く設定されており、内側のシャッタのガイド57の左右方向外端どうしの幅が、本体側のシャッタのガイド24どうしの幅より短く設定されている。したがって、カートリッジKがカートリッジのホルダKSに装着された場合に、内側のシャッタのガイド57が本体側のシャッタのガイド24に案内されてシャッタの支持部56が流入口のシャッタのホルダ21の内部に収容され、流出口51aと流入口23とが接続可能になっている。
【0045】
図7、図8において、シャッタの支持部56の後方に配置されたカートリッジの本体51の外周面には、流入口の開閉部材の移動部材の一例であって容器側の連動部材62が径方向に突出して形成されている。前記容器側の連動部材62は、後方に向かう略U字形状に形成されており、左右方向に延びる前端部62aと、前端部62aの左右両端から後方に延びる進入部62bと、を有する。前記進入部62bは、左右方向の外側面が後方に行くに連れて左右方向の内側に傾斜して形成されている。
実施例1のカートリッジキー62は、本体側の連動部材39の内部に収容可能な大きさに形成されており、前端部62aの左右方向の長さは、アーム部39bどうしの幅よりも小さく且つ内側の爪部39dの内端どうしの幅よりも長く設定されている。また、進入部62bの後端、すなわち、カートリッジKを装着する方向の下流端どうしの幅は、内側の爪部39dの内端どうしの幅よりも短く設定されている。
【0046】
(外側のシャッタおよびそのガイドの説明)
図6、図8において、カートリッジの本体51の外表面には、シャッタの支持部56の右方に、ガタが規制される部位の一例であって第2の開閉部材の停止部の一例として、前後方向に延び且つ外方に突出するリブ状のストッパ63が形成されている。なお、実施例1のストッパ63は、後述する外側のシャッタ67の右側の開口部分を塞ぐ機能も有する。
また、実施例1のストッパ63は、カートリッジKが着脱される際に、ホルダの本体11の右側部11aの内側面、すなわち左側面に沿って案内される。
【0047】
図9は実施例1の開閉部材の要部説明図であり、図9Aは開閉部材が停止した位置に移動した状態の説明図、図9Bは開閉部材が停止した状態を解除する位置に移動した状態の説明図、図9Cは図9Bに示す状態から開閉部材が外側を開放する位置に向けて移動を開始した状態の説明図である。
図7B、図7C、図8Aにおいて、カートリッジの本体51の後端部には、第2の開閉部材の案内部の一例として、カートリッジの本体51に沿って弧状に後方に張り出した形状の外側のシャッタの後側のガイド64が形成されている。図7B、図7C、図10において、前記カートリッジの本体51の後端部には、停止部の一例として、前記後側のガイド64の外表面から径方向に突出するロック用の突起64aが形成されている。
図7Cにおいて、シャッタの支持部56の左方には、第2の開閉部材の案内部の一例として、外側のシャッタのガイドの延長部59dの周方向の延長上に対応する位置に、円弧状に形成された外側のシャッタの前側のガイド66が形成されている。前記前側のガイド66は、内側のシャッタ59の移動を妨げないように、シャッタの支持部56からカートリッジの本体51の周方向に離れた位置に右端66aが形成されている。
【0048】
図10は実施例1のカートリッジを後斜め下方から見た状態の説明図である。
図7〜図10において、前記外側のシャッタのガイド64,66,59dには、第2の開閉部材の一例であって、外側の開閉部材の一例としての外側のシャッタ67が支持されている。前記外側のシャッタ67は、第2の開閉部材の本体の一例として、カートリッジの本体51の外周面に沿った部分的な円筒状の外側のシャッタ本体67aを有する。外側のシャッタの本体67aの前後方向の両端には、被案内部の一例として、前記外側のシャッタのガイド64,66,59dに案内される外側のガイド部67bが形成されている。したがって、外側のシャッタ67は、外側のシャッタのガイド64,66,59dに沿って、カートリッジの本体51の周方向に沿って移動可能に支持されており、図7Aに示す流出口51aおよび内側のシャッタ59を二重に閉塞する位置の一例としての外側を閉塞する位置と、図7Bに示す内側のシャッタ59を露出、開放させる位置の一例としての外側を開放する位置との間で移動する。したがって、実施例1の外側のシャッタ67は、外側を閉塞する位置と外側を開放する位置との間を、円筒状のカートリッジの本体51の周方向に沿って円弧上を移動する。
【0049】
なお、実施例1の外側のシャッタ67は、ガイド64,66,59dに対して、隙間、いわゆるガタを持って支持されており、外側のシャッタ67は、ガタに応じて、図9Aに示す後方の停止した位置と、図9Bに示す前方の停止が解除される位置と、の間でも移動可能に支持されている。
図10において、外側のシャッタ67の後端側に設けられた外側のガイド部67bには、付勢部の一例として、左端の基端部から右方に延びる板バネ状のバネ部68が形成されている。前記バネ部68は、先端がカートリッジの本体51の後面51bに接触して、外側のシャッタ57を後方に付勢している。すなわち、バネ部68は、外側のシャッタ67を、図9Aに示す停止した位置に向けて常時付勢している。
【0050】
図7Aにおいて、外側のシャッタ67の外表面には、被接触部の一例として、外方に突出する外側の開閉用の突起69が形成されている。図6、図7において、前記外側の開閉用の突起69は、円筒状のカートリッジの本体51の径方向に延びる円柱状に形成されており、外側の開閉用の突起69は、被接触面の一例として、径方向に延びる円筒状の外表面69aを有する。すなわち、図6において、実施例1の押込部13bの接触面13cは、外側の開閉用の突起69の外表面69aに対応して、外表面69aに対向、接触可能に構成されている。
前記外側の開閉用の突起69は、シャッタの通過部12に対応して形成されており、各ガイド溝14,16の内側面に接触可能に構成されている。
【0051】
図9において、外側のシャッタ67の内面の左端部には、被停止部の一例として、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に移動した状態でロック用の突起64aに対応する位置に、前方から後方に延びるロック用の爪71が形成されている。実施例1のロック用の爪71は、外側のシャッタ67が前記停止した位置に移動した状態では、図9Aに示すようにロック用の突起64aと接触し、且つ、外側のシャッタ67が停止が解除される位置に移動した状態では、図9Bに示すようにロック用の突起64aから離間する長さに形成されている。
したがって、図9Aにおいて、外側のシャッタ67が前記停止した位置に移動した状態では、ロック用の爪71とロック用の突起64aとの接触により、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に保持、いわゆるロックされ、外側を開放する位置に向けての移動が規制され、停止した状態で保持される。そして、図9Bに示すように、外側のシャッタ67が停止が解除される位置に移動した状態では、ロック用の爪71とロック用の突起64aとが離間して、ロックが解除され、図9Cに示すように、外側のシャッタ67が外側を開放する位置に向けて移動が可能になる。
【0052】
前記符号51〜67を付した部材により、実施例1の現像剤の収容容器の一例としてのカートリッジKが構成されている。また、前記搬送装置の本体RT+KSとカートリッジKとにより、実施例1の現像剤の搬送装置RT+KS+Kが構成されている。
【0053】
(実施例1の作用)
前記構成要件を備えた実施例1の複写機Uでは、感光体PRの表面に形成された潜像は、現像領域Q2において現像装置Gで現像され、現像装置G内の現像剤が消費される。現像装置Gの内部の現像剤が消費されると、消費量に応じて、補給オーガ2や搬送系GHが作動して、カートリッジKから現像剤の補給が行われる。
カートリッジKから補給が行われて、カートリッジKの内部の現像剤が空になったり、カートリッジKが故障等した場合、カートリッジKが複写機本体U1に対して前後方向に挿入、引き出しされて、交換される。
【0054】
(カートリッジの装着動作の説明)
図3、図4、図7Aにおいて、カートリッジKがカートリッジのホルダKSに挿入される場合、前方からカートリッジKが挿入されると、外側のシャッタ67の外側の開閉用の突起69が突起の通過部13に沿って後方に移動し、螺旋状のガイド溝14の下端に接触する。螺旋状のガイド溝14の下端に外側の開閉用の突起69が接触すると、外側のシャッタ67には、螺旋状のガイド溝14からの反力が作用して、前方に向かう力を受ける。したがって、外側のシャッタ67は、図9Aに示す停止した位置から図9Bに示す停止が解除される位置に移動して、外側のシャッタ67のロックが解除され、外側を開放する位置に向けて移動が可能になる。
その状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されると、螺旋状のガイド溝14に沿って外側の開閉用の突起69がガイドされて、外側のシャッタ67は、カートリッジの本体51の周方向に沿って、後方に行くに連れて上方に移動する。したがって、カートリッジKが後方に挿入されると、外側のシャッタ67が周方向に移動して、図7Aに示す外側を閉塞する位置から図7B、図7Cに示す外側を開放する位置に移動して、内側のシャッタ59が露出する。
【0055】
図11は実施例1のカートリッジが装着される場合における本体側のシャッタ、補給口およびシャッタをロックする部材、カートリッジの内側のシャッタ、シャッタの支持部材、カートリッジ側の連動部材の説明図であり、図11Aはカートリッジが本体に対して離れている場合の説明図、図11Bは図11Aに示す状態からカートリッジが挿入されてカートリッジの内側のシャッタがロック用のアームに接触した状態の説明図である。
図11において、内側のシャッタ59が露出した状態で、さらにカートリッジKが挿入されると、図11Aに示す状態から内側のシャッタ59が流入口のシャッタのホルダ21に近づく。そして、ロック爪33の間をカートリッジ側の連動部材62が後方に通過し、内側のシャッタ59の後端、すなわち、カートリッジKの装着方向の下流端が、ロック用のアーム33の前案内面34aに接触する。この状態から、さらにカートリッジKが挿入されると、図11Bに示すように、ロック用のアーム33が弾性変形して互いに外側に開く。したがって、カートリッジKの内側のシャッタ59やシャッタの支持部56が後方に進入可能となる。
【0056】
図12は図11の続きの説明図であり、図12Aは図11Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の連動部材が本体側の連動部材に接触した状態の説明図、図12Bは図12Aに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の連動部材が本体側の連動部材の内部に収容された状態の説明図である。
図11Bに示す状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されると、内側のシャッタ59の底面がガタを詰めるリブ17にガイドされて上方に持ち上げられ、上下方向のガタが低減され、位置決めがされた状態となる。そして、カートリッジ側の連動部材62が本体側の連動部材39に到達すると、カートリッジ側の連動部材62の進入部62bが、内側の爪部39dどうしの間に進入し、アーム部39bを押し広げようとする。このとき、外側の爪部39cは、流入口のシャッタのホルダ21の凹部28の位置に配置されており、左右方向の外側への移動が可能な状態となっている。したがって、図12Aに示すように、アーム部39bが弾性変形して外側に押し広げられる。
【0057】
そして、図12Aに示す状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されてカートリッジ側の連動部材62が本体側の連動部材39の内部に収容されると、図12Bに示すように、アーム部39bが弾性的に復元して、元の状態に戻る。したがって、内側の爪部39dが、カートリッジ側の連動部材62の前端部62aの前面の前側で挟んだ状態となり、カートリッジ側の連動部材62が、本体側のシャッタ37に対して相対的な移動が規制された状態、すなわち、ロックされた状態となる。
図12Bに示す状態から、さらにカートリッジKを後方に挿入すると、カートリッジ側の連動部材62が本体側の連動部材39を押して、本体側のシャッタ37が後方に移動する。すなわち、本体側のシャッタ37が、流入口23を閉塞する位置から流入口23を開放する位置にむけて移動する。また、内側のシャッタ59の後端が、本体側のシール36の前端に接触すると、内側のシャッタ59の移動が停止し、カートリッジKの後方への移動に伴って、シャッタの支持部56のみが後方に向けて移動する。すなわち、内側のシャッタ59が、流出口51aを閉塞する位置から流出口51aを開放する位置に向けて相対的に移動する。
【0058】
図13は図12の続きの説明図であり、図13Aは図12Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジの挿入が完了した状態の説明図、図13Bは図13Aに示す状態からカートリッジが引き出されて本体キーの変形が記載されている状態の説明図である。
図13において、カートリッジKが、図3に示すように一番奥まで挿入されると、各シャッタ37,59が口23,51aを開放する位置に移動し、図13Aに示すように、流出口51aと流入口23とが接続され、カートリッジKからリザーブタンクRTに現像剤の補給が可能な状態となる。
なお、図13Aに示す状態では、カートリッジKのシャッタの支持部56が後方に移動しており、内側のシャッタ59の切欠部59cの位置からロックの解除部58が後方に抜けた状態となっている。したがって、図13Aに示すように、ロック用の爪34とロックの解除部58との接触が解除され、ロック用のアーム33が弾性的に復元して、切欠部59cを外から挟んだ状態となる。したがって、この状態では、ロック用のアーム33は、内側のシャッタ59の前後方向の移動を規制した状態、いわゆる、ロックする。
【0059】
(カートリッジの取り外し動作の説明)
カートリッジKの現像剤が空になった等の理由で、カートリッジKを取り外す場合、カートリッジKが前方に引き出される。図13Aに示す状態からカートリッジKが前方に引き出される場合、内側のシャッタ59がロック用のアーム33のロック用の爪34でロックされて移動不能であり、カートリッジKの前方への移動に伴ってシャッタの支持部56のみが前方に移動する。したがって、ロック用のアーム33が、内側のシャッタ59を相対的に流出口51aを閉塞する位置に向けて移動させる。また、このとき、カートリッジ側の連動部材62も本体側の連動部材39にロックされており、カートリッジKの連動部材62の前方への移動に伴って、本体側の連動部材39も前方に引っ張られ、本体側のシャッタ37が前方、すなわち、流入口23を閉塞する位置に向けて移動する。
【0060】
ここで、本体側のシャッタ37が前方に向けて移動する際に、本体側の連動部材39のアーム部39bが、前方に移動するカートリッジ側の連動部材62から力を受けて外側に広がろうとする。これに対して、実施例1では、外側の爪部39cの幅が広部32の幅に対応して形成されており、アーム部39bが広がろうとしても外側の爪部39cが広部32に接触して、アーム部39bが広がることが規制される。したがって、カートリッジ側の連動部材62が本体側の連動部材39から抜けることが低減されている。
そして、カートリッジKが前方に引き出されると、本体側の連動部材39の外側の爪部39cが傾斜部31や狭部29に接触し、アーム部39bが内側に絞られる力を受け、カートリッジキー61の抜け止めが強固になる。したがって、実施例1では、本体側のシャッタ37が、流入口23を閉塞する位置に戻る前に流入口23を開放する位置や途中で連動部材39,62の連結が外れてしまって停止してしまうことが低減されている。
【0061】
図14は図13の続きの説明図であり、図13Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されてロックの解除部がロック用のアームに接触した状態の説明図である。
図13Bに示す状態から、さらにカートリッジKが前方に移動して、図14に示す状態となると、ロックの解除部58がロック用の爪34の後端面33bに接触する。この状態から、カートリッジKがさらに前方に移動すると、ロックの解除部58に押されて、ロック用の爪34が外側に向かう力を受け、ロック用のアーム33が外側に開くように弾性変形する。したがって、図12Bに示す状態となり、内側のシャッタ59が、流出口51aを閉塞する位置に移動すると共に、内側のシャッタ59のロックが解除される。したがって、カートリッジKの前方への移動に伴って、シャッタの支持部56の流出口51aを閉塞した状態で、シャッタの支持部56と内側のシャッタ59とが一体的に前方に移動可能になる。
【0062】
図12Bに示す状態から、カートリッジKがさらに前方に移動すると、本体側のシャッタ37が流入口23を閉塞する位置に移動し、流入口23が閉塞されると共に、図示しないストッパで本体側のシャッタ37の前方への移動が規制される。この状態では、外側の爪部39cが、凹部28に対応する位置に移動しており、アーム部39bが外側に弾性的に変形可能な状態となっている。したがって、図12Bに示す状態からカートリッジKが前方に移動すると、図12Aに示すように、アーム部39bが押し広げられて、カートリッジ側の連動部材61が本体側の連動部材39から離脱する。
そして、カートリッジKがさらに前方に移動すると、図11B、図11Aの状態を経て、さらに、外側の開閉用の突起69が螺旋状のガイド溝14にガイドされて、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に向けて移動する。
【0063】
図15は実施例1の作用説明図であり、図15Aは外側の開閉用の突起が螺旋状のガイド溝から突起の通過部に差し掛かった場合の説明図、図15Bは図15Aに示す状態からカートリッジが引き出されてストッパがガタを規制する凸部に接触した場合の説明図、図15Cは図15Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されて外側の開閉用の突起が押込部に接触した状態の説明図である。
図15Aにおいて、外側の開閉用の突起69が螺旋状のガイド溝14の前端まで移動すると、外側のシャッタ67には、外側を閉塞する位置に向かう力が作用しなくなる。図15Aに示す状態からカートリッジKが前方に引き出されると、図15Bに示すように、ストッパ63がガタを規制する凸部11bに接触して、カートリッジK全体が左方に押され、カートリッジKとホルダの本体11との間のガタが詰められる。
【0064】
図15Bに示す状態からカートリッジKが前方に引き出されると、図15C、図6に示すように、外側の開閉用の突起67が押込部13bに接触して、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に向けて押され、外側を閉塞する位置に移動する。なお、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に移動すると、外側のシャッタ67には、外側のシャッタ67を前方に押す力が作用していない状態であり、バネ部68の弾性力が作用して、外側のシャッタ67が停止位置に移動して、ロックがかかる。
したがって、カートリッジKの流出口51aが内側のシャッタ59と外側のシャッタ67で二重に閉塞されると共に、流入口23が本体側のシャッタ37で閉塞された状態で、カートリッジKが取り外される。
【0065】
よって、実施例1の複写機Uでは、カートリッジKが引き出される際に、外側の開閉用の突起69が押込部13bに接触して押し込まれる。前記外側のシャッタ67は、カートリッジKとホルダの本体11との間のガタつきや外側のシャッタ67等の部品の製造誤差、組み立て誤差等に伴って、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置まで移動しないことがある。これに対して、実施例1では、押込部13bが外側を開閉する突起69を押し込んで外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置に押されており、押込部13bを有しない構成に比べて、外側のシャッタ67の閉塞不良が低減されている。よって、外側のシャッタ67の閉塞が確実におこなれる実施例1のカートリッジKでは、現像剤が外に漏出することが低減される。
【0066】
また、実施例1の押込部13bには、外側の開閉用の突起69の径方向に延びる外表面69aに沿った接触面13cが形成されており、接触面13cが外表面69aに接触して外側のシャッタ67を押し込む。すなわち、接触面13cが外表面69aを押す力の方向は、外側のシャッタ67が移動する周方向に沿っている。接触面13cを有さず、外側の開閉用の突起69を押す力の方向が周方向に対して傾斜する場合は、外側のシャッタ67を移動させる力に対して垂直な方向の成分、すなわち、外側のシャッタ67の移動に貢献しない力が発生し、無駄が発生し、作業者がカートリッジKを操作する抵抗となったり、外側のシャッタ67が閉塞位置に移動しきらなくなる恐れがある。これに対して、実施例1では、径方向に延びる接触面13cが外表面69aを押しており、接触面13cを有しない場合に比べて、力が効率的に伝達され、外側のシャッタ67が効率的に移動される。
【0067】
また、実施例1では、押込部13bは、庇状に形成されており、押込部13bの下方に、外側の開閉用の突起69の先端部が収容される空間が形成され、側壁13aには貫通口13dも形成されている。したがって、押込部13bが外側の開閉用の突起69の先端に接触しにくく、接触面13cが外表面69aに接触しやすくなると共に、外側の開閉用の突起69の製造誤差等があっても、先端が側壁13aに接触することが低減され、摩耗や擦れ、衝突、これらに伴う騒音等の発生が低減される。
さらに、実施例1では、押込部13bが外側のシャッタ67を押し込む前に、ガタを規制する凸部11bがストッパ63に接触して、カートリッジKをホルダの本体11との間のガタが詰められる。ガタを規制する凸部11bを有しない場合、ガタが残っていると、押込部13bが外側のシャッタ67を押し込んでも、ガタで吸収される恐れがある。これに対して、実施例1では、ガタが詰められた後に押込部13bが外側のシャッタ67を押し込んでおり、ガタが詰められない場合に比べて、外側のシャッタ67が確実に外側を閉塞する位置に移動される。
【0068】
また、実施例1では、外側のシャッタ67は、カートリッジKが複写機Uから取り外された状態では、バネ部68の弾性力が作用して、ロック用の爪71とロック用の突起64aとが接触して、外側のシャッタ67が外側を閉塞する位置にロックされた状態で保持される。したがって、外側のシャッタ67をロックする構成を有しない場合に比べて、カートリッジKが取り外された状態で、誤って外側のシャッタ67が外側を開放する位置に移動することが低減され、現像剤が漏れることが低減されている。
【0069】
また、実施例1のカートリッジKでは、特許文献1のような従来技術のように、カートリッジK側のシャッタのロックを解除する場合に、カートリッジKから突出する突起が必要なく、シャッタの支持部56に設けられたロックの解除部58によりロックを解除している。したがって、突起を有する構成では、突起をシャッタから離れた位置に配置しており、全体として構成が大型化し、そのためにカートリッジが大型化する問題があると共に、突起を成型するための型の費用が上昇したり、突起が折れる等の破損の問題があるが、実施例1では、これらの問題が解決されている。特に、実施例1では、ロックの解除部58がシャッタのガイド57と一体化されており、成形や作成が容易になっている。
【0070】
また、実施例1のカートリッジKでは、内側のシャッタ59と外側のシャッタ67の二重のシャッタが採用されており、内側のシャッタ59の部分で現像剤がこぼれても、外側のシャッタ67で漏出を防止することが可能となり、現像剤の漏出や汚れを低減することが可能になっている。また、仮に、特許文献1記載の技術のように突起を設けると、外側のシャッタ67が、突起も覆う構成とする必要があり、外側のシャッタ67が大型化する問題がある。これに対して、実施例1では、シャッタの支持部56に設けたロックの解除部58が採用されており、外側のシャッタ67を小型化することが可能になっている。
さらに、実施例1のカートリッジKでは、内側のシャッタ59にガイドの延長部59dが形成されており、外側のシャッタ67がガイド可能となっている。仮に、ガイドの延長部59dが無い場合には、外側のシャッタ67が前記閉塞する位置に近づくと、前側の案内部が無くなっていまい、動作が不安定になり、外側のシャッタ67が閉まらなかったり、最悪の場合にはカートリッジKから脱落してしまう恐れがある。一方で、カートリッジの本体51に案内部を形成すると、内側のシャッタ59の移動が妨げられる問題がある。したがって、内側のシャッタ59にガイドの延長部59dが形成された実施例1のカートリッジKでは、これらの問題を解消されている。
【0071】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H010)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色の画像形成装置に限定されず、多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H02)前記実施例において、現像剤の収容容器の一例として、現像装置Gに補給される新規の現像剤を収容するカートリッジKを例示したが、これに限定されず、例えば、感光体クリーナCLpやベルトクリーナCLbから回収された現像剤を収容する収容容器の一例としての廃トナーボックスや、内部に現像剤が収容される収容容器の一例としての着脱可能な現像装置G等において、画像形成装置の本体側の搬送装置本体に対して着脱される部分に適用可能である。
【0072】
(H03)前記実施例において、ロックの解除部58をシャッタのガイド57と一体化する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、シャッタのガイドとしての機能を有さず、内側のシャッタ59が外れないような抜け止め、いわゆる、ストッパとしての機能を持たせたり、あるいは、ロックの解除以外の機能を持たせない構成とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、外側のシャッタ67はカートリッジの本体51の外周面に沿って円弧上を移動する構成を例示したが、これに限定されず、弧上ではなく平面状をスライドしながら移動する構成とすることも可能である。なお、移動方向も、内側のシャッタ59の移動方向に直交する方向に外側のシャッタ67が移動する構成を例示したが、これに限定されず、移動方向は任意に変更可能であり、前後方向に対して傾斜する方向とすることも可能である。
【0073】
(H05)前記実施例において、流入口のシャッタのホルダ21や本体側の連動部材39やカートリッジ側の連動部材キー62等の構成は、例示した構成に限定されず、設計や使用等に応じて、任意に変更可能である。例えば、ロック用のアーム33やアーム部39b、進入部62b等は左右一対設ける構成を例示したが、右側か左側のいずれか一方のみとすることも可能である。
(H06)前記実施例において、内側のシャッタ59と外側のシャッタ67の二重シャッタ構造を例示したが、これに限定されず、一重シャッタ構造に適用することも可能である。
(H07)前記実施例において、押込部13bの形状は、右方に突出する山型の突起状且つ庇状の構成を例示したが、これに限定されず、形状は台形状や半円状等任意の形状に変更可能であり、庇状の構成とし、貫通口13dを設けることが望ましいが、下方に空間のない形状とすることも可能である。
【0074】
(H08)前記実施例において、接触面13cの面の広さは、任意に変更可能である。また接触面13cを設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H09)前記実施例において、ガタを規制する凸部11bがストッパ63に接触する構成を例示したが、接触する部位は、ストッパ63に限定されず、ガタを詰めることが可能な任意の部位に適用可能である。また、ガタを規制する凸部11bを設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H010)前記実施例において、ロック用の爪71およびロック用の突起64aとで外側のシャッタ67をロックする構成を例示したが、ロック機構は、実施例に例示した構成に限定されず、従来公知の任意のロック機構を採用可能である。また、ロック機構を設けることが望ましいが、省略することも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…搬送部、
11b…規制部、
13…通過部、
13〜16…案内部、
13b…接触部、
13c…接触面、
13d…外端の収容部、
14…傾斜部、
23…流入口、
51…収容部、
51a…流出口、
59…第1の開閉部材、
64a…停止部、
67…第2の開閉部材,開閉部材、
68…付勢部、
69…被接触部、
69a…被接触面、
71…被停止部、
F…定着装置、
G…現像装置、
K…現像剤を収容する容器、
PR…像保持体、
RT+KS…搬送装置の本体、
RT+KS+K…現像剤搬送装置、
S…媒体、
TU…転写装置、
U…画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を現像剤が搬送される搬送部と、前記搬送部に設けられて現像剤が流入可能な流入口と、を有する搬送装置の本体と、
内部に現像剤が収容される収容部と、前記流入口に接続されて前記収容部からの現像剤を流出させる流出口と、前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動可能な開閉部材と、を有し、前記搬送装置の本体に対して着脱可能に支持された現像剤を収容する容器と、
前記現像剤を収容する容器が前記搬送装置の本体に対して着脱される方向に対して交差する方向に、前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間の移動方向が設定された前記開閉部材と、
前記開閉部材に支持された被接触部と、
前記搬送装置の本体に設けられた案内部であって、前記現像剤を収容する容器が装着される方向に沿って延び且つ前記被接触部が通過可能な通過部と、前記容器が装着される方向に対して前記通過部の下流端に接続され且つ前記容器が装着される方向の下流側に行くに連れて前記流出口を開放する位置側に傾斜する形状に形成され前記被接触部に接触して前記開閉部材を前記移動方向に移動させる傾斜部と、を有する前記案内部と、
前記通過部に設けられ且つ前記流出口を閉塞する位置側に延び、前記被接触部が通過する場合に前記被接触部に接触して前記流出口を閉塞する位置に向けて前記開閉部材を移動させる接触部と、
を備えたことを特徴とする現像剤搬送装置。
【請求項2】
前記接触部に隣接して配置され且つ前記被接触部の外端部を収容可能な外端の収容部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
【請求項3】
前記収容部の円弧状の外表面に沿って前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動する前記開閉部材と、
前記開閉部材が移動する円弧の径方向に延びる前記被接触部と、
前記被接触部の径方向に延びる被接触面に接触する接触面を有する前記接触部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤搬送装置。
【請求項4】
前記搬送装置の本体に設けられ、且つ、前記被接触部が前記接触部に接触する時期に応じて前記搬送装置の本体から取り外される前記現像剤を収容する容器に接触して、前記現像剤を収容する容器の前記搬送装置の本体に対するガタつきを規制する規制部
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
【請求項5】
前記開閉部材に設けられた被停止部と、
前記容器に設けられ且つ前記流出口を閉塞する位置に移動した前記開閉部材の前記被停止部に対応する位置に配置され、前記被停止部に接触して前記開閉部材の前記流出口を開放する位置への移動を停止させる停止部と、
前記被停止部と前記停止部とが接触、離間する方向に移動可能に支持された前記開閉部材と、
前記被停止部と前記停止部とが接触する方向に前記開閉部材を付勢する付勢部と、
前記容器が前記搬送装置の本体に装着される場合に、前記被接触部に接触して前記開閉部材を前記被停止部と前記停止部とが離間する方向に移動させて、前記被停止部と前記停止部とを離間させる前記傾斜部と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
【請求項6】
前記流出口に支持されて前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動可能な第1の開閉部材と、前記第1の開閉部材の外方に支持され且つ前記第1の開閉部材の外側を開放する位置と前記第1の開閉部材の外側を閉塞する位置との間で移動可能な第2の開閉部材を有する前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
【請求項7】
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着する定着装置と、
前記現像装置に現像剤を搬送する請求項1ないし6のいずれかに記載の現像剤搬送装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
内部を現像剤が搬送される搬送部と、前記搬送部に設けられて現像剤が流入可能な流入口と、を有する搬送装置の本体と、
内部に現像剤が収容される収容部と、前記流入口に接続されて前記収容部からの現像剤を流出させる流出口と、前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動可能な開閉部材と、を有し、前記搬送装置の本体に対して着脱可能に支持された現像剤を収容する容器と、
前記現像剤を収容する容器が前記搬送装置の本体に対して着脱される方向に対して交差する方向に、前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間の移動方向が設定された前記開閉部材と、
前記開閉部材に支持された被接触部と、
前記搬送装置の本体に設けられた案内部であって、前記現像剤を収容する容器が装着される方向に沿って延び且つ前記被接触部が通過可能な通過部と、前記容器が装着される方向に対して前記通過部の下流端に接続され且つ前記容器が装着される方向の下流側に行くに連れて前記流出口を開放する位置側に傾斜する形状に形成され前記被接触部に接触して前記開閉部材を前記移動方向に移動させる傾斜部と、を有する前記案内部と、
前記通過部に設けられ且つ前記流出口を閉塞する位置側に延び、前記被接触部が通過する場合に前記被接触部に接触して前記流出口を閉塞する位置に向けて前記開閉部材を移動させる接触部と、
を備えたことを特徴とする現像剤搬送装置。
【請求項2】
前記接触部に隣接して配置され且つ前記被接触部の外端部を収容可能な外端の収容部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
【請求項3】
前記収容部の円弧状の外表面に沿って前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動する前記開閉部材と、
前記開閉部材が移動する円弧の径方向に延びる前記被接触部と、
前記被接触部の径方向に延びる被接触面に接触する接触面を有する前記接触部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤搬送装置。
【請求項4】
前記搬送装置の本体に設けられ、且つ、前記被接触部が前記接触部に接触する時期に応じて前記搬送装置の本体から取り外される前記現像剤を収容する容器に接触して、前記現像剤を収容する容器の前記搬送装置の本体に対するガタつきを規制する規制部
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
【請求項5】
前記開閉部材に設けられた被停止部と、
前記容器に設けられ且つ前記流出口を閉塞する位置に移動した前記開閉部材の前記被停止部に対応する位置に配置され、前記被停止部に接触して前記開閉部材の前記流出口を開放する位置への移動を停止させる停止部と、
前記被停止部と前記停止部とが接触、離間する方向に移動可能に支持された前記開閉部材と、
前記被停止部と前記停止部とが接触する方向に前記開閉部材を付勢する付勢部と、
前記容器が前記搬送装置の本体に装着される場合に、前記被接触部に接触して前記開閉部材を前記被停止部と前記停止部とが離間する方向に移動させて、前記被停止部と前記停止部とを離間させる前記傾斜部と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
【請求項6】
前記流出口に支持されて前記流出口を開放する位置と前記流出口を閉塞する位置との間を移動可能な第1の開閉部材と、前記第1の開閉部材の外方に支持され且つ前記第1の開閉部材の外側を開放する位置と前記第1の開閉部材の外側を閉塞する位置との間で移動可能な第2の開閉部材を有する前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤搬送装置。
【請求項7】
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着する定着装置と、
前記現像装置に現像剤を搬送する請求項1ないし6のいずれかに記載の現像剤搬送装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−105114(P2013−105114A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250309(P2011−250309)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]