説明

現像剤濃度調整装置

【課題】濃度調整時間を短縮することが可能な現像剤濃度調整装置を提供する。
【解決手段】濃度調整槽50の上部に設けられた開口部51aよりも下に濃度調整液を補給する補給口54b,55bを濃度調整槽50の側壁面側に設ける。補給口55bは、高濃度調整液槽と連結されており、高濃度調整液が濃度調整槽50に補給される。補給口54bは、低濃度調整液槽と連結され、低濃度調整液が濃度調整槽50に補給される。濃度調整液の補給口54b,55bからの補給位置を、開口部51aよりも下に設けることで、濃度測定後、濃度調整のために補給した濃度調整液が開口部51aに近いすり鉢上の液面付近に補給されることを防ぎ、濃度調整槽50の液体現像剤と完全に混合する前に補給した濃度調整液が開口部51aから流出する量を減らすことができ、液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成に使用する液体現像剤の濃度を調整するための現像剤濃度調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感光体(感光ドラム)に静電潜像を形成し、それにトナーを付着させて、紙などに転写して定着する電子写真方式の画像形成装置が、複写機、MFP(多機能型プリンタ)、FAX、プリンタなどに広く使用されている。それらの画像形成装置では、従来、粉体トナーを用いる乾式現像方式や、液体現像剤を用いる湿式現像方式が一般に用いられてきた。
【0003】
しかし、大量プリント用のオフィスプリンタやオンデマンド印刷装置などの、より高画質及び高解像度が要求される画像形成装置では、粉体トナーによる乾式現像方式と比べ、トナー粒子径が小さく、トナー画像の乱れもおきにくい液体現像剤を用いる湿式現像方式が用いられるようになってきている。
【0004】
特に近年では、シリコンオイルなどの絶縁性液体(キャリヤ液)中に樹脂及び顔料からなる固形分としてのトナーを高濃度に分散させることで構成される、高粘度で高濃度の液体現像剤を用いる画像形成装置が提案されるようになってきた。
【0005】
この液体現像剤を用いて現像する際には、現像ローラ等の現像剤担持体上に現像剤のミクロン単位の薄層を形成し、この薄層化された現像剤を感光体に接触させて現像することが望ましい。このことは特に、上記のような高粘度の液体現像剤を用いる場合により顕著である。
【0006】
このように液体現像剤の薄層によって現像を行う場合は、画像濃度を安定化させるために、一定濃度の現像剤で均一な薄層を形成することが重要な課題となる。また一般に、感光体上の潜像を現像した後も、現像ローラ上には液体現像剤が残留する。これがそのままの状態で再度現像領域に到達すると、次の現像に悪影響を及ぼす。そのような問題に対応するため、現像後、残留した現像ローラ上の現像剤をクリーニングする技術が開発されてきた。現像ローラ上の残存現像剤のクリーニングは、一般に当接させたブレードによる掻き取りが行われる。
【0007】
しかしながら、現像ローラから回収した現像剤は溜まっていくため、回収して廃棄するにしても保管容器を必要とする。そこで回収した現像剤を再利用することにより、そのような容器も必要なく、また現像剤を有効利用できるような技術が提案されてきた。
【0008】
しかしながら、現像に供する現像剤は高濃度の現像剤であるが、それが像担持体上の潜像を現像した後では、トナーを相当部分消費するため、残留現像剤は濃度が変化していることが多い。これがそのまま現像剤槽に注ぎ込まれると、現像剤槽内の現像剤の濃度が変化していき、所定の濃度を確保することが難しくなる。こういった問題に対処するために、回収現像剤を現像剤槽に注ぎ込む前に、濃度調整槽において、濃度調整用の調整液(高濃度現像剤または低濃度現像剤など)を補給して回収現像剤の濃度調整を行う技術が提案されてきた。
【0009】
この点で、高濃度の液体現像剤の濃度測定に関しては、粘度を用いて算出する技術が有効である。
【0010】
具体的には、回収現像剤の濃度調整を行う際に、濃度調整用の濃度調整槽に回収現像剤を入れ、撹拌手段によって撹拌し、そのときの負荷を検出することで液体現像剤の濃度の測定を行う。
【0011】
このとき、測定する液体現像剤の液量を一定に制御する必要がある。
例えば、特開2009−2998号公報においては、濃度調整のために補給調整液を補給する際、開口部からのオーバーフローの有無を検知して、その検知結果に基づいて液の供給速度を制御する方式を開示している。すなわち、オーバーフローの量が多い時は補給速度を下げ、オーバーフローの量が少ない時は補給速度を上げることにより、測定する液体現像剤の液量を一定にして濃度調整時間を短縮する方式を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−2998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、このように供給速度を制御しても、補給調整液を補給しながら同時に、撹拌時の負荷検知により濃度を測定するため、補給調整液の一部が、濃度調整槽の液体現像剤と混合する前に開口部から流出してしまう。そのため、所望の液体現像剤の濃度に達するまでに時間を要するという問題がある。
【0014】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、濃度調整時間を短縮することが可能な現像剤濃度調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある局面に従う現像剤濃度調整装置は、濃度調整用の液体現像剤を収容する濃度調整槽と、濃度調整槽内に収容された液体現像剤を撹拌する撹拌手段と、濃度調整用の少なくとも2種類以上の濃度調整液を収容する濃度調整液槽と、濃度調整槽内に収容された液体現像剤のトナー濃度を測定して、所望のトナー濃度に調整するために濃度調整液槽から濃度調整液を濃度調整槽に供給するためのトナー濃度調整手段とを備える。濃度調整槽は、収容する液体現像剤のトナー濃度の測定時に液量を一定に保つように余剰の液体現像剤をオーバーフローさせるための開口部を含む。所望のトナー濃度に調整するために濃度調整液槽から供給される濃度調整液を濃度調整槽に収容された液体現像剤の液中に供給する供給口は、濃度調整槽の開口部よりも下方の位置に設けられる。
【0016】
好ましくは、濃度調整液槽は、所望のトナー濃度よりも高い濃度の濃度調整液を収容する第1調整液槽と、所望のトナー濃度よりも低い濃度の濃度調整液を収容する第2調整液槽とを含む。供給口は、第1および第2調整液槽にそれぞれ対応する第1および第2補給口を有する。第1補給口は、開口部よりも下方の位置に設けられ、第2補給口よりも上方に設けられる。
【0017】
好ましくは、濃度調整液を濃度調整槽に収容された液体現像剤の液中に供給する供給口は、濃度調整槽の側壁面に設けられる。
【0018】
特に、供給口は、濃度調整槽の側壁面から内側に突出させて設けられる。
好ましくは、濃度調整液を濃度調整槽に収容された液体現像剤の液中に供給する供給口は、濃度調整槽の上部から、かつ、開口部により形成される液体現像剤の液面よりも下の位置に設けられる。
【0019】
特に、濃度調整液槽は、所望のトナー濃度よりも高い濃度の濃度調整液を収容する第1調整液槽と、所望のトナー濃度よりも低い濃度の濃度調整液を収容する第2調整液槽とを含み、供給口は、第1および第2調整液槽にそれぞれ対応する第1および第2補給口を有する。第2補給口は、第1補給口よりも濃度調整槽の中心部よりも外側の位置に設けられる。
【0020】
好ましくは、供給口は、撹拌手段の可動領域近傍に設けられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に従う現像剤濃度調整装置において、濃度調整槽は、収容する液体現像剤のトナー濃度の測定時に液量を一定に保つように余剰の液体現像剤をオーバーフローさせるための開口部を含む。所望のトナー濃度に調整するために濃度調整液槽から供給される濃度調整液を濃度調整槽に収容された液体現像剤の液中に供給する供給口は、濃度調整槽の開口部よりも下方の位置に設けられる。したがって、当該構成により、濃度調整液の供給位置を、開口部よりも下に設けることで、濃度測定後、濃度調整のために供給した濃度調整液が開口部に近いすり鉢上の液面付近に補給されることを防ぎ、濃度調整槽の液体現像剤と完全に混合する前に補給した濃度調整液が開口部から流出する量を減らすことができ、液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に従う湿式画像形成装置における画像形成部の構成について説明する概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う液体現像装置4に供給する液体現像剤を調整する現像剤濃度調整装置60の概略ブロックを説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う現像剤濃度調整装置60の構成を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う現像剤濃度調整装置60の濃度調整処理について説明するフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う濃度調整槽50の調整液の補給方式を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う現像剤濃度調整装置60の濃度調整処理と従来構成との比較を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に従う湿式画像形成装置における画像形成部の構成について説明する概略図である。なお、当該図1には、湿式画像形成装置における画像形成部の概略断面図が示されている。
【0025】
図1を参照して、感光体ドラム1は、像担持体として機能する。
画像形成部10は、この感光体ドラム1を中心に、この周囲に配設された、感光体ドラム1の表面を均一に帯電させる帯電装置2と、帯電した感光体ドラム1上にLED光またはレーザビームを照射して、静電潜像を形成する露光装置3と、その静電潜像を液体現像剤を用いて現像する液体現像装置4と、現像されたトナー像を転写材に転写する転写装置5と、そして転写後の感光体ドラム1の表面に残存する液体現像剤を除去するクリーニング装置6等を含む。
【0026】
また、液体現像装置4の前後には、予め液体現像剤の一部を塗布したり、回収したりする装置を設けるようにすることも可能である。
【0027】
転写材は、そのまま記録用紙などの記録材であってもよいし、転写材として中間転写ベルトなどを用いて、再度記録材に転写するような構成であってもよい。
【0028】
液体現像装置4は、一般的には、表面に液体現像剤の薄層を担持し、像担持体である感光体ドラム1上の潜像を現像する現像ローラ41と、現像ローラ41に当接して、その表面に液量調整された液体現像剤を転移させる搬送ローラ42と、そしてその搬送ローラ42に当接して、その表面に現像剤槽44内の液体現像剤8を供給する供給ローラ43とを含む。
【0029】
なお、供給ローラ43には液体現像剤8を汲み上げる量を規制するための規制部材45が設けられている。また、現像ローラ41には感光体ドラム1に現像された後の残留した液体現像剤を除去するためのクリーニング装置46が設けられている。
【0030】
なお、図1においては、液体現像装置4が1台のみ配置されているが、カラー画像形成のために複数台配置される構成としても良い。また、カラー現像の方式、中間転写の有無等は任意に設定すればよく、それに合わせた任意の構成配置をとることが可能である。
【0031】
感光体ドラム1は、図1に示す矢印方向に回転し、帯電装置2は、回転する感光体ドラム1の表面をコロナ放電などにより数百V程度に帯電させる。
【0032】
帯電装置2より感光体ドラム1の回転方向下流側においては、露光装置3から照射されたレーザビームにより、表面電位が百V程度以下に低下させられた静電潜像が形成される。
【0033】
露光装置3のさらに下流側には、液体現像装置4が配設されており、感光体ドラム1に形成された静電潜像が、液体現像剤8を用いて現像される。
【0034】
液体現像装置4には、絶縁性の溶媒(以後キャリヤ液とも呼称する)中にトナーを分散させた液体現像剤8が現像剤槽44内に収容されており、供給ローラ43によって搬送ローラ42表面に液体現像剤8が供給される。搬送ローラ42は液体現像剤8の薄層を搬送し、現像ローラ41に転移させる。
【0035】
そして、現像ローラ41上には液体現像剤8の薄層が担持される。さらに、現像ローラ41と感光体ドラム1との静電潜像との電位差により、現像ローラ41上に担持された液体現像剤8の薄層内のトナー粒子が感光体ドラム1上の静電潜像に移動して、静電潜像が現像される。
【0036】
転写装置5では、感光体ドラム1の周速と同速度で搬送される転写材に帯電を施し、あるいは電圧を印加することで、感光体ドラム1上の現像されたトナー像が転写材上に転写される。
【0037】
転写装置5の下流側には、感光体ドラム1の表面上に残存する液体現像剤8を除去するクリーニング装置6が配設されている。このクリーニング装置6により感光体ドラム1上に残存する液体現像剤8が除去される。
【0038】
なお、クリーニング装置6のクリーニングブレードは、ゴム体であっても剛体であっても良い。ゴム体は、ウレタンゴムや、NBRゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。剛体の場合には、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート等の樹脂類や、アルミ、アルマイト、SUS、真鍮などの金属類が挙げられる。
【0039】
なお、クリーニングブレードを用いて残留したキャリア液を除去する構成について説明しているが、ウェブロール状の紙,布等を感光体に圧接し、巻き取り移動させながら残留したキャリア液を除去するいわゆるウェブクリーニングを採用することも可能である。また、バイアスを印加してトナーを引き付けるようにしてもよい。
【0040】
転写装置5でトナー像が転写された転写材は、記録材であれば、図示しない定着装置へと搬送され、加熱定着の上、排出される。
【0041】
転写材が中間転写ベルトなどの中間転写体であれば、その後、トナー像が記録材に再転写され、トナー像を転写された記録材が、同じく定着装置へと搬送され、加熱定着の上、排出される。
【0042】
次に、現像に用いる液体現像剤8について説明する。液体現像剤8は、溶媒であるキャリア液体中に着色されたトナー粒子を高濃度で分散している。また、液体現像剤8には、分散剤、荷電制御剤などの添加剤を適宜、選んで添加してもよい。
【0043】
液体現像剤は、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナーと、トナーを分散させる分散剤とを主要成分としている。
【0044】
キャリア液としては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば特に制限することなく使用することができるが、例えば、キャリア液として、イソパラフィン系のアイソパー(G、H、L、Mなど)(エクソンモビール)、IPソルベント(1620、2028、2835など)(出光興産)や、パラフィン系のモレスコホワイト(P−40,P−70,P−120)(松村石油研究所)を挙げることができる。また、シリコンオイル、ミネラルオイルを用いることも可能である。
【0045】
トナー粒子は、主として、樹脂と着色のための顔料や染料からなる。樹脂には、顔料や染料を樹脂中に均一に分散させる機能と、記録用紙に定着させる際のバインダとしての機能がある。
【0046】
トナー粒子としては、一般に電子写真用液体現像剤に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。トナー用結着樹脂としては、たとえばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。またこれらの樹脂を複数、混合して用いることも可能である。
【0047】
また、トナーの着色に用いられる顔料および染料も一般に市販されているものを用いることができる。たとえば、顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、シリカ、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドD等を用いることができる。染料としてはソルベントレッド27やアシッドブルー9等を用いることができる。
【0048】
液体現像剤の調整方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調整することができる。たとえば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ローラミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体をたとえばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末をたとえば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナーを得ることができる。そして、得られたトナー粒子をキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させ、液体現像剤を得ることができる。
【0049】
トナーの平均粒径は、湿式画像形成方式を採用しているため、0.1μm〜5μmとすることが可能である。0.1μm未満では現像性が大きく低下し、5μmより大きい粒径では画像品位が低下するため、0.1μm〜5μmに設定することが望ましい。
【0050】
液体現像剤の質量に対するトナー粒子の質量の割合は、10〜50%程度が適当である。
【0051】
10%未満の場合、トナー粒子に沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性に問題があり、また、必要な画像濃度を得るため、多量の液体現像剤を供給する必要があり、記録用紙に付着するキャリア液が増加し、定着時に乾燥させた際の蒸気の処理が問題となる可能性がある。一方で、50%を超える場合には、液体現像剤の粘度が高くなりすぎ、製造上も取り扱いが困難になる可能性がある。
【0052】
液体現像剤の粘土は、25℃において、0.1mPa・s以上、10000mPa・s以下が望ましい。10000mPa・sより大きくなると液体現像剤の撹拌や送液等の取り扱いが困難となり、均一な液体現像剤を供給する装置の負担が大きくなる可能性がある。
【0053】
図2は、本発明の実施の形態に従う液体現像装置4に供給する液体現像剤を調整する現像剤濃度調整装置60の概略ブロックを説明する図である。
【0054】
図2を参照して、液体現像装置4と、現像剤濃度調整装置60とが示されている。
現像剤槽44には、上述の液体現像剤8が収容されている。供給ローラ43は、現像剤槽44内の液体現像剤8に浸漬するよう配置され、矢印D方向に回転し、現像剤槽44から液体現像剤8をくみ上げる。高粘度の液体現像剤8はその粘着力で供給ローラ43の表面に付着した状態で搬送される。
【0055】
規制部材45は、図のように供給ローラ43に対向して、その回転に対してカウンタ方向に当接して配置され、供給ローラ43の表面に付着して搬送される液体現像剤の量を規制する。これにより余分な液体現像剤量が剥ぎ落とされ、供給ローラ43表面上には液体現像剤の薄層が形成され、次の搬送ローラ42に向かって搬送される。
【0056】
搬送ローラ42としては、一般にゴムローラが用いられる。搬送ローラ42は供給ローラ43に対向して配置され、当接しながら矢印C方向に回転する。このニップ部で、供給ローラ43表面に形成された液体現像剤の薄層は搬送ローラ42の表面に写し取られ、現像ローラ41へ向かって搬送される。
【0057】
現像ローラ41としては低硬度のゴムローラが用いられる。現像ローラ41は搬送ローラ42に対向して配置され、当接しながら矢印B方向に回転する。このニップ部で、搬送ローラ42表面に搬送された液体現像剤の薄層は、現像ローラ41に掻き取られ、現像ローラ41表面に液体現像剤の薄層が担持、搬送される。したがって、現像ローラ41が現像剤担持体として機能する。
【0058】
ここでは、搬送ローラ42が液体現像剤の薄層を形成し、現像剤担持体に受け渡しするが、供給ローラ43がその機能を合わせ持ってもよい。すなわち、供給ローラ43から直接現像ローラ41に液体現像剤を転移させる方法を採ることも可能である。
【0059】
現像ローラ41は、像担持体である感光体ドラム1とも当接して回転しており、感光体ドラム1とのニップ部、すなわち現像領域に搬送された液体現像剤の薄層は、感光体ドラム1上の潜像を現像することになる。
【0060】
感光体ドラム1の潜像を現像した後、現像ローラ41表面には液体現像剤の薄層が残存する。残存した液体現像剤がそのまま再度現像領域まで搬送されると、次の現像に悪影響を及ぼすため、クリーニング装置46により、現像ローラ表面をクリーニングし、残存した液体現像剤を除去する。
【0061】
本例においては、クリーニング装置46により除去された残存現像剤は回収されて再利用される。
【0062】
以下に、液体現像剤の回収、再利用に関する、本発明の実施の形態に従う現像剤濃度調整装置60の構成について説明する。
【0063】
本発明の実施の形態に従う現像剤濃度調整装置60は、回収槽53と、濃度調整槽50と、高濃度調整液槽55と、低濃度調整液槽54と、ポンプ50a,53a,54a,55aとを含む。
【0064】
クリーニング装置46で除去された液体現像剤は、回収現像剤として、回収槽53に一旦貯留される。
【0065】
回収槽53に貯留された回収現像剤は、所望の濃度に調整して再利用するため、ポンプ53aを介して濃度調整槽50に送られる。そして、濃度調整槽50で所望の濃度に調整される。具体的には、高濃度調整液槽55と、低濃度調整液槽54からそれぞれ高濃度調整液および低濃度調整液がポンプ55a,54aを介して濃度調整槽50に送られて、混合され所望の濃度に調整される。そして、所望の濃度に調整された液体現像剤は、液体現像装置4の現像剤槽44に供給され、再利用される。
【0066】
次に、現像剤濃度調整装置60の濃度調整方式について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に従う現像剤濃度調整装置60の構成を説明する図である。
【0067】
図3を参照して、現像剤濃度調整装置60において、濃度調整槽50には、開口部51aが設けられる。濃度調整槽50の開口部51aから排出された液体現像剤は、排出現像剤槽52で貯留される。また、濃度調整槽50内には、濃度調整槽50に貯留されている液体現像剤を撹拌するための撹拌部材62が設けられる。また、当該撹拌部材62を駆動する駆動装置63と、駆動装置63の負荷を検出する負荷検出装置64と、全体を制御する制御部61とがさらに設けられる。
【0068】
また、本例においては、濃度調整槽50に対して回収現像剤を供給する回収槽53と、高濃度調整液を供給する高濃度調整液槽55と、低濃度調整液を供給する低濃度調整液槽54とが接続されている場合が示されている。
【0069】
高濃度調整液槽55には、調整液(第1の補給現像剤)として、例えば所望の濃度より高濃度の液体現像剤が収容されており、図示しないがポンプ55aを介して濃度調整槽50に高濃度調整液を補給する。
【0070】
低濃度調整液槽54には、調整液(第2の補給現像剤)として、例えば所望の濃度より低濃度の液体現像剤(キャリア液のみの場合も含む)が収容されており、図示しないがポンプ54aを介して濃度調整槽50に低濃度調整液を補給する。
【0071】
また、濃度調整のために送られてきた回収槽53に貯留されている回収現像剤は、図示しないがポンプ53aを介して濃度調整用の液体現像剤として濃度調整槽50に送られる。
【0072】
負荷検出装置64は、濃度調整槽50の液体現像剤を駆動装置63により駆動される撹拌部材62で撹拌した場合の負荷を検出し、その検出結果を制御部61に出力する。
【0073】
制御部61は、負荷検出装置64からの検出結果に基づいて濃度調整槽50の液体現像剤の濃度を測定する。
【0074】
所望の濃度との比較結果に応じて、調整液(第1の補給現像剤または第2の補給現像剤)が濃度調整槽50に補給される。すなわち、所望の濃度より高濃度である場合は低濃度の調整液(第2の補給現像剤)を、または低濃度である場合は高濃度の調整液(第1の補給現像剤)を補給する。
【0075】
現像剤濃度調整装置60は、濃度調整槽50の液体現像剤が所望の濃度に達するまで、上記の処理を繰り返す。
【0076】
濃度調整槽50の液体現像剤が所望の濃度に達すると、濃度調整は終了し、濃度調整済みの液体現像剤が図示しないポンプ50aを介して液体現像装置4の現像剤槽44に供給される。
【0077】
濃度調整槽50は円筒形の容器であり、上部に開口部51aが設けられている。
開口部51aは、収容された濃度調整槽50の液体現像剤の液量が多くなり、開口部51aの位置を液面が超えると溢れ出ることによって、収容された濃度調整槽50の液体現像剤の液量を一定量に維持する機能を有している。
【0078】
排出現像剤槽52は、溢れ出た液体現像剤を収容する槽である。溜まった液体現像剤は廃棄する、もしくは回収現像剤として再度、濃度調整を行うように戻すような構成としてもよい。
【0079】
撹拌部材62は、例えば撹拌羽根81であり、濃度調整槽50内に設置され、駆動装置63により回転駆動されることで、収容された液体現像剤を撹拌する。駆動装置63は、例えばモータであり、撹拌部材62としての撹拌羽根81を所定の条件で回転させる。すなわち、撹拌部材62と駆動装置63とは、撹拌手段として機能する。
【0080】
負荷検出装置64は、駆動装置63による撹拌部材62の駆動における負荷を検出する装置であり、すなわち負荷検出手段である。負荷検出装置64としては様々な装置を用いることができる。例えばモータによる撹拌羽根81の回転に対するトルクを検出する動トルク計を用いてもよい。また所定の条件でのモータの回転に要する電流値を測定する電流計であってもよい。
【0081】
制御部61は、各部の動作を制御して、負荷検出装置64の負荷結果に基づいて、液体現像剤の濃度もしくは濃度に相当する値を算出する。なお、本例においては、負荷検出装置64と、制御部61とがそれぞれ独立の構成について説明しているが、負荷検出装置64の機能を制御部61が実行するようにしても良い。
【0082】
そして、制御部61は、算出した液体現像剤の濃度と所望の濃度との比較に基づき、濃度調整のための調整液(第1の補給現像剤もしくは第2の補給現像剤)の補給動作を実行する。すなわち制御部61は制御手段として機能する。
【0083】
上記の現像剤濃度調整装置60の構成は、濃度調整槽50における液体現像剤を撹拌する時の負荷を検出することで濃度を算出する方式である。これは、液体現像剤の濃度により、その粘度が異なること、また液体現像剤の粘度が異なることにより、撹拌するための負荷が異なることに基づいている。
【0084】
液体現像剤の濃度が変化すると粘度も変化する。特に高濃度の領域に対して粘度の変化量が大きく、十分な測定の感度を得ることができる。
【0085】
撹拌手段による撹拌動作によって、濃度調整槽50の液体現像剤の液面は、すり鉢状になり、濃度調整槽50に設けられた開口部51aにより、液量が規制される。
【0086】
開口部51aは、濃度調整槽50の壁面の一部に設けられていてもよいが、壁面の上端部全体が開口になっていてもよい。この場合、排出現像剤槽52は上端部全体から溢れ出る現像剤を受けるよう配置するようにすれば良い。
【0087】
図4は、本発明の実施の形態に従う現像剤濃度調整装置60の濃度調整処理について説明するフロー図である。当該処理は、主に制御部61から各部への指示に基づいて実行される。
【0088】
図4を参照して、まず、濃度測定を開始する(ステップS2)。
次に、濃度調整する液体現像剤を濃度調整槽50に収納する(ステップS4)。具体的には、回収槽53からポンプ53aを介して濃度調整槽50に回収現像剤を供給する。
【0089】
次に、液体現像剤を所定条件で撹拌し、開口部から溢れ出た状態で撹拌の負荷を検出する(ステップS6)。具体的には、制御部61は、駆動装置63により撹拌部材62を駆動する。撹拌部材が所定の回転数で回転し、濃度調整槽50の液体現像剤を撹拌する。濃度調整槽50の液体現像剤の液面は粘性を有するためすり鉢状になり、開口部51aより余剰の液体現像剤が、排出現像剤槽52に溢れ出る。液体現像剤量が規制された状態で負荷検出装置64により撹拌の負荷が検出される。ここでは、撹拌を始めて、液体現像剤の液量が変化し、安定してから撹拌の負荷を検出することが必要である。また、撹拌時に撹拌部材は液体現像剤に完全に浸っていること、すなわち、すり鉢状になった液面より十分下方にあることも必要である。撹拌の負荷検出は、前述したように、動トルク計を用いてもよいし、電流計を用いてもよい。
【0090】
次に、検出した撹拌負荷に基づいて、液体現像剤の濃度を算出する(ステップS8)。具体的には、撹拌部材62の撹拌トルクにより変化する駆動装置の負荷を負荷検出装置64で検出する。そして、制御部61は、検出結果に基づいて液体現像剤の濃度を算出する。制御部61は、予め撹拌の負荷と液体現像剤の濃度との対応テーブルを保持しており、当該対応テーブルを参照することにより液体現像剤の濃度を算出する。
【0091】
そして、次に、制御部61は、算出した、すなわち測定した液体現像剤の濃度が所定の濃度であるかどうかを判断する(ステップS10)。
【0092】
ステップS10において、測定した液体現像剤の濃度が所定の濃度であると判断した場合(ステップS10においてYES)には、濃度調整処理を終了する(エンド)。
【0093】
一方、ステップS10において、測定した液体現像剤の濃度が所定の濃度でないと判断した場合(ステップS10においてNO)には、測定した濃度が所定の濃度未満であるかどうかを判断する(ステップS12)。
【0094】
ステップS12において、測定した濃度が所定の濃度未満であると判断した場合(ステップS12においてYES)には、高濃度調整液を濃度調整槽50に補給する(ステップS16)。
【0095】
そして、再び、ステップS6に戻り、液体現像剤を所定条件で撹拌し、負荷を検出して、濃度調整槽50の液体現像剤の濃度を測定する。なお、液体現像剤の撹拌および負荷の検出ならびに濃度の測定は、調整液が補給されている間も継続して実行するようにしても良い。一方、ステップS12において、測定した濃度が所定の濃度未満でない、すなわち、所定の濃度以上であると判断した場合(ステップS12においてNO)には、低濃度調整液を濃度調整槽50に供給する(ステップS14)。
【0096】
そして、再び、ステップS6に戻り、液体現像剤を所定条件で撹拌し、負荷を検出して、濃度調整槽50の液体現像剤の濃度を測定する。
【0097】
そして、ステップS10において、測定した濃度が所定濃度であるかどうかを判断し、濃度が所定濃度となるまで上述した処理を繰り返す。
【0098】
次に、高濃度調整液および低濃度調整液の補給方式について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に従う濃度調整槽50の調整液の補給方式を説明する図である。
【0099】
図5(a)を参照して、濃度調整槽50の壁面側から濃度調整液を補給する。
具体的には、濃度調整槽50の上部に設けられた開口部51aよりも下に濃度調整液を補給する補給口54b,55bを濃度調整槽50の側壁面側に設ける。一例として、補給口55bは、高濃度調整液槽55と連結されており、ポンプ55aを介して高濃度調整液を濃度調整槽50に補給する。補給口54bは、低濃度調整液槽54と連結され、ポンプ54aを介して低濃度調整液を濃度調整槽50に補給する。
【0100】
当該構成により、濃度調整液の補給口54b,55bからの補給位置を、開口部51aよりも下に設けることで、濃度測定後、濃度調整のために補給した濃度調整液が開口部51aに近いすり鉢上の液面付近に補給されることを防ぎ、濃度調整槽50の液体現像剤と完全に混合する前に補給した濃度調整液が開口部51aから流出する量を減らすことができ、液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮することができる。また、高濃度調整液を補給する補給口55bよりも低濃度調整液を補給する補給口54bを下に設ける構成である。すなわち、比重の重い高濃度調整液を比重の軽い低濃度調整液よりも補給位置を上にすることにより、濃度調整液が混合され易くなり液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮する。
【0101】
図5(b)を参照して、また、濃度調整槽50の側壁面に補給口54b,55bを設けるのではなく、濃度調整槽50の濃度調整液中の中心付近に濃度調整液が補給されるように側壁面よりも内側に突出して補給口54b,55bを設けるようにして、補給された濃度調整液がより混合され易くして液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮することができる。
【0102】
図5(c)は、補給口54b,55bを濃度調整槽50の側壁面側に設けるのではなく、濃度調整槽50の上部から補給されるように設けた構成が示されている。当該場合においても補給口54b,55bは、開口部51aよりも下に設けられるものとする。当該構成により、開口部51aに近いすり鉢上の液面付近ではなく、液面中に濃度調整液が補給されるため、補給された濃度調整液が開口部51aから流出する量を減らすことができ、液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮することができる。
【0103】
図5(d)は、補給口55bを濃度調整槽50の中心付近Pの近くに設け、補給口54bを補給口55bよりも中心付近Pから外側に設けた構成が示されている。当該場合においても、補給口54b,55bは、開口部51aよりも下に設けられるものとする。当該構成により、開口部51aに近いすり鉢上の液面付近ではなく、液面中に濃度調整液が補給されるため、補給された濃度調整液が開口部51aから流出する量を減らすことができるとともに、高濃度調整液を濃度調整槽50の中心付近に補給することにより、補給された高濃度調整液を混合し易くして液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮することができる。
【0104】
図5(e)は、撹拌羽根81の近傍に濃度調整液を補給する場合が示されている。一例として、濃度調整槽50の中心付近Pに撹拌部材62が設けられた場合において、当該中心付近Pを支点にして撹拌羽根81の長さQの範囲で回転する場合にその内側領域に濃度調整液を補給する場合が示されている。具体的には、側壁面よりも内側に突出して補給口54b,55bが設けられている。当該構成においては、撹拌羽根81の回転領域の近傍に濃度調整液が補給されるため、補給された濃度調整液がより混合され易くなり、液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮することができる。
【0105】
図5(f)は、図5(e)と同様に撹拌羽根81の近傍に濃度調整液を補給する場合であり、補給口54b,55bについて、濃度調整槽50の側壁面側ではなく、上部から設けた構成である。
【0106】
図5(g)は、図5(e)と同様に撹拌羽根81の近傍に濃度調整液を補給する場合であり、高濃度調整液を補給する補給口55bよりも低濃度調整液を補給する補給口54bを下に設ける構成である。すなわち、比重の重い高濃度調整液を比重の軽い低濃度調整液よりも補給位置を上にすることにより、濃度調整液が混合され易くなり液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮する。
【0107】
図5(h)は、図5(e)と同様に撹拌羽根81の近傍に濃度調整液を補給する場合であり、高濃度調整液を濃度調整槽50の中心付近に補給することにより、補給された高濃度調整液を混合し易くして液体現像剤の濃度調整に要する時間を短縮することができる。
【0108】
図6は、本発明の実施の形態に従う現像剤濃度調整装置60の濃度調整処理と従来構成との比較を説明する図である。
【0109】
なお、従来構成としては、濃度調整液の補給位置として開口部51aの位置よりも上の位置から補給する方式を採用した。
【0110】
図6(a)を参照して、ここでは、検出された液体現像剤の粘度が目的の濃度よりも高い場合の調整時間の比較が示されている。
【0111】
当該場合に示されているように、本発明の現像剤濃度調整装置60による濃度調整時間はt1であり、従来構成の場合の濃度調整時間はt2である。すなわち、本発明の現像剤濃度調整装置60は、従来構成よりも濃度調整に要する時間を短縮することが可能である。
【0112】
図6(b)を参照して、ここでは、検出された液体現像剤の粘度が目的の濃度よりも低い場合の調整時間の比較が示されている。
【0113】
当該場合に示されているように、本発明の現像剤濃度調整装置60による濃度調整時間はt1であり、従来構成の場合の濃度調整時間はt2である。すなわち、本発明の現像剤濃度調整装置60は、従来構成よりも濃度調整に要する時間を短縮することが可能である。
【0114】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
1 感光体ドラム、2 帯電装置、3 露光装置、4 液体現像装置、5 転写装置、6,46 クリーニング装置、8 液体現像剤、10 画像形成部、41 現像ローラ、42 搬送ローラ、43 供給ローラ、44 現像剤槽、45 規制部材、50 濃度調整槽、51a 開口部、52 排出現像剤槽、53 回収槽、54 低濃度調整液槽、54b,55b 補給口、55 高濃度調整液槽、60 現像剤濃度調整装置、61 制御部、62 撹拌部材、63 駆動装置、64 負荷検出装置、81 撹拌羽根。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃度調整用の液体現像剤を収容する濃度調整槽と、
前記濃度調整槽内に収容された液体現像剤を撹拌する撹拌手段と、
濃度調整用の少なくとも2種類以上の濃度調整液を収容する濃度調整液槽と、
前記濃度調整槽内に収容された液体現像剤のトナー濃度を測定して、所望のトナー濃度に調整するために前記濃度調整液槽から前記濃度調整液を前記濃度調整槽に供給するためのトナー濃度調整手段とを備え、
前記濃度調整槽は、収容する液体現像剤の前記トナー濃度の測定時に液量を一定に保つように余剰の液体現像剤をオーバーフローさせるための開口部を含み、
前記所望のトナー濃度に調整するために前記濃度調整液槽から供給される前記濃度調整液を前記濃度調整槽に収容された前記液体現像剤の液中に供給する供給口は、前記濃度調整槽の前記開口部よりも下方の位置に設けられる、現像剤濃度調整装置。
【請求項2】
前記濃度調整液槽は、
前記所望のトナー濃度よりも高い濃度の濃度調整液を収容する第1調整液槽と、
前記所望のトナー濃度よりも低い濃度の濃度調整液を収容する第2調整液槽とを含み、
前記供給口は、前記第1および第2調整液槽にそれぞれ対応する第1および第2補給口を有し、
前記第1補給口は、前記開口部よりも下方の位置に設けられ、前記第2補給口よりも上方に設けられる、請求項1記載の現像剤濃度調整装置。
【請求項3】
前記濃度調整液を前記濃度調整槽に収容された前記液体現像剤の液中に供給する供給口は、前記濃度調整槽の側壁面に設けられる、請求項1記載の現像剤濃度調整装置。
【請求項4】
前記供給口は、前記濃度調整槽の側壁面から内側に突出させて設けられる、請求項3記載の現像剤濃度調整装置。
【請求項5】
前記濃度調整液を前記濃度調整槽に収容された前記液体現像剤の液中に供給する供給口は、前記濃度調整槽の上部から、かつ、前記開口部により形成される前記液体現像剤の液面よりも下の位置に設けられる、請求項1記載の現像剤濃度調整装置。
【請求項6】
前記濃度調整液槽は、
前記所望のトナー濃度よりも高い濃度の濃度調整液を収容する第1調整液槽と、
前記所望のトナー濃度よりも低い濃度の濃度調整液を収容する第2調整液槽とを含み、
前記供給口は、前記第1および第2調整液槽にそれぞれ対応する第1および第2補給口を有し、
前記第2補給口は、前記第1補給口よりも前記濃度調整槽の中心部よりも外側の位置に設けられる、請求項5記載の現像剤濃度調整装置。
【請求項7】
前記供給口は、前記撹拌手段の可動領域近傍に設けられる、請求項1〜6のいずれかに記載の現像剤濃度調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−155270(P2012−155270A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16526(P2011−16526)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】