説明

現像装置、及び画像形成装置

【課題】廃液及び廃トナーの発生を抑制した現像装置を提供すること。
【解決手段】例えば、動作停止状態の現像装置本体30の現像剤収容容器32内から回収した保存用液体Hを回収した後、沈降現象を利用して、保存用液体タンク44内で、回収した保存用液体Hから液体成分とトナー成分と不純物成分とを分離すると共に、分離した液体成分を保存用液体タンク44に貯留し、分離したトナー成分を現像剤タンク42に供給して再利用し、分離した前記不純物成分を保存用液体タンク44から排出する機構56を備えた現像装置16とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、「感光体ドラム側面上に形成された静電潜像から液体トナーを用いてトナー像を生成する液体現像装置であって、少なくとも、現像タンクに貯溜された液体トナーを前記現像タンクから液体トナータンクに回収する液体トナー回収手段と、アイソパータンクに貯溜されているアイソパーを前記現像タンクに供給するアイソパー供給手段と、前記現像タンク内に貯溜されたアイソパーを前記アイソパータンクに回収するアイソパー回収手段と、液体トナータンク内に貯溜された液体トナーを前記現像タンクに供給する液体トナー供給手段と、を備えたことを特徴とする現像装置」が提案されている。
この現像装置では、現像タンク内の液体トナーを液体トナータンクに回収し、現像タンクへアイソパーを供給している。
【0003】
また、特許文献2には、「キャリヤ液にトナー粒子を分散させた現像液を用いてトナー現像を行う湿式の現像装置を備えた湿式画像形成装置において、前記現像液を貯蔵または回収する貯蔵槽と、前記現像液を前記貯蔵槽から前記現像装置、及び前記現像装置から前記貯蔵槽に導くための現像剤流路と、を有し、画像形成動作の休止時に前記現像剤流路内の現像液を前記貯蔵槽側に回収することを特徴とする湿式画像形成装置」が提案されている。
この湿式画像形成装置では、動作休止時に現像剤流路内の現像液を回収した後、空になった現像剤流路内へのキャリア液の供給を行っていない。
【0004】
また、特許文献3には、「感光媒体に供給されて残留する現像液の液状キャリアを吸収して蒸発気化させるドライユニットと、前記ドライユニットにより蒸発気化されたキャリア及び外部から不可避に流入された空気により生成された水分を各々液状キャリアと水とに凝縮させるコンデンサーと、前記コンデンサーにより凝縮された水と液状キャリアが貯蔵される凝縮貯蔵槽と、前記凝縮貯蔵槽から流入された水と液状キャリアが分離された状態で順次に貯蔵されると同時に、外部から新たな液状キャリアがさらに流入されて貯蔵されるキャリア貯蔵槽と、前記キャリア貯蔵槽に貯蔵された水と液状キャリアとを各々分離して相異なる経路に送出するための水及びキャリア分離手段と、前記水及びキャリア分離手段により前記キャリア貯蔵槽の液状キャリアと分離された状態の水が流入されて貯蔵される廃水貯蔵槽と、前記水及びキャリア分離手段により水と分離された状態の液状キャリアを前記キャリア貯蔵槽から受取って外部のインキ貯蔵用タンクから流入される濃縮インキと混合して現像液を形成する現像液混合タンクとを含むことを特徴とする湿式電子写真方式プリンタのキャリア回収装置」が提案されている。
【0005】
また、特許文献4には、「液体中にトナーを分散させた現像液を用いて潜像担持体上の潜像を現像し、該現像により顕像化された画像を直接あるいは中間転写体を介して記録媒体に転写し、該潜像担持体あるいは該中間転写体上の転写残の残留液を回収しクリーニングする湿式画像形成装置において、上記クリーニングを行うクリーニング手段で除去回収した残留液から液体成分を分離抽出する分離抽出手段を有し、該分離抽出手段によって抽出した液体成分を、上記現像手段における現像液に添加することにより、該現像液の濃度を調整することを特徴とする湿式画像形成装置」が提案されている。
この湿式画像形成装置では、トナー固形分のみを平面電極に電着保持し、キャリア液成分のみを分離抽出している。
【0006】
また、特許文献5には、「トナーを高濃度に分散した高粘度の液体現像剤を現像剤担持体に塗布し、感光体上に形成した静電潜像に現像剤担持体上の液体現像剤を転写して、感光体上の静電潜像を現像する現像装置において、現像処理後に現像剤担持体上に残存する液体現像剤を除去し、現像剤担持体から除去した液体現像剤を回収液槽に入れて回収し、回収した液体現像剤を回収液槽内に一旦溜めて、回収した液体現像剤に混じっていた異物が回収液槽の底部に沈殿するようにしたことを特徴とする現像装置」が提案されている。 この現像装置では、回収液槽に現像剤を溜め、異物が沈殿するようにしており、また、ろ過部材として回収液槽にメッシュを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−221787号公報
【特許文献2】特開2009−216868号公報
【特許文献3】特開2000−075758号公報
【特許文献4】特開2001−013795号公報
【特許文献5】特開平11−065292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、廃液及び廃トナーの発生を抑制した現像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部に収容された前記液体現像剤を像保持体の表面に供給し、前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像部材と、を備えた現像装置本体と、
前記液体現像剤を貯留する現像剤貯留槽と、
保存用液体を貯留する保存用液体貯留槽と、
前記現像装置本体の動作開始前に、前記現像剤貯留槽から前記現像装置本体の前記現像剤収容部へ前記液体現像剤を供給する第1手段と、
前記現像装置本体の動作停止後に、前記現像装置本体の前記現像剤収容部から前記現像剤貯留槽へ前記液体現像剤を回収する第2手段と、
前記現像装置本体の前記現像剤収容部から前記現像剤貯留槽へ前記液体現像剤が回収された後に、前記保存用液体貯留槽から前記現像装置本体の前記現像剤収容部へ前記保存用液体を供給する第3手段と、
前記現像剤貯留槽から前記現像装置本体の前記現像剤収容部へ前記液体現像剤を供給する前に、前記現像装置本体の前記現像剤収容部から前記保存用液体貯留槽へ前記保存用液体を回収する第4手段と、
前記保存用液体貯留槽内で、回収した前記保存用液体から液体成分とトナー成分とを分離すると共に、分離した前記液体成分を前記保存用液体貯留槽に貯留し、分離した前記トナー成分を前記現像剤貯留槽に供給して再利用する第5手段と、
を有する現像装置。
【0010】
請求項2に係る発明は、
前記第5手段が、沈降現象を利用して、前記保存用液体貯留槽内で、回収した前記保存用液体から前記液体成分と前記トナー成分とを分離する手段である請求項1に記載の現像装置。
【0011】
請求項3に係る発明は、
前記第5手段が、沈降現象を利用して、前記保存用液体貯留槽内で、回収した前記保存用液体から不純物成分も分離し、分離した前記不純物成分を前記保存用液体貯留槽から排出する手段である請求項1又は2に記載の現像装置。
【0012】
請求項4に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記像保持体に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記静電潜像をトナー像として現像する現像装置であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
前記記録媒体の表面に転写された前記トナー像を当該記録媒体の表面に定着する定着装置と、
を備える画像形成装置。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、上記第5手段を有さない場合に比べ、廃液及び廃トナーの発生を抑制した現像装置を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、第5手段が沈降現象を利用しない手段である場合に比べ、精度良く分離された状態で液体成分及びトナー成分が再利用される現像装置を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、第5手段が不純物を分離しない手段である場合に比べ、不純物の混入を抑制された状態で分離された液体成分及びトナー成分が再利用される現像装置を提供できる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、上記第5手段を有さない現像装置を備えた場合に比べ、廃液及び廃トナーの発生を抑制した画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る現像装置を示す概略構成図である。
【図3】本実施形態に係る現像装置(画像形成装置)の制御部が実行する第1処理を説明するためのフロー図である。
【図4】本実施形態に係る現像装置(画像形成装置)の制御部が実行する第2処理を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一例である実施形態について、詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係る現像装置を示す概略構成図である。
【0018】
本実施形態に係る画像形成装置101は、図1に示すように、例えば、湿式の画像形成装置であって、感光体10(像保持体の一例)を備え、感光体10の周囲に、感光体10の表面を帯電させる帯電装置12と、露光により、帯電した感光体10の表面に静電潜像を形成する露光装置14(潜像形成装置一例)と、感光体10の表面に形成された静電潜像をトナー像Tとして現像する現像装置16と、感光体10の表面に形成されたトナー像Tを記録媒体P(例えば用紙)の表面に転写する転写装置18と、トナー像Tの転写後の感光体10の表面に残留する転写残トナー粒子を除去・回収するクリーナ20と、を備える。
【0019】
転写装置18は、感光体10の表面に形成されたトナー像Tが表面に転写されるドラム状の中間転写体22と、中間転写体22の表面に転写されたトナー像Tを記録媒体Pに転写する転写ロール24と、を備えた中間転写方式の装置で構成されている。
なお、転写装置18は、例えば、ベルト状の中間転写体22を備えた構成であってもよいし、中間転写体22を備えず、転写ロール24により感光体10から直接記録媒体Pにトナー像Tを転写する直接転写方式の構成であってもよい。
ている。
【0020】
そして、本実施形態に係る画像形成装置101は、記録媒体Pの表面に転写されたトナー像Tを加熱して定着する定着装置26も備える。
なお、定着装置26における定着方式は、定着ロール又はベルトによる接触熱定着でもよいし、オーブンやフラッシュランプ等による非接触加熱定着であってもよい。
また、紫外線硬化型の現像剤を用いた場合には、UVランプ等により定着する。
【0021】
本実施形態に係る画像形成装置101では、まず、帯電装置12により、矢印B方向に回転する感光体10の表面を予め定められた電位に帯電させる。
次に、露光装置14により、帯電された感光体10の表面を画像信号に基づき露光(例えばレーザ光線による露光)し、静電潜像を形成する。
次に、現像装置16(現像装置本体30)により、静電潜像が形成された感光体10の表面に液体現像剤Gを供給し、静電潜像を現像(顕像化)して、トナー像Tを形成する。
【0022】
次に、感光体10の表面で現像されたトナー像Tを、矢印C方向に回転する中間転写体22の表面に転写する。
次に、中間転写体22の表面に転写されたトナー像Tを、転写ロール24との接触位置において、記録媒体Pに転写する。ここで、本転写は、転写ロール24と中間転写体22とによって記録媒体Pを挟み、中間転写体22の表面のトナー像Tを記録媒体Pに密着させることにより、記録媒体Pにトナー像Tを転写する。
【0023】
その後、トナー像Tが転写された記録媒体Pを定着装置26に搬送し、定着装置26中の定着ローラ対に挟み込み、加圧すると共に加熱し、記録媒体Pの表面にトナー像Tを定着する。これにより、記録媒体Pの表面に定着画像を形成する。
一方、中間転写体22にトナー像Tを転写した後の感光体10は、転写残トナー粒子をクリーナ20により除去・回収し、再び、上記画像形成プロセスへ移行する。
【0024】
上記構成で、動作が行われる本実施形態に係る画像形成装置101において、現像装置16は、図2に示すように、現像装置本体30と、液体現像剤供給装置40と、現像装置16の動作を制御する制御部50と、を備えている。
【0025】
現像装置本体30について説明する。
現像装置本体30は、湿式の現像装置であり、液体現像剤Gを収容する現像剤収容容器32(現像剤貯留部の一例)と、現像剤収容容器32に収容した液体現像剤Gを感光体10の表面に供給し、感光体10の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像ロール34(現像部材の一例)と、現像ロール34による液体現像剤の供給量を制限する規制部材36と、を備えている。
現像ロール34は、現像剤収容容器32に収容された液体現像剤Gに一部が浸るようにして設けられる。
【0026】
現像装置本体30では、現像ロール34により、規制部材36によって供給量が制限された状態で、液体現像剤Gを感光体10に搬送する。これにより、液体現像剤Gは、現像ロール34と感光体10とが近接(又は接触)する位置で静電潜像に供給される。そして、液体現像剤Gにより、静電潜像を顕像化してトナー像Tを形成する。
【0027】
液体現像剤供給装置40について説明する。
液体現像剤供給装置40は、例えば、液体現像剤Gを貯留する現像剤タンク42(現像剤貯留槽の一例)と、保存用液体Hを貯留する保存用液体タンク44(保存用液体貯留槽の一例)と、補給用の保存用液体HAを貯留する保存用液体補給タンク48と、液体現像剤Gよりも高濃度のトナーを含む補給用の高濃度液体現像剤GAを貯留する現像剤補給タンク46と、を備えている。
【0028】
液体現像剤供給装置40は、例えば、現像装置本体30の動作開始前に、現像剤タンク42から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ液体現像剤Gを供給し、また、現像装置本体30の動作停止後に、現像装置本体30の現像剤収容容器32から現像剤タンク42へ液体現像剤Gを回収する経路52(第1手段及び第2手段の一例:以下、現像剤供給回収経路52と称する)を備えている。
【0029】
液体現像剤供給装置40は、例えば、現像装置本体30の現像剤収容容器32から現像剤タンク42へ液体現像剤Gが回収された後に、保存用液体タンク44から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ保存用液体Hを供給し、また、現像剤タンク42から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ液体現像剤Gを供給する前に、現像装置本体30の現像剤収容容器32から保存用液体タンク44へ保存用液体Hを回収する経路54(第3手段及び第4手段の一例:以下、保存用液体供給回収経路54と称する)を備えている。
【0030】
液体現像剤供給装置40は、例えば、沈降現象を利用して、保存用液体タンク44内で、回収した保存用液体Hから液体成分(保存用液体H)とトナー成分DAと不純物成分DBとを分離すると共に、分離した液体成分を保存用液体タンク44に貯留し、分離したトナー成分DAを現像剤タンク42に供給して再利用し、分離した不純物成分DBを保存用液体タンク44から排出する機構56(第5手段の一例:以下、分離・再利用機構56と称する。)を備えている。
【0031】
液体現像剤供給装置40は、例えば、現像剤補給タンク46から現像剤タンク42へ補給用の高濃度液体現像剤GAを補給する経路58(以下、現像剤補給経路58と称する)を備えている。
【0032】
液体現像剤供給装置40は、例えば、保存用液体補給タンク48から保存用液体タンク44へ補給用の保存用液体HAを補給する経路60(以下、保存用液体補給経路60と称する)を備えている。
【0033】
ここで、液体現像剤Gは、例えば、トナー(トナー粒子)と、これを分散させるキャリア液と、必要に応じて、トナー分散剤等の周知の添加剤と、を含んで構成され、特に、本実施形態では、例えば、トナー濃度10質量%以上30質量%以下の高濃度の液体現像剤が適用される。
一方、保存用液体Hは、例えば、現像装置本体30が動作休止状態のときに、現像装置本体30の現像剤収容容器32内を液体現像剤Gに代えて満たし、液体現像剤Gのトナー濃度の上昇や乾燥による現像装置本体30の配管詰まり等を抑制するために、現像装置本体30の現像剤収容容器32に供給するものである。
保存用液体Hとしては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン系溶媒、エクソン社製アイソパーH、アイソパーM、アイソパーL(商品名)、モレスコ社製モレスコホワイトP−40、P−55、P−70、P−80(商品名)等のパラフィン系溶媒、亜麻仁油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、ホホバ油等の植物油、ガソリン等の鉱物油等が挙げられる。
保存用液体Hには、液体現像剤Gのキャリア液に添加される各種添加剤(例えば、分散剤、乳化剤等)を含んでいてもよい。
保存用液体Hとしては、液体現像剤Gに適用されるキャリア液と同種のものであってもよいし、ことなるものであってもよいが、同種のものを適用することがよい(つまり、液体現像剤の組成のうちトナー(固形成分)を除いた液体組成物であることがよい)。
なお、本実施形態では、保存用液体Hとして、液体現像剤に適用されるキャリア液と同種のものを適用した形態を説明する。
【0034】
以下、液体現像剤供給装置40の各構成について詳細に説明する。
現像剤タンク42には、例えば、貯留する液体現像剤Gの濃度を検知する濃度検知センサ42Aと、貯留する液体現像剤Gの液面の高さを検知する液面検知センサ42Bが設けられている。現像剤タンク42内には、例えば、攪拌部材42Cを配置し、攪拌するようにしてもよい。
保存用液体タンク44には、例えば、貯留する保存用液体Hの液面の高さを検知する液面検知センサ44Aが設けられている。
【0035】
現像剤供給回収経路52は、例えば、現像剤タンク42と現像装置本体30の現像剤収容容器32とを連結している。そして、現像剤供給回収経路52は、例えば、配管52Aと配管52Aの経路途中に配されるポンプ52Bとで構成されている。
【0036】
現像剤供給回収経路52では、例えば、現像装置本体30の動作開始前(つまり例えば画像形成装置101による画像形成動作開始前)において、ポンプ52Bの駆動により、液体現像剤Gが配管52Aを経由して、現像剤タンク42から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ液体現像剤Gを供給し、現像装置本体30の現像剤収容容器32内に液体現像剤Gを満たす。
一方、現像剤供給回収経路52では、例えば、現像装置本体30の動作停止後(つまり例えば画像形成装置101による画像形成動作停止後)において、ポンプ52Bの逆駆動により、液体現像剤Gが配管52Aを経由して、現像装置本体30の現像剤収容容器32から現像剤タンク42へ液体現像剤Gを回収し、現像装置本体30の現像剤収容容器32内を空にする。
【0037】
保存用液体供給回収経路54は、例えば、保存用液体タンク44と現像装置本体30の現像剤収容容器32とを連結している。そして、保存用液体供給回収経路54は、例えば、配管54Aと配管54Aの経路途中に配されるポンプ54Bとで構成されている。
【0038】
保存用液体供給回収経路54では、例えば、現像装置本体30の現像剤収容容器32から現像剤タンク42へ液体現像剤Gが回収された後(つまり、現像装置本体30の現像剤収容容器32内が空になった後)において、ポンプ54Bの駆動により、保存用液体Hが配管54Aを経由して、保存用液体タンク44から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ保存用液体Hを供給し、現像装置本体30の現像剤収容容器32内に保存用液体Hを満たす。
一方、保存用液体供給回収経路54では、例えば、現像剤タンク42から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ液体現像剤Gを供給する前(つまり現像装置本体30の現像剤収容容器32内に液体現像剤Gを満たす前)に、ポンプ54Bの逆駆動により、保存用液体Hが配管54Aを経由して、現像装置本体30の現像剤収容容器32から保存用液体タンク44へ液体現像剤Gを回収し、現像装置本体30の現像剤収容容器32内を空にする。
【0039】
現像剤補給経路58は、例えば、現像剤タンク42と現像剤補給タンク46とを連結している。そして、現像剤補給経路58は、例えば、配管58Aと配管58Aの経路途中に配されるポンプ58Bとで構成されている。
現像剤補給経路58では、例えば、ポンプ58Bの駆動により、補給用の高濃度液体現像剤GAが配管58Aを経由して、現像剤補給タンク46から現像剤タンク42へ補給用の高濃度液体現像剤GAを供給する。
なお、現像剤補給経路58には、例えば、ポンプ58Bに代えて弁を備えてもよく、弁を開き、自重により、補給用の高濃度液体現像剤GAを供給する構成であってもよい。
また、現像剤補給タンク46をシリンジ状のチューブとし、チューブの容積を減じることで押し出された現像剤GAを供給する構成であってもよい。
【0040】
保存用液体補給経路60は、例えば、保存用液体タンク44と保存用液体補給タンク48とを連結している。そして、保存用液体補給経路60は、配管60Aと配管60Aの経路途中に配されるポンプ60Bとで構成されている。
保存用液体補給経路60では、例えば、ポンプ60Bの駆動により、補給用の保存用液体HAが配管60Aを経由して、保存用液体補給タンク48から保存用液体タンク44へ補給用の保存用液体HAを供給する。
なお、保存用液体補給経路60には、例えば、ポンプ60Bに代えて弁を備えてもよく、弁を開き、自重により、補給用の保存用液体HAを供給する構成であってもよい。
【0041】
分離・再利用機構56は、例えば、沈降現象を利用して各成分の分離を行う保存用液体タンク44と、不純物成分を回収するための不純物成分回収タンク62と、分離したトナー成分DAを現像剤タンク42へ供給する経路64(以下、トナー成分供給経路64と称する)と、分離した不純物成分回収タンク62へ排出する経路66(以下、不純物成分排出経路66と称する)と、保存用液体タンク44から現像剤タンク42へ保存用液体Hを供給する経路68(以下、濃度調整用保存用液体供給経路68と称する)と、で構成されている。
【0042】
ここで、現像装置本体30の現像剤収容容器32から液体現像剤Gを回収された後、空となった現像剤収容容器32の内壁には液体現像剤Gのトナー成分(トナー)が残留する。この状態で、現像剤収容容器32に保存用液体Hを供給して満たした後、再び、回収すると、回収された保存用液体H中にはトナー成分(トナー)が含まれることとなる。
また、現像装置本体30の現像剤収容容器32内には、不純物(例えば、感光体10回りの破片;例えば、クリーングブレードの欠片やその他部材の欠片等)も混入することがあり、回収された保存用液体H中には不純物も含まれることとなる。
【0043】
そして、保存用液体タンク44では、例えば、当該保存用液体タンク44内で、沈降現象を利用して、回収した保存用液体Hから液体成分(保存用液体)とトナー成分(トナー)と不純物成分とを分離する。つまり、例えば、保存用液体タンク44内で、回収した保存用液体Hと予め貯留されている保存用液体Hが混合され、この混合された保存用液体Hを静止状態して沈降現象により、液体成分(保存用液体)よりも比重が重いトナー成分(トナー)及び不純物成分が保存用液体タンク44底部に沈降する。また、例えば、不純物成分は、トナー成分よりも比重が重いので、トナー成分よりもさらに下層(保存用液体タンク44底部側)に沈降する。
このため、沈降現象により、保存用液体タンク44では、例えば、保存用液体タンク44の底部から順次に、不純物成分、トナー成分、液体成分が層状に分離する。
【0044】
一方、トナー成分供給経路64は、例えば、保存用液体タンク44と現像剤タンク42とを連結されている。そして、トナー成分供給経路64は、例えば、配管64Aと、配管64Aの経路途中に配されるポンプ64Bと、配管64Aの経路途中に配され、トナー成分(トナー)の濃度を検知する濃度検知センサ64Cと、で構成されている。なお、トナー成分供給経路64(その配管64A)の一端は、例えば、保存用液体タンク44の底部(トナー成分が層状に沈降する部分)に連結されている。
トナー成分供給経路64では、例えば、ポンプ64Bの駆動により、分離されたトナー成分が配管64Aを経由して、保存用液体タンク44から現像剤タンク42へトナー成分を供給し、再利用する。
【0045】
不純物成分排出経路66は、例えば、保存用液体タンク44と不純物成分回収タンク62とを連結している。そして、不純物成分排出経路66は、例えば、配管66Aと配管66Aの経路途中に配されるポンプ66Bとで構成されている。なお、不純物成分排出経路66(その配管66A)の一端は、例えば、保存用液体タンク44の底面(不純物が層状に沈降する部分)に連結されている。
不純物成分排出経路66では、例えば、ポンプ66Bの駆動により、分離された不純物成分DBが配管66Aを経由して、保存用液体タンク44から不純物成分回収タンク62へ不純物成分DBを回収し、排出する。
なお、不純物成分排出経路66には、例えば、ポンプ66Bに代えて弁を備えてもよく、弁を開き、自重により、分離された不純物成分を回収する構成であってもよい。
【0046】
濃度調整用保存用液体供給経路68は、例えば、保存用液体タンク44と現像剤タンク42とを連結されている。そして、濃度調整用保存用液体供給経路68は、例えば、配管68Aと配管68Aの経路途中に配されるポンプ68Bとで構成されている。
濃度調整用保存用液体供給経路68では、ポンプ68Bの駆動により、保存用液体Hが配管68Aを経由して、保存用液体タンク44から現像剤タンク42へ保存用液体Hを供給する。本供給は、例えば、トナー成分供給経路64でトナー成分の供給・再利用を行うときに現像剤タンク42内に貯留されている液体現像剤Gのトナー濃度を調整するために行う。
【0047】
このように、分離・再利用機構56では、液体成分(保存用液体)とトナー成分(トナー)と不純物成分との分離後、液体成分(保存用液体成分)はそのまま保存用液体タンク44内に貯留して再利用され、トナー成分は現像剤タンク42へ供給されて再利用され、不純物成分は不純物成分回収タンク62へ回収され排出される。
【0048】
制御部50は、現像装置16(液体現像剤供給装置40)の各部(例えば、液体現像剤供給装置40の各ポンプ、センサ等)に、信号が授受されるように接続されている。
制御部50は、図示しないが、例えば、コンピュータとして構成され、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース(I/O)を介して各々接続された構成となっており、I/Oには、現像装置16(液体現像剤供給装置40)の各部(例えば、液体現像剤供給装置40の各ポンプ、センサ等)が接続される。また、不揮発性メモリには、処理(例えば、画像形成プロセス処理、第1処理、第2処理等)の制御プログラムや、各種テーブルデータ等が記憶される。不揮発性メモリに記憶された制御プログラムは、CPUにより読み込まれて実行される。なお、制御プログラムは、CD−ROM等の記録媒体により提供するようにしてもよい。
【0049】
ここで、制御部50において実行される第1処理について説明する。
なお、本第1処理は、現像装置本体30の動作が停止した状態から実行される処理として説明する。
【0050】
まず、図3に示すように、ステップ200では、例えば、現像装置本体30(画像形成装置101)が動作停止状態となったか否かを判定する。
本判定は、例えば、画像形成装置の電源がOFFされたか、又は、画像形成装置の電源がONのままでも、現像装置本体30の動作が停止してから予め定めされた時間が経過したか等により行う。
本判定で、現像装置本体30が動作停止状態と判定した場合、ステップ202に進む。
一方で、本判定で、現像装置本体30が動作停止状態ではないと判定した場合、ステップ200に戻る。
【0051】
次に、ステップ202では、例えば、現像装置本体30の現像剤収容容器32内に残留している液体現像剤Gを回収する。
具体的には、例えば、現像剤供給回収経路52のポンプ52Bを逆駆動する。これにより、現像装置本体30の現像剤収容容器32内に残留している液体現像剤Gが、配管52Aを経由して、現像装置本体30の現像剤収容容器32から現像剤タンク42へ回収される。そして、現像装置本体30の現像剤収容容器32内を空にする。
【0052】
次に、ステップ204では、例えば、現像装置本体30の現像剤収容容器32へ保存用液体Hを供給する。
具体的には、例えば、保存用液体供給回収経路54のポンプ54Bを駆動する。これにより、保存用液体タンク44に貯留されている保存用液体Hが、配管54Aを経由して、保存用液体タンク44から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ供給される。そして、保存用液体Hを現像装置本体30の現像剤収容容器32内に満たす。
【0053】
次に、ステップ206では、例えば、現像装置本体30(画像形成装置101)が動作開始状態となったか否かを判定する。
本判定は、例えば、画像形成装置101の電源がONされたか、又は、ユーザの操作により画像形成プロセス開始の信号の授受を受けたか等により行う。
本判定で、現像装置本体30が動作開始状態と判定した場合、ステップ208に進む。
一方で、本判定で、現像装置本体30が動作開始状態ではないと判定した場合、ステップ206へ戻る。
【0054】
次に、ステップ208では、現像装置本体30の現像剤収容容器32に貯留されている保存用液体Hを回収する。
具体的には、例えば、保存用液体供給回収経路54のポンプ54Bを逆駆動する。これにより、現像装置本体30の現像剤収容容器32に貯留されている保存用液体Hが、配管54Aを経由して、現像装置本体30の現像剤収容容器32から保存用液体タンク44へ液体現像剤Gを回収し、現像装置本体30の現像剤収容容器32内を空にする。
【0055】
次に、ステップ210では、現像装置本体30の現像剤収容容器32へ液体現像剤Gを供給する。
具体的には、例えば、現像剤供給回収経路52のポンプ52Bを駆動する。これにより、液体現像剤Gが、配管52Aを経由して、現像剤タンク42から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ供給される。そして、液体現像剤Gが現像装置本体30の現像剤収容容器32内に満たす。
【0056】
そして、本第1処理を終了する。
なお、その後、別の処理(画像形成プロセス処理)が制御部50において実行され、画像形成プロセスが開始される。
【0057】
次に、制御部50において実行される第2処理について説明する。
なお、本第2処理は、現像装置本体30(画像形成装置101)の動作停止状態で実行されてもよいし、現像装置本体30(画像形成装置101)の動作開始状態で実行されてもよい。
【0058】
まず、図4に示すように、ステップ300では、例えば、現像装置本体30の現像剤収容容器32から保存用液体タンク44へ保存用液体Hを回収した回数が、予め設定した設定回数以上か否かを判定する。
本判定で、保存用液体Hの回収回数が設定回数以上と判定した場合、ステップ302に進む。
一方で、本判定で、保存用液体Hの回収回数が設定回数未満と判定した場合、ステップ300に戻る。
なお、本判定は、上記回数での判定に限られず、例えば、保存用液体タンク44にトナー濃度センサ(不図示)を設けて、本トナー濃度センサからの検知結果に基づき、検知結果が予め定めたトナー濃度以上か否かで判定してもよい。
【0059】
次に、ステップ302では、例えば、保存用液体Hを現像装置本体30の現像剤収容容器32から保存用液体タンク44へ液体現像剤Gを回収した後、保存用液体タンク44内で、保存用液体Hから液体成分(保存用液体H)とトナー成分DA(トナー)と不純物成分とが分離されたか否かを判定する。
本判定は、例えば、保存用液体Hを現像装置本体30の現像剤収容容器32から保存用液体タンク44へ液体現像剤Gを回収した後、予め設定した時間(沈降現象により分離する時間)を経過したか否かにより行う。
本判定で、保存用液体タンク44内で、保存用液体Hから液体成分(保存用液体H)とトナー成分DA(トナー)と不純物成分とが分離されたと判定した場合、ステップ304に進む。
一方で、本判定で、分離されていないと判定した場合、ステップ302に戻る。
【0060】
次に、ステップ304では、例えば、現像剤タンク42へ、分離したトナー成分DAを供給し、再利用する。
具体的には、例えば、トナー成分供給経路64のポンプ64Bの駆動する。これにより、分離されたトナー成分が、配管64Aを経由して、保存用液体タンク44から現像剤タンク42へ供給され、再利用される。
【0061】
次に、ステップ306では、保存用液体タンク44から現像剤タンク42へ、保存用液体Hを供給する。
具体的には、例えば、濃度調整用保存用液体供給経路68のポンプ68Bを駆動する。これにより、保存用液体Hが、配管68Aを経由して、保存用液体タンク44から現像剤タンク42へ供給される。この際、例えば、トナー成分DAの供給量及び濃度検知センサ64Cの検知結果に基づき、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gのトナー濃度が予め定めた値となるように、ポンプ68Bを制御して、供給量を調整して保存用液体Hを供給する。
【0062】
次に、ステップ308では、例えば、不純物成分回収タンク62へ、分離した不純物成分DBを排出する。
具体的には、例えば、不純物成分排出経路66のポンプ66Bを駆動する。これにより、分離された不純物成分DBが配管66Aを経由して、保存用液体タンク44から不純物成分回収タンク62へ回収され、排出される。
【0063】
次に、ステップ310では、例えば、保存用液体タンク44に貯留されている保存用液体Hが不足しているか否かを判定する。
本判定は、例えば、保存用液体タンク44に設けた液面検知センサ44Aの検知結果に基づき、予め定めた保存用液体Hの液面の高さを下回ったか否かで判定する。
本判定で、保存用液体タンク44に貯留されている保存用液体Hが不足していると判定した場合、ステップ312に進む。
一方、本判定で、保存用液体タンク44に貯留されている保存用液体Hが不足していないと判定した場合、ステップ314に進む。
【0064】
次に、ステップ312では、例えば、保存用液体タンク44へ補給用の保存用液体HAを補給する。
具体的には、例えば、保存用液体補給経路60のポンプ60Bの駆動する。これにより、補給用の保存用液体HAが、配管60Aを経由して、保存用液体補給タンク48から保存用液体タンク44へ供給される。
【0065】
次に、ステップ314では、例えば、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gが不足しているか否かを判定する。
本判定は、例えば、現像剤タンク42に設けた液面検知センサ42Bの検知結果に基づき、予め定めた液体現像剤Gの液面の高さを下回ったか否かで判定する。
本判定で、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gが不足していると判定した場合、ステップ316に進む。
一方、本判定で、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gが不足していないと判定した場合、ステップ318に進む。
【0066】
次に、ステップ316では、例えば、現像剤タンク42へ補給用の高濃度液体現像剤GAを補給する。
具体的には、例えば、現像剤補給経路58のポンプ58Bを駆動する。補給用の高濃度液体現像剤GAが、配管58Aを経由して、現像剤補給タンク46から現像剤タンク42へ供給される。
これと共に、例えば、濃度調整用保存用液体供給経路68のポンプ68Bを駆動する。これにより、保存用液体Hが、配管68Aを経由して、保存用液体タンク44から現像剤タンク42へ供給される。この際、例えば、補給用の高濃度液体現像剤GAの供給量に応じて、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gのトナー濃度が予め定めた値となるように、ポンプ68Bを制御して、供給量を調整して保存用液体Hを供給する。
【0067】
次に、ステップ318では、例えば、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gのトナー濃度が変動しているか否かを判定する。
本判定は、例えば、現像剤タンク42に設けた濃度検知センサ42Aの検知結果に基づき、液体現像剤Gのトナー濃度の予め定めた値(設定範囲)を外れたか否かで判定する。
本判定で、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gのトナー濃度が変動していると判定した場合、ステップ320に進む。
一方、本判定で、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gのトナー濃度が変動していないと判定した場合、本第2処理を終了する。
【0068】
次に、ステップ320では、例えば、現像剤タンク42に貯留されている液体現像剤Gのトナー濃度調整を行う。
具体的には、液体現像剤Gのトナー濃度の予め定めた値(設定範囲)を下回ったときは、例えば、現像剤補給経路58のポンプ58Bを駆動する。これにより、補給用の高濃度液体現像剤GAが、配管58Aを経由して、現像剤補給タンク46から現像剤タンク42へ供給される。そして、液体現像剤Gのトナー濃度が上昇し、予め定めた値(設定範囲)となる。
一方、液体現像剤Gのトナー濃度の予め定めた値(設定範囲)を上回ったときは、例えば、濃度調整用保存用液体供給経路68のポンプ68Bを駆動する。これにより、保存用液体Hが、配管68Aを経由して、保存用液体タンク44から現像剤タンク42へ供給される。そして、液体現像剤Gのトナー濃度が低下し、予め定めた値(設定範囲)となる。
【0069】
そして、本第2処理を終了する。
【0070】
以上説明した本実施形態に係る現像装置16(画像形成装置101)では、液体現像剤供給装置40に備える現像剤供給回収経路52(第1手段及び第2手段の一例)によって、例えば、現像装置本体30の動作開始前に、現像剤タンク42から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ液体現像剤Gを供給し、また、現像装置本体30の動作停止後に、現像装置本体30の現像剤収容容器32から現像剤タンク42へ液体現像剤Gを回収する。
なお、本実施形態に係る現像装置16(画像形成装置101)では、現像剤供給回収経路52は1つの経路と1つのポンプによる構成を説明したが、これに限られず、供給経路と回収経路をそれぞれ配し、液体現像剤Gは現像剤タンク42と現像剤収容容器32の間で循環させてもよい。
【0071】
また、液体現像剤供給装置40に備える保存用液体供給回収経路54(第3手段及び第4手段の一例)によって、例えば、現像装置本体30の現像剤収容容器32から現像剤タンク42へ液体現像剤Gが回収された後に、保存用液体タンク44から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ保存用液体Hを供給し、また、現像剤タンク42から現像装置本体30の現像剤収容容器32へ液体現像剤Gを供給する前に、現像装置本体30の現像剤収容容器32から保存用液体タンク44へ保存用液体Hを回収する。
【0072】
これにより、本実施形態に係る現像装置16(画像形成装置101)では、現像装置本体30(画像形成装置101)の動作休止状態において、現像装置本体30の現像剤収容容器32内を液体現像剤Gに代えて保存用液体Hで満たされることとなり、液体現像剤Gのトナー濃度の上昇や乾燥による現像装置本体30の配管詰まり等が抑制される。
【0073】
一方で、分離・再利用機構56(第5手段の一例)によって、保存用液体タンク44内で、回収した保存用液体Hから液体成分(保存用液体H)とトナー成分DAとを分離すると共に、分離した液体成分を保存用液体タンク44に貯留し、分離したトナー成分DAを現像剤タンク42に供給して再利用する。
【0074】
これにより、本実施形態に係る現像装置16(現像装置16)では、回収した保存用液体Hから分離させた各成分(液体成分(保存用液体H)及びトナー成分DA)を有効に再利用されることから、廃液及び廃トナーの発生が抑制される。
【0075】
また、本実施形態に係る現像装置16(画像形成装置101)は、分離・再利用機構56(第5手段の一例)による分離を、沈降現象を利用して行うことから、精度良く分離された状態で液体成分及びトナー成分DAが再利用される。また、この分離・再利用が簡易な構成で実現される。
特に、本分離としては、メッシュや電着を利用する方法も考えられるが、例えば、トナー濃度10質量%以上30質量%以下の高濃度の液体現像剤を適用した場合、分離機能が短期間で低下することから、分離機能が低下することがない沈降現象を利用することは、この点で有利となる。
【0076】
また、本実施形態に係る現像装置16(画像形成装置101)では、分離・再利用機構56(第5手段の一例)で、不純物成分DBの分離も行っていることから、不純物の混入を抑制された状態で分離された液体成分及びトナー成分DAが再利用される。
【0077】
なお、本実施形態に係る現像装置16(画像形成装置101)では、分離・再利用機構56(第5手段の一例)による分離を、沈降現象を利用して行う形態を説明したが、これに限られず、例えば、遠心分離を利用して行ってもよい。
【0078】
また、本実施形態に係る現像装置16(画像形成装置101)では、保存用液体タンク(保存用液体貯留槽の一例)として、一つのタンク(貯留槽)を備えた形態を説明したが、これに限られず、例えば、2つのタンク(例えば、現像装置本体30の現像剤収容容器32へ供給するための保存用液体Hを貯留する第1タンク(第1貯留槽)と、現像装置本体30の現像剤収容容器32から回収した保存用液体Hを貯留する第2タンク(第2貯留槽))を備えた形態であってもよい。
本形態では、分離再利用機構56は、第1タンク(第2貯留槽)において、回収した保存用液体Hから液体成分(保存用液体H)とトナー成分DAと不純物成分DBとを分離すると共に、分離した液体成分を第1タンクに供給して貯留させて再利用し、分離したトナー成分DAを現像剤タンク42に供給して再利用し、分離した不純物成分DBを保存用液体タンク44から排出する機構とする。
【0079】
また、本実施形態に係る現像装置16(画像形成装置101)では、現像装置本体30、画像形成装置101の構成は、上記構成に限られず、周知の構成であれば、いかなる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 感光体
12 帯電装置
14 露光装置
16 現像装置
18 転写装置
20 クリーナ
22 中間転写体
24 転写ロール
26 定着装置
30 現像装置本体
32 現像剤収容容器
34 現像ロール
36 規制部材
40 液体現像剤供給装置
42 現像剤タンク
42A 濃度検知センサ
42B 液面検知センサ
42C 攪拌部材
44 保存用液体タンク
44A 液面検知センサ
46 現像剤補給タンク
48 保存用液体補給タンク
50 制御部
52 経路(現像剤供給回収経路)
52A 配管
52B ポンプ
54 経路(保存用液体供給回収経路)
54A 配管
54B ポンプ
56 分離・再利用機構
58 経路(現像剤補給経路)
58A 配管
58B ポンプ
60 経路(保存用液体補給経路)
60A 配管
60B ポンプ
62 不純物成分回収タンク
64 経路(トナー成分供給経路)
64A 配管
64B ポンプ
64C 濃度検知センサ
66 経路(不純物成分排出経路)
66A 配管
66B ポンプ
68 経路(濃度調整用保存用液体供給経路)
68A 配管
68B ポンプ
101 画像形成装置
DA トナー成分
DB 不純物成分
G 液体現像剤
GA 補給用の高濃度液体現像剤
H 保存用液体
HA 補給用の保存用液体
P 記録媒体
T トナー像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部に収容された前記液体現像剤を像保持体の表面に供給し、前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像部材と、を備えた現像装置本体と、
前記液体現像剤を貯留する現像剤貯留槽と、
保存用液体を貯留する保存用液体貯留槽と、
前記現像装置本体の動作開始前に、前記現像剤貯留槽から前記現像装置本体の前記現像剤収容部へ前記液体現像剤を供給する第1手段と、
前記現像装置本体の動作停止後に、前記現像装置本体の前記現像剤収容部から前記現像剤貯留槽へ前記液体現像剤を回収する第2手段と、
前記現像装置本体の前記現像剤収容部から前記現像剤貯留槽へ前記液体現像剤が回収された後に、前記保存用液体貯留槽から前記現像装置本体の前記現像剤収容部へ前記保存用液体を供給する第3手段と、
前記現像剤貯留槽から前記現像装置本体の前記現像剤収容部へ前記液体現像剤を供給する前に、前記現像装置本体の前記現像剤収容部から前記保存用液体貯留槽へ前記保存用液体を回収する第4手段と、
前記保存用液体貯留槽内で、回収した前記保存用液体から液体成分とトナー成分とを分離すると共に、分離した前記液体成分を前記保存用液体貯留槽に貯留し、分離した前記トナー成分を前記現像剤貯留槽に供給して再利用する第5手段と、
を有する現像装置。
【請求項2】
前記第5手段が、沈降現象を利用して、前記保存用液体貯留槽内で、回収した前記保存用液体から前記液体成分と前記トナー成分とを分離する手段である請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第5手段が、沈降現象を利用して、前記保存用液体貯留槽内で、回収した前記保存用液体から不純物成分も分離し、分離した前記不純物成分を前記保存用液体貯留槽から排出する手段である請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
像保持体と、
前記像保持体を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記像保持体に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記静電潜像をトナー像として現像する現像装置であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
前記記録媒体の表面に転写された前記トナー像を当該記録媒体の表面に定着する定着装置と、
を備える画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate