説明

現像装置および画像形成装置

【課題】簡易な構成でありながら、組み合わされた第1フレームおよび第2フレームの強度の向上を図ることができ、かつ、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる、現像装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
現像カートリッジ23では、現像ローラ6を下フレーム31に固定するとともに、層厚規制部材75を、下フレーム31から立設し、後側上壁53を貫通する第1固定部46に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置、その画像形成装置に着脱可能な現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、現像装置が着脱自在に装着される、電子写真方式のプリンタが知られている。現像装置は、現像フレームと、その現像フレームに支持される、トナーを担持する現像ローラ、および、現像ローラに担持されるトナーの層厚を規制するブレード組立体とを備えている。
【0003】
このような現像装置としては、例えば、現像フレームが、現像ローラを回転可能に支持する下フレームと、下フレームに溶着される上フレームとから形成され、ブレード組立体が、上フレームおよび下フレームの両方に固定される現像カートリッジが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この現像カートリッジでは、上フレームの梁状部の前端部と、下フレームの両側壁部および底壁部の前端部とにより、現像ローラが露出される開口が区画され、ブレード組立体は、梁状部の前端部に隣接するねじ取り付け穴、および、下フレームの両側壁部の上側前端部(第1上面)に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−168993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、特許文献1に記載の現像カートリッジでは、現像ローラが下フレームに支持されているのに対して、ブレード組立体は、上フレームおよび下フレームの両方に固定されている。そのため、上フレームと下フレームとの溶着時のズレや、各フレームの公差の影響により、ブレード組立体と現像ローラとの相対的な位置関係の位置決め精度が十分に図れない場合がある。
【0007】
また、ブレード組立体を、梁状部の前端部に隣接するねじ取り付け穴、および、下フレームの両側壁部の上側前端部(第1上面)に固定するために、開口が広く形成されており、現像フレームの強度が十分でない場合がある。そのため、現像フレームの強度不足に起因して、ブレード組立体と現像ローラとの相対的な位置関係を一定に保つことができない場合がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、簡易な構成でありながら、組み合わされた第1フレームおよび第2フレームの強度の向上を図ることができ、かつ、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる、現像装置および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、互いに間隔を隔てて対向配置される1対の第1壁部と、1対の前記第1壁部の一端部を連結する第2壁部とを備える第1フレームと、前記第2壁部と間隔を隔てて対向するように、1対の前記第1壁部の他端部に配置される第3壁部であって、1対の前記第1壁部および前記第2壁部とともに、開口を区画する第3壁部を備え、前記第1フレームと組み合わされる第2フレームと、1対の前記第1壁部の間に配置され、回転可能に構成される現像剤担持体と、前記第2壁部に対して前記第3壁部を挟むように対向配置され、前記現像剤担持体の表面に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記第2壁部から、前記第3壁部を貫通するように立設され、前記層厚規制部材が固定される少なくとも1つの第1固定部と、を備えている。
【0010】
このような構成によれば、層厚規制部材が第2壁部から立設する第1固定部に固定されているので、層厚規制部材と現像剤担持体とが両方とも第1フレームに対して位置決めされる。そのため、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
【0011】
また、1対の第1壁部および第2壁部とともに開口を形成する第3壁部は、第1固定部に貫通されている。つまり、第3壁部は、基端部から遊端部に向かって、第1固定部よりも突出するように形成されている。そのため、組み合わされた第1フレームおよび第2フレームの強度の向上を図ることができる。
【0012】
従って、本発明の現像装置は、簡易な構成でありながら、組み合わされた第1フレームおよび第2フレームの強度の向上を図ることができ、かつ、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
(2)また、前記第3壁部には、前記第1固定部が、露出されるように挿通される貫通穴が形成されていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、第1フレームと第2フレームとを組み合わせるときに、貫通穴から第1固定部が露出されるように組み合わせればよく、第1フレームと第2フレームとの組み合わせ作業の円滑化を図ることができる。
【0014】
また、第1固定部が貫通穴から露出しているので、層厚規制部材を容易に第1固定部に固定することができる。
(3)また、前記第1固定部は、前記貫通穴に遊嵌されていてもよい。
【0015】
このような構成によれば、第2フレームに荷重が加えられても、第1固定部が貫通穴に遊嵌されているので、その荷重が、第1固定部に作用することを防止できる。その結果、荷重が、第1固定部に固定される層厚規制部材に作用することも防止できる。
【0016】
従って、第2フレームに荷重が加えられても、層厚規制部材が現像剤担持体に押し当てられることを防止できるので、現像剤担持体が変形することを防止できる。
(4)また、前記層厚規制部材と前記第3壁部との間には、前記層厚規制部材と前記第3壁部との隙間を塞ぐ第1シール部材を備えていてもよい。
【0017】
このような構成によれば、層厚規制部材と第3壁部との間からの現像剤の漏れを防止することができる。
(5)また、前記第1固定部は、前記第3壁部から突出する突出部分を備えていてもよい。この場合、前記突出部分の突出方向長さは、少なくとも前記第1シール部材の厚みを有している。
【0018】
このような構成によれば、層厚規制部材を第1固定部に確実に固定することができる。また、層厚規制部材と第3壁部との間からの現像剤の漏れを確実に防止することができる。
(6)また、1対の前記第1壁部の他端部は、前記層厚規制部材が固定される第2固定部を有していてもよい。
【0019】
このような構成によれば、層厚規制部材が、第1固定部に加え、第2固定部にも固定されるので、第1フレームに対してより安定して固定される。
【0020】
そのため、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
(7)また、前記第2固定部には、前記層厚規制部材を貫通するように突出し、前記層厚規制部材を前記現像剤担持体に対して位置決めする位置決め突部が形成されていてもよい。この場合、前記位置決め突部と前記第1固定部とは、前記現像剤担持体の軸線方向に沿う同一直線上に配置されている。
【0021】
このような構成によれば、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
(8)また、前記第1固定部は、前記第1固定部の立設方向と交差する方向に突出し、前記第3壁部と対向して、前記第1フレームを支持する支持突部を備えていてもよい。この場合、前記支持突部と前記第3壁部との間には、弾性部材が備えられている。
【0022】
このような構成によれば、第2フレームに荷重が加えられても、弾性部材により、その荷重が低減されるので、第1フレームにその荷重が作用することを抑制できる。
【0023】
そのため、第1フレームに固定される層厚規制部材に、第2フレームに加えられた荷重が作用することも抑制できる。
【0024】
その結果、層厚規制部材が現像剤担持体に押し当てられることを抑制できるので、現像剤担持体が変形することを防止できる。
(9)また、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に向かって延びるように形成され、一端部に前記現像剤担持体と接触する接触部が設けられ、他端部が前記第1シール部材上に配置される第1板状部材と、前記第3壁部との間で、前記第1板状部の他端部および前記第1シール部材を挟むように配置され、前記第1板状部材を固定する第2板状部材とを備えていてもよい。
【0025】
このような構成によれば、第1板状部の他端部が第2板状部材と第3壁部と間で挟まれることにより、第1板状部材が固定されるので、第1板状部の一端部に設けられる接触部を現像剤担持体に適切に押し当てることができる。
【0026】
そのため、現像剤担持体の変形を防止できる。
(10)また、前記第2板状部材が、前記第1固定部に固定されていてもよい。
【0027】
このような構成によれば、第1板状部材が、第2板状部材を介して第1フレームに固定されるので、層厚規制部材を第1固定部に固定する力が、第1板状部材に作用しない。
【0028】
そのため、第1板状部材の変形を防止できる。
(11)また、前記第2壁部には、前記第1フレームおよび前記第2フレームを、前記現像剤担持体が配置される現像室と、現像剤が収容される現像剤収容室とに区画するように、前記第1フレームに向けて突出する区画壁が設けられていてもよい。この場合、前記第1固定部と前記区画壁とは、前記現像剤担持体の軸線方向と直交する方向に、隣接配置されている。
【0029】
このような構成によれば、第1フレームの強度の向上を図ることができる。
(12)また、前記第1固定部は、前記現像剤収容室内に配置されていてもよい。
【0030】
現像室内に第1固定部を配置するには、現像室には現像剤担持体が配置されているので、現像剤担持体が配置されていない部分に、第1固定部を配置するスペースを設ける必要がある。
【0031】
一方、現像剤収容室内に第1固定部を配置する場合、現像剤収容室には流動する現像剤が収容されているので、そのようなスペースを設ける必要がない。
【0032】
そのため、現像装置の小型化を図ることができる。
(13)また、前記現像剤収容室には、1対の前記第1壁部に回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸に設けられ、前記回転方向において前記第1固定部と対応する部分に切欠部が形成される攪拌羽とを備える攪拌部材が設けられていてもよい。
【0033】
このような構成によれば、現像装置の小型化を図ることができながら、現像剤収容室に攪拌部材を設けることができる。また、攪拌羽に切欠部が形成されているので、攪拌羽の円滑な回転を確保することができる。
(14)また、前記第1固定部は、複数設けられ、前記第2フレームにおける前記第1壁部の対向方向中央を、前記対向方向と直交する方向に通過する直線に対して、線対称に配置されていてもよい。
【0034】
このような構成によれば、層厚規制部材をバランスよく、第1固定部に固定することができる。
【0035】
そのため、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
(15)上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、上記に記載の現像装置と、前記現像装置が着脱可能に装着される装置本体とを備えている。
【0036】
このような構成によれば、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。また、組み合わされた第1フレームおよび第2フレームの強度の向上を図ることができる。
【0037】
従って、本発明の画像形成装置は、簡易な構成でありながら、組み合わされた第1フレームおよび第2フレームの強度の向上を図ることができ、かつ、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の現像装置および画像形成装置では、簡易な構成でありながら、組み合わされた第1フレームおよび第2フレームの強度の向上を図ることができ、かつ、現像剤担持体と層厚規制部材との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態のプリンタを示す側断面図である。
【図2】本発明の現像カートリッジの一実施形態の左上側から見た斜視図である。
【図3】図2に示す現像カートリッジの側断面図である。
【図4】図2に示す現像カートリッジの分解斜視図である。
【図5】図4に示す下フレームの平面図である。
【図6】本発明の現像カートリッジの他の実施形態(第1固定部が1つ)における、下フレームの左上側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
1.プリンタ
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、ダイレクトタンデムタイプのカラープリンタである。
【0041】
なお、プリンタ1および現像カートリッジ23(後述)に関し、方向について言及する場合には、それぞれ水平方向に載置したときの方向を基準とし、具体的には、各図に示した矢印方向を基準とする。また、左右方向と幅方向とは、同一方向である。
【0042】
すなわち、プリンタ1およびドラムカートリッジ22に関する上下前後方向と、現像カートリッジ23に関する上下前後方向とは相異なり、現像カートリッジ23は、その前側がプリンタ1の前上側、その後側がプリンタ1の後下側となるように、プリンタ1およびドラムカートリッジ22に装着されている。
【0043】
プリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2を備え、その本体ケーシング2内には、4つの感光ドラム3が、前後方向に沿って並列配置されている。以下では、4つの感光ドラム3を、トナー像(後述)の各色(ブラック、イエロー、マゼンタまたはシアン)に対応して、感光ドラム3K(ブラック)、感光ドラム3Y(イエロー)、感光ドラム3M(マゼンタ)、感光ドラム3C(シアン)として区別する。
【0044】
各感光ドラム3には、スコロトロン型帯電器4、LEDユニット5および現像剤担持体の一例としての現像ローラ6が対向配置されている。
【0045】
感光ドラム3は、その表面がスコロトロン型帯電器4によって一様に帯電された後、LEDユニット5によって露光される。これにより、各感光ドラム3の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。各静電潜像は、現像ローラ6に担持されるトナーによって可視像化され、感光ドラム3の表面上にトナー像が形成される。
【0046】
用紙Pは、本体ケーシング2内の給紙カセット7に収容されている。給紙カセット7に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト8に給紙される。
【0047】
搬送ベルト8は、各感光ドラム3K、3Y、3Mおよび3Cと、それらに対向する転写ローラ9との間に配置されている。各感光ドラム3の表面上のトナー像は、転写ローラ9に印加された転写バイアスによって、搬送ベルト8に搬送された用紙P上に転写され、順次重ね合わされる。
【0048】
4色のトナー像が転写された用紙Pは、定着部10に搬送される。用紙P上に転写されたトナー像は、定着部10で熱定着される。その後、用紙Pは、各種ローラにより、排紙トレイ11に排紙される。
2.プロセスカートリッジ
プリンタ1は、各色に対応して、4つのプロセスカートリッジ21を備えている。なお、以下では、4つのプロセスカートリッジ21を、各色に対応して、プロセスカートリッジ21K(ブラック)、プロセスカートリッジ21Y(イエロー)、プロセスカートリッジ21M(マゼンタ)、プロセスカートリッジ21C(シアン)として区別する。
【0049】
各プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2内に着脱自在に装着されており、前後方向に沿って、並列配置されている。
【0050】
すなわち、本体ケーシング2の上壁には、トップカバー50が開閉自在に設けられており、トップカバー50の開放により、各プロセスカートリッジ21を、本体ケーシング2内に着脱させることができる。
【0051】
プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2に着脱自在に装着されるドラムカートリッジ22と、ドラムカートリッジ22に着脱自在に装着される、現像装置の一例としての現像カートリッジ23とを備えている。
(1)ドラムカートリッジ
ドラムカートリッジ22は、ドラムフレーム24を備えている。ドラムフレーム24は、ドラム支持部25と、現像カートリッジ収容部26とを備えている。
【0052】
ドラム支持部25は、ドラムフレーム24の下側に設けられ、感光ドラム3と、スコロトロン型帯電器4と、ドラムクリーニングローラ15とを支持している。
【0053】
感光ドラム3は、左右方向に長手の略円筒形状に形成されている。そして、感光ドラム3は、ドラム支持部25内の下端において、下側から露出されるように回転可能に支持されている。スコロトロン型帯電器4は、感光ドラム3の斜め後上側に、間隔を隔てて対向配置されている。ドラムクリーニングローラ15は、感光ドラム3の後側において、感光ドラム3と対向して接触するように配置されている。
【0054】
現像カートリッジ収容部26は、ドラム支持部25の前上側に配置され、現像カートリッジ23が着脱自在に装着されるように、後方および上方に開放されて形成されている。
(2)現像カートリッジ
現像カートリッジ23は、図2および図3に示すように、現像フレーム30を備えている。
【0055】
現像フレーム30は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されており、第1フレームの一例としての下フレーム31と、第2フレームの一例としての上フレーム32とを備えている。
(2−1)下フレーム
下フレーム31は、図4に示すように、幅方向に間隔を隔てて対向配置される1対の第1壁部の一例としての両側壁35と、それらの下端部を連結する第2壁部の一例としての底壁36と、両側壁35および底壁36の前端部を連結する前壁37とを一体的に備えている。
【0056】
両側壁35は、略平板形状に形成され、その上端部において、前側部分に第1被当接部56が、後側部分に第2固定部58がそれぞれ形成されている。
【0057】
各第1被当接部56は、両側壁35の上端から連続して、左右方向外方に延びる略平板形状に形成されている。
【0058】
各第2固定部58は、両側壁35の上端から連続して、左右方向内方に延びる略平板形状に形成されている。
【0059】
また、各第2固定部58には、第2ねじ穴59と、位置決め突部60とが形成されている。
【0060】
第2ねじ穴59は、第2固定部58の中央部分において、上下方向に貫通して形成されている。
【0061】
位置決め突部60は、第2ねじ穴59の前側に設けられ、第2固定部58から上方に向かって突出するように形成されている。位置決め突部60の先端部は、上方に盛り上がる断面略円弧形状に形成されている。
【0062】
両側壁35のうち、右側の側壁35には、トナー充填口98が形成されている。
【0063】
トナー充填口98は、側面視略円形状に形成され、トナー収容室38(後述)に対応する前側部分に形成されている。
【0064】
底壁36は、図3に示すように、その前側部分が湾曲壁40および屈曲壁41から連続して形成され、その後側部分が円弧壁42およびリップ部43から連続して形成されている。
【0065】
湾曲壁40は、アジテータ12(後述)の回転軌跡に沿う略円弧形状に形成されている。
【0066】
屈曲壁41は、上方に凸となるように屈曲して形成されており、湾曲壁40の前端部から前方へ向かうに従って上方に傾斜した後、屈曲して、前方へ向かうに従って下方に傾斜するように形成されている。
【0067】
円弧壁42は、供給ローラ13(後述)の回転軌跡に沿って略円弧形状に形成されている。
【0068】
リップ部43は、後方に向かって突出する側面視略T字状に形成され、円弧壁42の後端部から連続して形成されている。リップ部43の上面には、ロアスポンジ保持部44が形成されている。ロアスポンジ保持部44は、上方に向かって開放される略コ字状に形成されている。
【0069】
底壁36における前側部分と後側部分とは、湾曲壁40の後端部と円弧壁42の前端部とが連結されることにより、連続している。
【0070】
また、底壁36における前側部分と後側部分との間には、湾曲壁40および円弧壁42から連続して延び、上方に突出する区画壁45が形成されている。すなわち、区画壁45は、左右方向に延びるように、上フレーム32に向けて突出している。
【0071】
区画壁45の遊端部は、上フレーム32の後側上壁53(後述)の下面と、上下方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0072】
また、底壁36には、図4に示すように、区画壁45の前側に隣接するように、複数(2つ)の第1固定部46が形成されている。つまり、第1固定部46は、トナー収容室38(後述)内に配置されている。
【0073】
各第1固定部46は、略円筒形状に形成され、湾曲壁40から上方に向かって立設されている(図3参照)。
【0074】
また、各第1固定部46の遊端部は、対応する円筒部62(後述)および貫通穴61(後述)に挿通され、後側上壁53(後述)から突出している。この突出する部分が、突出部分49(図3参照)として形成される。突出部分49の上端部には、第1ねじ穴48が形成されている。
【0075】
突出部分49の上下方向長さは、シール部材94(後述)およびブレード部材81(後述)の厚みの総和と略同じ長さである(図3参照)。
【0076】
また、各第1固定部46は、その外周面に、支持突部の一例としての突条部47を備えている。
【0077】
突条部47は、平面視略矩形状に形成され、第1固定部46の外周面から上下方向と直交する径方向に突出形成されている。突条部47は、第1固定部46の基端部から上下方向途中部まで、上下方向に沿って形成されており、その上端面が、後側上壁53(後述)の下面と対向している。
【0078】
また、突条部47は、第1固定部46毎に複数(3つ)設けられている。各突条部47は、第1固定部46の外周面において、周方向に等間隔を隔てて、互いに約120°変位するように形成されている。
【0079】
なお、各第1固定部46は、図5に示すように、下フレーム31における左右方向中央を、前後方向に通過する直線L1に対して、線対称に配置されている。
【0080】
また、各第1固定部46と各位置決め突部60とは、左右方向に沿う同一直線L2上に配置されている。
【0081】
前壁37は、図3に示すように、その下側部分が、屈曲壁41の前端部から連続して形成され、上方へ向かうに従って前方へ傾斜するように形成され、その上側部分が、下側部分の上端部から連続して上方へ向かって延びるように形成されている。
【0082】
また、前壁37の上端部には、第2被当接部57が形成されている。
【0083】
第2被当接部57は、図4に示すように、前壁37の上端から連続して、前方に延びる略平板形状に形成されている。
(2−2)上フレーム
上フレーム32は、前側上壁52と、第3壁部の一例としての後側上壁53とを一体的に備えている。
【0084】
前側上壁52は、膨出部54と、当接部55とを備えている。
【0085】
膨出部54は、前側上壁52の中央部分において、上側に膨出するように形成されている。
【0086】
当接部55は、略平板形状に形成され、膨出部54を囲むように、膨出部54の左右両側および前側に設けられている。また、当接部55は、上フレーム32が下フレーム31に組み合わされときに、第1被当接部56および第2被当接部57と対応するように、形成されている。
【0087】
後側上壁53は、前側上壁52の後端部から連続して後方に延びる略平板形状に形成されている。後側上壁53は、底壁36と上下方向に間隔を隔てて対向するように、両側壁35の上端部間に配置されている(図3参照)。
【0088】
後側上壁53の左右両端部は、上フレーム32が下フレーム31に組み合わされときに、第2固定部58が露出するように、平面視略矩形状に切り欠かれている。
【0089】
また、後側上壁53には、複数(2つ)の貫通穴61が形成されている。
【0090】
各貫通穴61は、図3に示すように、上フレーム32が下フレーム31に組み合わされときに、各第1固定部46の突出部分49が挿通されるように形成されており、その内径が、第1固定部46の外径よりも大径に形成されている。
【0091】
また、後側上壁53の下面には、図3に示すように、円筒部62が設けられている。
【0092】
円筒部62は、略円筒形状に形成され、その軸線と貫通穴61の中心とが一致するように配置され、内部空間と貫通穴61とが連通されている。円筒部62の内径は、貫通穴61の穴径よりも大径に形成されている。
【0093】
そして、円筒部62内の後側上壁53の下面(貫通穴61の外縁)と、各突条部47の上端部との間には、弾性部材67が設けられている。これにより、各突条部47は、弾性部材67を介して、上フレーム32を支持している。
【0094】
弾性部材67は、略円環状に形成され、その内径が第1固定部46の外径と、その外径が円筒部62の内径と、それぞれ略同径である。
(2−3)現像フレーム
そして、後述するように、下フレーム31と上フレーム32とが組み合わされると、図3に示すように、現像フレーム30は、区画壁45よりも前側空間が、現像剤収容室の一例としてのトナー収容室38として区画され、区画壁45よりも後側空間が、現像室39として区画される。
【0095】
つまり、区画壁45は、現像フレーム30を、トナー収容室38と現像室39とに区画している。
(2−4)トナー収容室
トナー収容室38は、詳しくは、両側壁35、区画壁45、湾曲壁40、屈曲壁41、前壁37、前側上壁52、および、後側上壁53の前側部分により区画されている。
【0096】
トナー収容室38には、現像剤の一例としてのトナーが充填されており、また、前後方向および上下方向中央に、攪拌部材の一例としてのアジテータ12が設けられている。
【0097】
アジテータ12は、図4に示すように、両側壁35に回転可能に支持される回転軸63と、その回転軸63に設けられる攪拌羽64とを備えている。
【0098】
攪拌羽64は、回転軸63の径方向外方に向かって延びるように、回転軸63に固定されている。攪拌羽64には、回転軸63の軸方向において、複数(2つ)の第1固定部46と対応する部分に、複数(2つ)の切欠部65がそれぞれ形成されている。切欠部65は、回転軸63の径方向外方に向けて開放される略U字状に形成されている。
【0099】
そして、アジテータ12は、回転軸63が両側壁35に支持されることにより、現像フレーム30に回転自在に支持されている。
(2−5)現像室
図3に示すように、現像室39は、詳しくは、両側壁35、区画壁45、円弧壁42、リップ部43、および、後側上壁53の後側部分により区画されている。
【0100】
現像室39には、後方に向かって開放される開口の一例としての開口部69が形成されている。具体的には、開口部69は、両側壁35の後端部、リップ部43の後端部、および、後側上壁53の後端部により区画されている。
【0101】
また、現像室39には、現像ローラ6と、供給ローラ13とが設けられている。
【0102】
現像ローラ6は、開口部69から後側および上側が露出するように、現像室39の後端部において両側板35の間に配置されている。また、現像ローラ6は、現像ローラ軸16と、その現像ローラ軸16の周りに設けられるゴムローラ17とを備えている。
【0103】
現像ローラ6は、現像ローラ軸16が両側壁35に回転自在に支持されることにより、現像フレーム30に回転可能に構成されている。
【0104】
そして、現像ローラ6は、現像時には、本体ケーシング2に設けられるモータなどの駆動源(図示せず)からの駆動力が伝達される。また、現像ローラ6には、現像時において、電源(図示せず)から現像バイアスが印加される。駆動源(図示せず)からの駆動力が伝達されると、現像ローラ6は、供給ローラ13と対向接触する部分(後述)において、供給ローラ13と逆方向に回転するように、図3に示す矢印で示す回転方向(右側面視時計方向)に回転駆動される。
【0105】
また、現像ローラ6の下側には、現像ローラ6の下側と対向接触するように、ロアスポンジ71が設けられている。
【0106】
ロアスポンジ71は、側面視略矩形状に形成され、ロアスポンジ保持部44に保持されている。
【0107】
供給ローラ13は、現像ローラ6の前下側において、現像ローラ6と対向接触するように、円弧壁42内に配置されている。
【0108】
供給ローラ13は、供給ローラ軸18と、その供給ローラ軸18の周りに設けられるスポンジローラ19とを備えている。
【0109】
供給ローラ13は、供給ローラ軸18が両側壁35に回転自在に支持されることにより、現像フレーム30に回転可能に構成されている。
【0110】
そして、供給ローラ13は、現像時において、本体ケーシング2に設けられるモータなどの駆動源(図示せず)からの駆動力が伝達される。また、供給ローラ13には、現像時において、電源(図示せず)から供給バイアスが印加される。駆動源(図示せず)からの駆動力が伝達されると、供給ローラ13は、現像ローラ6と対向接触する部分において、現像ローラ6と逆方向に回転するように、図3において矢印方向(右側面視時計方向)に回転駆動される。
(2−6)層厚規制部材
現像フレーム30には、現像ローラ6の表面に担持されるトナーの層厚を規制するための層厚規制部材75が設けられている。
【0111】
層厚規制部材75は、底壁36に対して、後側上壁53を挟むように対向配置されている。層厚規制部材75は、図4に示すように、第1板状部材の一例としてのブレード部材81と、第2板状部材の一例としての補強部材82とを備えている。
【0112】
ブレード部材81は、弾性を有する薄い金属板などから形成され、左右方向に長手の略平板形状に形成されている。ブレード部材81は、現像ローラ6に向かって延びるように形成され、前端部が後側上壁53上に配置され、後端部が現像ローラ6の外周面と僅かな間隔を隔てて対向配置されている。
【0113】
ブレード部材81の後端部には、現像ローラ6の表面と接触する接触部83、および、現像ローラ6の両端部と接触するサイドエッジシール84が設けられている。
【0114】
接触部83は、図3に示すように、シリコーン樹脂などの弾性樹脂からなり、ブレード部材81の下面において、左右方向に沿って設けられ、下方に突出する側面視略円弧形状に形成されている。
【0115】
サイドエッジシール84は、図4に示すように、左右方向に接触部83を挟むように、ブレード部材81の左右両端部にそれぞれ設けられている。
【0116】
補強部材82は、本体部86と、本体部86の後端部から突出する突部87と、本体部86の前端部から前上方に延びる延長部88とを一体的に備えている。
【0117】
本体部86は、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。また、本体部86は、その前後方向長さが、ブレード部材81よりも短く形成されている。本体部86には、各貫通穴61と対応する部分に、第1固定穴89がそれぞれ形成されている。
【0118】
また、本体部86の左右両端部には、各位置決め突部60と対応する位置に、位置決め穴90がそれぞれ形成され、各第2ねじ穴59と対応する位置に第2固定穴91がそれぞれ形成されている。つまり、本体部86の左右両端部には、第2固定穴91と位置決め穴90とが前後方向に直列配置されている。
【0119】
突部87は、側面視略矩形状に形成され、左右方向に間隔を隔てて2つ設けられている。
【0120】
延長部88は、左右方向に長手の略平板形状に形成されている。延長部88は、本体部86の前端から連続して前上側に屈曲するように形成されている。
【0121】
そして、ブレード部材81と補強部材82とは、ブレード部材81の前側部分の上面と、本体部86の後側部分の下面とが接着されて、固定されている。これによって、ブレード部材81の後側部分が、補強部材82から露出している。
【0122】
詳しくは、ブレード部材81の後側部分が、本体部86の位置決め穴90と第2固定穴91との間に位置するように配置されている。なお、ブレード部材81の前側部分において、第2固定穴91と対向する位置には、貫通穴(図示せず)が形成されている。
【0123】
層厚規制部材75と後側上壁53との間には、層厚規制部材75と後側上壁53との隙間を塞ぐ、第1シール部材の一例としてのシール部材94が設けられている。
【0124】
シール部材94は、左右方向に長手の平面視略矩形状に形成され、後側上壁53の上面とブレード部材81の前側部分の下面との間に配置されている。つまり、本体部86の後側部分は、後側上壁53に対して、ブレード部材81の前側部分およびシール部材94を挟むように配置されている。
【0125】
また、シール部材94の左右方向両端部には、サイド部95が設けられている。
【0126】
サイド部95は、平面視略三角形状に形成され、シール部材94の左右両端部から後方および左右方向外方に向かって突出するように形成されている。
(2−7)現像カートリッジの組み立て
現像カートリッジ23を組み立てるには、まず、下フレーム31に、アジテータ12を組み付ける。
【0127】
アジテータ12は、各切欠部65が、各第1固定部46に対応するように配置され、回転軸63がトナー収容室38に対応する両側壁35に回転可能に支持されるように、下フレーム31に組み付けられる(図3参照)。
【0128】
次いで、下フレーム31に上フレーム32を組み付ける。
【0129】
下フレーム31に上フレーム32を組み付けるには、まず、各第1固定部46の遊端部に、弾性部材67を外嵌する。
【0130】
そして、上フレーム32の各貫通穴61に各第1固定部46の遊端部を挿通させるとともに、当接部55と、第1被当接部56および第2被当接部57とを一致させるように、上フレーム32を、下フレーム31に対して上方から重ね合わせる。
【0131】
このとき、第1固定部46の外径が、貫通穴61の穴径よりも小径であるので、第1固定部46は、貫通穴61に遊嵌される。また、弾性部材67は、円筒部62内において、各突条部47の上端部と後側上壁53の下面との間に配置される。
【0132】
次いで、組み合わされた下フレーム31および上フレーム32を互いに溶着する。
【0133】
詳しくは、当接部55と、第1被当接部56および第2被当接部57とを溶着する。
【0134】
これにより、下フレーム31および上フレーム32が組み付けられて、現像フレーム30が形成される。
【0135】
次いで、下フレーム31に供給ローラ13を組み付ける。
【0136】
供給ローラ13は、供給ローラ軸18の左右方向両端部が、現像室39に対応する両側壁35に回転可能に支持され、スポンジローラ19の外周面と円弧壁42の内周面とが僅かな間隔を隔てて対向配置されるように、下フレーム31に組み付けられる(図3参照)。
【0137】
次いで、下フレーム31に現像ローラ6を組み付ける。
【0138】
現像ローラ6は、ゴムローラ17の前下側がスポンジローラ19の後上側と対向接触するように配置され、現像ローラ軸16が、現像室39に対応する両側壁35に回転可能に支持されるように、下フレーム31に組み付けられる(図3参照)。
【0139】
次いで、上フレーム32に層厚規制部材75を配置する。
【0140】
上フレーム32に層厚規制部材75を配置するには、まず、上記した層厚規制部材75およびシール部材94を用意する。
【0141】
そして、上フレーム32の後側上壁53の上面に、シール部材94を配置する。
【0142】
このとき、シール部材94は、後側上壁53の後端部に配置され、サイド部95を除く部分が接着テープ(図示せず)により後側上壁53に貼着される。また、サイド部95は、後側上壁53の左右方向両端部から、後方および左右外方に向けて突出して、各第2固定部58の後側部分上に配置される。
【0143】
次いで、補強部材82の位置決め穴90に、第2固定部58の位置決め突部60が挿通されるとともに、各第2固定部58の第2ねじ穴が、各第2固定穴91から露出されるように、層厚規制部材75を、後側上壁53に対して上方から重ね合わせる。このとき、各第1固定部46の第1ねじ穴48は、各貫通穴61を介して、対応する第1固定穴89から露出している。
【0144】
これにより、上フレーム32に層厚規制部材75を配置する。
【0145】
次いで、層厚規制部材75を下フレーム31に固定する。
【0146】
層厚規制部材75を下フレーム31に固定するには、各第1固定穴89および各第2固定穴91を介して、4つのねじ部材97を、それぞれ第1ねじ穴48および第2ねじ穴59に螺合させる。
【0147】
これにより、層厚規制部材75が下フレーム31に固定される。
【0148】
以上により、現像カートリッジ23の組み立てが完了する。
【0149】
そして、トナー充填口98を介してトナー収容室38にトナーを充填してから、トナー充填口98にキャップ(図示せず)を圧入して、トナー収容室38にトナーを封入する。
3.作用効果
(1)この現像カートリッジ23によれば、図3に示すように、層厚規制部材75が、湾曲壁40から立設する第1固定部46に固定されている。つまり、層厚規制部材75と現像ローラ6とが両方とも下フレーム31に対して位置決めされている。
【0150】
そのため、現像ローラ6と層厚規制部材75との相対的な位置関係、すなわち、現像ローラ6の外周面と接触部83との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
【0151】
また、両側壁35および底壁36の後端部とともに開口部69を形成する後側上壁53は、第1固定部46の遊端部に貫通されているので、開口部69を区画する後側上壁53の後端部が、第1固定部46よりも後方に位置している。そのため、組み合わされた下フレーム31および上フレーム32(現像フレーム30)の強度の向上を図ることができる。
【0152】
従って、現像カートリッジ23は、簡易な構成でありながら、現像フレーム30の強度の向上を図ることができ、かつ、現像ローラ6と層厚規制部材75との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
(2)また、後側上壁53には、第1固定部46が、露出されるように挿通される貫通穴61が形成されている。
【0153】
そのため、下フレーム31と上フレーム32とを組み合わせるとき、すなわち、現像フレーム30の組み立て時に、貫通穴61から第1固定部46の遊端部が露出するように組み合わせればよく、現像フレーム30の組み立て作業の円滑化を図ることができる。
【0154】
また、第1固定部46の遊端部に設けられる第1ねじ穴48が、貫通穴61から露出しているので、層厚規制部材75を容易に第1固定部46に固定することができる。
(3)また、第1固定部46の突出部分49は、貫通穴61に遊嵌されている。
【0155】
そのため、上フレーム32に荷重が加えられても、その荷重が、第1固定部46に作用することを防止できる。その結果、荷重が、第1固定部46に固定される層厚規制部材75に作用することも防止できる。
【0156】
従って、上フレーム32に荷重が加えられても、層厚規制部材75の接触部83が現像ローラ6の外周面に押し当てられることを防止できるので、現像ローラ6が変形することを防止できる。
(4)また、ブレード部材81と後側上壁53との間には、ブレード部材81と後側上壁53との隙間を塞ぐシール部材94を備えている。そして、突出部分49の上下方向長さが、シール部材94およびブレード部材81の厚みの総和と略同じ長さである。
【0157】
そのため、ブレード部材81と後側上壁53との間からのトナーの漏れを防止することができる。
(5)また、両側壁35の上端部後側部分には、第2固定部58が形成され、層厚規制部材75が、第2固定部58の第2ねじ穴59にねじ部材97が螺合することにより、固定されている。
【0158】
そのため、層厚規制部材75が、下フレーム31に対して安定して固定されている。
【0159】
その結果、現像ローラ6と接触部83との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
(6)また、各第2固定部58には、位置決め突部60が形成されている。
【0160】
そして、各位置決め突部60は、補強部材82の各位置決め穴90に挿通されている。
【0161】
また、この各位置決め突部60と第1固定部46とは、左右方向に沿う同一直線L2上に配置されている。
【0162】
そのため、現像ローラ6と接触部83との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
(7)また、各第1固定部46は、複数(3つ)の突条部47を備えている。突条部47は、後側上壁53の下面と対向して、弾性部材67を介して、上フレーム32を支持している。
【0163】
そのため、上フレーム32に荷重が加えられても、弾性部材67により、その荷重が低減されるので、下フレーム31にその荷重が作用することを抑制できる。
【0164】
その結果、層厚規制部材75の接触部83が現像ローラ6に押し当てられることを防止できるので、現像ローラ6が変形することを抑制できる。
(8)また、層厚規制部材75は、ブレード部材81と、補強部材82とを備えている。
【0165】
ブレード部材81は、その前側部分がシール部材94上に配置されており、補強部材82は、後側上壁53の上面との間で、ブレード部材81の前側部分およびシール部材94を挟むように配置されている。そして、補強部材82は、第1固定穴89を介して、第1ねじ穴48にねじ部材97が螺合することにより、第1固定部46に固定され、ブレード部材81を下フレーム31に対して固定する。
【0166】
そのため、補強部材82を第1固定部46に固定する力が、ブレード部材81に作用せず、接触部83を現像ローラ6の外周面に適切に押し当てることができる。
【0167】
その結果、現像ローラ6の変形を防止できる。
(9)また、底壁36には、区画壁45が設けられている。
【0168】
そして、区画壁45と各第1固定部46とは、前後方向に隣接している。
【0169】
そのため、下フレーム31の強度の向上を図ることができる。
(10)また、第1固定部46は、トナー収容室38内に配置されている。
【0170】
そのため、第1固定部46を設けるためのスペースが必要なく、現像フレーム30、ひいては、現像カートリッジ23の小型化を図ることができる。
(11)また、トナー収容室38には、アジテータ12が設けられている。
【0171】
アジテータ12の攪拌羽64には、各第1固定部46に対応する位置に切欠部65が設けられている。
【0172】
そのため、現像カートリッジ23の小型化を図ることができながら、トナー収容室38にアジテータ12を設けることができる。また、攪拌羽64に切欠部65が形成されているので、攪拌羽64の円滑な回転を確保することができる。
(12)また、第1固定部46は、複数(2つ)設けられ、下フレーム31の左右方向中央を、前後方向に通過する直線L1に対して、線対称に配置されている。
【0173】
そのため、層厚規制部材75をバランスよく、各第1固定部46に固定でき、現像ローラ6と接触部83との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
(13)このプリンタ1は、上記した現像カートリッジ23を備えている。
【0174】
そのため、現像ローラ6と層厚規制部材75(接触部83)との相対的な位置関係の位置決め精度の向上を図ることができる。
4.変形例
また、上記した下フレーム31では、第1固定部46が複数(2つ)設けられたが、図6に示すように、第1固定部46が、下フレーム31の左右方向中央部分に1つ設けられていてもよい。
【0175】
この変形例では、第1固定部46に対応する、貫通穴61、第1固定穴89、弾性部材67、および攪拌羽64の切欠部65をそれぞれ1つずつ設ければよい。
【0176】
そのため、上記した作用効果を奏することができながら、製造コストの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0177】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
6 現像ローラ
12 アジテータ
23 現像カートリッジ
31 下フレーム
32 上フレーム
35 側壁
36 底壁
38 トナー収容室
39 現像室
45 区画壁
46 第1固定部
47 突条部
53 後側上壁
58 第2固定部
60 位置決め突部
63 回転軸
64 攪拌羽
65 切欠部
67 弾性部材
75 層厚規制部材
81 ブレード部材
82 補強部材
83 接触部
94 シール部材
L1 下フレームにおける左右方向中央を、前後方向に通過する直線区画壁の突出方向に沿う直線
L2 左右方向に沿う同一直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を隔てて対向配置される1対の第1壁部と、1対の前記第1壁部の一端部を連結する第2壁部とを備える第1フレームと、
前記第2壁部と間隔を隔てて対向するように、1対の前記第1壁部の他端部に配置される第3壁部であって、1対の前記第1壁部および前記第2壁部とともに、開口を区画する第3壁部を備え、前記第1フレームと組み合わされる第2フレームと、
1対の前記第1壁部の間に配置され、回転可能に構成される現像剤担持体と、
前記第2壁部に対して前記第3壁部を挟むように対向配置され、前記現像剤担持体の表面に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、
前記第2壁部から、前記第3壁部を貫通するように立設され、前記層厚規制部材が固定される少なくとも1つの第1固定部と、
を備えていることを特徴とする、現像装置。
【請求項2】
前記第3壁部には、前記第1固定部が、露出されるように挿通される貫通穴が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第1固定部は、前記貫通穴に遊嵌されていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項4】
前記層厚規制部材と前記第3壁部との間には、前記層厚規制部材と前記第3壁部との隙間を塞ぐ第1シール部材を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1固定部は、前記第3壁部から突出する突出部分を備え、
前記突出部分の突出方向長さは、少なくとも前記第1シール部材の厚みを有することを特徴とする、請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
1対の前記第1壁部の他端部は、前記層厚規制部材が固定される第2固定部を有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記第2固定部には、前記層厚規制部材を貫通するように突出し、前記層厚規制部材を前記現像剤担持体に対して位置決めする位置決め突部が形成され、
前記位置決め突部と前記第1固定部とは、前記現像剤担持体の軸線方向に沿う同一直線上に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の現像装置。
【請求項8】
前記第1固定部は、前記第1固定部の立設方向と交差する方向に突出し、前記第3壁部と対向して、前記第1フレームを支持する支持突部を備え、
前記支持突部と前記第3壁部との間には、弾性部材が備えられていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項9】
前記層厚規制部材は、
前記現像剤担持体に向かって延びるように形成され、一端部に前記現像剤担持体と接触する接触部が設けられ、他端部が前記第1シール部材上に配置される第1板状部材と、
前記第3壁部との間で、前記第1板状部の他端部および前記第1シール部材を挟むように配置され、前記第1板状部材を固定する第2板状部材とを備えることを特徴とする、請求項4ないし8のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項10】
前記第2板状部材が、前記第1固定部に固定されていることを特徴とする、請求項9に記載の現像装置。
【請求項11】
前記第2壁部には、前記第1フレームおよび前記第2フレームを、前記現像剤担持体が配置される現像室と、現像剤が収容される現像剤収容室とに区画するように、前記第1フレームに向けて突出する区画壁が設けられ、
前記第1固定部と前記区画壁とは、前記現像剤担持体の軸線方向と直交する方向に、隣接配置されていることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項12】
前記第1固定部は、前記現像剤収容室内に配置されていることを特徴とする、請求項11に記載の現像装置。
【請求項13】
前記現像剤収容室には、1対の前記第1壁部に回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸に設けられ、前記回転方向において前記第1固定部と対応する部分に切欠部が形成される攪拌羽とを備える攪拌部材が設けられることを特徴とする、請求項11または12に記載の現像装置。
【請求項14】
前記第1固定部は、複数設けられ、前記第2フレームにおける前記第1壁部の対向方向中央を、前記対向方向と直交する方向に通過する直線に対して、線対称に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれか一項に記載の現像装置と、
前記現像装置が着脱可能に装着される装置本体と、を備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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