現金管理システム、現金管理プログラム及び現金管理方法
【課題】店舗内に分散する現金を店舗全体で管理する。
【解決手段】現金の受け渡しの際、操作者IDを入力して出金側の現金処理装置20aに出金指示が行われ、出金情報通知手段22は、操作者IDと出金額を出金情報として現金管理装置10に通知する。出金した現金は、操作者IDを入力して現金処理装置30aに入金され、入金情報通知手段33は、操作者IDと入金額を入金情報として現金管理装置10に通知する。現金管理装置10は、入出金情報取得手段11が受けた通知を管理情報記憶手段12に格納する。そして、照合手段13が、入金情報の操作者IDに基づいて、操作者IDが一致する出金情報を抽出し、入金額と出金額とを照合する。エラー通知手段14は、照合結果が一致しないとき、管理者端末にエラーを通知する。
【解決手段】現金の受け渡しの際、操作者IDを入力して出金側の現金処理装置20aに出金指示が行われ、出金情報通知手段22は、操作者IDと出金額を出金情報として現金管理装置10に通知する。出金した現金は、操作者IDを入力して現金処理装置30aに入金され、入金情報通知手段33は、操作者IDと入金額を入金情報として現金管理装置10に通知する。現金管理装置10は、入出金情報取得手段11が受けた通知を管理情報記憶手段12に格納する。そして、照合手段13が、入金情報の操作者IDに基づいて、操作者IDが一致する出金情報を抽出し、入金額と出金額とを照合する。エラー通知手段14は、照合結果が一致しないとき、管理者端末にエラーを通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内に配置される現金処理装置と、現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理装置を有する現金管理システム、現金管理プログラム及び現金管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スーパーマーケットや百貨店などの流通小売店舗における商品代金精算は、現金決済が主流である。このような流通小売店舗では、買い物客の支払う商品代金とお釣りの授受を行う、いわゆるレジスタや、POS(Point Of Sales)端末(以下、POS端末等とする)が勘定場に設置されている。また、このPOS端末とは別に売上金等を保管する入金機が用意されている店舗もある。以下、POS端末等や入金機を含む現金を保有する装置を総称して現金処理装置とする。このような流通小売店舗では、開店前に釣銭準備金として入金機から出金した現金がPOS端末等に収納される。また、勘定場に集まった売上金は、キャッシャの担当時間終了時や閉店時等に、POS端末等から出金し、入金機に入金する。この入金機とPOS端末等との間の現金受け渡しは、人手によって行われるため、不正やミスをなくすことが容易ではなかった。
【0003】
そこで、現金の受け渡しの際、管理装置が出金側の現金処理装置から出金する出金額を取得して入金側の現金処理装置に通知し、入金側にて入金額と通知された出金額とを照合するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、自動取引装置に対して装填または回収する予定の現金の金種、枚数をオペレーション端末より入力しておき、実際に自動取引装置で装填または回収された現金情報と一致するかチェックするシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−275805号公報
【特許文献2】特開2004−220277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の現金管理システムでは店舗全体で現金管理を行うことが難しいという問題点がある。
従来の店舗内の現金管理は、人手による現金移動時、予め現金を受け取る入金側の現金処理装置を指定しておく必要があった。管理装置は、指定された入金側の現金処理装置に対して出金側の現金処理装置からの出金額を通知し、通知を受けた入金側の現金処理装置が通知された出金額と入金額とを照合していた。一致しているか否かの確認は入金側の現金処理装置が行うため、負担が重く、かつ確認処理が終了するまで動作できないという問題点がある。例えば、POS端末であれば、確認が終了するまで使用できず、運用上の問題が生じる。特に、エラーが発生した場合には、エラー原因の探索のため、最悪の場合にはその間POS端末等が使用できなくなるという恐れもある。また、流通小売店舗の多くは、勘定場に複数台のPOS端末等が配置されているが、入金は予め指定した装置でなければならず、柔軟な対応が難しかった。
【0006】
また、個々の現金処理装置は、自装置が保有する現金の在り高を管理することができる。しかし、現金処理装置は複数台が店舗内に分散配置されており、店舗全体の現金の合計在り高を把握し、管理することは難しかった。
【0007】
このような点に鑑み、店舗内の複数の現金処理装置に分散する現金を店舗全体で管理することが可能な現金管理システム、現金管理プログラム及び現金管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、店舗内に配置される現金処理装置と、現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理装置を有する現金管理システムが提供される。
現金処理装置は、出金情報通知手段及び入金情報通知手段を有する。出金情報通知手段は、出金指示を受けて出金処理を行うときに、出金指示を行った出金操作者の識別情報と、出金した出金額とを対応付けた出金情報を生成する。そして、この出金情報を現金管理装置に通知する。入金情報通知手段は、入金指示を受けて入金処理を行うときに、入金指示を行った入金操作者の識別情報と、入金した入金額とを対応付けた入金情報を生成する。そして、この入金情報を現金管理装置に通知する。現金管理装置は、入出金情報取得手段、照合手段及びエラー通知手段を有する。入出金情報取得手段は、出金側の現金処理装置から出金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶する。また、入金側の現金処理装置から入金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶する。照合手段は、入金情報から入金操作者の識別情報を抽出する。抽出した入金操作者の識別情報に基づいて管理情報記憶手段に記憶される出金情報を検索し、出金操作者の識別情報が入金操作者の識別情報と一致する出金情報を抽出して入金情報と対応付ける。そして、対応付けた出金情報の出金額と、入金情報の入金額とを照合して、一致した場合は正常な現金受け渡しが行われたと判定する。エラー通知手段は、照合手段による照合で出金額と入金額とが一致しなかった場合は、予め決められた管理者端末にエラーを通知する。
【0009】
また、上記課題を解決するために、コンピュータを上記の現金管理装置として機能させる現金管理プログラムと、コンピュータが上記と同様の現金管理処理手順を実行する現金管理方法と、が提供される。
【発明の効果】
【0010】
開示の現金管理システム、現金管理プログラム及び現金管理方法によれば、現金管理装置は、店舗内に複数台配置される任意の現金処理装置から受け取った出金情報及び入金情報を操作者識別情報によって対応付け、現金処理装置間で移動した現金の出金額と入金額を照合する。これによって、店舗内の現金処理装置間における現金の移動を厳密に管理することが可能となる。また、店舗内の現金処理装置の出金情報及び入金情報を一元管理することにより、店舗に配置される複数台の現金処理装置に分散している現金を店舗全体で管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態の現金管理システムの構成例を示したブロック図である。
【図2】流通小売店舗の現金管理システムの構成例を示した図である。
【図3】現金管理サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】POS端末のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図5】開局時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。
【図6】一般売上時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。
【図7】精算時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。
【図8】入金機のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図9】開局時に入金機から入金機サーバへ送られる電文の一例である。
【図10】入出金時に入金機から入金機サーバへ送られる電文の一例である。
【図11】POS端末の入出金記録の一例を示した図である。
【図12】入金機の入出金記録の一例を示した図である。
【図13】POS店舗サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。
【図14】POS店舗サーバから入金機サーバへの出金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図15】POS店舗サーバから入金機サーバへの入金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図16】POS店舗サーバが現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。
【図17】POS店舗サーバが現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。
【図18】POS店舗サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
【図19】入金機サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。
【図20】入金機サーバからPOS店舗サーバへの出金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図21】入金機サーバからPOS店舗サーバへの入金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図22】入金機サーバが現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。
【図23】入金機サーバが現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。
【図24】入金機サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
【図25】POS店舗サーバと入金機サーバとが分担して現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。
【図26】POS店舗サーバと入金機サーバとが分担して現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。
【図27】現金管理サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。
【図28】現金管理サーバからPOS店舗サーバへの入出金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図29】現金管理サーバから入金機サーバへの入出金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図30】現金サーバが現金管理を行う場合の現金管理処理の流れを示した図である。
【図31】現金管理サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態の現金管理システムの構成例を示したブロック図である。
第1の実施の形態の現金管理システムは、店舗内の勘定場に配置される現金処理装置20a,20b,・・・と、事務所に配置される現金処理装置30a,30b,・・・と、店舗内の現金を管理する現金管理装置10とを有する。
【0013】
現金処理装置20a,20b,30a,30bについて先に説明する。現金処理装置20a,20b,30a,30bは、店舗内に分散配置され、それぞれが保有する現金を管理する。現金処理装置20a,20b,30a,30b間で現金の受け渡しを行う際には、現金受け渡しを行う操作者が操作者識別情報(以下、操作者IDとする)を入力し、出金指示または入金指示を行う。
【0014】
現金処理装置20a,20b,・・・は、勘定場に配置され、勘定場において商品代金の精算に用いる現金を管理する取引機である。例えば、レジスタやPOS端末等である。現金処理装置20aは、現金管理手段21、出金情報通知手段22及び入金情報通知手段23を有する。現金処理装置20b,・・・の構成も同様である。現金管理手段21は、現金処理装置20a内に保管する現金の在り高を、紙幣や硬貨の種類ごと、すなわち金種別に集計して管理する。現金処理装置20a,20b,・・・内に保管する現金は、商品代金の精算時以外にも、開店時の開局時点で釣銭準備金を入金するとき、閉店時の精算で売上金を回収するとき等に変動する。現金管理手段21は、このような現金在り高の変動時、入出金した金額と、変動後の現金在り高を管理する。出金情報通知手段22は、操作者の出金指示によって出金処理が行われたとき、操作者IDと、現金管理手段21から取得した出金額を含む出金情報を生成し、自装置IDを添付して現金管理装置10に通知する。出金情報には、出金後の現金の在り高を含めてもよい。入金情報通知手段23は、操作者の入金指示によって入金処理が行われたとき、操作者IDと、現金管理手段21から取得した入金額を含む入金情報を生成し、自装置IDを添付して現金管理装置10に通知する。入金情報には、入金後の現金の在り高を含めてもよい。
【0015】
現金処理装置30a,30bは、事務所に配置され、売上現金や釣銭準備金を管理する。例えば、入金機等である。現金処理装置30aは、現金管理手段31、出金情報通知手段32及び入金情報通知手段33を有する。現金処理装置30bの構成も同様である。現金管理手段31は、現金処理装置30a内に保管する現金の在り高を金種別に計数して管理する。出金情報通知手段32は、出金を指示した操作者IDと、現金管理手段31から取得した出金額を含む出金情報を生成し、自装置IDを添付して現金管理装置10に通知する。入金情報通知手段33は、入金を指示した操作者IDと、現金管理手段31から取得した入金額を含む入金情報を生成し、自装置IDを添付して現金管理装置10に通知する。
【0016】
現金管理装置10は、入出金情報取得手段11、管理情報記憶手段12、照合手段13、エラー通知手段14及び現金在り高管理手段15を有する。各処理手段は、コンピュータが現金管理プログラムを実行することによってその処理機能を実現する。また、その処理機能は、独立した現金管理装置10として実現する他、勘定場のPOS端末を管理するPOS店舗サーバや事務所の入金機を管理する入金機サーバ等が実現するとしてもよい。
【0017】
入出金情報取得手段11は、現金処理装置20a,20b,30a,30cから受け取った出金情報及び入金情報を出金記録及び入金記録として管理情報記憶手段12に記憶する。管理情報記憶手段12は、現金管理に関する各種情報を記憶する記憶手段である。入出金情報取得手段11が取得した出金記録や入金記録、エラー通知手段14が生成したエラー情報、現金在り高管理手段15が生成した現金処理装置20a,20b,30a,30bの現金在り高や、店舗全体の現金在り高等の情報を記憶する。
【0018】
照合手段13は、管理情報記憶手段12に記憶した入金記録と出金記録とを操作者IDに基づいて対応付け、入金情報の入金額と出金情報の出金額とを照合する。通常、現金の受け渡し処理は、一人の人間が行う。すなわち、一方の現金処理装置から出金を行った操作者が、他方の現金処理装置に集金した現金を入金する。そこで、入金情報の操作者IDと、出金情報の操作者IDとが一致したとき、一連の現金受け渡しが行われたと見なす。なお、より厳密にチェックするため、入金時刻と出金時刻や、入出金の種別(例えば、釣銭準備金等)の一致などを照合するとしてもよい。入金情報と出金情報の対応付けについて説明する。まず、入金情報から入金指示を行った操作者IDを抽出する。抽出した操作者IDに基づいて、この操作者IDと一致する出金情報を抽出し、入金情報と対応付ける。対応付けた入金情報の入金額と、出金情報の出金額とを照合し、一致しているかどうかを判定する。入金額と出金額とが金種別で設定されていたときは、金種ごとの金額が一致するかどうか判定する。一致するときは、正常な現金受け渡しが行われたと判定する。一致しないときは、エラー通知手段14に不一致が発生したことを通知する。
【0019】
エラー通知手段14は、照合手段13による照合で出金額と入金額とが一致しなかった場合、予め決められた管理者端末にエラーを通知する。管理情報記憶手段12等の記憶手段には、予め、出金額と入金額とが不一致となったときに、通知を行う管理者端末の電子メールアドレス等、通知の宛先が記憶されている。エラー通知手段14は、エラーが発生したときの操作者ID、出金額と入金額または出金額と入金額との差額、現金処理装置ID等を記述したエラー通知情報を生成する。そして、管理情報記憶手段12に格納されている通知の宛先を読み出し、エラー通知情報を送信する。なお、このとき、出金額、入金額及びその差額を金種別に示してもよい。また、エラー履歴を生成して管理情報記憶手段12に記憶する。
【0020】
現金在り高管理手段15は、現金処理装置20a,20b,30a,30bから取得した各現金処理装置の現金在り高を集計し、現時点の店舗内の現金在り高を集計する。現金処理装置20a,20b,30a,30bは、入出金操作や商品の代金受け取り等によって自装置の現金在り高が変動したとき、現金在り高に操作を行った操作者IDを添付して現金管理装置10に通知する。通知は変動ごとに、あるいは一定期間ごとにまとめて行う。現金在り高は、金種別であってもよい。現金在り高管理手段15は、現金処理装置20a,20b,30a,30bから取得した現金処理装置ごとの現金在り高を集計し、管理情報記憶手段12に記憶する。集計は、操作者ごとに行うとしてもよい。
【0021】
このような構成の現金管理システムの動作について説明する。
現金処理装置20a,20b,30a,30cは、それぞれ保管する現金の在り高を金種別に管理している。店舗を開店する際の開局時や、閉店時の精算時等には、人手を介して現金装置間で現金が受け渡しされる。
【0022】
ここで、現金処理装置30aから出金し、現金処理装置20aに入金する場合で説明する。現金を移動させる操作者は、自身の操作者IDを現金処理装置30aに入力し、現金を出金する。この出金額は現金管理手段31が計数する。計数は金種別でもよい。現金処理装置30aの出金情報通知手段32は、出金額及び操作者IDから出金情報を生成し、現金処理装置30aの装置IDを添付して現金管理装置10に送信する。現金管理装置10は、入出金情報取得手段11が出金情報を取得し、出金記録として管理情報記憶手段12に格納する。
【0023】
操作者は、現金処理装置30aから出金した現金を持って勘定場へ移動し、操作者IDを現金処理装置20aに入力して現金を入金する。現金管理手段21は、入金額を計数する。入金情報通知手段23は、入金額及び操作者IDから入金情報を生成し、現金処理装置20aの装置IDを添付して現金管理装置10に送信する。現金管理装置10は、入出金情報取得手段11が入金情報を取得し、入金記録として管理情報記憶手段12に格納する。照合手段13は、入金記録の操作者IDに基づいて、管理情報記憶手段12に記憶される出金記録を検索し、操作者IDが一致する出金記録を抽出する。入金記録と出金記録とを対応付け、入金記録の入金額と、出金記録の出金額とを照合する。一致するときは、正常な現金受け渡しが行われたと判定する。一致しないときは、エラー通知手段14に不一致が発生したことを通知する。なお、入金額と出金額とが金種別で設定されていたときは、金種ごとの金額が一致するかどうか判定する。エラー通知手段14は、不一致の金額、このときの操作者ID、及び必要に応じてエラーを検出した装置の装置ID等を含むエラー通知情報を生成し、予め登録された宛先に送信する。現金在り高管理手段15は、入金情報及び出金情報とともに取得した各現金処理装置の現金在り高に基づいて、現金処理装置ごとの現金在り高及び店舗全体の現金在り高を管理する。金種別の現金在り高を取得したときは、金種別に現金在り高を集計する。
【0024】
このような現金管理システムによれば、現金処理装置20a,20b,30a,30b間で現金の移動が行われるとき、その出金情報と入金情報とが現金管理装置10に送信される。現金管理装置10は、操作者IDに基づいて出金側の現金処理装置の出金情報と、入金側の現金処理装置の入金情報とを対応付ける。そして、対応付けた出金情報の出金額と入金情報の入金額とを照合し、正しく現金受け渡しが行われたかどうかを判定する。このように、現金管理装置10によって、現金処理装置20a,20b,30a,30b間における現金の移動を厳密に管理することが可能となる。また、現金処理装置20a、20b、30a、30bでは入出金額の照合を行う必要がないため、照合処理に要する負担を軽減し、かつスムーズに店舗運営を行うことが可能となる。不一致が発生した場合は、エラー通知が管理者端末に送信されるため、管理者は問題の発生時に、すみやかに状況を把握し、対応することが可能となる。さらに、店舗内の現金処理装置20a,20b,30a,30bの出金情報及び入金情報は、現金管理装置10が一元管理するので、店舗に配置される複数台の現金処理装置20a,20b,30a,30bに分散している現金を店舗全体で管理することが可能となる。
【0025】
次に、現金管理システムを、POSシステムと入金機システムとを備えた流通小売店舗の現金管理に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
図2は、流通小売店舗の現金管理システムの構成例を示した図である。図2の流通小売店舗の現金管理システムは、店舗に配置されたPOS端末、POS#1(220a)、POS#2(220b)、・・・、POS#n(220c)と、POS端末を管理するPOS店舗サーバ200を有するPOSシステムと、事務所に配置された入金機#1(320a)、入金機#2(320b)、・・・、入金機#n(320c)と入金機を管理する入金機サーバ300とを有する入金機システムとを有し、POS店舗サーバ200と入金機サーバ300とがネットワーク400を介して接続する。また、店舗内を自由に移動する管理者が所持する携帯型の管理者端末500は、POS店舗サーバ200、入金機サーバ300、または別途用意される現金管理サーバと無線ネットワークを介して接続する。
【0026】
POSシステムは、POS端末とPOS店舗サーバ200とがネットワークで接続されている。POS端末は、商品代金の精算時の取引情報、POS端末へ釣銭準備金等を入金したときの入金情報、POS端末から入金機へ売上金等を出金したときの出金情報を、POS端末の現金在り高とともにPOS店舗サーバ200に送信する。POS店舗サーバ200は、POS情報データベース(以下、DBとする)を接続し、POS端末から取得した取引情報、入金情報及び出金情報に基づく、取引記録、入金記録及び出金記録をPOS情報としてPOS情報DB210に記憶して管理する。
【0027】
POS端末、POS#1(220a)、POS#2(220b)、・・・、POS#n(220c)には、それぞれ釣銭機230a,230b,230cが接続されている。釣銭機230a,230b,230cは、商品の代金を客から受け取ったキャッシャが入金した現金を計数し、必要な釣銭及び釣札を自動的に出金する。入金した貨幣は、釣銭として用いられる。釣銭機230a,230b,230cに入金した入金額、釣銭として出金した出金額及び現金在り高は、金種別に集計し、接続するPOS#1(220a)、POS#2(220b)、・・・、POS#n(220c)に通知する。特定のPOS端末を指示する必要がないときは、POS端末220と表記する。
【0028】
入金機システムは、入金機と入金機サーバ300とがネットワークを介して接続されている。入金機は、POS端末で利用する釣銭準備金等を出金したときの出金情報と、POS端末から出金された売上金が入金されたときの入金情報と、を生成し、入金機の現金在り高とともに入金機サーバ300に送信する。入金機サーバ300は、入金機情報DB310を接続し、入金機320a,320b,320cから取得した入金情報及び出金情報に基づき、入金記録及び出金記録を入金機情報として入金機情報DB310に記憶して管理する。特定の入金機を指示する必要がないときは、入金機320と表記する。
【0029】
以上のように、POS情報DB210は、POS端末の入金記録及び出金記録を記憶しており、入金機情報DB310は、入金機情報DB310に入金機の入金記録及び出金記録を記憶している。入金機とPOS端末との間の現金受け渡しが正しく行われたかどうかを確認する現金管理処理は、(1)POS店舗サーバ、(2)入金機サーバ、(3)POS店舗サーバと入金機サーバが分担、(4)別途設ける現金管理サーバ、のいずれかで実現することができる。(1)のPOS店舗サーバ200が現金管理を行う場合には、入金機サーバ300が保有する入金機の入金記録及び出金記録を取得し、自装置が収集したPOS端末の入金記録及び出金記録と照合する。(2)の入金機サーバ300が現金管理を行う場合には、POS店舗サーバ200が保有するPOS端末の入金記録及び出金記録を取得し、自装置が収集した入金機の入金記録及び出金記録と照合する。(3)のPOS店舗サーバ200と入金機サーバ300とが分担する場合には、それぞれが相手の出金記録を取得し、自装置が収集した管理下のPOS端末または入金機の入金記録と照合する。(4)の現金管理サーバが現金管理を行う場合には、入金機サーバ300が保有する入金機の入金記録及び出金記録と、POS店舗サーバ200が保有するPOS端末の入金記録及び出金記録とを取得し、照合を行う。以下、すべてのケースで共通する事項について説明し、続いてそれぞれのケースについて詳細に説明する。
【0030】
まず、サーバのハードウェア構成を現金管理サーバの例で説明する。図3は、現金管理サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
現金管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、及び通信インタフェース106が接続されている。
【0031】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションのプログラムが格納される。グラフィック処理装置104には、モニタ108が接続されており、CPU101からの命令に従って画像をモニタ108の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード109aやマウス109bが接続されており、キーボード109aやマウス109bから送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。通信インタフェース106は、ネットワーク400に接続されており、ネットワーク400を介してPOS店舗サーバ200及び入金機サーバ300との間でデータの送受信を行う。また、POS端末220a〜220cや入金機320a〜320cとの間でデータの送受信を行うとしてもよい。
【0032】
このようなハードウェア構成によって、現金管理サーバの処理機能を実現することができる。なお、図3には、現金管理サーバのハードウェア構成を示したが、POS店舗サーバ200及び入金機サーバ300のハードウェア構成も同様である。
【0033】
図4は、POS端末のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
POS端末220は、装置全体を制御する制御部221と、開局処理部222、釣銭準備金処理部223、POS取引処理部224、精算処理部225、釣銭機制御部226、入力制御部227及び通信制御部228を有する。
【0034】
開局処理部222は、POS端末の使用を開始するための開局処理と、釣銭準備金の入金処理を行う。開店時等、キャッシャは、POS端末220に開局を指示し、入金機320から出金した釣銭準備金を入金する。開局指示を受けた開局処理部222は、開局を通知する開局電文をPOS店舗サーバ200に送信する。このとき、キャッシャの操作者IDを取得して予め登録された操作者IDと照合し、正当なキャッシャであるかどうかを確認する。釣銭準備金処理部223は、開局時等、釣銭準備金が入金されたときは、釣銭機230が計数した入金額を取得し、釣銭準備金入金額として記憶する。また、現在保管する現金の在り高を算出し、釣銭入金が発生したことを通知する釣銭入金電文をPOS店舗サーバ200に送信する。
【0035】
POS取引処理部224は、客が購入しようとしている商品代金の合計を計算した後、キャッシャが客から商品の代金を預かり、釣銭を返却するという店舗営業中の取引における現金管理処理を行う。購入した商品の商品情報、預かり金として受け取った入金額、釣銭として出金した出金額及び現金在り高を集計し、一般売上電文としてPOS店舗サーバ200に送信する。また、掛売りの精算等によって入金したとき、あるいは返品によって出金したとき等、通常の取引以外の取引が発生した場合も同様に、発生した事象の通知とともに入出金された金額や現金在り高を示した電文を作成し、POS店舗サーバ200に送信する。
【0036】
精算処理部225は、閉店時等に行う精算処理における処理を実行する。取引の集計や、入金機320で保管するために出金する出金額、POS端末220内に残す残置額等を集計して精算電文を生成し、精算電文をPOS店舗サーバ200へ送信する。残置とは、精算後に翌日の釣銭のために、現金を釣銭機230に残す処理を言う。精算時の情報は、装置内の記憶手段に記憶しておいてもよい。
【0037】
釣銭機制御部226は、釣銭機230に接続し、釣銭機230の動作を制御する。また、釣銭機230が計数した金種別の現金在り高を取得し、要求元に通知する。入力制御部227は、読取装置240に接続し、POS端末220を操作するキャッシャの操作者IDが記録された磁気カード等から読取装置240が読みだした操作者IDを制御部221に通知する。また、キーボードやスキャナ等を介して操作者IDが入力される場合には、入力した操作者IDを制御部221に通知する。通信制御部228は、POS店舗サーバ200との間の通信を制御する。
【0038】
電文について説明する。
図5は、開局時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。(a)は、開局電文、(b)は釣銭入金電文の一例である。
【0039】
(a)開局電文(POS端末→POS店舗サーバ)は、開局処理時に、開局処理部222がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。開局電文は、日付600a、時刻600b、POS−ID600c、電文種別600d、操作者ID600e及び現金在り高600fの各情報を有する。日付600aは、電文を送信した日にちである。時刻600bは、電文を送信した時刻である。POS−ID600cは、電文を送信したPOS端末の識別情報であり、例えばPOS端末に一意に付された番号である。電文種別600dは、送信した電文の種類を表し、ここでは、「開局」であることを示す。操作者ID600eは、処理を指示した操作者の操作者IDである。ここでは、開局を行ったキャッシャの操作者IDを示す。現金在り高600fは、POS端末220が現在保管する現金の在り高を金種別に示した情報である。1万円札(図では1万)、5千円札(図では5千)、2千円札(図では2千)及び千円札(図では千)の紙幣それぞれの枚数と、5百円玉(図では500)、百円玉(図では100)、50円玉、10円玉、5円玉及び1円玉(図では1)の硬貨それぞれの枚数と、合計金額または合計枚数と、を示す。
【0040】
(b)釣銭入金電文(POS端末→POS店舗サーバ)は、釣銭準備金を入金したとき、釣銭準備金処理部223がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。釣銭入金電文は、日付602a、時刻602b、POS−ID602c、電文種別602d、操作者ID602e、釣銭準備金入金額602f及び現金在り高602gの各情報を有する。日付602a、時刻602b及びPOS−ID602cは、開局電文と同様である。電文種別602dは、電文が「釣銭入金」であることを示す。操作者ID600eは、釣銭準備金を入金した操作者の操作者IDを示す。釣銭準備金入金額602fは、釣銭機230が計数した釣銭準備金の入金額を金種別に示す。現金在り高602gは、釣銭準備金の入金後、POS端末220が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0041】
図6は、一般売上時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。 (a)一般売上電文(POS端末→POS店舗サーバ)は、商品代金の精算を行ったとき、POS取引処理部224がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。一般売上電文は、日付604a、時刻604b、POS−ID604c、電文種別604d、操作者ID604e、POS取引通番604f、商品情報604g、値引き額604h、請求金額604i、預かり金604j、釣銭金額604k及び現金在り高604mの各情報を有する。日付604a、時刻604b及びPOS−ID604cは、開局電文と同様である。電文種別604dは、電文が「売上」であることを示す。操作者ID604eは、取引を行ったキャッシャの操作者IDを示す。POS取引通番604fは、POS端末220が実行したPOS取引を識別するため、POS取引に付した番号である。商品情報604gは、客が購入した商品に関する商品情報で、商品を識別する商品コード、購入した数量、合計金額等が含まれる。値引き額604hは、精算対象の商品に値引きが設定されていた場合、値引き率等に沿って算出した値引き額を示す。請求金額604iは、商品代金として請求した金額を示す。通常は、商品情報604gの合計金額から値引き額604hを減額した金額になる。預かり金604jは、商品を購入した客から受け取った金額を金種別に示す。釣銭金額604kは、釣銭として客に渡した金額を金種別に示す。現金在り高604mは、取引後にPOS端末220が保管する現金の在り高を金種別に示す。掛売り伝票の精算時や、商品の返品時などに入出金した金額及び現金の在り高も発生した事象とともに電文としてPOS店舗サーバ200に送信する。この処理では、入金機320との間の現金受け渡しは発生しないので、詳細な説明は省略するが、POS端末220における現金在り高の変動は、常にPOS店舗サーバ200へ送信される。このため、POS店舗サーバ200では、POS端末220の現金在り高を常に把握することができる。
【0042】
図7は、精算時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。
(a)精算電文(POS端末→POS店舗サーバ)は、閉店時や、キャッシュが交代した場合など、POS端末220の精算を行ったとき、精算処理部225がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。精算電文は、日付606a、時刻606b、POS−ID606c、電文種別606d、操作者ID606e、POS取引通番606f、現金取引606g、クレジット取引606h、残置額606i、出金額606j及び現金在り高606kの各情報を有する。日付606a、時刻606b及びPOS−ID707cは、開局電文と同様である。電文種別606dは、電文が「精算」であることを示す。操作者ID606eは、精算処理を行ったキャッシャの操作者IDを示す。POS取引通番606fは、POS取引の識別情報である。現金取引606gは、開局してから精算時点までに発生した現金取引の件数と、その合計金額とを示す。クレジット取引606hは、開局してから精算時点までに発生したクレジット取引の件数と、その合計金額とを示す。残置額606iは、精算後、売上金として入金機320には入金せず、例えば釣銭機230に翌営業日の釣銭として釣銭機230内に残した金額を金種別に示す。出金額606jは、POS端末220から出金し、入金機320に入金する金額を金種別に示す。現金在り高606kは、POS端末220が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0043】
以上のように、POS端末220は、POS端末220が保管する現金に変動があったときは、発生した事象に応じた電文をPOS店舗サーバ200に送信する。POS店舗サーバ220は、受け取った電文に基づき、管理下のPOS端末220の状況及び現在の現金在り高を把握することができる。
【0044】
図8は、入金機のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
入金機320は、装置全体を制御する制御部321と、開局処理部322、入金処理部323、出金処理部324、精算処理部325、計数機制御部326、入力制御部327及び通信制御部328を有する。
【0045】
開局処理部322は、入金機320の運用を開始する開局処理を行う。開局指示を受けた開局処理部322は、開局を通知する開局電文を入金機サーバ300に送信する。このとき、指示を行った担当者の操作者IDを取得して予め登録された操作者IDと照合し、正当な担当者であるかどうかを確認する。入金処理部323は、POS端末220から回収した売上金等が入金機320に入金されたとき、計数機330が計数した入金額を取得し、入金情報として記憶する。また、現在保管する現金の在り高を算出し、入金が発生したことを通知する入金電文を入金機サーバ300に送信する。出金処理部324は、保管してあった前日の売上金や、釣銭準備金としてPOS端末220に受け渡す現金を出金したとき、計数機330が計数した出金額を取得し、出金情報として記憶する。また、現在保管する現金の在り高を算出し、出金が発生したことを通知する出金電文を入金機サーバ300に送信する。
【0046】
精算処理部325は、閉店時等に行う精算処理における処理を実行する。精算後、入金機320は、POS端末220から回収した売上金を保管する。精算処理部325は、計数機330が数えた金種別の入金額を集計し、入金機サーバ300へ通知する。計数機制御部326は、計数機330に接続し、計数機330の動作を制御する。また、計数機330が計数した金種別の現金在り高を取得し、要求元に通知する。入力制御部327は、読取装置340に接続し、入金機320を操作する担当者の操作者IDが記録された磁気カード等から読取装置340が読みだした操作者IDを制御部321に通知する。また、キーボードやスキャナ等を介して操作者IDが入力される場合には、入力した操作者IDを制御部321に通知する。通信制御部328は、入金機サーバ300との間の通信を制御する。
【0047】
電文について説明する。
図9は、開局時に入金機から入金機サーバへ送られる電文の一例である。
(a)開局電文(入金機→入金機サーバ)は、開局処理時に、開局処理部322が入金機サーバ300へ送信する電文である。開局電文は、日付610a、時刻610b、入金機ID610c、電文種別610d、操作者ID610e及び現金在り高610fの各情報を有する。日付610aは、電文を送信した日にちである。時刻610bは、電文を送信した時刻である。入金機ID610cは、電文を送信した入金機の識別情報であり、例えば一意に付された番号である。電文種別610dは、送信した電文の種類を表し、ここでは、「開局」であることを示す。操作者ID610eは、処理を指示した操作者の操作者IDである。ここでは、開局を行った担当者の操作者IDを示す。現金在り高610fは、入金機320が現在保管する現金の在り高を金種別に示した情報である。
【0048】
図10は、入出金時に入金機から入金機サーバへ送られる電文の一例である。(a)は出金電文、(b)は入金電文である。
(a)出金電文(入金機→入金機サーバ)は、入金機320から現金が出金されたとき、出金処理部324が入金機サーバ300へ送信する電文である。出金電文は、日付614a、時刻614b、入金機ID614c、電文種別614d、操作者ID614e、入金機取引通番614f、出金時刻614g、出金額614h、入金予定POS−ID614i及び現金在り高614jの各情報を有する。日付614a、時刻614b及び入金機ID614cは、開局電文と同様である。電文種別614dは、電文が「出金」であることを示す。操作者ID614eは、出金を指示した担当者の操作者IDを示す。入金機取引通番614fは、入金機320が実行した取引を識別するため、入金機取引に付した番号である。出金時刻614gは、入金機320から現金を取り出す出金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。出金額614hは、入金機320より出金した出金額を金種別に示す。例えば、担当者がキーボード操作等によって指示した金額を、計数機330が貨幣を計数して出金する。入金予定POS−ID614iは、出金した現金を入金する予定のPOS端末220を示す。入金予定のPOS端末220は、担当者が出金指示とともに入金機320に入力しておく。前述のように、出金金額を示す出金情報と、入金金額を示す入金情報とは、それぞれの操作者IDに基づいて対応付けをすることができる。さらに、入金予定POS端末220を設定しておくことにより、入金額と出金額とを照合するサーバは、入金されたPOS端末220が正しいかどうかを確認することができる。現金在り高614jは、出金後に入金機320が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0049】
(b)入金電文(入金機→入金機サーバ)は、入金機320に現金が入金されたとき、入金処理部323が入金機サーバ300へ送信する電文である。入金電文は、日付616a、時刻616b、入金機ID616c、電文種別616d、操作者ID616e、入金機取引通番616f、入金時刻616g、入金額616h、出金POS−ID616i及び現金在り高616jの各情報を有する。日付616a、時刻616b及び入金機ID616cは、開局電文と同様である。電文種別616dは、電文が「入金」であることを示す。操作者ID616eは、入金を指示した担当者の操作者IDを示す。入金機取引通番616fは、入金機320による取引に付した番号である。入金時刻616gは、入金機320へ現金を入金した入金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。入金額616hは、入金機320に入金した入金額を金種別に示す。出金POS−ID616iは、入金した現金を出金したPOS端末220を示す。例えば、担当者がキーボードを操作して出金したPOS端末220を指定する。現金在り高614jは入金後に入金機320が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0050】
以上のように、入金機320は、入金機320が保管する現金に変動があったときは、発生した事象に応じた電文を入金機サーバ300に送信する。入金機サーバ300は、受け取った電文に基づき、管理下の入金機320の状況及び現在の現金在り高を把握することができる。なお、入金機320からの電文として、出金電文と入金電文とを示したが、電文種別に出金及び入金の種別を設定してもよい。例えば、精算処理部225が出金電文を送信するときは、精算時の出金電文であることを示す電文種別を設定する。
【0051】
こうして、POS店舗サーバ200は、管理下のPOS端末220から取得した入金情報及び出金情報に基づく入出金記録を蓄積し、POS情報DB210に記憶する。入金機サーバ300は、管理下の入金機320から取得した入金情報及び出金情報に基づく入出金記録を蓄積し、入金機情報DB310に記憶する。POS情報DB210に記憶されるPOS端末の入出金記録及び入金機情報DB310に記憶される入金機の入出金記録について説明する。
【0052】
図11は、POS端末の入出金記録の一例を示した図である。
POS端末入出金記録2100は、POS店舗サーバ200が生成してPOS情報DB210に記憶する。POS端末入出金記録2100は、日時2101、POS−ID2102、入出金種別2103、操作者ID2104、POS取引通番2105、入出金時刻2106及び入出金額2107を有する。日時2101は、POS端末220が入金または出金を通知してきた時刻である。POS−ID2102は、POS端末220の識別情報である。入出金種別2103は、入金の記録であるか、出金の記録であるかを示す。ここでは、例として、電文種別に応じて、釣銭準備金入金(=01)、釣銭準備金出金(=02)、売上金入金(=03)、売上金出金(=04)と、設定する。操作者ID2104は、入金または出金を行ったキャッシャの操作者IDを示す。POS取引通番2105は、POS端末220における取引の識別情報を示す。入出金時刻2106は、入金または出金が行われた時刻である。入出金額2107は、入金または出金した金額を示す。
【0053】
例えば、図5に示した釣銭入金電文を取得した場合、POS店舗サーバ200は、日付602a及び時刻602bから日時2101を設定する。同様に、電文のPOS−ID602cからPOS−ID2102、電文種別602dから入出金種別2103、操作者ID602eから操作者ID2104及び釣銭準備金入金額602fから入出金額2107を設定する。
【0054】
図12は、入金機の入出金記録の一例を示した図である。
入金機入出金記録3100は、入金機サーバ300が生成して入金機情報DB310に記憶する。入金機入出金記録3100は、日時3101、入金機ID3102、入出金種別3103、操作者ID3104、入金機取引通番3105、入出金時刻3106及び入出金額3107を有する。日時3101は、入金機320が通知した時刻である。入金機ID3102は、入金機320の識別情報である。入出金種別3103は、入金の記録であるか、出金の記録であるかを示す。操作者ID3104は、入金または出金を行った担当者の操作者IDを示す。入金機取引通番3105は、入金機320における取引の識別情報を示す。入出金時刻3106は、入金または出金が行われた時刻を示す。入出金額3107は、入金または出金した金額を示す。
【0055】
例えば、図10に示した出金電文を取得した場合、入金機サーバ300は、日付614a及び時刻614bから日時3101を設定する。同様に、電文の入金機ID614cから入金機ID3102、電文種別614dから入出金種別3103、操作者ID614eから操作者ID3104、入金機取引通番614fから入金機取引通番3105、出金時刻614gから入出金時刻3106、及び出金額614hから入出金額3107を設定する。
【0056】
次に、上記の(1)〜(4)の構成と、その現金管理処理について順に説明する。一般的な店舗業務では、店舗内の現金の受け渡しは、入金機320とPOS端末220との間で行われる。入金機320からは、釣銭準備金を出金し、POS端末220に入金する。また、POS端末220からは、精算した売上金を出金し、入金機320に入金する。例えば、両替処理は、売上金の一部POS端末220から出金して入金機320に入金し、同等の額の釣銭を入金機320から出金し、POS端末220に入金する処理であり、上記の組み合わせである。また、名目は異なっていても、入金機320からPOS端末220への現金の受け渡しは釣銭準備金の受け渡しと同様であり、POS端末220から入金機320への現金の受け渡しは売上金の受け渡しと同様に行われる。そこで、以下の説明では、この2つのケースについて詳細に説明する。
【0057】
(1)POS店舗サーバが現金管理を行う場合
図13は、POS店舗サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。POS#1(220a)及びPOS#2(220b)の構成は、図4のPOS端末220と同様である。入金機#1(320a)及び入金機#2(320b)の構成は、図8に示した入金機320と同様である。
【0058】
POS店舗サーバ200は、装置全体を制御部201が制御し、開局処理部202、POS現金在り高管理部203、現金一致処理部204、閉店処理部205、電子メール送信部206及び通信制御部207を有し、POS情報DB210及び現金管理DB211に接続する。開局処理部202は、開店時等、担当者からの開局指示があったときは、POS店舗サーバ200の運用を開始する開局処理を行う。このとき、指示を行った担当者の操作者IDを取得して予め登録された操作者IDと照合し、正当な担当者であるかどうかを確認する。POS現金在り高管理部203は、POS端末220から受信する電文に添付されている金種別の現金在り高に基づいて、POS端末220の金種別の現金在り高をPOS情報DB210に記憶して、管理する。金種別の現金在り高は、POS端末ごと、あるいは、操作者IDに基づき、POS端末のキャッシャごとに集計する。また、管理対象のPOS端末全体の金種別の現金在り高を算出するとしてもよい。これにより、どの金種が不足しているのかを把握し、事前に釣銭準備金を用意しておくことができる。
【0059】
現金一致処理部204は、POS端末220と入金機320との間の現金の受け渡しを管理し、入金額と出金額とが一致するかどうかをチェックする。例えば、POS端末220から釣銭入金電文を受信したときは、入金機サーバ300に対して釣銭準備金出金記録の照会を行う。そして、釣銭入金電文に設定されている釣銭準備金入金額と、入金機サーバ300から取得した釣銭準備金出金額とを金種別に照合する。一致しているときは、正しい受け渡しが行われたと判定する。不一致のときは、エラー通知を生成し、電子メール送信部206を介して管理者の端末にエラー通知を送信する。エラー通知では、不一致だった金種とその数、操作者ID、POS−ID及び入金機ID等を通知する。チェックの結果は、照合記録そして現金管理DB211に記録しておく。また、POS端末220から精算電文を受信したときは、入金機サーバ300に対し、売上金入金記録を照会する。そして、精算電文に設定されている出金金額と、入金機サーバ300から取得した売上金入金額とを金種別に照合する。一致しているときは、現金の正しい受け渡しが行われたと判定する。不一致のときは、エラー通知を生成し、電子メール送信部206を介して管理者の端末にエラー通知を送信する。チェックの結果を記録することは、釣銭準備金の場合と同様である。閉店処理部205は、例えば、店舗全体の売上金の集計等、閉店時の精算処理を行う。電子メール送信部206は、エラー通知を指定された管理者端末500に送信する。通信制御部207は、POS端末220及び入金機サーバ300と接続し、電文の受け渡しを行う。POS端末220と接続する通信経路と、入金機サーバ300と接続する通信経路とは、異なっていてもよい。
【0060】
入金機サーバ300は、装置全体を制御部301が制御し、開局処理部302、入金機現金在り高管理部303、現金管理部304、閉店処理部305及び通信制御部306を有し、入金機情報DB310に接続する。開局処理部302は、開店時等、担当者からの開局指示があったときは、入金機サーバ300の運用を開始する開局処理を行う。このとき、指示を行った担当者の操作者IDを取得して予め登録された操作者IDと照合し、正当な担当者であるかどうかを確認する。入金機現金在り高管理部303は、入金機320から受信する電文に添付されている金種別の現金在り高に基づいて、入金機320の金種別の現金在り高を入金機情報DB310に記憶して、管理する。金種別の現金在り高は、入金機ごと、あるいは、操作者IDに基づき、入金機の担当者ごとに集計する。また、管理対象の入金機全体の金種別の現金在り高を算出するとしてもよい。
【0061】
現金管理部304は、入金機320から釣銭準備金を出金したときの出金電文を取得し、釣銭準備金出金記録として入金機DB310に記憶する。また、入金機320から売上金を入金したときの入金電文を取得し、売上金入金記録として入金機DB310に記憶する。また、POS店舗サーバ200から照会要求があったときは、照会された記録を入金機情報DB310から抽出し、POS店舗サーバ200へ送信する。閉店処理部305は、入金機全体で保管する現金の集計等、閉店時の精算処理を行う。通信制御部306は、入金機320及びPOS店舗サーバ200と接続し、電文の受け渡しを行う。
【0062】
次に、POS店舗サーバ200と入金機サーバ300との間で交換する電文について説明する。
図14は、POS店舗サーバから入金機サーバへの出金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、出金記録照会電文、(b)は、出金記録応答電文である。
【0063】
(a)出金記録照会電文(POS店舗サーバ→入金機サーバ)は、POS店舗サーバ200の現金一致処理部204が、入金機サーバ300に対し、保有する釣銭準備金出金時の出金記録を要求する電文である。出金記録照会電文は、日付620a、時刻620b、POS店舗サーバID620c、電文種別620d及び操作者ID620eの各情報を有する。日付620a、時刻620bは、開局電文と同様である。POS店舗サーバID620cは、自装置の識別情報である。電文種別620dは、電文が「出金照会」であることを示す。操作者ID620eは、出金記録を照会する対象の操作者の識別情報である。
【0064】
(b)出金記録応答電文(入金機サーバ→POS店舗サーバ)は、(a)に示した出金記録照会電文に対し、現金管理部304がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。出金記録応答電文は、日付622a、時刻622b、入金機サーバID622c、電文種別622d、入金機ID622e、操作者ID622f、入金機取引通番622g、出金時刻622h及び出金額622iの各情報を有する。日付622a、時刻622bは、開局電文と同様である。入金機サーバID622cは、自装置の識別情報である。電文種別622dは、電文が「出金記録」であることを示す。入金機ID622eは、抽出した出金記録に記録された出金処理を行った入金機の識別情報を示す。操作者ID622fは、この出金処理を行った操作者の識別情報である。入金機取引通番622gは、入金機320が実行した取引を識別するため、入金機取引に付した番号である。出金時刻622hは、入金機320の出金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。出金額622iは、入金機320より出金した出金額を金種別に示す。出金額622iは、出金後に入金機320が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0065】
なお、これらの情報は、現金管理部304が、入金機入出金記録3100を検索し、該当する操作者IDの出金記録で、かつ、入金記録と対応付けがされていないもの、あるいは、最新の出金記録を抽出して設定する。また、抽出した出金記録の日時を確認し、出金記録照会電文の日付620a及び時刻620bから一定時間以上離れているときは、対応するものではないと判断してもよい。
【0066】
図15は、POS店舗サーバから入金機サーバへの入金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、入金記録照会電文、(b)は、入金記録応答電文である。
(a)入金記録照会電文(POS店舗サーバ→入金機サーバ)は、POS店舗サーバ200の現金一致処理部204が、入金機サーバ300に対し、保有する売上金入金時の入金記録を要求する電文である。入金記録照会電文は、日付624a、時刻624b、POS店舗サーバID624c、電文種別624d及び操作者ID624eの各情報を有する。日付624a、時刻624b及びPOS店舗サーバID624cは、POS店舗サーバ200の出金記録照会電文と同様である。電文種別624dは、電文が「入金照会」であることを示す。操作者ID624eは、入金記録を照会する対象の操作者の識別情報である。
【0067】
(b)入金記録応答電文(入金機サーバ→POS店舗サーバ)は、(a)に示した入金記録照会電文に対し、現金管理部304がPOS店舗サーバ200へ送信する応答電文である。入金記録応答電文は、日付626a、時刻626b、入金機サーバID626c、電文種別626d、入金機ID626e、操作者ID626f、入金機取引通番626g、入金時刻626h及び入金額626iの各情報を有する。日付626a、時刻626b及び入金機サーバID626cは、入金機サーバ300の出金記録応答電文と同様である。電文種別626dは、電文が「入金記録」であることを示す。入金機ID626eは、抽出した入金記録に記録された入金処理を行った入金機の識別情報を示す。操作者ID626fは、この入金処理を行った操作者の識別情報である。入金機取引通番626gは、入金機320が実行した取引の識別情報である。入金時刻626hは、入金機320の入金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。入金額626iは、入金機320より出金した出金額を金種別に示す。入金額626iは、入金後に入金機320が保管する現金の在り高を金種別に示す。これらの情報は、現金管理部304が、入金機入出金記録3100を検索して抽出する。抽出方法は、出金記録応答電文の場合と同様である。
【0068】
図16は、POS店舗サーバが現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。開局後には、キャッシャが、入金機320から釣銭準備金を出金し、POS端末220に入金する処理を行う。
【0069】
図16の例では、最初にPOS店舗サーバ200及び入金機サーバ300の開局が指示される。指示に従って、POS店舗サーバ200は開局処理(601)、入金機サーバ300は開局処理(602)をそれぞれ実行する。次に、入金機320の開局が指示される。入金機320は、開局処理を行い(603)、入金機が取引を開始したことを通知する開局電文を入金機サーバ300に送信する(604)。続けて入金機320に対し、前日に入金機320に入金した売上金を出金する出金操作が行われ、釣銭用の貨幣が入金される。この際の入出金の状況は、入金機320から入金機サーバ300に通知され、入出金記録として残る。ここでは、POS端末220との間の現金受け渡しは発生しないので、詳細は省略する。
【0070】
こうして、入金機320に釣銭用の貨幣が入金された後、キャッシャは、自身の操作者IDをPOS端末220に入力し、開局指示を出す。POS端末220は、開局処理を実行し(605)、POS端末220が取引を開始したことを通知する開局電文をPOS店舗サーバ200に送信する(606)。POS店舗サーバ200は、受信した開局電文に含まれる金種別の現金在り高を現金情報として記憶する。
【0071】
次に、POS端末220を開局したキャッシャ(操作者)は、釣銭を受け取るため、入金機320の場所まで移動する(607)。キャッシャは、入金機320まで移動後、入金機320に自身の操作者IDを入力し、金額を指定して釣銭準備金の出金指示を行う。入金機320は、指示を受け、釣銭準備金を出金する処理を行う(608)。入金機320は、指定された現金を出金するとともに、釣銭準備金を出金したことを通知する出金電文を入金機サーバ300に送信する(609)。出金電文には、操作者IDとして、指示を行ったキャッシャの操作者IDが登録されている。入金機サーバ300は、出金電文を受信し、出金電文に基づく出金記録を入金機入出金記録3100に登録する(610)。更新された入金機入出金記録3100は、入金機情報DB310に記憶する。
【0072】
一方、入金機320から出金された釣銭準備金を持ったキャッシャ(操作者)は、POS端末220へ移動する(611)。そして、POS端末220に対し、釣銭準備金の入金指示を行う。POS端末220は、釣銭準備金入金処理を実行し(612)、入金した金額を計数するとともに、釣銭準備金入金電文を生成してPOS店舗サーバ200へ送信する(613)。釣銭準備金入金電文には、入金機320から釣銭準備金を出金したキャッシャの操作者IDが登録されている。POS店舗サーバ200は、釣銭準備金入金電文を受信し、釣銭準備金入金電文に基づく入金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(614)。更新されたPOS端末入出金記録2100は、POS情報DB210に記憶する。
【0073】
POS端末220への入金があったことを検知したPOS店舗サーバ200は、受信した釣銭準備金入金電文(またはそのPOS端末入出金記録)に基づき、対応する出金記録を照会する出金記録照会電文を生成し、入金機サーバ300に送信する(615)。出金記録照会電文を受信した入金機サーバ300は、入金機入出金記録を検索し、検出した出金記録に基づく出金記録応答電文を生成する(616)。検索では、出金記録照会電文で指定された操作者IDの操作者による出金記録を探す。ここでは、入金機320の釣銭準備金の出金電文に基づく、出金記録の操作者IDが一致し、抽出される。入金機サーバ300は、抽出した出金記録に基づいて出金記録応答電文617を生成し、POS店舗サーバ200に送信する(617)。POS店舗サーバ200は、出金記録応答電文を受信し、釣銭準備金入金電文の入金額と出金記録応答の出金額とを金種別に照合する(618)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(619)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0074】
図17は、POS店舗サーバが現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。キャッシャは、閉店時または自身の担当時間が終了したとき、精算処理を行う。精算時には、キャッシャが、POS端末220から売上金を出金し、入金機320に入金する処理を行う。売上金は、すべて出金せず、一部を翌日または次担当の釣銭用に残置する。
【0075】
キャッシャは、POS端末220に精算を指示し、POS端末220は精算処理を実行する(620)。POS端末220は、取引の件数や売上金額を集計し、結果をキャッシャに通知する。キャッシャは、入金機320に出金する出金額と、POS端末220に残す残置額を指示する。POS端末220は、指示に従って出金を行うとともに、精算電文をPOS店舗サーバに送信する(621)。POS店舗サーバ200は、精算電文を受信し、精算電文に基づく出金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(622)。そして、出金記録に対応する入金記録を入金機サーバ300に照会する(623)。このため、入金機サーバ300に対し、入金記録照会電文を送信し(624)、応答を待つ。応答待ち時間は予め設定しておき、応答待ち時間が経過しても応答が得られなかったときは、エラー発生と判定する。
【0076】
キャッシャ(操作者)は、POS端末220が精算処理で出金した売上金を持ち、入金機へ移動する(625)。そして、入金機320に自身の操作者IDを入力し、売上金を入金する。入金機320は、売上金入金処理を実行し(626)、入金額を金種別に計数する。そして、計数した入金額と、現金在り高を含む入金電文を生成し、入金機サーバ300へ送信する(627)。なお、出金元のPOSの識別情報がわかっているときは、入金電文の出金POS−ID616iに設定する。例えば、キャッシャが、自身の操作者IDとともに入力する。入金機サーバ300は、入金電文に基づく入金記録を入金機入出金記録3100に登録する(628)。また、入金機サーバ300は、要求されていた入金記録照会電文を検索し、入金記録照会応答を生成する(629)。そして、生成した入金記録応答電文をPOS店舗サーバ200に送信する(630)。POS店舗サーバ200は、入金記録応答電文を受信し、出金電文の出金額と入金記録応答の入金額とを金種別に照合する(631)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(632)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0077】
以上の処理手順が実行されることにより、POS店舗サーバ200で現金受け渡しが正しく行われたかどうかの現金一致確認を行うことができる。POS端末220及び入金機320は、現金一致確認処理を行わないので、通常の業務処理に影響を与えず、かつ、厳密なチェックを行うことができる。
【0078】
なお、POS端末220及び入金機320は、上記の入出金を通知する電文はもちろんのこと、商品代金受け取り時の際の電文にも現金在り高を金種別に通知する。これにより、POS店舗サーバ200は、POS端末の金種別の現金在り高を把握することができる。同様に、入金機サーバ300は、入金機の金種別の現金在り高を把握することができる。そして、入金機サーバ300からこの情報を取得すれば、POS店舗サーバ200は、店舗全体の金種別の現金在り高を把握することが可能となる。
【0079】
図18は、POS店舗サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
釣銭準備金の入金に伴う入金電文、または売上金の出金に伴う出金電文を、POS端末220から取得し、POS店舗サーバ200は、以下の処理手順を実行する。
【0080】
[ステップS01] POS店舗サーバ200は、POS端末220より受信した電文が入金電文であるかどうかを判定する。入金電文であるときは、処理をステップS02に進める。入金電文でないときは、処理をステップS07に進める。
【0081】
[ステップS02] POS端末220の入金電文であったときは、入金電文に基づく入金記録をPOS端末入金記録に記録する。さらに、入金機サーバ300に対し、出金記録照会を行う。そして、入金機サーバ300から、出金記録応答として、操作者IDが一致する出金記録を取得する。
【0082】
[ステップS03] 入金記録の入金額と、取得した出金記録応答の出金額とを金種別に照合する。
[ステップS04] ステップS03の照合の結果が一致するときは、処理をステップS05に進める。一致していないときは、処理をステップS06に進める。
【0083】
[ステップS05] 入金額と出金額とが一致するときは、それぞれの現金在り高を集計し、処理を終了する。
[ステップS06] 入金額と出金額とが一致しないとき、不一致の金種と、不一致の数とを含むエラー通知を管理者端末500に対して送信し、処理を終了する。
【0084】
[ステップS07] POS端末220の出金電文であったときは、入金機サーバ300に対し、入金記録照会を行う。
[ステップS08] 入金記録を受信したかどうかを判定する。受信しているときは、処理をステップS09に進める。受信していないときは、ステップS12に処理を進める。
【0085】
[ステップS09] 出金記録の出金額と、取得した入金記録応答の入金額とを金種別に照合する。
[ステップS10] ステップS09の照合の結果が一致するときは、処理をステップS11に進める。一致していないときは、処理をステップS06に進める。
【0086】
[ステップS11] 入金額と出金額とが一致するときは、それぞれの現金在り高を集計し、処理を終了する。
[ステップS12] POS店舗サーバ200が照会要求を行った入金記録を受信していないときは、待ち時間が経過したかどうかを判定する。待ち時間が経過していないときは、処理をステップS08に戻す。待ち時間が経過しているときは、処理をステップS06に進める。
【0087】
なお、上記のPOS端末は、入金額を通知した後、通常の勘定処理を開始するとしたが、現金管理装置の照合結果を待ち、一致したことが確認されてから通常の勘定処理を開始するとしてもよい。
【0088】
(2)入金機サーバが現金管理を行う場合
図19は、入金機サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。入金機サーバ300が現金管理を行う現金管理システムの構成要素は、図13に示したPOS店舗サーバ200が現金管理を行う現金システムの構成要素と同様である。そこで、図13に示した構成要素と同じものには同じ符号を用いて説明する。
【0089】
図19の現金管理システムでは、図13に示したPOS店舗サーバ200の現金一致処理部204と、入金機サーバ300の現金管理部304とが、それぞれ、POS店舗サーバ200aでは現金管理部208、入金機サーバ300aでは現金一致処理部308に置き換わっている。また、入金機サーバ300aは、電子メール送信部307を有する。
【0090】
POS店舗サーバ200aの現金管理部208は、POS端末220から精算時に売上金を出金したときの精算電文を取得し、精算時の出金記録としてPOS情報DB210に記憶する。また、POS端末220から釣銭準備金を入金したときの釣銭準備金入金電文を取得し、釣銭準備金の入金記録としてPOS情報DB210に記憶する。また、入金機サーバ300から照会要求があったときは、照会された入出金記録をPOS情報DB210から抽出し、入金機サーバ300へ送信する。
【0091】
入金機サーバ300aの現金一致処理部308は、POS端末220と入金機320との間の現金の受け渡しを管理し、入金額と出金額とが一致するかどうかをチェックする。例えば、入金機320から、売上金を入金したという入金電文を受信したときは、POS店舗サーバ200に対して売上金の出金記録を照会する。そして、入金電文に設定されている入金額と、POS店舗サーバ200から取得した売上金の出金記録に記録されている出金額とを金種別に照合する。一致しているときは、現金の正しい受け渡しが行われたと判定する。不一致のときは、エラー通知を生成し、電子メール送信部307を介して管理者端末500にエラー通知を送信する。エラー通知では、不一致だった金種とその数、操作者ID、POS−ID及び入金機ID等を通知する。チェックの結果は、照合記録そして現金管理DB311に記録しておく。また、入金機320から釣銭準備金の出金電文を受信したときは、POS店舗サーバ200に対し、釣銭準備金の入金記録を照会する。そして、入金機320の釣銭準備金の出金電文に設定されている出金金額と、POS店舗サーバ200から取得したPOS端末220側の釣銭準備金の入金額とを金種別に照合する。一致しているときは、正しい受け渡しが行われたと判定する。不一致のときは、エラー通知を生成し、電子メール送信部307を介して管理者の端末にエラー通知を送信する。チェックの結果を記録することは、釣銭準備金の場合と同様である。
【0092】
次に、POS店舗サーバ200と入金機サーバ300との間で交換する電文について説明する。
図20は、入金機サーバからPOS店舗サーバへの出金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、出金記録照会電文、(b)は、出金記録応答電文である。
【0093】
(a)出金記録照会電文(入金機サーバ→POS店舗サーバ)は、入金機サーバ300aの現金一致処理部308が、POS店舗サーバ200aに対し、POS店舗サーバ200aが保有する売上金の出金時の出金記録を要求する電文である。出金記録照会電文は、日付630a、時刻630b、入金機サーバID630c、電文種別630d及び操作者ID630eの各情報を有する。日付630a、時刻630bは、開局電文と同様である。入金機サーバID630cは、自装置の識別情報である。電文種別630dは、電文が「出金照会」であることを示す。操作者ID630eは、出金記録を照会する対象の操作者の識別情報である。
【0094】
(b)出金記録応答電文(POS店舗サーバ→入金機サーバ)は、(a)に示した出金記録照会電文に対し、POS店舗サーバ200aの現金管理部208が入金機サーバ300aへ送信する電文である。出金記録応答電文は、日付632a、時刻632b、POS店舗サーバID632c、電文種別632d、POS−ID632e、操作者ID632f、POS取引通番632g、出金時刻632h及び出金額632iの各情報を有する。日付632a、時刻632bは、開局電文と同様である。POS店舗サーバID632cは、自装置の識別情報である。電文種別632dは、電文が「出金記録」であることを示す。POS−ID632eは、抽出した出金記録に記録された出金処理を行ったPOS端末の識別情報を示す。操作者ID632fは、この出金処理を行った操作者の識別情報である。POS取引通番632gは、POS端末220の取引処理の識別情報である。出金時刻632hは、POS端末220の出金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。出金額632iは、POS端末220より出金した出金額を金種別に示す。現金在り高632iは、出金後にPOS端末220が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0095】
なお、これらの情報は、POS店舗サーバ200aの現金管理部208が、POS端末入出金記録2100を検索し、該当する操作者IDの出金記録で、かつ、入金記録と対応付けがされていないもの、あるいは、最新の出金記録を抽出して設定する。また、抽出した出金記録の日時を確認し、出金記録照会電文の日付630a及び時刻630bから一定時間以上離れているときは、対応するものではないと判断する。
【0096】
図21は、入金機サーバからPOS店舗サーバへの入金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、入金記録照会電文、(b)は、入金記録応答電文である。
(a)入金記録照会電文(入金機サーバ→POS店舗サーバ)は、入金機サーバ300aの現金一致処理部308が、POS店舗サーバ200に対し、保有する釣銭準備金の入金時の入金記録を要求する電文である。入金記録照会電文は、日付634a、時刻634b、入金機サーバID634c、電文種別634d及び操作者ID634eの各情報を有する。電文種別634dが、入金照会であることを除いて、図20に示した出金記録照会電文と同様である。
【0097】
(b)入金記録応答電文(POS店舗サーバ→入金機サーバ)は、(a)に示した入金記録照会電文に対し、POS店舗サーバ200aの現金管理部208が入金機サーバ300aへ送信する応答電文である。入金記録応答電文は、日付636a、時刻636b、POS店舗サーバID636c、電文種別636d、POS−ID636e、操作者ID636f、POS取引通番636g、入金時刻636h及び入金額636iの各情報を有する。電文種別634dが入金照会、出金時刻632hが入金時刻636h、出金額632iが入金額636iとなるが、それ以外は図20に示した出金記録応答電文と同様である。
【0098】
図22は、入金機サーバが現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。開局後には、キャッシャが、入金機320から釣銭準備金を出金し、POS端末220に入金する処理を行う。
【0099】
図16に示した場合と同様に、最初にPOS店舗サーバ200a及び入金機サーバ300aの開局が指示される。指示に従って、POS店舗サーバ200aは開局処理(640)、入金機サーバ300aは開局処理(641)をそれぞれ実行する。次に、入金機320の開局が指示され、入金機320は開局処理を行う(642)。このとき、入金機320は、入金機320が取引を開始したことを通知する開局電文を入金機サーバ300aに送信する(643)。続く入金機320から売上金を出金する処理については、図16に示した場合と同様であり、説明は省略する。
【0100】
入金機320に釣銭用の貨幣が入金された後、キャッシャは、自身の操作者IDをPOS端末220に入力し、開局指示を出す。POS端末220は、開局処理を実行し(644)、POS端末220が取引を開始したことを通知する開局電文をPOS店舗サーバ200aに送信する(645)。POS店舗サーバ200aは、受信した開局電文に含まれる金種別の現金在り高を現金情報として記憶する。
【0101】
次に、POS端末220を開局したキャッシャ(操作者)は、釣銭を受け取るため、入金機320の場所まで移動する(646)。キャッシャは、入金機320まで移動後、入金機320に自身の操作者IDを入力し、金額を指定して釣銭準備金の出金指示を行う。入金機320は、指示を受け、釣銭準備金を出金する(647)。そして、入金機320は、指定された現金を出金するとともに、釣銭準備金を出金したことを通知する出金電文を入金機サーバ300aに送信する(648)。入金機サーバ300aは、出金電文を受信し、出金電文に基づく出金記録を入金機入出金記録3100に登録する(649)。更新された入金機入出金記録3100は、入金機情報DB310に記憶する。続いて、入金機サーバ300aは、POS店舗サーバ200aに対し、この出金に対応する入金記録を照会する入金記録照会電文を送信する(650)。
【0102】
一方、入金機320から出金された釣銭準備金を持ったキャッシャ(操作者)は、POS端末220へ移動する(651)。そして、POS端末220に対し、釣銭準備金の入金指示を行う。POS端末220は、釣銭準備金入金処理を実行し(652)、入金した金額を計数するとともに、釣銭準備金入金電文を生成してPOS店舗サーバ200aへ送信する(653)。POS店舗サーバ200aは、釣銭準備金入金電文を受信し、釣銭準備金入金電文に基づく入金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(654)。そして、POS端末220より受信した釣銭準備金入金電文(またはそのPOS端末入出金記録)に基づき、入金機サーバ300aから取得した入金記録照会に対応する入金記録応答電文を生成する入金記録照会応答処理を行う(655)。そして、入金機サーバ300に対し、入金記録応答電文を送信する(656)。入金機サーバ300aは、入金記録応答電文を受信し、入金機320から取得した出金電文の釣銭準備金の出金額と、入金記録応答電文により取得したPOS端末220における釣銭準備金の入金額とを金種別に照合する(657)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(658)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0103】
図23は、入金機サーバが現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。キャッシャは、精算後、POS端末220から売上金を出金し、入金機320に入金する。売上金は、すべて出金せず、一部を翌日または次担当の釣銭用に残置する。
【0104】
キャッシャは、POS端末220に精算を指示し、POS端末220は精算処理を実行する(660)。キャッシャは、入金機320に出金する出金額と、POS端末220に残す残置額を指示し、POS端末220は、指示に従って売上金を出金し、精算電文をPOS店舗サーバ200aに送信する(661)。POS店舗サーバ200aは、精算電文を受信し、精算電文に基づく出金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(662)。キャッシャ(操作者)は、POS端末220が精算処理で出金した売上金を持ち、入金機320へ移動する(663)。そして、入金機320に自身の操作者IDを入力し、売上金を入金する。入金機320は、売上金入金処理を実行し(664)、入金額を金種別に計数する。そして、計数した入金額と、現金在り高を含む入金電文を生成し、入金機サーバ300aへ送信する(665)。入金機サーバ300aは、売上金の入金電文に基づく入金記録を入金機入出金記録3100に登録する(666)。続いて、この入金記録に対応する出金記録を照会する出金記録照会電文をPOS店舗サーバ200aに送信する(667)。POS店舗サーバ200aは、受信した出金記録照会電文の操作者ID630eに基づく出金記録応答処理を行う(668)。出金記録応答処理では、POS情報DB3100の出金記録を検索し、対応する出金記録を抽出して出金記録照会応答を生成し、入金機サーバ300aに送信する(669)。入金機サーバ300aは、出金記録応答電文を受信し、入金機320から通知された売上金の入金電文に記載されている入金額と、出金記録応答電文に記載されているPOS端末22の出金額と、を金種別に照合する(670)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(671)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0105】
以上の処理手順が実行されることにより、入金機サーバ300aで現金受け渡しが正しく行われたかどうかの現金一致確認を行うことができる。POS端末220及び入金機320は、現金一致確認処理を行わないので、通常の業務処理に影響を与えず、かつ、厳密なチェックを行うことができる。
【0106】
図24は、入金機サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
釣銭準備金の出金に伴う出金電文、または売上金の入金に伴う入金電文を、入金機320から取得し、入金機サーバ300aは以下の処理手順を実行する。
【0107】
[ステップS31] 入金機サーバ300aは、入金機320より受信した電文が入金電文であるかどうかを判定する。入金電文であるときは、処理をステップS32に進める。入金電文でないときは、処理をステップS37に進める。
【0108】
[ステップS32] 入金機320の入金電文であったときは、入金電文に基づく入金記録を入金機入出金記録3100に記録する。さらに、POS店舗サーバ200aに対し、この入金記録に対応する出金記録照会を行う電文を送信する。そして、POS店舗サーバ200aから、出金記録応答として、操作者IDが一致する出金記録を取得する。
【0109】
[ステップS33] 入金機320から取得した入金電文に基づく入金記録の入金額と、POS店舗サーバ200aから取得した出金記録応答の出金額とを金種別に照合する。
[ステップS34] ステップS33の照合の結果が一致するときは、処理をステップS35に進める。一致していないときは、処理をステップS36に進める。
【0110】
[ステップS35] 入金機320における入金額と、POS端末220における出金額とが一致するときは、それぞれの現金在り高を集計し、処理を終了する。
[ステップS36] 入金機320における入金額と、POS端末220における出金額とが一致しないとき、不一致の金種と、不一致の数とを含むエラー通知を管理者端末500に対して送信し、処理を終了する。
【0111】
[ステップS37] 入金機320より受信した電文が出金電文であったときは、POS店舗サーバ200aに対し、入金機320の出金記録に対応する入金記録を照会する入金記録照会電文を送信する。
【0112】
[ステップS38] POS店舗サーバ200aから、入金記録照会電文の応答の入金記録を受信したかどうかを判定する。受信しているときは、処理をステップS39に進める。受信していないときは、ステップS42に処理を進める。
【0113】
[ステップS39] 入金機320から取得した出金電文に基づく、入金機320の出金記録の出金額と、POS店舗サーバ200aから取得した入金記録応答に基づく、POS端末220の入金額と、を金種別に照合する。
【0114】
[ステップS40] ステップS39の照合の結果が一致するときは、処理をステップS41に進める。一致していないときは、処理をステップS36に進める。
[ステップS41] 入金機320における出金額と、POS端末220における入金額とが一致するときは、それぞれの現金在り高を集計し、処理を終了する。
【0115】
[ステップS42] 入金機サーバ300aが照会要求を行った入金記録を受信していないときは、待ち時間が経過したかどうかを判定する。待ち時間が経過していないときは、処理をステップS38に戻す。待ち時間が経過しているときは、処理をステップS36に進める。
【0116】
(3)POS店舗サーバと入金機サーバとが分担する場合
POS店舗サーバと入金機サーバとが現金管理を分担する現金管理システムの構成要素は、図13に示したPOS店舗サーバ200が現金管理を行う現金システムの構成要素と、図19に示した入金機サーバ300aが現金管理を行う現金システムの構成要素とを組み合わせたものである。そこで、図13及び図19に示した構成要素と同じものには同じ符号を用いて説明する。分担して現金管理を行うPOS店舗サーバ200bは、図13に示したPOS店舗サーバ200の構成要素に、図19に示したPOS店舗サーバ200aの現金管理部208を備える。同様に、分担して現金管理を行う入金機サーバ300bは、図13に示した入金機サーバ300の構成要素に、図19に示した入金機サーバ300aの現金一致処理部308及び電子メール送信部307を備える。ここでは、現金を入金した側が、出金額と入金額との一致確認を行うとする。
【0117】
図25は、POS店舗サーバと入金機サーバとが分担して現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。図25は、POS端末220、POS店舗サーバ200b、入金機320及び入金機サーバ300bの開局処理を省略し、POS端末220が開局した後からの処理の流れを示している。
【0118】
POS端末220は、POS開局電文をPOS店舗サーバ200bに送信し、開局したことを通知する(681)。POS端末220を開局したキャッシャ(操作者)は、釣銭を受け取るため、入金機320の場所まで移動する(682)。キャッシャは、入金機320まで移動後、入金機320に自身の操作者IDを入力し、金額を指定して釣銭準備金の出金を指示する。入金機320は、指示に基づいて釣銭準備金出金処理を実行する(683)。入金機320は、釣銭準備金を出金し、釣銭準備金を出金したことを通知する出金電文を入金機サーバ300bに送信する(684)。入金機サーバ300bは、出金電文を受信し、出金電文に基づく出金記録を入金機入出金記録3100に登録する(685)。
【0119】
入金機320が出金した釣銭準備金を持ったキャッシャ(操作者)は、POS端末220へ移動する(686)。そして、POS端末220に対し、釣銭準備金の入金指示を行う。POS端末220は、釣銭準備金入金処理を実行し(687)、入金した金額を計数するとともに、釣銭準備金入金電文を生成してPOS店舗サーバ200bへ送信する(688)。POS店舗サーバ200bは、釣銭準備金入金電文を受信し、釣銭準備金入金電文に基づく入金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(689)。POS店舗サーバ200bは、続いて、受信した釣銭準備金入金電文(またはそのPOS端末入出金記録)に基づき、対応する出金記録を照会する出金記録照会電文を生成し、入金機サーバ300bに送信する(690)。出金記録照会電文を受信した入金機サーバ300bは、出金記録照会応答処理を行う(691)。出金記録照会応答処理では、入金機入出金記録3100を検索し、出金記録照会電文に含まれる操作者ID620eに対応する出金記録を抽出する。そして、抽出した出金記録に基づく出金記録応答電文を生成し、POS店舗サーバ200bに送信する(692)。POS店舗サーバ200bは、出金記録応答電文を受信し、POS端末220から取得した釣銭準備金入金電文に基づく、POS端末220における入金額と、出金記録応答電文に基づく入金機320側の出金額と、を金種別に照合する(693)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(694)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0120】
このように、入金機320から出金した釣銭準備金をPOS端末220に入金する場合には、入金側のPOS端末220を管理するPOS店舗サーバ200bが受け渡した現金が一致するかどうかを確認する。
【0121】
図26は、POS店舗サーバと入金機サーバとが分担して現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。
キャッシャは、精算後、POS端末220から売上金を出金し、入金機320に入金する。キャッシャは、POS端末220に精算を指示し、POS端末220は精算処理を実行する(700)。キャッシャは、入金機320に出金する出金額と、POS端末220に残す残置額を指示し、POS端末220は、指示に従って売上金を出金し、精算電文をPOS店舗サーバ200bに送信する(701)。POS店舗サーバ200bは、精算電文を受信し、精算電文に基づく出金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(702)。キャッシャ(操作者)は、POS端末220が精算処理で出金した売上金を持ち、入金機320へ移動する(703)。そして、入金機320に自身の操作者IDを入力し、売上金を入金する。入金機320は、売上金入金処理を実行し(704)、入金額を金種別に計数する。そして、計数した入金額と、現金在り高を含む入金電文を生成し、入金機サーバ300bへ送信する(705)。入金機サーバ300bは、売上金の入金電文に基づく入金記録を入金機入出金記録3100に登録する(706)。続いて、入金機サーバ300bは、この入金記録に対応する出金記録を照会する出金記録照会電文を生成し、POS店舗サーバ200bに送信する(707)。POS店舗サーバ200bは、受信した出金記録照会電文の操作者ID630eに基づく出金記録応答処理を行う(708)。出金記録応答処理では、POS情報DB3100の出金記録を検索し、対応する出金記録を抽出して出金記録照会応答を生成し、入金機サーバ300bに送信する(709)。入金機サーバ300bは、出金記録応答電文を受信し、入金機320から通知された売上金の入金電文に記載されている入金額と、出金記録応答電文に記載されているPOS端末220の出金額と、を金種別に照合する(710)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(711)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0122】
このように、POS端末220から出金した売上金を入金機320に入金する場合には、入金側の入金機320を管理する入金機サーバ300bが受け渡した現金が一致するかどうかを確認する。
【0123】
以上の処理手順が実行されることにより、POS店舗サーバ200bと入金機サーバ300bとが、現金受け渡しが正しく行われたかどうかの現金一致確認を分担して行うことができる。POS端末220及び入金機320は、現金一致確認処理を行わないので、通常の業務処理に影響を与えず、かつ、厳密なチェックを行うことができる。また、一致確認処理は、POS店舗サーバ200bと、入金機サーバ300bとに分散されるため、処理に要する負荷も分散することができる。
【0124】
(4)現金管理サーバが現金管理を行う場合
現金管理サーバが現金管理を行う現金管理システムは、図13に示したPOS店舗サーバの現金一致処理部204の機能と、図19に示した入金機サーバ300aの現金一致処理部308の機能とを、現金管理サーバが有する構成である。そこで、図13及び図19に示した構成要素と同じものには同じ符号を用いて説明する。
【0125】
図27は、現金管理サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。
現金管理サーバ100は、装置全体を制御する制御部111と、現金記録参照部112、店舗内入出金管理部113、現金一致処理部114、開局処理部115、閉店処理部116、電子メール送信部117及び通信制御部118の処理手段と、現金管理DB110と、を有する。各処理手段は、コンピュータが現金管理プログラムを実行することにより、その処理機能を実現する。
【0126】
現金記録参照部112は、POS店舗サーバ200aがPOS情報DB210に記憶するPOS#1(220a),POS#2(220b),・・・の現金在り高情報を取得し、現金管理DB110に格納する。同様に、入金機サーバ300が入金機情報DB310に記憶する入金機#1(320a),入金機#2(320b),・・・の現金在り高情報を取得し、現金管理DB110に格納する。店舗内入出金管理部113は、所定の周期で、POS店舗サーバ200aがPOS情報DB210に記憶する所定の期間のPOS端末入出金記録2100と、入金機サーバ300が入金機情報DB310に記憶する入金機入出金記録3100を取得し、店舗内の入出金管理記録として現金管理DB110に格納する。例えば、5分周期で入出金記録を収集し、前回の収集時点から新たに登録された記録を取得する。
【0127】
現金一致処理部114は、店舗内入出金管理部113が取得した店舗内の入出金記録に基づき、POS端末220と入金機320との間で行われた現金受け渡しのチェック処理を行う。例えば、POS店舗サーバ200aから図11に示したPOS端末入出金記録2100、入金機サーバ300から図12に示した入金機入出金記録3100を取得した場合を例に説明する。POS端末入出金記録2100の1行目には、操作者(操作者ID=102)によって、釣銭準備金入金(入出金種別=01)が行われ、金種別に5千円札が10、2千円札が10、千円札が20、五百円硬貨が30、百円硬貨が50、50円硬貨が50、10円硬貨が60、5円硬貨が60、1円硬貨が70、入金されたことを示している。操作者ID(=102)に基づき、入金機入出金記録3100を検索すると、1行目の出金記録(釣銭出金=02)の操作者IDが一致する。このとき、必要に応じて、入出金種別が対応しているかどうか、入出金時刻が所定の時間以上離れていないかなどのチェックを行うとしてもよい。ここでは、POS端末入出金記録2100の1行目の入金記録と、入金機入出金記録3100の1行目の出金記録とが対応すると判定する。そして、対応付けた入金記録の入出金額と、出金記録の入出金額とを金種別に照合する。この例では、金種別の数が一致するので、現金受け渡しは正常に行われたと判定する。一致しない場合は、不一致が発生したことを通知するメールを作成し、電子メール送信部117を経由して管理者端末500に送信する。
【0128】
開局処理部115は、現金管理サーバ100の開局処理を行う。閉店処理部116は、現金管理サーバ100の閉店時の処理を行う。例えば、当日の店舗内入出金記録や、現金一致チェックの結果記録を表示装置または印刷装置を介して出力する。電子メール送信部117は、管理者端末500に電子メールを送信する。通信制御部118は、POS店舗サーバ200a及び入金機サーバ300と接続し、POS店舗サーバ200a及び入金機サーバ300との間の電文の送受信を制御する。
【0129】
電文について説明する。
図28は、現金管理サーバからPOS店舗サーバへの入出金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、入出金記録照会電文、(b)は入出金記録応答電文である。
【0130】
(a)入出金記録照会電文(現金管理サーバ→POS店舗サーバ)は、現金管理サーバ100がPOS店舗サーバ200aのPOS情報DB210に記憶するPOS端末入出金記録2100の照会を要求する電文である。入出金記録照会電文は、日付640a、時刻640b、現金管理サーバID640c及び電文種別640dの各情報を有する。日付640a及び時刻640bは、開局電文と同様である。現金管理サーバID640cは、自装置の識別情報である。電文種別640dは、この電文が入出金記録(ログ)の照会であることを示す。
【0131】
(b)入出金記録応答電文(POS店舗サーバ→現金管理サーバ)は、(a)の入出金記録照会電文を受信したPOS店舗サーバ200aの応答電文である。入出金記録応答電文は、日付642a、時刻642b、POS店舗サーバID642c、電文種別642d、に加え、POS端末入出金記録2100から抽出した入出金種別642e、POS−ID642f、操作者ID642g、POS取引通番642h、入出金時刻642i及び入出金額642jから成る情報群が、所定の期間分添付されている。
【0132】
図29は、現金管理サーバから入金機サーバへの入出金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、入出金記録照会電文、(b)は入出金記録応答電文である。
(a)入出金記録照会電文(現金管理サーバ→入金機サーバ)は、現金管理サーバ100が入金機サーバ300の入金機情報DB310に記憶する入金機入出金記録3100の照会を要求する電文である。入出金記録照会電文は、日付644a、時刻644b、現金管理サーバID644c及び電文種別644dの各情報を有する。各情報は、図28に示したPOS店舗サーバ200aに送信する入出金記録照会電文と同様である。
【0133】
(b)入出金記録応答電文(入金機サーバ→現金管理サーバ)は、(a)の入出金記録照会電文を受信した入金機サーバ300の応答電文である。入出金記録応答電文は、日付646a、時刻646b、入金機サーバID646c、電文種別646d、に加え、入金機入出金記録3100から抽出した入出金種別646e、入金機ID646f、操作者ID646g、入金機取引通番646h、入出金時刻646i及び入出金額646jから成る情報群が、所定の期間分添付されている。
【0134】
図30は、現金サーバが現金管理を行う場合の現金管理処理の流れを示した図である。 POS店舗サーバ200aには、管理下のPOS端末220の最新のPOS端末入出金記録2100が保持され、入金機サーバ300には、管理下の入金機320の最新の入金機入出金記録3100が保持されているとする。
【0135】
現金管理サーバ100は、一定周期で入出金記録収集を行う(720)。現金管理サーバ100は、POS店舗サーバ200aに対し、POS店舗サーバ200aがPOS情報DB210に記憶するPOS端末入出金記録の照会電文をPOS店舗サーバ200aに送信する(721)。POS店舗サーバ200aは、照会電文に基づき、POS端末入出金記録2100から応答電文を作成する(722)。そして、作成した入出金記録応答電文を現金管理サーバ100に送信する(723)。POS店舗サーバ200aから入出金記録応答電文を受信した現金管理サーバ100は、続いて、入金機サーバ300に対し、入金機サーバ300が入金機情報DB310に記憶する入金機入出金記録の照会電文を入金機サーバ300に送信する(724)。入金機サーバ300は、照会電文に基づき、入金機入出金記録3100から応答電文を作成する(725)。そして、作成した入出金記録応答電文を現金管理サーバ100に送信する(726)。
【0136】
現金管理サーバ100は、POS店舗サーバ200aから取得したPOS端末220の入出金記録と、入金機サーバ300から取得した入金機320の入出金記録とに基づいて、POS端末220と入金機320との間で受け渡しされる現金の入出金額を、金種別に照合する(727)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(728)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数、操作者ID、POS−ID、入金機ID等も通知する。
【0137】
以上の処理手順が実行されることにより、現金管理サーバ100で現金受け渡しが正しく行われたかどうかの現金一致確認を行うことができる。POS端末220及び入金機320は、現金一致確認処理を行わないので、通常の業務処理に影響を与えず、かつ、厳密なチェックを行うことができる。
【0138】
図31は、現金管理サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
現金管理サーバ100は、開局後、以下の現金管理処理の手順を繰り返し実行する。
[ステップS51] 入出金記録の収集周期であるかどうかを判定する。収集周期でなければ、収集周期に到達するまで待つ。収集周期であれば、処理をステップS52に進める。
【0139】
[ステップS52] 収集周期であれば、現金管理サーバ100は、POS店舗サーバ200aに対し、POS店舗サーバ200aがPOS情報DB210に記憶するPOS端末入出金記録2100の照会電文を送信する。そして、POS店舗サーバ200aからのPOS端末入出金記録2100を取得する。
【0140】
[ステップS53] 現金管理サーバ100は、入金機サーバ300に対し、入金機サーバ300が入金機情報DB310に記憶する入金機入出金記録3100の照会電文を送信する。そして、入金機サーバ300からの入金機入出金記録3100を取得する。
【0141】
[ステップS54] ステップS51で取得したPOS端末220の入金記録とステップS52で取得した入金機320の出金記録、及びステップS51で取得した入金機320の入金記録と、ステップS52で取得したPOS端末220の出金記録とを、それぞれに含まれる操作者IDを用いて対応付ける。
【0142】
[ステップS55] 対応付けた入金記録の入金額と、出金記録の出金額と、を照合する。
[ステップS56] ステップS55における照合の結果、対応付けた入金記録の入金額と、出金記録の出金額とが一致していたときは、処理をステップS58に進める。一致していなかったときは、処理をステップS57に進める。
【0143】
[ステップS57] 対応付けた入金記録の入金額と、出金記録の出金額とが一致していなかったときは、不一致エラーを通知するメッセージを生成し、管理者端末500に送信する。
【0144】
[ステップS58] ステップS52及びステップS53で収集した入出金記録の照合がすべて終わったかどうかを判定する。すべて終了していないときは、ステップS55に戻って、次の記録の入金額と出金額を照合する。
【0145】
以上の処理手順が実行されることにより、POS端末と入金機との間の現金受け渡しが正しく行われたかどうかを確認することができる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、現金管理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0146】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0147】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0148】
10 現金管理装置
11 入出金情報取得手段
12 管理情報記憶手段
13 照合手段
14 エラー通知手段
15 現金在り高管理手段
20a,20b 現金処理装置(勘定場)
21 現金管理手段
22 出金情報通知手段
23 入金情報通知手段
30a,30b 現金処理装置(事務所)
31 現金管理手段
32 出金情報通知手段
33 入金情報通知手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内に配置される現金処理装置と、現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理装置を有する現金管理システム、現金管理プログラム及び現金管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スーパーマーケットや百貨店などの流通小売店舗における商品代金精算は、現金決済が主流である。このような流通小売店舗では、買い物客の支払う商品代金とお釣りの授受を行う、いわゆるレジスタや、POS(Point Of Sales)端末(以下、POS端末等とする)が勘定場に設置されている。また、このPOS端末とは別に売上金等を保管する入金機が用意されている店舗もある。以下、POS端末等や入金機を含む現金を保有する装置を総称して現金処理装置とする。このような流通小売店舗では、開店前に釣銭準備金として入金機から出金した現金がPOS端末等に収納される。また、勘定場に集まった売上金は、キャッシャの担当時間終了時や閉店時等に、POS端末等から出金し、入金機に入金する。この入金機とPOS端末等との間の現金受け渡しは、人手によって行われるため、不正やミスをなくすことが容易ではなかった。
【0003】
そこで、現金の受け渡しの際、管理装置が出金側の現金処理装置から出金する出金額を取得して入金側の現金処理装置に通知し、入金側にて入金額と通知された出金額とを照合するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、自動取引装置に対して装填または回収する予定の現金の金種、枚数をオペレーション端末より入力しておき、実際に自動取引装置で装填または回収された現金情報と一致するかチェックするシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−275805号公報
【特許文献2】特開2004−220277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の現金管理システムでは店舗全体で現金管理を行うことが難しいという問題点がある。
従来の店舗内の現金管理は、人手による現金移動時、予め現金を受け取る入金側の現金処理装置を指定しておく必要があった。管理装置は、指定された入金側の現金処理装置に対して出金側の現金処理装置からの出金額を通知し、通知を受けた入金側の現金処理装置が通知された出金額と入金額とを照合していた。一致しているか否かの確認は入金側の現金処理装置が行うため、負担が重く、かつ確認処理が終了するまで動作できないという問題点がある。例えば、POS端末であれば、確認が終了するまで使用できず、運用上の問題が生じる。特に、エラーが発生した場合には、エラー原因の探索のため、最悪の場合にはその間POS端末等が使用できなくなるという恐れもある。また、流通小売店舗の多くは、勘定場に複数台のPOS端末等が配置されているが、入金は予め指定した装置でなければならず、柔軟な対応が難しかった。
【0006】
また、個々の現金処理装置は、自装置が保有する現金の在り高を管理することができる。しかし、現金処理装置は複数台が店舗内に分散配置されており、店舗全体の現金の合計在り高を把握し、管理することは難しかった。
【0007】
このような点に鑑み、店舗内の複数の現金処理装置に分散する現金を店舗全体で管理することが可能な現金管理システム、現金管理プログラム及び現金管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、店舗内に配置される現金処理装置と、現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理装置を有する現金管理システムが提供される。
現金処理装置は、出金情報通知手段及び入金情報通知手段を有する。出金情報通知手段は、出金指示を受けて出金処理を行うときに、出金指示を行った出金操作者の識別情報と、出金した出金額とを対応付けた出金情報を生成する。そして、この出金情報を現金管理装置に通知する。入金情報通知手段は、入金指示を受けて入金処理を行うときに、入金指示を行った入金操作者の識別情報と、入金した入金額とを対応付けた入金情報を生成する。そして、この入金情報を現金管理装置に通知する。現金管理装置は、入出金情報取得手段、照合手段及びエラー通知手段を有する。入出金情報取得手段は、出金側の現金処理装置から出金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶する。また、入金側の現金処理装置から入金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶する。照合手段は、入金情報から入金操作者の識別情報を抽出する。抽出した入金操作者の識別情報に基づいて管理情報記憶手段に記憶される出金情報を検索し、出金操作者の識別情報が入金操作者の識別情報と一致する出金情報を抽出して入金情報と対応付ける。そして、対応付けた出金情報の出金額と、入金情報の入金額とを照合して、一致した場合は正常な現金受け渡しが行われたと判定する。エラー通知手段は、照合手段による照合で出金額と入金額とが一致しなかった場合は、予め決められた管理者端末にエラーを通知する。
【0009】
また、上記課題を解決するために、コンピュータを上記の現金管理装置として機能させる現金管理プログラムと、コンピュータが上記と同様の現金管理処理手順を実行する現金管理方法と、が提供される。
【発明の効果】
【0010】
開示の現金管理システム、現金管理プログラム及び現金管理方法によれば、現金管理装置は、店舗内に複数台配置される任意の現金処理装置から受け取った出金情報及び入金情報を操作者識別情報によって対応付け、現金処理装置間で移動した現金の出金額と入金額を照合する。これによって、店舗内の現金処理装置間における現金の移動を厳密に管理することが可能となる。また、店舗内の現金処理装置の出金情報及び入金情報を一元管理することにより、店舗に配置される複数台の現金処理装置に分散している現金を店舗全体で管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態の現金管理システムの構成例を示したブロック図である。
【図2】流通小売店舗の現金管理システムの構成例を示した図である。
【図3】現金管理サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】POS端末のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図5】開局時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。
【図6】一般売上時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。
【図7】精算時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。
【図8】入金機のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図9】開局時に入金機から入金機サーバへ送られる電文の一例である。
【図10】入出金時に入金機から入金機サーバへ送られる電文の一例である。
【図11】POS端末の入出金記録の一例を示した図である。
【図12】入金機の入出金記録の一例を示した図である。
【図13】POS店舗サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。
【図14】POS店舗サーバから入金機サーバへの出金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図15】POS店舗サーバから入金機サーバへの入金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図16】POS店舗サーバが現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。
【図17】POS店舗サーバが現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。
【図18】POS店舗サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
【図19】入金機サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。
【図20】入金機サーバからPOS店舗サーバへの出金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図21】入金機サーバからPOS店舗サーバへの入金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図22】入金機サーバが現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。
【図23】入金機サーバが現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。
【図24】入金機サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
【図25】POS店舗サーバと入金機サーバとが分担して現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。
【図26】POS店舗サーバと入金機サーバとが分担して現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。
【図27】現金管理サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。
【図28】現金管理サーバからPOS店舗サーバへの入出金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図29】現金管理サーバから入金機サーバへの入出金記録照会電文とその応答電文の一例である。
【図30】現金サーバが現金管理を行う場合の現金管理処理の流れを示した図である。
【図31】現金管理サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態の現金管理システムの構成例を示したブロック図である。
第1の実施の形態の現金管理システムは、店舗内の勘定場に配置される現金処理装置20a,20b,・・・と、事務所に配置される現金処理装置30a,30b,・・・と、店舗内の現金を管理する現金管理装置10とを有する。
【0013】
現金処理装置20a,20b,30a,30bについて先に説明する。現金処理装置20a,20b,30a,30bは、店舗内に分散配置され、それぞれが保有する現金を管理する。現金処理装置20a,20b,30a,30b間で現金の受け渡しを行う際には、現金受け渡しを行う操作者が操作者識別情報(以下、操作者IDとする)を入力し、出金指示または入金指示を行う。
【0014】
現金処理装置20a,20b,・・・は、勘定場に配置され、勘定場において商品代金の精算に用いる現金を管理する取引機である。例えば、レジスタやPOS端末等である。現金処理装置20aは、現金管理手段21、出金情報通知手段22及び入金情報通知手段23を有する。現金処理装置20b,・・・の構成も同様である。現金管理手段21は、現金処理装置20a内に保管する現金の在り高を、紙幣や硬貨の種類ごと、すなわち金種別に集計して管理する。現金処理装置20a,20b,・・・内に保管する現金は、商品代金の精算時以外にも、開店時の開局時点で釣銭準備金を入金するとき、閉店時の精算で売上金を回収するとき等に変動する。現金管理手段21は、このような現金在り高の変動時、入出金した金額と、変動後の現金在り高を管理する。出金情報通知手段22は、操作者の出金指示によって出金処理が行われたとき、操作者IDと、現金管理手段21から取得した出金額を含む出金情報を生成し、自装置IDを添付して現金管理装置10に通知する。出金情報には、出金後の現金の在り高を含めてもよい。入金情報通知手段23は、操作者の入金指示によって入金処理が行われたとき、操作者IDと、現金管理手段21から取得した入金額を含む入金情報を生成し、自装置IDを添付して現金管理装置10に通知する。入金情報には、入金後の現金の在り高を含めてもよい。
【0015】
現金処理装置30a,30bは、事務所に配置され、売上現金や釣銭準備金を管理する。例えば、入金機等である。現金処理装置30aは、現金管理手段31、出金情報通知手段32及び入金情報通知手段33を有する。現金処理装置30bの構成も同様である。現金管理手段31は、現金処理装置30a内に保管する現金の在り高を金種別に計数して管理する。出金情報通知手段32は、出金を指示した操作者IDと、現金管理手段31から取得した出金額を含む出金情報を生成し、自装置IDを添付して現金管理装置10に通知する。入金情報通知手段33は、入金を指示した操作者IDと、現金管理手段31から取得した入金額を含む入金情報を生成し、自装置IDを添付して現金管理装置10に通知する。
【0016】
現金管理装置10は、入出金情報取得手段11、管理情報記憶手段12、照合手段13、エラー通知手段14及び現金在り高管理手段15を有する。各処理手段は、コンピュータが現金管理プログラムを実行することによってその処理機能を実現する。また、その処理機能は、独立した現金管理装置10として実現する他、勘定場のPOS端末を管理するPOS店舗サーバや事務所の入金機を管理する入金機サーバ等が実現するとしてもよい。
【0017】
入出金情報取得手段11は、現金処理装置20a,20b,30a,30cから受け取った出金情報及び入金情報を出金記録及び入金記録として管理情報記憶手段12に記憶する。管理情報記憶手段12は、現金管理に関する各種情報を記憶する記憶手段である。入出金情報取得手段11が取得した出金記録や入金記録、エラー通知手段14が生成したエラー情報、現金在り高管理手段15が生成した現金処理装置20a,20b,30a,30bの現金在り高や、店舗全体の現金在り高等の情報を記憶する。
【0018】
照合手段13は、管理情報記憶手段12に記憶した入金記録と出金記録とを操作者IDに基づいて対応付け、入金情報の入金額と出金情報の出金額とを照合する。通常、現金の受け渡し処理は、一人の人間が行う。すなわち、一方の現金処理装置から出金を行った操作者が、他方の現金処理装置に集金した現金を入金する。そこで、入金情報の操作者IDと、出金情報の操作者IDとが一致したとき、一連の現金受け渡しが行われたと見なす。なお、より厳密にチェックするため、入金時刻と出金時刻や、入出金の種別(例えば、釣銭準備金等)の一致などを照合するとしてもよい。入金情報と出金情報の対応付けについて説明する。まず、入金情報から入金指示を行った操作者IDを抽出する。抽出した操作者IDに基づいて、この操作者IDと一致する出金情報を抽出し、入金情報と対応付ける。対応付けた入金情報の入金額と、出金情報の出金額とを照合し、一致しているかどうかを判定する。入金額と出金額とが金種別で設定されていたときは、金種ごとの金額が一致するかどうか判定する。一致するときは、正常な現金受け渡しが行われたと判定する。一致しないときは、エラー通知手段14に不一致が発生したことを通知する。
【0019】
エラー通知手段14は、照合手段13による照合で出金額と入金額とが一致しなかった場合、予め決められた管理者端末にエラーを通知する。管理情報記憶手段12等の記憶手段には、予め、出金額と入金額とが不一致となったときに、通知を行う管理者端末の電子メールアドレス等、通知の宛先が記憶されている。エラー通知手段14は、エラーが発生したときの操作者ID、出金額と入金額または出金額と入金額との差額、現金処理装置ID等を記述したエラー通知情報を生成する。そして、管理情報記憶手段12に格納されている通知の宛先を読み出し、エラー通知情報を送信する。なお、このとき、出金額、入金額及びその差額を金種別に示してもよい。また、エラー履歴を生成して管理情報記憶手段12に記憶する。
【0020】
現金在り高管理手段15は、現金処理装置20a,20b,30a,30bから取得した各現金処理装置の現金在り高を集計し、現時点の店舗内の現金在り高を集計する。現金処理装置20a,20b,30a,30bは、入出金操作や商品の代金受け取り等によって自装置の現金在り高が変動したとき、現金在り高に操作を行った操作者IDを添付して現金管理装置10に通知する。通知は変動ごとに、あるいは一定期間ごとにまとめて行う。現金在り高は、金種別であってもよい。現金在り高管理手段15は、現金処理装置20a,20b,30a,30bから取得した現金処理装置ごとの現金在り高を集計し、管理情報記憶手段12に記憶する。集計は、操作者ごとに行うとしてもよい。
【0021】
このような構成の現金管理システムの動作について説明する。
現金処理装置20a,20b,30a,30cは、それぞれ保管する現金の在り高を金種別に管理している。店舗を開店する際の開局時や、閉店時の精算時等には、人手を介して現金装置間で現金が受け渡しされる。
【0022】
ここで、現金処理装置30aから出金し、現金処理装置20aに入金する場合で説明する。現金を移動させる操作者は、自身の操作者IDを現金処理装置30aに入力し、現金を出金する。この出金額は現金管理手段31が計数する。計数は金種別でもよい。現金処理装置30aの出金情報通知手段32は、出金額及び操作者IDから出金情報を生成し、現金処理装置30aの装置IDを添付して現金管理装置10に送信する。現金管理装置10は、入出金情報取得手段11が出金情報を取得し、出金記録として管理情報記憶手段12に格納する。
【0023】
操作者は、現金処理装置30aから出金した現金を持って勘定場へ移動し、操作者IDを現金処理装置20aに入力して現金を入金する。現金管理手段21は、入金額を計数する。入金情報通知手段23は、入金額及び操作者IDから入金情報を生成し、現金処理装置20aの装置IDを添付して現金管理装置10に送信する。現金管理装置10は、入出金情報取得手段11が入金情報を取得し、入金記録として管理情報記憶手段12に格納する。照合手段13は、入金記録の操作者IDに基づいて、管理情報記憶手段12に記憶される出金記録を検索し、操作者IDが一致する出金記録を抽出する。入金記録と出金記録とを対応付け、入金記録の入金額と、出金記録の出金額とを照合する。一致するときは、正常な現金受け渡しが行われたと判定する。一致しないときは、エラー通知手段14に不一致が発生したことを通知する。なお、入金額と出金額とが金種別で設定されていたときは、金種ごとの金額が一致するかどうか判定する。エラー通知手段14は、不一致の金額、このときの操作者ID、及び必要に応じてエラーを検出した装置の装置ID等を含むエラー通知情報を生成し、予め登録された宛先に送信する。現金在り高管理手段15は、入金情報及び出金情報とともに取得した各現金処理装置の現金在り高に基づいて、現金処理装置ごとの現金在り高及び店舗全体の現金在り高を管理する。金種別の現金在り高を取得したときは、金種別に現金在り高を集計する。
【0024】
このような現金管理システムによれば、現金処理装置20a,20b,30a,30b間で現金の移動が行われるとき、その出金情報と入金情報とが現金管理装置10に送信される。現金管理装置10は、操作者IDに基づいて出金側の現金処理装置の出金情報と、入金側の現金処理装置の入金情報とを対応付ける。そして、対応付けた出金情報の出金額と入金情報の入金額とを照合し、正しく現金受け渡しが行われたかどうかを判定する。このように、現金管理装置10によって、現金処理装置20a,20b,30a,30b間における現金の移動を厳密に管理することが可能となる。また、現金処理装置20a、20b、30a、30bでは入出金額の照合を行う必要がないため、照合処理に要する負担を軽減し、かつスムーズに店舗運営を行うことが可能となる。不一致が発生した場合は、エラー通知が管理者端末に送信されるため、管理者は問題の発生時に、すみやかに状況を把握し、対応することが可能となる。さらに、店舗内の現金処理装置20a,20b,30a,30bの出金情報及び入金情報は、現金管理装置10が一元管理するので、店舗に配置される複数台の現金処理装置20a,20b,30a,30bに分散している現金を店舗全体で管理することが可能となる。
【0025】
次に、現金管理システムを、POSシステムと入金機システムとを備えた流通小売店舗の現金管理に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
図2は、流通小売店舗の現金管理システムの構成例を示した図である。図2の流通小売店舗の現金管理システムは、店舗に配置されたPOS端末、POS#1(220a)、POS#2(220b)、・・・、POS#n(220c)と、POS端末を管理するPOS店舗サーバ200を有するPOSシステムと、事務所に配置された入金機#1(320a)、入金機#2(320b)、・・・、入金機#n(320c)と入金機を管理する入金機サーバ300とを有する入金機システムとを有し、POS店舗サーバ200と入金機サーバ300とがネットワーク400を介して接続する。また、店舗内を自由に移動する管理者が所持する携帯型の管理者端末500は、POS店舗サーバ200、入金機サーバ300、または別途用意される現金管理サーバと無線ネットワークを介して接続する。
【0026】
POSシステムは、POS端末とPOS店舗サーバ200とがネットワークで接続されている。POS端末は、商品代金の精算時の取引情報、POS端末へ釣銭準備金等を入金したときの入金情報、POS端末から入金機へ売上金等を出金したときの出金情報を、POS端末の現金在り高とともにPOS店舗サーバ200に送信する。POS店舗サーバ200は、POS情報データベース(以下、DBとする)を接続し、POS端末から取得した取引情報、入金情報及び出金情報に基づく、取引記録、入金記録及び出金記録をPOS情報としてPOS情報DB210に記憶して管理する。
【0027】
POS端末、POS#1(220a)、POS#2(220b)、・・・、POS#n(220c)には、それぞれ釣銭機230a,230b,230cが接続されている。釣銭機230a,230b,230cは、商品の代金を客から受け取ったキャッシャが入金した現金を計数し、必要な釣銭及び釣札を自動的に出金する。入金した貨幣は、釣銭として用いられる。釣銭機230a,230b,230cに入金した入金額、釣銭として出金した出金額及び現金在り高は、金種別に集計し、接続するPOS#1(220a)、POS#2(220b)、・・・、POS#n(220c)に通知する。特定のPOS端末を指示する必要がないときは、POS端末220と表記する。
【0028】
入金機システムは、入金機と入金機サーバ300とがネットワークを介して接続されている。入金機は、POS端末で利用する釣銭準備金等を出金したときの出金情報と、POS端末から出金された売上金が入金されたときの入金情報と、を生成し、入金機の現金在り高とともに入金機サーバ300に送信する。入金機サーバ300は、入金機情報DB310を接続し、入金機320a,320b,320cから取得した入金情報及び出金情報に基づき、入金記録及び出金記録を入金機情報として入金機情報DB310に記憶して管理する。特定の入金機を指示する必要がないときは、入金機320と表記する。
【0029】
以上のように、POS情報DB210は、POS端末の入金記録及び出金記録を記憶しており、入金機情報DB310は、入金機情報DB310に入金機の入金記録及び出金記録を記憶している。入金機とPOS端末との間の現金受け渡しが正しく行われたかどうかを確認する現金管理処理は、(1)POS店舗サーバ、(2)入金機サーバ、(3)POS店舗サーバと入金機サーバが分担、(4)別途設ける現金管理サーバ、のいずれかで実現することができる。(1)のPOS店舗サーバ200が現金管理を行う場合には、入金機サーバ300が保有する入金機の入金記録及び出金記録を取得し、自装置が収集したPOS端末の入金記録及び出金記録と照合する。(2)の入金機サーバ300が現金管理を行う場合には、POS店舗サーバ200が保有するPOS端末の入金記録及び出金記録を取得し、自装置が収集した入金機の入金記録及び出金記録と照合する。(3)のPOS店舗サーバ200と入金機サーバ300とが分担する場合には、それぞれが相手の出金記録を取得し、自装置が収集した管理下のPOS端末または入金機の入金記録と照合する。(4)の現金管理サーバが現金管理を行う場合には、入金機サーバ300が保有する入金機の入金記録及び出金記録と、POS店舗サーバ200が保有するPOS端末の入金記録及び出金記録とを取得し、照合を行う。以下、すべてのケースで共通する事項について説明し、続いてそれぞれのケースについて詳細に説明する。
【0030】
まず、サーバのハードウェア構成を現金管理サーバの例で説明する。図3は、現金管理サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
現金管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、及び通信インタフェース106が接続されている。
【0031】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションのプログラムが格納される。グラフィック処理装置104には、モニタ108が接続されており、CPU101からの命令に従って画像をモニタ108の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード109aやマウス109bが接続されており、キーボード109aやマウス109bから送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。通信インタフェース106は、ネットワーク400に接続されており、ネットワーク400を介してPOS店舗サーバ200及び入金機サーバ300との間でデータの送受信を行う。また、POS端末220a〜220cや入金機320a〜320cとの間でデータの送受信を行うとしてもよい。
【0032】
このようなハードウェア構成によって、現金管理サーバの処理機能を実現することができる。なお、図3には、現金管理サーバのハードウェア構成を示したが、POS店舗サーバ200及び入金機サーバ300のハードウェア構成も同様である。
【0033】
図4は、POS端末のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
POS端末220は、装置全体を制御する制御部221と、開局処理部222、釣銭準備金処理部223、POS取引処理部224、精算処理部225、釣銭機制御部226、入力制御部227及び通信制御部228を有する。
【0034】
開局処理部222は、POS端末の使用を開始するための開局処理と、釣銭準備金の入金処理を行う。開店時等、キャッシャは、POS端末220に開局を指示し、入金機320から出金した釣銭準備金を入金する。開局指示を受けた開局処理部222は、開局を通知する開局電文をPOS店舗サーバ200に送信する。このとき、キャッシャの操作者IDを取得して予め登録された操作者IDと照合し、正当なキャッシャであるかどうかを確認する。釣銭準備金処理部223は、開局時等、釣銭準備金が入金されたときは、釣銭機230が計数した入金額を取得し、釣銭準備金入金額として記憶する。また、現在保管する現金の在り高を算出し、釣銭入金が発生したことを通知する釣銭入金電文をPOS店舗サーバ200に送信する。
【0035】
POS取引処理部224は、客が購入しようとしている商品代金の合計を計算した後、キャッシャが客から商品の代金を預かり、釣銭を返却するという店舗営業中の取引における現金管理処理を行う。購入した商品の商品情報、預かり金として受け取った入金額、釣銭として出金した出金額及び現金在り高を集計し、一般売上電文としてPOS店舗サーバ200に送信する。また、掛売りの精算等によって入金したとき、あるいは返品によって出金したとき等、通常の取引以外の取引が発生した場合も同様に、発生した事象の通知とともに入出金された金額や現金在り高を示した電文を作成し、POS店舗サーバ200に送信する。
【0036】
精算処理部225は、閉店時等に行う精算処理における処理を実行する。取引の集計や、入金機320で保管するために出金する出金額、POS端末220内に残す残置額等を集計して精算電文を生成し、精算電文をPOS店舗サーバ200へ送信する。残置とは、精算後に翌日の釣銭のために、現金を釣銭機230に残す処理を言う。精算時の情報は、装置内の記憶手段に記憶しておいてもよい。
【0037】
釣銭機制御部226は、釣銭機230に接続し、釣銭機230の動作を制御する。また、釣銭機230が計数した金種別の現金在り高を取得し、要求元に通知する。入力制御部227は、読取装置240に接続し、POS端末220を操作するキャッシャの操作者IDが記録された磁気カード等から読取装置240が読みだした操作者IDを制御部221に通知する。また、キーボードやスキャナ等を介して操作者IDが入力される場合には、入力した操作者IDを制御部221に通知する。通信制御部228は、POS店舗サーバ200との間の通信を制御する。
【0038】
電文について説明する。
図5は、開局時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。(a)は、開局電文、(b)は釣銭入金電文の一例である。
【0039】
(a)開局電文(POS端末→POS店舗サーバ)は、開局処理時に、開局処理部222がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。開局電文は、日付600a、時刻600b、POS−ID600c、電文種別600d、操作者ID600e及び現金在り高600fの各情報を有する。日付600aは、電文を送信した日にちである。時刻600bは、電文を送信した時刻である。POS−ID600cは、電文を送信したPOS端末の識別情報であり、例えばPOS端末に一意に付された番号である。電文種別600dは、送信した電文の種類を表し、ここでは、「開局」であることを示す。操作者ID600eは、処理を指示した操作者の操作者IDである。ここでは、開局を行ったキャッシャの操作者IDを示す。現金在り高600fは、POS端末220が現在保管する現金の在り高を金種別に示した情報である。1万円札(図では1万)、5千円札(図では5千)、2千円札(図では2千)及び千円札(図では千)の紙幣それぞれの枚数と、5百円玉(図では500)、百円玉(図では100)、50円玉、10円玉、5円玉及び1円玉(図では1)の硬貨それぞれの枚数と、合計金額または合計枚数と、を示す。
【0040】
(b)釣銭入金電文(POS端末→POS店舗サーバ)は、釣銭準備金を入金したとき、釣銭準備金処理部223がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。釣銭入金電文は、日付602a、時刻602b、POS−ID602c、電文種別602d、操作者ID602e、釣銭準備金入金額602f及び現金在り高602gの各情報を有する。日付602a、時刻602b及びPOS−ID602cは、開局電文と同様である。電文種別602dは、電文が「釣銭入金」であることを示す。操作者ID600eは、釣銭準備金を入金した操作者の操作者IDを示す。釣銭準備金入金額602fは、釣銭機230が計数した釣銭準備金の入金額を金種別に示す。現金在り高602gは、釣銭準備金の入金後、POS端末220が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0041】
図6は、一般売上時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。 (a)一般売上電文(POS端末→POS店舗サーバ)は、商品代金の精算を行ったとき、POS取引処理部224がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。一般売上電文は、日付604a、時刻604b、POS−ID604c、電文種別604d、操作者ID604e、POS取引通番604f、商品情報604g、値引き額604h、請求金額604i、預かり金604j、釣銭金額604k及び現金在り高604mの各情報を有する。日付604a、時刻604b及びPOS−ID604cは、開局電文と同様である。電文種別604dは、電文が「売上」であることを示す。操作者ID604eは、取引を行ったキャッシャの操作者IDを示す。POS取引通番604fは、POS端末220が実行したPOS取引を識別するため、POS取引に付した番号である。商品情報604gは、客が購入した商品に関する商品情報で、商品を識別する商品コード、購入した数量、合計金額等が含まれる。値引き額604hは、精算対象の商品に値引きが設定されていた場合、値引き率等に沿って算出した値引き額を示す。請求金額604iは、商品代金として請求した金額を示す。通常は、商品情報604gの合計金額から値引き額604hを減額した金額になる。預かり金604jは、商品を購入した客から受け取った金額を金種別に示す。釣銭金額604kは、釣銭として客に渡した金額を金種別に示す。現金在り高604mは、取引後にPOS端末220が保管する現金の在り高を金種別に示す。掛売り伝票の精算時や、商品の返品時などに入出金した金額及び現金の在り高も発生した事象とともに電文としてPOS店舗サーバ200に送信する。この処理では、入金機320との間の現金受け渡しは発生しないので、詳細な説明は省略するが、POS端末220における現金在り高の変動は、常にPOS店舗サーバ200へ送信される。このため、POS店舗サーバ200では、POS端末220の現金在り高を常に把握することができる。
【0042】
図7は、精算時にPOS端末からPOS店舗サーバへ送られる電文の一例である。
(a)精算電文(POS端末→POS店舗サーバ)は、閉店時や、キャッシュが交代した場合など、POS端末220の精算を行ったとき、精算処理部225がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。精算電文は、日付606a、時刻606b、POS−ID606c、電文種別606d、操作者ID606e、POS取引通番606f、現金取引606g、クレジット取引606h、残置額606i、出金額606j及び現金在り高606kの各情報を有する。日付606a、時刻606b及びPOS−ID707cは、開局電文と同様である。電文種別606dは、電文が「精算」であることを示す。操作者ID606eは、精算処理を行ったキャッシャの操作者IDを示す。POS取引通番606fは、POS取引の識別情報である。現金取引606gは、開局してから精算時点までに発生した現金取引の件数と、その合計金額とを示す。クレジット取引606hは、開局してから精算時点までに発生したクレジット取引の件数と、その合計金額とを示す。残置額606iは、精算後、売上金として入金機320には入金せず、例えば釣銭機230に翌営業日の釣銭として釣銭機230内に残した金額を金種別に示す。出金額606jは、POS端末220から出金し、入金機320に入金する金額を金種別に示す。現金在り高606kは、POS端末220が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0043】
以上のように、POS端末220は、POS端末220が保管する現金に変動があったときは、発生した事象に応じた電文をPOS店舗サーバ200に送信する。POS店舗サーバ220は、受け取った電文に基づき、管理下のPOS端末220の状況及び現在の現金在り高を把握することができる。
【0044】
図8は、入金機のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
入金機320は、装置全体を制御する制御部321と、開局処理部322、入金処理部323、出金処理部324、精算処理部325、計数機制御部326、入力制御部327及び通信制御部328を有する。
【0045】
開局処理部322は、入金機320の運用を開始する開局処理を行う。開局指示を受けた開局処理部322は、開局を通知する開局電文を入金機サーバ300に送信する。このとき、指示を行った担当者の操作者IDを取得して予め登録された操作者IDと照合し、正当な担当者であるかどうかを確認する。入金処理部323は、POS端末220から回収した売上金等が入金機320に入金されたとき、計数機330が計数した入金額を取得し、入金情報として記憶する。また、現在保管する現金の在り高を算出し、入金が発生したことを通知する入金電文を入金機サーバ300に送信する。出金処理部324は、保管してあった前日の売上金や、釣銭準備金としてPOS端末220に受け渡す現金を出金したとき、計数機330が計数した出金額を取得し、出金情報として記憶する。また、現在保管する現金の在り高を算出し、出金が発生したことを通知する出金電文を入金機サーバ300に送信する。
【0046】
精算処理部325は、閉店時等に行う精算処理における処理を実行する。精算後、入金機320は、POS端末220から回収した売上金を保管する。精算処理部325は、計数機330が数えた金種別の入金額を集計し、入金機サーバ300へ通知する。計数機制御部326は、計数機330に接続し、計数機330の動作を制御する。また、計数機330が計数した金種別の現金在り高を取得し、要求元に通知する。入力制御部327は、読取装置340に接続し、入金機320を操作する担当者の操作者IDが記録された磁気カード等から読取装置340が読みだした操作者IDを制御部321に通知する。また、キーボードやスキャナ等を介して操作者IDが入力される場合には、入力した操作者IDを制御部321に通知する。通信制御部328は、入金機サーバ300との間の通信を制御する。
【0047】
電文について説明する。
図9は、開局時に入金機から入金機サーバへ送られる電文の一例である。
(a)開局電文(入金機→入金機サーバ)は、開局処理時に、開局処理部322が入金機サーバ300へ送信する電文である。開局電文は、日付610a、時刻610b、入金機ID610c、電文種別610d、操作者ID610e及び現金在り高610fの各情報を有する。日付610aは、電文を送信した日にちである。時刻610bは、電文を送信した時刻である。入金機ID610cは、電文を送信した入金機の識別情報であり、例えば一意に付された番号である。電文種別610dは、送信した電文の種類を表し、ここでは、「開局」であることを示す。操作者ID610eは、処理を指示した操作者の操作者IDである。ここでは、開局を行った担当者の操作者IDを示す。現金在り高610fは、入金機320が現在保管する現金の在り高を金種別に示した情報である。
【0048】
図10は、入出金時に入金機から入金機サーバへ送られる電文の一例である。(a)は出金電文、(b)は入金電文である。
(a)出金電文(入金機→入金機サーバ)は、入金機320から現金が出金されたとき、出金処理部324が入金機サーバ300へ送信する電文である。出金電文は、日付614a、時刻614b、入金機ID614c、電文種別614d、操作者ID614e、入金機取引通番614f、出金時刻614g、出金額614h、入金予定POS−ID614i及び現金在り高614jの各情報を有する。日付614a、時刻614b及び入金機ID614cは、開局電文と同様である。電文種別614dは、電文が「出金」であることを示す。操作者ID614eは、出金を指示した担当者の操作者IDを示す。入金機取引通番614fは、入金機320が実行した取引を識別するため、入金機取引に付した番号である。出金時刻614gは、入金機320から現金を取り出す出金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。出金額614hは、入金機320より出金した出金額を金種別に示す。例えば、担当者がキーボード操作等によって指示した金額を、計数機330が貨幣を計数して出金する。入金予定POS−ID614iは、出金した現金を入金する予定のPOS端末220を示す。入金予定のPOS端末220は、担当者が出金指示とともに入金機320に入力しておく。前述のように、出金金額を示す出金情報と、入金金額を示す入金情報とは、それぞれの操作者IDに基づいて対応付けをすることができる。さらに、入金予定POS端末220を設定しておくことにより、入金額と出金額とを照合するサーバは、入金されたPOS端末220が正しいかどうかを確認することができる。現金在り高614jは、出金後に入金機320が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0049】
(b)入金電文(入金機→入金機サーバ)は、入金機320に現金が入金されたとき、入金処理部323が入金機サーバ300へ送信する電文である。入金電文は、日付616a、時刻616b、入金機ID616c、電文種別616d、操作者ID616e、入金機取引通番616f、入金時刻616g、入金額616h、出金POS−ID616i及び現金在り高616jの各情報を有する。日付616a、時刻616b及び入金機ID616cは、開局電文と同様である。電文種別616dは、電文が「入金」であることを示す。操作者ID616eは、入金を指示した担当者の操作者IDを示す。入金機取引通番616fは、入金機320による取引に付した番号である。入金時刻616gは、入金機320へ現金を入金した入金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。入金額616hは、入金機320に入金した入金額を金種別に示す。出金POS−ID616iは、入金した現金を出金したPOS端末220を示す。例えば、担当者がキーボードを操作して出金したPOS端末220を指定する。現金在り高614jは入金後に入金機320が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0050】
以上のように、入金機320は、入金機320が保管する現金に変動があったときは、発生した事象に応じた電文を入金機サーバ300に送信する。入金機サーバ300は、受け取った電文に基づき、管理下の入金機320の状況及び現在の現金在り高を把握することができる。なお、入金機320からの電文として、出金電文と入金電文とを示したが、電文種別に出金及び入金の種別を設定してもよい。例えば、精算処理部225が出金電文を送信するときは、精算時の出金電文であることを示す電文種別を設定する。
【0051】
こうして、POS店舗サーバ200は、管理下のPOS端末220から取得した入金情報及び出金情報に基づく入出金記録を蓄積し、POS情報DB210に記憶する。入金機サーバ300は、管理下の入金機320から取得した入金情報及び出金情報に基づく入出金記録を蓄積し、入金機情報DB310に記憶する。POS情報DB210に記憶されるPOS端末の入出金記録及び入金機情報DB310に記憶される入金機の入出金記録について説明する。
【0052】
図11は、POS端末の入出金記録の一例を示した図である。
POS端末入出金記録2100は、POS店舗サーバ200が生成してPOS情報DB210に記憶する。POS端末入出金記録2100は、日時2101、POS−ID2102、入出金種別2103、操作者ID2104、POS取引通番2105、入出金時刻2106及び入出金額2107を有する。日時2101は、POS端末220が入金または出金を通知してきた時刻である。POS−ID2102は、POS端末220の識別情報である。入出金種別2103は、入金の記録であるか、出金の記録であるかを示す。ここでは、例として、電文種別に応じて、釣銭準備金入金(=01)、釣銭準備金出金(=02)、売上金入金(=03)、売上金出金(=04)と、設定する。操作者ID2104は、入金または出金を行ったキャッシャの操作者IDを示す。POS取引通番2105は、POS端末220における取引の識別情報を示す。入出金時刻2106は、入金または出金が行われた時刻である。入出金額2107は、入金または出金した金額を示す。
【0053】
例えば、図5に示した釣銭入金電文を取得した場合、POS店舗サーバ200は、日付602a及び時刻602bから日時2101を設定する。同様に、電文のPOS−ID602cからPOS−ID2102、電文種別602dから入出金種別2103、操作者ID602eから操作者ID2104及び釣銭準備金入金額602fから入出金額2107を設定する。
【0054】
図12は、入金機の入出金記録の一例を示した図である。
入金機入出金記録3100は、入金機サーバ300が生成して入金機情報DB310に記憶する。入金機入出金記録3100は、日時3101、入金機ID3102、入出金種別3103、操作者ID3104、入金機取引通番3105、入出金時刻3106及び入出金額3107を有する。日時3101は、入金機320が通知した時刻である。入金機ID3102は、入金機320の識別情報である。入出金種別3103は、入金の記録であるか、出金の記録であるかを示す。操作者ID3104は、入金または出金を行った担当者の操作者IDを示す。入金機取引通番3105は、入金機320における取引の識別情報を示す。入出金時刻3106は、入金または出金が行われた時刻を示す。入出金額3107は、入金または出金した金額を示す。
【0055】
例えば、図10に示した出金電文を取得した場合、入金機サーバ300は、日付614a及び時刻614bから日時3101を設定する。同様に、電文の入金機ID614cから入金機ID3102、電文種別614dから入出金種別3103、操作者ID614eから操作者ID3104、入金機取引通番614fから入金機取引通番3105、出金時刻614gから入出金時刻3106、及び出金額614hから入出金額3107を設定する。
【0056】
次に、上記の(1)〜(4)の構成と、その現金管理処理について順に説明する。一般的な店舗業務では、店舗内の現金の受け渡しは、入金機320とPOS端末220との間で行われる。入金機320からは、釣銭準備金を出金し、POS端末220に入金する。また、POS端末220からは、精算した売上金を出金し、入金機320に入金する。例えば、両替処理は、売上金の一部POS端末220から出金して入金機320に入金し、同等の額の釣銭を入金機320から出金し、POS端末220に入金する処理であり、上記の組み合わせである。また、名目は異なっていても、入金機320からPOS端末220への現金の受け渡しは釣銭準備金の受け渡しと同様であり、POS端末220から入金機320への現金の受け渡しは売上金の受け渡しと同様に行われる。そこで、以下の説明では、この2つのケースについて詳細に説明する。
【0057】
(1)POS店舗サーバが現金管理を行う場合
図13は、POS店舗サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。POS#1(220a)及びPOS#2(220b)の構成は、図4のPOS端末220と同様である。入金機#1(320a)及び入金機#2(320b)の構成は、図8に示した入金機320と同様である。
【0058】
POS店舗サーバ200は、装置全体を制御部201が制御し、開局処理部202、POS現金在り高管理部203、現金一致処理部204、閉店処理部205、電子メール送信部206及び通信制御部207を有し、POS情報DB210及び現金管理DB211に接続する。開局処理部202は、開店時等、担当者からの開局指示があったときは、POS店舗サーバ200の運用を開始する開局処理を行う。このとき、指示を行った担当者の操作者IDを取得して予め登録された操作者IDと照合し、正当な担当者であるかどうかを確認する。POS現金在り高管理部203は、POS端末220から受信する電文に添付されている金種別の現金在り高に基づいて、POS端末220の金種別の現金在り高をPOS情報DB210に記憶して、管理する。金種別の現金在り高は、POS端末ごと、あるいは、操作者IDに基づき、POS端末のキャッシャごとに集計する。また、管理対象のPOS端末全体の金種別の現金在り高を算出するとしてもよい。これにより、どの金種が不足しているのかを把握し、事前に釣銭準備金を用意しておくことができる。
【0059】
現金一致処理部204は、POS端末220と入金機320との間の現金の受け渡しを管理し、入金額と出金額とが一致するかどうかをチェックする。例えば、POS端末220から釣銭入金電文を受信したときは、入金機サーバ300に対して釣銭準備金出金記録の照会を行う。そして、釣銭入金電文に設定されている釣銭準備金入金額と、入金機サーバ300から取得した釣銭準備金出金額とを金種別に照合する。一致しているときは、正しい受け渡しが行われたと判定する。不一致のときは、エラー通知を生成し、電子メール送信部206を介して管理者の端末にエラー通知を送信する。エラー通知では、不一致だった金種とその数、操作者ID、POS−ID及び入金機ID等を通知する。チェックの結果は、照合記録そして現金管理DB211に記録しておく。また、POS端末220から精算電文を受信したときは、入金機サーバ300に対し、売上金入金記録を照会する。そして、精算電文に設定されている出金金額と、入金機サーバ300から取得した売上金入金額とを金種別に照合する。一致しているときは、現金の正しい受け渡しが行われたと判定する。不一致のときは、エラー通知を生成し、電子メール送信部206を介して管理者の端末にエラー通知を送信する。チェックの結果を記録することは、釣銭準備金の場合と同様である。閉店処理部205は、例えば、店舗全体の売上金の集計等、閉店時の精算処理を行う。電子メール送信部206は、エラー通知を指定された管理者端末500に送信する。通信制御部207は、POS端末220及び入金機サーバ300と接続し、電文の受け渡しを行う。POS端末220と接続する通信経路と、入金機サーバ300と接続する通信経路とは、異なっていてもよい。
【0060】
入金機サーバ300は、装置全体を制御部301が制御し、開局処理部302、入金機現金在り高管理部303、現金管理部304、閉店処理部305及び通信制御部306を有し、入金機情報DB310に接続する。開局処理部302は、開店時等、担当者からの開局指示があったときは、入金機サーバ300の運用を開始する開局処理を行う。このとき、指示を行った担当者の操作者IDを取得して予め登録された操作者IDと照合し、正当な担当者であるかどうかを確認する。入金機現金在り高管理部303は、入金機320から受信する電文に添付されている金種別の現金在り高に基づいて、入金機320の金種別の現金在り高を入金機情報DB310に記憶して、管理する。金種別の現金在り高は、入金機ごと、あるいは、操作者IDに基づき、入金機の担当者ごとに集計する。また、管理対象の入金機全体の金種別の現金在り高を算出するとしてもよい。
【0061】
現金管理部304は、入金機320から釣銭準備金を出金したときの出金電文を取得し、釣銭準備金出金記録として入金機DB310に記憶する。また、入金機320から売上金を入金したときの入金電文を取得し、売上金入金記録として入金機DB310に記憶する。また、POS店舗サーバ200から照会要求があったときは、照会された記録を入金機情報DB310から抽出し、POS店舗サーバ200へ送信する。閉店処理部305は、入金機全体で保管する現金の集計等、閉店時の精算処理を行う。通信制御部306は、入金機320及びPOS店舗サーバ200と接続し、電文の受け渡しを行う。
【0062】
次に、POS店舗サーバ200と入金機サーバ300との間で交換する電文について説明する。
図14は、POS店舗サーバから入金機サーバへの出金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、出金記録照会電文、(b)は、出金記録応答電文である。
【0063】
(a)出金記録照会電文(POS店舗サーバ→入金機サーバ)は、POS店舗サーバ200の現金一致処理部204が、入金機サーバ300に対し、保有する釣銭準備金出金時の出金記録を要求する電文である。出金記録照会電文は、日付620a、時刻620b、POS店舗サーバID620c、電文種別620d及び操作者ID620eの各情報を有する。日付620a、時刻620bは、開局電文と同様である。POS店舗サーバID620cは、自装置の識別情報である。電文種別620dは、電文が「出金照会」であることを示す。操作者ID620eは、出金記録を照会する対象の操作者の識別情報である。
【0064】
(b)出金記録応答電文(入金機サーバ→POS店舗サーバ)は、(a)に示した出金記録照会電文に対し、現金管理部304がPOS店舗サーバ200へ送信する電文である。出金記録応答電文は、日付622a、時刻622b、入金機サーバID622c、電文種別622d、入金機ID622e、操作者ID622f、入金機取引通番622g、出金時刻622h及び出金額622iの各情報を有する。日付622a、時刻622bは、開局電文と同様である。入金機サーバID622cは、自装置の識別情報である。電文種別622dは、電文が「出金記録」であることを示す。入金機ID622eは、抽出した出金記録に記録された出金処理を行った入金機の識別情報を示す。操作者ID622fは、この出金処理を行った操作者の識別情報である。入金機取引通番622gは、入金機320が実行した取引を識別するため、入金機取引に付した番号である。出金時刻622hは、入金機320の出金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。出金額622iは、入金機320より出金した出金額を金種別に示す。出金額622iは、出金後に入金機320が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0065】
なお、これらの情報は、現金管理部304が、入金機入出金記録3100を検索し、該当する操作者IDの出金記録で、かつ、入金記録と対応付けがされていないもの、あるいは、最新の出金記録を抽出して設定する。また、抽出した出金記録の日時を確認し、出金記録照会電文の日付620a及び時刻620bから一定時間以上離れているときは、対応するものではないと判断してもよい。
【0066】
図15は、POS店舗サーバから入金機サーバへの入金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、入金記録照会電文、(b)は、入金記録応答電文である。
(a)入金記録照会電文(POS店舗サーバ→入金機サーバ)は、POS店舗サーバ200の現金一致処理部204が、入金機サーバ300に対し、保有する売上金入金時の入金記録を要求する電文である。入金記録照会電文は、日付624a、時刻624b、POS店舗サーバID624c、電文種別624d及び操作者ID624eの各情報を有する。日付624a、時刻624b及びPOS店舗サーバID624cは、POS店舗サーバ200の出金記録照会電文と同様である。電文種別624dは、電文が「入金照会」であることを示す。操作者ID624eは、入金記録を照会する対象の操作者の識別情報である。
【0067】
(b)入金記録応答電文(入金機サーバ→POS店舗サーバ)は、(a)に示した入金記録照会電文に対し、現金管理部304がPOS店舗サーバ200へ送信する応答電文である。入金記録応答電文は、日付626a、時刻626b、入金機サーバID626c、電文種別626d、入金機ID626e、操作者ID626f、入金機取引通番626g、入金時刻626h及び入金額626iの各情報を有する。日付626a、時刻626b及び入金機サーバID626cは、入金機サーバ300の出金記録応答電文と同様である。電文種別626dは、電文が「入金記録」であることを示す。入金機ID626eは、抽出した入金記録に記録された入金処理を行った入金機の識別情報を示す。操作者ID626fは、この入金処理を行った操作者の識別情報である。入金機取引通番626gは、入金機320が実行した取引の識別情報である。入金時刻626hは、入金機320の入金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。入金額626iは、入金機320より出金した出金額を金種別に示す。入金額626iは、入金後に入金機320が保管する現金の在り高を金種別に示す。これらの情報は、現金管理部304が、入金機入出金記録3100を検索して抽出する。抽出方法は、出金記録応答電文の場合と同様である。
【0068】
図16は、POS店舗サーバが現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。開局後には、キャッシャが、入金機320から釣銭準備金を出金し、POS端末220に入金する処理を行う。
【0069】
図16の例では、最初にPOS店舗サーバ200及び入金機サーバ300の開局が指示される。指示に従って、POS店舗サーバ200は開局処理(601)、入金機サーバ300は開局処理(602)をそれぞれ実行する。次に、入金機320の開局が指示される。入金機320は、開局処理を行い(603)、入金機が取引を開始したことを通知する開局電文を入金機サーバ300に送信する(604)。続けて入金機320に対し、前日に入金機320に入金した売上金を出金する出金操作が行われ、釣銭用の貨幣が入金される。この際の入出金の状況は、入金機320から入金機サーバ300に通知され、入出金記録として残る。ここでは、POS端末220との間の現金受け渡しは発生しないので、詳細は省略する。
【0070】
こうして、入金機320に釣銭用の貨幣が入金された後、キャッシャは、自身の操作者IDをPOS端末220に入力し、開局指示を出す。POS端末220は、開局処理を実行し(605)、POS端末220が取引を開始したことを通知する開局電文をPOS店舗サーバ200に送信する(606)。POS店舗サーバ200は、受信した開局電文に含まれる金種別の現金在り高を現金情報として記憶する。
【0071】
次に、POS端末220を開局したキャッシャ(操作者)は、釣銭を受け取るため、入金機320の場所まで移動する(607)。キャッシャは、入金機320まで移動後、入金機320に自身の操作者IDを入力し、金額を指定して釣銭準備金の出金指示を行う。入金機320は、指示を受け、釣銭準備金を出金する処理を行う(608)。入金機320は、指定された現金を出金するとともに、釣銭準備金を出金したことを通知する出金電文を入金機サーバ300に送信する(609)。出金電文には、操作者IDとして、指示を行ったキャッシャの操作者IDが登録されている。入金機サーバ300は、出金電文を受信し、出金電文に基づく出金記録を入金機入出金記録3100に登録する(610)。更新された入金機入出金記録3100は、入金機情報DB310に記憶する。
【0072】
一方、入金機320から出金された釣銭準備金を持ったキャッシャ(操作者)は、POS端末220へ移動する(611)。そして、POS端末220に対し、釣銭準備金の入金指示を行う。POS端末220は、釣銭準備金入金処理を実行し(612)、入金した金額を計数するとともに、釣銭準備金入金電文を生成してPOS店舗サーバ200へ送信する(613)。釣銭準備金入金電文には、入金機320から釣銭準備金を出金したキャッシャの操作者IDが登録されている。POS店舗サーバ200は、釣銭準備金入金電文を受信し、釣銭準備金入金電文に基づく入金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(614)。更新されたPOS端末入出金記録2100は、POS情報DB210に記憶する。
【0073】
POS端末220への入金があったことを検知したPOS店舗サーバ200は、受信した釣銭準備金入金電文(またはそのPOS端末入出金記録)に基づき、対応する出金記録を照会する出金記録照会電文を生成し、入金機サーバ300に送信する(615)。出金記録照会電文を受信した入金機サーバ300は、入金機入出金記録を検索し、検出した出金記録に基づく出金記録応答電文を生成する(616)。検索では、出金記録照会電文で指定された操作者IDの操作者による出金記録を探す。ここでは、入金機320の釣銭準備金の出金電文に基づく、出金記録の操作者IDが一致し、抽出される。入金機サーバ300は、抽出した出金記録に基づいて出金記録応答電文617を生成し、POS店舗サーバ200に送信する(617)。POS店舗サーバ200は、出金記録応答電文を受信し、釣銭準備金入金電文の入金額と出金記録応答の出金額とを金種別に照合する(618)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(619)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0074】
図17は、POS店舗サーバが現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。キャッシャは、閉店時または自身の担当時間が終了したとき、精算処理を行う。精算時には、キャッシャが、POS端末220から売上金を出金し、入金機320に入金する処理を行う。売上金は、すべて出金せず、一部を翌日または次担当の釣銭用に残置する。
【0075】
キャッシャは、POS端末220に精算を指示し、POS端末220は精算処理を実行する(620)。POS端末220は、取引の件数や売上金額を集計し、結果をキャッシャに通知する。キャッシャは、入金機320に出金する出金額と、POS端末220に残す残置額を指示する。POS端末220は、指示に従って出金を行うとともに、精算電文をPOS店舗サーバに送信する(621)。POS店舗サーバ200は、精算電文を受信し、精算電文に基づく出金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(622)。そして、出金記録に対応する入金記録を入金機サーバ300に照会する(623)。このため、入金機サーバ300に対し、入金記録照会電文を送信し(624)、応答を待つ。応答待ち時間は予め設定しておき、応答待ち時間が経過しても応答が得られなかったときは、エラー発生と判定する。
【0076】
キャッシャ(操作者)は、POS端末220が精算処理で出金した売上金を持ち、入金機へ移動する(625)。そして、入金機320に自身の操作者IDを入力し、売上金を入金する。入金機320は、売上金入金処理を実行し(626)、入金額を金種別に計数する。そして、計数した入金額と、現金在り高を含む入金電文を生成し、入金機サーバ300へ送信する(627)。なお、出金元のPOSの識別情報がわかっているときは、入金電文の出金POS−ID616iに設定する。例えば、キャッシャが、自身の操作者IDとともに入力する。入金機サーバ300は、入金電文に基づく入金記録を入金機入出金記録3100に登録する(628)。また、入金機サーバ300は、要求されていた入金記録照会電文を検索し、入金記録照会応答を生成する(629)。そして、生成した入金記録応答電文をPOS店舗サーバ200に送信する(630)。POS店舗サーバ200は、入金記録応答電文を受信し、出金電文の出金額と入金記録応答の入金額とを金種別に照合する(631)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(632)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0077】
以上の処理手順が実行されることにより、POS店舗サーバ200で現金受け渡しが正しく行われたかどうかの現金一致確認を行うことができる。POS端末220及び入金機320は、現金一致確認処理を行わないので、通常の業務処理に影響を与えず、かつ、厳密なチェックを行うことができる。
【0078】
なお、POS端末220及び入金機320は、上記の入出金を通知する電文はもちろんのこと、商品代金受け取り時の際の電文にも現金在り高を金種別に通知する。これにより、POS店舗サーバ200は、POS端末の金種別の現金在り高を把握することができる。同様に、入金機サーバ300は、入金機の金種別の現金在り高を把握することができる。そして、入金機サーバ300からこの情報を取得すれば、POS店舗サーバ200は、店舗全体の金種別の現金在り高を把握することが可能となる。
【0079】
図18は、POS店舗サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
釣銭準備金の入金に伴う入金電文、または売上金の出金に伴う出金電文を、POS端末220から取得し、POS店舗サーバ200は、以下の処理手順を実行する。
【0080】
[ステップS01] POS店舗サーバ200は、POS端末220より受信した電文が入金電文であるかどうかを判定する。入金電文であるときは、処理をステップS02に進める。入金電文でないときは、処理をステップS07に進める。
【0081】
[ステップS02] POS端末220の入金電文であったときは、入金電文に基づく入金記録をPOS端末入金記録に記録する。さらに、入金機サーバ300に対し、出金記録照会を行う。そして、入金機サーバ300から、出金記録応答として、操作者IDが一致する出金記録を取得する。
【0082】
[ステップS03] 入金記録の入金額と、取得した出金記録応答の出金額とを金種別に照合する。
[ステップS04] ステップS03の照合の結果が一致するときは、処理をステップS05に進める。一致していないときは、処理をステップS06に進める。
【0083】
[ステップS05] 入金額と出金額とが一致するときは、それぞれの現金在り高を集計し、処理を終了する。
[ステップS06] 入金額と出金額とが一致しないとき、不一致の金種と、不一致の数とを含むエラー通知を管理者端末500に対して送信し、処理を終了する。
【0084】
[ステップS07] POS端末220の出金電文であったときは、入金機サーバ300に対し、入金記録照会を行う。
[ステップS08] 入金記録を受信したかどうかを判定する。受信しているときは、処理をステップS09に進める。受信していないときは、ステップS12に処理を進める。
【0085】
[ステップS09] 出金記録の出金額と、取得した入金記録応答の入金額とを金種別に照合する。
[ステップS10] ステップS09の照合の結果が一致するときは、処理をステップS11に進める。一致していないときは、処理をステップS06に進める。
【0086】
[ステップS11] 入金額と出金額とが一致するときは、それぞれの現金在り高を集計し、処理を終了する。
[ステップS12] POS店舗サーバ200が照会要求を行った入金記録を受信していないときは、待ち時間が経過したかどうかを判定する。待ち時間が経過していないときは、処理をステップS08に戻す。待ち時間が経過しているときは、処理をステップS06に進める。
【0087】
なお、上記のPOS端末は、入金額を通知した後、通常の勘定処理を開始するとしたが、現金管理装置の照合結果を待ち、一致したことが確認されてから通常の勘定処理を開始するとしてもよい。
【0088】
(2)入金機サーバが現金管理を行う場合
図19は、入金機サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。入金機サーバ300が現金管理を行う現金管理システムの構成要素は、図13に示したPOS店舗サーバ200が現金管理を行う現金システムの構成要素と同様である。そこで、図13に示した構成要素と同じものには同じ符号を用いて説明する。
【0089】
図19の現金管理システムでは、図13に示したPOS店舗サーバ200の現金一致処理部204と、入金機サーバ300の現金管理部304とが、それぞれ、POS店舗サーバ200aでは現金管理部208、入金機サーバ300aでは現金一致処理部308に置き換わっている。また、入金機サーバ300aは、電子メール送信部307を有する。
【0090】
POS店舗サーバ200aの現金管理部208は、POS端末220から精算時に売上金を出金したときの精算電文を取得し、精算時の出金記録としてPOS情報DB210に記憶する。また、POS端末220から釣銭準備金を入金したときの釣銭準備金入金電文を取得し、釣銭準備金の入金記録としてPOS情報DB210に記憶する。また、入金機サーバ300から照会要求があったときは、照会された入出金記録をPOS情報DB210から抽出し、入金機サーバ300へ送信する。
【0091】
入金機サーバ300aの現金一致処理部308は、POS端末220と入金機320との間の現金の受け渡しを管理し、入金額と出金額とが一致するかどうかをチェックする。例えば、入金機320から、売上金を入金したという入金電文を受信したときは、POS店舗サーバ200に対して売上金の出金記録を照会する。そして、入金電文に設定されている入金額と、POS店舗サーバ200から取得した売上金の出金記録に記録されている出金額とを金種別に照合する。一致しているときは、現金の正しい受け渡しが行われたと判定する。不一致のときは、エラー通知を生成し、電子メール送信部307を介して管理者端末500にエラー通知を送信する。エラー通知では、不一致だった金種とその数、操作者ID、POS−ID及び入金機ID等を通知する。チェックの結果は、照合記録そして現金管理DB311に記録しておく。また、入金機320から釣銭準備金の出金電文を受信したときは、POS店舗サーバ200に対し、釣銭準備金の入金記録を照会する。そして、入金機320の釣銭準備金の出金電文に設定されている出金金額と、POS店舗サーバ200から取得したPOS端末220側の釣銭準備金の入金額とを金種別に照合する。一致しているときは、正しい受け渡しが行われたと判定する。不一致のときは、エラー通知を生成し、電子メール送信部307を介して管理者の端末にエラー通知を送信する。チェックの結果を記録することは、釣銭準備金の場合と同様である。
【0092】
次に、POS店舗サーバ200と入金機サーバ300との間で交換する電文について説明する。
図20は、入金機サーバからPOS店舗サーバへの出金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、出金記録照会電文、(b)は、出金記録応答電文である。
【0093】
(a)出金記録照会電文(入金機サーバ→POS店舗サーバ)は、入金機サーバ300aの現金一致処理部308が、POS店舗サーバ200aに対し、POS店舗サーバ200aが保有する売上金の出金時の出金記録を要求する電文である。出金記録照会電文は、日付630a、時刻630b、入金機サーバID630c、電文種別630d及び操作者ID630eの各情報を有する。日付630a、時刻630bは、開局電文と同様である。入金機サーバID630cは、自装置の識別情報である。電文種別630dは、電文が「出金照会」であることを示す。操作者ID630eは、出金記録を照会する対象の操作者の識別情報である。
【0094】
(b)出金記録応答電文(POS店舗サーバ→入金機サーバ)は、(a)に示した出金記録照会電文に対し、POS店舗サーバ200aの現金管理部208が入金機サーバ300aへ送信する電文である。出金記録応答電文は、日付632a、時刻632b、POS店舗サーバID632c、電文種別632d、POS−ID632e、操作者ID632f、POS取引通番632g、出金時刻632h及び出金額632iの各情報を有する。日付632a、時刻632bは、開局電文と同様である。POS店舗サーバID632cは、自装置の識別情報である。電文種別632dは、電文が「出金記録」であることを示す。POS−ID632eは、抽出した出金記録に記録された出金処理を行ったPOS端末の識別情報を示す。操作者ID632fは、この出金処理を行った操作者の識別情報である。POS取引通番632gは、POS端末220の取引処理の識別情報である。出金時刻632hは、POS端末220の出金処理の開始時刻と終了時刻とを示す。出金額632iは、POS端末220より出金した出金額を金種別に示す。現金在り高632iは、出金後にPOS端末220が保管する現金の在り高を金種別に示す。
【0095】
なお、これらの情報は、POS店舗サーバ200aの現金管理部208が、POS端末入出金記録2100を検索し、該当する操作者IDの出金記録で、かつ、入金記録と対応付けがされていないもの、あるいは、最新の出金記録を抽出して設定する。また、抽出した出金記録の日時を確認し、出金記録照会電文の日付630a及び時刻630bから一定時間以上離れているときは、対応するものではないと判断する。
【0096】
図21は、入金機サーバからPOS店舗サーバへの入金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、入金記録照会電文、(b)は、入金記録応答電文である。
(a)入金記録照会電文(入金機サーバ→POS店舗サーバ)は、入金機サーバ300aの現金一致処理部308が、POS店舗サーバ200に対し、保有する釣銭準備金の入金時の入金記録を要求する電文である。入金記録照会電文は、日付634a、時刻634b、入金機サーバID634c、電文種別634d及び操作者ID634eの各情報を有する。電文種別634dが、入金照会であることを除いて、図20に示した出金記録照会電文と同様である。
【0097】
(b)入金記録応答電文(POS店舗サーバ→入金機サーバ)は、(a)に示した入金記録照会電文に対し、POS店舗サーバ200aの現金管理部208が入金機サーバ300aへ送信する応答電文である。入金記録応答電文は、日付636a、時刻636b、POS店舗サーバID636c、電文種別636d、POS−ID636e、操作者ID636f、POS取引通番636g、入金時刻636h及び入金額636iの各情報を有する。電文種別634dが入金照会、出金時刻632hが入金時刻636h、出金額632iが入金額636iとなるが、それ以外は図20に示した出金記録応答電文と同様である。
【0098】
図22は、入金機サーバが現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。開局後には、キャッシャが、入金機320から釣銭準備金を出金し、POS端末220に入金する処理を行う。
【0099】
図16に示した場合と同様に、最初にPOS店舗サーバ200a及び入金機サーバ300aの開局が指示される。指示に従って、POS店舗サーバ200aは開局処理(640)、入金機サーバ300aは開局処理(641)をそれぞれ実行する。次に、入金機320の開局が指示され、入金機320は開局処理を行う(642)。このとき、入金機320は、入金機320が取引を開始したことを通知する開局電文を入金機サーバ300aに送信する(643)。続く入金機320から売上金を出金する処理については、図16に示した場合と同様であり、説明は省略する。
【0100】
入金機320に釣銭用の貨幣が入金された後、キャッシャは、自身の操作者IDをPOS端末220に入力し、開局指示を出す。POS端末220は、開局処理を実行し(644)、POS端末220が取引を開始したことを通知する開局電文をPOS店舗サーバ200aに送信する(645)。POS店舗サーバ200aは、受信した開局電文に含まれる金種別の現金在り高を現金情報として記憶する。
【0101】
次に、POS端末220を開局したキャッシャ(操作者)は、釣銭を受け取るため、入金機320の場所まで移動する(646)。キャッシャは、入金機320まで移動後、入金機320に自身の操作者IDを入力し、金額を指定して釣銭準備金の出金指示を行う。入金機320は、指示を受け、釣銭準備金を出金する(647)。そして、入金機320は、指定された現金を出金するとともに、釣銭準備金を出金したことを通知する出金電文を入金機サーバ300aに送信する(648)。入金機サーバ300aは、出金電文を受信し、出金電文に基づく出金記録を入金機入出金記録3100に登録する(649)。更新された入金機入出金記録3100は、入金機情報DB310に記憶する。続いて、入金機サーバ300aは、POS店舗サーバ200aに対し、この出金に対応する入金記録を照会する入金記録照会電文を送信する(650)。
【0102】
一方、入金機320から出金された釣銭準備金を持ったキャッシャ(操作者)は、POS端末220へ移動する(651)。そして、POS端末220に対し、釣銭準備金の入金指示を行う。POS端末220は、釣銭準備金入金処理を実行し(652)、入金した金額を計数するとともに、釣銭準備金入金電文を生成してPOS店舗サーバ200aへ送信する(653)。POS店舗サーバ200aは、釣銭準備金入金電文を受信し、釣銭準備金入金電文に基づく入金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(654)。そして、POS端末220より受信した釣銭準備金入金電文(またはそのPOS端末入出金記録)に基づき、入金機サーバ300aから取得した入金記録照会に対応する入金記録応答電文を生成する入金記録照会応答処理を行う(655)。そして、入金機サーバ300に対し、入金記録応答電文を送信する(656)。入金機サーバ300aは、入金記録応答電文を受信し、入金機320から取得した出金電文の釣銭準備金の出金額と、入金記録応答電文により取得したPOS端末220における釣銭準備金の入金額とを金種別に照合する(657)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(658)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0103】
図23は、入金機サーバが現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。キャッシャは、精算後、POS端末220から売上金を出金し、入金機320に入金する。売上金は、すべて出金せず、一部を翌日または次担当の釣銭用に残置する。
【0104】
キャッシャは、POS端末220に精算を指示し、POS端末220は精算処理を実行する(660)。キャッシャは、入金機320に出金する出金額と、POS端末220に残す残置額を指示し、POS端末220は、指示に従って売上金を出金し、精算電文をPOS店舗サーバ200aに送信する(661)。POS店舗サーバ200aは、精算電文を受信し、精算電文に基づく出金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(662)。キャッシャ(操作者)は、POS端末220が精算処理で出金した売上金を持ち、入金機320へ移動する(663)。そして、入金機320に自身の操作者IDを入力し、売上金を入金する。入金機320は、売上金入金処理を実行し(664)、入金額を金種別に計数する。そして、計数した入金額と、現金在り高を含む入金電文を生成し、入金機サーバ300aへ送信する(665)。入金機サーバ300aは、売上金の入金電文に基づく入金記録を入金機入出金記録3100に登録する(666)。続いて、この入金記録に対応する出金記録を照会する出金記録照会電文をPOS店舗サーバ200aに送信する(667)。POS店舗サーバ200aは、受信した出金記録照会電文の操作者ID630eに基づく出金記録応答処理を行う(668)。出金記録応答処理では、POS情報DB3100の出金記録を検索し、対応する出金記録を抽出して出金記録照会応答を生成し、入金機サーバ300aに送信する(669)。入金機サーバ300aは、出金記録応答電文を受信し、入金機320から通知された売上金の入金電文に記載されている入金額と、出金記録応答電文に記載されているPOS端末22の出金額と、を金種別に照合する(670)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(671)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0105】
以上の処理手順が実行されることにより、入金機サーバ300aで現金受け渡しが正しく行われたかどうかの現金一致確認を行うことができる。POS端末220及び入金機320は、現金一致確認処理を行わないので、通常の業務処理に影響を与えず、かつ、厳密なチェックを行うことができる。
【0106】
図24は、入金機サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
釣銭準備金の出金に伴う出金電文、または売上金の入金に伴う入金電文を、入金機320から取得し、入金機サーバ300aは以下の処理手順を実行する。
【0107】
[ステップS31] 入金機サーバ300aは、入金機320より受信した電文が入金電文であるかどうかを判定する。入金電文であるときは、処理をステップS32に進める。入金電文でないときは、処理をステップS37に進める。
【0108】
[ステップS32] 入金機320の入金電文であったときは、入金電文に基づく入金記録を入金機入出金記録3100に記録する。さらに、POS店舗サーバ200aに対し、この入金記録に対応する出金記録照会を行う電文を送信する。そして、POS店舗サーバ200aから、出金記録応答として、操作者IDが一致する出金記録を取得する。
【0109】
[ステップS33] 入金機320から取得した入金電文に基づく入金記録の入金額と、POS店舗サーバ200aから取得した出金記録応答の出金額とを金種別に照合する。
[ステップS34] ステップS33の照合の結果が一致するときは、処理をステップS35に進める。一致していないときは、処理をステップS36に進める。
【0110】
[ステップS35] 入金機320における入金額と、POS端末220における出金額とが一致するときは、それぞれの現金在り高を集計し、処理を終了する。
[ステップS36] 入金機320における入金額と、POS端末220における出金額とが一致しないとき、不一致の金種と、不一致の数とを含むエラー通知を管理者端末500に対して送信し、処理を終了する。
【0111】
[ステップS37] 入金機320より受信した電文が出金電文であったときは、POS店舗サーバ200aに対し、入金機320の出金記録に対応する入金記録を照会する入金記録照会電文を送信する。
【0112】
[ステップS38] POS店舗サーバ200aから、入金記録照会電文の応答の入金記録を受信したかどうかを判定する。受信しているときは、処理をステップS39に進める。受信していないときは、ステップS42に処理を進める。
【0113】
[ステップS39] 入金機320から取得した出金電文に基づく、入金機320の出金記録の出金額と、POS店舗サーバ200aから取得した入金記録応答に基づく、POS端末220の入金額と、を金種別に照合する。
【0114】
[ステップS40] ステップS39の照合の結果が一致するときは、処理をステップS41に進める。一致していないときは、処理をステップS36に進める。
[ステップS41] 入金機320における出金額と、POS端末220における入金額とが一致するときは、それぞれの現金在り高を集計し、処理を終了する。
【0115】
[ステップS42] 入金機サーバ300aが照会要求を行った入金記録を受信していないときは、待ち時間が経過したかどうかを判定する。待ち時間が経過していないときは、処理をステップS38に戻す。待ち時間が経過しているときは、処理をステップS36に進める。
【0116】
(3)POS店舗サーバと入金機サーバとが分担する場合
POS店舗サーバと入金機サーバとが現金管理を分担する現金管理システムの構成要素は、図13に示したPOS店舗サーバ200が現金管理を行う現金システムの構成要素と、図19に示した入金機サーバ300aが現金管理を行う現金システムの構成要素とを組み合わせたものである。そこで、図13及び図19に示した構成要素と同じものには同じ符号を用いて説明する。分担して現金管理を行うPOS店舗サーバ200bは、図13に示したPOS店舗サーバ200の構成要素に、図19に示したPOS店舗サーバ200aの現金管理部208を備える。同様に、分担して現金管理を行う入金機サーバ300bは、図13に示した入金機サーバ300の構成要素に、図19に示した入金機サーバ300aの現金一致処理部308及び電子メール送信部307を備える。ここでは、現金を入金した側が、出金額と入金額との一致確認を行うとする。
【0117】
図25は、POS店舗サーバと入金機サーバとが分担して現金管理を行う場合の開局処理の流れを示した図である。図25は、POS端末220、POS店舗サーバ200b、入金機320及び入金機サーバ300bの開局処理を省略し、POS端末220が開局した後からの処理の流れを示している。
【0118】
POS端末220は、POS開局電文をPOS店舗サーバ200bに送信し、開局したことを通知する(681)。POS端末220を開局したキャッシャ(操作者)は、釣銭を受け取るため、入金機320の場所まで移動する(682)。キャッシャは、入金機320まで移動後、入金機320に自身の操作者IDを入力し、金額を指定して釣銭準備金の出金を指示する。入金機320は、指示に基づいて釣銭準備金出金処理を実行する(683)。入金機320は、釣銭準備金を出金し、釣銭準備金を出金したことを通知する出金電文を入金機サーバ300bに送信する(684)。入金機サーバ300bは、出金電文を受信し、出金電文に基づく出金記録を入金機入出金記録3100に登録する(685)。
【0119】
入金機320が出金した釣銭準備金を持ったキャッシャ(操作者)は、POS端末220へ移動する(686)。そして、POS端末220に対し、釣銭準備金の入金指示を行う。POS端末220は、釣銭準備金入金処理を実行し(687)、入金した金額を計数するとともに、釣銭準備金入金電文を生成してPOS店舗サーバ200bへ送信する(688)。POS店舗サーバ200bは、釣銭準備金入金電文を受信し、釣銭準備金入金電文に基づく入金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(689)。POS店舗サーバ200bは、続いて、受信した釣銭準備金入金電文(またはそのPOS端末入出金記録)に基づき、対応する出金記録を照会する出金記録照会電文を生成し、入金機サーバ300bに送信する(690)。出金記録照会電文を受信した入金機サーバ300bは、出金記録照会応答処理を行う(691)。出金記録照会応答処理では、入金機入出金記録3100を検索し、出金記録照会電文に含まれる操作者ID620eに対応する出金記録を抽出する。そして、抽出した出金記録に基づく出金記録応答電文を生成し、POS店舗サーバ200bに送信する(692)。POS店舗サーバ200bは、出金記録応答電文を受信し、POS端末220から取得した釣銭準備金入金電文に基づく、POS端末220における入金額と、出金記録応答電文に基づく入金機320側の出金額と、を金種別に照合する(693)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(694)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0120】
このように、入金機320から出金した釣銭準備金をPOS端末220に入金する場合には、入金側のPOS端末220を管理するPOS店舗サーバ200bが受け渡した現金が一致するかどうかを確認する。
【0121】
図26は、POS店舗サーバと入金機サーバとが分担して現金管理を行う場合の精算処理の流れを示した図である。
キャッシャは、精算後、POS端末220から売上金を出金し、入金機320に入金する。キャッシャは、POS端末220に精算を指示し、POS端末220は精算処理を実行する(700)。キャッシャは、入金機320に出金する出金額と、POS端末220に残す残置額を指示し、POS端末220は、指示に従って売上金を出金し、精算電文をPOS店舗サーバ200bに送信する(701)。POS店舗サーバ200bは、精算電文を受信し、精算電文に基づく出金記録をPOS端末入出金記録2100に登録する(702)。キャッシャ(操作者)は、POS端末220が精算処理で出金した売上金を持ち、入金機320へ移動する(703)。そして、入金機320に自身の操作者IDを入力し、売上金を入金する。入金機320は、売上金入金処理を実行し(704)、入金額を金種別に計数する。そして、計数した入金額と、現金在り高を含む入金電文を生成し、入金機サーバ300bへ送信する(705)。入金機サーバ300bは、売上金の入金電文に基づく入金記録を入金機入出金記録3100に登録する(706)。続いて、入金機サーバ300bは、この入金記録に対応する出金記録を照会する出金記録照会電文を生成し、POS店舗サーバ200bに送信する(707)。POS店舗サーバ200bは、受信した出金記録照会電文の操作者ID630eに基づく出金記録応答処理を行う(708)。出金記録応答処理では、POS情報DB3100の出金記録を検索し、対応する出金記録を抽出して出金記録照会応答を生成し、入金機サーバ300bに送信する(709)。入金機サーバ300bは、出金記録応答電文を受信し、入金機320から通知された売上金の入金電文に記載されている入金額と、出金記録応答電文に記載されているPOS端末220の出金額と、を金種別に照合する(710)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(711)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数も通知する。
【0122】
このように、POS端末220から出金した売上金を入金機320に入金する場合には、入金側の入金機320を管理する入金機サーバ300bが受け渡した現金が一致するかどうかを確認する。
【0123】
以上の処理手順が実行されることにより、POS店舗サーバ200bと入金機サーバ300bとが、現金受け渡しが正しく行われたかどうかの現金一致確認を分担して行うことができる。POS端末220及び入金機320は、現金一致確認処理を行わないので、通常の業務処理に影響を与えず、かつ、厳密なチェックを行うことができる。また、一致確認処理は、POS店舗サーバ200bと、入金機サーバ300bとに分散されるため、処理に要する負荷も分散することができる。
【0124】
(4)現金管理サーバが現金管理を行う場合
現金管理サーバが現金管理を行う現金管理システムは、図13に示したPOS店舗サーバの現金一致処理部204の機能と、図19に示した入金機サーバ300aの現金一致処理部308の機能とを、現金管理サーバが有する構成である。そこで、図13及び図19に示した構成要素と同じものには同じ符号を用いて説明する。
【0125】
図27は、現金管理サーバが現金管理を行う現金管理システムの構成例を示した図である。
現金管理サーバ100は、装置全体を制御する制御部111と、現金記録参照部112、店舗内入出金管理部113、現金一致処理部114、開局処理部115、閉店処理部116、電子メール送信部117及び通信制御部118の処理手段と、現金管理DB110と、を有する。各処理手段は、コンピュータが現金管理プログラムを実行することにより、その処理機能を実現する。
【0126】
現金記録参照部112は、POS店舗サーバ200aがPOS情報DB210に記憶するPOS#1(220a),POS#2(220b),・・・の現金在り高情報を取得し、現金管理DB110に格納する。同様に、入金機サーバ300が入金機情報DB310に記憶する入金機#1(320a),入金機#2(320b),・・・の現金在り高情報を取得し、現金管理DB110に格納する。店舗内入出金管理部113は、所定の周期で、POS店舗サーバ200aがPOS情報DB210に記憶する所定の期間のPOS端末入出金記録2100と、入金機サーバ300が入金機情報DB310に記憶する入金機入出金記録3100を取得し、店舗内の入出金管理記録として現金管理DB110に格納する。例えば、5分周期で入出金記録を収集し、前回の収集時点から新たに登録された記録を取得する。
【0127】
現金一致処理部114は、店舗内入出金管理部113が取得した店舗内の入出金記録に基づき、POS端末220と入金機320との間で行われた現金受け渡しのチェック処理を行う。例えば、POS店舗サーバ200aから図11に示したPOS端末入出金記録2100、入金機サーバ300から図12に示した入金機入出金記録3100を取得した場合を例に説明する。POS端末入出金記録2100の1行目には、操作者(操作者ID=102)によって、釣銭準備金入金(入出金種別=01)が行われ、金種別に5千円札が10、2千円札が10、千円札が20、五百円硬貨が30、百円硬貨が50、50円硬貨が50、10円硬貨が60、5円硬貨が60、1円硬貨が70、入金されたことを示している。操作者ID(=102)に基づき、入金機入出金記録3100を検索すると、1行目の出金記録(釣銭出金=02)の操作者IDが一致する。このとき、必要に応じて、入出金種別が対応しているかどうか、入出金時刻が所定の時間以上離れていないかなどのチェックを行うとしてもよい。ここでは、POS端末入出金記録2100の1行目の入金記録と、入金機入出金記録3100の1行目の出金記録とが対応すると判定する。そして、対応付けた入金記録の入出金額と、出金記録の入出金額とを金種別に照合する。この例では、金種別の数が一致するので、現金受け渡しは正常に行われたと判定する。一致しない場合は、不一致が発生したことを通知するメールを作成し、電子メール送信部117を経由して管理者端末500に送信する。
【0128】
開局処理部115は、現金管理サーバ100の開局処理を行う。閉店処理部116は、現金管理サーバ100の閉店時の処理を行う。例えば、当日の店舗内入出金記録や、現金一致チェックの結果記録を表示装置または印刷装置を介して出力する。電子メール送信部117は、管理者端末500に電子メールを送信する。通信制御部118は、POS店舗サーバ200a及び入金機サーバ300と接続し、POS店舗サーバ200a及び入金機サーバ300との間の電文の送受信を制御する。
【0129】
電文について説明する。
図28は、現金管理サーバからPOS店舗サーバへの入出金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、入出金記録照会電文、(b)は入出金記録応答電文である。
【0130】
(a)入出金記録照会電文(現金管理サーバ→POS店舗サーバ)は、現金管理サーバ100がPOS店舗サーバ200aのPOS情報DB210に記憶するPOS端末入出金記録2100の照会を要求する電文である。入出金記録照会電文は、日付640a、時刻640b、現金管理サーバID640c及び電文種別640dの各情報を有する。日付640a及び時刻640bは、開局電文と同様である。現金管理サーバID640cは、自装置の識別情報である。電文種別640dは、この電文が入出金記録(ログ)の照会であることを示す。
【0131】
(b)入出金記録応答電文(POS店舗サーバ→現金管理サーバ)は、(a)の入出金記録照会電文を受信したPOS店舗サーバ200aの応答電文である。入出金記録応答電文は、日付642a、時刻642b、POS店舗サーバID642c、電文種別642d、に加え、POS端末入出金記録2100から抽出した入出金種別642e、POS−ID642f、操作者ID642g、POS取引通番642h、入出金時刻642i及び入出金額642jから成る情報群が、所定の期間分添付されている。
【0132】
図29は、現金管理サーバから入金機サーバへの入出金記録照会電文とその応答電文の一例である。(a)は、入出金記録照会電文、(b)は入出金記録応答電文である。
(a)入出金記録照会電文(現金管理サーバ→入金機サーバ)は、現金管理サーバ100が入金機サーバ300の入金機情報DB310に記憶する入金機入出金記録3100の照会を要求する電文である。入出金記録照会電文は、日付644a、時刻644b、現金管理サーバID644c及び電文種別644dの各情報を有する。各情報は、図28に示したPOS店舗サーバ200aに送信する入出金記録照会電文と同様である。
【0133】
(b)入出金記録応答電文(入金機サーバ→現金管理サーバ)は、(a)の入出金記録照会電文を受信した入金機サーバ300の応答電文である。入出金記録応答電文は、日付646a、時刻646b、入金機サーバID646c、電文種別646d、に加え、入金機入出金記録3100から抽出した入出金種別646e、入金機ID646f、操作者ID646g、入金機取引通番646h、入出金時刻646i及び入出金額646jから成る情報群が、所定の期間分添付されている。
【0134】
図30は、現金サーバが現金管理を行う場合の現金管理処理の流れを示した図である。 POS店舗サーバ200aには、管理下のPOS端末220の最新のPOS端末入出金記録2100が保持され、入金機サーバ300には、管理下の入金機320の最新の入金機入出金記録3100が保持されているとする。
【0135】
現金管理サーバ100は、一定周期で入出金記録収集を行う(720)。現金管理サーバ100は、POS店舗サーバ200aに対し、POS店舗サーバ200aがPOS情報DB210に記憶するPOS端末入出金記録の照会電文をPOS店舗サーバ200aに送信する(721)。POS店舗サーバ200aは、照会電文に基づき、POS端末入出金記録2100から応答電文を作成する(722)。そして、作成した入出金記録応答電文を現金管理サーバ100に送信する(723)。POS店舗サーバ200aから入出金記録応答電文を受信した現金管理サーバ100は、続いて、入金機サーバ300に対し、入金機サーバ300が入金機情報DB310に記憶する入金機入出金記録の照会電文を入金機サーバ300に送信する(724)。入金機サーバ300は、照会電文に基づき、入金機入出金記録3100から応答電文を作成する(725)。そして、作成した入出金記録応答電文を現金管理サーバ100に送信する(726)。
【0136】
現金管理サーバ100は、POS店舗サーバ200aから取得したPOS端末220の入出金記録と、入金機サーバ300から取得した入金機320の入出金記録とに基づいて、POS端末220と入金機320との間で受け渡しされる現金の入出金額を、金種別に照合する(727)。一致しないときは、エラー通知として現金不一致を管理者に通知する(728)。エラー通知の際には、不一致の金種と、不一致の数、操作者ID、POS−ID、入金機ID等も通知する。
【0137】
以上の処理手順が実行されることにより、現金管理サーバ100で現金受け渡しが正しく行われたかどうかの現金一致確認を行うことができる。POS端末220及び入金機320は、現金一致確認処理を行わないので、通常の業務処理に影響を与えず、かつ、厳密なチェックを行うことができる。
【0138】
図31は、現金管理サーバの現金管理処理の手順を示したフローチャートである。
現金管理サーバ100は、開局後、以下の現金管理処理の手順を繰り返し実行する。
[ステップS51] 入出金記録の収集周期であるかどうかを判定する。収集周期でなければ、収集周期に到達するまで待つ。収集周期であれば、処理をステップS52に進める。
【0139】
[ステップS52] 収集周期であれば、現金管理サーバ100は、POS店舗サーバ200aに対し、POS店舗サーバ200aがPOS情報DB210に記憶するPOS端末入出金記録2100の照会電文を送信する。そして、POS店舗サーバ200aからのPOS端末入出金記録2100を取得する。
【0140】
[ステップS53] 現金管理サーバ100は、入金機サーバ300に対し、入金機サーバ300が入金機情報DB310に記憶する入金機入出金記録3100の照会電文を送信する。そして、入金機サーバ300からの入金機入出金記録3100を取得する。
【0141】
[ステップS54] ステップS51で取得したPOS端末220の入金記録とステップS52で取得した入金機320の出金記録、及びステップS51で取得した入金機320の入金記録と、ステップS52で取得したPOS端末220の出金記録とを、それぞれに含まれる操作者IDを用いて対応付ける。
【0142】
[ステップS55] 対応付けた入金記録の入金額と、出金記録の出金額と、を照合する。
[ステップS56] ステップS55における照合の結果、対応付けた入金記録の入金額と、出金記録の出金額とが一致していたときは、処理をステップS58に進める。一致していなかったときは、処理をステップS57に進める。
【0143】
[ステップS57] 対応付けた入金記録の入金額と、出金記録の出金額とが一致していなかったときは、不一致エラーを通知するメッセージを生成し、管理者端末500に送信する。
【0144】
[ステップS58] ステップS52及びステップS53で収集した入出金記録の照合がすべて終わったかどうかを判定する。すべて終了していないときは、ステップS55に戻って、次の記録の入金額と出金額を照合する。
【0145】
以上の処理手順が実行されることにより、POS端末と入金機との間の現金受け渡しが正しく行われたかどうかを確認することができる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、現金管理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0146】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0147】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0148】
10 現金管理装置
11 入出金情報取得手段
12 管理情報記憶手段
13 照合手段
14 エラー通知手段
15 現金在り高管理手段
20a,20b 現金処理装置(勘定場)
21 現金管理手段
22 出金情報通知手段
23 入金情報通知手段
30a,30b 現金処理装置(事務所)
31 現金管理手段
32 出金情報通知手段
33 入金情報通知手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内に配置される現金処理装置と、前記現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理装置を有する現金管理システムにおいて、
前記現金処理装置は、
出金指示を受けて出金処理を行うときに、前記出金指示を行った出金操作者の識別情報と、出金した出金額とを対応付けた出金情報を生成し、該出金情報を前記現金管理装置に通知する出金情報通知手段と、
入金指示を受けて入金処理を行うときに、前記入金指示を行った入金操作者の識別情報と、入金した入金額とを対応付けた入金情報を生成し、該入金情報を前記現金管理装置に通知する入金情報通知手段とを有し、
前記現金管理装置は、
出金側の前記現金処理装置から前記出金情報を受け取り、入金側の前記現金処理装置から前記入金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶する入出金情報取得手段と、
前記入金情報から前記入金操作者の識別情報を抽出し、前記入金操作者の識別情報に基づいて前記管理情報記憶手段に記憶される前記出金情報を検索し、前記出金操作者の識別情報が該入金操作者の識別情報と一致する前記出金情報を抽出して前記入金情報と対応付け、対応付けた前記出金情報の出金額と、前記入金情報の入金額とを照合して一致した場合は正常な現金受け渡しが行われたと判定する照合手段と、
前記照合手段による照合で前記出金額と前記入金額とが一致しなかった場合は予め決められた管理者端末にエラーを通知するエラー通知手段とを有する、
ことを特徴とする現金管理システム。
【請求項2】
前記現金処理装置は、出金情報通知手段が前記出金情報に自装置の識別情報を添付して前記現金管理装置に通知するとともに、入金通知手段が前記入金情報に前記自装置の識別情報を付加して前記現金管理装置に通知し、
前記現金管理装置は、前記入出金情報取得手段が、前記出金情報及び前記入金情報と、前記出金情報及び前記入金情報に添付された前記現金処理装置の識別情報と、に基づいて、前記入金操作者ごとの入出金履歴情報と、前記現金処理装置ごとの入出金履歴情報と、を生成して前記管理情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項3】
前記現金管理装置の前記エラー通知手段は、前記管理情報記憶手段に予め前記管理者端末に設定されている電子メールアドレスを記憶しておき、前記出金額と前記入金額とが不一致のときは、前記出金額、前記入金額、前記入金操作者の識別情報、前記出金側の現金処理装置の識別情報及び前記入金側の現金処理装置の識別情報とを設定したメッセージを生成し、前記管理情報記憶手段に記憶される管理者端末の電子メールアドレスを宛先として、該メッセージを前記管理者端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項4】
前記現金処理装置は、自装置が保有する現金の在り高を貨幣の種類ごとに計数して金種別現金在り高を計測する計測手段を有し、前記出金情報通知手段は、前記出金情報の出金額を金種別の数量で表すとともに、前記出金情報に前記金種別現金在り高を添付して前記現金管理装置に通知し、前記入金情報通知手段は、前記入金情報の入金額を金種別の数量で表すとともに、前記入金情報に前記金種別現金在り高を添付して前記現金管理装置に通知し、
前記現金管理装置は、前記出金情報及び前記入金情報に添付される前記金種別在り高に基づいて、それぞれの前記現金処理装置及び店舗全体の現金在り高を管理する現金在り高管理手段を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項5】
前記現金管理システムは、前記現金処理装置が、商品代金の精算に用いる現金を管理する取引機、または、前記店舗の売上金を保管する入金機として機能するとともに、前記取引機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する取引機管理装置と、前記入金機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する入金機管理装置とを有し、
前記取引機管理装置が、前記取引機より前記入金情報または前記出金情報を取得したときは、前記入金機管理装置から、前記入金操作者の識別情報に対応する前記入金機の出金情報または前記出金操作者の識別情報に対応する前記入金機の出金情報を取得する前記入出金情報取得手段と、前記取引機より取得した前記入金情報と前記入金機管理装置から取得した前記入金機の出金情報、または前記取引機より取得した前記出金情報と前記入金機管理装置から取得した前記入金機の入金情報に含まれる前記入金額と前記出金額とを照合する前記照合手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項6】
前記現金管理システムは、前記現金処理装置が、商品代金の精算に用いる現金を管理する取引機、または、前記店舗の売上金を保管する入金機として機能するとともに、前記取引機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する取引機管理装置と、前記入金機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する入金機管理装置とを有し、
前記入金機管理装置が、前記入金機から前記入金情報または前記出金情報を取得したときは、前記取引機管理装置から、前記入金操作者の識別情報に対応する前記取引機の出金情報または前記出金操作者の識別情報に対応する前記取引機の出金情報を取得する前記入出金情報取得手段と、前記入金機より取得した前記入金情報と前記取引機管理装置から取得した前記取引機の出金情報、または前記入金機より取得した前記出金情報と前記取引機管理装置から取得した前記取引機の入金情報に含まれる前記入金額と前記出金額とを照合する前記照合手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項7】
前記現金管理システムは、前記現金処理装置が、商品代金の精算に用いる現金を管理する取引機、または、前記店舗の売上金を保管する入金機として機能するとともに、前記取引機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する取引機管理装置と、前記入金機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する入金機管理装置とを有し、
前記現金管理装置は、前記取引機管理装置が所定の期間に収集した前記取引機の入金情報及び出金情報の記録と、前入金機管理装置が前記所定の期間に収集した前記入金機の入金情報及び出金情報の記録と、を取得する前記入出金情報取得手段と、前記取引機管理装置より取得した前記取引機の入金情報及び出金情報の記録と、前記入金機管理装置より取得した前記取引機の入金情報及び出金情報の記録に含まれる前記出金操作者の識別情報及び前記入金操作者の識別情報に基づいて、前記取引機の入金情報と前記入金機の出金情報、及び前記取引機の出金情報と前記入金機の入金情報とを対応付け、対応付けられた前記入金情報の入金額と前記出金情報の出金額とを照合する前記照合手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項8】
店舗内に配置される現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理処理を行うコンピュータを機能させる現金管理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
出金指示を受けて出金処理を行うときに、前記出金指示を行った出金操作者の識別情報と、出金した出金額とを対応付けた出金情報を生成して送信する出金側の前記現金処理装置から前記出金情報を受け取り、入金指示を受けて入金処理を行うときに、前記入金指示を行った入金操作者の識別情報と、入金した入金額とを対応付けた入金情報を生成して送信する入金側の前記現金処理装置から前記入金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶する入出金情報取得手段、
前記入金情報から前記入金操作者の識別情報を抽出し、前記入金操作者の識別情報に基づいて前記管理情報記憶手段に記憶される前記出金情報を検索し、前記出金操作者の識別情報が該入金操作者の識別情報と一致する前記出金情報を抽出して前記入金情報と対応付け、対応付けた前記出金情報の出金額と、前記入金情報の入金額とを照合して一致した場合は正常な現金受け渡しが行われたと判定する照合手段、
前記照合手段による照合で前記出金額と前記入金額とが一致しなかった場合は予め決められた管理者端末にエラーを通知するエラー通知手段、
として機能させることを特徴とする現金管理プログラム。
【請求項9】
店舗内に配置される現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理方法において、
コンピュータが、
出金指示を受けて出金処理を行うときに、前記出金指示を行った出金操作者の識別情報と、出金した出金額とを対応付けた出金情報を生成して送信する出金側の前記現金処理装置から前記出金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶し、
入金指示を受けて入金処理を行うときに、前記入金指示を行った入金操作者の識別情報と、入金した入金額とを対応付けた入金情報を生成して送信する入金側の前記現金処理装置から前記入金情報を受け取って前記管理情報記憶手段に記憶し、
前記入金情報から前記入金操作者の識別情報を抽出し、前記入金操作者の識別情報に基づいて前記管理情報記憶手段に記憶される前記出金情報を検索し、前記出金操作者の識別情報が該入金操作者の識別情報と一致する前記出金情報を抽出して前記入金情報と対応付け、対応付けた前記出金情報の出金額と、前記入金情報の入金額とを照合して一致した場合は正常な現金受け渡しが行われたと判定し、
前記出金額と前記入金額とが一致しなかった場合は予め決められた管理者端末にエラーを通知する、
ことを特徴とする現金管理方法。
【請求項1】
店舗内に配置される現金処理装置と、前記現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理装置を有する現金管理システムにおいて、
前記現金処理装置は、
出金指示を受けて出金処理を行うときに、前記出金指示を行った出金操作者の識別情報と、出金した出金額とを対応付けた出金情報を生成し、該出金情報を前記現金管理装置に通知する出金情報通知手段と、
入金指示を受けて入金処理を行うときに、前記入金指示を行った入金操作者の識別情報と、入金した入金額とを対応付けた入金情報を生成し、該入金情報を前記現金管理装置に通知する入金情報通知手段とを有し、
前記現金管理装置は、
出金側の前記現金処理装置から前記出金情報を受け取り、入金側の前記現金処理装置から前記入金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶する入出金情報取得手段と、
前記入金情報から前記入金操作者の識別情報を抽出し、前記入金操作者の識別情報に基づいて前記管理情報記憶手段に記憶される前記出金情報を検索し、前記出金操作者の識別情報が該入金操作者の識別情報と一致する前記出金情報を抽出して前記入金情報と対応付け、対応付けた前記出金情報の出金額と、前記入金情報の入金額とを照合して一致した場合は正常な現金受け渡しが行われたと判定する照合手段と、
前記照合手段による照合で前記出金額と前記入金額とが一致しなかった場合は予め決められた管理者端末にエラーを通知するエラー通知手段とを有する、
ことを特徴とする現金管理システム。
【請求項2】
前記現金処理装置は、出金情報通知手段が前記出金情報に自装置の識別情報を添付して前記現金管理装置に通知するとともに、入金通知手段が前記入金情報に前記自装置の識別情報を付加して前記現金管理装置に通知し、
前記現金管理装置は、前記入出金情報取得手段が、前記出金情報及び前記入金情報と、前記出金情報及び前記入金情報に添付された前記現金処理装置の識別情報と、に基づいて、前記入金操作者ごとの入出金履歴情報と、前記現金処理装置ごとの入出金履歴情報と、を生成して前記管理情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項3】
前記現金管理装置の前記エラー通知手段は、前記管理情報記憶手段に予め前記管理者端末に設定されている電子メールアドレスを記憶しておき、前記出金額と前記入金額とが不一致のときは、前記出金額、前記入金額、前記入金操作者の識別情報、前記出金側の現金処理装置の識別情報及び前記入金側の現金処理装置の識別情報とを設定したメッセージを生成し、前記管理情報記憶手段に記憶される管理者端末の電子メールアドレスを宛先として、該メッセージを前記管理者端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項4】
前記現金処理装置は、自装置が保有する現金の在り高を貨幣の種類ごとに計数して金種別現金在り高を計測する計測手段を有し、前記出金情報通知手段は、前記出金情報の出金額を金種別の数量で表すとともに、前記出金情報に前記金種別現金在り高を添付して前記現金管理装置に通知し、前記入金情報通知手段は、前記入金情報の入金額を金種別の数量で表すとともに、前記入金情報に前記金種別現金在り高を添付して前記現金管理装置に通知し、
前記現金管理装置は、前記出金情報及び前記入金情報に添付される前記金種別在り高に基づいて、それぞれの前記現金処理装置及び店舗全体の現金在り高を管理する現金在り高管理手段を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項5】
前記現金管理システムは、前記現金処理装置が、商品代金の精算に用いる現金を管理する取引機、または、前記店舗の売上金を保管する入金機として機能するとともに、前記取引機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する取引機管理装置と、前記入金機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する入金機管理装置とを有し、
前記取引機管理装置が、前記取引機より前記入金情報または前記出金情報を取得したときは、前記入金機管理装置から、前記入金操作者の識別情報に対応する前記入金機の出金情報または前記出金操作者の識別情報に対応する前記入金機の出金情報を取得する前記入出金情報取得手段と、前記取引機より取得した前記入金情報と前記入金機管理装置から取得した前記入金機の出金情報、または前記取引機より取得した前記出金情報と前記入金機管理装置から取得した前記入金機の入金情報に含まれる前記入金額と前記出金額とを照合する前記照合手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項6】
前記現金管理システムは、前記現金処理装置が、商品代金の精算に用いる現金を管理する取引機、または、前記店舗の売上金を保管する入金機として機能するとともに、前記取引機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する取引機管理装置と、前記入金機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する入金機管理装置とを有し、
前記入金機管理装置が、前記入金機から前記入金情報または前記出金情報を取得したときは、前記取引機管理装置から、前記入金操作者の識別情報に対応する前記取引機の出金情報または前記出金操作者の識別情報に対応する前記取引機の出金情報を取得する前記入出金情報取得手段と、前記入金機より取得した前記入金情報と前記取引機管理装置から取得した前記取引機の出金情報、または前記入金機より取得した前記出金情報と前記取引機管理装置から取得した前記取引機の入金情報に含まれる前記入金額と前記出金額とを照合する前記照合手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項7】
前記現金管理システムは、前記現金処理装置が、商品代金の精算に用いる現金を管理する取引機、または、前記店舗の売上金を保管する入金機として機能するとともに、前記取引機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する取引機管理装置と、前記入金機から前記入金情報及び前記出金情報を取得して管理する入金機管理装置とを有し、
前記現金管理装置は、前記取引機管理装置が所定の期間に収集した前記取引機の入金情報及び出金情報の記録と、前入金機管理装置が前記所定の期間に収集した前記入金機の入金情報及び出金情報の記録と、を取得する前記入出金情報取得手段と、前記取引機管理装置より取得した前記取引機の入金情報及び出金情報の記録と、前記入金機管理装置より取得した前記取引機の入金情報及び出金情報の記録に含まれる前記出金操作者の識別情報及び前記入金操作者の識別情報に基づいて、前記取引機の入金情報と前記入金機の出金情報、及び前記取引機の出金情報と前記入金機の入金情報とを対応付け、対応付けられた前記入金情報の入金額と前記出金情報の出金額とを照合する前記照合手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の現金管理システム。
【請求項8】
店舗内に配置される現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理処理を行うコンピュータを機能させる現金管理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
出金指示を受けて出金処理を行うときに、前記出金指示を行った出金操作者の識別情報と、出金した出金額とを対応付けた出金情報を生成して送信する出金側の前記現金処理装置から前記出金情報を受け取り、入金指示を受けて入金処理を行うときに、前記入金指示を行った入金操作者の識別情報と、入金した入金額とを対応付けた入金情報を生成して送信する入金側の前記現金処理装置から前記入金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶する入出金情報取得手段、
前記入金情報から前記入金操作者の識別情報を抽出し、前記入金操作者の識別情報に基づいて前記管理情報記憶手段に記憶される前記出金情報を検索し、前記出金操作者の識別情報が該入金操作者の識別情報と一致する前記出金情報を抽出して前記入金情報と対応付け、対応付けた前記出金情報の出金額と、前記入金情報の入金額とを照合して一致した場合は正常な現金受け渡しが行われたと判定する照合手段、
前記照合手段による照合で前記出金額と前記入金額とが一致しなかった場合は予め決められた管理者端末にエラーを通知するエラー通知手段、
として機能させることを特徴とする現金管理プログラム。
【請求項9】
店舗内に配置される現金処理装置間で受け渡しされる現金を管理する現金管理方法において、
コンピュータが、
出金指示を受けて出金処理を行うときに、前記出金指示を行った出金操作者の識別情報と、出金した出金額とを対応付けた出金情報を生成して送信する出金側の前記現金処理装置から前記出金情報を受け取って管理情報記憶手段に記憶し、
入金指示を受けて入金処理を行うときに、前記入金指示を行った入金操作者の識別情報と、入金した入金額とを対応付けた入金情報を生成して送信する入金側の前記現金処理装置から前記入金情報を受け取って前記管理情報記憶手段に記憶し、
前記入金情報から前記入金操作者の識別情報を抽出し、前記入金操作者の識別情報に基づいて前記管理情報記憶手段に記憶される前記出金情報を検索し、前記出金操作者の識別情報が該入金操作者の識別情報と一致する前記出金情報を抽出して前記入金情報と対応付け、対応付けた前記出金情報の出金額と、前記入金情報の入金額とを照合して一致した場合は正常な現金受け渡しが行われたと判定し、
前記出金額と前記入金額とが一致しなかった場合は予め決められた管理者端末にエラーを通知する、
ことを特徴とする現金管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2011−113154(P2011−113154A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266914(P2009−266914)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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