説明

現金自動取引装置

【課題】シャッタ動作に異常のある状態で接客口に紙幣を搬送することを防止し、シャッタ異常が原因で貨幣が第三者に持ち去られることを防止できる現金自動取引装置を提供する。
【解決手段】紙幣を収納する紙幣収納部と、開閉するシャッタ20aを有して紙幣を出金する接客口20と、前記紙幣収納部から前記接客口20へ紙幣を搬送する搬送路とを備えた現金自動取引装置101cであって、前記シャッタを開閉動作させる開閉駆動手段と、前記シャッタ20aの開閉動作が正常であるか否か確認する制御部10と、確認結果が正常であれば前記紙幣収納部から前記接客口20への紙幣の搬送を実行し、正常でなければ前記紙幣収納部から前記接客口20への紙幣の搬送を実行しない制御部10とを備えた現金自動取引装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば金融機関やコンビニエンスストア等に設置される所謂ATMと呼ばれるような現金自動取引装置に関し、特に紙幣を受け渡す接客口にシャッタを備えた現金自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現金自動取引装置は、紙幣を受け渡す接客口にシャッタが備えられており、このシャッタがパルスモータで開閉駆動するように構成されている(特許文献1参照)。このような現金自動取引装置は、シャッタが開状態であるか閉状態であるかを検知するため、シャッタの開閉を検知する開閉検知センサが取り付けられている場合もある。
【0003】
ここで、故障などの原因により、シャッタが半開状態であるにもかかわらずシャッタの開閉センサが「閉」を検知する場合が発生し得る。このような状況が発生すると、現金自動取引装置は、開閉センサにて「閉」であることを検知しているため、通常通りに接客口へ紙幣を搬送する。
【0004】
しかし、搬送の後もシャッタが正常に動作せずに半開状態で止まった状態であれば、紙幣出金後にシャッタ異常を検知し、現金自動取引装置がダウンすることが考えられる。このような状況で現金自動取引装置がダウンすると、接客口に紙幣が存在する状態であるため、第三者によりシャッタがこじ開けられて接客口の紙幣が持ち去られる可能性があった。
【特許文献1】特公平8−3863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、シャッタ動作に異常のある状態で接客口に紙幣を搬送することを防止し、シャッタ異常が原因で貨幣が第三者に持ち去られることを防止できる現金自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、シャッタを開閉動作させる開閉駆動手段と、前記シャッタの開閉動作が正常であるか否か確認する確認手段と、該確認手段の確認結果が正常であれば前記紙幣収納部から前記出金口への紙幣の搬送を実行し、正常でなければ前記紙幣収納部から前記出金口への紙幣の搬送を実行しない出金可否決定手段とを備えた現金自動取引装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明により、シャッタ動作に異常のある状態で接客口に紙幣を搬送することを防止し、シャッタ異常が原因で貨幣が第三者に持ち去られることを防止できる現金自動取引装置を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、現金自動取引装置101の外観を示す斜視図である。
現金自動取引装置101の左部内部には、上部正面板101aに設けられたカードスロット102aと連通し利用者のカードを処理し、取引明細票を印字して放出するカード・明細票処理機構102と、取引の内容を表示および入力する顧客操作部105とが備えられている。現金自動取引装置101全体は、装置筐体101cで囲われている。現金自動取引装置101の右部内部には、紙幣を処理する紙幣入出金機1が備えられており、上部の傾いた正面板101bにシャッタ20aが設けられている。紙幣入出金機1の下部の紙幣収納部は、装置筐体101cとは別の数十mmの厚い鉄板などで構成された金庫筐体106で囲まれている。装置筐体101cも堅固な筐体構造であるが、金庫筐体106はさらに堅固な構造で、セキュリティを高めている。この現金自動取引装置101は、カード、紙幣、明細票を媒体とし、利用者の預け入れ、支払い、振り込みなどの処理を行なうものである。
【0010】
図2は、現金自動取引装置101の制御関係を示す制御ブロック図である。
現金自動取引装置101に納められたカード・明細票処理機構102、紙幣入出金機1および顧客操作部105は、バス106aを介して本体制御部107と接続されており、本体制御部107の制御の下に必要な動作を行なう。本体制御部107は、他に、インタフェース部107b、係員操作部107c、外部記憶装置107dともバス106aを介して接続されており、必要なデータのやりとりを行なう。なお、図2に示した101dは、上記各機構部分や構成部分に電力を供給する電源部である。
【0011】
図3は、現金自動取引装置101の中に配置される紙幣入出金機1の制御関係を示す制御ブロック図である。
紙幣入出金機1の制御部10は、現金自動取引装置101の本体制御部107とバス106aを介して接続され、本体制御部107からの指令および紙幣入出金機1の状態検出に応じて紙幣入出金機1の制御を行い、また、紙幣入出金機1の状態を必要に応じて本体制御部107に送る。
【0012】
この紙幣入出金機1は、各ユニット(出金口としての接客口20、紙幣判別部30、一時保管庫40、紙幣搬送路50、入金庫60、出金庫70、リサイクル庫80、装填・回収庫81)の駆動モータや電磁ソレノイドといったアクチュエータ、およびセンサなども有し(図示せず)、取引に応じて、センサで状態を監視しながらアクチュエータを駆動制御する。従って、接客口20のシャッタ20aの開閉駆動や、シャッタ20aの開閉検知も実行する。
【0013】
図4は、紙幣入出金機1の構成を示す側面図である。
紙幣入出金機1は、利用者が紙幣の投入・取り出しを行なう接客口20と、紙幣の判別を行なう紙幣判別部30と、入金した紙幣を取引成立までの間一旦収納する一時保管庫40と、入金取引が成立した紙幣を収納する1個の入金庫60と、出金用の紙幣を収納する1個の出金庫70と、入出金兼用の2個のリサイクル庫80と、リサイクル庫80に補充する紙幣やリサイクル庫80から回収した紙幣を収納する装填・回収庫81と、紙幣判別部30を通り、接客口20,一時保管庫40,入金庫60,出金庫70,リサイクル庫80,装填・回収庫81の間で紙幣を搬送する紙幣搬送路50(501a〜501h)と、制御部10とから構成される。なお、図4では制御部10は省略されている。
このように構成された紙幣入出金機1は、次のように入金取引処理および出金取引処理を実行する。
【0014】
入金取引処理時、接客口20に投入された紙幣は、一枚ずつに分離され、紙幣判別部30で、紙幣の金種、真偽が判定される。紙幣判別部30により判別された紙幣は、切替ゲート503(503a,503b)を切り替えて、一時保管庫40に一旦収納される。紙幣判別部30の判定によって判別できなかった紙幣や、傾きを生じている紙幣や、紙幣同志の間隔が異常(例えば、重なっている紙幣)の場合は、リジェクトされるべき紙幣(以下リジェクト紙幣)と判定される。リジェクト紙幣は、一時保管庫40には取り込まれず、切替ゲート503を切り替え、接客口20にもどされて収納され、利用者に返却される。
【0015】
入金した金額と装置として計数した金額とが合って、利用者によってその入金取引が確定(OK)されると、一時保管庫40に一旦収納された紙幣は、収納時の順番とは逆の順番で、逆方向に送出され、紙幣判別部30を通過する。そして、この紙幣判別部30を通過した紙幣は、切替ゲート502が502a方向に切り替えられ、入金庫60、リサイクル庫80、リジェクト庫90のいずれかの切替ゲート903が図示903b方向に切り替えられることにより、指定の収納庫に収納される。これにより、入金取引処理は終了する。
【0016】
出金取引処理では、まず、出金庫70、リサイクル庫80の各金種の金庫から所定の枚数づつ紙幣が繰り出され、紙幣判別部30に供給される。紙幣判別部30では、金種を判別する。そして、切替ゲート503が紙幣を接客口20側に収納されるように切り替えられ、紙幣判別部30を通過した紙幣は、接客口20に収納され、その後シャッタ20aを開いて利用者が紙幣を取り出せる状態となる。利用者が接客口20の収納部内にある紙幣を受取った後にシャッタ20aを閉じることにより、出金処理は終了する。
【0017】
図5は、出金取引処理にて制御部10が実行するシャッタ制御に関するフローチャートであり、図6は制御部10が実行するシャッタ動作確認処理のフローチャートであり、図7はシャッタ20aの動作の説明図である。
【0018】
図5に示すように、出金取引処理において、本体制御部107から「シャッタ動作確認」の指定が有った場合(ステップS1:YES)、出金動作開始前に、シャッタ動作確認処理(ステップS2)を行なう。なお、「シャッタ動作確認」の指定が無かった場合は(ステップS1:NO)、シャッタ動作確認処理を行わずステップS5へ処理を進める。また、シャッタ動作確認処理を実行する制御部10は確認手段として機能する。
【0019】
シャッタ動作確認処理で、シャッタ20aの開閉動作のいずれかまたは両方で異常を検知した場合(ステップS3:NO)は、紙幣を出金庫70等の紙幣収納庫(紙幣収納部)から繰り出すことなく取引を中止する(ステップS12)。なお、この段階でのシャッタ動作の確認は、シャッタ20aが開動作したか、および閉動作したかという簡単なチェックを行う。
【0020】
一方、シャッタ動作が正常である場合は(ステップS3:YES)、接客口20に紙幣が無いことを確認し(ステップS4)、出金庫70等の紙幣収納庫から紙幣を接客口20に搬送する(ステップS5)。接客口20への紙幣搬送が正常終了後にシャッタを開け(ステップS6)、顧客による紙幣の取り出しを検知するまで待機する(ステップS7:NO)。
【0021】
ここで、シャッタ開動作について詳述すると、図7(A)に示すように、シャッタ20aが完全に閉じている時、シャッタロック手段201aが図7(A)に図示するロック位置に突出しており、シャッタ20aを全閉位置でロックしている。この時、シャッタロックセンサ201bは、シャッタロック手段201aがロック位置に有ることを検知する。閉状態のシャッタ20aの開方向近傍に設けられたシャッタ全閉センサ202は、シャッタロック手段201aの検知と同時に、シャッタ20aが全閉位置に有る事を検知する。この全閉位置のとき、シャッタ20aの開口側先端から一定幅は、装置筐体101cのシャッタ20a用の開口部に設けられた縁部101eにより覆われるように配置されている。
【0022】
シャッタ20aを開ける時は、図7(B)に示すように、シャッタロック手段201aが、図示しない開閉駆動手段により図7(B)に図示する退避位置へ移動し、シャッタ20aの閉ロックを解除する。その後、図示しない開閉駆動手段は、シャッタ20aが全開位置まで開いたときに検知するシャッタ全開センサ203がシャッタ開を検知するまで(シャッタ全閉センサ202およびシャッタ全開センサ203がいずれもONとなるまで)、シャッタ20aを開方向に駆動し、シャッタ20aを全開する。
【0023】
紙幣の取り出しを検知すると(ステップS7:YES)、再度シャッタ20aを全閉位置まで(シャッタ全閉センサ202およびシャッタ全開センサ203がいずれもOFFとなるまで)閉じ(ステップS8)、接客口20に紙幣が残留していないことを確認する(ステップS9)。
【0024】
制御部10は、ステップS2〜S9の間で実行したシャッタ20aの開閉動作において、図示省略する開閉駆動手段にかかった負荷(例えばモータの負荷)やシャッタ20aの開閉速度等について、正常状態の負荷や開閉速度等であるかシャッタ開閉動作検知手段201により前記ステップS3より細かく確認する(ステップS10)。負荷や開閉速度等が正常状態でなく不安定動作をしていた場合は、図示省略する記憶手段に「シャッタ動作確認」指定有りと登録し(ステップS11)、出金取引処理を終了する。この登録では、指定有りの情報が、確認要否情報として記憶手段(確認要否情報記憶手段)に記憶される。この登録を行う制御部10は、出金可否決定手段として機能する。
【0025】
これにより、シャッタ20aの開閉速度が平常より遅い場合や、開閉駆動手段にかかる負荷が平常より大きいなどの不安定状態の場合に、今後故障などが生じる可能性が高まっている状態として、それまで実行しなかったシャッタ動作確認を実行する状態へ切り替えることができる。
【0026】
ここで、シャッタ20aを閉めるシャッタ閉動作について詳述すると、図示しない開閉駆動手段は、シャッタ全閉センサ202がシャッタ20aの全閉を検知するまで、シャッタ20aを閉方向に駆動し、シャッタ20aを全閉する。その後、シャッタロック手段201aが、図7(A)に示すロック位置へ突出し、シャッタ20aを全閉位置でロックし、同時にシャッタロックセンサ201bでシャッタロック手段201aがシャッタロック位置に有る事を検知する。
【0027】
図6に示すように、シャッタ動作確認処理では、まず図示しない開閉駆動手段がシャッタ20aを閉方向に駆動し(ステップS21)、シャッタ全閉センサ202がシャッタ20aの全閉を検知するまでこの閉方向の駆動を実行する(ステップS22)。
【0028】
シャッタロック手段201aは、図示しない開閉駆動手段により図7(C)に図示した退避位置へ移動し、シャッタ20aの閉ロックを解除する。その後、図示しない開閉駆動手段は、シャッタ20aが全閉位置にないことをシャッタ全閉センサ202が検知するのに十分な位置(シャッタ全閉センサ202がONでシャッタ全開センサ203がOFFとなる位置)までシャッタ20aを開方向に微小量駆動し(ステップS23)、この時シャッタ全閉センサ202が、シャッタが全閉位置にないことを正しく検知出来ている事を確認する(ステップS24)。ここで、開方向への微小量の駆動は、シャッタ20aの開口側先端が装置筐体101cの縁部101eの先端に達するまでの範囲内の移動とする。これにより、シャッタ20aを開方向へ微小量移動させても、シャッタ20aの先端が縁部101eに隠れた状態を維持でき、外から見てシャッタ20aが少しも開口していない状態での開閉動作を実現できる。
【0029】
その後、図示しない開閉駆動手段は、シャッタ全閉センサ202がシャッタ20aの全閉を検知するまで(シャッタ全閉センサ202およびシャッタ全開センサ203の両方がOFFを検知するまで)、シャッタ20aを閉方向に駆動し、シャッタ20aを全閉する。そして、シャッタロック手段201aが、シャッタロック位置に突出し、シャッタ20aを全閉位置でロックする(ステップS25)。この時、シャッタロックセンサ201bが、シャッタロック手段201aがロック位置に有ることを確認する(ステップS26)。
【0030】
以上の構成および動作により、シャッタ動作に異常のある状態で接客口20に紙幣を搬送することを防止し、シャッタ異常が原因で貨幣が第三者に持ち去られることを防止できる。シャッタ動作の確認は、微小量の開閉動作を行って取引毎にその場で確認しているため、センサ部分に物を挟まれるといったいたずら等によってシャッタ閉と検知しているような場合であっても、正常でないことを確実に検知できる。
【0031】
シャッタ20aを動作確認のために微小量開閉動作している間、シャッタ20aは装置筐体101cの縁部101eと重なった状態のままであるため、接客口20の内部が外から見えることがない。このため、確認動作中の美観を保つことができると共に、確認動作中に異物が挟まれてシャッタ20aが閉じなくなるといったことを防止できる。
【0032】
また、シャッタ20aの開閉動作が平常どおりの開閉速度および駆動負荷にて行われている間はシャッタ動作確認を実行せず、開閉速度や駆動負荷が正常と異なる値になってから、つまり動作が不安定になってからは、毎回シャッタ動作確認を実行するため、効率よく動作確認を行うことができる。すなわち、シャッタ動作が平常どおりであれば、次回の取引時にシャッタ動作に異常(シャッタ20aがきちんと開かない、あるいはきちんと閉まらない)が現れる可能性は少ないため、この動作確認を省略して効率化できる。シャッタ動作が不安定であれば、今後近いうちにシャッタ動作に異常が発生することが考えられるため、動作不良の予兆があると検知でき、これ以降は丁寧に動作確認することでトラブルを防止できる。
【0033】
また、閉検知では、ロックできていることを検知しているため、見た目上シャッタ20aは閉じているがロックがかかっていないといった場合も正しく閉じていないと検知することができる。
【0034】
また、シャッタ20aの開閉を開閉方向に離間して設けたシャッタ全閉センサ202およびシャッタ全開センサ203で検知し、このうちのシャッタ全閉センサ202を用いて微小開閉を検知するため、少ないセンサ数で効率よく全開、全閉、および微小開の検知を実現することができる。
【0035】
また、ステップS3ではシャッタ20aの微小開閉が行われたかどうかだけを簡単に確認し、ステップS10では開閉速度やモータの負荷が正常か否かまで詳細に確認することで、効率良い確認を実現できる。つまり、利用者との取引に関する処理となるステップS8までをステップS3の簡単な確認で短時間に終了し、取引完了後に実行されるステップS20にて動作状況を詳細にゆっくり確認することができる。
【実施例2】
【0036】
図8は、シャッタを二重構造にした場合の現金自動取引装置101の部分拡大側面図である。
この実施例2では、シャッタ20aの外側に、独立して制御可能な外側シャッタ20bを配し、シャッタ20aが微少量開閉する動作が顧客から見えないように、二重のシャッタ構造としている。
【0037】
この実施例2で出金取引処理を実行する場合、実施例1のステップS6ではシャッタ20a,20bを両方とも開動作し、ステップS8ではシャッタ20a,20bを両方とも閉動作すると良い。シャッタ動作確認処理では、次に説明する処理を実行すると良い。
【0038】
図9は、シャッタが二重構造の場合の「シャッタ動作確認処理」のフローチャートを示す。
シャッタ動作確認処理では、まず図示しない外側駆動手段および内側駆動手段が、外側シャッタ20bおよび内側シャッタ20aをそれぞれ独立して閉方向に駆動し(ステップS31,S32)、内側シャッタ20aの全閉を検知する(ステップS32)。
【0039】
そして、外側シャッタ20bは閉じた状態のままで、内側シャッタ20aを微小量開動作し(ステップS34)、内側シャッタ20aの開検知を行い(ステップS35),内側シャッタ20aを閉じて(ステップS36)、内側シャッタ20aの閉検知を行う(ステップS37)。
その他の構成および動作については、実施例1と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0040】
以上の構成および動作により、実施例1と同様に、シャッタ動作に異常のある状態で接客口20に紙幣を搬送することを防止し、シャッタ異常が原因で貨幣が第三者に持ち去られることを防止できる。
【0041】
シャッタ動作の確認中は、外側シャッタ20bが閉まっているため、センサ部分に物を挟まれるといったいたずら等が行われることを確実に検知できる。
【0042】
内側シャッタ20aを動作確認のために微小量開閉動作している間、外側シャッタ20bが閉まっているため、接客口20の内部が外から見えることがない。このため、確認動作中の美観を保つことができると共に、確認動作中に異物が挟まれて内側シャッタ20aが閉じなくなるといったことを防止できる。
【0043】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】現金自動取引装置の外観を示す斜視図。
【図2】現金自動取引装置の制御関係を示すブロック図。
【図3】紙幣入出金機の制御関係を示すブロック図。
【図4】紙幣入出金機の側面図。
【図5】シャッタ確認動作を含む出金処理を示す動作フロー。
【図6】シャッタ動作確認の動作フロー。
【図7】シャッタの開閉およびシャッタの微少開を示す説明図。
【図8】実施例2の二重シャッタの構造を示す側面図。
【図9】実施例2の二重シャッタでのシャッタ動作確認の動作フロー。
【符号の説明】
【0045】
10…制御部、20…接客口、20a…シャッタ,内側シャッタ、20b…外側シャッタ、50(501a〜501h)…紙幣搬送路、70…出金庫、101…現金自動取引装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を収納する紙幣収納部と、開閉するシャッタを有して紙幣を出金する出金口と、前記紙幣収納部から前記出金口へ紙幣を搬送する搬送路とを備えた現金自動取引装置であって、
前記シャッタを開閉動作させる開閉駆動手段と、
前記シャッタの開閉動作が正常であるか否か確認する確認手段と、
該確認手段の確認結果が正常であれば前記紙幣収納部から前記出金口への紙幣の搬送を実行し、正常でなければ前記紙幣収納部から前記出金口への紙幣の搬送を実行しない出金可否決定手段とを備えた
現金自動取引装置。
【請求項2】
前記確認手段を、前記開閉駆動手段によって前記シャッタを全閉位置から少し開閉動作させ、この少しの開閉動作が正常に行われたか否かを検知する構成とした
請求項1記載の現金自動取引装置。
【請求項3】
前記シャッタを、個別に駆動制御可能な外側シャッタと内側シャッタを二重に配して構成し、
前記開閉駆動手段を、前記外側シャッタを開閉駆動する外側駆動手段と、前記内側シャッタを開閉駆動する内側駆動手段とで構成し、
前記確認手段を、前記外側シャッタを閉じた状態で、前記内側駆動手段によって前記内側シャッタを開閉動作させ、この開閉動作が正常に行われたか否かを検知する構成とした
請求項1記載の現金自動取引装置。
【請求項4】
前記確認手段による確認を実行するか否かを示す確認要否情報を記憶する確認要否情報記憶手段を備え、
前記確認手段を、前記確認要否情報が確認必要であった場合に前記確認を実行し、確認不要であった場合に前記確認を実行しない構成とした
請求項1、2または3記載の現金自動取引装置。
【請求項5】
前記シャッタの開閉動作が不安定であった場合に前記確認要否情報を確認必要とする構成にした
請求項4記載の現金自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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