説明

環境の汚染物の処理

【課題】有機汚染物を含む汚染された土壌、沈降物、粘土、岩石、地下水、排水または廃水を処理する方法およびその方法に使用される組成物の提供。
【解決手段】過硫酸塩および過酸化水素を含む組成物と汚染物とを接触させることからなる環境媒体に存在する汚染物を酸化する方法およびその方法に使用される組成物であり、過硫酸塩は例えば一過硫酸塩または二過硫酸塩であり、過硫酸塩は例えば過硫酸ナトリウムであり、過硫酸塩対過酸化水素のモル比は例えば1:20-20:1に等しく、活性剤例えば二価または三価の遷移金属も含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌、地下水、排水(process water)および廃水(wastewater)中の有機化合物の現場または現場から後の酸化に関し、特に土壌および地下水中の揮発性または半揮発性の有機化合物、農薬および他の扱いにくい有機化合物の酸化に関する。
【背景技術】
【0002】
地表下の土壌および地下水の揮発性有機化合物(VOCs)、半揮発性有機化合物(SVOCs)、農薬、ポリクロロビフェニル(PCBs)、ポリ芳香族炭化水素(PAHs)および全石油炭化水素(TPHs)は、工業化国および工業化途上国における文書に十分に記載されかつ広範囲な問題である。これらのなかで著名なのは、その溶解性のために汚染された土壌を通過する水中に溶解することにより水の汚染源として働きそして重力の影響下土壌を通って移動できる、有毒または発ガン性のある、ヘンリーの法則の定数が10.sup.-7Atm m.sup.3/モルより大きい任意の少なくとも僅かに水に可溶な炭素含有化学化合物を含むVOCsであり、そして塩素化溶媒例えばトリクロロエチレン(TCE)、塩化ビニル、テトラクロロエチレン(PCE)、塩化メチレン、1、2-ジクロロエタン、1、1、1-トリクロロエタン(TCA)、1、1-ジクロロエタン、1、1-ジクロロエテン、四塩化炭素、ベンゼン、クロロホルム、クロロベンゼンおよび他の化合物例えば二臭化エチレンおよびメチル第三級ブチルエーテルを含むが、これらに限定されない。
【0003】
多くの場合、土壌へのVOCsおよび他の汚染物の放出は、帯水層の汚染を導き、将来に使用される地下水源の劣化および公共の健康への影響の可能性を生ずる。VOCsおよび他の有機汚染物により汚染された土壌の処理および改善は、高価であり、かなりの時間を要し、そして多くの場合不完全かまたは成功しない。水と一部または完全に混和する化合物(すなわち、非水性相液体(Non Aqueous Phase Liquids)すなわちNAPLs)の処理および改善は、特に困難である。また、非常に溶解するが生物学的に安定な有機汚染物例えばMTBEおよび1、4-ジオキサンの処理は、また、従来の改善技術では全く難しい。これは、もしこれらの化合物が、土壌環境で化学的または生物学的の何れかで自然に著しく劣化しないならば、特にそうである。地表下に存在するNAPLsは、ヒトおよび他の生物に有毒であり、そして溶解した水性または気相の揮発性有機化合物を地下水に徐々に放出し、地表下の化学的汚染物の長期(すなわち、数十年以上)の源を生ずる。多くの場合、地表下の地下水中の汚染物の地球深部の上昇流(plume)は、化学物資の源から数百フィートから数千フィートに延び、地表下の広範囲な汚染を生ずる。これらの化学物質は、次に地下水からの揮発により、飲料水の源、湖、河川そして住居の基礎にまで移動することがある。
【0004】
米国の環境保護庁(USEPA)は、種々の有害な化合物について最大濃度の範囲を規定している。非常に低いしかも厳格な飲料水の制限は、多くのハロゲン化有機化合物に課されている。例えば、溶媒例えばトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンおよび四塩化炭素に関する最大濃度の範囲は、5.mu.g/Lと決められており、一方クロロベンゼン、ポリクロロビフェニル(PCBs)および二臭化エチレンに関する最大濃度の範囲は、USEPAによってそれぞれ100.mu.g/Lおよび0.05.mu.g/Lと決められている。これらの浄化の基準を満たすことは、困難であり、時間がかかり、コストも要し、そしてしばしば現存する技術を使用しても、ほとんど不可能である。
【0005】
多くの方法が、土壌、地下水および廃水を改善して浄化の標準を満たすために存在する。それらの例は、掘って運びさること(dig-and-haul)、吸引して処理すること(pump-and-treat)、生分解、散布(sparging)および蒸気抽出を含む。しかし、厳格な浄化の標準を満たすことは、しばしば、費用および時間がかかり、そして多くの場合、扱いにくいすなわちこれらの処理に影響されない多くの化合物に対して無効である。
【0006】
地表下または廃水の流れの現場または現場から後で適用される化学的酸化は、強い酸化化学物質により汚染物を処理するアプローチであり、完全なミネラル化または二酸化炭素および水への変換を究極の目標とする。この目的で利用されているオキシダントの例は、フェントン試薬(活性化過酸化水素)、過マンガン酸塩およびオゾンを含む。過硫酸塩そして特に過硫酸ナトリウム(ペルオクソ二硫酸ナトリウム)は、最近では、化学的酸化により環境の改善に使用できることが示唆されている。
【0007】
過酸化水素そして特に金属活性化過酸化水素(フェントン試薬)の使用は、過去十年にわたって化学的酸化の改善による処理すべき現場への適用に用いられてきている。金属およびキレート化金属は、広範囲の汚染物を破壊できるヒドロキシラジカルを発生するのに利用されている。しかし、土壌または地下水においてそして還元した金属により、過酸化水素の形を発生する有機物は、かなり消費される。従って、かなりな量の過酸化水素が、重大ではない反応経路に浪費される。さらに、環境媒体内の金属活性剤の輸送は、オキシダントとして過酸化水素を有効に使用するには、キーとなる技術的なファクターである。また、フェントン試薬が非常に扱いにくい汚染物に対して有効であることを立証したデータは、ほとんどない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、有機汚染物を含む汚染された土壌、沈降物、粘土、岩石などを処理する方法、並びに有機汚染物を含む地下水、排水または廃水を処理する方法に関する。
【0009】
本発明の方法は、水溶性オキシダントすなわち過硫酸塩および過酸化水素の組み合わせを使用する。組み合わせは、ほとんどそして好ましくは、実質的にすべての目的汚染物と酸化化合物が接触しそして酸化して目的とする汚染物を無害にすることができることを保証する量、方法および条件下で、土壌または水中に導入される。
【0010】
好ましい態様では、本発明の組成物は、土壌のオキシダントが必要とする程度を満足するのに十分なしかも目的汚染物を酸化してそれらを無害にするのに十分な量で土壌中に導入される。この方法は、また、土地から取り除かれた汚染された土壌の量を処理するのに、現場または現場から後で使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、環境媒体中の広範囲の汚染物が、過硫酸塩および過酸化水素を含む組成物による処理によって有効に減少または取り除かれることが見いだされた。さらなる改善は、活性剤が組成物に含まれるとき、見いだされた。
【0012】
本発明の組成物による処理をうける汚染物は、以下のものを含む。揮発性有機化合物(VOCs)、半揮発性有機化合物(SVOCs)、多塩素化ビフェニル(PCBs)、ポリ芳香族炭化水素(PAHs)、全石油炭化水素(TPHs)(ベンゼン、トルエン、キシレンおよびエチルベンゼンを含む)、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、臭素化溶媒、1、4-ジオキサンおよび農薬(殺虫剤、殺草剤など)。
【0013】
本発明の方法によれば、汚染物は環境媒体中で処理される。本明細書で使用されるとき、「環境媒体」は、汚染物が見いだされる環境をさし、土壌、岩石、地下水、汚染された地球深部の上昇流、排水、廃水などを含むがこれらに限定されない。
【0014】
本発明の方法は、現場または現場から後で実施できる。現場の処理は、1つ以上の汚染物が見いだされる物理的な環境で行われる。現場から後の処理は、汚染された媒体が見いだされた場所からそれを取り出しそして異なる場所で処理することを含む。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、汚染された現場での揮発性有機化合物の酸化は、土壌中への過硫酸塩および過酸化水素の組み合わせの注入によって達成される。
【0016】
本発明の好ましい形では、過硫酸ナトリウム(Na)は、過酸化水素とともに汚染された土壌中に導入される。
【0017】
現場の土壌の処理では、注入速度は、水文地質学的条件、すなわち酸化溶液が現存する地下水と置換、混合および分散しそして土壌中を移動する能力に基づいて選ばれなければならない。さらに、注入速度は、現実的な時間の枠で土壌のオキシダントの要求(demand)および化学的オキシダントの要求を満足するに足るものでなければならない。コストにみあいかつ時宜を得た方法で現場を浄化するのが有利である。現場のパラメータの注意深い評価は必須である。土壌浸透度が、深さおよび横方向の両者のディメンジョンの関数として急速に変化することは周知である。そのため、注入に適した位置は、また現場に特異的なものである。任意の改善の技術の適切な適用は、化学的および物理的の両方の地表下の条件の知識に依存しており、本発明の方法は、その点で異なることはない。
【0018】
過硫酸ナトリウムが、汚染物を酸化するのに好ましい過硫酸塩化合物であるが、他の固相の水溶性の過硫酸塩化合物も使用できる。これらは、一過硫酸塩および二過硫酸塩を含む。二過硫酸塩は、それらが安価でありそして典型的な現場の条件下で地下水により飽和された土壌で長期間変化しないことから、好ましい。
【0019】
最も好ましい二過硫酸塩は、それが水中に最大の溶解度を有しそして最も高価でないことから、過硫酸ナトリウムである。その上、それは、還元によりナトリウムおよび硫酸塩を発生し、それらの両者は、ともに環境上および健康上の見地から比較的良好である。過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウムは、使用できる他の過硫酸塩の例である。しかし、過硫酸カリウムは、過硫酸ナトリウムよりワンオーダーの大きさで水中への溶解度が低く、そして過硫酸アンモニウムは、健康上の懸念の可能性がある成分中に分解するかもしれないので、より望ましくない。
【0020】
本発明によれば、過硫酸塩は過酸化水素と組み合わせて使用される。
【0021】
過酸化水素は、水素イオンを発生できる有機または無機の化合物例えばリン酸を含むことができる。過酸化水素は、過硫酸塩導入への繰り返される一連の工程中またはその前後に、過硫酸塩と組み合わされてまたは連続して、土壌、地下水または廃水中に導入することもできる。土壌のオキシダントの要求を克服しそして汚染物の濃度を所望のレベルに低下するのに十分な過硫酸塩および過酸化水素が、導入されることを要する。
【0022】
使用されるオキシダントの量は、厳密を要しないが、ただし実質的にすべての土壌のオキシダントの要求を満足しそして汚染物を許容できるレベルへ除くかまたは可能な限りそれに近づくのに十分な量が存在することが好ましい。従って、1:20-20:1の過硫酸塩対過酸化水素のモル比内の任意の量が使用できる。好ましい結果は、1:10-10:1の過硫酸塩対過酸化水素のモル比で達成される。
【0023】
好ましい濃度は、場所に固有のオキシダントの要求を含む土壌の特徴の関数である。水文地質学的条件が、土壌を通る化学物質の移動速度を支配しており、そしてこれらの条件は、注入をいかに最適に行うかを理解するのに、土壌の化学性とともに考慮しなければならない。これらの測定を行いそして注入を実施する技術は、当業者にとり周知である。例えば、汚染がどこにあるかを可能な限り厳密に決定するために、汚染があると思われる場所およびその周辺の種々の場所に井戸を掘削できるだろう。サンプルを大気の酸化から保護するように注意しつつ、芯のサンプルを取り出すだろう。サンプルは、土壌のオキシダントの要求および地表下に存在する化学物質(すなわちVOC)オキシダントの要求を決定するのに使用されるだろう。土壌中の正確な化学化合物およびそれらの濃度は、また決定されるだろう。汚染された地下水が集められるだろう。オキシダントは、どの化合物が地下水で破壊されるかを決定するのに、実験室で処理可能な実験中集めた地下水に添加されるだろう。同じオキシダントが土壌の環境においてこれらの化学物質を破壊できるかどうかが、次に決定されるだろう。
【0024】
目標は、注入された溶液中の濃度が、飽和したゾーンで地下水と同じ速度でまたは可能な限りそれに近い速度で移動する反応フロントに生ずるに十分な濃度であることである。(飽和した土壌のゾーンは、地下水面より下にありそして十分に飽和している土壌のゾーンである。これは、地下水が存在しかつ流れる領域である。)地下水の自然の速度が或る時間枠内の処理の目的にはあまりに遅い或る飽和したゾーンでは、地下水の速度は、注入した過硫酸塩溶液の流速の増加、または注入した溶液の流れを導く地下水採取井戸の設置により速くなる。処理されるべき或る土壌が未飽和のゾーンにあると、注入の方法は、注入された化学物質と土壌との十分な接触をもたらすための地表下への溶液の浸透または細流処理に基づく。或る土壌および条件では、土壌オキシダントの要求を破壊するために多量のオキシダントを要するだろうが、一方他の土壌および条件では、そうではないであろう。例えば、大きな粒のサイズを有する砂質の土壌は、非常に小さい表面積と非常に少ない酸化可能な化合物を有し、そのため土壌オキシダントの要求は非常に小さいだろう。一方、非常に細かい粒を有するシルト質または粘土質の土壌は、単位容積あたり大きな表面積を有するだろう。それらは、また多量の酸化可能な化合物を含むものと思われ、従って土壌オキシダントの要求は高いだろう。
【0025】
本発明の他の態様では、活性剤例えば金属およびキレート化金属錯体は、また過酸化水素の添加、過硫酸塩の添加または過酸化水素および過硫酸塩の両者の添加の何れかで、組み合わせた方法、連続する方法または複数の連続する段階の何れかにより添加できる。
【0026】
過硫酸塩/過酸化水素の作用を増強するのに使用できる活性剤は、二価および三価の遷移金属、例えばFe(II)、Fe(III)、Cu(II)、Mn(II)およびZn(II)を含む。金属は、塩またはキレートの形で添加できる。使用できる好ましいキレート物は、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、ホスフェート、ホスホネート、グルコヘプトネート、アミノカルボキシレート、ポリアクリレート、カテコールおよびニトロ酢酸を含む。
【0027】
土壌の処理に加えて、本発明はまた、酸化されうる汚染物が見いだされる地下水、排水、廃水または任意の他の環境中の汚染物を破壊するのに有用である。
【0028】
本発明をさらに詳細に記述するために、以下の実施例を示す。
【実施例】
【0029】
実施例1
300mLの脱イオン水および150gの土壌(Nimbus Landscaping Materials、Rancho Cordova、CAから得られる「盛り土用砂(fill sand)」を含む組成物を調製した。約85gの砂は、30メッシュ(600ミクロン)より小さかった。土壌は、3700mg/kgの全有機炭素(TOC)および17000mg/kgの鉄を含んだ。組成物を500mL容のガラス製着色瓶に入れ、そしてMTBE、CT、TCA、TCEおよびベンゼンを含む(各化合物の最初の濃度は約20mg/Lであった)メタノール貯蔵液500uL中で、気密ガラスシリンジを使用して突いた。瓶に蓋をし、そして3週間振盪テーブルに置いて平衡させた。
【0030】
200g/Lの過硫酸ナトリウム水溶液のマスターバッチは、100gの過硫酸ナトリウムを500mLの脱イオン水に溶解することによって調製された。もし必要ならば追加の脱イオン水とともに、過硫酸ナトリウム溶液の十分な量を「過硫酸塩のみ」または「過硫酸塩/過酸化物」のテストサンプルに添加して、全水性容量を5g/Lの過硫酸濃度を有する350mLにした。さらに、50g/Lの17%過酸化水素溶液を「過硫酸塩/過酸化水素」テストサンプルに添加した。サンプル容器に蓋をし、振盪テーブルに置き、そして周期的に振盪した。
【0031】
周期的に、それぞれのテスト群から1つのサンプルを取り出し、約200mLの土壌-水混合物を225mL容遠心分離管中にデカンテーションした。サンプルを次に4400rpmで5分間遠心分離した。得られた水性相の一部を次にHCl保存VOCジャー中にデカンテーションした。揮発性有機化合物の濃度分析を次にEPA Method8260Bを利用して行った。
【0032】
【表1】

【0033】
実施例2
実施例1と同じ方法および材料を使用して、VOCsのメタノール性溶液中で突き刺した土壌および脱イオン水75gに過硫酸塩および/またはHを加えることにより、バッチテストが行われた。全溶液容量は175mLであり、1:2.3の土壌対液体の比を有した。最初の条件を以下の表2に示す。コントロール、過硫酸塩のみ、非常に低いHのテストは、蓋を固く閉めた。Hのみ、低Hおよび高Hのテストは、最初の24時間蓋を緩く締め(Hの分解による圧力の形成を避けるため)、24時間後蓋を固く締めた。
【0034】
【表2】

【0035】
それぞれのVOCについて除かれた%は表3に示される。除かれた%は、水性相中の全塊およびヘッドスペースから計算された。ヘッドスペースの濃度は、ヘンリーの法則から水濃度およびヘッドスペースの容量から計算された。
【0036】
【表3】

【0037】
実施例3
現場(field site)から集めた土壌の代表的なサンプルの等しい塊を組み合わせることにより、複合土壌サンプルを鋼製のボウルで調製した。100gの複合物を、テフロンで内張された蓋を有する250mL容着色瓶に移した。サンプルの処理は、100gの土壌サンプルと処理量(下記参照)に相当する量の化学物質とを混合することにより行った。10mLの脱イオン水をそれぞれのサンプルに加えて、本格的な注入中添加される液体の量をシミュレートした。処理後、サンプルを脱気するために瓶の蓋を緩く締めて、サンプルを周囲温度で放置した。8日後、水性成分の一部を取り出し、そしてEPA方法8260Bを使用して揮発性有機化合物について分析した。
【0038】
関心のある塩素化化合物は、塩化メチレン、1、1、1-トリ-クロロエタンおよび1、2ジ-クロロエタンであった。結果は、表4に示される。
【0039】
処理A、鉄活性化過硫酸塩。10mLの20%Na溶液+10mLの20%FeSO溶液(土壌100gあたり2gのそれぞれの化合物を生ずる)。
【0040】
処理B、鉄/過酸化物活性化過硫酸塩。10mLの20%Na溶液+10mLの20%FeSO溶液+10mLの20%H溶液。
【0041】
【表4】

【0042】
実施例4
実施例3に記載された方法を使用して、追加の汚染物を評価した。関心のある塩素化化合物は1、4クロロベンゼンであった。結果は表5に示される。
処理A、鉄活性化過硫酸塩。20%Na、20%FeSO
処理B、鉄/過酸化物活性化過硫酸塩。20%Na、20%FeSO、20%H
【0043】
【表5】

【0044】
実施例5
過酸化水素の存在下の過硫酸ナトリウムの分解
過硫酸塩アニオンは、長い間存続する種であり、そして地表下で何日、何週そして何ヶ月も存続する。一方、硫酸塩基は、短期間しか存続できない種であり、一度過硫酸塩が活性化されて硫酸塩基を形成すると、基の種の寿命は、1秒より短い。過硫酸塩にはいくつかの分解経路が存在すると思われるが、主な経路は、硫酸塩基の形成、そして他の基または有機種との組み合わせによる基の以後の停止である。従って、過硫酸塩分解の測定は、基の形成の程度の間接的な測定である。
【0045】
過硫酸ナトリウムおよび過酸化水素の組み合わせは、土壌-水のスラリーに添加され、そして過硫酸ナトリウムの以後の分解は、反応時間の3日後測定された。土壌を取り出しそして50:50の比で水と組み合わせ、さらにガラスジャーに入れた。過硫酸ナトリウムおよび過酸化水素は、過硫酸ナトリウムの濃度を変えて1:10、1:1および10:1の過酸化水素対過硫酸ナトリウムの比で、ジャーに添加された。ジャーを密封しそして暗所に置いた。過硫酸ナトリウムの濃度の分析は、過硫酸塩滴定法を利用して3日目に行った。
【0046】
実験の結果を表6に示す。
【表6】

【0047】
表6の結果は、過酸化水素の量が増えるにつれ、過硫酸ナトリウムの分解が大きくなり、過酸化物の濃度の増大とともに硫酸塩基の形成が増大したことを示す。広い範囲の過硫酸塩対過酸化水素が、本発明では使用できる。
【0048】
実施例6
実施例3に記載された方法を使用して、汚染物の追加のサンプルを処理した。
【0049】
「酸水」は、リン酸の1%水溶液をさす。使用されるとき、1mLのこの溶液は、過酸化水素と添加された。
結果は、以下の表に示される。
【0050】
【表7】

【0051】
【表8】

【0052】
【表9】

【0053】
実施例7
実施例3に記載された方法を使用して、汚染物のサンプルを処理した。以下の処理を使用した。
処理A、25000ppm H、100ppm HPO、80ppm Na
処理B、25000ppm H、100ppm HPO
結果は、表10に示される。NDは「検出されない」を示し、量が検出の限界より少ないことを意味する。
【0054】
【表10】

【0055】
実施例8
実施例7と同じ方法を使用して、追加のサンプルを評価した。結果を表11に示す。
【0056】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
過硫酸塩および過酸化水素を含む組成物と汚染物とを接触させることからなることを特徴とする環境媒体に存在する汚染物を酸化する方法。
【請求項2】
過硫酸塩が一過硫酸塩または二過硫酸塩である請求項1の方法。
【請求項3】
過硫酸塩が、ナトリウムベース、アンモニウムベースまたはカリウムベースである請求項1の方法。
【請求項4】
過硫酸塩が過硫酸ナトリウムである請求項1の方法。
【請求項5】
過硫酸塩対過酸化水素のモル比が、1:20-20:1に等しい請求項1の方法。
【請求項6】
過硫酸塩対過酸化水素のモル比が、1:10-10:1に等しい請求項1の方法。
【請求項7】
過硫酸塩および過酸化水素が、媒体に同時に適用される請求項1の方法。
【請求項8】
過硫酸塩および過酸化水素が、媒体に逐次適用される請求項1の方法。
【請求項9】
過硫酸塩が、過酸化水素の適用前に媒体に適用される請求項1の方法。
【請求項10】
過酸化水素が、過硫酸塩の適用前に媒体に適用される請求項1の方法。
【請求項11】
過硫酸塩および過酸化水素が、反復する適用で媒体に逐次適用される請求項1の方法。
【請求項12】
過硫酸塩および過酸化水素の反復する逐次の添加が、連続して生ずる請求項11の方法。
【請求項13】
過硫酸塩および過酸化水素の反復する逐次の添加が、時間的間隔で隔てられている請求項11の方法。
【請求項14】
環境媒体が、土壌、岩石、地下水および排水から選ばれる請求項1の方法。
【請求項15】
酸化が、現場または現場から後で行われる請求項1の方法。
【請求項16】
組成物が、媒体中の汚染物の実質的のすべてを酸化するのに十分な量および条件下で環境媒体中に導入される請求項1の方法。
【請求項17】
組成物がまた活性剤も含む請求項1の方法。
【請求項18】
活性剤が、二価または三価の遷移金属である請求項17の方法。
【請求項19】
活性剤が、Fe(II)、Cu(II)、Mn(II)またはZn(II)から選ばれる二価の遷移金属である請求項18の方法。
【請求項20】
活性剤が、三価の遷移金属、Fe(III)である請求項18の方法。
【請求項21】
活性剤が、キレート剤と組み合わされた二価または三価の遷移金属である請求項17の方法。
【請求項22】
活性剤が、Fe(II)、Cu(II)、Mn(II)またはZn(II)から選ばれる二価の遷移金属である請求項21の方法。
【請求項23】
活性剤が、鉄(III)から選ばれる三価の遷移金属である請求項21の方法。
【請求項24】
キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、ホスフェート、ホスホネート、カテコールまたはニトロ酢酸から選ばれる請求項21の方法。
【請求項25】
過硫酸塩および過酸化水素を含み、環境媒体に存在する汚染物の処理に使用するのに適していることを特徴とする組成物。
【請求項26】
過硫酸塩が、一過硫酸塩または二過硫酸塩である請求項25の組成物。
【請求項27】
過硫酸塩が、ナトリウムベース、アンモニウムベースまたはカリウムベースである請求項25の組成物。
【請求項28】
過硫酸塩が過硫酸ナトリウムである請求項25の組成物。
【請求項29】
過硫酸塩対過酸化水素のモル比が、1:20-20:1に等しい請求項25の組成物。
【請求項30】
過硫酸塩対過酸化水素のモル比が、1:10-10:1に等しい請求項25の組成物。
【請求項31】
活性剤をさらに含む請求項25の組成物。
【請求項32】
活性剤が、二価または三価の遷移金属である請求項31の組成物。
【請求項33】
活性剤が、Fe(II)、Cu(II)、Mn(II)またはZn(II)から選ばれる二価の遷移金属である請求項32の組成物。
【請求項34】
活性剤が、三価の遷移金属、Fe(III)である請求項32の組成物。
【請求項35】
活性剤が、キレート剤と組み合わされた二価または三価の遷移金属である請求項31の組成物。
【請求項36】
活性剤が、Fe(II)、Cu(II)、Mn(II)またはZn(II)から選ばれる二価の遷移金属である請求項35の組成物。
【請求項37】
活性剤が、三価の金属、Fe(III)である請求項35の組成物。
【請求項38】
キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、ホスフェート、ホスホネート、カテコールまたはニトロ酢酸から選ばれる請求項35の組成物。

【公表番号】特表2007−521940(P2007−521940A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522017(P2006−522017)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/024274
【国際公開番号】WO2005/012181
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(391022452)エフ エム シー コーポレーション (74)
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
【Fターム(参考)】