説明

環境制御システム

【課題】制御性の高い環境制御システムを提供すること。
【解決手段】保管対象物を保管する保管庫2と、低酸素濃度空気を発生させる低酸素発生装置4と、二酸化炭素気体を発生させる二酸化炭素発生装置5と、これら低酸素発生装置4と二酸化炭素発生装置5との各々に対して接続され、当該低酸素発生装置4にて発生された低酸素濃度空気と当該二酸化炭素発生装置5にて発生された二酸化炭素気体とを所定条件で混合して保管庫2の内部に導入する空調機8とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管庫に保管された保管対象物を長期間保存等するための環境制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保管対象物の長期保存を可能とするための様々な環境制御システムが提案されている。例えば、青果物を長期保存するためのシステムとして、保存庫内の酸素濃度又は炭酸気体濃度を調整し、青果物の長期保存にとって有害となる気体(例えばエチレン)を除去することで、青果物の長期保存にとって最適となる環境を制御するシステムがある。このようなシステムの具体例として、特許文献1には、保存庫に気体を循環させる循環系の途中に、複数の気体分離膜を配置したシステムが開示されている。このシステムでは、気体を複数の気体分離膜に透過させることで所要の気体を分離して保存庫に供給している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−263433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の青果物の長期保存システムには、制御性が低いという問題があった。すなわち、従来のシステムでは、複数の気体分離膜が保存庫に対して直列的に接続されていたため、それぞれの気体分離膜で透過される気体の濃度や量を管理することが困難であり、結果として、青果物の長期貯蔵に適した環境を維持することが困難であった。
【0005】
さらに、青果物の長期貯蔵の環境としては、気体の成分以外にも、湿度や温度を適切に維持することが好ましい。このため、上記従来のシステムには、加湿器が設けられていた。しかしこのシステムでは、気体分離膜を透過した気体とは別個に、加湿された気体を保管庫の内部に直接供給していたので、湿度の異なる複数種類の気体が別経路で保管庫の内部に導入されることになり、保管庫の内部で気体が十分に混合される迄の間は、保管庫の内部の気体の湿度を最適化することができず、湿度に関しても制御性が低いものであった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、制御性の高い環境制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の環境制御システムは、保管対象物を保管する保管庫と、低酸素濃度空気を発生させる低酸素発生手段と、二酸化炭素気体を発生させる二酸化炭素発生手段と、前記低酸素発生手段と前記二酸化炭素発生手段との各々に対して接続され、当該低酸素発生手段にて発生された低酸素濃度空気と当該二酸化炭素発生手段にて発生された二酸化炭素気体とを、所定条件で混合して前記保管庫の内部に導入する混合手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の環境制御システムは、請求項1に記載の環境制御システムにおいて、前記混合手段は、当該混合手段の内部に導入された低酸素濃度空気及び二酸化炭素気体の温度を調整するための温度調整手段、又は、当該混合手段の内部に導入された低酸素濃度空気及び二酸化炭素気体の湿度を調整するための湿度調整手段、を有する空調手段であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の環境制御システムは、請求項1又は2に記載の環境制御システムにおいて、前記低酸素発生手段にて発生された低酸素濃度空気を、前記混合手段に導入する第1管路と、前記保管庫からの還気を、当該保管庫から排出する第2管路と、前記第1管路と前記第2管路との相互間における熱交換を行なう熱交換手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の環境制御システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の環境制御システムにおいて、窒素気体を発生させる窒素発生手段を備え、前記混合手段は、前記窒素発生手段にて発生された窒素気体と、前記低酸素発生手段にて発生された低酸素濃度空気と、前記二酸化炭素発生手段にて発生された二酸化炭素気体とを、所定条件で混合して前記保管庫の内部に導入することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の環境制御システムは、請求項4に記載の環境制御システムにおいて、気体を圧縮して前記低酸素発生手段に供給するための気体圧縮手段を備え、前記二酸化炭素発生手段は、液化二酸化炭素を貯蔵する二酸化炭素貯蔵タンクと、当該二酸化炭素貯蔵タンクにて貯蔵された前記液化二酸化炭素を気化させて前記二酸化炭素気体を発生させる二酸化炭素気化手段とを有し、前記窒素発生手段は、液体窒素を貯蔵する窒素貯蔵タンクと、当該窒素貯蔵タンクにて貯蔵された前記液体窒素を気化させて前記窒素気体を発生させる窒素気化手段とを有し、前記気体圧縮手段における排熱を、前記二酸化炭素気化手段又は前記窒素気化手段に伝熱するための排熱伝熱路を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明によれば、低酸素発生手段からの低酸素濃度空気及び二酸化炭素発生手段からの二酸化炭素気体をそれぞれ個別経路で空調機に導入して混合できるので、これら複数種類の気体の濃度や混合量を個別的に制御することで、気体の制御性を高めることができる。特に、これら複数種類の気体を直接保管庫に供給するのではなく、空調機で混合してから保管庫に供給できるので、保管庫の内部における気体の流動性が低いような場合であっても、保管庫の全域に対して所望濃度の気体を供給することができ、保管庫における貯蔵環境を最適化することができる。
【0013】
請求項2に記載の本発明によれば、気体の湿度や温度についても空調機で調整を行った上で、当該気体を保管庫に供給できるので、保管庫の全域に対して所望の湿度及び温度の気体を供給することができ、保管庫における貯蔵環境を最適化することができる。
【0014】
請求項3に記載の本発明によれば、保管庫からの還気により、低酸素発生手段にて発生された低酸素濃度空気を冷却できるので、システム全体の熱効率を向上させ、省エネルギー化を図ることができる。
【0015】
請求項4に記載の本発明によれば、低酸素濃度空気及び二酸化炭素気体に加えて、窒素気体についても個別経路で空調機に導入して混合できるので、これら複数種類の気体の濃度や混合量を個別的に制御することで、気体の制御性を高めることができる。特に、これら複数種類の気体を混合してから保管庫に供給できるので、保管庫における貯蔵環境を最適化することができる。特に、低酸素濃度空気に加えて窒素気体を用いることで、保管庫の内部の大きな容積の気体を迅速に低酸素化することができ、環境制御システムの迅速性を向上させることができる。
【0016】
請求項5に記載の本発明によれば、空気圧縮機の排熱を用いて液化二酸化炭素や液体窒素の気化を行うことで、システム全体の熱効率を向上させ、省エネルギー化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る環境制御システムの各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る環境制御システムは、保管対象物を保管するために、保管庫の内部環境を制御するためのシステムである。
【0019】
ここで、保管対象物としては、例えば、青果物や肉類の如き生鮮食材や、加工食材を挙げることができるが、これらに限られることはなく、所定の条件で保管が必要とされる全てのものが対象となり得る。例えば、化学薬品、精密機器、植物、動物、文化財等も保管対象物に該当する。
【0020】
保管庫とは、保管対象物を保管可能な空間を提供するための手段であり、例えば、生鮮食材を冷蔵するための冷蔵倉庫や、実験材料を保温するための恒温槽を挙げることができるが、この保管庫の具体的構造は特記する場合を除いて任意である。この保管庫の設置対象や設置目的も任意であり、例えば、青果市場に設置された一次貯蔵用の倉庫、食品工場に設置された食品熟成用の施設、あるいは研究機関に設置された保存実験用の実験棟として、保管を設置することができる。
【0021】
各実施形態に共通の特徴の一つは、低酸素発生手段と二酸化炭素発生手段との各々に対して接続され、当該低酸素発生手段にて発生された低酸素濃度空気と当該二酸化炭素発生手段にて発生された二酸化炭素気体とを所定条件で調合して保管庫の内部に導入する混合手段を設けた点にある。すなわち、低酸素濃度空気と二酸化炭素気体とは、相互に個別的に混合手段に導入された後、この混合手段により所定の条件で混合されて保管庫の内部に供給される。この構成によれば、混合手段の前段において、低酸素濃度空気の濃度管理と二酸化炭素気体の濃度管理とを個別的に行うことが可能になるため制御性が向上する。
【0022】
なお、低酸素濃度とは、基本的には、一般大気の酸素濃度(約21%、以下、「通常酸素濃度」と称する)よりも低い全ての酸素濃度を含む概念である。以下の実施の形態では、約1〜2%の酸素濃度を「低酸素濃度」として説明するが、この具体的閾値は任意に変更することができる。
【0023】
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
【0024】
〔実施の形態1〕
まず、本発明の実施の形態1について説明する。この実施の形態は、本発明の環境制御システムの基本形態である。以下では、環境制御システムの構成について説明した後、この環境制御システムの運転方法について説明する。
【0025】
(環境制御システムの構成)
図1は、実施の形態1に係る環境制御システムの構成を示す概念図である。図1に示すように、環境制御システム1Aは、概略的に、保管庫2、空気圧縮機3、低酸素発生装置4、二酸化炭素発生装置5、窒素発生装置6、製氷機7、空調機8、及び熱交換機9を備えて構成されており、これら各部は管路P1〜P21にて図示のように接続されている。
【0026】
保管庫2は、保管対象物を保管するための保管手段であり、保管対象物を収容可能な形状及び大きさにて構成され、例えば内部に自動移動棚を備えた全自動立体倉庫として構成される。この保管庫2を囲繞する壁部は断熱性の高いことが好ましく、例えば、真空断熱材やウレタン断熱材の如き断熱材を用いて構成される。
【0027】
この保管庫2の出入口近傍には、前室2aが設けられている。この前室2aは、保管庫2の内部と外部を中継する中継空間部であり、保管庫2の内部環境の変動を最小限に抑えると共に、当該内部環境に関わらず人が作業できる空間を確保するものである。例えば、前室2aは、保管庫2の外部に接する位置及び保管庫2の内部に接する位置に図示しない扉を備えており、これら扉を介して、作業者や保管対象物を保管庫2に出し入れすることができる。ただし、公知の物流機構を用いて、保管庫2の内部への保管対象物の出し入れを自動化できる場合には、この前室2aを省略してもよい。
【0028】
また、保管庫2の内部には、空調機2b、給気口2c、及び還気口2dが設けられている。空調機2bは、保管庫2の内部の気体を空調するためのもので、例えば、不凍剤を冷媒とするブラインクーラーとして構成される。給気口2cは、空調機8にて調整された気体を保管庫2の内部に導入するための開口であり、例えば、保管庫2の天井近傍位置に引き込まれた管路P5に形成される。還気口2dは、保管庫2の内部から外部へ気体を排出させるための開口であり、例えば、保管庫2の床面近傍位置に引き込まれた管路P6に形成される。
【0029】
空気圧縮機3は、管路P1を介して取得された外気や、管路P6、P8、P11を介して取得された保管庫2からの還気を、圧縮して低酸素発生装置4に供給するためのもので、特許請求の範囲における気体圧縮手段に対応する。この空気圧縮機3を用いて圧縮した外気を低酸素発生装置4に供給することで、後述する気体分離膜4bにおける気体分離効率を高めることができる。ただし、このような効果を考慮する必要がない場合には、空気圧縮機3を省略してもよい。
【0030】
低酸素発生装置4は、特許請求の範囲における低酸素発生手段に対応するもので、例えば、筐体4aの内部に、図2に示すような中空糸状の気体分離膜4bを設けて構成されている。この気体分離膜4bは、気体中に含まれる各ガス成分が当該気体分離膜4bを透過する際の透過速度の差を利用して、所望のガス成分を分離するもので、ここでは、低酸素発生装置4は、1)酸素を除去することで、酸素濃度が約1〜2%の低酸素濃度気体を発生させる機能、2)青果物等の保存に有害なエチレンガスを除去することで、保存に適した低酸素濃度空気を生成する機能、及び3)二酸化炭素を除去することで、二酸化炭素濃度が約0.03%以下の低二酸化炭素濃度気体を発生させる機能を有する。また、筐体4aの内部には、図示しない送風機が設けられており、この送風機による送風量を制御することで、低酸素発生装置4からの気体の排出量を制御することができる。
【0031】
この低酸素発生装置4の後段には、図1に示すように、混気チャンバー10が配置されており、この混気チャンバー10には送風機11を介して外気が導入され、あるいは、管路P6、P8、P10を介して取得された保管庫2からの還気が導入され、これら外気や還気と低酸素発生装置4からの低酸素濃度空気とを所定条件にて混合することで、所望の酸素濃度の低酸素濃度空気を空調機8に導入することができる。この混合制御は、例えば、混気チャンバー10の内部気体の酸素濃度を図示しない酸素濃度計を用いて測定し、この測定結果に応じて送風機11、16を制御することで実行できる。なお、この混合制御における空気や気体の混合時の所定条件は、任意に設定することができるが、その数値例については、後述する環境制御システムの運転方法の説明において示す。
【0032】
二酸化炭素発生装置5は、二酸化炭素気体(炭酸ガス)を発生させるもので、特許請求の範囲における二酸化炭素発生手段に対応する。この二酸化炭素発生装置5は、液化二酸化炭素を貯蔵する二酸化炭素貯蔵タンク5aと、当該二酸化炭素貯蔵タンク5aにて貯蔵された液化二酸化炭素を気化させて二酸化炭素気体を発生させる気化器5bとを備えて構成されている。この気化器5bは、特許請求の範囲における二酸化炭素気化手段に対応する。この気化器5bにて気化された二酸化炭素は、送風機12を介して空調機8に供給される。また、この送風機12による送風量を制御することで、二酸化炭素発生装置5からの二酸化炭素気体の排出量を制御することができる。なお、二酸化炭素の貯蔵状態は液体に限らず、例えば、固体又は気体の状態で貯蔵してもよい。
【0033】
窒素発生装置6は、窒素気体を発生させるもので、特許請求の範囲における窒素発生手段に対応する。この窒素発生装置6は、液体窒素を貯蔵する窒素貯蔵タンク6aと、当該窒素貯蔵タンク6aにて貯蔵された液体窒素を気化させて窒素気体を発生させる気化器6bとを備えて構成されている。この気化器6bは、特許請求の範囲における窒素気化手段に対応する。この気化器6bにて気化された窒素気体は、送風機13を介して空調機8に供給される。また、この送風機13による送風量を制御することで、窒素発生装置6からの窒素気体の排出量を制御することができる。なお、窒素気体の貯蔵状態は液体に限らず、例えば、固体又は気体の状態で貯蔵してもよい。
【0034】
製氷機7は、空調機8で気体冷却を行うための冷熱源となる氷を製造する製氷手段である。この製氷機7の後段には氷蓄熱槽14及びポンプ15が設けられており、製氷機7にて製造された氷が氷蓄熱槽14にて貯蔵され、冷水との間で熱交換を行なうことで、当該冷水を冷却する。この冷水は、空調機8に設けた後述する冷却コイル8cに導入され、当該空調機8の内部の気体との間で熱交換を行なうことで、当該気体を冷却する。特に、氷蓄熱槽14を設けることで、深夜電力を利用して冷熱を蓄熱でき、負荷分散を図ることができる。
【0035】
空調機8は、低酸素発生装置4にて発生された低酸素濃度空気、二酸化炭素発生装置5にて発生された二酸化炭素気体、及び窒素発生装置6にて発生された窒素気体を、所定条件で混合して保管庫2の内部に導入するもので、特許請求の範囲における混合手段及び空調手段に対応する。
【0036】
この空調機8は、気体の温度及び湿度を調整する機能を有する。例えば、空調機8は、筐体8aの内部に、フィルタ8b、冷却コイル8c、加湿装置8d、及び送風機8eを内蔵して構成されている。フィルタ8bは、空調機8に導入された気体に含まれる埃や塵の如き異物を除去することにより、気体の所望の清浄度を確保する。冷却コイル8cは、筐体の内部の気体を、氷蓄熱槽14にて冷却された冷水を用いて冷却することにより、当該気体の温度を調整するもので、特許請求の範囲における温度調整手段に対応する。加湿装置8dは、筐体8aの内部の気体に対して、図示しない水源から給水された水を噴霧することで、当該気体の湿度を調整するもので、特許請求の範囲における湿度調整手段に対応する。送風機8eは、当該空調機8から保管庫2へ向けて送風を行なうことで、空調機8の入り口から気体を吸引してフィルタ8b及び冷却コイル8cを通過させる。この送風機8eによる送風量は、筐体の内部に設けた図示しない温度計の出力に基づいて、筐体8aの内部の気体温度が所定温度になるように制御される。この送風量の制御は図示しないインバータを介して行っており、消費電力が削減されている。
【0037】
熱交換機9は、保管庫2の還気口2dに接続された管路P6と、混気チャンバー10と空調機8とを相互に接続する管路P4との間に設けられた熱交換手段であり、保管庫2の還気口2dを介して還気された冷気から冷熱を回収し、この冷熱によって、混気チャンバー10から空調機8に導入される気体を予備冷却することで、冷却効率を向上させる。
【0038】
これまでに説明した各部を接続する管路P1〜P21は図示の通りであり、上述した管路以外にも、保管庫2の還気口2dから排出された冷気を熱交換機9をバイパスして送風機16に供給する管路P7、この冷気を熱交換機9と空調機8との間に還流させるための管路P9、あるいは、この冷気を混気チャンバー10に還流させるための管路P10を含んでいる。例えば、管路P7によるバイパスは、冬期のように外気が低温な時や、全量排気時に実施される。
【0039】
特に、空気圧縮機3には、二酸化炭素発生装置5の気化器5bに至る管路P15と、窒素発生装置6の気化器6bに至る管路P12とが接続されている。これら管路P15、12は、空気圧縮機3における排熱を気化器5b、6bに伝熱するためのもので、特許請求の範囲における排熱伝熱路に対応する。具体的には、空気圧縮機3における排熱が管路P15を介して気化器5bに供給され、この気化器5bでは、二酸化炭素貯蔵タンク5aにて貯蔵された液化二酸化炭素を、当該排熱を利用して気化させる。同様に、空気圧縮機3における排熱が管路P12を介して気化器6bに供給され、この気化器6bでは、窒素貯蔵タンク6aにて貯蔵された液体窒素を、当該排熱を利用して気化させる。
【0040】
また、各管路P1〜P21には、風量制御用のダンパーD1〜D13が図示の位置に設けられている。なお、図1及び後述する各図において、ダンパーD1〜D13から引き出されている短線が、当該ダンパーD1〜D13が配置されている管路の長手方向に対して直交するように示されている場合には、当該ダンパーD1〜D13が閉状態であることを意味し、当該短線が、当該長手方向に対して斜交するように示されている場合には、当該ダンパーD1〜D13が開状態であることを意味する。
【0041】
(環境制御システムの運転方法)
次に、上述のように構成された環境制御システム1Aの運転方法について説明する。ここでは、運転モードとして、「搬入準備モード」、「立上げ運転モード」、「安定運転モード」、及び「搬出準備モード」の4つのモードを想定しており、これら4つのモードを相互に任意のタイミングで任意の手段によって切り替えることができる。
【0042】
(環境制御システムの運転方法−搬入準備モード)
保管庫2の内部の搬入準備モードとは、空調機8を介して保管庫2の内部の空気を環境制御システム1A内で循環させながら低温状態にするモードであり、例えば、保管対象物を保管庫2に搬入する前の準備段階として実行される。
【0043】
図3は、搬入準備モード実行時における環境制御システム1Aの状態を示す概念図である。この図3に示すように各ダンパーD1〜D13を切替えることで、保管庫2の内部の気体は、還気口2dから導出され、熱交換機9をバイパスされ、空調機8に導入される。このように空調機8に導入された気体は、冷却コイル8cによる冷却と加湿装置8dによる加湿によって、所定の温度及び湿度に調整された後、保管庫2の内部に戻される。また、この低温化モードでは、保管庫2に備えられた空調機2bにて気体を冷却することで、一層効果的に保管庫2の内部の低温化を図ることができる。
【0044】
この搬入準備モードによれば、保管庫2の内部を低温状態とすることができ、例えば、保管庫2に搬入された保管対象物の細菌の発生等を抑制して、保管対象物の受け入れ環境を整えることができる。なお、保管対象物が青果物である場合には、保管庫2の内部の設定温度を0〜10℃程度にすることが好ましい。
【0045】
その後、前室2aを介して保管対象物を保管庫2の内部に搬入する。この状態では、保管庫2の内部は未だ低酸素化されていないので、作業員が保管庫2に安全に出入りすることが可能である。
【0046】
(環境制御システムの運転方法−立上げ運転モード)
次に、立上げ運転モードについて説明する。立上げ運転モードとは、保管庫2の内部を低温化及び低酸素化するモードであり、例えば、環境制御システム1Aの立上げ時に実行される。
【0047】
図4は、立上げ運転モード実行時における環境制御システム1Aの状態を示す概念図である。この図4に示すように各ダンパーD1〜D13を切替えることで、保管庫2の内部の気体は、還気口2dから導出され、熱交換機9で熱交換を行なった後、空気圧縮機3で圧縮され、低酸素発生装置4に導入される。また同時に、外気が低酸素発生装置4に導入される。このように低酸素発生装置4に導入された気体は、低酸素発生装置4を透過することで低酸素化され、熱交換機9にて冷却された後、空調機8に導入される。このように空調機8に導入された気体は、冷却コイル8cによる冷却と加湿装置8dによる加湿によって、所定の温度及び湿度に調整された後、保管庫2の内部に戻される。
【0048】
この立上げ運転モードでは、必要に応じて窒素気体を用いて、低酸素濃度化の迅速性を高めることができる。すなわち、窒素貯蔵タンク6aにて貯蔵された液体窒素が、空気圧縮機3からの排熱を利用して気化器6bにて気化されて空調機8に導入される。この空調機8では、窒素気体を用いることで気体を所望の低酸素濃度に迅速に調整でき、この調整後の気体を、保管庫2の内部に導入することができる。
【0049】
この立上げ運転モードによれば、保管庫2の内部を低温化状態及び低酸素状態とすることができ、例えば、保管対象物の長期保存によって不要な気体を保管庫2の内部から除去することができる。特に、この立上げ運転モードによれば、低酸素濃度空気に加えて窒素気体を用いることで、保管庫2の内部の大きな容積の気体を迅速に低酸素化することができ、環境制御システム1Aの迅速性を向上させることができる。なお、青果物の場合においては、保管庫2の内部の酸素濃度を0〜10%程度にすることが好ましい。
【0050】
(環境制御システムの運転方法−安定運転モード)
次に、安定運転モードについて説明する。安定運転モードとは、保管庫2の内部を低温化、低酸素化、高二酸化炭素化、及び低エチレン化するモードであり、例えば、環境制御システム1Aの安定運転時に実行される。
【0051】
図5は、安定運転モード実行時における環境制御システム1Aの状態を示す概念図である。この図5に示すように各ダンパーD1〜D13を切替えることで、図4の立上げ運転モードと同様に気体が低温化及び低酸素化される。また同時に、二酸化炭素貯蔵タンク5aにて貯蔵された液化二酸化炭素が、空気圧縮機3からの排熱を利用して気化器5bにて気化されて空調機8に導入される。この空調機8では、気体の二酸化炭素濃度が所定の高濃度に調整された後、この気体が保管庫2の内部に戻される。さらに安定運転モードにおいては、低酸素発生装置4における酸素除去と同時に、エチレンも除去されるので、低エチレン化を図ることができる。なお、必要に応じて、外気が送風機11を介して混気チャンバー10に導入されて酸素濃度が調整される。
【0052】
この安定運転モードによれば、保管庫2の内部を低温状態、低酸素状態、高二酸化炭素状態、及び低エチレン状態とすることができ、例えば、保管対象物の長期保存に最適な環境を生成することができる。なお、青果物の場合においては、保管庫2の内部の二酸化炭素濃度を0〜15%程度にすることが好ましい。
【0053】
(環境制御システムの運転方法−搬出準備モード)
最後に、搬出準備モードについて説明する。搬出準備モードとは、空調機8を介して外気を取り入れることで保管庫2の内部を高酸素状態にするモードであり、例えば、保管対象物を保管庫2から搬出する前の準備段階として実行される。
【0054】
図6は、搬出準備モード実行時における環境制御システム1Aの状態を示す概念図である。この図6に示すように各ダンパーD1〜D13を切替えることで、保管庫2の内部の気体が、還気口2dから導出され、熱交換機9を介して、外部へ排出される。また、外気が、送風機11を介して混気チャンバー10及び空調機8に導入され、この空調機8において所定の温度及び湿度に調整された後、保管庫2へ導出される。
【0055】
この搬出準備モードによれば、保管庫2の内部を高酸素状態とすることができ、保管庫2を開放しなくても人が作業できる環境が形成される。なお、人が作業できる程度の環境にするためには、保管庫2の内部の酸素濃度を13%程度、及び炭酸気体濃度を0.3%程度にすることが好ましい。
【0056】
その後、前室2aを介して保管対象物を保管庫2の内部から外部へ搬出する。この状態では、保管庫2の内部が高酸素化されているので、作業員が保管庫2に安全に出入りすることが可能である。
【0057】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、低酸素発生装置4からの低酸素濃度空気、二酸化炭素発生装置5からの二酸化炭素気体、及び窒素発生装置6からの窒素気体をそれぞれ個別経路で空調機8に導入して混合できるので、これら複数種類の気体の濃度や混合量を個別的に制御することで、気体の制御性を高めることができる。特に、これら複数種類の気体を直接保管庫2に供給するのではなく、空調機8で混合してから保管庫2に供給できるので、保管庫2の内部における気体の流動性が低いような場合であっても、保管庫2の全域に対して所望濃度の気体を供給することができ、保管庫2における貯蔵環境を最適化することができる。また、気体の湿度や温度についても空調機8で調整を行った上で、当該気体を保管庫2に供給できるので、保管庫2の全域に対して所望の湿度及び温度の気体を供給することができ、保管庫2における貯蔵環境を最適化することができる。
【0058】
また、実施の形態1によれば、低酸素濃度空気に加えて窒素気体を用いることで、保管庫2の内部の大きな容積の気体を迅速に低酸素化することができ、環境制御システムの迅速性を向上させることができる。
【0059】
また、実施の形態1によれば、低酸素発生装置4からの気体を、保管庫2から還流された気体にて冷却したり、空気圧縮機3の排熱を用いて気化器5b、6bにおける気化を行うことで、システム全体の熱効率を向上させ、省エネルギー化を図ることができる。
【0060】
また、実施の形態1によれば、搬入準備モードによって保管庫2の内部の気体の温度を調整することで保管対象物の搬入環境を整え、保管対象物の搬入を行った後、立上げ運転モードによって保管庫2の内部の気体を低酸素濃度化することで保管対象物の保存環境を整え、保存期間の終了後に、搬出準備モードによって保管庫2の内部の気体を高酸素濃度化することで保管対象物の搬出環境を整え、保管対象物の搬出を行うことができる。保管庫2の内部に作業員が出入りする時には、保管庫2の内部の気体の酸素濃度を通常酸素濃度に維持でき、作業員の安全性を確保できる。また同時に、作業員の安全性を損なうことがない範囲で、保管庫2の内部の気体を保管対象物の保管に適した環境とすることができ、保管環境を向上させることができる。
【0061】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、保管庫2の内部を複数領域に区画し、各領域には相互に異なる気体を導入可能とした形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0062】
(環境制御システムの構成)
図7は、実施の形態2に係る環境制御システムの構成を示す概念図である。図7に示すように、環境制御システム1Bは、保管庫2の内部に間仕切り2eを備える。この間仕切り2eは、保管庫2の内部空間を複数領域に区画するためのもので、例えば板材や樹脂材にて形成され、保管庫2の上下方向の中央位置よりやや上方寄りの位置において、保管庫2の全幅に渡って水平状に配置されている。ここでは、保管庫2の内部空間のうち、間仕切り2eより上方の空間部を上部領域、間仕切り2eより下方の空間部を下部領域と称する。この間仕切り2eには、通気性を持たせるための通気孔2fが形成されている。従って、上部領域の気体が、間仕切り2eの通気孔2fを通過して下部領域に流入し、還気口2dから管路に流入することで、気体循環が可能になっている。ただし、上部領域にも個別的に還気口2dを設ける等により、上部領域と下部領域との相互間の通気を遮断してもよく、この場合には、上部領域と下部領域とを相互に異なるガス成分に維持することができる。
【0063】
また、環境制御システム1Bには、上部領域と下部領域とに相互に異なるガス成分及び温度の気体を供給するための構成が設けれている。具体的には、空調機8から上部領域に対しては、実施の形態1、2と同様に、管路P5を介して気体が供給される。また、この管路P5から分岐する管路P23が設けられており、この管路P23には混気チャンバー18が接続されている。この混気チャンバー18には、二酸化炭素発生装置5の後段の送風機12から管路P24を介して二酸化炭素気体を導入可能であり、また、下部領域の還気口2dから管路P25、送風機19及び管路26を介して気体を還流可能である。
【0064】
このような構成において、上部領域に対しては、実施の形態1、2と同様に、空調機8にて所望のガス成分、温度、及び湿度に調整された気体を導入することができる。また、下部領域に対しては、還気口2dから排出された気体を混気チャンバー18を介して還流させたり、空調機8からの気体に二酸化炭素気体を混合させて酸素濃度をさらに低下させた上で導入することができる。
【0065】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、実施の形態2の基本的効果に加えて、間仕切り2eによって区分けされた保管庫2の内部を異なる環境とすることができ、一つの保管庫2で複数の保管対象物を保管する場合に、各保管対象物を当該各保管対象物に応じた最適な環境で保管することができる。
【0066】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0067】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0068】
(環境制御システムの構成)
上記各実施の形態では、空調機8と保管庫2をそれぞれ1台ずつ設けているが、これら各々の台数及び組み合わせは任意であり、複数の空調機8で1台の保管庫2の気体を調整してもよく、あるいは、1台の空調機8で複数の保管庫2の気体を調整してもよい。また、各運転モードの相互の切替えについては、任意のタイミングで任意の方法にて行うものとして説明したが、環境制御システムの制御を行う制御装置を設け、この制御装置に対して、各装置、風量制御用のダンパーD1〜D16、あるいは、各部のデータ(風量、濃度、湿度、温度)を計測するセンサを接続し、統括制御を行うことができる。
【0069】
また、保管庫2に対する保管対象物の搬入や搬出が頻繁に行われる場合には、保管庫2の内部の高酸素化を迅速に行うために、酸素発生装置(例えば酸素貯蔵用のボンベ)を設け、酸素を保管庫2に導入するようにしてもよい。その他にも、保管庫2の内部に導入されるものは気体に限られず、例えば、保管対象物を長期保存させるために散布する薬剤や熟成を促進させるための微生物等を蓄える貯蔵装置を備えてもよい。
【0070】
また、上記各実施の形態では、温度調整のために気体を冷却しているが、加熱してもよく、例えば、空調機8には気体を加熱する高熱コイルを設け、製氷機7及び氷蓄熱槽14に代えて発熱器及び高温蓄熱槽を備えてもよい。同様に、加湿に限らず除湿してもよく、空調機8の内部の気体の除湿をするために吸湿材等を備えた除湿装置を設けてもよい。
【0071】
(空調機8の構成)
空調機8の具体的構成についても、上記説明した構成以外の種々の構成を採用することができる。空調機8の内部の配置は任意であるが、例えば、横列に冷却コイル8c等を備えるのではなく、冷却コイル8c等を縦列に備えてもよい。
【0072】
(低酸素発生装置4の構成)
低酸素発生装置4の具体的構成についても、上記説明した構成以外の種々の構成を採用することができる。例えば、低酸素発生装置4で発生させた低酸素濃度空気を一時的に貯蔵できる貯蔵タンクを設けてもよい。特に、このように低酸素濃度空気を貯蔵する場合、立ち上がり時に、低酸素発生装置4からの低酸素濃度空気に加えて、貯蔵された低酸素濃度空気を保管庫2に供給することで、保管庫2の内部を一層迅速に低酸素状態にすることができ、迅速性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明に係る環境制御システムは、青果物等の各種の保管対象物を長期に渡って保管するための保管システムや保管方法に適用でき、保管対象物の特性に応じた最適な保管環境を迅速に構築するために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態1に係る環境制御システムの構成を示す概念図である。
【図2】気体分離膜の斜視図である。
【図3】搬入準備モード実行時における環境制御システムの状態を示す概念図である。
【図4】立上げ運転モード実行時における環境制御システムの状態を示す概念図である。
【図5】安定運転モード実行時における環境制御システムの状態を示す概念図である。
【図6】搬出準備モード実行時における環境制御システムの状態を示す概念図である。
【図7】実施の形態2に係る環境制御システムの構成を示す概念図である。
【符号の説明】
【0075】
1A、1B 環境制御システム
2 保管庫
2a 前室
2b、8 空調機
2c 給気口
2d 還気口
2e 間仕切り
2f 通気孔
3 空気圧縮機
4 低酸素発生装置
4a、8a 筐体
4b 気体分離膜
5 二酸化炭素発生装置
5a 二酸化炭素貯蔵タンク
5b、6b 気化器
6 窒素発生装置
6a 窒素貯蔵タンク
7 製氷機
8b フィルタ
8c 冷却コイル
8d 加湿装置
9 熱交換機
10、18 混気チャンバー
8e、11、12、13、16、19 送風機
14 氷蓄熱槽
15 ポンプ
P1〜P26 管路
D1〜D16 ダンパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管対象物を保管する保管庫と、
低酸素濃度空気を発生させる低酸素発生手段と、
二酸化炭素気体を発生させる二酸化炭素発生手段と、
前記低酸素発生手段と前記二酸化炭素発生手段との各々に対して接続され、当該低酸素発生手段にて発生された低酸素濃度空気と当該二酸化炭素発生手段にて発生された二酸化炭素気体とを、所定条件で混合して前記保管庫の内部に導入する混合手段と、
を備えることを特徴とする環境制御システム。
【請求項2】
前記混合手段は、当該混合手段の内部に導入された低酸素濃度空気及び二酸化炭素気体の温度を調整するための温度調整手段、又は、当該混合手段の内部に導入された低酸素濃度空気及び二酸化炭素気体の湿度を調整するための湿度調整手段、を有する空調手段であること、
を特徴とする請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項3】
前記低酸素発生手段にて発生された低酸素濃度空気を、前記混合手段に導入する第1管路と、
前記保管庫からの還気を、当該保管庫から排出する第2管路と、
前記第1管路と前記第2管路との相互間における熱交換を行なう熱交換手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境制御システム。
【請求項4】
窒素気体を発生させる窒素発生手段を備え、
前記混合手段は、前記窒素発生手段にて発生された窒素気体と、前記低酸素発生手段にて発生された低酸素濃度空気と、前記二酸化炭素発生手段にて発生された二酸化炭素気体とを、所定条件で混合して前記保管庫の内部に導入すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の環境制御システム。
【請求項5】
気体を圧縮して前記低酸素発生手段に供給するための気体圧縮手段を備え、
前記二酸化炭素発生手段は、液化二酸化炭素を貯蔵する二酸化炭素貯蔵タンクと、当該二酸化炭素貯蔵タンクにて貯蔵された前記液化二酸化炭素を気化させて前記二酸化炭素気体を発生させる二酸化炭素気化手段とを有し、
前記窒素発生手段は、液体窒素を貯蔵する窒素貯蔵タンクと、当該窒素貯蔵タンクにて貯蔵された前記液体窒素を気化させて前記窒素気体を発生させる窒素気化手段とを有し、
前記気体圧縮手段における排熱を、前記二酸化炭素気化手段又は前記窒素気化手段に伝熱するための排熱伝熱路を設けたこと、
を特徴とする請求項4に記載の環境制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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