説明

環境情報集計システム、環境情報集計方法、および環境情報集計プログラム

【課題】製品に関する環境情報の収集の効率化を図ると共に、環境情報の集計結果における過少申告等の齟齬発生を回避する。
【解決手段】コンピュータが、製品を構成する部品の環境情報を部品属性テーブルで検索し環境情報を収集する処理と、検索により環境情報が得られなかった部品に関し所定サーバに対して該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し収集する処理と、環境情報を収集した部品群において部品調達先が複数存在する部品の環境情報を取得し、同一部品に関して化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、部品重量の最小値を特定する処理と、部品調達先が複数存在する部品に関して論理和で得た化学物質種類毎に、含有量の最大値を部品重量の最小値で除算して含有率を算定し、部品調達先が複数存在しない部品に関して化学物質の含有率を算定し、各部品に関して算定した化学物質の含有率を製品に関して集計し出力する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境情報集計システム、環境情報集計方法、および環境情報集計プログラムに関するものであり、具体的には、製品に関する環境情報の収集の効率化を図ると共に、環境情報の集計結果における過少申告等の齟齬発生を回避する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
企業活動では、取り扱う製品について各種環境規制への対応状況を把握し、製品の開発・製造に反映させることが重要である。欧州、中国を中心とした各国では、特に環境に対する規制・法律が強化されており、製品が含有する化学物質の量や濃度等の各種環境情報の集計・評価結果の報告が求められている。
こうした環境情報の集計のためには、製品に使用する部品毎に環境情報を収集することが不可欠であり、部品調達先との間で受発注情報のひとつとして環境情報を収集する仕組みの利用が始まっている。
【0003】
また、企業における部品調達活動では、一般的に、在庫切れの防止や調達費用低減の目的で、同一仕様の部品を複数の取引先から調達すること(すなわち複数社購買)が一般化している。そのため、こうした部品の調達方法を考慮して、製品に関する各種環境情報の収集、集計等を行うことは有用である。
こうした環境情報の集計技術としては、例えば、複数の部品から構成される製品の最小部品単位の部品情報と、その部品の組み立てによって構成されるユニット部品情報と、正規部品及び代替部品の購入割合を基に、製品のトータルコストを演算する製品コスト演算装置であって、 製品の部品情報の入力を行う入力手段と、 部品接続する部品接続手段と、 正規の部品に対する代替の部品を設定する設定手段と、 正規部品とその代替部品に指定されている部品の比率演算を行う比率演算手段と、 正規部品及び代替部品の購入割合を基に、部品コストの積上げ処理を行って製品のトータルコストを演算するトータルコスト演算手段とを備える事を特徴とした製品コスト演算装置(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−351945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来技術においては、例えば、環境情報集計に当たって使用する各種の元データを漏れなく収集した上で処理を行う必要があるため、情報収集の遂行度によっては、精度良好な環境情報の集計・評価といった処理を行うことが望めない状況にあった。集計等に必要な元情報が不足していた場合、得られた集計結果に有害な化学物質の環境情報が漏れなく考慮されていることを証明できないため、環境規制等の法令違反を犯してしまうリスクが生じる。一方、環境情報を提供する取引先(サプライヤー)としても、供給部品に関する環境情報をそれぞれの企業(バイヤー)の要求に従って提供することは、大きな手間と時間を必要とし、迅速な対応は難しい状況である。これらの状況から、環境情報の集計・評価作業は、環境情報の収集状況を常に確認しながら行う必要があった。
【0006】
また、上述のように複数社購買等の調達方法の多様化は進んでいるが、部品表の上では複数社購買された部品であっても1つの取引先から調達した1部品として取り扱われている。そのため、同仕様の部品であっても取引先毎に環境情報が異なる場合、こうした環境情報を集計して得られる結果は、実際の製品が示す環境情報と相違するだけでなく、有害物質に関する過少申告等の齟齬が生じる懸念もある。
【0007】
そこで本発明の目的は、製品に関する環境情報の収集の効率化を図ると共に、環境情報の集計結果における過少申告等の齟齬発生を回避する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の環境情報集計システムは、製品の環境情報を集計する情報処理システムであって、ネットワークを介して他装置と通信する通信装置と、製品を構成する部品間の親子関係を示す部品構成テーブルと、部品毎の調達先および環境情報を記憶する部品属性テーブルとを格納する記憶装置と、所定製品に関する環境情報の集計指示を入力装置ないし通信装置を介した他装置より受け付けて、該当製品を構成する部品について前記部品構成テーブルで特定し、特定された部品に関してその環境情報を前記部品属性テーブルで検索し、各部品の環境情報を収集する処理と、前記検索により前記部品構成テーブルにて環境情報が得られなかった部品に関し、ネットワーク上において各種部品に関する環境情報を公開している所定サーバに対して、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理と、環境情報を収集した部品群において、部品調達先が複数存在する部品を前記部品属性テーブルで検索し、各部品調達先が該当部品に関して提供している環境情報を、前記部品属性テーブルで検索ないし前記所定サーバへの取得リクエストにより取得し、同一部品に関して各部品調達先が提供した環境情報間で、化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、および部品重量の最小値を特定する処理と、前記部品調達先が複数存在する部品に関して、前記論理和で得た化学物質種類毎に、前記含有量の最大値を前記部品重量の最小値で除算して該当化学物質の含有率を算定し、部品調達先が複数存在しない部品に関して、前記収集で得た環境情報が示す各化学物質の含有量を部品重量で除算して該当化学物質の含有率を算定し、各部品に関して算定した化学物質の含有率を、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群に関して集計し、その集計結果を出力装置に出力する処理と、を実行する演算装置と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の環境情報集計方法は、ネットワークを介して他装置と通信する通信装置と、製品を構成する部品間の親子関係を示す部品構成テーブルと、部品毎の調達先および環境情報を記憶する部品属性テーブルとを格納する記憶装置と、演算装置とを備え、製品の環境情報を集計するコンピュータが、所定製品に関する環境情報の集計指示を入力装置ないし通信装置を介した他装置より受け付けて、該当製品を構成する部品について前記部品構成テーブルで特定し、特定された部品に関してその環境情報を前記部品属性テーブルで検索し、各部品の環境情報を収集する処理と、前記検索により前記部品構成テーブルにて環境情報が得られなかった部品に関し、ネットワーク上において各種部品に関する環境情報を公開している所定サーバに対して、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理と、環境情報を収集した部品群において、部品調達先が複数存在する部品を前記部品属性テーブルで検索し、各部品調達先が該当部品に関して提供している環境情報を、前記部品属性テーブルで検索ないし前記所定サーバへの取得リクエストにより取得し、同一部品に関して各部品調達先が提供した環境情報間で、化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、および部品重量の最小値を特定する処理と、前記部品調達先が複数存在する部品に関して、前記論理和で得た化学物質種類毎に、前記含有量の最大値を前記部品重量の最小値で除算して該当化学物質の含有率を算定し、部品調達先が複数存在しない部品に関して、前記収集で得た環境情報が示す各化学物質の含有量を部品重量で除算して該当化学物質の含有率を算定し、各部品に関して算定した化学物質の含有率を、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群に関して集計し、その集計結果を出力装置に出力する処理と、を実行することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の環境情報集計プログラムは、ネットワークを介して他装置と通信する通信装置と、製品を構成する部品間の親子関係を示す部品構成テーブルと、部品毎の調達先および環境情報を記憶する部品属性テーブルとを格納する記憶装置と、演算装置とを備え、製品の環境情報を集計するコンピュータに、所定製品に関する環境情報の集計指示を入力装置ないし通信装置を介した他装置より受け付けて、該当製品を構成する部品について前記部品構成テーブルで特定し、特定された部品に関してその環境情報を前記部品属性テーブルで検索し、各部品の環境情報を収集する処理と、前記検索により前記部品構成テーブルにて環境情報が得られなかった部品に関し、ネットワーク上において各種部品に関する環境情報を公開している所定サーバに対して、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理と、環境情報を収集した部品群において、部品調達先が複数存在する部品を前記部品属性テーブルで検索し、各部品調達先が該当部品に関して提供している環境情報を、前記部品属性テーブルで検索ないし前記所定サーバへの取得リクエストにより取得し、同一部品に関して各部品調達先が提供した環境情報間で、化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、および部品重量の最小値を特定する処理と、前記部品調達先が複数存在する部品に関して、前記論理和で得た化学物質種類毎に、前記含有量の最大値を前記部品重量の最小値で除算して該当化学物質の含有率を算定し、部品調達先が複数存在しない部品に関して、前記収集で得た環境情報が示す各化学物質の含有量を部品重量で除算して該当化学物質の含有率を算定し、各部品に関して算定した化学物質の含有率を、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群に関して集計し、その集計結果を出力装置に出力する処理と、を実行させることを特徴とする。
【0011】
なお、前記環境情報としては、製品等における含有化学物質の他、LCA(Life Cycle Assessment)において取り扱う環境負荷情報、製品製造や運搬等に際して生じたCO2排出量の何れかも同様に想定してよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、製品に関する環境情報の収集の効率化を図ると共に、環境情報の集計結果における過少申告等の齟齬発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の環境情報集計システムを含むネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態の環境情報集計システムに関するブロック図である。
【図3】本実施形態における部品構成テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図4】本実施形態における部品属性テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図5】本実施形態の環境情報集計方法の処理手順を示すフロー図である。
【図6】本実施形態の複数社購買部品に関する構成情報例を示す図である。
【図7】本実施形態の仮想的環境情報の構成例を示す図である。
【図8】本実施形態の出力結果例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の環境情報集計システムを含むネットワーク構成図である。図1に示す環境情報集計システム100(以下、システム100)は、製品に関する環境情報の収集の効率化を図ると共に、環境情報の集計結果における過少申告等の齟齬発生を回避するコンピュータシステムである。ここでは一例として、本実施形態の環境情報集計システム100を、企業間での商取引を仲介するいわゆるBtoBシステムに適用した状況を想定している。
【0015】
この場合、図1のネットワーク140中における部品調達先サーバ400は、BtoBシステムでの部品サプライヤーのサーバ装置に該当し、一方、前記システム100は、BtoBシステムでの部品バイヤーの情報処理装置に該当する。従って、本実施形態で示す環境情報のやりとりは、単に環境情報を収集するためだけのデータ通信で実行されてもよいし、上述のBtoBシステムとして商取引の処理を行う際に生じるEDI電文等に付帯させて実行するものであってもよい。EDI電文の処理に付帯させる場合、バイヤー発の発注電文に環境情報の要求メッセージを含ませ、サプライヤー発の受注電文に環境情報の回答メッセージを含ませる状況などが想定できる。
【0016】
また、前記ネットワーク140には、前記システム100に対して、部品構成テーブル125の格納情報を提供する生産管理装置200も接続されている。この生産管理装置200は、例えば、製品開発部門に配置され、設計した製品とその構成部品について情報を管理するCADシステムや、製造部門や部品調達部門等に配置されて部品表を管理する部品管理システムなどが想定できる。こうした生産管理装置200は、例えば、夜間など一定の時間帯に部品表のデータを部品構成テーブル125のデータとして前記システム100に送信することになる。
【0017】
また、前記ネットワーク140には、各種部品に関する環境情報を公開している所定サーバである、公開サーバ300が接続されている。この公開サーバ300は、部品調達先サーバ400から送られてくる、各部品の環境情報を自身の記憶手段に格納している。また、ネットワーク140のプロトコルに応じて、アクセスしてきた他装置からのリクエストに応じて、記憶手段から該当環境情報を抽出してレスポンスとして返すサーバ機能を当然備えている。
【0018】
上述した、生産管理装置200、公開サーバ300、部品調達先サーバ400らは、コンピュータとして備える一般的なハードウェア(CPU、揮発性メモリ、不揮発性記憶装置、入出力手段、通信手段)と、必要な機能を実現するプログラムを当然備えているものとする。また、これら生産管理装置200、公開サーバ300、部品調達先サーバ400も前記システム100に含めるとしてもよい。
【0019】
続いて、こうしたネットワーク構成に含まれる前記システム100が備えるハードウェアおよび機能について説明する。図2は、本実施形態の環境情報集計システム100に関するブロック図である。図2にて示すように、前記システム100は、記憶装置101において必要な機能を実現するプログラム102を備えており、CPUなどの演算装置104が記憶装置101から前記プログラム102をメモリ103に読み出して実行することとなる。前記プログラム102の実行により環境情報集計システムとして必要な機能が実装される。また、前記システム100は、ユーザであるバイヤー等からの指示を受け付けるキーボードやマウス等の入力装置105、処理結果を出力するディスプレイやスピーカー等の出力装置106を備えている。更に、前記ネットワーク140を介して、前記生産管理装置200、公開サーバ300、部品調達先サーバ400などの他装置と通信するための通信装置107もシステム100に備わっている。この通信装置としてはNIC(Network Interface Card)などが想定できる。なお、前記記憶装置101には、部品構成テーブル125および部品属性テーブル126が格納されている。これらテーブルの詳細については後述する。
【0020】
上述の構成を備える前記システム100は、その演算部104が実行するプログラム102により、以下の処理を実行する。すなわち、前記演算部104は、所定製品に関する環境情報の集計指示を入力装置105ないし通信装置107を介した他装置(ネットワーク140に接続されたバイヤー企業の担当者端末等)より受け付けて、該当製品を構成する部品について前記部品構成テーブル125で特定し、特定された部品に関してその環境情報を前記部品属性テーブル126で検索し、各部品の環境情報を収集する処理を実行する。
【0021】
また、前記演算部104は、前記検索により前記部品構成テーブル125にて環境情報が得られなかった部品に関し、ネットワーク140上において各種部品に関する環境情報を公開している所定サーバたる公開サーバ300に対して、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理を実行する。
【0022】
また、前記演算部104は、環境情報を収集した部品群において、部品調達先が複数存在する部品を前記部品属性テーブル126で検索し、各部品調達先が該当部品に関して提供している環境情報を、前記部品属性テーブル126で検索ないし前記公開サーバ300への取得リクエストにより取得し、同一部品に関して各部品調達先が提供した環境情報間で、化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、および部品重量の最小値を特定する処理を実行する。
【0023】
また、前記演算部104は、前記部品調達先が複数存在する部品に関して、前記論理和で得た化学物質種類毎に、前記含有量の最大値を前記部品重量の最小値で除算して該当化学物質の含有率を算定し、部品調達先が複数存在しない部品に関して、前記収集で得た環境情報が示す各化学物質の含有量を部品重量で除算して該当化学物質の含有率を算定し、各部品に関して算定した化学物質の含有率を、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群に関して集計し、その集計結果を出力装置106に出力する処理を実行する。
【0024】
なお、前記演算装置104は、前記特定された部品に関してその環境情報を部品属性テーブル126から収集できた時、前記公開サーバ300に対して該当部品の環境情報に関する登録日時ないしバージョンの情報要求を送信し、登録日時ないしバージョンの情報を取得し、部品属性テーブル126における該当環境情報の登録時期ないしバージョンと、前記公開サーバ300から得た該当環境情報の登録時期ないしバージョンとを比較し、公開サーバ300における該当環境情報が最新であると判明した場合、前記公開サーバ300に対して前記取得リクエストを送信して該当部品の環境情報を収集する、としてもよい。
【0025】
また、前記システム100における記憶装置101は、前記部品属性テーブル126にて部品調達先に関するネットワーク140上の連絡先情報、すなわち前記部品調達先サーバ400のアドレスを格納しているとしてもよい。この場合、前記演算装置104は、公開サーバ300への取得リクエストにより環境情報が得られなかった部品に関し、前記部品属性テーブル126で該当部品調達先の連絡先情報として部品調達先サーバ400のアドレスを特定し、このアドレスが示す部品調達先サーバ400に宛てて、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理を実行する、とすれば好適である。
【0026】
また、前記演算装置104は、環境情報を収集できた部品の数と、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群のうち末端部品の総数とをカウントし、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上であるか判定し、環境情報を収集できた部品の重量を環境情報に基づいて合算し、ここで得た合算重量が、前記集計指示で指定された製品に関して環境情報が示す重量の所定割合以上であるか判定する処理を実行するとしてもよい。この場合、演算部104は、前記判定により、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上であり、前記合算重量が前記製品の重量の所定割合以上であると判定できた場合に、前記集計結果を出力装置106に出力することとなる。また、前記判定により、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上でないか、前記合算重量が前記製品の重量の所定割合以上でないと判定できた場合に、環境情報として精度不十分である旨を示す警告情報を出力装置106に出力する処理を実行する。
【0027】
−−−データ構造例−−−
次に、本実施形態の前記システム100が用いるデータベースにおけるデータ構造例について説明する。前記システム100は、自身の備える、或いはネットワーク経由で利用可能なハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置において、部品構成テーブル125、および部品属性テーブル126を備えている。
【0028】
図3は本実施形態における部品構成テーブル125のデータ構成例を示す図である。この部品構成テーブル125は、製品を構成する部品間の親子関係を階層的に示すテーブルである。この部品構成テーブル125は、図3に示すように、例えば、ある製品“P001”を構成する、“A001”、“XX-001”、“C001”の各部品およびその部品数と、前記部品“A001”を構成する子部品“D001”、“E001”およびその部品数、前記部品“XX-001”を構成する子部品“Y001”およびその部品数、といった具合に、階層最上位の製品“P001”から、階層最下位の末端部品“D001”、“E001”、“Y001”まで、部品相互の関係を示したツリー構造をなしている。この部品構成テーブル125のデータは、例えば、前記生産管理装置200から前記システム100が取得して格納したものとなる。
【0029】
図4は本実施形態における部品属性テーブル126のデータ構成例を示す図である。この部品属性テーブル126は、部品毎の環境情報、調達先、および部品調達先に関するネットワーク上の連絡先情報、を記憶するテーブルである。この部品属性テーブル126は、図示するように、例えば、部品を一意に特定する識別情報となる部品番号(サプライヤー側から提示されたもの)をキーとして、環境情報(部品重量、含有化学物質の種類と含有量(重量))、該当部品に関してバイヤーで設定した部品番号、部品調達先の識別情報および部品調達先サーバ400のアドレス、といったデータが対応付けされたレコードの集合体となっている。
【0030】
−−−処理手順例−−−
以下、本実施形態における環境情報集計方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する環境情報集計方法に対応する各種動作は、前記システム100の演算部104がメモリ103に読み出して実行するプログラム102によって実現される。そして、このプログラム102は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。図5は、本実施形態における環境情報集計方法の処理手順例を示すフロー図である。
【0031】
この場合、前記システム100の前記演算部104は、所定製品に関する環境情報の集計指示を入力装置105ないし通信装置107を介した他装置(ネットワーク140に接続されたバイヤー企業の担当者端末等)より受け付ける(s100)。ここで受け付ける集計指示に含まれる情報としては、集計対象となる製品ないし部品の部品番号となる。
【0032】
演算部104は、集計対象とされた部品番号をキーに、記憶装置101の部品構成テーブル125で検索を実行し、部品構成テーブル125の階層構造にて、該当製品を親とする部品、この部品を親とする子部品、この子部品を親とする孫部品といった具合に、階層構造の最下位すなわち末端部品まで部品の特定を行う(s101)。
【0033】
続いて演算部104は、前記ステップs101で特定した各部品に関して、その環境情報を前記部品属性テーブル126で検索する(s102)。この検索で環境情報が検索できた部品については(s103:OK)、該当環境情報を部品属性テーブル126から収集し、記憶装置101ないしメモリ103にて仮想の部品表データとして格納しておく(s104)。
【0034】
なお、前記演算装置104は、前記ステップs101で特定された部品に関してその環境情報を部品属性テーブル126から収集できた場合、以下のサブフローを行うとしてもよい。すなわち、演算部104は、前記公開サーバ300に対し、該当部品の部品番号をキーとした、環境情報に関する登録日時ないしバージョンの情報要求を送信する(s200)。
【0035】
一方、公開サーバ300は、前記情報要求を受信して、この情報要求が含む部品番号をキーに自身の記憶手段で環境情報の検索を実行し、該当部品に関して環境情報を特定できた場合、その登録日時ないしバージョンの情報を抽出して、前記システム100に返信する(s201)。そこで前記システム100は、公開サーバ300から登録日時ないしバージョンの情報を受信して取得し、部品属性テーブル126における該当部品に関する環境情報の登録時期ないしバージョンと比較する(s202)。
【0036】
登録時期ないしバージョンに関して公開サーバ300のものがより新しい、すなわち公開サーバ300における該当環境情報の方が新しいと判明した場合(s203:Yes)、演算部104は、前記公開サーバ300に対して前記取得リクエストを送信して該当部品の環境情報を収集する(s204)。他方、登録時期ないしバージョンに関して公開サーバ300と部品属性テーブル126とで同じか、或いは部品属性テーブル126のものが新しい、すなわち部品属性テーブル126における該当環境情報が最新と判明した場合(s203:No)、当該サブフローを終了する。
【0037】
ここで前記ステップs103の処理に戻る。一方、前記ステップs102の検索で環境情報が検索できない部品があった場合(s103:NG)、演算部104は、ネットワーク140を介し前記公開サーバ300に対して、該当部品の部品番号をキーに含んだ環境情報の取得リクエストを送信する(s105)。一方、公開サーバ300は、前記取得リクエストを受信して、この取得リクエストが含む部品番号をキーに自身の記憶手段で環境情報の検索を実行し、該当部品に関して環境情報を特定できた場合は、該当環境情報を前記システム100に返信し、環境情報を特定できなかった場合には該当情報無しの旨の返信を行う(s106)。
【0038】
前記システム100の演算部104は、公開サーバ300から環境情報が返信されてきた場合(s107:OK)、受信した該当環境情報を部品属性テーブル126における該当部品に関して格納すると共に、記憶装置101ないしメモリ103における前記仮想の部品表データに格納しておく(s108)。
【0039】
他方、公開サーバ300から該当情報無しの旨の返信がされた場合(s107:NG)、演算部104は、該当部品の部品番号をキーに、前記部品属性テーブル126で該当部品調達先の連絡先情報として部品調達先サーバ400のアドレスを特定する(s109)。また演算部104は、特定したアドレスが示す部品調達先サーバ400に宛てて、該当部品の部品番号をキーに含む環境情報の取得リクエストを送信する(s110)。
【0040】
この時、部品調達先サーバ400は、前記取得リクエストを受信し、受信した部品番号をキーにして、自身の記憶手段で保持している環境情報の検索を実行する(s111)。この検索で該当部品に関する環境情報を特定できた場合、部品調達先サーバ400は前記システム100に対して該当環境情報を返信し、環境情報を特定できなかった場合には該当情報無しの旨の返信を行う(s112)。
【0041】
システム100の演算部104は、この部品調達先サーバ400からの返信を受信し、その返信が環境情報を含むものであれば(s113:OK)、受信した環境情報を部品属性テーブル126における該当部品に関して格納すると共に、記憶装置101ないしメモリ103における前記仮想の部品表データに格納しておく(s114)。他方、部品調達先サーバ400からの返信が該当情報無しの旨を示すものであれば(s113:NG)、演算部104は、ひとまず処理を次のステップs115に遷移させる。
【0042】
続いて、前記演算部104は、以上までの処理で環境情報を収集した部品群すなわち集計対象の製品を構成する部品群において、部品調達先が複数存在する部品を前記部品属性テーブル126で検索する(s115)。この検索処理は、例えば、部品属性テーブル126において、前記部品群に含まれる各部品に関してバイヤー側部品番号を抽出し、バイヤー側部品番号が共通する部品を特定する処理になる。つまり、バイヤー側では同じ仕様の部品として使用しているが、部品調達先は異なっている部品を特定する訳である。
【0043】
演算部104は、前記ステップs115での検索により、部品調達先が複数存在する部品を特定したならば(s116:Yes)、ここで特定した部品に関して各部品調達先が提供している環境情報を、前記部品属性テーブル126で検索ないし前記公開サーバ300ないし部品調達先サーバ400への取得リクエストにより取得する(s117)。他方、前記ステップs115での検索により、部品調達先が複数存在する部品を特定できなかった場合(s116:No)、演算部104は処理をステップs119へ遷移させる。
【0044】
演算部104は、前記ステップs117で取得した、(バイヤー側としては同一部品として使用している部品に関して各部品調達先が提供した)環境情報について、各部品調達先の環境情報間で、化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、および部品重量の最小値を特定する(s118)。
【0045】
この時、演算部104が行う処理の具体的なイメージを図6に例示した。図6は本実施形態の複数社購買部品に関する構成情報例を示す図である。演算部104は、部品調達先が複数存在する前記部品すなわち複数社購買部品に関して、その部品の環境情報(含有される化学物質情報等)を階層構造として組み合わせる。図の例では、バイヤーが部品「YY−001」を、「A社」、「B社」、「C社」の3つの部品調達先すなわちサプライヤーから購入しており、それぞれのサプライヤーで「A−1234」、「B−3456」、「C−5678」という部品番号が付与されている。そこで演算部104は、複数社購買部品のバイヤー側部品番号「YY−001」の下位の部品として、「A社:A−1234」、「B社:B−3456」、「C社:C−5678」の各部品番号を関係づけて階層構造を生成している。実際にはこうした階層構造をメモリ等に確保したテーブル上で作成すればよい。
【0046】
また、演算部104は、前記「A社:A−1234」、「B社:B−3456」、「C社:C−5678」の各部品に関して、前記仮想の部品表データからそれぞれ環境情報を抽出し、前記階層構造の該当部品に紐付ける。図の例では、部品「A−1234」に関して、鉛:5g、クロム:3g、亜鉛:2g、銅:10g、といった含有化学物質および含有量(重量)の情報すなわち環境情報が紐付いている。また、部品「B−3456」に関しては、鉛:7g、クロム:2g、コバルト:1g、銅:5g、といった含有化学物質および含有量(重量)の情報が紐付いている。また、部品「C−5678」に関して、鉛:4g、アンチモン:6g、銅:15g、といった含有化学物質および含有量(重量)の情報が紐付いている。
【0047】
そこで演算部104は、前記「A社:A−1234」、「B社:B−3456」、「C社:C−5678」の各部品を跨って、全ての化学物質の種類を漏れなく抽出する。すなわち化学物質種類の論理和をとる。図の例では、鉛、クロム、亜鉛、銅、コバルト、アンチモンが、論理和の結果となる。演算部104は、この論理和の結果をもって、前記部品「YY−001」の含有化学物質として、記憶装置101ないしメモリ103にて仮記憶しておく(図7)。
【0048】
また演算部104は、前記「A社:A−1234」、「B社:B−3456」、「C社:C−5678」の各部品を跨って、各化学物質に関して含有量の最大値を抽出する。図の例では、鉛に関しては「B社:B−3456」の「7g」、クロムに関しては「A社:A−1234」の「3g」、亜鉛に関しては「A社:A−1234」の「2g」、銅に関しては「C社:C−5678」の「15g」、コバルトに関しては「B社:B−3456」の「1g」、アンチモンに関しては「C社:C−5678」の「6g」が抽出結果となる。演算部104は、この抽出結果を、前記部品「YY−001」の含有化学物質として仮記憶しておいた各化学物質に対応付けて記憶する。
【0049】
また演算部104は、「A社:A−1234」、「B社:B−3456」、「C社:C−5678」の各部品のうち、部品重量の最小値を、部品「B社:B−3456」の「15g」と特定する。演算部104は、ここで特定した部品重量の最小値を、前記含有化学物質等を仮記憶しておいた部品「YY−001」に対して、その部品重量として記憶する。
【0050】
こうした処理の結果、演算部104は、図7に例示する部品「YY−001」に関する仮想的な環境情報(含有される化学物質とその含有量)および部品重量のデータを生成することとなる。
【0051】
続いて演算部104は、前記複数社購買部品に関して、前記論理和で得た化学物質種類毎に、前記含有量の最大値を前記部品重量の最小値で除算して該当化学物質の含有率を算定する(s119)。上述の部品「YY−001」の例であれば、鉛に関して“7g/15g=47%”、クロムに関して“3g/15g=20%”、などと計算できる。また、このステップにおいて演算部104は、部品調達先が複数存在しない他の部品に関しても、前記収集で得た環境情報が示す各化学物質の含有量を部品重量で除算して該当化学物質の含有率を同様に算定する。これら算定処理により、演算部104は集計結果として、集計指示のあった製品に関して各含有化学物質の含有率を取得し、これを記憶装置101ないしメモリ103に格納しておく。
【0052】
また、前記演算装置104は、前記集計指示で指定された製品を構成する部品のうち、環境情報を収集できた部品の数と、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群のうち末端部品の総数とをカウントし、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上であるか判定する(s120)例えば、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の、例えば90%以上であれば(s120:OK)、演算部104は処理をステップs121に遷移させる。他方、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の、例えば90%より少なければ(s120:NG)、演算部104は「収集率が低いので集計精度が低い」と注意を促すメッセージを出力装置106から出力し(s122)、処理を終了する。
【0053】
また、ステップs121において演算部104は、環境情報を収集できた部品の重量を環境情報に基づいて合算し、ここで得た合算重量が、前記集計指示で指定された製品に関して環境情報が示す重量の所定割合以上であるか判定する。この判定により、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の、例えば90%以上である場合(s121:OK)、演算部104は、前記集計結果として記憶装置101ないしメモリ103に格納しておいた各含有化学物質の含有率の情報を読み出して、出力装置106に出力することとなる(s123)。出力例としては図8に示すものとなる。
【0054】
他方、前記判定により、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の、例えば90%より少ない場合(s121:NG)、環境情報として精度不十分である旨を示す、例えば「重要な部品が収集されていないので集計精度が低い」などといった警告情報を出力装置106に出力し(s124)、処理を終了する。
【0055】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0056】
本実施形態によれば、製品に関する環境情報の収集の効率化を図ると共に、環境情報の集計結果における過少申告等の齟齬発生を回避することが可能となる。
【0057】
なお、本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、前記演算装置が、前記特定された部品に関してその環境情報を部品属性テーブルから収集できた時、前記所定サーバに対して該当部品の環境情報に関する登録日時ないしバージョンの情報要求を送信し、登録日時ないしバージョンの情報を取得し、部品属性テーブルにおける該当環境情報の登録時期ないしバージョンと、前記所定サーバから得た該当環境情報の登録時期ないしバージョンとを比較し、所定サーバにおける該当環境情報が最新であると判明した場合、前記所定サーバに対して前記取得リクエストを送信して該当部品の環境情報を収集する、としてもよい。
【0058】
また、前記環境情報集計システムにおいて、前記記憶装置は、前記部品属性テーブルにて部品調達先に関するネットワーク上の連絡先情報を格納しており、前記演算装置は、所定サーバへの取得リクエストにより環境情報が得られなかった部品に関し、前記部品属性テーブルで該当部品調達先の連絡先情報を特定し、この連絡先情報が示す部品調達先の装置に宛てて、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理を実行するものである、としてもよい。
【0059】
また、前記環境情報集計システムにおいて、前記演算装置は、環境情報を収集できた部品の数と、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群のうち末端部品の総数とをカウントし、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上であるか判定し、環境情報を収集できた部品の重量を環境情報に基づいて合算し、ここで得た合算重量が、前記集計指示で指定された製品に関して環境情報が示す重量の所定割合以上であるか判定し、前記判定により、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上であり、前記合算重量が前記製品の重量の所定割合以上であると判定できた場合に、前記集計結果を出力装置に出力し、前記判定により、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上でないか、前記合算重量が前記製品の重量の所定割合以上でないと判定できた場合に、環境情報として精度不十分である旨を示す警告情報を出力装置に出力する処理を実行するものである、としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
100 環境情報集計システム
101 記憶装置
102 プログラム
103 メモリ
104 演算装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信装置
125 部品構成テーブル
126 部品属性テーブル
140 ネットワーク
200 生産管理装置
300 公開サーバ(所定サーバ)
400 部品調達先サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の環境情報を集計する情報処理システムであって、
ネットワークを介して他装置と通信する通信装置と、
製品を構成する部品間の親子関係を示す部品構成テーブルと、部品毎の調達先および環境情報を記憶する部品属性テーブルとを格納する記憶装置と、
所定製品に関する環境情報の集計指示を入力装置ないし通信装置を介した他装置より受け付けて、該当製品を構成する部品について前記部品構成テーブルで特定し、特定された部品に関してその環境情報を前記部品属性テーブルで検索し、各部品の環境情報を収集する処理と、
前記検索により前記部品構成テーブルにて環境情報が得られなかった部品に関し、ネットワーク上において各種部品に関する環境情報を公開している所定サーバに対して、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理と、
環境情報を収集した部品群において、部品調達先が複数存在する部品を前記部品属性テーブルで検索し、各部品調達先が該当部品に関して提供している環境情報を、前記部品属性テーブルで検索ないし前記所定サーバへの取得リクエストにより取得し、同一部品に関して各部品調達先が提供した環境情報間で、化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、および部品重量の最小値を特定する処理と、
前記部品調達先が複数存在する部品に関して、前記論理和で得た化学物質種類毎に、前記含有量の最大値を前記部品重量の最小値で除算して該当化学物質の含有率を算定し、部品調達先が複数存在しない部品に関して、前記収集で得た環境情報が示す各化学物質の含有量を部品重量で除算して該当化学物質の含有率を算定し、各部品に関して算定した化学物質の含有率を、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群に関して集計し、その集計結果を出力装置に出力する処理と、を実行する演算装置と、
を備えることを特徴とする環境情報集計システム。
【請求項2】
前記演算装置は、前記特定された部品に関してその環境情報を部品属性テーブルから収集できた時、前記所定サーバに対して該当部品の環境情報に関する登録日時ないしバージョンの情報要求を送信し、登録日時ないしバージョンの情報を取得し、部品属性テーブルにおける該当環境情報の登録時期ないしバージョンと、前記所定サーバから得た該当環境情報の登録時期ないしバージョンとを比較し、所定サーバにおける該当環境情報が最新であると判明した場合、前記所定サーバに対して前記取得リクエストを送信して該当部品の環境情報を収集する、
ことを特徴とする請求項1に記載の環境情報集計システム。
【請求項3】
前記記憶装置は、前記部品属性テーブルにて部品調達先に関するネットワーク上の連絡先情報を格納しており、
前記演算装置は、所定サーバへの取得リクエストにより環境情報が得られなかった部品に関し、前記部品属性テーブルで該当部品調達先の連絡先情報を特定し、この連絡先情報が示す部品調達先の装置に宛てて、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理を実行するものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の環境情報集計システム。
【請求項4】
前記演算装置は、
環境情報を収集できた部品の数と、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群のうち末端部品の総数とをカウントし、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上であるか判定し、
環境情報を収集できた部品の重量を環境情報に基づいて合算し、ここで得た合算重量が、前記集計指示で指定された製品に関して環境情報が示す重量の所定割合以上であるか判定し、
前記判定により、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上であり、前記合算重量が前記製品の重量の所定割合以上であると判定できた場合に、前記集計結果を出力装置に出力し、
前記判定により、環境情報を収集できた部品の数が前記末端部品の総数の所定割合以上でないか、前記合算重量が前記製品の重量の所定割合以上でないと判定できた場合に、環境情報として精度不十分である旨を示す警告情報を出力装置に出力する処理を実行するものである、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環境情報集計システム。
【請求項5】
ネットワークを介して他装置と通信する通信装置と、製品を構成する部品間の親子関係を示す部品構成テーブルと、部品毎の調達先および環境情報を記憶する部品属性テーブルとを格納する記憶装置と、演算装置とを備え、製品の環境情報を集計するコンピュータが、
所定製品に関する環境情報の集計指示を入力装置ないし通信装置を介した他装置より受け付けて、該当製品を構成する部品について前記部品構成テーブルで特定し、特定された部品に関してその環境情報を前記部品属性テーブルで検索し、各部品の環境情報を収集する処理と、
前記検索により前記部品構成テーブルにて環境情報が得られなかった部品に関し、ネットワーク上において各種部品に関する環境情報を公開している所定サーバに対して、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理と、
環境情報を収集した部品群において、部品調達先が複数存在する部品を前記部品属性テーブルで検索し、各部品調達先が該当部品に関して提供している環境情報を、前記部品属性テーブルで検索ないし前記所定サーバへの取得リクエストにより取得し、同一部品に関して各部品調達先が提供した環境情報間で、化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、および部品重量の最小値を特定する処理と、
前記部品調達先が複数存在する部品に関して、前記論理和で得た化学物質種類毎に、前記含有量の最大値を前記部品重量の最小値で除算して該当化学物質の含有率を算定し、部品調達先が複数存在しない部品に関して、前記収集で得た環境情報が示す各化学物質の含有量を部品重量で除算して該当化学物質の含有率を算定し、各部品に関して算定した化学物質の含有率を、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群に関して集計し、その集計結果を出力装置に出力する処理と、
を実行することを特徴とする環境情報集計方法。
【請求項6】
ネットワークを介して他装置と通信する通信装置と、製品を構成する部品間の親子関係を示す部品構成テーブルと、部品毎の調達先および環境情報を記憶する部品属性テーブルとを格納する記憶装置と、演算装置とを備え、製品の環境情報を集計するコンピュータに、
所定製品に関する環境情報の集計指示を入力装置ないし通信装置を介した他装置より受け付けて、該当製品を構成する部品について前記部品構成テーブルで特定し、特定された部品に関してその環境情報を前記部品属性テーブルで検索し、各部品の環境情報を収集する処理と、
前記検索により前記部品構成テーブルにて環境情報が得られなかった部品に関し、ネットワーク上において各種部品に関する環境情報を公開している所定サーバに対して、該当部品の環境情報の取得リクエストを送信し、該当部品の環境情報を収集する処理と、
環境情報を収集した部品群において、部品調達先が複数存在する部品を前記部品属性テーブルで検索し、各部品調達先が該当部品に関して提供している環境情報を、前記部品属性テーブルで検索ないし前記所定サーバへの取得リクエストにより取得し、同一部品に関して各部品調達先が提供した環境情報間で、化学物質種類の論理和、各化学物質での含有量の最大値、および部品重量の最小値を特定する処理と、
前記部品調達先が複数存在する部品に関して、前記論理和で得た化学物質種類毎に、前記含有量の最大値を前記部品重量の最小値で除算して該当化学物質の含有率を算定し、部品調達先が複数存在しない部品に関して、前記収集で得た環境情報が示す各化学物質の含有量を部品重量で除算して該当化学物質の含有率を算定し、各部品に関して算定した化学物質の含有率を、前記集計指示で指定された製品を構成する部品群に関して集計し、その集計結果を出力装置に出力する処理と、
を実行させることを特徴とする環境情報集計プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−18458(P2012−18458A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153929(P2010−153929)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】