説明

環境適応型通信システムおよび装置

【課題】 携帯通信端末が置かれている現在の通信環境を自動認識し、その結果に応じて現在の通信環境に最適な通信回線を選択して発信可能にする。
【解決手段】 携帯通信端末からの環境検知用信号に対して応答信号を返信する手段と、携帯通信端末からの固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し利用可能な固定回線を携帯通信端末に返信する手段と、携帯通信端末からの発信信号を受信した場合及び固定回線からの着信信号を受信した場合に携帯通信端末との間で通信路を確立し、携帯通信端末と固定回線との通信を中継する手段とを有する固定回線用通信中継装置と、環境検知用信号を発信し、固定回線用通信中継装置からの応答信号の有無により自携帯通信端末が固定回線が使用可能な環境にある場合に、携帯回線と利用可能な固定回線のうち予め設定した条件に従って最適回線を選定して通信路を確立する切り替え手段を有する携帯電話装置とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末の現在の通信環境に応じて固定回線および無線回線のうち最適な通信回線を選択して通信可能にする環境適応型通信システムおよび装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機が使用する回線を状況に応じて切り替える技術として、例えば、下記特許文献1のものが知られている。
下記特許文献1に記載のものは、送信要求が発生した時点の時間情報と共に送信要求入力を受け付ける入力受信手段と、通信回線毎のコストデータを格納する通信情報記憶手段と、通信回線の選定にあたりシステムで許容する通信回線を登録する通信回線登録手段と、送信要求が発生した時点で最適な通信回線を選択する通信回線選択手段とから構成され、送信要求が発生した時点で通信コストが最低となる通信回線を自動選択し実際に送信処理を行う外部通信装置を介して送信するものである。
【特許文献1】特開2000−299657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近時においては、固定電話機と携帯電話機に加え、ADSL回線を使用したIP電話機が登場し、これらの複数の通信回線を使用可能になっている家庭、会社等が増加している。そして、通話を行う際には、通話先が固定電話機であるか、携帯電話機であるかなどを考慮し、通信コストの安い回線の電話機(携帯電話機または固定電話機)を選択して使用している。
このため、通信コストを意識して複数の電話機を使い分けなければならず、面倒であるという問題が生じている。
これに対して、上記の特許文献1に開示された通信回線切り替え通信装置を用いることが考えられる。しかしながら、上記特許文献1に開示された通信回線切り替え通信装置は、固定回線を選定対象の回線としていない。このため、携帯電話回線より通信コストが安い固定回線を使用可能な環境に居るにも拘わらず、携帯電話回線を使用せざるを得ないという問題がある。
もしも、ユーザが固定回線が存在する家庭内に居る場合には、携帯電話機から固定回線を選定して通話することが可能になれば、通信コストが安くなり、かつ固定電話機と携帯電話機を使い分けるといった煩わしさから解放され、しかも固定電話機と携帯電話機の両方を装備しておく必要はなく、携帯電話機のみを装備しておけばよく、固定電話機の設置スペースをなくすことが可能になる。
上記の特許文献1に開示された通信回線切り替え通信装置では、固定回線を選定対象の回線としていないため、このようなことを実現することができない。
【0004】
本発明の目的は、携帯通信端末が置かれている現在の通信環境を固定回線をも含めて自動認識し、その結果に応じて現在の通信環境に最適な通信回線を選択して発信でき、待機状態においては利用可能な全ての回線から受信可能にすることができる環境適応型通信システムおよび装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る環境適応型通信システムは、固定回線が装備されている環境に設置された固定回線用通信中継装置と携帯通信端末とから構成され、
前記固定回線用通信中継装置が、
携帯通信端末からの環境検知用信号に対して応答信号を返信する第1の手段と、携帯通信端末からの固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し利用可能な固定回線を携帯通信端末に返信する第2の手段と、携帯通信端末からの発信信号を受信した場合及び固定回線からの着信信号を受信した場合に携帯通信端末の固定回線用通信手段との間で通信路を確立し、携帯通信端末と固定回線との通信を中継する第3の手段とを有し、
前記携帯通信端末が、
環境検知用信号を発信し、固定回線用通信中継装置からの応答信号の有無により自携帯通信端末が固定回線が使用可能な環境にあるか否かを認識する第4の手段と、固定回線が使用可能な環境にある場合に、携帯回線と利用可能な固定回線のうち予め設定した条件に従って最適回線を選定する第5の手段と、選定した最適回線が固定回線であれば固定回線用通信手段を起動し、前記固定回線用通信中継装置の第3の手段との間で通信路を確立し、当該第3の手段を介して固定回線との通信を行う状態に切り替え、選定した最適回線が携帯回線であれば携帯回線用通信手段を起動し、携帯回線の基地局との間で通信を行う状態に切り替えると共に、携帯回線および固定回線からの着信待機状態において前記携帯回線用通信手段および固定回線用通信手段の両方を起動し、携帯回線および固定回線のいずれの着信信号にも応答可能な状態に切り替える第6の手段とを有することを特徴とする。
また、前記第2の手段が、固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し複数の固定回線のうち予め定めた条件に従って最適な1つの利用可能な固定回線を選定する手段を有することを特徴とする。
また、前記第5の手段が、複数の携帯回線のうち予め定めた条件に従って最適な1つの利用可能な携帯回線を選定し、その選定した携帯回線と前記第2の手段から通知された固定回線とを比較し最適回線を選定する手段を有することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る固定回線用の中継装置は、固定回線と携帯通信端末との通信を中継する装置であって、携帯通信端末からの環境検知用信号に対して応答信号を返信する第1の手段と、携帯通信端末からの固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し利用可能な固定回線を携帯通信端末に返信する第2の手段と、携帯通信端末からの発信信号を受信した場合及び固定回線からの着信信号を受信した場合に携帯通信端末の固定回線用通信手段との間で通信路を確立し、携帯通信端末と固定回線との通信を中継する第3の手段とを有することを特徴とする。
そして、前記第2の手段が、固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し複数の固定回線のうち予め定めた条件に従って最適な1つの利用可能な固定回線を選定する手段を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る携帯通信端末装置は、環境検知用信号を発信し、固定回線用通信中継装置からの応答信号の有無により自携帯通信端末が固定回線が使用可能な環境にあるか否かを認識する第1の手段と、固定回線が使用可能な環境にある場合に、携帯回線と利用可能な固定回線のうち予め設定した条件に従って最適回線を選定する第2の手段と、選定した最適回線が固定回線であれば固定回線用通信手段を起動し、前記固定回線用通信中継装置との間で通信路を確立し、当該固定回線用通信中継装置を介して固定回線との通信を行う状態に切り替え、選定した最適回線が携帯回線であれば携帯回線用通信手段を起動し、携帯回線の基地局との間で通信を行う状態に切り替えると共に、携帯回線および固定回線からの着信待機状態において前記携帯回線用通信手段および固定回線用通信手段の両方を起動し、携帯回線および固定回線のいずれの着信信号にも応答可能な状態に切り替える第3の手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯通信端末が置かれている現在の通信環境を固定回線をも含めて自動認識し、その結果に応じて現在の通信環境に最適な通信回線を選択して発信でき、待機状態においては利用可能な全ての回線から受信可能にすることができる。
これにより、携帯通信端末を所有したユーザが固定回線が存在する家庭内に居る場合には、携帯通信端末から固定回線を選定して通話することが可能になり、通信コストを考慮して固定電話機と携帯通信端末を使い分けるといった煩わしさから解放される。しかも固定電話機と携帯通信端末の両方を装備しておく必要はなく、携帯通信端末のみを装備しておけばよく、固定電話機の設置スペースをなくすことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施する場合の一形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る環境適応型通信システムの実施の形態を示すシステム構成図である。
本実施の形態のシステムは、携帯通信端末(携帯電話機、または携帯電話機能を備えた情報端末)1と、固定回線(固定電話回線、ADSL回線など)を接続した固定回線用通信中継装置2から構成される。
携帯通信端末1は、最適回線選定機能(携帯回線用)11と、最適回線選定機能(全回線用)12と、環境判定機能13と、回線切替機能14と、通信機能15を備えている。
最適回線選定機能(携帯回線用)11は、最適回線選定テーブル(携帯回線用)111に予め設定された情報に基づいて、携帯回線((携帯電話回線、PHS回線など)の中から最適な回線を選定し、その選定結果(携帯回線用)を最適回線選定機能(全回線用)12へ提供する機能である。
最適回線選定テーブル(携帯回線用)111は、選定するための基準となる携帯回線の情報を保有する。例えば、選定基準が通信コストの場合、各携帯回線(携帯電話回線、PHS回線など)の通信時間帯とその時間帯に対応した料金の情報を保有している。
環境判定機能13は、近くに固定回線用通信中継装置2があるかどうか(携帯通信端末が固定回線を使用できる環境に置かれているかどうか)を検知する機能である。つまり随時、固定回線用通信中継装置2を検知するための検知用信号電波を発信し、固定回線用通信中継装置2からの応答信号が受信できたならば、当該携帯通信端末1が置かれている環境は、「携帯回線のほかに固定回線も使用できる環境」であると認識する。しかし、固定回線用通信中継装置2からの応答信号が受信されない場合には、「携帯回線しか使用できない環境」であると認識する。
最適回線選定機能(全回線用)12は、使用可能な全回線(固定回線及び携帯回線)の中から最適な回線を確定する機能である。具体的な機能内容は、環境判定機能13の判定結果が、「携帯回線のほかに固定回線も使用できる環境」である場合、固定回線用通信中継装置2の最適回線選定機能(固定回線用)21に対して固定回線の中で最適な回線を問い合わせ、その問合せに応じて選定した選定結果(固定回線用)と、既に獲得している最適回線選定機能(携帯回線用)11の選定結果(携帯回線用)の両方の結果をもとに最適な回線を選定する。また、環境判定機能13の判定結果が「携帯回線しか使用できない環境」である場合、最適回線選定機能(固定回線用)21へは最適回線の問い合わせを行わずに、既に獲得してある最適回線選定機能(携帯回線用)11の選定結果(携帯回線用)を最適回線とする機能である。
【0010】
固定回線用通信中継装置2の最適回線選定機能(固定回線用)21は、最適回線選定テーブル(固定回線用)211に予め設定された情報に従い、固定回線のうちから最適な回線を選定し、その選定結果(固定回線用)を携帯通信端末1の最適回線選定機能(全回線用)12へ送信する機能である。
最適回線選定テーブル(固定回線用)21は、選定するための基準となる固定回線の情報を保有する。例えば、選定基準が通信コストの場合、各固定回線(固定回線、ADSL回線など)の通信時間帯とその時間帯に対応した料金の情報を保有している。
携帯通信端末1の回線切替機能14は、前述した最適回線選定機能(全回線用)12により選定された結果をもとに、後述の通信機能15中の固定回線用通信機能151と携帯回線用通信機能152とを切り替える機能である。ただし、使用用途が「受信」(受信待ち状態)である場合は、最適回線選定機能(全回線用)12は使用せずに、無条件で使用可能な全回線から受信できる状態にする。
通信機能15は、固定回線用通信機能151と携帯回線用通信機能152とから構成され、外部と通信する機能を保有する。
固定回線用通信機能151は、後述の固定回線用通信中継機能22との間で無線回線により通信路を確立し、固定回線用通信中継機能22を介して固定回線との間で通信する機能である。
携帯回線用通信機能152は携帯回線で基地局と通信する機能である。
固定回線用通信中継装置2の固定回線用通信中継機能22は、当機能に接続された固定回線と固定回線用通信機能151との通信を無線回線で中継する機能である。
【0011】
図2は、携帯通信端末1が固定回線使用可能な環境に置かれている場合における発信時の各機能間のデータフロー図である。
まず、最適回線選定機能(携帯回線用)11は、最適回線選定用テーブル(携帯回線用)111に保有してある情報に基づいて、携帯回線の中で最適な回線を選定し、その選定結果(携帯回線)を最適回線選定機能(全回線用)12へ送信する(ステップS11)。
次に、環境判定機能13は、固定回線用中継装置2を検知するための検知用電波を発信し(ステップS12)、その電波を受信した固定回線用通信中継装置2からの応答信号を受信する(ステップS13)。そして、その応答信号が受信できたか否かに基づいて、携帯通信端末が置かれている環境が「携帯回線のほかに固定回線も使用可能な環境」であるのか否かを判定し、その判定結果を最適回線選定機能(全回線)12へ提供する(ステップS14)。
固定回線用通信中継装置2からの応答信号を受信した場合には、「携帯回線のほかに固定回線も使用可能な環境」であるものと判定し、受信できなかった場合には固定回線は使用不可の環境であると判定する。
【0012】
次に、最適回線選定機能(全回線用)12は、ステップS14で受け取った判定結果である「携帯回線のほかに固定回線も使用可能な環境」を受けて、最適回線選定機能(固定回線用)21へ固定回線中の最適回線を無線回線で問い合わせ(ステップS15)、最適回線選定機能(固定回線用)21が、最適回線選定用テーブル(携帯回線用)211に保有してある情報に基づいて、固定回線の中で最適な回線の選定した選定結果(固定回線)を受け取る(ステップS16)。そして、ステップS11の選定結果(携帯回線)とステップS16の選定結果(固定回線)の両方の選定結果に基づいて、固定回線と携帯回線を含めた回線の中で最適な回線を選定し、その選定結果(全回線)を回線切替機能14へ送信する(ステップS17)。
回線切替機能14は、受け取った選定結果(全回線)つまり、使用可能な全回線の中で最適回線がどの回線であるかの情報と、その内容に応じて、固定回線用通信機能151、携帯回線用通信機能152のどちらを使用するのかの指示、つまり最適回線が固定回線のうちの1本であれば、「固定回線用通信機能を使用」の指示、また携帯回線のうちの1本であれば、「携帯回線用通信機能を使用」の指示を通信機能151または152へ送信する(ステップS18)。
【0013】
固定回線用通信機能151は、回線切替機能14から受け取った指示が「固定回線用通信機能を使用」である場合、固定回線用通信中継機能22との間で無線回線により通信路を確立し、回線切替機能14から受け取った選定結果(つまり全回線中の最適回線)と、通信データを固定回線用通信中継機能22へ送信する(ステップS19)。
固定回線用通信中継機能22は、受け取った選定結果をもとに、当機能に接続されている固定回線のなかから使用する回線を確定し、その回線へ受け取った通信データを送信する(ステップS20)。
それに対して、回線切替機能14から受け取った指示が「携帯回線用通信機能を使用」である場合、携帯回線用通信機能152は、回線切替機能14から受け取った選定結果(つまり全回線中の最適回線)をもとに、通信に使用する携帯回線を決定し、その回線で通信する(ステップS21)。
【0014】
図3は、携帯通信端末1が携帯回線のみ使用可能な環境に置かれている場合における発信時の各機能間のデータフロー図である。
まず、最適回線選定機能(携帯回線用)11が最適回線選定機能(全回線用)12へ選定結果(携帯回線)を送信する(ステップS31)。
次に、環境判定機能13は、検知用信号電波を発信する(ステップS32)。しかし、固定回線用通信中継装置2から応答信号が返信されない(ステップS32)。その結果、携帯通信端末1が置かれている環境は「携帯回線しか使用できない環境」という判定結果を最適回線選定機能(全回線)12へ提供する(ステップS34)。
次に、最適回線選定機能(全回線用)12は、ステップS34)で受け取った判定結果が「携帯回線しか使用できない環境」であるため、最適回線選定機能(固定回線用)21には最適回線問合せをせずに、ステップS31で受け取った選定結果(携帯回線)をそのまま回線切替機能14へ送信する(ステップS35)。
【0015】
回線切替機能14は、最適回線選定機能(全回線用)12から受け取った選定結果(全回線)は必ず携帯回線のうちのいずれかの回線であるため、携帯回線用通信機能152を使用する指示を通信機能15へ送信する(ステップS36)。
その結果、回線切替機能14から受け取った指示が「携帯回線用通信機能を使用」であるため、携帯回線用通信機能152は、回線切替機能14から受け取った選定結果(つまり全回線中の最適回線)をもとに、通信に使用する携帯回線を決定し、その回線で通信する(ステップS27)。
【0016】
図4は、使用用途(発信、受信)の考慮も含めた場合のフローチャートである。
図2及び図3で説明した環境判定を行い(ステップ401,402)、この後、使用用途の判定を行う。使用用途が「発信」(発呼)の場合には、図2、図3で説明した手順を辿る。すなわち、固定回線が使用可能な環境であれば、ステップ404〜407の手順により固定回線を使用して通信を行う。固定回線を使用できない環境であれば、ステップ410〜411の手順により通信を行う。
なお、図4において各ステップ内のステップ番号は図2、図3のステップ番号に該当する。
それに対して、使用用途が「受信」(受信待機状態あるいは着呼待ち状態)の場合には、ステップ403または409の判定を経てステップ408または411に進み、通信機能15は、携帯通信端末1が置かれている環境に応じて、使用可能な全ての回線からの携帯通信端末への着信に対して受信可能な状態にし、着信があれば着信した回線を使用して通信する。つまり、携帯通信端末1が置かれている環境が「携帯回線しか使用できない環境」であるならば、使用可能な全ての携帯回線からの着信に対して、これを受信できる状態にし、また「携帯回線のほかに固定回線も使用可能な環境」であるならば、使用可能な全ての携帯回線と固定回線からの着信に対して、受信できる状態にする。
これにより、着信待ちの状態においては、固定回線からの着信であっても携帯回線からの着信であっても携帯通信端末1で通信可能になる。
【0017】
なお、複数の携帯回線および複数の固定回線のうちいずれを最適回線として選定するかの選定の仕方については前述した特許文献1で開示されているように通信コストを考慮する方法を用いてもよいし、他の公知技術を適宜に組み合わせたものを用いることができる。
要するに通信コストや通信品質などの予め定めた条件でいずれかの回線を選定する方法を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】携帯通信端末が置かれている環境が「携帯回線のほかに固定回線も使用可能な環境」である場合でかつ、使用用途が「発信」時のデータの流れを説明するためのフロー図である。
【図3】携帯通信端末が置かれている環境が「携帯回線しか使用できない環境」である場合でかつ、使用用途が「送信」時のデータの流れを説明するためのフロー図である。
【図4】使用用途が「発信」のほかに「着信」の場合の考慮も含めたフローチャートである。
【符号の説明】
【0019】
1 携帯情報端末
2 固定回線用中継装置
11 最適回線選定機能(携帯回線用)
12 最適回線選定機能(全回線用)
13 環境判定機能
14 回線切替機能
15 通信機能
21 最適回線選定機能(固定回線用)
22 固定回線用中継機能
111 最適回線選定用テーブル(携帯回線用)
151 固定回線用通信機能
152 携帯回線用通信機能
211 最適回線選定用テーブル(固定回線用)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定回線が装備されている環境に設置された固定回線用通信中継装置と携帯通信端末とから構成され、
前記固定回線用通信中継装置が、
携帯通信端末からの環境検知用信号に対して応答信号を返信する第1の手段と、携帯通信端末からの固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し利用可能な固定回線を携帯通信端末に返信する第2の手段と、携帯通信端末からの発信信号を受信した場合及び固定回線からの着信信号を受信した場合に携帯通信端末の固定回線用通信手段との間で通信路を確立し、携帯通信端末と固定回線との通信を中継する第3の手段とを有し、
前記携帯通信端末が、
環境検知用信号を発信し、固定回線用通信中継装置からの応答信号の有無により自携帯通信端末が固定回線が使用可能な環境にあるか否かを認識する第4の手段と、固定回線が使用可能な環境にある場合に、携帯回線と利用可能な固定回線のうち予め設定した条件に従って最適回線を選定する第5の手段と、選定した最適回線が固定回線であれば固定回線用通信手段を起動し、前記固定回線用通信中継装置の第3の手段との間で通信路を確立し、当該第3の手段を介して固定回線との通信を行う状態に切り替え、選定した最適回線が携帯回線であれば携帯回線用通信手段を起動し、携帯回線の基地局との間で通信を行う状態に切り替えると共に、携帯回線および固定回線からの着信待機状態において前記携帯回線用通信手段および固定回線用通信手段の両方を起動し、携帯回線および固定回線のいずれの着信信号にも応答可能な状態に切り替える第6の手段とを有することを特徴とする環境適応型通信システム。
【請求項2】
前記第2の手段が、固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し複数の固定回線のうち予め定めた条件に従って最適な1つの利用可能な固定回線を選定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の環境適応型通信システム。
【請求項3】
前記第5の手段が、複数の携帯回線のうち予め定めた条件に従って最適な1つの利用可能な携帯回線を選定し、その選定した携帯回線と前記第2の手段から通知された固定回線とを比較し最適回線を選定する手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の環境適応型通信システム。
【請求項4】
固定回線と携帯通信端末との通信を中継する装置であって、
携帯通信端末からの環境検知用信号に対して応答信号を返信する第1の手段と、携帯通信端末からの固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し利用可能な固定回線を携帯通信端末に返信する第2の手段と、携帯通信端末からの発信信号を受信した場合及び固定回線からの着信信号を受信した場合に携帯通信端末の固定回線用通信手段との間で通信路を確立し、携帯通信端末と固定回線との通信を中継する第3の手段とを有することを特徴とする中継装置。
【請求項5】
前記第2の手段が、固定回線の利用可否問い合わせ要求に対し複数の固定回線のうち予め定めた条件に従って最適な1つの利用可能な固定回線を選定する手段を有することを特徴とする請求項4に記載の中継装置。
【請求項6】
固定回線との通信を中継する中継装置を介して固定回線との通信を可能にする携帯通信端末装置であって、
環境検知用信号を発信し、前記中継装置からの応答信号の有無により自携帯通信端末が固定回線が使用可能な環境にあるか否かを認識する第1の手段と、固定回線が使用可能な環境にある場合に、携帯回線と利用可能な固定回線のうち予め設定した条件に従って最適回線を選定する第2の手段と、選定した最適回線が固定回線であれば固定回線用通信手段を起動し、前記中継装置との間で通信路を確立し、当該中継装置を介して固定回線との通信を行う状態に切り替え、選定した最適回線が携帯回線であれば携帯回線用通信手段を起動し、携帯回線の基地局との間で通信を行う状態に切り替えると共に、携帯回線および固定回線からの着信待機状態において前記携帯回線用通信手段および固定回線用通信手段の両方を起動し、携帯回線および固定回線のいずれの着信信号にも応答可能な状態に切り替える第3の手段とを有することを特徴とする携帯通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−74147(P2006−74147A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252163(P2004−252163)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】