説明

環椎軸椎固定器具

【課題】環椎軸椎亜脱臼の治療において、術者に高度な技術を要求することなく、環椎と軸椎とに安定した固定力を付与することが可能であり、かつ、環椎と軸椎への負担を軽減することができる環椎軸椎固定器具の構造を実現する。
【解決手段】環椎側プレート部18と、軸椎側プレート部19と、複数のネジ孔21と、ネジ部材17とを備え、該環椎側プレート部18に形成されたネジ孔に挿通されたネジ部材17が環椎7に螺合されて、前記軸椎側プレート部19に形成されたネジ孔に挿通されたネジ部材17が軸椎11に螺合されていることで、環椎7と軸椎11との間に固定力を付与している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、頸椎亜脱臼の治療、特に靱帯断裂等により環椎と軸椎との間に亜脱臼が生じた際に、離れた環椎と軸椎とを接続固定するために用いられる環椎軸椎固定器具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、頸椎を構成する環椎軸椎における亜脱臼の治療では、腹側(前側)において軸椎側からスクリュなどの固定部材を軸椎に埋入し、さらに固定部材を環椎に埋入して環椎を軸椎側へ引き寄せることで、環椎と軸椎とを固定する亜脱臼整復方法が用いられている。
【0003】
このような亜脱臼整復方法は、環椎と軸椎とをスクリュにより固定する際に、脊髄および動脈を避けるようにして、スクリュを埋入する必要があり、術者に高度な技術力が要求される。また、スクリュのみで環椎と軸椎とを固定するため、環椎または軸椎が破損するなどの可能性が有り、手術時間および治療費の増加に繋がり、患者への負担が増大してしまう。
【0004】
また、図7は、特許文献1に記載された動物の亜脱臼整復方法に用いられる獣医用環椎軸椎固定器具1の構造を示している。獣医用環椎軸椎固定器具1は、環椎側固定部材2と、軸椎側固定部材3と、連結部材4とを備える。
【0005】
このうちの、環椎側固定部材2は、基部5と、該基部5の一端部に設けられた一対の係止フック部6とを備える。両係止フック部6は、環椎7の椎弓8に係止可能な形状に形成されており、患者の環椎7の大きさ、および形状に合わせて、変形可能である。一方、軸椎側固定部材3は、基部9と、該基部9の他端部に設けられた一対の係止フック部10とを備える。両係止フック部10は、軸椎11の後関節突起に係止可能な形状に形成されている。また、連結部材4は、ボルト12とナット(図示省略)からなる。
【0006】
このような獣医用環椎軸椎固定器具1の場合、係止フック部10が軸椎11の後関節突起(図7の右側)に係止され、係止フック部6が環椎7の椎弓8に係止され、棘突起30の両側に伸長する基部5、9に形成された複数の孔13、14のうち位置が合致する孔を介して、ボルト12およびナットからなる連結部材4により、背側(後側)にて、環椎側固定部材2と軸椎側固定部材3とが結合固定されている。このようにして、環椎7と軸椎11とが、引き寄せられるように固定されている。
【0007】
ただし、この獣医用環椎軸椎固定器具1による固定は、環椎側固定部材2と軸椎側固定部材3による間接的なものであり、環椎7と軸椎11との位置関係もこれらの固定部材2、3の距離に依存する。よって、環椎7と軸椎11との間に完全な骨固定が行えず、術後の時間経過と共に、環椎7と軸椎11との間に位置ずれが生じる可能性がある。
【0008】
また、前記両係止フック部6、10に応力が集中するため、両係止フック部6、10が変形して固定力が低下したり、環椎7および軸椎11に亀裂などの損傷が発生したりする可能性が考えられる。これらの結果として、治癒期間が増加して、患者への精神的、経済的な負担が増大してしまう。
【0009】
一方、特許文献2に記載された環椎軸椎固定器具は、背側より軸椎の棘突起に固定されるクリップ部と、環椎の椎弓に係止されるフック部と、該クリップ部とフック部とを相互間の間隔を任意に決定して連結可能な連結部を備えている。
【0010】
このような環椎軸椎固定器具では、環椎と軸椎とを最適位置で固定でき、完全な骨固定が得られ、また、固定器具の環椎と軸対への固定がしっかりするなどの改善が見られるが、前記クリップ部およびフック部に応力が集中することで、前記クリップ部またはフック部が変形して固定力が弱まる可能性があり、また、環椎と軸椎へのさらなる負担の軽減が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平7-136196公報
【特許文献2】特開2009-131375公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、環椎軸椎亜脱臼の治療において、術者に高度な技術力を要求することなく、環椎と軸椎との間に安定した固定力を付与することが可能であり、かつ、環椎と軸椎への負担を軽減することができる環椎軸椎固定器具の構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の環椎軸椎固定器具は、環椎と軸椎とを接続固定するためのものであり、固定用プレートと複数のネジ部材とを備えている。
【0014】
特に、本発明の環椎軸椎固定器具の場合、該固定用プレートが、環椎側プレート部と、該環椎側プレート部と平行に伸長する軸椎側プレート部と、該環椎側プレート部と軸椎側プレート部とを高さを変えて連結する連続部と、少なくとも前記環椎側プレート部と軸椎側プレート部に設けられた複数の取付け孔とを備えている。そして、該環椎側プレート部に形成された取付け孔に挿通されたネジ部材が環椎に螺合されて、前記軸椎側プレート部に形成された取付け孔に挿通されたネジ部材が軸椎に螺合されていることで、環椎と軸椎との間に固定力を付与することを可能としている。
【0015】
好ましくは、前記連続部に取付け孔が形成されており、該取付け孔に挿通されたネジ部材が、軸椎を介して環椎まで螺合されることで、環椎と軸椎との間に、互いに引き付け合う方向の固定力を付与することを可能にする。
【0016】
また、前記固定用プレートの頚椎側外周面(使用状態で環椎および軸椎側となる面)に、該外周面から突出した複数の係合凸部が形成されており、該係合凸部が、環椎および軸椎の外周面と係合することで、環椎および軸椎が、前記固定用プレートに対して相対変位することを規制されていることが好ましい。
【0017】
また、前記固定用プレートの頚椎側外周面が、ハイドロキシアパタイトにより被覆されていることが好ましい。
【0018】
さらに、前記取付け孔をネジ孔として、前記ネジ部材は、該ネジ孔の雌ネジ部と螺合可能な雄ネジ部が形成されていることが好ましい。
【0019】
なお、本発明は、主として、小型犬などの小動物の頸椎亜脱臼整復方法に好適に適用されるが、これに限られず、大型犬やヒトの頸椎亜脱臼整復方法にも適用可能である。
【発明の効果】
【0020】
上述のように構成する、本発明の環椎軸椎固定器具の場合、固定プレートを構成する環椎側プレート部、軸椎側プレート部および両プレートを連続する連続部と、該各部に形成された取付け孔に挿通されたネジ部材とにより、亜脱臼が生じた環椎と軸椎に対して安定した接続固定力を付与することができる。
【0021】
また、前記固定プレートの頚椎側外周面に、環椎および軸椎の外周面と係合可能な、係合凸部などの係合部が形成されているため、環椎および軸椎と前記両プレート部とが相対変位することを規制できる。この結果、術者に高度な技術力を要求することなく、環椎と軸椎との間に安定した接続固定力を付与することができるため、治癒期間の短縮を図ることができて、患者への精神的、経済的負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施の形態の1例である環椎軸椎固定器具による固定状態を示す前側斜視図である。
【図2】図2は、図1のX矢視図(側面図)である。
【図3】図3は、本発明の環椎軸椎固定器具を頚椎側から見た斜視図である。
【図4】図4は、本発明の環椎軸椎固定器具を頚椎と反対側から見た斜視図である。
【図5】図5は、(a)ネジ部材の構造の一例を示す図、および(b)このネジ部材の螺合状態を示す本発明の環椎軸椎固定器具の一部破断断面図である。
【図6】図6は、(a)ネジ部材の構造の別例を示す図、および(b)このネジ部材の螺合状態を示す本発明の環椎軸椎固定器具の一部破断断面図である。
【図7】図7は、従来構造の環椎軸椎固定器具の適用状態を示す頸椎を背側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1〜6に、本発明の実施の形態の1例を示す。
【0024】
本発明の環椎軸椎固定器具15は、固定用プレート16と、複数のネジ部材17とを備える。これら固定用プレート16およびネジ部材17は、たとえばステンレス、チタン、チタン合金製であることが好ましい。
【0025】
前記固定用プレート16は、環椎側プレート部18と、該環椎側プレート部18と実質的に平行に伸長する軸椎側プレート部19とが、環椎側プレート部18から軸椎側プレート19に向かって斜めに伸長する連続部20により滑らかに連続された一体形状に形成されている。
【0026】
また、環椎側プレート部18は、環椎7の左右の外側塊を跨ぐ程度の幅を有しており、その一端(図1の左側)寄り部分は、この左右の外側塊に沿って、前結節を避けるように左右に分かれており、それぞれに取付け孔である一対のネジ孔21aが形成されている。連続部20は、環椎7側においては環椎側プレート部18と同様の幅を有し、軸椎側プレート部19に向かって斜めに伸長するとともに、両幅が狭くなるテーパ状の側面を有する。連続部20の中間部にも一対のネジ孔21bが形成されている。軸椎側プレート部19は、軸椎11の椎対の幅に応じた幅を有しており、環椎側プレート部18よりも幅狭である。また、軸椎プレート部19の頸椎側には、軸椎11の前結節を避けるための凹部が幅方向中間部に設けられている。また、軸椎側プレート部19の他端(図1の右側)寄り部分も、椎体端部の凸部を避けるように左右に分かれている。軸椎プレート部19の中間部の他端寄り部分側に、一対のネジ孔21cが形成されている。
【0027】
なお、それぞれのネジ孔21a〜21cはそれぞれの部分の厚さ方向に伸長する。ただし、これらのネジ孔21a〜21cの向きは、それぞれのネジ部材17が、環椎7の外側塊、軸椎11の椎体、もしくはその両者に的確に固定可能な方向とし、かかる方向は、適用される対象に応じて決定される。また、それぞれのネジ孔21a〜21cの主面側には、ネジ部材17のネジ頭23を支持するための座ぐり加工が施されている。
【0028】
また、それぞれの部分の大きさは、適用される対象により異なるので、それぞれの対象に応じて、種々のサイズを取り揃えておくことが好ましい。一方、それぞれの部分の厚さは、それぞれのネジ部材間で位置ズレが生じない程度に各ネジ部材を固定可能なものとすることが好ましい。
【0029】
たとえば、小型犬に適用する場合、環椎側プレート部18の幅は10mm〜40mm程度で、軸椎側プレート部19の幅は、5mm〜30mm程度である。また、環椎側プレート部18から連続部20を介して軸椎側プレート部19の中央部へと連続する部分の厚さは1mm〜6mm程度であり、軸椎側プレート部19の厚さは1mm〜6mm程度である。また、主面に関して、環椎側プレート部18と軸椎側プレート部19の高さの差は、2mm〜10mm程度である。また、ネジ孔21a〜21cの大きさは、ネジ部材17の軸部25に形成された雄ネジ部24の直径より大きく、座ぐり部の大きさは、ネジ部材17のネジ頭部23と同様とする。また、ネジ孔21a〜21cの内周面には、後述するネジ部材17a(図6参照)の大径雄ネジ部26と螺合可能な雌ネジ部29を形成してもよい。また、ネジ孔21a〜21cの大きさを、ネジ部材17の雄ネジ部24と螺合可能な大きさとしてもよい。また、このような取付け孔は、雌ネジ部を形成しない通孔とすることもできる。
【0030】
なお、固定プレート16は、図示の構造のように一体に形成されたものに限定されるものではなく、別体で設けた環椎側プレート部と軸椎側プレート部と、連結部を介して結合するような構造にすることもできる。この場合、連続部の両プレート部に対する角度を変更可能とし、施術の直前において、両プレート部の高さを対象に応じて変更することを可能としてもよい。
【0031】
また、前記両プレート部18、19の頚椎側外周面の複数箇所(本例の場合6箇所)には、先端が尖った円錐状である係合凸部22(図3参照)が形成されている。かかる係合凸部22は、環椎7、軸椎11にそれぞれ食い込み、固定プレート16が頸椎に対してズレ動くことを防止する。このような、係合凸部22は、ステンレス、チタン、チタン合金製であることが好ましい。また、係合凸部22の高さについては、適用対象に応じて変更可能であるが、0.5mm〜5mmであることが好ましい。
【0032】
なお、これらの係合凸部22は、固定プレート16と一体的に形成してもよく、別途形成して、固定プレート16に取り付けてもよい。
【0033】
また、図示は省略するが、前記係合凸部22以外にも、前記両プレート部18、19の頚椎側外周面に、頚椎の外周面の凸部と係合可能な係合凹部を形成することもできる。このように、頚椎の外周面と係合可能な各種形状の係合部を採用して、固定プレート16が頚椎に対してズレ動くことを防止することができる。
【0034】
また、前記両プレート部18、19の頚椎側外周面は、生体適合性に優れるハイドロキシアパタイトにより被覆されている。
【0035】
ネジ部材としては、図5(a)に示されたネジ部材17のように一般的な構造のものを採用できる。この構造は、ネジ頭部23と、外周面に雄ネジ部24を形成された軸部25とを有する。ネジ頭部23の外径は、ネジ孔21の内径よりも大きく、雄ネジ部24の外径は、各ネジ孔21の内径よりも小さい。このように雄ネジ部24の外径が、各ネジ孔21の内径よりも小さいため、ネジ部材17の環椎7、軸椎11に対する螺入の方向の自由度を向上することができる。
【0036】
一方、図6に示された構造のネジ部材17aも採用できる。この構造は、ネジ頭部23と、外周面に大径雄ネジ部26と、小径雄ネジ部27とを形成された軸部28とを有する。大径雄ネジ部26は、ネジ孔21の雌ネジ部29と螺合可能である。ネジ部材17aのように大径雄ネジ部26を設けた構造にすれば、固定用プレート16とネジ部材17bとを一体に組み付けられるため、環椎軸椎固定器具15の剛性を高くすることができる。
【0037】
各ネジ部材17、17aも、ステンレス、チタン、チタン合金製であることが好ましく、その寸法は、適用対象および環椎7および軸椎11の大きさに合わせて適宜選択できるが、たとえば、小型犬の場合、軸部の長さが5mm〜50mm、軸部の直径が1.5mm〜5mm、ネジ頭部の長さが2〜10mm、ネジ頭部の直径が2.5mm〜8mmであるものを採用することができる。
【0038】
また、各ネジ部材17、17aのぞれぞれの軸部先端には、ネジ部材の回転により環椎7、軸椎11に雌ネジ形成を施すことが可能な自己ネジ造成機構(セルフタッピング機構)27aを設けることが好ましい。これにより、あらかじめ頸椎にネジ螺合用の孔を形成する必要がなくなる。
【0039】
このような本例の環椎軸椎固定器具15により環椎軸椎亜脱臼の治療を行う場合、図1に示すように、前側(腹側)から、固定用プレート16の環椎側プレート部18を環椎7の外側塊の外周面上に配置し、軸椎側プレート部19を軸椎11の椎体の外周面上に配置する。そして、環椎側プレート部18に形成されたネジ孔21aに挿通したネジ部材17、17aを、環椎7の外側塊に螺合により埋入する。一方、軸椎側プレート部19に形成されたネジ孔21cに挿通したネジ部材17、17aを、軸椎11の椎体に螺合により埋入する。さらに、図2に示すように、連続部20に形成されたネジ孔21bに、ネジ部材17、17aを挿通し、軸椎11の椎体を貫通させて、環椎7の外側塊にまで螺合により埋入する。このようにして、環椎7と軸椎11との間に、引き付け合う方向の固定力を付与する。また、各ネジ部材17、17aの締付けに伴い、固定用プレート16の頚椎側周面に形成された係合凸部22と、環椎7および軸椎11の外周面とが噛み合い係合する。
【0040】
このような本例の環椎軸椎固定器具15によれば、環椎側プレート部18および軸椎側プレート部19と、該両プレート部18、19に形成されたネジ孔21a、21b、21cにそれぞれ挿通されたネジ部材17、17aとにより、亜脱臼が生じた環椎7と軸椎11に対して安定した接続固定力を付与することができる。また、固定用プレート16の連続部20に形成されたネジ孔21bに、ネジ部材17、17aを挿通し、環椎7と軸椎11とに螺合により埋入しているため、環椎7と軸椎11との間に引き付け合う方向の固定力をさらに付与することができるとともに、両者間に完全な骨固定を実現できる。
【0041】
また、固定用プレート16の頚椎側に形成された係合凸部22と、環椎7および軸椎11の外周面とが噛み合い係合している。このため、環椎7および軸椎11と、固定用プレート16とが相対変位することを規制できる。
【0042】
また、固定用プレート16に形成された複数のネジ孔21a〜21cから、環椎7、軸椎11への負担が少ない位置を選択して、ネジ部材17を埋入可能に形状および構造が設計可能であるから、環椎7、軸椎11への負担を抑えながらも安定した固定力を付与することができる。
【0043】
この結果、術者に高度な技術力を要求することなく、環椎と軸椎との間に安定した固定力を付与することができ、治癒期間の短縮を図り、延いては患者への精神的、経済的負担を軽減することができる。
【0044】
また、前記両プレート部18、19の頚椎側外周面は、生体適合性に優れるハイドロキシアパタイトにより被覆されている。このため、環椎7および軸椎11に対する良好な適合性を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、頸椎亜脱臼の治療、特に靱帯断裂などにより環椎と軸椎の亜脱臼が生じた際に環椎と軸椎を接続固定するために適用される。本発明の環椎軸椎固定器具が用いられる対象は、主として小型犬などの小動物の治療に好適に適用されるが、これに限定されず、大型犬やヒトの治療に用いることも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 獣医用環椎軸椎固定器具
2 環椎側固定部材
3 軸椎側固定部材
4 連結部材
5 基部
6 係止フック部
7 環椎
8 椎弓
9 基部
10 係止フック部
11 軸椎
12 ボルト
13 通孔
14 通孔
15 環椎軸椎固定器具
16 固定用プレート
17、17a ネジ部材
18 環椎側プレート部
19 軸椎側プレート部
20 連続部
21a、21b、21c ネジ孔
22 係合凸部
23 ネジ頭部
24 雄ネジ部
25 軸部
26 大径雄ネジ部
27 小径雄ネジ部
27a 自己ネジ造成機構
28 軸部
29 雌ネジ部
30 棘突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環椎と軸椎とを接続固定するための固定用プレートと、複数のネジ部材とを備えた環椎軸椎固定器具であって、
前記固定用プレートは、環椎側プレート部と、該環椎側プレート部と平行に伸長する軸椎側プレート部と、該環椎側プレート部と軸椎側プレート部とを高さを変えて連結する連続部と、少なくとも前記環椎側プレート部と軸椎側プレート部に設けられた複数の取付け孔とを備え、
該環椎側プレート部に形成された取付け孔に挿通された前記ネジ部材が環椎に螺合されて、前記軸椎側プレート部に形成された取付け孔に挿通されたネジ部材が軸椎に螺合されることで、環椎と軸椎との間に固定力を付与することを可能にすることを特徴とする環椎軸椎固定器具。
【請求項2】
前記連続部に取付け孔が形成されており、該取付け孔に挿通されたネジ部材が軸対を介して環椎まで螺合されることで、環椎と軸椎との間に互いに引き付け合う方向の固定力を付与することを可能にする、請求項1に記載した環椎軸椎固定器具。
【請求項3】
前記固定用プレートの頚椎側外周面に、該外周面から突出した複数の係合凸部が形成されており、該係合凸部が、環椎および軸椎の外周面と係合することで、該環椎および軸椎が、前記固定用プレートに対して相対変位することを規制されている、請求項1または2に記載した環椎軸椎固定器具。
【請求項4】
前記固定用プレートの頚椎側外周面が、ハイドロキシアパタイトにより被覆されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載した環椎軸椎固定器具。
【請求項5】
前記取付け孔がネジ孔であり、前記ネジ部材には、該ネジ孔の雌ネジ部と螺合可能な大径雄ネジ部が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載した環椎軸椎固定器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−234924(P2011−234924A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109318(P2010−109318)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(502278024)株式会社プラトンジャパン (12)
【出願人】(500557048)学校法人日本医科大学 (20)
【Fターム(参考)】