説明

環状オリゴ乳酸

【課題】 7量体〜12量体の環状のオリゴ乳酸を単一の化合物として製造かつ単離すること。
【解決手段】 下記式(1)で表される単一の環状7量体オリゴ乳酸、及び環状多量体オリゴ乳酸。


鎖状の遊離乳酸7量体を、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2,4,6−トリクロロベンゾイル及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下、分子内脱水縮合による環化反応により、7量体以外のオリゴ乳酸が混在しない環状7量体オリゴ乳酸を製造する。同様の反応により8〜12量体の単一の環状オリゴ乳酸を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状オリゴ乳酸、並びにその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、単一の鎖長を有する単一の化合物として合成された7量体の環状オリゴ乳酸、並びに7から12量体の環状オリゴ乳酸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
縮合度3〜19の環状及び/又は鎖状のポリL−乳酸混合物は、抗悪性腫瘍剤として(特開平9−227388号公報および特開平10−130153号公報)、また癌患者のQOL改善剤として(特開2000−239171号公報)有用であることが報告されている。また、縮合度3〜19の環状及び/又は鎖状のポリ乳酸混合物が、血糖低下作用を有し、糖尿病又は糖尿病の合併症の予防及び/又は治療のための医薬として有用であることも判明している(国際公開WO01/010451号公報)。また、上記のポリ乳酸混合物は、過剰な食欲の抑制、基礎代謝増進並びに肥満の改善及び/又は予防、のために有用であることも判明している。さらに、上記のポリ乳酸混合物は、免疫賦活、微生物感染の防御、抗アレルギー、抗ストレス、及び抗癌剤の副作用の軽減など多様な生理活性を示すことが実証されている。
【0003】
上記したように縮合度3〜19の環状及び/又は鎖状のオリゴ乳酸混合物は、多種多様な薬効を示すことが実証されつつあり、今後も医薬品として開発されることが期待されている。オリゴ乳酸を医薬品として開発していくためには、異なる鎖長のポリ乳酸から成る混合物ではなく、特定の単一の鎖長を有するオリゴ乳酸を単一の化合物として単離することが望ましい。しかしながら、7量体の環状のオリゴ乳酸を単一の化合物として合成することについてはこれまでの所、報告がない。
【0004】
【特許文献1】特開平9−227388号公報
【特許文献2】特開平10−130153号公報
【特許文献3】特開2000−239171号公報
【特許文献4】国際公開WO01/010451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、7量体の環状のオリゴ乳酸を単一の化合物として製造かつ単離することを解決すべき課題とした。本発明はまた、7量体から12量体の環状オリゴ乳酸の製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、-乳酸ラクトイルを出発材料として使用し、先ず7量体以上の単一の鎖長を有する直鎖オリゴ乳酸を単一の化合物として合成し、次いで、この直鎖リゴ乳酸を所定の条件下で分子内環化反応に供することによって、7量体の環状オリゴ乳酸を単一の化合物として合成し、また8量体以上の環状オリゴ乳酸混合物を製造することに成功した。本発明はこの知見に基づいて完成したものである。
【0007】
即ち、本発明によれば、下記式(1)で表される単一の環状オリゴ乳酸が提供される。
【化1】

【0008】
本発明の別の側面によれば、下記式で表される化合物を分子内脱水縮合による環化反応に付することを特徴とする、上記の単一の環状オリゴ乳酸を製造する方法が提供される。
【化2】

【0009】
好ましくは、分子内脱水縮合による環化反応を、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下で行う。
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、下記式(2)で表される化合物:
【化3】

(式中、nは8から12の整数を示す)
を分子内脱水縮合による環化反応に付することを特徴とする、下記式(3)で表される環状オリゴ乳酸を製造する方法が提供される。
【化4】

(式中、nは式(2)のnと同義であり、mは1以上の整数を示す。)
【0011】
好ましくは、分子内脱水縮合による環化反応を、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下で行う。
【0012】
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の製造方法により製造される環状オリゴ乳酸が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、7量体以上の環状のオリゴ乳酸を単一の化合物を単一の化合物として提供することが可能になった。本発明により提供される環状のオリゴ乳酸の単一化合物を利用することにより、医薬品、医薬品原料、食品添加物、香粧料原料、製剤原料、製剤添加物などを開発していくことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施態様及び実施方法について詳細に説明する。
本発明は、下記式(1)で表される単一の環状オリゴ乳酸に関する。
【化5】

【0015】
上記式(1)の環状オリゴ乳酸は、7量体の単一の環状オリゴ乳酸であり、7量体以外のオリゴ乳酸が混在しないことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の上記オリゴ乳酸の各種の水和物、溶媒和物や結晶多形の物質も全て本発明の範囲内のものである。
【0017】
本発明の化合物には不斉炭素が含まれるため立体異性体が存在するが、全ての可能な異性体、並びに2種類以上の該異性体を任意の比率で含む混合物も本発明の範囲内のものである。即ち、本発明の化合物は、光学活性体、ラセミ体、ジアステレオマー等の各種光学異性体の混合物及びそれらの単離されたものを含む。
【0018】
本発明の化合物の立体配置は、原料として使用する化合物における乳酸単位の立体配置に依存する。即ち、原料として使用する化合物における乳酸単位としてL体、D体またはその混合物を使用するかにより、本発明の化合物の立体配置も多様なものとなる。本発明においては、乳酸単位の立体配置としてはL体を使用することが好ましい。
【0019】
即ち、式(1)で表される環状オリゴ乳酸の中でも好ましい化合物は、以下の式で表される化合物である。
【0020】
【化6】

【0021】
次に、本発明の環状オリゴ乳酸の製造方法について説明する。本発明では、下記式(2)で表される化合物:
【化7】

(式中、nは8から12の整数を示す)
を分子内脱水縮合による環化反応に付することによって、下記式(3)で表される環状オリゴ乳酸を製造することができる。なお、上記式(2)においてnが7である化合物を使用した場合には、nは8から12の整数を示す場合と同様の反応により、上記した式(1)で表される7量体の環状オリゴ乳酸を単一の化合物として合成することができる。
【化8】

(式中、nは式(2)のnと同義であり、mは1以上の整数を示す。)
【0022】
ここで、分子内脱水縮合による環化反応は、分子内脱水反応を伴うエステル化反応が進行できる条件下であれば任意の条件下で行うことができるが、好ましくは、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下で行うことができる。
【0023】
反応温度は、反応が進行する限り特に限定されないが、好ましくは−50℃〜室温である。
また、反応は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施される。反応溶媒は反応に不活性な溶媒であれば特に制限されないが、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン等を用いることができる。
また、反応雰囲気としては、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気を使用することができる。
【0024】
上記反応の好ましい具体例としては、アルゴン雰囲気下などの不活性ガス雰囲気下において、室温で、上記式(2)で表される鎖状オリゴ乳酸の溶液(例えば、塩化メチレン溶液など)にジイソプロピルエチルアミンを含む溶液(例えば、ベンゼン溶液)を加え、さらに塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイルの溶液(例えば、ベンゼン溶液)を加え、数時間撹拌し、この混合物を4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の溶液(例えば、ベンゼン溶液)に一定の時間をかけて加え、撹拌する。反応後に溶媒を除去して、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルなど)を用いて分離する。これにより、ベンゼン:酢酸エチル溶出部より、環状オリゴ乳酸の混合物(又は7量体のオリゴ乳酸の場合には、単一のオリゴ乳酸)を得ることができる。
【0025】
上記した分子内エステル化反応において出発物質として使用する、鎖状オリゴ乳酸は公知化合物であり、例えば、特開平9−59218号公報などに記載されている。あるいは、本明細書の以下の実施例に記載又はそれに準じた方法により合成することができる。
以下の実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
【実施例】
【0026】
実施例1:(2S, 5S)-乳酸ラクトイルベンジルの合成(2)
【化9】

【0027】
窒素雰囲気下、室温にて、10.70mmolの乳酸ラクトイル(1)の塩化メチレン溶媒を10ml加え、トリエチルアミン1.727gと臭化ベンジル1.82mlを加え6時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を20ml加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を20ml加え、酢酸エチルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで一昼夜乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:酢酸エチル(7:1)溶出部より無色油状の(2S, 5S)-乳酸ラクトイルベンジル(2)を3.76mmol(62%)で得た。
【0028】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.43 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.54 (d, 3H, J=7.2Hz), 4.33 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.18 (dd, 2H, J=12.2 Hz, 12.7 Hz), 7.33-7.39 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ=16.85, 20.47, 60.43, 67.28, 69.37, 69.43, 128.22, 128.28, 128.33, 128.58, 128.66, 135.07, 170.00, 175.16
IR(cm-1): 3527(OH), 3035(Ph C-H), 1747(C=O), 1456(Ph C=C)
[α]24D =-34.36°(c=1.62, CH2Cl2)
【0029】
実施例2:tert-ブチルジメチルシリル乳酸3量体ベンジル(5)の合成
【化10】

【0030】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル-(2S, 5S)-乳酸ラクトイル(3)9.27mmolの塩化メチレン溶液10mlを加え、(S)-(-)-乳酸ベンジル(4)1.8067gの塩化メチレン溶液10mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン2.5729gの塩化メチレン溶液10mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド2.7779gの塩化メチレン溶液20mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、2時間撹拌した。減圧ろ過し、飽和塩化アンモニウム溶液40ml、飽和炭酸水素ナトリウム50mlを順に加え。ジエチルエーテルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:ジエチルエーテル(5:1)溶出部より、無色透明油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸3量体ベンジル(5)を収率72%で得た。
【0031】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.090 (d, 6H J=11.5Hz), 0.91 (s, 9H), 1.44 (d, 3H, J=6.7Hz), 1.51 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 4.37 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.12 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.15 (dd, 2H, J=12.3Hz, 12.5Hz), 5.20 (q, 1H, J=7.0Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.30, -4.90, 16.69, 16.82, 18.30, 21.24, 68.03, 68.57, 68.83, 69.11, 128.28, 128.51, 128.63, 169.96
IR(cm-1): 3035(Ph C-H), 1755(C=O), 1456(Ph C=C)
[α]24D =-64.68°(c=1.71 CH2Cl2)
【0032】
実施例3:tert-ブチルジメチルシリル乳酸4量体ベンジル(6)の合成
【化11】

【0033】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル-(2S, 5S)-乳酸ラクトイル(3)1.3mmolの塩化メチレン溶液10mlを加え、(2S, 5S)-乳酸ラクトイルベンジル(2) 1.43mmolの塩化メチレン溶液10mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン1.3当量の塩化メチレン溶液10mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド2.6当量の塩化メチレン溶液20mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、2時間撹拌した。減圧ろ過し、飽和塩化アンモニウム溶液40ml、飽和炭酸水素ナトリウム50mlを順に加え。ジエチルエーテルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:ジエチルエーテル(10:1)溶出部より、無色透明固体のtert-ブチルジメチルシリル乳酸4量体ベンジル(6)を収率88%で得た。
【0034】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.12 (d, 6H J=10.9Hz), 0.91 (s, 9H), 1.45 (d, 3H, J=6.3Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.53 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 3H, J=7.1Hz), 4.39 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.2Hz, 18.0Hz), 5.17 (q, 1H, J=8.1Hz), 5.19 (q, 1H, J=6.9Hz), 7.31-7.39 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.29, -4.90, 16.62, 16.76, 18.30, 21.25, 67.22, 68.00, 68.56, 68.84, 69.25, 128.28, 128.54, 128.64, 135.09, 169.71, 169.99, 173.59
IR(cm-1): 2991(Ph C-H), 1757(C=O), 1456(Ph C=C)
[α]22D= -72.61°(c=1.70 CH2Cl2)
【0035】
実施例4:tert-ブチルジメチルシリル乳酸3量体(7)の合成
【化12】

【0036】
水素雰囲気下、2.8484gの5エタノール溶液10mlに、10%Pd/C 0.2859g加え、室温で1時間半撹拌した。溶媒を除去し、淡黄色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸3量体(7)をほぼ定量的に得た。
【0037】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.094 (d, 6H, J=11.5Hz), 0.90 (s, 9H), 1.44 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.55 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.56 (d, 3H, J=7.0Hz), 4.40 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.14 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.0Hz)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.32, -4.95, 16.66, 18.25, 21.27, 25.57, 25.67, 68.02, 68.57, 68.68, 169.94, 173.63, 175.23
IR(cm-1): 1745(C=O), 3000-3500(broad, COOH)
[α]17D= -60.4°(c=0.816 CH2Cl2)
【0038】
実施例5:tert-ブチルジメチルシリル乳酸4量体(8)の合成
【化13】

【0039】
水素雰囲気下、2.1176gの6エタノール溶液15mlに、10%Pd/C 0.2950g加え、室温で1時間半撹拌した。溶媒を除去し、無色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸4量体(8)をほぼ定量的に得た。
【0040】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.097 (d, 6H, J=11.5Hz), 0.90 (s, 9H), 1.45 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.56 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.58 (d, 12H, J=7.0Hz), 4.40 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.14 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.19 (q, 1H, J=7.0Hz)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.30, -4.92, 16.61, 16.67, 16.72, 18.26, 21.20, 25.62, 25.69, 68.01, 68.58, 68.76, 67.84, 169.63, 170.03, 173.59, 174.43
IR(cm-1): 1755(C=O), 3000-3650(broad, COOH)
[α]14D = -65.43°(c=1.43 CH2Cl2)
【0041】
実施例6:乳酸3量体ベンジル(9)の合成
【化14】

【0042】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸3量体ベンジル(5) 0.3045g(0.69mmol)のアセトニトリル溶液30mlにフッ化水素酸水溶液30滴を加え3時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで3回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:ジエチルエーテル(2:1)溶出部より無色油状の乳酸3量体ベンジル(9)を0.6762mmol(98%)で得た。
【0043】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.53 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.54 (d, 3H, J=7.1Hz), 4.35 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.17 (dd, 2H, J=12.2Hz, 16.5Hz), 5.21 (q, 2H, J=7.2Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.69, 16.80, 20.54, 66.72, 67.27, 69.14, 69.33, 128.30, 128.57, 128.65, 135.06, 169.62, 169.93, 175.17
IR(cm-1): 3527(OH), 2991(Ph C-H), 1751(C=O), 1451(Ph C=C)
[α]26D= -50.90°(c=1.51 CH2Cl2)
【0044】
実施例7:乳酸4量体ベンジル(10)の合成
【化15】

【0045】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸4量体ベンジル(6) 0.7238g(1.42mmol)のアセトニトリル溶液18mlにフッ化水素酸水溶液18滴を加え45分撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで3回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:ジエチルエーテル(2:1)溶出部より無色油状の乳酸4量体ベンジル(10)を0.5372g(94%)で得た。
【0046】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.47 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.6Hz), 1.54 (d, 3H, J=7.5Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.1Hz), 4.36 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.2Hz, 20.4Hz), 5.17 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.19 (q, 1H, J=7.3Hz), 5.21 (q, 2H, J=7.3Hz), 7.31-7.39 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.62, 16.75, 16.78, 20.55, 66.72, 67.26, 69.08, 69.14, 69.22, 128.28, 128.56, 128.65, 135.06, 169.57, 169.68, 169.95, 175.19
IR(cm-1): 3500(OH), 2993(Ph C-H), 1751(C=O), 1456(Ph C=C)
[α]23D= -75.91°(c=1.64 CH2Cl2)
【0047】
実施例8:tert-ブチルジメチルシリル乳酸5量体ベンジル(11)の合成
【化16】

【0048】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル乳酸3量体(7)1.5mmolの塩化メチレン溶液10mlを加え、(2S, 5S)-乳酸ラクトイルベンジル(2)0.8232gの塩化メチレン溶液10mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン1当量の塩化メチレン溶液10mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド1.3当量の塩化メチレン溶液20mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、5時間撹拌した。減圧ろ過し、飽和塩化アンモニウム溶液30ml、飽和炭酸水素ナトリウム50mlを順に加え。ジエチルエーテルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:ジエチルエーテル(5:1)溶出部より、無色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸5量体ベンジル(11)を収率85%で得た。
【0049】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.094 (d, 6H J=11.9Hz), 0.90 (s, 9H), 1.45 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 3H, J=7.2Hz), 4.40 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.2Hz, 18.6Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.3Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.29, -4.90, 16.59, 16.69, 16.77, 18.30, 21.25, 67.24, 68.00, 68.56, 68.83, 68.99, 69.27, 128.28, 128.55, 128.64, 169.62, 169.76, 169.96, 170.04, 173.59
IR(cm-1): 2993(Ph C-H), 1745(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]22D= -93.30°(C=1.02, CH2Cl2)
【0050】
実施例9:tert-ブチルジメチルシリル乳酸6量体ベンジル(12)の合成
【化17】

【0051】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル-(2S, 5S)-乳酸ラクトイル(3)6.1mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、乳酸4量体ベンジル(10) 6.0mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン0.2当量の塩化メチレン溶液5mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド1.3当量の塩化メチレン溶液15mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、3時間撹拌した。減圧ろ過し、飽和塩化アンモニウム溶液30ml、飽和炭酸水素ナトリウム30mlを加え。ジエチルエーテルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:ジエチルエーテル(5:1)溶出部より、無色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸6量体ベンジル(12)を収率58%で得た。
【0052】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.094 (d, 6H, J=11.8Hz), 0.90 (s, 9H), 1.45 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 6H, J=7.1Hz), 4.40 (q, 1H, J=6.7Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.4Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.1Hz, 18.5Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.4Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.5Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.7Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.26, -4.90, 16.59, 16.65, 16.70, 16.77, 18.30, 21.24, 67.24, 68.01, 68.55, 68.82, 68.98, 69.29, 128.28, 128.56, 128.64, 135.07, 169.58, 169.77, 169.95, 173.58
IR(cm-1): 2992(Ph C-H), 1758(C=O), 1455(Ph C=C)
[α]21D= -85.45°(c=1.63 CH2Cl2)
【0053】
実施例10:tert-ブチルジメチルシリル乳酸7量体ベンジル(13)の合成
【化18】

【0054】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル乳酸3量体(3)2.2537gの塩化メチレン溶液5mlを加え、乳酸4量体ベンジル(10)5.17mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン1.0当量の塩化メチレン溶液5mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド1.3当量の塩化メチレン溶液15mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、3時間撹拌した。減圧ろ過し、飽和塩化アンモニウム溶液40ml、飽和炭酸水素ナトリウム50mlを加え。ジエチルエーテルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:ジエチルエーテル(3:1)溶出部より、無色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸7量体ベンジル(13)を収率69%で得た。
【0055】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.093 (d, 6H, J=11.8Hz), 0.90 (s, 9H), 1.44 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.57 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.58 (d, 6H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 3H, J=7.1 Hz),4.39 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.15 (dd, 2H, J=12.2Hz, 21.7Hz), 5.16 (q, 2H, J=7.0Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.9Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.33, -4.93, 16.62, 16.66, 16.73, 18.26, 21.21, 25.67, 67.21, 67.97, 68.52, 68.79, 68.95, 68.99, 69.26, 128.24, 128.52, 128.61, 169.55, 169.61, 169.65, 169.73, 169.99, 173.55
IR(cm-1): 3068(Ph C-H), 1747(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]21D= -120.00°(c=0.97 CH2Cl2)
【0056】
実施例11:tert-ブチルジメチルシリル乳酸8量体ベンジル(14)の合成
【化19】

【0057】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル乳酸4量体(8)1.7176gの塩化メチレン溶液5mlを加え、乳酸4量体ベンジル(10)3.75mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン1.0当量の塩化メチレン溶液5mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド1.3当量の塩化メチレン溶液15mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、3時間撹拌した。減圧ろ過し、飽和炭酸水素ナトリウム30mlを加え。ジエチルエーテルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ヘキサン:ジエチルエーテル(3:1)溶出部より、無色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸8量体ベンジル(14)を収率69%で得た。
【0058】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.094 (d, 6H, J=11.8Hz), 0.90 (s, 9H), 1.45 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 12H, J=7.1Hz), 4.40 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.3Hz, 18.8Hz), 5.16 (q, 2H, J=6.6Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.9Hz), 7.30-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.33, -4.93, 16.55, 16.62, 16.73, 18.26, 21.21, 25.67, 67.21, 67.97, 68.52, 68.79, 68.94, 68.99, 69.26, 128.24, 128.52, 128.61, 169.62, 169.73, 170.00
IR(cm-1): 2994(Ph C-H), 1768(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]25D= -101.70°(c=0.94 CH2Cl2)
【0059】
実施例12:乳酸5量体ベンジル(15)の合成
【化20】

【0060】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸5量体ベンジル(11) 1.15mmolのアセトニトリル溶液16.2mlにフッ化水素酸水溶液1.2mlを加え2時間撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで4回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し、無色油状の乳酸5量体ベンジル(15)を1.12mmol (97%)で得た。
【0061】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.53 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.54 (d, 3H, J=7.1Hz), 4.35 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.17 (dd, 2H, J=12.2Hz, 16.5Hz), 5.21 (q, 2H, J=7.2Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.69, 16.80, 20.54, 66.72, 67.27, 69.14, 69.33, 128.30, 128.57, 128.65, 135.06, 169.62, 169.93, 175.17
IR(cm-1): 3527(OH), 2991(Ph C-H), 1751(C=O), 1451(Ph C=C)
[α]26D= -50.90°(c=1.51 CH2Cl2)
【0062】
実施例13:乳酸6量体ベンジル(16)の合成
【化21】

【0063】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸6量体ベンジル(12) 3.586mmolのアセトニトリル溶液38mlにフッ化水素酸水溶液2.9mlを加え2時間半撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで4回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し、無色油状の乳酸6量体ベンジル(16)を3.44mmol (96%)で得た。
【0064】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.48 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.51 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.51 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.58 (d, 6H, J=7.1Hz), 4.34 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.14 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.15 (dd, 2H, J=12.2Hz, 18.7Hz), 5.16 (q, 1H, J=6.6 Hz), 5.17 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.19 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.20 (q, 1H, J=7.1Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.58, 16.66, 16.76, 20.54, 66.72, 67.24, 69.04, 69.06, 69.10, 69.30, 128.27, 128.55, 128.64, 135.07, 169.56, 169.62, 169.69, 169.93, 175.16
IR(cm-1): 3527(OH), 3000(Ph C-H), 1751(C=O), 1456(Ph C=C)
[α]22D= -77.61°(c=2.23 CH2Cl2)
【0065】
実施例14:乳酸7量体ベンジル(17)の合成
【化22】

【0066】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸7量体ベンジル(13) 2.44mmolのアセトニトリル溶液26mlにフッ化水素酸水溶液2.0mlを加え1時間半撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液を加え中性とし、ジエチルエーテルで4回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し、無色油状の乳酸7量体ベンジル(17)を2.3mmol (94%)で得た。
【0067】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.58 (d, 3H, J=7.7Hz), 1.59 (d, 3H, J=7.3Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.3Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.4Hz), 4.35 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.3Hz, 18.2Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.19 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.19 (q, 1H, J=7.3Hz), 5.22 (q, 1H, J=7.2Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.52, 16.63, 16.73, 20.51, 66.70, 67.22, 69.01, 69.09, 69.30, 128.24, 128.53, 128.61, 169.61, 175.15
IR(cm-1): 3517(OH), 2994(Ph C-H), 1770(C=O), 1455(Ph C=C)
[α]21D= -119.62°(c=1.05 CH2Cl2)
【0068】
実施例15:乳酸8量体ベンジル(18)の合成
【化23】

【0069】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸8量体ベンジル(14) 0.68mmolのアセトニトリル溶液8.2mlにフッ化水素酸水溶液8滴を加え45分撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで3回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し、無色油状の乳酸8量体ベンジル(18)を0.6725mmol (96%)で得た。
【0070】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.58 (d, 6H, J=7.2Hz), 1.59 (d, 3H, J=7.3Hz), 1.60 (d, 3H, J=8.1Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.3Hz), 4.36 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.15 (q, 1H, J=6.9 Hz), 5.15 (dd, 2H, J=13.6Hz, 17.6Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.3Hz), 5.17 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.22 (q, 1H, J=7.1Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.64, 16.74, 20.53, 66.70, 67.22, 69.01, 69.10, 69.27, 128.25, 128.53, 128.62, 169.60
【0071】
実施例16:tert-ブチルジメチルシリル乳酸6量体(19)の合成
【化24】

【0072】
水素雰囲気下、1.68mmolの12エタノール溶液7mlに、10%Pd/C 0.1227g加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、淡黄色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸6量体(19)を1.54mmol(91%)で得た。
【0073】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.093 (d, 6H, J=11.7Hz), 0.89 (s, 9H), 1.44 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.56 (d, 3H, J=7.5Hz), 1.57 (d, 6H, J=7.0Hz), 1.59 (d, 6H, J=6.4Hz), 4.40 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.13 (q, 1H, J=6.8Hz), 1.57 (d, 1H, J=7.0Hz), 1.57 (d, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.9Hz)
【0074】
実施例17:tert-ブチルジメチルシリル乳酸9量体ベンジル(20)の合成
【化25】

【0075】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル乳酸4量体(8)0.2990gの塩化メチレン溶液5mlを加え、乳酸5量体ベンジル(15)0.2353gの塩化メチレン溶液5mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン1.0当量の塩化メチレン溶液5mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド1.3当量の塩化メチレン溶液15mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、2時間半撹拌した。減圧ろ過し、飽和炭酸水素ナトリウム30mlを加え。酢酸エチルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、(ヘキサン:ジエチルエーテル4:1)溶出部より、無色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸9量体ベンジル(20)を収率86%で得た。
【0076】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.094 (d, 6H, J=11.7Hz), 0.90 (s, 9H), 1.44 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 6H, J=7.3Hz), 1.58 (d, 12H, J=7.1Hz), 4.39 (q, 1H, J=6.7Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.3Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.2Hz, 17.9Hz), 5.16 (q, 3H, J=6.9Hz), 5.17 (q, 2H, J=6.9Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.7Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.33, -4.96, 16.55, 16.63, 16.65, 16.74, 18.26, 21.21, 25.67, 67.21, 67.97, 68.52, 68.79, 68.99, 69.26, 128.24, 128.53, 128.61, 169.73
IR(cm-1): 2993(Ph C-H), 1749(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]21D= -104.55°(c=0.99 CH2Cl2)
【0077】
実施例18:tert-ブチルジメチルシリル乳酸10量体ベンジル(21)の合成
【化26】

【0078】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル乳酸4量体(8)1.5633gの塩化メチレン溶液5mlを加え、乳酸6量体ベンジル(16)3.44mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン1.0当量の塩化メチレン溶液5mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド1.3当量の塩化メチレン溶液15mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、3時間撹拌した。減圧ろ過し、飽和炭酸水素ナトリウム30mlを加え。酢酸エチルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、(ヘキサン:ジエチルエーテル2:1)溶出部より、無色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸10量体ベンジル(21)を収率82%で得た。
【0079】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.094 (d, 6H, J=11.8Hz), 0.90 (s, 9H), 1.44 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 18H, J=7.1Hz), 4.39 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.3Hz, 18.6Hz), 5.16 (q, 5H, J=6.9Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.0Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.32, -4.93, 16.56, 16.63, 16.74, 18.27, 21.21, 25.68, 67.22, 67.98, 68.52, 68.80, 68.99, 69.27, 128.24, 128.53, 128.62, 169.61
IR(cm-1): 2993(Ph C-H), 1745(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]21D= -106.58°(c=0.79 CH2Cl2)
【0080】
実施例19:tert-ブチルジメチルシリル乳酸11量体ベンジル(22)の合成
【化27】

【0081】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル乳酸6量体(19)0.72mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、乳酸6量体ベンジル(15)0.476mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン1.0当量の塩化メチレン溶液5mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド1.3当量の塩化メチレン溶液15mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、2時間半撹拌した。減圧ろ過し、飽和炭酸水素ナトリウム30mlを加え。酢酸エチルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、(ヘキサン:ジエチルエーテル1:1)溶出部より、無色油状のtert-ブチルジメチルシリル乳酸11量体ベンジル(22)を収率96%で得た。
【0082】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.094 (d, 6H, J=11.8Hz), 0.90 (s, 9H), 1.45 (d, 3H, J=6.8Hz), 1.51 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 21H, J=7.2Hz), 4.40 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.4Hz, 18.6Hz), 5.16 (q, 7H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.3Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.32, -4.93, 16.56, 16.63, 16.74, 18.27, 21.21, 25.68, 67.98, 68.52, 68.80, 68.99, 69.27, 128.24, 128.53, 128.62, 169.61
IR(cm-1): 2997(Ph C-H), 1756(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]23D= -121.71°(c=1.05 CH2Cl2)
【0083】
実施例20:tert-ブチルジメチルシリル乳酸12量体ベンジル(23)の合成
【化28】

【0084】
窒素雰囲気下、0℃にて、tert-ブチルジメチルシリル乳酸6量体(19)0.79mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、乳酸6量体ベンジル(16)0.94mmolの塩化メチレン溶液5mlを加え、4-ジメチルアミノピリジン1.0当量の塩化メチレン溶液5mlを加え、N, N'-ジシクロへキシルカルボジイミド1.3当量の塩化メチレン溶液15mlを加え、5分間撹拌した。室温に戻し、2時間半撹拌した。減圧ろ過し、飽和炭酸水素ナトリウム30mlを加え。酢酸エチルで4回抽出し、無水硫酸マグネシウムで2時間乾燥した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、(ヘキサン:ジエチルエーテル1:1)溶出部より、白色固体のtert-ブチルジメチルシリル乳酸12量体ベンジル(23)を収率73%で得た。
【0085】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 0.093 (d, 6H, J=11.8Hz), 0.90 (s, 9H), 1.44 (d, 3H, J=6.7Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.57 (d, 6H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 21H, J=7.2Hz), 4.39 (q, 1H, J=6.8Hz), 5.13 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.3Hz, 18.4Hz), 5.16 (q, 6H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.8Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= -5.33, -4.93, 16.55, 16.63, 16.73, 18.26, 21.20, 25.67, 67.21, 67.97, 68.52, 68.79, 68.98, 69.26, 128.24, 128.52, 128.61, 169.60, 173.53
IR(cm-1): 2994(Ph C-H), 1759(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]22D= -115.16°(c=0.95 CH2Cl2)
mp= 63.5℃(uncorrected)
【0086】
実施例21:乳酸9量体ベンジル(24)の合成
【化29】

【0087】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸9量体ベンジル(20) 0.2940g(0.337mmol)のアセトニトリル溶液18mlにフッ化水素酸水溶液1.4mlを加え1時間撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで4回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し無色油状の乳酸9量体ベンジル(24)を0.2497g、収率98%で得た。
【0088】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.58 (d, 12H, J=7.3Hz), 1.60 (d, 6H, J=8.7Hz), 4.36 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.3Hz, 24.0Hz), 5.17 (q, 3H, J=7.2Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.19 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.20 (q, 1H, J=7.2Hz), 7.30-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.63, 16.73, 69.26, 70.00, 128.24, 169.60
IR(cm-1): 3512(OH), 2993(Ph C-H), 1757(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]20D= -128.50°(c=0.20 CH2Cl2)
【0089】
実施例22:乳酸10量体ベンジル(25)の合成
【化30】

【0090】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸10量体ベンジル(21) 0.9126g(0.9677mmol)のアセトニトリル溶液51mlにフッ化水素酸水溶液3.9mlを加え3時間撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで4回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し無色油状の乳酸10量体ベンジル(25)を0.7950g、収率99%で得た。
【0091】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 12H, J=7.2Hz), 1.59 (d, 3H, J=7.3Hz), 1.60 (d, 3H, J=8.7Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.4 Hz), 4.36 (dq, 1H, J=6.9Hz, J=6.9Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.3Hz, 17.4Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.5Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.19 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.21 (q, 1H, J=7.2Hz), 7.31-7.34 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.63, 16.74, 69.00, 128.25, 128.62, 169.60
IR(cm-1): 3508(OH), 2995(Ph C-H), 1765(C=O), 1454(Ph C=C)
【0092】
実施例23:乳酸11量体ベンジル(26)の合成
【化31】

【0093】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸11量体ベンジル(22) 0.4145g(0.408mmol)のアセトニトリル溶液22mlにフッ化水素酸水溶液1.6mlを加え2時間撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで4回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し無色油状の乳酸11量体ベンジル(26)を0.3514g、収率96%で得た。
【0094】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 15H, J=7.1Hz), 1.59 (d, 3H, J=7.4Hz), 1.60 (d, 3H, J=8.9Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.4Hz), 2.64 (d, 1H, J=6.1Hz), 4.36 (q, 1H, J=6.7Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.6Hz, 18.9Hz), 5.16 (q, 4H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 1H, J=6.7Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.22 (q, 1H, J=7.1Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.63, 16.74, 20.53, 66.69, 67.22, 69.00, 69.10, 69.27, 128.25, 128.54, 128.62, 169.61
IR(cm-1): 3512(OH), 2995(Ph C-H), 1757(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]23D= -110.75°(c=0.93 CH2Cl2)
【0095】
実施例24:乳酸12量体ベンジル(27)の合成
【化32】

【0096】
tert-ブチルジメチルシリル乳酸12量体ベンジル(23) 0.4444g(0.4088mmol)のアセトニトリル溶液22mlにフッ化水素酸水溶液1.6mlを加え1時間撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液を加え中性とし、酢酸エチルで4回、抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥し、溶媒を除去し白色固体の乳酸12量体ベンジル (27)を0.3777g、収率95%で得た。
【0097】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.52 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.58 (d, 18H, J=7.1Hz), 1.59 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.60 (d, 6H, J=7.4Hz), 4.36 (dq, 1H, J=6.5Hz, 6.5Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.16 (dd, 2H, J=12.6Hz, 18.7Hz), 5.16 (q, 5H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.19 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.22 (q, 1H, J=7.1Hz), 7.31-7.38 (m, 5H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.63, 16.74, 69.00, 128.24, 128.61, 169.60
IR(cm-1): 3512(OH), 2995(Ph C-H), 1757(C=O), 1454(Ph C=C)
[α]20D= -125.21°(c=0.71 CH2Cl2)
mp= 48.0-54.5℃(uncorrected)
【0098】
実施例25:遊離乳酸7量体(28)の合成
【化33】

【0099】
水素雰囲気下、0.215mmolの17エタノール溶液10mlに、10%Pd/C 0.0120g加え、室温で30分撹拌した。溶媒を除去し、無色油状の遊離乳酸7量体(28)をほぼ定量的に得た。
【0100】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.56 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.59 (d, 6H, J=7.1Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.2Hz), 4.36 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.18 (q, 2H, J=7.1Hz), 5.19 (q, 2H, J=7.1Hz), 5.22 (q, 1H, J=7.1Hz)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.60, 16.68, 16.75, 20.51, 66.74, 68.71, 69.04, 69.14, 169.63
IR(cm-1): 3511(OH), 1747(C=O)
【0101】
実施例26:遊離乳酸8量体(29)の合成
【化34】

【0102】
水素雰囲気下、4.99mmolの18エタノール溶液10mlに、10%Pd/C 0.1g加え、室温で30分撹拌した。溶媒を除去し、無色油状の遊離乳酸8量体(29)を0.2765g、収率93%で得た。
【0103】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.55 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 12H, J=6.0Hz), 1.59 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.60 (d, 3H, J=6.9Hz), 4.37 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.18 (q, 2H, J=7.0Hz), 5.19 (q, 2H, J=8.4Hz), 5.21 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.22 (q, 1H, J=7.1Hz)
【0104】
実施例27:遊離乳酸9量体(24)の合成
【化35】

【0105】
水素雰囲気下、0.1836mmolの24エタノール溶液10mlに、10%Pd/C 0.0371g加え、室温で30分撹拌した。溶媒を除去し、無色油状の遊離乳酸9量体(30)を0.1619mmol、収率88%で得た。
【0106】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.55 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.57 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 6H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 6H, J=6.9Hz), 1.59 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.1Hz), 4.36 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.17 (q, 2H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.17 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.21 (q, 1H, J=7.1Hz)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.56, 16.62, 16.65, 16.72, 20.49, 66.69, 69.01, 69.11, 169.60, 175.18
【0107】
実施例28:遊離乳酸10量体(31)の合成
【化36】

【0108】
水素雰囲気下、0.199mmolの25エタノール溶液5mlに、10%Pd/C 0.0118g加え、室温で30分撹拌した。溶媒を除去し、無色油状の遊離乳酸10量体(31)を0.185mmol、収率93%で得た。
【0109】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.56 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.58 (d, 6H, J=7.4Hz), 1.59 (d, 6H, J=7.1Hz), 1.60 (d, 6H, J=7.5Hz), 1.60 (d, 6H, J=7.2Hz), 4.36 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.17 (q, 5H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 3H, J=7.2Hz)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.63, 69.00, 169.60
IR(cm-1): 3514(OH), 1741(C=O)
【0110】
実施例29:遊離乳酸11量体(32)の合成
【化37】

【0111】
水素雰囲気下、0.2123mmolの26エタノール溶液5mlに、10%Pd/C 0.0270g加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、無色油状の遊離乳酸11量体(32)を0.1966mmol、収率93%で得た。
【0112】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.56 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.58 (d, 21H, J=7.3Hz), 1.60 (d, 6H, J=8.2Hz), 4.36 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.2Hz), 5.16 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 2H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 2H, J=6.9Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.9Hz), 5.18 (q, 2H, J=6.8Hz), 5.21 (q, 1H, J=7.3Hz)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.63, 69.00, 169.60
IR(cm-1): 3566(OH), 1755(C=O)
[α]20D= -153.16°(c=0.23 CH2Cl2)
【0113】
実施例30:遊離乳酸12量体(33)の合成
【化38】

【0114】
水素雰囲気下、0.2039mmolの27エタノール溶液5mlに、10%Pd/C 0.0200g加え、室温で30分撹拌した。溶媒を除去し、無色油状の遊離乳酸12量体(33)を0.1855mmol、収率91%で得た。
【0115】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.49 (d, 3H, J=7.0Hz), 1.56 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.58 (d, 21H, J=7.2Hz), 1.58 (d, 6H, J=7.2Hz), 1.59 (d, 3H, J=8.3Hz), 1.60 (d, 3H, J=7.2Hz), 4.36 (q, 1H, J=7.0Hz), 5.15 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 4H, J=7.1Hz), 5.17 (q, 2H, J=7.1Hz), 5.18 (q, 2H, J=7.0Hz), 5.18 (q, 1H, J=6.4Hz), 5.19 (q, 1H, J=7.1Hz), 5.21 (q, 1H, J=7.2Hz)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.63, 69.00, 169.60
IR(cm-1): 3525(OH), 1757(C=O)
[α]20D= -153.91°(c=0.23 CH2Cl2)
【0116】
実施例31:遊離の鎖状乳酸7量体(28)の環化反応合成(1.8mM, 室温, DIPEA, 2,4,6-TCBCl, ベンゼン)
【化39】

【0117】
アルゴン雰囲気下、室温で、28 0.3500mmolの塩化メチレン溶液4mlにジイソプロピルエチルアミン(3eq)のベンゼン溶液48.6mlを加え、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル(2eq)のベンゼン溶液48.6mlを加え2時間撹拌した。これを4等量のDMAPの97.2mlベンゼン溶液に16時間かけて加え1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ベンゼン:酢酸エチル(2:1)溶出部より環状乳酸7量体(39)を0.1112g(0.2210mmol, 62%)得た。
【0118】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.55 (d, J=7.1, 21H), 5.23 (q, J=7.1, 7H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.61, 69.21, 168.57
IR(cm-1): 1749(C=O)
[α]22D =-100.7060(c=0.425, CH2Cl2)
【0119】
実施例32:遊離の鎖状乳酸8量体(29)の環化反応合成(1.8mM, 室温, DIPEA, 2,4,6-TCBCl, ベンゼン)
【化40】

【0120】
窒素雰囲気下、室温で、0.465mmolの29の4ml塩化メチレン溶液に3等量のジイソプロピルエチルアミンの65mlベンゼン溶液を加え、2等量の塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイルの65mlベンゼン溶液を加え2時間撹拌した。これを4等量のDMAPの130mlベンゼン溶液に16時間かけて加え1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにて分離し、ベンゼン:酢酸エチル(2:1)溶出部より環状乳酸8n量体を0.1088g(0.189mmol, 60%)得、ESI-MS(ポジティブモード)により測定したところ、分子内脱水縮合した環状乳酸8量体と2倍体である環状乳酸16量体が生成比91:9で得たことを確認した。
【0121】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.55 (d, J=7.1, 21H), 5.28 (q, J=7.1, 7H)
13C NMR(125MHz, CDCl3)δ= 16.70, 69.25, 168.81
【0122】
実施例33:遊離の鎖状乳酸9量体(30)の環化反応合成(1.8mM, 室温, DIPEA, 2,4,6-TCBCl, ベンゼン)
【化41】

【0123】
アルゴン囲気下、室温で、30 0.1215mmolの塩化メチレン溶液2mlにジイソプロピルエチルアミン(3eq)のベンゼン溶液16.85mlを加え、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル(2eq)のベンゼン溶液16.85mlを加え2時間撹拌した。これを4等量のDMAPの50mlベンゼン溶液に16時間かけて加え2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ベンゼン:酢酸エチル(15:4)溶出部より環状9n乳酸量体の混合物を0.0352g(0.0543mmol, 45%)得、1H-NMRにおけるメチンプロトンのケミカルシフトより分子内脱水縮合した環状乳酸9量体が93%の割合で得たことを確認した。
【0124】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ(ppm)= 1.54 (d, J=7.1Hz), 1.56 (d, J=7.4Hz), 5.19 (q, J=7.0Hz), 5.23 (q, J=7.0Hz)
【0125】
実施例34:遊離の鎖状乳酸10量体(31)の環化反応合成(1.8mM, 室温, DIPEA, 2,4,6-TCBCl, ベンゼン)
【化42】

【0126】
窒素雰囲気下、室温で、31 0.1750mmolの塩化メチレン溶液4mlにジイソプロピルエチルアミン(3eq)のベンゼン溶液24.3mlを加え、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル(2eq)のベンゼン溶液24.3mlを加え2時間撹拌した。これを4等量のDMAPの48.6mlベンゼン溶液に16時間かけて加え2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ベンゼン:酢酸エチル(15:4)溶出部より環状10n乳酸量体の混合物を0.0863g(0.118mmol, 68%)得、1H-NMRにおけるメチンプロトンのケミカルシフトより分子内脱水縮合した環状乳酸10量体が76%の割合で得られること確認した。
【0127】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.52 (d, J=7.2Hz), 1.55 (d, J=7.1Hz), 1.57 (d, J=7.1Hz), 5.19 (q, J=7.1Hz), 5.22 (q, J=7.1Hz), 5.25 (q, J=7.0Hz)
【0128】
実施例35:遊離の鎖状乳酸11量体(32)の環化反応合成(1.8mM, 室温, DIPEA, 2,4,6-TCBCl, ベンゼン)
【化43】

【0129】
アルゴン囲気下、室温で、32 0.1798mmolの塩化メチレン溶液3mlにジイソプロピルエチルアミン(3eq)のベンゼン溶液25mlを加え、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル(2eq)のベンゼン溶液25mlを加え2時間撹拌した。これを4等量のDMAPの50mlベンゼン溶液に16時間かけて加え2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ベンゼン:酢酸エチル(4.25:1)溶出部より環状11n乳酸量体の混合物を0.0862g(0.1087mmol, 61%)で得た。
【0130】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.52 (d, J=7.2Hz), 1.55 (d, J=7.1Hz), 1.57 (d, J=7.2Hz), 1.57 (d, J=7.1Hz), 1.59 (d, J=7.1Hz), 5.15 (q, J=7.1Hz), 5.16 (q, J=6.9Hz), 5.17 (q, J=7.2Hz), 5.21 (q, J=7.1Hz), 5.23 (q, J=7.1Hz)
【0131】
実施例36:遊離の鎖状乳酸12量体(33)の環化反応合成(1.8mM, 室温, DIPEA, 2,4,6-TCBCl, ベンゼン)
【化44】

【0132】
アルゴン雰囲気下、室温で、33 0.15825mmolの塩化メチレン溶液2mlにジイソプロピルエチルアミン(3eq)のベンゼン溶液21.95mlを加え、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル(2eq)のベンゼン溶液21.95mlを加え2時間撹拌した。これを4等量のDMAPの43.9mlベンゼン溶液に16時間かけて加え2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)を用いて分離し、ベンゼン:酢酸エチル(4.25:1)溶出部より環状12n乳酸量体の混合物を0.0728g(0.08419mmol, 53%)得、1H-NMRにおけるメチンプロトンのケミカルシフトより分子内脱水縮合した環状乳酸12量体が83%の割合で得られること確認した。
【0133】
1H NMR(500MHz, CDCl3)δ= 1.53 (d, J=7.1Hz), 1.55 (d, J=7.1Hz), 1.58 (d, J=7.1Hz), 5.17 (q, J=6.9Hz), 5.19 (q, J=7.1Hz), 5.23 (q, J=7.1Hz)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される単一の環状オリゴ乳酸。
【化1】

【請求項2】
下記式で表される化合物を分子内脱水縮合による環化反応に付することを特徴とする、請求項1に記載の単一の環状オリゴ乳酸を製造する方法。
【化2】

【請求項3】
分子内脱水縮合による環化反応を、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下で行う、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
下記式(2)で表される化合物:
【化3】

(式中、nは8から12の整数を示す)
を分子内脱水縮合による環化反応に付することを特徴とする、下記式(3)で表される環状オリゴ乳酸を製造する方法。
【化4】

(式中、nは式(2)のnと同義であり、mは1以上の整数を示す。)
【請求項5】
分子内脱水縮合による環化反応を、ジイソプロピルエチルアミン、塩化2, 4, 6-トリクロロベンゾイル及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の存在下で行う、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の製造方法により製造される環状オリゴ乳酸。



【公開番号】特開2006−232909(P2006−232909A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46885(P2005−46885)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】