説明

環状明視野像観察装置

【課題】本発明は環状明視野像観察装置に関し、暗視野像との併用により軽元素と重元素の原子位置を正確に測定可能な環状明視野像観察装置を提供することを目的としている。
【解決手段】照射光学系と結像光学系を有し、試料を透過した透過電子或いは散乱電子を検出して表示部に表示するようにした走査透過型電子顕微鏡において、透過電子と散乱電子を受けて光信号に変換する円盤状シンチレータ6を設け、かつ該円盤状シンチレータ6の中心部を遮蔽するための遮蔽手段13を設け、この状態で前記円盤状シンチレータ6で環状明視野像を検出するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環状明視野像観察装置に関し、軽元素と重元素をコントラストよく表示できるようにした環状明視野像観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は従来の明視野像及び暗視野像観察用STEM(走査透過型電子顕微鏡)の構成例を示す図である。電子銃1によって作られる電子線をプローブ形成レンズ2の後方に置かれた偏向コイル3によって試料4上で走査する。試料4を透過し及び散乱した電子は、結像レンズ15で集束された後、電子検出器であるシンチレータ5及び6に入射する。シンチレータ5は円環状シンチレータであり、散乱電子を検出して暗視野像信号として出力するものである。シンチレータ6は円盤状シンチレータであり、透過電子及び散乱電子を検出して明視野像信号として出力するものである。暗視野像では、電子のあるところが白く見え、明視野像では、電子のあるところが黒く見える。
【0003】
シンチレータ5,6で試料4からの電子を検出して光に変え、ライトガイド(図示せず)で導いて、光電子増倍管(図示せず)で電気信号に変換して暗視野像信号、明視野像信号を得た後、アンプ7にて増幅し、電子プローブの走査と同期させて表示部8に輝度変調をかけ像を表示させ、像観察を行なう。
【0004】
円環状シンチレータ5にて、試料4から大きな角度で散乱される弾性散乱電子(環状暗視野像)9を検出した信号に基づくものが暗視野像で、円環状シンチレータ5の中心部に空いている穴を通過した透過電子10及び散乱電子を円盤状シンチレータ6で検出した信号に基づくものが明視野像である。その性質上、円環状シンチレータ5の下方に円盤状シンチレータ6が配置されることが一般的であり、こうすることで暗視野像信号と明視野像信号を同時に取り込むことができる。表示部8からは走査用電源12に走査信号が入力され、偏向コイル3を駆動するようになっている。
【0005】
この場合において、明視野像観察では、円環状シンチレータ5の中央の穴を通ったものを絞り11で任意の選択された領域だけを取り込むこともある。また、明視野像或いは暗視野像のどちらかのみのシンチレータが設けられる場合もある。
【0006】
従来のこの種の装置としては、走査光学系により試料に結像するかあるいは試料上に電子線をプローブ状にして照射し、該試料の前方又は後方に試料像を結像する光学系を設けた走査透過型電子顕微鏡において、走査透過像により得られた像を元に、同じ倍率・回転角の透過像を得るための倍率・回転角度補正手段を設けた技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
また、試料を透過した電子線に基づく回折像と走査透過像とを同時に表示可能にした走査透過型電子顕微鏡が知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−302415号公報(段落0025〜0027、図1)
【特許文献2】特開平2−220339号公報(第3頁右上欄第3行〜第4頁右上欄第5行、第1図〜第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
通常の暗視野では重い又は軽い元素を可視化できることが分かっている。それに対し、明視野像のコントラストはフォーカス、試料厚さにより大きく変化し、原子位置が白くなったり、黒くなったりするので、原子位置の同定が困難である。暗視野像のコントラストは原子番号の二乗に比例するため、複数の元素からなる試料、特にその原子番号差が大きいものに対しては軽元素が見えづらいという問題があった。
【0010】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、暗視野像との併用により軽元素と重元素の原子位置を正確に測定可能な環状明視野像観察装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した課題を解決する本発明は、以下のような構成を有している。
(1)請求項1記載の発明は、照射光学系と結像光学系を有し、試料を透過した透過電子或いは散乱電子を検出して表示部に表示するようにした走査透過型電子顕微鏡において、透過電子と散乱電子を検出する円盤状電子検出器を設け、かつ該円盤状電子検出器の中心部を遮蔽するための遮蔽手段を設け、この状態で前記円盤状電子検出器で環状明視野像を検出するようにしたことを特徴とする。
【0012】
(2)請求項2記載の発明は、前記円盤状電子検出器の上方に、その中心部に透過電子と散乱電子の一部を前記円盤状電子検出器に向けて通過させるための穴があき、試料の弾性散乱電子を検出するための円環状電子検出器を設けたことを特徴とする。
【0013】
(3)請求項3記載の発明は、前記円盤状電子検出器で回折像を検出する場合において、透過電子と散乱電子の一部をカットし、その残った透過電子と散乱電子の信号に基づいて環状明視野像を得ることを特徴とする。
【0014】
(4)請求項4記載の発明は、前記遮蔽手段には複数の大きさの遮蔽部が設けられ、該遮蔽部の何れかを任意に選択可能であることを特徴とする。
(5)請求項5記載の発明は、照射光学系と結像光学系を有し、試料を透過した透過電子或いは散乱電子を検出して表示部に表示するようにした走査透過型電子顕微鏡において、その中心部に透過電子と散乱電子の一部を通過させるための穴があき、試料の弾性散乱電子を検出するための第1の円環状電子検出器と、該第1の円環状電子検出器を通過した透過電子と散乱電子を受け、環状明視野像の取込角を制限する絞りと、該絞りの下に設けられ、その中心部に透過電子と散乱電子の一部を通過させるための穴があき、環状明視野像を検出する第2の円環状電子検出器と、該第2の円環状電子検出器の穴を通過した透過電子と散乱電子を検出するための円盤状電子検出器とを有することを特徴とする。
【0015】
(6)請求項6記載の発明は、照射光学系と結像光学系を有し、試料を透過した透過電子或いは散乱電子を検出して表示部に表示するようにした走査透過型電子顕微鏡において、その中心部に透過電子を通過させるための穴があき、試料の弾性散乱電子を検出するための第1の円環状電子検出器と、該第1の円環状電子検出器の下に設けられ、その中心部に透過電子と散乱電子の一部を通過させるための穴があき、所定の大きさの検出領域を持つ第2の円環状電子検出器と、該第2の円環状電子検出器の穴を通過した透過電子と散乱電子を検出するための、所定の大きさの検出領域を持つ円盤状電子検出器とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
(1)請求項1記載の発明によれば、円盤状電子検出器の中心部分の画像をカットした明視野像を得ることができるため、軽元素と重元素の原子位置を正確に測定可能な環状明視野像観察装置を提供することができる。
【0017】
(2)請求項2記載の発明によれば、円盤状電子検出器の上方に円環状電子検出器を設けることにより、暗視野像も観察することができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、透過電子と散乱電子の一部をカットするので、輝度を弱めることができ、その残った透過電子と散乱電子の信号に基づいて環状明視野像を得るため、コントラストのよい軽元素と重元素の環状明視野像を得ることができる。
【0018】
(4)請求項4記載の発明によれば、遮蔽手段に複数の大きさの遮蔽部を設けることにより、所定の大きさの遮蔽部を任意に選択して遮蔽することができるため、最適な環状明視野像を得ることができる。
【0019】
(5)請求項5記載の発明によれば、第1及び第2の円環状電子検出器及び円盤状電子検出器でそれぞれの電子像を同時に検出することができ、また不要な検出器を退避させて、必要な電子像を観察することが可能となる。
【0020】
(6)請求項6記載の発明によれば、第1及び第2の円環状電子検出器及び円盤状電子検出器でそれぞれの電子像を同時に検出することができ、また不要な検出器を退避させて、必要な電子像を観察することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1の構成図である。
【図2】遮蔽板の設置状態を示す図である。
【図3】遮蔽板の構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施例2の構成図である。
【図5】本発明の実施例3の構成図である。
【図6】明視野像のシミュレーション像と実験像を示す図である。
【図7】明視野像の模式図である。
【図8】図6の明視野像Cに示す円環型の明視野検出器を使った場合の検出器の位置と大きさを示す図である。
【図9】従来の明視野像及び暗視野像観察用STEMの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の構成図で、図9におけるシンチレータ部拡大図に本発明の内容を加えたものと、各々のシンチレータ検出領域の説明図である。図1において、図9と同一のものは、同一の符号を付して示す。円環状シンチレータ5の下方に円盤状シンチレータ6を設置し、該円盤状シンチレータ6の上方に遮蔽板13を設置する。21は円盤状シンチレータ6に照射される視野を制限するための絞りである。5は絞り21の上方に設けた円環状シンチレータであり、中心部に透過電子と散乱電子を通過させるための穴5aが空いている。5bは環状暗視野像9を検出するための検出領域である。
【0023】
前記遮蔽板13は、図2に13a〜13dとして示すように複数の場所にそれぞれ設置可能であるが、加工や遮蔽領域の大きさにより、適切な位置に設置するのがよい。13aは円環状シンチレータ5の上方に設けたものであり、13bは絞り21の上方に設けたものであり、13cは円盤状シンチレータ6の上方に設けたものであり、13dは遮蔽板13cと円盤状シンチレータ6との間に設けたものである。これらの図において、同一面積の遮蔽部の場合上方に行くほど、円盤状シンチレータ6の遮蔽する面積が大きくなる。
【0024】
ここで、遮蔽板13は遮蔽したい領域に応じて、大きさを変更することも考えられるので、図2に示すように複数箇所に設置したり、或いは図3に示すように、遮蔽板13に複数の大きさの異なる遮蔽部を13e〜13gに示すように設けておくとよい。図3は遮蔽板13の構成例を示す図である。同じ遮蔽部に13e〜13gの面積の異なる遮蔽部が設けられている。従って、これらの遮蔽部のうち、何れかのものを光軸に持ってくるとよい。
この実施例によれば、所定の大きさの遮蔽部を任意に選択して遮蔽することができるため、最適な環状明視野像を得ることができる。
【0025】
以下に図1に示す装置の動作を説明する。円盤状シンチレータ6の上方にある遮蔽板13は、観察に応じた最適の大きさのものを選択する。図3に示すように、この遮蔽板13を矢印方向に移動させることにより、所定の遮蔽部を選ぶことができる。それにより、明視野像は、より中心の電子線をカットした形(環状明視野像14)として円盤状シンチレータ6に取り込まれる。
【0026】
即ち、透過電子及び散乱電子を円環状シンチレータとして検出することに相当し、その結果、重元素と軽元素のコントラストが結晶の投影ポテンシャルに比例して観察される。この実施例によれば、円盤状シンチレータの中心部分の画像をカットした明視野像を得ることができるため、軽元素と重元素の原子位置を正確に測定可能な環状明視野像観察装置を提供することができる。
【0027】
一方、環状暗視野像9は、円環状シンチレータ5で検出され、信号処理された後、表示部(図示せず)に表示される。この環状暗視野像は、重元素と軽元素の情報を含んでいる。このように、実施例1によれば、円盤状シンチレータの上部に円環状シンチレータを設けることにより、散乱電子の暗視野像も観察することができる。
【0028】
なお、遮蔽板13を光軸から待避させれば、従来通りの明視野像の観察が可能となる。また、環状明視野像の解釈は、暗視野像、明視野像と環状明視野像とを比較することにより保証することができるが、環状明視野像の正当性が保証されれば、他の像の取得は必ずしも必要ではない。
【0029】
また、上記実施例では電子検出器としてシンチレータ(+光ガイド+光電子像倍管)を用いたが、半導体電子検出器や、電極など電子を検出可能な検出器を使用することができる。以下の実施例でも同様である。
(実施例2)
図4は本発明の実施例2の構成図で、図9におけるシンチレータ部拡大図に本発明の内容を加えたものと、各々のシンチレータ検出領域の説明図である。図4において、図3,図9と同一のものは、同一の符号を付して示す。円環状シンチレータ5の下方の透過電子及び散乱電子を取得できる位置に円環状シンチレータ16を設置する。円環状シンチレータ16において、16aは透過電子と散乱電子の一部を通過させるための穴、斜線部は検出領域16bである。
【0030】
以下に、図4に示す装置の動作を説明する。円環状シンチレータ5を通過した環状明視野像14は、その下に配置された円環状シンチレータ16で検出される。検出された環状明視野像14は、図示しない信号処理部で信号処理された後、重元素と軽元素のコントラストが結晶のポテンシャルに比例して表示部(図示せず)で観察される。
【0031】
この実施例によれば、円盤状シンチレータの中心部分の画像をカットした明視野像を得ることができるため、軽元素と重元素の原子位置を正確に測定可能な環状明視野像観察装置を提供することができる。
【0032】
また、この実施例によれば、円環状シンチレータ5、円環状シンチレータ16及び円盤状シンチレータ6でそれぞれの電子像を同時に検出することができる。また、不要なシンチレータを退避して観察することも可能である。この実施例では、円盤状シンチレータ6は、円環状シンチレータ16を通過してきた明視野像10を検出することができる。この明視野像は、円盤状シンチレータ6の検出領域6aで検出される。なお、環状暗視野像9は、実施例1で説明したように、円環状シンチレータ5の検出領域5bで検出される。
【0033】
また、環状明視野像の解釈は、暗視野像、明視野像と環状明視野像とを比較することにより保証することができるが、環状明視野像の正当性が保証されれば、他の像の取得は必ずしも必要ではない。
(実施例3)
図5は本発明の実施例3の構成図であり、図9におけるシンチレータ部に本発明の内容を加えたものと、各々のシンチレータ検出領域の説明図である。図4,図9と同一のものは、同一の符号を付して示す。円環状シンチレータ5の下方の透過電子及び散乱電子を取得できる位置に、円環状シンチレータ16を設置する。更にその下方に透過電子像10を検出する円盤状シンチレータ6を配置する。
【0034】
実施例3は、実施例2の図4に示す装置のように、絞り21を用いて環状明視野像の取込角を制限するのではなく、適当な大きさの円環状シンチレータ16を予め作成しておくようにしたものである。
【0035】
以下に、図5に示す装置の動作を説明する。環状暗視野像9は、円環状シンチレータ5の検出領域5bで検出される。一方、該円環状シンチレータ5の穴5aを通過した環状明視野像14は、円環状シンチレータ5の下部に配置された円環状シンチレータ16の検出領域16bで検出される。
【0036】
この結果、環状明視野像を取り込むことが可能となり、重元素と軽元素のコントラストが結晶の投影ポテンシャルに比例して表示部(図示せず)で観察される。一方、円環状シンチレータ16の穴16aを通過した明視野像10は、円盤状シンチレータ6の検出領域6aで検出される。
【0037】
実施例3によれば、円環状シンチレータ5、円環状シンチレータ16、円盤状シンチレータ6でそれぞれの電子像を同時に取り込むことも可能であり、また不要な検出器を退避させて、必要な電子像を観察することも可能である。
【0038】
環状明視野像の解釈には、暗視野像、明視野像と環状明視野像を比較することにより保証することができるが、環状明視野像の正当性が保証されれば、他の像の取得は必ずしも必要ではない。
【0039】
図6は明視野像のシミュレーション像と実験像を示す図である。取り込み角と、シミュレーションと、実験像とが示されている。画像は3段に並んで示されており、一番上の段が明視野大取り込み角の場合を、真ん中の段が明視野小取り込み角の場合を、一番下の段が本発明による明視野円環型検出器の場合を示している。Aは従来装置で取得した明視野像を、Bはシミュレーションにより得られた明視野像を、Cは本発明により取得した環状明視野像をそれぞれ示している。図では、Fe34の像を示している。Aに示す従来の明視野像に比較してCに示す本発明による明視野像は、コントラストのよい状態で得られていることが分かる。
【0040】
図7は明視野像の模式図である。図6のCに示す明視野像を模式的に示したものである。大きい●が重元素を、小さい●が重元素を、グレーの○が軽元素をそれぞれ示している。本発明によれば、重元素と軽元素がコントラストよく表示されていることが分かる。
【0041】
図8は図6の明視野像Cに示す円環状シンチレータを使った場合のシンチレータの位置と大きさを示す図である。透過電子と散乱電子の一部を遮蔽した状態で、円環状シンチレータが配置されている。このようにすれば、透過電子と散乱電子の一部を遮蔽することで、その輝度を下げ、重元素と軽元素のコントラストのよい画像を得ることができる。
【0042】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、透過電子及び散乱電子の中心部を遮蔽して観察することにより、重元素と軽元素が混合した試料でのコントラスト比が低減し、軽元素が見えやすくなる。それにより、試料の元素配列の位置決定をより簡単に行なうことができる。
【符号の説明】
【0043】
5 円環状シンチレータ
5a 穴
5b 検出領域
6 円盤状シンチレータ
6a 検出領域
9 環状暗視野像
13 遮蔽板
13a 遮蔽部
14 環状明視野像
21 絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射光学系と結像光学系を有し、試料を透過した透過電子或いは散乱電子を検出して表示部に表示するようにした走査透過型電子顕微鏡において、
透過電子と散乱電子を検出する円盤状電子検出器を設け、
かつ該円盤状電子検出器の中心部を遮蔽するための遮蔽手段を設け、
この状態で前記円盤状電子検出器で環状明視野像を検出するようにしたことを特徴とする環状明視野像観察装置。
【請求項2】
前記円盤状電子検出器の上方に、その中心部に透過電子と散乱電子の一部を前記円盤状電子検出器に向けて通過させるための穴があき、試料の弾性散乱電子を検出するための円環状電子検出器を設けたことを特徴とする請求項1記載の環状明視野像観察装置。
【請求項3】
前記円盤状電子検出器で回折像を検出する場合において、透過電子と散乱電子の一部をカットし、その残った透過電子と散乱電子の信号に基づいて環状明視野像を得ることを特徴とする請求項1記載の環状明視野像観察装置。
【請求項4】
前記遮蔽手段には複数の大きさの遮蔽部が設けられ、該遮蔽部の何れかを任意に選択可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の環状明視野像観察装置。
【請求項5】
照射光学系と結像光学系を有し、試料を透過した透過電子或いは散乱電子を検出して表示部に表示するようにした走査透過型電子顕微鏡において、
その中心部に透過電子と散乱電子の一部を通過させるための穴があき、試料の弾性散乱電子を検出するための第1の円環状電子検出器と、
該第1の円環状電子検出器を通過した透過電子と散乱電子を受け、環状明視野像の取込角を制限する絞りと、
該絞りの下に設けられ、その中心部に透過電子と散乱電子の一部を通過させるための穴があき、環状明視野像を検出する第2の円環状電子検出器と、
該第2の円環状電子検出器の穴を通過した透過電子と散乱電子を検出するための円盤状電子検出器と、
を有することを特徴とする環状明視野像観察装置。
【請求項6】
照射光学系と結像光学系を有し、試料を透過した透過電子或いは散乱電子を検出して表示部に表示するようにした走査透過型電子顕微鏡において、
その中心部に透過電子を通過させるための穴があき、試料の弾性散乱電子を検出するための第1の円環状電子検出器と、
該第1の円環状電子検出器の下に設けられ、その中心部に透過電子と散乱電子の一部を通過させるための穴があき、所定の大きさの検出領域を持つ第2の円環状電子検出器と、
該第2の円環状電子検出器の穴を通過した透過電子と散乱電子を検出するための、所定の大きさの検出領域を持つ円盤状電子検出器と、
を有することを特徴とする環状明視野像観察装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−257883(P2010−257883A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109351(P2009−109351)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】