説明

甘味増強剤、甘味増強剤を含む組成物、及びそれらの使用方法

本発明は、少なくとも1種の甘味料及び少なくとも1種の甘味増強剤を包含する甘味料組成物であって、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料(シンナムアルデヒド、セリゲアイン、ヘマトキシリンなど)、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤は、該組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在し、該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは互いに異なる物質であることを特徴とする組成物を開示する。本発明はまた、少なくとも1種の甘味料と少なくとも1種の甘味増強剤とを組み合わせて用いることを含む、組成物の甘味を増強するための方法であって、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料(シンナムアルデヒド、セリゲアイン、ヘマトキシリンなど)、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤は、該組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在するように用いられ、該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは互いに異なる物質であることを特徴とする方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年12月28日に出願された米国仮出願第61/290,370号に基づく優先権を主張する。この言及により、該出願の内容全体が本願明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、少なくとも1種の甘味料及び少なくとも1種の甘味増強剤を包含する、甘味が増強された組成物であって、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料(シンナムアルデヒド、セリゲアイン、ヘマトキシリンなど)、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれることを特徴とする組成物に関する。本発明はまた、少なくとも1種の甘味料と少なくとも1種の甘味増強剤とを組み合わせて用いることを含む、組成物の甘味を増強するための方法であって、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料(シンナムアルデヒド、セリゲアイン、ヘマトキシリンなど)、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれることを特徴とする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
炭水化物甘味料(フルクトース、グルコース、スクロースなど)などの甘味料はしばしば飲料組成物に用いられるが、これらの甘味料は、購入するには高価であり、及び/又は、大量に購入するときには輸送及び/又は貯蔵場所に高額の費用を要する可能性がある。さらに、スクロース、フルクトース、グルコースなどの天然の高カロリー性甘味料は、大抵の消費者には良い味がするが、高カロリー性である。加えて、炭水化物甘味料の製造は、カーボンフットプリント(carbon footprint)が大きい(即ち大量の二酸化炭素などの温室効果ガスを排出する)。したがって、代替となる無カロリー性甘味料又は低カロリー性甘味料が、広く捜し求められ、砂糖又はスクロースの代替物として用いられている。しかしながら、無カロリー性甘味料又は低カロリー性甘味料は、手が出ないほどに高価格であるものが少なくない。さらに、天然の甘味料や天然の甘味増強剤などの天然産物を含む製品に対する需要がある。
【0004】
したがって、このような甘味料(天然甘味料、合成甘味料など)の甘味の知覚を増強し又は高める能力を有する化合物を同定することが望ましいであろう。このような化合物を甘味料と組み合わせて用いることにより、望ましい程度の甘味を得るのに必要な甘味料の量を有意に減少させ、それにより、天然の高カロリー性甘味料によって与えられるカロリーを減少させるか、又は、低カロリー性又は無カロリー性の天然甘味料又は合成甘味料の量を減少させることができるであろう。さらに、合成甘味料及び/又は天然甘味料の甘味を増強することができる天然化合物を同定することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の1つの態様は、上で説明した問題の少なくとも1つを、少なくとも1種の甘味料及び少なくとも1種の甘味増強剤を包含する組成物を提供することによって解決することである。ここで、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料(シンナムアルデヒド、セリゲアイン、ヘマトキシリンなど)、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在する。該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは、互いに異なる物質である。いくつかの態様では、該少なくとも1種の甘味増強剤として、下記のものを挙げることができるが、それらに限定されるものではない:ステビア甘味料(ステビオシド、ステビオールビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、ズルコシドA、ルブソシドなど)、ヘルナンズルチン、松脂ジテルペノイド、ムクロジオシド、バイユノシド、フロミソシド(フロミソシドI、フロミソシドIIなど)、グリシルリジン酸、ペリアンドリン(ペリアンドリンI、ペリアンドリンII、ペリアンドリンIII、ペリアンドリンIVなど)、オスラジン、ポリポドシド(ポリポドシドA、ポリポドシドBなど)、モグロシド(モグロシドIV、モグロシドVなど)、アブルソシドA及びアブルソシドB、シクロカリオシド(シクロカリオシドA、シクロカリオシドBなど)、プテロカリオシドA及びプテロカリオシドB、フラボノイド(フィロズルチン、フロリジン、ネオアスチルビン、酢酸ジヒドロクエルセチン及びその誘導体など)、アミノ酸(グリシン、モナチンなど)、タンパク質(ソーマチン(ソーマチンI、ソーマチンII、ソーマチンIII及びソーマチンIV)、モネリン、マビンリン(マビンリンI及びマビンリンII)、ブラゼイン、ミラクリン、クルクリンなど)、ポリオール(エリスリトールなど)、シンナムアルデヒド、セリゲアイン(セリゲアインA、セリゲアインBなど)、並びにヘマトキシリン。
【0006】
甘味増強剤は、たとえば、松脂ジテルペノイド、フロリジン、ネオアスチルビン、酢酸ジヒドロクエルセチン、グリシン、エリスリトール、シンナムアルデヒド、セリゲアインA、セリゲアインB、ヘマトキシリン、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、ズルコシドA、ステビオールビオシド、ルブソシド、ステビア、ステビオシド、ステビオール13 O−β−D−グリコシド、モグロシドV、羅漢果(Luo Han Guo)、シアメノシド、シアメノシドI、モナチン及びモナチン塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリシルリジン酸及びグリシルリジン酸塩、ソーマチンI、ソーマチンII、ソーマチンIII、ソーマチンIV、モネリン、マビンリンI、マビンリンII、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、ポリポドシドB、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、ムクロジオシドIIb、フロミソシドI、フロミソシドII、ペリアンドリンI、ペリアンドリンII、ペリアンドリンIII、ペリアンドリンVI、ペリアンドリンV、シクロカリオシドA、シクロカリオシドB、スアビオシドA、スアビオシドB、スアビオシドG、スアビオシドH、スアビオシドI、スアビオシドJ、ラブダングリコシド、バイユノシド、ガウジチャウジオシドA、モグロシドIV、イソモグロシド、ブリオズルコシド、ブリオシド、ブリオノシド、カルノシフロシドV、カルノシフロシドVI、スカンデノシドR6、11−オキソモグロシドV、アブルソシドA、アブルソシドB、アブルソシドC、アブルソシドD、アブルソシドE、ギペノシドXX、グリシルリジン、アピオグリシルリジン、アラボグリシルリジン、ペンタジン、ペリルアルデヒド、レバウジオシドF、ステビオール、13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−(4−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−ヒドロキシ−カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−メチル−16−オキソ−17−ノルカウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸、イソステビオール、モグロシドIA、モグロシドIE、モグロシドII−A、モグロシドII−E、モグロシドIII、モグロシドV、イソモグロシドV、11−オキソモグロシド、モグロール、11−オキソモグロール、11−オキソモグロシドIA、1−[13−ヒドロキシカウラ−16−エン−18−酸]β−D−グルコピラヌロン酸、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル(レバウジオシドE)、13−[(2−O−α−L−ラムノピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−α−L−ラムノピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−オキソ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−(6−O−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−フルクトフラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(6−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(4−O−(2−O−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、並びにこれらの混合物から選ばれる。
【0007】
甘味増強剤は、任意の適当な甘味料(たとえば、天然及び/又は非天然及び/又は合成甘味料)と組み合わせて用いて、甘味が増強された甘味組成物を提供することができる。ここで、甘味増強剤は、甘味料とは異なる物質である。
【0008】
本発明の別の1つの態様は、少なくとも1種の甘味料を少なくとも1種の甘味増強剤と組み合わせて用いることを含む、甘味を増強するための方法に関する。ここで、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料(シンナムアルデヒド、セリゲアイン、ヘマトキシリンなど)、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在するように用いられる。
【0009】
本発明のさらなる1つの態様は、甘味が付与され得る組成物、炭水化物甘味料又は合成甘味料、及び少なくとも1種の天然の甘味増強剤を包含する、甘味を付与された組成物に関する。ここで、該少なくとも1種の天然の甘味増強剤は、ルブソシド、13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、及び13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルから選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤は、該甘味を付与された組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在し、該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは互いに異なる物質である。本発明はさらに、甘味が付与され得る組成物に含まれる炭水化物甘味料又は合成高効能甘味料の甘味を増強するための方法であって、甘味が付与され得る組成物に少なくとも1種の天然の甘味増強剤を添加することを含む方法に関する。ここで、該少なくとも1種の天然の甘味増強剤は、ルブソシド、13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、及び13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルから選ばれ、該甘味増強剤は、該甘味が付与され得る組成物中に、該甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在するように添加され、該甘味料と該甘味増強剤とは互いに異なる物質である。
【0010】
本発明の別の態様では、飲料組成物や卓上甘味料などの、本発明の組成物を含有する摂取可能な組成物(甘味を付与された組成物)も提供される。
【0011】
本発明のさらなる目的及び利益については、一部は以下の記載において説明され、一部はその記載から明らかであるか、本発明を実施することにより理解することができる。本発明の目的及び利益は、請求の範囲に特に記載された事項及びその組み合わせによって理解され達成されるであろう。
【0012】
上記の概括的な記載及び下記の詳細な記載は、代表例や説明を示すものに過ぎないのであって、発明を限定したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例4における甘味強度についての結果を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
以下、本発明の諸態様及びその代表的な諸態様を詳細に説明する。
【0015】
本発明は、少なくとも1種の甘味料及び少なくとも1種の甘味増強剤を包含する甘味料組成物を提供する。本発明はまた、甘味が付与され得る組成物(食品、飲料など)、少なくとも1種の甘味料及び少なくとも1種の甘味増強剤を包含する、甘味を付与された組成物を提供する。該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料(シンナムアルデヒド、セリゲアイン(セリゲアインA、セリゲアインBなど)、ヘマトキシリンなど)、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれる。少なくとも1つの態様においては、該少なくとも1種の甘味増強剤は、該甘味を付与された組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在し、該甘味料と該甘味増強剤とは互いに異なる物質である。
【0016】
本願明細書において、「甘味増強剤(sweetness enhancer)」とは、少なくとも、甘味料組成物又は甘味を付与された組成物の甘味の知覚を増強し又は強化することができる組成物という意味を含む用語である。「甘味増強剤」は、「甘み増進剤(sweet taste potentiator)」、「甘味増進剤(sweetness potentiator)」、「甘味増幅剤(sweetness amplifier)」、及び「甘味強化剤(sweetness intensifier)」と同じ意味を表す用語である。本発明で提供される甘味増強剤は、通常、許容される使用レベルでは自分自身は顕著な(noticeable)甘味を提供することなく甘味料の甘味を増強し又は増進するものであるが、甘味を感ずる閾値を越える濃度で用いられたときには自分自身が甘味を提供することができる。本願明細書において、「甘味を感ずる閾値」(sweetness detection threshold level)とは、少なくとも、物質の甘味又は異味(off-taste)が知覚され得る濃度という意味を含む用語である。甘味を感ずる閾値は、物質により異なり、また、甘味を知覚する個人によっても異なることもある。
【0017】
通常、甘味を測定する方法は次の通りである。対照サンプルの一口分(約1オンス又は約30mlのサンプルから約2.2mlを採ったもの)を口に入れ、それを飲み込み、15〜25秒間待ち、次に、再度、対照サンプルの一口分を口に入れ、それを飲み込み、味を知覚する。その後、実験用サンプルについて上記の工程を行い、実験用サンプルの甘味を対照サンプルの甘味と比較する。これらの工程は、繰り返してもよい。
【0018】
甘味増強剤
本発明の組成物は、少なくとも1種の甘味増強剤を含む。1つの態様においては、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料(シンナムアルデヒド、セリゲアイン、ヘマトキシリンなど)、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれる。
【0019】
いくつかの態様においては、該少なくとも1種の甘味増強剤として、下記のものを挙げることができるが、それらに限定されるものではない:ステビア甘味料(ステビオシド、ステビオールビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、ズルコシドA、ルブソシドなど)、ヘルナンズルチン、松脂ジテルペノイド、ムクロジオシド、バイユノシド、フロミソシド(フロミソシドI、フロミソシドIIなど)、グリシルリジン酸、ペリアンドリン(ペリアンドリンI、ペリアンドリンII、ペリアンドリンIII、ペリアンドリンIVなど)、オスラジン、ポリポドシド(ポリポドシドA、ポリポドシドBなど)、モグロシド(モグロシドIV、モグロシドVなど)、アブルソシドA及びアブルソシドB、シクロカリオシド(シクロカリオシドA、シクロカリオシドBなど)、プテロカリオシドA及びプテロカリオシドB、フラボノイド(フィロズルチン、フロリジン、ネオアスチルビン、酢酸ジヒドロクエルセチンなど)、アミノ酸(グリシン、モナチンなど)、タンパク質(ソーマチン(ソーマチンI、ソーマチンII、ソーマチンIII及びソーマチンIV)、モネリン、マビンリン(マビンリンI及びマビンリンII)、ブラゼイン、ミラクリン、クルクリンなど)、ポリオール(エリスリトールなど)、シンナムアルデヒド、セリゲアイン(セリゲアインA、セリゲアインBなど)、並びにヘマトキシリン。
【0020】
少なくとも1種の甘味増強剤は、たとえば、松脂ジテルペノイド、フロリジン、ネオアスチルビン、酢酸ジヒドロクエルセチン、グリシン、エリスリトール、シンナムアルデヒド、セリゲアインA、セリゲアインB、ヘマトキシリン、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、ズルコシドA、ステビオールビオシド、ルブソシド、ステビア、ステビオシド、ステビオール13 O−β−D−グリコシド、モグロシドV、羅漢果、シアメノシド、シアメノシドI、モナチン及びモナチン塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリシルリジン酸及びグリシルリジン酸塩、ソーマチンI、ソーマチンII、ソーマチンIII、ソーマチンIV、モネリン、マビンリンI、マビンリンII、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、ポリポドシドB、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、ムクロジオシドIIb、フロミソシドI、フロミソシドII、ペリアンドリンI、ペリアンドリンII、ペリアンドリンIII、ペリアンドリンVI、ペリアンドリンV、シクロカリオシドA、シクロカリオシドB、スアビオシドA、スアビオシドB、スアビオシドG、スアビオシドH、スアビオシドI、スアビオシドJ、ラブダングリコシド、バイユノシド、ガウジチャウジオシドA、モグロシドIV、イソモグロシド、ブリオズルコシド、ブリオビオシド、ブリオシド、ブリオノシド、カルノシフロシドV、カルノシフロシドVI、スカンデノシドR6、11−オキソモグロシドV、アブルソシドA、アブルソシドB、アブルソシドC、アブルソシドD、アブルソシドE、ギペノシドXX、グリシルリジン、アピオグリシルリジン、アラボグリシルリジン、ペンタジン、ペリルアルデヒド、レバウジオシドF、ステビオール、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−α−L−ラムノピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−(4−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−ヒドロキシ−カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−メチル−16−オキソ−17−ノルカウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸、イソステビオール、モグロシドIA、モグロシドIE、モグロシドII−A、モグロシドII−E、モグロシドIII、モグロシドV、イソモグロシドV、11−オキソモグロシド、モグロール、11−オキソモグロール、11−オキソモグロシドIA、1−[13−ヒドロキシカウラ−16−エン−18−酸]β−D−グルコピラヌロン酸、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル(レバウジオシドE)、13−[(2−O−α−L−ラムノピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−オキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−オキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−(6−O−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−フルクトフラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(6−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(4−O−(2−O−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、並びにこれらの混合物から選ばれる。
【0021】
さらなる態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は複数の甘味増強剤を組み合わせたものでよい。たとえば、ルブソシドと、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、レバウジオシドC、及び13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルのうちの少なくとも1種との組み合わせ、ルブソシド、レバウジオシドC、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、及び13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルのうちの少なくとも1種と、イソモグロシド、モグロシドV、及びモグロシドIVのうちの少なくとも1種との組み合わせ、ルブソシド、レバウジオシドC、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、及び13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルのうちの少なくとも1種と、グリシルリジン酸との組み合わせ、並びに、ルブソシド、レバウジオシドC、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、イソモグロシド、モグロシドV、及びモグロシドIVのうちの少なくとも1種と、合成スクロース増強剤と、合成増強剤と、任意の炭水化物増強剤との組み合わせが挙げられる。
【0022】
いくつかの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルから選ばれる。この化合物は、ステビア葉抽出物に見出され得、また、レバウジオシドAの分解生成物でもあり得る。いくつかの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、レバウジオシドC、レバウジオシドF、レバウジオシドD、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、及びルブソシドから選ばれる。少なくとも1種の甘味増強剤は、さらに、たとえば、レバウジオシドA、ステビオシド、レバウジオシドD、レバウジオシドE、モグロシドV、モグロシドIV、ブラゼイン、及びモナチンからも選ばれる。
【0023】
上記のように、少なくとも1種の甘味増強剤は、ある濃度においては甘味又は味を付与することができるが、別の濃度においては知覚し得る甘味又は味を付与することができない。たとえば、少なくとも1種の甘味増強剤は、該少なくとも1種の甘味増強剤の味(たとえば甘味)が知覚され得ないような濃度で存在していてよい。本発明の甘味料組成物は、少なくとも1種の甘味増強剤の有効量を含んでいる。少なくとも1種の甘味増強剤の有効量とは、自分自身の甘味を感知されることなく少なくとも1種の甘味料の甘味強度を高め又は増強するに足る量のことである。
【0024】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在している。いくつかの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量より少ない量で存在している。
【0025】
甘味を感ずる閾値は、化合物の種類によって異なり得る。しかし、通常、いくつかの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、0.5ppm〜1000ppmの範囲の濃度で存在している。たとえば、少なくとも1種の甘味増強剤は、1ppm〜300ppmの範囲の濃度で存在していてもよいし、0.1ppm〜75ppmの範囲の濃度で存在していてもよいし、500ppm〜3000ppmの範囲の濃度で存在していてもよい。
【0026】
本発明において、「甘味閾値」(sweetness threshold)、「甘味を認知する閾値」(sweetness recognition threshold)及び「甘味を感ずる閾値」(sweetness detection threshold)は、人間の味覚によって感知され得る甘味化合物の最小の濃度のレベルを意味する。このレベルは人によって異なり得る。たとえば、水中におけるスクロースの甘味閾値レベルは、典型的には0.5%である。
【0027】
さらに、たとえば、用いる少なくとも1種の甘味増強剤は、スクロースの水中における感知レベルである0.5%より少なくとも25%低い濃度及び少なくとも25%高い濃度で水中に入れ、その甘味閾値を測定することができる。
【0028】
当業者は、少なくとも1種の甘味増強剤の濃度を適切に選択して、少なくとも1種の甘味料を含む組成物に、増強された甘味を付与することができる。たとえば、当業者は、少なくとも1種の甘味増強剤の濃度を、甘味料を含まない組成物であれば知覚され得る甘味が付与されないような濃度とすることができる。
【0029】
少なくとも1つの態様においては、甘味増強剤はレバウジオシドA(REB A)である。この態様においては、レバウジオシドAは組成物中に、たとえば13ppm又はそれより低い濃度で存在していてよい。少なくとも1つの態様においては、レバウジオシドAは、13ppmより低い濃度、たとえば、10ppmより低い濃度や5ppmより低い濃度で存在していてよい。
【0030】
いくつかの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、ステビオシド、レバウジオシドB(REB B)、レバウジオシドF(REB F)、レバウジオシドD(REB D)、又は13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルである。これらの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は組成物中に、たとえば25ppm又はそれより低い濃度、たとえば25ppmより低い濃度(20ppmより低い濃度、15ppmより低い濃度、20ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0031】
いくつかの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、ステビオールビオシド、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−(4−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、ズルコシドA、又はルブソシドである。これらの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、たとえば50ppm又はそれより低い濃度、たとえば50ppmより低い濃度(45ppmより低い濃度、40ppmより低い濃度、35ppmより低い濃度、30ppmより低い濃度など)で存在していてよい。甘味増強剤の甘味閾値は、マトリクス系(matrix system)の取り方によって異なり得る。たとえば、ルブソシドの場合、水中では50ppmであり(実施例1を参照)、レモンライムフレーバー、クエン酸緩衝液及び炭酸水を含む飲料の中では150ppmである(実施例4を参照)。クエン酸緩衝液は、クエン酸及びクエン酸塩を含む。他のマトリクス系の例としては、リン酸及び他の任意の酸味料(pHは1.8〜8.5の範囲でよく、温度は0℃〜50℃の範囲でよい)が挙げられる。
【0032】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルである。この態様においては、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルは組成物中に、たとえば700ppm又はそれより低い濃度、たとえば700ppmより低い濃度(600ppmより低い濃度、500ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0033】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸である。この態様においては、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸は組成物中に、たとえば500ppm又はそれより低い濃度、たとえば500ppmより低い濃度(400ppmより低い濃度、300ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0034】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸、又は13−[(3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルである。これらの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は組成物中に、たとえば35ppm又はそれより低い濃度、たとえば35ppmより低い濃度(30ppmより低い濃度、25ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0035】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、13−メチル−16−オキソ−17−ノルカウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルである。この態様においては、13−メチル−16−オキソ−17−ノルカウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルは組成物中に、たとえば15ppm又はそれより低い濃度、たとえば15ppmより低い濃度(12ppmより低い濃度、10ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0036】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、ステビオールグルクロニドである。この態様においては、ステビオールグルクロニドは組成物中に、たとえば85ppm又はそれより低い濃度、たとえば85ppmより低い濃度(80ppmより低い濃度、70ppmより低い濃度、60ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0037】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、レバウジオシドC(REB C)である。この態様においては、レバウジオシドCは組成物中に、たとえば100ppm又はそれより低い濃度、たとえば100ppmより低い濃度(90ppmより低い濃度、80ppmより低い濃度、70ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0038】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルである。この態様においては、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルは組成物中に、たとえば250ppm又はそれより低い濃度、たとえば250ppmより低い濃度(200ppmより低い濃度、150ppmより低い濃度、100ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0039】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、13−ヒドロキシ−カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルである。この態様においては、13−ヒドロキシ−カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルは組成物中に、たとえば10ppm又はそれより低い濃度、たとえば10ppmより低い濃度(9ppmより低い濃度、8ppmより低い濃度、7ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0040】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味増強剤は、モグロシドVである。この態様においては、モグロシドVは組成物中に、たとえば20ppm又はそれより低い濃度、たとえば20ppmより低い濃度(18ppmより低い濃度、15ppmより低い濃度、10ppmより低い濃度など)で存在していてよい。
【0041】
甘味料
上記の甘味増強剤は、任意の天然甘味料又は合成甘味料(たとえば、任意の適切な高カロリー性、低カロリー性又は無カロリー性の甘味料)の甘味又は存在知覚を増強するために用いることができる。甘味増強剤と甘味料とは、互いに異なる物質である。本発明の組成物において、1つの成分が甘味増強剤及び甘味料の両方の特徴を有することがあり得るが、甘味増強剤と甘味料とは互いに異なる成分であり、即ち、甘味増強剤と甘味料とが同一の成分であることはない。このような甘味料の例として、高カロリー性炭水化物甘味料、天然炭水化物甘味料、非天然炭水化物甘味料、天然高効能甘味料、非天然高効能甘味料、合成高効能甘味料、合成炭水化物甘味料、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。本願明細書において、「甘味を増強された甘味料組成物」という用語は、少なくとも1種の甘味増強剤及び少なくとも1種の甘味料を包含する組成物を意味する。
【0042】
したがって、本発明の組成物は、少なくとも1種の甘味料を含む。少なくとも1種の甘味料は、どのような種類の甘味料であってもよく、たとえば、天然甘味料、非天然甘味料又は合成甘味料でよい。少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味料は天然甘味料から選ばれる。別の1つの態様においては、少なくとも1種の甘味料は合成甘味料から選ばれる。さらに別の1つの態様においては、少なくとも1種の甘味料は非天然甘味料から選ばれる。
【0043】
たとえば、少なくとも1種の甘味料は、高カロリー性炭水化物甘味料でよい。適切な高カロリー性炭水化物甘味料の例として、スクロース、フルクトース、グルコース、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、D−タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン(α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなど)、リブロース、スレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース、イソマルツロース、エリスロース、デオキシリボース、グロース、イドース、タロース、エリスルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、キシロ−オリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオースなど)、ゲンチオ−オリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオースなど)、ガラクト−オリゴ糖、ソルボース、ケトトリオース(デヒドロキシアセトン)、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロ−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖(ケストース、ニストースなど)、マルトテトラオース、マルトトリオール、テトラ糖、マンナン−オリゴ糖、マルト−オリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなど)、デキストリン、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース、異性化液糖(たとえば、HFCS55、HFCS42、HFCS90などの高フルクトースコーン/デンプンシロップ(HFCS)、カップリングシュガー、大豆オリゴ糖、グルコースシロップ、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。
【0044】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の天然甘味料は、グルコース、フルクトース、スクロース、及びこれらの混合物から選ばれる。
【0045】
いくつかの態様においては、少なくとも1種の甘味料は、炭水化物甘味料から選ばれる。
【0046】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、エリスリトール、高フルクトースコーンシロップ、及びこれらの混合物から選ばれる。
【0047】
たとえば、少なくとも1種の甘味料は、合成甘味料でよい。本願明細書において、「合成甘味料」という用語は、自然界には元々発見されない組成物であって、スクロース、フルクトース又はグルコースよりも高い甘味付与能力を有するという特徴を有し、それでいて、カロリーがより少ないような任意の組成物を意味する。本発明の諸態様に使用するのに適切な合成甘味料の例として、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、シクラメート、ネオテーム、N−[N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチル エステル、N−[N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチルブチル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチル エステル、N−[N−[3−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチル エステル、及びこれらの塩などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0048】
少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の合成甘味料は、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、及びこれらの混合物から選ばれる。
【0049】
本発明の諸態様に使用するのに適切な他の甘味料の例として、天然高効能甘味料及び合成高効能甘味料が挙げられる。本願明細書において、「天然高効能甘味料」(natural high-potency sweetener)、「NHPS」、「NHPS組成物」及び「天然高効能甘味料組成物」という用語は、同一の意味を有する。「NHPS」とは、自然界に発見される甘味料であって、元の形態、抽出された形態、精製された形態又はその他の形態で、単一物又は混合物として存在し、スクロース、フルクトース又はグルコースよりも甘味付与能力が高いという特徴を有し、それでいて、カロリーがより少ないような任意の甘味料を意味する。本発明の諸態様に使用するのに適切なNHPSの例として、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC(ズルコシドB)、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、ズルコシドA、ルブソシド、ステビア、ステビオシド、モグロシドIV、モグロシドV、羅漢果甘味料、シアメノシド、モナチン及びモナチン塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリシルリジン酸及びグリシルリジン酸塩、ソーマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA及びシクロカリオシドIが挙げられるが、これらには限定されない。NHPSは修飾されたNHPSでもよい。修飾NHPSは、自然界において既に修飾された形態で存在しているものを含む。修飾NHPSの例として、発酵した形態であるもの、酵素と接触した形態であるもの、誘導体の形態であるもの、又は置換された形態であるものが挙げられるが、これらには限定されない。1つの態様においては、少なくとも1種の修飾NHPSは、少なくとも1種のNHPSと組み合わせて用いることができる。別の1つの態様においては、少なくとも1種の修飾NHPSは、少なくとも1種のNHPSと組み合わせずに単独で用いることができる。したがって、本発明の任意の態様において、修飾NHPSは、NHPSの代替物として用いることもできるし、NHPSと組み合わせて用いることもできる。以下、簡単のために、本発明の態様の説明をする際には、修飾されたNHPSが未修飾のNHPSの代替物であるとは明示的には述べていないが、「NHPS」の代わりに「修飾NHPS」を使用できることを理解されたい。
【0050】
たとえば、少なくとも1種の甘味料は、単独で用いることもできるし、他の甘味料と組み合わせて用いることもできる。たとえば、甘味料組成物は、単一のNHPSのみ又は単一の合成甘味料のみを包含するものでもよいし、単一のNHPSと単一の合成甘味料とを包含するものでもよいし、1種又は2種以上のNHPSと単一の合成甘味料とを包含するものでもよいし、単一のNHPSと1種又は2種以上の合成甘味料とを包含するものでもよいし、1種又は2種以上のNHPSと1種又は2種以上の合成甘味料とを包含するものでもよい。複数種の天然甘味料及び/又は合成甘味料も、混合による効果が甘味料組成物又は経口甘味付与組成物の味に悪影響を及ぼさないものである限り、使用することができる。
【0051】
さらに、当業者は、甘味が付与された組成物の処方を、所望のカロリー含有量が得られるようにカスタマイズし得ることを理解できるであろう。たとえば、低カロリー性甘味料又は無カロリー性甘味料を高カロリー性甘味料及び/又は他の高カロリー性添加剤と組み合わせて、好ましいカロリー含有量を有する甘味料組成物を得ることができる。
【0052】
本願明細書において、「ポリオール」という用語は、2個以上の水酸基を有する分子を意味する。ポリオールは、ジオール、トリオール又はテトラオール(それぞれ2個、3個、4個の水酸基を有する)でもよい。ポリオールはまた、ペンタオール、ヘキサオール、ヘプタオール(それぞれ5個、6個、7個の水酸基を有する)などのように、5個以上の水酸基を有するものでもよい。さらに、ポリオールは、炭水化物が還元された形態である糖アルコール、多価アルコール(polyhydric alcohol)又はポリアルコール(polyalcohol)でもよい。ここでは、カルボニル基(アルデヒド又はケトン、還元糖)は第一級水酸基水酸基又は第二級水酸基に還元されている。
【0053】
いくつかの態様において使用するポリオールの例として、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、スレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルト−オリゴ糖、還元キシロ−オリゴ糖、還元ゲンチオ−オリゴ糖、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ、及び糖アルコール又は還元され得る他の炭水化物であって合成甘味料又は経口摂取組成物の味に悪影響を及ぼさないものが挙げられるが、これらには限定されない。
【0054】
少なくとも1種の甘味料は、組成物中に、甘味を感ずる閾値となる量を越える量で存在している。いくつかの態様においては、少なくとも1種の甘味料は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜99重量%の範囲の量で存在していてよい。たとえば、少なくとも1種の甘味料は、組成物の全重量に対して2重量%〜50重量%の範囲又は4重量%〜50重量%の範囲の量で存在していてよい。
【0055】
本願明細書の開示に基づいて、少なくとも1種の甘味増強剤は、少なくとも1種の甘味料の甘味を増進し又は増強することができる。少なくとも1つの態様においては、少なくとも1種の甘味料及び少なくとも1種の甘味増強剤を包含する組成物は、甘味料は含むが甘味増強剤は含まない組成物よりも、甘味強度が大きい。
【0056】
本願明細書において、「甘味強度(sweetness intensity)」という用語は、感知され得る任意の甘味を意味する。たとえば、本発明の組成物は、甘味料は含むが甘味増強剤は含まない組成物よりも僅かに甘いだけでもよい。少なくとも1つの態様においては、本発明の組成物は、甘味料は含むが甘味増強剤は含まない組成物よりも甘いと感知され得る。
【0057】
いくつかの態様においては、甘味強度は、スクロース当量に基づく測定において、甘味料は含むが甘味増強剤は含まない組成物の甘味に比べて、0.5%よりも大きく(たとえば、1%、2%、3%、4%又は5%大きく)増加する。たとえば、甘味強度は、スクロース当量に基づく測定において、甘味料は含むが甘味増強剤は含まない組成物の甘味に比べて、10%よりも大きく、又は20%よりも大きく、増加する。
【0058】
少なくとも1種の甘味料増強剤と少なくとも1種の甘味料とを混合することは、甘味料組成物又は甘味を付与された組成物の味に実質的な影響又は悪影響を及ぼさない範囲のpHであれば、いかなるpHの下であっても行うことができる。pHの範囲の例としては、約1.8〜約9の範囲が挙げられるが、これには限定されない。さらなる例としては、約2〜約5の範囲が挙げられる。組成物の温度は、たとえば4℃〜25℃の範囲でよい。
【0059】
当業者は、少なくとも1種の甘味料(たとえば、少なくとも2種の甘味料又は少なくとも3種の甘味料)と少なくとも1種の甘味増強剤(たとえば、少なくとも2種の甘味増強剤又は少なくとも3種の甘味増強剤)とを、任意の方法で混合することができる。
【0060】
少なくとも1つの態様においては、本発明の組成物は、少なくとも1種のさらなる添加剤(たとえば、甘味改良剤及び/又は甘味改良用添加剤)を含んでいてよい。
【0061】
たとえば、本発明の組成物は、甘味が増強された甘味料組成物の経時プロファイル及び/又はフレーバープロファイルを調整するための、少なくとも1種の甘味改良剤を含んでいてよい。甘味料組成物の経時プロファイル及び/又はフレーバープロファイルを改良するための甘味改良剤の使用については、本願と共に係属している米国特許出願第11/561,148号及び第11/561,158号並びに米国特許出願公開公報第2008/0292765号に詳述されている。この言及により、これらの出願の内容全体が本願明細書に組み込まれるものとする。
【0062】
適切な甘味改良剤の例として、炭水化物、ポリオール、アミノ酸及びアミノ酸塩、ポリアミノ酸及びポリアミノ酸塩、糖酸及び糖酸塩、ヌクレオチド、有機酸、無機酸、有機塩(有機酸塩及び有機塩基塩を含む)、無機塩、苦味化合物、風味料及び風味材料、渋味化合物(astringent compound)、タンパク質又はタンパク質加水分解物、界面活性剤、乳化剤、フラボノイド、アルコール、ポリマー、上記の砂糖様特性を付与する他の甘味改良用添加剤、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。
【0063】
本願において使用する「甘味改良用添加剤」とは、合成甘味料に砂糖様の経時プロファイル、砂糖様のフレーバープロファイル又はその両方を付与する材料を意味する。本発明の諸態様における使用に適切な甘味改良用添加剤の例としては、アミノ酸及びその塩、ポリアミノ酸及びその塩、ペプチド、糖酸及びその塩、ヌクレオチド及びその塩、有機酸、無機酸、有機酸塩及び有機塩基塩を含む有機塩、無機酸塩(たとえば、塩化ナトリウム、塩化カリウムや塩化マグネシウム)、酸性塩(たとえば、クエン酸ナトリウム)、苦味化合物、風味剤及び風味材料、渋味化合物、ポリマー、タンパク質又はタンパク質加水分解物、界面活性剤、乳化剤、フラボノイド、アルコール及び天然の高効能甘味料が挙げられる。
【0064】
本発明の諸態様における使用に適した甘味改良用アミノ酸添加剤としては、アスパラギン酸、アルギニン、グリシン、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、テアニン、システイン、シスチン、アラニン、バリン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン、セリン、リシン、ヒスチジン、オルニチン、メチオニン、カルニチン、アミノ酪酸(α−異性体、β−異性体又はγ−異性体)、グルタミン、ヒドロキシプロリン、タウリン、ノルバリン、サルコシン、及びこれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩又は酸塩など)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。甘味改良用アミノ酸添加剤は、D型とL型のどちらでもよく、同じアミノ酸又は異なるアミノ酸からなる単量体、二量体又は三量体のいずれでもよい。更にアミノ酸は、該当する場合には、α−異性体、β−異性体、γ−異性体、δ−異性体及びε−異性体のいずれでもよい。上述のアミノ酸及びその塩(たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、他のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、又は酸性塩)の組み合わせも、本発明のいくつかの態様においては適切な甘味改良用添加剤である。アミノ酸は、天然であっても合成であってもかまわない。アミノ酸は、修飾されていてもよい。修飾アミノ酸とは、少なくとも1つの原子の付加、欠失、置換、又はこれらの組み合わせによって修飾されたアミノ酸(たとえば、N−アルキルアミノ酸、N−アシルアミノ酸又はN−メチルアミノ酸)を意味する。修飾アミノ酸の例としては、トリメチルグリシン、N−メチル−グリシン及びN−メチル−アラニンなどのアミノ酸誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明における修飾アミノ酸には、修飾されたアミノ酸と非修飾のアミノ酸の両方が含まれる。更に本発明におけるアミノ酸には、グルタチオンやL−アラニル−L−グルタミンなどのペプチドやポリペプチド(たとえば、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド及びペンタペプチド)も含まれる。適切な甘味改良用ポリアミノ酸添加剤としては、ポリ−L−アスパラギン酸、ポリ−L−リシン(たとえば、ポリ−L−α−リシン又はポリ−L−ε−リシン)、ポリ−L−オルニチン(たとえば、ポリ−L−α−オルニチン又はポリ−L−ε−オルニチン)、ポリ−L−アルギニン、アミノ酸の他の多量体、及びこれらの塩(たとえば、L−グルタミン酸一ナトリウム塩などの、カルシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩やマグネシウム塩)が挙げられる。甘味改良用ポリアミノ酸添加剤も、D型とL型のどちらでもかまわない。更にポリアミノ酸は、該当する場合には、α−異性体、β−異性体、γ−異性体、δ−異性体及びε−異性体のいずれでもよい。上述のポリアミノ酸及びそれらの塩(たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、他のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、又は酸性塩)の組み合わせも、本発明のいくつかの態様においては適切な甘味改良用添加剤である。本願に記載したポリアミノ酸は、複数種のアミノ酸からなるコポリマーを含んでいてもよい。ポリアミノ酸は、天然であっても合成であってもかまわない。ポリアミノ酸は、少なくとも1つの原子の付加、欠失、置換、又はこれらの組み合わせによって修飾されたポリアミノ酸(たとえば、N−アルキルポリアミノ酸やN−アシルポリアミノ酸)でもよい。本発明におけるポリアミノ酸には、修飾されたポリアミノ酸及び非修飾のポリアミノ酸の両方が含まれる。たとえば、修飾されたポリアミノ酸としては、種々の分子量(MW)のポリアミノ酸、たとえば、MWが1,500、MWが6,000、MWが25,200、MWが63,000、MWが83,000、又はMWが300,000のポリ−L−α−リシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
本発明に適した甘味改良用糖酸添加剤の例としては、アルドン酸、ウロン酸、アルダル酸、アルギン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、これらの塩(たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩又は他の生理学的に許容される塩)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
本発明に適した甘味改良用ヌクレオチド添加剤としては、イノシン一リン酸(IMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、アデノシン一リン酸(AMP)、シトシン一リン酸(CMP)、ウラシル一リン酸(UMP)、イノシン二リン酸、グアノシン二リン酸、アデノシン二リン酸、シトシン二リン酸、ウラシル二リン酸、イノシン三リン酸、グアノシン三リン酸、アデノシン三リン酸、シトシン三リン酸、ウラシル三リン酸、これらのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本願に記載したヌクレオチドは、ヌクレオチド関連添加剤、たとえば、ヌクレオシドや核酸塩基(たとえば、グアニン、シトシン、アデニン、チミン、ウラシル)を含んでいてもよい。
【0067】
適切な甘味改良用有機酸添加剤には、−COOH部分を含むいかなる化合物も含まれる。本発明に適した甘味改良用有機酸添加剤の例としては、C2〜C30カルボン酸、置換ヒドロキシC2〜C30カルボン酸、安息香酸、置換安息香酸(たとえば、2,4−ジヒドロキシ安息香酸)、置換桂皮酸、ヒドロキシ酸、置換ヒドロキシ安息香酸、置換シクロヘキシルカルボン酸、タンニン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、アジピン酸、ヒドロキシクエン酸、リンゴ酸、フルーツ酸(リンゴ酸、フマル酸及び酒石酸の混合物)、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クロロゲン酸、サリチル酸、クレアチン、コーヒー酸、胆汁酸、酢酸、アスコルビン酸、アルギン酸、エリソルビン酸、ポリグルタミン酸、グルコノデルタラクトン、及びこれらのアルカリ金属塩誘導体やアルカリ土類金属塩誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に甘味改良用有機酸添加剤は、D型とL型のどちらでもかまわない。
【0068】
適切な甘味改良用有機酸塩添加剤の例としては、あらゆる有機酸のナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩及びマグネシウム塩、たとえば、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、乳酸塩(たとえば、乳酸ナトリウム)、アルギン酸塩(たとえば、アルギン酸ナトリウム)、アスコルビン酸塩(たとえば、アスコルビン酸ナトリウム)、安息香酸塩(たとえば、安息香酸ナトリウムや安息香酸カリウム)及びアジピン酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上述の甘味改良用有機酸塩添加剤は、所望により、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、カルボキシル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、硫黄原子、チオール基、イミン基、スルホニル基、スルフェニル基、スルフィニル基、スルファミル基、カルボキシアルコキシ基、カルボキサミド基、ホスホニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、ホスフィノ基、チオエステル基、チオエーテル基、酸無水物、オキシイミノ基、ヒドラジノ基、カルバミル基、リン酸基、ホスホナート基、及び他の置換可能な官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基で置換することができ、これらの基により置換された有機酸塩添加剤が合成甘味料の甘味を改良する機能を有する限りこれらを任意に用いることができる。
【0069】
たとえば、本発明に適した甘味改良用無機酸添加剤としては、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、塩酸、硫酸、炭酸、リン酸二水素ナトリウム、及びこれらのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩(たとえば、イノシトール六リン酸マグネシウムやイノシトール六リン酸カルシウム)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
本発明に適した甘味改良用苦味化合物からなる添加剤としては、カフェイン、キニーネ、尿素、橙皮油、ナリンギン、カシア及びこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
少なくとも1つの態様においては、甘味が付与された組成物を調製するために、経口摂取され得る組成物又は甘味が付与され得る組成物に少なくとも1種の甘味料を添加する前に、上記少なくとも1種の甘味料を、少なくとも1種の甘味増強剤と組み合わせることができる。たとえば、液状(たとえば、溶液状)、固体状(たとえば、粉末状、塊状、ペレット状、粒状、ブロック状、結晶状など)、懸濁状、気体状、又はこれらを混合した形状の精製物、希釈物又は濃縮物である少なくとも1種の甘味料を、液状(たとえば、溶液状)、固体状(たとえば、粉末状、塊状、ペレット状、粒状、ブロック状、結晶状など)、懸濁状、気体状、又はこれらを混合した形状の精製物、希釈物又は濃縮物である少なくとも1種の甘味改良剤、及び、液状(たとえば、溶液状)、固体状(たとえば、粉末状、塊状、ペレット状、粒状、ブロック状、結晶状など)、懸濁状、気体状、又はこれらを混合した形状の精製物、希釈物又は濃縮物である少なくとも1種の甘味増強剤と接触させた後に、これら全てを経口摂取され得る組成物と接触させることができる。2種以上の甘味料又は2種以上の甘味増強剤を用いる更に別の1つの態様においては、甘味料組成物の各成分を添加するパターンは、全て同時、交互、ランダム又はこれら以外の任意のパターンでもよい。
【0072】
本発明において「経口摂取され得る組成物」及び「甘味が付与され得る組成物」は同義語であり、ヒト又は動物の口と接触する物質であって、口の中に入れ、その後、口から出す物質、及び飲む、食べる、飲み込む、又は他の方法で摂取される物質を含み、一般的に許容される範囲内での使用において、ヒト又は動物が安全に消費することのできる物質を意味する。このような組成物の例としては、食品、飲料、医薬品、タバコ、栄養補助食品、口腔衛生用/化粧用の製品などが挙げられる。これら製品の具体例としては、コーラ、ジンジャエール、ルートビア、りんごジュース(cider)、果汁フレーバー入り清涼飲料(たとえば、レモンライム風味やオレンジ風味などの柑橘フレーバーの清涼飲料)、粉末固形清涼飲料などの非炭酸飲料及び炭酸飲料;果実又は野菜由来のフルーツジュース、生搾りジュースなどのフルーツジュース、果肉を含むフルーツジュース、果肉飲料、果実飲料、果汁入り飲料、果汁フレーバー入り飲料、野菜ジュース、野菜入りジュース、及びフルーツと野菜を含むミックスジュース;スポーツドリンク、栄養ドリンク、ニアウォーターなどの清涼飲料(たとえば、天然香料又は合成香料を加えた水);コーヒー、ココア、紅茶、緑茶、ウーロン茶などの茶ドリンク又は他の嗜好飲料;乳飲料、乳成分を含むコーヒー飲料、カフェオレ、ミルクティー、フルーツミルク飲料、飲むヨーグルト、乳酸菌飲料などの乳成分を含む飲料;乳製品;ベーカリー製品;ヨーグルト、ゼリー、飲むゼリー、プリン、ババロア、ブラマンジェ、ケーキ、ブラウニー、ムースなどのデザート類、及びおやつ又は食後に食べるための甘味食品;冷凍食品;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスなどの各種アイスクリーム類(甘味料及び様々な他の種類の原材料を乳製品に添加し、得られた混合物を撹拌し、凍結させた食品)、及びシャーベット、デザートアイスなどの氷菓(糖を含む液体に様々な他の種類の原料を添加し、得られる混合物を撹拌し、凍結させた食品)を含む冷菓;アイスクリーム;一般的な菓子類、たとえば、ケーキ、クラッカー、ビスケット、餡饅頭などの焼き菓子又は蒸し菓子;餅及び米菓;卓上食品;チューインガム(たとえば、実質的に水不溶性のチュアブルガムベース(チクル若しくはその代替物であるジェルトン、グッタケイゴム(guttakay rubber)又は可食性天然/合成樹脂若しくはワックス)を包含する組成物)、ハードキャンディー、ソフトキャンディー、ミントタブレット、ヌガーキャンディー、ジェリービーンズなどの一般的な糖菓;フルーツフレーバー入りソース、チョコレートソースなどのソース類;可食ゲル;バタークリーム、アイシング用ペースト(flour paste)、ホイップクリームなどのクリーム類;イチゴジャム、マーマレードなどのジャム類;菓子パンを含むパン又は他のデンプン製品;スパイス類;ローストした肉類、ローストした鶏肉、グリルした肉類などに使用するための醤油だれ、及びトマトケチャップ、ソース、めんつゆなどの一般的な調味料;農産加工品、畜産加工品又は水産加工品;ソーセージなどの加工肉類;レトルト食品、漬物、佃煮、珍味、付け合わせ;ポテトチップ、クッキーなどのスナック菓子;穀物食品;経口投与用又は口腔用の薬剤又は医薬部外品(たとえば、ビタミン剤、咳止めシロップ、咳止めドロップ、チュアブル錠、アミノ酸、苦味のある薬剤や医薬品、酸味料など)であって、丸薬、錠剤、スプレー剤、カプセル剤、シロップ剤、ドロップ剤、トローチ剤、散剤などの固体状、液状、ゲル状又は気体状である薬剤又は医薬部外品;口中清涼剤、うがい薬、洗口剤、練り歯磨き、歯磨き粉、歯磨き剤、マウススプレー、歯用ホワイトニング剤などの口腔で使用する他の経口組成物を含むパーソナルケア製品;栄養補助食品;かぎタバコ、紙巻たばこ、パイプ及び葉巻タバコを含む有煙及び無煙のタバコ製品、あらゆる形状のその他のタバコ(たとえば、刻んだフィラー、葉、茎、柄、均質化した乾燥葉、再構成バインダー、及びタバコの屑、微粒子又は他の起源から作製したシート、ペレット若しくは他の形態である再形成タバコ)、非タバコ材料から処方されたタバコ代替物、ディップ又はかみタバコなどのタバコ製品;動物飼料;並びに疾患(たとえば、心疾患、高コレステロール血症、糖尿病、骨粗鬆症、炎症又は自己免疫疾患)の予防又は治療を含む、治療的又は衛生的な利益をもたらす食品又は食品の一部分を含む栄養強化製品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
一般的に、甘味を付与された組成物に含まれる甘味を増強した甘味料組成物の量は、甘味を付与された組成物の種類及び望ましい甘味に依存して大きく変化する。当業者は、甘味を付与された組成物を得るために添加すべき適切な甘味料の量を容易に決定することができる。
【0074】
少なくとも1つの態様において、経口摂取され得る組成物は、少なくとも1種の甘味料及び少なくとも1種の甘味増強剤を包含する炭酸飲料であって、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(セスキテルペン、ジテルペン、トリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤は、該組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在し、該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは互いに異なる物質である。
【0075】
いくつかの態様においては、本発明の甘味料組成物は、少なくとも1種の甘味料、少なくとも1種の甘味増強剤、少なくとも1種の増量剤、及び、所望により、少なくとも1種の甘味改良剤及び/又は固化防止剤を包含し、経時プロファイル及び/又はフレーバープロファイルが向上されている食卓用甘味料組成物の形態を有する。
【0076】
たとえば、好適な「増量剤」の例としては以下のものを挙げることができるが、これらに限定されない。マルトデキストリン(10 DE、18 DE、又は5 DE)、コーンシロップ固形物(20 DE又は36 DE)、スクロース、フルクトース、グルコース、転化糖、ソルビトール、キシロース、リボース、マンノース、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、マルトース、タガトース、ラクトース、イヌリン、グリセロール、プロピレン、グリコール、ポリオール、ポリデキストロース、フルクトオリゴ糖、セルロースとセルロース誘導体、及びこれらの混合物。また、少なくとも1種の増量剤の更なる例としては、グラニュー糖(スクロース)、又は他の高いカロリー性甘味料(たとえば結晶性フルクトース、他の炭水化物及び糖アルコール)も挙げることができる。1つの態様においては、増量剤は甘味改良剤として用いてもよい。
【0077】
本願明細書においては、「固化防止剤」は少なくとも1種の甘味料分子が他の甘味料分子に対して付着、結合又は接触するのを防止、減少、阻害又は抑制するいかなる薬剤をも意味するものと理解される。「固化防止剤」は、成分の均一性及び均一溶解を補助する薬剤でもよい。いくつかの態様によると、固化防止剤の例としては以下のものを挙げることができるが、これらに限定されない。酒石英、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、微結晶性セルロース(Avicel、ペンシルべニア州、フィラデルフィアの FMC BioPolymer 社製)及びリン酸三カルシウム。少なくとも1つの態様においては、固化防止剤は、食卓用甘味料組成物中に約0.001〜約3重量%の量で存在するように用いられる。
【0078】
食卓用甘味料組成物は、多くの異なる形態で製造され包装されることができ、また、当技術分野で既知のいかなる形態を有してもよい。たとえば、食卓用甘味料組成物の形態としては、粉末、顆粒、小包、錠剤、小袋、ペレット、キューブ、固体及び液体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
本発明の別の1つの態様においては、少なくとも1種の甘味料と少なくとも1種の甘味増強剤とを組み合わせて用いることを含む、組成物の甘味を増強するための方法が提供され、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン(たとえば、セスキテルペン、ジテルペン及びトリテルペンなど)、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤は、該組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在するように用いられ、該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは互いに異なる物質である。
【0080】
本願明細書の広い開示範囲を提示する数値範囲やパラメーターは、特にことわりのない限り近似値であるが、具体的実施例に記載した数値は可能な限り正確な値を報告するものである。しかし、いかなる数値にも、その測定方法に伴う標準的な偏差に必然的に起因する一定の誤差が内在している。
【実施例】
【0081】
実例として、本発明の特定の態様の具体的実施例を以下に示すが、これらは本発明を限定するものではない。
【0082】
実施例1
マルチ−シップ アンド スワロー味覚試験法(Multi-Sip and Swallow Taste Method)(少量のサンプルを口に含んで飲み込む操作を複数回行なう味覚試験法)
まず、約20mlの対照組成物の少量のサンプル(約2.2ml)を口に含み、飲み込んだ。そして15〜25秒待った後に、再度、少量の対照組成物を口に含んで飲み込んでから、対照組成物の甘味及び/又は味を書きとめた。さらに、15〜25秒待った後に、上記と同様の2段階の工程を、比較組成物についても行なった。対照組成物と比較組成物との間の甘味と味の違いを書きとめた。試験する各組成物ついて、このサイクルを1回繰り返し、最初の試験結果を確認した。全てのサンプルの試験を23.0℃±1℃で行なうことにより、比較を行う条件をそろえて、組成物の知覚される味と甘味への影響を最小限にした。
【0083】
味覚試験のガイドライン
味覚試験を行なうに際して、3種類の甘味料サンプルの各々を各添加剤と組みにして、上記のように試験した。3種類の甘味料サンプルと1つの添加剤との組み合わせを試験した後、3分間の休憩を置いてから、3種類の甘味料サンプルと次の添加剤との組み合わせの試験を行なった。疲労要因を最小限にするため、1日に試験する添加剤の種類は10種類までとした。味覚試験の直前の少なくとも1.5時間は、一切の食品、飲料及びニコチンの摂取を控えた。試験結果の有効性を確認するために、試験を後日繰り返して行なった。
【0084】
21種類の評価対象についての甘味を感ずる閾値の測定は、1人の評価者により、室温の水溶液において、本願明細書に記載する「マルチ−シップ アンド スワロー 味覚試験法(Multi-Sip and Swallow Taste Method)」により行なった。得られた甘味を感ずる閾値を表1に示す。
【0085】
【表1】

【0086】
上記21種類の評価対象の各々を、表1に記載の甘味を感ずる閾値となる濃度で、グルコース(GLU)、フルクトース(FRU)及びスクロース(SUG)の各々のSE(Sucrose Equivalent)(スクロース当量)が6%となる量(6%SE)と組み合わせて用いた。組成物の甘味を、上記方法により室温で測定した。結果のまとめを表2に示す。
【0087】
【表2】

【0088】
表2の注:
T: 濃度がわずかに増したかのような甘味(甘味強度の違いはない)
N: 違い無し
N(S+): 甘味強度の違いは無いが、わずかに甘味が増した(0.5〜0.75%の増加に相当)
+S: 甘味強度が増した(SE値で約1.0%の増加に相当)
++S: 甘味強度が大きく増した(SE値で約2.0%の増加に相当)
【0089】
表2から分かるように、50ppm濃度のルブソシドが、濃度6%のスクロースの甘味をSE値で約2.0%増強することが示された。100ppm濃度のREB Cと25ppm濃度の13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルは、いずれも、組成物の甘味がSE値で約6%のもの(対照スクロース)をSE値で約7%にまで増強した。甘味の増強効果は、グルコースとフルクトースに対するよりも、スクロースに対する方が大きいことが分かった。
【0090】
実施例2
ステビオールグリコシドの甘味を感ずる閾値の評価
準備工程として、20mgのステビオールグリコシドを20mlの純水に溶解して、ステビオールグリコシドの1000ppm濃度の溶液を調製した。得られた溶液の部分サンプル(10ml)を水で20mlに希釈して、500ppm濃度の溶液を得た。更に1:1段階希釈を用いて、250ppm濃度の溶液、125ppm濃度の溶液、62.5ppm濃度の溶液、31.2ppm濃度の溶液、及び15.6ppm濃度の溶液を得た。そして、これらの得られた溶液を濃度の昇順に用いて、経験のある1人の評価者が、本願明細書に記載のシップ アンド スピット味覚試験法により味を調べた。評価者が甘味を感ずる閾値の評価の基準としては、甘味を明確に感ずる最低濃度を用いた。
【0091】
その後、20mgのルブソシドを200mlの純水に溶解して、ルブソシドの200ppm濃度の溶液を調製した。得られた溶液の部分サンプル(50ml)を水で100mlに希釈して、100ppm濃度の溶液を得た。更に1:1段階希釈を用いて、50ppm濃度の溶液と25ppm濃度の溶液を得た。これらの得られた溶液を濃度の昇順に用いて、経験のある5人の評価者が、本願明細書に記載のシップ アンド スピット味覚試験法により味を調べた。
【0092】
全ての被験者がルブソシドの50ppm濃度の溶液を無味であると評価した。
【0093】
ルブソシドと6%スクロースを用いる甘味増強試験
参照用サンプルとしては、6%(w/v)、7%(w/v)、8%(w/v)、9%(w/v)及び10%(w/v)のスクロース溶液を調製した。試験サンプルは、50mgのルブソシドを1リットルの6%スクロースに溶解して調製した。試験サンプルを、スクロース濃度が6〜10%の範囲にある種々の濃度の5つのスクロース対照サンプルと混合した。これら6個のサンプルの各々について甘味強度の等級付けを行ない、その際、6%〜10%のスクロース溶液に対応する6〜10のスケールで等級付けした。
【0094】
各評価者について、甘味強度の等級は6〜10の範囲であった。参照用サンプルである6%スクロースの甘味強度の等級の平均値は6.1であり、一方、ルブソシドと6%スクロースを含む試験サンプルは、甘味強度の等級の平均値が7.9であり、ルブソシドが甘味強度の知覚を増強することが示された。
【0095】
実施例3
粗ルブソシドの精製
Waterstone Tech 社から入手した粗ルブソシド(63.7%)の約30gをメタノール(MeOH)と水の60:40の混合溶液の約100mlに溶解した。Phenomenex 社から入手した Reversed-Phase 材料(Sepra C18、50μm、65A)の300gをメタノール(MeOH)と水の60:40の混合溶液の1000mlに懸濁した懸濁液を、カラムに充填した。上記メタノール(MeOH)と水の60:40の混合溶液1000mlを充填カラムから取り除いた後、上記懸濁した30gのルブソシドをメタノール(MeOH)と水の60:40の混合溶液100mlに溶解させて、ルブソシドをカラム上に載せた。そして、メタノール(MeOH)と水の70:30の混合溶液の2000mlでカラムを溶出し、40個の画分を採取した(各画分の容量は約50ml)。画分6〜19はルブソシドの存在を示した。画分6〜19を合わせて減圧下に蒸発器で濃縮して、6.6gの乾燥粉末を得た。この乾燥粉末から3gを分取し、丸底フラスコに入れて、15mlのメタノール(MeOH)を加えた。得られた混合物を撹拌下に1時間還流させてから、30分をかけて室温まで冷却した。混合物をさらに30分かけて撹拌してから、固形分をフィルターで濾過し、5mlの有機溶媒で洗浄し、減圧下に約50℃で48時間乾燥させた後、HPLC分析に付した。HPLC分析の結果、精製により得られたルブソシドの純度は94.6%であることが示された。
【0096】
実施例4
レモンライム風味の炭酸飲料(4℃)におけるステビオールグリコシドの甘味を感ずる閾値の評価
準備工程として、種々の濃度のステビオールグリコシドを4℃のレモンライム風味の炭酸飲料に溶解して溶液を調製した。より具体的には、計算した量比の成分を混合して、ステビオールグリコシドの濃度が450ppm、350ppm、250ppm及び150ppmの溶液を調製した。これらの得られた溶液について、経験のある6人の評価者が、本願明細書に記載のシップ アンド スピット味覚試験法により味を調べた。ルブソシドの甘味を感ずる閾値の平均は150ppmであった。レモンライム風味の炭酸飲料におけるルブソシドの甘味増強試験に関しては、甘味を感ずる閾値から10%を引いた値、すなわち135ppm(150−10%=135)を用いることにした。
【0097】
レモンライム風味の炭酸飲料(4℃)においてルブソシドを用いる甘味増強試験
試験用の以下の3製品を調製した: 10.52%の高フルクトースデンプンシロップ(High Fructose Starch Syrup)(HFSS)を含む対照飲料、8%HFSSと135ppmのルブソシドを含むレモンライム飲料試作品、及び8%HFSSを含む標準的レモンライム飲料。試験に用いた3種の製品を表3に示す。
【0098】
【表3】

【0099】
研究デザインの一部として、完全ブロックデザイン(Complete Block Design)(CBD)を用いて、完全な官能プロファイル(full sensorial profile)を決定した。全ての製品を無作為化及び均衡化した。各評価者は全ての製品を順番に評価した。各製品は各評価者により3回の評価を受けた。サンプルの試飲の間に8分間の休憩を置いた。サンプルの試飲の前に無塩クラッカー、0.75%食塩水とミネラルウォーター(mineral grade water)を用いて口内をすすぎ、感覚をリフレッシュした。各評価者に75mlの冷えた飲料(4℃±1℃)を供した。完全な官能プロファイル(full sensorial profile)の結果のまとめを表4に示す。表5には、表4において同定した種々の属性(attribute)のカテゴリーと説明を示す。
【0100】
【表4】

【0101】
表4の注:
異なる英文字のグループで評価されたサンプル同士は、95%の信頼度で、統計的に有意な違いを有する。
【0102】
【表5】

【0103】
図1に示すように、8%HFSSと135ppmのルブソシドを含むレモンライム飲料試作品は、8%HFSSを含む(ルブソシドを含まない)標準的レモンライム飲料よりも甘味が有意に増すことが分かる。このデータを内挿すると、ルブソシドの添加により、9.2%HFSSと等価の甘味、すなわち、8%HFSSを含む(ルブソシドを含まない)レモンライム飲料試作品の1.15倍の甘味が与えられることが示される。
【0104】
実施例5
選ばれた5種のステビオールグリコシドの各々を甘味を感ずる閾値となる量よりも少量ずつを合わせて用いて発揮される、REB Aに対する甘味改変効果を室温のリン酸中で評価する
準備工程として、ステビオールグリコシドを甘味を感ずる閾値となる量で用いた際のREB Aに対する甘味改変効果の良好性を基にして、5種のステビオールグリコシドを選定した。選ばれた5種のステビオールグリコシドの各々の甘味を感ずる閾値となる量よりも有意に少ない量ずつを合わせて用いて、REB Aに対する甘味改変効果をリン酸溶液中、pH2.5で評価することにした。表6に、5種のステビオールグリコシドの各々の甘味を感ずる閾値となる量を示し、また、甘味を感ずる閾値となる量の合計も示す。
【0105】
【表6】

【0106】
REB Aを単独で使用するサンプル、及び、REB Aと、5種のステビオールグリコシドの甘味を感ずる閾値となる量よりも少ない量(表7に示すように、合計62ppmという少量)との混合物を使用するサンプルを調製した。
【0107】
【表7】

【0108】
水分を補填していない0.10gのREB Aを200mlのリン酸溶液に加えて、対照としてのREB Aサンプル(濃度500ppm)を調製した。上記リン酸溶液は、約0.4mlのリン酸を1リットルの炭素処理(CT)した水にpH値が2.5になるまで加えることにより調製した。REB Aサンプル(濃度500ppm)から100mlを分取し、17ppmのREB B、10ppmのDAQ 1、33ppmのDAQ 2、1ppmのDAQ 4、及び1ppmのIMP−2をそれに加えた。得られた混合物を室温(RT)で穏やかに撹拌した。次に、資格と経験ある1人の評価者により室温のサンプルを類似のマトリクス系の対照と比較して、甘味改変の有無について評価した。
【0109】
それぞれ甘味を感ずる閾値となる量よりも少ない量で合計62ppmという少量で用いた5種のステビオールグリコシドを含むサンプルは、対照としてのREB Aサンプルよりも砂糖らしい味質を示したことから、室温のリン酸中でのREB Aの甘味の質向上が明らかに感知された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の甘味料及び少なくとも1種の甘味増強剤を包含する甘味料組成物であって、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤は、該組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在し、該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは互いに異なる物質であることを特徴とする組成物。
【請求項2】
該少なくとも1種の甘味増強剤が、該組成物中に、甘味を感ずる閾値となる量より少ない量で存在していることを特徴とする、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項3】
該少なくとも1種の甘味料が天然甘味料から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項4】
該少なくとも1種の甘味料が合成甘味料から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項5】
該少なくとも1種の甘味増強剤が、松脂ジテルペノイド、フロリジン、ネオアスチルビン、酢酸ジヒドロクエルセチン、グリシン、エリスリトール、シンナムアルデヒド、セリゲアインA、セリゲアインB、ヘマトキシリン、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、ズルコシドA、ステビオールビオシド、ルブソシド、ステビア、ステビオシド、ステビオール13 O−β−D−グリコシド、モグロシドV、羅漢果、シアメノシド、シアメノシドI、モナチン及びモナチン塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリシルリジン酸及びグリシルリジン酸塩、ソーマチンI、ソーマチンII、ソーマチンIII、ソーマチンIV、モネリン、マビンリンI、マビンリンII、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、ポリポドシドB、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、ムクロジオシドIIb、フロミソシドI、フロミソシドII、ペリアンドリンI、ペリアンドリンII、ペリアンドリンIII、ペリアンドリンVI、ペリアンドリンV、シクロカリオシドA、シクロカリオシドB、スアビオシドA、スアビオシドB、スアビオシドG、スアビオシドH、スアビオシドI、スアビオシドJ、ラブダングリコシド、バイユノシド、ガウジチャウジオシドA、モグロシドIV、イソモグロシド、ブリオズルコシド、ブリオシド、ブリオノシド、カルノシフロシドV、カルノシフロシドVI、スカンデノシドR6、11−オキソモグロシドV、アブルソシドA、アブルソシドB、アブルソシドC、アブルソシドD、アブルソシドE、ギペノシドXX、グリシルリジン、アピオグリシルリジン、アラボグリシルリジン、ペンタジン、ペリルアルデヒド、レバウジオシドF、ステビオール、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−α−L−ラムノピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−(4−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−ヒドロキシ−カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−メチル−16−オキソ−17−ノルカウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシ カウラン−18−酸、イソステビオール、モグロシドIA、モグロシドIE、モグロシドII−A、モグロシドII−E、モグロシドIII、モグロシドV、イソモグロシドV、11−オキソモグロシド、モグロール、11−オキソモグロール、11−オキソモグロシドIA、1−[13−ヒドロキシカウラ−16−エン−18−酸]β−D−グルコピラヌロン酸、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル(レバウジオシドE)、13−[(2−O−α−L−ラムノピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−オキソ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−オキソ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−(6−O−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−フルクトフラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(6−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(4−O−(2−O−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸−(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−キシロピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、並びにこれらの混合物から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項6】
該少なくとも1種の甘味増強剤がルブソシドであることを特徴とする、請求項5に記載の甘味料組成物。
【請求項7】
該少なくとも1種の甘味料がスクロース、フルクトース、グルコース、エリスリトール、高フルクトースコーンシロップ、及びこれらの混合物から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の増量剤をさらに包含し、食卓用甘味料組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の甘味改良剤又は固化防止剤をさらに包含することを特徴とする、請求項8に記載の甘味料組成物。
【請求項10】
少なくとも1種の甘味料と少なくとも1種の甘味増強剤とを組み合わせて用いることを含む、組成物の甘味を増強するための方法であって、該少なくとも1種の甘味増強剤は、テルペン、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の公知の天然甘味料、セコダンマラングリコシド、及びこれらの類似体から選ばれ、該少なくとも1種の甘味増強剤は、該組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在するように用いられ、該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは互いに異なる物質であることを特徴とする方法。
【請求項11】
甘味を付与された組成物であって、
甘味が付与され得る組成物、炭水化物甘味料又は合成甘味料、及び少なくとも1種の天然の甘味増強剤を包含し、
該少なくとも1種の天然の甘味増強剤は、ルブソシド、13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、及び13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルから選ばれ、
該少なくとも1種の甘味増強剤は、該甘味を付与された組成物中に、該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在し、
該少なくとも1種の甘味料と該少なくとも1種の甘味増強剤とは互いに異なる物質である
ことを特徴とする、甘味を付与された組成物。
【請求項12】
該炭水化物甘味料がスクロース又は高フルクトースコーンシロップであることを特徴とする、請求項11に記載の甘味を付与された組成物。
【請求項13】
該甘味が付与され得る組成物が食料及び飲料から選ばれることを特徴とする、請求項11に記載の甘味を付与された組成物。
【請求項14】
該飲料が炭酸飲料であることを特徴とする、請求項13に記載の甘味を付与された組成物。
【請求項15】
該炭酸飲料がコーラ飲料又はレモンライム飲料であることを特徴とする、請求項14に記載の甘味を付与された組成物。
【請求項16】
該飲料が風味付けされた水であることを特徴とする、請求項13に記載の甘味を付与された組成物。
【請求項17】
該風味付けされた水が機能性成分を添加されていることを特徴とする、請求項16に記載の甘味を付与された組成物。
【請求項18】
該機能性成分がビタミン、ミネラル、酸化防止剤、ハーブ製品及び薬剤製品から選ばれることを特徴とする、請求項17に記載の甘味を付与された組成物。
【請求項19】
甘味が付与され得る組成物に含まれる炭水化物甘味料又は合成高効能甘味料の甘味を増強するための方法であって、
甘味が付与され得る組成物に少なくとも1種の天然の甘味増強剤を添加することを含み、
該少なくとも1種の甘味増強剤は、ルブソシド、13−[(2−O−(3−O−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−16−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−17−ヒドロキシ−カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステル、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、及び13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]カウラ−15−エン−18−酸 β−D−グルコピラノシル エステルから選ばれ、
該甘味増強剤は、該甘味が付与され得る組成物中に、該甘味増強剤の甘味を感ずる閾値となる量又はそれより少ない量で存在するように添加され、
該甘味料と該甘味増強剤とは互いに異なる物質である
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
該炭水化物甘味料がスクロース及び高フルクトースコーンシロップから選ばれることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
該甘味が付与され得る組成物が飲料であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
該飲料が炭酸飲料であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
該炭酸飲料がコーラ飲料又はレモンライム飲料であることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該飲料が風味付けされた水であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
該風味付けされた水が機能性成分を添加されていることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該機能性成分がビタミン、ミネラル、酸化防止剤、ハーブ製品及び薬剤製品から選ばれることを特徴とする、請求項25に記載の方法.

【図1】
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【公表番号】特表2013−515492(P2013−515492A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546256(P2012−546256)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/062210
【国際公開番号】WO2011/090709
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(391026058)ザ コカ・コーラ カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
【Fターム(参考)】