説明

生体信号解析装置及び生体信号解析装置のプログラム

【課題】異物の排出を目的とした咳であるのか、気道の炎症等の刺激による咳であるのか現象まで踏み込んで診断するために必要な情報を提供することが可能な生体信号解析装置を得る。
【解決手段】咳を検出する咳検出部及び咳払いを検出する咳払い検出部の少なくとも一方と、嚥下を検出する嚥下検出部と、を有する信号処理部を備えた生体信号解析装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者から発生する咳及び咳払いを検出する生体信号解析装置及び生体信号解析装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
咳は、呼吸器系の疾患(特に、喘息、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎等)に多く見受けられる症状である。一般的に咳の診断は問診に頼っているのが現状であるが、患者は診察時に必ずしも咳をしているとは限らず、この場合には医師は患者からの主観に頼った自覚症状を聞くしかない。また、患者も日中の覚醒時には症状を記憶していても、睡眠中の咳については、咳が激しい、眠れない等のあいまいな表現に留まってしまう。そのため、客観的な評価が行えず有効な治療を行えないという問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1には、咳の評価を客観的に行うために、患者の喉部に取り付けた加速度センサから得られる信号を予め登録された咳パターンと照合することにより、咳か否かを判断し、咳に基づく信号を認識する咳検出装置が記載されている。
【特許文献1】特開平9−98964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
咳は本来、気道内異物を排除するために肺や気道から空気を強制的に排出させる防御機能である。異物としては外部から吸い込んだ物と、内部から生じた痰その他の分泌物の場合がある。
【0005】
痰が発生することによる咳症状は特に湿性の咳(湿性咳嗽ともいう)と称され、その痰を除去するために生理反射的に「咳」が生じる場合と、患者が意識的に痰を除去するために「咳払い」を生じさせる場合とがある。
【0006】
咳は重要な防御機能であるが、過剰に発生した場合には咳そのものにより気道の炎症を促進したり、睡眠不足、体力の消耗、集中力の低下、等患者の生活に悪影響を及ぼしたりする。またウイルス等の感染症を原因とする咳の場合には、咳により感染源を周囲にまき散らすという問題もある。
【0007】
そのため、発生している咳がどのような咳であるかを判断することは重要である。例えば痰の排出の容易性は痰の性質だけではなく、排出能力にも依存する。排出能力は咳反射による気道内の気流速度など患者の身体能力に依存する。
【0008】
排出能力が低下していることによって痰の排出が困難となり、それによって咳が発生していることが判明すれば、痰のきれをよくする去痰薬の投与や、排出能力を向上させるリハビリ治療を行う等、適切な治療を行うことができるようになる。
【0009】
また痰などの異物を排出するために咳が発生しているのであれば異物の排出により咳の目的は達せられるので、以降は咳の発生は終焉する場合が多い。しかし、前述のように異物ではなく、咳そのものにより気道の炎症を生じさせることにより新たな咳を誘発するような場合には、排出されるべき異物は存在しないこととなる。
【0010】
本願発明は上記問題を鑑み、異物の排出を目的とした咳であるのか、気道の炎症等の刺激による咳であるのか現象まで踏み込んで診断するために必要な情報を提供することが可能な生体信号解析装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、下記に記載する発明により達成される。
【0012】
(1)生体信号を検出する生体センサと、
前記生体センサが検出した生体信号に対して信号処理を行う信号処理部と、を備えた生体信号解析装置であって、
前記信号処理部は、咳を検出する咳検出部及び咳払いを検出する咳払い検出部の少なくとも一方と、嚥下を検出する嚥下検出部と、を有することを特徴とする生体信号解析装置。
【0013】
(2)咳検出部、咳払い検出部及び嚥下検出部は検出時刻を取得する機能を有し、検出時刻の相対関係から生体の状態を判定することを特徴とする(1)に記載の生体信号解析装置。
【0014】
(3)表示部を有し、
前記信号処理部は該表示部に、咳又は咳払いの発生と、該咳又は該咳払いに続いて発生した嚥下と、を時系列的に一覧表示させることを特徴とする(1)又は(2)に記載の生体信号解析装置。
【0015】
(4)前記信号処理部は前記咳検出部から、連続して発生する咳の回数情報を取得することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の生体信号解析装置。
【0016】
(5)前記信号処理部は、咳の前記回数情報と嚥下の発生との関係から発作性の咳であるか否かを判断し、発作性の咳であると判断した場合には、警告信号を発することを特徴とする(4)に記載の生体信号解析装置。
【0017】
(6)生体信号を検出する生体センサと、
前記生体センサが検出した生体信号に対して信号処理を行う信号処理部と、を備えた生体信号解析装置のプログラムであって、
咳を検出する咳検出工程及び咳払いを検出する咳払い検出工程の少なくとも一方と、
嚥下を検出する嚥下検出工程と、
を有することを特徴とするコンピュータに実行させる生体信号解析装置のプログラム。
【0018】
(7)前記信号解析装置は表示部を有し、
咳又は咳払いの発生と、該咳又は該咳払いに続いて発生した嚥下と、を時系列的に一覧表示させる表示工程を有することを特徴とする(6)に記載の生体信号解析装置のプログラム。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、異物の排出を目的とした咳であるのか、気道の炎症等の刺激による咳であるのか現象まで踏み込んで診断するために必要な情報を提供することが可能な生体信号解析装置を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
【0021】
図1は、生体信号解析装置の使用例を示す模式図である。同図に示す例では二つの生体信号解析装置の生体センサ10を患者の生体面Hに取り付けた状態を示している。生信号解析装置により、患者が発する咳、咳払い、嚥下音、発生音、その他の音声情報を取得するものである。取得した音声情報は後述の信号処理部20に送信する。
【0022】
図2は、実施形態に係る生体信号解析装置の概略構成を示すブロック図である。生体信号解析装置1は、生体センサ10と信号処理部20から構成され、生体センサ10は、通信媒体Lを介して信号処理部20に接続されている。この通信媒体Lは、有線であっても無線であってもよい。無線により接続すれば、有線コードを引っ張ってしまうことにより生ずる不要なノイズを与えてしまう機会を減らすことができるとともに、患者の行動の制約を少なくすることができる。
【0023】
[生体センサ]
生体センサ10は、いわゆるコンデンサマイクロホン方式の集音ユニットである。入力された音声を音声信号に変換するマイクロホン11、マイクロホン11により変換された音声信号を増幅する増幅器12、増幅器12により増幅された音声信号を平滑化する平滑回路13、平滑回路13により平滑化された音声信号を音圧データに変換するA/D変換器14、及びA/D変換器14により変換された音圧データを信号処理部20に送信するI/F15、時刻検出部(不図示)から構成されている。
【0024】
本実施形態のようにマイクロホン11を用いて音声を取得する場合には、人体や衣服とマイクロホンが接触するとノイズが発生するので、接触しないように設けることが好ましい。但し、人体から遠ざけすぎると外部のノイズ音の影響が大きくなるので、できるだけ近接して設けることが好ましい。
【0025】
またマイクロホンとしては、コンデンサマイクロホン方式ではなくピエゾマイクを使用することも可能である。また、ピエゾ素子や加速度計を用い、咽頭部等に接触させて設け音の代わりに振動を検出するようにしてもよい。
【0026】
[信号処理部]
信号処理部20は、専用の情報処理装置で構成されていてもよいし、汎用のパーソナルコンピュータで構成されていてもよい。更にパーソナルコンピュータであれば、持ち運びが容易にできる携帯情報端末(PDA)であることが好ましい。信号処理部20が咳検出部及び咳払い検出部並びに嚥下検出部として機能する。
【0027】
CPU(Central Processing Unit)22は生体信号解析装置1全体の動作を制御するものであり、ROM(Read Only Memory)23やRAM(Random Access Memory)24等に接続されている。CPU22は、ROM23に格納されている各種プログラムを読み出してRAM24に展開し、各部の動作を制御する。また、CPU22は、RAM24に展開したプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM24に格納するとともに、表示部27に表示させる。そして、RAM24に格納した処理結果を所定の保存先に保存させる。
【0028】
記憶部として機能するROM23は、プログラムやデータ等を予め記憶しており、この記録媒体は磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。
【0029】
記憶装置25は、CPU22での処理結果等をUSBメモリ、ハードディスク、DVD−R、CD−R等に保存するものである。
【0030】
入力部26は、信号処理部20に表示部における表示設定等のデータを入力する機能を有する。
【0031】
信号処理部20は、生体センサ10からの音圧データをI/F21で受信し、CPU22がI/F21で受信された音圧データをプログラムに従って処理する。
【0032】
図3は、実施形態に係る生体信号解析装置の処理を説明するフローチャートである。当該フローチャートは、信号処理部20のCPU22とROM23に記憶されているプログラムの協働によるソフトウエア処理により実行される処理である。
【0033】
まず、生体センサ10により患者(被検体)から生体信号としての音圧データを取得する(ステップS11)。
【0034】
次に信号処理部20では、ステップS11で取得した音圧データに対して波形解析を行う(ステップS12)。波形解析の方法としては、(1)音圧データからノイズを除去するフィルタ処理、(2)FFT(高速フーリエ変換)処理による周波数解析、(3)所定の周期の周期波形除去する周期波形除去処理、(4)不定期な波形を抽出する波形切り出し処理、等がある。
【0035】
ここで、音圧データの例について図4乃至図6に基づいて説明する。図4(a)は咳の波形の一例であり、図4(b)は咳払いの波形の一例である。図5は、連続して発生する咳(以下、群発性の咳ともいう)の一例である。図6は嚥下の波形の一例である。図4乃至図6に示す図の横軸は時間を表し、縦軸は音圧データを示す。
【0036】
[咳及び咳払いの検出]
「咳」とは患者が意識せずに反射による行われるものであり、その動作は肺に息を溜め喉の声帯を閉じてから胸腔内圧力を上昇させたところで、声帯を瞬時に開放して一気に息を吐き出す。この際に場合によってはもう一度声帯を閉めるという動作を続ける。一方「咳払い」とは患者が意識して行う動作であり、その動作は肺に息を溜め声帯を一旦閉めるかあるいは完全には閉めない状態から、声帯を狭めた状態で肺から息を制御しながらは吐き出すものである。
【0037】
このような違いから、図4(a)に示すように咳の波形は、図4(b)に示す咳払いの波形に比べてその外形が立ち上がりが急峻で時間に対する音圧強度分布が先頭部に偏っていることがわかる。また「咳」の周波数分布は「咳払い」のそれよりも低周波から高周波領域まで広い帯域に分布しており、音声フォルマントがあまり含まれず、特定の周波数に偏りが少なくあらゆる周波数の音が満遍なく含まれるホワイトノイズ的な分布となっている。
【0038】
図3のステップS13では、前述のような特徴量をとらえるため、音圧データ(生体信号)の時間に対する強度分布又は生体信号の周波数分布を解析することにより「咳」と「咳払い」とをそれぞれ検出する。ステップS13が咳検出工程及び咳払い検出工程に相当する。
【0039】
なお、本実施形態の説明においては咳と咳払いを供に検出する例について説明したが、これに限られず、どちらか一方のみを検出するようにしてもよい。
【0040】
[群発性の咳]
更に、咳の発生情報及び該咳の発生に続いて連続して発生する咳の回数の情報を取得するようにしてもよい。図5は、連続して発生する咳(以下、群発性の咳という)の一例であり、咳の間隔が所定の時間以内の一連の複数の咳のことである。例えば直前の咳に対して間隔が1秒以内の咳を連続する咳とし、これら複数の連続する咳を一組の群発性の咳と判断し、その中に含まれる咳の回数の情報を取得する。図5に示す例は、4回の咳が連続した一つの群発性の咳(組)の例を示している。群発性の咳の回数(組の数)は痰などの異物の発生頻度情報として有効な指標であり、回数が多い場合には痰が多く発生していることがわかる。また群発性の咳の中に含まれる咳の連続回数は、痰のきれやすさの指標あるいは、咳そのものによる気道の炎症の程度を表す指標となる。連続回数が多い場合には痰は切れにくいと判断することができる。なお、本稿においては、群発性の咳の回数(組の数)及び個々の群発性の咳に含まれる咳の連続回数の情報をあわせて「咳の回数情報」という。また痰が発生しているか否かの判断は、以下の嚥下の検出結果と組み合わせて判断を行う。
【0041】
[嚥下の検出]
図6(a)は、睡眠中の患者から得られた嚥下の音圧データ波形の一例を示す図であり、図6(b)は図6(a)に示す波線部分の拡大図である。一般的に、睡眠中に患者が行う動作のうち患者から音が発せられるのは、寝息、寝言、唾液の嚥下、歯ぎしりである。図6(a)からわかるように、唾液の嚥下はその他の動作に比べて音量が小さいという特徴がある。また、嚥下は、口腔から咽頭に送り込む過程(口腔期)、咽頭から食道へ送り込む動作(咽頭期)、食道から胃へ送り込む動作(食道期)を連続的に行う運動であり、この間呼吸、寝言、歯ぎしりなどの動作は停止されるため、嚥下音の発生前後には所定時間の間、ほぼ無音である状態が続くことになる。
【0042】
従って、図6(b)に示すように、嚥下の音圧データの最大値をAとしたとき、この音量値A以下の信号が所定時間以上連続すると嚥下であると判断することができる。また、更に精度良く検出する場合には、無音状態の最大音圧データをBとして、音圧データ値B以下の信号が所定時間以上連続して発生(第1の無音状態)し、音圧データ値B以上音圧データ値A以下の信号が所定時間以上連続した後、音圧データ値B以下の信号が所定時間以上連続して発生(第2の無音状態)すると、これを嚥下として判断すればよい。
【0043】
また、これとは別に、嚥下音の波形の特徴を予め記憶しておき、この波形と同一、あるいは近似するものを嚥下と判断することも可能である。なお、これら嚥下の最大音圧データ値A、無音状態の音圧データ値B及び嚥下音の波形の特徴などは、予め記憶装置25に記憶させておき、信号処理部20により適宜参照するようにしてもよい。更に患者が、鼻水をすする行為にともない嚥下を行う場合がある。このような場合には、音圧データの波形から、痰と鼻水を判別するようにすることが好ましい。
【0044】
図3のステップS14では、このような特徴に基づいて音圧データ(生体信号)の時間に対する強度分布又は生体信号の周波数分布、又は波形の形状を解析することにより「嚥下」を検出する。
【0045】
続いてステップS15では、ステップS13及びステップS14で検出した「咳」及び「咳払い」を発生時刻等の時間情報とともに記憶装置25に記憶させる。次のステップS16では、記憶装置25に記憶した咳と咳払いの検出結果を表示部に表示させる処理を行う。表示例について以下、図に基づいて説明する。
【0046】
図7は、表示部27における表示例である。同図に示す例では、表示部27として液晶ディスプレイを用いている。表示設定に関してはマウスあるいはキーボートの入力部26を用いることにより設定条件を変更可能としている。なお液晶ディスプレイにタッチスクリーンを重ねて配置させたタッチパネルを用い、これを入力部26及び表示部27として用いてもよい。図7(a)、図7(b)に示す表示例は、検出時刻の相対関係として所定の時刻を基準とした経過時間と所望の刻み時間で測定された咳の回数と、嚥下の回数を棒グラフ表示したものである。
【0047】
このように咳の発生した回数と咳に続いて発生した嚥下とを時系列的に一覧表示させることにより、以下のような効果がある。
【0048】
連続した咳が発生する場合、それが(1)異物としての痰が出にくいために、痰を排出するために咳が連続する場合であるか(2)咳が発生したために、気道の炎症等による刺激され、それに伴い咳が連続する場合であるかを判別するのは難しい。これを判別する一つの情報として、痰の排出の有無が有効である。つまり咳に続いて発生した嚥下現象により痰の排出の有無情報を得ることができる。
【0049】
例えば図7(a)と図7(b)の咳の頻度は同程度である。しかし、図7(a)では複数回の咳に続いて嚥下を行っているが、図7(b)では嚥下はほとんど行っていないことがわかる。このことから図7(a)では痰が発生し、咳によりその排出が効果的に行われていることが判断できる。一方、図7(b)では痰などの排出すべき異物がなく炎症により咳を誘発しているか、あるいは痰の排出がうまくできていないことが判断できる。これらの情報により、異物の排出を目的とした咳であるのか、気道の炎症等の刺激による咳であるのか現象まで踏み込んで診断するために必要な情報を提供することが可能となる。
【0050】
なお図7に示す表示例においては、咳とそれに続く嚥下を示す例について説明したがこれに限られず、信号処理部20が検出した咳払いに続く嚥下、あるいは咳と咳払いのいずれかに続く嚥下を示すようにしてもより。更に表示の形態として棒グラフ表示した例について説明したがこれに限られず、回数の情報を数字データあるいはマークの羅列で一覧表示するようにしてもよい。
【0051】
本発明で言う、検出時刻の相対関係から生体の状態を判定することとは、前述のように咳、咳払い、嚥下の発生状況を時系列的に捉えて、状態を判定することを言う。その相対的な時間は判定する状態により、適宜設定することができる。
【0052】
[発作性の咳]
前述のとおり、咳の発生は気道の炎症を生じさせることにより更なる咳を誘発させる場合がある。図8は、実施形態に係る生体信号解析装置における警告処理を説明するフローチャートである。
【0053】
図8のステップS21において、咳の検出が行われた場合(ステップS21のYes)にはそれが、所定の時間より短い間隔で続く群発性の咳か否かを判断する(ステップS22)。群発性の咳と判断し(ステップS22のYes)、その群発性の咳に含まれる咳の連続回数が所定回数(例えば20回)以上であり(ステップS23のYes)、群発性の咳の後に、続いて嚥下の生じなければ(ステップS24のYes)、警告信号を発する。警告信号としては例えば表示部27に警告表示を行ったり、不図示のブザーを動作させることにより警告音を鳴らすようにしてもよい。なお、図8に示す実施形態においては、患者から取得した生体信号に対して、リアルタイムで信号処理部20で判断を行っている。このようにすることにより咳の発作による深刻な問題が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】生体信号解析装置の使用例を示す模式図である。
【図2】実施形態に係る生体信号解析装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る生体信号解析装置の処理を説明するフローチャートである。
【図4】図4(a)は咳の波形の一例である。図4(b)は咳払いの波形の一例である。
【図5】図5は、連続して発生する咳の一例である。
【図6】図6(a)は、嚥下の波形の一例を示す図である。図6(b)は図6(a)に示す波線部分の拡大図である。
【図7】表示部27における表示例である。
【図8】実施形態に係る生体信号解析装置における警告処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 生体信号解析装置
10 生体センサ
20 信号処理部
22 CPU
23 ROM
24 RAM
25 記憶装置
27 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体信号を検出する生体センサと、
前記生体センサが検出した生体信号に対して信号処理を行う信号処理部と、を備えた生体信号解析装置であって、
前記信号処理部は、咳を検出する咳検出部及び咳払いを検出する咳払い検出部の少なくとも一方と、嚥下を検出する嚥下検出部と、を有することを特徴とする生体信号解析装置。
【請求項2】
咳検出部、咳払い検出部及び嚥下検出部は検出時刻を取得する機能を有し、検出時刻の相対関係から生体の状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の生体信号解析装置。
【請求項3】
表示部を有し、
前記信号処理部は該表示部に、咳又は咳払いの発生と、該咳又は該咳払いに続いて発生した嚥下と、を時系列的に一覧表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体信号解析装置。
【請求項4】
前記信号処理部は前記咳検出部から、連続して発生する咳の回数情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体信号解析装置。
【請求項5】
前記信号処理部は、咳の前記回数情報と嚥下の発生との関係から発作性の咳であるか否かを判断し、発作性の咳であると判断した場合には、警告信号を発することを特徴とする請求項4に記載の生体信号解析装置。
【請求項6】
生体信号を検出する生体センサと、
前記生体センサが検出した生体信号に対して信号処理を行う信号処理部と、を備えた生体信号解析装置のプログラムであって、
咳を検出する咳検出工程及び咳払いを検出する咳払い検出工程の少なくとも一方と、
嚥下を検出する嚥下検出工程と、
を有することを特徴とするコンピュータに実行させる生体信号解析装置のプログラム。
【請求項7】
前記信号解析装置は表示部を有し、
咳又は咳払いの発生と、該咳又は該咳払いに続いて発生した嚥下と、を時系列的に一覧表示させる表示工程を有することを特徴とする請求項6に記載の生体信号解析装置のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−60936(P2009−60936A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228711(P2007−228711)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】