説明

生体吸収性担体材料およびパッケージングを含有する製品

本発明は、特に組織再生用の生体吸収性担体材料を含有する製品、およびパッケージングに関し、この製品の製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に組織再生用の生体吸収性担体材料およびパッケージングを含有する製品に関し、またこの製品の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
組織再生用の生体吸収性担体材料、例えば、シリカゲルの繊維またはウェブの創傷被覆材などでは、数カ月または数年の範囲の保存期間全体にわたり、担体材料の生分解性に悪影響を及ぼすことがわかった。特に、従来のパッケージングに保存された生体吸収性担体材料は、遅い生体吸収性または不完全な生体吸収性を有することが示された。後者の場合、組織内に残存する残留物をもたらす可能性があり、したがってより長い期間全体にわたり、炎症反応を引き起こし非生理的創傷治癒をもたらす可能性がある。本発明の主題は、生体吸収性担体材料の生分解性を、適切なパッケージング材料によって長期間にわたり保証できることを、驚くべきことについに見出したことである。これは、特に組織再生用の生体吸収性担体材料、例えばシリカゲルの生体吸収性創傷被覆材などの保存に関連して、特に重要なことである。
【0003】
生体吸収性担体材料の創傷被覆材は、例えば糖尿病関連の潰瘍、床ずれ、火傷あるいは手術創の場合に存在するような、治癒しにくい創傷の治療のために提案される。この場合、治癒過程中の材料の吸収挙動は、治療を成功させるための中心的な重要性を有する。シリカゲルをベースにした創傷被覆材は、とりわけ、治癒しにくい創傷の治癒に使用されるのに、この生体吸収性およびこの生体適合性のため、非常に適する。施用のタイプおよび創傷の性質に応じて、特定の吸収挙動が必要とされ、この挙動は、製品の保存期間全体にわたり維持されなければならない。生分解性の維持に加え、保存および輸送中の創傷被覆材の機械的保護による安定性の保証は、適切なパッケージングを提供する際に留意しなければならないさらに重要な態様である。例えば輸送中に生じるような外部からの影響によって、創傷被覆材はパッケージング対して動き始める可能性があり、それが隅および縁の摩損を引き起こし、繊維の脱離または繊維の破壊をもたらすが、これらは審美的および実用的な理由で施用中は望ましくないものである。したがって、全方向における相対的な動きを最小限に抑えるよう制限する形が必要である。この場合、機械的固定をできる限り少なく保つためまたは機械的固定を回避するための材料の圧縮性−特に10cm×10cm以上の範囲にあるより大きな寸法の創傷被覆材の場合−により、例えば柔軟なシステム内の真空によって実現できるように、材料に対して表面圧力が引き起こされる。さらに、ラミネートフィルムのパウチでの単純なパッケージングの場合、外部からの機械的作用に対する不適切な保護が行われて、創傷被覆材に損傷をもたらす可能性がある。生分解性ならびに、機械的作用および組織再生用の生体吸収性担体材料の滑りに対する安定性を保証できる製品は、従来技術において記載されていない。したがって、生体吸収性担体材料の生体吸収性の損失を防ぐことができる、特に組織再生用の生体吸収性担体材料を含有する製品が求められている。同時に、この製品は、機械的作用に対して適切に生体吸収性担体材料を保護しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の目的は、既存の欠点に対処し、生分解性および機械的保護の保証に関して前述の要件を満たす、特に組織再生用の生体吸収性担体材料を含有する製品を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記目的は:
a)1)少なくとも片面に向かって開放している少なくとも1つのキャビティ(2a)を有し、このキャビティ(2a)内に配置された少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するための、機械的に安定なベース要素(1)、
2)少なくとも1種の吸着材、
3)内部に埋め込まれた生体吸収性担体材料を含有するキャビティの開口を少なくとも閉鎖する、少なくとも1種の密封箔(3)および
4)場合によって、密封箔(3)と共にベース要素(1)を完全に取り囲み閉鎖する、アルミ箔またはラミネートアルミ箔で作製されたパウチ(4)および/または
アルミ箔またはラミネートアルミ箔の金属箔を場合によってさらに含む、機械的に安定なベース要素(1)
のパッケージング、
b)パッケージングの機械的に安定なベース要素(1)の少なくとも1つのキャビティ(2a)内に置かれた生体吸収性担体材料
を含む製品を提供することによって達成される。
【0006】
本発明による製品は、驚くべきことに、生体吸収性担体材料の生分解性、外部からの機械的作用および/または動きに対する安定性および施用中の簡単な取扱いを保証することによって区別される。
【0007】
本発明の意味において、「生体吸収性」または「生分解性」という表現は、担体材料が、(例えば、創傷または軟骨または骨媒体の)組織再生で存在するような典型的な条件に曝された場合に、分解している担体材料の特性を指す。生体吸収性または生分解性の担体材料は、特にこの材料が、37℃にサーモスタット調温された0.05MトリスpH7.4緩衝溶液(Fluka 93371)中に48時間後、好ましくは36時間後、特に好ましくは24時間後に完全に溶解する場合、本発明の意味において「生体吸収性」または「生分解性」である(実施例3参照)。
【0008】
適切な生体吸収性担体材料(これらに制限するものではない。)は、例えば、シリカゲル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリラクチドco−グリコライド、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ無水物、ポリホスファゼン、ポリオルトエステル、アルギネート、コンドロイチン−6−スルフェート、キトサン、ヒアルロン酸、コラーゲン、ポリリシン、デキストラン、ヘパリンなどである。本発明による好ましい生体吸収性担体材料は、組織再生に用いることができるものである。「組織再生用の担体材料」という表現は、生体吸収性材料からなり組織再生を支援する、表面要素および/または3次元空間要素を意味すると理解される。生体吸収性材料は、例えば上皮、内皮、尿路上皮、粘膜、硬膜、結合組織など、任意の所望の組織の再生に用いることができる。したがって、例えば、創傷治癒のための生体吸収性担体材料として表面要素(創傷被覆材)を用いることが可能である。軟骨または骨再生の場合、表面要素および/または3次元空間要素が使用される。好ましい生体吸収性担体材料は、シリカゲルをベースにしたものである。シリカゲル担体材料は、シリカゲル繊維、ウェブ、モノリス、ヒドロゲルおよび/または粉末を含むことができる。好ましい生体吸収性担体材料は、シリカゲル繊維および/またはシリカゲルウェブをベースにしたものである。例えばDE 102004063599B4またはWO2008086970A1に記載されるようなシリカゲル繊維および/またはシリカゲルウェブをベースにした創傷被覆材が、特に好ましい。シリカゲルをベースにしたその他の生体吸収性担体材料は、WO200142428A1により知られているような皮膚内植込みまたは細胞組合せ、リード構造、組織または複合体グラフト、例えばEP1262542A2に記載されているようなものである。しかし本発明は、シリカゲルを特にベースにした組織再生用の生体吸収性担体材料を含有する製品のみに制限するものではない。本発明による製品は、他の適用例に関連した(組織再生用の担体材料として)シリカゲルをベースにした材料を含むこともできる。
【0009】
本発明による機械的に安定なベース要素(1)は、例えばポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリ塩化ビニル(PVC)、COC(シクロオレフィンコポリマー、例えばTopas(登録商標)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(例えばACLAR(登録商標))、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリアミドまたはその他のプラスチックなど、通常のプラスチックからなる。
【0010】
機械的に安定なベース要素は、場合によって、アルミ箔またはラミネートアルミ箔の金属箔を含有することができる。本発明のこの実施形態において、例えば、ラミネートアルミ箔を含有する深絞りアルミ皿が、ラミネートアルミ箔により微かな真空下で場合によって密封される。アルミ皿には、密封蝋および/またはポリマーベースのコーティングが内部に(即ち、生体吸収性担体材料または吸着材が受容される面に)設けられる。外側では、アルミ皿は、プラスチックブリスタにより場合によって強化することができる。本発明のこの実施形態における密封箔(3)も、好ましくはアルミ箔またはラミネートアルミ箔である。
【0011】
ベース要素の機械的安定性は、曲げ剛性および座屈に対する安定性が非常に高いためにシールドオンされた箔を引き出した際にベース要素の形状が可能な限り最大限に保持される場合、保証されるものであり、したがって使用者は、生体吸収性担体材料、特に創傷被覆材を安全に除去することができ、例えば熟練した取扱いの場合には落下がなくなる。剛性は、例えば、材料強度を選択することによって、および深絞り中にベース要素(1)をプロファイリングすることによっても、保証することができる。ベース要素は、少なくとも1つのキャビティが形成される表面である。本発明の好ましい実施形態において、機械的に安定なベース要素(1)は、吸着材を受容するための第2のキャビティ(2b)を含む。第2のキャビティの存在下、密封箔(3)は、両方のキャビティ(2aおよび2b)の開口を閉鎖することが好ましい。
【0012】
キャビティから見た場合のベース要素の表面は、好ましくは平面である。キャビティの開口は、好ましくはベース要素の同じ面にある。平面ベース要素は、任意の所望の幾何形状をとることができる。好ましくは、ベース要素は4角形である。ベース要素は、滅菌障壁の機能を果たすこともできる。本発明の好ましい実施形態において、ベース要素の少なくとも2つのキャビティが、1列に、平行に、円形状に、螺旋状にまたは何列かに配置され、例えば円、長方形、6角形などの任意の所望の幾何形状をとることができる。好ましくは、生体吸収性担体材料を受容するためのキャビティは4角形であり、ここでは特に創傷被覆材が4角形である。好ましい実施形態において、創傷被覆材を受容するためのキャビティ(2a)は、創傷被覆材の除去を容易にするがキャビティ(2b)内の創傷被覆材の機械的固定に影響を及ぼさない、別のリセス部(11)を含有する。本発明のこの実施形態におけるリセス部(11)は、キャビティ壁(10)の断面形状のみをとるように設計される。
【0013】
吸着材を受容するためのキャビティ(2b)は、開放した状態または閉鎖された状態であることができる。後者の場合、ベース要素は、それ自体が、内部に吸着材材料が含有されている閉鎖空間を形成するように、製造中に成形される。キャビティ(2a)とキャビティ(2b)との間には、ベース要素によって形成されたブリッジ(9)が存在する。またブリッジは、いくつかの場合には、例えばキャビティ(2a)および(2b)を閉鎖した際の密封箔(3)がブリッジ(9)に接触しないように単に設計することもできる。
【0014】
驚くべきことに、本発明によるパッケージングに少なくとも1種の吸着材を付加することにより、担体材料の生分解性を長期間にわたって保証できることが見出された。シリカゲルをベースにした担体材料の場合、少なくとも1種の吸着材は、水および/またはエタノール用の吸着材である。
【0015】
好ましくは、水用およびエタノール用の1種または複数の吸着材が用いられる。水および/またはエタノール用の吸着材は、文献より公知である。水用の適切な吸着材は、例えば、2−5nmの範囲の孔径を有するシリカゲルおよび/またはゼオライトである(Hinkle,L.D.、「Effect of purge pressure on desorbing water removal rate」Journal of Vacuum Science and Technology A:Vacuum, Surfaces and Films 2004、22(4)、1799−1803/Gorbach,A.;Stegmaier,M.;Eigenberger,G.,「Measurement and Modeling of Water Vapor Adsorption on Zeolite 4A−Equilibria and Kinetic.」Adsorption 2004、10(1)、29−46/Grubner,O.ら、「Molekularsiebe」[Molecular sieve]、Berlin、Deutscher Verlag der Wissenschaften 1968)。シリカゲル、ゼオライト3Aおよびゼオライト4Aは、例として挙げることができる。
【0016】
エタノール用の適切な吸着材は、例えば、Silicalite−1、F−SilicaliteおよびZSM−5である(Cekova Blagicaら、「Zeolites as alcohol adsorbents from aqueous solutions」、Acta periodica technologica、iss.37、83−87頁、2006)。
【0017】
本発明によるパッケージング内の吸着材としてシリカゲルを用いることにより、シリカゲルをベースにした担体材料の生分解性を、数週間の保存期間実現することができる(実施例3参照)。シリカゲルは、水およびエタノール用の吸着材としてここでは適している。エタノールおよび水は、とりわけそれらの分子サイズが異なる。エタノールに特に適した吸着材は、したがってエタノールの分子サイズに適合された孔径を有し、それに対して水に特に適した吸着材は、水の分子サイズに適合された直径を有する。
【0018】
驚くべきことに、本発明によるパッケージングに対し、一方が水に特に適しており他方がエタノールに特に適している2種の異なる吸着材を付加することによって、数カ月にわたる生分解性が保証される製品が得られることが示されている(実施例3参照)。
【0019】
したがって、好ましくは、本発明による製品は少なくとも2種の吸着材を含み、これら吸着材の少なくとも1種は水用の吸着材であり(例えば、ゼオライト3Aまたはゼオライト4Aなど)、これら吸着材の少なくとも1種はエタノール用の吸着材である(例えば、Silicalite−1)。
【0020】
ここでの1種または複数の吸着材は、ベース要素の内部(即ち、例えば、ベース要素内の吸着材用にまたは別の位置に設けられたキャビティ内)および/または外側(即ち、パウチ内であるが吸着材用に設けられたキャビティ内ではない。)に組み込むことができる。好ましくは、(1種の/複数の)吸着材は、ベース要素の吸着材用に設けられたキャビティ内に組み込まれる。取扱いは、吸着材がパウチ外に落下できないので、この吸着材を用いることによって単純化される。しかし、1種または複数の吸着材は、その他の実施形態において、例えばキャビティ(2a)内のモノリスとしても付加することができ、透過性フィルムによって覆われる。次いで生体吸収性担体材料(例えば、創傷被覆材)が、このフィルムに付加される。あるいは、1種または複数の吸着材は、小さいパウチ内に導入することもでき、密封されるラミネートアルミ箔、即ち密封箔(3)の下でこの形で密封することができる。
【0021】
シリカゲルをベースにした生体吸収性担体材料と吸着材材料との間の定量比は、好ましくは2:1から1:20の間であり、特に好ましくは1:2から1:10の間である。
【0022】
本発明によれば、内部に埋め込まれた吸収性担体材料を含有するベース要素のキャビティの開口は少なくとも、密封箔(3)によって(箔をベース要素にヒートシールすることによって)閉鎖される。密封箔は、粒子の透過を防止し、例えば、パウチ(4)を開けるときに早くも生体吸収性担体材料を落下させることなくパウチ(4)の存在下で前記材料の除去を可能にする。密封箔は、金属箔および/またはポリマーフィルムである。しかし密封箔は、それ自体が、アルミ箔またはラミネートアルミ箔のパウチであることもできる。この場合、密封箔は例えば、ベース要素、吸着材および生体吸収性担体材料が密封箔によって完全に取り囲まれるように(パウチとして)、ベース要素の開口を閉鎖することができる。この実施形態において、密封箔は、例えばヒートシールによってベース要素に結合される必要はなく、例えば微かな真空下で、それ自体で閉じる(即ち、密封される)ことができる。密封箔(3)は、ベース要素と同じ材料から作製することができる。例えばアルミ箔またはラミネートアルミ箔は、金属箔として使用される。例えばTyvek(DuPont)をベースにしたフィルムは、ポリマーフィルムとして使用することができる。本発明のアルミ箔またはラミネートアルミ箔のアルミニウム層は、好ましくは少なくとも10μmの、特に好ましくは少なくとも16μmの層厚を有する。アルミ箔またはラミネートアルミ箔は、本発明の好ましい実施形態において、いくつかの層からなる。例えば、箔は3層状態であり、外側から内側に向かってPET、アルミニウムおよびPEからなる。本発明のさらに好ましい実施形態において、アルミ箔またはラミネートアルミ箔(4)の追加のパウチは、密封箔(3)および吸着材および生体吸収性担体材料がベース要素のキャビティ内に置かれた状態でベース要素(1)を完全に取り囲み、この要素を閉鎖している(例えば、それ自体でヒートシールすることによって)。本発明の特に好ましい実施形態において、パウチは、少なくとも2つの異なる層からなり、内層(即ち、ベース要素および密封箔と接触する層)とアルミ箔との間の結合がヒートラミネーションによって行われている。接着剤の使用は、ここでは省くことができる。あるいは、その調製においてイソシアネートが用いられない糊または接着剤が好ましい。微量の例えばメチレンジイソシアネート(MDI)またはトルエンジイソシアネート(TDI)は、シリカゲル繊維の2次成分と併せて望ましくない変色を引き起こす可能性がある。記載されている設計のラミネートフィルムは、市場において、例えばAmcorから得ることができる。パウチは、密封箔と共にベース要素がパウチ内に置かれるように、閉じられる。好ましい実施形態において、フィルムパウチまたはこの一部は、使用者が容易に開けることができるように剥離可能であり、またはジッパを備えている(図3bにおいて(8)により示される。)。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】キャビティを備えたベース要素の実施例を下から見た図である。
【図2】キャビティを備えたベース要素の実施例を平面図で表した図である。
【図3a】キャビティを備えたベース要素の実施例を側面から見た図である。
【図3b】キャビティ、密封箔(3)および場合によって存在するパウチ(4)を備えたベース要素の実施例を側面から見た図である。
【図4a】いくつかのキャビティ(2aおよび2b)を備えたベース要素の実施例を示す図である。
【図4b】いくつかのキャビティ(2aおよび2b)を備えたベース要素を平面図で表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好ましい実施形態は、機械的に安定なベース要素(1)のキャビティ(2a)がキャビティ(2a)内に配置された少なくとも1種の創傷被覆材を除去するために備えられており、3次元の1つにおけるキャビティ内の創傷被覆材の滑りが本質的に不可能になるような高さ、幅および長さで設計されているパッケージングを含む製品に関する。ここでの基本原理とは、キャビティの縁と創傷被覆材との間の狭い隙間幅の結果、外部からの機械的作用(例えば、振動)の場合には創傷被覆材とブリスタとの間の相対速度が厳密に制限され、したがってブリスタに対する創傷被覆材の衝撃の場合には伝達されるエネルギーが非常に低いので、応力が繰り返される場合であっても製品の損傷は生じないことである。したがって、創傷被覆材の機械的保護の場合、創傷被覆材を受容するためのベース要素のキャビティの寸法は、創傷被覆材の寸法に厳密に一致している。約1mm未満、特に非常に好ましくは約0.5mm未満である、創傷被覆材からキャビティ壁(10)のそれぞれの場合における1つまでの側縁距離が、特に好ましい。これにより、特に隅における摩損をもたらす可能性がある横方向の滑りが防止される。創傷被覆材を受容するためのキャビティの高さ(床板(5)からまたは1つのブリッジ(7)から、密封箔まで)は、約5mm未満、特に好ましくは約2mm未満だけ創傷被覆材の厚さを超える。これは、創傷被覆材が、3次元全て(高さ、幅、長さ)においてキャビティ内で機械的に固定されることを意味する。創傷被覆材は、好ましくは下記の寸法:2.5×2.5cmから20×20cmを有する。したがって下記の事項は例示であり−10×10cmの創傷被覆材では、創傷被覆材を受容するためのキャビティが下記の方法で成形され:キャビティの長さおよび幅は、好ましくはそれぞれの場合に約10.01−10.1cmであり;高さは、創傷被覆材の厚さに、さらに好ましくは0.3mmから5mmを加えた値に対応する。
【0025】
創傷被覆材の摩損の危険性は、円または角張った形のパーツが得られるようにウェブファブリックから創傷被覆材を打ち抜くことによって、さらに低減させることができる。例えば4角形や6角形などの角張った形のパーツの場合、打抜きツールは、創傷被覆材の隅に丸みがつくように構成される。
【0026】
さらに好ましい実施形態において、パッケージングを含む本発明による製品は、機械的に安定なベース要素(1)のキャビティ(2a)が、キャビティ(2a)内に配置された少なくとも1種の創傷被覆材を除去するために、湿潤流体を受容するためのチャネル(6)および除去中に湿潤流体を排出するためのブリッジ(7)を備えた床板(5)を有するように成形される。チャネルおよびブリッジを備えた床板の設計の結果、疎水性の創傷被覆材を、除去前に(等張性)塩溶液または緩衝溶液で湿潤させることができる(例えば、ピンセットを用いて)。これを用いることにより、単純化された(複雑さのない)、皮膚に対する創傷被覆材の直接的施用が可能になり、創傷組織および創傷滲出液とのより迅速で広範な交換が保証される。ブリッジ間の距離、即ちチャネル幅は、この湿潤は湿潤流体によって行われ、この流体は簡単に排出することができるように少なくとも大きくされる。この場合のチャネル幅は、湿潤した創傷被覆材を取り扱おうとしてブリッジ間に垂れることがないように小さくなるよう選択される。ブリッジの幅は、創傷被覆材の適切な支持が保証されるように、好ましくは選択される。ブリッジまたはチャネルの数および寸法の選択における別の態様は、それぞれの材料の深絞り性と審美的な観点である。
【0027】
さらに好ましい実施形態は、機械的に安定なベース要素(1)のキャビティ(2b)が、ベース要素の少なくとも片面上で吸着材を受容するために開放されており、密封箔が、キャビティが形成されている少なくとも片面に向かって開放された状態のベース要素の少なくとも2つのキャビティ(2aおよび2b)の開口を閉鎖しており、密封箔が、キャビティ(2a)内に配置された少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するためにだけに使用者によって剥離可能であるパッケージングを含む、本発明による製品に関する。ベース要素のキャビティ(2b)内に吸着材を組み込んだ場合、湿潤流体との接触は回避されるべきである。このため、この(第2の)キャビティ(2b)は、密封箔で閉鎖されるべきであり、また組織再生用の生体吸収性担体材料を含有するキャビティ(2a)を開放するときに開放された状態であるべきではない。
【0028】
したがって、本発明によるさらに好ましい実施形態において、リセス部が、生体吸収性担体材料を備えたキャビティ(2a)を閉鎖する密封箔と、吸着材を備えたキャビティ(2b)を閉鎖する密封箔との間のブリッジ(9)上に位置付けられている。あるいは、ブリッジ(9)に密封された密封箔を打ち抜くことにより、画定された切取り縁を作製することができる。このように吸着材を受容するベース要素のキャビティは、密封箔を開放するときに閉鎖されたままである。
【0029】
本発明の代替の実施形態において、吸着材材料は、ベース要素によって完全に取り囲まれるようにベース要素のキャビティ内に組み込まれ、もはや密封箔によって閉鎖される必要はない。本発明のこの実施形態における吸着材を受容するためのキャビティは、ベース要素それ自体により形成された閉鎖空隙を形成する。
【0030】
本発明はさらに、
a)少なくとも片面に向かって開放している少なくとも1つのキャビティ(2a)を備えた機械的に安定なベース要素(1)を備えたパッケージングにおいて、少なくとも1種の生体吸収性担体材料が、キャビティ(2a)内の少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するためにキャビティ(2a)内に挿入されており、
b)内部に埋め込まれた生体吸収性担体材料を含有する、密封箔(3)少なくともキャビティが、密封箔(3)とベース要素(1)の一部との間でキャビティを完全に取り囲んでいるヒートシール結合が得られるように、または密封箔(3)自体の部分間でヒートシール結合が得られるように閉鎖されており、したがってベース要素および生体吸収性担体材料は、閉鎖後に密封箔(3)に置かれており、
c)場合によって、機械的に安定なベース要素が、キャビティが密封箔(3)により閉鎖された状態で、密封箔(3)と共にベース要素(1)を完全に取り囲むアルミ箔またはラミネートアルミ箔のパウチ(4)によって密封され、および/または
機械的に安定なベース要素(1)が、アルミ箔またはラミネートアルミ箔の金属箔を場合によってさらに備えており、
d)少なくとも1種の吸着材が、担体材料としてシリカゲルの場合、好ましくは水用の吸着材およびエタノール用の吸着材が、ステップb)またはc)での密封前にパッケージングに付加される、
本発明による製品の製造方法にも関する。
【0031】
機械的に安定なベース要素(1)の場合に第2のキャビティ(2b)が存在する場合、密封箔(3)は、両方のキャビティを閉鎖することが好ましい。次いで少なくとも1種の吸着材がキャビティ(2b)内に挿入された後、密封箔(3)でヒートシールする。あるいは、少なくとも1種の吸着材を小さなパウチ内に導入し、この形をとる密封箔(3)の下で密封することもできる。この実施形態において、生体吸収性担体材料および少なくとも1種の吸着材に十分なスペースが利用可能である限り、ただ1つのキャビティ(2a)を存在させることができる。またこの実施形態において、少なくとも1種の吸着材を、ヒートシールする前にキャビティ内にさらに導入しなければならない。あるいは、吸着材は、パウチを密封する前に、アルミ箔またはラミネートアルミ箔のパウチ(4)に付加することができる。本発明の別の実施形態において、ベース要素のキャビティに無水不活性ガス(例えば、窒素など)をフラッシュした後、密封箔(3)で密封する。
【0032】
キャビティ(2b)が、ベース要素の少なくとも片面上で吸着材を受容するため開放された状態であり、密封箔(3)が、キャビティが形成されている少なくとも片面に向かって開放しているベース要素の少なくとも2つのキャビティ(2aおよび2b)の開口を閉鎖し、密封箔が、キャビティ(2a)に配置された少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するためにのみ使用者によって剥離可能であるように、パッケージングが設計される場合、製造中に、例えば、キャビティ(2a)用および(2b)用の2種の個別の密封箔を、ヒートシールすることができる。他の実施形態において、ただ1種の密封箔(3)を適用することもでき、この箔は後にブリッジ(9)上で打ち抜かれ、したがって画定された切取り縁が得られるものである。
【0033】
機械的に安定なベース要素として、本発明によれば、製作済みのブリスタ((1つまたは複数の)キャビティを備えたベース要素)が用いられ、またはブリスタが深絞り機上のプラスチックフィルムから深絞りされる。この後、生体吸収性担体材料、好ましくは創傷被覆材および吸着材が、ベース要素のために設けられたこのベース要素のキャビティ内に挿入される。この後、密封箔を施し、この箔をヒートシールによってブリスタに結合する。閉じたブリスタは、製作済みのアルミ箔パウチまたはラミネートアルミ箔パウチに好ましくは導入され、最後の継ぎ目が密封機を用いてヒートシールされる。あるいは、パウチは、アルミ箔またはラミネートアルミ箔から4方密封機で製造することができる。その他のパッケージング、例えば折畳み式の箱へのパッケージング、ラベリング、パッケージインサートの付加などは、公知の従来技術と同様に実施される。
【0034】
本発明は、本出願に記載されている生体吸収性担体材料のパッケージングおよび保存のための、本出願に記載されているパッケージングの使用にも関する。
【0035】
本発明は、以下の図および実施例を使用して、これらの図および実施例に限定することなくより詳細に例示される。
凡例:
(1):ベース要素
(2a):キャビティ(2a)に配置された少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するためのキャビティ(2a)
(2b):吸着材を受容するためのキャビティ(2b)
(3):密封箔
(4):パウチ
(5):キャビティ(2a)の床板
(6):湿潤流体を受容するための1つまたは複数のチャネル
(7):湿潤流体を排出するためのブリッジ
(8):パウチ(4)を開けるのを容易にするジッパまたは要素
(9):キャビティ(2a)とキャビティ(2b)との間のブリッジ
(10):1つまたは複数のキャビティ壁
(11):キャビティ(2a)から製品を簡単に除去するためのリセス部
【実施例】
【0036】
実施例1
生体吸収性担体材料(生体吸収性創傷被覆材)の製造に関する説明
以下に記載される実施例で使用される生体吸収性創傷被覆材の合成(加水分解/縮合、反応性蒸着および熟成)を、WO2008086970A1に詳述されているように実施した。必須の方法パラメータを以下にまとめる:
加水分解/縮合:−21撹拌容器内
−モル比単位
−約19時間の反応時間
−150rpmでの撹拌
−2時間の断熱処置、この後37℃での等温処置
反応蒸着: −21撹拌容器内
−方法:制御空気の曇りを用いた蒸着
−63℃での等温処置
−約5時間20分の反応時間
−60rpmでの撹拌
−終了時の粘度(4℃;10s−1):0.95Pas
熟成: −500ml熟成ビーカー内
−熟成温度4℃
−熟成期間(重合):21日間
−80℃で中間保存後、スピニングを行う:
−スピニング中、ゾルを約−12℃に温度調節
−スピニングタレット供給空気:温度25℃、露点0℃
−19ノズルホールプレートの使用
−約40分間の、アイソレータボックス内での全てのウェブの調整
−ウェブの切断(5cm×5cm)ウェブは本出願で論じられた生体吸収性創傷被覆材に対応
【0037】
実施例2
生体吸収性創傷被覆材のパッケージング
創傷被覆材を、本発明によるブリスタ内に置いた。1種または複数の吸着材を、ブリスタ内で吸着材のために設けられたリセス部に、同様に置いた(2つの吸着材パックを使用する場合、第2の吸着材パックは第1の吸着材パック上に軽く置いた。)。このように充填されたブリスタを、製作済みのラミネートアルミ箔パウチ内に引き続きパックし、微かな真空中で密封した。真空であるので、パウチはブリスタを事実上閉鎖し、したがって創傷被覆材は落下することができなかった。上述のパッケージングの場合、下記の変形例がさらに実施された:
−吸着材のない、実施例1により調製された生体吸収性創傷被覆材のパッケージング
−シリカゲル2.0gの1パックを備えた、実施例1により調製された生体吸収性創傷被覆材のパッケージング
−ゼオライト4A 2.0gの1パックを備えた、実施例1により調製された生体吸収性創傷被覆材のパッケージング
−ゼオライト13X 2.0gの1パックを備えた、実施例1により調製された生体吸収性創傷被覆材のパッケージング
−Silicalite−1 2.0gの1パックを備えた、実施例1により調製された生体吸収性創傷被覆材のパッケージング
−Silicalite−1 2.0gおよびゼオライト4A 2.0gの1パックを備えた、実施例1により調製された生体吸収性創傷被覆材のパッケージング
吸着材材料は、例えばMultisorbから得ることができる。
【0038】
実施例3
生体吸収性創傷被覆材の分解挙動
この試験では、実施例2によるパッケージング内に22日間保存された生体吸収性創傷被覆材の切片(約20−30mg)を計量し、金属スクリーンインサートに加えた。次いでこの切片を、0.05MトリスpH7.4緩衝溶液(Fluka 93371)500mlが37℃にサーモスタット調温された状態で入っている容器に加える。材料の交換を改善するために、打ち抜いたバスケットを50rpmの速度で回転させる。全測定期間中、緩衝溶液を37℃に温度調節する。容器の内容物の、ある一定のしかし微かな混合をここで行う。分解過程を、液相のSi分析を用いてモニタする。ここではサンプル(溶液約1ml)を、24時間経過中に、ある時間間隔で採取し、Si含量に関してICP−OESにより分析する。この結果の値(単位:μg/ml)を、1.070倍してmg絶対値(60.09/28.09×500/1000)に変換する。mg絶対値を単位とした測定値を、測定時点に対してグラフ上にプロットする。直線回帰を、増加の直線範囲のみを用いて実施する。勾配は、mg/時を単位とした分解に対応する。初期重量を考慮すると、相対的な分解は、%/時を単位として計算される([mg/時]/[mg]×100=[%/時])。回収率[%])に関しては、mg絶対値に理論上のSi含量(0.38)を乗じる。表1は、実施例2の様々なパッケージングに関する分解試験の結果を示す。
【0039】
【表1】

【0040】
吸着材のないパッケージング内に保存された生体吸収性創傷被覆材は、シリカゲル、ゼオライト4AまたはSilicalite−1+ゼオライト4Aを含有するパッケージング内に保存された被覆材よりも、かなり著しくゆっくりと分解する。遅い吸収性または不完全な吸収性は、残留物が組織に残存する状況をインビボでもたらす可能性があり、この状況は、より長い期間にわたり、望ましくない炎症反応を引き起こす可能性がありまたは非生理的創傷治癒をもたらす可能性がある。
【0041】
3日、11日および25日後の実施例2のパッケージングにおける水およびエタノールの気相濃度を決定した。吸着材のないパッケージングの場合、水の濃度は、1種または複数の吸着材を備えたパッケージングの場合よりも1.8倍(3日後、Silicalite−1)から6倍(11日後、シリカゲル)の間高かった。
【0042】
吸着材のないパッケージングの場合、エタノールの濃度は、25日後にSilicalite−1+ゼオライト4Aを備えたパッケージングの場合よりも1000倍超さらに高かった。したがって吸着材は、パッケージングの気相内の水および/またはエタノールの濃度の低下をもたらす。
【0043】
実施例2のパッケージングから得た担体材料の水の含量を、パッケージングに25日間保存した後にNIR分光法(5250cm−1での吸収帯の分析)を用いて測定した。
【0044】
吸着材としてSilicalite−1を含有するパッケージング内に保存された担体材料の水の含量は、平均して4.5重量%であり、吸着材としてシリカゲルを含有するパッケージング内に保存された担体材料の水の含量は、平均して3.2重量%であり、吸着材としてSilicalite−1+ゼオライト4Aを含有するパッケージング内に保存された担体材料の水の含量は、平均して1.1重量%であった。
【0045】
パッケージング内に1日、8日、および22日間保存した後の、実施例2の担体材料のエトキシ含量を測定した。
【0046】
エトキシ含量の低下は、吸着材としてSilicalite−1+ゼオライト4Aと共に保存された担体材料を除く、全ての担体材料の場合においてある期間にわたって見られた。最後に述べた担体材料の場合、25日後ですら測定精度内で経時的変化は観察されなかった。水吸着材(ゼオライト4A)およびエタノール吸着材(Silicalite−1)を含有するパッケージング内に保存された担体材料は、何カ月後も依然として生分解性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1)少なくとも片面に向かって開放している少なくとも1つのキャビティ(2a)を有し、キャビティ(2a)内に配置された少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するための、機械的に安定なベース要素(1)、
2)少なくとも1種の吸着材、
3)内部に埋め込まれた生体吸収性担体材料を含有するキャビティの開口を少なくとも閉鎖する、少なくとも1種の密封箔(3)
4)および場合によって、密封箔(3)と共にベース要素(1)を完全に取り囲み閉鎖する、アルミ箔またはラミネートアルミ箔で作製されたパウチ(4)および/または
アルミ箔またはラミネートアルミ箔の金属箔を場合によってさらに含む、機械的に安定なベース要素(1)
のパッケージング、
b)パッケージングの機械的に安定なベース要素(1)の1つのキャビティ(2a)内に少なくとも置かれた生体吸収性担体材料
を含む製品。
【請求項2】
パッケージングの機械的に安定なベース要素(1)が、少なくとも1種の吸着材を受容するための第2のキャビティ(2b)を含むことを特徴とする、パッケージングおよびパッケージング内に置かれた生体吸収性担体材料を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
少なくとも1種の密封箔(3)が、内部に埋め込まれた少なくとも1種の吸着材を含有するキャビティ(2b)の開口も閉鎖することを特徴とする、パッケージングおよびパッケージング内に置かれた生体吸収性担体材料を含む、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
生体吸収性担体材料が、組織再生に適しており、シリカゲル繊維および/またはシリカゲルウェブからなる群から好ましく選択されることを特徴とする、パッケージングおよびパッケージング内に置かれた生体吸収性担体材料を含む、請求項1から3の一項に記載の製品。
【請求項5】
水用の少なくとも1種の吸着材および/またはエタノール用の少なくとも1種の吸着材がパッケージング内に存在することを特徴とする、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
組織再生用の生体吸収性担体材料が創傷被覆材であることを特徴とする、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
キャビティ(2a)内に配置された少なくとも1種の創傷被覆材を除去するためのキャビティ(2a)が、3次元の1つにおけるキャビティ内の創傷被覆材の滑りが本質的に不可能になるような高さ、幅および長さで設計されることを特徴とする、請求項6に記載の製品。
【請求項8】
パッケージングの機械的に安定なベース要素のキャビティ(2a)が、キャビティ(2a)内に配置された少なくとも1種の創傷被覆材を除去するために、床板(5)、湿潤流体を受容するための少なくとも1つのチャネル(6)および湿潤流体を排出するための少なくとも1つのブリッジ(7)を有することを特徴とする、パッケージングおよびパッケージング内に置かれた創傷被覆材を含む、請求項6および/または請求項7に記載の製品。
【請求項9】
パッケージングのアルミ箔またはラミネートアルミ箔のパウチ(4)の層厚が少なくとも16μmであることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の製品。
【請求項10】
吸着材を受容するためのキャビティ(2b)が、ベース要素の少なくとも片面上で開放されており、密封箔が、キャビティが形成されている少なくとも片面に向かって開放された状態のベース要素の少なくとも2つのキャビティ(2aおよび2b)の開口を閉鎖しており、密封箔が、キャビティ(2a)内に配置された少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するためだけに使用者によって剥離可能であることを特徴とする、請求項2から9の一項に記載の製品。
【請求項11】
吸着材を受容するためのキャビティ(2b)が、ベース要素(1)自体により形成された閉鎖空隙を形成することを特徴とする、請求項2から10の一項に記載の製品。
【請求項12】
a)少なくとも片面に向かって開放している少なくとも1つのキャビティ(2a)を備えた機械的に安定なベース要素(1)を含有するパッケージングにおいて、少なくとも1種の生体吸収性担体材料が、キャビティ(2a)内の少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するためにキャビティ(2a)内に挿入されており、
b)内部に埋め込まれた生体吸収性担体材料を含有する少なくともキャビティの密封箔(3)が、密封箔(3)とベース要素(1)の一部との間でキャビティを完全に取り囲んでいるヒートシール結合が得られるように、または密封箔(3)自体の部分間でヒートシール結合が得られるように閉鎖されており、したがってベース要素および生体吸収性担体材料は、閉鎖後に密封箔(3)に置かれており、
c)場合によって、機械的に安定なベース要素が、キャビティが密封箔(3)により閉鎖された状態で、密封箔(3)と共にベース要素(1)を完全に取り囲むアルミ箔またはラミネートアルミ箔のパウチ(4)によって密封され、および/または
機械的に安定なベース要素(1)が、アルミ箔またはラミネートアルミ箔の金属箔を場合によってさらに備えており、
d)吸着材が、ステップb)またはc)での密封前にパッケージングに付加される、
請求項1から11の一項に記載の製品の製造方法。
【請求項13】
生体吸収性担体材料のパッケージングおよび保存のための、
a)少なくとも片面に向かって開放している少なくとも1つのキャビティ(2a)を備え、キャビティ(2a)内の少なくとも1種の生体吸収性担体材料を除去するための、機械的に安定なベース要素(1)、
b)少なくとも1種の吸着材、
c)内部に埋め込まれた生体吸収性担体材料を含有するキャビティの少なくとも開口を閉鎖する、少なくとも1種の密封箔(3)、
d)場合によって、密封箔(3)と共にベース要素(1)を完全に取り囲み閉鎖するアルミ箔またはラミネートアルミ箔のパウチ(4)
および/または
アルミ箔またはラミネートアルミ箔の金属箔を場合によってさらに含む、機械的に安定なベース要素(1)
からなるパッケージングの使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate


【公表番号】特表2012−528763(P2012−528763A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512244(P2012−512244)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003146
【国際公開番号】WO2010/139407
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(507051259)バイエル・イノベーシヨン・ゲー・エム・ベー・ハー (5)
【Fターム(参考)】