説明

生体情報モニタ装置、警報表示方法および警報表示プログラム

【課題】医療スタッフにとって判りやすく警報を表示すること。
【解決手段】ベッドサイドモニタ装置本体101は、生体情報(例えば心拍数)の計測値データと、その生体情報に関する警報データとを取得する。ベッドサイドモニタ表示部103は、取得された計測値データを計測値データ表示ブロック(例えば心拍数表示ウィンドウ131)に表示すると同時に、取得された警報データを計測値データ表示ウィンドウから離間した警報データ表示ウィンドウ151に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報モニタ装置、警報表示方法および警報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ベッドサイドモニタなどの生体情報モニタ装置は、患者から計測された心拍数や血圧、呼吸数などの生体情報の計測値および波形を画面に一括表示することができる(例えば特許文献1参照)。医療スタッフ(例えば医師や看護師)は、表示された情報を見ることで、患者の容体を把握することができる。また、生体情報モニタ装置は、それぞれの生体情報についての計測値を、対応する所定の閾値と比較し、その結果に応じた警報を表示したり警報を鳴らしたりすることができる。これにより、医療スタッフの注意を喚起することができるため、医療スタッフは、例えば患者の容体変化や生体情報計測エラーなどに対して迅速に対処することができる。
【0003】
ここで、警報表示方法の一例について図5を用いて概説する。画面10には、心拍数(HR)、第1観血血圧(BP1)、第2観血血圧(BP2)、酸素飽和度(SpO)、非観血血圧(NIBP)および呼吸数(RR)が、一括表示されている。例えば心拍数の計測値が異常(異常上昇または異常低下)を呈した場合は、心拍数表示ウィンドウ11内の文字・マークや背景が点滅し、例えば酸素飽和度の計測値が異常(異常低下)を呈した場合は、酸素飽和度表示ウィンドウ12内の文字・マークや背景が点滅する。
【特許文献1】特開2004−194996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の生体情報モニタ装置においては、様々な生体情報を同時にモニタリングできるため、警報が発せられたとき、医療スタッフにとっては、どの生体情報に異常が生じたのかが瞬時には判りにくい。一般に、画面内での各生体情報の表示位置(図5に関して言えば、縦に並べて表示される生体情報表示ウィンドウの順序)は、自在に変更可能であるため、事態の把握に要する時間は医療スタッフの熟練度に依存する。これは、複数の警報が同時に発せられた場合には特に顕著となる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、医療スタッフにとって判りやすく警報を表示することができる生体情報モニタ装置、警報表示方法および警報表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の生体情報モニタ装置は、生体情報の計測値データと、前記生体情報に関する警報データとを取得する取得手段と、取得された前記計測値データを第1の領域に表示すると同時に、取得された前記警報データを前記第1の領域から離間した第2の領域に表示する表示手段とを有する構成を採る。
【0007】
本発明の警報表示方法は、生体情報モニタ装置における警報表示方法であって、生体情報の計測値データと、前記生体情報に関する警報データとを取得する取得ステップと、取得された前記計測値データを第1の領域に表示すると同時に、取得された前記警報データを前記第1の領域から離間した第2の領域に表示する表示ステップとを有するようにした。
【0008】
本発明の警報表示プログラムは、生体情報の計測値データと、前記生体情報に関する警報データとを取得する取得ステップと、取得された前記計測値データを第1の領域に表示すると同時に、取得された前記警報データを前記第1の領域から離間した第2の領域に表示する表示ステップとを生体情報モニタ装置に設けられたコンピュータに実行させるようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、医療スタッフにとって判りやすく警報を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る生体情報モニタシステムの構成を示す図である。
【0012】
図1の生体情報モニタシステムは、病室、手術室または集中治療室において患者のそばに置かれたベッドサイドモニタ装置100と、患者から離れた場所(例えばナースステーションなど)に置かれたセントラルモニタ装置120とからなる。ベッドサイドモニタ装置100は、ベッドサイドモニタ装置本体101、マルチポートモジュール102、ベッドサイドモニタ表示部103、テレメータ送信機104、心電ケーブル105、第1観血血圧ケーブル106、第2観血血圧ケーブル107、体温プローブ108、酸素飽和度(SpO)センサ109およびカフ110を有する。セントラルモニタ装置120は、セントラルモニタ装置本体121、テレメータ受信機122およびセントラルモニタ表示部123を有する。なお、一般に、生体情報モニタシステムは、1台のセントラルモニタ装置120に対して複数台のベッドサイドモニタ装置100を接続することができるが、本実施の形態では説明を簡単にするために1台のベッドサイドモニタ装置100のみ開示する。
【0013】
ベッドサイドモニタ装置本体101は、信号処理回路(CPU)およびメモリを有し、メモリには、後で詳しく説明する警報表示方法をCPUに実現させるためのプログラムが予め記憶されている。また、ベッドサイドモニタ装置本体101は、後述するタッチパネルからの入力によりベッドサイドモニタ表示部103から通知された設定事項をメモリに記憶する。これにより、記憶された設定事項に応じた警報表示方法がCPUにより実現される。
【0014】
ベッドサイドモニタ装置本体101には、マルチポートモジュール102、ベッドサイドモニタ表示部103およびテレメータ送信機104がそれぞれケーブルを介して接続されている。ベッドサイドモニタ装置本体101は、マルチポートモジュール102から取得された生体情報データを受信して、これをベッドサイドモニタ表示部103およびテレメータ送信機104に出力する。また、ベッドサイドモニタ装置本体101は、転送された生体情報データのうちの計測値データを予め設定された閾値を比較すると共に、転送された生体情報データのうちの波形データを分析して、それらの結果に応じた警報データを生成して、これを生体情報と一緒にベッドサイドモニタ表示部103およびテレメータ送信機104に出力する。また、上記比較の結果や上記分析の結果は、メモリに読み出し可能に記憶される。なお、上記比較結果や上記分析結果が何らかの異常を呈した場合に備えて、様々な異常に対する対処法についての情報なども、メモリに予め記憶されていることが好ましい。
【0015】
テレメータ送信機104は、ベッドサイドモニタ装置本体101から入力された生体情報データおよび警報データをセントラルモニタ装置120に無線送信する。無線送信された生体情報データおよび警報データは、テレメータ受信機122を介してセントラルモニタ装置本体121により受信され、セントラルモニタ表示部123に表示される。なお、警報データは、セントラルモニタ表示部123に内蔵されたスピーカから音声として出力されてもよい。
【0016】
表示手段としてのベッドサイドモニタ表示部103は、ベッドサイドモニタ装置本体101から入力された生体情報データおよび警報データを画面に表示する。なお、警報データは、ベッドサイドモニタ表示部103に内蔵されたスピーカから音声として出力されてもよい。
【0017】
また、ベッドサイドモニタ表示部103は、ユーザインタフェースとしてタッチパネル機能を有し、医療スタッフが画面に触れると画面上の接触位置に対応付けられた設定事項がベッドサイドモニタ装置本体101に通知される。
【0018】
マルチポートモジュール102には、心電ケーブル105、第1観血血圧ケーブル106、第2観血血圧ケーブル107、体温プローブ108、酸素飽和度センサ109およびカフ110が接続されている。心電ケーブル105は、心電図のセンサと呼吸のセンサとの双方を兼ねており、患者体表上の複数箇所に装着された電極により、生体から出力される電気信号を検出して、これを表す検出信号を得る。第1観血血圧ケーブル106は、患者の特定部位の動脈または静脈に挿入されたトランスデューサにより、第1観血血圧値を検出して、これを表す検出信号を得る。第2観血血圧ケーブル107は、患者の、第1観血血圧ケーブル106とは別の部位の動脈または静脈に挿入されたトランスデューサにより、第2観血血圧値を検出して、これを表す検出信号を得る。体温プローブ108は、患者体表上の特定部位に装着され、体温値を検出して、これを表す検出信号を得る。酸素飽和度センサ109は、患者体表上の特定部位に装着され、光吸収率値を検出して、これを表す検出信号を得る。カフ110は、患者体表上の特定部位に装着され、装着部位の非観血血圧値を検出して、これを表す検出信号を得る。なお、以下の説明では、心電ケーブル105、第1観血血圧ケーブル106、第2観血血圧ケーブル107、体温プローブ108、酸素飽和度センサ109およびカフ110のうち、1または2以上のものに言及するとき、「生体情報センサ」という。
【0019】
マルチポートモジュール102は、各生体情報センサにより検出された値を表すアナログ信号に対して、増幅やA/D変換(アナログディジタル変換)などを含む信号処理を行うことにより、各種の生体情報を表すディジタルデータ(生体情報データ)を生成する。具体的には、心電ケーブル105の検出信号からは、心電図データ(心電波形データを含む)、心拍数データ(心拍数計測値データを含む)および呼吸数データ(呼吸波形データおよび呼吸数計測値データを含む)が得られ、第1観血血圧ケーブル106の検出信号からは、第1観血血圧データ(第1観血血圧波形データおよび第1観血血圧計測値データを含む)が得られ、第2観血血圧ケーブル107の検出信号からは、第2観血血圧データ(第2観血血圧波形データおよび第2観血血圧計測値データを含む)が得られ、体温プローブ108の検出信号からは、体温データ(体温波形データおよび体温計測値データを含む)が得られ、酸素飽和度センサ109の検出信号からは、酸素飽和度データ(酸素飽和度波形データおよび酸素飽和度計測値データを含む)が得られ、カフ110の検出信号からは、非観血血圧データ(非観血血圧計測値データを含む)が得られる。マルチポートモジュール102は、これらの生体情報データをベッドサイドモニタ装置本体101に転送する。
【0020】
次いで、上記構成を有する生体情報モニタシステムにおいて実行される警報表示方法について図2〜図4を参照しながら説明する。
【0021】
まず図2を参照して、警報インジケータの表示形式について説明する。
【0022】
ベッドサイドモニタ表示部103の液晶表示画面(以下、単に「画面」という)128は、計測値データ表示部130と、波形データ表示部140と、警報データ表示部150とに分けられている。これらの表示部は、互いに画面128上で互いに重複することなく離間配置されている。
【0023】
計測値データ表示部130は、各生体情報の計測値を表示する部分であり、この部分には、画面128の上から順に、心拍数(HR)計測値データを表示する領域である心拍数表示ウィンドウ131、第1観血血圧(BP1)計測値データを表示する領域である第1観血血圧表示ウィンドウ132、第2観血血圧(BP2)計測値データを表示する領域である第2観血血圧表示ウィンドウ133、酸素飽和度(SpO)計測値データを表示する領域である酸素飽和度表示ウィンドウ134、非観血血圧(NIBP)計測値データを表示する領域である非観血血圧表示ウィンドウ135、および呼吸数(RR)計測値データを表示する領域である呼吸数表示ウィンドウ136が、表示されている。なお、表示される計測値データ表示ウィンドウ、その表示順およびその表示色は、医療スタッフの設定操作により適宜変更可能である。
【0024】
波形データ表示部140は、各生体情報の波形を表示する部分であり、この部分には、画面128の上から順に、心電波形データ141、第1観血血圧波形データ142、第2観血血圧波形データ143、酸素飽和度波形データ144および呼吸波形データ145が、表示されている。なお、表示される波形、その表示順およびその表示色は、医療スタッフの設定操作により適宜変更可能である。
【0025】
警報データ表示部150は、各生体情報に関する警報データを表示する部分であり、この部分には、警報データを表示する領域である警報データ表示ウィンドウ151が表示され、その中には、画面128の左から順に、心拍数警報インジケータ152、不整脈警報インジケータ153、血圧警報インジケータ154および呼吸警報インジケータ155が、表示されている。なお、表示される警報インジケータ、その表示順およびその表示色は、予め決められており、医療スタッフの設定操作により変更することはできない。
【0026】
ここで、ベッドサイドモニタ装置本体101が、心電図データを分析した結果、何らかの不整脈を認めたとする。この場合、不整脈警報データを生成してベッドサイドモニタ表示部103に出力する。その結果、不整脈警報インジケータ153が、例えば白色の一重丸印として表示されている他の警報インジケータに比べて目立つように、例えば赤色で塗りつぶされた丸印として表示される。
【0027】
このように、生体情報に関する警報データを、その生体情報の計測値を表示する領域(つまり計測値データ表示ウィンドウ)から離間した領域(つまり警報データ表示ウィンドウ)に表示することにより、医療スタッフにとって判りやすく警報を表示することができる。
【0028】
また、上記の例のように不整脈警報データが表示された場合に、医療スタッフが、画面128の、警報データ表示ウィンドウ151の部分もしくは不整脈警報インジケータ153の部分またはその周辺部分に触れると、これに応答してベッドサイドモニタ装置本体101が、分析結果により認められた不整脈の詳細情報や、それに対する対処法などをメモリから読み出してベッドサイドモニタ表示部103に出力し、ベッドサイドモニタ表示部103は、画面128に新たなウィンドウを表示し、このウィンドウの中に、上記詳細情報や対処法情報を画面128に表示することが好ましい。これにより、医療スタッフの習熟度とは無関係に、如何なる医療スタッフであっても即座に緊急事態に対処することができる。
【0029】
続いて図3を参照して、警報インジケータの表示態様変更の一例について説明する。
【0030】
ベッドサイドモニタ装置本体101が、心電図データを分析した結果、何らかの比較的重篤な不整脈を認めたとする。この場合、緊急度が高いことを示す不整脈警報データを生成してベッドサイドモニタ表示部103に出力する。また、これと同時に、ベッドサイドモニタ装置本体101が、心拍数計測値データを閾値と比較した結果、呼吸数が平常時よりも若干高めであることを認めたとする。この場合、緊急度が低いことを示す心拍数警報データを生成してベッドサイドモニタ表示部103に出力する。
【0031】
この結果、不整脈警報インジケータ153は、緊急度が高いことを示す赤色で塗りつぶされた丸印として表示され、これと同時に、心拍数警報インジケータ152は、緊急度が低いことを示すシアンで塗りつぶされた丸印として表示される。さらに、これと同時に、従来の警報表示方法と同様に、心拍数表示ウィンドウ131の内部の文字・マークおよび背景が点滅する。なお、さらにこれと同時に、心電波形データ141が他の波形データに比べて目立つように、波形データの表示態様を変更してもよい。
【0032】
このように、警報インジケータの表示態様を緊急度の高さに応じて変更することにより、複数種類の生体情報が異常を呈した場合でも、医療スタッフは、何を優先的に対処すべきかを把握することができ、より確実に患者に対して適切な処理を施すことができる。また、表示態様の変更手法として表示色の変更を採用することにより、医療スタッフは、優先的に対処すべきことを即座に把握することができる。
【0033】
なお、上記の例において、緊急度が高いと判断される不整脈としては、様々なものが挙げられるが、少なくともASYSTOLE(心停止)やVF(心室細動)、VT(心室粗動)などが含まれる。
【0034】
また、どのような異常を呈した場合に緊急度を高いと判断し、どのような異常を呈した場合に緊急度を低いと判断するかについては、医療スタッフが、その判断指標(例えば閾値)を生体情報毎に個別に設定することができる。また、上記の例では、警報インジケータの表示色を赤色・シアンで区別することにより緊急度の高さを2段階で表現しているが、他の方法を用いることもできる。例えば、緊急度が高い場合には赤色を、緊急度が中間程度である場合には黄色を、緊急度が低い場合にはシアンを、警報インジケータの表示色とすることができる。
【0035】
また、上記の例では、生体情報の種類毎に緊急度の高さを判断することで警報インジケータの表示態様の変更を行う場合について説明したが、生体情報の種類間の相対的な緊急度の高さを判断することで警報インジケータの表示態様の変更を行ってもよい。例えば、酸素飽和度と心拍数とに関して、計測値データに異常が認められた場合は、ベッドサイドモニタ装置本体101は、これらの生体情報間の相対的な緊急度の高さを判断し、例えば相対的に緊急度の高い生体情報である酸素飽和度に対して、緊急度が高いことを示す警報データを生成し、相対的に緊急度の低い生体情報である心拍数に対して、緊急度が低いことを示す警報データを生成する。この結果、ベッドサイドモニタ表示部103は、酸素飽和度警報インジケータ(図示せず)を赤色で塗りつぶされた丸印として表示し、心拍数警報インジケータ152をシアンで塗りつぶされた丸印として表示する。
【0036】
ちなみに、例えば酸素飽和度のように、異常を呈した場合は大抵緊急対応を要する生体情報に関しては、異常が生じたときに緊急度の高さの判断を行わずに必ず赤色で警報インジケータを表示する一方、例えば体温のように、場合によっては緊急対応を必要としない生体情報に関しては、異常が生じたときに緊急度の高さの判断を行ったうえで判断結果に応じた色で警報インジケータを表示するようにしてもよい。
【0037】
続いて図4を参照して、警報インジケータの表示態様変更の他の例について説明する。
【0038】
ベッドサイドモニタ装置本体101が、医療スタッフの設定により、心電図データ、心拍数データ、第1観血血圧データ、第2観血血圧データ、酸素飽和度データおよび非観血血圧データを受信し、呼吸数データの表示を選択していないとする。この場合、ベッドサイドモニタ装置本体101は、心電図データ、心拍数データ、第1観血血圧データ、第2観血血圧データ、酸素飽和度データおよび非観血血圧データを表示するが、呼吸数データ、つまり、呼吸波形データおよび呼吸数計測値データは、表示されない。そして、対応する生体情報データが取得中である警報インジケータ(つまり、心拍数警報インジケータ152、不整脈警報インジケータ153および血圧警報インジケータ154)は、実線の丸印として表示される一方、対応する生体情報データが取得中でない呼吸警報インジケータ155は、破線の丸印として表示される。ただし、表示される警報インジケータおよびその表示順は、対応する生体情報データが取得中か否かとは無関係に、常に一定である。これにより、警報インジケータの表示を一層判りやすくすることができる。
【0039】
なお、対応する生体情報データの表示が選択中であるか否かに応じて警報インジケータの表示態様を変更する手法は、適宜変更可能である。例えば、警報データ表示ウィンドウを、心拍数警報インジケータ152に割り当てられた領域156、不整脈警報インジケータ153に割り当てられた領域157、血圧警報インジケータ154に割り当てられた領域158および呼吸警報インジケータ155に割り当てられた領域159に分け、これらの領域内に表示されている文字やインジケータの明度を変更することにより警報インジケータの表示態様を変更してもよい。例えば上記の例のように、呼吸数データが取得中でない場合は、呼吸警報インジケータ155およびその横に表示されている文字「呼吸」を、他の領域内の文字やインジケータに比べて、暗い色で表示したり、他の領域の背景色に近い色で表示したりしてもよい。この場合も、警報インジケータの表示を一層判りやすくすることができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成および動作についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【0041】
例えば、本実施の形態でモニタされる生体情報は適宜変更可能であり、各生体情報の検出方式も適宜変更可能である。さらに、ベッドサイドモニタ装置本体101は、マルチポートモジュール102、ベッドサイドモニタ表示部103およびテレメータ送信機104の一部または全部とケーブルを介して接続する代わりに一体化されていてもよい。
【0042】
また、本実施の形態では、警報データは、ベッドサイドモニタ表示部103の液晶表示画面128内に表示されるが、ベッドサイドモニタ表示部103の筐体の一部に、複数色で発光可能なLED(Light Emitting Diode)を設けることでも、本実施の形態と同様の作用効果を実現することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、正常に計測された生体情報が異常を呈した場合を前提として、警報表示方法を説明したが、他の場合にもこの警報表示方法を利用することができる。
【0044】
例えば、生体情報センサの離脱などにより生体情報が正常に計測されなくなった場合(つまり生体情報計測エラーの場合)にも、その旨を通知するために本実施の形態の警報表示方法を利用することができる。この場合、生体情報計測エラーを通知するための警報インジケータが上記の警報インジケータと同様に設けられることが好ましい。
【0045】
また、本実施の形態のベッドサイドモニタ装置100が、病院内の他のシステム、例えば電子カルテシステムと通信して、患者への投薬関連情報をベッドサイドモニタ装置本体101に取り込むことが可能な場合は、不適切な投薬(例えば、薬剤の種類の誤り、投薬量の誤り、投薬忘れなど)が行われた場合にも、その旨を通知するために本実施の形態の警報表示方法を利用することができる。この場合、投薬エラーを通知するための警報インジケータが上記の警報インジケータと同様に設けられることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態に係る生体情報モニタシステムの構成を示す図
【図2】本発明の一実施の形態に係る警報インジケータの表示形式の一例を示す図
【図3】本発明の一実施の形態に係る警報インジケータの表示態様変更の一例を示す図
【図4】本発明の一実施の形態に係る警報インジケータの表示態様変更の他の例を示す図
【図5】従来の生体情報表示画面の一例を示す図
【符号の説明】
【0047】
100 ベッドサイドモニタ装置
103 ベッドサイドモニタ表示部
130 計測値データ表示部
131 心拍数表示ウィンドウ
132 第1観血血圧表示ウィンドウ
133 第2観血血圧表示ウィンドウ
134 酸素飽和度表示ウィンドウ
135 非観血血圧表示ウィンドウ
136 呼吸数表示ウィンドウ
140 波形データ表示部
150 警報データ表示部
151 警報データ表示ウィンドウ
152 心拍数警報インジケータ
153 不整脈警報インジケータ
154 血圧警報インジケータ
155 呼吸警報インジケータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報の計測値データと、前記生体情報に関する警報データとを取得する取得手段と、
取得された前記計測値データを第1の領域に表示すると同時に、取得された前記警報データを前記第1の領域から離間した第2の領域に表示する表示手段と
を有することを特徴とする生体情報モニタ装置。
【請求項2】
前記第1の領域の位置は変更可能であり、前記第2の領域の位置は変更不可能である
ことを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記生体情報の波形データをさらに取得し、
前記表示手段は、取得された前記波形データを第3の領域に表示すると同時に、取得された前記警報データを前記第3の領域から離間した前記第2の領域に表示する
ことを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ装置。
【請求項4】
前記警報データは、緊急度の高さを示し、
前記表示手段は、取得された前記警報データに示された緊急度の高さに応じて、前記警報データの表示態様を変更する
ことを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記警報データの表示色を変更することにより、前記警報データの表示態様を変更する
ことを特徴とする請求項4記載の生体情報モニタ装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記第2の領域において、所定の複数の生体情報の各々に個別表示領域を割り当て、前記所定の複数の生体情報の各々について、計測値データが取得中であるか否かに応じて、前記個別表示領域の表示態様を変更する
ことを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ装置。
【請求項7】
生体情報モニタ装置における警報表示方法であって、
生体情報の計測値データと、前記生体情報に関する警報データとを取得する取得ステップと、
取得された前記計測値データを第1の領域に表示すると同時に、取得された前記警報データを前記第1の領域から離間した第2の領域に表示する表示ステップと
を有することを特徴とする警報表示方法。
【請求項8】
生体情報の計測値データと、前記生体情報に関する警報データとを取得する取得ステップと、
取得された前記計測値データを第1の領域に表示すると同時に、取得された前記警報データを前記第1の領域から離間した第2の領域に表示する表示ステップと
を生体情報モニタ装置に設けられたコンピュータに実行させる警報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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