説明

生体情報取得装置、及び移動体通信端末

【課題】 装置の薄型化を図りつつ、高精度な生体認証を実現すること。
【解決手段】 生体部位100に対する光照射に基づいて生体部位100の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、生体部位100に照射されるべき光を出射する光源と、複数の画素が2次元状に配置された撮像素子1と、撮像素子1上に配置されると共に、光源寄りの位置にある第1領域R80における光透過率が第1領域R80と比較して光源からより離れた位置にある第2領域R90の光透過率よりも低い調光部材70と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報取得装置、及び移動体通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体認証に関する技術開発の進展が著しい。なお、生体認証とは、検査対象の個体から取得した生体情報が、あらかじめ設定された生体情報に等しいかどうかという判定に基づいて、ある個体を他の個体から識別する技術である。例えば、ヒトの瞳の虹彩に基づいて個体を特定する方法、ヒトの指等の静脈パターンに基づいて個体を特定する方法、及び指の指紋パターンに基づいて個体を特定する方法が挙げられる。なかでも、ヒトの指等の静脈パターンを利用したものは、パターンデータの偽装が困難であり、高いセキュリティーを確保することができる。
【0003】
特許文献1には、生体認証に用いられる撮像装置が開示されている。この撮像装置では、光源(100)、支持台(300)、画像認証部(200)を積層させることで、撮像装置の小型化を図っている。
【特許文献1】特開2001−119008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生体認証に用いられる生体情報取得装置を薄型化するためには、撮像素子近傍に光源を配置する必要が生じる。この場合、光源からの出射光の一部は、撮像素子の画素に直接入力するおそれがある。また、光源からの出射光の一部は、生体部位の表面における反射によって直接的に撮像素子の画素に入力するおそれもある。そして、撮像素子の画素が部分的に飽和することを招来してしまう。飽和した画素の出力は生体認証に活用することができない。従って、認証に活用できない画素数に応じて、生体認証の精度が劣化してしまう。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、装置の薄型化を図りつつ、高精度な生体認証を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る生体情報取得装置は、生体部位に対する光照射に基づいて前記生体部位の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、前記生体部位に照射されるべき光を出射する光源と、複数の画素が1次元又は2次元状に配置された撮像素子と、前記撮像素子上に配置されると共に、前記光源寄りの位置にある第1領域における光透過率が当該第1領域と比較して前記光源からより離れた位置にある第2領域の光透過率よりも低い調光部材と、を備える。
【0007】
所定の光透過率分布を有する調光部材を撮像素子の主面上に配置する。これによって、光源寄りの画素が光源からの出射光によって飽和することが抑制される。このように撮像素子の有効画素領域を拡大させることで、生体情報取得装置の薄型化を図りつつ、より高精度な認証を実現することができる。
【0008】
前記調光部材は、板状の減光フィルタである、と良い。所定の光透過率分布を有する減光フィルタを撮像素子上に配置するだけで調光部材を実現できる。
【0009】
前記調光部材は、液晶層と、所定の電圧に設定される複数の単位電極を上部電極又は下部電極として前記液晶層を挟持する一対の電極層と、を備える、と良い。液晶技術を活用して高性能な調光部材を実現できる。
【0010】
前記第1領域及び前記第2領域は、複数の前記単位電極のいずれかの形成範囲に対応する、と良い。
【0011】
前記第1領域に対応する前記単位電極に対する印加電圧値は、前記第2領域に対応する前記単位電極に対する印加電圧値とは異なる、と良い。
【0012】
所定の波長帯域の光を選択的に透過させるフィルタ部材を更に備え、前記調光部材は、前記フィルタ部材に貼りあわされる、と良い。調光部材の追加に伴って製造が煩雑になることが抑制される。
【0013】
本発明に係る生体情報取得装置は、生体部位に対する光照射に基づいて前記生体部位の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、前記生体部位に照射されるべき光を出射する半導体光素子と、光入射面及び前記光出射面を有し、前記半導体光素子の出射光を前記光入射面から前記光出射面に案内するライトガイドと、複数の画素が2次元状に配置された撮像素子と、前記撮像素子上に配置されると共に、前記光源寄りの位置にある第1領域における光透過率が当該第1領域と比較して前記光源からより離れた位置にある第2領域の光透過率よりも低い調光部材と、を備える。
【0014】
少なくとも前記ライトガイドが載置される遮光部材と、を更に備える、と良い。遮光部材によってノイズ成分の光が画素に入力されることが抑制される。
【0015】
前記遮光板の一端は、前記ライトガイドの前記光出射面よりも突出している、と良い。画素へのノイズ成分の入射を効果的に抑制できる。
【0016】
本発明に係る生体情報取得装置は、生体部位に対する光照射に基づいて前記生体部位の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、前記生体部位に照射されるべき光を出射する光源と、前記生体部位からの透過光又は反射光が入力する表面領域と、前記表面領域を介して入力する光を受光する複数の画素が配置された撮像素子と、少なくとも前記表面領域の一部に配置され、前記撮像素子の前記画素への入射光量を低下させる調光部材と、を備える。
【0017】
本発明に係る生体情報取得装置は、生体部位に対する光照射に基づいて前記生体部位の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、前記生体部位に照射されるべき光を出射する光源と、複数の画素が配置された主面を有する撮像素子と、前記撮像素子上に配置され、複数の前記画素への入力光を前記主面上の面内の少なくとも一部で減光する調光部材と、を備える。
【0018】
前記撮像素子は、複数の前記画素が配置された第1及び第2領域を有し、前記調光部材は、少なくとも、前記第2領域よりも前記光源寄りに位置する前記第1領域上に配置される、と良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、装置の薄型化を図りつつ、高精度な生体認証を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、各実施の形態は、説明の便宜上、簡略化されている。図面は簡略的なものであるから、図面の記載を根拠として本発明の技術的範囲を狭く解釈してはならない。図面は、もっぱら技術的事項の説明のためのものであり、図面に示された要素の正確な大きさ等は反映していない。同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。上下左右といった方向を示す言葉は、図面を正面視した場合を前提として用いるものとする。
【0021】
〔第1の実施の形態〕
図1乃至図9を用いて、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、生体情報取得デバイスD1の概略的な斜視図である。図2は、生体情報取得デバイスD1の上面構成を示す概略的な模式図である。図3及び4は、図2のX−X間の生体情報取得デバイスD1の断面構成を示す概略的な模式図である。図5は、撮像素子の上面構成を説明するための概略的な模式図である。図6は、ライトガイドの構成及び機能の説明図である。図7は、ライトガイドに設定される区分を示す説明図である。図8は、生体情報取得モジュールM1の概略的な斜視図である。図9は、生体認証装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に、生体情報取得デバイスD1の概略的な斜視図を示す。図1に示すように、生体情報取得デバイスD1は、TFT(Thin Film Transistor)センサー(撮像素子)1、フィルタ部材70(調光部材)、光照射デバイス(第1光照射デバイス)LEa、光照射デバイス(第2光照射デバイス)LEb、を備える。なお、生体情報取得デバイスD1は、携帯電話(移動通信端末)に組み込まれる部品であるものとする。この点は、後述の第5の実施形態と同様である。
【0023】
光照射デバイスLEaは、生体情報取得デバイスD1の表面領域R1上に載せられる指(図3で図示する)に向けて検査光を出射する。光照射デバイスLEbも同様である。なお、検査光は、近赤外領域の波長(波長:600nm〜1000nm)の光である。ここでは、検査光の波長は、760nm又は870nmである。検査光は、指内における反射や散乱を受ける。指内を透過した光は、フィルタ部材70を介して、TFTセンサー1の各画素に入力され、各画素において受光(光電変換)される。
【0024】
指内の静脈で検査光は吸収されるため、TFTセンサー1から出力される画像には、検査されたヒトの静脈パターン(生体情報)が現れる。TFTセンサー1で取得された画像(画像情報)を利用して生体認証が実行される。
【0025】
TFTセンサー1は、パッケージされている撮像素子である。なお、TFTセンサー1は、絶縁基板上に、各画素に対応すべき部分に半導体層が積層されることにより形成される撮像素子である。TFTセンサー1は、いわゆる半導体基板を用いないため、製造コストの面で利点がある。
【0026】
フィルタ部材70は、所定の光透過率分布の減光フィルタ(ND(Neutral Density)フィルタ)である。フィルタ部材70は、板状の光学部材であって、TFTセンサー1上に配置される。フィルタ部材70は、後述するように、光源寄りの位置にある領域(第1領域)における光透過率は、その領域と比較して光源からより離れた位置にある領域(第2領域)の光透過率よりも低い。これによって、光源寄りの画素が光源からの出射光によって飽和することが抑制され、有効画素領域が拡大される。そして、生体情報取得装置の薄型化を促進しつつ、より高精度な認証が実現される。この点は、後述の説明から明らかになる。
【0027】
なお、フィルタ部材70の配置態様は任意である。フィルタ部材70を画素の飽和が生じやすい部分に対応して配置しても良い。例えば、第1のフィルタ部材を光照射デバイスLEaの下層に配置し、第2のフィルタ部材を光照射デバイスLEbの下層に配置しても良い。但し、この場合には、第1のフィルタ部材の先端は、後述の遮光板2aの先端から内側へ突出する。同様に、第2のフィルタ部材の先端は、後述の遮光板2bの先端から内側へ突出する。第1のフィルタ部材と第2のフィルタ部材との間には空隙が形成され、その領域にて光が減光されることはない。
【0028】
フィルタ部材70の上面は、表面領域R1に一致する。表面領域R1は、表面領域R1上に載置される指(生体部位)内を透過した検査光が入力される。
【0029】
光照射デバイスLEa及び光照射デバイスLEbは、フィルタ部材70の上面に配置されている。光照射デバイスLEaと光照射デバイスLEbとは、表面領域R1を挟んで、互いに対向して配置されている。
【0030】
光照射デバイスLEaは、遮光板(遮光部材)2a、ライトガイド3a、発光ダイオード(発光部)4a、及び発光ダイオード5aを有する。
【0031】
遮光板2aは、金属材料から構成された板状部材である。遮光板2aの上には、ライトガイド3a、発光ダイオード4a、及び発光ダイオード5aが載置される。ライトガイド3aは、板状の部材である。ライトガイド3aの側面には、発光ダイオード4a及び発光ダイオード5aが取り付けられる。
【0032】
光照射デバイスLEbの構成は、光照射デバイスLEaの構成と略等しい。つまり、遮光板2bは遮光板2aに対応し、ライトガイド3bはライトガイド3aに対応し、発光ダイオード4bは発光ダイオード4aに対応し、発光ダイオード5bは発光ダイオード5aに対応する。
【0033】
図2に、生体情報取得デバイスD1の概略的な上面構成を示す。図2に示すように、光照射デバイスLEaと光照射デバイスLEbとは、表面領域R1を挟んで対向配置されている。
【0034】
図2に示すように、光照射デバイスLEaは、ライトガイド3a、発光ダイオード4a、及び発光ダイオード5aを遮光板2a上に有する。
【0035】
ライトガイド3aは、上面視形状が五辺形状の板状部材である。また、ライトガイド3aは、検査光に対して実質的に透明な部材(透過率90%以上、ここでは透過率99%)である。例えば、ライトガイド3は、アクリル等の樹脂材料から構成される。
【0036】
ライトガイド3aは、光出射面3a1、光入射面3a2、光反射面3a3、光反射面3a4、及び光入射面3a5を側面に有する。光入射面3a2及び光入射面3a5は、x軸を長手方向として、x軸に沿って延びる平坦な面である。光入射面3a2には、発光ダイオード5aが接着剤11を介して取り付けられる。光入射面3a5には、発光ダイオード4aが接着剤11を介して取り付けられる。換言すると、光入射面3a2には発光ダイオード5aが接着剤11を介して光結合され、光入射面3a5には発光ダイオード4aが接着剤11を介して光結合される。
【0037】
なお、接着剤11は、検査光に対して高い透過率を有し、検査光に対して実質的に透明である。従って、光入射面と発光ダイオードとの間で、良好な光結合を確保することができる。また、発光ダイオード4a、5aは、モノリシックのベアチップがパッケージされた素子である。発光ダイオード4a、5aは、電流が流れることにより近赤外領域の光(760nm又は870nmの光)を発光する。
【0038】
光出射面3a1は、表面領域R1上に載せられる指(図3で図示する)に臨む。光出射面3a1は、z軸を長手方向としてz軸に沿って延びる平坦な面である。光反射面3a3及び光反射面3a4は、光出射面3a1に対向する側面である。光反射面3a3及び光反射面3a4も、z軸を長手方向としてz軸に沿って延びる面である。光反射面3a3は、光入射面3a2からz軸に沿って延びるに従って、光出射面3a1から離れる。光反射面3a4は、光入射面3a5からz軸に沿って延びるに従って、光出射面3a1から離れる。
【0039】
光照射デバイスLEbのライトガイド3bの構成は、光照射デバイスLEaのライトガイド3aの構成と略等しい。すなわち、光出射面3b1が光出射面3a1に対応し、光入射面3b2が光入射面3a2に対応し、光反射面3b3が光反射面3a3に対応し、光反射面3b4が光反射面3a4に対応し、光入射面3b5が光入射面3a5に対応する。
【0040】
光照射デバイスLEaの機能について説明する。発光ダイオード4aから出射された検査光は、接着剤11を介して、ライトガイド3aの光入射面3a5に入射され、コア層7a(図3参照)に閉じ込められた状態で、z軸に沿ってライトガイド3a内を伝播する。光入射面3a5に入射された検査光は、後述の光反射面3a3で反射され、光出射面3a1に案内される。
【0041】
発光ダイオード5aから出射された検査光は、接着剤11を介して、ライトガイド3aの光入射面3a2に入射され、ライトガイド3aのコア層7a(図3参照)に閉じ込められた状態で、z軸に沿ってライトガイド3a内を伝播する。光入射面3a2に入射された検査光は、後述の光反射面3a4で反射されて、光出射面3a1に案内される。
【0042】
本実施形態においては、ライトガイド3aの光出射面3a1のコア層7aからは、光出射面3a1の長手方向に沿って実質的に一定な強度の検査光が出射される。換言すると、ライトガイド3aの光出射面3a1のコア層7aからは、z軸(ライトガイドを構成する層の積層方向(積層体の積層方向)に直交する軸)に沿って実質的に一定な強度の検査光が出射される。なお、実質的に一定な強度の検査光が出射される光出射面3a1の範囲(所定領域)は、光出射面3a1の幅と略等しい。光出射面3a1の長手方向に沿って実質的に一定な強度の検査光が出射される点(特にそのメカニズム)については、図6を用いて後述する。
【0043】
なお、ここでいう実質的に一定な強度とは、多少の幅を持っていてもよいことを意味する。つまり、ある区分(単位領域)からの光の強度が、他の区分(単位領域)からの光の強度のうち最大の強度の7割以上の強度(より好ましくは8割以上の強度)である場合に実質的に一定な強度であるものとする。単に一定な強度という場合にも、ある区分からの光の強度が、他の区分からの光の強度のうち最大の強度の7割以上の強度(より好ましくは8割以上の強度)である場合をいうものとする。なお、ある区分の面積と他の区分の面積とは実質的に等しいものとする。
【0044】
光照射デバイスLEbの機能は、光照射デバイスLEaの機能と同様である。すなわち、発光ダイオード4bが発光ダイオード4aに対応し、光入射面3b5が光入射面3a5に対応し、光出射面3b1が光出射面3a1に対応し、光反射面3b3が光反射面3a3に対応する。また、発光ダイオード5bが発光ダイオード5aに対応し、光入射面3b2が光入射面3a2に対応し、光出射面3b1が光出射面3a1に対応し、光反射面3b4が光反射面3a4に対応する。
【0045】
図3に、図2のX−X間の生体情報取得デバイスD1の断面図を示す。図3に示すように、フィルタ部材70の上面には、光照射デバイスLEa及びLEbが配置されている。
【0046】
光照射デバイスLEaは、遮光板2aの上にライトガイド3aを有する。ライトガイド3aは、y軸に沿って、クラッド層(第1クラッド層)6a、コア層7a、クラッド層(第2クラッド層)8aが積層された積層体として構成される。クラッド層6aとクラッド層8aの屈折率は等しい。クラッド層6a及びクラッド層8aの屈折率は、ともにコア層7aよりも低い。よって、コア層7a内に効果的に検査光を閉じ込めることができる。
【0047】
図3に示すように、光出射面3a1は、ヒトの指100に対する物理的なストレスを緩和するためにテーパー状にカットされている。換言すると、ライトガイド3aの表面領域R1側の端部には、表面領域R1に向かって、その上面からその下面に傾斜する面(表面領域R1上に載せられる指100に望む面)が設けられている。つまり、ライトガイド3aは、表面領域R1に近づくにつれて厚み(y軸に沿う幅)が薄くなる先細りの端部を有する。テーパー状にカットされた端部に応じて、ライトガイド3aの上面はライトガイド3bの下面よりも狭い。
【0048】
遮光板2aは、上述のように、金属材料から構成された板状部材である。遮光板2aは、発光ダイオード4a、5aから出射される検査光に対して不透明である。遮光板2aは、ライトガイド3aの光出射面3a1よりも表面領域R1側に突出している部分を有する。ここでは、図3に示すように、遮光板2aは、幅W3分だけ光出射面3a1より表面領域R1側(表面領域R1上に載置される指(生体部位)側)に突出している部分を有する。このように突出した部分を遮光板2aが有することにより、光出射面3a1から表面領域R1に向けて出射された検査光の一部は、遮光板2aにて反射又は吸収される。換言すると、光出射面3a1から出射された検査光の一部が遮光板2aの突出部に直接照射されるように遮光部2aは配置される。このように配置された遮光板2aによって、光出射面3a1から表面領域R1に検査光が直接入射されることが抑制される。従って、TFTセンサー1の画素が飽和することが抑制され、TFTセンサー1の画素配置領域を拡大させることができる。また、複雑な画像処理技術を活用することなく、より良質な画像を取得することもできる。なお、遮光板2aも、ライトガイド3aと同様に先細りの構成としてもよい。
【0049】
なお、光照射デバイスLEbのライトガイド3bの構成は、光照射デバイスLEaのライトガイド3aの構成と略等しい。すなわち、クラッド層6bはクラッド層6aに対応し、コア層7bはコア層7aに対応し、クラッド層8bはクラッド層8aに対応する。また、光照射デバイスLEbの遮光板2bは、光照射デバイスLEaの遮光板2aの構成と等しい。但し、遮光板2bは、幅W4分だけ光出射面3b1から表面領域R1側に突出している部分を有する。尚、ここでは、幅W3と幅W4は実質的に等しい。なお、クラッド層8a、8bは、空気層で代用されても良い。
【0050】
図3に模式的に示すように、光照射デバイスLEaの光出射面3a1のコア層7a部分から出射された検査光は、ヒトの指100の静脈101に吸収される。また、光照射デバイスLEbの光出射面3b1のコア層7b部分から出射された検査光は、ヒトの指100の内部で反射され、表面領域R1に入射する。なお、図3の模式図からも明らかなように、光出射面3a1は、ヒトの指100の側面に対向して配置される。
【0051】
このようにして、生体情報取得デバイスD1は、検査光を観察対象物としてのヒトの指100に照射する。指100で反射され、表面領域R1に入射された検査光は、後述のようにフィルタ部材70で光強度が調整されたうえで、TFTセンサー1の各画素で受光される。
【0052】
図4を参照して、フィルタ部材70の調光機能について説明する。図4に模式的に示すように、フィルタ部材70の光透過率分布は、光源から離間するに従って光透過率が高くなる。フィルタ部材70の光透過率は、光照射デバイスLEaから遠ざかるにつれて高くなる。フィルタ部材70の光透過率は、光照射デバイスLEaから遠ざかるにつれて高くなる。フィルタ部材70の光透過率は、光照射デバイスLEaと光照射デバイスLEbの中間の位置で最も高い。
【0053】
領域(第1領域)R80における光透過率は、領域(第2領域)R90における光透過率よりも低い。なお、領域R80は、光照射デバイスLEaの遮光板2aの側面付近の領域である。領域R90は、光照射デバイスLEaと光照射デバイスLEbの中間付近の領域である。
【0054】
フィルタ部材70をTFTセンサー1上に配置することで、TFTセンサー1の光源寄りの画素が飽和することが効果的に抑制される。換言すると、TFTセンサー1の有効画素領域を拡大させることができる。これによって装置の薄型化を図りつつ、高精度な生体認証を実現することができる。なお、フィルタ部材70は、TFTセンサー1上に載置すれば良いだけであり、製造上の不都合はない。
【0055】
TFTセンサー1は、上述のように、絶縁基板上に、各画素に対応して半導体層が積層されることにより形成される撮像素子である。TFTセンサー1は、図5に示すように、複数の画素PXが二次元状に配置される画素形成領域を有する。なお、各画素は、光トランジスタとしてのTFT(Thin Film Transistor)により構成されている。画素形成領域は、表面領域R1に対応する領域に設けられている。なお、TFTセンサー1は、領域R80に対応して複数の画素を有する。TFTセンサー1は、領域R90に対応して複数の画素を有する。TFTセンサー1の領域R80に対応する領域には、フィルタ部材70の領域R80により減光された光が入力される。TFTセンサー1の領域90に対応する領域には、フィルタ部材70の領域R90により減光された光が入力される。なお、フィルタ部材70の領域R80における減光作用は、フィルタ部材70の領域R90における減光作用よりも強い。
【0056】
指内で反射された検査光がTFTセンサー1の画素PXに入射すると、画素PXには検査光の強度に応じた電荷が生じる。そして、生成された電荷に応じた値の信号がTFTセンサー1から出力され、この出力信号に基づいて画像が再構成される。その後、後続の演算処理装置における処理結果に基づいて、観察されたヒトがあらかじめ設定された特定のヒトであるのかが判断される。
【0057】
図6に、ライトガイド3aの構成及び機能の説明図を示す。なお、ライトガイド3bの構成は、ライトガイド3aの構成に対応する。ここでは、ライトガイド3bの機能についての説明は省略する。尚、図6は、もっぱら説明の便宜上の説明図である。
【0058】
図6(a)に模式的に示すように、本実施形態にかかるライトガイド3aの光反射面3a3には、複数の反射面9が形成されている。複数の反射面9は、光反射面3a3の長手方向に沿って連続的に配置されている。また、ここでは、ライトガイド3aの光反射面3a3に、y軸(ライトガイドを構成する層の積層方向に一致する軸)に沿って延びる複数の溝10が設けられている。この溝10により光反射面3a3には、複数の反射面9が配置される。なお、溝10も、反射面9と同様に、光反射面3a3の長手方向に沿って連続的に配置されている。
【0059】
反射面9は、光入射面3a5に対向するとともに、光出射面3a1に対向する。反射面9は、発光ダイオード4aからの検査光が全反射するように配置される。換言すると、発光ダイオード4aから反射面9に入射する検査光の入射角度が、反射面9における臨界角以上となるように、反射面9は設けられる。反射面9は、検査光を全反射することにより、光入射面3a5から光出射面3a1に検査光を案内する。光入射面から光出射面に至る光路に介在する光反射面において、検査光が全反射されるように設定することにより、検査光の利用効率を高めることができる。そして、生体情報取得デバイスD1の消費電力を低減させることもできる。
【0060】
図6(a)に模式的に示すように、光入射面3a5に入射された検査光は、光出射面3a1の出射端Pと出射端Qとの間に案内される。すなわち、発光ダイオード4aから出射された検査光は光路Path1を進行する。そして、光反射面3a3の反射面9にて全反射される。そして、光出射面3a1の出射端Qにまで案内される。また、発光ダイオード4aから出射された検査光は、光路Path2を進行する。そして、光出射面3a1にて全反射される。そして、光反射面3a3の反射面9にて再び全反射される。そして、光出射面3a1の出射端Pにまで案内される。
【0061】
このように、光反射面3a3に設けられた複数の反射面9により、光入射面3a5に入射された検査光は光出射面3a1に案内される。そして、光出射面3a1における出射端Pから出射端Qの間の領域で、出射される検査光は、実質的に一定な強度に設定される。これは、出射端Pから出射端Qとの間で出射される検査光の強度が、出射端Pから出射端Qとの間で実質的に一定となるように、光反射面3a3に含まれる反射面9は配置されているからである。なお、発光ダイオード4aから出射される光の強度分布(発光ダイオードの特性)に応じて、光反射面3a3を、光入射面3a2から光反射面3a4に向けて外側に膨らむ円弧状に形成しても良い。つまり、発光ダイオードの特性に応じて、光反射面3a3に含まれる反射面の配置位置は適宜設定される。図6(a)に示されているものは一例にすぎない。
【0062】
図6(b)に模式的に示すように、本実施形態にかかるライトガイド3aの光反射面3a4には、複数の反射面9が形成されている。ここでも、複数の反射面9は、光反射面3a4の長手方向に沿って連続的に配置されている。また、溝10も、光反射面3a4の長手方向に沿って連続的に配置されている。反射面9は、発光ダイオード5aからの検査光が全反射するように設けられる。反射面9は、検査光を全反射することにより、光入射面3a2から光出射面3a1に検査光を案内する。
【0063】
図6(b)に模式的に示すように、光入射面3a2に入射された検査光は、光出射面3a1の出射端Qと出射端Rとの間に案内される。すなわち、発光ダイオード5aから出射された検査光は光路Path3を進行する。そして、光反射面3a4の反射面9にて全反射される。そして、光出射面3a1の出射端Qにまで案内される。また、発光ダイオード5aから出射された検査光は、光路Path4を進行する。そして、光出射面3a1にて全反射される。そして、光反射面3a3の反射面9にて再び全反射される。そして、光出射面3a1の出射端Rにまで案内される。
【0064】
このように、光反射面3a3に設けられた複数の反射面9により、光入射面3a5に入射された検査光は光出射面3a1に案内される。そして、光出射面3a1における出射端Qから出射端Rの間の領域で、出射される検査光は、実質的に一定な強度に設定される。これは、出射端Qから出射端Rとの間で出射される検査光の強度が、出射端Qから出射端Rとの間で実質的に一定となるように、光反射面3a4に含まれる反射面9が配置されているからである。なお、発光ダイオード5aから出射される光の強度分布(発光ダイオードの特性)に応じて、光反射面3a4を、光入射面3a5から光反射面3a3に向けて外側に膨らむ円弧状に形成しても良い。つまり、発光ダイオードの特性に応じて、光反射面3a5に含まれる反射面の配置位置は適宜設定される。
【0065】
なお、出射される検査光を出射端Qと出射端Rとの間で実質的に一定な強度とする構成は上述のものに限られない。発光ダイオード5aから出射された検査光を光出射面3a4のみで反射させる必要はなく、その検査光を部分的に光出射面3a3で反射させてもよい。同様に、発光ダイオード4aから出射された検査光を光出射面3a3のみで反射させる必要はなく、その検査光を部分的に光出射面3a4で反射させてもよい。
【0066】
本実施形態においては、図6(c)に模式的に示すように、光出射面3a1の出射端Pから出射端Rまでの間の範囲で、出射される検査光は実質的に一定な強度(所定の光量に実質的に等しい光量)に設定される。換言すると、本実施形態においては、光出射面3a1の長手方向に沿って(z軸方向に沿って)、光出射面3a1の出射端Pから出射端Rまでの間の範囲(所定領域)で、実質的に一定な強度の検査光が出射される。
【0067】
ここで具体的な数値を用いて、光出射面の長手方向に沿って実質的に一定な強度の光が出射される点について補足説明する。尚、光出射面の長手方向に沿って実質的に一定な強度の光が出射されるかどうかの評価は、ライトガイドの光出射面に設定した区分(単位領域)ごとに輝度を測定することにより行う。ここでは、トプコン社製の輝度計を用いて、図7に示した各区分DIV1〜DIV7の輝度を測定した。
【0068】
なお、図7は、ライトガイド3aの光出射面3a1を正面視した模式図である。図7に示すように、光出射面3a1には、複数の区分DIV1〜DIV7が設けられる。区分DIV1は、直径1mmの区分である。他の区分DIV2〜DIV7も、区分DIV1と同様である。また、これらの区分は、3mm間隔で設けられている。
【0069】
表1に、各区分の輝度の測定結果を示す。最小の輝度(区分DIV1における輝度)を最大の輝度(区分DIV4における輝度)で割算をすると、5320/6350=83.8%となる。従って、この場合には、ライトガイド3aの光出射面3a1からは、ライトガイド3aの長手方向に沿って実質的に一定な強度の光が出射されている、と言える。
【表1】

【0070】
光出射面3a1の長手方向に沿って実質的に一定な強度の検査光が光出射面3a1から出射されることによって、TFTセンサー1の画素形成領域には、より均一な強度の検査光が入射されるため、より良質な画像を取得することができる。
【0071】
上述のように本実施形態においては、TFTセンサー1上にはフィルタ部材70が配置されている。TFTセンサー1においては、光源寄りの位置にある領域(第1領域)における光透過率は、その領域よりも光源からはなれた位置にある領域(第2領域)の光透過率よりも低い。これによって、光源寄りの画素が光源からの出射光によって飽和することが抑制され、有効画素領域が拡大される。そして、生体情報取得装置の薄型化を促進しつつ、より高精度な認証が実現される。
【0072】
また、本実施形態においては、図1乃至図3に示したように、光出射面3a1、3b1から出射された検査光が、直接的に表面領域R1に入射することを遮る遮光板2a、2bが設けられている。これにより、光出射面3a1、3b1から直接的に表面領域に検査光が入射することが抑制され、より高品質な画像を取得することができる。
【0073】
また、本実施形態においては、図3に示したように、表面領域R1を挟んで対向する光照射デバイスLEaのライトガイド3aの端部と光照射デバイスLEbのライトガイド3bの端部との間の幅をW1とし、表面領域R1を挟んで対向する光照射デバイスLEaの遮光板2aの端部と光照射デバイスLEbの遮光板2bの端部との間の幅をW2としたとき、0.5≦W2/W1≦0.9の関係を満足する。これによって、遮光板2a、2bにより、光出射面3a1、3b1から表面領域R1に向かって進む検査光を効果的に遮断することができる。よって、薄型化を図りつつ、より良質な画像を取得できる。
【0074】
なお、ここでは、光照射デバイスLEaのライトガイド3aの端部と光照射デバイスLEbのライトガイド3bの端部の間の幅W1は、光照射デバイスLEaの光出射面3a1と光照射デバイスLEbの光出射面3b1との間の幅に略等しい。光照射デバイスLEaの遮光板2aの端部と光照射デバイスLEbの遮光板2bの端部との間の幅W2は、遮光板2aの表面領域R1側の表面領域R1に臨む端面と遮光板2bの表面領域R1側の表面領域R1に臨む端面との間の幅に等しい。
【0075】
また、本実施形態においては、光照射デバイスLEa、LEbは、遮光板2a、2b上に配置され、TFTセンサー1の主面1a上に載置される部品(モジュール)として構成される。よって、生体情報取得デバイスD1を、より簡易に組み立てることができる。また、遮光板2a、2bにより、光照射デバイスLEa、LEbに含まれるライトガイド3a、3bから放射されうる漏れ光を遮断することができる。
【0076】
また、本実施形態においては、出射端Pから出射端Qまでの間の幅は、TFTセンサー1の画素形成領域のZ軸に沿う幅と実質的に一致するように設定されている。従って、TFTセンサー1に形成されたすべての画素を有効に活用することができるとともに、発光ダイオードから出射される検査光の光利用効率を高めることができる。
【0077】
なお、本実施形態においては、上述のように、表面領域R1を挟んで対向して配置された光照射デバイスLEa及びLEbが設けられる。光照射デバイスLEbのライトガイド3bからも、光出射面3b1の長手方向に沿って(z軸方向に沿って)、光出射面3b1の出射端Pから出射端Rまでの間の範囲(所定領域)で、実質的に一定な強度の検査光が出射される。かかる構成により、TFTセンサー1の画素形成領域には、その全域に亘って、より均一な強度の検査光が入射されるため、より良質な画像を取得することができる。
【0078】
ここで、図8を用いて、生体情報取得デバイスD1がパッケージングされた生体情報取得モジュールM1の構成について説明する。
【0079】
図8に示すように、生体情報取得モジュールM1は、パッケージ150を有する。パッケージ150の内部には、生体情報取得デバイスD1が格納されている。
【0080】
パッケージ150は、主面150aに凹部151を有する。凹部151は、上面視形状が略矩形状であって、表面領域R1と一致する底面151a、底面151aと主面150aとの間を結ぶ4つの側面151bを有する。ライトガイド3aの光出射面3a1及びライトガイド3bの光出射面3b1は、側面151bに一致する。
【0081】
上述のように、ライトガイド3a及びライトガイド3bの表面領域R1側の端部には、表面領域R1に向かって、その上面からその下面に傾斜する面が設けられている。従って、表面領域R1上に載置される指100に、ライトガイド自体の構造によって、物理的なストレスが与えられることは抑制される。なお、ここでは、表面領域R1の周囲に2つの光照射デバイスを配置したが、表面領域R1の全周を囲うように4つの光照射デバイスを配置することも可能である。
【0082】
最後に、図9を用いて、本発明の生体情報取得デバイスD1が組み込まれた生体認証装置の構成及び動作について説明する。図9に示すように、生体認証装置310は、光照射部200、撮像部210、制御部220、画像処理部230、記憶部240、及び照合部250を有する。光照射部200は、上述の光照射デバイスLEa及び光照射デバイスLEbに相当する。撮像部210は、上述のTFTセンサー1に相当する。制御部220は、光照射部200、画像処理部230、記憶部240、及び照合部250夫々に対して信号伝送が可能である。
【0083】
光照射部200は、制御部220からの制御信号に基づいて、検査光を生体100に向けて照射する。生体100から反射された検査光は、撮像部210の各画素に入射される。撮像部210は、制御部220からの制御信号に基づいて制御される画像処理部230により制御される。撮像部210は、画像処理部230からの制御信号に基づいて、画像取得モードになったり、画像読み出しモードになったりする。なお、制御部220により撮像部210を制御しても良い。
【0084】
撮像部210から順次読み出された電気信号は、画像処理部230によって所定の処理が施される。なお、画像処理を施すかどうかは任意である。次に、照合部250は、取得した画像情報と、記憶部240に予め登録された画像情報とを照合する。具体的には、照合部250は、画像情報に含まれる静脈パターンを相互に照合する。両方の静脈パターンが一致する場合、照合部250は、検査した個体があらかじめ設定された個体であるとする(認証成功)。両者の静脈パターンが一致しない場合、照合部250は、検査した個体があらかじめ設定された個体ではないとする(認証失敗)。制御部220は、照合部250の照合結果に基づいて、他の情報処理装置等に照合結果を連絡する。
【0085】
〔第2の実施の形態〕
次に、図10乃至図12を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は、生体情報取得デバイスD2の概略的な斜視図である。図11は、図10のA点側から生体情報取得デバイスD2をみた概略的な説明図である。図12は、図10のB点側から生体情報取得デバイスD2をみた概略的な説明図である。なお、図11及び図12では、説明の便宜上、A点又はB点から生体情報取得デバイスD2をみた概略的な断面図も合わせて図示されている。
【0086】
図10に示すように、生体情報取得デバイスD2は、配線基板30、TFTセンサー31、光チャネル分離層32、マイクロレンズアレイ33、フィルタ部材70、バンドパスフィルタ34、及び光照射デバイスLEa、LEbを備える。
【0087】
本実施形態は、第1の実施の形態とは以下の点で異なる。フィルタ部材70は、バンドパスフィルタ34に貼り合わされている。フィルタ部材70とTFTセンサー31(TFTセンサー1と等しい)との間に、光チャネル分離層32、及びマイクロレンズアレイ33が設けられている。このような構成によれば、より良質な画像を取得することができる。また、フィルタ部材70がバンドパスフィルタに貼りあわされているため、フィルタ部材70の追加に伴って製造工程が煩雑になることもない。
【0088】
なお、上述の相違点に起因して、本実施形態においては、光照射デバイスLEa、LEbは、バンドパスフィルタ34の上に配置される。なお、表面領域R1は、検査対象としての指から反射された検査光が入射される。ここでは、表面領域R1は、バンドパスフィルタ34の主面に一致する。
【0089】
図11に、図10のA点側から生体情報取得デバイスD2をみた概略的な説明図を示す。図12に、図10のB点側から生体情報取得デバイスD2をみた概略的な説明図を示す。
【0090】
図11に示すように、配線基板30の上面には、TFTセンサー31、光チャネル分離層32、マイクロレンズアレイ33、フィルタ部材70、バンドパスフィルタ34、及び光照射デバイスLEa、LEbが、この順で配置される。配線基板30の下面には、半導体集積回路35、及びコネクタ36が配置される。
【0091】
光照射デバイスLEa、LEbは、第1の実施形態にて説明したものと同様である。ただし、本実施形態においては、遮光板2a及び遮光板2bの表面領域R1側の端部には、表面領域R1に向かって、その上面からその下面に傾斜する面(表面領域R1上に載せられる指100に臨む面)が設けられている。換言すると、遮光板2a及び遮光板2bの表面領域R1側の端部は、テーパー状にカットされている。つまり、遮光板2a及び2bは、表面領域R1に近づくにつれて厚み(y軸に沿う幅)が薄くなる先細りの端部を有する。テーパー状にカットされた端部に応じて、遮光板2aの上面は遮光板2aの下面よりも狭い。遮光板2bについても同様である。かかる構成により、ヒトの指100に対する物理的なストレスを緩和することができる。
【0092】
バンドパスフィルタ(フィルタ部材)34は、検査光が含まれる近赤外線の帯域(650nm〜1000nm、より好ましくは、650nm〜900nm)のみを通過させる板状の光学部材である。光照射デバイスLEa、LEbは、バンドパスフィルタ34の上面に固定される。
【0093】
フィルタ部材70の構成は、第1の実施形態におけるものと同様である。
【0094】
マイクロレンズアレイ33は、透明基板50、レンズ(集光レンズ)52、及びスペーサ層51を有する。透明基板50の上面には、TFTセンサー31の各画素PXに対応して2次元状に配置された複数のレンズ52、及びバンドパスフィルタ34を支持するためのスペーサ層51が配置される。透明基板50及びレンズ52は、検査光に対して、実質的に透明な材料から構成される。透明基板50は、いわゆる石英基板である。レンズ52は、透明基板50に形成されたレジスト層が、グレイスケールマスクを用いたホトリソグラフィーにより部分的に除去されて形成される光学部材である。
【0095】
光チャネル分離層32は、遮光膜40、第1透明層41、第2透明層42、及びレジスト層43を有する。
【0096】
遮光膜40は、通常の半導体プロセス技術(スパッタ、蒸着等)に基づいて、金属材料がマイクロレンズアレイ33の下面に格子状に形成された層である。遮光膜40は、マイクロレンズアレイ33の各レンズ52に対応してマトリクス状に形成された複数の開口部OP1を有する。尚、複数の開口部OP1とは、光学的な意味での開口を意味する。ここでは、開口部OP1には、第1透明層41が充填されている。
【0097】
第1透明層41は、レジスト(樹脂材料)からなる層であって、検査光に対して実質的に透明である。第1透明層41は、通常のコート法(スピンコート法等)により、遮光膜40が形成された後、マイクロレンズアレイ33の下面に形成される。そして、加熱処理が施され、粘性が失われる。
【0098】
第2透明層42は、第1透明層41と同じ材料からなるレジスト層である。よって、第2透明層42も、検査光に対して実質的に透明である。第2透明層42は、複数のランド42aを有する。ランド42aは、通常のコート法(スピンコート法等)により、第1透明層41の下面に第2透明層42が形成された後、その第2透明層42に格子状の溝が形成されることで形成される。つまり、格子状の溝が形成されることにより、互いに分離された複数のランド42aが形成される。分離されたランド42aは、TFTセンサー31の各画素PXに対応して2次元状に配置される。なお、ランドとは、溝により規定される島状の部分を意味する。各ランドは、互いに完全に分離されている必要はない。
【0099】
レジスト層43は、ランド42aを覆うように充填される。レジスト層43は、検査光を吸収する材料(フタロシアニン等)を含むレジスト層である。レジスト層43は、スピンコート法等に基づいて、ランド42aを覆うように(第2透明層42に形成された溝を埋めるように)レジスト材料が塗布されることで形成される。そして、リソグラフィーに基づいて、マイクロレンズアレイ33の各レンズ52の集光箇所に対応する開口部OP3がレジスト層43に形成される。なお、開口部OP2は、TFTセンサー31の各画素PXの配置位置にも対応する。開口部OP2は、TFTセンサー31の各画素PXに対応して、2次元状に配置される。
【0100】
TFTセンサー31の構成は、第1の実施の形態におけるTFTセンサー1の構成と等しい。TFTセンサー31は、上面に複数の画素PXが二次元状に配置された画素形成領域を有する。各画素PXは、レジスト層43に形成された開口部OP2に対応して配置される。よって、レンズ52により集光された光は、効率的に画素PXに入射される。
【0101】
なお、TFTセンサー31の画素形成領域は、表面領域R1よりもz軸方向に沿う幅が広い。すなわち、画素形成領域は、表面領域R1と一致しない。このような場合であっても、画素形成領域における表面領域R1に対応する部分を撮像領域として用いることにより、指100から反射される検査光を画像化することができる。
【0102】
配線基板30は、ガラスエポキシ樹脂等から構成される配線基板であって、上述のように上下両面に素子が実装される。
【0103】
なお、TFTセンサー31の上面には、TFTセンサー31の読み出し動作等を制御する駆動回路37が配置される。TFTセンサー31で取得された信号は、ワイヤー38、配線基板30の上面と下面とを接続する貫通電極39、配線基板30の下面に形成された配線を介して、半導体集積回路35に連絡される。コネクタ36は、生体情報取得デバイスD2と外部の信号処理回路との接続に関するインターフェイス部分を構成する。
【0104】
半導体集積回路35は、いわゆるASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。半導体集積回路35では、所定の情報処理(例えば、取得した画像情報とあらかじめ記憶された画像情報の整合性の判断)が実行される。半導体集積回路35における情報処理結果は、他の情報処理部(不図示)に連絡される。
【0105】
また、図11に示すように、光照射デバイスLEa、LEbからバンドパスフィルタ34までの厚みは、1.7mm以下にすると良い。マイクロレンズアレイ33からTFTセンサー31までの厚みは1.0mm以下にすると良い。このようにすると、光照射デバイスLEa、LEbからTFTセンサー31までの厚みを3mm以下とすることができる。よって、非常に薄型化された生体情報取得デバイスを実現することができる。
【0106】
なお、図11に示すように、表面領域R1のx軸に沿う幅を25mmとした。また、図12に示すように、表面領域R1のz軸に沿う幅を15mmとした。このような場合には、図11及び図12に模式的に示したように、指を表面領域R1上に載せ、生体情報を取得する。このような場合には、表面領域R1は、指により覆われる。従って、表面領域R1に入射する外乱光は抑制される。なお、この場合、各光照射デバイスLEa、LEbの光出射面の長手方向は、指の側面に対向して配置される。よって、光出射面から出射された検査光を、高効率で、指に照射することができる。
【0107】
次に、生体情報取得デバイスD2の機能について説明する。図11に模式的に示すように、指100の内部領域RPで反射された検査光は、マイクロレンズアレイ33のレンズ52を介して、TFTセンサー31の画素PXに入射される。以下、順を追って説明する。なお、内部領域RPは、指100の下面から1mm程度の深さの領域である。
【0108】
光照射デバイスLEa、LEbの光出射面から出射された検査光は、ヒトの指100に照射される。ヒトの指100の内部では、検査光は反射されたりする。また、ヒトの指100の内部の静脈で、検査光は吸収される。ヒトの指100を透過した検査光は、表面領域R1に入射する。
【0109】
表面領域R1に入射された検査光は、バンドパスフィルタ34を通過する。なお、検査光以外の外乱光は、バンドパスフィルタ34により遮断される。バンドパスフィルタ34によってノイズ成分を遮断することができるため、より良質な画像を取得することができる。
【0110】
その後、検査光は、フィルタ部材70を通過する。フィルタ部材70の光透過率分布に対応して検査光は調光される。
【0111】
フィルタ部材70を通過した検査光は、マイクロレンズアレイ33に入射する。マイクロレンズアレイ33では、透明基板50の上面に配置された各レンズ52によってTFTセンサー31の各画素TXに集光される。
【0112】
マイクロレンズアレイ33のレンズ52により集光された光は、光チャネル分離層32に入射される。光チャネル分離層32は、上述のように、TFTセンサー31の各画素に対応して2次元状に配置された開口部OP1及び開口部OP2を有する。また、TFTセンサー31の各画素に対応して2次元状に配置されたランド42aを有する。また、隣り合うランド42aの間には、レジスト層43が充填される。また、ランド42aの下面にもレジスト層43が形成される。レジスト層43には近赤外線を吸収する顔料が含有されている。よって、レジスト層43に入射した迷光は、効果的にレジスト層43に含まれる顔料により吸収される。
【0113】
このような構成により、光チャネル分離層32は、マイクロレンズアレイ33のレンズ52からTFTセンサー31の画素PXに至る光路(光チャネル)同士を分離する。そして、光チャネル間で生じうるクロストーク(混信)は抑制される。なお、検査光は、レンズ52から画素PXに進むに従って集光されるから、開口部OP2の開口幅は、開口部OP1の開口幅よりも狭く設定されている。
【0114】
TFTセンサー31の各画素に入射された光は、各画素で光電変換される。そして、電気信号として読み出され、上述の半導体集積回路35にて信号処理される。そして、生体から反射された検査光に基づいて、指100の静脈パターンが現れた画像を取得することができる。
【0115】
本実施形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0116】
本実施形態においては、表面領域R1とTFTセンサー1との間に、バンドパスフィルタ34、フィルタ部材70、マイクロレンズアレイ33、光チャネル分離層32が設けられている。よって、第1の実施の形態と比較して、より良質な画像を取得することができる。
【0117】
なお、上述のように、バンドパスフィルタ34、マイクロレンズアレイ33、光チャネル分離層32を挟む構成とすると、生体情報取得デバイスD2の厚みが増加してしまう。しかしながら、上述のように、TFTセンサー31の下面から光照射デバイスLEa又はLEbの上面までの厚みを、3mm程度又は3mm以下の厚みに設定することも可能である。
【0118】
〔第3の実施の形態〕
ここで、図13を参照して、第3の実施の形態について説明する。なお、ここでは、上述の実施の形態と異なる点についてのみ説明する。
【0119】
図13(a)の場合、ライトガイド3aは単層部材として構成される。単層のライトガイド3aを採用しても、適切な光路設計を施すことによって検査光を高効率で伝播させることはできる。また、図13(a)に示すように、ライトガイド3aの光出射面3a1は、ライトガイド3aの上面からライトガイド3aの下面に向けてライトガイド3aの内側に傾斜する。換言すると、ライトガイド3aは、表面領域R1側に逆テーパー状の端部を有し、ライトガイド3aが表面領域R1側に延在するに従って、ライトガイド3aの厚みはライトガイド3aの下面から上面に薄くなる。このようにすると、光出射面3a1から検査光の大部分が上方に向けて出射するように設定できる。従って、生体部位を介さずに検査光が表面領域R1に入力されることを抑制できる。
【0120】
また、この点は、図13(b)の場合にも当てはまる。すなわち、図13(b)に示すようにライトガイド3aをコア層7a、クラッド層6a、8aを含む積層体として構成した場合、コア層7aの端面と一致する光出射面3a1は、コア層7aの上面からコア層7aの下面に向けてコア層7aの内側に傾斜する。換言すると、ライトガイド3aのコア層7aは、表面領域R1側に逆テーパー状の端部を有し、コア層7aが表面領域R1側に延在するに従って、コア層7aの厚みはコア層7aの下面から上面に薄くなる。これにより、図13(a)の場合と同様に、コア層7aの端面と一致する光出射面3a1から検査光の大部分が上方に向けて出射するように設定できる。従って、生体部位を介さずに検査光が表面領域R1に入力されることを抑制できる。
【0121】
また、図13(b)の説明は、図13(c)の場合にも当てはまる。つまり、ライトガイド3aの表面領域側の端面は、必ずしも面一に構成される必要はない。
【0122】
〔第4の実施の形態〕
図14及び15を参照して、第4の実施の形態について説明する。図14は、生体情報取得デバイスD3の概略的な斜視図である。図15は、生体情報取得デバイスD3の概略的な上面図である。
【0123】
本実施形態は、第1の実施形態と比較して、光照射デバイスの構成が異なる。このような場合であっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
図14に、生体情報取得デバイスD3の概略的な斜視図を示す。図14に示すように、生体情報取得デバイスD3は、TFT(Thin Film Transistor)センサー(撮像素子)1、フィルタ部材70、光照射デバイスLEc、及び光照射デバイスLEdを備える。
【0125】
光照射デバイスLEc及びLEdは、生体情報取得デバイスD3の表面領域R1上に載せられる指に向けて検査光を出射する。光照射デバイスLEc及び光照射デバイスLEdは、TFTセンサー1の主面1a上に配置されている。光照射デバイスLEc及び光照射デバイスLEdは、表面領域R1を挟んで、互いに対向して配置されている。
【0126】
光照射デバイスLEcは、遮光板(遮光部材)2c、ライトガイド3c、及び発光ダイオード(半導体発光装置)4c1、4c2、4c3、4c4を有する。
【0127】
遮光板2cは、照明光を遮断する材料から構成された板状部材である(具体的には、金属、黒色樹脂等がある)。遮光板2cの上には、ライトガイド3cが固定される。なお、光がライトガイド3cを効率良く伝播するために、遮光板2cとライトガイド3cの間に空気層が存在していても良い。ライトガイド3cの側面3c2には、発光ダイオード4c1〜4c4が固定される。
【0128】
光照射デバイスLEdの構成は、光照射デバイスLEcの構成と略等しい。つまり、遮光板2dは遮光板2cに対応し、ライトガイド3dはライトガイド3cに対応し、発光ダイオード4d1〜4d4は発光ダイオード4c1〜4d4にそれぞれ対応する。
【0129】
次に、図15に、生体情報取得デバイスD3の概略的な上面図を示す。
【0130】
図15に示すように、光照射デバイスLEcは、遮光板2c、ライトガイド3c、及び発光ダイオード4c1〜4c4を有する。
【0131】
ライトガイド3cは、上面視形状が四辺形状の板状部材である。また、ライトガイド3cは、検査光に対して実質的に透明な部材(透過率90%以上、ここでは透過率99%)である。例えば、ライトガイド3は、ポリカーボネイト、アクリル、ポリオレフィン等の樹脂材料、又はガラス基板等から構成される。
【0132】
ライトガイド3cは、光出射面(第1側面)3c1、及び光入射面(第2側面)3c2を有する。光出射面3c1は、表面領域R1上に載せられる指(図3で図示する)に臨む側面である。光出射面3c1は、z軸を長手方向として、z軸に沿って延在する長尺な面である。光入射面3c2は、光出射面3c1に対向する側面である。光入射面3c2は、z軸を長手方向として、z軸に沿って延在する長尺な側面である。また、ライトガイド3cは、x軸に沿う幅WLG1とz軸に沿う幅WLG2とを有する。幅WLG1は、幅WLG2よりも狭い。
【0133】
図15に示すように、発光ダイオード4c1〜4c4は、光入射面3c1の長手方向に沿って配列された状態で、ライトガイド3c上に配置されている。発光ダイオード4c1〜4c4は、接着剤11を介して、光入射面3c2に取り付けられる。発光ダイオード4c1〜4c4から出射された検査光は、ライトガイド3cの光入射面3c2を通過し、ライトガイド3cに導入される。ライトガイド3cは、光入射面3c2から光出射面3c1に検査光を案内する。
【0134】
光照射デバイスLEdのライトガイド3dの構成は、光照射デバイスLEcのライトガイド3cの構成と略等しい。すなわち、光出射面3d1が光出射面3c1に対応し、光入射面3d2が光入射面3c2に対応する。
【0135】
光照射デバイスLEcでは、発光ダイオード4c1からの検査光は、ライトガイド3c内を次のように伝播する。発光ダイオード4c1から出射された検査光は、接着剤11を通過し、ライトガイド3cの光入射面3c2を通過し、ライトガイド3c内を伝播し、光出射面3c1から出射される。他の発光ダイオード4c2〜4c4についても、発光ダイオード4c1の場合と同様である。
【0136】
本実施形態においては、複数の発光ダイオード4c1〜4c4は、長尺な光入射面3c2の長手方向に配列された状態でライトガイド3c上に配置される。そして、ライトガイド3cは、発光ダイオード4c1〜4c4からの検査光を光入射面3c2から光出射面3c1に案内する。かかる構成によって、生体情報取得デバイスの光源部分が大型化することを抑制しつつ、生体部位の所定範囲に検査光を照射することができる。つまり、ライトガイド3cを用いる場合には、ライトガイド3cの幅WLG1が広くなりすぎることを抑制しつつ、ライトガイド3cの幅WLG2を所定の幅に設定することができる。
【0137】
また、本実施形態においては、発光ダイオード4c1〜4c4は、ほぼ等しい間隔で配置されている。従って、光出射面3c1から出射される検査光の強度分布を実用可能な程度に均一化することができる。
【0138】
図15に示すように、発光ダイオード4c1からの検査光は、光出射面3c1の領域R4c1に導かれる。発光ダイオード4c2からの検査光は、光出射面3c1の領域R4c2に導かれる。発光ダイオード4c3からの検査光は、光出射面3c1の領域R4c3に導かれる。発光ダイオード4c4からの検査光は、光出射面3c1の領域R4c4に導かれる。
【0139】
光出射面3c1には、領域R4c1と領域R4c2とが重なり合う領域ROが形成される。光出射面3c1には、領域R4c2と領域R4c3とが重なり合う領域ROが形成される。光出射面3c1には、領域R4c3と領域R4c4とが重なり合う領域ROが形成される。つまり、光出射面3c1には、ある発光ダイオードからの検査光と他の発光ダイオードからの検査光とが重なりあう領域が形成される。このように設定することによって、光出射面3c1のほぼ全域から検査光を出射させることができる。
【0140】
生体情報取得デバイスD3では、2次元状に配置された複数の画素からの出力信号に基づいて生体情報(静脈パターンが写された画像)が取得される。従って、観察対象となる生体部位には、その全域に亘って均一な検査光を照射すると良い。観察対象となる生体部位に検査光が照射されない部分があると、その部分からの生体情報を得ることができないため、高精度な生体認証を実現することができない。本実施の形態では、この点にかんがみて、光出射面3c1に上述の領域ROが形成されるように、ライトガイド3c1の幅WLG1を設定している。
【0141】
また、発光ダイオード4c1〜4c4からは、ランベルト分布の検査光が出射される。ランベルト分布では、その分布の中央部分の光強度は強く、その分布の裾部分の光強度は弱い。従って、隣り合う発光ダイオードから出射される検査光を互いに重ね合わせることで、光出射面3c1から出射される検査光の強度分布を均一化することができる。すなわち、光出射面3c1に上述の領域ROを形成することによって、光出射面3c1から出射される検査光の強度分布を、光出射面3c1の長手方向に沿って均一化できる。
【0142】
上述の光照射デバイスLEcに関する説明は、光照射デバイスLEdにもそのまま当てはまる。ここでは、重複する説明は省略する。
【0143】
〔第5の実施の形態〕
本発明の第5の実施形態について、図16乃至図26を用いて説明する。図16は、携帯電話の構成を示す模式図である。図17は、携帯電話の前面の構成を示す模式図である。図18は、携帯電話の前面の構成を示す拡大模式図である。図19は、撮像装置の概略的な分解斜視図である。図20は、撮像装置の概略的な断面構成を示す模式図である。図21は、撮像素子の前面の構成を説明するための模式図である。図22は、単位電極の配置態様を示す模式図である。図23は、生体情報取得装置の動作を説明するためのフローチャートである。図24は、電圧設定に関する生体情報取得装置の動作を説明するためのフローチャートである。図25は、電圧設定条件の具体例を示す表である。図26は、印加電圧に対する液晶の相対光透過率の変化を示す説明図である。
【0144】
本実施形態においては、液晶表示技術を活用して、検査光を調光する。このような場合であっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、印加電圧を適宜選択することで、調光の程度を外部環境に応じたものにすることもできる。なお、本実施形態における調光部材は、液晶層75、下部電極74、及び複数の単位電極から構成される上部電極76によって具現化される。
【0145】
図16に、携帯電話(移動体通信端末)60を示す。携帯電話60には、後述の生体情報取得装置として機能する撮像装置D4が組み込まれている。携帯電話60には、撮像装置D4を活用した生体情報取得装置が組み込まれている。
【0146】
図16に示すように、携帯電話60は、上側本体(第1部材)61、下側本体(第2部材)62、及びヒンジ63を有する。上側本体61と下側本体62とは、共にプラスチック製の平板部材であって、ヒンジ63を介して連結される。上側本体61と下側本体62とはヒンジ63によって開閉自在に構成される。上側本体61と下側本体62とが閉じた状態のとき、携帯電話60は上側本体61と下側本体62とが重ね合わされた平板状の部材になる。
【0147】
上側本体61は、その内面に表示部64を有する。表示部64には、着信相手を特定する情報(名前、電話番号)、携帯電話60の記憶部に格納されたアドレス帳等が表示される。表示部64の下には液晶表示装置が組み込まれている。
【0148】
下側本体62は、その内面に複数のボタン65を有する。携帯電話60の操作者は、ボタン65を操作することによって、アドレス帳を開いたり、電話を掛けたり、マナーモードに設定したりし、携帯電話60を意図したように操作する。
【0149】
本実施形態にかかる携帯電話60は、後述のように、生体認証装置が組み込まれている。携帯電話60の操作者は、このボタン65を操作することに基づいて生体認証機能をオンさせたり、オフさせたりすることができる。
【0150】
図17に、携帯電話60の前面(上面)の構成を示す。図17に示すように、上側本体61の前面には、表面領域R10、および表示領域R20が配置される。
【0151】
表面領域R10には、図17に模式的に示すように、ヒト(被検体)の指67が搭載される。表面領域R10の下には、後述の撮像装置D4(図19参照)が組み込まれる。尚、撮像装置D4は、液晶層75(図19参照)を有する。
【0152】
表示領域R20には、文字(時間、動作状態、着信相手名など)が表示される。表示領域R20の下には、液晶表示装置が組み込まれる。この液晶表示装置は、上部電極、液晶層、及び下部電極といった要素を含む一般的な液晶表示装置である。
【0153】
図17に模式的に示すように、表面領域R10の左右には複数の光源66が配置される。光源66は、生体認証に適した波長の光(橙色〜近赤外線の帯域(580nm〜1000nm、より好ましくは、600nm〜900nm)の光)を前方に向けて出射する。光源66は、例えば、半導体発光素子(LED(Light Emitting Diode))、又は半導体レーザ素子(LD(Laser Diode))といった半導体光素子である。
【0154】
携帯電話60に組み込まれる生体認証装置は、インターフェイス部分として生体情報取得装置を有する。この生体情報取得装置は、撮像装置D4、及び光源66を含んで構成される。
【0155】
図18に、携帯電話60の前面の構成を拡大して示す。図18に示すように、表面領域R10および表示領域R20は、液晶層が在る領域30内にある。本実施形態においては、表面領域R10下にある撮像装置D4に含まれる液晶層と、表示領域R20下にある液晶表示装置に含まれる液晶層とは、同層に位置し、同一の製造工程で製造される。
【0156】
表面領域R10下にある撮像装置D4と表示領域R20下にある液晶表示装置との部材を共通にすることによって、撮像装置D4を携帯電話60に組み込むことに要するコストを低減させることができる。なお、共通に使用される部材は、液晶層のほか、液晶層を挟持する偏光板、液晶層を挟持する透明基板、下部電極又は上部電極であっても良い。いずれの場合にも共通化された部材は、互いに同層に配置される。
【0157】
図19に、撮像装置D4の概略的な分解斜視図を示す。なお、上述のように撮像装置D4は、表面領域R10の下に配置され、かつ表示領域R20下の液晶表示装置と共通の工程によって製造される。また、図20に、撮像装置D4の概略的な断面構成を示す。
【0158】
図19及び20に示すように、撮像装置D4は、撮像素子72、偏光板73、電極層74、液晶層75、電極層76、偏光板77、及びバンドパスフィルタ78をこの順で備える。また、撮像装置D4は、図19に示すように、制御部81、記憶部82、及び電圧設定部83を備える。なお、電極層74、液晶層75、電極層76、及び電圧設定部83は調光部材を構成される。
【0159】
撮像素子72は、図21に模式的に示すように、2次元状に配置された複数の画素Pxを主面72aに有する。撮像素子72は、CCD(Charge Coupled Device)センサー、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、TFT(Thin Film Transistor)センサーといった一般的な撮像素子である。
【0160】
偏光板73は、特定の偏光成分の光を透過させる光学部材である。偏光板77も、偏光板73と同様に、特定の偏光成分の光を透過させる光学部材ある。
【0161】
電極層(下部電極)74は、導電性薄膜(ITO:Indium Tin Oxide)からなり、可視光〜近赤外の帯域の光に対して実質的に透明である。電極層(上部電極)76についても、電極層74と同様である。電極層74及び電極層76からなる一対の電極層間に電圧を印加することで、液晶層75には電界が印加される。液晶層75の液晶の配向状態は、電界が印加されることで制御される。なお、図19に示すように、電極層74は電源E1のアノードに接続され、電極層76は電圧設定部83を介して電源E1のカソードに接続される。
【0162】
バンドパスフィルタ78は、生体認証に適した波長の光(橙色〜近赤外線の帯域(580nm〜1000nm、より好ましくは、600nm〜900nm)の光)を選択的に通過させる。
【0163】
図20に示すように、電極層76は、単位電極76a〜76eから構成される。単位電極それぞれは、電圧設定部83に接続される。生体認証に用いる画像を取得する際、電圧設定部83は、各単位電極を予め設定された電圧に設定する。換言すると、単位電極夫々には、電圧設定部83で単位電極毎に設定された電圧が印加される。各単位電極に印加される電圧は、光源66に対する相対的な距離に応じて予め設定される。この点は、後述の説明から明らかになる。
【0164】
なお、図20に示すように、電極層74と電極層76間にはスペーサ8が配置される。スペーサ8によって電極層74と電極層76間に形成されたスペースに液晶層75は充填される。
【0165】
図19に示すように、撮像装置D4は、制御部81、記憶部82、及び電圧設定部83を有する。制御部81は、撮像素子72、電圧設定部83、及び記憶部82に接続される。電圧設定部83は、電極層76と電源E1間に接続される。尚、制御部81は、CPU(Central Processing Unit)である。記憶部82は、一時的にデータを保持することが機能なもの半導体メモリである。電圧設定部83は、電源E1から供給される電圧を電極層76に含まれる単位電極毎に設定する機能ブロック(機能回路)である。なお、制御部81、記憶部82、及び電圧設定部83は、通常、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)といった集積回路に組み込まれる。
【0166】
図22に、単位電極の配置態様を示す。図22に示すように、表面領域R10は、軸線(第1軸線)L1〜L4によって5分割され、単位領域Rd1〜Rd5が規定される。なお、単位領域は、表面領域が複数の軸線によって分割されることで規定される領域である。図22に示すように、軸線L1より下側に単位領域Rd1、軸線L1と軸線L2間に単位領域Rd2、軸線L2と軸線L3間に単位領域Rd3、軸線L3と軸線L4間に単位領域Rd4、及び軸線L4より上側に単位領域Rd5が形成される。
【0167】
電極層76を構成する単位電極76a〜76eは、各単位領域Rd1〜Rd5に対応して設けられる。つまり、単位電極76aは、単位領域Rd1に対応して設けられる。単位電極76bは、単位領域Rd2に対応して設けられる。単位電極76cは、単位領域Rd3に対応して設けられる。単位電極76dは、単位領域Rd4に対応して設けられる。単位電極76eは、単位領域Rd5に対応して設けられる。
【0168】
図22に示すように、複数の光源66が表面領域R10の周囲に配置される。単位領域Rd5の上側に2つの光源66a、56bが配置される。単位領域Rd1の下側に2つの光源66c、56dが配置される。光源66a、56bらの配列方向は、単位電極76a〜76eの長手方向と実質的に平行である。光源66c、56dも同様である。
【0169】
本実施形態においては、電圧設定部83は、生体認証に用いる画像を取得する際、単位電極76a〜76e夫々を所定の電圧に設定する。単位電極76a〜76eに印加される電圧は、単位電極夫々の光源66に対する相対的な距離に応じて設定される。これにより、撮像素子の画素が光源から入射する光によって飽和することが抑制され、撮像素子の有効画素領域を拡大させることができる。また、外乱光の強度に応じた電圧を単位電極夫々に印加させることによって、外乱光の強度が強い場所であっても良質な画像を取得し、生体認証の信頼性を確保することができる。尚、撮像素子72は、所定の光透過率に設定された単位領域を通過した光に基づいて表面領域R10に入力された像を撮像する。
【0170】
単位電極夫々の光源66に対する相対的な距離に加えて、外乱光の強度をも考慮することで、外乱光が重畳することによって部分的に許容範囲外の光が入射したとしても、取得する画像が部分的に劣化することも効果的に抑制される。なお、画像の劣化を抑制することは、許容範囲外の光が入射する単位領域の光透過率を低く設定することによって実現される。
【0171】
図23に、携帯電話60の生体認証の動作を説明するためのフローチャートを示す。非動作状態の携帯電話60の表面領域R10上に指67を載置すると、携帯電話60は、その生体認証機能を活性化させる(S1)。なお、指67が表面領域R10上に載置されたことを検出する機構は任意である。
【0172】
次に、生体認証機能の活性化に伴って携帯電話60内に組み込まれた生体情報取得装置は、電圧条件の設定をする(S2)。なお、電圧条件の設定の具体的内容については、図24を参照して後述する。
【0173】
次に、生体情報取得装置は、静脈パターンを取得する(S3)。指67の内部には静脈が在り、この静脈で検査光は吸収される。静脈以外の生体組織では検査光はあまり吸収されない。従って、指67からの透過光及び反射光に基づいて指67を撮像すると、静脈に対応する部分は黒くなり、静脈パターンを反映したパターンが写る。このような原理に基づいて、生体情報取得装置は、静脈パターンを撮像する。
【0174】
次に、生体認証装置は、取得した静脈パターン(取得パターン)が予め登録した静脈パターン(マスターパターン)に一致するのかを判定する(S4)。この判定は、生体認証装置に組み込まれた演算部が、所定のアルゴリズムに従って実行する。
【0175】
判定成功の場合には、携帯電話60は、携帯電話60の通常の機能を活性化させる(S5)。例えば、携帯電話60は、ロックモードを解除する。判定不成功の場合には、携帯電話60は、非動作状態を維持する。
【0176】
図24を参照して、上述の電圧条件の設定の動作について説明する。
【0177】
まず、生体情報取得装置は、検査光を生体部位に対して出射する(S1)。具体的には、光源66を駆動し、光源66から前方に検査光を出射させる。
【0178】
次に、生体情報取得装置は、画像を取得する(S2)。具体的には、表面領域R10を介して入力される像を撮像素子72で撮像する。
【0179】
次に、生体情報取得装置は、所定のアルゴリズムを実行し(S3)、画像情報に劣化があるのかどうかを検査する(S4)。具体的には、制御部81は、撮像素子72から出力された画像情報に対して所定のアルゴリズムを適用し、許容範囲外の強度の入射光によって撮像素子72の画素が飽和していないかを検査する。なお、アルゴリズムの具体的な内容は任意である。アルゴリズムを適用することで、所定範囲を超えて画素が飽和しているか、及びどの単位領域の画素が飽和しているか、を検査すると良い。
【0180】
画像情報に劣化がない場合、静脈パターンの取得を通常時の条件で行う。通常時の条件は、例えば、図25(a)に示すとおりである。
【0181】
画像情報に劣化がある場合、静脈パターンの取得を劣化時の条件で行う。劣化時の条件は、例えば、図25(b)に示すとおりである。
【0182】
なお、ここでは電圧印加に応じて液晶の光透過率が低下するノーマリホワイト方式が採用されている。液晶層75の液晶は、図26に示すように、印加電圧の増大に伴って相対光透過率が減少する。なお、液晶の光透過率分布には、印加電圧に応じて光透過率が急激に変化する有効範囲(図26の点線間の範囲)がある。
【0183】
図25(a)では、単位電極76a及び76eに対して電圧を印加している。単位電極76aは、単位電極76bと比較して光源66c、56d寄りに配置されているため、単位領域Rd1には、単位領域Rd2よりもより高強度の光が入射するおそれがあるためである。同様に、単位電極76eは、単位電極76dと比較して光源66a、56b寄りに配置されているため、単位領域Rd5には、単位領域Rd4よりもより高強度の光が入射するおそれがあるためである。このように設定することによって、光源66寄りの画素が飽和することが抑制される。
【0184】
図25(b)では、すべての単位電極76a〜76eに対して電圧を印加する。S3のアルゴリズムの適用の結果、S2で取得した画像の全域に亘って画質が劣化していたからである。換言すると、すべての画素で飽和していたからである。なお、この場合も、図25(a)と同様に、他の単位電極に比して、単位電極76a及び76eに対してより高い電圧を印加している。
【0185】
なお、劣化時の条件は、図25(b)に示したものに限定されず、画像の劣化の程度に応じて適宜設定されるものである。例えば、単位領域Rd1及びRd5に加えて単位領域Rd3の形成範囲に対応する画像が劣化していれば、単位電極76a及び76eに加えて単位電極76cに対して電圧3Vを印加すれば良い。また、印加電圧の具体的な値は、液晶材料の特性を考慮して適宜設定される。
【0186】
本実施形態においては、光源寄りの単位領域の光透過率を、光源からより離れた単位領域の光透過率よりも低く設定する。これによって、光源付近の画素が飽和することが抑制され、撮像素子の有効画素領域を拡大させることができる。これにより、生体情報取得装置の薄型化が図られる。
【0187】
これに加えて、単位領域毎の入射光強度に応じて、許容範囲を超える強度の光が入射する単位領域の光透過率を低減させることもできる。換言すると、取得した画像の劣化の程度に応じて、許容範囲を超える強度の光が入射する単位領域の光透過率を低減させることもできる。結果として、任意の場所で良質な画像を取得し、生体認証の信頼性を確保することができる。
【0188】
上述の説明から明らかなように、既存の液晶表示技術を活用して、単位領域毎の光透過率を設定することができる。単位電極に対する印加電圧を所定値に設定することで、単位領域の光透過率を所定値に設定することができる。従って、高精度に単位領域の光透過率を制御することで、より質の高い画像を取得することも可能である。
【0189】
屋外にて生体認証を実行する場合、太陽光由来の光も撮像素子72に入力される。光源66由来の光に太陽光が重畳されると、撮像素子72の各画素が飽和してしまう場合がある。撮像素子72の画素が部分的であっても飽和してしまうと、最終的に得られる画像が部分的に白く写ってしまい、静脈パターンを認識することが困難になってしまう。結果として生体認証の信頼性が失われてしまう。図25(b)のように電圧設定すれば、このような問題点は解消される。
【0190】
撮像装置D4は、撮像素子72上に液晶表示機構を積層させることで組み立てることができるため製造も容易である。
【0191】
本発明の技術的範囲は、上述の実施の形態に限定されない。調光部材の構成、及び調光部材の光透過率分布の設定方法は任意である。他の技術を活用して調光部材を実現しても良い。液晶技術を活用するほか、印加電圧に応じて光透過率が変化する電気光学結晶を活用しても良い。
【0192】
撮像素子の種類は任意である。TFTセンサーのほか、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor))を用いて撮像素子を実現しても良い。検査されるべき生体は指に限られず、生体の他の部分であっても構わない。レンズと画素PXとは1対1の関係にある必要はない。複数の画素PXに対して共通のレンズが配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】本発明の第1実施形態に係る生体情報取得デバイスD1の概略的な斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る生体情報取得デバイスD1の上面構成を示す概略的な模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る生体情報取得デバイスD1の断面構成を示す概略的な模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る生体情報取得デバイスD1の断面構成を示す概略的な模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る撮像素子の上面構成を説明するための概略的な模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るライトガイドの構成及び機能の説明図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るライトガイドに設定される区分を示す説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る生体情報取得モジュールM1の概略的な斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る生体認証装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る生体情報取得デバイスD2の概略的な斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る生体情報取得デバイスD2をみた概略的な説明図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る生体情報取得デバイスD2をみた概略的な説明図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る生体情報取得デバイスの構成を説明するための図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係る生体情報取得デバイスD3の概略的な斜視図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る生体情報取得デバイスD3の概略的な上面図である。
【図16】本発明の第5実施形態に係る携帯電話の構成を示す模式図である。
【図17】本発明の第5実施形態に係る携帯電話の前面の構成を示す模式図である。
【図18】本発明の第5実施形態に係る携帯電話の前面の構成を示す拡大模式図である。
【図19】本発明の第5実施形態に係る撮像装置の概略的な分解斜視図である。
【図20】本発明の第5実施形態に係る撮像装置の概略的な断面構成を示す模式図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係る撮像素子の前面の構成を説明するための模式図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係る単位電極の配置態様を示す模式図である。
【図23】本発明の第5実施形態に係る生体情報取得装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図24】本発明の第5実施形態に係る電圧設定に関する生体情報取得装置の動作を説明するためのフローチャートである
【図25】本発明の第5実施形態に係る電圧設定条件の具体例を示す表である。
【図26】本発明の第5実施形態に係る印加電圧に対する液晶の相対光透過率の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
【0194】
D1〜D3 生体情報取得デバイス
LEa〜LEd 光照射デバイス
1 TFTセンサー1
70 フィルタ部材
2a〜2d 遮光板
3a〜3d ライトガイド
4、5 発光ダイオード
8 スペーサ
9 反射面
10 溝
11 接着剤

30 配線基板
31 TFTセンサー
32 光チャネル分離層
33 マイクロレンズアレイ
34 バンドパスフィルタ
35 半導体集積回路
36 コネクタ
37 駆動回路
38 ワイヤー
39 貫通電極
40 遮光膜
41 透明層
42a ランド
42 透明層
43 レジスト層
50 透明基板
51 スペーサ層
52 レンズ

72 撮像素子
73 偏光板
74 電極層
75 液晶層
76 電極層
76a〜76e 単位電極
77 偏光板
78 バンドパスフィルタ
81 制御部
82 記憶部
83 電圧設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体部位に対する光照射に基づいて前記生体部位の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、
前記生体部位に照射されるべき光を出射する光源と、
複数の画素が1次元又は2次元状に配置された撮像素子と、
前記撮像素子上に配置されると共に、前記光源寄りの位置にある第1領域における光透過率が当該第1領域と比較して前記光源からより離れた位置にある第2領域の光透過率よりも低い調光部材と、
を備える、生体情報取得装置。
【請求項2】
前記調光部材は、板状の減光フィルタであることを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得装置。
【請求項3】
前記調光部材は、
液晶層と、
所定の電圧に設定される複数の単位電極を上部電極又は下部電極として前記液晶層を挟持する一対の電極層と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得装置。
【請求項4】
前記第1領域及び前記第2領域は、複数の前記単位電極のいずれかの形成範囲に対応することを特徴とする請求項3に記載の生体情報取得装置。
【請求項5】
前記第1領域に対応する前記単位電極に対する印加電圧値は、前記第2領域に対応する前記単位電極に対する印加電圧値とは異なることを特徴とする請求項4に記載の生体情報取得装置。
【請求項6】
所定の波長帯域の光を選択的に透過させるフィルタ部材を更に備え、
前記調光部材は、前記フィルタ部材に貼りあわされることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の生体情報取得装置。
【請求項7】
生体部位に対する光照射に基づいて前記生体部位の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、
前記生体部位に照射されるべき光を出射する半導体光素子と、
光入射面及び前記光出射面を有し、前記半導体光素子の出射光を前記光入射面から前記光出射面に案内するライトガイドと、
複数の画素が2次元状に配置された撮像素子と、
前記撮像素子上に配置されると共に、前記光源寄りの位置にある第1領域における光透過率が当該第1領域と比較して前記光源からより離れた位置にある第2領域の光透過率よりも低い調光部材と、
を備える、生体情報取得装置。
【請求項8】
少なくとも前記ライトガイドが載置される遮光部材と、を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の生体情報取得装置。
【請求項9】
前記遮光板の一端は、前記ライトガイドの前記光出射面よりも突出していることを特徴とする請求項7又は8に記載の生体情報取得装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の生体情報取得装置を含む移動体通信端末。
【請求項11】
生体部位に対する光照射に基づいて前記生体部位の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、
前記生体部位に照射されるべき光を出射する光源と、
前記生体部位からの透過光又は反射光が入力する表面領域と、
前記表面領域を介して入力する光を受光する複数の画素が配置された撮像素子と、
少なくとも前記表面領域の一部に配置され、前記撮像素子の前記画素への入射光量を低下させる調光部材と、
を備える生体情報取得装置。
【請求項12】
生体部位に対する光照射に基づいて前記生体部位の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、
前記生体部位に照射されるべき光を出射する光源と、
複数の画素が配置された主面を有する撮像素子と、
前記撮像素子上に配置され、複数の前記画素への入力光を前記主面上の面内の少なくとも一部で減光する調光部材と、
を備える生体情報取得装置。
【請求項13】
前記撮像素子は、複数の前記画素が配置された第1及び第2領域を有し、
前記調光部材は、少なくとも、前記第2領域よりも前記光源寄りに位置する前記第1領域上に配置される、生体情報取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−100898(P2009−100898A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274780(P2007−274780)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】