説明

生体情報測定装置とそれを用いた生体情報測定システム

【課題】 生体情報測定装置とそれを用いた生体情報測定システムに関するもので、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【解決手段】 この目的を達成するために、本体ケース1と、この本体ケース1内に設けた測定部と、バイオセンサが着脱自在に装着される前記測定部の測定端子2と、本体ケース1の測定端子2と対向する部分にバイオセンサ4の挿入口5とを設け、さらに、この挿入口5におけるバイオセンサの挿入方向奥側には、バイオセンサ4の先端を、測定端子2側に導く突起6を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、血糖値を測定する生体情報測定装置とそれを用いた生体情報測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の生体情報測定装置の構成は、以下のようなものとなっていた。即ち、本体ケースと、この本体ケース内に設けた測定部と、バイオセンサが着脱自在に装着される測定部の測定端子と、本体ケースのうち測定端子に対向する部分に設けられたバイオセンサの挿入口と、を有する構成となっていた。
【0003】
そして、挿入口から長方形板状のバイオセンサを挿入し、それにより、例えば血糖値を測定するようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】国際公開第2008/016137号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例における課題は、使い勝手が悪いということであった。即ち、バイオセンサは、長方形板状の本体と、この本体の先端部に設けた接続端子と、この本体の後端側に設けた検体収容部とを有し、まずは、接続端子を生体情報測定装置の本体ケースに設けた挿入口へ挿入し、次に、このバイオセンサの検体収容部に血液を点着収容させ、これにより、生体情報測定装置の測定部で血糖値の測定を行っていた。
【0005】
ここで、バイオセンサの本体は、上述の如く長方形板状となっており、これを挿入口に挿入する際に、斜めに挿入してしまった場合、このバイオセンサの接続端子を生体情報測定装置の測定端子に接続することが出来ず、使い勝手の悪いものであった。
【0006】
これは、バイオセンサの装着をし易い様に、挿入口をバイオセンサのサイズより大きくしていることにより、バイオセンサと挿入口との間に空間が生じるためである。
【0007】
特にバイオセンサは板状であるため、その板状の広い面に対向する面の空間が大きくなり、装着時に斜めに挿入する可能性がでてくることになる。
【0008】
そこで本発明は、上記の課題を考慮し、使い勝手を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために、本発明は、本体ケースと、この本体ケース内に設けた測定部と、この測定部の測定端子と、前記本体ケースの測定端子と対向する部分に設けられたバイオセンサの挿入口と、この挿入口の挿入奥側に、前記バイオセンサの先端を、前記測定端子側に導く突起を設け、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上の如く、本発明によれば、本体ケースに設けた挿入口の奥側には、バイオセンサの先端を、測定端子側に導く突起を設けたものであるので、バイオセンサを挿入する際に、斜めに挿入してしまった場合であっても、その先端の接続端子を生体情報測定装置の測定端子側へと突起により導くことが出来る。このため極めて使い勝手の良いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態として携帯型血糖値測定器に適用したものを、図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の生体情報測定装置の外観を示す斜視図である。図1で示す生体情報測定装置は、本体ケース1と、この本体ケース1内に設けた測定部(図示せず)、及びこの測定部の測定端子2(図2参照)と、本体ケース1の上面に設けた表示部3などを備えている。
【0013】
図2は、本体ケース1に設けられた挿入口5の周辺の断面を示す要部断面図である。図2において、前記本体ケース1内に設けられた測定端子2に対向する部分には、バイオセンサ4の挿入口5を設けており、この挿入口5の挿入奥側には、前記バイオセンサ4の先端を、前記測定端子2側に導く突起6を設けている。
【0014】
ここでは、挿入口5の入り口側(図2において、左方向からバイオセンサ4を挿入し、挿入口5の奥にあり測定部と接続されている測定端子2の場所まで差し入れることにより、バイオセンサ4に設けられた接続端子8(図3参照)と前記測定端子2が接触し、測定部とバイオセンサ4が電気的に接続される。これにより、バイオセンサを使用したグルコース濃度測定などの生体情報を測定することができる。
【0015】
次に、バイオセンサ4について、図3から図5を使用して説明する。図3は、バイオセンサ4の平面図、図4はバイオセンサ4の正面図であり、図5は図4の点線部分Vを拡大した要部の正面図である。
【0016】
バイオセンサ4は、図3から図5に示すように、長方形板状の本体7と、この本体7の先端部に設けた接続端子8と、この本体7の後端側に設けた検体収容部9とを有している。
ここで、接続端子8は、バイオセンサ4の検体収納部9に設けられている生体情報を測定するための検出電極(図示せず)を導出させたものである。この検出電極上には前記検体収納部9に導入された生体試料(例えば皮膚から採取された血液など)と電気化学的反応を起こす試薬(図示せず)が搭載されており、その試薬と生体試料との電気化学反応により発生した電気信号を前記検出電極で検出し、接続端子8及び測定端子2経由で、前記本体ケース1内部に設けた測定部に接続され、測定・検査が行なわれる。
【0017】
検出電極、接続端子8及び測定端子2はそれぞれ1つとは限らず複数の電極または端子から構成されている。バイオセンサ4の長方形板状の本体7は、図4及び図5に示すように、具体的には、上下の長方形板状体7a及び7bを貼りあわせて形成したものであり、上方(図4及び図5において、上側)の長方形板状体7aの長さを下方(図4及び図5において、下側)の長方形板状体7bの長さよりも短くすることで、前記接続端子8が上方側に表出している。また、この上方の長方形板状体7aの後端側を切り欠くことで、検体収容部9が形成されている(図3及び図4参照)。
【0018】
さて、このような構成となったバイオセンサ4を、図2のごとく、挿入口5からその先端側を挿入する。その状態の断面を拡大して示したのが図6であって、この場合、バイオセンサ4を挿入口5に対して斜めに挿入してしまっている(図6において、バイオセンサ4を構成する長方形板状の本体7が、水平より傾いて、左下から右上方向に挿入されている)。
【0019】
本実施形態においては、上述の如く、挿入口5の挿入奥側に突起6を設けており、この突起6は、この図6からも理解されるように、挿入口5の挿入奥側に向けて、開口が狭くなる方向(図6において、下方に)への傾斜部6aを有している。このため、斜めに挿入されたバイオセンサ4の先端は、まずは、この傾斜部6aに沿って下方へと導かれることとなる。
【0020】
そしてこのように、バイオセンサ4の先端が下方に導かれる状態を測定者が感じると、その状態で、測定者はバイオセンサ4を斜めに挿入していることに気付き、水平方向への挿入へと修正することになる。この結果、バイオセンサ4の接続端子8を生体情報測定装置の測定端子2にスムーズに接続することが出来る。
【0021】
また、この斜め挿入を気付かない測定者があったとしても、図6に示す如く、バイオセンサ4の接続端子8の後方に位置する上方の長方形体板状体7aの先端部が、突起6の傾斜部6aに当接することで、再びこのバイオセンサ4の先端は、下方へと導かれ、その結果として、最終的には、バイオセンサ4は水平に修正され、バイオセンサ4の接続端子8を生体情報測定装置の測定端子2にスムーズに接続することが出来る。
【0022】
ここで、突起6の傾斜部6aに当接する長方形板状体7aについて説明する。まず、この長方形板状体7aの先端部は、図5、図6からも理解されるように、下方に向けて垂下した状態となっている。また、突起6は、例えば、ABS樹脂で形成し、PETで形成されたバイオセンサ4の長方形板状体7aよりも硬い材質のもので形成されている。このため、バイオセンサ4が斜めの状態のまま挿入が継続された場合には、この長方形板状体7aの先端上部が、傾斜部6aに線状に当接するため非常に摩擦は少なく、滑るように下方へと導かれることになり、この結果として、バイオセンサ4の接続端子8を生体情報測定装置の測定端子2にスムーズに接触させることが出来るのである。
【0023】
なお、この上方の長方形板状体7aは、下方の長方形板状体7bよりも肉厚を厚くしており、従って、上記傾斜部6aに当接する位置が長方形板状体7a以外の部分より高くなるように、高さを十分に確保することにより、当接する部分は、前記傾斜部6aと長方形板状体7aの先端部のみの線状となり、前記長方板状体7a以外の部分は当接しなくなるため、接触摩擦抵抗も非常に小さいものとなり、それにより先端側を下方へと適切に導くことが出来るのである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上の如く、本発明は、バイオセンサの挿入口挿入奥側には、バイオセンサの先端を、測定端子側に導く突起を設けたものであるので、バイオセンサを挿入する際に、斜めに挿入してしまった場合であっても、その先端の接続端子を測定端子側へと突起により導くことが出来る。
【0025】
従って、極めて使い勝手の良いものとなるため、各種生体情報測定装置として、広く活用が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態の生体情報測定装置の外観斜視図
【図2】同、要部断面図
【図3】本発明の一実施形態に用いるバイオセンサの平面図
【図4】同、正面図
【図5】同、要部(図4のV部)要部拡大正面図
【図6】本発明の一実施形態の生体情報測定システムの要部拡大断面図
【符号の説明】
【0027】
1 本体ケース
2 測定端子
3 表示部
5 挿入口
6 突起
6a 傾斜部
4 バイオセンサ
7 同、長方形板状の本体
7a、7b 同、長方形板状体
8 同、接続端子
9 同、検体収容部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、
この本体ケース内に設けた測定部と、
バイオセンサが着脱自在に装着される、前記測定部の測定端子と、
前記本体ケースのうち、測定端子と対向する部分に設けられた、前記バイオセンサの挿入口と、を備え、
この挿入口における、前記バイオセンサの挿入方向の奥側には、前記バイオセンサの先端を、前記測定端子側に導く突起を設けた生体情報測定装置。
【請求項2】
前記突起は、挿入口の挿入方向の奥側に向けて、前記挿入口の開口が狭くなる方向への傾斜部を有する請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記突起は、バイオセンサの本体よりも硬くした請求項1または2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の生体情報測定装置と、
この生体情報測定装置の挿入口に、その先端部が挿入されるバイオセンサと、を備え、
前記バイオセンサは、長方形板状の本体と、
この本体の先端部に設けた接続端子と、
この本体の後端側に設けた検体収容部と、を有し、
前記バイオセンサの本体の接続端子後方側には、
生体情報測定装置の突起側に突出するカバーを設けた生体情報測定システム。
【請求項5】
カバーの先端側は、ほぼ直角に接続端子側に垂下させた請求項4に記載の生体情報測定システム。
【請求項6】
長方形板状の本体は、上下の長方形板状体により構成し、
上方の長方形板状体は、下方の長方形板状体よりも肉厚を厚くした請求項4または5に記載の生体情報測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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