生体情報測定装置
【課題】
被験者の日常生活活動である大便排泄時に排便量計測を行なうことによって、被験者に特別な動作的負担をかけずに摂取量や肥満度に関する生体情報指標を求めることが可能で、高い動作信頼性のある生体情報測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明による生体情報測定装置は、
被験者が大便を排泄する大便器と、
前記大便器に設置され前記大便の量を排便量として計測する排便量計測手段をと、
予め記憶された前記排便量と被験者の生体情報を表す生体情報指標との対応関係を記憶する生体情報指標算出データ記憶手段と、
前記対応関係に基いて計測された前記排便量から前記被験者の生体情報指標を推定する生体情報指標算出手段と、を有することを特徴とする。
被験者の日常生活活動である大便排泄時に排便量計測を行なうことによって、被験者に特別な動作的負担をかけずに摂取量や肥満度に関する生体情報指標を求めることが可能で、高い動作信頼性のある生体情報測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明による生体情報測定装置は、
被験者が大便を排泄する大便器と、
前記大便器に設置され前記大便の量を排便量として計測する排便量計測手段をと、
予め記憶された前記排便量と被験者の生体情報を表す生体情報指標との対応関係を記憶する生体情報指標算出データ記憶手段と、
前記対応関係に基いて計測された前記排便量から前記被験者の生体情報指標を推定する生体情報指標算出手段と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の生体情報を測定する生体情報測定装置に係り、特に排泄量から生体情報指標を推定する生体情報測定装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
健康志向の高まりを受けて、一般生活の中においても生体関連情報の測定が求められるようになってきた。例えば肥満を代表される生活習慣病の予防・改善を目的とした特定健康診査(特定健診)・特定保健指導が導入され、体重、体脂肪などの肥満度指標や摂取量に代表される摂取情報を把握し、これらの情報に基いて生活習慣を改善する取り組みが推進されている。肥満傾向は体重、ボディマスインデックス(BMI)、体脂肪率などの肥満度指標で判断される。これらの指標を一つの装置で測定できる技術が開発され(例えば特許文献1)商品化されている。
【0003】
一方、摂取情報の測定に関しては、摂取される食品をカメラで摂影して摂取量(カロリー)を把握する技術が開示されている(特許文献2)。また、別の技術では、摂取情報は、摂取情報入力手段によって入力することになっている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−128198号公報。
【特許文献2】特開2002−236755号公報
【特許文献3】WO2006/004049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の肥満度関連指標を測定する技術では、測定装置に接触する動作等、測定のためだけの特定の測定動作を被験者が行なうことが必要で、測定自体が日常生活の中で負担になるという問題がある。また、摂取食品を摂影または入力する従来の摂取情報計測手段は、被験者に煩雑な作業と負荷を強いるので、日常の生活の中で取り入れることが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、このような諸問題を解決し、被験者の日常生活活動である大便排泄時に排便量計測を行なうことによって、被験者に特別な動作的負担をかけずに摂取量や肥満度に関する生体情報指標を求めることが可能で、高い動作信頼性のある生体情報測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明による生体情報測定装置は、
被験者が大便を排泄する大便器と、
前記大便器に設置され前記大便の量を排便量として計測する排便量計測手段をと、
予め記憶された前記排便量と被験者の生体情報を表す生体情報指標との対応関係を記憶する生体情報指標算出データ記憶手段と、
前記対応関係に基いて計測された前記排便量から前記被験者の生体情報指標を推定する生体情報指標算出手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
好適な一実施形態に係る本発明の生体情報測定装置は、前記生体情報指標が被験者の摂取した食物の量に関する食物摂取量であることを特徴とする。
【0009】
好適な一実施形態に係る本発明の生体情報測定装置は、前記生体情報指標が被験者の肥満傾向を示す肥満度指標であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、日常生活において必ず発生するトイレにおける排便行為のついで、排泄される大便量の計測を通して、被験者の摂取量や肥満傾向に関する生体情報を推定するので、日々の測定が負担とならず継続したデータ蓄積ができ、長期的観察に基く健康管理や健康増進への取り組みが容易となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る生体情報測定装置を具備した着座式大便器を示す斜視図である。
【図2】本発明の生体情報測定装置の構成を示すブロック図である
【図3】排便量を測定した圧力センサの出力例を示すグラフである。
【図4】排便量と摂取量との相関データを例示する図である。
【図5】排便量と摂取量との相関データを例示する図である。
【図6】排便量とBMIとの相関を示すグラフのモデルである。
【図7】排便量とBMIとの相関データを例示する図である。
【図8】排便量と体脂肪率との相関を示すグラフのモデルである。
【図9】排便量と体脂肪率との相関データを例示する図である。
【図10】排便量と体重との相関を示すグラフのモデルである。
【図11】排便量と体重との相関データを例示する図である。
【図12】排便量と体重との相関データを例示する図である。
【図13】本発明の生体情報測定装置を使用した生体情報測定の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照にして、本発明の第一実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る生体情報測定装置を具備した着座式大便器を示す斜視図である。
【0013】
先ず、本実施形態に係る生体情報測定装置の概要について説明する。本実施形態に係る生体情報測定装置1は、使用者が便座12に着座して便鉢部13の貯溜水の中に排泄した排泄物を受けて下水に排出する着座式大便器10と、排便量から生体情報指標を推定する生体情報指標推定を含む各種機能が組み込まれた機能部8とを有する。機能部8は便座12の後部内に組み込まれている。便鉢部13の底辺部に水位測定手段である圧力センサ7が設けられている。機能部8では圧力センサ7で測定された排便時に伴う貯溜水の水位の変化から排便量を推定し、さらに排便量から生体情報指標を推定する。
【0014】
また、かかる着座式大便器10の設置された室内の横側壁には、着座式大便器10の各種操作及び生体情報測定装置1の操作を行うための操作表示部30が設置されている。操作表示部30には表示部28と、操作部29とが設けられている。この操作部29には、例えば測定開始ボタンや測定を強制的に終わらせる測定終了ボタンや複数の被験者毎に割り付けられる測定の開始及び終了のトリガーとなる個人認識ボタンなどが設けられている。
【0015】
圧力センサ7と機能部8とのデータ交換は結線により、また機能部8と操作表示部30とのデータ交換は赤外光により行っている。
【0016】
図2は本実施形態の生体情報測定装置の構成1を示すブロック図である。大きく分けると、圧力センサ、機能部、および操作表示部から構成されている。
圧力センサ7に使用される圧力センサとして、血圧計や気圧計などに使用されている汎用タイプのセンサを使用することができる。これらのセンサの測定原理としては、例えばシリコンウェハーに発生する圧力起因のゆがみ量をブリッジ回路で読み取るものや、静電容量を測定するものがある。
【0017】
機能部8は排便量算出手段80、生体情報指標算出手段82、生体情報指標算出データ記憶手段83を含む。
【0018】
操作部27からの測定開始操作等によって測定が開始されると、機能部8が測定開始信号を圧力センサ7に送信し圧力センサ7が作動し始めると、貯溜水の水位に応じた圧力センサの出力信号が得られる。得られた圧力センサの出力信号が機能部8の記憶部81に送られ、時系列的に記憶される。また、機能部8の測定終了信号によって圧力センサ7の作動が終了し、センサ出力信号の記録が終了する。
【0019】
続いて、排便量算出手段80では記憶部81に記憶されたセンサの出力信号を処理して排便量を算出する。算出された排便量データは記憶部81に記憶されるとともに、生体情報指標算出手段83に送信される。生体情報指標算出手段83では、受信された排便量データ、および生体情報指標算出データ記憶手段82に記憶されたいる生体情報指標算出データに基いて生体情報指標を推算し、得られた生体情報指標が表示部28で表示される。
【0020】
排便量算出手段80は、圧力センサ7の動作を制御する圧力センサ制御部、圧力センサ7からの出力値を記憶する第一記憶部、圧力センサの出力値を処理し、排便量を算出する排便量演算部、および排便量演算部における排便量演算に使用される排便量演算データを記憶する第二記憶部を含む。
【0021】
以下、図面を用いて排便量算出手段80によって排便量を算出する方法を具体的に説明する。排便量算出手段80の第一記憶部では圧力センサの出力を時間列的に記憶する。図3に示したグラフは、計測時間中の圧力センサ出力値の変化を表わした一例であり、縦軸に圧力センサ7から出力されるセンサ出力値(圧力)を、横軸に計測時間をとっている。図中に示すように、排便の貯溜水面へ落下する時の衝撃の影響で圧力センサ7の出力値が大きく変動するが、排便終了後安定した出力に落ち着いている。排便前と排便後の出力の差が排便による圧力変化ΔPとする。
【0022】
そして、排便量演算部では、この圧力変化ΔPと排便量との換算式(検量線)M=f(ΔP)に基づいて排便量Mを算出する。圧力変化ΔPと排便量との換算式のデータは予め別の測定等によって決定されており、排便量算出手段の第二記憶部に記憶されている。また、第二記憶部に記憶されている換算式のデータは、擬似便などを用いて現場での校正実施によって作成または修正することが可能となっている。
【0023】
なお、本実施形態で測定される排便量は体積単位(ml)であるが、使用者がより受け入れやすくするために、比重を1として重量単位(g)に換算している。人の排便の比重は摂取物の質などにより多少変動するが、組成の大半は水(70%以上が普通)であり、浮いたり沈んだりすることが経験上分かるように、水の比重から大きく乖離することが無い。
【0024】
次に、本実施形態における生体情報指標算出手段82および生体情報指標算出データ記憶手段83について、実施例を用いて詳しく説明する。
【0025】
本実施形態における生体情報指標として摂取物の摂取量とした。人体を一つの物質変換システムと看做し、排泄をアウトプットとすると、摂取はインプットとなる。本実施例はアウトプットである排泄量から、インプットである摂取量を推定するものである。
【0026】
生体情報指標算出手段82は、排便量算出手段80で得られた排便量のデータ信号を受信し、受信され排便量データを、生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データ、すなわち、排便量と摂取量との対応表(検量線)に基いて生体情報指標である摂取量を推定する。
【0027】
生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データは、本発明による装置で使用者の日々の排便量を測定し、同時に日々の摂取量を測定することによって排便量データと摂取量データを取得してから、両者の相関分析を実施することによって得られる。
【0028】
図4は使用者の一日当たりの平均排便量と一日あたりの平均摂取量をプロットした図である。一日当たりの平均排便量は試験期間(約4週間)における各被験者の合計排便量を試験日数で割った値であり、一日あたりの平均摂取量は同期間における摂取物(液体飲料を除く)の合計重量を試験日数で割った値である。
【0029】
図4に示すように、排便量と摂取量との間に良好な相関があることがわかる。すわわち、排便量から摂取量を推定できる。排便量は摂取量だけではなく、摂取物の種類、摂取者の体質や排便習慣など、多くの影響を受けることが考えられるが、一定期間の値を平均すると、これらの変動要因による影響がある程度除去され、結果的に排便量と摂取量との間にこのような良好な相関関係が成立するものと推測される。
【0030】
図4に基いて排便量から摂取量を推定する検量線(近似式)を決定し、検量線に基いて両者の対応データを表に作成して生体情報指標算出データ記憶手段83記憶させておく。本実施例では、生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されているデータは異なった使用者のデータに基いたものなので、使用者は本発明の装置によって得られた摂取量データから、自身の摂取量が平均水準に比べて多いのかまたは少ないのかを判断する目安として利用できる。
【0031】
排便量から摂取量を推定する別の実施例として、複数の使用者の一定期間における平均値に基いて推定するかわりに、一人の使用者に対して日々の排便量と日々の摂取量との相関データを取得し、得られたデータを同様に相関分析して近似式を出して生体情報指標算出データとすることもできる。図5にその一例を示す。横軸は、ある使用者の排便量を3日間移動平均処理した値であり、縦軸は排便前日までの摂取量の3日間移動平均である。
【0032】
図5から分かるように、両者から強い相関関係が成立している。3日移動平均としたのは、摂取物を消化した後の残渣が一日で排出するわけではなく、2−3日間の滞留期間がありえることを考慮したものである。また、前日までの摂取物の移動平均としたのは、摂取物の大半は最低12時間以上の滞在時間があることを考慮し、排便量から前日の摂取量を推定するのに適しているからである。
【0033】
図5のデータから排便量と摂取量との相関関係を求め、その結果から排便量(3日移動平均)と摂取量(前日までの3日移動平均)との対応表を生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶させておくによって、使用者の日々の排便量から摂取量が推定できる。すなわち、生体情報指標算出データ記憶手段83には、以上のように事前の測定に基いて決定された検量線データ、すなわち排便量の3日移動平均と前日までの摂取量の3日間移動平均との対応データが、摂取量算出データとして記憶されている。生体情報指標算出手段82が排便量算出手段80から排便量を受信するたびに、生体情報指標算出データ記憶手段83にアクセスし、生体情報指標(本実施例では前日までの3日間の平均摂取量)算出データを読み出して排便量から摂取量を算出する。
【0034】
算出された摂取量は表示部に送信して表示し使用者に報知する。同時に機能部8に排便時刻とともに記憶する。したがって、本実施例の装置からは、前日までの3日間の平均の食物摂取量が分かる。さらに、データを例えば、表示部に時系列的にグラフ形式で表示することで、摂取量の日々の変動およびそのトレンドが分かる。
【0035】
また、3日間移動平均処理データの代わりに、例えば、5日移動平均処理したデータを用いてもよい。
【0036】
つづいて本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態では、生体情報指標として肥満傾向を示す肥満度指標とした点が第一実施形態と異なるが、装置構成は図2に示す第一実施形態と同様であり、生体情報指標算出手段82および生体情報指標算出データ記憶手段83のみ異なるので、以下生体情報指標算出手段82および生体情報指標算出データ記憶手段83についてのみ説明する。
【0037】
ここでは、本実施形態が対象とする生体情報指標である肥満度指標の例として3種類の実施例を用いて説明する。
【0038】
(第1の実施例)
本実施例における肥満度指標はボディマスインデックス(BMI)であり、機能部8の生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データが排便量とBMIとの対応データである点について第一実施形態と異なる。BMIはよく認知されており、男女の別なく同じ基準で利用できるので、肥満度指標として好ましい。ここで生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている排便量とBMIとの対応データについて説明する。
【0039】
図6は排便量とBMIとの相関を示すグラフ、すなわち排便量からBMIを算出する検量線のモデルである。この検量線は、以下の手順によって求めることができる。
【0040】
まず、複数の人に対して本発明による装置で排便量を一定期間(本実施例では4週間)測定し、そのデータを平均化処理してそれぞれの人の排便量として取得し、同時に測定期間における体重を測定し、得られた体重データを平均処理してからBMIを周知の方法(BMI=体重/(身長*身長))に基いてを算出する。次に両データをプロットして、相関分析を行うことで検量線を求める。
【0041】
図7にはその一例を示す。図7に示すように、排便量とBMIとの間に強い相関があることがわかる。その理由として、排便量は摂取された食品の内、消化を逃れた老廃物を主成分とするので、その量が摂取量に正比例する。一方、摂取量が多い人ほど、過摂取によってエネルギーが体内に蓄積され、結果的に肥満傾向、すなわちBMIが高くなることが考えられる。
【0042】
以上のことから、排便時に排便量を測定することによって肥満度指標であるBMIを推定することができることが判る。
【0043】
生体情報指標算出データ記憶手段83には、以上のように事前の測定に基いて決定された検量線データ、すなわち排便量とBMIとの対応データが、BMI算出データとして記憶されている。生体情報指標算出手段82が排便量算出手段80から排便量を受信するたびに、生体情報指標算出データ記憶手段83にアクセスし、BMI算出データを読み出して排便量からBMIを算出する。
【0044】
算出されたBMIデータは表示部29に送信して表示し使用者に報知する。同時に結果を排便時刻とともに機能部8に記憶する。なお、BMIが日々大きく変動することが少ないことを考慮し、測定するたびのデータを報知するのではなく、一定期間内のデータを平均処理して報知する、或いは明らかに変化が認められた、すなわち新しいトレンドが見られた場合に報知することができる。
【0045】
本実施例では、排便量とBMIとの対応関係を求めるデータについて、男女などの属性を考慮していないが、属性別、すなわち男女別、さらに年齢を区間で区切った年齢別(例えば、20−30歳代、40−50歳代、60歳代以上)などのデータに基いて求めても良い。この場合、装置には使用者属性取得機能を備えている。属性取得する手段として使用者の入力操作や生体認識手段などが例として挙げられる。
【0046】
(第2の実施例)
次に、本実施形態における第2の実施例について説明する。
本実施例における生体情報指標が体脂肪率であり、機能部8の生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データが排便量と体脂肪率との対応データである点について本実施形態における第1の実施例と異なる。
【0047】
体脂肪率は、健康診断項目の一つとして最近普及・認知されており、また、BMIのように、骨太体格や筋肉体質などにより肥満ではない人も肥満傾向と誤判断される可能性が低く肥満度指標としてより好ましい。ここで生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている排便量と体脂肪率との対応データについて説明する。
【0048】
図8は排便量と体脂肪率との相関を示すグラフ、すなわち排便量から体脂肪率を算出する検量線のモデルである。この検量線は、以下の手順によって求めることができる。
【0049】
まず、前記本実施形態における第1の実施例と同様に、複数の人に対して本発明による装置で排便時に併発される排便量を一定期間(本実施例では4週間)測定し、そのデータを平均化処理してそれぞれの人の排便量として取得し、同時に測定期間における体脂肪率を別の測定手段、例えば市販の体組成計で測定し、得られた体脂肪率データを平均処理してそれぞれの人の体脂肪率として取得する。次に両データをプロットして、相関分析を行うことで検量線を求める。
【0050】
図9はその一例である。図9に示すように、排便量と体脂肪率との間に強い相関があることがわかる。その理由はかならずしも明確になってないが、上記実施例3のBMIの場合と同様な理由が考えられる。
【0051】
生体情報指標算出データ記憶手段83には、以上のように事前の測定に基いて決定された検量線データ、すなわち排便量と体脂肪率との対応データが、排便量算出データとして記憶されている。生体情報指標算出手段82が排便量算出手段80から排便量を受信するたびに、生体情報指標算出データ記憶手段83にアクセスし、体脂肪率算出データを読み出して排便量から体脂肪率を算出する。
【0052】
なお、体脂肪率に関しては属性、特に性別によって異なるので、本実施例においては、排便量から体脂肪率を推定する検量線は属性別で作成することが望ましい。すなわち、生体情報指標算出データ記憶手段83には属性別の対応データが記憶されており、装置が使用者の属性を認識または事前登録することで使用者の属性を識別し、識別さらた属性に応じてが生体情報指標算出手段82が生体情報指標算出データ記憶手段83から検量線データを選択して読み出して、排便量から体脂肪率を算出する。図9に示す例は男性のデータに基いた相関図である。
【0053】
算出された体脂肪率は表示部29に送信して表示することで使用者に報知する。同時に結果を排便時刻とともに機能部8に記憶する。なお、体脂肪率が日々大きく変動することが少ないことを考慮し、測定するたびのデータを報知するのではなく、一定期間内のデータを平均処理して報知する、或いは明らかに変化が認められた、すなわち新しいトレンドが見られた場合に表示し報知することができる。
【0054】
(第3の実施例)
次に、本実施形態における第3の実施例について説明する。
本実施例における生体情報指標は体重であり、機能部8の生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データが排便量と体重との対応データである点について異なる。体重は、もっとも分かりやすい身体状態指標であり、体重およびその変化を把握することが健康管理において重要である。ここで生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている排便量と体脂肪率との対応データについて説明する。
【0055】
図10は30−40歳代の男性の排便量と体重との相関を示すグラフ、すなわち排便量から体脂肪率を算出する検量線のモデルである。この検量線は、以下の手順によって求めることができる。
【0056】
まず、前記本実施形態における第2の実施例と同様に、複数の人に対して本発明による装置で排便時に併発される排便量を一定期間(本実施例では4週間)測定し、そのデータを平均化処理してそれぞれの人の排便量として取得し、同時に測定期間における体重を別の測定手段、例えば市販の体重計で測定し、得られた体重データを平均処理してそれぞれの人の体重として取得する。次に両データをプロットして、相関分析を行うことで検量線を求める。
図11はその一例である。図11に示すように、排便量と体重との間に強い相関があることがわかる。その理由はとして、上記本実施形態における第1の実施例のBMIの場合と同様なことが考えられる。
【0057】
生体情報指標算出データ記憶手段83には、以上のように事前の測定に基いて決定された検量線データ、すなわち排便量と体重との対応データが、体重算出データとして記憶されている。生体情報指標算出手段82が排便量算出手段80から排便量を受信するたびに、生体情報指標算出データ記憶手段83にアクセスし、体重算出データを読み出して排便量から体重を算出する。
【0058】
なお、体重に関しては属性、特に性別によって異なるので、本実施例においては、排便量から体脂肪率を推定する検量線は属性別で作成することが望ましい。すなわち、生体情報指標算出データ記憶手段83には属性別の対応データが記憶されており、装置が使用者の属性を認識または事前登録することで使用者の属性を識別し、識別さらた属性に応じてが生体情報指標算出手段82が生体情報指標算出データ記憶手段83から検量線データを選択して読み出して、排便量から体重を算出する。図11に示す例は30−40歳台の男性のデータに基いた相関図である。
【0059】
算出された体重は表示部に送信して表示部に表示する。同時に結果を排便時刻とともに機能部に記憶する。なお、体重が日々大きく変動することが少ないことを考慮し、測定するたびのデータを報知するのではなく、一定期間内のデータを平均処理して報知する、或いは明らかに変化が認められた、すなわち新しいトレンドが見られた場合に表示し報知することができる。
【0060】
また、属性別の排便量と体重の平均データの代わりに、生体情報指標算出データ記憶手段83に、ある特定の使用者の排便量と体重との相関データから得られた検量線に基く対応データを記憶させることもできる。図12はその一例である。図12はある40歳台の男性における、排便量(5日間移動平均)と3日後の体重との相関を示す図である。バラツキがあるものの、両者間に良好な相関関係が確認された。その理由として、排便量が摂取量を反映するので、排便量が多い時は摂取量も多く、摂取量が多い日が続くと太っていく傾向になるので、数日後の体重も増える(現象の場合も同じ)ことが考えられる。
【0061】
このような相関関係に基くデータを生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶させておくと、排便量の変化から、数日後の体重変化を予測することができる。すなわち、本実施例においては、排便量の測定から体重変化の可能性を使用者に報知し、食生活の改善など、健康増進の一助にすることができる。また、ダイエット中の場合、ダイエットの効果確認に使用することができる。
【0062】
以上、生体情報指標である肥満度指標として、BMI、体脂肪率、体重を例として本実施形態について説明したが、他の指標、例えば腹囲、内蔵脂肪割合などを指標としてもよい。これらの指標を使用した場合、装置の構成は上記実施例と同様であり、生体情報指標算出手段82が利用する、生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データが異なる。
【0063】
最後に、本発明よる第一および第二の実施形態の生体情報測定装置を使用した生体情報指標を測定する手順を例示して説明する。
【0064】
図13は、本発明の生体情報測定装置を洋式便器に付設された衛生洗浄便座装置に内蔵して使用する生体情報測定方法法の手順を示す一例である。生体情報測定装置の測定対象者となる使用者(以後、「被験者」と呼ぶ。)の動作を左側に便座装置が行う処理(健康状態測定装置の処理を含む)を右側に別けて表示した。
【0065】
まず被験者が入室すると人体検知センサによって入室が検知され、機能部8によって圧力センサ7が起動される。人体検知センサを使わない場合には、被験者が生体情報の電源を手動で入れてもよい。
【0066】
被験者が着座すると着座センサが着座を検知し、機能部8によって圧力センサ7が作動を開始する。測定開始ボタン操作によって被験者の属性情報を取得する。なお、被験者の属性情報取得はボタン操作によらず人体認識機能によって行ってもよい。
【0067】
被験者が排便を開始し終了するまで、圧力センサ7は一定時間、たとえば1秒おきに圧力データを出力し、それらを機能部8に書き込む。
【0068】
排便終了後、被験者が人体洗浄を開始する。このとき、洗浄ボタンと連動させて圧力センサ7の記録を終了させる。排便終了時の時間とその時の圧力センサ7の検知データが記憶される。なお、洗浄ボタンと連動させずに被験者が手動で記憶終了させる形式としてもよい。さらに、排便前または排便中に洗浄ボタンが使われるケースを防止するため、手動記憶終了操作(すなわち排便終了操作)を行うまで洗浄ボタン操作を無効にすることもできる。
【0069】
次に、機能部8の排便量算出手段80では測定開始時刻付近および測定終了時刻の圧力センサ7の出力信号値を検索し、それぞれの値(例えば3点平均)を測定前、および測定後のデータとして、そして両者の差を圧力センサの出力値(ΔP)として記録し、さらにΔPから排便量を算出する。
【0070】
続いて生体情報指標算出手段82では生体情報指標を推定する。算出した生体情報指標値は機能部8に書き込み、同時に結果を被験者に表示部10等により報知する。
【0071】
なお、生体情報指標算出手段82は一つの生体情報指標を算出するか、複数の生体情報指標を算出するか、被験者の操作部29に対する操作によって選択することができる。または、被験者が事前に登録して置くこともできる。
被験者が離座し退室すると人体検知センサによって退室が検知されその信号が機能部8の圧力センサ制御部に送られ圧力センサ7の電源が切られる。
【0072】
以上本発明の実施形態を、実施例に基いて説明した。他の実施形態、例えば排便量測定手段として圧力センサの代わりに、イメージセンサ、変位センサ、または測長センサなどを利用し、サイズや体積を測定することで排便量を算出することが例として挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は健康管理装置、および住宅関連設備、特にトイレ関連設備に関する分野の産業に利用できる。
【符号の説明】
【0074】
1…生体情報測定装置
7…圧力センサ
8…機能部
10…着座式大便器
12…便座
13…便鉢部
28…表示部
29…操作部
30…操作表示部
80…排便量算出手段
81…記憶部
82…生体情報指標算出手段
83…生体情報指標算出データ記憶手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の生体情報を測定する生体情報測定装置に係り、特に排泄量から生体情報指標を推定する生体情報測定装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
健康志向の高まりを受けて、一般生活の中においても生体関連情報の測定が求められるようになってきた。例えば肥満を代表される生活習慣病の予防・改善を目的とした特定健康診査(特定健診)・特定保健指導が導入され、体重、体脂肪などの肥満度指標や摂取量に代表される摂取情報を把握し、これらの情報に基いて生活習慣を改善する取り組みが推進されている。肥満傾向は体重、ボディマスインデックス(BMI)、体脂肪率などの肥満度指標で判断される。これらの指標を一つの装置で測定できる技術が開発され(例えば特許文献1)商品化されている。
【0003】
一方、摂取情報の測定に関しては、摂取される食品をカメラで摂影して摂取量(カロリー)を把握する技術が開示されている(特許文献2)。また、別の技術では、摂取情報は、摂取情報入力手段によって入力することになっている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−128198号公報。
【特許文献2】特開2002−236755号公報
【特許文献3】WO2006/004049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の肥満度関連指標を測定する技術では、測定装置に接触する動作等、測定のためだけの特定の測定動作を被験者が行なうことが必要で、測定自体が日常生活の中で負担になるという問題がある。また、摂取食品を摂影または入力する従来の摂取情報計測手段は、被験者に煩雑な作業と負荷を強いるので、日常の生活の中で取り入れることが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、このような諸問題を解決し、被験者の日常生活活動である大便排泄時に排便量計測を行なうことによって、被験者に特別な動作的負担をかけずに摂取量や肥満度に関する生体情報指標を求めることが可能で、高い動作信頼性のある生体情報測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明による生体情報測定装置は、
被験者が大便を排泄する大便器と、
前記大便器に設置され前記大便の量を排便量として計測する排便量計測手段をと、
予め記憶された前記排便量と被験者の生体情報を表す生体情報指標との対応関係を記憶する生体情報指標算出データ記憶手段と、
前記対応関係に基いて計測された前記排便量から前記被験者の生体情報指標を推定する生体情報指標算出手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
好適な一実施形態に係る本発明の生体情報測定装置は、前記生体情報指標が被験者の摂取した食物の量に関する食物摂取量であることを特徴とする。
【0009】
好適な一実施形態に係る本発明の生体情報測定装置は、前記生体情報指標が被験者の肥満傾向を示す肥満度指標であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、日常生活において必ず発生するトイレにおける排便行為のついで、排泄される大便量の計測を通して、被験者の摂取量や肥満傾向に関する生体情報を推定するので、日々の測定が負担とならず継続したデータ蓄積ができ、長期的観察に基く健康管理や健康増進への取り組みが容易となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る生体情報測定装置を具備した着座式大便器を示す斜視図である。
【図2】本発明の生体情報測定装置の構成を示すブロック図である
【図3】排便量を測定した圧力センサの出力例を示すグラフである。
【図4】排便量と摂取量との相関データを例示する図である。
【図5】排便量と摂取量との相関データを例示する図である。
【図6】排便量とBMIとの相関を示すグラフのモデルである。
【図7】排便量とBMIとの相関データを例示する図である。
【図8】排便量と体脂肪率との相関を示すグラフのモデルである。
【図9】排便量と体脂肪率との相関データを例示する図である。
【図10】排便量と体重との相関を示すグラフのモデルである。
【図11】排便量と体重との相関データを例示する図である。
【図12】排便量と体重との相関データを例示する図である。
【図13】本発明の生体情報測定装置を使用した生体情報測定の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照にして、本発明の第一実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る生体情報測定装置を具備した着座式大便器を示す斜視図である。
【0013】
先ず、本実施形態に係る生体情報測定装置の概要について説明する。本実施形態に係る生体情報測定装置1は、使用者が便座12に着座して便鉢部13の貯溜水の中に排泄した排泄物を受けて下水に排出する着座式大便器10と、排便量から生体情報指標を推定する生体情報指標推定を含む各種機能が組み込まれた機能部8とを有する。機能部8は便座12の後部内に組み込まれている。便鉢部13の底辺部に水位測定手段である圧力センサ7が設けられている。機能部8では圧力センサ7で測定された排便時に伴う貯溜水の水位の変化から排便量を推定し、さらに排便量から生体情報指標を推定する。
【0014】
また、かかる着座式大便器10の設置された室内の横側壁には、着座式大便器10の各種操作及び生体情報測定装置1の操作を行うための操作表示部30が設置されている。操作表示部30には表示部28と、操作部29とが設けられている。この操作部29には、例えば測定開始ボタンや測定を強制的に終わらせる測定終了ボタンや複数の被験者毎に割り付けられる測定の開始及び終了のトリガーとなる個人認識ボタンなどが設けられている。
【0015】
圧力センサ7と機能部8とのデータ交換は結線により、また機能部8と操作表示部30とのデータ交換は赤外光により行っている。
【0016】
図2は本実施形態の生体情報測定装置の構成1を示すブロック図である。大きく分けると、圧力センサ、機能部、および操作表示部から構成されている。
圧力センサ7に使用される圧力センサとして、血圧計や気圧計などに使用されている汎用タイプのセンサを使用することができる。これらのセンサの測定原理としては、例えばシリコンウェハーに発生する圧力起因のゆがみ量をブリッジ回路で読み取るものや、静電容量を測定するものがある。
【0017】
機能部8は排便量算出手段80、生体情報指標算出手段82、生体情報指標算出データ記憶手段83を含む。
【0018】
操作部27からの測定開始操作等によって測定が開始されると、機能部8が測定開始信号を圧力センサ7に送信し圧力センサ7が作動し始めると、貯溜水の水位に応じた圧力センサの出力信号が得られる。得られた圧力センサの出力信号が機能部8の記憶部81に送られ、時系列的に記憶される。また、機能部8の測定終了信号によって圧力センサ7の作動が終了し、センサ出力信号の記録が終了する。
【0019】
続いて、排便量算出手段80では記憶部81に記憶されたセンサの出力信号を処理して排便量を算出する。算出された排便量データは記憶部81に記憶されるとともに、生体情報指標算出手段83に送信される。生体情報指標算出手段83では、受信された排便量データ、および生体情報指標算出データ記憶手段82に記憶されたいる生体情報指標算出データに基いて生体情報指標を推算し、得られた生体情報指標が表示部28で表示される。
【0020】
排便量算出手段80は、圧力センサ7の動作を制御する圧力センサ制御部、圧力センサ7からの出力値を記憶する第一記憶部、圧力センサの出力値を処理し、排便量を算出する排便量演算部、および排便量演算部における排便量演算に使用される排便量演算データを記憶する第二記憶部を含む。
【0021】
以下、図面を用いて排便量算出手段80によって排便量を算出する方法を具体的に説明する。排便量算出手段80の第一記憶部では圧力センサの出力を時間列的に記憶する。図3に示したグラフは、計測時間中の圧力センサ出力値の変化を表わした一例であり、縦軸に圧力センサ7から出力されるセンサ出力値(圧力)を、横軸に計測時間をとっている。図中に示すように、排便の貯溜水面へ落下する時の衝撃の影響で圧力センサ7の出力値が大きく変動するが、排便終了後安定した出力に落ち着いている。排便前と排便後の出力の差が排便による圧力変化ΔPとする。
【0022】
そして、排便量演算部では、この圧力変化ΔPと排便量との換算式(検量線)M=f(ΔP)に基づいて排便量Mを算出する。圧力変化ΔPと排便量との換算式のデータは予め別の測定等によって決定されており、排便量算出手段の第二記憶部に記憶されている。また、第二記憶部に記憶されている換算式のデータは、擬似便などを用いて現場での校正実施によって作成または修正することが可能となっている。
【0023】
なお、本実施形態で測定される排便量は体積単位(ml)であるが、使用者がより受け入れやすくするために、比重を1として重量単位(g)に換算している。人の排便の比重は摂取物の質などにより多少変動するが、組成の大半は水(70%以上が普通)であり、浮いたり沈んだりすることが経験上分かるように、水の比重から大きく乖離することが無い。
【0024】
次に、本実施形態における生体情報指標算出手段82および生体情報指標算出データ記憶手段83について、実施例を用いて詳しく説明する。
【0025】
本実施形態における生体情報指標として摂取物の摂取量とした。人体を一つの物質変換システムと看做し、排泄をアウトプットとすると、摂取はインプットとなる。本実施例はアウトプットである排泄量から、インプットである摂取量を推定するものである。
【0026】
生体情報指標算出手段82は、排便量算出手段80で得られた排便量のデータ信号を受信し、受信され排便量データを、生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データ、すなわち、排便量と摂取量との対応表(検量線)に基いて生体情報指標である摂取量を推定する。
【0027】
生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データは、本発明による装置で使用者の日々の排便量を測定し、同時に日々の摂取量を測定することによって排便量データと摂取量データを取得してから、両者の相関分析を実施することによって得られる。
【0028】
図4は使用者の一日当たりの平均排便量と一日あたりの平均摂取量をプロットした図である。一日当たりの平均排便量は試験期間(約4週間)における各被験者の合計排便量を試験日数で割った値であり、一日あたりの平均摂取量は同期間における摂取物(液体飲料を除く)の合計重量を試験日数で割った値である。
【0029】
図4に示すように、排便量と摂取量との間に良好な相関があることがわかる。すわわち、排便量から摂取量を推定できる。排便量は摂取量だけではなく、摂取物の種類、摂取者の体質や排便習慣など、多くの影響を受けることが考えられるが、一定期間の値を平均すると、これらの変動要因による影響がある程度除去され、結果的に排便量と摂取量との間にこのような良好な相関関係が成立するものと推測される。
【0030】
図4に基いて排便量から摂取量を推定する検量線(近似式)を決定し、検量線に基いて両者の対応データを表に作成して生体情報指標算出データ記憶手段83記憶させておく。本実施例では、生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されているデータは異なった使用者のデータに基いたものなので、使用者は本発明の装置によって得られた摂取量データから、自身の摂取量が平均水準に比べて多いのかまたは少ないのかを判断する目安として利用できる。
【0031】
排便量から摂取量を推定する別の実施例として、複数の使用者の一定期間における平均値に基いて推定するかわりに、一人の使用者に対して日々の排便量と日々の摂取量との相関データを取得し、得られたデータを同様に相関分析して近似式を出して生体情報指標算出データとすることもできる。図5にその一例を示す。横軸は、ある使用者の排便量を3日間移動平均処理した値であり、縦軸は排便前日までの摂取量の3日間移動平均である。
【0032】
図5から分かるように、両者から強い相関関係が成立している。3日移動平均としたのは、摂取物を消化した後の残渣が一日で排出するわけではなく、2−3日間の滞留期間がありえることを考慮したものである。また、前日までの摂取物の移動平均としたのは、摂取物の大半は最低12時間以上の滞在時間があることを考慮し、排便量から前日の摂取量を推定するのに適しているからである。
【0033】
図5のデータから排便量と摂取量との相関関係を求め、その結果から排便量(3日移動平均)と摂取量(前日までの3日移動平均)との対応表を生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶させておくによって、使用者の日々の排便量から摂取量が推定できる。すなわち、生体情報指標算出データ記憶手段83には、以上のように事前の測定に基いて決定された検量線データ、すなわち排便量の3日移動平均と前日までの摂取量の3日間移動平均との対応データが、摂取量算出データとして記憶されている。生体情報指標算出手段82が排便量算出手段80から排便量を受信するたびに、生体情報指標算出データ記憶手段83にアクセスし、生体情報指標(本実施例では前日までの3日間の平均摂取量)算出データを読み出して排便量から摂取量を算出する。
【0034】
算出された摂取量は表示部に送信して表示し使用者に報知する。同時に機能部8に排便時刻とともに記憶する。したがって、本実施例の装置からは、前日までの3日間の平均の食物摂取量が分かる。さらに、データを例えば、表示部に時系列的にグラフ形式で表示することで、摂取量の日々の変動およびそのトレンドが分かる。
【0035】
また、3日間移動平均処理データの代わりに、例えば、5日移動平均処理したデータを用いてもよい。
【0036】
つづいて本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態では、生体情報指標として肥満傾向を示す肥満度指標とした点が第一実施形態と異なるが、装置構成は図2に示す第一実施形態と同様であり、生体情報指標算出手段82および生体情報指標算出データ記憶手段83のみ異なるので、以下生体情報指標算出手段82および生体情報指標算出データ記憶手段83についてのみ説明する。
【0037】
ここでは、本実施形態が対象とする生体情報指標である肥満度指標の例として3種類の実施例を用いて説明する。
【0038】
(第1の実施例)
本実施例における肥満度指標はボディマスインデックス(BMI)であり、機能部8の生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データが排便量とBMIとの対応データである点について第一実施形態と異なる。BMIはよく認知されており、男女の別なく同じ基準で利用できるので、肥満度指標として好ましい。ここで生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている排便量とBMIとの対応データについて説明する。
【0039】
図6は排便量とBMIとの相関を示すグラフ、すなわち排便量からBMIを算出する検量線のモデルである。この検量線は、以下の手順によって求めることができる。
【0040】
まず、複数の人に対して本発明による装置で排便量を一定期間(本実施例では4週間)測定し、そのデータを平均化処理してそれぞれの人の排便量として取得し、同時に測定期間における体重を測定し、得られた体重データを平均処理してからBMIを周知の方法(BMI=体重/(身長*身長))に基いてを算出する。次に両データをプロットして、相関分析を行うことで検量線を求める。
【0041】
図7にはその一例を示す。図7に示すように、排便量とBMIとの間に強い相関があることがわかる。その理由として、排便量は摂取された食品の内、消化を逃れた老廃物を主成分とするので、その量が摂取量に正比例する。一方、摂取量が多い人ほど、過摂取によってエネルギーが体内に蓄積され、結果的に肥満傾向、すなわちBMIが高くなることが考えられる。
【0042】
以上のことから、排便時に排便量を測定することによって肥満度指標であるBMIを推定することができることが判る。
【0043】
生体情報指標算出データ記憶手段83には、以上のように事前の測定に基いて決定された検量線データ、すなわち排便量とBMIとの対応データが、BMI算出データとして記憶されている。生体情報指標算出手段82が排便量算出手段80から排便量を受信するたびに、生体情報指標算出データ記憶手段83にアクセスし、BMI算出データを読み出して排便量からBMIを算出する。
【0044】
算出されたBMIデータは表示部29に送信して表示し使用者に報知する。同時に結果を排便時刻とともに機能部8に記憶する。なお、BMIが日々大きく変動することが少ないことを考慮し、測定するたびのデータを報知するのではなく、一定期間内のデータを平均処理して報知する、或いは明らかに変化が認められた、すなわち新しいトレンドが見られた場合に報知することができる。
【0045】
本実施例では、排便量とBMIとの対応関係を求めるデータについて、男女などの属性を考慮していないが、属性別、すなわち男女別、さらに年齢を区間で区切った年齢別(例えば、20−30歳代、40−50歳代、60歳代以上)などのデータに基いて求めても良い。この場合、装置には使用者属性取得機能を備えている。属性取得する手段として使用者の入力操作や生体認識手段などが例として挙げられる。
【0046】
(第2の実施例)
次に、本実施形態における第2の実施例について説明する。
本実施例における生体情報指標が体脂肪率であり、機能部8の生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データが排便量と体脂肪率との対応データである点について本実施形態における第1の実施例と異なる。
【0047】
体脂肪率は、健康診断項目の一つとして最近普及・認知されており、また、BMIのように、骨太体格や筋肉体質などにより肥満ではない人も肥満傾向と誤判断される可能性が低く肥満度指標としてより好ましい。ここで生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている排便量と体脂肪率との対応データについて説明する。
【0048】
図8は排便量と体脂肪率との相関を示すグラフ、すなわち排便量から体脂肪率を算出する検量線のモデルである。この検量線は、以下の手順によって求めることができる。
【0049】
まず、前記本実施形態における第1の実施例と同様に、複数の人に対して本発明による装置で排便時に併発される排便量を一定期間(本実施例では4週間)測定し、そのデータを平均化処理してそれぞれの人の排便量として取得し、同時に測定期間における体脂肪率を別の測定手段、例えば市販の体組成計で測定し、得られた体脂肪率データを平均処理してそれぞれの人の体脂肪率として取得する。次に両データをプロットして、相関分析を行うことで検量線を求める。
【0050】
図9はその一例である。図9に示すように、排便量と体脂肪率との間に強い相関があることがわかる。その理由はかならずしも明確になってないが、上記実施例3のBMIの場合と同様な理由が考えられる。
【0051】
生体情報指標算出データ記憶手段83には、以上のように事前の測定に基いて決定された検量線データ、すなわち排便量と体脂肪率との対応データが、排便量算出データとして記憶されている。生体情報指標算出手段82が排便量算出手段80から排便量を受信するたびに、生体情報指標算出データ記憶手段83にアクセスし、体脂肪率算出データを読み出して排便量から体脂肪率を算出する。
【0052】
なお、体脂肪率に関しては属性、特に性別によって異なるので、本実施例においては、排便量から体脂肪率を推定する検量線は属性別で作成することが望ましい。すなわち、生体情報指標算出データ記憶手段83には属性別の対応データが記憶されており、装置が使用者の属性を認識または事前登録することで使用者の属性を識別し、識別さらた属性に応じてが生体情報指標算出手段82が生体情報指標算出データ記憶手段83から検量線データを選択して読み出して、排便量から体脂肪率を算出する。図9に示す例は男性のデータに基いた相関図である。
【0053】
算出された体脂肪率は表示部29に送信して表示することで使用者に報知する。同時に結果を排便時刻とともに機能部8に記憶する。なお、体脂肪率が日々大きく変動することが少ないことを考慮し、測定するたびのデータを報知するのではなく、一定期間内のデータを平均処理して報知する、或いは明らかに変化が認められた、すなわち新しいトレンドが見られた場合に表示し報知することができる。
【0054】
(第3の実施例)
次に、本実施形態における第3の実施例について説明する。
本実施例における生体情報指標は体重であり、機能部8の生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データが排便量と体重との対応データである点について異なる。体重は、もっとも分かりやすい身体状態指標であり、体重およびその変化を把握することが健康管理において重要である。ここで生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている排便量と体脂肪率との対応データについて説明する。
【0055】
図10は30−40歳代の男性の排便量と体重との相関を示すグラフ、すなわち排便量から体脂肪率を算出する検量線のモデルである。この検量線は、以下の手順によって求めることができる。
【0056】
まず、前記本実施形態における第2の実施例と同様に、複数の人に対して本発明による装置で排便時に併発される排便量を一定期間(本実施例では4週間)測定し、そのデータを平均化処理してそれぞれの人の排便量として取得し、同時に測定期間における体重を別の測定手段、例えば市販の体重計で測定し、得られた体重データを平均処理してそれぞれの人の体重として取得する。次に両データをプロットして、相関分析を行うことで検量線を求める。
図11はその一例である。図11に示すように、排便量と体重との間に強い相関があることがわかる。その理由はとして、上記本実施形態における第1の実施例のBMIの場合と同様なことが考えられる。
【0057】
生体情報指標算出データ記憶手段83には、以上のように事前の測定に基いて決定された検量線データ、すなわち排便量と体重との対応データが、体重算出データとして記憶されている。生体情報指標算出手段82が排便量算出手段80から排便量を受信するたびに、生体情報指標算出データ記憶手段83にアクセスし、体重算出データを読み出して排便量から体重を算出する。
【0058】
なお、体重に関しては属性、特に性別によって異なるので、本実施例においては、排便量から体脂肪率を推定する検量線は属性別で作成することが望ましい。すなわち、生体情報指標算出データ記憶手段83には属性別の対応データが記憶されており、装置が使用者の属性を認識または事前登録することで使用者の属性を識別し、識別さらた属性に応じてが生体情報指標算出手段82が生体情報指標算出データ記憶手段83から検量線データを選択して読み出して、排便量から体重を算出する。図11に示す例は30−40歳台の男性のデータに基いた相関図である。
【0059】
算出された体重は表示部に送信して表示部に表示する。同時に結果を排便時刻とともに機能部に記憶する。なお、体重が日々大きく変動することが少ないことを考慮し、測定するたびのデータを報知するのではなく、一定期間内のデータを平均処理して報知する、或いは明らかに変化が認められた、すなわち新しいトレンドが見られた場合に表示し報知することができる。
【0060】
また、属性別の排便量と体重の平均データの代わりに、生体情報指標算出データ記憶手段83に、ある特定の使用者の排便量と体重との相関データから得られた検量線に基く対応データを記憶させることもできる。図12はその一例である。図12はある40歳台の男性における、排便量(5日間移動平均)と3日後の体重との相関を示す図である。バラツキがあるものの、両者間に良好な相関関係が確認された。その理由として、排便量が摂取量を反映するので、排便量が多い時は摂取量も多く、摂取量が多い日が続くと太っていく傾向になるので、数日後の体重も増える(現象の場合も同じ)ことが考えられる。
【0061】
このような相関関係に基くデータを生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶させておくと、排便量の変化から、数日後の体重変化を予測することができる。すなわち、本実施例においては、排便量の測定から体重変化の可能性を使用者に報知し、食生活の改善など、健康増進の一助にすることができる。また、ダイエット中の場合、ダイエットの効果確認に使用することができる。
【0062】
以上、生体情報指標である肥満度指標として、BMI、体脂肪率、体重を例として本実施形態について説明したが、他の指標、例えば腹囲、内蔵脂肪割合などを指標としてもよい。これらの指標を使用した場合、装置の構成は上記実施例と同様であり、生体情報指標算出手段82が利用する、生体情報指標算出データ記憶手段83に記憶されている生体情報指標算出データが異なる。
【0063】
最後に、本発明よる第一および第二の実施形態の生体情報測定装置を使用した生体情報指標を測定する手順を例示して説明する。
【0064】
図13は、本発明の生体情報測定装置を洋式便器に付設された衛生洗浄便座装置に内蔵して使用する生体情報測定方法法の手順を示す一例である。生体情報測定装置の測定対象者となる使用者(以後、「被験者」と呼ぶ。)の動作を左側に便座装置が行う処理(健康状態測定装置の処理を含む)を右側に別けて表示した。
【0065】
まず被験者が入室すると人体検知センサによって入室が検知され、機能部8によって圧力センサ7が起動される。人体検知センサを使わない場合には、被験者が生体情報の電源を手動で入れてもよい。
【0066】
被験者が着座すると着座センサが着座を検知し、機能部8によって圧力センサ7が作動を開始する。測定開始ボタン操作によって被験者の属性情報を取得する。なお、被験者の属性情報取得はボタン操作によらず人体認識機能によって行ってもよい。
【0067】
被験者が排便を開始し終了するまで、圧力センサ7は一定時間、たとえば1秒おきに圧力データを出力し、それらを機能部8に書き込む。
【0068】
排便終了後、被験者が人体洗浄を開始する。このとき、洗浄ボタンと連動させて圧力センサ7の記録を終了させる。排便終了時の時間とその時の圧力センサ7の検知データが記憶される。なお、洗浄ボタンと連動させずに被験者が手動で記憶終了させる形式としてもよい。さらに、排便前または排便中に洗浄ボタンが使われるケースを防止するため、手動記憶終了操作(すなわち排便終了操作)を行うまで洗浄ボタン操作を無効にすることもできる。
【0069】
次に、機能部8の排便量算出手段80では測定開始時刻付近および測定終了時刻の圧力センサ7の出力信号値を検索し、それぞれの値(例えば3点平均)を測定前、および測定後のデータとして、そして両者の差を圧力センサの出力値(ΔP)として記録し、さらにΔPから排便量を算出する。
【0070】
続いて生体情報指標算出手段82では生体情報指標を推定する。算出した生体情報指標値は機能部8に書き込み、同時に結果を被験者に表示部10等により報知する。
【0071】
なお、生体情報指標算出手段82は一つの生体情報指標を算出するか、複数の生体情報指標を算出するか、被験者の操作部29に対する操作によって選択することができる。または、被験者が事前に登録して置くこともできる。
被験者が離座し退室すると人体検知センサによって退室が検知されその信号が機能部8の圧力センサ制御部に送られ圧力センサ7の電源が切られる。
【0072】
以上本発明の実施形態を、実施例に基いて説明した。他の実施形態、例えば排便量測定手段として圧力センサの代わりに、イメージセンサ、変位センサ、または測長センサなどを利用し、サイズや体積を測定することで排便量を算出することが例として挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は健康管理装置、および住宅関連設備、特にトイレ関連設備に関する分野の産業に利用できる。
【符号の説明】
【0074】
1…生体情報測定装置
7…圧力センサ
8…機能部
10…着座式大便器
12…便座
13…便鉢部
28…表示部
29…操作部
30…操作表示部
80…排便量算出手段
81…記憶部
82…生体情報指標算出手段
83…生体情報指標算出データ記憶手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者が大便を排泄する大便器と、
前記大便器に設置され前記大便の量を排便量として計測する排便量計測手段と、
予め記憶された前記排便量と被験者の生体情報を表す生体情報指標との対応関係を記憶する生体情報指標算出データ記憶手段と、
前記対応関係に基いて計測された前記排便量から前記被験者の生体情報指標を推定する生体情報指標算出手段と、を有することを特徴とする生体関連情報測定装置。
【請求項2】
前記生体情報指標が被験者の摂取した食物の量に関する食物摂取量であることを特徴とする請求項1記載の生体関連情報測定装置。
【請求項3】
前記生体情報指標が被験者の肥満傾向を示す肥満度指標であることを特徴とする請求項1記載の生体関連情報測定装置。
【請求項1】
被験者が大便を排泄する大便器と、
前記大便器に設置され前記大便の量を排便量として計測する排便量計測手段と、
予め記憶された前記排便量と被験者の生体情報を表す生体情報指標との対応関係を記憶する生体情報指標算出データ記憶手段と、
前記対応関係に基いて計測された前記排便量から前記被験者の生体情報指標を推定する生体情報指標算出手段と、を有することを特徴とする生体関連情報測定装置。
【請求項2】
前記生体情報指標が被験者の摂取した食物の量に関する食物摂取量であることを特徴とする請求項1記載の生体関連情報測定装置。
【請求項3】
前記生体情報指標が被験者の肥満傾向を示す肥満度指標であることを特徴とする請求項1記載の生体関連情報測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−229648(P2010−229648A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75848(P2009−75848)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]