生体断層撮像装置および生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド
【課題】検査部位の断層像を確実に得る。
【解決手段】第1の把持体10と第2の把持体20とはヒンジ13および23をそれぞれ中心として上下に動くことができる。第1の把持体10にはMEMSミラー11が含まれており,第2の把持体20にもMEMSミラーが含まれている。第1の把持体10には先端が第1の把持体10の先端部に固定されている第1のワイヤが通され,第2の把持体20には先端が第2の把持体20の先端部に固定されている第2のワイヤが通されている。第1のワイヤおよび第2のワイヤが基端側に引っ張られると,第1の把持体10と第2の把持体20とが離間し,検査部位を挟むことができる。検査部位を確実に固定できる状態で,検査部位を撮像できるので,検査部位の断層像が確実に得られる。
【解決手段】第1の把持体10と第2の把持体20とはヒンジ13および23をそれぞれ中心として上下に動くことができる。第1の把持体10にはMEMSミラー11が含まれており,第2の把持体20にもMEMSミラーが含まれている。第1の把持体10には先端が第1の把持体10の先端部に固定されている第1のワイヤが通され,第2の把持体20には先端が第2の把持体20の先端部に固定されている第2のワイヤが通されている。第1のワイヤおよび第2のワイヤが基端側に引っ張られると,第1の把持体10と第2の把持体20とが離間し,検査部位を挟むことができる。検査部位を確実に固定できる状態で,検査部位を撮像できるので,検査部位の断層像が確実に得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,生体断層撮像装置および生体断層撮像装置における断層撮像ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体腔内で断層画像を取得する際に,OCT計測を利用した光断層撮像装置が用いられることがある(特許文献1)。この光断層撮像装置では、光源から射出された低コヒーレント光を測定光と参照光に分割した後,この測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光と参照光とを合波し,この反射光と参照光との干渉光の強度に基づいて光断層画像を取得するものである。OCT計測には,TD(Time Domain)−OCT計測とFD(Fourier Domain)−OCT計測の2種類が存在する。FD−OCT計測は,高速な測定が可能となる手法として,近年注目されている。FD−OCT計測を行う光断層画像化装置で代表的なものとしては,SD(Spectral Domain)−OCT装置とSS(Swept Source)−OCT装置の2種類が挙げられる。
【0003】
これらの光断層画像化装置には,体腔内に挿入され,測定対象の光断層画像を取得するために,測定光を導波させて少なくとも一次元方向に走査させるとともに,反射光を導波させるOCT用光プローブが用いられている。このOCT用光プローブは,観察部に照明光を照射して撮像する内視鏡の鉗子チャネルに挿通させて使用されることがある。通常,このようなOCT用光プローブは,内視鏡先端から30mm〜60mm程度突出して使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3104984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図29は,OCT用光プローブ200を示す断面図である。半球レンズ215が融着された光ファイバ212がホルダ214によって保持されてシース211に内包されている。トルクコイル213を符号R1で示す方向に回転させると,トルクコイル213に固定された光ファイバ212が回転し,OCT用光プローブ200から出射される光L1が生体Sをラジアルスキャンすることとなる。また,Y方向に光ファイバ212が移動することにより,OCT用光プローブ200から出射される光L1が検査部位Sをリニアスキャンする。検査部位Sからの反射光L3はOCT用光プローブ200に入射する。これらのラジアルスキャンとリニアスキャンとにより三次元断層像が得られる。
【0006】
図30は,OCT用光プローブ200を用いて三次元断層像を得る様子を示している。
【0007】
内視鏡の先端部220には,観察光学系221,照明光学系222,送気・送水ノズル223,鉗子口224などが設けられている。鉗子口224から上述したOCT用光プローブ200が導出されている。OCT用光プローブ200の先端部が検査部位Sの所望の部位に近づけられて,三次元断層像が得られる。しかしながら,呼吸や拍動による生体内の動き,消化器の蠕動運動等のために,検査部位Sが動き,検査部位Sに対してOCT用光プローブを固定できず,リニアスキャンを実施している間に生体が動くため,三次元断層像を構築できないという問題がある。高速にリニアスキャンすることも考えられるが,分解能が粗くなり,診断したい高精細な画像が得られない。
【0008】
この発明は,生体内の動きに関わらず,検査部位の三次元断層像を構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による生体断層撮像装置における断層撮像ヘッドは,断層像を得る対象である検査部位を挟む第1の把持部材および第2の把持部材,上記第1の把持部材および上記第2の把持部材のそれぞれの把持面が相対的に接近および離間自在に上記第1の把持部材および上記第2の把持部材を保持する保持機構,ならびに上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の少なくとも一方に設けられており,かつ検査部位に信号を出力し,検査部位の断層像生成用信号を得る断層検出用素子を備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明によると,第1の把持部材と第2の把持部材とのそれぞれの把持面(挟まれる検査部位に接する面)が相対的に接近および離間自在に保持される。第1の把持部材および第2の把持部材の少なくとも一方には,検査部位の断層像を得るために検査部位に信号(光,超音波を含む)を出射する断層検出用素子が設けられている。検査部位の断層像を得る場合には,第1の把持部材と第2の把持部材とが検査部位を挟んで接近させられる。第1の把持部材と第2の把持部材とによって検査部位が挟まれた状態で,第1の把持部材および第2の把持部材の少なくとも一方に設けられている断層検出用素子から検査部位に信号(光,超音波など)が出力される。検査部位が動かないようにされた状態で第1の把持部材および第2の把持部材の少なくとも一方に設けられている断層検出用素子から検査部位に信号が出射されるので,被験者の体動に影響されることなく断層像を確実に得ることができる。
【0011】
上記断層検出用素子は,上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の両方に設けられていてもよい。上記第1の把持部材および上記第2の把持部材によって検査部位が挟まれた状態で上記第1の把持部材に設けられている断層検出用素子および上記第2の把持部材に設けられている断層検出用素子のそれぞれから検査部位に信号が出射されることとなる。
【0012】
上記断層検出用素子は,たとえば,直線状に移動自在であり,かつ直線状の移動軸を中心として所定角度だけ振られる信号を出力することにより検査部位の断層像を得るものであり,上記第1の把持部材に含まれている上記断層検出用素子と上記第2の把持部材に含まれている上記断層検出用素子とが独立に直線状に移動するものである。
【0013】
上記保持機構は,たとえば,上記第1の把持部材の一(後)端面と上記第2の把持部材の一(後)端面とを支持する支持部材,上記第1の把持部材の先端部に一端が固定され,基端側に引っ張る力を伝達し,先端側に押す力を伝達する第1のひも状部材,および上記第2の把持部材の先端部に一端が固定され,基端側に引っ張る力を伝達し,先端側に押す力を伝達する第2のひも状部材を備える。
【0014】
上記保持機構は,たとえば,上記第1の把持部材の後端面を固定する固定部材,および上記第1の把持部材と上記第2の把持部材とのそれぞれの把持面が平行状態を保ちつつ,それぞれの把持面が相対的に接近および離間する平行リンク機構を備えてもよい。
【0015】
上記保持機構は,たとえば,上記第1の把持部材の後端面と上記第2の把持部材の後端面とを支持する支持部材,上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面とが接近するように第1の把持部材と第2の把持部材とに引張り力を与える引っ張り手段,上記第1の把持部材の先端部に一端が固定された第1のひも状部材,および上記第2の把持部材の先端部に一端が固定された第2のひも状部材を備えてもよい。
【0016】
上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面との間にある検査部位を撮像する撮像ユニットをさらに備えてもよい。この場合,撮像ユニットは,たとえば,上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面との間から相対的に進退自在である。
【0017】
上記断層検出用素子は,たとえば,上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の長手方向に同期して移動してもよい。
【0018】
この発明は,上記生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド,および上記断層検出用素子から得られる断層像生成用信号にもとづいて得られる断層像を表示する表示装置を備えた生体断層撮像装置も提供している。上述のようにして得られる断層像を表示装置の表示画面に表示できるようになる。
【0019】
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の両方に断層検出用素子が設けられている生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド,および上記第1の把持部材に設けられている断層検出用素子から得られる断層像生成信号にもとづいて得られる第1の断層像,および上記第2の把持部材に設けられている断層検出用素子から得られる断層像生成信号にもとづいて得られる第2の断層像を表示する,あるいは上記第1の断層像と上記第2の断層像との合成断層像を表示する表示装置を備えた生体断層撮像装置も提供している。第1の断層像,第2の断層像,合成断層像を表示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図2】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図3】図2のIII-III線に沿う断面図である。
【図4】収容部の斜視図である。
【図5】収容部の正面図である。
【図6】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図7】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図8】断層撮像ヘッドを用いて検査部位を撮像している様子を示す。
【図9】光断層撮像装置を示している。
【図10】(A)および(B)は,断層像の一例である。
【図11】(A)は,合成された断層像を示し,(B)は,三次元断層像を示している。
【図12】内視鏡挿入部の先端部を示している。
【図13】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図14】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図15】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図16】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図17】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図18】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図19】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図20】断層撮像ヘッドの正面図である。
【図21】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図22】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図23】断層撮像ヘッドの正面図である。
【図24】収容部の構造を示している。
【図25】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図26】半球レンズが設けられた光ファイバの側面図である。
【図27】断層撮像ヘッドの正面図である。
【図28】光断層像の一例である。
【図29】光プローブの側面図である。
【図30】OCT用光プローブを用いて三次元断層像を得る様子を示している。
【実施例】
【0021】
図1は,この発明の実施例を示すもので,光断層撮像装置に利用される断層撮像ヘッド1の斜視図,図2は,断層撮像ヘッド1の側面図,図3は,図2のIII−III線に沿う断面図である。
【0022】
図1および図2を参照して,断層撮像ヘッド1は,半円柱の第1の把持体10と第2の把持体20とを有する。第1の把持体10の矩形上の側面は,検査部位に接する把持面10Aである。第2の把持体20の矩形上の側面も把持面20Aである。第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとが向かい合っている。ヒンジ13により第1の把持体10が挿入部2の先端に接続され,それによって第1の把持体10は,ヒンジ13を支点に上下に動かすことができる。また,ヒンジ23により第2の把持体20が挿入部2の先端に接続されている。第2の把持体20の後端面20Bの上部が,ヒンジ23によって挿入部2の先端面に固定されている。第2の把持体20は,ヒンジ23を支点に上下に動かすことができる。第1の把持体10がヒンジ13を支点に上下に動かすことができ,かつ第2の把持体20がヒンジ23を支点に上下に動かすことができることから,第1の把持体10と第2の把持体20とは,互いに接近および離間できる。もっとも,第1の把持体10および第2の把持体20の両方ともが上下に動かすことができなくとも,いずれか一方が上下に動かすことができれば,第1の把持体10と第2の把持体20とは相対的に接近および離間できるので,少なくとも第1の把持体10および第2の把持体20のいずれか一方が上下に可動な構造となっていればよい。また,第1の把持体10および第2の把持体20の把持面10Aおよび20Aは,必ずしも均一な平面である必要はない。間に検査部位を挟むことが可能で,生体断層撮像に影響を与えない形状であればどのような形状であってもよい。
【0023】
主として図2を参照して,第1の把持体10の内部には,半円柱の形状を有する第1の把持体10の軸方向に細長い円柱状の空間14が形成されている。また,挿入部2の長手方向(軸方向)には挿通路16が形成されている。第1の把持体10の内部に形成されている空間14内に,MEMS(micro electro mechanical system)ミラーを収容している第1の収容部11が配置されている。第1の収容部11の後端面には第1の光ファイバ12がつながれている。第1の光ファイバ12は,空間14および挿入部2に形成されている挿通路16を通っている。第1の光ファイバ12が引っ張られることにより,第1の収容部11が第1の把持体10の後端面10Bの方向(基端側)に引っ張られる。第1の光ファイバ12が押されることにより,押された力が第1の収容部11に伝わる。すると,第1の収容部11は,第1の把持体10の先端面の方向(先端側)に押される。このように,第1の収容部11は,空間14内において第1の把持体10の軸方向に移動自在である。
【0024】
同様に,第2の把持体20の内部にも,半円柱の形状を有する第2の把持体20の軸方向に細長い円柱状の空間24が形成されており,その空間24内に,MEMSミラーを収容している第2の収容部21が配置されている。また,挿入部2の長手方向(軸方向)に挿通路26が形成されている。第2の収容部21の後端面には,空間24および挿入部2の挿通路26を通っている第2の光ファイバ22がつながれている。第2の光ファイバ22が引っ張られることにより,第2の収容部21が第2の把持体20の後端面20Bの方向に引っ張られ,第2の光ファイバ22が押されることにより,第2の収容部21は,第2の把持体20の先端面の方向に押される。このように,第2の収容部21も,空間24内において第2の把持体20の軸方向に移動自在である。
【0025】
第1の収容部11と第2の収容部21とは,それぞれ互いに依存しないで,独立に移動自在となっている。もっとも,第1の光ファイバ12と第2の光ファイバ22とが基端側で固定されることにより,第1の収容部11と第2の収容部21とを同期させて挿入部2の長手方向に移動させることもできる。
【0026】
図2において,第1の把持体10内部の上部には第1の把持体10の軸方向に沿って挿通路18が形成されている。また,挿入部2にも相通路16の上部に挿通路19が形成されている。第1の把持体10に形成されている挿通路18および挿入部2に形成されている挿通路19内に第1のワイヤ17が通っている。第1のワイヤ17の先端部は,第1の把持体10の先端部に固定されている。第1のワイヤ17が,図2において右方向(基端側)に引っ張られることにより,第1の把持体10がヒンジ13を支点に第2の把持体20から離間する方向(A方向)に動く。第1のワイヤ17は剛性があり,第1のワイヤ17が,図2において左方向(先端側)に押されることにより,第1の把持体10がヒンジ13を支点に第2の把持体20に近づく方向(B方向)に動く。図1においては,上述した空間14,挿通路16,18および19ならびに第1のワイヤ17は図示が省略されている。
【0027】
第2の把持体20内部の下部には第2の把持体20の軸方向に沿って挿通路28が形成され,挿入部2にも挿通路26の下部に挿通路29が形成されている。これらの挿通路28および29内に,先端が第2の把持体20の先端部に固定されている第2のワイヤ27が通っている。第2のワイヤ27が,図2において右方向に引っ張られることにより,第2の把持体20がヒンジ23を支点に第1の把持体10から離間する方向(C方向)に動き,第2のワイヤ27が,図2において左方向に押されることにより,第2の把持体20がヒンジ23を支点に第1の把持体10に近づく方向(D方向)に動く。図1においては,上述した,第2の収容部21,第2の光ファイバ22,空間24,挿通路26,28および29ならびに第2のワイヤ27は図示が省略されている。
【0028】
第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとは相対的に接近し,かつ離間可能となっている。
【0029】
図4および図5は,第1の収容部11を示すもので,図4は斜視図,図5は正面図である。
【0030】
第1の収容部11は(第2の収容部21も同様である),検査部位に光L1を照射可能である。第1の収容部11から出射される光L1の照射方向は,第1の光ファイバ12の引っ張り等に応じて第1の収容部11が移動する直線状の移動方向Mに対して垂直方向であり,かつ第1の収容部11の中心軸を中心に角度θだけ振ることができる。光L1が角度θだけ振られながら光干渉断層撮像が行われることにより,検査部位の断層像が得られる。また,第1の収容部11が直線状の移動方向M方向に移動して複数回の断層像の撮像を行うことで,検査部位の三次元断層像が構築される。
【0031】
図6および図7は,第1の把持体10の把持面と第2の把持体20の把持面とが離間している様子を示している。図6は,図1に対応するもので,断層撮像ヘッド1の斜視図,図7は,図2に対応するもので,断層撮像ヘッド1の側面図である。
【0032】
上述のように,第1のワイヤ17が,図7において右側(基端側)に引っ張られることにより,第1の把持体10が,ヒンジ13を支点に上方向に動く。第2のワイヤ27が,図7において右側(基端側)に引っ張られることにより,第2の把持体20が,ヒンジ23を支点に下方向に動く。第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとが離間し,これらの把持面10Aと20Aとの間に検査部位を挟むことができる。第1の把持体10と第2の把持体20との両方を動かすことなく,いずれか一方のみを動かすようにしてもよいのはいうまでもない。
【0033】
図8(A)は,検査部位30の断面図であり,図8(B)は,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとによって検査部位30を挟んでいる様子を示している。
【0034】
図8(A)を参照して,検査部位30には,粘膜筋板31よりも距離dの下層に病巣32があるものとする。検査部位30の表面から光を照射して断層像を得たとしても,病巣32が深い箇所にあると,病巣32の断層像が得られないことがある。
【0035】
この検査部位30を挟む手順について説明する。まず,図8(A)を参照して,この検査部位30を上述したように,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとが離間するように,第1のワイヤ17および第2のワイヤ27が引っ張られる。離間した第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間に検査部位30を位置させ,第1のワイヤ17および第2のワイヤ27を元に戻すと,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとによって,検査部位30が挟まれる。
【0036】
検査部位30が挟まれた状態で,第1の把持体10に含まれる第1の収容部11からの光L1が検査部位30に対して照射され,同様に第2の把持体20に含まれる第2の収容部21からの光L2が検査部位30に対して照射される。これらの光L1およびL2の照射方向は,図4および図5に示したように,角度θだけ振られて光干渉断層撮像が行われる。また,第1の収容部11および第2の収容部21は,光ファイバ12および22の光軸方向に直線状に移動自在であり,第1の収容部11および第2の収容部21が光ファイバ12および22の光軸方向に直線状に移動させられながら,光干渉断層撮像が複数回行われることにより,検査部位30の三次元断層像が得られる。
【0037】
第1の把持体10と第2の把持体20とによって検査部位30を挟むことができるので,体動を抑えることができるようになる。また,第1の把持体10と第2の把持体20とによって検査部位30が圧縮されるので,第1の把持体10または第2の把持体20から検査部位32までの距離が短くなる。病巣32が生体30の表面から深い箇所にあっても,病巣32の断層像が得られるようにもなる。
【0038】
図9は,上述した断層ヘッド1を利用した光断層撮像装置を示している。
【0039】
光断層撮像装置には,内視鏡(カメラは図示略)50,この内視鏡50が接続される光源装置51,ビデオ・プロセッサ52,光断層処理装置53および表示装置54が含まれている。
【0040】
内視鏡50には,上述した可撓性を有する細長い形状を有する挿入部2,挿入部2の基端に形成されている操作部56,操作部56の端部に接続されているユニバーサル・コード57が含まれている。
【0041】
ユニバーサル・コード57内には,光源装置51からの照明光を伝送するライト・ガイド(図示略)が挿通されている。ユニバーサル・コード57の端部には,光源装置51に着脱自在に接続される光源コネクタ58が設けられている。光源コネクタ58は,ビデオ・プロセッサ52の信号コネクタ60と信号ケーブル59によって接続されている。信号ケーブル59は,信号コネクタ60と着脱自在である。光源装置51は,検査部位に照明光を照射するためのものである。
【0042】
挿入部2は,人体の体腔内に挿入されるものである。挿入部2の先端に上述した撮像ヘッド1が形成されている。挿入部2が人体の体腔内に挿入され,撮像ヘッド1で撮像されることにより,臓器等の検査部位の観察を行うことができる。
【0043】
挿入部2内部には,その長手方向に沿って上述したように挿通路(鉗子チャネル)16および26が形成されている。これらの挿通路16および26を通っている第1の光ファイバ12および第2の光ファイバ26は,操作部56および光ケーブル69内を通って,コネクタ70を介して光断層処理装置53と接続されている。撮像ヘッド1によって撮像された検査部位における断層像の生成処理が光断層処理装置53において行われる。検査部位における断層像が表示装置54の表示画面55に表示される。
【0044】
図10(A)および図10(B)は,表示画面55に表示される断層像の一例である。図10(A)は,第1の把持体10に含まれる第1の収容部11から出射された光L1にもとづく光干渉断層撮像によって得られた断層像71の一例である。図10(B)は,第2の把持体20に含まれる第2の収容部21から出射された光L2にもとづく光干渉断層撮像によって得られた断層像72の一例である。
【0045】
図11は,二次元断層像を複数並べて立体的に示した合成像74である。
【0046】
この実施例では,第1の収容部11にもとづいて得られる断層像71(図10(A)),第2の収容部12にもとづいて得られる断層像72(図10(B)),断層像71と72との合成像73を立体的に示した合成像74の表示を切り替えられる。
【0047】
図12は,変形例を示すもので,内視鏡挿入部75の先端部を示している。
【0048】
内視鏡挿入部75の先端面には,検査部位を撮像する撮像レンズ76が固定されている。また,その先端面には,挿入部75の長手方向に鉗子チャネル77が形成されている。この鉗子チャネル77内に鉗子チャネル77から進退自在に,上述した第1の把持体10および第2の把持体20を有する挿入部2が設けられている。
【0049】
このように,内視鏡挿入部75の先端部に,上述した第1の把持体10および第2の把持体20を有する挿入部2が設けられてもよい。
【0050】
図13から図16は,変形例を示している。
【0051】
図13は,撮像ヘッド1Aの斜視図であり,図14は,撮像ヘッド1Aの側面図である。これらの図において,図1から図7に示したものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
上述した実施例では,ヒンジ13および23を支点として,第1の把持体10および第2の把持体20が離間および接近できるが,この変形例では平行クランク機構100を介して第1の把持体80を動かすことができる。
【0053】
第1の把持体80は,上述した第1の把持体10とほぼ同形状であり,半円柱である。第2の把持体90も第2の把持体20と同様に半円柱であるが,第2の把持体90は挿入部2Aと一体である。
【0054】
第1のクランク101および第2のクランク102によって,第1の把持体80の側面と第2の把持体90の側面とを接続している。図13および図14においては,手前にのみ第1のクランク101および第2のクランク102が見えているが,奥側にも同様にクランクが設けられている。
【0055】
図14を参照して,第1の把持体80には上述した第1のワイヤ17が通されているが,第2の把持体90には上述した第2のワイヤ27は通されていない。上述の実施例において形成されていた第2の把持体20の挿通路28および挿入部2の挿通路29は,この変形例においては形成されていない。
【0056】
図13および図14に示す状態で,第1のワイヤ17が基端側(左側)に引っ張られると,把持面が接していた第1の把持体80と第2の把持体90とが離間する。
【0057】
図15および図16は,第1のワイヤ17が基端側に引っ張られた様子を示す撮像ヘッド1Aを示すもので,図15は斜視図,図16は側面図である。
【0058】
図13および図14に示す状態で,第1のワイヤ17が基端側に引っ張られると,第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとが平行関係を保ちながら,第1の把持体80が上方に動く。第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとが離れる。上述したように,第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとの間に検査部位を挟み,検査部位の断層像を得ることができる。
【0059】
離れている第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとを接近させるためには,第1のワイヤ17が先端側に押される。すると,第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとが平行関係を保ちながら,第1の把持体80が下方に動く。第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとが接近する。
【0060】
上述の実施例では,第1の把持体80が上下に移動自在であるが,第1の把持体80が挿入部2Aに固定され,第2の把持体90が上下に移動自在でもよい。
【0061】
図17および図18は,他の変形例を示すもので,撮像ヘッド1Bの斜視図である。これらの図において,図1から図7などに示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
図17および図18に示す変形例においては,第1の把持体10の側面と第2の把持体20の側面とをつなぐ引っ張りバネ111,112,113が設けられている。第1の把持体10と第2の把持体20とは引っ張りバネ111等の引っ張り力により,接近する力が働いている。
【0063】
第1の把持体10内を通る第1のワイヤ17および第2の把持体20内を通る第2のワイヤ27が基端側に引っ張られていない状態では,図16に示すように,第1の把持体10と第2の把持体20とは接近している。第1の把持体10内を通る第1のワイヤ17および第2の把持体20内を通る第2のワイヤ27が基端側に引っ張られると,図18に示すように,第1の把持体10と第2の把持体20とは離間する。ばね111等の弾性力により把持体同士が接近する方向に力が働いているため,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間に検査部位を挟んで,検査部位の断層像を得ることができる。
【0064】
上述した実施例では,光を検査部位に照射して検査部位の断層像を得る光断層撮像装置について説明したが,光断層撮像装置ではなく,超音波を検査部位に照射する超音波断層撮像装置についても適用できる。また,上述の実施例では,光の照射方向を変更するためにMEMSが利用されているが,トルクコイルを利用して半球レンズを回転させて光の照射方向を変更してもよい。さらに,上述の実施例では,第1の把持体10および第2の把持体20のそれぞれに収容部11および21が設けられているが,第1の把持体10および第2の把持体20の少なくとも一方に設けられていればよい。第1の把持体10および第2の把持体20によって検査部位が挟まれて,固定されるので,生体の体動に影響されることなく,断層像を得ることができる。
【0065】
図19から図24は,他の実施例を示している。
【0066】
図19は,断層撮像ヘッド1Cの側面図,図20は,断層撮像ヘッド1Cの正面図である。これらの図において,図1から図7などに示したものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
挿入部2A内には,長手方向に挿通路128が形成されている。撮像ユニット121が,挿通路128内を長手方向に移動自在に挿通されている。撮像ユニット120は検査部位30を可視撮像するものである。撮像ユニット121の先端部120は,ほぼ矩形であり,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間に位置決めされている。
【0068】
図20を参照して,撮像ユニット121の先端部120の先端面には,ほぼ中心に撮像レンズ123が設けられている。撮像レンズ123の両側に照明124および125が設けられている。照明124および125からの照明光が検査部位を照らし,照明光が照らされた検査部位を表わす画像が撮像レンズ123によって,撮像ユニット121内のCCD(図示略)の受光面上に結像する。
【0069】
撮像ユニット121の基端側の一端部にはギアが形成されており,操作部56(図9参照)のダイアルと噛み合っている。操作部56のダイアルが時計まわりに回されることにより,撮像ユニット121が基端側に引っ張られる。すると,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間から,撮像ユニット121の先端部120が退避する。逆に操作部56のダイアルが反時計まわりに回されると,操作ユニット121が先端側に押される。第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間に,撮像ユニット121の先端部120が進出する。
【0070】
図21は,断層撮像ヘッド1Cの側面図であり,撮像ユニット121の先端部120が第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間から退避した様子を示している。
【0071】
上述のように,撮像ユニット121が基端側に引っ張られることにより,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間にあった先端部120は把持面10Aと20Aとの間から退避する。上述では,撮像ユニット121が進退する実施例について説明したが,把持体10および20に対し撮像ユニット121が相対的に進退すればよく,把持体10および20が進退してもよい。
【0072】
図22は,断層撮像ヘッド1Cの側面図,図23は,図22の正面図である。
【0073】
撮像ユニット121の先端部120が把持面10Aと20Aとの間から退避した状態で,上述のように,第1の把持体10と第2の把持体20とによって検査部位30が挟まれている。第1の把持体10と第2の把持体20とによって挟まれている検査部位30に撮像ユニット121の先端面が向かい合っている。
【0074】
図23に示すように,第1の把持体10に含まれる第1の収容部11からθの角度だけ振れて出射する光L1および第2の把持体20に含まれる第2の収容部21からθの角度だけ振れて出射する光L2が検査部位30を照射する。上述のように,第1の把持体10と第2の把持体20とによって検査部位30が挟まれるので,検査部位30の表面から深い箇所に病巣があったとしても,その病巣の断層像が得られる。しかも,第1の把持体10と第2の把持体20とによって挟まれている検査部位30に対向する位置に撮像ユニット121の先端面が位置決めされているので,撮像ユニット121によって検査部位30を可視撮像できる。
【0075】
図24は,収容部11の構造を示している。収容部21の構造も同様である。
【0076】
収容部11の中に光ファイバ12が通っている。光ファイバ12の先端の出射面前方に結像レンズ132が配置されている。この結像レンズ132の前方にMEMSミラー131が配置されている。MEMSミラー131は,MEMSミラー131に収束される光の進行方向に対する傾斜角が変更可能である。
【0077】
光ファイバ12内を伝搬した光は結像レンズ132を介してMEMSミラー131に導かれる。MEMSミラー131の傾斜角が変わることによりMEMSミラー131に導かれた光の反射方向が変わるので,所定角度θだけ振れる光が収容部11から出射する。MEMSミラー131の傾斜角を変更するためには電気的接続が必要であるが,公知であるために説明を省略する。
【0078】
図25から図27は,変形例を示している。
【0079】
図25は,断層撮像ヘッド1Dの側面図である。この図において,図1から図7などと同一物については同一符号を付して説明を省略する。図26は,挿通管16Aに挿通されている光ファイバ12Aを示している。
【0080】
第1の把持体10と挿入部2との間に可撓性の挿通管16Aが通っている。この挿通管16A内部に折り曲げ自在な光ファイバ12Aが通っている。光ファイバ12Aの先端には半球レンズ126が形成されている。同様に,第2の把持体20と挿入部2との間に可撓性の挿通管26Aが通っている。この挿通管26A内に,先端に半球レンズ127が形成されている光ファイバ22Aが通っている。
【0081】
図27は,図23に対応するもので,断層撮像ヘッド1Dの正面図である。
【0082】
第1の把持体10および第2の把持体20によって検査部位30が挟まれている。上述した光ファイバ12Aおよび22Aは,光ファイバ12Aおよび22Aのそれぞれの光軸を中心に回転装置(図示略)によって回転自在である。光ファイバ12Aおよび22A内をそれぞれ伝搬させられた光は半球レンズ126および127からそれぞれ出射する。半球レンズ126から出射する光L1および半球レンズ127から出射する光L2が検査部位30を照射することとなる。これらの光L1およびL2も光ファイバ12Aおよび22Aが回転させられることにより,角度θだけ振れるのはいうまでもない。
【0083】
図28は,表示装置133の表示画面140に表示される画像の一例である。
【0084】
表示画面140には,合成画像表示領域141,第1の光断層像表示領域142および第2の光断層像表示領域143が含まれている。
【0085】
第1の光断層像表示領域142には,第1の把持体10に収容されている第1の収容部11から出射される光L1にもとづく光干渉断層撮像により得られる第1の光断層像I1が表示される。第2の光断層像表示領域143には,第2の把持体20に収容されている第2の収容部21から出射される光L2にもとづく光干渉断層撮像により得られる第2の光断層像I2が表示される。合成画像表示領域141には,第1の光断層像I1と第2の光断層像I2とが合成された三次元断層像Imが表示される。
【0086】
上述のように,検査部位30が第1の把持体10と第2の把持体20とによって挟まれて,検査部位30の光断層像が得られる。第1の把持体10と第2の把持体20とが挟んだ間隔をLとすると,三次元断層像Imのうち,検査部位30の第1の把持体10側の部分L/2の画像は,第1の把持体10から出射する光L1にもとづく光干渉断層撮像から得られる第1の光断層像I1が用いられ,検査部位30の第2の把持体20側の部分L/2の画像は第2の把持体20から出射する光L2にもとづく光干渉断層撮像から得られる第2の光断層像I2が用いられる。第1の光断層像I1,第2の光断層像I2および三次元断層像Imの生成は光断層処理装置53(図9参照)において行われる。
【0087】
第1の光断層像I1と第2の光断層像I2とが合成された三次元断層像Imは,収容部11および21にもとづいて得られるだけでなく,半球レンズ126または127が設けられている光ファイバ12Aおよび22Aにもとづいて得るようにしてもよい。
【0088】
三次元断層像Imを得るためには,第1の光断層像I1を得る第1の収容部11が設けられている第1の光ファイバ12(半球レンズ126が形成されている光ファイバ12A)と第2の光断層像I2を得る第2の収容部21(半球レンズ127が形成されている光ファイバ22A)が設けられている第2の光ファイバ22とが同期して動くことが好ましい。このためには,上述のように,第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aとが基端側で固定され,固定された2本の光ファイバ12または12Aと22または22Aとが一緒に引っ張られるようにすればよい。もっとも,第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aとを固定しなくとも,操作部56(操作部56にもギアが設けられているのはいうまでもない)に噛み合うギア,ラック,ウォームなどを第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aとに固定し,操作部56の操作に応じて第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aが同期して動くこととなる。さらに,第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aとが基端側で固定されていなくとも,制御によって同期させて動かしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1,1A,1B,1C 撮像ヘッド
2 挿入部
10,80 第1の把持体
11,21 収容部(断層検出用素子)
13,23 ヒンジ
17 第1のワイヤ(第1のひも状部材)
20,90 第2の把持体
27 第2のワイヤ(第2のひも状部材)
100 平行リンク機構
【技術分野】
【0001】
この発明は,生体断層撮像装置および生体断層撮像装置における断層撮像ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体腔内で断層画像を取得する際に,OCT計測を利用した光断層撮像装置が用いられることがある(特許文献1)。この光断層撮像装置では、光源から射出された低コヒーレント光を測定光と参照光に分割した後,この測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光と参照光とを合波し,この反射光と参照光との干渉光の強度に基づいて光断層画像を取得するものである。OCT計測には,TD(Time Domain)−OCT計測とFD(Fourier Domain)−OCT計測の2種類が存在する。FD−OCT計測は,高速な測定が可能となる手法として,近年注目されている。FD−OCT計測を行う光断層画像化装置で代表的なものとしては,SD(Spectral Domain)−OCT装置とSS(Swept Source)−OCT装置の2種類が挙げられる。
【0003】
これらの光断層画像化装置には,体腔内に挿入され,測定対象の光断層画像を取得するために,測定光を導波させて少なくとも一次元方向に走査させるとともに,反射光を導波させるOCT用光プローブが用いられている。このOCT用光プローブは,観察部に照明光を照射して撮像する内視鏡の鉗子チャネルに挿通させて使用されることがある。通常,このようなOCT用光プローブは,内視鏡先端から30mm〜60mm程度突出して使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3104984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図29は,OCT用光プローブ200を示す断面図である。半球レンズ215が融着された光ファイバ212がホルダ214によって保持されてシース211に内包されている。トルクコイル213を符号R1で示す方向に回転させると,トルクコイル213に固定された光ファイバ212が回転し,OCT用光プローブ200から出射される光L1が生体Sをラジアルスキャンすることとなる。また,Y方向に光ファイバ212が移動することにより,OCT用光プローブ200から出射される光L1が検査部位Sをリニアスキャンする。検査部位Sからの反射光L3はOCT用光プローブ200に入射する。これらのラジアルスキャンとリニアスキャンとにより三次元断層像が得られる。
【0006】
図30は,OCT用光プローブ200を用いて三次元断層像を得る様子を示している。
【0007】
内視鏡の先端部220には,観察光学系221,照明光学系222,送気・送水ノズル223,鉗子口224などが設けられている。鉗子口224から上述したOCT用光プローブ200が導出されている。OCT用光プローブ200の先端部が検査部位Sの所望の部位に近づけられて,三次元断層像が得られる。しかしながら,呼吸や拍動による生体内の動き,消化器の蠕動運動等のために,検査部位Sが動き,検査部位Sに対してOCT用光プローブを固定できず,リニアスキャンを実施している間に生体が動くため,三次元断層像を構築できないという問題がある。高速にリニアスキャンすることも考えられるが,分解能が粗くなり,診断したい高精細な画像が得られない。
【0008】
この発明は,生体内の動きに関わらず,検査部位の三次元断層像を構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による生体断層撮像装置における断層撮像ヘッドは,断層像を得る対象である検査部位を挟む第1の把持部材および第2の把持部材,上記第1の把持部材および上記第2の把持部材のそれぞれの把持面が相対的に接近および離間自在に上記第1の把持部材および上記第2の把持部材を保持する保持機構,ならびに上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の少なくとも一方に設けられており,かつ検査部位に信号を出力し,検査部位の断層像生成用信号を得る断層検出用素子を備えていることを特徴とする。
【0010】
この発明によると,第1の把持部材と第2の把持部材とのそれぞれの把持面(挟まれる検査部位に接する面)が相対的に接近および離間自在に保持される。第1の把持部材および第2の把持部材の少なくとも一方には,検査部位の断層像を得るために検査部位に信号(光,超音波を含む)を出射する断層検出用素子が設けられている。検査部位の断層像を得る場合には,第1の把持部材と第2の把持部材とが検査部位を挟んで接近させられる。第1の把持部材と第2の把持部材とによって検査部位が挟まれた状態で,第1の把持部材および第2の把持部材の少なくとも一方に設けられている断層検出用素子から検査部位に信号(光,超音波など)が出力される。検査部位が動かないようにされた状態で第1の把持部材および第2の把持部材の少なくとも一方に設けられている断層検出用素子から検査部位に信号が出射されるので,被験者の体動に影響されることなく断層像を確実に得ることができる。
【0011】
上記断層検出用素子は,上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の両方に設けられていてもよい。上記第1の把持部材および上記第2の把持部材によって検査部位が挟まれた状態で上記第1の把持部材に設けられている断層検出用素子および上記第2の把持部材に設けられている断層検出用素子のそれぞれから検査部位に信号が出射されることとなる。
【0012】
上記断層検出用素子は,たとえば,直線状に移動自在であり,かつ直線状の移動軸を中心として所定角度だけ振られる信号を出力することにより検査部位の断層像を得るものであり,上記第1の把持部材に含まれている上記断層検出用素子と上記第2の把持部材に含まれている上記断層検出用素子とが独立に直線状に移動するものである。
【0013】
上記保持機構は,たとえば,上記第1の把持部材の一(後)端面と上記第2の把持部材の一(後)端面とを支持する支持部材,上記第1の把持部材の先端部に一端が固定され,基端側に引っ張る力を伝達し,先端側に押す力を伝達する第1のひも状部材,および上記第2の把持部材の先端部に一端が固定され,基端側に引っ張る力を伝達し,先端側に押す力を伝達する第2のひも状部材を備える。
【0014】
上記保持機構は,たとえば,上記第1の把持部材の後端面を固定する固定部材,および上記第1の把持部材と上記第2の把持部材とのそれぞれの把持面が平行状態を保ちつつ,それぞれの把持面が相対的に接近および離間する平行リンク機構を備えてもよい。
【0015】
上記保持機構は,たとえば,上記第1の把持部材の後端面と上記第2の把持部材の後端面とを支持する支持部材,上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面とが接近するように第1の把持部材と第2の把持部材とに引張り力を与える引っ張り手段,上記第1の把持部材の先端部に一端が固定された第1のひも状部材,および上記第2の把持部材の先端部に一端が固定された第2のひも状部材を備えてもよい。
【0016】
上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面との間にある検査部位を撮像する撮像ユニットをさらに備えてもよい。この場合,撮像ユニットは,たとえば,上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面との間から相対的に進退自在である。
【0017】
上記断層検出用素子は,たとえば,上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の長手方向に同期して移動してもよい。
【0018】
この発明は,上記生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド,および上記断層検出用素子から得られる断層像生成用信号にもとづいて得られる断層像を表示する表示装置を備えた生体断層撮像装置も提供している。上述のようにして得られる断層像を表示装置の表示画面に表示できるようになる。
【0019】
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の両方に断層検出用素子が設けられている生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド,および上記第1の把持部材に設けられている断層検出用素子から得られる断層像生成信号にもとづいて得られる第1の断層像,および上記第2の把持部材に設けられている断層検出用素子から得られる断層像生成信号にもとづいて得られる第2の断層像を表示する,あるいは上記第1の断層像と上記第2の断層像との合成断層像を表示する表示装置を備えた生体断層撮像装置も提供している。第1の断層像,第2の断層像,合成断層像を表示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図2】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図3】図2のIII-III線に沿う断面図である。
【図4】収容部の斜視図である。
【図5】収容部の正面図である。
【図6】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図7】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図8】断層撮像ヘッドを用いて検査部位を撮像している様子を示す。
【図9】光断層撮像装置を示している。
【図10】(A)および(B)は,断層像の一例である。
【図11】(A)は,合成された断層像を示し,(B)は,三次元断層像を示している。
【図12】内視鏡挿入部の先端部を示している。
【図13】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図14】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図15】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図16】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図17】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図18】断層撮像ヘッドの斜視図である。
【図19】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図20】断層撮像ヘッドの正面図である。
【図21】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図22】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図23】断層撮像ヘッドの正面図である。
【図24】収容部の構造を示している。
【図25】断層撮像ヘッドの側面図である。
【図26】半球レンズが設けられた光ファイバの側面図である。
【図27】断層撮像ヘッドの正面図である。
【図28】光断層像の一例である。
【図29】光プローブの側面図である。
【図30】OCT用光プローブを用いて三次元断層像を得る様子を示している。
【実施例】
【0021】
図1は,この発明の実施例を示すもので,光断層撮像装置に利用される断層撮像ヘッド1の斜視図,図2は,断層撮像ヘッド1の側面図,図3は,図2のIII−III線に沿う断面図である。
【0022】
図1および図2を参照して,断層撮像ヘッド1は,半円柱の第1の把持体10と第2の把持体20とを有する。第1の把持体10の矩形上の側面は,検査部位に接する把持面10Aである。第2の把持体20の矩形上の側面も把持面20Aである。第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとが向かい合っている。ヒンジ13により第1の把持体10が挿入部2の先端に接続され,それによって第1の把持体10は,ヒンジ13を支点に上下に動かすことができる。また,ヒンジ23により第2の把持体20が挿入部2の先端に接続されている。第2の把持体20の後端面20Bの上部が,ヒンジ23によって挿入部2の先端面に固定されている。第2の把持体20は,ヒンジ23を支点に上下に動かすことができる。第1の把持体10がヒンジ13を支点に上下に動かすことができ,かつ第2の把持体20がヒンジ23を支点に上下に動かすことができることから,第1の把持体10と第2の把持体20とは,互いに接近および離間できる。もっとも,第1の把持体10および第2の把持体20の両方ともが上下に動かすことができなくとも,いずれか一方が上下に動かすことができれば,第1の把持体10と第2の把持体20とは相対的に接近および離間できるので,少なくとも第1の把持体10および第2の把持体20のいずれか一方が上下に可動な構造となっていればよい。また,第1の把持体10および第2の把持体20の把持面10Aおよび20Aは,必ずしも均一な平面である必要はない。間に検査部位を挟むことが可能で,生体断層撮像に影響を与えない形状であればどのような形状であってもよい。
【0023】
主として図2を参照して,第1の把持体10の内部には,半円柱の形状を有する第1の把持体10の軸方向に細長い円柱状の空間14が形成されている。また,挿入部2の長手方向(軸方向)には挿通路16が形成されている。第1の把持体10の内部に形成されている空間14内に,MEMS(micro electro mechanical system)ミラーを収容している第1の収容部11が配置されている。第1の収容部11の後端面には第1の光ファイバ12がつながれている。第1の光ファイバ12は,空間14および挿入部2に形成されている挿通路16を通っている。第1の光ファイバ12が引っ張られることにより,第1の収容部11が第1の把持体10の後端面10Bの方向(基端側)に引っ張られる。第1の光ファイバ12が押されることにより,押された力が第1の収容部11に伝わる。すると,第1の収容部11は,第1の把持体10の先端面の方向(先端側)に押される。このように,第1の収容部11は,空間14内において第1の把持体10の軸方向に移動自在である。
【0024】
同様に,第2の把持体20の内部にも,半円柱の形状を有する第2の把持体20の軸方向に細長い円柱状の空間24が形成されており,その空間24内に,MEMSミラーを収容している第2の収容部21が配置されている。また,挿入部2の長手方向(軸方向)に挿通路26が形成されている。第2の収容部21の後端面には,空間24および挿入部2の挿通路26を通っている第2の光ファイバ22がつながれている。第2の光ファイバ22が引っ張られることにより,第2の収容部21が第2の把持体20の後端面20Bの方向に引っ張られ,第2の光ファイバ22が押されることにより,第2の収容部21は,第2の把持体20の先端面の方向に押される。このように,第2の収容部21も,空間24内において第2の把持体20の軸方向に移動自在である。
【0025】
第1の収容部11と第2の収容部21とは,それぞれ互いに依存しないで,独立に移動自在となっている。もっとも,第1の光ファイバ12と第2の光ファイバ22とが基端側で固定されることにより,第1の収容部11と第2の収容部21とを同期させて挿入部2の長手方向に移動させることもできる。
【0026】
図2において,第1の把持体10内部の上部には第1の把持体10の軸方向に沿って挿通路18が形成されている。また,挿入部2にも相通路16の上部に挿通路19が形成されている。第1の把持体10に形成されている挿通路18および挿入部2に形成されている挿通路19内に第1のワイヤ17が通っている。第1のワイヤ17の先端部は,第1の把持体10の先端部に固定されている。第1のワイヤ17が,図2において右方向(基端側)に引っ張られることにより,第1の把持体10がヒンジ13を支点に第2の把持体20から離間する方向(A方向)に動く。第1のワイヤ17は剛性があり,第1のワイヤ17が,図2において左方向(先端側)に押されることにより,第1の把持体10がヒンジ13を支点に第2の把持体20に近づく方向(B方向)に動く。図1においては,上述した空間14,挿通路16,18および19ならびに第1のワイヤ17は図示が省略されている。
【0027】
第2の把持体20内部の下部には第2の把持体20の軸方向に沿って挿通路28が形成され,挿入部2にも挿通路26の下部に挿通路29が形成されている。これらの挿通路28および29内に,先端が第2の把持体20の先端部に固定されている第2のワイヤ27が通っている。第2のワイヤ27が,図2において右方向に引っ張られることにより,第2の把持体20がヒンジ23を支点に第1の把持体10から離間する方向(C方向)に動き,第2のワイヤ27が,図2において左方向に押されることにより,第2の把持体20がヒンジ23を支点に第1の把持体10に近づく方向(D方向)に動く。図1においては,上述した,第2の収容部21,第2の光ファイバ22,空間24,挿通路26,28および29ならびに第2のワイヤ27は図示が省略されている。
【0028】
第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとは相対的に接近し,かつ離間可能となっている。
【0029】
図4および図5は,第1の収容部11を示すもので,図4は斜視図,図5は正面図である。
【0030】
第1の収容部11は(第2の収容部21も同様である),検査部位に光L1を照射可能である。第1の収容部11から出射される光L1の照射方向は,第1の光ファイバ12の引っ張り等に応じて第1の収容部11が移動する直線状の移動方向Mに対して垂直方向であり,かつ第1の収容部11の中心軸を中心に角度θだけ振ることができる。光L1が角度θだけ振られながら光干渉断層撮像が行われることにより,検査部位の断層像が得られる。また,第1の収容部11が直線状の移動方向M方向に移動して複数回の断層像の撮像を行うことで,検査部位の三次元断層像が構築される。
【0031】
図6および図7は,第1の把持体10の把持面と第2の把持体20の把持面とが離間している様子を示している。図6は,図1に対応するもので,断層撮像ヘッド1の斜視図,図7は,図2に対応するもので,断層撮像ヘッド1の側面図である。
【0032】
上述のように,第1のワイヤ17が,図7において右側(基端側)に引っ張られることにより,第1の把持体10が,ヒンジ13を支点に上方向に動く。第2のワイヤ27が,図7において右側(基端側)に引っ張られることにより,第2の把持体20が,ヒンジ23を支点に下方向に動く。第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとが離間し,これらの把持面10Aと20Aとの間に検査部位を挟むことができる。第1の把持体10と第2の把持体20との両方を動かすことなく,いずれか一方のみを動かすようにしてもよいのはいうまでもない。
【0033】
図8(A)は,検査部位30の断面図であり,図8(B)は,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとによって検査部位30を挟んでいる様子を示している。
【0034】
図8(A)を参照して,検査部位30には,粘膜筋板31よりも距離dの下層に病巣32があるものとする。検査部位30の表面から光を照射して断層像を得たとしても,病巣32が深い箇所にあると,病巣32の断層像が得られないことがある。
【0035】
この検査部位30を挟む手順について説明する。まず,図8(A)を参照して,この検査部位30を上述したように,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとが離間するように,第1のワイヤ17および第2のワイヤ27が引っ張られる。離間した第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間に検査部位30を位置させ,第1のワイヤ17および第2のワイヤ27を元に戻すと,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとによって,検査部位30が挟まれる。
【0036】
検査部位30が挟まれた状態で,第1の把持体10に含まれる第1の収容部11からの光L1が検査部位30に対して照射され,同様に第2の把持体20に含まれる第2の収容部21からの光L2が検査部位30に対して照射される。これらの光L1およびL2の照射方向は,図4および図5に示したように,角度θだけ振られて光干渉断層撮像が行われる。また,第1の収容部11および第2の収容部21は,光ファイバ12および22の光軸方向に直線状に移動自在であり,第1の収容部11および第2の収容部21が光ファイバ12および22の光軸方向に直線状に移動させられながら,光干渉断層撮像が複数回行われることにより,検査部位30の三次元断層像が得られる。
【0037】
第1の把持体10と第2の把持体20とによって検査部位30を挟むことができるので,体動を抑えることができるようになる。また,第1の把持体10と第2の把持体20とによって検査部位30が圧縮されるので,第1の把持体10または第2の把持体20から検査部位32までの距離が短くなる。病巣32が生体30の表面から深い箇所にあっても,病巣32の断層像が得られるようにもなる。
【0038】
図9は,上述した断層ヘッド1を利用した光断層撮像装置を示している。
【0039】
光断層撮像装置には,内視鏡(カメラは図示略)50,この内視鏡50が接続される光源装置51,ビデオ・プロセッサ52,光断層処理装置53および表示装置54が含まれている。
【0040】
内視鏡50には,上述した可撓性を有する細長い形状を有する挿入部2,挿入部2の基端に形成されている操作部56,操作部56の端部に接続されているユニバーサル・コード57が含まれている。
【0041】
ユニバーサル・コード57内には,光源装置51からの照明光を伝送するライト・ガイド(図示略)が挿通されている。ユニバーサル・コード57の端部には,光源装置51に着脱自在に接続される光源コネクタ58が設けられている。光源コネクタ58は,ビデオ・プロセッサ52の信号コネクタ60と信号ケーブル59によって接続されている。信号ケーブル59は,信号コネクタ60と着脱自在である。光源装置51は,検査部位に照明光を照射するためのものである。
【0042】
挿入部2は,人体の体腔内に挿入されるものである。挿入部2の先端に上述した撮像ヘッド1が形成されている。挿入部2が人体の体腔内に挿入され,撮像ヘッド1で撮像されることにより,臓器等の検査部位の観察を行うことができる。
【0043】
挿入部2内部には,その長手方向に沿って上述したように挿通路(鉗子チャネル)16および26が形成されている。これらの挿通路16および26を通っている第1の光ファイバ12および第2の光ファイバ26は,操作部56および光ケーブル69内を通って,コネクタ70を介して光断層処理装置53と接続されている。撮像ヘッド1によって撮像された検査部位における断層像の生成処理が光断層処理装置53において行われる。検査部位における断層像が表示装置54の表示画面55に表示される。
【0044】
図10(A)および図10(B)は,表示画面55に表示される断層像の一例である。図10(A)は,第1の把持体10に含まれる第1の収容部11から出射された光L1にもとづく光干渉断層撮像によって得られた断層像71の一例である。図10(B)は,第2の把持体20に含まれる第2の収容部21から出射された光L2にもとづく光干渉断層撮像によって得られた断層像72の一例である。
【0045】
図11は,二次元断層像を複数並べて立体的に示した合成像74である。
【0046】
この実施例では,第1の収容部11にもとづいて得られる断層像71(図10(A)),第2の収容部12にもとづいて得られる断層像72(図10(B)),断層像71と72との合成像73を立体的に示した合成像74の表示を切り替えられる。
【0047】
図12は,変形例を示すもので,内視鏡挿入部75の先端部を示している。
【0048】
内視鏡挿入部75の先端面には,検査部位を撮像する撮像レンズ76が固定されている。また,その先端面には,挿入部75の長手方向に鉗子チャネル77が形成されている。この鉗子チャネル77内に鉗子チャネル77から進退自在に,上述した第1の把持体10および第2の把持体20を有する挿入部2が設けられている。
【0049】
このように,内視鏡挿入部75の先端部に,上述した第1の把持体10および第2の把持体20を有する挿入部2が設けられてもよい。
【0050】
図13から図16は,変形例を示している。
【0051】
図13は,撮像ヘッド1Aの斜視図であり,図14は,撮像ヘッド1Aの側面図である。これらの図において,図1から図7に示したものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
上述した実施例では,ヒンジ13および23を支点として,第1の把持体10および第2の把持体20が離間および接近できるが,この変形例では平行クランク機構100を介して第1の把持体80を動かすことができる。
【0053】
第1の把持体80は,上述した第1の把持体10とほぼ同形状であり,半円柱である。第2の把持体90も第2の把持体20と同様に半円柱であるが,第2の把持体90は挿入部2Aと一体である。
【0054】
第1のクランク101および第2のクランク102によって,第1の把持体80の側面と第2の把持体90の側面とを接続している。図13および図14においては,手前にのみ第1のクランク101および第2のクランク102が見えているが,奥側にも同様にクランクが設けられている。
【0055】
図14を参照して,第1の把持体80には上述した第1のワイヤ17が通されているが,第2の把持体90には上述した第2のワイヤ27は通されていない。上述の実施例において形成されていた第2の把持体20の挿通路28および挿入部2の挿通路29は,この変形例においては形成されていない。
【0056】
図13および図14に示す状態で,第1のワイヤ17が基端側(左側)に引っ張られると,把持面が接していた第1の把持体80と第2の把持体90とが離間する。
【0057】
図15および図16は,第1のワイヤ17が基端側に引っ張られた様子を示す撮像ヘッド1Aを示すもので,図15は斜視図,図16は側面図である。
【0058】
図13および図14に示す状態で,第1のワイヤ17が基端側に引っ張られると,第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとが平行関係を保ちながら,第1の把持体80が上方に動く。第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとが離れる。上述したように,第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとの間に検査部位を挟み,検査部位の断層像を得ることができる。
【0059】
離れている第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとを接近させるためには,第1のワイヤ17が先端側に押される。すると,第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとが平行関係を保ちながら,第1の把持体80が下方に動く。第1の把持体80の把持面80Aと第2の把持体90の把持面90Aとが接近する。
【0060】
上述の実施例では,第1の把持体80が上下に移動自在であるが,第1の把持体80が挿入部2Aに固定され,第2の把持体90が上下に移動自在でもよい。
【0061】
図17および図18は,他の変形例を示すもので,撮像ヘッド1Bの斜視図である。これらの図において,図1から図7などに示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
図17および図18に示す変形例においては,第1の把持体10の側面と第2の把持体20の側面とをつなぐ引っ張りバネ111,112,113が設けられている。第1の把持体10と第2の把持体20とは引っ張りバネ111等の引っ張り力により,接近する力が働いている。
【0063】
第1の把持体10内を通る第1のワイヤ17および第2の把持体20内を通る第2のワイヤ27が基端側に引っ張られていない状態では,図16に示すように,第1の把持体10と第2の把持体20とは接近している。第1の把持体10内を通る第1のワイヤ17および第2の把持体20内を通る第2のワイヤ27が基端側に引っ張られると,図18に示すように,第1の把持体10と第2の把持体20とは離間する。ばね111等の弾性力により把持体同士が接近する方向に力が働いているため,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間に検査部位を挟んで,検査部位の断層像を得ることができる。
【0064】
上述した実施例では,光を検査部位に照射して検査部位の断層像を得る光断層撮像装置について説明したが,光断層撮像装置ではなく,超音波を検査部位に照射する超音波断層撮像装置についても適用できる。また,上述の実施例では,光の照射方向を変更するためにMEMSが利用されているが,トルクコイルを利用して半球レンズを回転させて光の照射方向を変更してもよい。さらに,上述の実施例では,第1の把持体10および第2の把持体20のそれぞれに収容部11および21が設けられているが,第1の把持体10および第2の把持体20の少なくとも一方に設けられていればよい。第1の把持体10および第2の把持体20によって検査部位が挟まれて,固定されるので,生体の体動に影響されることなく,断層像を得ることができる。
【0065】
図19から図24は,他の実施例を示している。
【0066】
図19は,断層撮像ヘッド1Cの側面図,図20は,断層撮像ヘッド1Cの正面図である。これらの図において,図1から図7などに示したものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
挿入部2A内には,長手方向に挿通路128が形成されている。撮像ユニット121が,挿通路128内を長手方向に移動自在に挿通されている。撮像ユニット120は検査部位30を可視撮像するものである。撮像ユニット121の先端部120は,ほぼ矩形であり,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間に位置決めされている。
【0068】
図20を参照して,撮像ユニット121の先端部120の先端面には,ほぼ中心に撮像レンズ123が設けられている。撮像レンズ123の両側に照明124および125が設けられている。照明124および125からの照明光が検査部位を照らし,照明光が照らされた検査部位を表わす画像が撮像レンズ123によって,撮像ユニット121内のCCD(図示略)の受光面上に結像する。
【0069】
撮像ユニット121の基端側の一端部にはギアが形成されており,操作部56(図9参照)のダイアルと噛み合っている。操作部56のダイアルが時計まわりに回されることにより,撮像ユニット121が基端側に引っ張られる。すると,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間から,撮像ユニット121の先端部120が退避する。逆に操作部56のダイアルが反時計まわりに回されると,操作ユニット121が先端側に押される。第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間に,撮像ユニット121の先端部120が進出する。
【0070】
図21は,断層撮像ヘッド1Cの側面図であり,撮像ユニット121の先端部120が第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間から退避した様子を示している。
【0071】
上述のように,撮像ユニット121が基端側に引っ張られることにより,第1の把持体10の把持面10Aと第2の把持体20の把持面20Aとの間にあった先端部120は把持面10Aと20Aとの間から退避する。上述では,撮像ユニット121が進退する実施例について説明したが,把持体10および20に対し撮像ユニット121が相対的に進退すればよく,把持体10および20が進退してもよい。
【0072】
図22は,断層撮像ヘッド1Cの側面図,図23は,図22の正面図である。
【0073】
撮像ユニット121の先端部120が把持面10Aと20Aとの間から退避した状態で,上述のように,第1の把持体10と第2の把持体20とによって検査部位30が挟まれている。第1の把持体10と第2の把持体20とによって挟まれている検査部位30に撮像ユニット121の先端面が向かい合っている。
【0074】
図23に示すように,第1の把持体10に含まれる第1の収容部11からθの角度だけ振れて出射する光L1および第2の把持体20に含まれる第2の収容部21からθの角度だけ振れて出射する光L2が検査部位30を照射する。上述のように,第1の把持体10と第2の把持体20とによって検査部位30が挟まれるので,検査部位30の表面から深い箇所に病巣があったとしても,その病巣の断層像が得られる。しかも,第1の把持体10と第2の把持体20とによって挟まれている検査部位30に対向する位置に撮像ユニット121の先端面が位置決めされているので,撮像ユニット121によって検査部位30を可視撮像できる。
【0075】
図24は,収容部11の構造を示している。収容部21の構造も同様である。
【0076】
収容部11の中に光ファイバ12が通っている。光ファイバ12の先端の出射面前方に結像レンズ132が配置されている。この結像レンズ132の前方にMEMSミラー131が配置されている。MEMSミラー131は,MEMSミラー131に収束される光の進行方向に対する傾斜角が変更可能である。
【0077】
光ファイバ12内を伝搬した光は結像レンズ132を介してMEMSミラー131に導かれる。MEMSミラー131の傾斜角が変わることによりMEMSミラー131に導かれた光の反射方向が変わるので,所定角度θだけ振れる光が収容部11から出射する。MEMSミラー131の傾斜角を変更するためには電気的接続が必要であるが,公知であるために説明を省略する。
【0078】
図25から図27は,変形例を示している。
【0079】
図25は,断層撮像ヘッド1Dの側面図である。この図において,図1から図7などと同一物については同一符号を付して説明を省略する。図26は,挿通管16Aに挿通されている光ファイバ12Aを示している。
【0080】
第1の把持体10と挿入部2との間に可撓性の挿通管16Aが通っている。この挿通管16A内部に折り曲げ自在な光ファイバ12Aが通っている。光ファイバ12Aの先端には半球レンズ126が形成されている。同様に,第2の把持体20と挿入部2との間に可撓性の挿通管26Aが通っている。この挿通管26A内に,先端に半球レンズ127が形成されている光ファイバ22Aが通っている。
【0081】
図27は,図23に対応するもので,断層撮像ヘッド1Dの正面図である。
【0082】
第1の把持体10および第2の把持体20によって検査部位30が挟まれている。上述した光ファイバ12Aおよび22Aは,光ファイバ12Aおよび22Aのそれぞれの光軸を中心に回転装置(図示略)によって回転自在である。光ファイバ12Aおよび22A内をそれぞれ伝搬させられた光は半球レンズ126および127からそれぞれ出射する。半球レンズ126から出射する光L1および半球レンズ127から出射する光L2が検査部位30を照射することとなる。これらの光L1およびL2も光ファイバ12Aおよび22Aが回転させられることにより,角度θだけ振れるのはいうまでもない。
【0083】
図28は,表示装置133の表示画面140に表示される画像の一例である。
【0084】
表示画面140には,合成画像表示領域141,第1の光断層像表示領域142および第2の光断層像表示領域143が含まれている。
【0085】
第1の光断層像表示領域142には,第1の把持体10に収容されている第1の収容部11から出射される光L1にもとづく光干渉断層撮像により得られる第1の光断層像I1が表示される。第2の光断層像表示領域143には,第2の把持体20に収容されている第2の収容部21から出射される光L2にもとづく光干渉断層撮像により得られる第2の光断層像I2が表示される。合成画像表示領域141には,第1の光断層像I1と第2の光断層像I2とが合成された三次元断層像Imが表示される。
【0086】
上述のように,検査部位30が第1の把持体10と第2の把持体20とによって挟まれて,検査部位30の光断層像が得られる。第1の把持体10と第2の把持体20とが挟んだ間隔をLとすると,三次元断層像Imのうち,検査部位30の第1の把持体10側の部分L/2の画像は,第1の把持体10から出射する光L1にもとづく光干渉断層撮像から得られる第1の光断層像I1が用いられ,検査部位30の第2の把持体20側の部分L/2の画像は第2の把持体20から出射する光L2にもとづく光干渉断層撮像から得られる第2の光断層像I2が用いられる。第1の光断層像I1,第2の光断層像I2および三次元断層像Imの生成は光断層処理装置53(図9参照)において行われる。
【0087】
第1の光断層像I1と第2の光断層像I2とが合成された三次元断層像Imは,収容部11および21にもとづいて得られるだけでなく,半球レンズ126または127が設けられている光ファイバ12Aおよび22Aにもとづいて得るようにしてもよい。
【0088】
三次元断層像Imを得るためには,第1の光断層像I1を得る第1の収容部11が設けられている第1の光ファイバ12(半球レンズ126が形成されている光ファイバ12A)と第2の光断層像I2を得る第2の収容部21(半球レンズ127が形成されている光ファイバ22A)が設けられている第2の光ファイバ22とが同期して動くことが好ましい。このためには,上述のように,第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aとが基端側で固定され,固定された2本の光ファイバ12または12Aと22または22Aとが一緒に引っ張られるようにすればよい。もっとも,第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aとを固定しなくとも,操作部56(操作部56にもギアが設けられているのはいうまでもない)に噛み合うギア,ラック,ウォームなどを第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aとに固定し,操作部56の操作に応じて第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aが同期して動くこととなる。さらに,第1の光ファイバ12または12Aと第2の光ファイバ22または22Aとが基端側で固定されていなくとも,制御によって同期させて動かしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1,1A,1B,1C 撮像ヘッド
2 挿入部
10,80 第1の把持体
11,21 収容部(断層検出用素子)
13,23 ヒンジ
17 第1のワイヤ(第1のひも状部材)
20,90 第2の把持体
27 第2のワイヤ(第2のひも状部材)
100 平行リンク機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断層像を得る対象である検査部位を挟む第1の把持部材および第2の把持部材,
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材のそれぞれの把持面が相対的に接近および離間自在に上記第1の把持部材および上記第2の把持部材を保持する保持機構,ならびに
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の少なくとも一方に設けられており,かつ検査部位に信号を出力し,検査部位の断層像生成用信号を得る断層検出用素子,
を備えた生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項2】
上記断層検出用素子は,
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の両方に設けられているものである,
請求項1に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項3】
上記断層検出用素子は,
直線状に移動自在であり,かつ直線状の移動軸を中心として所定角度だけ振られる信号を出力することにより検査部位の断層像を得るものであり,
上記第1の把持部材に含まれている上記断層検出用素子と上記第2の把持部材に含まれている上記断層検出用素子とが独立に直線状に移動するものである,
請求項2に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項4】
上記保持機構は,
上記第1の把持部材の一端面と上記第2の把持部材の一端面とを支持する支持部材,
上記第1の把持部材の先端部に一端が固定され,基端側に引っ張る力を伝達し,先端側に押す力を伝達する第1のひも状部材,および
上記第2の把持部材の先端部に一端が固定され,基端側に引っ張る力を伝達し,先端側に押す力を伝達する第2のひも状部材,
を備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項5】
上記保持機構は,
上記第1の把持部材の後端面を固定する固定部材,および
上記第1の把持部材と上記第2の把持部材とのそれぞれの把持面が平行状態を保ちつつ,それぞれの把持面が相対的に接近および離間する平行リンク機構,
を備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項6】
上記保持機構は,
上記第1の把持部材の後端面と上記第2の把持部材の後端面とを支持する支持部材,
上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面とが接近するように第1の把持部材と第2の把持部材とに引張り力を与える引っ張り手段,
上記第1の把持部材の先端部に一端が固定された第1のひも状部材,および
上記第2の把持部材の先端部に一端が固定された第2のひも状部材,
を備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項7】
上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面との間にある検査部位を撮像する撮像ユニット,
をさらに備えた請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項8】
上記撮像ユニットは,
上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面との間から相対的に進退自在である,
請求項7に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項9】
上記断層検出用素子は,
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の長手方向に同期して移動自在である,
請求項2から8のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項10】
請求項1から9のうちいずれか一項に記載の生体断層装置における断層撮像ヘッド,および
上記断層検出用素子から得られる断層像生成用信号にもとづいて得られる断層像を表示する表示装置,
を備えた生体断層撮像装置。
【請求項11】
請求項2に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド,および
上記第1の把持部材に設けられている断層検出用素子から得られる断層像生成信号にもとづいて得られる第1の断層像,および上記第2の把持部材に設けられている断層検出用素子から得られる断層像生成信号にもとづいて得られる第2の断層像を表示する,あるいは上記第1の断層像と上記第2の断層像との合成断層像を表示する表示装置,
を備えた生体断層撮像装置。
【請求項1】
断層像を得る対象である検査部位を挟む第1の把持部材および第2の把持部材,
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材のそれぞれの把持面が相対的に接近および離間自在に上記第1の把持部材および上記第2の把持部材を保持する保持機構,ならびに
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の少なくとも一方に設けられており,かつ検査部位に信号を出力し,検査部位の断層像生成用信号を得る断層検出用素子,
を備えた生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項2】
上記断層検出用素子は,
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の両方に設けられているものである,
請求項1に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項3】
上記断層検出用素子は,
直線状に移動自在であり,かつ直線状の移動軸を中心として所定角度だけ振られる信号を出力することにより検査部位の断層像を得るものであり,
上記第1の把持部材に含まれている上記断層検出用素子と上記第2の把持部材に含まれている上記断層検出用素子とが独立に直線状に移動するものである,
請求項2に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項4】
上記保持機構は,
上記第1の把持部材の一端面と上記第2の把持部材の一端面とを支持する支持部材,
上記第1の把持部材の先端部に一端が固定され,基端側に引っ張る力を伝達し,先端側に押す力を伝達する第1のひも状部材,および
上記第2の把持部材の先端部に一端が固定され,基端側に引っ張る力を伝達し,先端側に押す力を伝達する第2のひも状部材,
を備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項5】
上記保持機構は,
上記第1の把持部材の後端面を固定する固定部材,および
上記第1の把持部材と上記第2の把持部材とのそれぞれの把持面が平行状態を保ちつつ,それぞれの把持面が相対的に接近および離間する平行リンク機構,
を備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項6】
上記保持機構は,
上記第1の把持部材の後端面と上記第2の把持部材の後端面とを支持する支持部材,
上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面とが接近するように第1の把持部材と第2の把持部材とに引張り力を与える引っ張り手段,
上記第1の把持部材の先端部に一端が固定された第1のひも状部材,および
上記第2の把持部材の先端部に一端が固定された第2のひも状部材,
を備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項7】
上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面との間にある検査部位を撮像する撮像ユニット,
をさらに備えた請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項8】
上記撮像ユニットは,
上記第1の把持部材の把持面と上記第2の把持部材の把持面との間から相対的に進退自在である,
請求項7に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項9】
上記断層検出用素子は,
上記第1の把持部材および上記第2の把持部材の長手方向に同期して移動自在である,
請求項2から8のうち,いずれか一項に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド。
【請求項10】
請求項1から9のうちいずれか一項に記載の生体断層装置における断層撮像ヘッド,および
上記断層検出用素子から得られる断層像生成用信号にもとづいて得られる断層像を表示する表示装置,
を備えた生体断層撮像装置。
【請求項11】
請求項2に記載の生体断層撮像装置における断層撮像ヘッド,および
上記第1の把持部材に設けられている断層検出用素子から得られる断層像生成信号にもとづいて得られる第1の断層像,および上記第2の把持部材に設けられている断層検出用素子から得られる断層像生成信号にもとづいて得られる第2の断層像を表示する,あるいは上記第1の断層像と上記第2の断層像との合成断層像を表示する表示装置,
を備えた生体断層撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2013−34708(P2013−34708A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173985(P2011−173985)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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