説明

生体測定装置

【課題】 手用電極が手から離されたことが検出された後に、表示装置に測定結果を表示すると共に被験者による表示の操作を可能とする測定装置を提供する。
【解決手段】 右手または左手の内、少なくとも一方が前記手用電極に接触しているか否かを判定する接触判定手段を備え、表示装置は、前記接触判定手段で接触していないと判定された場合に、前記測定結果を表示することから、手用電極を把持している間は測定結果が表示されないため、被験者が手用電極を離し忘れたまま、表示の切り替えなどの前記入力装置による操作をしてしまうことがなく、また手用電極と入力装置などがぶつかることも無いため、入力装置や電極が傷付くのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の各部位の状態を測定する生体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体各部位を順次切替えて測定し、前記各部位毎の測定結果を表示する生体測定装置が知られている。この装置は、各部位の測定終了と共に、両手で各々把持することにより接触させる各手用電極から手を離し、前記手用電極を所定の位置に置くように被験者に報知した後、表示装置において前記各部位毎の測定結果を表示するものである。このとき被験者は、例えば手元の操作ボタンやタッチパネルを直接指で操作しながら、所望の表示に切り替えることができるものである(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−178696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記生体測定装置では、測定終了と共に手用電極を手から離すための報知に被験者が気付かなかった場合など、被験者が手用電極を持ったまま、前記表示装置には前記測定結果が表示される。このとき、前述のように所望の表示に切り替えるため、被験者は前記手用電極を持ったままで、手元の操作ボタンやタッチパネルを指で操作してしまう場合があるため、手用電極が操作ボタンやタッチパネルにぶつかり傷つけてしまう可能性があり、手用電極自体も傷つき測定誤差の原因となってしまう可能性があった。また、何より被験者にとっては手用電極が邪魔で操作がしづらい装置であるかのような印象を与えるものであった。
【0004】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決し、手用電極が手から離されたことが検出された後に、表示装置に測定結果を表示すると共に被験者による表示の操作を可能とする測定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、右手または左手で把持することにより生体に接触させる手用電極を含む複数の電極と、前記電極に電流を流す電流供給装置と、前記電極の電圧を測定する電圧測定装置と、測定結果を表示する表示装置と、手で入力操作を行なう入力装置とを備えた生体測定装置において、前記右手または左手の内、少なくとも一方が前記手用電極に接触しているか否かを判定する接触判定手段を備え、前記表示装置は、前記接触判定手段で接触していないと判定された場合に、前記測定結果を表示する生体測定装置が提供される。
【0006】
また、前記接触判定手段は、少なくとも右手又は左手の内一方と他の生体部位とに接触する電極間の導通から接触を判定するものである。
【0007】
また、前記接触判定手段は、利き腕を判定する利き腕判定手段を備え、前記接触判定手段は前記利き腕と判定された手と手用電極とが接触しているか否かを判定するものである。
【0008】
また、前記利き腕判定手段は、左右の手の筋肉量に基づいて利き腕を判定する。
【0009】
さらに、前記入力装置はタッチパネルである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の生体測定装置は、右手または左手で把持することにより生体に接触させる手用電極を含む複数の電極と、前記電極に電流を流す電流供給装置と、前記電極の電圧を測定する電圧測定装置と、測定結果を表示する表示装置と、手で入力操作を行なう入力装置とを備えた生体測定装置において、前記右手または左手の内、少なくとも一方が前記手用電極に接触しているか否かを判定する接触判定手段を備え、前記表示装置は、前記接触判定手段で接触していないと判定された場合に、前記測定結果を表示することから、手用電極を把持している間は測定結果が表示されないため、被験者が手用電極を離し忘れたまま、表示の切り替えなどの前記入力装置による操作をしてしまうことがなく、また手用電極と入力装置などがぶつかることも無いため、入力装置や電極が傷付くのを防止できる。
【0011】
また、前記入力装置がタッチパネルであった場合、タッチパネルは傷や衝撃に弱いものが多く比較的高価であるため、前述のような入力装置や電極が傷付くのを防止する効果が、管理上においてもコスト的にもより顕著に得られる。
【0012】
また、前記接触判定手段は、少なくとも右手又は左手の内一方と他の生体部位とに接触する電極間の導通から接触を判定することにより、自動で判定されるものであり、判定のために特別な操作を要することなく従来どおり簡便な測定が可能である。
【0013】
また、前記接触判定手段は、利き腕を判定する利き腕判定手段を備え、前記接触判定手段は前記利き腕と判定された手と手用電極とが接触しているか否かを判定し、また、前記利き腕判定手段は、左右の手の筋肉量に基づいて利き腕を判定するものであることから、一般に前記入力装置による操作する確立の高い方の手が利き腕であると考えられるため、操作する方の手が空いたらすぐに結果表示がなされ、より早いタイミングでスムーズな操作が可能である。
【実施例1】
【0014】
実施例について、図面を用いて説明すると、図1は測定装置の斜視図で、測定装置1は、概略L型の形状をしており、下部に体重計2を設け。この体重計2は、公知のものであり、被験者の体重を測定するために載る載台面2aに左右の足の底面に接する電極部3、4を設けてある。この電極部3、4は、電流を流すための電極3a、4aと、電圧を測定する電極3b、4bとから構成される。また測定装置1の前面には、電源スイッチ5と、印刷装置6とを設ける。さらに、測定装置1の上部には、タッチパネル式の液晶表示装置からなる表示兼入力装置7を設け、上部左右側面に左右の手用の電極部8、9とを設ける。この手用電極部8、9は、電流を流すための電極8a、9aと、電圧を測定する電極8b、9bとから構成されるが、この手用電極は既に手式の体脂肪計で公知であるので説明を省略する。
【0015】
図2は、測定装置1の電気ブロック図であり、左右の手足に接する電極3a、3b、4a、4b、8a、8b、9a、9bの8電極が電極切替装置10に接続されている。この電極切替装置10は、電流供給装置11と、電圧測定装置12とを介して制御装置13に接続される。この制御装置13は、マイクロコンピュータを備え、各種データ等を記憶する記憶装置14を接続している。また、図1で示した表示兼入力装置7は電気回路的には内部に入力装置15と表示装置16とを備えており、これらを制御する入出力制御装置17を介して制御装置13に接続している。18は、制御装置13やその他の装置に電力を供給する電源装置である。更に、前記制御装置13に備えたマイクロコンピュータは、前記手用電極部8及び9が両手に接触しているか否かを導通により判定する接触判定手段である接触判定部を兼ねるものである。
【0016】
次に図3、図4、図5のフローチャート及び図6、図7、図8、図9、図10の表示画面を用いて、本測定装置1の動作を説明する。まず、測定装置1の電源スイッチ5をオンすると、ステップS1で全ての電気装置が初期設定され、ステップS2で図6aで示す着衣量の入力モードに進む。このモードでは、着衣の重さを入力してもらうメッセージ表示と着衣量を入力する入力キーボードを表示装置16に表示する。そして入力キーボードの数値キーで被験者の着衣量、例えば1.5kgを表示部の表面から指で入力すると、図6(b)で示すように表示されるので、進むのキーを押すと、ステップS3に進む。この時に入力した値が間違った場合には、消去キーで全ての入力して数値を消すか、Backキーで直前に入力した数値を一つづつ消して再入力する。
【0017】
ステップS3は、体重を測定するモードであり、図6(c)で示すように被験者が体重計2の載台面2a上に素足で載ることを促すとともに、ステップS2で入力した着衣量を予め減算するようにマイナス表示として表してある。そして、被験者が載台面2aに載ると、体重計2で体重が測定され、図6(d)で示すように体重の数値を表示するとともに、ステップS4に進むようにメッセージも表示する。ここで進むを押すと、図6(e)で示すように体格及び性別を入力できるので、例えば「スタンダード・男」を押し、進むを押すとステップS5に進む。ステップS5は、年令を入力するものであり、図6(f)で示すように数値キーにより被験者の年令を入力し、進むを押すとステップS6に進む。ステップS6は、身長を入力するものであり、図7(a)で示すように数値キーにより被験者の身長を入力し、進むを押す。これにより、ステップS7に進み、ステップS3からステップS6で測定及び入力した被験者のデータと共にデータ確認用メッセージが表示装置16に表示される(図7(b))。ここでステップS8において戻るか中止のキーを押すと、ステップS2に戻り入力及び測定を始めからやり直すことになる。また、開始のキーを押すと、ステップS9に進み被験者の各部位の測定を始めるために、ここでは図示しないが、手用電極部8及び9を各々左手及び右手で把持し、測定姿勢に入るように表示兼入力装置7に指示を表示し、以降のステップS10からステップS18までの各部位の測定及び表示ステップに移行する。
【0018】
ステップS10は、制御装置13の指示で電極切替装置10を切え替ることにより、電極3a、4a間に電流供給装置11から交流電流が供給され、電極3b、4bで電圧測定装置12により電圧が測定される。この測定電圧は制御装置13により電気インピーダンスが演算され、図7(c)で示すように表示装置16に被験者の全身モデルの図と測定部位、この場合電流供給部11からの電流が供給される部位である両足に黒丸で表示するとともに、電圧測定部位である両足に白丸を表示し、電圧測定部位である両足間の白丸を点線で表示すると共に、電気インピーダンスも表示する。このように電流を供給する部位と測定部位とを表示することにより、被験者に安心感を与えることができ、さらに時間経過を意識させないものである。この測定が終了すると、ステップS11に進む。以下同様に、ステップS11では、両手間を測定するもので、電極8a、9a間に電流を流し、電極8b、9b間で電圧を測定する。その結果は図7(d)で両手に電流供給の黒丸と電圧測定の白丸と両手間に測定部位を示す点線を表示する。ステップS12では、右手右足間を測定するもので、電極4a、9a間に電流を流し、電極4b、9b間で電圧を測定する。その結果は図7(e)で上述と同様に示す。ステップS13では、左手左足間を測定するもので、電極8a、3a間に電流を流し、電極8b、3b間で電圧を測定する。その結果は図7(f)で上述と同様に示す。
【0019】
ステップS14では、右足を測定するもので、電極9a、4a間に電流を流し、電極3b、4b間で電圧を測定する。その結果は図8(a)で示す。この場合、電流は黒丸で示す通り両足間に流し、白丸及び点線で示すように右手足間で電圧を測定することにより、右足部分の電圧が測定できるため、右足部分の電圧を電流で割ることによりインピーダンスが演算できる。ステップS15では、左足を測定するもので、電極8a、3a間に電流を流し、電極3b、4b間で電圧を測定する。その結果は図8(b)で示す。この場合、電流は黒丸で示す通り両足間に流し、白丸及び点線で示すように左手足間で電圧を測定することにより、左足部分の電圧が測定できるため、左足部分の電圧を電流で割ることによりインピーダンスが演算できる。ステップS16では、右手を測定するもので、電極9a、4a間に電流を流し、電極8b、9b間で電圧を測定する。その結果は図8(c)で示す。この場合、電流は黒丸で示す通り両手間に流し、白丸及び点線で示すように右手足間で電圧を測定することにより、右手部分の電圧が測定できるため、右手部分の電圧を電流で割ることによりインピーダンスが演算できる。ステップS17では、左手を測定するもので、電極8a、3a間に電流を流し、電極8b、9b間で電圧を測定する。その結果は図8(d)で示す。この場合、電流は黒丸で示す通り両手間に流し、白丸及び点線で示すように左手足間で電圧を測定することにより、左手部分の電圧が測定できるため、左手部分の電圧を電流で割ることによりインピーダンスが演算できる。ステップS18では、体幹間を測定するもので、電極9a、4a間に電流を流し、電極8b、3b間で電圧を測定する。その結果は図8(e)で示す。この場合、電流は黒丸で示す通り左手足間に流し、白丸及び点線で示すように右手足間で電圧を測定することにより、体幹部分の電圧が測定できるため、体幹部分の電圧を電流で割ることによりインピーダンスが演算できる。
【0020】
このように各部位の測定が終了すると、ステップS19において、図8(f)に示すように、測定終了を示す表示と、前記手用電極部8及び9を両手から離し元の位置に戻すように指示する表示とを前記表示兼入力装置7に表示する。このとき、測定終了と前記指示とを音声により報知しても良い。また前記指示と共に、測定装置1の前記手用電極8及び9を戻す位置にLCDなどの発光体を設け、LCDを点滅させるなどして被験者が気付きやすくすることも可能である。
【0021】
前記表示と共に、前記手用電極部8及び9間に、前記ステップS11の両手間測定と同様にして、電極8a及び9a間に電流を印加し、電極8b及び9b間で電圧を測定する。続くステップS20において、両手間の導通を判定する。すなわち、前記測定された電圧値が、予め設定されてある、生体を測定していると見なされる電圧の範囲内で安定して測定されているか否かを、前記制御装置13内の接触判定部を兼ねるマイクロコンピュータにおいて判定する。
【0022】
前記電圧値が前記範囲内で安定して検出された場合は、手用電極部8及び9を持ったままであると判定しYESに進み、前記ステップS19で示した表示及び電圧測定を繰り返す。また、電圧値が前記生体を測定していると見なされる電圧の範囲外であって導通が無くなったと判定された場合、前記表示兼入力装置7に表示した指示通り、手用電極部8及び9は元の位置に戻され両手から離されていると判断されNOに進み、ステップS21において、制御装置13により入出力制御装置17を介して表示装置16を制御し、表示兼入力装置7に測定結果を表示する。
【0023】
前記測定結果の表示に関しては図4を用いて後述するが、前記表示兼入力装置7は前述したようにタッチパネル式の液晶表示装置であり、表示パネルを直接指で触れることにより表示内容を切り替えることができるものである。このとき、前記制御装置13内の接触判定部により、手用電極8及び9が両手で把持されていないことが確認された後に、測定結果表示がなされることから、後述する表示内容の切り替え操作時に前記手用電極8及び9が邪魔になることなく、また、表示兼入力装置7と手用電極8及び9とがぶつかることなく、被験者にとって快適な操作が可能となる。
【0024】
また、前記両手間の導通の判定においては、片手のみ電極を離した場合でも導通はなくなるが、この場合、常識的には電極を離した方の手で前記タッチパネルを操作すると考えられるため、常識的な範囲での使用においても問題ない。
【0025】
測定結果表示がなされると、ステップS22で後述の印刷キーが押されたかを判断し、押されなければステップS2に戻り、押されればステップS23で印刷装置6により印刷が行われ、ステップS2に戻る。
【0026】
次に図4を用いて、ステップS21の測定結果表示のサブルーチンを説明するに、ステップS30で制御装置13の内部の表示カウンタを「0」にし、ステップS31で後述の表示切替キーが押されたかを判断するが、最初はNoと判断されステップS33に進む。ステップS33では表示カウンタがステップS30で「0」にセットされているのでYesと判断され、ステップS34に進み、図9(a)で示すように体重、全身体脂肪率、除脂肪量、各部位のインピーダンス、部分体脂肪率、部分体脂肪量、部分筋肉量を表形式で表示装置16に表示する。ここで印刷キーを押すと、ステップS35でYesと判断され、このサブルーチンを抜けて、図3のステップS22に進んでステップS23で印刷が行われる。印刷キーが押されなければ、ステップS36に進み、表示終了キーの判断を行い、表示終了キーが押されなければステップS31に戻り、押されればこのサブルーチンを抜ける。
【0027】
この数値表示中に表示切替キーが押されると、ステップS31でYesと判断され、ステップS32で表示カウンタを「1」にインクリメントされ、ステップS33でNoと判断され、ステップS37に進む。ステップS37では、Yesと判断されるのでステップS38に進み、図9(b)で示すように被験者の全身モデルの図と測定部位毎の電気インピーダンスを表示装置16に表示する。そしてステップS39に進み、後述の部位データ表示のステップを経てステップS35に戻る。
【0028】
この電気インピーダンス表示中に表示切替キーが押されると、ステップS31からステップS32、S33、S37を経てステップS40に進む。このときステップS40では、Yesと判断されステップS41に進み、図9(c)で示すように被験者の全身モデルの図と測定部位毎の体脂肪率を表示装置16に表示する。そしてステップS39と同様のステップS42に進み、後述の部位データ表示のステップを経てステップS35に戻る。
【0029】
この体脂肪率表示中に表示切替キーが押されると、ステップS31からステップS32、S33、S37、S40を経てステップS43に進む。このときステップS43では、Yesと判断されステップS44に進み、図9(d)で示すように被験者の全身モデルの図と測定部位毎の体脂肪量を表示装置16に表示する。そしてステップS39と同様のステップS45に進み、後述の部位データ表示のステップを経てステップS35に戻る。この体脂肪量表示中に表示切替キーが押されると、ステップS31からステップS32、S33、S37、S40、S43を経てステップS46に進む。このときステップS46では、Yesと判断されステップS47に進み、図9(e)で示すように被験者の全身モデルの図と測定部位毎の部分筋肉量を表示装置16に表示する。そしてステップS39と同様のステップS48に進み、後述の部位データ表示のステップを経てステップS35に戻る。
【0030】
この部分筋肉量表示中に表示切替キーが押されると、ステップS31からステップS32、S33、S37、S40、S43、S46を経てステップS49に進み、表示カウンタを「0」にしてステップS35に戻る。この時には表示カウンタが「0」であるので、ステップS33からステップS34に進み、数値表示に戻る。
【0031】
次に図5を用いて、図4に示した部位データ表示のサブルーチンを説明する。図4のステップS39、S42、S45、S48はその処理内容が共通である。ステップS50でまず図2の制御装置13内の部位カウンタが「0」かどうかを判断するが、最初は部位カウンタが電源オン後の初期設定の値、即ち「0」であり、Yesと判断され、ステップS51で図9に示した部位切替スイッチが押されたかを判断し、押されていなければそのまま図4のステップS35に戻る。ステップS51で部位切替スイッチが押されていれば、Yesと判断され、ステップS52に進み、部位カウンタを「1」インクリメントする。ステップS53では、部位カウンタが「1」であるのでステップS54に進み、図10(a)で示すように被験者の全身モデルの図と右手部位の測定データの全データを表示装置16に表示する。そしてステップS55で表示終了キーが押されたことを判断され、図4のステップS35に戻らない限り、ステップS50に戻り、その表示を継続する。
【0032】
この右手のデータ表示中に部位切替キーが押されると、ステップS58でYesと判断され、ステップS52にて部位カウンタをインクリメントし、部位カウンタを「2」とする。この時にはステップS53でNoとなり、ステップS56でYesとなり、ステップS57に進む。ステップS57では、図10(b)で示すように被験者の全身モデルの図と右足部位の測定データの全データを表示装置16に表示する。そしてステップS55で表示終了キーが押されたことを判断され、図4のステップS35に戻らない限り、ステップS50に戻り、ステップS50からステップS58、S53、S56に進み、右足部の表示を継続する。この右足部の表示中に部位切替スイッチが押されていれば、ステップS58でYesと判断され、ステップS52に進み、部位カウンタを「1」インクリメントする。これにより、ステップS53、S56、S59と進み、ステップS60で左手部の全データが図10(c)に示すように表示される。
【0033】
以下の説明は省略するが、左足部、頭部及び体幹部の全データも同様に図10(d)、図10(e)で示すように表示される。頭部及び体幹部のデータが表示中に部位切替キーが押されると、ステップS63でNoと判断され、ステップS65で部位カウンタが「0」に戻され、ステップS55、S50、S51から図4に戻り、元の表示カウンタの数値表示状態に戻る。
【0034】
なお、上述の実施例では、右手、右足、左手、左足、頭部及び体幹部の5箇所の測定部位の例で説明したが、これに限らずより少ない測定部位を表示してもよい。また、電気インピーダンス、体脂肪率、体脂肪量、筋肉量以外の測定結果を表示してもよい。
【0035】
また、図3のステップS19において、手用電極部8または9の内少なくとも一方が手から離れているか否かを、制御部13内の接触判定部において両手間の導通を判定したが、少なくとも右手または左手のうち一方と他の生体部位とに接触する電極間の導通を判定しても良い。例えば、右手が手用電極部9から離れているか否かを確認するために、図3のステップS11と同様にして右手右足間に対して、電極4a、9a間に電流を流し、電極4b、9b間で電圧を測定することにより右手右足間の導通を判定する。また、左手が手用電極部8から離れているか否かを確認するために、図3のステップS12と同様にして左手左足間に対して、電極8a、3a間に電流を流し、電極8b、3b間で電圧を測定することにより左手左足間の導通を判定する。これにより、右手右足間または左手左足間の内少なくとも一方の導通がないと判定されたときに、ステップS20と同様に結果表示しても良い。また、右手左足間または左手右足間のうち少なくとも一方の導通を判定するものであっても同様のことが言える。
【0036】
また、前記両手間、右手右足間、左手左足間、右手左足間及び左手右足間の全ての導通がないと判定されたときに、結果表示しても良い。
【0037】
更に、右手右足間または左手左足間の導通を判定する前に、右手の筋肉量と左手の筋肉量とを比較し、筋肉量の多い方を利き腕と見なし、前記制御部13内の接触判定部において、前記利き腕と判定された方の手から手用電極が離れているか否かを判定しても良い。これにより、前記利き腕はタッチパネルを操作する確立の高い方の手であると考えられるため、前述のように右手右足間と左手左足間との両方の導通を判定する必要がなく、操作する方の手が空いたらすぐに結果表示されるため、より早いタイミングでスムーズな操作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】測定装置の斜視図である。
【図2】測定装置の電気ブロック図である。
【図3】測定装置のフローチャート図である。
【図4】測定装置のフローチャート図である。
【図5】測定装置のフローチャート図である。
【図6】表示装置の表示画面を示す図である。
【図7】表示装置の表示画面を示す図である。
【図8】表示装置の表示画面を示す図である。
【図9】表示装置の表示画面を示す図である。
【図10】表示装置の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 測定装置
2 体重計
3、4、8、9 電極部
3a、3b、4a、4b、8a、8b、9a、9b 電極
5 電源スイッチ
6 印刷装置
7 表示兼入力装置
10 電極切替装置
11 電流供給装置
12 電圧測定装置
13 制御装置
14 記憶装置
15 入力装置
16 表示装置
17 入出力制御装置
18 電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
右手または左手で把持することにより生体に接触させる手用電極を含む複数の電極と、前記電極に電流を流す電流供給装置と、前記電極の電圧を測定する電圧測定装置と、測定結果を表示する表示装置と、手で入力操作を行なう入力装置とを備えた生体測定装置において、
前記右手または左手の内、少なくとも一方が前記手用電極に接触しているか否かを判定する接触判定手段を備え、
前記表示装置は、前記接触判定手段で接触していないと判定された場合に、前記測定結果を表示することを特徴とする生体測定装置。
【請求項2】
前記接触判定手段は、少なくとも右手又は左手の内一方と他の生体部位とに接触する電極間の導通から接触を判定することを特徴とする請求項1記載の生体測定装置。
【請求項3】
前記接触判定手段は、利き腕を判定する利き腕判定手段を備え、前記接触判定手段は前記利き腕と判定された手と手用電極とが接触しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の生体測定装置。
【請求項4】
前記利き腕判定手段は、左右の手の筋肉量に基づいて利き腕を判定することを特徴とする請求項3記載の生体測定装置。
【請求項5】
前記入力装置はタッチパネルであることを特徴とする請求項1記載の生体測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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