説明

生体測定装置

【課題】生体データの表示に関する混乱や操作の煩雑さを招くことのない生体測定装置を、できるだけ低コストで提供可能とすること。
【解決手段】本発明の生体測定装置は、使用者の複数種類の生体データを測定するデータ測定手段と、測定された複数種類の生体データの一つを選択するデータ選択手段としてそれぞれの生体データに対応させられた複数のキースイッチと、選択された生体データを表示するデータ表示手段とを備えてなる生体測定装置であって、前記複数種類の生体データに対応する複数の発光体と、この複数の発光体のうち前記データ選択手段で選択された生体データに対応する発光体を発光させる発光制御手段とを更に備えてなると共に、前記複数の発光体のそれぞれが、その対応する生体データに対応させられた前記キースイッチに組込まれてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の生体データを測定する生体測定装置に関し、より詳しくは、使用者の複数種類の生体データを測定するデータ測定手段と、測定された複数種類の生体データの一つを選択するデータ選択手段としてそれぞれの生体データに対応させられた複数のキースイッチと、選択された生体データを表示するデータ表示手段とを備えてなる生体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用者の体重や体脂肪率といった複数種類の生体データを測定するための装置が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。特に最近の生体測定装置においては、測定可能な生体データの種類、項目は増加の一途を辿り、体重や体脂肪率のみならず、内臓脂肪面積、体水分率、筋肉量、骨量、基礎代謝量等の生体データを測定することが可能となっている。
【0003】
測定される生体データの種類が増加すると、生体測定装置に搭載された液晶画面等のデータ表示手段では、全ての測定結果を同時に表示しきれないことがある。そこで、測定された生体データのそれぞれを、一定時間ごとに順次自動的に選択して表示する生体測定装置や、使用者の選択操作に従って表示する生体測定措置が開発されてきた。特に、後者の生体測定装置の中には、各測定項目に対応したキースイッチが用意され、使用者が任意のキースイッチを押下すると、当該キースイッチに対応した生体データが液晶画面に表示されるように構成されたものもある(例えば、特許文献2参照。)。これにより、使用者は、表示させるべき生体データを直接的に選択できるものである。
【0004】
【特許文献1】特公平5−49050号公報
【特許文献2】特願2004−48406号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数種類の生体データを測定可能な従来の生体測定装置のうち、測定結果が順次自動的に選択されて(切替えられて)表示されるタイプの装置では、生体データの種類の増加に伴って表示の切替え回数が増加すると、その時々で何のデータが表示されているのか判り難くなることがある。即ち、多くの場合、液晶画面には、測定結果たる生体データの数値及び単位が表示されるのみであるから、例えば、体重(kg)、体脂肪量(kg)、筋肉量(kg)、骨量(kg)のように、同じ単位のデータ表示がいくつも連続したような場合は、今現在の数値がどの生体データを表しているのか、混乱を来たし易い。もちろん、斯かる混乱は、生体データを表す文字や記号を液晶画面に同時に表示することで一応は解消し得るものであり、現にそのようなデータ表示を採用した生体測定装置もあるが、液晶画面の中でそのような文字や記号のために割くことのできるスペースには限りがあり、これを克服しようとすれば液晶画面そのものを大型化せざるを得ず、結果として装置全体のコストを増大させてしまいかねない。
【0006】
一方、測定結果を使用者の選択操作に従って表示するタイプの生体測定装置では、表示すべき生体データを使用者が任意に切替えて選択するわけであるから、上述の如き混乱は生じ難くなる。しかしながら、表示項目の選択(切替え)のために1つか2つのキースイッチが用意されているような装置においては、使用者は、当該キースイッチを何回押下すれば所望の生体データに至るのか、或いは、今現在までにキースイッチを何回押下したか、といったことを考えながら選択操作をしなければならず、操作自体の煩雑さは否めない。また、各測定項目に対応したキースイッチが用意された装置では、表示させるべき生体データを直接的に選択可能ではあるものの、装置本体には生体データの種類と同数のキースイッチが並ぶこととなり、使用者は、これらのキースイッチの中から所望の生体データに対応したキースイッチを選ばなければならない。生体データの種類(キースイッチの数)が3つ、4つのうちであれば兎も角も、これが5つ、6つと増え、更に7つ、8つ、9つと増加した場合には、キースイッチの選択自体が煩雑で、混乱を来たし易いものとなりかねない。
【0007】
従って、本発明は、使用者の複数種類の生体データを測定するデータ測定手段と、測定された複数種類の生体データの一つを選択するデータ選択手段としてそれぞれの生体データに対応させられた複数のキースイッチと、選択された生体データを表示するデータ表示手段とを備えてなる従来の生体測定装置において、上述の如き生体データの表示に関する混乱や操作の煩雑さを招くことのない生体測定装置を、できるだけ低コストで提供可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の生体測定装置は、使用者の複数種類の生体データを測定するデータ測定手段と、測定された複数種類の生体データの一つを選択するデータ選択手段としてそれぞれの生体データに対応させられた複数のキースイッチと、選択された生体データを表示するデータ表示手段とを備えてなる生体測定装置であって、前記複数種類の生体データに対応する複数の発光体と、この複数の発光体のうち前記データ選択手段で選択された生体データに対応する発光体を発光させる発光制御手段とを更に備えてなると共に、前記複数の発光体のそれぞれが、その対応する生体データに対応させられた前記キースイッチに組込まれてなるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の生体測定装置であれば、データ選択手段たるキースイッチで選択された生体データがデータ表示手段に表示される際、当該生体データに対応し、且つ、選択に用いられたキースイッチに組込まれた発光体が、発光制御手段によって発光させられる。この結果、使用者は、今現在データ表示手段に表示されている生体データが何であるかということを、何ら混乱することなく容易に認識し得る。しかも、選択に用いたキースイッチ自体が発光するから、使用者は、表示されている生体データを、特に直接的、直感的に識別することができる。また、斯かる発光体を用いることによって、データ表示手段において生体データを表す文字や記号の表示を省略し、又は完全に省略しないまでも簡略なものとすることができ、従って、データ表示手段の大型化やこれに伴う生体測定装置全体のコスト増加を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の生体測定装置は、使用者の複数種類の生体データを測定するデータ測定手段と、測定された複数種類の生体データの一つを選択するデータ選択手段としてそれぞれの生体データに対応させられた複数のキースイッチと、選択された生体データを表示するデータ表示手段とを備えてなる生体測定装置であって、前記複数種類の生体データに対応する複数の発光体と、この複数の発光体のうち前記データ選択手段で選択された生体データに対応する発光体を発光させる発光制御手段とを更に備えてなると共に、前記複数の発光体のそれぞれが、その対応する生体データに対応させられた前記キースイッチに組込まれてなるものとする。
【0011】
ここで、前記複数の発光体のそれぞれは、当該発光体に対応する生体データを表す文字又は記号が記された透過性のカバーで覆われていることが望ましい。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の好適な実施例を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例たる生体測定装置1の外観図である。図2は、この生体測定装置1に内蔵された電気回路構成の概要を示すブロック図である。図3は、この生体測定装置1で実行される個人データ登録処理のフローチャートである。図4は、この生体測定装置1で実行される生体データ測定処理のフローチャートである。図5は、この生体測定装置1で実行される最新生体データ表示処理のフローチャートである。図6は、この生体測定装置1で実行される過去生体データ表示処理のフローチャートである。図7は、この生体測定装置1に搭載された液晶画面の表示例及び発光体(キースイッチ)の発光例を説明するための図である。
【0013】
この生体測定装置1(以下、単に「装置1」と略称する。)は、使用者の年齢データと性別データと身長データと体重データと両足間の生体電気インピーダンスデータとを利用して使用者の体脂肪率、体水分率、筋肉量、基礎代謝量、骨量といった身体組成データを算出し得るように構成された公知の所謂体組成計を改良したもので、更にこれらの各データに基づいて使用者の内臓脂肪レベル、体型レベル、代謝年齢といった生体指標データを算出し得るものである。尚、この実施例の説明においては、上述した年齢データと性別データと身長データとを個人データと総称し、体重データと5つの身体組成データと3つの生体指標データとからなる計9つのデータを生体データと総称する。
【0014】
図1に示すように、装置1の本体2は基台21とこの基台21に載置された載台22とから構成されており、載台22の上面22aには、使用者の左右の足裏間に交流電流を流すための通電電極31、32と、このときに左右の足裏間に生じる電圧(電位差)を測定するための測定電極41、42と、個人データや生体データの表示に用いる液晶画面5と、使用者が個人データを入力するための入力装置6とが配設されている。
【0015】
ここで、入力装置6は、液晶画面5に表示されるデータの選択操作や決定操作に用いるアップキー61、ダウンキー62及びセットキー63とを含んでいる。また、本体2の側面には、既に登録済みの個人データがある場合にこれを呼出すための4つのフットキー71、72、73、74からなるフットキー7と、電源遮断用のフットキー8とが配設されている。尚、セットキー63とフットキー71〜74とは、それぞれが電源投入キーを兼ねている。更に、図1において破線で囲んだように、載台22の上面22aには、液晶画面5と入力装置6との間に挟まれるようにして、発光体たるLED(発光ダイオード)が組込まれた9つのキースイッチ91、92、93、94、95、96、97、98、99からなる項目キー9が配設されている。
【0016】
また、図2に示すように、この装置1の内部には、通電電極31、32に接続された電流供給回路11と、測定電極41、42に接続された電圧測定回路12と、荷重に応じた電圧を出力することにより使用者の体重データを測定するための重量センサ13と、これら電圧測定回路12及び重量センサ13からの電圧信号をデジタル変換するA/D変換器14と、液晶画面5、入力装置6、フットキー7、電源キー8及び項目キー9(キースイッチ91〜99)に接続された入出力回路15と、入力された個人データと測定された生体データとを記憶させるための記憶装置16と、電池を含む電源装置17と、これら電流供給回路11、A/D変換器14、入出力回路15、記憶装置16及び電源装置17に電気的に接続された制御装置10とが配設されている。
【0017】
このような構成において、制御装置10は、公知の演算素子(CPU)を含み、内蔵時計によって常に現在日時を更新しつつ、記憶装置16に予め記憶された制御プログラムを実行することにより、入力装置6からの個人データの入力を受付ける処理、重量センサ13を用いて体重データを測定する処理、通電電極31、32に交流電流を供給する処理、この電流値と測定電極41、42で検出される電圧値とに基づいて使用者の生体電気インピーダンスを算出する処理、この生体電気インピーダンスと入力装置6で入力された個人データと重量センサ13で測定された体重データとから身体組成データ及び生体指標データを算出する処理、入力された個人データ及び測定された生体データを液晶画面5に表示させ、及び記憶装置16に記憶させる処理等、各種の制御処理を実行し、以って使用者の生体データを測定するものである。
【0018】
特に、本発明の実施例たる装置1では、発光体が組込まれた項目キー9(キースイッチ91〜99)のそれぞれがこの装置1で測定される9種類の生体データのそれぞれに対応しており、各生体データを順次自動的に又は使用者のキー押下による選択操作に従って液晶画面5に表示させると共に、この生体データに対応する発光体を発光させることによって項目キー9自体を発光させる制御処理が実行される。以下、これらの制御処理について、図3から図7までを参照して説明する。
【0019】
図3のフローチャートは、使用者がこの装置1を初めて使用するときなど、個人データの登録を行う際の処理を示す。使用者がセットキー63を押下してこの装置1を起動すると、この登録処理が実行される。
【0020】
ステップS1では、使用者の個人番号が決定される。液晶画面5に、個人番号として1〜4の4つの数字が表示されるので、使用者は、アップキー61、ダウンキー62を用いて任意の1つを自身の個人番号として選択し、セットキー63により決定する。次いで、ステップS2では、選択された個人番号に対して既に個人データの登録がなされているかどうかの確認が行われる。登録済みの場合はステップS3に進み、未登録の場合はステップS4に進む。ステップS3では、液晶画面5に再登録を行うかどうかの選択肢が表示され、使用者が再登録を行う旨の選択肢を選んだ場合はステップS4に進むが、再登録を行わない旨の選択肢を選んだ場合はこの登録処理は終了され、電源は自動的に遮断される。
【0021】
ステップS4では、使用者の生年月日が入力される。液晶画面5には、年、月、日を表す数字が表示され、使用者がアップキー61、ダウンキー62を用いてそれぞれの数字を増減させて自身の生年月日に合わせ、セットキー63により決定する。制御装置10では、入力された生年月日と内蔵時計が示す現在の年月日との比較により、使用者の年齢データが算出される。次いで、ステップS5では、使用者の性別データが入力される。液晶画面5には男女の選択肢が表示され、使用者がアップキー61、ダウンキー62を用いて自身の性別を選択し、セットキー63により決定する。次いで、ステップS6では、使用者の身長データが入力される。液晶画面5には身長を表す数字が表示され、使用者がアップキー61、ダウンキー62を用いてこの数字を増減させて自身の身長に合わせ、セットキー63により決定する。
【0022】
ステップS7では、ステップS1で選択された個人番号とステップS4からS6までで入力された個人データとがセットで記憶装置16に保存される。以上により、個人データの登録処理は全て終了となり、その後所定時間(例えば、10秒程度)が経過すると電源が自動的に遮断される。この所定時間中、入力された個人データを液晶画面5に表示して使用者の確認に供しても良い。また、もちろん、電源の遮断は、使用者が電源遮断キー8を押下して電源を遮断しても良い。
【0023】
図4のフローチャートは、使用者がこの装置1を使用して自身の身体組成や生体指標といった生体データを測定する際の処理を示す。使用者が、自身の個人データが登録された個人番号に対応するフットキー7(71から74の何れか)を押下してこの装置1を起動すると、この測定処理が実行される。
【0024】
ステップS11では、押下されたフットキー7に対応した個人データが登録済みであるか否かの確認が行われる。登録済みであればステップS12に進んで当該個人データが読込まれ、その後ステップS13に進む。一方、未登録の場合には、この測定処理は終了される。尚、この終了に際しては、個人データが未登録である旨を液晶画面5に所定時間だけ表示させて使用者にその登録を促すようにしても良く、或いは、図3のステップS4に移動するようにしても良い。
【0025】
ステップS13では、セットキー63が押下されたか否かが確認される。この時点でセットキー63が押下された場合、制御装置10は、後述するステップS17に進み、個人番号に対応して保存されている過去の生体データの表示処理を実行する。一方、セットキー63が押下されることなく重量センサ13が荷重を検出した場合には、ステップS14に進んで生体データの測定処理を実行する。
【0026】
ステップS14では、使用者の体重データと両足間の生体電気インピーダンスデータとが測定される。即ち、使用者が、左足裏を通電電極31及び測定電極41に、右足裏を通電電極31及び測定電極41に、それぞれ接触させて載台22の上面22aに立つと、重量センサ13で検出される荷重が使用者の体重データとして測定される。また、通電電極31、32を介して左右の足裏間に交流電流が供給され、且つ、測定電極41、42を介して左右の足裏間の電圧(電位差)が測定されて、これら電流値と電圧値とから両足間の生体電気インピーダンスが算出される。尚、抵抗値が既知で且つ異なる複数の基準抵抗を身体に対して直列又は並列となるように電気回路中に配設しておき、各抵抗に起因して生じる電位差を両足間に生じる電位差と共に取得し、取得された各電位差と基準抵抗の抵抗値との比率に基づいて被測定者の生体電気インピーダンスを算出することも可能であり、この場合は身体に供給される電流値が不明であってもインピーダンスデータを取得することができる。
【0027】
次いで、ステップS15では、使用者の個人データとして登録済みの年齢データ、性別データ及び身長データと、ステップS14で測定された体重データ及び生体電気インピーダンスデータとに基づいて、体脂肪率、体水分率、筋肉量、基礎代謝量、骨量といった身体組成データと、内臓脂肪レベル、体型レベル、代謝年齢といった生体指標データとが算出される。また、これら身体組成データ及び生体指標データとステップS14で測定された体重データとからなる生体データが、使用者の個人番号に対応して記憶装置16に保存される。尚、これら身体組成データ及び生体指標データのそれぞれは、各データの算出用に予め作成され記憶装置16に記憶された個別の算定式に従って算出されるものである。多くの場合、各算定式は、上述した個人データと体重データとインピーダンスデータの全部又は一部をパラメータとして構成されているが、特に基本的な生体データである体脂肪や体水分の算定式においては、少なくとも身長データと体重データとインピーダンスデータとがパラメータとして組込まれている。このような算定式を用いた生体データの測定処理は、従来公知の身体組成計における生体データの測定処理と同様であり、また本発明の要旨に直接的に関係するものではないないので、これ以上の詳細説明は割愛する。
【0028】
次いで、ステップS16では、ステップS14及びS15で測定された最新の生体データが液晶画面5に表示されると共に、項目キー9に組込まれた発光体が発光させられる。このステップS16における処理については、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
ステップS161では、生体データの表示時間を管理するタイマがリセットされる。これにより、このタイマは、この最新生体データ表示処理が開始された時点からの経過時間を計時することとなる。尚、斯かるタイマは、制御装置10の内蔵時計を利用するものである。
【0030】
次いで、ステップS162では、初期値が1に設定されると共に後述するステップS170Aで1ずつ増加し(但し、9の後は1に戻る。)、又はステップS170Bにおいて項目キー9(キースイッチ91〜99)に応じた値となるようにプログラムされた指定番号Xと、初期値が1に設定されると共に後述するステップS169で1増加するようにプログラムされた指定番号Yとに従って、液晶画面5への生体データの表示と項目キー9に組込まれた発光体の発光とが行われる。
【0031】
ここで、指定番号Xは、表示させるべき生体データと発光させるべき発光体が組込まれた項目キー9とを決定するためのパラメータである。即ち、この装置1で測定される9種類の生体データと、この装置1に組込まれた9つのキースイッチ91〜99とには、それぞれ1から9までの指定番号が予め付されており、制御装置10は、指定番号Xの現在値に従って、当該数値が付された生体データを選択して液晶画面5に表示させると共に、当該数値が付された発光体(項目キー9)を選択してこれを発光させるものである。
【0032】
また、指定番号Yは、発光体が組込まれた項目キー9の発光形態を決定するためのパラメータである。即ち、この装置1では、最新の生体データを表示する場合における発光体(項目キー9)の発光形態として「点灯」と「中速度の点滅」との2種類の発光パターンが用意されており、それぞれの発光パターンについて指定番号1と2とが付されている。そして、制御装置10は、指定番号Yの現在値に従って、当該数値が付された発光パターンで発光体が組込まれた項目キー9を発光させるものである。
【0033】
次いで、ステップS163では、項目キー9が押下されたか否か、及び押下された項目キー9の指定番号(便宜上、Xinputと表す。)が確認される。項目キー9が押下されない場合には、ステップS164に進んで一定時間ごとの自動的なデータ選択に基づく生体データの表示処理及び発光体が組込まれた項目キー9の発光処理を実行することになる。一方、項目キー9が押下された場合は、後述するステップS167に進んで使用者の選択操作に従った生体データの表示処理及び発光体が組込まれた項目キー9の発光処理を実行することになる。
【0034】
ステップS164では、発光パターンに関する指定番号Yの値が2であるかどうかの確認が行われる。Y=2となっている場合は、この後のステップS165を飛ばしてステップS166に進むが、Y=2ではない場合(即ち、Y=1の場合)には、ステップS165に進む。
【0035】
ここで、指定番号Yは、初期値が1で、ステップS163で項目キー9が押下された場合に進むことになる後述のステップS169において1増加されるものである。従って、使用者が項目キー9を一度も押下していない場合には、Y=1(Y≠2)であるから、ステップS165に進むこととなる。一方、使用者が項目キー9を一度でも押下すると、後述の如くステップS169でY=2となり、その後は常にステップS165を飛ばしてステップS166に進むこととなる。
【0036】
ステップS165では、ステップS161におけるタイマリセットから3x秒が経過しているかどうかが確認され、3x秒経過している場合はステップS170Aを経由してステップS166に進むが、未経過の場合はステップS170Aを経由することなくステップS166に進む。ここで、3x秒のxには、基本的には指定番号Xと同じ数値が代入されるものである。即ち、例えば指定番号X=1の場合はx=1となってステップS161のタイマリセットから3(=3×1)秒経過しているかどうかが確認され、指定番号X=5の場合はx=5となってステップS161のタイマリセットから15(=3×5)秒経過しているかどうかが確認されることとなる。但し、指定番号Xは9まで増加すると1に戻るようにプログラムされているのに対し、このxについては、x=9以降も10、11、12・・・と順次増加するようにプログラムされている。
【0037】
また、ステップS170Aでは、指定番号Xの値が1増加させられる。即ち、現在値が1であれば2に、2であれば3に変更させられる。尚、前述の通り、この指定番号Xは、9まで増加した後は再び1に戻るようにプログラムされている。
【0038】
ステップS164においてY=2であることが確認され、又はステップS165において3x秒未経過であることが確認され、又はステップS170Aにおいて指定番号Xの値を1増加させた後は、ステップS166に進む。ステップS166では、ステップS161又は後述するステップS167におけるタイマリセットから30秒が経過しているかどうかが確認され、30秒経過している場合はこの生体データ表示処理を全て終了するが、未経過の場合はステップS162に戻る。
【0039】
ステップS161からS166まで及びステップS170Aの処理により、一定時間ごとの自動的なデータ選択に基づく生体データの表示処理と発光体が組込まれた項目キー9の発光処理とが実行されることとなる。即ち、ステップS162で先ず指定番号1の生体データが表示され、その後項目キー9が押下されることなく3秒経過するとステップS170AでX=2となって指定番号2の生体データ表示に切替わり、その後再び3秒(タイマリセットからは3×2=6秒)経過すると指定番号3の生体データ表示に切替わり、更に再び3秒(タイマリセットからは3×3=9秒)経過すると指定番号4の生体データ表示に切替わるといったように、9種類の生体データのそれぞれが3秒ごとに順次自動的に選択されて液晶画面5に表示されることとなる。また、この間、選択された生体データと同じ指定番号Xが付された発光体が組込まれた項目キー9が、指定番号Y=1の発光パターンで発光(点灯)させられることとなる。そして、斯かる表示及び発光処理は、ステップS161のタイマリセット、即ち、この最新データ表示処理の開始から合計で30秒間、継続されることとなる。尚、もちろん、これら3秒や30秒という時間については、使用者の利便性を考慮して適宜に設定すれば良い。
【0040】
一方、ステップS163において項目キー9の押下が確認された場合には、ステップS167に進むこととなる。このステップS167では、当初ステップS161でリセットされたタイマが、再びリセットされる。これにより、タイマは、項目キー9が押下された時点からの経過時間を計時することとなる。
【0041】
次いで、ステップS168では、発光パターンに関する指定番号Yの値が2であるかどうかの確認が行われる。Y=2となっている場合は、この後のステップS169を飛ばしてステップS170Bに進むが、Y=2ではない場合(即ち、Y=1の場合)には、ステップS169に進む。もちろん、指定番号Yの初期値は1であるから、項目キー9が初めて押下されてこのステップS168に進んできた場合には、ステップS169に進むこととなる。
【0042】
ステップS169では、指定番号Yの値が1増加させられ、Y=2となる。この結果、発光体が組込まれた項目キー9は指定番号2の発光パターンで発光(中速度の点滅)させられることとなる。尚、このステップS169は、指定番号Y=2となった後には、ステップS168の判定によって常にスキップされるものである。
【0043】
ステップS170Bでは、指定番号Xの値が、ステップS163で押下された項目キー9に付された指定番号Xinput(1〜9の何れか)に応じて変更される。即ち、押下された項目キー9の指定番号が2であれば2に、3であれば3に変更される。そして、このステップS170Bの後はステップS166に進み、ステップS166では、ステップS167のタイマリセットから30秒経過したかどうか、即ち、項目キー9が押下された時点から30秒経過したかどうかが確認されることとなる。
【0044】
ステップS163からステップS167を経由してステップS166に至る処理により、使用者の項目キー9(キースイッチ91〜99)を用いた選択操作に従った生体データの表示処理及び発光体が組込まれた項目キー9の発光処理が実行されることとなる。即ち、項目キー9の押下という使用者の選択操作に従って指定番号X(即ち、9種類の生体データの一つ)が選択され、このように任意に選択された生体データは、使用者が再び選択操作を行うまで、液晶画面5に表示されることとなる。この結果、使用者が項目キー9を押下するごとに、液晶画面5に表示される生体データが切替わるものである。また、この間、選択された生体データと同じ指定番号Xが付された発光体が組込まれた項目キー9が、指定番号Y=2の発光パターンで発光(中速度の点滅)させられることとなる。そして、斯かる表示及び発光処理は、ステップS167のタイマリセット、即ち、使用者が項目キー9を最後に押下した時点から合計で30秒間、継続されることとなる。
【0045】
ステップS166で30秒経過したことが確認されると、この最新生体データ表示処理は終了し、以って生体データ測定処理全体も終了することとなる。
【0046】
再び図4のフローチャートに戻り、ステップS13においてセットキー63の押下が確認された場合の処理について説明する。この時点におけるセットキー63の押下は、記憶装置16に保存されている過去の生体データを表示させるために行われるものである。ステップS13においてセットキー63の押下が確認された場合は、ステップS17に進む。
【0047】
ステップS17では、表示させるべき生体データの測定日が入力される。液晶画面5には、年、月、日を表す数字が表示され、使用者がアップキー61、ダウンキー62を用いてそれぞれの数字を増減させて過去の測定日に合わせ、セットキー63により決定する。もちろん、測定日に代えて、何日前、何回前といった入力を行うようにすることも可能である。
【0048】
次いで、ステップS18では、ステップS17で入力された測定日の生体データが記憶装置16から読込まれる。該当するデータが保存されていない場合は、その旨を表すエラー表示を行ってこの処理を終了しても良いし、再びステップS17に戻るようにしても良い。
【0049】
次いで、ステップS19では、ステップS18で読込まれた過去の生体データが液晶画面5に表示されると共に、項目キー9に組込まれた発光体が発光させられる。このステップS19における処理については、図6のフローチャートを参照して説明する。尚、図6のフローチャートは、図5のフローチャートと基本的には同様のものであるので、相違する箇所以外については簡略に説明する。
【0050】
ステップS191では、ステップS161と同様にタイマがリセットされる。
【0051】
次いで、ステップS192では、ステップS162と同様に、指定番号Xに従った生体データの表示処理と項目キー9に組込まれた発光体の発光処理とが行われる。但し、ステップS162の場合と異なり、表示される生体データ自体は、ステップS18で読込まれた過去の生体データである。また、項目キー9に組込まれた発光体の発光形態(発光パターン)は、指定番号Yではなく、指定番号Zに従って決定されるものである。この指定番号Zは、初期値が1に設定されると共に後述するステップS199で1増加するようにプログラムされており、Z=1の場合は「低速度の点滅」となり、Z=2の場合は「高速度の点滅」となる。このように、最新生体データ表示の場合と過去生体データ表示の場合とで異なる発光形態を用意しておき、それぞれの発光形態を決定するための指定番号を異なるものとしておくことで、最新生体データ表示の場合における発光体(項目キー9)の発光形態と、過去生体データ表示の場合における発光体(項目キー9)の発光形態とが、互いに異なるものとなる。
【0052】
次いで、ステップS193では、ステップS163と同様に項目キー9の押下とその指定番号Xinputとが確認され、押下が確認されない場合はステップS194に進み、押下が確認された場合はステップS197に進む。
【0053】
ステップS194では、指定番号Zが2であるかどうかが確認され、Z≠2であればステップS195に進み、Z=2であればステップS195を飛ばしてステップS196に進む。
【0054】
ステップS195では、ステップS165と同様に、ステップS191のタイマリセットから3x秒が経過しているかどうかの確認が行われ、経過している場合はステップS200Aを経由してステップS196に進み、未経過の場合はステップS200Aを経由することなくステップS196に進む。
【0055】
ステップS196では、ステップS166と同様に、ステップS191又は後述するステップS197のタイマリセットから30秒が経過しているかどうかの確認が行われ、経過している場合はこの過去生体データ表示処理を終了し、未経過の場合はステップS192に戻る。
【0056】
一方、ステップS197では、ステップS167と同様にタイマリセットが行われ、その後ステップS198に進む。
【0057】
ステップS198では、指定番号Zが2であるかどうかが確認され、Z≠2であればステップS199に進み、Z=2であればステップS199を飛ばしてステップS200Bに進む。
【0058】
ステップS199では、指定番号Zの値が1増加させられ、Z=2となる。この結果、項目キー9に組込まれた発光体は指定番号2の発光パターンで発光(高速度の点滅)させられることとなる。
【0059】
ステップS200Bでは、ステップS170Bと同様に、指定番号XがステップS163で押下された項目キー9の指定番号Xinput(1〜9の何れか)に応じて変更され、その後ステップS196に進むものである。そして、ステップS196で30秒経過したことが確認されると、この過去生体データ表示処理は終了し、以って生体データ測定処理全体も終了することとなる。
【0060】
図7には、この装置1の液晶画面5の表示と項目キー9に組込まれた発光体の発光状態とが例示されている。液晶画面5の近傍には、9つのキースイッチ91〜99からなる項目キー9が配設されている。各キースイッチ91〜99は、可撓性を備えた透過性の樹脂カバー91a 、92a、93a、94a、95a、96a、97a、98a、99aで覆われており、これを押下することでその内部に配設された電気接点の接触と非接触とが切替わる一般的なものである。そして、各カバー91a〜99aの内側には発光体たるLEDが組込まれていると共に、各カバー91a〜99aの表面には、対応する生体データを表すマークが付されている。
【0061】
図7(A)には、生体データの一つである体重(指定番号X=1)の表示例が示されており、液晶画面5には体重を表す数値「73.1」とその単位「kg」とが表示され、体重を表すマーク(錘マーク)が付されたカバー91aで覆われたキースイッチ91が点灯(指定番号Y=1)している。即ち、この体重は、この時点で測定されたばかりの最新のデータであり、少なくとも3秒後には自動的に別の生体データ(指定番号X=2の生体データ)に切替わるものである。
【0062】
図7(B)には、生体データの一つである体脂肪率(指定番号X=2)の表示例が示されており、液晶画面5には体脂肪率を表す数値「21.7」とその単位「%」とが表示され、体脂肪率を表すマーク(人体のシルエットに「%」を白抜きで記載したマーク)が付されたカバー92aで覆われたキースイッチ92が中速度で点滅している(指定番号Y=2)。即ち、この体脂肪率は、この時点で測定されたばかりの最新のデータであり、使用者が項目キー9を押下しない限り、30秒間に亘って表示されるものである。
【0063】
図7(C)には、生体データの一つである骨量(指定番号X=8)の表示例が示されており、液晶画面5には骨量を表す数値「4.7」とその単位「kg」とが表示され、骨量を表すマーク(人体のシルエットに骨格を白抜きで記載したマーク)が付されたカバー98aで覆われたキースイッチ98が低速度で点滅している(指定番号Z=1)。即ち、この骨量は、過去のある時点で測定されて記憶装置16に保存されていたデータであり、少なくとも3秒後には自動的に別の生体データ(指定番号X=9の生体データ)に切替わるものである。
【0064】
図7(D)には、生体データの一つである内臓脂肪レベル(指定番号X=9)の表示例が示されており、液晶画面5には内臓脂肪レベルを表す数値9が表示され、内臓脂肪を表すマーク(人体のシルエットに腹部の断面を白抜きで記載したマーク)が付されたカバー99aで覆われたキースイッチ99が高速度で点滅している(指定番号Z=2)。即ち、この内臓脂肪レベルは、過去のある時点で測定されて記憶装置16に保存されていたデータであり、使用者が項目キー9を押下しない限り、30秒間に亘って表示されるものである。
【0065】
上述のように、この装置1においては、主として入力装置6と重量センサ13と通電電極31、32と電流供給回路11と測定電極41、42と電圧測定回路12と制御装置10とで構成されるデータ測定手段が、ステップS4からS6まで及びステップS14からS15までの如く使用者の複数種類(9種類)の生体データを測定し、主として項目キー9と制御手段10とで構成されるデータ選択手段が、ステップS163からS170Bまで又はステップS193からS200Bまでの如く測定された生体データの一つを選択し、主として液晶画面5と制御装置10とで構成されるデータ表示手段が、ステップS162又はS192の如く選択された生体データを表示する。そして、特に、主としてLEDで構成される複数(9つ)の発光体のそれぞれが、各生体データに対応させられたキースイッチ91〜99に組込まれており、主として制御装置10で構成される発光制御手段が、ステップS162又はS192の如く、選択された生体データに対応する項目キー9に組込まれた発光体を発光させるものである。
【0066】
以上、本発明による生体測定装置及びその実施の形態について詳述してきたが、本発明は、実施例の構成に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した構成を備える限りにおいて、実施例と共に説明した各種の変形はもちろん、その他様々な変形が可能である。例えば、測定される生体データの種類は9種類に限らず、これより多くても少なくても良い。また、発光体はLEDに限らず、電球等を用いても良い。また、発光体を覆う透過性のカバーには、生体データを表す文字を記しても良い。また、発光体の発光形態の変更は、点灯、点滅といった発光パターンの変更のみならず、例えば色を変更することによって実現することもできる。また、もちろん、本発明は生体電気インピーダンスを利用した所謂体組成計に適用するのみならず、複数種類の生体データを測定する装置(例えば、歩数と消費エネルギーと必要エネルギーとを測定する歩数計等)に広く適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例たる生体測定装置1の外観図
【図2】生体測定装置1に内蔵された電気回路構成の概要を示すブロック図
【図3】個人データ登録処理のフローチャート
【図4】生体データ測定処理のフローチャート
【図5】最新生体データ表示処理のフローチャート
【図6】過去生体データ表示処理のフローチャート
【図7】液晶画面の表示例及び項目キーの発光例を説明するための図
【符号の説明】
【0068】
1 生体測定装置
2 本体
21 基台
22 載台
22a 上面
31、32 通電電極
41、42 測定電極
5 液晶画面
6 入力装置
61 アップキー
62 ダウンキー
63 決定キー
7(71、72、73、74) フットキー
8 電源遮断用フットキー
9 項目キー
91、92、93、94、95、96、97、98、99 キースイッチ
91a、92a、93a、94a、95a、96a、97a、98a、99a 透過性カバー
10 制御装置
11 電流供給回路
12 電圧測定回路
13 重量センサ
14 A/D変換器
15 入出力回路
16 記憶装置
17 電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の複数種類の生体データを測定するデータ測定手段と、測定された複数種類の生体データの一つを選択するデータ選択手段としてそれぞれの生体データに対応させられた複数のキースイッチと、選択された生体データを表示するデータ表示手段とを備えてなる生体測定装置であって、
前記複数種類の生体データに対応する複数の発光体と、この複数の発光体のうち前記データ選択手段で選択された生体データに対応する発光体を発光させる発光制御手段とを更に備えてなると共に、前記複数の発光体のそれぞれが、その対応する生体データに対応させられた前記キースイッチに組込まれてなることを特徴とする生体測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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