説明

生体適合電極

本発明は,集積回路から形成される生体適合電極であって,電極は,半導体基板を含み,及び,電極層は少なくとも部分的に多孔質バルブ金属酸化物を含む生体適合電極に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体適合電極,及びその製造方法に関するものであって,電気生理学的な応用に用いることができるものある。
【0002】
生物医学の様々な分野では粘着細胞を刺激すること,及び粘着細胞から情報を記録することが必要とされている。粘着細胞には,神経,心筋,及び他の細胞がある。創薬,薬理学,細胞ベースのバイオセンサー,及び神経インターフェイスシステムにこれらの分野は応用される。
【0003】
ここ数年,創薬市場における重要な成長はの発展によるものである。これには,ライブラリを作るために細胞の電気生理学的な反応のモニタリングを必要とするが,現在は情報電気生理学的反応に関する得られた情報を伝えるための十分な解決策がない。高処理スクリーニングで用いられている単一分析評価(シングルアッセイ
)はマルチウェルプレート,例えば384ウェルプレートなどが使われる。従って,すべての穴に対応するためには多くの電極とコストが必要とされ,そのため,個々の電極の製造の容易さが重要となる。
【0004】
HTSではないバイオセンサーはここ30年に間に,医療への応用,環境毒物(有機リンなどの有害物質の検出など),及び生物兵器または化学兵器に対する防衛のセンサーなどに応用されている。全てのバイオセンサーは電子装置のサポート,すなわち,活性化要素が必要であり,現在は多数のチップを使うことが必要である。神経インターフェイスシステムは診断,管理,及び神経系疾患の最終的な治療を助けるために現在,開発されている。このようなシステムもまた,他の必要な電子部品との接続を必要とする。これらのバイオセンサーと神経インターフェイスへの応用には,他の要素との統合を可能にする電極液が不可欠である。
【0005】
電気生理学的用途に適した電極を生産する現在の試みは,注文による製造(特注)となる。従って,生産は複雑であり,かつ製造のための高いコストがかかる。また,要求されているレベルでの小型化はできておらず,信頼性も低い。
【0006】
例えば,現在,電気生理学的用途のためにマルチ電極アレイ(MEAs)がある。しかし,これらは制限が多く,単純で,受動的(無抵抗)装置であるため,電気回路との統合ができない。これらが高いコスト/ボリュームがあるため,これらの応用したものの研究開発が注目されている。
【0007】
電気回路との統合を有効にするためには,高処理スクリーニング(HTS)などの用途に使う電極を生成する既存の集積回路(IC)技術を使用することが試されている。しかし,これは限られた結果しか得られていない。生体適合電極をつくるために,集積回路を含む電極の製造には複雑な後処理をすることが必要である。そして,これには高価な微細加工装置及びクリーンルーム設備が必要となる。従って,大量で,低コストの応用には適していない。
【0008】
以上のように,利用可能で,信頼性が高く,低コストであり,かつ大規模な製造のためにシンプルであり,かつ,バイオセンサー,インプラント,創薬アッセイなどの電気生理学的用途に適している「機能的な」生体適合電極は,現在はない。
【発明の概要】
【0009】
発明は請求項に記載している。本発明は信頼性が高く,腐食することがない生体適合電極に関するものである。この生体適合電極は集積回路の電極構造に基づいて他の電子部品と統合することができるが,電極層の腐食のリスクを大幅に減らすことができる。腐食は例えば多孔質バルブ金属酸化物を含む電極層を介して,電極が生理学的触媒のようなものにさらされることにより起こる。
【0010】
電極の製造はシンプルであり,従って,低コストと大量生産が可能である。その理由は,電極は低コストである集積回路技術を容易に用いながら製造することが可能であるかである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は,本発明の,生体適合電極を示す図である。
【図2】図2は,図1において四角aで囲んだ部分の拡大図である。
【図3】図3は,図2において四角bで囲んだ部分に対応した部分的に構成された電極層の拡大図である(周辺効果の詳細については,単純化と明確化のために省略している)。
【図4】図4は,電極層の例を示す図である。
【図5】図5A及び図5Bは,孔をもつ電極層の例を示す図である。孔は広げられ,エッチングにより薄くされたバリア酸化物がある。
【図6】図6A及び図6Bは,貴金属でコーティングされている電極層の例を示す図である。
【図7】図7は,貴金属のコーティングを有する層,及びその層がさらにコーティングされている電極層の例を示す図である。
【図8】図8は,図4に示すような,電極層を有する生体適合電極のイメージ図である。
【図9】図9は,図6Aに示すような,電極層を有する生体適合電極のイメージ図である。
【図10】図10は,図6Aに示すような,電極層を有する電極の微小電極アレイのイメージ図である。
【図11】図11は,バイオセンサーの例の模式図である。
【図12】図12は,細胞の電気的記録/刺激が例示した電極によって,起こる様子を示した図である。
【図13】図13a〜図13dは,例示したバイオセンサーとその一部の模式図である。
【図14】図14は,本発明に係る生体適合電極を製造する方法を例示した処理手順を示すフロー図である。
【図15】図15は,図14に示すプロセスの開始点にあるCMOC集積回路の例を示す図である。
【図16】図16は,図15において四角cで囲った部分の拡大図である。
【図17】図17は,電極部分が電解質にさらされるように組み立てられた集積回路のパッケージを示す図である。
【図18】図18は,プレ陽極酸化エッチングが起こった後の図16の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
並列の電極1を有する電極パッケージの例が図1に示されている。図2は図1において四角aで囲まれた部分の拡大図であり,電極1のうちの一つを詳細に示している。図3は図2において四角bで囲まれた拡大図であり,電極的な接続のが提供される前の電極1の電極層2を詳細に示している。
【0013】
電極1の例には半導体基盤3と,絶縁体層4及び電極層2を含んでいる。電極層2は,適切な培地と接触するように配置された露出面5を有している。例えば,適切な培地とは,試験に用いられる細胞を培養できる培養培地のようなものがある。ここでは,基板3と電極層2の間に絶縁層4が例示されているが,絶縁層4がなく,電極層2が直接基板3に接触する場合もある。
【0014】
図1に示される電極パッケージは,表面5を露出させ,結合パッド6aと結合ワイヤー6bを絶縁する開放系パッケージである。露出表面5を取り囲むように,保護層7がある。図1に示される例には,in vitroの用途のために,培養培地を保持するするように配置された培養チャンバー8がある。以下で述べるように,製造工程の間,パッケージとチャンバー8は電解質を保持するためやエッチングのために使われる。これには製造を簡素化できる利点がある。
【0015】
電気的結合の準備がなされる前の,部分的な電極層2の一部の例の基本的構造は,図3に詳細に示されている。電極層2は,以下でさらに詳細に説明するように,陽極酸化処理したアルミニウムから形成された多孔質アルミナ層9を含む。アルミナ層9と絶縁層4の間には,薄いアルミニウム層10があり,それは,電極1へ/からの電気的接続として機能する(電気的接続は図示されていない)。この例では,各孔の底部にはアルミナ層11がある。
【0016】
ここで取り上げる例では,多孔質層はアルミナと言われているが,以下に述べるような代替可能な他の金属酸化物も使われる。
【0017】
ある例では,電極層2は図4に示されている。この例においては。電極1はさらにバリア層12を含んでおり,絶縁層4に隣接している。絶縁層4には例えば,チタン及び/または窒化チタンがあげられる。さらに,図4の例では,アルミナ層9とバリア層12の一部分にあるバリア層12の間にはアルミニウムは存在しておらず,アルミナバリア層13のみがある。ほかの一部分には極少量のアルミナ14が残っている。
【0018】
別の例(図示せず)では極少量のアルミナ14も存在しないため,アルミニウムは残っておらず,アルミナバリア層13のみが存在している。
【0019】
図5A及び図5Bは,電極1に各々存在する電極層2の例を示している。そこにはバリア層12はなく,薄いアルミニウム層10を有しているが,アルミナバリア層13は有していない。図5Aで示されている例は,高く,狭い孔を持ち,図5Bでは低く幅が広い孔をもつ。
【0020】
上記の例で示されている電気的接続は,残っているアルミニウム10,14またはバリア層12を使用することによって,適切な方法でなされている。
【0021】
図6Aは図5Aの一例を示しているが,さらに孔を埋める貴金属コーティング15を含んでいる。このようなコーティング15は第一に,電極1の導電性を向上される。コーティングは電極表面5と10,14または12からの電気的接続との間の電気的接続を確立させるために使用できる。厚い酸化物バリア11,13を通して伝導することができない孔があったり,アルミニウム10の導電性が欠如していても,金属コーティング15を介して電気的に接続することができる。第二に,貴金属コーティング15はエッチング培地が,孔の底(ベース)にある残りのアルミニウムに接触することを防ぐ。
【0022】
貴金属15の正確な性質は多様である。図6Aに示すような,孔を埋めるコーティング15の代わりの選択肢には,多孔質アルミナの微細構成に沿う薄層がある。この薄層は図6Bで示すように,多孔質アルミナの性質に基づいて高い表面積を提供し,または,部分的に細孔を埋める層は薄層の利点を提供しつつ,アルミナの底部にある層にエッチング培地が入り込むリスクを最小限に抑えられるものである。このようなコーティング15の例には,延性白金層がある。
【0023】
図7は図6Aの例を示しているが,さらに,機能性を増すように,コーティング16も含むことができる。この層の例は,白金黒(白金黒付き白金)があげられる。
【0024】
もう一例は(図示せず),金属コーティング15を使うことである。金属コーティング15は図6Aで示されている例と同様であるが,多孔質アルミナは完全に金属で覆われておらず,金属コーティング15は主に孔を埋めているものである。アルミナは,貴金属「ロッド」にナノテクスチャー凹凸表面を残すために酸電解質を使用して,部分的にバックエッチングされる。このことで,アルミナの下層にあるアルミニウムの構造的な保護を有し,金属のは高い表面積をもち,低い電気抵抗を与える。
【0025】
上記の例で説明したように,電極層2の様々な機能は,電極1の構造的要求に応じて制御され,そして,多様な方法で組み合わされる。それらは,図3から図7に示された例に限定されない。例えば,電解質の種類,電解質の濃度,及び陽極酸化処置電圧は変化させることができる。アニーリング(焼きなまし)が用いられることもある。表面化学は,例えば化学浸液を使用して変更することができる。陽極酸化条件を制御すること,エッチング,及びコーティングは以下に記載されており,製造工程も以下に記載する。
【0026】
図8と図9は生体適合性の相補型金属酸化物半導体(CMOS)電極のイメージ図を示す。図8は,図4に示されているような電極層2を有する電極1を示している。電極1は各孔の基部に薄い酸化物バリア13を有しており,バリア13は修飾されていない非生体適合性アルミニウムパッドと同様の電気抵抗負荷を与える。図9は,図6Aで示されているような電極層2を有する電極1を示している。多孔質アルミナは白金15で満たされており,修飾されていないアルミナパッドよりも電気抵抗が低い。
【0027】
生体適合電極1を含む微小電極アレイの例のイメージが図10に示されている。図10に示されているアレイは図6Aで示したような電極層2を有する電極1を含む。コントロールのパッドは,めっきされていない多孔質アルミナ(ここではパッドの直径は30μm)であり,他のパッドは1〜1時間半かけて白金でめっきされたパッドである。
【0028】
上述した電極1は,生体適合電極が記録や,または刺激のために必要とされている場合に応用されており,たとえば生理的条件の培地で腐食されないことが必要である。さらに,電極1は他の電子部品との統合が必要とされている場合に使用されており,さらに,並列電極が必要とされている場合にも使用されている。例えば,電極1はバイオセンサーや,神経インターフェイスシステムの一部である場合がある。生体適合電極1のような多くは,マルチウェルプレートに組み込まれます。このようなマルチウェルプレートは例えば,高処理スクリーニング(HTS)で使われる場合がある。図11はバイオセンサーの例の構造を示している。チャンバー8は電極2の配列21の周囲にあるガラスリング20によって,例示されている。電気的接続22はアレイ21とプリント回路基板23との間にある。
【0029】
生体適合電極1を含むシステムの使用時には,伝導は孔の底部,例えばアルミニウム10や貴金属15を介して発生する。そして,さらに,電極1による記録と刺激のために,上述したバリア層12を介して伝導度は発生する。例えばこのことは,相補型金属酸化物半導体(CMOS)トランジスタのゲートのような装置で感知する電位を記録することを可能にする。例えば,チャンバー8の培地では,神経細胞の電位の活動電位を記録する場合,神経細胞アルミナ接合が形成され,細胞膜の下に湿式電極を形成する。そこには,生理的培地で満たされた低い電気抵抗をもつアルミナの孔を通り,または,孔の底部にある電気抵抗を通り高い電気抵抗のトランジスターゲートに入る伝導パスがある。
【0030】
図12は電極1の電極層2の上にある神経細胞24を示している。電極1は培地の中で細胞24を含んだチャンバー8を有しているパッケージ内に位置しており,回路25につながっている。図12で見られるように,イオン26は電極1の近隣を動いて,電界または電圧を作り出しており,それらは電極1によって記録されている。
【0031】
図13はバイオセンサーとして使用することができる生体適合電極を含むシステムのさらなる例を示している。図13aは,マルチ電極アレイをと培養チャンバー8を有する集積回路チップを示している。図13bは陽極酸化する前の図13aの電極アレイの一部を拡大したものを示している。図13cは陽極酸化する前の図13bの一つの電極パッドを拡大したものである。図13dは陽極酸化した後のパッドを示したものである。
【0032】
図14は,生体適合電極の製造手順の例を示している。製造プロセルの出発点100は相補型金属酸化物半導体(CMOS IC)のような集積回路であり,それは適切な既存の方法によって製造される。その方法はバルブ金属やバルブ金属合金を上層部17の金属めっきのために使う方法である。後述の例では,アルミニウム上層部17の記載がある。
【0033】
初期の相補型金属酸化物半導体の金属化の例の簡略化されたクロスセクションが図15に図示されている。この例では,シリコン基板3に上に一つ以上の金属層17がパターン配置されている。金属層17は中間膜絶縁体4によって絶縁されている。保護層7においてパターン化されたWindowasは電極エリアを特定する。これはバウンドパッド6aと同じバッグエンドステップによってなされ,他の処理が必要とならない。この例では,上部金属層17はアルミニウム層18と同じである。
【0034】
図16は図15の四角cで囲まれた部分の拡大された略図である。この例では集積回路はアルミニウム層と絶縁層4との間にバリア層が存在しないように製造されている。図4で述べたように,完成された電極にバリア層12含むことが必要であるならば,バリア層12をもつ適切な集積回路を開始点にすることが有用である。当業者に理解されるように,バリア層12はスパイクと接触することの問題を回避するために使用することができる。
【0035】
反射防止膜19は,図16に示すように,アルミニウム層17の上に取り込むことができる。この場合には,既知の方法で保護エッチングをしている間,電極1とパッド6aエリアから取り除かれる。小さな形状(例えば,1.0μm未満の粒子の製造プロセス,ここでは,最小の機能が定義可能なフォトリソグラフィは1.0μmである)を製造する際,リソグラフィ(平板印刷)問題を回避することが望まれている。反射防止コーティングは,光沢のある金属表面からの反射はそれ以外の場合は集積回路の間違った場所に落ちる暴露光の原因となる,光沢のある金属表面から反射を抑制する。
【0036】
図17に示すように,集積回路は次に,電解液に露出する電極層2の表面5を含むように,組み立てられる110。上述したように,完成した電極1にある集積回路の電極層2の表面5は,細胞培養培地(浮遊または付着)に存在する目的の細胞と接触することができるように,剥き出しとなっている。結合パッド6aと結合ワイヤー6bは,電解質から絶縁する必要がある。チャンバー8は,電極1の陽極酸化のために必要な電解質を保持するため,及びin−vitroでの利用において電極1の使用のために培養培地を保持するために必要である(図1参照)。例えば,集積回路はカスタム成形のマルチウェルプレートの基部に成形することができる。この場合においては,陽極酸化電解質は各ウェルに配置される。
【0037】
図16に示すように,陽極酸化の前に,アルミニウムは部分的にエッチバックがなされ120,陽極酸化の間に起こる高さの増加を可能にする。この高さの増加は,ピリングーベドワース比の1.28によるものである。この比率は,結果として得られたアルミナの厚さによって得られたアルミニウムが消費されたアルミニウムよりも多いことを示す。当業者には理解されていることではあるが,エッチングの量は,陽極酸化されるアルミニウムの量と,保護層で誘導される応力(ストレス)に依存する。しかし,この工程は生体適合電極の製造操作には必須の工程ではない。
【0038】
陽極酸化は適切な電解質(4重量%リン酸など)を使用して実行される130。電極層5を陽極酸化バイアスに接合させることによって,または活性化相補型金属酸化物半導体トランジスタ回路(図示せず)を通じて,または各電極パッドとパッケージ端子の間の直接接続を介して実行される。陰極は,電解質中に,電気的接続(図示せず)によって形成される。陽極酸化は,図3から図7に示されているような多孔質層9を形成する。陽極酸化はアルミニウム層17を,例えば1μmの厚さを消費することによって進む。陽極酸化が終了した電極1で,アルミニウムをアルミナに変換することは,腐食の原因源を排除することになる。
【0039】
図3に示された多孔質アルミナ層9は特定の時間の処理をし,陽極酸化された結果の構造をとる。ここでは,多孔質アルミナ層9の下にあるアルミニウム層10がある。アルミニウム層は電極層1から/電極層1へ電気的接続として機能しつづける。
【0040】
反対に,すべてのアルミニウム層が消費された場合(図示せず),陽極酸化は自発的に中止される。陽極酸化が止まることは,陽極酸化電流の減少によって検出される。ここでは,アルミナ酸化物バリア13のみが残る。
【0041】
これらの2つの方法には重要なポイントがある。それは,多孔の下にあるアルミニウムは消費されるが,図4に示すように少量のアルミニウム14が残ることである。このことは,定常状態の電流が低下し始めたことで,電気的に検出すれる。陽極酸化は,残っている薄くなったアルミニウム10を介して電極1から/電極1へ電気的継続を提供できる時点まで続く。少量残ったアルミニウム14は,良好な電気的性能を維持しながら,腐食のリスクを最小限に抑えることができる。
【0042】
後述するように,厚い酸化物バリア13と通して,またはアルミニウム10の欠如により導電することができなかった孔は,孔の全域にある堆積した金属15を介して,その後電気的に接続される。ここでは陽極酸化は,すべてのアルミニウムを基底にあるバリア層13に至るまで消費しており,酸化物バリアにすでに存在する欠陥のために,薄化しないされないか,または,層13が孔を広げるエッチング140により薄くされる。
【0043】
同様に,ここでは,陽極酸化は高圧で行われる(約30Vを超える)。そして,図3に示すように,陽極酸化はアルミニウム18の十分な厚さを消費する前に終わり,絶縁体である酸化層(アルミナ層)11を孔の基底に残したままにする。陽極酸化は,陽極酸化を完結するように,段階的に電圧を下げることか,図5に示すように,孔を広げるエッチング140により薄化することによって,減少する。代替の方法には,図6に示すように,酸化物11は,酸化物の導電率を高めるために,後に続く電気めっきの工程で,貴金属によってめっき150される場合がある。このことについては,さらに以下で説明する。
【0044】
孔の大きさは,用途に合わせて変化させることができる。孔の間隔は10〜500nmの間とすることができ,例えば,好ましくは25〜350nmの間とすることができる。孔の間隔は陽極酸化の電圧によって決定される。例えば,25nmと350nmの間隔にするには,各々10Vと140Vの電圧がかけられる。孔の間隔と幅は,図4,5A,B,6Bに示されるように,細胞が電極1の表面に付着しやすさに影響を与える。このことは,孔の間隔に影響を与える。小さな孔のピッチにするには,低電圧(10Vなど)で,可能となる。そのため,電圧は,必要であれば,相補型金属酸化物半導体(CMOS)回路自体を介して供給されることがある。
【0045】
その他の孔のサイズの変更は,電解質水溶性濃縮物を減らすこと(リン酸濃度を4%から0.5%及び2%まで減らすこと),温度を制御すること,及び電解質にポリエチレングリコール(PEG)を添加すること(10〜50重量%など)によって制御することができる。
【0046】
孔の直径は,図5に示す例で使用されているように,孔を広げるエッチング140により大きくすることができる。これは,上述したように,残った酸化物層11,13を
薄くするために使われたものと同じエッチングである。陽極酸化でつかわれるものと同じ電解質(例えば,4重量%リン酸)が使われる。これらのパラメーターを制御することにより,例えば,長く狭い孔(図5A),または短く広い孔(図5B)を形成することができる。
【0047】
電極1は続いて,図6に示すように。貴金属によってコーティングされる150。コーティングがされる場合は,陽極酸化のように同様の装置と集積回路の設定を使って,電気めっきの方法によりなされる場合がある。例えば,延性白金層はジニトロ硝酸塩(DNS)白金やリン酸塩(P−salt)溶液を使って,めっきされる。
【0048】
必要に応じて,図7の追加された層16に示すように,貴金属のコーティングは,その性能を向上させるために,さらにカバーされたり/加工されたりする。例えば,電極/溶媒の接触面の導電率を向上させるために,白金黒(白金黒付き白金)の追加の層は,塩化白金酸(CPA)を用いてめっきさせることができる。これは,陽極酸化のときと同じ集積回路の設定を使って,再度実行することができる。ナノポーラス金のような他の材料は,同様の目的を果たすために,めっきされる。
【0049】
電極の設計は,培養培地のような生理的溶媒,電気生理学に使用される緩衝液,及びインプラント医療装置で使われる電極1のまわりにある細胞外液のような生理的溶媒において,金属化される集積回路のめっきの腐食を排除するようにする。
【0050】
電極は低電気抵抗であり,電極とセルの間のシグナルの伝達を向上させる。
【0051】
集積回路技術は,オンチチップシグナル処理,データ蓄積,及び並列回路,並列回路,または無線通信を介したデータ伝送など,柔軟性を持っている。高処理スクリーニング(HTS)の応用では,これらの柔軟な方法は,プレートの末端への単純なデータの転送や,プレートへの転送をやめることを可能にする。集積回路技術の使用は,電極を創薬のために使うなどの,多くの応用に拡張可能である。創薬では大量の化合物は高い処理能力により,スクリーニングされることが必要である。高い処理能力によるスクリーニングの例には,細胞に発現したイオンチャネルに結合する化合物,及び毒性の化合物のスクリーニングがあり,これは有用である。
【0052】
電極は,他の必要な電気的構成材との統合を可能とし,このように,神経インターフェイスシステムと他のインプラント製品に適している。
【0053】
上述したように,バイオセンサーは,並列(複数)のチップ構成は一つの基板上での,電極と電子装置を統合することを避けることもできる。
【0054】
製造技術は,専門のフォトリソグラフィ設備を必要とせずに,信頼性の高い電極を作ることができる。上述したように,これは,アルミナのような多孔質バルブ金属酸化物のレトロフィッティングによるもので,相補型金属酸化物半導体集積回路(CMOS IC)のような集積回路にある電極であり,ここでは陽極層の増大と基底にあるアルミニウムの厚さは制御される。複雑なフォトリソグラフィは,多孔質アルミナの「自己パターニング」によって回避され,電気めっきされた貴金属15が使用される場合は,組み立てた後の処理によって,その使用は電極エリア(結合パッドを避けたエリア)に制限される。
【0055】
エッチング/陽極酸化する電解質の格納と神経細胞の培養のため,多目的であるチャンバー8は集積回路の上に組み立てられた場合,製造工程を簡素化される。
【0056】
陽極酸化することと,任意で孔を広げること,及び酸化物バリアを薄くすること,全てには同じリン酸電解質が使われる(もし,プレ陽極酸化エッチングをする場合はその場合もである)。このステップは電圧と温度によって区別される。例えば,プレ陽極酸化エッチングは,電気的バイアスがなく,陽極酸化より高い温度で処理される。この処理技術は製造コストを最小限に抑えることがでるため,低コストのために電極1は適している。
【0057】
同じ培養チャンバーと電解質溶液層の電極は多孔質アルミナ形成の段階,及び電気めっきの段階において使用される。これは製造プロセスを簡略化する。
【0058】
溶液層の電極(または参照電極)は,陽極酸化に使われる陰極と同じであり,また,他の方法では,溶液層の電極は集積回路それ自身に取り込まれており,生体適合電極1を記録/刺激するために,同じ製造工程が使われている。ただし,増幅器/伝導機構に接続するのではなく,参照電極が定められた溶液層電位(通常はゼロ)に結合して使われる場合は除かれる。チップの上の参照電極が陽極酸化製造工程に使われた場合,陽極酸化されることと同時には陰極として使われることはできないので,それもまた,単独で陽極酸化される。
【0059】
電極1にある基板3と絶縁層4は,アルミニウムやその合金を含む集積回路の金属層を変性させている電極2をもつ,適切な既知の集積回路の一部である。合金にはアルミニウム(Al)−ケイ素(Si),アルミニウム(Al)−銅(Cu),アルミニウム(Al)−ケイ素(Si)−銅(Cu),アルミニウム(Al)−チタン(Ti)などがあげられる。他には。タングステン(W),チタン(Ti),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf),ニオブ(Nb),ジルコニウム(Zr),またはそれらの合金などを用いることができる。これらの金属は陽極酸化による多孔質酸化物層を作ることができる。ここでは,アルミニウムとアルミナが開示されているが,これらは他の金属と金属酸化物に置き換えることができる。
【0060】
さらに,図12に示すように,金属化めっき層17と,絶縁層4が存在し,これは相補型金属酸化物半導体(CMOS)集積回路では標準規格である。ビアホールは電極層2の直下にあり,すなわち,一つの金属化層と別の層をブリッジ結合している。この場合には,金属化層17の直下にある誘電体4の代わりに,処理前の初期の集積回路においては,金属が堆積した17の下にはビアホールがある。当業者には知られているが,この性質は変わることがあるが,常に伝導体の形を含んでいる。さらに,そのビアホールはそれ自身はタングステンや,ポリシリコンなどの単層であるか,もしくは,多層である。多層には,例えば,銅の他にチタン(Ti),タンタル(Ta),窒化タンタル(TaN),タンタルー窒化ケイ素(Ta−SiN)のバリア層などがあげられる。このビアホールもまた,例えばチタン(Ti)/アルミニウム(Al)/窒化チタン(TiN)などの金属の堆積である場合もあり,これは層19が除去され,かつ層17が電極層2になる処理をする前の反射防止膜19/金属めっき層17/バリア層12の結合層と同じである。
【0061】
上述したように,集積回路が金属層17のみを有する場合には,絶縁層4はなく,電極1のレイアウト設計をもつ。そのレイアウトは,もともと集積回路が接している基板(例えばシリコンである場合もあるが)の金属化層17のようである。
【0062】
適切な集積回路技術は使われおり,集積回路はこの製造工程の出発点で使用される。例えば,上記のCMOSに代わるものとして,n型金属酸化膜半導体電界(NMOS)が使用されることがある。
【0063】
電極パッケージの組み立ては,既知の適切なパッケージと同じである。例えば,プラスチックパッケージは成形された開放空洞型(Quik−Pak,U.S.「部分パック」)であり,開放空洞型をした鉛を含有しているセラミックまたは,鉛が含まれていないキャリアがあり,樹脂を用いて絶縁ワイヤーと結合している。また,集積回路はカスタム成形された複数のウェルプレートの底に設置されている。このパッケージはチャンバー8として適切な器であり,この用途においては,好ましくは製造時及び細胞を培養するために培地を保持する間,培養培地が保持される。
【0064】
プラスチックパッケージ,結合ワイヤー6b,培養チャンバー8を使用すること,及びマルチウェルプレートの底部にパッキングすることが可能であることと同様に,集積回路が当業者に知られている様々な形態でパッキングされ,取り込まれている。例えば,結合ワイヤーの代わりに,「フリップチップ」の技術を使用することができる。このことは特に,マルチウェルプレートの設計で有益である。
【0065】
電気的接続は適切な方法で行われ,特定の電極1の設計に応じて行わる。例えば,接続がアルミナ層9を介した場合,孔の基部の電気抵抗は,接続ができるように十分に低くなくてはならない。例えば,残っているアルミニウム10,14またはバリア層12はこの経路を介して,電気的に接続される。上述したように,孔を細くすることは,この方法で,電気的接続を可能にし,さらに,貴金属コーティング15を介しての接続が可能となる。適切な貴金属コーティング15及びさらなるコーティング16を用いることができる。
【0066】
生体適合電極1は適切な接着細胞のスクリーニングに用いられる。ここには細胞を刺激すること及び記録することが含まれる。細胞はチャンバー8で直接培養され直接,電極層1と接触する。細胞は通常,最初は球形及び,可動的で,数分後に電極1のチップの表面に接着し,平らになる。in vitroにおいて,このプロセスは数分で始まるが,十分に接着し,良好な記録を得るには1日以上必要とされる。また,細胞はテスト/検出/記録の段階において導入することもできる。
【0067】
適切な細胞の例には,心筋細胞,神経細胞または骨格筋があげられる。もう一つの可能性として,突起神経膠細胞であるグリア前駆細胞の小集団もあげられる。特に興奮性の高い,動物及び人の一連の細胞系が適しており,NG108−15,B50,LA−N−5,及びPC12などがあげられる。
【0068】
さらに,電極1と細胞を接触させるための適切な方法には,組織片の刺激や記録などがある。生体適合電極1は,電極が細胞から受ける刺激や記録の用途にも使用されている。例えば,細胞が作動物質により刺激されるときの電気的活性の変化を計測することができる。
【0069】
生体適合電極1のアレイ21は,一つのチップから形成されており,例えば,細胞活性の空間的な情報を入手及び表示する手段とリンクしている。複数の電極がウェルに接着している場合,このシステムはウェルを通して細胞活性の空間的な情報を入手及び表示する手段とリンクする。ウェルの中の空間的な活性もまた,測定することができる。例えば,1つのウェルの中にある並列電極は,ウェル内で同時に興奮状態にある神経細胞の数の情報を得ることに使われる。そして,このウェルは他のウェルと比較できる。
【0070】
生体適合電極1は操作可能な,コンピューターなどの出力装置に接続され,例えば,パソコンの画面に情報の配列として細胞の応答データを表示することによって,刺激/応答データを得ることができる。他には,集積回路それ自身の中で,論理集積回路の一部を含む出力装置などがある。例えば,電極アレイを取り囲む論理集積回路は細胞応答データを処理する。データには,活動電位の大きさ,周波数,形状などがあり,論理集積回路は,例えば集積回路から離れた位置にあるパソコンなどに,プログラムされた合否などの要約のみの送ることができる。
【0071】
生体適合電極1は,興奮性細胞及び/または細胞発現イオンチャネルの刺激/記録のために使われる。興奮性付着細胞,つまり,電極に付着することができる細胞に適用できる。例えば,興奮活動電位にある細胞から記録される場合がある。直接的に活動電位を緩和する化合物,及び最終的に,細胞の興奮性を変える化合物がスクリーニングされる。イオンチャネルが活動電位の創出や,活動電位の調節に影響を与えられる場合,イオンチャネルの活動を調節することができる化合物がスクリーニングされる。
【0072】
一般的には,生体適合電極1は,細胞を操作するように構成することができる。生体適合電極1は,粒子の動きを引き起こすことができる電界を設定し,使用することができる。粒子とは,通常は細胞である。粒子は電気信号に応じて動く。これは,電気泳動の現象である。さらに具体的には,上述した記録/刺激をする電極1は細胞を特定の場所に動かすことに使われる。しばしば,電気泳動の特別な形態であるネガティブ誘電泳動(ネガティブ−DEOまたはN−DPE)に使われる。細胞は電界に異なる応答をするため,正または負の電界に向かって移動する。例えば,がん細胞を分類すること(この場合には,これは,がん細胞の有無の診断やテストをすることができる),やほかの病気の細胞を分類することができ,または,異なる細胞の種類を分けることができる。例えば,組織をまねして,組織を模倣して異なる細胞種を形成することが望まれている再生医療の目的に使われることもできる。
【0073】
電極1は,電気容量を測定するために使われる。これは,しばしば電気的細胞基板電気抵抗検出(ECIS)と言われる。例えば,ECISは細胞の種類間,及び正常の細胞と病気の細胞間での,区別のために使われる。
【0074】
電極1は他の用途にも使われ,細胞に基づいた用途だけではなく,細胞選別や診断の用途などの,非記録用途にも使われる。これは,移動する細胞やタンパク質などの他の生物学的粒子に電極1を適用することによってなされる。
【0075】
電極1は毒物学の用途においても使われる。例えば,hERGチャネルをスクリーニングすることがある。細胞の高処理スクリーニングが行われ,電気生理学的応答が毒性の指標となる。例えば,心筋細胞の活動電位への変更を引き起こすかどうかを決定するために,化合物はスクリーニングされる。このことから,化合物が,心臓にあるカルシウムシグナルに影響を与え,例えば,心臓毒性があるかどうか決定される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路から形成される生体適合電極であって,
半導体基板と,
少なくとも部分的に多孔質バルブ金属酸化物を含む電極層と,を含む電極。
【請求項2】
前記電極層が,
前記多孔質バルブ金属酸化物のうち少なくとも一部と,少なくとも部分的に接触するように,バルブ金属及びバルブ金属合金のいずれかを,更に含む,請求項1に記載の電極。
【請求項3】
前記バルブ金属と前記バルブ金属合金のうちの一つを介して,前記多孔質バルブ金属酸化物への電気的な接続を更に有する,請求項2に記載の電極。
【請求項4】
前記電極層が,貴金属コーティングを有し,
前記多孔質バルブ金属酸化物のうち少なくとも一部をコーティングするように配置された,請求項1から3のいずれか1項に記載の電極。
【請求項5】
前記貴金属を介して,前記多孔質バルブに電気的な接続を更に有する,請求項4に記載の電極。
【請求項6】
前記貴金属のうち,少なくとも一部をコーティングするように配置された第2コーティング部を更に含む,請求項1から5のいずれか1項に記載の電極。
【請求項7】
前記半導体基板と電極層の間に,絶縁層,または1つまたは1つ以上の金属層へのビアホールを更に含む,請求項1から6のいずれか1項に記載の電極。
【請求項8】
前記絶縁体,前記半導体基板,または前記ビアホールと,前記電極層の間に,バリア層を更に含む,請求項1から7のいずれか1項に記載の電極。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の電極であって,
前記電極は,少なくとも部分的に陽極酸化されたバルブ金属を含む前記集積回路の金属化層から形成される電極層を有し,相補型金属酸化膜半導体集積回路によって構成される電極。
【請求項10】
前記バルブ金属が,アルミニウム(Al),タングステン(W),チタン(Ti),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf),ニオブ(Nb),及びジルコニウム(Zr)のうちの1つである,請求項1から9のいずれか1項に記載の電極。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の電極を含む並列電極アレイ。
【請求項12】
単一または複数のウェルプレートに適合される,請求項11に記載の並列電極を含むシステム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の電極,並列電極アレイ,またはシステムを含むバイオセンサー。
【請求項14】
実質的には,添付した図面に開示されている電極,並列電極アレイ,システム,またはバイオセンサー。
【請求項15】
生体適合電極の製造方法であって,
金属化層はバルブ金属及びバルブ金属合金のうち1つを含むものであって,集積回路の前記金属化層を電解質にさらす工程と,
多孔質金属酸化物を含む電極層を得るために,前記電解質で前記金属化層の少なくとも一部を陽極酸化する工程と,を含む生体適合電極の製造方法。
【請求項16】
前記多孔質金属酸化物の孔の容積及びサイズのうち,少なくとも一つを制御するために,陽極酸化段階において,温度及び圧力のうち,少なくとも一つを制御する工程を,更に含む請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記多孔質金属酸化物の孔の容積及びサイズのうち,少なくとも一つを制御するために,前記電解質中のポリエチレングリコール(PEG)の濃度及び酸の濃度のうち少なくとも一つを制御する工程を,更に含む請求項15または請求項16記載の製造方法。
【請求項18】
前記陽極酸化工程の後に,前記多孔質バルブ金属酸化物をエッチングする工程を,更に含む請求項14から請求項16のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項19】
前記電極層の少なくとも一部をコーティングする工程を,更に含む請求項15から18のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
前記コーティングする工程は,電気めっきする工程を含む,請求項19に記載の製造方法。
【請求項21】
前記コーティングする工程は,前記多孔質バルブ金属酸化物の少なくとも一部を,貴金属によってコーティングする工程を含む,請求項19または請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
コーティングされた前記電極層を加工する工程を更に含む,請求項19から請求項22のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項23】
コーティングされた前記電極層の少なくとも一部に,第2コーティングを載せる工程を更に含む,請求項19から請求項22のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項24】
前記電解質とエッチング液が同じである,請求項15から請求項23のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項25】
前記集積回路が相補型金属酸化膜半導体集積回路である,請求項15から請求項24のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項26】
前記バルブ金属が,アルミニウム(Al),タングステン(W),チタン(Ti),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf),ニオブ(Nb),ジルコニウム(Zr)のうちの1つである,請求項15から25のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項27】
高処理スクリーニングの方法であって,
請求項11に記載の並列電極アレイと適合するマルチウェルプレートの上で,電極が付着性の細胞と接触するように配置され,前記電極と前記細胞を付着させる工程と,
前記電極により前記細胞を刺激及び/または記録をする工程,または前記細胞の存在によって変化する電気抵抗を測定する工程と,を含む高処理スクリーニングの方法。
【請求項28】
粒子を分離する方法であって,
請求項1から10のいずれか1項に記載の電極は,前記粒子が付着するように配置され,前記電極によって粒子を分離する工程を含む粒子を分離する方法。
【請求項29】
前記粒子が,細胞及びタンパク質のうち,少なくとも1つを含む請求項28に記載の粒子を分離する方法。
【請求項30】
前記方法には,電気的細胞基板電気抵抗検出(ECIS)または誘電泳動が含まれる,請求項27から請求項29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記方法には,病気の診断をすることが更に含まれる,請求項28から請求項30のいずれか1項に記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−508051(P2012−508051A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535162(P2011−535162)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002641
【国際公開番号】WO2010/055287
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(510091228)ユニバーシティ オブ バス (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF BATH
【Fターム(参考)】