説明

生体高分子の結晶化条件を検査するための方法と用具セット

本発明は、生体高分子の結晶化条件を、沈殿剤、添加剤及び緩衝剤を用いる逆拡散法を利用することによって検査して確認するための方法と用具セットに関する。媒体(溶液又はゲル)中の1種又は複数種の沈殿剤の濃度は、その他の利用可能な検査法(例えば、バッチ法、マイクロバッチ法又は蒸気相拡散法等)において現在使用されている濃度よりも高くすることにより、生体高分子を保有する毛細管の長手方向に沿って拡散がおこなわれる結果、1回の実験で使用される1種又は複数種の沈殿剤の多数の濃度が検査される。本発明は、上記方法を実施するために必要な要素を具備する用具セット又はキットにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沈殿剤、添加剤及び緩衝剤を用いる逆拡散(counter-diffusion)法を利用することによって生体高分子(biological macromolecule)の結晶化条件を検査して確認するための方法に関する。
また、本発明は、生体高分子の結晶化条件を検査するための用具セット(一般的には、キットとして知られている。)にも関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、生体高分子(このような分子にはタンパク質、核酸、炭水化物、ウイルス又はこれらのコンプレックス若しくは混合物が含まれ、以下においてはMBで表示する。)の結晶化条件を予測することは不可能である。従って、MBが結晶化する化学的条件を見出すための唯一の方法は、MBの溶解度に対して一般的に影響を及ぼす種々の変数に関する試行錯誤による実験的検査法である。このような変数には、温度、pH、及びMB溶液中での沈殿剤(PA)の溶解度の変化が含まれる。通常は、これらの検査法は、MBの結晶化に関して歴史的又は統計的に最も成功していることが判明している特定の溶液(自家製又は市販の製品)のキット又はセットを使用しておこなわれる。
【0003】
これに関しては、以下の文献を参照されたい:
1)ジャンカリック及びキム(1991年)、「スパース・マトリックス・サンプリング:タンパク質の結晶化に関するスクリーニング法」、J. Appl. Crystal. 、第24巻、第409頁;
2)カドネイら(1994年)、「高分子の結晶成長に関するスクリーニング/最適化法」、Acta Cryst. 、D50、第414頁;
3)ギリランドら(2002年)、「生体高分子の結晶化に関するデータベース:結晶化の手順と方法」、Acta Cryst. 、D58(6−1)、第916頁;
4)キムバーら、「データ調査による結晶化のデータベース:タンパク質結晶スクリーンを最適化するための知識に基づくアプローチ」、プロテインズ 51、第562巻、第1頁〜第4頁。
【0004】
このようなPA又は添加剤を含有する溶液はMB溶液と直接的に混合させるか(バッチ法又はマイクロバッチ法)、又は、該溶液を蒸発によってMB溶液と平衡化させる(蒸気相拡散法)。これらの方法においては、沈殿剤又は添加剤の効果が特定の濃度(バッチ方又はマイクロバッチ法の場合)又は狭い濃度範囲(蒸気相拡散法の場合)において各々の実験ごとに検査される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、MBの結晶化条件を、逆拡散法を使用することによって検査する方法を提供するためになされたものである。逆拡散法は、生体高分子の結晶化法として、最近になって使用されており、これに関しては下記の文献を参照されたい。
【0006】
5)J.M.ガルシア−ルイス、「高分子の結晶化のための逆拡散法」、メッソズ・イン・エンジモロジー、第368巻(2003年)、第130頁〜第154頁;
6)D.メス、L.A.ゴンザレス−ラミレス、J.ロペス−ジャラミロ、B.ユー、H.デボント、I.ゼジャース、E.アホニナ、J.M.ガルシア−ルイス及びS.グルニク、「アクチノバシルス・プリュロプニュモニアエから単離されたII 型3−デヒドロキネート デヒドラターゼの構造的研究」、アクタ・クリスタログラフィカ、D60(2004年)、第463頁〜第471頁;
7)J.A.ガビラ、D.トー、F.J.ロペス−ジャラミロ、J.M.ガルシア−ルイス及びJ.D.ヌグ、「結晶処理を伴わない電子密度によるタンパク質からのインシュリンの初期結晶構造の決定」、アクタ・クリスタログラフィカ、D58(2002年)、第1147頁〜第1154頁。
【0007】
逆拡散によるMB結晶を成長させるためのデバイスの設計に関しては種々の特許が存在する。しかしながら、この方法を、MBの結晶化条件の検査と確認のために使用する技術に関しては権利請求されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、逆拡散法を使用する生体高分子の結晶化条件の検査法であって、下記の段階a)〜d)を含むことを特徴とする該検査法に関する:
a)結晶化条件の検査に付される生体高分子の溶液(好ましくは水溶液)であって、緩衝剤で処理するか又は処理しない溶液を、一次元的形態を有するデバイス(好ましくは、透明又は半透明のガラス製又はプラスチック製毛細管)の内部へ導入した後、該デバイスの一端を閉鎖し、
b)生体高分子用の少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体を調製し、該媒体のpH値を緩衝剤の添加により3〜10に維持し、
c)一次元的形態(one-dimensional geometry)を有するデバイスの開放端を、少なくとも1種の沈殿剤を含有する緩衝化媒体中へ導入し、次いで
d)一次元的形態を有するデバイスの内部に保有される生体高分子溶液を通して緩衝剤分子と沈殿剤分子を拡散輸送させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
生体高分子を保有する毛細管の内径及び長さはそれぞれ1μ〜1mm(好ましくは25μ〜300μ)及び5〜200mmであり、該毛細管は、好ましくはX線に対して透過性を示す。
【0010】
毛細管中への生体高分子の導入は、毛管作用を利用する方法又は注入法によっておこなうことができ、これらの操作は手動でおこなってもよく、あるいは自動的におこなってもよい。
【0011】
沈殿剤は可溶性の塩又はアルコール性ポリマー、例えば、種々の分子量を有するポリエチレングリコール等である。2種又はそれよりも多種の沈殿剤を媒体中で同時に使用する態様が好ましい。
【0012】
1種又は複数種の沈殿剤を含有する媒体はさらに洗剤、添加剤(例えば、2価カチオン又は糖類等)、又は揮発性溶剤(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール又は2−メチル−2,4−ペンタノジオール等)を含有する。
【0013】
生体高分子含有溶液が緩衝剤で処理される場合には、少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体は、生体高分子含有溶液中の緩衝剤の濃度よりも高い濃度の緩衝剤で緩衝化され、生体高分子含有溶液のpH値は、媒体中の緩衝剤分子が沈殿剤分子と共に拡散する程度まで変化する。
【0014】
所望により、少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体は、生体高分子の誘導体として使用される重元素の塩(例えば、水銀塩等)、結晶学的条件を検査するための抗凍結剤(例えば、グリコール等)、又は生体高分子の結晶構造内へ取り込まれるか若しくは該結晶構造と相互作用する基質分子若しくはその他の分子を含有していてもよい。
【0015】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体は溶液(好ましくは水溶液)であってもよく、あるいは、熱ゲル(好ましくは寒天)又は化学ゲル(好ましくはシリカ又はポリアクリルアミド)であってもよい。
【0016】
非ゲル化性沈殿剤(例えば、硫酸アンモニウム等)を使用する場合には、該沈殿剤を含有する溶液を、熱ゲル層又は化学ゲル層が該沈殿剤含有溶液の上部に形成されるように配置させる。
【0017】
いずれの場合にも、沈殿剤を含有する媒体は、ガラス製、プラスチック製、又は該媒体と化学的に相互作用することによって沈殿剤が結晶化に及ぼす効果を損なわないその他の材料製の透明又は不透明な容器内に収容される。所望により、該容器は、該媒体中の溶剤の蒸発を防止すると共に、毛細管の利用を可能にする着脱可能な栓を具有していてもよい。
【0018】
媒体(溶液又はゲル)中の沈殿剤の濃度は、従来から利用されている他の検査法(例えば、バッチ法、マイクロバッチ法又は蒸気相拡散法等)において通常使用されている濃度よりも高く設定し、生体高分子含有毛細管に沿って該沈殿剤を拡散させることにより、一回の実験で使用する沈殿剤の多数の濃度が走査される。
【0019】
沈殿剤用媒体としてゲルを使用する場合には、該ゲルが、異なる沈殿剤と異なるタイプのゲルとの相互作用と安定性に従って調製された後のゲル中で生成するか又はゲル中へ拡散するときに、該沈殿剤を直ちにゲル化させることができる。
【0020】
沈殿剤含有媒体中への毛細管の導入は、手動でおこなってもよく、あるいは、ロボット機構を利用して自動的におこなってもよい。
【0021】
本発明は、逆拡散法を使用して生体高分子の結晶化条件を検査するための用具セット(キット)であって、下記の要素i)〜iii)を具備する該用具セットにも関する:
i)少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体で満たされる逆拡散型結晶化デバイス1〜100個(好ましくは1〜10個)、
ii)1μ〜1mm(好ましくは25μ〜300μ)の内径及び5〜200mmの長さを有すると共に、好ましくはX線に対して透過性である毛細管2〜500本(好ましくは4〜40本)、及び
iii)該毛細管の封止部材(好ましくはプラスチシン)。
【0022】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体は溶液(好ましくは水溶液)、あるいは、熱ゲル(好ましくは寒天)又は化学ゲル(好ましくはシリカ又はポリアクリルアミド)である。
【0023】
非ゲル化性沈殿剤を使用する場合には、該沈殿剤を含有する水溶液は熱ゲル層又は化学ゲル層の下方に配置させる。
【0024】
添付図面について簡単に説明する。
図1は、逆拡散における典型的な結晶化パターンを示す。
図2は、毛細管中での逆拡散によるリゾチームの結晶化に対する毛細管の内径の効果を示す。図中の上部、中間及び下部の毛細管の内径はそれぞれ、0.2mm、0.3mm及び0.5mmである。
【0025】
実施例1
本発明方法の好適なこの実施例においては、分子量の異なる2種の沈殿剤 [例えば、塩化ナトリウム及び2000ダルトンの分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)]を含むゲルが使用され、該ゲルのpHは、酢酸ナトリウム緩衝液(100mM)を用いて4.5に調整された。
【0026】
本発明方法の実施には、下記の過程が含まれる:
1)100mMの酢酸塩緩衝液を溶媒として、「PEG 2000」の溶液(50%p/v)を調製した。
2)過程1)の溶液中へ塩化ナトリウムを添加した(塩化ナトリウムの添加量は、過程1)で調製した溶液中での濃度が20%になるように調整した)。
3)過程2)で得られた溶液中へ寒天を添加した(寒天の添加量は、該溶液中での濃度が0.5%p/vになるように調整した)。
4)過程3)で得られた溶液の温度を、激しく撹拌しながら、寒天の融点よりも高い温度まで高めた。
5)過程4)の溶液が透明な状態に達した後、該透明溶液を別の容器内へ移し、次いでゲル化温度まで冷却させることによってゲルを生成させた。
6)50ミクロンの内径と400mmの長さを有するガラス製毛細管を準備した。
7)タンパク質を水又は緩衝液に溶解させた溶液(濃度:50mM)を該毛細管内へ満たした。
8)該毛細管の一端を、例えば、ワックスを用いて封じた。
9)該毛細管の他端を前記のゲル中へ沈めた。
10)ゲルと毛細管を保有する容器を閉鎖した。
【0027】
ストークス−アインシュタインの法則によって確立されているように、分子の拡散係数は分子量に依存する。従って、酢酸塩緩衝液と塩の毛細管内での上昇が開始した後、塩化ナトリウムの濃度効果を、タンパク質溶液を含有する毛細管の全長に沿って検査した。より大きな分子量を有する「PEG2000」はよりゆっくりと拡散するので、「PEG2000」の濃度効果は、塩の濃度効果を検査した後で検査した。異なる分子に関するこれらの2つの「連続的な濃度波形」は次のことを意味する。即ち、単一の実験において、1種の沈殿剤の濃度に関する効果が検査できるだけでなく(この検査は現在利用できる技術によっておこなうことができる。)、異なる分子量を有する2種又はこれよりも多種の沈殿剤の異なる濃度の効果も検査することができる。
【0028】
実施例2
この実施例においては、本発明方法を実施するための用具セット(キット)について説明する。結晶化条件の検査方法は、下記の構成部材1)〜3)を含む用具セット(キット)を用いておこなった:
1)スペイン国特許第2172363号及び同第2164032号各明細書に記載されている逆拡散法によって結晶を成長させるための4つのデバイス。該デバイスは「グラナダ・クリスタリゼーション・ボックス(Granada Crystallisation Box)」(登録商標)又は「GCB」(登録商標)として知られている。これらのデバイスには、結晶化条件が検査されるべき高分子に応じて選択される沈殿剤と寒天ゲル3mlが予め満たされる。
2)異なる直径(0.1mm、0.2mm及び0.3mm)を有する24本の毛細管(各サイズの毛細管8本から構成される)。
3)毛細管を封止するための「プラスチシン(Plasticine)」(登録商標)。
【0029】
本発明の課題を達成するための結晶化実験を実施するために、下記の表1に示すタンパク質と沈殿剤を使用した。表1には、緩衝液の種類と濃度も示す。
【0030】
【表1】

【0031】
この結晶化実験は、下記の段階a)〜g)に従っておこなった。
a)用具セット(キット)を構成するゲルと沈殿剤で予め満たされたGCB及び対応する被験タンパク質溶液を選択した。
b)表1において推奨されている濃度のタンパク質溶液であって、沈殿剤の場合と同じ緩衝剤で処理するか又は処理しない該タンパク質溶液を調製した。
c)0.1mmの直径を有する毛細管を準備し、該毛細管の一端を上記のタンパク質溶液中へ導入した。
d)毛管作用によって、毛細管をタンパク質溶液で満たした。タンパク質溶液の上昇速度は該溶液の粘度(従って、該溶液の濃度)と重力(従って、該毛細管の傾斜角)によって左右され、該毛細管が垂直状態のときには、該上昇速度はより遅くなる。
e)毛細管の自由端をプラスチシンで封止した。
f)毛細管を、選択されたGCB内に収容された沈殿剤含有ゲル中へ浸漬した。
g)異なる濃度のタンパク質溶液を使用すると共に毛細管の直径を変化させることによって、上記の過程を繰り返した。
【0032】
逆拡散法においては、非常に高い過飽和状態がもたらされる毛細管の入口において核形成が突然発生する。その後、系は平衡状態へ移行し、過飽和度は低下する。毛細管に沿って結晶化パターンが出現する。該結晶化パターンは、低質でサイズの小さな非晶質沈殿物から始まって、高質でサイズの大きな結晶へ移行する(図1参照)。
【0033】
直径がより大きな毛細管を使用する場合には、より多量のタンパク質溶液を使用した。図2から明らかなように、使用する毛細管の直径が大きいほど、沈殿剤はより速く毛細管内へ侵入すると共に結晶化はより速く発生する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、逆拡散における典型的な結晶化パターンを示す。
【図2】図2は、毛細管中での逆拡散によるリゾチームの結晶化に対する毛細管の内径の効果を示す。図中の上部、中間及び下部の毛細管の内径はそれぞれ、0.2mm、0.3mm及び0.5mmである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆拡散法を使用する生体高分子の結晶化条件の検査法であって、下記の段階a)〜d)を含むことを特徴とする該検査法:
a)結晶化条件の検査に付される生体高分子の溶液(好ましくは水溶液)であって、緩衝剤で処理するか又は処理しない該溶液を、一次元的形態を有するデバイス(好ましくは、透明又は半透明のガラス製又はプラスチック製毛細管)の内部へ導入した後、該デバイスの一端を閉鎖し、
b)生体高分子用の少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体を調製し、該媒体のpH値を緩衝剤の添加により3〜10に維持し、
c)一次元的形態を有するデバイスの開放端を、少なくとも1種の沈殿剤を含有する緩衝化媒体中へ導入し、次いで
d)一次元的形態を有するデバイスの内部に保有される生体高分子溶液を通して緩衝剤分子と沈殿剤分子を拡散輸送させる。
【請求項2】
生体高分子を保有する毛細管の内径及び長さがそれぞれ1μ〜1mm(好ましくは25μ〜300μ)及び5〜200mmであり、該毛細管が、好ましくはX線に対して透過性を示す請求項1記載の検査法。
【請求項3】
沈殿剤が可溶性の塩又はアルコール性ポリマー(例えば、種々の分子量を有するポリエチレングリコール)である請求項1又は2記載の検査法。
【請求項4】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体がさらに洗剤、添加剤(例えば、2価カチオン又は糖類)、又は揮発性溶剤(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール又は2−メチル−2,4−ペンタノジオール)を含有する請求項1から3いずれかに記載の検査法。
【請求項5】
生体高分子含有溶液が緩衝剤で処理される場合には、少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が、生体高分子含有溶液中の緩衝剤の濃度よりも高い濃度の緩衝剤で緩衝化され、生体高分子含有溶液のpH値が、媒体中の緩衝剤分子が沈殿剤分子と共に拡散する程度まで変化する請求項1から4いずれかに記載の検査法。
【請求項6】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が、所望により、生体高分子の誘導体として使用される重元素の塩を含有する請求項1から5いずれかに記載の検査法。
【請求項7】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が、所望により、結晶学的条件を検査するための抗凍結剤を含有する請求項1から6いずれかに記載の検査法。
【請求項8】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が、生体高分子の結晶構造内へ取り込まれるか、又は該結晶構造と相互作用する基質分子又はその他の分子を含有する請求項1から7いずれかに記載の検査法。
【請求項9】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が溶液(好ましくは水溶液)である請求項1から8魚ずれかに記載の検査法。
【請求項10】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が熱ゲル(好ましくは寒天)又は化学ゲル(好ましくはシリカ又はポリアクリルアミド)である請求項1から8いずれかに記載の検査法。
【請求項11】
沈殿剤が非ゲル化性である場合、沈殿剤含有水溶液が熱ゲル層又は化学ゲル層の下方に保持される請求項1から8いずれかに記載の検査法。
【請求項12】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が、ガラス製、プラスチック製又は該媒体と化学的に相互作用しないその他の材料製の透明又は不透明な容器内に保有され、該容器が所望により、該媒体中の溶剤の蒸発を防止する着脱可能な栓を具有する請求項1から11いずれかに記載の検査法。
【請求項13】
媒体が、好ましくは2種又はそれよりも多種の沈殿剤を含有する請求項1から12いずれかに記載の検査法。
【請求項14】
逆拡散法を使用して生体高分子の結晶化条件を検査するための用具セット(キット)であって、下記の要素i)〜iii)を具備する該用具セット:
i)少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体で満たされる逆拡散型結晶化デバイス1〜100個(好ましくは1〜10個)、
ii)1μ〜1mm(好ましくは25μ〜300μ)の内径及び5〜200mmの長さを有すると共に、好ましくはX線に対して透過性である毛細管2〜500本(好ましくは4〜40本)、及び
iii)該毛細管の封止部材(好ましくはプラスチシン)。
【請求項15】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が溶液(好ましくは水溶液)である請求項14記載の用具セット。
【請求項16】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が熱ゲル(好ましくは寒天)又は化学ゲル(好ましくはシリカ又はポリアクリルアミド)である請求項14記載の用具セット。
【請求項17】
少なくとも1種の沈殿剤を含有する媒体が、熱ゲル層又は化学ゲル層の下方に配置させた沈殿剤含有水溶液である請求項14記載の用具セット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−528559(P2008−528559A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552670(P2007−552670)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/ES2006/070004
【国際公開番号】WO2007/036588
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(593005895)コンセホ・スペリオール・デ・インベスティガシオネス・シエンティフィカス (67)
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS
【Fターム(参考)】