説明

生合成経路遺伝子産物を同定するための方法

本発明は、単離された遺伝子操作された宿主細胞であって、生合成経路の酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を用いて遺伝子操作されている宿主細胞を提供する。宿主細胞における酵素の合成によって、酵素の基質の生合成経路中間体への変換が生じ、中間体は遺伝子操作されている宿主細胞の増殖を阻害するのに有効な量で産生される。本発明はさらに、本遺伝子操作された宿主細胞を含む組成物およびキットを提供する。本宿主細胞は、生合成経路において活性を有する遺伝子産物を同定するのに有用である。本発明はさらに、生合成経路において活性を有する遺伝子産物を同定する方法を提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、生合成経路において活性を有する遺伝子産物を同定する方法:
a)遺伝子操作された宿主細胞に候補遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を含む外因性核酸を導入することによって試験細胞を産生する工程であって、ここで、遺伝子操作された宿主細胞は、生合成経路中間体を産生し、中間体は遺伝子操作された宿主細胞の増殖を阻害するのに有効な量で産生される、工程;および
b)試験細胞の増殖に対する候補遺伝子産物の発現の効果を、もしあれば決定する工程であって、ここで、増殖阻害における低下は、候補遺伝子産物が生合成経路の中間体に関与する生合成経路において活性を有することを示す、工程。
【請求項2】
外因性核酸が2つまたはそれ以上の遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
外因性核酸が、遺伝子操作された宿主細胞とは異なる種の細胞から単離される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
外因性核酸が、真核生物細胞または原核生物細胞から単離される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
外因性核酸が、原生動物、植物、真菌、藻類(alge)、酵母、爬虫類、両生類、哺乳動物、海洋微生物、海洋無脊椎動物、節足動物、等脚類、昆虫、クモ形類、古細菌および真正細菌から選択される生物体の細胞から単離される、請求項3記載の方法。
【請求項6】
生物体のゲノムが、生物体からの核酸の単離の前に変異される、請求項3記載の方法。
【請求項7】
外因性核酸がcDNAである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
外因性核酸がcDNAライブラリーである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
外因性核酸がゲノムDNAである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
外因性核酸がゲノムDNAライブラリーである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
外因性核酸が合成DNAである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
合成DNAがポリメラーゼ連鎖反応を用いて増幅される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
遺伝子操作された宿主細胞が、生合成経路の酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸で遺伝子操作されており、遺伝子操作された宿主細胞における酵素の合成が、酵素の基質の生合成経路の中間体への変換を生じる、請求項1記載の方法。
【請求項14】
遺伝子操作された宿主細胞が原核生物細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項15】
原核生物細胞が大腸菌(Escherichia coli)である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
遺伝子操作された宿主細胞が真核生物細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項17】
真核生物細胞が酵母細胞である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
酵母細胞がサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
試験細胞から外因性核酸を単離する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
増殖阻害において低下を示す試験細胞から増殖阻害された試験細胞を、浮遊密度分離により分離する工程;および、増殖阻害の低下を示す試験細胞から外因性核酸を単離する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
生合成経路がテルペン生合成経路であり、かつ中間体がプレニル二リン酸である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
遺伝子操作された宿主細胞がアセチルCoAをプレニル二リン酸に変換させる、請求項21記載の方法。
【請求項23】
遺伝子操作された宿主細胞が、アセトアセチル-CoAチオラーゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAシンターゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAレダクターゼ、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、およびメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼの一つまたは複数をコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
遺伝子操作された宿主細胞が、アセトアセチル-CoAチオラーゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAシンターゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAレダクターゼ、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ、およびイソペンテニルピロリン酸イソメラーゼの一つまたは複数をコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作される、請求項22記載の方法。
【請求項25】
遺伝子操作された宿主細胞が、アセトアセチル-CoAチオラーゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAシンターゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAレダクターゼ、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ、イソペンテニルピロリン酸イソメラーゼ、およびプレニルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作される、請求項22記載の方法。
【請求項26】
遺伝子操作された宿主細胞がメバロン酸塩をプレニル二リン酸に変換する、請求項21記載の方法。
【請求項27】
遺伝子操作された宿主細胞がメバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、およびメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作され、かつ遺伝子操作された宿主細胞がメバロン酸塩の存在下で培養される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
遺伝子操作された宿主細胞がメバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ、およびイソペンテニルピロリン酸イソメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作され、かつ遺伝子操作された宿主細胞がメバロン酸塩の存在下で培養される、請求項26記載の方法。
【請求項29】
遺伝子操作された宿主細胞が、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ、イソペンテニルピロリン酸イソメラーゼ、およびプレニルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作され、かつ遺伝子操作された宿主細胞がメバロン酸塩の存在下で培養される、請求項26記載の方法。
【請求項30】
プレニル二リン酸がモノプレニル二リン酸である、請求項21記載の方法。
【請求項31】
プレニル二リン酸がポリプレニル二リン酸である、請求項21記載の方法。
【請求項32】
ポリプレニル二リン酸が、ゲラニル二リン酸、ファルネシル二リン酸、ゲラニルゲラニル二リン酸、ゲラニルファルネシル二リン酸、ヘキサプレニル二リン酸、ヘプタプレニル二リン酸、オクタプレニル二リン酸、ソラネシル(solanesyl)二リン酸、およびデカプレニル二リン酸から選択される、請求項31記載の方法。
【請求項33】
遺伝子操作された宿主細胞が1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸をプレニル二リン酸に変換する、請求項21記載の方法。
【請求項34】
プレニル二リン酸がモノプレニル二リン酸である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
プレニル二リン酸がポリプレニル二リン酸である、請求項33記載の方法。
【請求項36】
遺伝子操作された宿主細胞が1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸シンターゼ、1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸リダクトイソメラーゼ、4-ジホスホシチジル-2-C-メチル-D-エリトリトールシンターゼ、4-ジホスホシチジル-2-C-メチル-D-エリトリトールキナーゼ、2C-メチル-D-エリトリトール2,4-シクロ二リン酸シンターゼ、1-ヒドロキシ-2-メチル-2-(E)-ブテニル4-二リン酸シンターゼ、およびイソペンテニル/ジメチルアリル二リン酸シンターゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作される、請求項33記載の方法。
【請求項37】
遺伝子操作された宿主細胞が、4-ジホスホシチジル-2-C-メチル-D-エリトリトールシンターゼ、4-ジホスホシチジル-2-C-メチル-D-エリトリトールキナーゼ、2C-メチル-D-エリトリトール2,4-シクロ二リン酸シンターゼ、1-ヒドロキシ-2-メチル-2-(E)-ブテニル4-二リン酸シンターゼ、およびイソペンテニル/ジメチルアリル二リン酸シンターゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作される、請求項33記載の方法。
【請求項38】
試験細胞がメチルエリトリトールの存在下で増殖される、請求項37記載の方法。
【請求項39】
決定工程が、試験細胞を含む液体培養物の光学密度をモニターすること、または生存可能な試験細胞を同定することによる、請求項1記載の方法。
【請求項40】
以下の工程を含む、生合成経路において活性を有する遺伝子産物を同定する方法:
a)複数の遺伝子操作された宿主細胞に、候補遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を各々が含む複数の外因性核酸を導入することによって、複数の試験細胞を産生する工程であって、ここで、遺伝子操作された宿主細胞は、生合成経路中間体を産生し、中間体は遺伝子操作された宿主細胞の増殖を阻害するのに有効な量で産生される、工程;および
b)試験細胞の増殖に対する候補遺伝子産物の発現の効果を、もしあれば決定する工程であって、ここで増殖阻害における低下は、生合成経路の中間体に関与する生合成経路において活性を有する候補遺伝子産物を同定する、工程。
【請求項41】
宿主細胞が、生合成経路の酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸で遺伝子操作されており、ここで、宿主細胞における酵素の合成が、酵素の基質の生合成経路の中間体への変換を生じ、中間体が遺伝子操作された宿主細胞の増殖を阻害するのに有効な量で産生される、遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項42】
宿主細胞が原核生物細胞である、請求項41記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項43】
宿主細胞が真核生物細胞である、請求項41記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項44】
宿主細胞が植物細胞である、請求項43記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項45】
遺伝子操作された宿主細胞がアセチルCoAをプレニル二リン酸に変換させる、請求項41記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項46】
遺伝子操作された宿主細胞が、アセトアセチル-CoAチオラーゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAシンターゼ、ヒドロキシメチルグルタリル-CoAレダクターゼ、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、およびメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作される、請求項45記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項47】
ヌクレオチド配列の一つまたは複数が誘導性プロモーターに機能的に連結される、請求項46記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項48】
ヌクレオチド配列の一つまたは複数が構成的プロモーターに機能的に連結される、請求項46記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項49】
遺伝子操作された宿主細胞がメバロン酸塩をプレニル二リン酸に変換する、請求項41記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項50】
遺伝子操作された宿主細胞がメバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、およびメバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作される、請求項45記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項51】
ヌクレオチド配列の一つまたは複数が誘導性プロモーターに機能的に連結される、請求項50記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項52】
ヌクレオチド配列の一つまたは複数が構成的プロモーターに機能的に連結される、請求項50記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項53】
宿主細胞が1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸をプレニル二リン酸に変換する、請求項41記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項54】
宿主細胞が、1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸シンターゼ、1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸リダクトイソメラーゼ、4-ジホスホシチジル-2-C-メチル-D-エリトリトールシンターゼ、4-ジホスホシチジル-2-C-メチル-D-エリトリトールキナーゼ、2C-メチル-D-エリトリトール2,4-シクロ二リン酸シンターゼ、1-ヒドロキシ-2-メチル-2-(E)-ブテニル3-二リン酸シンターゼ、およびイソペンテニル二リン酸/ジメチルアリル二リン酸イソメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作される、請求項53記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項55】
核酸が染色体外で維持される、請求項41記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項56】
核酸が宿主細胞のゲノムに組み込まれる、請求項41記載の遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項57】
宿主細胞が一つまたは複数のテルペン生合成経路酵素およびプレニルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、一つまたは複数の核酸で遺伝子操作されており、ライブラリーは、複数のメンバーの遺伝子操作された宿主細胞を含み、かつ各メンバーが異なるプレニルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸で遺伝子操作されている、遺伝子操作された宿主細胞のライブラリー。
【請求項58】
請求項41記載の遺伝子操作された宿主細胞を含むキット。
【請求項59】
生合成経路の酵素をコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列が誘導性プロモーターに機能的に連結され、かつプロモーターを活性化する誘導因子をさらに含む、請求項58記載のキット。
【請求項60】
請求項57記載の遺伝子操作された宿主細胞ライブラリーを含むキット。
【請求項61】
テルペンシンターゼを合成する陽性の対照細胞をさらに含む、請求項60記載のキット。
【請求項62】
以下の工程を含む、細胞中の代謝経路を阻害する因子を同定する方法:
a)試験細胞と試験因子とを接触させる工程であって、ここで、試験細胞は代謝経路中間体を産生し、中間体は試験細胞の増殖を阻害するのに有効な量で産生される工程;および
b)試験細胞の増殖に対する因子の効果を、もしあれば決定する工程であって、ここで、増殖阻害における低下は、因子が代謝経路を阻害することを示す、工程。
【請求項63】
因子は試験細胞に導入されている外因性核酸であって、外因性核酸は候補遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を含み、かつ決定工程は、試験細胞の増殖に対する候補遺伝子産物の発現の効果を、もしあれば決定する工程を含み、ここで、増殖阻害における低下は、候補遺伝子産物が代謝経路の中間体に関与する代謝経路を阻害することを示す、請求項62記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−507234(P2007−507234A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534158(P2006−534158)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/032407
【国際公開番号】WO2005/033287
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(592130699)ザ・レジェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】