説明

生成装置、生成方法、及びプログラム

【課題】ユーザの調整操作により調整されるパラメータを指定するための指定情報を生成する。
【解決手段】表示制御部62は、CG画像を生成するために必要なCG仮想空間を作成する際に用いられるCG記述データに基づいて、前記CG仮想空間上に配置される複数の要素をそれぞれ表す複数の要素記述子を表示させ、指定情報生成部64は、表示されている複数の要素記述子のうち、ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するパラメータを、ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成する。本発明は、例えばCG画像を加工するコンピュータ等に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成装置、生成方法、及びプログラムに関し、特に、例えば、CG(Computer Graphics)を加工する際に調整されるパラメータを指定するための指定情報を容易に生成できるようにした生成装置、生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
CG(Computer Graphics)画像を合成する合成技術が存在する(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
この合成技術では、例えば、CG製作者により作成された複数のCGをレンダリングして作成された複数のCG画像を、サーバに予め保持させておき、サーバに保持されている複数のCG画像のうち、ユーザの選択操作により選択されたCG画像を、合成の対象とされた合成対象画像に合成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−369076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の合成技術では、サーバに予め保持されている複数のCG画像を加工した上で合成に用いたい場合には、CG製作者にCGを加工させ、加工後のCGをレンダリングしたCG画像をサーバに保持させた後でなければ、加工後のCG画像を合成に用いることはできなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、CG画像を合成する際に、ユーザの調整操作により、CG画像の生成に用いられるパラメータを調整してCG画像を加工できるようにするために、調整対象のパラメータを指定するパラメータ指定情報(以下、指定情報と略記する)を容易に生成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の生成装置は、CG(Computer Graphics)画像を生成するために必要なCG仮想空間を作成する際に用いられるCG記述データに基づいて、前記CG仮想空間上に配置される複数の要素をそれぞれ表す複数の要素記述子を表示させる表示制御手段と、表示されている複数の要素記述子のうち、ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するためのパラメータを、前記ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成する指定情報生成手段とを含む生成装置である。
【0008】
前記表示制御手段では、前記複数の要素記述子をツリー状の階層構造として表示させるようにすることができる。
【0009】
前記指定情報生成手段により生成された複数の前記指定情報を保持する指定情報保持手段と、前記指定情報保持手段に保持されている前記複数の指定情報のうち、前記ユーザの選択操作により選択された指定情報を読み出す読み出し手段と、前記CG記述データに含まれる複数のパラメータのうち、読み出された前記指定情報により指定されるパラメータを前記調整対象パラメータとして設定する設定手段と、前記ユーザの調整操作に対応して、前記調整対象パラメータを調整する調整手段と、前記調整対象パラメータが調整された前記CG記述データに基づいて、前記CG画像を生成する画像生成手段とをさらに設けるようにすることができる。
【0010】
前記表示制御手段では、表示されている複数の要素記述子のうち、前記ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するための複数のパラメータを表示させ、前記指定情報生成手段では、表示されている前記複数のパラメータのうち、ユーザの指示操作により指示されたパラメータを、前記調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成させるようにすることができる。
【0011】
前記ユーザのモード設定操作に応じて、前記生成装置の動作モードを、指定情報生成モード、又はパラメータ調整モードのいずれかに設定するモード設定手段をさらに設けることができ、前記指定情報生成手段では、前記指定情報生成モードに設定されている場合のみ、前記指定情報を生成させ、前記調整手段では、前記パラメータ調整モードに設定されている場合のみ、前記調整対象パラメータを調整させるようにすることができる。
【0012】
本発明の一側面の生成方法は、CGを加工する際に用いられる指定情報を生成する生成装置の生成方法であって、前記生成装置は、表示制御手段と、指定情報生成手段とを含み、前記表示制御手段が、CG画像を生成するために必要なCG仮想空間を作成する際に用いられるCG記述データに基づいて、前記CG仮想空間上に配置される複数の要素をそれぞれ表す複数の要素記述子を表示させ、前記指定情報生成手段が、表示されている複数の要素記述子のうち、ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するためのパラメータを、前記ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成するステップを含む生成方法である。
【0013】
本発明の一側面のプログラムは、コンピュータを、CG画像を生成するために必要なCG仮想空間を作成する際に用いられるCG記述データに基づいて、前記CG仮想空間上に配置される複数の要素をそれぞれ表す複数の要素記述子を表示させる表示制御手段と、表示されている複数の要素記述子のうち、ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するためのパラメータを、前記ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成する指定情報生成手段として機能させるためのプログラムである。
【0014】
本発明によれば、CG画像を生成するために必要なCG仮想空間を作成する際に用いられるCG記述データに基づいて、前記CG仮想空間上に配置される複数の要素をそれぞれ表す複数の要素記述子が表示され、表示されている複数の要素記述子のうち、ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するためのパラメータを、前記ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報が生成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザの調整操作により調整される調整対象のパラメータを指定する指定情報を容易に生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用したCG合成システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】操作卓を上面から見た場合の一例を示す上面図である。
【図3】調整つまみのボリュームタイプの一例を示す図である。
【図4】CG画像生成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】スイッチャの構成例を示すブロック図である。
【図6】マテリアルの色を調整する様子の一例を示す図である。
【図7】仮想カメラの位置を調整する様子の一例を示す図である。
【図8】CG記述データを構成する各要素をツリー状に表示した場合の一例を示す図である。
【図9】キーフレームを説明するための図である。
【図10】キーフレームにおける再生時刻が調整された様子の一例を示す図である。
【図11】CG画像生成装置が行なうコマンド処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】CG画像生成装置が行なう指定情報生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】CG画像生成装置が行なうCGパラメータ調整処理を説明するためのフローチャートである
【図14】操作卓が行なう操作送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】VD信号が供給されるタイミングで行なわれる、操作卓及び画像生成部の処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図16】画像生成部が行なう変換処理を説明するためのシーケンス図である。
【図17】CG画像生成装置が行なうキーフレーム更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】VD信号が供給されるタイミングで行なわれる、操作卓及び画像生成部の処理における他の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図19】CG画像生成装置が行なう仮想カメラ追加処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明を実施するための形態(以下、本実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.本実施の形態(ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータを指定するための指定情報を生成する場合の一例)
2.変形例
【0018】
<1.本実施の形態>
[CG合成システム1の構成例]
図1は、本発明を適用したCG合成システム1の構成例を示している。
【0019】
このCG合成システム1は、メモリ21aを内蔵する操作卓21、CG生成装置22、CG画像生成装置23、表示部24、及びスイッチャ25により構成される。
【0020】
なお、CG画像生成装置23は、VD(垂直同期)信号を生成し、適宜、操作卓21及びスイッチャ25に供給する。操作卓21、CG画像生成装置23、及びスイッチャ25は、CG画像生成装置23により生成されるVD信号に同期して処理を行なう。また、CG画像生成装置23は、外部から供給されるVD信号に同期したVD信号を各部に供給するようにしても良い。
【0021】
操作卓21は、CGを加工する場合に用いられる調整つまみ及びジョイスティック、並びにCGを加工する際に用いられる指定情報を生成する場合等に用いられる操作ボタン等により構成されている。なお、操作卓21を構成する調整つまみ、ジョイスティック、及び操作ボタンについては、図2を参照して後述する。
【0022】
操作卓21は、ユーザ操作が行われたことに対応して、ユーザ操作に対応する操作信号を生成し、内蔵するメモリ21aに記憶させる。そして、操作卓21は、CG画像生成装置23からVD信号が供給されるタイミングで、メモリ21aに記憶されている操作信号をCG画像生成装置23に供給する。
【0023】
CG生成装置22は、CG製作者による操作に応じて、CG画像を生成するためのCG記述データを生成し、CG画像生成装置23に供給して記憶させる。これにより、CG画像生成装置23のCG記述データ記憶部63(図4)には、複数のCG記述データが記憶される。
【0024】
ここで、CG記述データとは、CG画像を生成するために必要なシーン(CG仮想空間)を作成するために用いられるデータであって、且つ、シーン上に配置される複数の要素(を表す情報)等により構成されているデータをいう。また、CG記述データを構成する各要素は、複数のパラメータにより定義される。
【0025】
このため、CG記述データには、各要素を定義する複数のパラメータが含まれる。
【0026】
具体的には、例えば、CG記述データは、要素として、シーン上に配置されるCGオブジェクトを構成するポリゴンや、シーン上に配置される仮想カメラ等を有している。
【0027】
そして、要素としてのポリゴンは、ポリゴンの位置や、ポリゴンのマテリアル(表面の見え方)の色等を表す複数のパラメータにより定義される。また、要素としての仮想カメラは、仮想カメラの3次元位置(x,y,z)や、仮想カメラの撮像方向等を表す複数のパラメータにより定義される。なお、マテリアルなどのポリゴン以外の情報は属性と呼ばれることもあり、複数のCGオブジェクトが1つの属性を参照する構成になることもある。
【0028】
なお、仮想カメラとは、シーン上に配置されたCGオブジェクトを仮想的に撮像するカメラであり、このカメラの撮像により得られる撮像画像が、CG画像として生成されることとなる。
【0029】
CG画像生成装置23は、操作卓21からの操作信号に応じた処理を行う。
【0030】
すなわち、例えば、CG画像生成装置23は、内蔵するCG記述データ記憶部63に記憶されているCG記述データを構成する各要素のデータ構造を表すデータ構造情報を、表示部24に供給して、データ構造情報に対応するデータ構造表示画像を表示させる。
【0031】
なお、データ構造表示画像とは、CG記述データを構成する各要素のデータ構造を、例えばツリー状に表示する画像を表す。データ構造表示画像の詳細については、図8を参照して後述する。
【0032】
また、例えば、CG画像生成装置23は、CG記述データを構成する各要素のうち、ユーザの選択操作により選択された要素を定義するパラメータを、ユーザの調整操作により調整の対象とされる調整対象パラメータに指定する指定情報を生成する。
【0033】
そして、CG画像生成装置23は、生成した指定情報を、内蔵する指定情報記憶部65(図4)に記憶させる。これにより、指定情報記憶部65には、複数の指定情報が記憶されることとなる。
【0034】
さらに、例えば、CG画像生成装置23は、内蔵する指定情報記憶部65に記憶されている複数の指定情報のうち、ユーザの選択操作により選択された指定情報に基づいて、調整対象パラメータを指定する。そして、CG画像生成装置23は、ユーザの調整操作に応じて、指定された調整対象パラメータの値を、ユーザの調整操作に対応する調整値に調整する。
【0035】
また、例えば、CG画像生成装置23は、調整された調整対象パラメータを含むCG記述データに基づいて、スイッチャ25からのテクスチャ用画像を用いたテクスチャマッピング等を行ない、その結果得られるCG画像を、スイッチャ25に供給する。なお、テクスチャとは、ポリゴンにマッピング(貼付)される画像をいう。
【0036】
表示部24は、例えば、CG画像生成装置23からのデータ構造情報に基づいて、対応するデータ構造表示画像を表示する。
【0037】
スイッチャ25には、複数の画像が供給される。スイッチャ25は、供給される複数の画像のうち、CG画像の生成に必要な画像を、CG画像生成装置23に供給する。
【0038】
また、スイッチャ25には、複数の合成対象画像が供給される。スイッチャ25は、供給される複数の合成対象画像のうち、CG画像生成装置23からのCG画像と合成される合成対象画像を選択する。そして、スイッチャ25は、選択した合成画像と、CG画像生成装置23からのCG画像を合成し、その合成により得られる合成画像を出力する。
【0039】
[操作卓21の詳細]
次に、図2は、操作卓21を上面から見た上面図を示している。
【0040】
操作卓21は、例えば、図2に示されるように、指定情報の生成を指示させる操作等を行うための操作ボタン41、調整対象パラメータや、タッチパネルにより操作可能なボタンとして、例えば、調整対象パラメータの値を調整前の値に戻すデフォルトリコールボタン等を表示する表示部42、調整対象パラメータを調整するための調整つまみ43a乃至43e及びジョイスティック44により構成されている。
【0041】
なお、以下の説明において、調整つまみ43a乃至43eを、それぞれ、区別する必要がない場合には、調整つまみ43a乃至43eを、単に、調整つまみ43という。
【0042】
次に、図3は、調整つまみ43のボリュームタイプの一例を示している。
【0043】
図3A乃至図3Cにおいて、横軸は、調整つまみ43の回転量に応じて変化する制御値を示している。また、縦軸は、制御値に応じて変化する調整対象パラメータの値を示している。
【0044】
図3Aには、調整つまみ43の回転量に応じて、制御値がΔxだけ変化した場合、調整対象パラメータの値xが調整値(x+Δx)に調整される場合のボリュームタイプを示している。なお、説明を簡単にするため制御値とパラメータ値の比率を1としている。以下も同様であり、比率については説明から省いている。
【0045】
図3Bには、調整つまみ43の回転量に応じて、制御値がΔxだけ変化した場合、調整対象パラメータの値exp(x)が調整値exp(x+Δx)に調整される場合のボリュームタイプを示している。なお、exp(x)とは、ネイピア数eのx乗を表す。
【0046】
図3Cには、調整つまみ43の回転量に応じて、制御値がΔxだけ変化した場合、調整対象パラメータの値log(x)が調整値log(x+Δx)に調整される場合のボリュームタイプを示している。なお、logは自然対数を表す。
【0047】
調整つまみ43は、例えば図3A乃至図3Cのいずれかのボリュームタイプで、調整対象パラメータの値を調整するように予め設定されている。
【0048】
また、調整つまみ43は、指定情報により、図3A乃至図3Cのいずれのボリュームタイムが指定されている場合には、指定されたボリュームタイプで、調整対象パラメータの値を調整することとなる。これらボリュームタイプは、例えば明るさの調整や、音量の調整など、調整対象のパラメータの感覚器官での特性に応じて指定されることは既知の通りである。
【0049】
[CG画像生成装置23の詳細]
次に、図4は、CG画像生成装置23の構成例を示している。
【0050】
このCG画像生成装置23は、制御部61、表示制御部62、CG記述データ記憶部63、メモリ64aを有する指定情報生成部64、指定情報記憶部65、ロード指示部66、及びメモリ67aを有する画像生成部67により構成されている。なお、表示制御部62乃至画像生成部67は、それぞれ、バスを介して相互に接続されている。
【0051】
制御部61には、操作卓21から操作信号が供給される。制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、表示制御部62、指定情報生成部64、ロード指示部66、及び画像生成部67を制御する。
【0052】
また、制御部61は、VD信号を生成し、生成したVD信号を、表示制御部62、指定情報生成部64、ロード指示部66、及び画像生成部67に供給するとともに、操作卓21及びスイッチャ25に供給する。操作卓21、スイッチャ25、表示制御部62、指定情報生成部64、ロード指示部66、及び画像生成部67は、制御部61から供給されるVD信号に同期して処理を行なう。なお、これらのうち、特にスイッチャ25と画像生成部67は、画像の処理を乱れなく行うために、必ずVD信号に同期して処理を行う必要がある。それ以外の部分は、制御の同期をVD信号で行うことにより、滑らかな制御を実現したり、また相互の通信手順を正しく処理できるようになっている。
【0053】
表示制御部62は、制御部61からの制御に応じて、CG記述データ記憶部63に記憶されているCG記述データを読み出す。そして、表示制御部62は、読み出したCG記述データに基づいて、そのCG記述データのデータ構造を表すデータ構造情報を生成し、表示部24に供給して、データ構造情報に対応するデータ構造表示画像(図8)を表示させる。
【0054】
CG記述データ記憶部63は、CG生成装置22から供給される複数のCG記述データを保持(記憶)する。なお、CG記述データは、例えばCOLLADA等の、データ構造を定義するためのスキーマ言語により記述される。
【0055】
指定情報生成部64は、制御部61からの制御に応じて、CG記述データ記憶部63に記憶されている複数のCG記述データのうち、ユーザの選択操作により選択されたCG記述データを読み出し、メモリ64aに供給して保持させる。
【0056】
そして、指定情報生成部64は、メモリ64aに保持されているCG記述データに含まれる複数のパラメータのうちのいずれかを、操作卓21を用いて調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成し、指定情報記憶部65に供給して記憶させる。指定情報生成部64は、複数の指定情報をまとめて1つのファイルとし、それを派生情報ファイルとして、指定情報記憶部65に供給して記憶させても良い。この際、派生情報ファイル中に、指定情報生成部64がメモリ64aに保持させたCG記述データの識別子を含ませる。
【0057】
なお、指定情報生成部64は、メモリ64aに保持されているCG記述データに含まれる複数のパラメータのうちの所定のパラメータ(例えば調整対象パラメータとされるパラメータ)を所定の値に調整させることを指示するパラメータ値指示情報(以下、調整指示情報という)を含めるようにして指定情報を生成するようにしてもよい。
【0058】
また、指定情報生成部64は、指定情報記憶部65に記憶されている複数の指定情報の指定情報リストを生成し、指定情報記憶部65に供給して記憶させる。なお、指定情報生成部64は、指定情報リストを保存せず、指定情報リストを要求される都度、指定情報リストを生成するようにしても良い。また、指定情報のリストではなく、派生情報ファイル単位でのリストを扱っても良い。
【0059】
指定情報記憶部65は、指定情報生成部64から供給される複数の指定情報、及び指定情報リストを保持する。なお、指定情報は、例えばXML(Extensible Markup Language)を応用した記述法により、記述される。
【0060】
ロード指示部66は、制御部61からの制御に応じて、指定情報記憶部65に記憶されている複数の指定情報のうち、ユーザの選択操作により選択された指定情報を、指定情報記憶部65から読み出し、画像生成部67に供給する。あるいは、ユーザの選択操作により選択された派生情報ファイルの内容を、画像生成部67に供給する。
【0061】
また、ロード指示部66は、CG記述データ記憶部63に記憶されている複数のCG記述データのうち、指定情報記憶部65から読み出した指定情報に含まれる識別子により識別されるCG記述データを、CG記述データ記憶部63から読み出す。あるいは、指定情報記憶部65から読み出した派生情報ファイルに含まれる識別子を使用して、CG記述データを、CG記述データ記憶部63から読み出す。
【0062】
なお、指定情報生成部64は、調整対象パラメータとされるパラメータを含むCG記述データを識別するための識別子を、指定情報あるいは派生情報ファイルに含めるようにして生成するものとする。
【0063】
そして、ロード指示部66は、読み出したCG記述データを、画像生成部67に供給して、メモリ67aに保持させる。なお、実際にメモリ67aに保持され、調整対象パラメータが更新されるのは、CG記述データをコンピュータプログラム処理用のデータ構造に展開したものであるが、説明を簡単にするため、以下、CG記述データとして説明する。
【0064】
画像生成部67は、ロード指示部66から供給されるCG記述データを、メモリ67aに供給して保持させる。そして、画像生成部67は、メモリ67aに記憶されているCG記述データに含まれる複数のパラメータのうち、ロード指示部66から供給される指定情報(あるいは派生情報ファイルに含まれる指定情報)により指定されるパラメータを、調整対象パラメータに設定する。
【0065】
そして、画像生成部67は、画像生成を開始して、その後、継続的に、制御部61からの制御に従って、調整対象パラメータを調整する。すなわち、例えば、ユーザが、操作卓21を用いて、調整対象パラメータを調整する調整操作を行ったことに対応して、操作卓21は、ユーザの調整操作に対応する操作信号を生成して制御部61に供給する。
【0066】
この場合、制御部61は、操作卓21からの操作信号に応じて、画像生成部67を制御し、調整対象パラメータの値が、ユーザの調整操作に対応した調整値となるように調整させる。
【0067】
なお、操作卓21は、操作卓21の表示部42に表示されたデフォルトリコールボタンが押下されたことに対応して、対応する操作信号を生成して、制御部61に供給する。
【0068】
この場合、制御部61は、操作卓21からの操作信号に応じて、画像生成部67のメモリ67aに記憶されているCG記述データに含まれる調整対象パラメータを、ユーザの調整操作により調整される前の調整対象パラメータに戻す初期化を行う。
【0069】
すなわち、例えば、制御部61は、操作卓21からの操作信号に応じて、ロード指示部66を制御して、CG記述データ記憶部63から、調整対象パラメータを含むCG記述データを読み出させ、画像生成部67に供給させる。そして、制御部61は、画像生成部67を制御して、ロード指示部66から画像生成部67に供給されるCG記述データを、メモリ67aに上書きにより記憶させる。
【0070】
これにより、メモリ67aに記憶されているCG記述データは、ユーザの調整操作により調整される前のCG記述データとされることとなる。なお、メモリ67aのCG記述データの記憶領域を複数設け、調整(変更)されない値をメモリ67aに保持しておき、その内容を読み取ることで、復元を実現しても良い。また、調整対象パラメータについてのみ、値を保存する領域を別に設けても良い。
【0071】
さらに、画像生成部67は、調整対象パラメータが調整された後のCG記述データを、CG記述データ記憶部63に供給して、上書きにより記憶させるようにすることができる。あるいは、一部の調整対象パラメータの値のみを記憶する領域を設け、後で、CG記述データ全体とそれを組み合わせて使用できるようにしても良い。
【0072】
画像生成部67は、フレーム毎又はフィールド毎に、メモリ67aに記憶されている、調整対象パラメータが調整された後のCG記述データに基づいて、CG画像を生成し、スイッチャ25に供給する。この結果、フレーム毎又はフィールド毎に、調整操作がCG画像に反映される。
【0073】
例えば、スイッチャ25から画像生成部67には、メモリ67aに記憶されているCG記述データに基づき生成されるCG画像を構成するポリゴンに、テクスチャマッピングされる画像が供給される。
【0074】
そして、画像生成部67は、メモリ67aに記憶されているCG記述データに基づいて、スイッチャ25から供給される画像を、生成しようとしているCG画像を構成するポリゴンに、テクスチャマッピングする等の処理を行うことにより、CG画像を描画生成して、その処理により得られるCG画像を、スイッチャ25に供給する。
【0075】
[スイッチャ25の構成例]
次に、図5は、スイッチャ25の構成例を示している。
【0076】
このスイッチャ25は、マトリクススイッチ81、合成処理部82、及び図示しない制御部により構成される。
【0077】
マトリクススイッチ81は、入力ラインL1乃至L10、クロスポイントスイッチ101a乃至101m、及びバスライン102a乃至102mにより構成されており、操作卓21からの制御指示を受けて図示しない制御部により制御される。また、CG画像生成装置23の画像生成部67から、追加の制御を受けるような構成としても良い。
【0078】
入力ラインL1乃至L10において、入力ラインL1乃至L9には、それぞれ、外部からの画像信号が入力(供給)される。また、入力ラインL10には、CG画像生成装置23からCG画像が入力される。外部からの画像信号は、例えばVTR(videotape recorder)が再生している画像信号であったり、放送局のスタジオを撮影しているカメラからの画像信号であったりする。
【0079】
なお、入力ラインL1乃至L10において、入力ラインL1乃至L9に外部からの画像信号が入力され、入力ラインL10には、CG画像生成装置23からのCG画像が入力されることとしたが、外部からの画像信号、CG画像が入力される入力ラインは、これに限定されない。
【0080】
また、マトリクススイッチ81は、10本の入力ラインL1乃至L10を有することとしたが、入力ラインの本数は10本に限定されず、いずれの本数により構成してもよい。
【0081】
クロスポイントスイッチ101aは、バスライン102aと入力ラインL1乃至L10とが交差する各点(図中バツ印で示す)の接続を制御する。そして、クロスポイントスイッチ101aは、入力ラインL1乃至L9それぞれに入力される画像信号のうちのいずれかを、バスライン102aを介して、出力端子T1に出力してCG画像生成装置23に供給する。
【0082】
なお、クロスポイントスイッチ101b乃至101dは、クロスポイントスイッチ101aと同様に構成されており、クロスポイントスイッチ101aと同様の処理を行なう。
【0083】
すなわち、クロスポイントスイッチ101bは、入力ラインL1乃至L9それぞれに入力される画像のうちのいずれかを、バスライン102bを介して、出力端子T2に出力してCG画像生成装置23に供給する。また、クロスポイントスイッチ101cは、入力ラインL1乃至L9それぞれに入力される画像のうちのいずれかを、バスライン102cを介して、出力端子T3に出力してCG画像生成装置23に供給する。
【0084】
さらに、クロスポイントスイッチ101dは、入力ラインL1乃至L9それぞれに入力される画像のうちのいずれかを、バスライン102dを介して、出力端子T4に出力してCG画像生成装置23に供給する。
【0085】
クロスポイントスイッチ101eは、バスライン102eと入力ラインL1乃至L10とが交差する各点の接続を制御し、入力ラインL1乃至L10それぞれから供給される画像のうちのいずれかを、バスライン102eを介して、出力端子OUT1に出力する。
【0086】
なお、クロスポイントスイッチ101f乃至101kは、クロスポイントスイッチ101eと同様に構成されており、クロスポイントスイッチ101eと同様の処理を行なう。
【0087】
クロスポイントスイッチ101lは、バスライン102lと入力ラインL1乃至L10とが交差する各点の接続を制御し、入力ラインL1乃至L9それぞれから入力される画像のうちのいずれかを、バスライン102lを介して、合成処理部82に供給する。
【0088】
クロスポイントスイッチ101mは、バスライン102mと入力ラインL1乃至L10とが交差する各点の接続を制御し、例えば、入力ラインL10から入力されるCG画像を、バスライン102mを介して、合成処理部82に供給する。
【0089】
合成処理部82は、クロスポイントスイッチ101lからの画像と、クロスポイントスイッチ101mからの、例えばCG画像とを合成する。そして、合成処理部82は、その合成により得られる合成画像を、プレビューとして出力するプレビュー出力ライン、及び最終的な合成画像として出力するプログラム出力ラインに出力する。本発明は、このような例えば生放送の運用に使用する設備に適用して、即時的な操作による作用で付加価値の高い画像を生成する環境で、特に効果を発揮する。
【0090】
[ユーザの調整操作に応じてCG画像が変化する場合の一例]
次に、図6は、マテリアル(ポリゴンの表面)の色を表す値が、調整対象パラメータとして設定されている場合に、ユーザの調整操作に応じて変化するCG画像の様子の一例を示している。なお、実際にはマテリアルのうちの色属性は、拡散反射や自発光毎に細かく設定されるが、ここでは説明を簡単にするため、単純に、「マテリアルの色」として説明することとする。
【0091】
図6Aには、調整対象パラメータが調整される前のCG画像121として、ポリゴン121a及び121bが表示されたCG画像121が示されている。
【0092】
図6Bには、調整対象パラメータが調整された後のCG画像121'として、図6Aに示されたポリゴン121aとはマテリアルの色が異なるポリゴン121a'、及びポリゴン121bが表示されたCG画像121'が示されている。
【0093】
画像生成部67は、ユーザの調整操作に応じて、ポリゴン121aのマテリアルの色を変化させるように、ポリゴン121aのマテリアルの色を表す値である調整対象パラメータを調整し、調整後の調整対象パラメータを含むCG記述データに基づいて、CG画像を生成する。
【0094】
これにより、画像生成部67により生成されるCG画像は、例えば、図6Aに示されるCG画像121から、図6Bに示されるCG画像121'に変化するものとなる。
【0095】
次に、図7は、仮想カメラの3次元位置(x,y,z)のうちの位置yが、調整対象パラメータとして設定されている場合に、ユーザの調整操作に応じて変化するCG画像の様子の一例を示している。なお、仮想カメラの撮像している画面に対して上方向がy軸としている。
【0096】
図7Aには、調整対象パラメータが調整される前のCG画像121として、ポリゴン121a及び121bが表示されたCG画像121が示されている。
【0097】
図7Bには、調整対象パラメータが調整された後のCG画像121"として、図7Aに示されるCG画像121とは異なる位置に存在するポリゴン121a"及びポリゴン121b"が表示されたCG画像121"が示されている。
【0098】
画像生成部67は、ユーザの調整操作に応じて、仮想カメラの位置yが増加するように、位置yである調整対象パラメータを調整し、調整後の調整対象パラメータを含むCG記述データに基づいて、CG画像を生成する。
【0099】
これにより、画像生成部67により生成されるCG画像は、例えば、図7Aに示されるCG画像121から、図7Bに示されるCG画像121"に変化するものとなる。以上では仮想カメラの位置のみを調整した場合を示したが、これ以外に、仮想カメラの向きや回転角度を調整対象とすることも可能であり、CGの仮想空間中で自由に仮想カメラを動かすことができる。
【0100】
[指定情報の生成]
次に、図8を参照して、ポリゴン121aのマテリアルの色を表す値を、調整対象パラメータに指定する指定情報、及び仮想カメラの位置yを、調整対象パラメータに指定する指定情報を生成する場合について説明する。
【0101】
図8は、表示部24に表示されるデータ構造表示画像の一例を示している。
【0102】
図8に示されるデータ構造表示画像には、CG記述データを構成する各要素が、ツリー状の階層構造により表示されている。なお、CG記述データを構成する各要素における階層構造は、図8に示されるような階層構造に限定されず、階層の深さ等もCG制作者が任意に設定することができる。
【0103】
図8に示される「VisualSceneNode」は、シーン(CG仮想空間)を表している。そして、「VisualSceneNode」の下位階層には、「VisualSceneNode」が表すシーンに配置される複数の要素それぞれを表す要素記述子が表示されている。
【0104】
具体的には、例えば、「VisualSceneNode」の下位階層には、要素記述子として、CGオブジェクトに対して、仮想的に光を照射する複数の仮想ライトの定義を表す「Lights」、仮想空間に配置された仮想ライトを表す「spotLight3」、さらに仮想空間に配置された他の仮想ライトを表す「spotLight4」、及び所定の位置に配置されるテクスチャマッピング対象を表す「PLACES」が表示されている。
【0105】
また、例えば、「VisualSceneNode」の下位階層には、要素記述子として、シーンに配置されたロゴである多面体を表す「LOGO」、及びCGオブジェクトを仮想的に撮像する複数の仮想カメラを表す「camera3_group」が表示されている。
【0106】
さらに、例えば、「LOGO」の下位階層には、「LOGO」が表すロゴを構成する各要素の要素記述子として、「MLS」、「TC」、「group1」、「group2」、「ANIMAL_LOGO」及び「STAR」が表示されている。
【0107】
そして、「MLS」、「TC」、「group1」、「group2」、「ANIMAL_LOGO」及び「STAR」の下位階層には、それぞれの各要素を構成する要素(例えば、ポリゴン等)の要素記述子が表示されている。
【0108】
具体的には、例えば、「group1」の下位階層には、「group1」を構成する複数の要素それぞれの要素記述子として、ポリゴンを表す「belelPolygon77」141、「belelPolygon76」、「belelPolygon75」、「belelPolygon74」及び「belelPolygon73」が表示されている。
【0109】
また、「camera3_group」の下位階層には、「camera3_group」を構成する複数の要素それぞれの要素記述子として、例えば、仮想カメラを表す「camera3」142及び「camera3_aim」が表示されている。
【0110】
表示制御部62は、CG記述データ記憶部63に記憶されている複数のCG記述データのうち、ユーザにより指示されたCG記述データを、CG記述データ記憶部63から読み出す。そして、表示制御部62は、読みだしたCG記述データに基づいて、そのCG記述データのデータ構造を表すデータ構造情報を生成し、表示部24に供給して、データ構造情報に対応する、図8に示されるようなデータ構造表示画像を表示させる。
【0111】
ユーザは、例えば、表示部24に表示されたデータ構造表示画像を参照しながら、CG記述データを構成する各要素のうち、調整対象としたい要素を選択して、選択された要素についての指定情報を生成させる生成操作を行う。
【0112】
すなわち、例えば、ユーザは、操作卓21を用いて、表示部24に表示されている「bevelPolygon77」141を選択し、選択した「bevelPolygon77」141が表すポリゴン121aについての指定情報を生成する生成操作を行った場合、操作卓21は、ユーザの生成操作に対応する操作信号を生成し、CG画像生成装置23の制御部61に供給する。
【0113】
制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、指定情報生成部64を制御して、以下のような処理を行なわせる。
【0114】
すなわち、例えば、指定情報生成部64は、制御部61からの制御にしたがって、「bevelPolygon77」141が表すポリゴン121aを定義する複数のパラメータの中で、さらにいずれのパラメータを対象とするかユーザに選択肢として表示して提示し、選択されたパラメータを調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成し、指定情報記憶部65に供給して記憶させる。なお、派生情報ファイルとして複数の指定情報の組を作成する場合は、この操作を繰り返して1つの派生情報ファイルを決定させる。
【0115】
指定情報の生成の具体例として、例えば、指定情報生成部64は、ポリゴン121aを定義する複数のパラメータのうちの1つのパラメータとして、ポリゴン121aのマテリアルの色を表すパラメータを、調整対象パラメータに指定する指定情報を生成する。この指定情報は、例えば、以下に示されるように、COLLADAにより記述されたCG記述データを対象とした記述となる。
<rel element="material" rel_id="id2_Material">
<rel element="phong">
<rel element="emission">
<rel element="color">
<param_index>0</param_index>
</rel>
</rel>
<rel element="ambient"><!−multi destination>
<rel element="color">
<param_index>0</param_index>
</rel>
</rel>
</rel>
</rel>
この例は、RGB値で構成される色情報について、インデックスゼロであるRすなわち赤色成分を、調整対象とすることを示す。また、この例は、emission(自発光)の色と、ambient(環境光)の色を同時に調整される対象としている。
【0116】
なお、指定情報生成部64は、調整対象パラメータを指定する他、調整対象パラメータを調整するための調整つまみ43(又はジョイスティック44)を一意に識別するためのパラメータ操作IDも指定する指定情報を生成する。すなわち、調整つまみ43と調整対象パラメータを対応付ける情報を、指定情報に含める。
【0117】
さらに、例えば、指定情報生成部64は、ユーザの生成操作に応じて、以下に示される記述を含む指定情報を生成することができる。
<param_scale>1.0</param_scale><!− option -->
<param_offset>0</param_offset><!− option -->
<param_type>float</param_type>
<param_curve>linear</param_curve>
<range>0 1.0</range><!−min,max -->
<volume_knob_type>B</volume_knob_type>
【0118】
なお、<param_scale>1.0</param_scale><!− option -->は、ユーザの調整操作に対応する調整値に値1.0を乗算して得られる乗算値を、最終的な調整値として、制御部61から供給することを指定している。また、<param_offset>0</param_offset><!− option -->は、ユーザの調整操作に対応する調整値に値0を加算(オフセット)して得られる加算値を、最終的な調整値として、制御部61から供給することを指定している。
【0119】
さらに、<param_type>float</param_type>は、ユーザの調整操作に対応する調整値をfloat型(浮動小数点型)として扱うことを指定している。また、<param_curve>linear</param_curve>は、調整対象パラメータを調整するための調整つまみ43のボリュームタイプを、図3Aに示されたように線形的に変化するボリュームタイプに設定することを指定している。
【0120】
さらに、<range>0 1.0</range><!−min,max -->は、ユーザの調整操作に対応する調整値の範囲を、0から1.0までの範囲とすることを指定している。また、<volume_knob_type>B</volume_knob_type>は、調整対象パラメータを調整するための調整つまみ43のボリュームタイプを、図3Bに示されたボリュームタイプに設定することを指定している。
【0121】
なお、指定情報生成部64は、ユーザの生成操作により、「bevelPolygon77」141が表すポリゴン121aを定義する複数のパラメータ毎に、パラメータを指定する指定情報を生成するようにしたが、ポリゴン121aを定義する複数のパラメータのうち、ユーザにより指示されたパラメータのみの指定情報を生成するようにしてもよい。
【0122】
この場合、例えば、表示制御部62が、ユーザの選択操作により「bevelPolygon77」141が選択されたことに対応して、「bevelPolygon77」141の下位階層に、ポリゴン121aを定義する複数のパラメータとして、ポリゴン121aのマテリアルの色を表すパラメータ、ポリゴン121aにマッピングされるテクスチャを表すパラメータ、ポリゴン121aの3次元位置(x,y,z)を表すパラメータ等を表示させる。
【0123】
そして、指定情報生成部64は、「bevelPolygon77」141の下位階層に表示された複数のパラメータのうち、ユーザにより指示されたパラメータを指定する指定情報を生成することとなる。
【0124】
なお、表示制御部62は、シーン(CG仮想空間)上に配置される複数の要素のいずれかに適用される1つ以上の属性をそれぞれ表す1つ以上の属性記述子を表示させるようにしてもよい。この場合、表示制御部62は、ユーザの選択操作により所定の属性記述子が選択されたことに対応して、ユーザの選択操作により選択された所定の属性記述子に対応する属性を定義するための複数のパラメータを表示させる。
【0125】
そして、指定情報生成部64は、表示されている複数のパラメータのうち、ユーザの指示操作により指示されたパラメータを、調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成させることができる。
【0126】
また、例えば、ポリゴン121a及び121bを仮想的に撮像する仮想カメラの位置yを、調整対象パラメータに指定する指定情報を生成する場合、ユーザは、操作卓21を用いて、表示部24に表示されている「camera3」142を選択し、選択した「camera3」142が表す仮想カメラについての指定情報を生成する生成操作を行う。
【0127】
これに対応して、操作卓21は、ユーザの生成操作に対応する操作信号を生成し、CG画像生成装置23の制御部61に供給する。制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、指定情報生成部64を制御して、以下に示す処理を行わせる。
【0128】
すなわち、例えば、指定情報生成部64は、制御部61からの制御にしたがって、要素記述子「camera」142が表す仮想カメラを定義するパラメータを、調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成し、指定情報記憶部65に供給して記憶させる。
【0129】
具体的には、例えば、指定情報生成部64は、仮想カメラを定義する複数のパラメータのうちの1つのパラメータとして、仮想カメラの位置yを表すパラメータを、調整対象パラメータに指定する指定情報を生成する。この指定情報は、例えば、以下に示されるように記述されたものとなる。
<rel element="node" rel_id="Camera3" instance="camera">
<!−instance is optional -->
<rel element="translate">
<param_index>1</param_index><!-- y -->
</rel>
</rel>
<param_scale>1.0</param_scale><!-- option -->
<param_offset>0</param_offset><!-- option -->
<param_type>float</param_type>
<param_relative>true</param_relative><!-- option -->
【0130】
また、指定情報生成部64は、ベクトルデータである仮想カメラの3次元位置(x,y,z)を、1つの調整対象パラメータに指定する指定情報として、例えば、以下に示すような指定情報を生成することもできる。
<rel element="node" rel_id="Camera3" instance="camera">
<rel element="translate">
<array_style>xyz</array_style>
</rel>
</rel>
<param_scale>1.0 1.0 1.0</param_scale><!-- option -->
<param_offset>0 0 0</param_offset><!-- option -->
<range></range><!−min,max for each-->
【0131】
なお、仮想カメラの3次元位置(x,y,z)を調整対象パラメータとして指定する場合、調整対象パラメータとしての3次元位置(x,y,z)は、3つの浮動小数点(float型)の値として扱われることとなる。
【0132】
また、例えば、指定情報生成部64は、調整対象パラメータを調整するための操作部のパラメータ操作IDとして、例えばジョイスティック44のパラメータ操作IDを指定する指定情報を生成することができるが、その他、ジョイスティック44とともに、直接に、3次元位置(x,y,z)を入力することにより3次元位置(x,y,z)を調整するための操作部のパラメータ操作IDを指定する指定情報を生成するようにしてもよい。回転ノブによる操作は1つの値(スカラー値)を調整することに利用できるが、ジョイスティックのような操作手段により、(x,y,z)値を操作対象(指定情報の対象)とすることができる。またさらに、操作手段の機能に応じて、(x,y,z)値よりも多数の値を含め、例えば(x,y,z)値に、各軸に対する回転角度を含めたものを、1つの調整対象パラメータとして扱う構成としても良い。本発明によれば、どのような値の組を扱うかは、操作手段の機能と、ユーザの希望に応じて自由に設定することができる。例えば1つの指定情報で仮想カメラやCGオブジェクトの1つを指定して、その3次元位置のほか、回転、拡大縮小を操作対象とすることも可能である。すなわち、1つの指定情報で、Translate、Rotation、Scale(所謂TRS)すべてを操作対象にできる。そして操作手段としては、例えばジョイスティックとそのジョイスティックの機能をTRSのいずれかに選択的に割り当てるボタン(デリゲーションボタン)を設け、ユーザがデリゲーションボタンを選択操作してジョイスティックを操作するような操作手段を提供すればよい。
【0133】
[アニメーションについて]
次に、図9を参照して、CG記述データに基づいて生成されるアニメーションについて説明する。
【0134】
図9は、複数のCG画像により構成されるアニメーションの再生時刻を時系列に示すタイムラインの一例を示している。
【0135】
なお、図9において、横軸は、アニメーションの再生時刻を表している。再生時刻t1,t2及びt3には、それぞれ、キーフレーム1,2及び3が対応付けられている。
【0136】
ここで、キーフレームとは、対応する再生時刻において再生されるアニメーションを定義するためのパラメータ(例えば、アニメーションに登場する主人公を構成するポリゴンの3次元位置等を表すパラメータ)を含むデータを表す。このキーフレームは、CG記述データに記述されている。
【0137】
CG記述データに対応するアニメーションが再生されるときには、CG記述データに含まれるキーフレームに基づいて、アニメーションの動作が決定される。すなわち、例えば、再生時刻t1,t2及びt3においては、それぞれ、キーフレーム1,2及び3に含まれるパラメータに基づいてアニメーションの動作が決定される。
【0138】
なお、再生時刻t1から再生時刻t2までの期間には、対応するキーフレームが存在しないが、この区間においては、前後に存在するキーフレーム1及び2を用いて補間される値に基づいて、アニメーションの動作が決定される。このことは、再生時刻t2から再生時刻t3までの期間についても同様である。
【0139】
指定情報生成部64は、ユーザの生成操作に応じて、例えば、キーフレーム2に対応付けられている再生時刻t2を、調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成することができる。
【0140】
これにより、画像生成部67は、指定情報生成部64により生成された指定情報に基づいて、キーフレーム2に対応付けられている再生時刻t2を、調整対象パラメータに設定し、ユーザの調整操作に応じて、例えば、図10Aに示された再生時刻t2を、図10Bに示された再生時刻t2+Δtに調整することが可能となる。
【0141】
[CG画像生成装置23の動作説明]
次に、図11のフローチャートを参照して、CG画像生成装置23が行うコマンド処理について説明する。
【0142】
このコマンド処理は、例えば、CG画像生成装置23においてCG記述データの1つが利用可能とされたときに開始される。また、CG画像生成装置23は、操作卓21からのコマンドに応じて、CG画像生成装置23の動作モードが変更される。なお、CG画像生成装置23の電源がオンされたときの動作モードは、初期モードに設定されているものとする。
【0143】
ステップS1において、制御部61は、操作卓21からコマンドを受信したか否かを判定し、操作卓21からコマンドを受信したと判定するまで、ステップS1の処理を繰り返して実行する。
【0144】
ステップS1において、制御部61は、操作卓21からコマンドを受信したと判定した場合、処理をステップS2に進める。
【0145】
すなわち、例えば、ユーザが、操作卓21を用いて、CG画像生成装置23に所定の処理を開始させるための操作を行ったことに対応して、操作卓21から、ユーザ操作に対応するコマンドが制御部61に供給された場合、制御部61は、操作卓21からコマンドを受信したと判定して、処理をステップS2に進める。
【0146】
そして、ステップS2において、制御部61は、受信したコマンドに基づいて、受信したコマンドが、指定情報生成処理の開始を指示するコマンドであるか否かを判定する。
【0147】
ステップS2において、制御部61は、受信したコマンドに基づいて、受信したコマンドが、指定情報生成処理の開始を指示するコマンドであると判定した場合、CG画像生成装置23の動作モードを、指定情報生成処理モードに変更する。
【0148】
そして、ユーザが、操作卓21を用いて、CG記述データ記憶部63に記憶されている複数のCG記述データのうちのいずれかを選択する選択操作を行った場合、操作卓21は、ユーザの選択操作に対応する操作信号を生成し、制御部61に供給して、処理をステップS3に進める。
【0149】
ステップS3では、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、表示制御部62及び指定情報生成部64を制御し、指定情報を生成する指定情報生成処理を行い、処理をステップS1に戻して、以降同様の処理が行なわれる。なお、ステップS3における指定情報生成処理の詳細は、図12のフローチャートを参照して後述する。
【0150】
また、ステップS2において、制御部61は、受信したコマンドに基づいて、受信したコマンドが、指定情報生成処理の開始を指示するコマンドではないと判定した場合、処理をステップS4に進める。
【0151】
ステップS4において、制御部61は、受信したコマンドに基づいて、受信したコマンドが、CG画像生成の開始を指示するコマンドであるか否かを判定する。そして、制御部61は、受信したコマンドが、CG画像生成の開始を指示するコマンドであると判定した場合、CG画像生成装置23の動作モードを、CGパラメータ調整処理モードに変更する。
【0152】
そして、ユーザが、指定情報リストあるいは派生情報ファイルのリストを操作卓21の表示部42に表示させるように、操作卓21を操作した場合、操作卓21は、そのユーザ操作に対応する操作信号を生成し、制御部61に供給して、処理をステップS5に進める。
【0153】
ステップS5では、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ロード指示部66及び画像生成部67を制御し、CG画像を生成するCGパラメータ調整処理を行い、処理をステップS1に戻して、以降同様の処理が行なわれる。なお、ステップS5におけるCGパラメータ調整処理の詳細は、図13のフローチャートを参照して後述する。
【0154】
また、ステップS4において、制御部61は、受信したコマンドに基づいて、受信したコマンドが、CG画像生成の開始を指示するコマンドではないと判定した場合、CG画像生成装置23の動作モードを、所定処理モードに変更する。
【0155】
そして、ユーザが、操作卓21を用いて、CG画像生成装置23に所定の処理を行わせるための操作を行った場合、操作卓21は、そのユーザ操作に対応する操作信号を生成し、制御部61に供給して、処理をステップS6に進める。
【0156】
ステップS6では、制御部61が、操作卓21からの操作信号に基づいて、各機能ブロックを制御し、所定の処理を行ない、処理をステップS1に戻し、以降同様の処理が行なわれる。なお、コマンド処理は、例えば、CG画像生成装置23の電源がオフされたときに終了される。
【0157】
以上説明したように、コマンド処理によれば、操作卓21からのコマンドに応じて、CG画像生成装置23の動作モードを変更するようにしたので、例えば、動作モードが、CGパラメータ調整処理モード(CG画像を生成させるモード)である場合に、ユーザの操作ミス等により指定情報生成処理が行われること等を防止することが可能となる。これにより、CGパラメータ調整処理を行いつつ画像生成を行っている状況で、指定情報自体が変更されて、予期しない結果になることを防止できる。
【0158】
[指定情報生成処理の詳細]
次に、図12のフローチャートを参照して、図11のステップS3における指定情報生成処理の詳細について説明する。
【0159】
ステップS21において、指定情報生成部64は、制御部61からの制御にしたがって、CG記述データ記憶部63に記憶されている複数のCG記述データのうち、ユーザの選択操作により選択されたCG記述データを、CG記述データ記憶部63から読み出し、内蔵するメモリ64aに供給して保持させる。
【0160】
ステップS22において、表示制御部62は、制御部61からの制御にしたがって、ユーザの選択操作により選択されたCG記述データ(ステップS21の処理でメモリ64aに保持されたCG記述データ)を、CG記述データ記憶部63から読み出す。そして、表示制御部62は、読み出したCG記述データに基づいて、そのCG記述データのデータ構造情報を生成し、表示部24に供給して、対応するデータ構造表示画像を表示させる。
【0161】
これにより、表示部24は、表示制御部62からのデータ構造情報に基づいて、図8に示されたようなデータ構造表示画像(CG記述データを構成する各要素をツリー状の階層構造として表示する画像)を表示する。
【0162】
ステップS23において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの生成操作が行われたか否かを判定し、生成操作が行われたと判定されるまで、ステップS23の処理を繰り返す。
【0163】
ユーザが、操作卓21を用いて、データ構造表示画像として、表示部24に表示されているCG記述データを構成する各要素のうちのいずれかを選択し、選択した要素についての指定情報を生成させる生成操作を行った場合、操作卓21は、ユーザの生成操作に対応する操作信号を生成して、制御部61に供給する。
【0164】
これに対応して、ステップS23において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、生成操作が行われたと判定し、処理をステップS24に進める。
【0165】
ステップS24において、指定情報生成部64は、制御部61からの制御にしたがって、メモリ64aに記憶されているCG記述データを構成する各要素のうち、ユーザにより選択された要素と、ユーザにより選択された要素を定義するパラメータのうちの1つ以上を特定する。
【0166】
ステップS25において、指定情報生成部64は、そのパラメータを調整対象パラメータに指定する指定情報を生成する。
【0167】
ステップS26において、指定情報生成部64は、生成した指定情報を、指定情報記憶部65に供給して記憶させ、処理を、図11のステップS3にリターンさせて、それ以降の処理を行なわせる。なお、複数の指定情報をまとめて派生情報ファイルとして扱う場合は、1つの派生情報ファイルに対して、指定情報の生成を繰り返させる。また、メモリ64aに記憶されているCG記述データの識別子を、派生情報ファイル中に記述する。
【0168】
以上説明した指定情報生成処理では、表示部24に、CG記述データを構成する各要素を、ツリー状の階層構造により表示させるようにしたので、ユーザは、表示された各要素の中から、指定情報の生成を所望する要素を容易に選択することができる。このため、ユーザは、指定情報の生成を所望する要素についての指定情報を容易に生成させることが可能となる。
【0169】
また、例えば、指定情報生成処理では、ユーザが調整し易い調整つまみ43等の配置となるように、パラメータ操作IDを指定する指定情報を生成するようにすれば、CGパラメータ調整処理において、ユーザは、操作卓21において、ユーザが調整し易いように配置された調整つまみ43で、調整対象パラメータを調整することが可能となる。
【0170】
[CGパラメータ調整処理の詳細]
次に、図13のフローチャートを参照して、図11のステップS5におけるCG画像生成及びCGパラメータ調整処理の詳細について説明する。
【0171】
ステップS41において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に応じて、指定情報記憶部65から指定情報リストを読み出すか、あるいは生成される指定情報リストを得て、操作卓21に供給する。これに対応して、操作卓21は、制御部61からの指定情報リスト等を、操作卓21の表示部42に表示させる。なお、派生情報ファイル単位で扱う構成では、指定情報のリストではなく、派生情報ファイルのリストとなる。
【0172】
ユーザは、操作卓21の表示部42に表示された指定情報リスト等を参照しながら、指定情報リストとして表示された複数の指定情報のうちのいずれかを選択する選択操作を、操作卓21の操作ボタン41を用いて行う。あるいは、派生情報ファイルのいずれかを選択する操作を行う。
【0173】
この場合、操作卓21は、ユーザの選択操作に対応する操作信号を生成し、制御部61に供給する。
【0174】
ステップS42において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に応じて、ロード指示部66を制御する。ロード指示部66は、制御部61からの制御に応じて、指定情報記憶部65から、ユーザの選択操作により選択された指定情報あるいは派生情報ファイルを読み出し、画像生成部67に供給する。
【0175】
ステップS43において、ロード指示部66は、CG記述データ記憶部63に記憶されている複数のCG記述データのうち、指定情報記憶部65から読み出した指定情報あるいは派生情報ファイルに含まれる識別子により識別されるCG記述データを、CG記述データ記憶部63から読み出す。
【0176】
そして、ステップS44において、ロード指示部66は、読み出したCG記述データを、画像生成部67に供給して、メモリ67aに記憶させる。
【0177】
ステップS45において、画像生成部67は、ロード指示部66からの指定情報に基づいて、その指定情報に調整指示情報(パラメータ値指示情報)が含まれているか否かを判定し、指定情報に調整指示情報が含まれていると判定した場合、処理をステップS46に進める。
【0178】
ステップS46において、画像生成部67は、ロード指示部66からの指定情報に含まれる調整指示情報に基づいて、メモリ67aに記憶されているCG記述データに含まれる複数のパラメータのうち、調整指示情報により値を指示されたパラメータ(例えば、調整対象パラメータ等)の値を書き込みする。
【0179】
なお、ステップS45において、画像生成部67は、ロード指示部66からの指定情報に基づいて、その指定情報に調整指示情報が含まれていないと判定した場合、処理を、ステップS46をスキップしてステップS47に進める。
【0180】
ステップS47において、画像生成部67は、メモリ67aに記憶されているCG記述データに含まれる複数のパラメータのうち、ロード指示部66からの指定情報により指定されるパラメータを、調整対象パラメータに設定する。
【0181】
また、画像生成部67は、ロード指示部66からの指定情報により指定されるパラメータ操作IDを、調整対象パラメータと対応付けて、メモリ67aに保持させる。なお、いまの場合、指定情報は、少なくとも、調整対象パラメータ及びパラメータ操作IDを指定するものであるとする。
【0182】
ステップS48において、画像生成部67は、メモリ67aに記憶されているCG記述データに基づいて、対応するCG画像を生成し、表示制御部62に供給して表示部24に表示させる。
【0183】
そして、ユーザは、表示部24に表示されたCG画像を参照し、必要に応じて、操作卓21の調整つまみ43やジョイスティック44等を用いて、調整対象パラメータを調整する調整操作を行う。この場合、操作卓21は、ユーザの調整操作に対応する操作信号を生成し、制御部61に供給する。
【0184】
ステップS49では、制御部61は、操作卓21から操作信号が供給されたか否かを判定する。
【0185】
すなわち、例えば、制御部61は、操作卓21から操作信号が供給されるまで、ステップS49の処理を繰り返し行なう。ただし、フレーム毎又はフィールド毎に画像生成を行うシステムにおいては、VD信号に同期して、次のフレーム又はフィールドの画像生成を行うため、ステップS48に戻る必要がある。
【0186】
そして、制御部61は、操作卓21から操作信号が供給されたと判定した場合、処理をステップS50に進め、操作卓21からの操作信号を画像生成部67に供給して、以下の処理を行なわせる。
【0187】
すなわち、例えば、ステップS50において、画像生成部67は、制御部61からの制御にしたがって、制御部61からの操作信号に基づいて、内蔵するメモリ67aには、制御部61からの操作信号に含まれるパラメータ操作IDが記憶されているか否かを判定する。換言すれば、そのパラメータ操作IDが調整対象パラメータとして設定されているかを判定する。
【0188】
なお、ユーザの調整操作に対応して、操作卓21から制御部61に供給される操作信号には、ユーザの調整操作により操作された操作部のパラメータ操作ID、及びユーザの調整操作に対応する調整値が含まれる。
【0189】
ステップS50において、画像生成部67は、内蔵するメモリ67aに、制御部61からの操作信号に含まれるパラメータ操作IDが記憶されていないと判定した場合、処理をステップS49に戻し、それ以降、同様の処理が行なわれる。
【0190】
また、ステップS50において、画像生成部67は、内蔵するメモリ67aに、制御部61からの操作信号に含まれるパラメータ操作IDが記憶されていると判定した場合、処理をステップS51に進める。
【0191】
ステップS51では、画像生成部67は、制御部61からの制御にしたがって、制御部61からの操作信号に含まれる調整値が、予め決められた許容範囲内の値であるか否かを判定する。
【0192】
ステップS51において、画像生成部67は、制御部61からの操作信号に含まれる調整値が、予め決められた許容範囲内の値ではないと判定した場合、処理をステップS49に戻し、それ以降、同様の処理が行なわれる。
【0193】
また、ステップS51において、画像生成部67は、制御部61からの操作信号に含まれる調整値が、予め決められた許容範囲内の値であると判定した場合、処理をステップS52に進める。
【0194】
ステップS52において、画像生成部67は、制御部61からの制御にしたがって、メモリ67aに記憶されている調整対象パラメータのうち、制御部61からの操作信号に含まれるパラメータ操作IDに対応付けられている調整対象パラメータを、制御部61からの操作信号に含まれる調整値に調整し、処理をステップS48に戻す。なお、受信した調整値による調整は、調整値が即値であることもあるし、現在の値に加算して適用する値(差分)であることもある。また設定により、受信した調整値に乗算や加算などの変換を施してから使用する場合もある。
【0195】
そして、ステップS48では、画像生成部67は、メモリ67aに記憶されている、調整対象パラメータを調整後のCG記述データに基づいて、対応するCG画像を生成し、表示制御部62に供給して表示部24に表示させ、それ以降、同様の処理が行なわれる。この結果、フレーム毎又はフィールド毎に、調整操作が反映されたCG画像がスイッチャ25に供給される。
【0196】
そして、スイッチャ25において、画像生成部67からのCG画像を、合成対象画像に合成して得られる合成画像が出力される。
【0197】
以上説明したように、CGパラメータ調整処理では、指定情報により指定された調整対象パラメータを、操作卓21の調整つまみ43やジョイスティック44を用いたユーザの調整操作に応じて調整(変更)することができる。
【0198】
このため、CGパラメータ調整処理では、CG画像を合成する際に、ユーザの調整操作に応じて、調整対象パラメータを調整するだけで、容易に、CG画像を加工できるので、例えば、CG製作者にCG画像を加工させる場合と比較して、より迅速に、CG画像を加工することができるとともに、CG画像を加工するための費用を、より安価に抑えることが可能となる。また、スイッチャ25で扱っている画像の内容に応じて即時にCGを変更できるので、画像の内容に適したCGを生成でき、スイッチャ25で合成した結果がより価値のある画像となる。
【0199】
また、CGパラメータ調整処理において、CG画像は、容易に加工可能なCG画像となるので、加工不可能なCG画像と比較して、より価値のあるCG画像となる。
【0200】
さらに、CGパラメータ調整処理では、ユーザ操作に応じて、所望のパラメータを調整対象パラメータとして指定することができるので、目的に応じて、調整する必要があるパラメータを、調整対象パラメータに設定することが可能となる。
【0201】
また、例えば、CGパラメータ調整処理では、指定情報により、調整対象パラメータを調整するための調整つまみ43等が指定され、指定された調整つまみ43等を用いて調整が行なわれる。
【0202】
したがって、例えば、CG記述データ毎に異なる多数の調整対象パラメータそれぞれを調整するための調整つまみ43等を、個別に用意する必要がなく、調整つまみ43の個数を少なくできるため、操作卓21の調整つまみ43として、操作性に優れ耐久性のある比較的高価な調整つまみ43を採用することが可能となる。
【0203】
[操作卓21の動作説明]
次に、図14のフローチャートを参照して、操作卓21が行う操作送信処理について説明する。
【0204】
この操作送信処理は、例えば、ユーザが、操作卓21を用いて、調整対象パラメータを調整する調整操作を行ったときに開始される。
【0205】
ステップS71において、操作卓21は、操作卓21の調整つまみ43等に対する操作が行われたか否かに基づいて、ユーザによる調整操作が行われたか否かを判定し、ユーザによる調整操作が行われたと判定した場合、処理をステップS72に進める。
【0206】
ステップS72において、操作卓21は、ユーザの調整操作に対応する操作信号であって、且つ、ユーザの調整操作に対応する調整値、及び調整操作により操作された操作部に対応するパラメータ操作IDを含む操作信号を生成し、内蔵するメモリ21aに供給して記憶させる。
【0207】
そして、ステップS73において、操作卓21は、メモリ21aに予め記憶されている更新フラグを、ユーザによる調整操作が行われたことを表す値1に変更させる。なお、更新フラグは、予め、ユーザによる調整操作が行われていないことを表す値0に設定されているものとする。
【0208】
また、ステップS71において、操作卓21は、操作卓21の調整つまみ43等に対する操作が行われたか否かに基づいて、ユーザによる調整操作が行われていないと判定した場合、処理をステップS74に進める。
【0209】
ステップS74では、操作卓21は、制御部61からのVD信号を受信したか否かを判定し、まだVD信号を受信していないと判定した場合、処理をステップS71に戻して、それ以降、同様の処理を行なう。
【0210】
また、ステップS74において、操作卓21は、制御部61からのVD信号を受信したと判定した場合、処理をステップS75に進める。ステップS75では、操作卓21は、メモリ21aに記憶されている更新フラグを、メモリ21aから読み出す。
【0211】
そして、ステップS76において、操作卓21は、メモリ21aから読み出した更新フラグに基づいて、ユーザによる調整操作が行われたか否かを判定する。すなわち、操作卓21は、メモリ21aから読み出した更新フラグの値が0に設定されている場合、ユーザによる調整操作は行われていないと判定し、処理をステップS71に戻して、それ以降同様の処理を行なう。
【0212】
また、例えば、操作卓21は、メモリ21aから読み出した更新フラグの値が1に設定されている場合、ユーザによる調整操作が行われたと判定し、処理をステップS77に進める。
【0213】
ステップS77において、操作卓21は、メモリ21aに記憶されている、調整値及びパラメータ操作IDを含む操作信号を読み出し、制御部61に供給する。
【0214】
ステップS78において、操作卓21は、メモリ21aに記憶されている更新フラグを、ユーザの調整操作が行われていないことを表す値0に変更して、処理をステップS71に戻し、それ以降、同様の処理を行なう。なお、以上の説明では、ステップS74でVD信号の受信がないと判断された場合にステップS71に戻っているが、戻る処理を省き、ステップS74でVD信号の受信を待つ(待つ間何もしない)としても良い。すなわち、ユーザによる調整操作の有無の判定を、VD信号の受信毎に行うタイミングとなっても良い。
【0215】
[操作卓21及び画像生成部67の処理]
次に、図15のシーケンス図を参照して、CG画像生成装置23の制御部61からVD信号が供給されるタイミングで、操作卓21が行う操作送信処理、及び画像生成部67が行なうCGパラメータ調整処理におけるステップS48乃至52の処理について説明する。
【0216】
図15に示されるように、ステップS101において、操作卓21は、CG画像生成装置23の制御部61から、VD信号が供給される毎に、内蔵するメモリ21aに記憶されている更新フラグを読み出す。
【0217】
そして、操作卓21は、更新フラグが値1に設定されている場合には、内蔵するメモリ21aに記憶されている、調整値及びパラメータ操作IDを含む操作信号を読み出し、制御部61に供給する。
【0218】
制御部61は、ステップS49の処理として、操作卓21から操作信号が供給されたか否かを判定し、操作卓21から操作信号が供給されたと判定した場合、操作卓21からの操作信号に含まれる調整値及びパラメータ操作IDを、画像生成部67に供給する。
【0219】
そして、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、画像生成部67を制御して、上述したCGパラメータ調整処理におけるステップS50乃至ステップS52の処理を行なわせる。
【0220】
すなわち、例えば、画像生成部67は、制御部61からVD信号が供給されるタイミングで、制御部61からの調整値及びパラメータ操作IDに基づいて、ステップS50及びステップS51の処理を行う。
【0221】
そして、処理が、ステップS51からステップS52に進められた場合、画像生成部67は、ステップS121に示されるように、内蔵するメモリ67aに記憶されている調整対象パラメータの値を、調整値に調整する。
【0222】
その後、処理が、ステップS52からステップS48に戻った後、画像生成部67は、ステップS122に示されるように、制御部61からVD信号が供給されるタイミングで、メモリ67aに記憶されているCG記述データに基づいて、対応するCG画像を生成し、表示制御部62に供給して表示部24に表示させる。
【0223】
このように、操作卓21及び画像生成部67は、制御部61からVD信号が供給されるタイミングで、フレーム毎又はフィールド毎に処理を行なう。
【0224】
なお、図16に示されるように、操作卓21からの操作信号に含まれる調整値として、色相(hue)の値を表すH値が供給された場合には、ステップS141において、画像生成部67は、調整値としてのH値をRGB(Red,Green,Blue)値に変換する。すなわち、現在のRGB値をHLS値(Hue,Luminance,Saturation)値に変換し、それに受信したH値を適用して、再びRGB値に戻して、適用する。そして、画像生成部67は、調整対象パラメータを、変換後の調整値に調整する。このことは、調整値として、明度(luminance)の値を表すL値、彩度(saturation)の値を表すS値が供給された場合も同様である。
【0225】
なお、操作卓21からの操作信号に含まれる調整値として、RGB値ではなく、H値、L値又はS値の少なくとも1つが、制御部61に供給されるのは、以下の理由による。
【0226】
すなわち、ユーザが色を調整する場合、RGB値により調整するときと比較して、色相、明度、及び彩度により調整するときのほうが、直感的に調整しやすいことから、本実施の形態では、マテリアルの色等を調整する場合、ユーザは、操作卓21を用いて、色相、明度、及び彩度により色を調整するようにしているためである。
【0227】
なお、操作卓21が、ユーザの調整操作により調整されたH値、L値、S値を、RGB値に変換した上で、制御部61に供給するように構成することもできるが、この場合、RGB値を表す3つのR値、G値及びB値を、制御部161に供給しなければならず、操作卓21との間のデータ送信量が増加してしまう。
【0228】
このため、本実施の形態では、操作卓21ではなく、画像生成部67において、H値、L値、S値を、RGB値に変換するようにして、操作卓21からのデータ送信量が増加することを防止している。
【0229】
ところで、H値を調整対象パラメータとして指定する指定情報は、例えば、以下に示されるようなものとなる。
<rel element="emission">
<rel element="color">
<color_ctrl>hue</color_ctrl><!-- hue,lum,sat -->
</rel>
</rel>
すなわち、制御にHue値を使うことを、指定情報の中に含めておく。
【0230】
なお、H値は、色相を角度0乃至360度により表す循環値であり、例えば、符号化の一例として、色相の角度が0度(360度)である場合には値0x0000とされ、色相の角度が90度である場合には値0x4000とされる。さらに、例えば、H値は、色相の角度が180度である場合には値0x8000とされ、色相の角度が270度である場合には値0xc000とされる。
【0231】
このH値は、例えば、図3Aに示されるボリュームタイプに設定された調整つまみ43等により調整される。
【0232】
また、S値は、彩度を0乃至1(0乃至100[%])により表す非循環値であり、例えば、符号化の一例として、彩度が0である場合には値0x0000とされ、彩度が1である場合には値0x7fffとされる。このS値は、例えば、図3Cに示されるボリュームタイプに設定された調整つまみ43等により調整される。
【0233】
さらに、L値は、輝度を0乃至1(0乃至100[%])により表す非循環値であり、例えば、符号化の一例として、輝度が0である場合には値0x0000とされ、輝度が1である場合には値0x7fffとされる。このL値は、例えば、図3Cに示されるボリュームタイプに設定された調整つまみ43等により調整される。
【0234】
以上の説明では、色の調整手段としてHSLそれぞれの値をノブにより調整させる手段について説明したが、例えばGraphical User Interface(GUI)上にカラーパレットを表示して、視覚的に選択可能として、そこで受けた操作入力の結果を操作信号にして送信するように構成することができる。
【0235】
また、調整前の色の情報をCG画像生成装置から操作手段(GUI等)に送り、ユーザが現在の値を認識してから調整できるような構成にしてもよい。
【0236】
[CG画像生成装置23が行うキーフレーム更新処理]
次に、図17のフローチャートを参照して、キーフレームに含まれる複数のパラメータのうちの調整対象パラメータを、ユーザの調整操作により調整して、キーフレームを変更させるキーフレーム変更処理について説明する。この処理は、CG記述データにキーフレームアニメーションの記述が含まれる場合に適用可能な処理である。
【0237】
ステップS161において、制御部61は、操作卓21からの操作信号を受信する。なお、この操作信号には、ユーザの調整操作により操作された操作部のパラメータ操作ID、及びユーザの調整操作に対応する調整値が含まれているものとする。
【0238】
ステップS162において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの調整操作による調整が一時的な調整であるか否か、すなわち、メモリ67aに記憶されている調整対象パラメータのみを調整するのか、それとも、メモリ67aに記憶されている調整対象パラメータの調整を、アニメーションにも反映させるように調整するのかを判定する。
【0239】
ステップS162において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの調整操作による調整が、一時的な調整であると判定した場合、処理をステップS163に進める。そして、制御部61は、画像生成部67を制御して、ステップS163における処理を行なわせる。
【0240】
ステップS163では、画像生成部67は、制御部61からの制御にしたがって、メモリ67aに記憶されている調整対象パラメータxを、ユーザの調整操作に対応する調整値として、例えばx+Δxに調整する。
【0241】
ステップS162において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの調整操作による調整が、一時的な調整ではないと判定した場合、処理をステップS164に進める。
【0242】
ステップS164において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの調整操作による調整は、タイムライン全域への適用であるか否かを判定し、タイムライン全域への適用ではないと判定した場合、処理をステップS165に進める。そして、制御部61は、画像生成部67を制御して、ステップS165における処理を行なわせる。
【0243】
ステップS165では、画像生成部67は、制御部61からの制御にしたがって、メモリ67aに記憶されている調整対象パラメータxを、ユーザの調整操作に対応する調整値x+Δxに調整して、これを指定キーフレームにおける調整対象パラメータの値として記憶し、処理を、後述するステップS169に進める。
【0244】
また、ステップS164において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの調整操作による調整は、タイムライン全域への適用であると判定した場合、処理をステップS166に進める。
【0245】
ステップS166において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの調整操作による調整を、タイムライン全域に対応付けられた複数のキーフレーム(例えば、図9のキーフレーム1乃至3)のうち、調整対象パラメータを含むキーフレーム(例えば、図9のキーフレーム2)以外のキーフレーム(例えば、図9のキーフレーム1及び3)に対して、比率に基づいて適用するのか、差に基づいて適用するのかを判定する。
【0246】
ステップS166において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの調整操作による調整を、比率に基づいて適用すると判定した場合、処理をステップS167に進める。そして、制御部61は、画像生成部67を制御して、ステップS167における処理を行なわせる。
【0247】
ステップS167において、画像生成部67は、制御部61からの制御にしたがって、調整対象パラメータの値xを調整値x+Δxに調整する。
【0248】
また、画像生成部67は、調整対象パラメータの値xと、調整値x+Δxとの比率(x+Δx)/xを算出する。そして、画像生成部67は、調整対象パラメータに対応する、他のキーフレームそれぞれ(例えば、図9のキーフレーム1及び3)のパラメータの値yを、値yと比率(x+Δx)/xとの乗算値y{(x+Δx)/x}に調整して、処理をステップS169に進める。
【0249】
また、ステップS166において、制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、ユーザの調整操作による調整を、差に基づいて適用すると判定した場合、処理をステップS168に進める。そして、制御部61は、画像生成部67を制御して、ステップS168における処理を行なわせる。
【0250】
ステップS168において、画像生成部67は、制御部61からの制御にしたがって、調整対象パラメータの値xを調整値x+Δxに調整する。
【0251】
また、画像生成部67は、調整値x+Δxと、調整対象パラメータの値xとの差Δx(=x+Δx-x)を算出する。そして、画像生成部67は、調整対象パラメータに対応する、他のキーフレームそれぞれ(例えば、図9のキーフレーム1及び3)のパラメータの値yを、値yと差Δxとの加算値y+Δxに調整して、処理をステップS169に進める。
【0252】
ステップS169では、画像生成部67は、調整後のキーフレームに基づいて、キーフレームが対応付けられていない再生時刻についてのパラメータの値を、前後のキーフレームに基づいて補間して更新する。以上でキーフレーム更新処理は終了される。
【0253】
以上説明したように、キーフレーム更新処理によれば、例えば、ステップS166乃至ステップS168に示されるように、ユーザの調整操作による調整を、タイムライン全域に適用できるので、1つのキーフレームのみを調整するだけで、他のキーフレームについても同様に調整することができる。このため、キーフレーム毎に、ユーザの調整操作により調整する手間を省くことが可能となる。
【0254】
なお、「一時的な変更であるか」あるいは「タイムライン全域への適用か」また「比率の適用か、差の適用か」等の設定は、あらかじめユーザの操作により設定して、専用のメモリ領域に記憶しておいても良く、あるいは、操作卓からの操作信号に含まれるようにしても良い。
【0255】
[操作卓21及び画像生成部67の処理]
次に、図18のシーケンス図は、CG画像生成装置23の制御部61からVD信号が供給されるタイミングで、操作卓21及び画像生成部67が行なう処理の他の一例を示している。
【0256】
この例は、パラメータの連続変化(自動進行)機能を説明するものである。すなわち、手動で毎フレームあるいは毎フィールド、パラメータを操作するのではなく、パラメータと期間を指定して、ある時間(フレーム数)の間、連続的に変化させる機能である。この場合、指示は、パラメータ操作IDと、時間(進行フレーム数)と、全体の変化量または毎フレームの変化量(=全体の変化量/進行フレーム数)から成る。このような指示について、ユーザからの操作入力を受けるための手段が設けられる。
【0257】
例えば、ユーザが、操作卓21を用いて、Mフレームを掛けて調整対象パラメータを調整する指示を行ったときに、操作卓21は、ユーザの指示操作に対応する操作信号を生成し、制御部61に供給する。
【0258】
すなわち、図18に示されるように、ステップS181において、操作卓21は、Mフレームを掛けて調整対象パラメータを調整することを開始させる操作信号を生成し、メモリ21aに供給して保持させる。
【0259】
そして、操作卓21は、制御部61からVD信号が供給されたタイミングで、メモリ21aから操作信号を読み出し、制御部61に供給する。
【0260】
制御部61は、操作卓21からの操作信号に基づいて、画像生成部67を制御して、ステップS201乃至ステップS203の処理を行なわせる。
【0261】
すなわち、ステップS201において、画像生成部67は、制御部61からVD信号が供給されるタイミングで、CGの調整対象パラメータに、1フレーム分の変更量を加算するようにして、調整対象パラメータを調整する。
【0262】
ステップS202において、画像生成部67は、Mフレームの処理が終了したか否かを判定し、終了していないと判定した場合、処理をステップS201(VD信号待ち)に戻し、それ以降同様の処理を行なう。
【0263】
また、ステップS202において、画像生成部67は、Mフレームの処理が終了したと判定した場合、処理を終了させる。
【0264】
ステップS203では、画像生成部67は、ステップS201の処理を行なうときに供給されたVD信号の次のVD信号が、制御部61から供給されるタイミングで、ステップS201の処理で調整された調整対象パラメータに基づいて、変更が反映されたCG画像を生成し、表示制御部62に供給して表示部24に表示させる。
【0265】
このように、例えば、ユーザが、操作卓21を用いて、Mフレームを掛けて調整対象パラメータを徐々に変更していくように操作を行ったときには、Mフレームのそれぞれに対して調整対象パラメータを1つずつ調整する調整操作をM回も行うことなく、1回の調整操作により、変更を反映することが可能となる。また、CG画像を見る者にとって、滑らかな変化を得ることができ、付加価値の高い画像となる。
なお、以上の説明から明らかなように、VD信号に同期して各部の制御を連携させることで、毎フレームあるいは毎フィールド、同じ量で進行する変化(遷移)を実現でき、付加価値が高い画像となる。
【0266】
ところで、図1のCG生成装置22は、CG記述データを生成し、CG画像生成装置23のCG記述データ記憶部63に供給して記憶させるようにしている。
【0267】
しかしながら、CG生成装置22において、CG記述データを生成するために用いられるアプリケーションによっては、CG生成装置22により、仮想カメラや仮想ライトを、要素として含まないCG記述データが生成されることが生じ得る。これは例えば、CG記述データを扱うアプリケーションが、アプリケーション自身の設定により仮想カメラを配置することが都合がよい場合があることなどによる。
【0268】
そこで、指定情報生成部64は、CG記述データ記憶部63から読み出してメモリ64aに保持させたCG記述データに、要素として、仮想カメラや仮想ライトが存在しない場合には、予め決めておいた複数のパラメータにより定義される仮想カメラや仮想ライトを、CG記述データに追加するようにすることができる。
【0269】
[仮想カメラ追加処理の詳細]
次に、図19のフローチャートを参照して、指定情報生成部64が、CG記述データに仮想カメラを追加する仮想カメラ追加処理について説明する。
【0270】
なお、仮想ライトについても、仮想カメラ追加処理と同様に追加されるため、仮想カメラ追加処理についてのみ説明し、仮想ライトを追加する処理についての説明は省略する。
【0271】
この仮想カメラ追加処理は、例えば、図12の指定情報生成処理が行なわれたとき等、ある(対象)CG記述データを扱う最初の時点に開始される。すなわち、例えば、仮想カメラ追加処理は、指定情報生成処理が開始されたときから、ステップS22の処理が開始される前の間に行なわれる。なお、処理主体は、指定情報生成部64に限定される必要は、勿論ない。CG記述データを取り扱うどこで行われても、同じ効果を発揮できる。
【0272】
具体的には、例えば、ステップS221において、指定情報生成部64は、指定情報生成処理におけるステップS21の処理を行ない、内蔵するメモリ64aに、CG記述データを保持させる。
【0273】
ステップS222において、指定情報生成部64は、メモリ64aに記憶されているCG記述データに基づいて、そのCG記述データに、仮想カメラが記述されているか否かを判定する。
【0274】
そして、指定情報生成部64は、メモリ64aに記憶されているCG記述データに基づいて、そのCG記述データに、仮想カメラが記述されていないと判定した場合、処理をステップS223に進める。
【0275】
ステップS223において、指定情報生成部64は、予め決められている仮想カメラの記述を、メモリ64aに記憶されているCG記述データに追加して記述する。
【0276】
ステップS224において、指定情報生成部64は、仮想カメラが追加して記述されたCG記述データを、メモリ64aから読み出し、CG記述データ記憶部63に供給して、上書きにより記憶させる。以上で仮想カメラ追加処理は終了される。
【0277】
なお、ステップS222において、指定情報生成部64は、メモリ64aに記憶されているCG記述データに基づいて、そのCG記述データに、仮想カメラが記述されていると判定した場合にも、仮想カメラ追加処理は終了される。また、仮想カメラを追加したCG記述データをCG記述データ記憶部63に記憶せず、CG記述データが新規にメモリ64aに読み込まれる毎に、仮想カメラ追加処理等を動作させるようにしても良い。
【0278】
そして、指定情報生成処理では、例えば、仮想カメラ追加処理が終了された後、ステップS22の処理を開始することとなる。
【0279】
以上説明したように、仮想カメラ追加処理によれば、CG記述データに、仮想カメラが記述されていない場合には、予め決められている仮想カメラを記述するようにして、仮想カメラを記述後のCG記述データを、CG記述データ記憶部63に供給して、上書きにより記憶させるようにした。
【0280】
したがって、例えば、CG製作者により、CG生成装置22を用いて作成されて、CG記述データ記憶部63に記憶されたCG記述データにおいて、仮想カメラが記述されていない場合であっても、仮想カメラの3次元位置等を調整対象パラメータに設定して調整することができるようになる。
【0281】
このことは、仮想ライトについても同様のことが言える。すなわち、CG記述データ記憶部63に記憶されたCG記述データにおいて、仮想ライトが記述されていない場合であっても、仮想ライトの3次元位置や照度等を調整対象パラメータに設定して調整することができるようになる。
【0282】
仮想カメラは、CG画像を生成する場合に仮想空間の撮像は行われる原理であるから、CG画像生成においては必ず存在するとも言えるが、本発明の構成においては調整対象パラメータに設定可能な対象として扱う必要があるため、明示的に、仮想カメラの追加として処理を設けている。仮想ライトについても、他に発光体がないCG空間(仮想空間)を撮像する(CG画像生成する)場合には、必ず仮定されるものであるが、調整対象パラメータに設定可能な対象として扱えるようにしている。
【0283】
仮想カメラの位置などを調整対象パラメータとすることは、CG画像の操作として基本的なものであるから、デフォルトで、仮想カメラの位置をジョイスティックなどの操作手段で操作する対象となるような構成としても良い。
【0284】
<2.変形例>
本実施の形態では、表示部24には、図8に示されるように、CG記述データを構成する各要素を、ツリー状に表示させるようにしたが、これに限定されず、例えば、要素記述子をフォルダとして表示させるようにするようにしてもよい。
【0285】
この場合、例えば、表示部24には、フォルダとしての「Lights」、「PLACES」、「LOGO」、「spotLight3」、「spotLight4」、「camera3_group」を下位階層に含むフォルダが、「VisualSceneNode」として表示される。
【0286】
そして、例えば、フォルダとしての「Lights」が選択された場合には、表示部24は、「Lights」の下位階層に存在する「spotLight2」、「spotLight1」、「pointLight1」、「BackBoardspotLight1」が、フォルダとして表示される。
【0287】
本実施の形態では、例えば、ポリゴン121aのマテリアルの色や、仮想カメラの位置y等を表すパラメータを、調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成することを説明したが、その他、様々なパラメータを、調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成することができる。
【0288】
すなわち、例えば、ポリゴンにマッピング(貼付)するテクスチャを指示するパラメータ等を指定する指定情報を生成することができる。また、1つのパラメータの他、複数のパラメータを指定する指定情報を生成するようにすることもできる。
【0289】
また、CG記述データには複数のマテリアル定義が含まれる場合があり、それらのマテリアルの列挙を選択肢とし、あるCGオブジェクト(ポリゴン)に適用するマテリアルを選択指定させるように、「CGオブジェクトのマテリアル」を調整対象パラメータにすることもできる。
【0290】
なお、例えばCGオブジェクトにテクスチャを指示する、あるいはテクスチャマッピングを含むマテリアルを指示する場合、そのCGオブジェクト(の面)にUV座標が定義(設定)されていなければ、ならない。UV座標が未定義の面にはテクスチャを適用できないので、そのような選択となってしまう場合は、エラーとして警告を発するようにしても良い。あるいは、UV座標が未定義の面にテクスチャを適用することになる場合に、自動的に球体マッピングしてUV座標を決定させても良い。あるいは、円筒マッピングや球体マッピングを選択肢としてユーザに提示して、選択させるように構成しても良い。
【0291】
また、UV座標(テクスチャ座標)に対するアフィン変換のパラメータを、調整対象パラメータとしても良い。例えばU座標への拡大率を1つの調整対象パラメータとし、V座標への拡大率を1つの調整対象パラメータとし、この2つを操作することでテクスチャの縦横比を変えて拡大縮小できるようにすることができる。あるいは、オフセット値を調整対象パラメータとすれば、テクスチャをずらすようにオフセットを調整可能にすることもできる。
【0292】
調整対象パラメータとして、例えば、CG記述データがキーフレームアニメーションを含む場合に、再生速度(タイムライン上で進行する速度)を指定可能なように構成することもできる。キーフレームアニメーションを含むCGについては、操作卓21に、プレイ(タイムラインの進行)を指示する押しボタンなどの手段を設けて操作可能にされるが、その押しボタンを押した際にアニメーションが進行する再生速度を、調整対象パラメータとして、例えば調整ノブにより制御可能に構成することができる。
【0293】
再生速度はCG記述データ自体の内容とは言えないが、画像生成部67がメモリ上に保持して動作する値であるので、このような値についても、本発明を適用することができ、ユ―ザの操作対象とすることができる。
【0294】
あるいは調整対象パラメータとして、CG記述データが複数の仮想カメラを含む場合、それらの中から画像生成に使用する仮想カメラを1つ選択するパラメータとしても良い。
【0295】
本実施の形態では、指定情報に、<param_type>float</param_type>を記述することにより、ユーザの調整操作に対応する調整値をfloat型として扱うことを指定できることについて説明したが、調整値は、float型の他、1バイトのint型(整数型)、2バイトのint型等として扱うことができる。
【0296】
なお、1及び2バイトのint型としては、符号有りのint型、及び符号無しのint型のいずれも採用することができ、最小値及び最大値を指定することができる。また、1及び2バイトのint型等は、ユーザの調整操作に応じて、調整値を1ずつ増加又は減少させるRelative/Trim指示も可能な型である。
【0297】
また、例えば、H値、L値及びS値等の調整値の符号化としては、値0x0000乃至0xffffが用いられる。調整値の符号として、値0x0000乃至0xffffを用いる場合にも、調整値の最大値及び最小値を指定することができ、ユーザの調整操作に応じて、調整値の符号を0x0001ずつ増加又は減少させるRelative/Trim指示も可能である。
【0298】
また、例えば、調整値は、予め列挙された複数の値のうちのいずれかを調整値として採用するenum型(列挙型)として取り扱うようにすることも可能である。列挙される複数の値における最小値及び最大値は、enum型の定義により予め決定される。この場合、調整ノブに対応して表示される表示手段に、現在の値として、enum型の値に名付けられた名称を表示するようにしても良い。
【0299】
さらに、本実施の形態では、ユーザの調整操作により調整後の調整対象パラメータの値を、調整値とするようにしたが、例えば、ユーザの調整操作に応じて変化される調整対象パラメータの変化分のみを、調整値として採用することも可能である。
【0300】
本実施の形態では、指定情報により指定される調整対象パラメータを含むCG記述データを特定するために、指定情報あるいは派生情報ファイルには、その指定情報により指定される調整対象パラメータを含むCG記述データの識別子が含まれているようにしたが、指定情報あるいは派生情報ファイルに対応するCG記述データの特定方法はこれに限定されない。
【0301】
すなわち、例えば、CG画像生成装置23において、指定情報あるいは派生情報ファイルと、指定情報により指定される調整対象パラメータを含むCG記述データとを対応付けたリンク情報を、新たに保持するようにし、リンク情報に基づいて、指定情報に対応するCG記述データを特定するようにしてもよい。
【0302】
なお、リンク情報としては、例えば、指定情報あるいは派生情報ファイルと、対応するCG記述データとを対応付けたテーブル等が考えられる。また、例えば、指定情報あるいは派生情報ファイルと、対応するCG記述データとを同一のディレクトリ(フォルダ)に含ませるようにした場合には、指定情報及びCG記述データが含まれているディレクトリ(構造)を、指定情報及びCG記述データがそれぞれ対応付けられていることを表すリンク情報として採用することができる。
【0303】
また、例えば、指定情報あるいは派生情報ファイルが含まれるディレクトリの下位階層又は上位階層に、その指定情報に対応付けられたCG記述データを一意に決まる関係で記憶させるようなディレクトリ構造を構成して記憶させるようにすれば、そのディレクトリ構造を、リンク情報として用いることができる。
【0304】
なお、指定情報あるいは派生情報ファイルが、対応するCG記述データを特定するための識別子やリンク情報を含まない場合には、ユーザが、指定情報とともに、対応するCG記述データを選択することとなる。この場合は、誤選択により、指定情報が使用できない状況が発生する可能性があり、その場合はエラー表示するなどの緩和策を提供することも可能である。
【0305】
本実施の形態において、画像生成部67は、内蔵するメモリ67aに、ユーザの調整操作により以前に調整された調整対象パラメータの値として、複数の値を保持するようにしておき、ユーザが、操作卓21を用いて、ユーザの調整操作により以前に調整された複数の値のうちのいずれかを指示した場合には、調整対象パラメータを、ユーザにより指示された調整対象パラメータの値に戻す調整を行なうようにする(いわゆるメモリ機能を提供する)ことができる。
【0306】
また、画像生成部67は、ユーザが、操作卓21を用いて、指定情報あるいは派生情報ファイルに含まれる調整指示情報を更新する更新操作を行ったことに対応して、指定情報に含まれる調整指示情報を更新することができる。
【0307】
具体的には、例えば、画像生成部67において、ユーザの更新操作が行われた場合、ロード指示部66が、ユーザの更新操作に対応する操作信号を受信した制御部61からの制御にしたがって、指定情報記憶部65から、更新対象の調整指示情報が含まれる指定情報あるいは派生情報ファイルを読み出す。そして、ロード指示部66は、読み出した指定情報あるいは派生情報ファイルに含まれる、更新対象の調整指示情報を更新して、指定情報記憶部65に供給して上書きにより記憶させる。
【0308】
これにより、更新対象の調整指示情報において、調整指示情報に基づいて指示される値を更新することができる。
【0309】
また、本実施の形態では、例えば、操作卓21とCG画像生成装置23とを別々にして構成するようにしたが、CG画像生成装置23の内部に操作卓21を設けるように構成するようにしてもよい。
【0310】
あるいは、図4のCG画像生成装置23の構成要素を、一体の機器ではなく、複数の機器がネットワークを介して接続された構成で実現しても良い。図1の構成の別の例の説明も含める形で、そのような例について説明する。
【0311】
CG生成装置22は、パーソナルコンピュータにCG作成アプリケーションソフトウェアをインストールしたもので実現できる。ユーザがそれを操作し、CG記述データが生成される。ユーザはそのパーソナルコンピュータ上で、CGのだいたいの描画内容を確認できる。
【0312】
またユーザは、CGの作成にあたって、所望の値が調整対象パラメータとなることを意識して、CGを作成することができる。例えば、あるCGオブジェクト(ポリゴン)と別のCGオブジェクト(ポリゴン)とについて、同じ色を付与し、かつその色を調整対象パラメータとすることを意図する場合は、同一のマテリアルを前記両者(CGオブジェクト)に適用し、指定情報の作成時に分かり易い名称をマテリアルに付与しておくことができる。
【0313】
CG作成アプリケーションソフトウェアは、作成されたCGの保存形式としては通常独自のファイル形式を採用することが多い。しかし、追加機能として、標準的なCG記述データの形式でCG内容を書き出し(エクスポート)する機能を持つことが多い。ユーザは、この書き出し機能を作動させて、作成したCGの内容をCG記述データのファイルとして書き出すことができる。
【0314】
そして、ユーザの操作により、作成されたCG記述データのファイルはネットワーク経由でCG記述データ記憶部63に送られる。一例として、CG作成アプリケーションソフトウェアを稼働させたパーソナルコンピュータにおいてサーバ機能を稼働させ、そのローカルディスクの一部をネットワークに公開して、CG画像生成装置23の制御部に該当する機能によって、そこからCG記述データ記憶部63にファイルをコピーしても良い。
【0315】
また、このコピー動作を、新しいCG記述データのファイルが生成されたことを検知して、動作させることも、既知の技術により容易に実現できる。
【0316】
指定情報生成部64は、別のパーソナルコンピュータ上で動作するソフトウェアの機能(以下、編集手段と記述する)として実現しても良い。また、指定情報記憶部65は、CG記述データ記憶部63と一緒に例えばハードディスク中のファイルシステムにファイルとして格納する機能としても良い。
【0317】
編集手段は、ネットワークを介して制御部61と通信し、ファイルシステムからのCG記述データの読み出しや、派生情報ファイルへの書き込みを指示し、情報をやりとりして動作する。編集手段のUI(User Interface)としては、パーソナルコンピュータ上でGUIを用いて実現できる。そのGUIには、CG記述データのリストを表示したり、内容を表示したりできる。
【0318】
編集手段に、ロード指示部66に対してロードを支持する機能を設け、編集手段のGUIとしてユーザが派生情報ファイルを選択してロード指示入力を可能とし、編集手段は、ネットワークを介して制御部61にロード指示を送り、制御部61はそれをロード指示部に送り、指示されたロード指示部は派生情報ファイルを読み取り、その内容の指定情報と指定のCG記述データを画像生成部のメモリに読み込ませて動作すればよい。
【0319】
なお、ロード指示部は制御部と同じCPU(を有するマイクロコンピュータ)上で動作するソフトウェアとして実現できる。
【0320】
以上の説明では、CG記述データおよび指定情報あるいは派生情報ファイルがCG画像生成装置23に含まれる場合を説明したが、これらがローカルなストレージに置かれない構成としても、本発明を適用できる。
【0321】
例えば、CG記述データおよび指定情報あるいは派生情報ファイルをネットワーク経由でアクセスできる遠隔の記憶手段に格納し、必要に応じて取得するようにしても良い。また遠隔の記憶手段に接続できる装置(例えばパーソナルコンピュータ)から指定情報あるいは派生情報ファイルの作成編集を行うようにしても良い。
【0322】
次に、上述した一連の処理は、専用のハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、いわゆる組み込み型のコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0323】
[コンピュータの構成例]
図20は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成例を示している。
【0324】
CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read Only Memory)202、または記憶部208に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)203には、CPU201が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204により相互に接続されている。
【0325】
CPU201にはまた、バス204を介して入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部206、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部207が接続されている。CPU201は、入力部206から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU201は、処理の結果を出力部207に出力する。
【0326】
入出力インタフェース205に接続されている記憶部208は、例えばハードディスクからなり、CPU201が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部209は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
【0327】
また、通信部209を介してプログラムを取得し、記憶部208に記憶してもよい。
【0328】
入出力インタフェース205に接続されているドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア211が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部208に転送され、記憶される。
【0329】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを記録する記録媒体は、図20に示されるように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(compact disc-read only memory),DVD(digital versatile disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(mini-disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア211、または、プログラムが一時的もしくは永続的に記録されるROM202や、記憶部208を構成するハードディスクなどにより構成される。記録媒体へのプログラムの記録は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部209を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0330】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0331】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0332】
さらに、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0333】
1 CG合成システム, 21 操作卓, 21a メモリ, 22 CG生成装置, 23 CG画像生成装置, 24 表示部, 25 スイッチャ, 61 制御部, 62 表示制御部, 63 CG記述データ記憶部, 64 指定情報生成部, 64a メモリ, 65 指定情報記憶部, 66 ロード指示部, 67 画像生成部, 67a メモリ, 81 マトリクススイッチ, 82 合成処理部, 101a乃至101m クロスポイントスイッチ, 102a乃至102m バスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CG(Computer Graphics)画像を生成するために必要なCG仮想空間を作成する際に用いられるCG記述データに基づいて、前記CG仮想空間上に配置される複数の要素をそれぞれ表す複数の要素記述子を表示させる表示制御手段と、
表示されている複数の要素記述子のうち、ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するためのパラメータを、前記ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成する指定情報生成手段と
を含む生成装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記複数の要素記述子をツリー状の階層構造として表示させる
請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記指定情報生成手段により生成された複数の前記指定情報を保持する指定情報保持手段と、
前記指定情報保持手段に保持されている前記複数の指定情報のうち、前記ユーザの選択操作により選択された指定情報を読み出す読み出し手段と、
前記CG記述データに含まれる複数のパラメータのうち、読み出された前記指定情報により指定されるパラメータを前記調整対象パラメータとして設定する設定手段と、
前記ユーザの調整操作に対応して、前記調整対象パラメータを調整する調整手段と、
前記調整対象パラメータが調整された前記CG記述データに基づいて、前記CG画像を生成する画像生成手段と
をさらに含む請求項2に記載の生成装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、表示されている複数の要素記述子のうち、前記ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するための複数のパラメータを表示させ、
前記指定情報生成手段は、表示されている前記複数のパラメータのうち、ユーザの指示操作により指示されたパラメータを、前記調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成する
請求項2に記載の生成装置。
【請求項5】
前記ユーザのモード設定操作に応じて、前記生成装置の動作モードを、指定情報生成モード、又はパラメータ調整モードのいずれかに設定するモード設定手段をさらに含み、
前記指定情報生成手段は、前記指定情報生成モードに設定されている場合のみ、前記指定情報を生成し、
前記調整手段は、前記パラメータ調整モードに設定されている場合のみ、前記調整対象パラメータを調整する
請求項3に記載の生成装置。
【請求項6】
CGを加工する際に用いられる指定情報を生成する生成装置の生成方法において、
前記生成装置は、
表示制御手段と、
指定情報生成手段と
を含み、
前記表示制御手段が、CG画像を生成するために必要なCG仮想空間を作成する際に用いられるCG記述データに基づいて、前記CG仮想空間上に配置される複数の要素をそれぞれ表す複数の要素記述子を表示させ、
前記指定情報生成手段が、表示されている複数の要素記述子のうち、ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するためのパラメータを、前記ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成する
ステップを含む生成方法。
【請求項7】
コンピュータを、
CG画像を生成するために必要なCG仮想空間を作成する際に用いられるCG記述データに基づいて、前記CG仮想空間上に配置される複数の要素をそれぞれ表す複数の要素記述子を表示させる表示制御手段と、
表示されている複数の要素記述子のうち、ユーザの選択操作により選択された要素記述子に対応する要素を定義するためのパラメータを、前記ユーザの調整操作により調整される調整対象パラメータとして指定する指定情報を生成する指定情報生成手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2011−221718(P2011−221718A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89029(P2010−89029)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】