説明

生栗渋皮剥皮装置

【課題】渋皮軟化処理済生栗から果肉を傷つけることなく迅速に、かつ、人の手に因らず軟化した渋皮を剥皮するための生栗渋皮剥皮用治具を提供する。
【解決手段】開閉可能な開口部2aを備え渋皮軟化処理済生栗4をその内部に収容する容器体2と、この容器体2の内面の少なくとも一部に一体に設けられ,渋皮軟化処理済生栗4と直接接触することにより軟化した渋皮を剥離する突起体3aとを有し、突起体3aは、可撓性を有する突状体6が稠密に複数本突設されてなる,又は,可撓性を有する線状体が稠密に複数本集合してなる、ことを特徴とする生栗渋皮剥皮用治具1aによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生栗の鬼皮を剥皮した後に、渋皮を薬品処理又は加熱処理等により軟化させた渋皮軟化処理済生栗の渋皮を剥皮するために用いる生栗渋皮剥皮用治具及び生栗渋皮剥皮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生栗の渋皮は、ナイフ等を用いて手剥きしていたが、この方法では作業効率が悪い上、渋皮を剥皮した生栗はいびつな多角形状となり栗本来の形状を生かした製菓用等には向かないという課題があった。
このような課題に対処する目的で、栗本来の形を残しながら渋皮を剥皮する方法や装置に関する発明がいくつか開示されている。
【0003】
特許文献1には「生栗の渋皮の剥皮方法」という名称で生栗の渋皮(種皮)を機械的に剥く方法に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、渋皮付きの栗の渋皮を湿潤状態で、果肉のデンプンが糊化しない範囲で出来るだけ高温に昇温して、渋皮を膨潤軟化させて次いで高圧水のジェットを噴射して渋皮を剥皮する方法である。
上記構成の特許文献1に開示される発明によれば、果肉表面の皺を残して完全に剥皮された栗本来の形状と風味を持った生の剥き栗が高い歩留まりで量産できるという効果を有する。
【0004】
また、特許文献2には「栗の剥皮装置」という名称で栗の鬼皮(果皮)と渋皮(種皮)を機械的に剥く装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される発明は、複数の高圧水噴射孔を、噴射方向を球の中心に向けて、半球状に配置した噴射孔集合体2個を、閉じた時には対向して1個の球体となる様に、開閉可能に取り付けて、その球状の内部空間に、栗の鬼皮に渋皮に達する深さの多数の傷をつけた栗を収容して、高圧水のジェットを噴射して、鬼皮と渋皮を同時に剥離して、取り出す事を特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に開示される発明によれば、果肉表面の皺を残して完全に剥皮された艶の有る、熱の影響を受けていない生の剥き栗が大量に安価に得られるという効果を有する。
【0005】
さらに、特許文献3には「良渋皮剥皮系ニホングリ品種の渋皮剥皮法」という名称で、良渋皮剥皮系ニホングリ品種の渋皮剥皮方法に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示される発明は、クリ筑波36号及びその親系統の後代品種を含む良渋皮剥皮系ニホングリ品種の鬼皮を、鬼皮除去機器等で除去し、渋皮にナイフ等で傷をつけた後に、マイクロ波照射装置等でマイクロ波照射処理を行うか、又はオ−ブン等で加熱処理を行うことを特徴とするものである。
上記構成の特許文献3に開示される発明によれば、簡便に、且つ短時間でナイフによる渋皮の剥皮作業を行うことができる、良渋皮剥皮系ニホングリ品種の渋皮剥皮方法を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−238654号公報
【特許文献2】特開2000−4855号公報
【特許文献3】特開2008−54548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び特許文献2に開示される発明は、いずれも膨潤化した栗の渋皮を剥皮するために高圧水を噴射するための装置が必要であり、設備を整えるためにコストがかかるという課題があった。
【0008】
また、特許文献3に記載の発明によれば、マイクロ波照射処理又はオーブンによる加熱処理をした後に人がナイフを用いて手で渋皮を剥皮する必要がある。つまり、特許文献3に開示される発明は、大量の生栗の渋皮を一度に剥皮するための技術ではないので、大量の生栗の渋皮を剥皮する必要がある場合には作業効率を向上し難いという課題があった。
【0009】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、薬品処理又は熱処理により渋皮を軟化させた多量の渋皮軟化処理済生栗から、人の手によらず容易に渋皮を剥皮することができる生栗渋皮剥皮用治具及び生栗渋皮剥皮装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明である生栗渋皮剥皮用治具は、開閉可能な開口部を備え渋皮軟化処理済生栗をその内部に収容する容器体と、この容器体の内面の少なくとも一部に一体に設けられ,渋皮軟化処理済生栗と直接接触することにより軟化した渋皮を剥離する突起体とを有し、突起体は、可撓性を有する突状体が稠密に複数本突設されてなる,又は,可撓性を有する線状体が稠密に複数本集合してなる、ことを特徴とするものである。
上記構成の発明において、容器体はその内部に渋皮軟化処理済生栗を収容することで、作業時に皮軟化処理済生栗が散逸するのを妨げるという作用を有する。
また、突起体は、渋皮軟化処理済生栗と直接接触することにより軟化した渋皮をこそぎ取って除去するという作用を有する。また、突状体又は線状体が可撓性を有することで、突起体が軟化した渋皮をこそぎ取る際に、渋皮の下の果肉を傷つけたり、果肉に過剰な負荷を加えて割れが生じるのを妨げるという作用を有する。
さらに、突起体を容器体の内面の少なくとも一部に一体に設けることで、容器内において渋皮軟化処理済生栗と突起体を直接接触させるという作用を有する。
【0011】
請求項2記載の発明である生栗渋皮剥皮装置は、水平方向,又は,水平方向に対して傾斜した方向の回転軸を有する回転ドラムと、この回転ドラムを回転させる駆動機構と、回転ドラム内に収容される請求項1記載の生栗渋皮剥皮用治具と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の発明において、回転ドラムは請求項1記載の生栗渋皮剥皮用治具をその内部に収容した状態で回転させるという作用を有する。また、駆動機構は回転ドラムをその中心軸を基軸に回転させるという作用を有する。
さらに、生栗渋皮剥皮用治具は、請求項1記載の発明と同じ作用を有する。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の生栗渋皮剥皮装置であって、回転ドラム内側面,又は,容器体の内側面は、回転軸の伸長方向に伸びる凸条体を備えることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項2記載の発明と同じ作用に加えて、凸条体が回転ドラム内側面に設けられる場合、回転ドラムの回転時に、回転ドラム内における容器体のスリップを防止して、容器体を回転ドラム内において大きく回転させるという作用を有する。これにより、容器内に収容される渋皮軟化処理済生栗の撹拌を促進し、渋皮の剥皮を促進するという作用を有する。
また、凸条体が容器体の内側面に設けられる場合には、回転ドラムの回転に伴う容器体の回転時に、容器体内における渋皮軟化処理済生栗のスリップを防止して、容器体内の渋皮軟化処理済生栗の撹拌を促進するという作用を有する。そして、これにより渋皮の剥皮を促進するという作用を有する。
【0013】
請求項4記載の発明である生栗渋皮剥皮用治具は、開閉可能な開口部を備え渋皮軟化処理済生栗をその内部に収容する容器体と、この容器体内に収容され,渋皮軟化処理済生栗と直接接触することにより軟化した渋皮を剥離する突起体とを有し、突起体は、可撓性を有する突状体が稠密に複数本突設されてなる,又は,可撓性を有する線状体が稠密に複数本集合してなる、ことを特徴とするものである。
上記構成の請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において容器体の内面に設けられる突起体を、容器体とは別体として容器体内に収容したものである。
このため、請求項4記載の発明における容器体及び突起体はいずれも請求項1に記載される容器体及び突起体と同じ作用を有する。
また、突起体を容器体と別体に構成し、容器体内に渋皮軟化処理済生栗と併せて突起体を収容することで、容器体内における渋皮軟化処理済生栗と突起体の直接接触を可能にするという作用を有する。
【0014】
請求項5記載の発明である生栗渋皮剥皮装置は、水平方向,又は,水平方向に対して傾斜した方向,又は,鉛直方向の回転軸を有する回転ドラムと、この回転ドラムを回転させる駆動機構と、回転ドラム内に収容される請求項4記載の生栗渋皮剥皮用治具と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の発明において、回転ドラム及び駆動機構は、請求項2記載の発明に記載される回転ドラム及び駆動機構と同じ作用を有する。また、生栗渋皮剥皮用治具は、請求項4記載の発明と同じ作用を有する。
【0015】
請求項6記載の発明である生栗渋皮剥皮装置は、水平方向,又は,水平方向に対して傾斜した方向の回転軸を備え,かつ,渋皮軟化処理済生栗を収容するための容器体を兼ねた回転ドラムと、回転ドラムの内面の少なくとも一部に一体に設けられ,渋皮軟化処理済生栗と直接接触することにより軟化した渋皮を剥離する突起体と、回転ドラムを回転させる駆動機構とを有し、突起体は、可撓性を有する突状体が稠密に複数本突設されてなる,又は,可撓性を有する線状体が稠密に複数本集合してなる、ことを特徴とするものである。
上記構成の発明において、回転ドラムはその内部に渋皮軟化処理済生栗を収容するとともに、回転軸を中心に回転することで渋皮軟化処理済生栗を回転ドラム内において撹拌させるという作用を有する。
また、突起体は、請求項1に記載の突起体と同じ作用を有する。さらに、突起体を内面の少なくとも一部に一体に設けることで、渋皮軟化処理済生栗と突起体の直接接触を可能にするという作用を有する。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の生栗渋皮剥皮装置であって、回転ドラム内側面は、回転軸の伸長方向に伸びる凸条体を備えることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項5記載の発明と同じ作用に加えて、凸条体は回転ドラム内に収容される渋皮軟化処理済生栗のスリップを防止して、回転ドラム内の渋皮軟化処理済生栗の撹拌を促進するという作用を有する。そして、これにより渋皮の剥皮を促進するという作用を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1及び請求項4記載の生栗渋皮剥皮用治具を用いることで回転ドラムを備える装置として例えば、既存の洗濯機や建築又は土木用のミキサーを利用して、大量の渋皮軟化処理済生栗から一度に効率よく渋皮を除去することができる。また、その際、渋皮が剥皮された生栗の形状を、シワ等を残した自然な栗本来の形状にすることができるという効果を有する。これにより、製菓材料等に使用可能な付加価値の高い渋皮剥皮済み生栗を効率よく大量に生産することができるという効果を有する。
従って、渋皮軟化処理済生栗の渋皮を剥皮するための特殊な装置を購入する必要がないので、生栗の加工処理のための設備投資を極めて安価にすることができるという効果を有する。
さらに、大量の生栗を一度に処理することができるので、生栗の加工処理にかかる時間を短縮することができる。加えて、作業者が渋皮を剥皮する作業を行う必要がないので、作業者の負担も大幅に軽減することができるという効果を有する。
【0018】
本発明の請求項2,3,5乃至7に記載の生栗渋皮剥皮装置によれば、大量の渋皮軟化処理済生栗から一度に効率よく渋皮を除去することができる。また、その際、渋皮が剥皮された生栗の形状を、シワ等を残した自然な栗本来の形状にすることができるという効果を有する。これにより、製菓材料等に使用可能な付加価値の高い渋皮剥皮済み生栗を効率よく生産することができるという効果を有する。
また、駆動機構を備えた回転ドラムとして例えば、既存の洗濯機や建築又は土木用のミキサーを利用することで、請求項2,3,5乃至7に記載の生栗渋皮剥皮装置の製造にかかるコストを大幅に削減することができるという効果を有する。この結果、生栗渋皮剥皮装置を廉価に供給することができるという効果を有する。
さらに、大量の生栗を一度に処理することができるので、生栗の加工処理にかかる時間を短縮することができる。加えて、作業者が直接渋皮を剥皮する必要がないので、作業者の負担も大幅に軽減することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)は本発明の実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具の一例を示す概念図であり、(b)は本発明の実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具の部分拡大図である。
【図2】本発明の実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置の一例を示す概念図である。
【図3】本発明の実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置の一例を示す概念図である。
【図4】本発明の実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具の一例を示す概念図である。
【図5】本発明の実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具の使用状態図である。
【図6】本発明の実施例5に係る生栗渋皮剥皮装置の一例を示す概念図である。
【図7】本発明の実施例6に係る生栗渋皮剥皮装置の一例を示す概念図である。
【図8】本発明の実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置を用いて渋皮軟化処理済栗から渋皮を剥皮した生栗の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態に係る生栗渋皮剥皮用治具および生栗渋皮剥皮装置について実施例1乃至実施例6を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具について図1を参照しながら詳細に説明する。(主に請求項1に対応。)
図1(a)は本発明の実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具の一例を示す概念図であり、(b)は本発明の実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具の部分拡大図である。つまり、図1(b)は、図1(a)中に符号Aで示される部分の部分拡大図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aは、例えば、円筒状の側壁と底部からなり開口部2aを有する容器体2の内面の少なくとも一部に、突起体3aを備えるものである。
なお、渋皮の剥皮作業時に開口部2aから渋皮軟化処理済生栗4が容器体2の外に出てしまう恐れがある場合には、容器体2の開口部2aに蓋体2bを設けてもよい。さらに、蓋体2bを設ける場合、蓋体2bの容器体2の内側に配置される面に、突起体3aを形成してもよい。
また、突起体3aは、例えば、図1(b)に示すように、平板状のベース5上に可撓材からなる突起6が稠密に複数本突設されてなるものである。また、これ以外にも特に図示しないが、突起体3aは、例えば、可撓材からなる線状体が稠密に複数本集合してなるたわしやブラシのようなものにより構成してもよい。
【0022】
このような実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aを用いて渋皮軟化処理済生栗4の渋皮を剥皮するには、まず、準備工程として、収穫された生栗の鬼皮を剥皮した後、渋皮付き生栗を薬液に浸漬させるか、あるいは、渋皮付き生栗の表面を加熱処理するなどして生栗の渋皮部分を軟化させた渋皮軟化処理済生栗4を調製する。
そして、この渋皮軟化処理済生栗4を、上述の実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aの容器内に収納し、必要に応じて開口部2aに蓋体2bを覆設して、駆動機構を有する回転ドラム内に,渋皮軟化処理済生栗4収納した容器体2を収容して、回転ドラムを回転させればよい。なお、駆動機構を有する回転ドラムとしては、例えば、既存の洗濯機や、建築又は土木用のミキサーを用いることが可能である。
この場合、回転ドラムの回転に伴って、渋皮軟化処理済生栗4を収納した生栗渋皮剥皮用治具1aも回転し、その容器体2内の渋皮軟化処理済生栗4は、突起体3aが設けられた容器体2の内面との接触と離間を繰り返しながら容器体2内を転がり続ける。
そして、この過程において、可撓性を有する突起6又は図示しない線状体によって渋皮軟化処理済生栗4の表面の軟化した渋皮がこそぎ取られて、渋皮剥皮済み生栗となるのである。
【0023】
また、実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aを用いて渋皮軟化処理済生栗4の渋皮の剥皮処理を行う場合、容器体2内に収容される渋皮軟化処理済生栗4は水に浸った状態であることが望ましい。
このため、例えば、容器体2の開口部2aを閉じた際に、容器体2内を水密状態に維持できる場合は、容器体2全体を不透水性の材質により構成して、容器体2内に渋皮軟化処理済生栗4と共に水を入れて回転ドラムに投入すればよい。
また、容器体2内の水密状態を維持できない場合には、容器体2を、例えばメッシュ状の材質や透水性を有する材質により構成して、容器体2の外部から容易に水が入るよう構成し、回転ドラム内に渋皮軟化処理済生栗4を収納した生栗渋皮剥皮用治具1aと共に水を入れることで、渋皮軟化処理済生栗4が水に浸った状態にしてもよい。
このように、回転ドラムを回転させる際に、容器体2内において渋皮軟化処理済生栗4が水に浸るようにすることで、容器体2の内面に設けられる突起体3aの突起6や図示しない線状体の隙間に剥皮された渋皮が溜まって渋皮の剥皮効果が低減するのを防止するとともに、回転ドラムの回転時に、容器体2内の渋皮軟化処理済生栗4を水で緩衝して渋皮軟化処理済生栗4の割れを防止することができるという効果を有する。
【0024】
また、渋皮剥皮処理を行う場合、例えば、回転ドラムが1分間に約30回転する程度に回転速度を維持し、生栗渋皮剥皮用治具1aに渋皮軟化処理済栗4を収容して、約5分間程度回転ドラムを回転させるとよい。
この場合、上述したものよりも回転ドラムの回転速度を高めたり、処理時間を長くすると渋皮軟化処理済栗4の割れや、突起体3aとの過度の摩擦接触による果肉の剥き過ぎが起こってしまうので好ましくない。
他方、回転速度を上述のものよりも遅くすると、渋皮軟化処理済生栗4と突起体3aとの間に十分な摩擦接触が起こらず、効率よく軟化した渋皮を剥皮ができないので好ましくない。
【0025】
そして、回転ドラムを十分に回転させた後、容器体2内に収容された渋皮軟化処理済生栗4から渋皮が剥皮されて白化しているのを確認してから、回転ドラムより実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aを取り出して、その中に収容される生栗を十分に水洗いすることで渋皮剥皮済み生栗を得ることができる。
なお、上述のような作業を行った場合でも、虫食いや傷みがはじめ(鬼皮の剥皮前)からあった部分の渋皮は剥皮することができずに残ってしまうため、果実の大部分に渋皮が残った生栗を丸ごと取り除いたり、また、剥皮できなかった渋皮の部分が僅かであればナイフ等を用いて手作業で残りの渋皮を除去するとよい。
【0026】
このような実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aによれば、既存の洗濯機や、建築又は土木用のミキサーを用いて、大量の渋皮軟化処理済生栗4の渋皮を短時間のうちに人の手に因らず容易に剥皮することができるという効果を有する。
また、この場合、渋皮が剥皮された生栗は、栗のシワや自然の形がそのまま残った形状となるので、例えば、製菓用等に用いられる付加価値の高い生栗とすることができるという効果も有する。
【0027】
なお、回転ドラムの回転時に生栗の果肉が硬い物体に接触すると、果肉が傷ついたり割れたりしてしまうため、容器体2内において渋皮軟化処理済生栗4と直接接触する部分は全て、可撓性を有する合成樹脂製とすることが望ましい。この場合、渋皮剥皮済みの生栗が割れたり、表面が傷つくのを防止することができるので、より見映えが良く、商品価値の高い渋皮剥皮済み生栗を容易に製造することができる。
さらに、容器体2の内側面に、後述の実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置において詳細に説明するような凸条体を設けてもよい。
この場合、容器体2の回転時に、渋皮軟化処理済生栗4のスリップを防止して、効率よく渋皮軟化処理済生栗4を撹拌することができるので、容器体2の内面に設けられる突起体3aと渋皮軟化処理済生栗4との摩擦接触をしっかりと行なうことができる。この結果、渋皮の剥皮作業にかかる時間を短縮することができるという効果を有する。
なお、本実施の形態においては「内側面」は、例えば、図1に示す筒状の容器体2において中心軸を囲うように周設される側壁を意味し、「内面」は、例えば、図1に示す容器体2において筒状の容器体10の側壁及び底部の両方の内側を意味している。このような用語の区別は、以下に示す他の実施例に記載される回転ドラムにおいても同様である。
【実施例2】
【0028】
本発明の実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置について図2を参照しながら詳細に説明する。(主に、請求項2及び請求項3に対応。)
図2は本発明の実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置の一例を示す概念図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2に示すように、実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置7aは、図示しない駆動機構により回転される回転ドラム8と、その内部に着脱可能に収容される実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aとにより構成されるものである。
図2には、回転ドラム8の回転軸12が水平方向に形成される場合を例に挙げて説明しているが、回転ドラム8の開口8aが鉛直下方を向かないようにしながら、回転ドラム8の回転軸12を水平方向に対して傾斜させてもよい。
このような実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置7aは、実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aを用いて渋皮軟化処理済生栗4の渋皮を剥皮する際に用いる、既存の洗濯機や,建築又は土木用のミキサーを、駆動機構付きの回転ドラム8として必須の構成要素に加えたものである。
従って、実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置7aの使用方法は実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aの使用方法と同じである。
なお、回転ドラム8として例えば、回転ドラム式洗濯機を使用する場合、回転ドラム8に多数の孔が形成されていても、回転ドラム8を収容する筐体が保水性を備えていれば、実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1a中の渋皮軟化処理済生栗4を水に浸った状態にすることができる。
従って、このような実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置7aを用いることで生栗の渋皮の剥皮作業を機械化する際の設備投資を大幅に軽減することができる。また、大量の渋皮軟化処理済生栗4から渋皮を除去するための時間も大幅に短縮することができる。
【0029】
また、実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置7aにおいては、回転ドラム8の内側面に、回転ドラム8の回転軸12の伸張方向に伸びる凸条体9を備えてもよい。
なお、ここでいう「回転ドラム8の回転軸12の伸張方向に伸びる」とは、回転ドラム8の回転軸12に平行に形成される場合の他、容器体2の内側面上に螺旋状で,かつ,回転ドラム8の回転軸12の伸張方向に伸びるように凸条体を形成する場合(図示せず)の概念も含む。また、以下に記載する実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置7bに設けられる凸条体9についても同様である。
この場合、回転ドラム8の回転時に、実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aのスリップを防止して、回転ドラム8内において生栗渋皮剥皮用治具1aを効率よく回転させることができるという効果を有する。
これにより、実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1a内に収容される渋皮軟化処理済生栗4と,容器体2の内面に設けられる突起体3aとの摩擦接触が十分に行なわれて、効率よく軟化した渋皮を剥皮することができるという効果を有する。
【実施例3】
【0030】
本発明の実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置について図3を参照しながら詳細に説明する。(主に、請求項2及び請求項3に対応。)
図3は本発明の実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置の一例を示す概念図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置7bは、実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置7aと同じ構成からなるものであり、特に、回転ドラム8の内側面に、実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aの外面が、着脱可能に,又は,一体に装着されたものである。なお、後者の場合、回転ドラム8の回転軸の向きを、手動又は自動で変更できるよう構成することで、渋皮剥皮済みの生栗を容器体2から容易に取出すことができる。
また、実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置7bにおいては、回転ドラム8の回転軸を水平方向に対して傾斜させた状態で,かつ,回転ドラム8の開口8aが鉛直下方を向かないようにすることで、回転ドラム8の回転時に容器体2から渋皮軟化処理済生栗4がこぼれ落ちるのを防止することができる。この場合、必ずしも、容器体2の開口部2aに図1に示すような蓋体2bを設ける必要はない。
このような、実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置7bによれば、回転ドラム8の直径と容器体2の直径をほぼ同じにすることができるので、容器体2内に大量の渋皮軟化処理済生栗4を収容することが可能になる。この結果、実施例2に係る生栗渋皮剥皮用治具1aを用いる場合に比べて、渋皮軟化処理済生栗4の渋皮剥皮作業を一層効率的に行うことができるという効果を有する。
【0031】
また、実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置7bにおいては、回転ドラム8内に装着される容器体2の内側面に、回転ドラム8の回転軸12の伸長方向に伸びる凸条体9を形成してもよい。
この場合、回転ドラム8の回転時に容器体2内における渋皮軟化処理済生栗4がスリップするのを防止して、効率よく渋皮軟化処理済生栗4を撹拌させることができる。この結果、容器体2の内面に設けられる突起体3aと渋皮軟化処理済生栗4との摩擦接触が十分に行なわれて、効率よく軟化した渋皮を剥皮することができるという効果を有する。
【実施例4】
【0032】
本発明の実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具について図4及び図5を参照しながら詳細に説明する。(主に請求項4に対応。)
図4は本発明の実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具の一例を示す概念図であり、図5は本発明の実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具の使用状態図である。なお、なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具1bは、先に述べた実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aと同じ効果を有し、かつ、使用方法も実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aと同じであるが、その構成は、透水性を有し開口部10aを開閉可能な袋状の容器体10と、この容器体10とは別体に設けられ,かつ,渋皮軟化処理済生栗4と共に容器体10内に収容される突起体3bからなるものである。
また、図4では、容器体10の開口部10a近傍に口ひも11を設けて、この口ひも11を引き絞ることで開口部10aの開閉を可能にしているが、容器体10の内側に、例えば、金属製等の硬質な部品を露出させないように構成すれば、開口部10aの開閉構造はどのようなものを採用してもよい。
さらに、容器体10内に渋皮軟化処理済生栗4と共に収容される突起体3bは、実施例1に係る突起体3aを構成する突起6又は図示しない線状体と同様のものが、放射状に外側に突出するように配設された塊体である。より具体的には、図1(b)に示されるようなベース5上に突起6が突設されたものを突起6が外側を向くように丸めてバンド等で固定したものや、小型のたわしを用いることが可能である。
そして、上述のような容器体10内に、渋皮軟化処理済生栗4及び突起体3bを収容して開口部10aを閉じた状態を示しているのが図5である。
【0033】
図5に示すように、容器体10内に渋皮軟化処理済生栗4を収容することで、回転ドラム8の回転時に、回転ドラム8内における渋皮軟化処理済生栗4の散逸を防止することができる。また、容器体10内に併せて固まり状の突起体3bを収納することで、回転ドラム8の回転時に、容器体10内において渋皮軟化処理済生栗4と突起体3bとの十分な摩擦接触が起こり、渋皮軟化処理済生栗4から軟化した渋皮を効率よく剥皮することができる。
この結果、実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具1bを用いることで、先の実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aを用いた場合と同様の効果が期待できる。
なお、容器体10内に突起体3bを入れる代わりに、容器体10の内側面に多数の突起6を形成したものを用いてもよい。この場合、実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具1bを用いた場合の効果と同様の効果が期待できる。
【実施例5】
【0034】
本発明の実施例5に係る生栗渋皮剥皮装置について図6を参照しながら詳細に説明する。(主に、請求項5に対応。)
図6は本発明の実施例5に係る生栗渋皮剥皮装置の一例を示す概念図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図6に示すように、実施例5に係る生栗渋皮剥皮装置7cは、水平方向,又は,水平方向に対して傾斜した方向,又は,鉛直方向の回転軸を有する回転ドラム8内に実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具1bを備えたものであり、回転ドラム8は図示しない駆動機構を備えている。
このような実施例5に係る生栗渋皮剥皮装置7cは、実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具1bを用いて渋皮軟化処理済生栗4の渋皮を剥皮する際に用いる、既存の洗濯機や,建築又は土木用のミキサーを、駆動機構付きの回転ドラム8として必須の構成要素に加えたものである。従って、実施例5に係る生栗渋皮剥皮装置7cの使用方法は、実施例4に係る生栗渋皮剥皮用治具1bの使用方法と同じである。
このような、実施例5に係る生栗渋皮剥皮装置7cは、実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置7aと同じ効果を有する。
【0035】
また、実施例5に係る生栗渋皮剥皮装置7cは、回転ドラム8の内側面に、回転ドラム8の回転軸12と同じ方向に伸びる凸条体9を備えてもよい。
この場合、回転ドラム8の回転時に、回転ドラム8内における凸条体9により生栗渋皮剥皮用治具1bのスリップを防止して、生栗渋皮剥皮用治具1bを効率よく回転させることができるという効果を有する。これにより。容器体10内において渋皮軟化処理済生栗4及び突起体3bが撹拌混合されて、渋皮軟化処理済生栗4と突起体3bとの間で十分な摩擦接触が起こり、効率よく渋皮軟化処理済生栗4から軟化した渋皮を剥皮することができる。
【実施例6】
【0036】
本発明の実施例6に係る生栗渋皮剥皮装置について図7を参照しながら詳細に説明する。(主に、請求項6及び請求項7に対応。)
図7は本発明の実施例6に係る生栗渋皮剥皮装置の一例を示す概念図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図7に示すように、実施例6に係る生栗渋皮剥皮装置7dは、水平方向,又は,水平方向に対して傾斜した方向の回転軸12を備え,かつ,渋皮軟化処理済生栗4の収容するための容器体を兼ねる回転ドラム8と、この回転ドラム8の内面の少なくとも一部に、実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aの突起体3aが一体に設けられたものである。
なお、回転ドラム8の回転軸12を水平にする場合には、回転ドラム8の開口8aに渋皮軟化処理済生栗4の落下防止用のガード又は蓋(いずれも図示せず)を設けておくことが望ましい。あるいは、回転ドラム8の開口8aを狭めた(すぼめた)構造にしてもよい。
このような、実施例6に係る生栗渋皮剥皮装置7dは、先に述べた実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置7bにおいて、回転ドラム8の内面に実施例1に係る生栗渋皮剥皮用治具1aが一体に設けられたものと実質的に同じであるため、その使用方法も実施例3に係る生栗渋皮剥皮用治具1bと同じである。
従って、実施例6に係る生栗渋皮剥皮装置7dは、実施例3に係る生栗渋皮剥皮装置7bと同じ効果を有する。
【0037】
また、この回転ドラム8の内側面には、回転軸12の伸長方向に伸びる凸条体9を設けてもよい。この場合、回転ドラム8の回転時に渋皮軟化処理済生栗4のスリップを防止して、回転ドラム8内において渋皮軟化処理済生栗4を効率よく撹拌混合させることができる。これにより、回転ドラム8の内面に設けられる突起体3aと渋皮軟化処理済生栗4との摩擦接触が十分に行なわれ、軟化した渋皮を効率よく剥皮することができるという効果を有する。
【0038】
以上述べたように、実施例1,4に係る生栗渋皮剥皮用治具1a,1bによれば、既存の洗濯機や建築又は土木用を用いて、大量の渋皮軟化処理済生栗4の渋皮を人の手に因らず容易に剥皮することができるという効果を有する。また、実施例1,4に係る生栗渋皮剥皮用治具1a,1bを用いて渋皮を剥皮した生栗は、表面にシワ等が残った栗本来の形が生かされたものとなるので、商品価値の高い製菓用の生栗とすることができる。
また、実施例2,3,5,6に係る生栗渋皮剥皮装置7a〜7dによれば、実施例1,4に係る生栗渋皮剥皮用治具1a,1bを用いた場合の効果と同じ効果に加えて、渋皮軟化処理済生栗4の渋皮を人の手に因らず容易に剥皮できる装置を廉価に提供することができるという効果を有する。
従って、鬼皮を剥皮した生栗を薬品処理又は熱処理等することにより渋皮を軟化させる技術と、本願発明に係る生栗渋皮剥皮用治具又は生栗渋皮剥皮装置を組み合わせることで、生栗の渋皮剥皮作業の作業効率を大幅に向上することができる。
【0039】
最後に、本発明に係る生栗渋皮剥皮用治具及び生栗渋皮剥皮装置を用いた場合の効果について図8を参照しながら説明する。
図8は本発明の実施例2に係る生栗渋皮剥皮装置を用いて渋皮軟化処理済栗から渋皮を剥皮した生栗の写真である。
本発明に係る生栗渋皮剥皮用治具及び生栗渋皮剥皮装置の効果を確認する目的で、以下に示すような試験を行った。
渋皮を剥皮した後、温度が約60℃で濃度が2.5wt%である水酸化ナトリウム水溶液に約60分間程度浸漬させた渋皮軟化処理済栗4を、図2に示すような生栗渋皮剥皮装置7aにおける生栗渋皮剥皮用治具1a内に収容し、回転ドラム8が1分間に約30回転するよう設定して、約5分間程度渋皮の剥皮処理を行った。
また、このとき、生栗渋皮剥皮用治具1a内に収容された渋皮軟化処理済栗4全体が辛うじて浸る程度の水を入れた。そして、処理後、渋皮剥皮処理済み生栗を水洗いして撮像したものが図8である。
また、本試験では、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる商品名:エバックサンステップマットを加工して、内側に突起体3aを有する生栗渋皮剥皮用治具1aを独自に作成して使用した。
なお、本試験に使用した回転ドラム8の内径は56cmであり、発明者が独自に作成した生栗渋皮剥皮用治具1aの内径は28cm、外径は30cmであった。
【0040】
図8からも明らかなように、本発明に係る生栗渋皮剥皮用治具及び生栗渋皮剥皮装置を用いることによれば、生栗の本来の自然な形状を生かした渋皮剥皮処理済み生栗を容易に量産することができることが確認された。
なお、収穫された栗に傷みや虫食いがある場合は、本発明に係る生栗渋皮剥皮用治具及び生栗渋皮剥皮装置を用いても渋皮を完全に剥皮することができないので、生栗の傷みが激しいものは処理後に取り除くか、傷んだ部分がごく僅かであれば手作業で取り除いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、本発明は大量の渋皮軟化処理済生栗から果肉を傷つけることなく迅速に、かつ、人の手に因らず軟化した渋皮を剥皮するための生栗渋皮剥皮用治具及び生栗渋皮剥皮装置であり、農産物加工設備に関する分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1a,1b…生栗渋皮剥皮用治具 2…容器体 2a…開口部 2b…蓋体 3a,3b…突起体 4…渋皮軟化処理済生栗 5…ベース 6…突起 7a〜7d…生栗渋皮剥皮装置 8…回転ドラム 8a…開口部 9…凸条体 10…容器体 10a…開口部 11…口ひも 12…回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な開口部を備え渋皮軟化処理済生栗をその内部に収容する容器体と、
この容器体の内面の少なくとも一部に一体に設けられ,前記渋皮軟化処理済生栗と直接接触することにより軟化した渋皮を剥離する突起体とを有し、
前記突起体は、可撓性を有する突状体が稠密に複数本突設されてなる,又は,可撓性を有する線状体が稠密に複数本集合してなる、ことを特徴とする生栗渋皮剥皮用治具。
【請求項2】
水平方向,又は,水平方向に対して傾斜した方向の回転軸を有する回転ドラムと、
この回転ドラムを回転させる駆動機構と、
前記回転ドラム内に収容される請求項1記載の生栗渋皮剥皮用治具と、を有することを特徴とする生栗渋皮剥皮装置。
【請求項3】
前記回転ドラム内側面,又は,前記容器体の内側面は、前記回転軸の伸長方向に伸びる凸条体を備えることを特徴とする請求項2に記載の生栗渋皮剥皮装置。
【請求項4】
開閉可能な開口部を備え渋皮軟化処理済生栗をその内部に収容する容器体と、
この容器体内に収容され,前記渋皮軟化処理済生栗と直接接触することにより軟化した渋皮を剥離する突起体とを有し、
前記突起体は、可撓性を有する突状体が稠密に複数本突設されてなる,又は,可撓性を有する線状体が稠密に複数本集合してなる、ことを特徴とする生栗渋皮剥皮用治具。
【請求項5】
水平方向,又は,水平方向に対して傾斜した方向,又は,鉛直方向の回転軸を有する回転ドラムと、
この回転ドラムを回転させる駆動機構と、
前記回転ドラム内に収容される請求項4記載の生栗渋皮剥皮用治具と、を有することを特徴とする生栗渋皮剥皮装置。
【請求項6】
水平方向,又は,水平方向に対して傾斜した方向の回転軸を備え,かつ,渋皮軟化処理済生栗を収容するための容器体を兼ねた回転ドラムと、
前記回転ドラムの内面の少なくとも一部に一体に設けられ,前記渋皮軟化処理済生栗と直接接触することにより軟化した渋皮を剥離する突起体と、
前記回転ドラムを回転させる駆動機構とを有し、
前記突起体は、可撓性を有する突状体が稠密に複数本突設されてなる,又は,可撓性を有する線状体が稠密に複数本集合してなる、ことを特徴とする生栗渋皮剥皮装置。
【請求項7】
前記回転ドラム内側面は、前記回転軸の伸長方向に伸びる凸条体を備えることを特徴とする請求項6に記載の生栗渋皮剥皮装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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