説明

生活習慣病予防装置および生活習慣病予防プログラム

【課題】対象者の健康状態を客観的に知ることができる生活習慣病予防装置を提供する。
【解決手段】生活習慣病予防装置が、対象者を識別する対象者識別情報と関連付けて当該対象者の生体情報が予め記憶されている生体情報記憶部103と、入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を生体情報記憶部103から読み出し、当該読み出した生体情報に基づいて予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出するリスク算出部150と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生活習慣病予防を支援する生活習慣病予防装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生活習慣病予防を支援するシステムが知られている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3823192号公報
【0004】
【特許文献2】特許第4034741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで生活習慣病予防には、対象者へ生活習慣改善を継続的に実施させるための十分な動機付け・サポートの必要がある。しかしながら生活習慣病予防には、若年からの生活習慣改善が必要であるが、生活習慣病は重篤な状態に至るまでのタイムスパンが長いため健康あるいは未病の状態で十分な認識を与えることが困難である。また、逆に高齢になってからでは、長年のライフスタイルである生活習慣を改善すること自体が困難である。
【0006】
そのために、生活習慣病予防・改善のための十分な動機付け・サポートを行うには、対象者の健康状態を客観的に知ることができることが必用となる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す生活習慣病予防を支援するシステムにあっては、対象者の健康状態を客観的に知ることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、対象者の健康状態を客観的に知ることができる生活習慣病予防装置および生活習慣病予防プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、対象者を識別する対象者識別情報と関連付けて当該対象者の生体情報が予め記憶されている生体情報記憶部と、入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を前記生体情報記憶部から読み出し、当該読み出した生体情報に基づいて予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出するリスク算出部と、を有することを特徴とする生活習慣病予防装置である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記対象者の生体情報には、前記対象者の遺伝子情報が含まれており、前記リスク算出部は、前記対象者の生体情報に含まれている前記対象者の遺伝子情報に基づいて前記確率を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の生活習慣病予防装置である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記確率の値と関連付けて当該予防および改善対象疾患に対するコメントが前記予防および改善対象疾患毎に予め記憶されているコメントパターン記憶部と、前記リスク算出部が算出した前記予防および改善対象疾患毎の確率の値に該当するコメントを、前記コメントパターン記憶部から前記予防および改善対象疾患毎に読み出し、当該読み出した前記予防および改善対象疾患毎のコメントを合成してレポートを生成するレポート生成部と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生活習慣病予防装置である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記対象者に対するアドバイスが前記対象者識別情報に関連付けて記憶されるアドバイス記憶部と、前記リスク算出部が算出した確率に基づいた前記アドバイスが入力され、当該入力されたアドバイスと前記対象者識別情報とを関連付けて前記アドバイス記憶部に記憶させるアドバイス登録部と、を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の生活習慣病予防装置である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記対象者に対する前記生体情報の目標値が前記対象者識別情報に関連付けて記憶される目標値記憶部と、前記リスク算出部が算出した確率に基づいた前記目標値が入力され、当該入力された目標値と前記対象者識別情報とを関連付けて前記目標値記憶部に記憶させる目標値登録部と、を有することを特徴とする請求項1から請求4のいずれかに記載の生活習慣病予防装置である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記リスク算出部が算出した前記予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するグラフ表示部、を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の生活習慣病予防装置である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記グラフ表示部が、前記リスク算出部が算出した前記予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するとともに、前記目標値記憶部に記録された生体情報の目標値に基づいて算出された前記予防および改善対象疾患毎の確率を前記グラフ形式で表示する、ことを特徴とする請求項6に記載の生活習慣病予防装置である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記生体情報記憶部から読み出された生体情報であって前記リスク算出部で前記確率を算出する場合に用いられた生体情報の値を変更する変更部、を有し、前記グラフ表示部が、前記リスク算出部が算出した前記予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するとともに、前記変更部により変更された生体情報の値に基づいて算出された前記予防および改善対象疾患毎の確率を前記グラフ形式で表示する、ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の生活習慣病予防装置である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記生体情報記憶部に記憶されている生体情報に乗じる係数が前記予防および改善対象疾患毎に予め記憶されている判別パラメータ記憶部、を有し、前記リスク算出部が、前記生体情報記憶部から読み出した生体情報に前記判別パラメータ記憶部から読み出した係数を乗じて前記予防および改善対象疾患毎の判定値を算出し、前記算出した前記予防および改善対象疾患毎の判定値に基づいて、前記予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する、ことを特徴とする請求項1から請求項8に記載の生活習慣病予防装置である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、生活習慣病予防装置としてのコンピュータに、対象者を識別する対象者識別情報と関連付けて当該対象者の生体情報が予め記憶されている生体情報記憶部から、入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を読み出し、当該読み出した生体情報に基づいて、予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する確率算出手順、を実行させるための生活習慣病予防プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、リスク算出部が、対象者を識別する対象者識別情報と関連付けて当該対象者の生体情報が予め記憶されている生体情報記憶部から、入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を読み出し、当該読み出した生体情報に基づいて、予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する。これにより予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率がわかるため、対象者の健康状態を客観的に知ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施形態による生活習慣病予防装置を用いた生活習慣病予防システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の各記憶部に記憶されるデータの関係を示すデータ構成図である。
【図3】対象者情報テーブルTB1に記憶されるデータの一例を示すデータ構成図である。
【図4】診断結果情報テーブルTB2に記憶されるデータの一例を示すデータ構成図である。
【図5】遺伝子情報テーブルTB3に記憶されるデータの一例を示すデータ構成図である。
【図6】身体計測値情報テーブルTB4に記憶されるデータの一例を示すデータ構成図である。
【図7】生化学検査値情報テーブルTB5に記憶されるデータの一例を示すデータ構成図である。
【図8】生活習慣情報テーブルTB6に記憶されるデータの一例を示すデータ構成図である。
【図9】遺伝子情報および生体情報が図1の生活習慣病予防装置に登録される一例としての手順を示す説明図である。
【図10】図1のグラフ表示部が表示するグラフおよび変更部による生体情報の変更を示す一例としての画面図である。
【図11】図1の特定疾患判判定部による特定疾患に該当するか否かの判定方法の一例を示す説明図である。
【図12】図1のレポート生成部によるレポートの生成方法の一例を示す説明図である。
【図13】本実施形態による生活習慣病予防システムの第1の動作を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態による生活習慣病予防システムの第2の動作を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態による生活習慣病予防システムの第3の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による生活習慣病予防装置1を用いた生活習慣病予防システムの構成を示す概略ブロック図である。
【0022】
この生活習慣病予防システムにおいては、生活習慣病予防装置1とユーザ端末2とが、たとえば通信網を介して接続されている。この通信網とは、公衆電話網または携帯電話網などの電話網、インターネット網、または、専用回線網である。
【0023】
ユーザ端末2として、たとえば医療者端末21と対象者端末22とがある。この医療者端末21は、医者やカウンセラーなどの医療者が用いる端末である。また対象者端末22は、本生活習慣病予防装置1を用いて自身の生活習慣病予防・改善を管理しようとする対象者が用いる端末である。この医療者端末21と対象者端末22とは、それぞれ複数であってもよい。
【0024】
ここで本実施形態においては、医者やカウンセラーなどを「医療者」と称し、自身の生活習慣病予防・改善を管理しようとする人を「対象者」と称して説明する。また、生活習慣病予防装置1を用いる「医療者」または「対象者」を、「ユーザ」と称して説明する。
【0025】
上述した医療者端末21と対象者端末22とは、それぞれパソコンまたは携帯電話などである。医療者端末21と対象者端末22とには、それぞれ、入力装置および表示装置等が接続または内蔵されているものとする。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。表示装置とはCRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等のことをいう。
【0026】
次に生活習慣病予防装置1の構成について説明する。生活習慣病予防装置1は、対象者情報記憶部101、診断結果情報記憶部102、生体情報記憶部103、判別パラメータ記憶部104、目標値記憶部105、コメントパターン記憶部110、アドバイス記憶部111、特定疾患判定条件記憶部112、および、認証情報記憶部113を有している。
【0027】
また生活習慣病予防装置1は、リスク算出部150、レポート生成部151、グラフ表示部152、変更部153、アドバイス登録部154、目標値登録部155、通知部156、送信部157、特定疾患判判定部158、通信部160、および、認証部162を有している。
【0028】
通信部160は、医療者端末21または対象者端末22であるユーザ端末2と通信網を介して接続されている。
【0029】
認証部162は、ユーザ端末2から通信部160を介して受信する認証情報に基づいて、当該認証情報を送信してきたユーザ端末2が、生活習慣病予防装置1の正当なユーザであるか否かを認証処理し、正当なユーザのみが生活習慣病予防装置1を用いることができるようにする。
【0030】
また認証部162は、ユーザ端末2が医療者端末21であるか対象者端末22であるかを判定する。そして認証部162は、ユーザ端末2が医療者端末21である場合には医療者の権限で生活習慣病予防装置1を用いることができ、ユーザ端末2が対象者端末22である場合には対象者の権限で生活習慣病予防装置1を用いることができるようにする。
【0031】
たとえば、ユーザ端末2が対象者端末22であり対象者の権限で生活習慣病予防装置1を用いる場合には、後述するように対象者自身のみの情報について生活習慣病予防装置1を用いることができる。ただし、アドバイスを提示することや目標値を設定することはできない。
【0032】
一方、ユーザ端末2が医療者端末21である場合には医療者の権限で生活習慣病予防装置1を用いる場合には、医療者自身が診察または指導している対象者のみの情報について生活習慣病予防装置1を用いることができ、この対象者に対してアドバイスを提示することや目標値を設定することができる。
【0033】
認証情報記憶部113には、上述した認証部162で用いられる認証情報および権限情報が予め記憶されている。上述した認証部162は、たとえば、この認証情報記憶部113に記憶されている認証情報と、ユーザ端末2から受信した認証情報とが一致するか否かを判定することにより、ユーザ端末2のユーザが正当なユーザであるか否かを判定する。更に認証部162は、正当なユーザであると判定した場合には、認証情報記憶部113に記憶されている権限情報に基づいて、当該ユーザの権限を決定する。
【0034】
対象者指定部161には、生活習慣病予防をする対象者を特定する対象者識別情報が、ユーザ端末2から通信部160を介して受信されて入力される。ここでユーザ端末2が対象者端末22である場合には、この対象者識別情報は、対象者端末22のユーザ(対象者)を特定することになる。一方、ユーザ端末2が医療者端末21である場合には、この対象者識別情報は、医療者自身が診察または指導している対象者の中から選択された対象者を特定することになる。
【0035】
なおユーザ端末2が対象者端末22の場合には、対象者端末22が送信する認証情報に、当該対象者端末22のユーザの対象者識別情報が含まれていてもよい。この場合、認証情報に含まれている対象者識別情報が、対象者指定部161に入力されてもよい。これによりユーザ端末2が対象者端末22の場合には、対象者端末22を用いる対象者は、簡易に対象者識別情報を対象者指定部161に入力することができる。
【0036】
対象者情報記憶部101には、対象者を識別する対象者識別情報と関連付けて当該対象者の住所、氏名、年齢、性別などの対象者情報が予め記憶されている。またこの対象者情報記憶部101には、対象者識別情報と関連付けて当該対象者のメールアドレスの情報が記憶されていてもよい。
【0037】
生体情報記憶部103には、対象者識別情報と関連付けて当該対象者の生体情報が予め記憶されている。この対象者の生体情報には、身体計測値に関する情報や、生化学検査に関する情報、生活習慣に関する情報が含められている。また、この対象者の生体情報には、対象者の遺伝子情報が含まれている。
【0038】
リスク算出部150は、ユーザ端末2から対象者指定部161に入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を生体情報記憶部103から読み出し、当該読み出した生体情報に基づいて、予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する。また、このリスク算出部150は、対象者の生体情報に含まれている対象者の遺伝子情報に基づいて、予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する。
【0039】
たとえば判別パラメータ記憶部104には、生体情報記憶部103に記憶されている生体情報に乗じる係数(後述するパラメータまたは診断パラメータ情報)が予防および改善対象疾患毎に予め記憶されている。そしてリスク算出部150が、まず、生体情報記憶部103から読み出した生体情報に判別パラメータ記憶部104から読み出した係数を乗じて予防および改善対象疾患毎の判定値を算出する。次にリスク算出部150が、算出した予防および改善対象疾患毎の判定値に基づいて、予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する。
【0040】
特定疾患判定条件記憶部112には、特定疾患に該当するか否かを判定するための判定条件が予め記憶されている。特定疾患判判定部158は、ユーザ端末2から対象者指定部161に入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を生体情報記憶部103から読み出し、当該読み出した生体情報が、特定疾患判定条件記憶部112から読み出した判定条件を満たすか否かを判定して、特定疾患に該当するか否かを判定する。この特定疾患に該当するか否かという判定結果は、段階的な判定結果であってもよい。
【0041】
たとえば特定疾患判定条件記憶部112には、特定疾患としてメタボリック症候群を判定するための条件が予め記憶されている。特定疾患判判定部158は、ユーザ端末2から対象者指定部161に入力された対象者識別情報で識別される対象者が、メタボリック症候群に該当するか否かを判定し、この判定した判定結果をレポート生成部151に出力する。
【0042】
このメタボリック症候群に該当するか否かという判定は、後述するように、情報提供群(A)、動機付け支援群(B)、または、積極的支援群(C)というように、予め定められている階層的な群のうちのいずれの群に属するかという判定であってもよい。このように階層的な群を用いて、段階的な判定結果が得られるようにしてもよい。
【0043】
コメントパターン記憶部110には、予防および改善対象疾患毎の確率の値と関連付けて当該予防および改善対象疾患に対するコメントが予防および改善対象疾患毎に予め記憶されている。またコメントパターン記憶部110には、メタボリック症候群に該当するか否かという判定結果と関連付けて、当該予防および改善対象疾患に対するコメントが予め記憶されている。
【0044】
レポート生成部151は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率の値に対応するコメントを、コメントパターン記憶部110から予防および改善対象疾患毎に読み出し、当該読み出した予防および改善対象疾患毎のコメントを合成してレポートを生成する。またレポート生成部151は、特定疾患判判定部158が判定した結果に対応するコメントをコメントパターン記憶部110から読み出し、読み出したコメントに基づいてレポートを生成する。
【0045】
すなわちレポート生成部151は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率の値に対応するコメントをコメントパターン記憶部110から読み出すとともに、特定疾患判判定部158が判定した結果に対応するコメントとをコメントパターン記憶部110から読み出し、読み出したコメントを合成してレポートを生成する。そしてレポート生成部151は、生成したレポートをユーザ端末2に通信部160を介して出力する。このレポートは、たとえばテキスト形式である。
【0046】
グラフ表示部152は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示する。またグラフ表示部152は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するとともに、後述する目標値記憶部105に記録された生体情報の目標値に基づいて算出された予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示する。
【0047】
変更部153は、生体情報記憶部103から読み出された生体情報であってリスク算出部150で確率を算出する場合に用いられた生体情報の値を、ユーザ端末2から受信する操作情報に基づいて、変更する。そしてグラフ表示部152は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するとともに、変更部153により変更された生体情報の値に基づいて算出された予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示する。
【0048】
アドバイス記憶部111には、対象者に対する医療者からのアドバイスが対象者識別情報に関連付けて記憶される。アドバイス登録部154は、生体情報記憶部103から読み出した生体情報に基づいた、または、リスク算出部150が算出した確率に基づいたアドバイスが医療者端末21から入力され、当該入力されたアドバイスと対象者識別情報とを関連付けてアドバイス記憶部111に記憶させる。
【0049】
目標値記憶部105には、対象者に対する医療者からの生体情報の目標値が対象者識別情報に関連付けて記憶される。目標値登録部155は、生体情報記憶部103から読み出した生体情報に基づいた、または、リスク算出部150が算出した確率に基づいた目標値が医療者端末21から入力され、当該入力された目標値と対象者識別情報とを関連付けて目標値記憶部105に記憶させる。
【0050】
このアドバイス登録部154は、ユーザ端末2が医療者端末21であり医療者の権限を有している場合のみ、医療者端末21であるユーザ端末2から受信したアドバイスを、アドバイス記憶部111に記憶させる。同様に目標値登録部155は、ユーザ端末2が医療者端末21であり医療者の権限を有している場合のみ、医療者端末21であるユーザ端末2から受信した目標値を目標値記憶部105に記憶させる。
【0051】
通知部156は、アドバイス登録部154がアドバイスと対象者識別情報とを関連付けてアドバイス記憶部111に登録させる場合に、または、目標値登録部155が生体情報の目標値と対象者識別情報とを関連付けて標値記憶部に登録する場合に、当該アドバイスがアドバイス記憶部111に登録されたことを示す情報または目標値が目標値記憶部105に登録されたことを示す情報を通知情報として、対象者が用いる対象者端末22に通知する。
【0052】
たとえば通知部156は、上述した通知情報を対象者が用いる対象者端末22に通知する場合に、当該対象者識別情報と関連付けて当該対象者のメールアドレスの情報を対象者情報記憶部101から読み出し、当該読み出したメールアドレス宛てに上述した通知情報をテキスト形式で送信してもよい。
【0053】
送信部157は、対象者識別情報をユーザ端末から受信した場合に、当該受信した対象者識別情報に関連付けてアドバイス記憶部111に記憶されているアドバイスを読み出して、または、当該受信した対象者識別情報に関連付けて目標値記憶部105に記憶されている目標値を読み出して、指導情報として当該ユーザ端末2に送信する。
【0054】
たとえば対象者端末22から通信部160を介して受信した認証情報に基づいて認証部162により正当なユーザであり、かつ、対象者であると認証処理された場合に、送信部157が、認証処理された対象者が用いている対象者端末22に、上述した指導情報を送信してもよい。
【0055】
診断結果情報記憶部102には、対象者識別情報と関連付けて当該対象者識別情報で識別される対象者の診断結果が記憶される。たとえば、上述したリスク算出部150が、前記算出した予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を、対象者識別情報と関連付けて診断結果情報記憶部102に記憶させる。また上述した特定疾患判判定部158が、特定疾患に該当するか否かを判定した結果を、対象者識別情報と関連付けて診断結果情報記憶部102に記憶させる。
【0056】
この診断結果情報記憶部102に記憶された診断結果は、認証部162により認証処理されたユーザ端末2により、参照されてもよい。なお診断結果が参照される場合には、対象者端末22を用いる対象者は、対象者自身の診断結果のみを参照でき、医療者端末21を用いる医療者は、医療者自身が診察または指導している対象者のみの診断結果のみを参照できる。
【0057】
また、生体情報記憶部103に記憶されている対象者の生体情報も、診断結果情報記憶部102に記憶された診断結果と同様に、認証部162により認証処理されたユーザ端末2により、参照されてもよい。この場合にも、対象者端末22を用いる対象者は、対象者自身の診断結果のみを参照でき、医療者端末21を用いる医療者は、医療者自身が診察または指導している対象者のみの診断結果のみを参照できる。
【0058】
次に図2を用いて、図1を用いて説明した対象者情報記憶部101と、診断結果情報記憶部102と、生体情報記憶部103と、判別パラメータ記憶部104と、目標値記憶部105との、一例としてのデータ構成について説明する。以降の図において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0059】
ここでは対象者情報記憶部101には「対象者情報テーブルTB1」として「対象者情報」が記憶されており、診断結果情報記憶部102には「診断結果情報テーブルTB2」として「診断結果情報」が記憶されている場合について説明する。
【0060】
また、生体情報記憶部103には、「遺伝子情報テーブルTB3」として「遺伝子情報」が記憶されており、「身体計測値情報テーブルTB4」として「身体計測値情報」が記憶されており、「生化学検査値情報テーブルTB5」として「生化学検査値情報」が記憶されており、「生活習慣情報テーブルTB6」として「生活習慣情報」が記憶されている場合について説明する。
【0061】
また目標値記憶部105には、「身体計測値目標値情報テーブルTB14」、「性化学検査値目標値情報テーブルTB15」及び「生活習慣目標値情報テーブルTB16」が記憶されている場合について説明する。
【0062】
この「身体計測値目標値情報テーブルTB14」には、「遺伝子情報テーブルTB3」と同様に「遺伝子情報」が記憶される。また「性化学検査値目標値情報テーブルTB15」には、「身体計測値情報テーブルTB4」と同様に「身体計測値情報」が記憶される。また「生活習慣目標値情報テーブルTB16」には、「生活習慣情報テーブルTB6」と同様に「生活習慣情報」が記憶される。
【0063】
また判別パラメータ記憶部104には、「判定パラメータ情報テーブルTB7」が記憶されている場合について説明する。
【0064】
この図2に示すように対象者情報記憶部101と診断結果情報記憶部102と生体情報記憶部103と判別パラメータ記憶部104と目標値記憶部105とには、「対象者情報テーブルTB1」、「診断結果情報テーブルTB2」、「遺伝子情報テーブルTB3」、「身体計測値情報テーブルTB4」、「生化学検査値情報テーブルTB5」、「生活習慣情報テーブルTB6」、「判定パラメータ情報テーブルTB7」、「身体計測値目標値情報テーブルTB14」、「性化学検査値目標値情報テーブルTB15」及び「生活習慣目標値情報テーブルTB16」のそれぞれの情報を、XML(Extensible Markup Language)データベースまたはリレーショナルデータベースを用いて1つ以上の相互関連したファイルとして格納されている。
【0065】
次に、図3から図8を用いて、各テーブルに記憶されている情報について説明する。
【0066】
「対象者情報」には、例えば、対象者ごとに(対象者ID、国籍、都道府県、市町村、性別、所属機関ID、旧対象者ID)の情報セットを含める。図3はその項目セットとその項目値の例である。対象者IDと旧対象者IDを含めることで、対象者が引越しや転職等により所属する組織や自治体が変化した場合も、対象者の情報をトレースすることが可能となる。対象者IDとは、対象者を一意的に特定する識別子であり、対象者の匿名化番号としても機能する。また、このような情報を「対象者情報」として格納することで、対象者の所属組織、自治体ごとのデータの分析も可能となり、他の組織や自治体と比較することで、組織内での健康改善マネージメント、自治体での健康政策を策定する上で有用な情報を提供することができる。
【0067】
「診断結果情報」には、例えば、(診断ID、対象者ID、診断機関ID、年齢、日付、高血圧ステージ標識、糖尿病ステージ標識、メタボリックシンドロームステージ標識、パラメータID)といったように、対象者毎に診断結果と年齢の情報セットを含める。なお、ここでいう診断とは、医師による診断行為を意味し、ステージの標識は、診断にもとづく「正常」、「異常」といった標識のことを意味する。図4は「診断結果情報」の項目セットとその項目値の例であり、正常クラスの標識として+、異常クラスの標識として-を利用した、各疾患の識別標識が+と-の2種類の場合のものである。対象者IDは「対象者情報」と関連付けを行うためのIDであり、パラメータIDは診断で利用した「診断パラメータ情報」との関連付けを行うためのIDである。
【0068】
「遺伝子情報」は、例えば、(対象者ID、遺伝子解析機関ID、検査項目値1、…、検査項目値n、日付)といった遺伝子解析に関わる情報セットを含むものであり、対象者毎に用意される情報セットである。ここで、検査項目値とはSNP、インデル、マイクロサテライトを含む遺伝子の多型情報、またはそれらにより決定されるタンパク質の構造情報や配列情報等のことである。図5は「遺伝子情報」の項目セットと項目値の例である。
【0069】
「身体計測値情報」は、健診機関等によって生化学検査によらず測定される対象者の身体測定値である。例えば、(診断ID、対象者ID、身長、体重、BMI、収縮期血圧、拡張期血圧、日付)の情報セットを含める。「身体計測値情報」は、対象者が自宅でも計測可能な測定項目も含まれる。図6はその項目セットとその項目値の例である。「診断ID」は、「身体計測値情報」と関連付けするためのIDであり、「対象者ID」は「対象者情報」と関連付けするためのIDである。
【0070】
「生化学検査値情報」は、健診機関等で検査される、対象者の尿や血液の生化学分析結果の値のセットのことである。例えば、(診断ID、対象者ID、HDLC、LDLC、空腹時血糖値、GOT、GPT、γ-GTP、日付)の情報セットを含める。図7はその項目セットとその項目値の例である。「診断ID」は、「身体計測値情報」と関連付けするためのIDであり、「対象者ID」は「対象者情報」と関連付けするためのIDである。
【0071】
「生活習慣情報」は、食習慣、運動習慣、喫煙歴、飲酒量、家族歴など質問表によって得られる対象者の情報のセットのことである(図8参照)。
【0072】
図3から図8に示すように、各テーブルに記憶されている情報は対象者識別情報(対象者ID)をキーとして、選択されるようになっている。また、「診断結果情報テーブルTB2」、「身体計測値情報テーブルTB4」、「生化学検査値情報テーブルTB5」、「生活習慣情報テーブルTB6」に記憶されている情報は、対象者識別情報(対象者ID)とともに診断IDをキーとして、選択されるようになっている。
【0073】
この診断IDとは、診断をそれぞれ識別する識別情報である。この診断IDにより複数回診断をした場合でも、それぞれの診断の結果を識別して、テーブルに記憶させること、および、テーブルから読み出すことできる。すなわち、この診断IDにより、生体情報を履歴を記憶しておき、生体情報の履歴を読み出すことができる。
【0074】
また、「身体計測値目標値情報テーブルTB14」、「性化学検査値目標値情報テーブルTB15」及び「生活習慣目標値情報テーブルTB16」に記憶されている情報は、「身体計測値情報テーブルTB4」、「生化学検査値情報テーブルTB5」及び「生活習慣情報テーブルTB6」に記憶されている情報と同様に、対象者識別情報(対象者ID)とともに診断IDをキーとして、選択されるようになっている。
【0075】
上述した「遺伝子情報」は遺伝子検査機関によって解析された対象者の遺伝子の解析結果であり、図9に示すような手順により、生活習慣病予防装置1が有するデータベースDB10(図1の生体情報記憶部103)に登録されている。また生体情報も、この図9に示すような手順により、生活習慣病予防装置1が有するデータベースDB10に登録される。
【0076】
なお図9の生活習慣病予防装置1が有するデータベースDB10は、図1の生体情報記憶部103に対応する。また図9の生活習慣病予防装置1が有する解析サーバ11は、図1のリスク算出部150などに相当する。また図9の生活習慣病予防装置1が有するWebサーバ12は、図1の通信部160などに相当する。なお生活習慣病予防装置1は、図1に示すように1つのサーバにより構成されてもよいし、この図9に示すように解析サーバ11とWebサーバ12とのように複数のサーバを組み合わせて構成されてもよい。
【0077】
この図9において生体情報取得機関3は、医療機関(病院、クリニック)、企業健保、健診センターなど検査対象者の血液や臨床情報等を取得する機関である。また遺伝子検査機関4は、生体情報取得機関3で採取された検体(血液、口腔粘膜細胞、ツメなど)から遺伝子を抽出しその解析結果を遺伝子情報として、生活習慣病予防装置1に送信する機関である。
【0078】
次に、図9を用いて、生体情報と遺伝子情報との一例としての取得のされ方、および、生活習慣病予防装置1への一例としての登録のされ方について説明する。まず、たとえば対象者が健康診断などにおいて、生体情報取得機関3で検査を行ってもらう。生体情報取得機関3は、検査の結果として得られた対象者の生体情報を、生活習慣病予防装置1に送信する。また生体情報取得機関3は、たとえば検査において対象者から採取した検体を、生体情報取得機関4に送付する。生体情報取得機関4は、生体情報取得機関か3ら送付されてきた検体に基づいて遺伝子に関する検査をし、この検査した結果を「遺伝子情報」として、生活習慣病予防装置1に送信する。
【0079】
そして生活習慣病予防装置1は、生体情報取得機関から送信された対象者の生体情報を、「身体計測情報」、「生化学検査値情報」または「生活習慣情報」として、生体情報記憶部103に登録する。また生活習慣病予防装置1は、生体情報取得機関から送付されてきた検査された結果である「遺伝子情報」を、生体情報記憶部103に登録する。
【0080】
なお「身体計測情報」、「生化学検査値情報」及び「生活習慣情報」は、健診機関等の生体情報取得機関3で検査・取得されたデータであり、図9の中では”生体情報”として記述されている。
【0081】
<リスク算出部150の詳細な説明>
次にリスク算出部150による予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率の算出方法について説明する。
【0082】
対象者IDと診断IDの組が対象者指定部161に入力されて指定されることに応じて、リスク算出部150は、図3から図8に示した「遺伝子情報」、「身体計測値情報」、「生化学検査値情報」および「生活習慣情報」などの生体情報記憶部103に予め格納されている「生体情報」および「遺伝情報」を、項目値の組x=(x、x、x、・・・x)として取得する。
【0083】
次に、取得した項目値の組x=(x、x、x、・・・x)に基づいて、次の式1に示す判別関数を用いて判別値zを算出する。
【0084】
【数1】

【0085】
この式1において、(w、w、w、・・・w)は、それぞれパラメータである。このパラメータは、事前に算出され「診断パラメータ情報(係数)」として判別パラメータ記憶部104に予め格納されているものである。このパラメータは、マハラノビスの距離を用いて、既知の疾患群と正常群(健常群)とを用いて予め算出されている。また、遺伝子型などの質的変数に対してはダミー変数を導入することで量的変数とみなすものとする。これにより遺伝子型についても、判別値zを算出することができる。
【0086】
そして、この式1により算出された疾患毎の判別値zの符号の正負によって、当該疾患に属するか否か、すなわち、疾患と正常とが識別できる。これは上述したように、マハラノビスの距離を用いたパラメータを用いているために、未知の対象者の情報に対して、統計的に、疾患群と正常群とのいずれの群に属するかを識別できるようになっているためである。
【0087】
次に、疾患群(疾患に識別されたデータの集合)に属する確率pを、次の式2に示すロジスティック関数を用いて求める。
【0088】
【数2】

【0089】
この式2において、πは疾患クラスの事前確率である。この疾患クラスの事前確率πの値が不明の場合かつ疾患クラスと正常クラスのサンプル群が所与の場合は、(疾患群の例数)/(疾患群と正常群の全例数)によって、疾患クラスの事前確率πの値を予め推定しておくものとする。または、この疾患クラスの事前確率πは、(疾患群の例数)/(疾患群と正常群の全例数)として、予め定められている定数であってもよい。
【0090】
また、相対リスクをp/πにより算出する。
【0091】
以上のようにして、リスク算出部150は、疾患クラスに属する確率pまたは相対リスクp/πを、疾患ごとに算出する。
【0092】
また、リスク算出部150は、対象者の各疾患リスクによる総合リスクを次の式3と式4とにより算出する。
【0093】
【数3】

【0094】
【数4】

【0095】
この式4において、係数αは2.0〜4.0の範囲の予め定められている実数であり、係数βは1.0〜2.0の範囲の予め定められている実数である。通常は係数α=3、係数β=1.5という固定された値を利用するものとする。
【0096】
上記式3に示されるように、総合リスクとは、式2により各疾患毎に算出された確率pを、全ての疾患について平均した値であり、疾患の平均的な確率である。
【0097】
<グラフ表示部152と変更部153との詳細な説明>
次に図10を用いて、グラフ表示部152が表示するグラフ、および、変更部153による生体情報の変更について説明する。
【0098】
グラフ表示部152は、上述した式1から式4によりリスク算出部150が疾患ごとに算出した疾患クラスに属する確率pまたは相対リスクp/πを、レーダーチャートとしてグラフ形式で描画する(図10のグラフ表示部を参照)。
【0099】
この図10において、図10(a)は一般的な表示例であり、図10(b)は一例としての具体的な項目とそのグラフを示した例である。図10(a)では、複数の疾患A〜Hについてレーダーチャートを表示している。この疾患A〜Hとは、たとえば、図10(b)に示すように動脈硬化、高脂血症、肥満、高血圧、糖尿病などである。
【0100】
このレーダーチャートによるグラフは、通信部160を介してユーザ端末2に送信される。そしてユーザが用いるユーザ端末2の表示部に、たとえばWeb形式で表示される。また、グラフ表示部152は、リスク算出部150が算出した総合リスクも、ユーザ端末2の表示部に表示させる。これによりユーザは、個々の疾患に対するリスクおよび総合リスクを、統計的すなわち客観的に知ることができる。
【0101】
また図10に示すように、ユーザ端末2の表示部には、グラフ表示部の下側にはスクローラ部が表示される。スクローラ部には、生体情報の項目毎にスクロールバーまたは入力フォームがあり、このスクロールバーまたは入力フォームによって、ユーザは項目の値を変更することができる。
【0102】
ユーザにより変更された項目の値は、ユーザが用いるユーザ端末2から生活習慣病予防装置1の通信部160を介して変更部153に入力される。そして、変更部153がユーザ端末2からの項目の値に基づいて、生体情報の項目毎にその値を変更する。
【0103】
この変更部153により変更された項目の値に対して、リスク算出部150は、確率pまたは相対リスクp/πを疾患ごとに再度算出し、また、総合リスクを仮想値として算出する。そしてグラフ表示部152は、仮想値として算出された確率pまたは相対リスクp/πをレーダーチャートに、実際の値の場合とは違いがわかるようにして表示する。たとえば、色を変えて、または、線の種類を実線と波線などに変えて表示する(符号Cで示すレーダーチャートを参照)。また、グラフ表示部152は、仮想値として算出された総合リスクを表示する。
【0104】
このようにして、生活習慣病予防装置1は、項目の値の変更をイベントとして検知して、リスクを再算出しグラフを生成し、ユーザ端末2に表示させることができる。そしてユーザは、現在の生体情報に基づいた確率pまたは相対リスクp/πとともに、仮想値による確率pまたは相対リスクp/πを、グラフとして見ることができる。これにより医療者であれば、対象者に対する目標値を設定しやすくなる。
【0105】
また目標値記憶部105に対象者に対する医療者からの生体情報の目標値が記憶されている場合には、この目標値に基づいてリスク算出部150は、確率pまたは相対リスクp/πを疾患ごとに算出し、また、総合リスクを仮想値として算出する。そしてグラフ表示部152は、算出された確率pまたは相対リスクp/πをレーダーチャートに、他の場合とは違いがわかるようにして表示する(符号Bで示すレーダーチャートを参照)。また、グラフ表示部152は、目標値により算出された総合リスクを表示する。
【0106】
またリセットボタンが押下されると、スクローラ部に設定された値が初期値に戻る。この初期値とは、たとえば、生体情報記憶部103から読み出された対象者の生体情報の値である。またレポートボタンが押下されると、表示されているグラフがユーザ端末2にダウンロードされる。またレポートボタンを押されたことに応じて、レポート生成部151により生成されたレポートが、ユーザ端末2にダウンロードされてもよい。
【0107】
また履歴参照部により、回数を指定することができる。生体情報記憶部103には生体情報が履歴として記憶されているので、この履歴参照部により回数を指定することにより生体情報の履歴を指定して、確率pまたは相対リスクp/πをグラフとして見ることも可能である。これにより、ユーザは、自身の生体情報を履歴として知ることができる。
【0108】
<特定疾患判判定部158の詳細な説明>
次に図11の例を用いて、特定疾患判判定部158による特定疾患に該当するか否かの判定方法について説明する。
【0109】
腹囲について、次の2つの条件がある。
(腹囲条件1)腹囲が、男性であれば85cm以上であり、女性であれば90cm以上である(男性≧85cm、女性≧90cm)。
(腹囲条件2)腹囲が、男性であれば85cm未満であり、女性であれば90cm未満であり、かつ、BMIが25以上である(男性<85cm、女性<90cmかつBMI≧25)。
【0110】
危険因子として、次の4つの条件がある。
(危険因子条件1)血糖値について、空腹時血糖値が100mg/dl以上であり、または、HbA1cが5.2%以上であり(空腹時血糖値≧100mg/dlまたはHbA1c≧5.2%)、または、血糖値について治療中である。
(危険因子条件2)脂質について、中性脂肪が150mg/dl以上であり、または、HDLコレステロールが40mgdl未満であり(中性脂肪≧150mg/dlまたはHDLコレステロール<40mgdl)、または、脂質について治療中である。
(危険因子条件3)血圧について、収縮期血圧が130mmHg以上であり、または、拡張期血圧が85mmHg以上であり(収縮期血圧≧130mmHgまたは拡張期血圧≧85mmHg)、または、血圧について治療中である。
(危険因子条件4)喫煙歴がある。
【0111】
この(危険因子条件1)から(危険因子条件4)は、条件を満たす場合に危険因子のカウント値をカウントアップする。すなわち、危険因子のカウント値は0から4の値をとる。
【0112】
上記に説明した(腹囲条件1)と(腹囲条件2)との判定結果、および、危険因子のカウント値に基づいて、次の群に分類する。
【0113】
情報提供群(A)は、(腹囲条件1)または(腹囲条件2)を満たす場合に、危険因子のカウント値が0である場合に該当する。
【0114】
動機付け支援群(B)は、(腹囲条件1)を満たす場合に危険因子のカウント値が1であり、または、(腹囲条件2)を満たす場合に危険因子のカウント値が2以下である場合に該当する。
【0115】
積極的支援群(C)は、(腹囲条件1)を満たす場合に危険因子のカウント値が2以上であり、または、(腹囲条件2)を満たす場合に危険因子のカウント値が3以上である場合に該当する。
【0116】
このようにして、情報提供群(A)、動機付け支援群(B)、または、積極的支援群(C)のうちの、いずれかの群に分類する。
【0117】
なお(腹囲条件1)と(腹囲条件2)、および、(危険因子条件1)から(危険因子条件4)という各条件が、特定疾患判定条件記憶部112に予め記憶されている特定疾患に該当するか否かを判定するための判定条件に対応する。
【0118】
<レポート生成部151の詳細な説明>
次に図12を用いて、レポート生成部151によるレポートの生成方法について説明する。
【0119】
たとえば、上述した特定疾患判判定部158およびリスク算出部150による判定結果により、診断タイプが決定される(図12の符号5参照)。たとえば、図12の符号5に示すように、診断タイプ(B、11,23、・・・・N5)として判定される。診断タイプの各パラメータは、特定疾患判判定部158により分類された群、または、リスク算出部150が算出した確率を分類した情報である。
【0120】
たとえばリスク算出部150が算出した確率を分類した階層として、疾患ごとに算出されたリスク確率を分類し、疾患リスクを5%未満、5%以上10%未満、10%以上20%未満、20%以上40%未満、50%以上の5階層に分類している。
【0121】
コメントパターン記憶部110には、特定疾患判判定部158による特定健診で定められた3つの郡(3つの階層)に対応付けて、図12に符号1で示すように、それぞれの階層に対するコメントやアドバイスが予め記憶されている。
【0122】
また、コメントパターン記憶部110には、リスク算出部150が算出した確率を分類した階層と対応付けて、図12の符号2、符号3、符号4のように、コメントやアドバイスが予め記憶されている。
【0123】
このようにコメントパターン記憶部110には、必要に応じて各リスクファクター項目(の組合せ)を値に応じて階層化し、それぞれの項目(の組合せ)に対してコメントやアドバイスが対応付けて記憶されている。例えば、ある疾患関連遺伝子のSNPの型がCC、CG、GGの場合、それぞれの型に対してコメントやアドバイスが対応付けてテーブルとして作成されている(図12の各コメントやアドバイスを参照)。
【0124】
この各テーブルのコメント(レポートルール)は、医師、保健師、栄養管理師、カウンセラーのコミュニティによって作成されていることが望ましい。
【0125】
そしてレポート生成部151は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率の値に対応するコメントをコメントパターン記憶部110から読み出すとともに、特定疾患判判定部158が判定した結果に対応するコメントとをコメントパターン記憶部110から読み出し、読み出したコメントを合成してレポートをテキスト形式で生成する(図12の符号6参照)。
【0126】
たとえばレポート生成部151は、「あなたは、生活習慣病のリスクがあります。・・・高血圧になる可能性が高いです。・・・あなたは、高血圧体質です。・・・」というテキスト形式のレポートを生成する。そしてレポート生成部151は、生成したレポートをユーザ端末2に通信部160を介して出力する。たとえば上述したように、図10のレポートボタンを押されたことに応じて、レポート生成部151により生成されたレポートが、ユーザ端末2にダウンロードされてもよい。
【0127】
<動作1:ユーザがリスクを算出してグラフとして見る場合の動作>
次に図13を用いて、ユーザがリスクを算出してグラフとして見る場合の生活習慣病予防装置1の動作について説明する。ここでは認証部162により、ユーザ端末2は医療者端末21であるか対象者端末22であると認証されているものとして説明する。
【0128】
まず、対象者指定部161に、生活習慣病予防をする対象者を特定する対象者識別情報が、ユーザ端末2から通信部160を介して受信されて入力される(ステップS101)。
【0129】
次に、リスク算出部150が、ユーザ端末2から対象者指定部161に入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を生体情報記憶部103から読み出し、当該読み出した生体情報に基づいて予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する(ステップS102)。
【0130】
次に、グラフ表示部152が、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示する(ステップS103)。
【0131】
またグラフ表示部152は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するとともに、目標値記憶部105に対象者指定部161に入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報の目標値が記録されている場合には、目標値記憶部105に記録された生体情報の目標値に基づいて算出された予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示する(ステップS104)。
【0132】
また特定疾患判判定部158は、ユーザ端末2から対象者指定部161に入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を生体情報記憶部103から読み出し、当該読み出した生体情報が、特定疾患判定条件記憶部112から読み出した判定条件を満たすか否かを判定して、特定疾患に該当するか否かを判定する(ステップS105)。
【0133】
次にレポート生成部151は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率の値に対応するコメントをコメントパターン記憶部110から読み出すとともに、特定疾患判判定部158が判定した結果に対応するコメントとをコメントパターン記憶部110から読み出し、読み出したコメントを合成してレポートを生成する(ステップS106)。
【0134】
次にレポート生成部151は、生成したレポートをユーザ端末2に通信部160を介して出力する(ステップS107)。
【0135】
その後ユーザは変更部153を用いて、生体情報記憶部103から読み出された生体情報であってリスク算出部150で確率を算出する場合に用いられた生体情報の値を、ユーザ端末2から受信する操作情報に基づいて変更してもよい(ステップS108)。
【0136】
ステップS108にて、ユーザは変更部153を用いて生体情報の値を変更した場合には、グラフ表示部152は、リスク算出部150が算出した予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するとともに、変更部153により変更された生体情報の値に基づいて算出された予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示する(ステップS109)。
【0137】
<動作2:医療者がアドバイスまたは目標値を登録する場合の動作>
次に図14を用いて、医療者がアドバイスまたは目標値を登録する場合の生活習慣病予防装置1の動作について説明する。なお、この図14に示す動作は図13の動作に続いて実行されてもよいし、図13の動作とは独立して実行されてもよい。
【0138】
ユーザが医療者であれば、医療者端末21を用いて、アドバイスまたは目標値を生活習慣病予防装置1に送信することができる(ステップS201)。
【0139】
もし医療者端末21からアドバイスを生活習慣病予防装置1の通信部160が受信した場合には、アドバイス登録部154は、アドバイスが医療者端末21から入力されたことに応じて、当該入力されたアドバイスと対象者識別情報とを関連付けてアドバイス記憶部111に記憶させる(ステップS202)。
【0140】
また、もし医療者端末21から目標値を生活習慣病予防装置1の通信部160が受信した場合には、目標値登録部155は、目標値が医療者端末21から入力されたことに応じて、当該入力された目標値と対象者識別情報とを関連付けて目標値記憶部105に記憶させる(ステップS203)。
【0141】
通知部156は、ステップS202にてアドバイス登録部154がアドバイスと対象者識別情報とを関連付けてアドバイス記憶部111に登録させる場合に、または、ステップS203にて目標値登録部155が生体情報の目標値と対象者識別情報とを関連付けて標値記憶部に登録する場合に、当該アドバイスがアドバイス記憶部111に登録されたことを示す情報または目標値が目標値記憶部105に登録されたことを示す情報を通知情報として、対象者が用いる対象者端末22に通知する(ステップS204)。
【0142】
これにより、対象者端末22を用いる対象者は、自身に対するアドバイスまたは目標値が医療者から登録されたことを知ることができる。
【0143】
<動作3:対象者が医療者からのアドバイスまたは目標値を見る場合の動作>
次に図15を用いて、対象者が医療者からのアドバイスまたは目標値を見る場合の生活習慣病予防装置1の動作について説明する。
【0144】
たとえば、上述した図13のステップS204にて、生活習慣病予防装置1の通知部156からの通知により、対象者端末22を用いる対象者は、対象者端末22を用いる対象者が通知を受信したことに応じて、すなわち、自身に対するアドバイスまたは目標値が医療者から登録されたことを知ったことに応じて、対象者端末22を用いて生活習慣病予防装置1にアクセスする(ステップS301)。
【0145】
送信部157は、対象者識別情報をユーザ端末から受信した場合に、当該受信した対象者識別情報に関連付けてアドバイス記憶部111に記憶されているアドバイスを読み出して、または、当該受信した対象者識別情報に関連付けて目標値記憶部105に記憶されている目標値を読み出して、指導情報として当該ユーザ端末2に送信する(ステップS302)。
【0146】
この図15の説明では、対象者端末22を用いる対象者が通知を受信したことに応じて、対象者端末22を用いて生活習慣病予防装置1にアクセスするものとして説明したが、対象者端末22を用いる対象者は、任意のタイミングで、対象者端末22を用いて生活習慣病予防装置1にアクセスして、アドバイスまたは目標値を見ることができる。
【0147】
なお、対象者端末22を用いる対象者が通知を受信したことに応じて、対象者端末22を用いて生活習慣病予防装置1にアクセスすることにより、なるべく早いタイミングでアドバイスまたは目標値を見ることができ、予防および改善をなるべく早くできるという効果がある。
【0148】
ところで、一般に生活習慣病予防・改善のための十分な動機付け・サポートを行うには、対象者に対する健康改善マネージメントと医療職による保健指導による総合的なアプローチが必要となる。
【0149】
そのような総合的なアプローチを行うには、リスクファクター値の検査結果及などの情報提供を行う業者、医療職、医療保険者が情報をいかにスムーズに共有し、それぞれがいかに情報を利用するかが課題となっている。
【0150】
そこで、上述した本実施形態による生活習慣病予防装置1を用いた生活習慣病予防システム(以下、本システムという)は、インターネットからアクセス可能なものとし、データベースに蓄積されたデータの統計情報等に各機関がアクセスし取得できるものとし、医療職に対しては保健指導を行うのに十分な情報を提供し、医療保険者に対しては被保険者の健康状態の統計データ等を提供することで健康改善マネージメントに役立つ情報を提供する。また、対象者からもアクセス可能なものとし対象者の生活習慣病に対する自己認識と意識改革を促すのに十分な情報を提供する。
【0151】
医療職による対象者の保健指導は、心理学に基づく指導や科学的エビデンスに基づいたテーラーメード性を取り入れたものが効果的である。心理学に基づく指導は、保健指導を行う医療職の技能によることが大きい。そのため、本システムでは、科学的エビデンスに基づいたテーラーメード性を保健指導に取り入れている。科学的エビデンスに基づいたテーラーメード性とは、統計学に基づいて検査項目値の階層化、遺伝子情報を用いて体質の階層化を行い、それぞれの階層に対して個別の指導を行うことを意味する。
【0152】
また、遺伝子を健診に利用することにより、遺伝子データの蓄積と解析が進み遺伝子リスクファクター項目を健診に利用することができる。
【0153】
また遺伝子以外にも、今後の研究により新規の有用なバイオマーカーが得られるようになる可能性がある。そこで本システムは、対象者、または、医療保険者が、遺伝子や新規バイオマーカーとしてのリスクファクター項目の検査の利用判断を行う場合に耐えうるものとしている。具体的には、様々な生体情報をリレーショナルデータベース形式で記憶させることができる生体情報記憶部103を有していることにより、リスクファクター項目の臨床的研究にも耐えうる情報を蓄えることが可能である。
【0154】
また、保健指導を行う場合、十分な動機付け支援を対象者に行う必要があるが、それを行うのには医療職の仕事負荷が大きい。そこで本システムは疾患の識別結果を階層パターン化し、それぞれのパターンに対してあらかじめ医師、保健師、栄養管理師、カウンセラー等のコミュニティによる生活習慣病予防のための更新可能なアクションプラン・アドバイス等を内蔵しておき、診断パターンに基づいてレポートを出力することで、医療職の仕事量を軽減することができる。
【0155】
なお、上述した対象者情報記憶部101、診断結果情報記憶部102、生体情報記憶部103、判別パラメータ記憶部104、目標値記憶部105、コメントパターン記憶部110、アドバイス記憶部111、特定疾患判定条件記憶部112、または、認証情報記憶部113である記憶部は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記憶媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
【0156】
また図1におけるリスク算出部150、レポート生成部151、グラフ表示部152、変更部153、アドバイス登録部154、目標値登録部155、通知部156、送信部157、特定疾患判判定部158、通信部160または認証部162という各処理部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この各処理部はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各処理部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0157】
また、この図1における各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、各処理部の機能を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0158】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0159】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0160】
1…生活習慣病予防装置、2…ユーザ端末、21…医療者端末、22…対象者端末、101…対象者情報記憶部、102…診断結果情報記憶部、103…生体情報記憶部、104…判別パラメータ記憶部、105…目標値記憶部、110…コメントパターン記憶部、111…アドバイス記憶部、112…特定疾患判定条件記憶部、113…認証情報記憶部、150…リスク算出部、151…レポート生成部、152…グラフ表示部、153…変更部、154…アドバイス登録部、155…目標値登録部、156…通知部、157…送信部、158…特定疾患判判定部、160…通信部、161…対象者指定部、162…認証部、TB1…対象者情報テーブル、TB2…診断結果情報テーブル、TB3…遺伝子情報テーブル、TB4…身体計測値情報テーブル、TB5…生化学検査値情報テーブル、TB6…生活習慣情報テーブル、TB7…判定パラメータ情報テーブル、TB14…身体計測値目標値情報テーブル、TB15…性化学検査値目標値情報テーブル、TB16…生活習慣目標値情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者を識別する対象者識別情報と関連付けて当該対象者の生体情報が予め記憶されている生体情報記憶部と、
入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を前記生体情報記憶部から読み出し、当該読み出した生体情報に基づいて予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出するリスク算出部と、
を有することを特徴とする生活習慣病予防装置。
【請求項2】
前記対象者の生体情報には、
前記対象者の遺伝子情報が含まれており、
前記リスク算出部は、
前記対象者の生体情報に含まれている前記対象者の遺伝子情報に基づいて前記確率を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の生活習慣病予防装置。
【請求項3】
前記確率の値と関連付けて当該予防および改善対象疾患に対するコメントが前記予防および改善対象疾患毎に予め記憶されているコメントパターン記憶部と、
前記リスク算出部が算出した前記予防および改善対象疾患毎の確率の値に該当するコメントを、前記コメントパターン記憶部から前記予防および改善対象疾患毎に読み出し、当該読み出した前記予防および改善対象疾患毎のコメントを合成してレポートを生成するレポート生成部と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生活習慣病予防装置。
【請求項4】
前記対象者に対するアドバイスが前記対象者識別情報に関連付けて記憶されるアドバイス記憶部と、
前記リスク算出部が算出した確率に基づいた前記アドバイスが入力され、当該入力されたアドバイスと前記対象者識別情報とを関連付けて前記アドバイス記憶部に記憶させるアドバイス登録部と、
を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の生活習慣病予防装置。
【請求項5】
前記対象者に対する前記生体情報の目標値が前記対象者識別情報に関連付けて記憶される目標値記憶部と、
前記リスク算出部が算出した確率に基づいた前記目標値が入力され、当該入力された目標値と前記対象者識別情報とを関連付けて前記目標値記憶部に記憶させる目標値登録部と、
を有することを特徴とする請求項1から請求4のいずれかに記載の生活習慣病予防装置。
【請求項6】
前記リスク算出部が算出した前記予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するグラフ表示部、
を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の生活習慣病予防装置。
【請求項7】
前記グラフ表示部が、
前記リスク算出部が算出した前記予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するとともに、前記目標値記憶部に記録された生体情報の目標値に基づいて算出された前記予防および改善対象疾患毎の確率を前記グラフ形式で表示する、
ことを特徴とする請求項6に記載の生活習慣病予防装置。
【請求項8】
前記生体情報記憶部から読み出された生体情報であって前記リスク算出部で前記確率を算出する場合に用いられた生体情報の値を変更する変更部、
を有し、
前記グラフ表示部が、
前記リスク算出部が算出した前記予防および改善対象疾患毎の確率をグラフ形式で表示するとともに、前記変更部により変更された生体情報の値に基づいて算出された前記予防および改善対象疾患毎の確率を前記グラフ形式で表示する、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の生活習慣病予防装置。
【請求項9】
前記生体情報記憶部に記憶されている生体情報に乗じる係数が前記予防および改善対象疾患毎に予め記憶されている判別パラメータ記憶部、
を有し、
前記リスク算出部が、
前記生体情報記憶部から読み出した生体情報に前記判別パラメータ記憶部から読み出した係数を乗じて前記予防および改善対象疾患毎の判定値を算出し、
前記算出した前記予防および改善対象疾患毎の判定値に基づいて、前記予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項8に記載の生活習慣病予防装置。
【請求項10】
生活習慣病予防装置としてのコンピュータに、
対象者を識別する対象者識別情報と関連付けて当該対象者の生体情報が予め記憶されている生体情報記憶部から、入力された対象者識別情報と関連付けられている生体情報を読み出し、当該読み出した生体情報に基づいて、予め定められている予防および改善対象疾患毎の進行ステージクラスに当該対象者が属する確率を算出する確率算出手順、
を実行させるための生活習慣病予防プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−231308(P2010−231308A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75728(P2009−75728)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】