生物学的機能のネットワークを解析するための方法およびシステム
本発明は、生物学的実体(例えば、細胞)内の、生物学的機能(例えば、転写因子、構造遺伝子、細胞マーカー、細胞表面マーカー、細胞の形状、細胞小器官の形状、細胞の運動性、酵素活性、代謝産物の濃度および細胞の構成要素の局在)のネットワークを解析する方法およびシステムを提供する。詳しくは、本発明の目的は、細胞を複雑系と見なして、改変を加えずに全体的な様式で生物学的な情報を提示するシステムおよび方法を提供することである。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的実体における生物学的機能のネットワークを解析するための方法であって、該方法は:
A)生物学的実体を少なくとも1種類の摂動因子に供する工程、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る工程、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作成する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記生物学的実体が細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記摂動因子が、siRNA、shRNA、miRNAおよびリボザイムを含むRNA、化合物、cDNA、抗体、ポリペプチド、光、音、圧力変化、放射、熱ならびにガスからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記摂動因子が、前記機能レポーターの機能を特異的に調節し得るsiRNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記機能レポーターが測定可能なシグナルを伝達し得る、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記機能レポーターが、転写因子、調節遺伝子、構造遺伝子、細胞マーカー、細胞表面マーカー、細胞の形状、細胞小器官の形状、細胞の運動性、酵素活性、代謝産物の濃度および細胞の構成要素の局在からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記集合論による処理が、前記少なくとも2種類の機能レポーターのうち、2種類の特定の機能レポーターを、
a)独立、
b)包含、および
c)共通部分、
からなる群より選択される関係へ分類する工程を包含し、
ここで、該関係が独立であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターが、前記ネットワーク内で関係を有さないと決定され、
該関係が包含であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターのうちの一方が、該2種類の特定の機能レポーターのうちの他方に含まれると決定され、かつ該2種類の特定の機能レポーターのうちの一方が、該2種類の特定の機能レポーターのうちの他方の下流に位置し、
該関係が共通部分であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターが、別の共通の機能から分岐した下流に位置すると決定される、
方法。
【請求項8】
前記集合論による処理が、前記機能レポーターごとに、前記摂動因子による応答の有無をマッピングする工程を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記レポーター間の関係の計算が、独立、包含および共通部分に分類された、各々の機能レポーター間の相関を含み、該相関の一覧を作成する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1つの細胞内パスウェイを等しく標的化するのに十分な個数の前記摂動因子が調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも2種類の機能レポーターについての情報は、所望の時間後の前記摂動因子の影響に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記影響が、閾値に関して、以下の3つの群:
ポジティブな影響=+;
影響なし=0および
ネガティブな影響=−
に分類される、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記少なくとも2種類の機能レポーターについての情報は、所望の時間後の前記摂動因子の影響に基づき、ここで、前記集合論による処理は、以下の工程を包含する:
a)該影響と該機能レポーターについての閾値とを比較し、
ポジティブな影響=+、影響なし=0、およびネガティブな影響=−
の3つの群に分類することにより、該情報を3つのカテゴリに分類する工程、
b)該機能レポーターのうちの2種類が、同一の型の影響を有する共通の摂動因子を有するか否かを決定する工程であって、ここで、
このような共通の摂動因子が存在しない場合、該2種類の機能レポーターに対応する2種類の機能は、互いに異なる摂動因子の下に配置され、
このような共通の摂動因子が存在する場合、以下の工程c)を実施する、工程
c)該2種類の機能のうちの一方の機能に対する摂動因子の集合が、該2種類の機能のうちの他方の機能に対する摂動因子の集合に完全に包含されるか否かを決定する工程であって、ここで、
このことが真である場合、より大きな集合を有する一方の機能が、より小さな集合を有する他方の機能の下に配置され、
このことが真ではない場合、該2種類の機能が、同一の摂動因子の下に並行して配置される、工程、
d)該機能レポーターの全ての組合せを調べるか否かを決定する工程であって、ここで、
このことが真である場合、該機能の関係の全てを統合して、現時点での全体的な摂動影響ネットワークにし、
このことが真ではない場合、工程a)〜工程c)を反復する、
方法。
【請求項14】
前記3つの群が、+1、0および−1に分類される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記工程a)〜工程c)が、M×N行列を作製することによって判断され、ここでMは機能レポーターの個数を指し、Nは摂動因子の個数を指す、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
実際の生物学的実験を実行することによって、前記作製されたネットワークを解析する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記解析工程が、該機能に特異的な調節因子の使用を包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記調節因子がsiRNAである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ネットワークが、シグナル伝達経路および細胞パスウェイを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ネットワークが、バイオマーカーの同定、創薬ターゲットの解析、副作用解析、細胞機能の診断、細胞パスウェイ解析、化合物の生物影響評価および感染症診断からなる群より選択される使用のために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
生物学的実体内の生物学的機能のネットワーク解析システムであって、該システムは:
A)生物学的実体に対する、少なくとも1種類の摂動因子、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る手段、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作製する手段、
を備える、システム。
【請求項22】
前記生物学的実体が細胞である、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記摂動因子が、siRNA、化合物、cDNA、抗体、ポリペプチド、光、音、圧力変化、放射、熱ならびにガスからなる群より選択される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記摂動因子が、前記機能レポーターの機能を特異的に調節し得るsiRNAを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記機能レポーターが測定可能なシグナルを伝達し得る、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記機能レポーターが、転写因子、構造遺伝子、細胞マーカー、細胞表面マーカー、細胞の形状、細胞小器官の形状、細胞の運動性、酵素活性、代謝産物の濃度および細胞の構成要素の局在からなる群より選択される、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
請求項21に記載のシステムであって、前記集合論による処理が、前記少なくとも2種類の機能レポーターのうち、2種類の特定の機能レポーターを、以下からなる群より選択される関係へ分類する工程を包含する:
a)独立、
b)包含、および
c)共通部分、
ここで、該関係が独立であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターが、前記ネットワーク内で関係を有さないと決定され、
該関係が包含であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターのうちの一方が、該2種類の特定の機能レポーターのうちの他方に含まれると決定され、かつ該2種類の特定の機能レポーターのうちの一方が、該2種類の特定の機能レポーターのうちの他方の下流に位置し、
該関係が共通部分であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターが、別の共通の機能から分岐した下流に位置すると決定される、
システム。
【請求項28】
前記集合論による処理が、前記機能レポーターごとに、前記摂動因子による応答の有無をマッピングする工程を包含する、請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
前記レポーター間の関係の計算が、独立、包含および共通部分に分類された、各々の機能レポーター間の相関を含み、該相関の一覧を作成する工程を包含する、請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
1つの細胞内パスウェイを等しく標的化するのに十分な個数の前記摂動因子が調製される、請求項21に記載のシステム。
【請求項31】
情報を得るための前記手段は、所望の時間後の前記摂動因子の影響に基づく、前記少なくとも2種類の機能レポーターについての情報を得るための手段を備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項32】
請求項21に記載のシステムであって、前記影響が、閾値に関して、ポジティブな影響=+、影響なし=0、およびネガティブな影響=−の3つの群に分類される、システム。
【請求項33】
請求項21に記載のシステムであって、前記少なくとも2種類の機能レポーターについての情報は、所望の時間後の前記摂動因子の影響に基づき、ここで、該得られた情報を集合論による処理に供する手段は、以下の手段を備える:
a)該影響と該機能レポーターについての閾値とを比較し、ポジティブな影響=+、影響なし=0、およびネガティブな影響=−の3つの群に分類することにより、該情報を3つのカテゴリに分類するための手段、
b)該機能レポーターのうちの2種類が、同一の型の影響を有する共通の摂動因子を有するか否かを決定するための手段であって、ここで、
このような共通の摂動因子が存在しない場合、該2種類の機能レポーターに対応する2種類の機能は、互いに異なる摂動因子の下に配置され、
このような共通の摂動因子が存在する場合、以下の工程c)を実施する、手段
c)該2種類の機能のうちの一方の機能に対する摂動因子の集合が、該2種類の機能のうちの他方の機能に対する摂動因子の集合に完全に包含されるか否かを決定するための手段であって、ここで、
このことが真である場合、より大きな集合を有する一方の機能が、より小さな集合を有する他方の機能の下に配置され、
このことが真ではない場合、該2種類の機能が、同一の摂動因子の下に並行して配置される、手段、
d)該機能レポーターの全ての組合せを調べるか否かを決定するための手段であって、ここで、
このことが真である場合、該機能の関係の全てを統合して、現時点での全体的な摂動影響ネットワークにし、
このことが真ではない場合、工程a)〜工程c)を反復する、
システム。
【請求項34】
前記3つの群が、+1、0および−1に分類される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記手段a)〜手段c)が、M×N行列を作製することによって実行され、ここでMは機能レポーターの個数を指し、Nは摂動因子の個数を指す、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
実際の生物学的実験を実行することによって、前記作製されたネットワークを解析するための手段をさらに備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項37】
前記解析するための手段が、該機能に特異的な調節因子を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記調節因子がsiRNAである、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記ネットワークが、シグナル伝達経路を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項40】
前記ネットワークが、バイオマーカーの同定、創薬ターゲットの解析、副作用解析、細胞機能の診断、細胞パスウェイ解析、化合物の生物影響評価および感染症診断からなる群より選択される使用のために使用される、請求項21に記載のシステム。
【請求項41】
生物学的実体における生物学的機能のネットワークを解析するための方法を、コンピュータ上で実行するコンピュータプログラムであって、該方法は:
A)生物学的実体を少なくとも1種類の摂動因子に供する工程、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る工程、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作成する工程、
を包含する、コンピュータプログラム。
【請求項42】
生物学的実体における生物学的機能のネットワークを解析するための方法を、コンピュータ上で実行するコンピュータプログラムを含む記憶媒体であって、該方法は:
A)生物学的実体を少なくとも1種類の摂動因子に供する工程、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る工程、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作成する工程、
を包含する、記憶媒体。
【請求項43】
生物学的実体における生物学的機能のネットワークを解析するための方法を、コンピュータ上で実行するコンピュータプログラムを含む通信媒体であって、該方法は:
A)生物学的実体を少なくとも1種類の摂動因子に供する工程、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る工程、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作成する工程、
を包含する、通信媒体。
【請求項1】
生物学的実体における生物学的機能のネットワークを解析するための方法であって、該方法は:
A)生物学的実体を少なくとも1種類の摂動因子に供する工程、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る工程、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作成する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記生物学的実体が細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記摂動因子が、siRNA、shRNA、miRNAおよびリボザイムを含むRNA、化合物、cDNA、抗体、ポリペプチド、光、音、圧力変化、放射、熱ならびにガスからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記摂動因子が、前記機能レポーターの機能を特異的に調節し得るsiRNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記機能レポーターが測定可能なシグナルを伝達し得る、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記機能レポーターが、転写因子、調節遺伝子、構造遺伝子、細胞マーカー、細胞表面マーカー、細胞の形状、細胞小器官の形状、細胞の運動性、酵素活性、代謝産物の濃度および細胞の構成要素の局在からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記集合論による処理が、前記少なくとも2種類の機能レポーターのうち、2種類の特定の機能レポーターを、
a)独立、
b)包含、および
c)共通部分、
からなる群より選択される関係へ分類する工程を包含し、
ここで、該関係が独立であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターが、前記ネットワーク内で関係を有さないと決定され、
該関係が包含であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターのうちの一方が、該2種類の特定の機能レポーターのうちの他方に含まれると決定され、かつ該2種類の特定の機能レポーターのうちの一方が、該2種類の特定の機能レポーターのうちの他方の下流に位置し、
該関係が共通部分であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターが、別の共通の機能から分岐した下流に位置すると決定される、
方法。
【請求項8】
前記集合論による処理が、前記機能レポーターごとに、前記摂動因子による応答の有無をマッピングする工程を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記レポーター間の関係の計算が、独立、包含および共通部分に分類された、各々の機能レポーター間の相関を含み、該相関の一覧を作成する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1つの細胞内パスウェイを等しく標的化するのに十分な個数の前記摂動因子が調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも2種類の機能レポーターについての情報は、所望の時間後の前記摂動因子の影響に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記影響が、閾値に関して、以下の3つの群:
ポジティブな影響=+;
影響なし=0および
ネガティブな影響=−
に分類される、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記少なくとも2種類の機能レポーターについての情報は、所望の時間後の前記摂動因子の影響に基づき、ここで、前記集合論による処理は、以下の工程を包含する:
a)該影響と該機能レポーターについての閾値とを比較し、
ポジティブな影響=+、影響なし=0、およびネガティブな影響=−
の3つの群に分類することにより、該情報を3つのカテゴリに分類する工程、
b)該機能レポーターのうちの2種類が、同一の型の影響を有する共通の摂動因子を有するか否かを決定する工程であって、ここで、
このような共通の摂動因子が存在しない場合、該2種類の機能レポーターに対応する2種類の機能は、互いに異なる摂動因子の下に配置され、
このような共通の摂動因子が存在する場合、以下の工程c)を実施する、工程
c)該2種類の機能のうちの一方の機能に対する摂動因子の集合が、該2種類の機能のうちの他方の機能に対する摂動因子の集合に完全に包含されるか否かを決定する工程であって、ここで、
このことが真である場合、より大きな集合を有する一方の機能が、より小さな集合を有する他方の機能の下に配置され、
このことが真ではない場合、該2種類の機能が、同一の摂動因子の下に並行して配置される、工程、
d)該機能レポーターの全ての組合せを調べるか否かを決定する工程であって、ここで、
このことが真である場合、該機能の関係の全てを統合して、現時点での全体的な摂動影響ネットワークにし、
このことが真ではない場合、工程a)〜工程c)を反復する、
方法。
【請求項14】
前記3つの群が、+1、0および−1に分類される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記工程a)〜工程c)が、M×N行列を作製することによって判断され、ここでMは機能レポーターの個数を指し、Nは摂動因子の個数を指す、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
実際の生物学的実験を実行することによって、前記作製されたネットワークを解析する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記解析工程が、該機能に特異的な調節因子の使用を包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記調節因子がsiRNAである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ネットワークが、シグナル伝達経路および細胞パスウェイを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ネットワークが、バイオマーカーの同定、創薬ターゲットの解析、副作用解析、細胞機能の診断、細胞パスウェイ解析、化合物の生物影響評価および感染症診断からなる群より選択される使用のために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
生物学的実体内の生物学的機能のネットワーク解析システムであって、該システムは:
A)生物学的実体に対する、少なくとも1種類の摂動因子、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る手段、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作製する手段、
を備える、システム。
【請求項22】
前記生物学的実体が細胞である、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記摂動因子が、siRNA、化合物、cDNA、抗体、ポリペプチド、光、音、圧力変化、放射、熱ならびにガスからなる群より選択される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記摂動因子が、前記機能レポーターの機能を特異的に調節し得るsiRNAを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記機能レポーターが測定可能なシグナルを伝達し得る、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記機能レポーターが、転写因子、構造遺伝子、細胞マーカー、細胞表面マーカー、細胞の形状、細胞小器官の形状、細胞の運動性、酵素活性、代謝産物の濃度および細胞の構成要素の局在からなる群より選択される、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
請求項21に記載のシステムであって、前記集合論による処理が、前記少なくとも2種類の機能レポーターのうち、2種類の特定の機能レポーターを、以下からなる群より選択される関係へ分類する工程を包含する:
a)独立、
b)包含、および
c)共通部分、
ここで、該関係が独立であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターが、前記ネットワーク内で関係を有さないと決定され、
該関係が包含であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターのうちの一方が、該2種類の特定の機能レポーターのうちの他方に含まれると決定され、かつ該2種類の特定の機能レポーターのうちの一方が、該2種類の特定の機能レポーターのうちの他方の下流に位置し、
該関係が共通部分であると決定される場合、該2種類の特定の機能レポーターが、別の共通の機能から分岐した下流に位置すると決定される、
システム。
【請求項28】
前記集合論による処理が、前記機能レポーターごとに、前記摂動因子による応答の有無をマッピングする工程を包含する、請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
前記レポーター間の関係の計算が、独立、包含および共通部分に分類された、各々の機能レポーター間の相関を含み、該相関の一覧を作成する工程を包含する、請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
1つの細胞内パスウェイを等しく標的化するのに十分な個数の前記摂動因子が調製される、請求項21に記載のシステム。
【請求項31】
情報を得るための前記手段は、所望の時間後の前記摂動因子の影響に基づく、前記少なくとも2種類の機能レポーターについての情報を得るための手段を備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項32】
請求項21に記載のシステムであって、前記影響が、閾値に関して、ポジティブな影響=+、影響なし=0、およびネガティブな影響=−の3つの群に分類される、システム。
【請求項33】
請求項21に記載のシステムであって、前記少なくとも2種類の機能レポーターについての情報は、所望の時間後の前記摂動因子の影響に基づき、ここで、該得られた情報を集合論による処理に供する手段は、以下の手段を備える:
a)該影響と該機能レポーターについての閾値とを比較し、ポジティブな影響=+、影響なし=0、およびネガティブな影響=−の3つの群に分類することにより、該情報を3つのカテゴリに分類するための手段、
b)該機能レポーターのうちの2種類が、同一の型の影響を有する共通の摂動因子を有するか否かを決定するための手段であって、ここで、
このような共通の摂動因子が存在しない場合、該2種類の機能レポーターに対応する2種類の機能は、互いに異なる摂動因子の下に配置され、
このような共通の摂動因子が存在する場合、以下の工程c)を実施する、手段
c)該2種類の機能のうちの一方の機能に対する摂動因子の集合が、該2種類の機能のうちの他方の機能に対する摂動因子の集合に完全に包含されるか否かを決定するための手段であって、ここで、
このことが真である場合、より大きな集合を有する一方の機能が、より小さな集合を有する他方の機能の下に配置され、
このことが真ではない場合、該2種類の機能が、同一の摂動因子の下に並行して配置される、手段、
d)該機能レポーターの全ての組合せを調べるか否かを決定するための手段であって、ここで、
このことが真である場合、該機能の関係の全てを統合して、現時点での全体的な摂動影響ネットワークにし、
このことが真ではない場合、工程a)〜工程c)を反復する、
システム。
【請求項34】
前記3つの群が、+1、0および−1に分類される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記手段a)〜手段c)が、M×N行列を作製することによって実行され、ここでMは機能レポーターの個数を指し、Nは摂動因子の個数を指す、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
実際の生物学的実験を実行することによって、前記作製されたネットワークを解析するための手段をさらに備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項37】
前記解析するための手段が、該機能に特異的な調節因子を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記調節因子がsiRNAである、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記ネットワークが、シグナル伝達経路を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項40】
前記ネットワークが、バイオマーカーの同定、創薬ターゲットの解析、副作用解析、細胞機能の診断、細胞パスウェイ解析、化合物の生物影響評価および感染症診断からなる群より選択される使用のために使用される、請求項21に記載のシステム。
【請求項41】
生物学的実体における生物学的機能のネットワークを解析するための方法を、コンピュータ上で実行するコンピュータプログラムであって、該方法は:
A)生物学的実体を少なくとも1種類の摂動因子に供する工程、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る工程、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作成する工程、
を包含する、コンピュータプログラム。
【請求項42】
生物学的実体における生物学的機能のネットワークを解析するための方法を、コンピュータ上で実行するコンピュータプログラムを含む記憶媒体であって、該方法は:
A)生物学的実体を少なくとも1種類の摂動因子に供する工程、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る工程、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作成する工程、
を包含する、記憶媒体。
【請求項43】
生物学的実体における生物学的機能のネットワークを解析するための方法を、コンピュータ上で実行するコンピュータプログラムを含む通信媒体であって、該方法は:
A)生物学的実体を少なくとも1種類の摂動因子に供する工程、
B)該生物学的実体内の、生物学的機能を反映する機能レポーターのうち、少なくとも2種類についての情報を得る工程、および
C)該得られた情報を集合論による処理に供し、該機能レポーター間の関係を計算して、該生物学的機能のネットワークの関係を作成する工程、
を包含する、通信媒体。
【図7】
【図10】
【図12】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図10】
【図12】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2008−518319(P2008−518319A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537471(P2007−537471)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053537
【国際公開番号】WO2006/046217
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(505380692)株式会社サイトパスファインダー (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053537
【国際公開番号】WO2006/046217
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(505380692)株式会社サイトパスファインダー (11)
【Fターム(参考)】
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