生物学的活性物質と生体適合性高分子の1:1接合体、この製造方法とこれを含む薬学組成物
本発明は、 生体適合性高分子が、生物学的活性物質のカルボキシル基に1:1の割合で結合された生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体、この製造方法と、これを含む薬学組成物を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体適合性高分子と生物学的活性物質の1:1接合体、この製造方法及びこれを含む薬学組成物に関するものである。もう少し詳しくは、本発明は、生物学的活性物質のカルボキシル基部位に生体適合性高分子を1:1で特異的に結合させたこれらの接合体、この製造方法とこれを含む薬学組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にはペプタイドまたはタンパク質のような生物学的活性物質を医薬品に使用する場合は、体内で簡単に加水分解されたり、タンパク質分解酵素によって分解されて生体の吸収率が低くなったり、繰り返し投与によって免疫反応が誘導される問題点がある。このような理由で、大部分のタンパク質またはペプタイド薬物は、主に注射剤として投与され、投与回数は1日1回またはこの以上に投与されてきたが、このような薬物の頻繁な投与は、患者に苦痛と危険を伴って、特に長期的に治療を要する患者の場合には、日常生活に大きな支障をきたすので、時間的及び経済的に非効率的である。
【0003】
したがって、上記のような問題点を解決するより安定性ある薬物の開発が要求されて、これによってペプタイドまたはタンパク質のような生物学的活性物質を生体適合性高分子に修飾する技術が開発された。タンパク質または薬理活性を持つ分子を合成高分子と結合させるのは、生体内(in vivo) 及び生体外(in vitro) 適用時に大きな利点を提供することができる。例えば, 生理活性分子に対する高分子の共有結合は、分子の表面特性及び溶解性を変化させて、水または有機溶媒に対する溶解性を増加させることができ、また、生体適合性(biocompatibility)を増加させて免疫反応性を減少させて、生体内での安定性を増加させるだけでなく、腸管システム、腎臓、脾臓または肝によるクリアランス(clearance)を延長させることができる。
【0004】
このように目的するタンパク質やペプタイドなどの生物学的活性物質に、PEGなどの生体適合性高分子を結合させる場合、大きな長所があるが、今まで知られた技術として蛋白質またはペプタイドなどの生物学的活性物質に生体適合性高分子が結合された接合体を作る場合、解決しなければならない問題点が残っている。
【0005】
例えば、一番一般的な方法は、PEGがリシンのようなアミン基に結合するものであるが、大概の結合するタンパク質またはペプタイドの一つまたはこの以上の自由リシン残基は、タンパク質の活性部位に近接している場合が多くて、タンパク質の表面部位の中でタンパク質の活性と直接関係がある部位が PEGと結合する場合には、この部位はこれ以上生物学的機能ができなくなり、タンパク質の活性が減少することになる。また、 PEGとリシン残基の結合は、ずいぶん容易に起こる反応で、PEG-生物学的活性物質接合体は、2個以上のPEGが一つのタンパク質に修飾される。例えばインターフェロン、CSF、インターロイキンのようなサイトカイン類、EGF,hGH, インシュリンのようなポリペプタイドは2個以上のPEGが表面に修飾すると、活性が急激に減少されてこれ以上の役割ができなくなる。またこのような反応は大体無作為的に出るので、多くの種類の PEG-蛋白質接合体の混合物で存在し、よって望む接合体を純粋分離する過程が複雑で難しくなる。すなわち, あまりにも多くの活性重合体が標的タンパク質またはペプタイドに附着する場合、生物学的活性は顕著に減少されたり失われ、蛋白質に重合体を連結させる強力なリンカーが使われたり、不十分な量の重合体が標的につける場合、収得される接合体の治療学的価値がむしろ制限されたりする。
【0006】
このような問題点を乗り越えるための方案に多くの研究者たちが特定部位に生体高分子を結合するために、タンパク質のアミノ酸基を遺伝学的に変換して変換された部位に高分子を結合させる研究も多く試みている。しかしこのような方法は遺伝学的にタンパク質を変化することで、本来のタンパク質とは性質が変わったりして、治療用として人体内に投与するには安定性を証明すべき問題がある。
【0007】
化学的に生物学的活性物質の特定部位を生体高分子で修飾することによって、問題を解決しようとした試みの例として、アメリカ特許第5951974号及びアメリカ特許第5985263号では、インターフェロンのヒスチジン残基にPEGを共有結合させて、体内半減期を増加させるなど薬物の効能を増加させようとした。しかし, このような方法も相変らず活発なアミン基との反応なので、いろいろな部位のヒスチジンに無作為に高分子が接合されて PEGとインターフェロンが 1:1に接合された高活性 PEG - インターフェロンを分離するために、イオン-交換カラムを使わなければならなかった。また、PEGと結合するヒスチジンのイミダゾール基は、他のアミン基に比べて加水分解が容易に起こり、インターフェロンが PEG -インターフェロン接合体から容易に遊離される問題がある。
【0008】
アメリカ特許第5766897号では、生理活性巨大分子及び突然変異体システイン残基に活性化されたPEGを接合させて特定部位を修飾した。しかし、大部分のタンパク質は、1個程度の遊離システインを有したり、ジスルフィド結合を形成して余分のシステインを持てない場合がある。このような場合、突然変異過程を経って活性部位と関係ない残基をシステインに変化させた後、高分子を結合させている。このような方法は、特定部位に高分子が適合される長所はあるが、他の反応基、つまりアミン基やカルボキシル基のようなものに比べて活性がとても低くなる傾向がある。
【0009】
アメリカ特許第5985265号は、G-CSFとIFNのN-末端残基にPEGを修飾する特定部位接合体を開始した。しかし、この方法は、反応する高分子の活性部位がとても反応性が低くて、反応時間が非常に長くなって生成物の収率が低く、タンパク質の安定性を心配する。特に、このような方法は、タンパク質の活性部位が N-末端近所の場合は、高分子がN-末端のアミン基に接合されることによって、急激な活性低下または喪失を招くことになる。
【0010】
アメリカ特許第5824778号は、G-CSFのアミン基やカルボキシル基にPEGを結合した接合体について開始した。しかし、上記アメリカ特許では、タンパク質のカルボキシル基を活性化するために使われるEDACを過量に使用することによって、いろいろな残基のカルボキシル基が活性化されて、多数のPEGが結合され、収得された PEG-G-CSF接合体の分子量の測定結果、いろいろな分子量分布の不均質混合物形態に接合体が生成され、タンパク質活性が非常に低下された。 したがって、生物学的活性物質に生体適合性高分子を部位特異的に特定割合で結合させて、高分子が結合された後も、生物学的活性物質の生理活性が維持されて、ひいては、部位特異的に高分子を修飾したものが均質な形態に収得できたら、生物学的活性物質の臨床的応用に大きく寄与できるはずである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明者はアミン基よりは、反応性が低いカルボキシル基に1:1の特定割合で PEGが生物学的活性物質に結合された PEG-生物学的活性物質接合体を製造し、このような接合体が体内で結合されない(native)タンパク質に比べて非常に安定し、長い半減期を持っているので、治療剤としての効能が20倍以上増加して、また PEGがカルボキシル基に1:1を超えた割合で結合された接合体及び PEGがアミン基に結合された接合体より優れた特性を示すということを確認した。
【0012】
したがって本発明は、生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基に選択的に1:1の割合で結合されて、天然の生物学的活性物質が示す生理活性を維持しながらも、高分子の修飾によって、安定性と生体利用率及び体内半減期が増加された、生体適合性高分子 -生物学的活性物質接合体、その製造方法及び、これを含む薬学組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一様態として、本発明は、生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基の部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子 - 生物学的活性物質接合体に関するものである。
【0014】
一様態として本発明は、治療有効量の上記生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体及び薬学的に許容される担体を含む薬学組成物に関するものである。
【0015】
一様態として本発明は、生物学的活性物質、活性化された生体適合性高分子及びカルボキシル基カップリング化剤を, 生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比が 1:1乃至20、生物学的活性物質とカップリング化剤のモル比が 1:1乃至50、反応物のpHが2ないし5の反応条件下で結合させる段階を含むことを特徴とする生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基の部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法に関するものである。
【0016】
上記方法でカップリング化剤、例えば、EDACは水溶液で不安定によって加水分解されるので、一度に添加させるより数回、望ましくは5回以上、より望ましくは、5回または6回に分けて添加する。
【0017】
上記の方法によって、生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基に1:1の割合で結合された接合体が得られる。つまり、本発明は、反応性グループとして活性化させた高分子修飾物質を生物学的活性物質のカルボキシル基の部位のみ実質的に1:1の割合で選択的に結合させることによって、生物学的活性物質の生物学的活性に関与する部位への結合による活性部位の遮断と、これによる生物学的活性物質の活性喪失または減少などの問題を防止して、活性部位の多数の反応性残基との無作為結合によるいろいろな種類の不均質接合体の混合物形成を避けて、1:1割合の生体適合性高分子・生物学的活性物質の接合体を収得できるようにする。それに本発明の接合体は、生体適合性高分子が付与する多くの特性によって生体内の安定性が増加して、それによる生体利用率と、生体半減期が増加される利点がある。したがって均質な生体適合性高分子・生物学的活性物接合体の生産によって不均質混合物が生成される従来技術に比べて、生産経費及び時間が短縮されて経済的である。
【0018】
国際公開公報WO92/16555号は、PEG - ヒドラジド(Hz)または、アミノ酸残基をスペースで使った PEG-ヒドラジをオボアルブミンの部位やカルボキシル基に結合させることを開始したが、上記特許は、生物学的活性物質に多数の PEGが結合されることについてだけ記述しているだけであり、1:1割合の生体適合性高分子と生物学的活性物質の接合体の製造及びこの活性については言及がない。
【0019】
また、アメリカ特許、第5824779号でも G-CSFのカルボキシル基に PEGを結合することについて記述しているが、このような方法で導出された接合体は、アスパラギン酸または、グルタミン酸のガンマカルボキシル・グループに無作為にいくつかの PEGが結合されて、タンパク質の活性低下の主な要因になって来た。
【0020】
一般的にアミノ酸のpKaによる反応性を利用して部位特異的に反応させるが、特定部位に結合される高分子の数を調節することが難しいので、実質的に応用するには問題が多かった。
【0021】
反応物のpHを7ないし8にしてアミン基に反応させる時、 リシン残基といっしょにヒスチジン残基にも同時に無作為に反応して、pHを6ないし6.5 に下げて反応すると、PEGがリシン残基よりヒスチジン残基と反応(アメリカ特許、第5951974号及びアメリカ特許、第5985263号)することが報告された。このような背景下で本発明者は上記のように接合体の方法で反応たちの反応pHを3以下に調節する場合、PEGが生物学的活性物質のカルボキシル基, 特にC-末端で 1:1 結合するということを明かにした。
【0022】
したがって、一様態として本発明は、生体適合性高分子が生物学的活性物質のC-末端部位で生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体に関するものである。
【0023】
また他の様態として本発明は、治療有効量の上記のようなC-末端で 1:1結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体及び薬学的に許容される担体を含む薬学組成物に関するものである。
【0024】
また他の様態として本発明は、生物学的活性物質、活性化された生体適合性高分子及びカルボキシル基カップリング剤を, 生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比が 1:1乃至20、生物学的活性物質とカップリング剤のモル比が 1:1乃至50、反応物のpHが2ないし3の反応条件下で結合させる段階を含むことを特徴とする生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基の部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法に関するものである。
【0025】
生体適合性高分子
本発明で生物学的活性物質の修飾に使われる「修飾物質」とは、天然あるいは人工合成高分子物質など、生物学的活性物質に付加できる人体に有用なすべての生体適合性高分子を総称する。
【0026】
本願で用いる「生体適合性」とは用語は生体毒性反応、炎症反応、免疫反応、発癌性などを誘発する可能性が無く、生体に無毒無害で免疫学的拒否反応を起こさず、生体組織と生体システムと良い親和性で両立できる能力を言う。
【0027】
生物学的活性物質と結合して接合体を形成することは生体適合性高分子である。本発明に使える体に有用な生体適合性高分子物質にはいろいろな溶媒に容易に溶解し、水平均分子量が望ましくは、約 300 ダルトン乃至約 100,000ダルトン、もっと望ましくは、約 2,000 ダルトン乃至約 40,000 ダルトンである生体適合性高分子として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレングリコール, ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L―リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル ピロリドン、ポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性高分子物質が含んで、これに限定されない。
【0028】
本発明の生体適合性高分子では線形高分子だけでなく、下記のような高分子が含まれるものと思われる。本発明の生体適合性高分子では文献(アメリカ特許第5643575号及びアメリカ特許、第5919455号)に記載されたように、脂肪族連結残基によって求核置換が行える活性化作用基に結合された水溶性、非抗原性高分子が含まれる。また、本発明の生体適合性高分子では文献(アメリカ特許第5932462号)に記載されたように、中心炭素原子に高分子アーム(arm)をそれぞれ持つ二つのリンカー断片、タンパク質などのような生物学的活性分子に附着できるように活性化できる残基、及び水素またはメチル基とか、また他のリンカー断片の測鎖を持つ多重−アーム(armed)、一作用性及び加水分解安定性高分子が含まれる。また本発明の生体適合性高分子には文献(WO 第00/33881号)に記載したように、PEGなどの作用性残基がリポーター残基を持つリンカーアームによって、生物学的活性分子に結合されている枝がついた PEGの重合体が含まれる。
【0029】
この中でも PEGは本発明の生体適合性高分子の代表的な物質中の一つである.。PEGはHO-(-CH2 CH2O-)-Hの繰り返しの構造を持つ水溶性、無毒性の高分子として、生物学的半減期(Plasma half-life)の増加、溶解度及び安定性の増加、免疫原性の減少効果があると知られている。ペプタイドまたはタンパク質などの生物学的活性物質に結合されるPEGの分子量の範囲は、おおよそ1,000乃至 100,000であり、PEGの分子量が 1,000以上の場合、毒性は非常に低いといわれている。分子量の範囲 1,000ないし 6,000のPEGは全身に分布して、腎臓によって排出され、特に分子量 40,000の測鎖型 PEGは、血液と肝を含む器官によって分布されて、排出は肝から行われる。
【0030】
商業的に利用可能な分子量の範囲が多様であり、 オキシエチレン骨格が各単位当たり水分子が2-3個が結合可能な新水性を持っていて、メトキシ・ポリエチレングリコールから単一作用基を持つ誘導体を合成することが容易であり、抗原, 抗体反応を誘発する危険が低く、関連技術も多く開発されているので、生体適合性高分子の修飾物質にはPEGが一番望ましい。
【0031】
生物学的活性物質
本願で使われる用語「物学学的活性物質」は、活性化された生体適合性高分子と結合されるすべての求核体を意味して、接合体を形成した後、固有活性の少なくとも一部分は維持される。本願で「生物学的活性」という用語は、生理学的または、薬物学的活性に限定されるのではない。例えば、酵素を含んだような一部求核体接合体は、有機溶媒で反応を触媒できる。同じようにコンカナバリンA、免疫グロブリンなどのようタンパク質を含んだ一部高分子接合体は、また実験室診断体として有用する。一般的に、生物学的活性物質には、再結合または化学的に合成されたものとか天然から分離したすべてを含んで、タンパク質、ペブタイド、ポリペブタイド、酵素、医学物質、遺伝子、プラスミドまたは、有機残基が含まれる。
【0032】
タンパク質、ペブタイド及びポリペブタイドには、これに限定されるのではないが、ヘモグロビン, 血清タンパク質(例、 因子 VII、VIII及びIXを含んだ血液因子)、免疫グロブリン、サイトカイン(例、インターロイキン)、α-、β-及びγ- インターフェロン、コロニー刺激因子(G-CSF 及び GM-CSF含み)、血小板誘導された成長因子(PDGF)、ホスホリパーゼー活性化タンパク質(PLAP)、副甲状腺ホルモン(PTH) などが含まれる。 他の一般的な生物学的または、治療学的タンパク質にはインシュリン、植物性タンパク質(例、レクチン及びリシン)、腫瘍壊死因子(TNF) 及び連関された対立形質(アレル)、成長因子(例、TGFαまたはTGFβのような組織成長因子及び内皮成長因子)、ホルモン(例、小嚢-刺激ホルモン、甲状腺-刺激ホルモン、抗利尿ホルモン、色素性ホルモン、黄体ホルモン、分泌ホルモン及びこの誘導体)、カルシトニン 、カルシトニン 遺伝子関連ペプチッド(calcitonin gene related peptide,CGRP)、合成エンケファリン (enkephalin)、ソマトメジン、エリスロポイエチン(EPO)、視床下部分泌因子、プロラクチン、絨毛膜、生殖腺刺激ホルモン、組織プラスミノーゲン活性化剤、成長ホルモン分泌ペブタイド(growh borrn releasing peptide, GHRP)、胸腺体液性因子(thymic humrral factor, THF)などが含まれる。免疫グロブリンにはIgG,IgE,IgM,IgA,IgD及びこれらの断片が含む。
【0033】
特に、低分子量のインターフェロン G-CSFなどの場合、2個以上の生体適合性高分子がこれらポリペプタイドに結合されると、生物学的活性が非常に低下される。反応性が高いアミン基に高分子を結合すると、2個以上の高分子が結合されて、このような接合体の中で1:1接合体を分離することが容易ではない。しかし、本発明によって1:1 割合の生体適合性高分子 ―インターフェロン または G-CSF 接合体を選択的に製造でき、このような接合体は高い生物学的活性、半減期が延長されるなど、優れた生体利用率を示した。また、本発明の生物学的活性物質は、生体内に生活性(bioactivity)を見せるポリペプタイドの一部を含む。この例としては、アミノ酸序列、アンチセンス残基など, 抗体断片、 一本鎖(単一鎖)結合抗原(参照:アメリカ特許、第4,946,778号)抗体または断片の融合体(シンシチウム)含んだ結合分子、ポリクローナル 抗体、モノクローナル抗体、触媒性抗体、ヌクレオチド及び オリゴヌクレオチドが含まれる。
【0034】
また, 本発明の生物学的活性物質は、酵素を含む。このような酵素の例としては、炭水化物-特異的酵素、蛋白質分解酵素、酸化還元酵素、トランスフェラーゼヒ、ヒドロラーゼ、リアアセ、イソマラーゼ及びリガゼが含まれる。具体的な酵素にはこれに限定するのではないが、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ及び、ビリルビン・オキシダーゼを上げられる。炭水化物-特異的酵素の例には、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、グルコウロニダーゼなどが含まれる。
【0035】
前述したことは、本発明の生体適合性高分子と結合するために適当な生物学的活性求核体の例である。上記で特定的には言及されなかったが、適当な求核性基を有する生物学的活性物質も本発明の範囲に含まれることを認識しなければならない。本発明の目的上、生物学的活性物質は高分子修飾のために 遊離されたカルボキシル基の部位を持っていなければならないのである。
【0036】
本発明の接合体は、生物学的として活性的で、いろいろな治療用途に適用される。治療を要する哺乳動物は、目的する生物学的活性物質を含んだ治療有効量の高分子接合体を、その動物に投与することによって治療できる。
【0037】
生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法
一般的に、生物学的活性接合体の製造において、生体適合性高分子を生物学的活性物質に結合させるために、末端グループの中で一つを反応性作用基で転換させるが、この過程を「活性化」と言って、この過程による産物を「活性化された生体適合性高分子」と言う。例えば、ポリアルキレンオキシド(POLY(ALKYLENE OXIDES)をペプタイドまたはタンパク質に結合させるために、ヒドロキシル末端グループの中で一つを、カルボナート(carbonate)のような反応性作用基で転換させることができるし、これによって収得された産物は室温で水溶性である活性化されたポリアルキレンオキシド(POLY(ALKYLENE OXIDES)(PAO)になる。このようなグループには mPEGのような一置換ポリアルキレンオキシド誘導体またはC1-4 末端グループを含むもののような他の適当なアルキル-置換 PAO誘導体がある。
【0038】
本願で使われる「反応性作用基」とは、目的する生物学的活性物質と結合するために、生体適合性高分子を活性化するグループまたは残基を言うのである。
【0039】
本発明に使用できる「反応性作用基」は、1級アミン、または、Hydra Gene及びヒドラジド作用基(アシルヒドラジド、カルバメート、セミ−カルバメート 、 チオカルバメートなど)のように、カルボキシル酸及び、反応性カルボニル基と反応できる作用基の中で選択できる。
【0040】
本願でまた使われるカルボキシル基のカップリング化剤(以下、カップリング化剤)は、上記反応性作用基で活性化された生体適合性高分子と結合されるタンパク質などの生理活性物質のカルボキシル基をカップリング化させる製剤を意味する。
【0041】
本発明で使えるカルボキシル基のカップリング化剤は、これで制限されるのではないが、カルボジイミド系、カップリング化剤、例えば、EDAC「N−(3―ジメチルアミノプロピル)―N−エチルカルボジイミド、ヒドロクロリド」、DIC「1,3―ジイソプロピル・カルボジイミド」、DCC「dicychlorohexyl カルボジイミド」、及びEDC「1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)− カルボジイミド」などを含む。望ましいカルボキシル基のカップリング化剤はEDACである。
【0042】
生物学的活性接合体の製造方法は、目的する生物学的活性物質の固有活性の中で少なくとも、一部を維持しながら結合されるのに十分な条件の下で上記活性化された生体適合性高分子と置換反応ができる求核体を含んだ生物学的活性物質を接触させる段階を含む。
【0043】
生物学的活性物質に1:1割合で結合された生体適合性高分子は、化学量論過量の高分子を生物学的活性物質と反応させて収得することができる。例えば、 タンパク質-高分子、ペプタイド-高分子、酵素-高分子、抗体-高分子、及び薬物-高分子接合体の製造時、生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比は、約1:1ないし1:20であり、より望ましくは1:1ないし 1:10である。また生物学的活性物質のカルボキシル基を活性化させるのに使われる物質には次の例に限定されるのではないが、次のグループの中で選択して使用できる。例えば、 N−(3―ジメチルアミノプロピル)―N−エチルカルボジイミド、ヒドロクロリド(EDAC)、3−「2−モルホリニル−(4)−エチル」カルボジイミドのような水溶性カルボジイミド・グループ、p−トルエン・スルホナート、woodward's試薬Kのような5−置換イソオキサゾール・ニウム塩などがある。
【0044】
本発明でカルボキシル基に修飾された生体適合性高分子-生物学的活性物質接合体の製造時使われたEDACは、生物学的活性物質対、EDACのモル比が約 1:1ないし 1:50であり、より望ましくは、1:1ないし 1:30であることが望ましくて、1:1ないし 1:20が一番望ましい。しかし、EDACが溶液状態に存在する時、迅速に加水分解される傾向があるので、一度に20倍の EDACを添加すると、反応性が非常に低くなるので、5回以上、望ましくは5ないし6回で分けて添加する時、PEG-生物学的活性物質接合体の形成が増加する。
【0045】
生物学的活性物質は緩衝作用をする水溶性反応媒質でpHに依存的に活性化された高分子と反応できる。一般的に、タンパク質・ポリペプタイド物質を考慮する時、反応時、pHは約2ないし約5であり、 望ましくは、約 2.5ないし4.5である。この物質の安定化及び反応効率のための最適の反応条件は当業者によく知られている。望ましい温度の範囲は、0ないし60℃で、より望ましくは、4ないし30℃である。反応媒質の温度は、ペプタイドまたは、タンパク質などの生物学的活性物質が変性されたり、または分解できる温度を超えてはいけない。反応時間は、10分ないし5時間にすることが望ましい。 形成された生物学的活性接合体は、カラム・クロマトグラフィ、透析濾過(ダイアフィルトレーション)または上記方法などを組み合わせて使うことによって、回収して精製することができる。
【0046】
薬学組成物
本発明は、また治療有効量の本発明の活性化された生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体を活性成分に含む薬学組成物に関するものである。
【0047】
本願で、薬学的に許容される」という用語は、人間に投与時にアレルギー反応またはこれと類似の扱いにくい反応を起こさない分子または組成物を称えるために使われる。
【0048】
本発明の薬学組成物に使われる活性成分として、生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体は、そのものが予防及び治療剤として使用したり、薬学的に許容される担体と混合して剤形された形態で使用できる。
【0049】
用語「薬学的に許容される担体」は、身体の一器官または部分から、身体の他の器官または部分として活性成分を運ぶ役割をする液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤または溶媒のような薬学的に許容される物質、組成物またはビヒクル(媒介体)を意味する。本発明の薬学組成物は経口、局所、注射または、非経口経路によって投与できるし、これらの剤形は一般的に活性成分として、本発明の生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体を治療有効量に含む。
【0050】
本発明による経口投与用製剤は例えば、丸剤、精製、コーティング錠、酸剤、顆粒、troches、ウエハース、elixirs、硬膜及び軟膜ゼラチン・カプセル、溶液、シロップ、エマルション、懸濁剤、噴霧混合剤などの形態で投与できるし、非経口投与用製剤には、例えば、注射液、マイクロカプセル、経皮剤などが含まれる。
【0051】
薬学製剤は薬学的に許容される不活性無機または、有機賦形剤を使用する公知の方法で製造できる。例えば、丸剤、精製、コーティング錠、硬膜ゼラチン・カプセルなどを製造するために、ラクトースまたはとうもろこし澱粉または、この誘導体, 滑石, ステアリン酸またはこの塩などを使うことができる。 軟膜ゼラチン・カプセル及び坐剤に対する賦形剤には, 例えば脂肪、ワックス、半固形及び液体ポリオール、天然または固形化オイルなどがある。溶液及びシロップの製造に使われる適当な賦形剤は、例えば,水、スクロース、転化糖、グルコース、ポリオールなどがある。注射液の製造に適当な賦形剤には水、 アルコール、グリセロール、ポリオール、植物性オイルなどがある。注射剤はまたは保存剤、無痛化剤、可溶化剤及び安定剤を混合して使える。局所投与用製剤の場合には、ガス、賦形剤、潤滑剤及び保存剤などを混合して製造することができる。マイクロカプセルまたは、移植剤に対する適当な賦形剤には、共重合体またはグリコール酸及び乳酸がある。
【0052】
本発明による生体適合性高分子−生物学的活性物質 接合体の投与容量は、体内で活性成分の吸収度、溶解度、患者の年齢、性別、状態及び治療する疾患の軽重によって適当に選択できる。特に、本発明による生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体の投与は、既存の1日1回ないし数回または2日1回である治療用注射剤を1週1回または2週1回の投与回数を大きく減らして、頻繁な投与による薬物毒性及び副作用を減らすことができる。
【0053】
以下、下記の実施例によって本発明は、もう少し詳しく説明する。しかし、これらの実施例は、本発明の単なる例示にすぎず、これで本発明が制限されない。
【0054】
実施例
1.生物学的活性物質のカルボキシル基によって結合された生体適合性高分子−生物活性物質接合体の製造
【実施例1】
【0055】
mPEG(12000)-Hz-G-CSF 接合体の製造
1 mgの G-CSF 溶液(0.00005mmol、(株)東亜製薬 LEUCOSTIMを 50mM MES 緩衝溶液(pH 3.0)で 透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を2mg/mlに維持させた。ここで、6.6mgのmPEG(12000)-Hz(イス化学韓国,0.0005mmol)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後,2μl(0.001mmol, 20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないG-CSFと、過量の試薬は大きさの排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(12000)-Hz− G-CSF接合体が収得された。また、 G-CSFについてEDAC量を20倍乃至200倍に変化させて、mPEG(12000)-Hzを10倍ないし20倍で使って、上記の方法で進めた。EDACの量を50倍超過で使用する時は、2個以上のmPEG(12000)-Hzが G-CSFのカルボキシル基に結合された。
【実施例2】
【0056】
mPEG(5000)-Hz-G-CSF 接合体の製造
1 mgの G-CSF 溶液(0.00005mmol)を 50mMのMES 緩衝溶液(pH 3.0)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を5mg/mlに維持させた。ここで、1.3mgのmPEG(5000)-Hz(イス化学韓国,0.00025mmol)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、2μl(0.001mmol、20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないG-CSFと、過量の試薬は大きさの排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(5000)-Hz−G-CSF接合体が収得された。図1にmPEG(5000)-Hz−G-CSF接合体の反応程度をSDS−PAGE及びHPLC(大きさ排除、カラム・クロマトグラフィ)で示した。
【実施例3】
【0057】
mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体の製造
1 mgの G-CSF 溶液(0.00005mmol)を 50mMのMES 緩衝溶液(pH 3.0)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を5mg/mlに維持させた。ここで、5mgのmPEG(20000)-Hz(イス化学韓国,0.00025mmol)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、2μl(0.001mmol、20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないG-CSFと、過量の試薬は大きさの排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(20000)-Hz−G-CSF接合体が収得された。図2にmPEG(20000)-Hz−G-CSF接合体の反応程度をSDS−PAGEで示した。
【実施例4】
【0058】
mPEG(5000)-Hz-IFN 接合体の製造
それぞれ 200μgのIFN 溶液(0.00001mmol)、(株)ノッシッジャ(GREEN-ALPHA)を含む4個のチューブを50mM MES緩衝溶液(pH3.0)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を1mg/mlに維持させた。各反応チューブに2.16mgのmPEG(5000)-Hzを加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、0.8μl(40倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないIFNと、過量の試薬は大きさ−排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。図3は1:1でmPEG(5000)-HzがIFNに結合された接合体をSDS−PAGEで示したものである。
【実施例5】
【0059】
mPEG(12000)-Hz-IFN 接合体の製造
1mgのIFN溶液(0.00005mmol)を50mM MES緩衝溶液(pH3.0)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を1mg/mlに維持させた。ここで、6.6mgのmPEG(12000)-Hzを加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、2μl(0.001mmol,20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないIFNと、過量の試薬は大きさ排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(12000)-Hz−インターフェロン接合体が収得された。
【実施例6】
【0060】
mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体の製造
それぞれ 200μgのIFN 溶液(0.00001mmol)を含む4個のチューブを50mM MES緩衝溶液(pH4.4)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を2mg/mlに維持させた。各反応チューブに4.32mgのmPEG(20000)-Hz(0.0002 mmmol,梨樹化学韓国)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、上記のチューブに1μl(50倍)または4μl(200倍)を加えた。また、この時、結合を促すために30倍のスルホ−NHSを添加して反応程度を比べた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応条件は下の表1に詳しく示した。反応しないIFNと、過量の試薬は大きさ−排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。上記の反応程度をSDS−PAGEで分析した。
【表1】
【0061】
分析結果、EDACを200倍入れた反応は、PEGがIFNのカルボキシル基に結合されるが、非常に多いPEGが結合されて、お互いにまったく分離されていなかったので、正確なPEG個数を把握することが難しかった。また、50倍のEDACを入れた場合にも反応は進行するが、Gel上であまりにも広がっているので、1:1 PEG−IFN接合体を区別することが難しかった。結合を促進するためにスルホ−NHSを添加した場合は、添加しないで反応することとほとんど差がなかった(図4)。
【0062】
また、EDACを何度も分けて添加した時の反応程度を観測するために、下の表2のような反応条件で反応させた。
【表2】
【0063】
分析結果、EDACを何度もかけて添加した時、1:1に結合された mPEG-Hz-IFN 接合体が多く生成されることを分かる(図5)。
【0064】
EDACを分けて添加してもEDAC量が50倍を超える時は、2個以上のPEGが無作為にIFNに結合されることを示した(図5)。
【実施例7】
【0065】
mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体の製造
1mgのIFN溶液(0.00005mmol)を50mM MES緩衝溶液(pH2.5)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を5mg/mlに維持させた。ここで、10.8mgのmPEG(20000)-Hz (0.0005mmol,10倍)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、2μl(0.001mmol,20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないIFNと、過量の試薬は大きさ排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(20000)-Hz−インターフェロン接合体が収得された。
【実施例8】
【0066】
1:1 結合された mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体の分離精製
mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体(実施例 6)を1mg/ml濃度になるように, 10mM ナトリウム・アセテート(pH4.4)に希釈した。mPEG(20000)-Hz-IFN 反応物を、既に10 mM アセテート緩衝液(pH4.4)に平衡化された SP-sepharose Fast Flow カラム(5 x 50mm, 総 1 ml カラム容積)にローディングした。3 カラム容積の10mM アセテート緩衝液(pH4.4)で洗浄した。そうしてから、500mM NaCLを含む10mM アセテート緩衝液(pH4.4)に勾配方法で湧出しながら反応しない完全であるが、IFNと mPEG(20000)-Hz-IFNを分離精製した。この時、分離した mPEG(20000)-Hz-IFNは、PEG1個が IFNのカルボキシル基に結合した接合体であり、SDS-PAGEで確認された(図6)。
【実施例9】
【0067】
PEG-G-CSF 接合体の生物学的活性測定
細胞変性分析(CPE 分析)を次のような方法で行った。60mmディッシュに細胞(M-NFS-60)を 2.5×106 細胞 (5×105細胞/ml)で 2次培養した(RPMI-1640 培地、10% FBS, 37℃, 5% CO2) 天然 G-CSF (対照群 1) 及び mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体 (実施例 3)をそれぞれ 1ng/μlの濃度に希釈して、細胞数が 1×104である96-ウェル・プレートに処理して連続希釈 (serial dilution)した。次いで、37℃で2日間培養した後、50μlのXTTキット(Roche, ドイツ)を処理して37℃で培養した。4時間後、プレートの発色程度を490nmで ELISA 読取機で分析した。分析結果、本発明のmPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体の生物学的活性は、高分子がアミン基によって結合された接合体である mPEG(20000)-G-CSF接合体と類似したものであった(図7)。
【実施例10】
【0068】
PEG-G-CSF 接合体の半減期測定
7週齢のネズミ(各群 5匹ずつ)をケタミン/Rompunで麻酔した後、手術して大静脈にPE チューブを挿入する. 麻酔から回復した後, 静脈によってmPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体(実施例 3) 100μl/kgを投与した。対照群には PBSのみ投与して接合されない G-CSF 100ul/kgを同じ方法で投与して比べた。
【0069】
投与後 0, 0.5, 1, 2, 4, 6, 12, 24, 48時間にあらかじめ挿入されたカニュラー で血液を300μlずつ採血した。遠心分離 (13,000rpm, 10min, 4℃)で血清を分離して検定に使用するまで−20℃に保管した。 G-CSFフリーで細胞を24時間の間インキュベーションした後、96ウェル・プレートに1.5×104個の細胞株を分離した。各時間帯別血清を 1/100倍希釈して50μl処理して、37℃で48時間の間 CO2下にインキュベーションした。そうした後、XTT試薬を各ウェルに処理した後、 37℃で4時間の間インキュベーションした後、490mmで ELISA読取機でO.D.を測定した。
【0070】
図8は mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体(実施例 3)の半減期を天然 G-CSF及び比較品であるNeulasta(登録商標)(Amgen, N-末端にPEGが接合された PEG-G-CSF)と比較したものである。天然G−CSFに比べて格段に長期間の体内活性を示して比較品とは類似した程度の半減期を示すことが分かる。
【実施例11】
【0071】
PEG-G-CSF 接合体の白血球(WBC) 測定
7週齢 雄Sprague-Dawley ネズミ(体重 220-240g、Charles River Co, Atsugi, Japan)で購入して使った。mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体(実施例 3)を 100μg/kgの濃度でネズミのしっぽ静脈に注射し、対照区は生理食塩水を薬物投与量と同じ量で注射した。また、同じ量の G-CSFが対照区に使われた。採血は薬物投与前、投与後 6, 12, 24, 48, 72、96時間にしっぽ静脈によって採血し、WBC測定は採血後、直ちに自動化された血液分析器(Automated Hematology Analyzer, Cysmex K-4500)で WBCを測定した。この結果は図9に示している。mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体は、結合されないG-CSF及び比較品であるNeulasta(登録商標)より高いWBCを示した。
【実施例12】
【0072】
PEG-IFN 接合体の生物学的活性測定
MDBK 細胞を血球計(hemocytometer)で計数し、5% FBS/MEMで 7.5×105 細胞/Ml濃度で希釈して懸濁させた。それぞれのウェルに培地(5%FBS/MEM)100μlを入れて mPEG(12000)-Hz-IFN 接合体(実施例 5)をそれぞれ 100 IU(1mg/ml=2X108IU)の濃度で希釈してそれぞれの一番目ウェルに 100μlずつを入れた後、連続希釈した。次いで、それぞれのウェルに細胞懸濁液を100μlずつ入れて、培養基で20時間の間培養させた。水泡性口内炎ウイルス(Vesicular Stomatitis Virus:VSV, ATCC VR-158)を100倍希釈して100μlずつ加えた後、また培養基で20時間の間培養させた。96-ウェルプレートの水泡性口内炎ウイルス(VSV、ATCC VR-158)培地溶液を除去した後、0.05%クリスタルバイオレット染色液をウェル当たり50μlずつ入れてマイクロプレート読取機の波長 550nmで各ウェルに対するO.Dを測定して、IFNの活性を計算した。mPEG(12000)-Hz-IFN 接合体(実施例5)の活性は、天然 IFNに比べて 40-50%の活性を持って比較品である PEG-IFN 接合体(アミン基にPEGが接合された製品、Schering-Ploughで開発した FDA承認医薬品)と類似の活性程度を示した(図10)。
【0073】
同じように、mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体(実施例6)で実施し、この活性は天然 IFNに比べて40%程度の活性を持つことが分かった(図11)。
【0074】
また,、Di-mPEG-Hz-IFN 接合体と Mono-mPEG-Hz-IFN 接合体の CPE 検定で生物学的活性を比べた結果、PEGとIFNの1:1 接合体である Mono- mPEG-Hz-IFNが高い生物学的活性を示した(図12)。
【実施例13】
【0075】
PEG-IFN 接合体の半減期測定
MDBK 細胞を血球計(hemocytometer)で計数し、5% FBS/MEMで 7.5×105 細胞/Ml濃度で希釈して懸濁させた。細胞懸濁液を100μlずつ 96-ウェルプレートの各ウェルに入れて, mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体(実施例 6)をネズミに静脈投与した後、採血して収得した血清サンプルの50倍希釈液 100μlずつ入れた後、培養基で20時間の間培養させた。 水泡性口内炎ウイルス(VSV AYCC VR-158)を 100倍希釈させて 100μlずつ加えた後, また培養基で 20時間の間培養させた。水泡性口内炎ウイルス(VSV,ATCC VR-158)を100希釈させて100μlずつ加えた後、また培養基で20人間の間培養させた。96−ウェルプレートの水泡性口内炎ウイルス(VSV,ATCC VR-158)培地溶液を除去した後、0.05%クリスタルバイオレット染色液をウェル当たり50μlずつ入れてマイクロプレート読取機の波長 550nmで各ウェルに対するO.Dを測定してIFN半減期を測定した。
【0076】
図13はカルボキシル基に修飾された mPEG(20000)Hz-IFN 接合体 (実施例 6)の半減期を示して、天然 IFN及び比較品であるPEG−IFN接合体と比べたものである。 天然IFNに比べて格段に長期間の体内活性を示して、比較品に比べても長い半減期を示した。
【実施例14】
【0077】
PEG-IFN 接合体の安定性測定
実施例6の方法で製造して分離精製された mPEG(20000)-Hz-IFNと、IFNのアミン基に PEGを結合した PEG-IFN (Nektarで購入した branched PEG(10K)2NHSを使用して、一般的に知られた方法で製造して大きさ排除カラムでmono- PEG-IFNのみを分離精製)を1mg/ml濃度でPBS溶液に4℃で冷蔵保管後、SDS−PAGEに完全にIFNが離れるかどうか測定することで、PEG-IFNの安定性を観察した。アミン基に結合された PEG-IFNは2週程度が経過して、約14%程度の完全な IFNが離れることが観察された。しかし、IFNのカルボキシル基に PEGが結合された mPEG-Hz-IFNは6ヶ月程度が過ぎた時に離れることが観察されなかった(図14)。
【実施例15】
【0078】
mPEG(5000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン PTH(0.000119mmol, 1-84aa,(株)東国製鋼と3.0mgの活性化された mPEG(5000)-Hz(0.0006mmol、梨樹化学韓国)を pH4.4の 50mM MES(2-(N-ドプロノ)エタンスルホン酸)緩衝溶液 0.5mlに加えて室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造された EDAC 2.5μl(0.00125mmol, 10倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた. 反応しない mPEG(5000)-Hzと、PTHをセントリコン-10(Centricon-10; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.4mgのmPEG-Hz(5000)-PTHを収得した。
【実施例16】
【0079】
mPEG(12000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン (0.00012mmol)と7.14mgの活性化された mPEG(12000)-Hz(0.0006mmol、5倍、梨樹化学韓国)を pH4.4の 50mM MES 緩衝溶液 0.5mlに加えて、室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造された EDAC 2.5μl(0.00125mmol, 10倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた. 反応しない mPEG(12000)-Hzと、PTHをセントリコン-10(Centricon-10; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.3mgのmPEG(12000)-Hz-PTHを収得した。
【実施例17】
【0080】
mPEG(20000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン (0.00012mmol)と12mgの活性化された mPEG(20000)-Hz(0.0006mmol、5倍)を pH4.4の 50mM MES 緩衝溶液 0.5mlに加えて、室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造された EDAC 2.5μl(0.00125mmol, 10倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた。反応しない mPEG(20000)-Hzと、PTHをセントリコン-30(Centricon-30; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.3mgのmPEG(20000)-Hz-PTHを収得した。
【実施例18】
【0081】
mPEG(12000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン (0.00012mmol)と14.4mgの活性化された mPEG(12000)-Hz(0.0012mmol、10倍、梨樹化学韓国)を pH2.5の 50mM MES 緩衝溶液 0.5mlに加えて、室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造された EDAC 5μl(0.0025mmol, 20倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた. 反応しない mPEG(12000)-Hzと、PTHをセントリコン-10(Centricon-10; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.2mgのmPEG(12000)-Hz-PTHを収得した。
【実施例19】
【0082】
mPEG(20000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン (0.00012mmol)と24mgの活性化された mPEG(20000)-Hz(0.0012mmol、10倍)を pH2.5の 50mM MES 緩衝溶液 0.5mlに加えて、室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造されたEDAC 5μl(0.0025mmol, 20倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた。反応しない mPEG(20000)-Hzと、PTHをセントリコン-10(Centricon-10; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.2mgのmPEG(20000)-Hz-PTHを収得した。
【実施例20】
【0083】
mPEG-Hz-PTH 接合体の分析
上記、実施例で収得された PEG-PTH 接合体、PTHを下記HPLC条件によって測定した(表3)。
【0084】
1.HPLC条件
カラム:LiChroCART 125-4 RP-8 (5μm) (MERK)
溶媒:A:脱イオン水 B:アセトニトリル ; 勾配
流速 :0.8ml/min
検出器(UV):220nm
注入量:20μl。
【表3】
【0085】
HPLCカラムに使われた LiChroCART 125-4 RP-8 (5μm)は、いかなるPEGもクロマトグラフ上で検出されず、ただPTHまたは他の蛋白質のみ検出される。
【0086】
PTHのHPLC上での滞留時間(RT値)を測定した。高分子誘導体によって修飾されないPTHをHPLC行った結果、おおよそ6.8分を頂点にPTHのピークが急激に減少した後、18分程度まで徐々に増加した後、減少することが分かる(図15)。
【0087】
上記実施例で製造された mPEG-Hz-PTH生成物は上記表3の番号1及び2に当たる濃度勾配で修飾されないPTH(6.8分台)及びPEG−PTH(7.3分台)のピークが検出された。
【0088】
MPEG(20000)-Hzで修飾反応終了直後、精製前3種類になっている修飾反応混合物(未反応PTH、mPEG(20000)-Hz-PTH, mPEG(20000)-Hz)が存在するが、未反応 mPEG(20000)-HzはHPLCで検出されず2種類(未反応PTH、mPEG(20000)-Hz-PTH)のみ検出されたことを分かる(図16)、mPEG(20000)-Hz-PTHが最終精製された時のクロマトグラフを図17に、mPEG(20000)-HzとPTHを反応させ、SDS−SPACを行った後、Coomassie blueにて染色した結果を図18に各々示した。
【実施例21】
【0089】
mPEG-Hz-PTH接合体の試験管内、生物学的活性測定
PEG分子量による生物学的活性を測定するために分子量が5000(5K), 12000(12K), 20000(20K)の活性化されたmPEG-Hzを使用し、活性測定はUMR-106細胞株を利用してcAMP 分析キット(Amersham Phannacia, RPN 225)でcAMP量の増加を測定することによって天然 PTH, mPEG(5000)-Hz-PTH, mPEG(12000)-Hz-PTH, mPEG(20000)-Hz-PTHの試験管内、生物学的活性を比較測定した。mPEG-Hz-PTHの活性は、PEGの分子量が大きければ減少する傾向を示し、10-8molで比較した時、修飾されないPTHに比べて、mPEG(5000)-Hz-PTH, mPEG(12000)-Hz-PTH, mPEG(20000)-Hz-PTHの生物学的活性がそれぞれ、40%, 30%, 20%程度の活性を持っていることが分かった(図19)。
【実施例22】
【0090】
mPEG-Hz-PTH 接合体の生体内、半減期測定
修飾されない PTHと mPEG-Hz-PTHを SD(Spraugue-Dawley) 雄性、ネズミ(体重 300-350g)に 100μg/kgの濃度で頚静脈投与して投与後、 0,5,10,15,30,60,120分で血液を採取して 10,000 rpmで10分間、遠心分離して血漿を分離した。ついで、cAMP 分析キット(Amersham pharmacia, RPN 225)を利用して血漿内に残っている cAMP濃度を測定することによって、残留 PTH濃度を測定して間接的に mPEG-Hz-PTHの半減期を測定した。修飾されないPTHと mPEG(5000)-Hz-PTHは投与後、15分内にほとんど残っていなかったが、mPEG(12000)-Hz-PTH、mPEG(20000)-Hz-PTHは、それぞれ1時間及び2時間程度まで残っていた(図20)。
【0091】
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施されることが分かる。これと関して、上で記述した実施例及び実験例はすべての面で例示的なものであり、制限的なものではないと考えられるべきでる。本発明の範囲は前述した詳細な説明より後述する特許請求範囲の意味及び範囲そして、その等価の概念から導出されるすべての変更または、変形された形態が本発明に含まれたものと解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明によって生体適合性高分子が、タンパク質やペプタイドのような生物学的活性物質のカルボキシル基に生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体及び、この製造方法が提供されて、上記接合体が当該疾患の治療剤として使用する場合、薬物の生体内の安定性の増加による生体内の半減期及び生体利用率の増加で薬物の投与回数を大幅に減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】mPEG(5K)-Hz-G-CSF 結合反応程度を HPLC及びSDS-PAGEで示したものである。
【図2】mPEG(20K)-Hz-G-CSF 結合反応程度を HPLC及びSDS-PAGEで示したものである。
【図3】1:1に結合されたmPEG(5K)-Hz-IFNをSDS-PAGFで示したものである。
【図4】EDACの量によるmPEG(20K)-Hz-IFN接合体の生成程度をSDS-PAGEで示したものである。
【図5】EDAC添加方法及び、EDACの量によるmPEG(20K)-Hz-IFN接合体をSDS-PAGEによって測定したものである。
【図6】イオン-交換カラムを利用して分離精製されたmPEG(20K)-Hz-IFN接合体をSDS-PEGEによって確認したものである。
【図7】mPEG(20K)-Hz-G-CSF接合体の細胞検定による生物学的活性を結合されないG-CSF及び比較品であるPEG-G-CSF接合体(Neulasta(登録商標)アメリカAmgen社から2002年許可)と比べたものである。
【図8】mPEG(20K)-Hz-G-CSF接合体の半減期を結合されないG-CSF及び比較品であるPEG-G―CSF接合体(Neulasta(登録商標)アメリカ Amgen社から 2002年許可)と比べたものである。
【図9】mPEG(20K)-Hz-G-CSF接合体のWBCを結合されないG-CSF及び、比較品である PEG-G-CSF 接合体(Neulasta(登録商標),アメリカ Amgen社から 2002年許可)と比べたものである。
【図10】mPEG(12K)-Hz-IFN接合体のCPE検定による生物学的活性を結合されないINF及び比較品である PEG-IFN 接合体(Schering-Plough)と比べたものである。
【図11】mPEG(20K)-Hz-IFN 接合体のCPE検定による生物学的活性を結合されない IFNと比べたものである。
【図12】PEGが IFNに2個が結合された Di-mPEG-Hz-IFNと1個が結合された Mono- mPEG-Hz-IFNのCPE検定による生物学的活性を比べたものである。
【図13】mPEG(20K)-Hz-IFN接合体の半減期を結合されないIFN及び、比較品である PEG-IFN接合体(Schering-Plough)と比べたものである。
【図14】カルボキシル基に結合された PEG-IFNの安定性とアミン基に結合された PEG-IFNの安定性を比べたものである。
【図15】生体適合性高分子によって修飾されないPTHをHPLC行った結果を示したものである。
【図16】mPEG(20K)-HzをPTHと反応させた後、精製前反応混合物(未反応 PTH,mPEG(20K)-Hz-PTH, mPEG(20K)-Hz)に対するHPLC行った結果を示したものである。(ピーク1:高分子PEG誘導体に修飾されないPTH、ピーク2:,mPEG(20K)-Hz-PTH)。
【図17】mPEG(20K)-HzをPTHと反応させた後、 mPEG(20K)-Hz−PTH接合体を最終精製した後、HPLC行った結果を示したものである。
【図18】mPEG(20K)-HzとPTHを反応させてSDS―PAGEを行った後、Coomassie blueにて染色した結果を示したものである。(レーン1:サイズマーカー;レーン2:PTH;レーン3:PTH、mPEG(20K)-Hz-PTH(精製する前);レーン4: mPEG(20K)-Hz-PTH(精製した後)。
【図19】PTHとPEG―PTH接合体の試験管内での生物学的活性を比べたものである。
【図20】PTHとPEG―PTH接合体のラットでの半減期を比べたものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体適合性高分子と生物学的活性物質の1:1接合体、この製造方法及びこれを含む薬学組成物に関するものである。もう少し詳しくは、本発明は、生物学的活性物質のカルボキシル基部位に生体適合性高分子を1:1で特異的に結合させたこれらの接合体、この製造方法とこれを含む薬学組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にはペプタイドまたはタンパク質のような生物学的活性物質を医薬品に使用する場合は、体内で簡単に加水分解されたり、タンパク質分解酵素によって分解されて生体の吸収率が低くなったり、繰り返し投与によって免疫反応が誘導される問題点がある。このような理由で、大部分のタンパク質またはペプタイド薬物は、主に注射剤として投与され、投与回数は1日1回またはこの以上に投与されてきたが、このような薬物の頻繁な投与は、患者に苦痛と危険を伴って、特に長期的に治療を要する患者の場合には、日常生活に大きな支障をきたすので、時間的及び経済的に非効率的である。
【0003】
したがって、上記のような問題点を解決するより安定性ある薬物の開発が要求されて、これによってペプタイドまたはタンパク質のような生物学的活性物質を生体適合性高分子に修飾する技術が開発された。タンパク質または薬理活性を持つ分子を合成高分子と結合させるのは、生体内(in vivo) 及び生体外(in vitro) 適用時に大きな利点を提供することができる。例えば, 生理活性分子に対する高分子の共有結合は、分子の表面特性及び溶解性を変化させて、水または有機溶媒に対する溶解性を増加させることができ、また、生体適合性(biocompatibility)を増加させて免疫反応性を減少させて、生体内での安定性を増加させるだけでなく、腸管システム、腎臓、脾臓または肝によるクリアランス(clearance)を延長させることができる。
【0004】
このように目的するタンパク質やペプタイドなどの生物学的活性物質に、PEGなどの生体適合性高分子を結合させる場合、大きな長所があるが、今まで知られた技術として蛋白質またはペプタイドなどの生物学的活性物質に生体適合性高分子が結合された接合体を作る場合、解決しなければならない問題点が残っている。
【0005】
例えば、一番一般的な方法は、PEGがリシンのようなアミン基に結合するものであるが、大概の結合するタンパク質またはペプタイドの一つまたはこの以上の自由リシン残基は、タンパク質の活性部位に近接している場合が多くて、タンパク質の表面部位の中でタンパク質の活性と直接関係がある部位が PEGと結合する場合には、この部位はこれ以上生物学的機能ができなくなり、タンパク質の活性が減少することになる。また、 PEGとリシン残基の結合は、ずいぶん容易に起こる反応で、PEG-生物学的活性物質接合体は、2個以上のPEGが一つのタンパク質に修飾される。例えばインターフェロン、CSF、インターロイキンのようなサイトカイン類、EGF,hGH, インシュリンのようなポリペプタイドは2個以上のPEGが表面に修飾すると、活性が急激に減少されてこれ以上の役割ができなくなる。またこのような反応は大体無作為的に出るので、多くの種類の PEG-蛋白質接合体の混合物で存在し、よって望む接合体を純粋分離する過程が複雑で難しくなる。すなわち, あまりにも多くの活性重合体が標的タンパク質またはペプタイドに附着する場合、生物学的活性は顕著に減少されたり失われ、蛋白質に重合体を連結させる強力なリンカーが使われたり、不十分な量の重合体が標的につける場合、収得される接合体の治療学的価値がむしろ制限されたりする。
【0006】
このような問題点を乗り越えるための方案に多くの研究者たちが特定部位に生体高分子を結合するために、タンパク質のアミノ酸基を遺伝学的に変換して変換された部位に高分子を結合させる研究も多く試みている。しかしこのような方法は遺伝学的にタンパク質を変化することで、本来のタンパク質とは性質が変わったりして、治療用として人体内に投与するには安定性を証明すべき問題がある。
【0007】
化学的に生物学的活性物質の特定部位を生体高分子で修飾することによって、問題を解決しようとした試みの例として、アメリカ特許第5951974号及びアメリカ特許第5985263号では、インターフェロンのヒスチジン残基にPEGを共有結合させて、体内半減期を増加させるなど薬物の効能を増加させようとした。しかし, このような方法も相変らず活発なアミン基との反応なので、いろいろな部位のヒスチジンに無作為に高分子が接合されて PEGとインターフェロンが 1:1に接合された高活性 PEG - インターフェロンを分離するために、イオン-交換カラムを使わなければならなかった。また、PEGと結合するヒスチジンのイミダゾール基は、他のアミン基に比べて加水分解が容易に起こり、インターフェロンが PEG -インターフェロン接合体から容易に遊離される問題がある。
【0008】
アメリカ特許第5766897号では、生理活性巨大分子及び突然変異体システイン残基に活性化されたPEGを接合させて特定部位を修飾した。しかし、大部分のタンパク質は、1個程度の遊離システインを有したり、ジスルフィド結合を形成して余分のシステインを持てない場合がある。このような場合、突然変異過程を経って活性部位と関係ない残基をシステインに変化させた後、高分子を結合させている。このような方法は、特定部位に高分子が適合される長所はあるが、他の反応基、つまりアミン基やカルボキシル基のようなものに比べて活性がとても低くなる傾向がある。
【0009】
アメリカ特許第5985265号は、G-CSFとIFNのN-末端残基にPEGを修飾する特定部位接合体を開始した。しかし、この方法は、反応する高分子の活性部位がとても反応性が低くて、反応時間が非常に長くなって生成物の収率が低く、タンパク質の安定性を心配する。特に、このような方法は、タンパク質の活性部位が N-末端近所の場合は、高分子がN-末端のアミン基に接合されることによって、急激な活性低下または喪失を招くことになる。
【0010】
アメリカ特許第5824778号は、G-CSFのアミン基やカルボキシル基にPEGを結合した接合体について開始した。しかし、上記アメリカ特許では、タンパク質のカルボキシル基を活性化するために使われるEDACを過量に使用することによって、いろいろな残基のカルボキシル基が活性化されて、多数のPEGが結合され、収得された PEG-G-CSF接合体の分子量の測定結果、いろいろな分子量分布の不均質混合物形態に接合体が生成され、タンパク質活性が非常に低下された。 したがって、生物学的活性物質に生体適合性高分子を部位特異的に特定割合で結合させて、高分子が結合された後も、生物学的活性物質の生理活性が維持されて、ひいては、部位特異的に高分子を修飾したものが均質な形態に収得できたら、生物学的活性物質の臨床的応用に大きく寄与できるはずである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明者はアミン基よりは、反応性が低いカルボキシル基に1:1の特定割合で PEGが生物学的活性物質に結合された PEG-生物学的活性物質接合体を製造し、このような接合体が体内で結合されない(native)タンパク質に比べて非常に安定し、長い半減期を持っているので、治療剤としての効能が20倍以上増加して、また PEGがカルボキシル基に1:1を超えた割合で結合された接合体及び PEGがアミン基に結合された接合体より優れた特性を示すということを確認した。
【0012】
したがって本発明は、生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基に選択的に1:1の割合で結合されて、天然の生物学的活性物質が示す生理活性を維持しながらも、高分子の修飾によって、安定性と生体利用率及び体内半減期が増加された、生体適合性高分子 -生物学的活性物質接合体、その製造方法及び、これを含む薬学組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一様態として、本発明は、生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基の部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子 - 生物学的活性物質接合体に関するものである。
【0014】
一様態として本発明は、治療有効量の上記生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体及び薬学的に許容される担体を含む薬学組成物に関するものである。
【0015】
一様態として本発明は、生物学的活性物質、活性化された生体適合性高分子及びカルボキシル基カップリング化剤を, 生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比が 1:1乃至20、生物学的活性物質とカップリング化剤のモル比が 1:1乃至50、反応物のpHが2ないし5の反応条件下で結合させる段階を含むことを特徴とする生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基の部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法に関するものである。
【0016】
上記方法でカップリング化剤、例えば、EDACは水溶液で不安定によって加水分解されるので、一度に添加させるより数回、望ましくは5回以上、より望ましくは、5回または6回に分けて添加する。
【0017】
上記の方法によって、生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基に1:1の割合で結合された接合体が得られる。つまり、本発明は、反応性グループとして活性化させた高分子修飾物質を生物学的活性物質のカルボキシル基の部位のみ実質的に1:1の割合で選択的に結合させることによって、生物学的活性物質の生物学的活性に関与する部位への結合による活性部位の遮断と、これによる生物学的活性物質の活性喪失または減少などの問題を防止して、活性部位の多数の反応性残基との無作為結合によるいろいろな種類の不均質接合体の混合物形成を避けて、1:1割合の生体適合性高分子・生物学的活性物質の接合体を収得できるようにする。それに本発明の接合体は、生体適合性高分子が付与する多くの特性によって生体内の安定性が増加して、それによる生体利用率と、生体半減期が増加される利点がある。したがって均質な生体適合性高分子・生物学的活性物接合体の生産によって不均質混合物が生成される従来技術に比べて、生産経費及び時間が短縮されて経済的である。
【0018】
国際公開公報WO92/16555号は、PEG - ヒドラジド(Hz)または、アミノ酸残基をスペースで使った PEG-ヒドラジをオボアルブミンの部位やカルボキシル基に結合させることを開始したが、上記特許は、生物学的活性物質に多数の PEGが結合されることについてだけ記述しているだけであり、1:1割合の生体適合性高分子と生物学的活性物質の接合体の製造及びこの活性については言及がない。
【0019】
また、アメリカ特許、第5824779号でも G-CSFのカルボキシル基に PEGを結合することについて記述しているが、このような方法で導出された接合体は、アスパラギン酸または、グルタミン酸のガンマカルボキシル・グループに無作為にいくつかの PEGが結合されて、タンパク質の活性低下の主な要因になって来た。
【0020】
一般的にアミノ酸のpKaによる反応性を利用して部位特異的に反応させるが、特定部位に結合される高分子の数を調節することが難しいので、実質的に応用するには問題が多かった。
【0021】
反応物のpHを7ないし8にしてアミン基に反応させる時、 リシン残基といっしょにヒスチジン残基にも同時に無作為に反応して、pHを6ないし6.5 に下げて反応すると、PEGがリシン残基よりヒスチジン残基と反応(アメリカ特許、第5951974号及びアメリカ特許、第5985263号)することが報告された。このような背景下で本発明者は上記のように接合体の方法で反応たちの反応pHを3以下に調節する場合、PEGが生物学的活性物質のカルボキシル基, 特にC-末端で 1:1 結合するということを明かにした。
【0022】
したがって、一様態として本発明は、生体適合性高分子が生物学的活性物質のC-末端部位で生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体に関するものである。
【0023】
また他の様態として本発明は、治療有効量の上記のようなC-末端で 1:1結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体及び薬学的に許容される担体を含む薬学組成物に関するものである。
【0024】
また他の様態として本発明は、生物学的活性物質、活性化された生体適合性高分子及びカルボキシル基カップリング剤を, 生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比が 1:1乃至20、生物学的活性物質とカップリング剤のモル比が 1:1乃至50、反応物のpHが2ないし3の反応条件下で結合させる段階を含むことを特徴とする生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基の部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法に関するものである。
【0025】
生体適合性高分子
本発明で生物学的活性物質の修飾に使われる「修飾物質」とは、天然あるいは人工合成高分子物質など、生物学的活性物質に付加できる人体に有用なすべての生体適合性高分子を総称する。
【0026】
本願で用いる「生体適合性」とは用語は生体毒性反応、炎症反応、免疫反応、発癌性などを誘発する可能性が無く、生体に無毒無害で免疫学的拒否反応を起こさず、生体組織と生体システムと良い親和性で両立できる能力を言う。
【0027】
生物学的活性物質と結合して接合体を形成することは生体適合性高分子である。本発明に使える体に有用な生体適合性高分子物質にはいろいろな溶媒に容易に溶解し、水平均分子量が望ましくは、約 300 ダルトン乃至約 100,000ダルトン、もっと望ましくは、約 2,000 ダルトン乃至約 40,000 ダルトンである生体適合性高分子として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレングリコール, ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L―リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル ピロリドン、ポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性高分子物質が含んで、これに限定されない。
【0028】
本発明の生体適合性高分子では線形高分子だけでなく、下記のような高分子が含まれるものと思われる。本発明の生体適合性高分子では文献(アメリカ特許第5643575号及びアメリカ特許、第5919455号)に記載されたように、脂肪族連結残基によって求核置換が行える活性化作用基に結合された水溶性、非抗原性高分子が含まれる。また、本発明の生体適合性高分子では文献(アメリカ特許第5932462号)に記載されたように、中心炭素原子に高分子アーム(arm)をそれぞれ持つ二つのリンカー断片、タンパク質などのような生物学的活性分子に附着できるように活性化できる残基、及び水素またはメチル基とか、また他のリンカー断片の測鎖を持つ多重−アーム(armed)、一作用性及び加水分解安定性高分子が含まれる。また本発明の生体適合性高分子には文献(WO 第00/33881号)に記載したように、PEGなどの作用性残基がリポーター残基を持つリンカーアームによって、生物学的活性分子に結合されている枝がついた PEGの重合体が含まれる。
【0029】
この中でも PEGは本発明の生体適合性高分子の代表的な物質中の一つである.。PEGはHO-(-CH2 CH2O-)-Hの繰り返しの構造を持つ水溶性、無毒性の高分子として、生物学的半減期(Plasma half-life)の増加、溶解度及び安定性の増加、免疫原性の減少効果があると知られている。ペプタイドまたはタンパク質などの生物学的活性物質に結合されるPEGの分子量の範囲は、おおよそ1,000乃至 100,000であり、PEGの分子量が 1,000以上の場合、毒性は非常に低いといわれている。分子量の範囲 1,000ないし 6,000のPEGは全身に分布して、腎臓によって排出され、特に分子量 40,000の測鎖型 PEGは、血液と肝を含む器官によって分布されて、排出は肝から行われる。
【0030】
商業的に利用可能な分子量の範囲が多様であり、 オキシエチレン骨格が各単位当たり水分子が2-3個が結合可能な新水性を持っていて、メトキシ・ポリエチレングリコールから単一作用基を持つ誘導体を合成することが容易であり、抗原, 抗体反応を誘発する危険が低く、関連技術も多く開発されているので、生体適合性高分子の修飾物質にはPEGが一番望ましい。
【0031】
生物学的活性物質
本願で使われる用語「物学学的活性物質」は、活性化された生体適合性高分子と結合されるすべての求核体を意味して、接合体を形成した後、固有活性の少なくとも一部分は維持される。本願で「生物学的活性」という用語は、生理学的または、薬物学的活性に限定されるのではない。例えば、酵素を含んだような一部求核体接合体は、有機溶媒で反応を触媒できる。同じようにコンカナバリンA、免疫グロブリンなどのようタンパク質を含んだ一部高分子接合体は、また実験室診断体として有用する。一般的に、生物学的活性物質には、再結合または化学的に合成されたものとか天然から分離したすべてを含んで、タンパク質、ペブタイド、ポリペブタイド、酵素、医学物質、遺伝子、プラスミドまたは、有機残基が含まれる。
【0032】
タンパク質、ペブタイド及びポリペブタイドには、これに限定されるのではないが、ヘモグロビン, 血清タンパク質(例、 因子 VII、VIII及びIXを含んだ血液因子)、免疫グロブリン、サイトカイン(例、インターロイキン)、α-、β-及びγ- インターフェロン、コロニー刺激因子(G-CSF 及び GM-CSF含み)、血小板誘導された成長因子(PDGF)、ホスホリパーゼー活性化タンパク質(PLAP)、副甲状腺ホルモン(PTH) などが含まれる。 他の一般的な生物学的または、治療学的タンパク質にはインシュリン、植物性タンパク質(例、レクチン及びリシン)、腫瘍壊死因子(TNF) 及び連関された対立形質(アレル)、成長因子(例、TGFαまたはTGFβのような組織成長因子及び内皮成長因子)、ホルモン(例、小嚢-刺激ホルモン、甲状腺-刺激ホルモン、抗利尿ホルモン、色素性ホルモン、黄体ホルモン、分泌ホルモン及びこの誘導体)、カルシトニン 、カルシトニン 遺伝子関連ペプチッド(calcitonin gene related peptide,CGRP)、合成エンケファリン (enkephalin)、ソマトメジン、エリスロポイエチン(EPO)、視床下部分泌因子、プロラクチン、絨毛膜、生殖腺刺激ホルモン、組織プラスミノーゲン活性化剤、成長ホルモン分泌ペブタイド(growh borrn releasing peptide, GHRP)、胸腺体液性因子(thymic humrral factor, THF)などが含まれる。免疫グロブリンにはIgG,IgE,IgM,IgA,IgD及びこれらの断片が含む。
【0033】
特に、低分子量のインターフェロン G-CSFなどの場合、2個以上の生体適合性高分子がこれらポリペプタイドに結合されると、生物学的活性が非常に低下される。反応性が高いアミン基に高分子を結合すると、2個以上の高分子が結合されて、このような接合体の中で1:1接合体を分離することが容易ではない。しかし、本発明によって1:1 割合の生体適合性高分子 ―インターフェロン または G-CSF 接合体を選択的に製造でき、このような接合体は高い生物学的活性、半減期が延長されるなど、優れた生体利用率を示した。また、本発明の生物学的活性物質は、生体内に生活性(bioactivity)を見せるポリペプタイドの一部を含む。この例としては、アミノ酸序列、アンチセンス残基など, 抗体断片、 一本鎖(単一鎖)結合抗原(参照:アメリカ特許、第4,946,778号)抗体または断片の融合体(シンシチウム)含んだ結合分子、ポリクローナル 抗体、モノクローナル抗体、触媒性抗体、ヌクレオチド及び オリゴヌクレオチドが含まれる。
【0034】
また, 本発明の生物学的活性物質は、酵素を含む。このような酵素の例としては、炭水化物-特異的酵素、蛋白質分解酵素、酸化還元酵素、トランスフェラーゼヒ、ヒドロラーゼ、リアアセ、イソマラーゼ及びリガゼが含まれる。具体的な酵素にはこれに限定するのではないが、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ及び、ビリルビン・オキシダーゼを上げられる。炭水化物-特異的酵素の例には、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコセレブロシダーゼ、グルコウロニダーゼなどが含まれる。
【0035】
前述したことは、本発明の生体適合性高分子と結合するために適当な生物学的活性求核体の例である。上記で特定的には言及されなかったが、適当な求核性基を有する生物学的活性物質も本発明の範囲に含まれることを認識しなければならない。本発明の目的上、生物学的活性物質は高分子修飾のために 遊離されたカルボキシル基の部位を持っていなければならないのである。
【0036】
本発明の接合体は、生物学的として活性的で、いろいろな治療用途に適用される。治療を要する哺乳動物は、目的する生物学的活性物質を含んだ治療有効量の高分子接合体を、その動物に投与することによって治療できる。
【0037】
生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法
一般的に、生物学的活性接合体の製造において、生体適合性高分子を生物学的活性物質に結合させるために、末端グループの中で一つを反応性作用基で転換させるが、この過程を「活性化」と言って、この過程による産物を「活性化された生体適合性高分子」と言う。例えば、ポリアルキレンオキシド(POLY(ALKYLENE OXIDES)をペプタイドまたはタンパク質に結合させるために、ヒドロキシル末端グループの中で一つを、カルボナート(carbonate)のような反応性作用基で転換させることができるし、これによって収得された産物は室温で水溶性である活性化されたポリアルキレンオキシド(POLY(ALKYLENE OXIDES)(PAO)になる。このようなグループには mPEGのような一置換ポリアルキレンオキシド誘導体またはC1-4 末端グループを含むもののような他の適当なアルキル-置換 PAO誘導体がある。
【0038】
本願で使われる「反応性作用基」とは、目的する生物学的活性物質と結合するために、生体適合性高分子を活性化するグループまたは残基を言うのである。
【0039】
本発明に使用できる「反応性作用基」は、1級アミン、または、Hydra Gene及びヒドラジド作用基(アシルヒドラジド、カルバメート、セミ−カルバメート 、 チオカルバメートなど)のように、カルボキシル酸及び、反応性カルボニル基と反応できる作用基の中で選択できる。
【0040】
本願でまた使われるカルボキシル基のカップリング化剤(以下、カップリング化剤)は、上記反応性作用基で活性化された生体適合性高分子と結合されるタンパク質などの生理活性物質のカルボキシル基をカップリング化させる製剤を意味する。
【0041】
本発明で使えるカルボキシル基のカップリング化剤は、これで制限されるのではないが、カルボジイミド系、カップリング化剤、例えば、EDAC「N−(3―ジメチルアミノプロピル)―N−エチルカルボジイミド、ヒドロクロリド」、DIC「1,3―ジイソプロピル・カルボジイミド」、DCC「dicychlorohexyl カルボジイミド」、及びEDC「1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)− カルボジイミド」などを含む。望ましいカルボキシル基のカップリング化剤はEDACである。
【0042】
生物学的活性接合体の製造方法は、目的する生物学的活性物質の固有活性の中で少なくとも、一部を維持しながら結合されるのに十分な条件の下で上記活性化された生体適合性高分子と置換反応ができる求核体を含んだ生物学的活性物質を接触させる段階を含む。
【0043】
生物学的活性物質に1:1割合で結合された生体適合性高分子は、化学量論過量の高分子を生物学的活性物質と反応させて収得することができる。例えば、 タンパク質-高分子、ペプタイド-高分子、酵素-高分子、抗体-高分子、及び薬物-高分子接合体の製造時、生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比は、約1:1ないし1:20であり、より望ましくは1:1ないし 1:10である。また生物学的活性物質のカルボキシル基を活性化させるのに使われる物質には次の例に限定されるのではないが、次のグループの中で選択して使用できる。例えば、 N−(3―ジメチルアミノプロピル)―N−エチルカルボジイミド、ヒドロクロリド(EDAC)、3−「2−モルホリニル−(4)−エチル」カルボジイミドのような水溶性カルボジイミド・グループ、p−トルエン・スルホナート、woodward's試薬Kのような5−置換イソオキサゾール・ニウム塩などがある。
【0044】
本発明でカルボキシル基に修飾された生体適合性高分子-生物学的活性物質接合体の製造時使われたEDACは、生物学的活性物質対、EDACのモル比が約 1:1ないし 1:50であり、より望ましくは、1:1ないし 1:30であることが望ましくて、1:1ないし 1:20が一番望ましい。しかし、EDACが溶液状態に存在する時、迅速に加水分解される傾向があるので、一度に20倍の EDACを添加すると、反応性が非常に低くなるので、5回以上、望ましくは5ないし6回で分けて添加する時、PEG-生物学的活性物質接合体の形成が増加する。
【0045】
生物学的活性物質は緩衝作用をする水溶性反応媒質でpHに依存的に活性化された高分子と反応できる。一般的に、タンパク質・ポリペプタイド物質を考慮する時、反応時、pHは約2ないし約5であり、 望ましくは、約 2.5ないし4.5である。この物質の安定化及び反応効率のための最適の反応条件は当業者によく知られている。望ましい温度の範囲は、0ないし60℃で、より望ましくは、4ないし30℃である。反応媒質の温度は、ペプタイドまたは、タンパク質などの生物学的活性物質が変性されたり、または分解できる温度を超えてはいけない。反応時間は、10分ないし5時間にすることが望ましい。 形成された生物学的活性接合体は、カラム・クロマトグラフィ、透析濾過(ダイアフィルトレーション)または上記方法などを組み合わせて使うことによって、回収して精製することができる。
【0046】
薬学組成物
本発明は、また治療有効量の本発明の活性化された生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体を活性成分に含む薬学組成物に関するものである。
【0047】
本願で、薬学的に許容される」という用語は、人間に投与時にアレルギー反応またはこれと類似の扱いにくい反応を起こさない分子または組成物を称えるために使われる。
【0048】
本発明の薬学組成物に使われる活性成分として、生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体は、そのものが予防及び治療剤として使用したり、薬学的に許容される担体と混合して剤形された形態で使用できる。
【0049】
用語「薬学的に許容される担体」は、身体の一器官または部分から、身体の他の器官または部分として活性成分を運ぶ役割をする液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤または溶媒のような薬学的に許容される物質、組成物またはビヒクル(媒介体)を意味する。本発明の薬学組成物は経口、局所、注射または、非経口経路によって投与できるし、これらの剤形は一般的に活性成分として、本発明の生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体を治療有効量に含む。
【0050】
本発明による経口投与用製剤は例えば、丸剤、精製、コーティング錠、酸剤、顆粒、troches、ウエハース、elixirs、硬膜及び軟膜ゼラチン・カプセル、溶液、シロップ、エマルション、懸濁剤、噴霧混合剤などの形態で投与できるし、非経口投与用製剤には、例えば、注射液、マイクロカプセル、経皮剤などが含まれる。
【0051】
薬学製剤は薬学的に許容される不活性無機または、有機賦形剤を使用する公知の方法で製造できる。例えば、丸剤、精製、コーティング錠、硬膜ゼラチン・カプセルなどを製造するために、ラクトースまたはとうもろこし澱粉または、この誘導体, 滑石, ステアリン酸またはこの塩などを使うことができる。 軟膜ゼラチン・カプセル及び坐剤に対する賦形剤には, 例えば脂肪、ワックス、半固形及び液体ポリオール、天然または固形化オイルなどがある。溶液及びシロップの製造に使われる適当な賦形剤は、例えば,水、スクロース、転化糖、グルコース、ポリオールなどがある。注射液の製造に適当な賦形剤には水、 アルコール、グリセロール、ポリオール、植物性オイルなどがある。注射剤はまたは保存剤、無痛化剤、可溶化剤及び安定剤を混合して使える。局所投与用製剤の場合には、ガス、賦形剤、潤滑剤及び保存剤などを混合して製造することができる。マイクロカプセルまたは、移植剤に対する適当な賦形剤には、共重合体またはグリコール酸及び乳酸がある。
【0052】
本発明による生体適合性高分子−生物学的活性物質 接合体の投与容量は、体内で活性成分の吸収度、溶解度、患者の年齢、性別、状態及び治療する疾患の軽重によって適当に選択できる。特に、本発明による生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体の投与は、既存の1日1回ないし数回または2日1回である治療用注射剤を1週1回または2週1回の投与回数を大きく減らして、頻繁な投与による薬物毒性及び副作用を減らすことができる。
【0053】
以下、下記の実施例によって本発明は、もう少し詳しく説明する。しかし、これらの実施例は、本発明の単なる例示にすぎず、これで本発明が制限されない。
【0054】
実施例
1.生物学的活性物質のカルボキシル基によって結合された生体適合性高分子−生物活性物質接合体の製造
【実施例1】
【0055】
mPEG(12000)-Hz-G-CSF 接合体の製造
1 mgの G-CSF 溶液(0.00005mmol、(株)東亜製薬 LEUCOSTIMを 50mM MES 緩衝溶液(pH 3.0)で 透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を2mg/mlに維持させた。ここで、6.6mgのmPEG(12000)-Hz(イス化学韓国,0.0005mmol)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後,2μl(0.001mmol, 20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないG-CSFと、過量の試薬は大きさの排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(12000)-Hz− G-CSF接合体が収得された。また、 G-CSFについてEDAC量を20倍乃至200倍に変化させて、mPEG(12000)-Hzを10倍ないし20倍で使って、上記の方法で進めた。EDACの量を50倍超過で使用する時は、2個以上のmPEG(12000)-Hzが G-CSFのカルボキシル基に結合された。
【実施例2】
【0056】
mPEG(5000)-Hz-G-CSF 接合体の製造
1 mgの G-CSF 溶液(0.00005mmol)を 50mMのMES 緩衝溶液(pH 3.0)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を5mg/mlに維持させた。ここで、1.3mgのmPEG(5000)-Hz(イス化学韓国,0.00025mmol)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、2μl(0.001mmol、20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないG-CSFと、過量の試薬は大きさの排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(5000)-Hz−G-CSF接合体が収得された。図1にmPEG(5000)-Hz−G-CSF接合体の反応程度をSDS−PAGE及びHPLC(大きさ排除、カラム・クロマトグラフィ)で示した。
【実施例3】
【0057】
mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体の製造
1 mgの G-CSF 溶液(0.00005mmol)を 50mMのMES 緩衝溶液(pH 3.0)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を5mg/mlに維持させた。ここで、5mgのmPEG(20000)-Hz(イス化学韓国,0.00025mmol)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、2μl(0.001mmol、20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないG-CSFと、過量の試薬は大きさの排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(20000)-Hz−G-CSF接合体が収得された。図2にmPEG(20000)-Hz−G-CSF接合体の反応程度をSDS−PAGEで示した。
【実施例4】
【0058】
mPEG(5000)-Hz-IFN 接合体の製造
それぞれ 200μgのIFN 溶液(0.00001mmol)、(株)ノッシッジャ(GREEN-ALPHA)を含む4個のチューブを50mM MES緩衝溶液(pH3.0)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を1mg/mlに維持させた。各反応チューブに2.16mgのmPEG(5000)-Hzを加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、0.8μl(40倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないIFNと、過量の試薬は大きさ−排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。図3は1:1でmPEG(5000)-HzがIFNに結合された接合体をSDS−PAGEで示したものである。
【実施例5】
【0059】
mPEG(12000)-Hz-IFN 接合体の製造
1mgのIFN溶液(0.00005mmol)を50mM MES緩衝溶液(pH3.0)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を1mg/mlに維持させた。ここで、6.6mgのmPEG(12000)-Hzを加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、2μl(0.001mmol,20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないIFNと、過量の試薬は大きさ排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(12000)-Hz−インターフェロン接合体が収得された。
【実施例6】
【0060】
mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体の製造
それぞれ 200μgのIFN 溶液(0.00001mmol)を含む4個のチューブを50mM MES緩衝溶液(pH4.4)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を2mg/mlに維持させた。各反応チューブに4.32mgのmPEG(20000)-Hz(0.0002 mmmol,梨樹化学韓国)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、上記のチューブに1μl(50倍)または4μl(200倍)を加えた。また、この時、結合を促すために30倍のスルホ−NHSを添加して反応程度を比べた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応条件は下の表1に詳しく示した。反応しないIFNと、過量の試薬は大きさ−排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。上記の反応程度をSDS−PAGEで分析した。
【表1】
【0061】
分析結果、EDACを200倍入れた反応は、PEGがIFNのカルボキシル基に結合されるが、非常に多いPEGが結合されて、お互いにまったく分離されていなかったので、正確なPEG個数を把握することが難しかった。また、50倍のEDACを入れた場合にも反応は進行するが、Gel上であまりにも広がっているので、1:1 PEG−IFN接合体を区別することが難しかった。結合を促進するためにスルホ−NHSを添加した場合は、添加しないで反応することとほとんど差がなかった(図4)。
【0062】
また、EDACを何度も分けて添加した時の反応程度を観測するために、下の表2のような反応条件で反応させた。
【表2】
【0063】
分析結果、EDACを何度もかけて添加した時、1:1に結合された mPEG-Hz-IFN 接合体が多く生成されることを分かる(図5)。
【0064】
EDACを分けて添加してもEDAC量が50倍を超える時は、2個以上のPEGが無作為にIFNに結合されることを示した(図5)。
【実施例7】
【0065】
mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体の製造
1mgのIFN溶液(0.00005mmol)を50mM MES緩衝溶液(pH2.5)で透析濾過(Centricon-10, Amicon, USA)して、濃度を5mg/mlに維持させた。ここで、10.8mgのmPEG(20000)-Hz (0.0005mmol,10倍)を加えた。2mgのEDACをd-H2O 20μlに溶解させた後、2μl(0.001mmol,20倍)を加えた。室温で1時間の間、撹拌下で反応を進行させた。反応しないIFNと、過量の試薬は大きさ排除、カラムまたはイオン交換カラムで除去した。0.3mg以上のmPEG(20000)-Hz−インターフェロン接合体が収得された。
【実施例8】
【0066】
1:1 結合された mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体の分離精製
mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体(実施例 6)を1mg/ml濃度になるように, 10mM ナトリウム・アセテート(pH4.4)に希釈した。mPEG(20000)-Hz-IFN 反応物を、既に10 mM アセテート緩衝液(pH4.4)に平衡化された SP-sepharose Fast Flow カラム(5 x 50mm, 総 1 ml カラム容積)にローディングした。3 カラム容積の10mM アセテート緩衝液(pH4.4)で洗浄した。そうしてから、500mM NaCLを含む10mM アセテート緩衝液(pH4.4)に勾配方法で湧出しながら反応しない完全であるが、IFNと mPEG(20000)-Hz-IFNを分離精製した。この時、分離した mPEG(20000)-Hz-IFNは、PEG1個が IFNのカルボキシル基に結合した接合体であり、SDS-PAGEで確認された(図6)。
【実施例9】
【0067】
PEG-G-CSF 接合体の生物学的活性測定
細胞変性分析(CPE 分析)を次のような方法で行った。60mmディッシュに細胞(M-NFS-60)を 2.5×106 細胞 (5×105細胞/ml)で 2次培養した(RPMI-1640 培地、10% FBS, 37℃, 5% CO2) 天然 G-CSF (対照群 1) 及び mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体 (実施例 3)をそれぞれ 1ng/μlの濃度に希釈して、細胞数が 1×104である96-ウェル・プレートに処理して連続希釈 (serial dilution)した。次いで、37℃で2日間培養した後、50μlのXTTキット(Roche, ドイツ)を処理して37℃で培養した。4時間後、プレートの発色程度を490nmで ELISA 読取機で分析した。分析結果、本発明のmPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体の生物学的活性は、高分子がアミン基によって結合された接合体である mPEG(20000)-G-CSF接合体と類似したものであった(図7)。
【実施例10】
【0068】
PEG-G-CSF 接合体の半減期測定
7週齢のネズミ(各群 5匹ずつ)をケタミン/Rompunで麻酔した後、手術して大静脈にPE チューブを挿入する. 麻酔から回復した後, 静脈によってmPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体(実施例 3) 100μl/kgを投与した。対照群には PBSのみ投与して接合されない G-CSF 100ul/kgを同じ方法で投与して比べた。
【0069】
投与後 0, 0.5, 1, 2, 4, 6, 12, 24, 48時間にあらかじめ挿入されたカニュラー で血液を300μlずつ採血した。遠心分離 (13,000rpm, 10min, 4℃)で血清を分離して検定に使用するまで−20℃に保管した。 G-CSFフリーで細胞を24時間の間インキュベーションした後、96ウェル・プレートに1.5×104個の細胞株を分離した。各時間帯別血清を 1/100倍希釈して50μl処理して、37℃で48時間の間 CO2下にインキュベーションした。そうした後、XTT試薬を各ウェルに処理した後、 37℃で4時間の間インキュベーションした後、490mmで ELISA読取機でO.D.を測定した。
【0070】
図8は mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体(実施例 3)の半減期を天然 G-CSF及び比較品であるNeulasta(登録商標)(Amgen, N-末端にPEGが接合された PEG-G-CSF)と比較したものである。天然G−CSFに比べて格段に長期間の体内活性を示して比較品とは類似した程度の半減期を示すことが分かる。
【実施例11】
【0071】
PEG-G-CSF 接合体の白血球(WBC) 測定
7週齢 雄Sprague-Dawley ネズミ(体重 220-240g、Charles River Co, Atsugi, Japan)で購入して使った。mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体(実施例 3)を 100μg/kgの濃度でネズミのしっぽ静脈に注射し、対照区は生理食塩水を薬物投与量と同じ量で注射した。また、同じ量の G-CSFが対照区に使われた。採血は薬物投与前、投与後 6, 12, 24, 48, 72、96時間にしっぽ静脈によって採血し、WBC測定は採血後、直ちに自動化された血液分析器(Automated Hematology Analyzer, Cysmex K-4500)で WBCを測定した。この結果は図9に示している。mPEG(20000)-Hz-G-CSF 接合体は、結合されないG-CSF及び比較品であるNeulasta(登録商標)より高いWBCを示した。
【実施例12】
【0072】
PEG-IFN 接合体の生物学的活性測定
MDBK 細胞を血球計(hemocytometer)で計数し、5% FBS/MEMで 7.5×105 細胞/Ml濃度で希釈して懸濁させた。それぞれのウェルに培地(5%FBS/MEM)100μlを入れて mPEG(12000)-Hz-IFN 接合体(実施例 5)をそれぞれ 100 IU(1mg/ml=2X108IU)の濃度で希釈してそれぞれの一番目ウェルに 100μlずつを入れた後、連続希釈した。次いで、それぞれのウェルに細胞懸濁液を100μlずつ入れて、培養基で20時間の間培養させた。水泡性口内炎ウイルス(Vesicular Stomatitis Virus:VSV, ATCC VR-158)を100倍希釈して100μlずつ加えた後、また培養基で20時間の間培養させた。96-ウェルプレートの水泡性口内炎ウイルス(VSV、ATCC VR-158)培地溶液を除去した後、0.05%クリスタルバイオレット染色液をウェル当たり50μlずつ入れてマイクロプレート読取機の波長 550nmで各ウェルに対するO.Dを測定して、IFNの活性を計算した。mPEG(12000)-Hz-IFN 接合体(実施例5)の活性は、天然 IFNに比べて 40-50%の活性を持って比較品である PEG-IFN 接合体(アミン基にPEGが接合された製品、Schering-Ploughで開発した FDA承認医薬品)と類似の活性程度を示した(図10)。
【0073】
同じように、mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体(実施例6)で実施し、この活性は天然 IFNに比べて40%程度の活性を持つことが分かった(図11)。
【0074】
また,、Di-mPEG-Hz-IFN 接合体と Mono-mPEG-Hz-IFN 接合体の CPE 検定で生物学的活性を比べた結果、PEGとIFNの1:1 接合体である Mono- mPEG-Hz-IFNが高い生物学的活性を示した(図12)。
【実施例13】
【0075】
PEG-IFN 接合体の半減期測定
MDBK 細胞を血球計(hemocytometer)で計数し、5% FBS/MEMで 7.5×105 細胞/Ml濃度で希釈して懸濁させた。細胞懸濁液を100μlずつ 96-ウェルプレートの各ウェルに入れて, mPEG(20000)-Hz-IFN 接合体(実施例 6)をネズミに静脈投与した後、採血して収得した血清サンプルの50倍希釈液 100μlずつ入れた後、培養基で20時間の間培養させた。 水泡性口内炎ウイルス(VSV AYCC VR-158)を 100倍希釈させて 100μlずつ加えた後, また培養基で 20時間の間培養させた。水泡性口内炎ウイルス(VSV,ATCC VR-158)を100希釈させて100μlずつ加えた後、また培養基で20人間の間培養させた。96−ウェルプレートの水泡性口内炎ウイルス(VSV,ATCC VR-158)培地溶液を除去した後、0.05%クリスタルバイオレット染色液をウェル当たり50μlずつ入れてマイクロプレート読取機の波長 550nmで各ウェルに対するO.Dを測定してIFN半減期を測定した。
【0076】
図13はカルボキシル基に修飾された mPEG(20000)Hz-IFN 接合体 (実施例 6)の半減期を示して、天然 IFN及び比較品であるPEG−IFN接合体と比べたものである。 天然IFNに比べて格段に長期間の体内活性を示して、比較品に比べても長い半減期を示した。
【実施例14】
【0077】
PEG-IFN 接合体の安定性測定
実施例6の方法で製造して分離精製された mPEG(20000)-Hz-IFNと、IFNのアミン基に PEGを結合した PEG-IFN (Nektarで購入した branched PEG(10K)2NHSを使用して、一般的に知られた方法で製造して大きさ排除カラムでmono- PEG-IFNのみを分離精製)を1mg/ml濃度でPBS溶液に4℃で冷蔵保管後、SDS−PAGEに完全にIFNが離れるかどうか測定することで、PEG-IFNの安定性を観察した。アミン基に結合された PEG-IFNは2週程度が経過して、約14%程度の完全な IFNが離れることが観察された。しかし、IFNのカルボキシル基に PEGが結合された mPEG-Hz-IFNは6ヶ月程度が過ぎた時に離れることが観察されなかった(図14)。
【実施例15】
【0078】
mPEG(5000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン PTH(0.000119mmol, 1-84aa,(株)東国製鋼と3.0mgの活性化された mPEG(5000)-Hz(0.0006mmol、梨樹化学韓国)を pH4.4の 50mM MES(2-(N-ドプロノ)エタンスルホン酸)緩衝溶液 0.5mlに加えて室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造された EDAC 2.5μl(0.00125mmol, 10倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた. 反応しない mPEG(5000)-Hzと、PTHをセントリコン-10(Centricon-10; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.4mgのmPEG-Hz(5000)-PTHを収得した。
【実施例16】
【0079】
mPEG(12000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン (0.00012mmol)と7.14mgの活性化された mPEG(12000)-Hz(0.0006mmol、5倍、梨樹化学韓国)を pH4.4の 50mM MES 緩衝溶液 0.5mlに加えて、室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造された EDAC 2.5μl(0.00125mmol, 10倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた. 反応しない mPEG(12000)-Hzと、PTHをセントリコン-10(Centricon-10; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.3mgのmPEG(12000)-Hz-PTHを収得した。
【実施例17】
【0080】
mPEG(20000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン (0.00012mmol)と12mgの活性化された mPEG(20000)-Hz(0.0006mmol、5倍)を pH4.4の 50mM MES 緩衝溶液 0.5mlに加えて、室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造された EDAC 2.5μl(0.00125mmol, 10倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた。反応しない mPEG(20000)-Hzと、PTHをセントリコン-30(Centricon-30; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.3mgのmPEG(20000)-Hz-PTHを収得した。
【実施例18】
【0081】
mPEG(12000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン (0.00012mmol)と14.4mgの活性化された mPEG(12000)-Hz(0.0012mmol、10倍、梨樹化学韓国)を pH2.5の 50mM MES 緩衝溶液 0.5mlに加えて、室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造された EDAC 5μl(0.0025mmol, 20倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた. 反応しない mPEG(12000)-Hzと、PTHをセントリコン-10(Centricon-10; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.2mgのmPEG(12000)-Hz-PTHを収得した。
【実施例19】
【0082】
mPEG(20000)-Hz-PTH 接合体の製造
1mgの人間の副甲状腺 ホルモン (0.00012mmol)と24mgの活性化された mPEG(20000)-Hz(0.0012mmol、10倍)を pH2.5の 50mM MES 緩衝溶液 0.5mlに加えて、室温で10分間撹拌した。100μg/μlの濃度であらかじめ製造されたEDAC 5μl(0.0025mmol, 20倍)を加えて、室温で1時間の間反応させた。反応しない mPEG(20000)-Hzと、PTHをセントリコン-10(Centricon-10; Amicon, USA)を使用して多量に除去することによって、0.2mgのmPEG(20000)-Hz-PTHを収得した。
【実施例20】
【0083】
mPEG-Hz-PTH 接合体の分析
上記、実施例で収得された PEG-PTH 接合体、PTHを下記HPLC条件によって測定した(表3)。
【0084】
1.HPLC条件
カラム:LiChroCART 125-4 RP-8 (5μm) (MERK)
溶媒:A:脱イオン水 B:アセトニトリル ; 勾配
流速 :0.8ml/min
検出器(UV):220nm
注入量:20μl。
【表3】
【0085】
HPLCカラムに使われた LiChroCART 125-4 RP-8 (5μm)は、いかなるPEGもクロマトグラフ上で検出されず、ただPTHまたは他の蛋白質のみ検出される。
【0086】
PTHのHPLC上での滞留時間(RT値)を測定した。高分子誘導体によって修飾されないPTHをHPLC行った結果、おおよそ6.8分を頂点にPTHのピークが急激に減少した後、18分程度まで徐々に増加した後、減少することが分かる(図15)。
【0087】
上記実施例で製造された mPEG-Hz-PTH生成物は上記表3の番号1及び2に当たる濃度勾配で修飾されないPTH(6.8分台)及びPEG−PTH(7.3分台)のピークが検出された。
【0088】
MPEG(20000)-Hzで修飾反応終了直後、精製前3種類になっている修飾反応混合物(未反応PTH、mPEG(20000)-Hz-PTH, mPEG(20000)-Hz)が存在するが、未反応 mPEG(20000)-HzはHPLCで検出されず2種類(未反応PTH、mPEG(20000)-Hz-PTH)のみ検出されたことを分かる(図16)、mPEG(20000)-Hz-PTHが最終精製された時のクロマトグラフを図17に、mPEG(20000)-HzとPTHを反応させ、SDS−SPACを行った後、Coomassie blueにて染色した結果を図18に各々示した。
【実施例21】
【0089】
mPEG-Hz-PTH接合体の試験管内、生物学的活性測定
PEG分子量による生物学的活性を測定するために分子量が5000(5K), 12000(12K), 20000(20K)の活性化されたmPEG-Hzを使用し、活性測定はUMR-106細胞株を利用してcAMP 分析キット(Amersham Phannacia, RPN 225)でcAMP量の増加を測定することによって天然 PTH, mPEG(5000)-Hz-PTH, mPEG(12000)-Hz-PTH, mPEG(20000)-Hz-PTHの試験管内、生物学的活性を比較測定した。mPEG-Hz-PTHの活性は、PEGの分子量が大きければ減少する傾向を示し、10-8molで比較した時、修飾されないPTHに比べて、mPEG(5000)-Hz-PTH, mPEG(12000)-Hz-PTH, mPEG(20000)-Hz-PTHの生物学的活性がそれぞれ、40%, 30%, 20%程度の活性を持っていることが分かった(図19)。
【実施例22】
【0090】
mPEG-Hz-PTH 接合体の生体内、半減期測定
修飾されない PTHと mPEG-Hz-PTHを SD(Spraugue-Dawley) 雄性、ネズミ(体重 300-350g)に 100μg/kgの濃度で頚静脈投与して投与後、 0,5,10,15,30,60,120分で血液を採取して 10,000 rpmで10分間、遠心分離して血漿を分離した。ついで、cAMP 分析キット(Amersham pharmacia, RPN 225)を利用して血漿内に残っている cAMP濃度を測定することによって、残留 PTH濃度を測定して間接的に mPEG-Hz-PTHの半減期を測定した。修飾されないPTHと mPEG(5000)-Hz-PTHは投与後、15分内にほとんど残っていなかったが、mPEG(12000)-Hz-PTH、mPEG(20000)-Hz-PTHは、それぞれ1時間及び2時間程度まで残っていた(図20)。
【0091】
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施されることが分かる。これと関して、上で記述した実施例及び実験例はすべての面で例示的なものであり、制限的なものではないと考えられるべきでる。本発明の範囲は前述した詳細な説明より後述する特許請求範囲の意味及び範囲そして、その等価の概念から導出されるすべての変更または、変形された形態が本発明に含まれたものと解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明によって生体適合性高分子が、タンパク質やペプタイドのような生物学的活性物質のカルボキシル基に生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体及び、この製造方法が提供されて、上記接合体が当該疾患の治療剤として使用する場合、薬物の生体内の安定性の増加による生体内の半減期及び生体利用率の増加で薬物の投与回数を大幅に減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】mPEG(5K)-Hz-G-CSF 結合反応程度を HPLC及びSDS-PAGEで示したものである。
【図2】mPEG(20K)-Hz-G-CSF 結合反応程度を HPLC及びSDS-PAGEで示したものである。
【図3】1:1に結合されたmPEG(5K)-Hz-IFNをSDS-PAGFで示したものである。
【図4】EDACの量によるmPEG(20K)-Hz-IFN接合体の生成程度をSDS-PAGEで示したものである。
【図5】EDAC添加方法及び、EDACの量によるmPEG(20K)-Hz-IFN接合体をSDS-PAGEによって測定したものである。
【図6】イオン-交換カラムを利用して分離精製されたmPEG(20K)-Hz-IFN接合体をSDS-PEGEによって確認したものである。
【図7】mPEG(20K)-Hz-G-CSF接合体の細胞検定による生物学的活性を結合されないG-CSF及び比較品であるPEG-G-CSF接合体(Neulasta(登録商標)アメリカAmgen社から2002年許可)と比べたものである。
【図8】mPEG(20K)-Hz-G-CSF接合体の半減期を結合されないG-CSF及び比較品であるPEG-G―CSF接合体(Neulasta(登録商標)アメリカ Amgen社から 2002年許可)と比べたものである。
【図9】mPEG(20K)-Hz-G-CSF接合体のWBCを結合されないG-CSF及び、比較品である PEG-G-CSF 接合体(Neulasta(登録商標),アメリカ Amgen社から 2002年許可)と比べたものである。
【図10】mPEG(12K)-Hz-IFN接合体のCPE検定による生物学的活性を結合されないINF及び比較品である PEG-IFN 接合体(Schering-Plough)と比べたものである。
【図11】mPEG(20K)-Hz-IFN 接合体のCPE検定による生物学的活性を結合されない IFNと比べたものである。
【図12】PEGが IFNに2個が結合された Di-mPEG-Hz-IFNと1個が結合された Mono- mPEG-Hz-IFNのCPE検定による生物学的活性を比べたものである。
【図13】mPEG(20K)-Hz-IFN接合体の半減期を結合されないIFN及び、比較品である PEG-IFN接合体(Schering-Plough)と比べたものである。
【図14】カルボキシル基に結合された PEG-IFNの安定性とアミン基に結合された PEG-IFNの安定性を比べたものである。
【図15】生体適合性高分子によって修飾されないPTHをHPLC行った結果を示したものである。
【図16】mPEG(20K)-HzをPTHと反応させた後、精製前反応混合物(未反応 PTH,mPEG(20K)-Hz-PTH, mPEG(20K)-Hz)に対するHPLC行った結果を示したものである。(ピーク1:高分子PEG誘導体に修飾されないPTH、ピーク2:,mPEG(20K)-Hz-PTH)。
【図17】mPEG(20K)-HzをPTHと反応させた後、 mPEG(20K)-Hz−PTH接合体を最終精製した後、HPLC行った結果を示したものである。
【図18】mPEG(20K)-HzとPTHを反応させてSDS―PAGEを行った後、Coomassie blueにて染色した結果を示したものである。(レーン1:サイズマーカー;レーン2:PTH;レーン3:PTH、mPEG(20K)-Hz-PTH(精製する前);レーン4: mPEG(20K)-Hz-PTH(精製した後)。
【図19】PTHとPEG―PTH接合体の試験管内での生物学的活性を比べたものである。
【図20】PTHとPEG―PTH接合体のラットでの半減期を比べたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体。
【請求項2】
第1項において、生体適合性高分子がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレン・グリコール、ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びこの誘導体、ポリ(アミノ酸)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性、高分子である接合体。
【請求項3】
第1項において、生物学的活性物質がアルファ,ベータ及びガンマインターフェロン、副甲状腺ホルモン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシド、ディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコユロニダーゼ、ヘモグロビン、血液因子、VII、VIII 及び IX、免疫グロブリン、サイトカイン、G-CSF、GM-CSF、PDGF、レクチン、リシン、TNF、TGF、EGF、カルシトニン、インシュリン、合成エンケファリン、インターロイキン、EPO、成長ホルモン分泌ペプタイド、黄体ホルモン分泌ホルモン及びその誘導体、視床下部の分泌物質、カルシトニン遺伝子関連ペプチッド、甲状腺-刺激ホルモン及び胸腺、体液性因子になっているグループの中で選択される接合体。
【請求項4】
第1項において、 生物学的活性物質がインターフェロン、G-CSFまたは副甲状腺ホルモンである接合体。
【請求項5】
治療有効量の第1項による生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体及び薬学的に許容される担体を含む薬学組成物。
【請求項6】
生物学的活性物質、活性化された生体適合性高分子及びカルボキシル基カップリング化剤を, 生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比が 1:1乃至20、反応物のpHが2ないし5、生物学的活性物質とカップリング化剤のモル比が 1:1乃至50のモル比の反応条件下でカルボキシル基カップリング化剤を分けて、添加して結合させる段階を含むことを特徴とする生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基の部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法。
【請求項7】
第6項において、生体適合性高分子がカルボキシル酸及び反応性カルボニル基と反応できる作用基で活性化される方法。
【請求項8】
.第6項において、生体適合性高分子がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレン・グリコール、ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びこの誘導体、ポリ(アミノ酸)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性、高分子である方法。
【請求項9】
第6項において、生物学的活性物質がアルファ、ベータ及びガンマインターフェロン、副甲状腺ホルモン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシド、ディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコユロニダーゼ、ヘモグロビン、血液因子、VII、VIII 及び IX、免疫グロブリン、サイトカイン、G-CSF、GM-CSF、PDGF、レクチン、リシン、TNF、TGF、EGF、カルシトニン、インシュリン、合成エンケファリン、インターロイキン、EPO、成長ホルモン分泌ペプタイド、黄体ホルモン分泌ホルモン及びその誘導体、視床下部の分泌物質、カルシトニン遺伝子関連ペプチッド、甲状腺-刺激ホルモン及び胸腺、体液性因子になっているグループの中で選択される方法。
【請求項10】
第6項の方法によって収得された生体適合性高分子が、生物学的活性物質のカルボキシル基に部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体。
【請求項11】
生体適合性高分子が、生物学的活性物質のC−末端部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体。
【請求項12】
第11項において、生体適合性高分子がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレン・グリコール、ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びこの誘導体、ポリ(アミノ酸)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性、高分子である接合体。
【請求項13】
第11項において、生物学的活性物質がアルファ,ベータ及びガンマインターフェロン、副甲状腺ホルモン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシド、ディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコユロニダーゼ、ヘモグロビン、血液因子、VII、VIII 及び IX、免疫グロブリン、サイトカイン、G-CSF、GM-CSF、PDGF、レクチン、リシン、TNF、TGF、EGF、カルシトニン、インシュリン、合成エンケファリン、インターロイキン、EPO、成長ホルモン分泌ペプタイド、黄体ホルモン分泌ホルモン及びその誘導体、視床下部の分泌物質、カルシトニン遺伝子関連ペプチッド、甲状腺-刺激ホルモン及び胸腺、体液性因子になっているグループの中で選択される接合体。
【請求項14】
.第13項において、生物学的活性物質がインターフェロン、G-CSFまたは、副甲状腺ホルモンである接合体。
【請求項15】
治療有効量の第11項による生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体及び薬学的に許容される担体を含む薬学組成物。
【請求項16】
生物学的活性物質、活性化された生体適合性高分子及びカルボキシル基カップリング化剤を, 生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比が 1:1乃至20、反応物のpHが2ないし3、生物学的活性物質とカップリング化剤のモル比が 1:1乃至50のモル比の反応条件下でカルボキシル基カップリング化剤を分けて添加して結合させる段階を含むことを特徴とする生体適合性高分子が生物学的活性物質のC−末端部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法。
【請求項17】
第16項において、生体適合性高分子がカルボキシル酸及び反応性カルボニル基と反応できる作用基で活性化される方法。
【請求項18】
.第16項において、生体適合性高分子がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレン・グリコール、ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びこの誘導体、ポリ(アミノ酸)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性、高分子である方法。
【請求項19】
第16項において、生物学的活性物質がアルファ、ベータ及びガンマインターフェロン、副甲状腺ホルモン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシド、ディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコユロニダーゼ、ヘモグロビン、血液因子、VII、VIII 及び IX、免疫グロブリン、サイトカイン、G-CSF、GM-CSF、PDGF、レクチン、リシン、TNF、TGF、EGF、カルシトニン、インシュリン、合成エンケファリン、インターロイキン、EPO、成長ホルモン分泌ペプタイド、黄体ホルモン分泌ホルモン及びその誘導体、視床下部の分泌物質、カルシトニン遺伝子関連ペプチッド、甲状腺-刺激ホルモン及び胸腺、体液性因子になっているグループの中で選択される方法。
【請求項20】
第16項の方法によって収得された生体適合性高分子が、生物学的活性物質のC−末端部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体。
【請求項1】
生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体。
【請求項2】
第1項において、生体適合性高分子がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレン・グリコール、ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びこの誘導体、ポリ(アミノ酸)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性、高分子である接合体。
【請求項3】
第1項において、生物学的活性物質がアルファ,ベータ及びガンマインターフェロン、副甲状腺ホルモン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシド、ディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコユロニダーゼ、ヘモグロビン、血液因子、VII、VIII 及び IX、免疫グロブリン、サイトカイン、G-CSF、GM-CSF、PDGF、レクチン、リシン、TNF、TGF、EGF、カルシトニン、インシュリン、合成エンケファリン、インターロイキン、EPO、成長ホルモン分泌ペプタイド、黄体ホルモン分泌ホルモン及びその誘導体、視床下部の分泌物質、カルシトニン遺伝子関連ペプチッド、甲状腺-刺激ホルモン及び胸腺、体液性因子になっているグループの中で選択される接合体。
【請求項4】
第1項において、 生物学的活性物質がインターフェロン、G-CSFまたは副甲状腺ホルモンである接合体。
【請求項5】
治療有効量の第1項による生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体及び薬学的に許容される担体を含む薬学組成物。
【請求項6】
生物学的活性物質、活性化された生体適合性高分子及びカルボキシル基カップリング化剤を, 生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比が 1:1乃至20、反応物のpHが2ないし5、生物学的活性物質とカップリング化剤のモル比が 1:1乃至50のモル比の反応条件下でカルボキシル基カップリング化剤を分けて、添加して結合させる段階を含むことを特徴とする生体適合性高分子が生物学的活性物質のカルボキシル基の部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法。
【請求項7】
第6項において、生体適合性高分子がカルボキシル酸及び反応性カルボニル基と反応できる作用基で活性化される方法。
【請求項8】
.第6項において、生体適合性高分子がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレン・グリコール、ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びこの誘導体、ポリ(アミノ酸)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性、高分子である方法。
【請求項9】
第6項において、生物学的活性物質がアルファ、ベータ及びガンマインターフェロン、副甲状腺ホルモン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシド、ディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコユロニダーゼ、ヘモグロビン、血液因子、VII、VIII 及び IX、免疫グロブリン、サイトカイン、G-CSF、GM-CSF、PDGF、レクチン、リシン、TNF、TGF、EGF、カルシトニン、インシュリン、合成エンケファリン、インターロイキン、EPO、成長ホルモン分泌ペプタイド、黄体ホルモン分泌ホルモン及びその誘導体、視床下部の分泌物質、カルシトニン遺伝子関連ペプチッド、甲状腺-刺激ホルモン及び胸腺、体液性因子になっているグループの中で選択される方法。
【請求項10】
第6項の方法によって収得された生体適合性高分子が、生物学的活性物質のカルボキシル基に部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体。
【請求項11】
生体適合性高分子が、生物学的活性物質のC−末端部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体。
【請求項12】
第11項において、生体適合性高分子がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレン・グリコール、ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びこの誘導体、ポリ(アミノ酸)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性、高分子である接合体。
【請求項13】
第11項において、生物学的活性物質がアルファ,ベータ及びガンマインターフェロン、副甲状腺ホルモン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシド、ディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコユロニダーゼ、ヘモグロビン、血液因子、VII、VIII 及び IX、免疫グロブリン、サイトカイン、G-CSF、GM-CSF、PDGF、レクチン、リシン、TNF、TGF、EGF、カルシトニン、インシュリン、合成エンケファリン、インターロイキン、EPO、成長ホルモン分泌ペプタイド、黄体ホルモン分泌ホルモン及びその誘導体、視床下部の分泌物質、カルシトニン遺伝子関連ペプチッド、甲状腺-刺激ホルモン及び胸腺、体液性因子になっているグループの中で選択される接合体。
【請求項14】
.第13項において、生物学的活性物質がインターフェロン、G-CSFまたは、副甲状腺ホルモンである接合体。
【請求項15】
治療有効量の第11項による生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体及び薬学的に許容される担体を含む薬学組成物。
【請求項16】
生物学的活性物質、活性化された生体適合性高分子及びカルボキシル基カップリング化剤を, 生物学的活性物質対、活性化された生体適合性高分子のモル比が 1:1乃至20、反応物のpHが2ないし3、生物学的活性物質とカップリング化剤のモル比が 1:1乃至50のモル比の反応条件下でカルボキシル基カップリング化剤を分けて添加して結合させる段階を含むことを特徴とする生体適合性高分子が生物学的活性物質のC−末端部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合された生体適合性高分子・生物学的活性物質接合体の製造方法。
【請求項17】
第16項において、生体適合性高分子がカルボキシル酸及び反応性カルボニル基と反応できる作用基で活性化される方法。
【請求項18】
.第16項において、生体適合性高分子がポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリトリメチレン・グリコール、ポリ乳酸及びこれらの誘導体、ポリアクリル酸及びこの誘導体、ポリ(アミノ酸)、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリ(L−リシン)、ポリアルキレンオキシド、多糖類、デキストラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミド及びこれらの二つ以上の共重合体で作られたグループの中で選択された非免疫原性、高分子である方法。
【請求項19】
第16項において、生物学的活性物質がアルファ、ベータ及びガンマインターフェロン、副甲状腺ホルモン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニン・デアミナーゼ、アデノシン・デアミナーゼ、スーパーオキシド、ディスムターゼ、エンドトキシナーゼ、カタラーゼ、キモトリプシン、リパーゼ、ウリカーゼ、アデノシン、ジホスファターゼ、チロシナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコユロニダーゼ、ヘモグロビン、血液因子、VII、VIII 及び IX、免疫グロブリン、サイトカイン、G-CSF、GM-CSF、PDGF、レクチン、リシン、TNF、TGF、EGF、カルシトニン、インシュリン、合成エンケファリン、インターロイキン、EPO、成長ホルモン分泌ペプタイド、黄体ホルモン分泌ホルモン及びその誘導体、視床下部の分泌物質、カルシトニン遺伝子関連ペプチッド、甲状腺-刺激ホルモン及び胸腺、体液性因子になっているグループの中で選択される方法。
【請求項20】
第16項の方法によって収得された生体適合性高分子が、生物学的活性物質のC−末端部位によって、生物学的活性物質と1:1の割合で結合されることを特徴とする生体適合性高分子−生物学的活性物質接合体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2006−521372(P2006−521372A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507777(P2006−507777)
【出願日】平成16年3月27日(2004.3.27)
【国際出願番号】PCT/KR2004/000701
【国際公開番号】WO2004/084948
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505358336)バイオポリメド インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月27日(2004.3.27)
【国際出願番号】PCT/KR2004/000701
【国際公開番号】WO2004/084948
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505358336)バイオポリメド インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】
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