説明

生物工学処理形態の組織プラスミノーゲン活性化因子の生成方法

本発明は、可溶型ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子の変異体生成に使用される組み換え法に関する。この変異体では、内在性組織プラスミノーゲン活性化因子の位置103のスレオニンがアスパラギンに置換され、新しいグリコシル化部位がもたらされる。内在性組織プラスミノーゲン活性化因子の位置117では、アスパラギンがグルタミンに置換され、N結合グリコシル化部位の除去がもたらされる。位置296〜299では、アミノ酸のリジン、ヒスチジン、アルギニン、およびアルギニンが、4つのアラニンアミノ酸に置換されている。本発明は、組織プラスミノーゲン活性化因子をコードする核酸配列の新規合成、構築された核酸配列のコンピテント細胞中への形質転換、および所望のタンパク質発現のための前記核酸配列の哺乳類発現ベクター中へのサブクローニングにさらに関する。目的の遺伝子に関連した制御因子を含むDNA構築物が開示されている。本発明に従った組み換えヒト組織プラスミノーゲン活性化因子、およびその塩および機能性誘導体は、心臓麻痺および発作患者の治療のための医薬組成物の活性成分を構成してもよい。これらの組成物は、本発明のさらに別の態様である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可溶型ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子の変異体の生成に使用する組み換え法に関する。この変異体では、内在性組織プラスミノーゲン活性化因子の位置103のスレオニンがアスパラギンに置換され、新しいグリコシル化部位がもたらされる。内在性組織プラスミノーゲン活性化因子の位置117では、アスパラギンがグルタミンに置換され、N結合グリコシル化部位の除去をもたらす。位置296〜299では、アミノ酸のリジン、ヒスチジン、アルギニン、およびアルギニンが、4つのアラニンアミノ酸に置換されている。
【0002】
本発明はさらに、組織プラスミノーゲン活性化因子をコードする核酸配列の新規合成、構築した核酸配列のコンピテント細胞中への形質転換、および所望のタンパク質発現のための前記核酸配列の哺乳類発現ベクター中へのサブクローニングに関する。
【0003】
前記目的の遺伝子に関連した制御要素を含むDNA構築物が開示されている。
【0004】
本発明に従った組み換えヒト組織プラスミノーゲン活性化因子、およびその塩および機能性誘導体は、心臓麻痺および発作(Stroke)患者の治療のための医薬組成物の活性成分を含んでもよい。これらの組成物は、本発明のさらに別の態様である。
【背景技術】
【0005】
プラスミノーゲン活性化因子は、酵素原プラスミノーゲンを活性化して、線維素を分解するセリンプロテアーゼであるプラスミンを発生させる酵素である。研究されたプラスミノーゲン活性化因子としては、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、およびヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)が挙げられる。これらの各プラスミノーゲン活性化因子の作用機序は異なる。ストレプトキナーゼはプラスミノーゲンと複合体を形成してプラスミン活性を生じさせ、ウロキナーゼはプラスミノーゲンを直接切断し、t−PAは線維素およびプラスミノーゲンと三元複合体を形成して血餅局在位置においてプラスミノーゲンの活性化をもたらす。
【0006】
多領域グリコシル化セリンプロテアーゼである組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)は、プラスミノーゲンの線維素特異的活性化因子であり、非常に効果的な血栓溶解剤である。t−PAは主な用途が心臓麻痺および発作患者の治療である、組み換えタンパク質である。その生体内における高い線維素特異性および強力な血餅溶解能力のために、様々な血管疾患の治療における重要で強力な生物学的医薬品として、1979年に初めて特性が明らかにされた。
【0007】
天然t−PAは約6分以下の血漿半減期を有する。その迅速な循環からのクリアランスのため、t−PAは輸液して血栓溶解を達成しなくてはならない。t−PA濃度を増大させる前倒し投薬(front loaded dosing)は、標準輸液プロトコルと比べてより迅速で完全な溶解を示したとともに、初期効力(early potency)は生存率の改善に相関している。急速投与(Bolus administration)は、標的血栓をより高濃度の酵素に迅速に曝露することで溶解速度をさらに改善できるであろうが、天然または野性型(wt)t−PAの単回急速投与は、そのクリアランス速度のために一般には使用できない。
【0008】
多くの研究者らは、大量急速投与として投与できるt−PAのより長い半減期バージョンを作成したが、ほとんど全ての変異体で線維素溶解活性が顕著に減少することが判明した。
【0009】
したがって、完全な線維素溶解活性を維持しながらクリアランス速度が低下している分子の生成に使用する組み換え法を提供することが本発明の目的であり、系統立った変異誘発研究がt−PAの様々な領域に対して適用された。このような薬剤はまた、新しく形成された血栓に対して高特異性と高い親和性を有し、より少ない循環プラスミンを生じる。したがってICHおよびその他の非脳出血事象の発生率は、より低くなる。本薬剤はPAI−1抵抗性であり、また費用効率が高い。
【発明の開示】
【0010】
本発明は、可溶型ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子変異体の生成に使用される組み換え法に関する。この変異体では、内在性組織プラスミノーゲン活性化因子の位置103のスレオニンがアスパラギンに置換されて、新しいグリコシル化部位がもたらされる。内在性組織プラスミノーゲン活性化因子の位置117では、アスパラギンがグルタミンに置換され、N結合グリコシル化部位の除去がもたらされる。位置296〜299では、アミノ酸のリジン、ヒスチジン、アルギニン、およびアルギニンが、4つのアラニンアミノ酸に置換されている。
【0011】
本発明の特定の態様は、組織プラスミノーゲン活性化因子をコードする核酸配列の新規合成、構築した核酸配列のコンピテント細胞中への形質転換、および所望のタンパク質を発現するための前記核酸配列の哺乳類発現ベクター中へのサブクローニングに関する。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、本発明のDNA配列を組み込んだ、生物学的に機能的に極めて重要な新規の環状プラスミドDNAベクター、および前記ベクターで安定的に形質転換または形質移入された宿主生物を提供する。
【0013】
同様に本発明によって、外来性ベクター由来のDNA配列の大規模発現を促進する条件下におけるこのような形質転換宿主、特に哺乳類細胞の培養生育、および増殖培地、細胞溶解産物または細胞膜画分からの所望ポリペプチドの単離を含む、有用なポリペプチド生成のための新しい方法が提供される。
【0014】
配列の説明
配列番号1.組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子をコードするヌクレオチド配列
配列番号2.組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子をコードするヌクレオチド配列のコドン最適化バージョン
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
より高等な真核生物系における、組み換えタンパク質発現のためのいくつかの方法について述べる。CHO−K1、HEK−293(および変異体)細胞発現系は、今や哺乳類タンパク質発現のために一般的に好まれる主要な系として確立されている。ベクター構築の改良、選択マーカーの選別および遺伝子ターゲティングおよび高処理能スクリーニング戦略の進歩は、高い特異的生産性がある組み換え細胞系の確立を比較的一般的にし、細胞系開発の所要時間を低下させた。従来のウイルス性プロモーターベースの発現ベクターを使用した発現技術における最近の進歩としては、配列内リボソーム進入部位(IRES)配列または選択的スプライシングのいずれかを使用した、バイシストロニック(bicistronic)発現戦略の開発および改良が挙げられる。
【実施例】
【0016】
実施例1
組織プラスミノーゲン活性化因子をコードするDNA配列が、新規アプローチによって合成された。このアプローチは使用される特定の哺乳類細胞系に関して、より良いコドン最適化を可能にする。さらに合成DNAは、天然t−PAの生物学的特性、ならびに生体内および生体外の両方でt−PAの生物学的活性を示す単離できる量のポリペプチドを提供させる真核/原核生物発現の対象として作成される。
【0017】
組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子(TENECT1)をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1に記載する。CHO K1およびHEK 293などの哺乳類細胞系での最適組み換えタンパク質発現を確実にするためにコドン−最適化工程の一部として改変された、組織プラスミノーゲン活性化因子のコーディングDNA配列中のコドンを大文字で強調表示する。配列番号2は、組織プラスミノーゲン活性化因子(TENECT 2)をコードするコドン最適化されたヌクレオチド配列を記載する。
【0018】
組織プラスミノーゲン活性化因子をコードする非最適化およびコドン最適化されたヌクレオチド配列のペアワイズ(Pair−wise)配列比較を図1に表す。
【0019】
実施例2:組織プラスミノーゲン活性化因子をコードする新規合成cDNA分子の信頼性の検証
商業サービス提供元から供給された新規合成cDNA分子の信頼性の検証は、自動化DNA配列決定によって行われ、得られた結果を図2および3に示す。
【0020】
実施例3:TENECTおよびTENECT−Opt cDNAのpcDNA3.1D/V5−His哺乳類細胞特異的発現ベクター中へのサブクローニング
上に示すように、自動化DNA配列決定による新規合成cDNA分子(TENECTおよびTENECT−Opt)の信頼性の検証に引き続いて、TENECTおよびTENECT−Optを哺乳類細胞特異的発現ベクターpcDNA3.1D/V5−His中に個別にサブクローニングして、形質移入の用意ができた構築物を作成した。使用される手順の詳細を下に示す。
A.試薬および酵素:
1.キアゲン(QIAGEN)ゲル抽出キットおよびPCR精製キット
2.インビトロジェン(Invitrogen)pcDNA3.1D/V5−HisベクターDNA
【0021】
【表1】

【0022】
全ての反応は製造元が推奨するように実施した。各反応では、供給された10×反応緩衝液を1×の最終濃度に希釈した。
【0023】
B.ベクターおよび挿入断片の制限消化
手順
以下のDNAサンプルおよび制限酵素を使用した。
【表2】

【0024】
制限酵素消化反応
【表3】

【0025】
反応を混合し、遠沈して37℃で2時間インキュベートした。制限消化をアガロースゲル電気泳動法によって分析した。予期された消化パターンが観察され、それは約1700bp(反応3および4)の遺伝子断片フォールアウト(fall out)を特徴とし、ベクター(反応1よび2)については約5.5kbのベクター骨格断片が見られた。TENECTおよびTENECT−Opt cDNAに相当する約1700bpのDNA断片は、キアゲン(QIAGEN)ゲル抽出キットを使用してゲル抽出法により別々に精製した。pcDNA3.1D/V5−His哺乳類の発現ベクターの約5.5kbの消化済みベクター骨格もまた、同一キットを使用して精製した。必須cDNAおよびベクターDNA断片の制限消化およびゲル抽出に引き続いて、下の図4に示すようにアガロースゲル電気泳動法を使用して、各精製DNAサンプルの一定分量(1〜2μL)を分析し、純度および完全性について調べた。
【0026】
C.pcDNA3.1D/V5−His骨格とTENECTおよびTENECT−Opt cDNAとのライゲーション
消化精製したベクターおよび挿入断片のDNA濃度を推定し(上の図4参照)、ライゲーションを以下の方法で設定した。
【0027】
【表4】

【0028】
反応を穏やかに混合し、遠沈して室温で2〜3時間インキュベートした。DH 10コンピテント細胞をライゲーション反応混合物の内容物で形質転換した。
【0029】
D.pcDNA3.1−TENECT/V5−His/TNK−tPAおよびpcDNA3.1D−TENECT−Opt/V5−His/TNK−tPA−Optの想定されるクローンの制限消化分析
アンピシリンを含有するLB寒天プレート上に得られたコロニーから、プラスミドDNAを個別に精製し、図5に示すように、単離されたプラスミドDNAの制限消化分析によって、所望のcDNA挿入断片の存在を確認した。
【0030】
pcDNA3.1−TENECT/V5−His/TNK−tPAおよびpcDNA3.1−TENECT−Opt/V5−His/TNK−tPA−Optを含有するいくつかの想定されるクローンの制限消化後に得られた結果に従って、所望の制限パターンを示すクローンのいくつかを、TENECTおよびTENECT−Opt cDNAを内的に切断して図6に示す可変サイズ断片を発生させる制限酵素を使用した、さらなる制限消化分析のために選択した。
【0031】
制限地図分析のために選択されたほとんどのPcDNA3.1−TENECT/V5−His/TNK−tPAおよびPcDNA3.1−TENECT−Opt/V5−His/TNK−tPA−Optクローンは、既知の内的制限部位の出現率に基づいて予期された断片サイズを生じたので、これらのクローンをDNA配列決定分析によってさらに確認する。
【0032】
新規合成TENECTおよびTENECT−Opt cDNAを使用して作成した、組み換え発現構築図を図7および8に図示する。
【0033】
実施例4:ヒトt−PA構築物の維持および増殖:
ヒトt−PAをコードするcDNA構築物の維持および増殖は、標準細菌培養中で行われる。全てのクローンのグリセロール保存液は−70℃に維持され保管される。
【0034】
実施例5:CHO−K1細胞における一過性/安定組み換えタンパク質発現:
ヒトt−PAの一過性/安定発現は、FDAが治療的タンパク質生産のために認可する哺乳類細胞系であるチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を使用して行われた。一過性発現は、構築物発現をチェックして、少量の組み換えタンパク質を迅速に得るのに有用である。
【0035】
生体外生物検定またはELISAなどのツールを使用して、安定形質移入体をt−PAの発現について選別し、最良の生産体を選択する。均質安定細胞系をクローン希釈(clonal dilution)によって選択し、次に増幅して凍結する。
【0036】
ウエスタンブロット、ELISA、および機能性分析などの分析ツールを使用して、タンパク質発現をさらに分析する。
【0037】
実施例6:組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子の精製
規制当局のガイドラインに従った、所望の組み換えタンパク質を過剰発現する汚染物質が含まれていない細胞系の確立に引き続いて、精製戦略は、主要目的として、プロセス経済、製品を市場に出すまでの時間の短縮、拡張性、再現性、および機能安定性と構造完全性がある生成物の最大純度を目指す。この趣旨で、濾過(通常および接線流濾過)およびクロマトグラフィーの双方によるコンビナトリアルアプローチが探索される。工程検証要件および合格基準の研究は3つのバッチで行われる。
【0038】
したがって本発明は、精製工程における以下の工程、またはそれ自体が既知の標準方法を想定する。
a.通常および接線流濾過手順を使用した、粗製培養ブロスの初期浄化および濃縮。
b.限外濾過/透析濾過(接線流濾過に基づく)。
c.クロモステップ(Chromo step)−I:セファロースに固定化されたヘパリン、リジン、金属(亜鉛)キレートセファロースおよびmabを使用した親和クロマトグラフィー。より好ましくは、リジンセファロースが下流の単位操作で使用される。
e.クロモステップ−II:DEAEセルロースを使用した陰イオン交換クロマトグラフィー。
f.ウイルス除去および無菌濾過。
g.内毒素除去。
【0039】
注記:さらにセルファインスルフェート(cellufine sulfate)などの通過ベースの陰イオン交換体が、プロセス汚染物質、内在性/偶発性ウイルス、およびカラム抽出物の選択的結合のために使用される。
【0040】
実施例7:
生化学的、免疫学的、および物理化学的方法を使用した標的タンパク質の同定の確立
各段階における全タンパク質の%回収率は、ビシンコニン酸法(BCA)/ブラッドフォード染料結合法を使用して定量化される。各精製段階における標的タンパク質濃度は、天然配列型t−PAに標準化したポリクローナル/モノクローナル抗tPA抗体を使用した捕捉ELISAなどの、高度に特異的で信頼性のある酵素ベースの免疫測定法を使用して、定期的に判定される。定性的および標的特異的ウエスタン分析が、各段階に続く。逆相クロマトグラフィー、等電点電気泳動、および二次元ゲル電気泳動法を用いて、精製された生成物を評価する。遠紫外線円偏光二色性を使用して、二次構造分析を評価する。サイズ排除およびMALDI−TOFを使用して、分子量およびオリゴマー状態を調査する。調査はまた、pHおよび温度に関するタンパク質の安定性にも着目する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】組織プラスミノーゲン活性化因子をコードするDNAヌクレオチド配列の非最適化およびコドン最適化バージョンのペアワイズ配列比較である。
【図2】新規合成TENECT cDNA(synthetic_TNK−tPA)と確立されたTNK−tPA遺伝子配列との配列比較である。
【図3】新規合成TENECT−Opt cDNA(synthetic_TNK−tPA−Opt)と確立されたTNK−tPA−Opt遺伝子配列との配列比較である。
【図4】ゲル精製されたTENECT、TENECT−Opt、およびpcDNA3.1D/V5−Hisの制限酵素消化断片である。
【図5】pcDNA3.1−TENECT D/V5−His/TNK−tPAおよびpcDNA3.1−TENECT−Opt/V5−His/TNK−tPA−Optの想定されるクローンの制限酵素消化分析である。
【図6】TENECTおよびTENECT−Opt cDNAを内的に切断する酵素を使用した、PcDNA3.1−TENECT/V5−His/TNK−tPAおよびPcDNA3.1−TENECT−Opt/V5−His/TNK−tPA−Optクローンの制限酵素消化分析である。
【図7】PcDNA3.1−TENECT/V5−His/TNK−tPAの構築図である。
【図8】PcDNA3.1−TENECT−Opt/V5−His/TNK−tPA−Optの構築図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(i)配列番号1および配列番号2で記載されるDNA配列、または
(ii)(i)で定義される前記DNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA配列および(ii)またはそれらの相補鎖
からなる群から選択される、単離されたDNA配列で形質転換または形質移入された宿主細胞を適切な栄養条件下で生育させる工程と、
(b)前記工程からの組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子生成物を単離する工程と
を含む、生体内で生物学的に活性な組織プラスミノーゲン活性化因子を調製する方法。
【請求項2】
組織プラスミノーゲン活性化因子をコードする配列番号1または2で記載される合成DNA配列で、宿主細胞を形質転換する工程と、
前記宿主細胞またはその生育培地から生成物を単離する工程と、
を含む、生体内で生物学的に活性な組織プラスミノーゲン活性化因子生成物を調製する方法。
【請求項3】
前記宿主細胞が哺乳類細胞である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記宿主細胞が好ましくはCHO K1細胞である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
a)配列番号3の成熟エリスロポエチンアミノ酸配列をコードし、DNAと作動可能なように連結する、組織プラスミノーゲン活性化因子プロモーターDNA以外のプロモーターDNAを含む哺乳類細胞を、適切な栄養条件下で生育させる工程と、
b)前記細胞によって発現される前記グリコシル化エリスロポエチンポリペプチドを単離する工程と
を含む、心臓麻痺および発作を治療する生体内生物学的特性を有する可溶型組織プラスミノーゲン活性化因子を生成する方法。
【請求項6】
前記プロモーターDNAがウイルス性プロモーターDNAである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
宿主細胞を図7または8のベクター構築物で形質転換する工程と、
組織プラスミノーゲン活性化因子生成物を前記宿主細胞またはその生育培地から単離する工程と、
を含む、生体内で生物学的に活性な組織プラスミノーゲン活性化因子生成物を調製する方法。
【請求項8】
前記ベクターが哺乳類細胞特異的発現ベクターであり、最も好ましくは図7および8で表されるベクターである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
培養中で生育させた哺乳類細胞から精製した治療上有効な量のヒト組織プラスミノーゲン活性化因子、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦活剤または担体を含む医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−507467(P2009−507467A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514226(P2008−514226)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/IB2006/001481
【国際公開番号】WO2006/129191
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(502309513)アベスタゲン リミテッド (6)
【Fターム(参考)】