説明

生物組織システムおよび使用方法

培養および潅流のための生物組織システムの装置および使用方法。装置は、生物組織に液剤を注入するための針を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して生物組織システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オットー・ワーバーグ(Otto Warburg)は、肝臓薄片を使用して生体内でのオルガノイドスライスの培養について最初の試みを行った(ワーバーグ、オー.(Warburg,O.)、Biochemische Zeuschrift 第142巻、317〜333ページ(1923年))。追加研究では、その分野にあった、例えば生物組織厚さの再現性が無いことおよび生物組織を機械的に傷めることのような幾つかの問題をクラムディーク(Krumdieck)スライサーを使用して解決した(クラムディーク(Krumdieck)ら、Analytical Biochemistry 第104巻、118〜123ページ(1980年))。しかし、細胞の単離技術の確立進展に伴い、現代の研究では実験的調査のプラットフォームとして、例えば肝培養細胞のような細胞培養物に依存している。しかし、細胞単離方法は形質膜のような細胞を傷めるだけではなく、固有の細胞外マトリックスにより備えられている固着点の破壊の結果として細胞極性および細胞動態の分裂が避けられない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明者は新規な生物組織培養および潅流もしくはその一方の技術を考案することに成功した。それは、固有の細胞マトリックスおよび細胞切片の脈管構造を利用し、同時に、例えば生存可能な機能細胞を長期間養うことが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この技術は細胞薄片にある微細血管とインターフェイスで接続するための潅流プラットフォームとして微細加工した針を利用する。例えば、肝臓薄片および微細針が、細胞薄片内に適当な圧力をかけるためにPDMS膜とガラスのカバースリップの間に埋め込まれる。細胞薄片の利用により、例えば、無損傷の細胞マトリックスの中にある細胞の異質性および相互作用といった利点が与えられる。微細針の組み込みは、例えば、この先で、細胞に栄養剤を追加する、より大きな脈管構造の代用物として用立てることができる。また、例えば流入液剤および栄養剤の流量および圧力もしくはその一方は、固有の通路を経由して細胞サンプルに液剤および栄養剤を均一に配給することができるように制御または調節可能である。そのような制御は、例えば細胞の固有な血行動態環境を回復するために用立てることもできる。例えば、肝細胞の場合に、流入液剤および栄養剤の流量および圧力を制御することにより、本発明のシステムは固有の類洞経路を経由して全ての構成要素に栄養剤を均一に配給することができるだけでなく、肝臓に固有の血行動態環境の回復することも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
従って、特定の態様において、本発明は、長年にわたり組織スライス工学の分野を苦しませた物質移動限界の難問に対する回答を提供する。幾つかの態様で、本発明は、例えば肝臓のような組織にある固有な細胞外マトリックスおよび微細血管を利用することにより高レベルのバイオミミクリを提供する。幾つかの態様で、本発明は、様々な成長因子、骨格設計、および共培養を有した高度な機能性を維持していくために、細胞単離および細胞刺激の必要性を取り除く。微細針潅流により、潅流媒体の均一配給性が高められ、続いて長期の培養期間に渡って生物組織の生存能力および機能性が改善される(実施例1および2)。微細加工技術により、様々なサイズの微細針、配列距離および形状の変更幅の設計および開発が可能になり、それにより実験設計の多様性を持たせることができる。微細針の利用は、肝臓の別々の領域に異なった医薬の導入を容易にし、そして導入医薬に関して異なる領域からの細胞相互作用を研究することができる可能性を秘めている。
【0006】
本発明により、コンパクトで、高処理能力プラットフォームおよび、例えば少なくとも以下の応用例のある生物組織バイオチップの発足がマークされる。
ADME/毒性調査に対するプラットフォーム研究および高処理能力の選別(HTS)
ADME/毒性は、例えば医薬の様々な要素がどのように吸収され、分配され、代謝され、および排出されるのかもしくはその一方が行われるのかについて、および要素のあらゆる有害または毒性の性質および代謝物について取り扱う。例えば、ADME/毒性研究において肝臓薄片の適用が1つの実験器具になる。しかし、長期間に渡る肝臓薄片の培養は物資移動限界の結果としての生物組織薄片の中央領域の壊死組織により実行不能である。本発明により、この問題を解決することができ、よって、ADME/毒性の実験設計に新しい範例を作り出す。
【0007】
歴史的には、生物組織薄片の短い寿命のために、医薬毒性試験は非生理学的な高投与量で行われていた。そのような試験では実際の医薬代謝について非常に表面的な理解が得られるのみである。長期的な生物組織バイオチップの導入により、より現実に即した生理学的な投与量を利用する実験設計が可能であり、従って、より多くの綿密な研究が実行されることが可能になる。
【0008】
微細針システムは、生物組織の異なった部分の中に別々の製薬生体分子を注入するために使用でき、同じ生物組織薄片の中で濃度および医薬のタイプを変更させることもできる。この技術により、異なった種類の化学物資の間の相互作用の理解、および薄片の別々の部分に異なった量で配分されることによりこれらの化学物質が生物組織にどのように作用するかの理解が促進される。
【0009】
微細加工技術により、その場でその時に使用できるように統合され、それによりホルモン、酸素レベル、配位体および化学剤を検出できるセンサーの可能性も提供される。
チップベースのシステムは、容易に複製および多重化ができ、可能性のある医薬製品のスクリーニングのためのHTSの統合が容易になる。そのようなシステムにより、特定の医薬の薬物動態の評価における試験速度、柔軟性、および精度に関する利点が提供される。
【0010】
バイオイメージングおよび生物学的研究向けの生物組織チップ
透明なPDMS膜とカバースリップの間に埋め込まれた厚い生物組織の利用により、バイオイメージングツールとして共焦点顕微鏡および多重光子顕微鏡の取り込みが可能である。本発明のチップベースの生物組織と共にこれらの実験技術を統合すると、少なくとも以下の応用が可能である。例えば、
(i)肝臓薄片にある脈管構造をインターフェイスで接続するために微細針を使用すると、インビボ環境で医薬の代謝を単細胞解像度の度合いまで観察できる。単一のまたは多重の蛍光標識生体分子の全体的生体内変化および輸送通路が追跡でき、オンラインおよびリアルタイムで画像表示することができる。
【0011】
(ii)生物組織薄片は、複合組織マトリックスおよび細胞異質性を保持するので、異なった細胞間での相互作用が観察される。加えて、例えば医薬や転移癌細胞のような外来性物質の導入での相互作用およびインビボの動的細胞変化が観察される。
【0012】
(iii)微細針により多数の医薬の異なった導入という利点が提供されるので、このチップベースの装置は特定領域での医薬の作用のみならず、細胞と医薬の間および界面領域での別々の細胞の間の相互作用を観察するために使用することができる。
【0013】
生物組織のマイクロアレイ
このチップベース装置は、生物組織マイクロアレイ(TMA)を形成するために多重化することができる。TMAは通常、高処理能力の組織学的研究に使用されるが、しかし現有のTMAでは固定生物細胞の薄い部分が利用される。本発明の装置も、またより薄い生物組織および生存可能な機能性生物組織という利点を有した類似の用途に使用可能である。この利点により、例えば、以下のような多くの応用例が与えられる。
【0014】
(i)生存可能な生物組織の部分は、凍結保存可能であり、商業的に売り出される。この方式で保存された生存可能な機能性生物組織により、実験用生物組織小片の保管品による入手が可能であり、細胞または生物組織の単離の必要性を回避できる。これにより、組織学的研究のみならず、機能性研究も可能になる。
【0015】
(ii)全体の生物組織を均一に染色することができないため、薄い部分が伝統的に好まれていた。微細針潅流を使用する本発明では、この問題は解消される。
細胞培養類縁体
試料源として肝臓を使用する以外に、本発明の技術は肺臓および腎臓のような身体の別器官に対して拡張できる。過去において、身体の細胞培養類縁体(CCA)は、異なる身体の重要部分から得た実質細胞を含有する細胞培養フラスコを使用して生体外で作成されていた。最近、チップベースのCCAも生理学的に代表的な流速およびせん断力という利点を有して導入された(シン(Sin)ら、Biotechnology Progress、第20巻、338〜345ページ(2004年))。同様なCCAは本発明の技術、即ち、例えば肝臓、肺臓および腎臓のような身体の重要部分から代表的な生物組織薄片を単離し、これらの生物組織薄片を微細針経由のインターフェイスで接続する本技術を使用して作成できる。以前の設計と比較して、この生物組織ベースのCCAの利点は、実質細胞および非実質細胞で構成される、高度にバイオミミクリ細胞の構築体の利用にある。
【0016】
大きな生物組織構築体のエンジニアリング
微細針の密度および長さを調節して、本発明者は、生物組織薄片を培養でき、現状で可能なものより、はるかに大きい寸法(より厚い、およびよい大きい)の生物組織の構築を設計した。本発明の培養形態(静的または動的のどちらか)において、1mmより大きな生物組織または生物組織の構築体は、生物組織構築体のこれらの断片を通しての物質移動が制限されるために急速に崩壊するのが代表的である。微細針を介する潅流は、寸法が1mmより大きい生物組織または生物組織構築体の細胞の機能を有効にし、生物組織の構造的完全さを保持するために正確に制御して栄養剤を供給し代謝廃棄物を除去できる。
【0017】
シリコンの微細加工微細針およびPDMSチャンバーは、生分解性ポリマーで置き換えられる。多孔性の生分解性材料の利用により、生物組織の生細胞が多孔性構造体の中で成長しそこを占有することが可能になり、これにより、小さい生物組織の薄片を大きな生物組織の厚板形状に成長することが可能になる。生分解性材料は、生物組織薄片をカプセルに入れる前に幹細胞または祖先細胞で種蒔きされることができる。この構成において、幹細胞または祖先細胞は細胞源を増殖のために供給でき、そして肝臓薄片は細胞に対して分化のための信号を出す。より大きな生物組織の厚板に成長するために上記方法を使用して、その方法は、損傷した器官部品を代替するためのバイオ人口肝臓またはその他の生物組織の設計応用に使用することができる。
【0018】
ここで使用した見出し(例えば、「発明の背景」および「発明の要約」のようなもの)は、発明の開示の中の題材を一般的な構成にすることだけを目的とし、本発明の開示または発明の態様の制限を目的とする物ではない。特に、「発明の背景」に開示された題材は、発明の対象範囲内の技術の態様を挙げるかもしれないが、従来技術の復唱を構成するのではない。「発明の要約」に開示された題材は、本発明の完全な適用範囲またはそのあらゆる実施形態の徹底的なまたは完全な開示では無い。
【0019】
ここでの参照の引用は、これらの参照が従来技術であること、またはここで開示した本発明の特許性の全てに関連することの承認を構成するのではない。本明細書に引用した全ての参照は、それらの全体を参照により本願に取り込む。
【0020】
本発明の実施形態に示している記述および特定の実施例は、例証だけの目的を意図し、本発明の適用範囲の制限を意図しない。さらに、特徴を述べている多数の実施形態の復唱は、追加的な特徴があるその他の実施形態、または言及された特徴の異なった組み合わせを取り込んだその他の実施形態、を除外することを目的としない。特定の実施例は、組成物の作り方、使用法、および活用法および本発明の方法の例示を目的として提供される。そして、他に明確な言及がなければ、本発明にある実施態様が持つまたは持たない、作成したまたは試験をしたという陳述であるとは意図しない。
【実施例】
【0021】
以下の実施例は、本発明の例証を目的とし、発明の有効範囲を制限する目的ではない。
(第1実施形態)
トリパンブルーを使用した潅流の研究
厚い生物組織薄片の長期間の生物組織培養は、常に生物組織薄片の組織エンジニアリングにおける至高の目標である。厚い生物組織薄片は、良好な組織形態と機能性を有すると示されている(シゲマツ(Shiegematsu)ら、Experimental and Molecular Pathology、第69巻、119〜143ページ(2000年))、しかし培養存続期間は物資移動限界により限定される。動的培養の利用により、物質移動は高められるが、生物組織は機械的侵食や損傷を受ける。生物組織薄片をアガロースに埋め込むことで生物組織を保護すると示され、これにより生存能力および機能性が生物組織の生存期間延長まで改善される(ノナカ(Nonaka)ら、Cell Transplantation 第12巻、494〜498ページ(2003年))。本実施例により、単動ミクロ化針が静的および埋めこみ条件下で厚い肝臓薄片を潅流するためにどのように使用されるかが例証される。
【0022】
37℃の4%ホルマリンで潅流された肝臓に、フェノバルビトン・ナトリウムを使用して麻酔をかけ、0.5mLのヘパリンを注射したオスのウィスターラットから開削した。肝臓サンプルから生物組織の筒体を、モータ駆動の生物組織穴あけ装置の8mm直径の穴あけ用具を使用して調製した。生物組織薄片を、ビブラトーム(DTK−1000、ペルコ国際、レディング市、米国)を使用して2mmに精密カットした。10%トリパンブルー染色液を、2mm厚さの生物組織の中に図1に示した構成を使用して潅流した。
【0023】
図2に、トリパンブルーで5分潅流された2mm厚さの生物組織を示す。図2(c)に見られるように、染料は特に針の穿孔点で生物組織の全断面に浸透した。同様な構成を使用して、潅流が1時間行われた場合、生物組織の全体がトリパンブルーで染色された(図3)。単動針使用により物質移動効率の増進が示めされるので、微細針配列の利用により高効率が達成され、未潅間流領域をなくすことができる。
【0024】
(第2実施形態)
潅流により、Rho 6Gを使用して肝臓薄片の生存能力との相互関係を研究した。栄養剤および廃棄物の除去の物質移動の増進は、しばしば生細胞よび生物組織の生存能力および機能性の向上と相互関連がある。実施例1には、どのようにして、単動微細針が存在する微細血管とのインターフェイスによる接続に使用され、そしてそれにより類洞経路を通して潅流するかが例証される。本実施例は、肝臓薄片の生存能力に対する改善した潅流と物質移動の間の相互関係を例証することを目的とする。
【0025】
4℃のUW溶液で潅流された肝臓に、フェノバルビトン・ナトリウムを使用して麻酔をかけ、0.5mLのヘパリンを注射したオスウイスターラット(体重約250g)から開削した。肝臓サンプルから生物組織の筒体を、モータ駆動の生物組織穴あけ装置の8mm直径の穴あけ用具を使用して調製した。生物組織薄片を、クラムディーク(Krumdieck)スライサー(アラバマ研究開発(Alabama Research and Development)、ドイツ)を使用して300μmに精密カットした。薄片を、図4に図示したように静的条件および揺動条件(リーマン(Leeman)ら、Toxicity in Vitro、第9巻、291〜298ページ(1995年))下で培養した;100U/mLペニシリンで栄養補助したHepatozym−SFM(Gibcoラボラトリーズ)、100ug/mLストレプトマイシン、0.1uMデキサメタゾン、20ng/mL EGF および100uMインスリン。両システムを、37℃、95%O, 5%COで保温培養した。生物組織を、−1時間(予備培養前)、0時間(予備培養後)、3時間、6時間および24時間の間隔で保温培養から取り出し、MTTを使用して分析試験した。固定化肝臓サンプルを、実施例に記述されたのと同様な方法を使用して得た。生物組織薄片を、クラムディーク(Krumdieck)スライサー(アラバマ研究開発(Alabama Research and Development)、ドイツ)を使用して300μm、またはビブラトーム(DTK−1000、ペルコ国際、レディング市、米国)を使用して2mm、に精密カットした。2mLの100μM Rho6G染料を、図1に示されたような装置を使用して2mm厚さの生物組織の中に潅流した。拡散性研究を、静的および揺動条件下で300μmおよび2mmの薄片を3mLの100μM 6Gの中の保温培養で行った。染色された薄片を、共焦点顕微鏡(ツアイス(Zeiss)LSM510)の下で、10倍対物レンズを使用し、励起波長および発光波長をそれぞれ543nmおよび565nmにして像作成した。各々の生物組織薄片に対して、76光学セクションのスタックを2μm増分毎に捕獲した(各スタックの全体厚さは150μm)。
【0026】
図5の中で、揺動条件下の保温培養が生物組織の生存、特に24時間培養で生存を改善することが観察される。改善された生存能力は、図6に例示したようにRho6Gを使用した類似の拡散性調査により生物組織中への栄養剤の拡散と関連付けることができる。この図には、静的および揺動的の両条件に対して保温培養1時間後で染料の生物組織中への浸透があることが示される。静的条件では、染料は、生物組織の表面から短い距離で集積しているように見え、従って薄くて高い蛍光放射層が与えられる。比較の揺動システムでは、染料の浸透は多く拡散していて、低い強度だが厚い蛍光放射層という結果になる。
【0027】
この相互関係を使用して、2mm厚さの肝臓薄片の針潅流における同様な拡散性研究を(図7に例示したように)行った。微細針の使用により、染料が少なくとも揺動システムに匹敵する深さに浸透可能な結果が示される。これは生物組織の上面および底面の両方で厚い広がった蛍光放射層で例証される。針潅流は、揺動システムと比較して厚い生物組織の部分を潅流できるという顕著な利点も有する。図7(c)および(d)に示されるように、針潅流された生物組織の上面層は均一に染色されるが、揺動培養された生物組織は非常に薄く染色される。
【0028】
上記研究により、単動ミクロサイズの針は、生物組織薄片に存在する微細血管とのインターフェイスによる接続に使用可能であり、従って栄養剤配送および廃棄物除去のために効率よく潅流することができる。効率は、微細針の配列統合により更に増進することができる。さらに、微細針の潅流により、厚い生物組織に対する物質移動限界を無くしたプラットフォームが提供され、その結果、厚い生物組織部分の生存が長期間の培養に渡って改善される。
【0029】
オプションとしてPDMSチャンバー中に生物組織を埋め込むことにより、例えば、生物組織の表面を機械的磨耗および損傷から保護し、崩壊生物組織に終わる事がありうる表面からのアポトーシス信号を減少することができる。
【0030】
(第3実施形態)
微細針チャンバーを使用した潅流
実施例1および実施例2には、単動微細針を使用する肝臓薄片の潅流が示めされる。本実施例では、組み立てられた微細針チャンバーを使用する肝臓薄片の潅流が例示される。
【0031】
方法論
微細針チャンバーの組み立て。微細針チャンバーは4部品で構成される(図8)。
部品1― ベース:この部品は22m×22mmのカバースリップおよびPDMS膜を支持するよう設計される。
【0032】
部品2― PDMS膜:この膜は8mmの生物組織薄片を支持するよう設計される。
部品3― 微細針プラットフォーム:4針で構成される微細針配列がこのプラットフォームの中にCNC製作される。
【0033】
部品4― トップカバー:トップカバーはチャンバーを封じ込め、そして潅流循環路に結合できるよう設計される。
微細針チャンバーおよびその組み立ての概略表示は図9に示したようである。チャンバーはM4ネジを使用して一緒に固定され、そして図10に示したように潅流循環路に結合される。液剤は、ぜん動ポンプ(P−1、アマーシャム(Amersham))により液溜から揚水され、中央部の入り口を経由してチャンバーに入り、その脇の出口経由で排出され、そして液溜に戻る。
【0034】
拡散性研究
肝臓薄片を、ウイスターラット(250―300g)からUW溶液潅流した肝臓を開削して調製し、クラムディーク(Krumdieck)スライサー(アラバマ研究開発(Alabama Research and Development)、ドイツ)を使用して900μmにスライスする。3mLの100μMローダミン(Rhodamine)6G染料または10%トルパンブルーを、900μm厚さの生物組織薄片の中に、上記セットアップを使用して1時間潅流した。静的試験の対照物を、900μmの生物組織薄片を3mLのローダミン(Rhodamine)6Gの中で保温培養して準備した。ローダミン6G染色した薄片を、共焦点顕微鏡(ツアイス(Zeiss)LSM510)の下で、10倍対物レンズを使用し、励起波長および発光波長をそれぞれ543nmおよび565nmにして画像作成した。各々の生物組織薄片に対して、76光学セクションのスタックを2μm増分毎に捕獲した(各スタックの全体厚さは150μm)。
【0035】
図11は、900μmの肝臓薄片に微細針チャンバーを使用して10%トリパンブルーを潅流した拡散性試験結果を示す。図11aで示されるように生物組織の上面は完全に潅流され、一方生物組織の底面(図11b)は部分的に潅流される。この生物組織の断面(図11cおよび11dに示されるように)により、染料は生物組織のより深い層に侵入していることが示される(注:図中の小矢印で指示したように幾つかの領域はまだ潅流されていない)。
【0036】
潅流システムのローダミン(Rhodamine)6Gの拡散性研究および静的培養の結果は図12に示される。微細針の潅流システムを使用する生物組織中への拡散により、染料は肝臓薄片中に侵入していることが示される。静的培養と比較して、微細針のシステムにおける染料の侵入は、より多く拡散し静的培養よりもより深く侵入していると観察される。
【0037】
本実施例により、微細針配列を微細針チャンバーに組み立て製作し、厚い生物組織薄片を潅流するために利用する可能性が示される。拡散性研究により、染料の侵入が静的培養と比較して改善され、従って物質移動における向上を例証することが示される。
【0038】
本願に引用した全ての参照は、そっくり参照により本明細書に取り込む。本明細書中の参照についての議論は、それらの著者によりなされた主張を単に要約することを目的とし、どの参照も特許性に関連する従来技術を制定しないことが承認される。出願人は、引用した参照の正確さおよび適切さを問う権利を保有する。
【0039】
熟練した本技術分野の技術者は、以下に記述する図面が例証目的だけであることを理解する。図面が、どんな形であれ本教示内容の範囲を制限することを目的としない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施例1に使用される、本発明の例示システムである。
【図2】単動の30G針を使用して10%トリパンブルーで5分間潅流した、2mm厚さの生物組織薄片の図である。(a)生物組織の上面、(b)生物組織の下面、(c)針穿孔点での生物組織の横断平面。
【図3】単動の30G針を使用して10%トリパンブルーで5分間潅流した、2mm厚さの生物組織薄片の図である。(a)生物組織の底面(完全潅流した)、(b)生物組織の上面、(c)断面概略図、(d)A(L)の断面、(e)A(M)の断面、(f)B(M)の断面、および(g−h)B(R)の断面。
【図4】保温培養システムの図であり、(a)静止システム、(b)揺動運動の器官培養。
【図5】MTTアッセイを用いる、異なった保温培養システムの影響(静止システムおよび揺動システム)の図である。薄片を、UW溶液で潅流され、クラムディーク(Krumdieck)スライサーを使用して300μmに精密カットし、1時間予備培養した。
【図6】共焦顕微鏡を用いて(励起:543nmおよび発光:560nm)捕獲した、100uMロー6Gで染色した厚さ300μmの生物組織の図である。各スタックは2μm毎に捕獲された150μmの光切片である。(a)および(c)は揺動条件下で染色され、そして(b)および(d)は静止拡散条件下で染色された。(a−b)の画像は生物組織の底面層から、そして(c−d)は生物組織の上面層から得た。
【図7】共焦顕微鏡を用いて(励起:543nmおよび発光:560nm)捕獲した、100uMロー6Gで染色した厚さ2mmの生物組織の図である。各スタックは2μm毎に捕獲された150μmの光切片である。(a)および(c)は単動針潅流を使用して染色され、そして(b)および(d)は揺動条件下で染色された。(a−b)の画像は生物組織の底面層から、そして(c−d)は生物組織の上面層から得た。(a−b)の画像は生物組織の底面層から、そして(c−d)の画像は生物組織の上面層から得た。
【図8】a)微細針のチャンバーの構成要素、b)パート1-ベース、c)パート2―PDMS膜、d)パート3―微細針のプラットフォーム、e)パート4―トップカバーの図である。
【図9】微細針装置の概略図および組立図である。
【図10】セットアップした微細針装置である。
【図11】10%トリパンブルーで潅流した900μmの肝臓薄片の図であり、(a)肝臓薄片の上面、(b)肝臓薄片の底面であり、断面のカッテイング線を示してある、(c)肝臓薄片の左側(L)、(d)肝臓薄片の右側(R)。小矢印は潅流で取り残した領域を示す。
【図12】10%トリパンブルーで潅流した900μmの肝臓薄片の図であり、(a)肝臓薄片の上面、(b)肝臓薄片の底面であり、断面のカッテイング線を示してある、(c)肝臓薄片の左側(L)、(d)肝臓薄片の右側(R)。小矢印は潅流で取り残した領域を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物組織を包蔵するチャンバー、
チャンバーと結合した液剤流出口、
チャンバーと結合した液剤流入口、および
各々が末口を備える一個以上の微細針であって、前記末口は前記流入口の周囲に位置決めされ、生物組織の一部分の中に液剤を注入するように構成されている微細針、
を備える生物組織システム。
【請求項2】
前記流入口、前記チャンバー、および前記流出口が前記生物組織を通して液剤の連続流れを設けるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記連続流れが生体内の血流動態流量と実質的に等価である流量を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記連続流れが前記生体内の血流動態圧力と実質的に等価である圧力を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記連続流れが所定の設定値に調節可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記連続流れの再循環流れを設けるように構成されている再循環システムを更に備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記チャンバーを区画するハウジングを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ハウジングはポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ハウジングは生分解性ポリマーを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
一個以上の前記微細針が流体的に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
トップカバー、
前記一個以上の前記微細針を備える微細針部分、および
ベースを更に備え、
前記微細針部分は前記トップカバーと前記ベースとの間に結合され、前記チャンバーが、前記トップカバー、微細針部分、および前記ベース部の結合により形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記生物組織を支持するよう構成される膜部分をさらに備え、前記膜部分が微細針部分と前記ベース部分との間に配置される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記膜部分がポリジメチルシロキサン(PDMS)および生分解性ポリマーの少なくとも1つを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
一個以上の前記微細針がシリコンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
一個以上の前記微細針が生分解性ポリマーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記生物組織が肝臓組織である、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記液剤が肝臓類洞の中に注入される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記生物組織が副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、子宮組織からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
一個以上の生物組織を包蔵するための少なくとも一個のチャンバー、
少なくとも一個のチャンバーと結合した一個以上の液剤流出口、
少なくとも一個のチャンバーと結合した一個以上の液剤流入口、および
各々が末口を備える一個以上の微細針であって、前記末口が一個以上の前記流入口の周囲に位置決めされ、一個以上の前記生物組織の一部分の中に液剤を注入するように構成されている微細針、
を備える生物組織システム。
【請求項20】
一個以上の前記流入口、少なくとも一個の前記チャンバー、および一個以上の前記流出口が、前記生物組織を通して前記液剤の連続流れを設けるように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記連続流れが実質的に生体内の血流動態流量と等価である流量を有する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記連続流れが実質的に生体内の血流動態圧力と等価である圧力を有する、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記連続流量が所定の設定に調節可能である、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記連続流れの再循環流れを設けるように構成されている再循環システムを更に備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
少なくとも一個のチャンバーを区画するハウジングを更に備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記ハウジングがポリヂメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ハウジングが生分解性ポリマーを備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
二個以上の前記微細針が流体的に結合される、請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
二個以上の前記流入口が流体的に結合される、請求項19に記載のシステム。
【請求項30】
二個以上の前記流出口が流体的に結合される、請求項19に記載のシステム。
【請求項31】
一個以上の前記流出口の少なくとも一個が、一個以上の前記流入口の少なくとも一個と流体的に結合された結果、二個以上の生物組織が流体的に結合される、請求項19に記載のシステム。
【請求項32】
トップカバー、
一個以上の微細針を備える微細針部分、および
ベースを更に備えるシステムであって、その中で前記微細針部分は前記トップカバーと前記ベースとの間で結合され、少なくとも一個の前記チャンバーが、前記トップカバー、前記微細針部分および前記ベースの結合によって形成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項33】
一個以上の前記生物組織を支持するよう構成され、前記微細針部分と前記ベース部分との間に位置する少なくとも一個の膜部分を更に備える、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記膜部分が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜および生分解性ポリマーの中の少なくとも1つを備える、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
一個以上の前記微細針がシリコンを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項36】
一個以上の前記微細針が生分解性ポリマーを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項37】
一個以上の前記生物組織が肝臓組織である、請求項19に記載のシステム。
【請求項38】
前記液剤が肝臓類洞の中に注入される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
一個以上の前記生物組織の各々が、副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、および子宮組織からなる群から独立して選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項40】
一個以上の生物組織を包蔵するための少なくとも一個のチャンバー、
少なくとも一個の前記チャンバーと流体的に結合する一個以上の流出口、
少なくとも一個の前記チャンバーと流体的に結合する一個以上の流入口、および
各々が末口を備える一個以上の微細針であって、前記末口が一個以上の前記流入口の周囲に位置設定して一個以上の前記生物組織の一部分の中に液剤を注入するように構成され、一個以上の前記流入口、少なくとも一個の前記チャンバー、および一個以上の前記流出口が一個以上の前記生物組織を通して連続流れを設けるように構成されている微細針、
を備える生物組織システム。
【請求項41】
生物組織を包蔵するためのチャンバー、
前記チャンバーと流体的に結合する流出口、
前記チャンバーと流体的に結合する流入口、および
各々が末口を備える一個以上の微細針であって、前記末口が前記流入口の周囲に位置設定して前記生物組織の一部分の中に液剤を注入するように構成され、前記流入口、前記チャンバー、および前記流出口が前記生物組織を通して連続流れを設けるように構成されている微細針、
を備える生物組織システム。
【請求項42】
前記連続流れが実質的に生体内の血流動態流量と等価である流量を有する、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記連続流れが実質的に生体内の血流動態圧力と等価である圧力を有する、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記連続流量が所定の設定に調節可能である、請求項41に記載のシステム。
【請求項45】
前記連続流れの再循環流れを設けるように構成されている再循環システムを更に備える、請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
前記チャンバーを区画するハウジングを更に備える、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記ハウジングがポリヂメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記ハウジングが生分解性ポリマーを備える、請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
一個以上の前記微細針が流体的に結合される、請求項46に記載のシステム。
【請求項50】
トップカバー、
一個以上の微細針を備える微細針部分、および
ベースを更に備えるシステムであって、
前記微細針部分は前記トップカバーと前記ベースとの間で結合され、前記チャンバーが前記トップカバー、前記微細針部分および前記ベースの結合によって形成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項51】
前記生物組織を支持するよう構成され、前記微細針部分と前記ベース部分との間に位置する膜部分を更に備える、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記膜部分が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜および生分解性ポリマーの中の少なくとも1つを備える、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記微細針がシリコンを備える、請求項41に記載のシステム。
【請求項54】
前記微細針が生分解性ポリマーを備える、請求項41に記載のシステム。
【請求項55】
前記生物組織が肝臓組織である、請求個41に記載のシステム。
【請求項56】
前記液剤が肝臓類洞の中に注入される、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記生物組織が、副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、および子宮組織からなる群から選択される、請求項41に記載のシステム。
【請求項58】
複数のチャンバーを区画するハウジングであって、各々の前記チャンバーが生物組織を包蔵するように構成されるとともに前記チャンバーに各々が流体的に結合される流出口および流入口を備えるハウジング、および
各々の流入口およびチャンバーに関連する一個以上の微細針であって、末口およびベース端を備え、前記末口が関連する前記流入口の周囲に位置決めされ、関連する生物組織の一部分の中に液剤を注入するよう構成されている前記微細針、
を備える生物組織システム。
【請求項59】
各々の前記流出口が流体的に結合される、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
各々の前記流入口が流体的に結合される、請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記流入口、前記チャンバー、および前記流出口が、前記生物組織を通して液剤の連続流れを設けるように構成されている、請求項58に記載のシステム。
【請求項62】
前記連続流れが実質的に生体内の血流動態流量と等価である流量を有する、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記連続流れが実質的に生体内の血流動態圧力と等価である圧力を有する、請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記連続流量が所定の設定に調節可能である、請求項61に記載のシステム。
【請求項65】
前記連続流れの再循環流れを設けるように構成されている再循環システムを更に備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項66】
第一の微細針が第二の微細針に流体的に結合される、請求項58に記載のシステム。
【請求項67】
複数の前記チャンバーの中の一個以上が前記流出口と流体的に結合される、請求項58に記載のシステム。
【請求項68】
前記ハウジングがポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項58に記載のシステム。
【請求項69】
前記ハウジングが生分解性ポリマーを備える、請求項58に記載のシステム。
【請求項70】
トップカバー、
一個以上の微細針を備える微細針部分、および
ベースを更に備えるシステムであって、
前記微細針部分は前記トップカバーと前記ベースとの間で結合され、前記チャンバーが前記トップカバー、前記微細針部分および前記ベースの結合によって形成される、請求項58に記載のシステム。
【請求項71】
前記生物組織を支持するよう構成され、前記微細針部分と前記ベース部分との間に位置する膜部分を更に備える、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記膜部分が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜および生分解性ポリマーの中の少なくとも1つを備える、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
一個以上の前記微細針がシリコンを備える、請求項58に記載のシステム。
【請求項74】
一個以上の前記微細針が生分解性ポリマーを備える、請求項58に記載のシステム。
【請求項75】
前記生物組織が肝臓組織である、請求項58に記載のシステム。
【請求項76】
前記液剤が肝臓類洞の中に注入される、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記生物組織が、副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、および子宮組織からなる群から選択される、請求項58に記載のシステム。
【請求項78】
複数のチャンバーを区画するハウジングであって、各々のチャンバーが生物組織を包蔵するとともに、前記チャンバーに流体的に結合される各々の流出口および流入口を備え、前記流入口、前記チャンバー、および前記流出口が前記生物組織を通して液剤の連続流れで設けるように構成されているハウジング、および
各々の流入口およびチャンバーと関連する一個以上の前記微細針であって、末口およびベース端を備え、前記末口が関連する前記流入口の周囲に位置決めされ、関連する生物組織の一部分の中に液剤を注入するよう構成されている前記微細針、
を備える生物組織システム。
【請求項79】
複数の前記チャンバーを区画するハウジングであって、各々のチャンバーが一個以上の生物組織を包蔵するとともに、複数の前記チャンバーに流体的に結合される一個以上の流出口および一個以上の流入口を備えるハウジング、および
各々の流入口およびチャンバーと関連する一個以上の前記微細針であって、末口およびベース端を備え、前記末口が関連する前記流入口の周囲に位置決めされ、一個以上の生物組織の一部分の中に液剤を注入するよう構成されている前記微細針、
を備える生物組織システム。
【請求項80】
トップカバー、
ベース、
末口およびベース端を有する一個以上の微細針を備える微細針部分であって、前記トップカバーと前記ベースとの間で結合される前記微細針部分、
前記トップカバー、前記微細針部分、および前記ベースにより区画され、生物組織を包蔵するチャンバー、
前記チャンバーと結合される液剤流出口、および
前記チャンバーと結合される液剤流入口、
を備える生物組織システムであって、一個以上の前記微細針の前記末口が前記流入口の周囲に位置決めされ、前記チャンバーにより包蔵される生物組織の一部分に液剤を注入するように構成される生物組織システム。
【請求項81】
前記生物組織を支持するように構成され、膜部分が前記微細針部分と前記ベース部分の間に位置決めされた、前記膜部分を更らに備える、請求項80のシステム。
【請求項82】
前記流入口、前記チャンバー、および前記流出口が、前記生物組織を通して液剤の連続流れを設けるように構成される、請求項80に記載のシステム。
【請求項83】
前記連続流れが実質的に生体内の血流動態流量と等価である流量を有する、請求項82に記載のシステム。
【請求項84】
前記連続流れが実質的に生体内の血流動態圧力と等価である圧力を有する、請求項83に記載のシステム。
【請求項85】
前記連続流れの再循環流れを設けるように構成されている再循環システムを更に備える、請求項82に記載のシステム。
【請求項86】
前記チャンバーを区画するハウジングを更に備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項87】
前記膜部分が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜および生分解性ポリマーの中の少なくとも1つを備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項88】
一個以上の前記微細針がシリコンを備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項89】
一個以上の前記微細針が生分解性ポリマーを備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項90】
前記生物組織が肝臓組織である、請求項80に記載のシステム。
【請求項91】
前記液剤が肝臓類洞の中に注入される、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
前記生物組織が、副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、および子宮組織からなる群から選択される、請求項80に記載のシステム。
【請求項93】
トップカバー、
ベース、
末口およびベース端を有する一個以上の微細針を備える微細針部分であって、前記トップカバーと前記ベースとの間で結合される微細針部分、
前記トップカバー、前記微細針部分、および前記ベースにより区画され、一個以上の生物組織を包蔵する少なくとも一個のチャンバー、
前記チャンバーと結合される液剤流出口、および
前記チャンバーと結合される液剤流入口、
を備える生物組織システムであって、一個以上の前記微細針の前記末口が一個以上の前記流入口の周囲に位置決めされ、少なくとも一個の前記チャンバーにより包蔵される一個以上の生物組織の一部分に液剤を注入するように構成されている生物組織システム。
【請求項94】
チャンバーにより包蔵される生物組織を培養する方法であって、前記生物組織の一部分の中に液剤を注入する工程を含む方法。
【請求項95】
前記生物組織を通して液剤を連続的に流す工程を更に含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記生物組織が肝臓組織である、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記液剤が類洞の中に注入される、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記生物組織が、副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、および子宮組織からなる群から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項100】
前記液剤が酸素化液剤である、請求項94に記載の方法。
【請求項101】
前記液剤が栄養素を含有する液剤である、請求項94に記載の方法。
【請求項102】
前記液剤が、成長因子、分化因子、代謝物、ホルモンからなる群から選択される因子を所定量含む、請求項94に記載の方法。
【請求項103】
前記液剤が微細針を通して注入される、請求項94に記載の方法。
【請求項104】
前記液剤が複数の微細針を通して注入される、請求項94に記載の方法。
【請求項105】
二個以上の前記複数微細針が流体的に結合される、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記注入工程は、前記チャンバーと流体的に結合して流入口の周囲に位置する末口を備える微細針で生物組織の一部分に接触する工程を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項107】
前記生物組織をポリジメチルシロキサン(PDMS)膜と部材との間に埋め込む工程を更に含む、請求項94に記載の方法。
【請求項108】
前記部材がカバースリップである、請求項94に記載の方法。
【請求項109】
前記生物組織を膜の中に封じ込める工程を更に含む、請求項94に記載の方法。
【請求項110】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記生物組織をポリジメチルシロキサン(PDMS)膜の中に部分的に埋め込む工程を更に含む、請求項94に記載の方法。
【請求項112】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記チャンバーが膜を備える、請求項94に記載の方法。
【請求項114】
前記膜が生分解性材料を備える、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
前記再循環工程は、前記チャンバーと流体的に結合した流出口の周囲の生物組織の出口液剤を受け取る工程を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項117】
前記生物組織が予め保存された生物組織である、請求項94に記載の方法。
【請求項118】
予め保存された前記生物組織が凍結保存された生物組織である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
チャンバーに包蔵された生物組織を培養する方法であって、
生物組織の一部分の中に液剤を注入する工程と、
前記生物組織を通して連続的に前記液剤を流す工程と、
液剤の再循環を行う工程であって、チャンバーに流体的に結合した流出口の周囲の生物組織の出口液剤を受け取る工程を含む工程と、
を含む方法。
【請求項120】
少なくとも一個のチャンバーにより包蔵された複数個の生物組織を培養する方法であって、前記複数個の生物組織のそれぞれの一部分に液剤を注入する工程を含む方法。
【請求項121】
前記複数個の生物組織の中の二つ以上が流体的に結合されている、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
チャンバーにより包蔵された生物組織に物質を投与する方法であって、前記生物組織の一部分の中に前記物質を含む液剤を注入する工程を含む方法。
【請求項123】
一個以上のチャンバーにより包蔵された一個以上の生物組織を培養する方法であって、一個以上の生物組織の一個以上の部分の中に液剤を注入する工程を含む方法。
【請求項124】
前記生物組織を通して前記液剤を連続的に流す工程を更に含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記液剤を再循環する工程をさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項126】
一個以上のチャンバーにより包蔵された一個以上の生物組織を培養するように構成された配列であって、一個以上の前記生物組織の一個以上の部分の中に液剤を注入することを含む配列。
【請求項127】
前記生物組織を通して前記液剤を連続的に流すことを更に含む、請求項126に記載の配列。
【請求項128】
チャンバーにより包蔵される生物組織を潅流する方法であって、前記生物組織の一部分の中に液剤を注入する工程を含む方法。
【請求項129】
前記生物組織を通して前記液剤を連続的に流す工程を更に含む、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項95に記載の方法。
【請求項131】
前記生物組織が肝臓組織である、請求項94に記載の方法。
【請求項132】
前記液剤が類洞の中に注入される、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記生物組織が、副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、および子宮組織からなる群から選択される、請求項128に記載の方法。
【請求項134】
前記液剤が酸素化液剤である、請求項128に記載の方法。
【請求項135】
前記液剤が栄養素を含有する液剤である、請求項128記載の方法。
【請求項136】
前記液剤が、成長因子、分化因子、代謝物、ホルモンからなるグループから選択される因子を所定量含む、請求項128に記載の方法。
【請求項137】
前記液剤が微細針を通して注入される、請求項128に記載の方法。
【請求項138】
前記液剤が複数の微細針を通して注入される、請求項128に記載の方法。
【請求項139】
二個以上の前記複数微細針が流体的に結合される、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記注入工程は、前記チャンバーと流体的に結合して流入口の周囲に位置する末口を備える微細針で生物組織の一部分に接触する工程を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項141】
前記生物組織をポリジメチルシロキサン(PDMS)膜と部材との間に埋め込む工程を更に含む、請求項128に記載の方法。
【請求項142】
前記部材がカバースリップである、請求項128に記載の方法。
【請求項143】
前記生物組織を膜の中に封じ込める工程を更に含む、請求項128に記載の方法。
【請求項144】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を御備える、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記生物組織をポリジメチルシロキサン(PDMS)膜の中に部分的に埋め込む工程を更に含む、請求項128に記載の方法。
【請求項146】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記チャンバーが膜を備える、請求項128に記載の方法。
【請求項148】
前記膜が生分解性材料を備える、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項147に記載の方法。
【請求項150】
前記再循環工程は、前記チャンバーと流体的に結合した流出口の周囲の生物組織の出口液剤を受け取る工程を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項151】
前記生物組織が予め保存された生物組織である、請求項128に記載の方法。
【請求項152】
予め保存された前記生物組織が凍結保存された生物組織である、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
チャンバーにより包蔵された生物組織を潅流する方法であって、
前記生物組織の一部分の中に液剤を注入する工程、および
前記生物組織を通して連続的に前記液剤を流す工程
を含む方法。
【請求項154】
前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項153に記載の方法。
【請求項155】
前記再循環工程は、チャンバーに流体的に結合した流出口の周囲の生物組織の出口液剤を受け取る工程を含む、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
少なくとも一個のチャンバーにより包蔵された複数の生物組織を潅流する方法であって、前記複数の生物組織のそれぞれの少なくとも一個の部分の中に液剤を注入する工程を含む方法。
【請求項157】
前記複数の生物組織を通して前記液剤を連続的に流す工程を更に含む、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記再循環工程は、チャンバーに流体的に結合した流出口の周囲の生物組織の出口液剤を受け取る工程を含む、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記複数の生物組織の中の二個以上が流体的に結合される、請求項156に記載の方法。
【請求項161】
液剤で生物組織を潅流する方法であって、
チャンバーと流体的に結合した流出口、前記チャンバーに流体的に結合した流入口、および前記流入口の周囲に位置する少なくとも一個の微細針を備えるチャンバーの中に前記生物組織を包蔵する工程、および
前記生物組織の少なくとも一部分の中に前記液剤を注入する工程であって、少なくとも一個の微細針を前記生物組織に接触する工程を含む工程、
を含む方法。
【請求項162】
前記生物組織を通して前記液剤を連続的に流す工程を更に含む、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記生物組織を膜の中に封じ込める工程を更に含む、請求項161に記載の方法。
【請求項165】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜である、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記膜が生分解性ポリマーを備える、請求項164に記載の方法。
【請求項167】
前記生物組織を膜の中に部分的に埋め込む工程を更に含む、請求項161に記載の方法。
【請求項168】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記膜が生分解性ポリマーを備える、請求項167に記載の方法。
【請求項170】
前記生物組織が肝臓組織である、請求項161に記載の方法。
【請求項171】
前記液剤が類洞野中に注入される、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
前記生物組織が、副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、および子宮組織からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項173】
液剤で二個以上の生物組織を潅流する方法であって、
少なくとも一個のチャンバーと流体的に結合した一個以上の流出口、少なくとも一個の前記チャンバーに流体的に結合した一個以上の前記流入口を備える少なくとも一個の前記チャンバー、および一個以上の前記流入口の各々のの周囲に位置設定した少なくとも一個の微細針を備える少なくとも一個の前記チャンバーの中に二個以上の前記生物細胞を包蔵する工程、ならびに
少なくとも一個の微細針を二個以上の前記生物組織の各々に接触する工程を含む、二個以上の前記生物組織の中の各々の少なくとも一部分の中に前記液剤を注入する工程、
を含む方法。
【請求項174】
二個以上の生物組織を通して前記液剤を連続的に流す工程を更に含む、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
二個以上の前記生物組織の中のそれぞれが肝臓組織である、請求項173に記載の方法。
【請求項177】
二個以上の流入口が流体的に結合される、請求項173に記載の方法。
【請求項178】
二個以上の流出口が流体的に結合される、請求項173に記載の方法。
【請求項179】
前記流れには、二個以上の前記生物組織の中の少なくとも二個が流体的結合されることにより、前記液剤を一個以上の前記流出口の中の少なくとも一個から、一個以上の前記流入口の中の少なくとも一個へ流す工程を含む、請求項174に記載の方法。
【請求項180】
少なくとも一個の前記部分が類洞である、請求項176に記載の方法。
【請求項181】
複数の前記生物組織のそれぞれが、副腎、膀胱、脳、結腸、眼、心臓、腎臓、肝臓、肺臓、卵巣、膵臓、前立腺、皮膚、小腸、脾臓、胃腸、精巣、胸腺、腫瘍、および子宮組織からなる群から独立して選択される、請求項174に記載の方法。
【請求項182】
チャンバーにより包蔵される生物組織に対する影響を分析する方法であって、
生物組織の中に因子を含む液剤を注入する工程、および
前記因子の影響を測定するための分析評価する工程
を含む方法。
【請求項183】
前記注入工程は、一個以上の前記チャンバーに流体的に結合した流出口を備えた一個以上の前記チャンバーにおいて、一個以上の前記微細針を前記チャンバーに流体的に結合した一個以上の流入口の周囲に位置決めされ、前記生物組織の一個以上の部分各々が末口を備える一個以上の微細針に接触する工程を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項184】
前記生物組織を通して前記液剤の連続流れを設ける工程を更に含む、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記膜がポリジメチルシロキサン(PDMS)膜を備える、請求項182に記載の方法。
【請求項187】
前記チャンバーが膜を備える、請求項182に記載の方法。
【請求項188】
前記膜が生分解性材料を備える、請求項187に記載の方法。
【請求項189】
前記因子が、化合物、酸素分圧、温度、およびせん断流れからなる群から選択される、請求項182に記載の方法。
【請求項190】
前記分析評価には生物組織の顕微鏡分析を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項191】
前記顕微鏡分析が、細胞ストレス、毒性係数、細胞生存能力、細胞死からなるグループから選択される信号の存在を確定することを含む、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
前記分析評価は、前記生物組織を組織化学的に染色する工程を含む、請求項190に記載の方法。
【請求項193】
前記分析評価は、生体分子の分泌または代謝を測定する工程を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項194】
前記分析評価は、タンパク質の発現または活性化を測定する工程を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項195】
前記分析評価は、酸素分圧、温度、またはせん断流れを測定する工程を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項196】
前記分析評価は、遺伝子の発現を測定する工程を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項197】
前記分析評価は、代謝物の細胞内水準を測定する工程を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項198】
前記生物組織が肝臓組織である、請求項193に記載の方法。
【請求項199】
前記分子が尿素またはアンモニアである、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
一個以上の部分が類洞を含む、請求項183に記載の方法。
【請求項201】
前記タンパク質が肝臓アルブミン、βガラクトシダーゼ、サイトクロームP450からなる群から選択される、請求項198に記載の方法。
【請求項202】
前記生物組織に一個以上の核酸を導入する工程を更に含む、請求項182に記載の方法。
【請求項203】
前記生物組織に一個以上の病原菌を感染させる工程を更に含む、請求項182に記載の方法。
【請求項204】
一個以上の前記病原菌が、バクテリア、ウイルス、および酵母菌からなる群から各々独立して選択される、請求項203に記載の方法。
【請求項205】
一個以上の核酸の各々が、アルブミン、βガラクトシダーゼ、サイトクロームP450、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、スルホトランスフェラーゼ、N−アセチルトランスフェラーゼからなる群から独立して選択される核酸である、請求項202に記載の方法。
【請求項206】
前記因子の影響が前記生物組織の少なくとも一個の細胞による因子または分析物質の吸収である、請求項182に記載の方法。
【請求項207】
前記因子の影響が前記生物組織の少なくとも一個の細胞の中における因子または分析物質の分布である、請求項182に記載の方法。
【請求項208】
前記因子の影響が前記生物組織の少なくとも一個の細胞による因子または分析物質の代謝である、請求項182に記載の方法。
【請求項209】
前記因子の影響が前記生物組織の少なくとも一個の細胞の中の細胞膜に対する因子または分析物質の通過性である、請求項182に記載の方法。
【請求項210】
前記因子の影響が前記生物組織の少なくとも一個の細胞による因子または分析物質の排泄または分泌である、請求項182に記載の方法。
【請求項211】
前記因子の影響が前記生物組織の少なくとも一個の細胞に対する因子または分析物質の毒性である、請求項182に記載の方法。
【請求項212】
前記分析評価はバイオイメージング工程を含む、請求項182に記載の方法。
【請求項213】
前記バイオイメージング工程は、共焦点顕微鏡検査を実行する工程を含む、請求項212記載の方法。
【請求項214】
前記バイオイメージング工程は、多光子顕微鏡検査を実行する工程を含む、請求項212記載の方法。
【請求項215】
前記因子が蛍光標識である、請求項182に記載の方法。
【請求項216】
一個以上のチャンバーにより包蔵される一個以上の生物組織の一個以上の因子の影響を分析評価する方法であって、
一個以上の前記生物組織の中に一個以上の前記因子を含む一個以上の液剤を注入する工程、および
一個以上の因子の影響を測定して分析評価する工程、
を含む方法。
【請求項217】
前記注入工程は、一個以上の前記チャンバーに流体的に結合した流出口を備えた一個以上の前記チャンバーにおいて、一個以上の前記微細針を前記チャンバーに流体的に結合した一個以上の流入口の周囲に位置決めされ、各々に末口を備える一個以上の微細針によって前記生物組織の一個以上の部分に接触する工程を含む、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
前記生物組織を通して一個以上の前記液剤の連続流れを設けるように一個以上の前記液剤を流す工程を更に含む、請求項217に記載の方法。
【請求項219】
一個以上の前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項218に記載の方法。
【請求項220】
チャンバーにより包蔵された生物組織を成育する方法であって、生物組織の中に液剤を注入する工程を含む方法。
【請求項221】
前記注入工程は、一個以上の前記チャンバーに流体的に結合した一個以上の流出口を備えた前記チャンバーにおいて、一個以上の前記微細針を前記チャンバーに流体的に結合した一個以上の流入口の周囲に位置決めされ、各々に末口を備える一個以上の微細針によって前記生物組織の一個以上の部分に接触することを含む、請求項220に記載の方法。
【請求項222】
前記生物組織を通して前記液剤を連続的に流す工程を更に含む、請求項221に記載の方法。
【請求項223】
前記液剤を再循環する工程を更に含む、請求項222に記載の方法。
【請求項224】
前記生物組織を幹細胞または前駆細胞と共に共培養する工程を更に含む、請求項220に記載の方法。
【請求項225】
幹細胞または前駆細胞の細胞分化を促進するように分化信号を供給する工程を更に含む、請求項224に記載の方法。
【請求項226】
前記生物組織が予め保存された生物組織である、請求項220に記載の方法。
【請求項227】
予め保存された前記生物組織が凍結保存された生物組織である、請求項226に記載の方法。
【請求項228】
前記供給工程が前記液剤に分化信号を追加する工程を含む、請求項225の方法。
【請求項229】
前記液剤が酸素化液剤である、請求項220に記載の方法。
【請求項230】
前記液剤が栄養剤含有の液剤である、請求項220に記載の方法。
【請求項231】
前記液剤が培養液である、請求項220に記載の方法。
【請求項232】
前記液剤が成長因子の有効量を含む、請求項220に記載の方法。
【請求項233】
前記生物組織をポリジメチルシロキサン(PDMS)膜と部材の間に埋め込む工程を更に含む、請求項220に記載の方法。
【請求項234】
前記部材がカバースリップである、請求項233に記載の方法。
【請求項235】
一個以上のチャンバーにより包蔵された一個以上の生物組織を成育するように構成された配列であって、前記生物組織の中に液剤を注入することを含む配列。
【請求項236】
前記注入することは、一個以上の前記チャンバーに流体的に結合した一個以上の流出口を備えた一個以上の前記チャンバーにおいて、一個以上の前記微細針を前記一個以上のチャンバーに流体的に結合した一個以上の流入口の周囲に位置決めされ、前記生物組織の一個以上の部分各々に末口を備える一個以上の微細針に接触することを含む、請求項235に記載の方法。
【請求項237】
前記生物組織を通して前記液剤を連続的に流すことを更に含む、請求項236に記載の方法。
【請求項238】
一個以上の生物組織を包蔵するために少なくとも一個のチャンバー、
少なくとも一個の前記チャンバーに流体的に結合した一個以上の流出口、
少なくとも一個の前記チャンバーに流体的に結合した一個以上の流入口、
および
各々が末口を備える一個以上の微細針であって、一個以上の流入口の周囲に末口が位置決めされ、一個以上の生物組織の一個以上の部分の中に液剤を注入するように構成されている微細針、
を備えた生物組織システムにおける使用のために構成された一個以上の前記生物組織を備えるキット。
【請求項239】
一個以上のチャンバーに流体的に結合した一個以上の流出口、
一個以上のチャンバーに流体的に結合した一個以上の流入口、
および
各々が末口を備える一個以上の微細針であって、一個以上の流入口の周囲に末口が位置決めされ、一個以上の生物組織の一個以上の部分の中に液剤を注入するように構成されている微細針、
を備えた生物組織システムにおける使用のために構成された一個以上のチャンバーにより包蔵された一個以上の前記生物組織を備えるキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−515457(P2008−515457A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536658(P2007−536658)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/SG2005/000346
【国際公開番号】WO2006/041414
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(506205103)エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ (26)
【氏名又は名称原語表記】AGENCY FOR SCIENCE,TECHNOLOGY AND RESEARCH
【Fターム(参考)】